JP7073853B2 - 液体排出装置 - Google Patents

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本発明は、液体を排出する液体排出装置に関する。
従来より、着脱可能なメインタンクと、装着されたメインタンクから供給されたインクを貯留するサブタンクと、サブタンクに貯留されたインクを吐出して画像を記録する画像記録ユニットとを備えるインクジェットプリンタが知られている(例えば、特許文献1)。また、上記インクジェットプリンタは、メインタンク及びサブタンクの内部空間が大気に開放されている。そのため、メインタンクをインクジェットプリンタに装着すると、メインタンクの内部空間の水頭及びサブタンクの内部空間の水頭の差(以下、「水頭差」と表記する。)によって、メインタンク及びサブタンクの液面が同一高さに揃うように、水頭圧によってインクが移動する。そして、上記インクジェットプリンタは、残量検出センサで検出したインクの残量が閾値未満になったことに応じて、ディスプレイにカートリッジ交換が必要である旨を表示したり、インクがエンプティであることを表示したりする。
特開2008-213162号公報
残量検出センサが故障すると、上記インクジェットプリンタは消費可能なインクの残量を検知することができない。その結果、インクジェットプリンタは、カートリッジ交換やインクのエンプティをユーザに報知することができない。
また、残量検出センサが故障すると、インクジェットプリンタは、実際に消費可能なインクの残量が無いにも拘わらず、画像記録ユニットを通じてインクを消費する動作を継続するおそれがある。その結果、サブタンクのインクがなくなり、サブタンクから画像記録ユニットへ空気が進入するおそれがある。
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その一の目的として、液面センサが故障したとしても、カートリッジ交換やインクのエンプティをユーザに報知することができる手段を提供することにある。また、本発明は、他の目的として、液面センサが故障したとしても、タンクからヘッドへ空気が進入することを抑制する手段を提供することにある。
(1) 本発明に係る液体排出装置は、液体が貯留された第1液室を有するカートリッジが装着される装着ケースと、第2液室を有するタンクと、一方が上記第2液室に連通し、他方が上記装着ケースに装着された上記カートリッジの上記第1液室と連通する流路と、上記第2液室と連通されるヘッドと、液面センサと、インターフェースと、メモリと、報知機と、コントローラと、を備える。上記コントローラは、上記第2液室の液面の位置が所定位置以上であることに基づいて上記液面センサが出力する第1信号を、上記液面センサから受信し、上記第2液室の液面の位置が所定位置未満であることに基づいて上記液面センサが出力する第2信号を、上記液面センサから受信し、上記装着ケースに上記カートリッジが装着されたかを判断し、上記装着ケースに上記カートリッジが装着されたと判断したことに基づいて、上記カートリッジが備えるカートリッジメモリから上記インターフェースを通じて当該カートリッジの個体識別情報を読み出し、上記メモリから、読み出した上記個体識別情報に対応する上記第1液室に貯留されている液体の液体量Vcを読み出し、上記メモリから、上記第2液室に貯留されている液体の液体量Vsを読み出し、少なくとも、上記メモリから読み出した上記液体量Vc及び上記液体量Vsに基づいて、上記所定位置未満の上記第2液室内の液面の位置に相当する閾値を決定し、上記ヘッドを通じて液体を排出させる排出指示を受け付け、受け付けた上記排出指示で排出が指示された液体の量に相当する値でカウント値を更新し、更新した上記カウント値が上記閾値に到達したことに応じて、上記報知機を作動させる。
上記構成によれば、仮に液面センサが故障したとしても、第2液室の液体量Vsが少なくなったことを報知器の作動を通じてユーザに報知することができる。
(2) 本発明に係る液体排出装置は、液体が貯留された第1液室を有するカートリッジが装着される装着ケースと、第2液室を有するタンクと、一方が上記第2液室に連通し、他方が上記装着ケースに装着された上記カートリッジの上記第1液室と連通する流路と、上記第2液室と連通されるヘッドと、液面センサと、インターフェースと、メモリと、コントローラと、を備える。上記コントローラは、上記第2液室の液面の位置が所定位置以上であることに基づいて上記液面センサが出力する第1信号を、上記液面センサから受信し、上記第2液室の液面の位置が所定位置未満であることに基づいて上記液面センサが出力する第2信号を、上記液面センサから受信し、上記装着ケースに上記カートリッジが装着されたと判断したことに基づいて、上記カートリッジが備えるカートリッジメモリから上記インターフェースを通じて当該カートリッジの個体識別情報を読み出し、上記メモリから、読み出した上記個体識別情報に対応する上記第1液室に貯留されている液体の液体量Vcを読み出し、上記メモリから、上記第2液室に貯留されている液体の液体量Vsを読み出し、少なくとも、上記メモリから読み出した上記液体量Vc及び上記液体量Vsに基づいて、上記所定位置未満の上記第2液室内の液面の位置に相当する閾値を決定し、上記ヘッドを通じて液体を排出させる排出指示を受け付け、受け付けた上記排出指示で排出が指示された液体の量に相当する値でカウント値を更新し、更新した上記カウント値が上記閾値に到達したことに応じて、上記ヘッドを通じた液体の排出を禁止する。
上記構成によれば、仮に液面センサが故障したとしても、タンクからヘッドへ空気が進入することを抑制できる。
(3) 好ましくは、上記コントローラは、上記装着ケースに上記カートリッジが装着されたと判断したことに基づいて、上記カートリッジメモリから上記インターフェースを通じて、当該カートリッジが未使用であることを示す未使用情報を読み出し、上記メモリから、読み出した上記未使用情報に対応する上記第1液室に初期に貯留されている液体の初期液体量Vc0を読み出し、少なくとも、上記メモリから読み出した上記初期液体量Vc0及び上記液体量Vsに基づいて、上記閾値を決定する。
上記構成によれば、初期液体量Vc0及び液体量Vsに基づいて閾値を決定することができる。
(4) 好ましくは、上記コントローラは、上記カートリッジメモリから上記インターフェースを通じて当該カートリッジの個体識別情報を読み出せないことに基づいて、上記メモリから、上記第1液室に初期に貯留されている液体の初期液体量Vc0を読み出し、少なくとも、上記メモリから読み出した上記初期液体量Vc0及び上記液体量Vsに基づいて、上記閾値を決定する。
上記構成によれば、初期液体量Vc0及び液体量Vsに基づいて閾値を決定することができる。
(5) 好ましくは、上記コントローラは、読み出した上記初期液体量Vc0を示す情報に基づいて補正値を決定し、読み出した上記液体量Vcと、読み出した上記液体量Vsと、決定した上記補正値と、を加えて上記閾値を決定する。
上記構成によれば、初期液体量Vc0に対応するバラツキ(ヘッドの吐出バラツキや第1液室への液体の分注バラツキ)を考慮した閾値を算出することができる。
(6) 好ましくは、上記コントローラは、読み出した上記初期液体量Vc0を示す情報が示す初期液体量Vc0と、読み出した上記液体量Vsとの和に係数を乗じて上記補正値を算出する。
上記構成によれば、カウント値のバラツキを考慮した閾値を算出することができる。
(7) 好ましくは、上記コントローラは、読み出した上記初期液体量Vc0を示す情報が示す初期液体量Vc0と、読み出した上記液体量Vsとの和に係数を乗じた値に、さらに固定値を加えて上記補正値を算出する。
上記構成によれば、初期液体量Vc0のバラツキを考慮した閾値を算出することができる。
本発明によれば、液面センサが故障したとしても、カートリッジ交換やインクのエンプティをユーザに報知することができる。また、仮に液面センサが故障したとしても、タンクからヘッドへ空気が進入することが抑制される。
図1は、プリンタ10の外観斜視図であって、(A)はカバー87が被覆位置である状態、(B)はカバー87が露出位置である状態を示す。 図2は、プリンタ10の内部構造を模式的に示す模式断面図である。 図3は、装着ケース150の縦断面図である。 図4は、カートリッジ200の構造を示す図であって、(A)は前方斜視図を、(B)は縦断面図を示す。 図5は、装着ケース150にカートリッジ200が装着された状態の縦断面図である。 図6は、プリンタ10のブロック図である。 図7は、画像記録処理のフローチャートである。 図8は、カウント処理のフローチャートである。 図9は、Empty解除処理のフローチャートである。 図10は、タンク160及びカートリッジ200が連通された状態の模式図であって、(A)はカートリッジエンプティ状態を示し、(B)はタンク160の残量無し状態を示す。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。また、プリンタ10が使用可能に水平面に設置された使用姿勢を基準として上下方向7が定義され、プリンタ10の開口13が形成された面を前面として前後方向8が定義され、プリンタ10を前面から見て左右方向9が定義される。本実施形態では、使用姿勢において、上下方向7が鉛直方向に相当し、前後方向8及び左右方向9が水平方向に相当する。前後方向8及び左右方向9は、直交している。
[プリンタ10の概要]
本実施形態に係るプリンタ10は、インクジェット記録方式でシートに画像を記録する液体排出装置の一例である。プリンタ10は、概ね直方体形状の筐体14を有している。また、プリンタ10は、ファクシミリ機能、スキャン機能、及びコピー機能などの機能を有する、所謂、「複合機」であってもよい。
筐体14の内部には、図1及び図2に示されるように、給送トレイ15と、給送ローラ23と、搬送ローラ25と、複数のノズル29を有するヘッド21と、ヘッド21に対面するプラテン26と、排出ローラ27と、排出トレイ16と、カートリッジ200が着脱される装着ケース150と、ヘッド21及び装着ケース150に装着されたカートリッジ200を連通させるチューブ32とが位置している。
プリンタ10は、給送ローラ23及び搬送ローラ25を駆動させて、給送トレイ15に支持されたシートをプラテン26の位置まで搬送する。次に、プリンタ10は、装着ケース150に装着されたカートリッジ200からチューブ32を通じて供給されるインクを、ヘッド21にノズル29を通じて吐出させる。これにより、プラテン26に支持されたシートにインクが着弾して、シート上に画像が記録される。そして、プリンタ10は、排出ローラ27を駆動させて、画像が記録されたシートを排出トレイ16に排出する。
より詳細には、ヘッド21は、搬送ローラ25によるシートの搬送向きと交差する主走査方向に往復移動するキャリッジに搭載されていてもよい。そして、プリンタ10は、主走査方向の一方から他方へキャリッジを移動させる過程で、ヘッド21にノズル29を通じてインクを吐出させてもよい。これにより、ヘッド21に対面するシートの一部の領域(以下、「1パス」と表記する。)に画像が記録される。次に、プリンタ10は、次に画像が記録されるべき領域がヘッド21に対面するように、搬送ローラ25にシートを搬送させてもよい。そして、これらの処理を交互に繰り返し実行させることによって、1枚のシートに画像が記録される。
なお、本実施形態においては、画像記録におけるヘッド21のノズル29からのインクの排出が「吐出」と称され、他方、パージにおけるヘッド21のノズル29からのインクの排出が「吐出」と称されないが、「吐出」は「排出」に含まれる概念である。
[カバー87]
図1に示されるように、筐体14の前面14Aで且つ左右方向9の右端部には、開口85が形成されている。筐体14は、さらにカバー87を備える。カバー87は、開口85を閉塞させる被覆位置(図1(A)に示される位置)と、開口85を開放する露出位置(図1(B)に示される位置)との間を回動可能である。カバー87は、例えば、上下方向7における筐体14の下端近傍において、左右方向9に沿う回動軸線周りに回動可能に、筐体14によって支持されている。そして、開口85の奥に広がる筐体14内部の収容空間86には、装着ケース150が位置している。
[カバーセンサ88]
プリンタ10は、カバーセンサ88(図6参照)を有する。カバーセンサ88は、例えば、カバー87が接離するスイッチ等の機械式センサであってもよいし、カバー87の位置によって光が遮断或いは透過される光学式センサであってもよい。カバーセンサ88は、カバー87の位置に応じた信号をコントローラ130に出力する。より詳細には、カバーセンサ88は、カバー87が被覆位置に位置していることに応じて、ローレベル信号をコントローラ130へ出力する。一方、カバーセンサ88は、カバー87が被覆位置と異なる位置に位置していることに応じて、ローレベル信号より信号強度の高いハイレベル信号をコントローラ130へ出力する。換言すれば、カバーセンサ88は、カバー87が露出位置に位置していることに応じて、ハイレベル信号をコントローラ130へ出力する。
[装着ケース150]
装着ケース150は、図3に示されるように、接点152と、ロッド153と、装着センサ154と、液面センサ155と、ロックピン156とを備えている。装着ケース150には、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色に対応する4つのカートリッジ200が収容可能である。すなわち、装着ケース150は、接点152、ロッド153、装着センサ154、液面センサ155は、4つのカートリッジ200それぞれに対応して、4つずつ備えている。なお、装着ケース150に収容可能なカートリッジ200の数は、4つに限定されず、1つでも良いし、5つ以上でも良い。接点152は、インターフェースの一例である。
装着ケース150は、装着されたカートリッジ200を収容する内部空間を有する箱形状である。装着ケース150の内部空間は、上端を画定する天壁と、下端を画定する底壁と、前後方向8の後端を画定する奥壁と、左右方向9の両端を画定する一対の側壁とで画定される。一方、装着ケース150の奥壁と対面する位置は、開口85となっている。すなわち、開口85は、カバー87を露出位置に配置したときに、装着ケース150の内部空間を、プリンタ10の外部に露出させる。
そして、カートリッジ200は、筐体14の開口85を通じて、装着ケース150に挿入され、装着ケース150から抜かれる。より詳細には、カートリッジ200は、開口85を前後方向8の後ろ向きに通過して、装着ケース150に装着される。装着ケース150から抜かれるカートリッジ200は、開口85を前後方向8の前向きに通過する。
[接点152]
接点152は、装着ケース150の天壁に位置している。接点152は、天壁から装着ケース150の内部空間へ向けて下方に突出している。接点152は、装着ケース150にカートリッジ200が装着された状態において、カートリッジ200の後述する電極248に接する位置に位置している。接点152は、導電性を有しており、さらに上下方向7に沿って弾性的に変形可能である。接点152は、コントローラ130に電気的に接続されている。接点152は、インターフェースの一例である。
[ロッド153]
ロッド153は、装着ケース150の奥壁から前方へ突出している。ロッド153は、装着ケース150の奥壁において、後述するジョイント180より上方に位置している。ロッド153は、カートリッジ200が装着ケース150に装着される過程において、カートリッジ200の後述する大気連通口221を通じて大気バルブ室214に進入する。ロッド153が大気バルブ室214に進入すると、後述する大気バルブ室214が大気に連通される。
[装着センサ154]
装着センサ154は、装着ケース150の天壁に位置している。装着センサ154は、カートリッジ200が装着ケース150に装着されているか否かを、コントローラ130が検出するためのセンサである。装着センサ154は、左右方向9に離間した発光部及び受光部を備える。装着ケース150にカートリッジ200が装着された状態において、カートリッジ200の後述する遮光リブ245は、装着センサ154の発光部及び受光部の間に位置する。換言すれば、装着センサ154の発光部及び受光部は、装着ケース150に装着されたカートリッジ200の遮光リブ245を挟んで、互いに対向した状態で位置している。
装着センサ154は、発光部から左右方向9に沿って照射された光が受光部で受光されたか否かに応じて、異なる信号(図中では、「装着信号」と表記する。)を出力する。装着センサ154は、例えば、受光部で受光された光の受光強度が閾値強度未満であることに応じて、ローレベル信号をコントローラ130へ出力する。一方、装着センサ154は、受光部で受光された光の受光強度が閾値強度以上であることに応じて、ローレベル信号より信号強度の高いハイレベル信号をコントローラ130へ出力する。
[液面センサ155]
液面センサ155は、後述するアクチュエータ190の被検出部194が検出位置に位置しているか否かを検出するためのセンサである。液面センサ155は、左右方向9に離間した発光部及び受光部を備える。換言すれば、液面センサ155の発光部及び受光部は、検出位置に位置した被検出部194を挟んで、互いに対向した状態で位置している。液面センサ155は、発光部から出力された光が受光部で受光されたか否かに応じて異なる信号(図中では、「液面信号」と表記する。)を出力する。液面センサ155は、例えば、受光部で受光された光の受光強度が閾値強度未満であることに応じて、ローレベル信号をコントローラ130へ出力する。一方、液面センサ155は、受光部で受光された光の受光強度が閾値強度以上であることに応じて、ローレベル信号より信号強度の高いハイレベル信号をコントローラ130へ出力する。ハイレベル信号は第2信号の一例であり、ローレベル信号は第1信号の一例である。
[ロックピン156]
ロックピン156は、装着ケース150の内部空間の上端で且つ開口85付近において、左右方向9に沿って延びる棒状の部材である。ロックピン156の左右方向9の両端は、装着ケース150の一対の側壁に固定されている。ロックピン156は、4つのカートリッジ200が収納可能な4つの空間に亘って左右方向9に延びている。ロックピン156は、装着ケース150に装着されたカートリッジ200を、図5に示される装着位置に保持するためのものである。カートリッジ200は、装着ケース150に装着された状態で、ロックピン156に係合される。
[タンク160]
プリンタ10は、4つのカートリッジ200それぞれに対応して、4つのタンク160を備える。タンク160は、装着ケース150の奥壁よりさらに後方に位置している。タンク160は、図3に示されるように、上壁161と、前壁162と、下壁163と、後壁164と、不図示の一対の側壁とで構成されている。なお、前壁162は、各々が前後方向8にずれた複数の壁によって構成される。タンク160の内部は、液室171が形成されている。液室171は、第2液室の一例である。
タンク160を構成する壁のうち、少なくとも液面センサ155に対面する壁は、透光性を有している。これにより、液面センサ155が出力した光は、液面センサ155に対面する壁を透過することができる。後壁164の少なくとも一部は、上壁161、下壁163、及び側壁の端面に溶着されるフィルムでもよい。また、タンク160の側壁は、装着ケース150と共通でもよいし、装着ケース150とは独立していてもよい。さらに、左右方向9に隣接するタンク160の間は、不図示の隔壁によって仕切られている。4つのタンク160の構成は、概ね共通する。
液室171は、流出口174を通じて不図示のインク流路に連通されている。流出口174の下端は、液室171の下端を画定する下壁163によって画定されている。流出口174は、ジョイント180(より詳細には、貫通孔184の下端)より上下方向7の下方に位置している。流出口174に連通された不図示のインク流路は、チューブ32(図2参照)に連通されている。これにより、液室171は、流出口174からインク流路及びチューブ32を通じて、ヘッド21と連通する。つまり、液室171に貯留されたインクは、流出口174からインク流路及びチューブ32を通じて、ヘッド21へ供給される。流出口174に連通されたインク流路及びチューブ32は、一端(流出口174)が液室171に連通され、且つ他端33(図2参照)がヘッド21に連通されている。
液室171は、大気連通室175を通じて大気に連通されている。より詳細には、大気連通室175は、前壁162を貫通する貫通孔176を通じて液室171に連通されている。また、大気連通室175は、大気連通ポート177及び大気連通ポート177に接続された不図示のチューブを通じて、プリンタ10の外部に連通されている。すなわち、大気連通室175は、一端(貫通孔176)が液室171に連通され、且つ他端(大気連通ポート177)がプリンタ10の外部に連通されている。なお、大気連通室175は、大気連通ポート177及び不図示のチューブを通じて、大気に連通している。
[ジョイント180]
ジョイント180は、図3に示されるように、ニードル181と、ガイド182とを備えている。ニードル181は、内部に流路が形成された管である。ニードル181は、液室171を画定する前壁162から前方へ突出している。ニードル181の突出先端には、開口183が形成されている。また、ニードル181の内部空間は、前壁162を貫通する貫通孔184を通じて液室171に連通されている。ニードル181は、一端(開口183)がタンク160の外部に連通され、且つ他端(貫通孔184)が液室171に連通された流路の一例である。ガイド182は、ニードル181の周囲に配置された円筒形状の部材である。ガイド182は、前壁162から前方に突出して、突出端が開口している。
ニードル181の内部空間には、バルブ185と、コイルバネ186とが位置している。バルブ185は、ニードル181の内部空間において、閉塞位置と開放位置との間を、前後方向8に沿って移動可能である。バルブ185は、閉塞位置に位置すると開口183を閉塞する。またバルブ185は、開放位置に位置すると開口183を開放する。コイルバネ186は、バルブ185を開放位置から閉塞位置に移動させる向き、すなわち前方に付勢している。
[アクチュエータ190]
液室171には、アクチュエータ190が位置している。アクチュエータ190は、液室171内に配置された不図示の支持部材によって、矢印198、199の向きに回動可能に支持されている。アクチュエータ190は、図3の実線で示される位置及び破線で示される位置の間を回動することができる。さらに、アクチュエータ190は、不図示のストッパ(例えば、液室171の内壁)によって、実線の位置より矢印198の向きへの回動が規制される。アクチュエータ190は、フロート191と、軸192と、アーム193と、被検出部194とを備える。
フロート191は、液室171に貯留されるインクより比重が小さい材料で形成されている。軸192は、フロート191の右面及び左面から左右方向9に突出している。軸192は、支持部材に形成された不図示の孔に挿入されている。これにより、アクチュエータ190は、軸192を中心として回動可能に支持部材によって支持される。アーム193は、フロート191から略上方へ延びている。被検出部194は、アーム193の突出先端部に位置している。被検出部194は、上下方向7及び前後方向8に延びる板状の部材である。被検出部194は、液面センサ155の発光部から出力された光を遮光する材料又は色で形成されている。
液室171内のインクの液面が所定位置P以上のとき、浮力によって矢印198の向きに回動されたアクチュエータ190は、ストッパによって図3の実線で示される検出位置に保持される。一方、インクの液面が所定位置P未満のとき、アクチュエータ190は、液面の降下に追従して矢印199の向きに回動される。これにより、被検出部194は、検出位置から外れた位置に移動する。すなわち、被検出部194は、液室171に貯留されたインクの量に対応する位置に移動する。
所定位置Pは、上下方向7において、ニードル181の軸中心と同じ高さであり、且つ後述するインク供給口234の中心と同じ高さである。しかしながら、所定位置Pは、上下方向7における流出口174より上方の位置であれば、前述の位置に限定されない。他の例として、所定位置Pは、ニードル181の内部空間の上端や下端の高さでもよいし、インク供給口234の上端や下端の高さでもよい。
液室171に貯留されたインクの液面が所定位置P以上のとき、液面センサ155の発光部から出力された光が被検出部194で遮られる。これにより、液面センサ155は、発光部からの光が受光部に到達しないので、ローレベル信号をコントローラ130へ出力する。一方、液室171に貯留されたインクの液面が所定位置P未満のとき、液面センサ155は、発光部から出力された光が受光部に到達するので、ハイレベル信号をコントローラ130へ出力する。すなわち、コントローラ130は、液室171内のインクの液面が所定位置P以上か否かを、液面センサ155から出力される信号によって検出することができる。
[カートリッジ200]
カートリッジ200は、液体の一例であるインクを内部に貯留可能な液室210(図2参照)を有する容器である。液室210は、例えば、樹脂製の壁によって画定されている。カートリッジ200は、図4(A)に示されるように、上下方向7及び前後方向8それぞれに沿った寸法が、左右方向9に沿った寸法よりも大きい扁平形状である。なお、異なる色のインクが貯留されるカートリッジ200の外形形状は、同一でもよいし、異なっていてもよい。カートリッジ200を構成する壁のうちの少なくとも一部は、透光性を有している。これにより、ユーザは、カートリッジ200の液室210に貯留されたインクの液面をカートリッジ200の外部から視認することができる。
カートリッジ200は、筐体201と、供給管230とを備える。筐体201は、後壁202と、前壁203と、上壁204と、下壁205と、一対の側壁206、207とで構成されている。なお、後壁202は、各々が前後方向8にずれた複数の壁によって構成されている。また、上壁204は、各々が上下方向7にずれた複数の壁によって構成されている。さらに、下壁205は、各々が上下方向7にずれた複数の壁によって構成されている。
カートリッジ200の内部空間には、図4(B)に示されるように、液室210、インクバルブ室213、及び大気バルブ室214が形成されている。液室210は、上部液室211と、下部液室212とを有する。上部液室211、下部液室212、及び大気バルブ室214は、筐体201の内部空間である。一方、インクバルブ室213は、供給管230の内部空間である。液室210は、インクを貯留する。大気バルブ室214は、液室210とカートリッジ200の外部とを連通させる。液室210は、第1液室の一例である。
液室210の上部液室211及び下部液室212は、筐体201の内部空間を仕切る隔壁215によって、上下方向7に隔てられている。そして、上部液室211及び下部液室212は、隔壁215に形成された貫通孔216によって連通されている。また、上部液室211及び大気バルブ室214は、筐体201の内部空間を仕切る隔壁217によって、上下方向7に隔てられている。そして、上部液室211及び大気バルブ室214は、隔壁217に形成された貫通孔218によって連通されている。さらに、インクバルブ室213は、貫通孔219を通じて下部液室212の下端に連通されている。
大気バルブ室214は、カートリッジ200の上部において、後壁202に形成された大気連通口221を通じてカートリッジ200の外部に連通されている。すなわち、大気バルブ室214は、一端(貫通孔218)が液室210(より詳細には、上部液室211)に連通され、且つ他端(大気連通口221)がカートリッジ200の外部に連通されている。なお、大気バルブ室214は、大気連通口221を通じて、大気に連通している。また、大気バルブ室214には、バルブ222と、コイルバネ223とが位置している。バルブ222は、閉塞位置と開放位置との間を、前後方向8に沿って移動可能である。バルブ222は、閉塞位置に位置すると、大気連通口221を閉塞する。また、バルブ222は、開放位置に位置すると大気連通口221を開放する。コイルバネ223は、バルブ222を開放位置から閉塞位置に移動させる向き、すなわち後方に付勢している。
カートリッジ200が装着ケース150に装着される過程において、ロッド153が大気連通口221を通じて大気バルブ室214内に進入する。大気バルブ室214内に進入したロッド153は、閉塞位置のバルブ222をコイルバネ223の付勢力に抗して前方に移動させる。そして、バルブ222が開放位置に移動することによって、上部液室211が大気に連通される。なお、大気連通口221を開放するための構成は、前述の例に限定されない。他の例として、大気連通口221を封止するフィルムをロッド153が突き破る構成でもよい。
供給管230は、筐体201の下部において、後壁202から後方に突出している。供給管230は、その突出端(すなわち、後端)が開口されている。すなわち、インクバルブ室213は、貫通孔219を通じて連通された液室210と、カートリッジ200の外部とを連通させる。インクバルブ室213は、一端(貫通孔219)が液室210(より詳細には下部液室212)と連通され、且つ他端(後述するインク供給口234)がカートリッジ200の外部と連通された流路の一例である。また、インクバルブ室213には、パッキン231と、バルブ232と、コイルバネ233とが位置している。
パッキン231の中央には、前後方向8に貫通したインク供給口234が形成されている。インク供給口234の内径は、ニードル181の外径より僅かに小さい。バルブ232は、閉塞位置と開放位置との間を、前後方向8に沿って移動可能である。バルブ232は、閉塞位置に位置すると、パッキン231と当接してインク供給口234を閉塞する。また、バルブ232は、開放位置に位置すると、パッキン231から離間してインク供給口234を開放する。コイルバネ233は、バルブ232を開放位置から閉塞位置に移動させる向き、すなわち後方に付勢している。また、コイルバネ233の付勢力は、コイルバネ186より大きい。
カートリッジ200が装着ケース150に装着される過程において、供給管230がガイド182内に進入し、やがてニードル181がインク供給口234を通じてインクバルブ室213に進入する。このとき、ニードル181は、パッキン231を弾性変形させつつ、インク供給口234を画定する内周面に液密に接触する。カートリッジ200が装着ケース150へさらに挿入されると、ニードル181は、バルブ232をコイルバネ233の付勢力に抗して前方に移動させる。また、バルブ232は、ニードル181の開口183から突出するバルブ185を、コイルバネ186の付勢力に抗して後方に移動させる。
これにより、図5に示されるように、インク供給口234及び開口183が開放されて、供給管230のインクバルブ室213と、ニードル181の内部空間とが連通される。すなわち、装着ケース150にカートリッジ200が装着された状態において、インクバルブ室213及びニードル181の内部空間は、カートリッジ200の液室210とタンク160の液室171とを連通させる流路を構成する。
また、装着ケース150にカートリッジ200が装着された状態において、液室210の一部と、液室171の一部とは、水平方向から見て互いに重なる。その結果、液室210に貯留されたインクは、接続された供給管230及びジョイント180を通じて、水頭差によってタンク160の液室171に移動する。
図4に示されるように、上壁204には、突起241が形成されている。突起241は、上壁204の外面から上方に突出し且つ前後方向8に沿って延びている。突起241は、ロック面242と、傾斜面243とを有する。ロック面242及び傾斜面243は、上壁204より上方に位置している。ロック面242は、前後方向8の前方を向き且つ上下方向7及び左右方向9に延びている(すなわち、上壁204と概ね直交する)。傾斜面243は、上方及び後方を向くように、上壁204に対して傾斜している。
ロック面242は、装着ケース150にカートリッジ200が装着された状態において、ロックピン156に当接される面である。傾斜面243は、カートリッジ200が装着ケース150に装着される過程において、ロックピン156をロック面242と当接する位置まで案内する面である。ロック面242とロックピン156とが当接した状態では、コイルバネ186、223、233の付勢力に抗して、カートリッジ200が図5に示される装着位置に保持される。
ロック面242より前方において上壁204から上方へと延びるようにして、平板状の部材が形成されている。この平板状の部材の上面は、カートリッジ200を装着ケース150から抜去する際に、ユーザが操作する操作部244である。カートリッジ200が装着ケース150に装着された状態で且つカバー87が露出位置に位置しているとき、操作部244は、ユーザに操作可能となる。操作部244が下方へ押されると、カートリッジ200が回動することによって、ロック面242がロックピン156より下方へ移動する。その結果、カートリッジ200が装着ケース150から抜去することが可能となる。
上壁204の外面で且つ突起241より後方には、遮光リブ245が形成されている。遮光リブ245は、上壁204の外面から上方に突出し且つ前後方向8に沿って延びている。遮光リブ245は、装着センサ154の発光部から出力される光を遮光する材料又は色で形成されている。遮光リブ245は、装着ケース150にカートリッジ200が装着された状態において、装着センサ154の発光部から受光部に至る光路上に位置する。すなわち、装着センサ154は、装着ケース150にカートリッジ200が装着されていることに応じて、ローレベル信号をコントローラ130に出力する。一方、装着センサ154は、装着ケース150にカートリッジ200が装着されていないことに応じて、ハイレベル信号をコントローラ130に出力する。すなわち、コントローラ130は、装着ケース150にカートリッジ200が装着されているか否かを、装着センサ154から出力される信号によって検出することができる。
上壁204の外面で且つ前後方向8における遮光リブ245及び突起241の間には、IC基板247が位置している。IC基板247には、電極248が形成されている。また、IC基板247は、不図示のメモリを備える。電極248は、IC基板247の上記メモリと電気的に接続されている。電極248は、IC基板247の上面において、接点152と導通可能に露出されている。すなわち、カートリッジ200が装着ケース150に装着された状態において、電極248は、接点152と電気的に導通する。コントローラ130は、接点152及び電極248を通じてIC基板247のメモリから情報を読み出し、接点152及び電極248を通じてIC基板247のメモリに情報を書き込むことができる。IC基板247のメモリは、カートリッジメモリの一例である。
IC基板247のメモリは、カートリッジ200の個体を識別するための識別情報や未使用情報などを記憶する。識別情報は、例えばカートリッジ200のシリアルナンバーでり、個体識別情報の一例である。IC基板247のメモリの記憶領域は、例えば、コントローラ130によって情報が上書きされない領域と、コントローラ130によって情報が上書き可能な領域とを有する。例えば、識別情報は上書きされない領域に記憶され、例えば、未使用情報やカートリッジインク量Vcがゼロになったことの情報は上書き可能な領域に記憶される。また、未使用情報が示す「未使用」とは所謂新品であり、製造されて販売されているカートリッジ200から、カートリッジ200内のインクが一度も外部へ流出していない状態を示す。以下、IC基板247のメモリに記憶されている情報を総称して、「CTG情報」と表記することがある。
[コントローラ130]
コントローラ130は、図6に示されるように、CPU131、ROM132、RAM133、EEPROM134、及びASIC135を備えている。ROM132には、CPU131が各種動作を制御するためのプログラムなどが格納されている。RAM133は、CPU131が上記プログラムを実行する際に用いるデータや信号等を一時的に記録する記憶領域、或いはデータ処理の作業領域として使用される。EEPROM134には、電源オフ後も保持すべき設定情報が格納される。ROM132、RAM133、及びEEPROM134は、メモリの一例である。
ASIC135は、給送ローラ23、搬送ローラ25、排出ローラ27、及びヘッド21を動作させるためのものである。コントローラ130は、ASIC135を通じて不図示のモータを駆動させることによって、給送ローラ23、搬送ローラ25、及び排出ローラ27を回転させる。また、コントローラ130は、ASIC135を通じてヘッド21の駆動素子に駆動信号を出力することによって、ヘッド21にノズル29を通じてインクを吐出させる。ASIC135は、ノズル29を通じて吐出すべきインクの量に応じて、複数種類の駆動信号を出力可能である。
また、ASIC135には、ディスプレイ17と、操作パネル22とが接続されている(図1参照)。ディスプレイ17は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等であり、各種情報を表示する表示面を備える。ディスプレイ17は、報知機の一例である。但し、報知機の具体例はディスプレイ17に限定されず、スピーカ、LEDランプ、或いはこれらの組み合わせでもよい。操作パネル22は、ユーザによる操作に応じた操作信号をコントローラ130に出力する。操作パネル22は、例えば、押ボタンを有していてもよいし、ディスプレイ17に重畳されたタッチセンサを有していてもよい。
さらに、ASIC135には、接点152と、カバーセンサ88と、装着センサ154と、液面センサ155とが電気的に接続されている。コントローラ130は、装着ケース150に装着されたカートリッジ200のIC基板247のメモリに、接点152を通じてアクセスする。コントローラ130は、カバー87の位置をカバーセンサ88を通じて検出する。また、コントローラ130は、カートリッジ200の挿抜を装着センサ154を通じて検出する。さらに、コントローラ130は、液室171内のインクの液面が所定位置P以上か否かを液面センサ155を通じて検出する。
ROM132には、液面センサ155がハイレベル信号を出力したときに、タンク160の液室171に貯留されている所定インク量Vsc、及びカートリッジ200の液室210に貯留されている所定インク量Vccが記憶されている。所定インク量Vccは、本実施形態ではゼロである。
EEPROM134は、装着ケース150に装着される4つのカートリッジ200それぞれに対応付けて、換言すれば、カートリッジ200と連通されるタンク160それぞれに対応付けて、各種情報を記憶している。各種情報とは、例えば、液体量の一例であるインク量Vc、Vsと、初期インク量Vc0と、関数Fと、C_Emptyフラグと、S_Emptyフラグと、タンク残量なしフラグと、カウント値SNと、カウント値TNと、閾値Nth1と、閾値Nth2と、を含む。なお、関数Fは、EEPROM134に代えて、ROM132に記憶されていてもよい。
インク量Vcは、カートリッジ200の液室210に貯留されているインクの量を示す。インク量Vsは、タンク160の液室171に貯留されているインクの量を示す。インク量Vc、Vsは、例えば、関数Fによって算出される。関数Fは、インクの総量Vtと、インク量Vsとの対応関係を示す情報である。カートリッジ200の液室210内のインクと、タンク160の液室171内のインクとは、それぞれの液面の上下方向7の位置が一致した状態で平衡になる。つまり、液室210と液室171との間でのインクの移動が停止する。例えば、インクの総量Vtとインク量Vsとの関係は、関数Fで近似することができる。したがって、インクの総量Vtが算出されると、インク量Vs及びインク量Vcが算出される。なお、インク量Vs及びインク量Vcは、関数Fの形式に限定されず、総量Vt毎に対応づけられたテーブルによって決定されてもよい。
初期インク量Vc0は、カートリッジ200に貯留可能なインクの最大量を示す初期液体量の一例である。換言すれば、初期インク量Vc0は、新品のカートリッジ200に貯留されているインクの量を示す。初期インク量Vc0が異なる複数種類のカートリッジ200が装着ケース150に装着可能な場合、複数種類の初期インク量Vc0は、カートリッジ200の識別情報に関連づけてEEPROM134に記憶されている。例えば、識別情報の一部に、特定の種類(特定の初期インク量Vc0)のカートリッジに共通した番号が付されており、識別情報の残りにカートリッジ毎の個体番号が付されていれば、識別情報の一部と初期インク量Vc0とが関連づけられている。
カウント値SNは、液面センサ155から出力される信号がローレベル信号からハイレベル信号に変化した後に、ヘッド21に排出を指示したインク排出量Dh(すなわち、駆動信号で示されるインク量)に相当する値で、閾値Nth1に近づく向きに更新される値である。カウント値SNは、初期値を“0”としてカウントアップされる値である。また、閾値Nth1は、流出口174の上端付近と所定位置Pとの間の液室171の容積に相当する。但し、カウント値SNは、容積に相当する値を初期値として、カウントダウンされる値でもよい。この場合の閾値Nth1は、0となる。
カウント値TNは、装着センサ154から出力される信号がハイレベル信号からローレベル信号に変化した後に、ヘッド21に排出を指示したインク排出量Dh(すなわち、駆動信号で示されるインク量)に相当する値であり、初期値を“0”としてカウントアップされる値である。また、カウント値TNは、初期値をインクの総量Vtに相当する値として、カウントダウンされる値でもよい。
C_Emptyフラグは、カートリッジ200がカートリッジエンプティ状態か否かを示す情報である。C_Emptyフラグには、カートリッジエンプティ状態であることに対応する値“ON”、或いはカートリッジエンプティ状態でないことに対応する値“OFF”が設定される。カートリッジエンプティ状態とは、カートリッジ200(より詳細には、液室210)にインクが実質的に貯留されていない状態である。換言すれば、カートリッジエンプティ状態とは、連通された液室210から液室171にインクが移動しない状態である。さらに換言すれば、カートリッジエンプティ状態とは、当該カートリッジ200に連通されたタンク160の液面が所定位置P未満の状態である。
S_Emptyフラグは、タンク160がインクエンプティ状態か否かを示す情報である。S_Emptyフラグには、インクエンプティ状態であることに対応する値“ON”、或いはインクエンプティ状態でないことに対応する値“OFF”が設定される。インクエンプティ状態とは、例えば、タンク160(より詳細には、液室171)に貯留されたインクの液面が流出口174の上端付近の位置に達した状態である。換言すれば、インクエンプティ状態とは、カウント値SNが閾値Nth1以上の状態である。インクエンプティ状態になった後にヘッド21によるインクの吐出を継続すると、タンク160内のインクの液面が流出口174の上端よりも下がってしまい、タンク160からヘッド21までのインク流路又はヘッド21内に空気が混入してしまう(所謂、エアイン)可能性がある。その結果、ノズル29内がインクで満たされず、インクの不吐出が発生するおそれがある。
残量無しフラグは、タンク160の液室171のインクの液面が、流出口174の上端まで下降している状態か否かを示す情報である。液室171に貯留されたインクの液面が流出口174の上端付近の位置に達すると、インクエンプティ状態となる。インクエンプティ状態は、カウント値SNが閾値Nth1以上であるか否かにより判断される。また、インクエンプティ状態は、カウント値TNが閾値Nth1以上であるか否かにより判断される。カウント値TN,SNの誤差や、プリンタ10の設置状況(水平からの傾き)による液室171のインクの液面の位置などを考慮すると、インクエンプティ状態における液室171のインクの液面の位置は、流出口174の上端よりも、ある程度上方となるように設定されることが望ましい。
[プリンタ10の動作]
図7~図9を参照して、本実施形態に係るプリンタ10の動作を説明する。図7~図9に示される各処理は、コントローラ130のCPU131によって実行される。なお、以下の各処理は、ROM132に記憶されているプログラムをCPU131が読み出して実行してもよいし、コントローラ130に搭載されたハードウェア回路によって実現されてもよい。また、以下の各処理の実行順序は、本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜変更することができる。
[画像記録処理]
コントローラ130は、プリンタ10に記録指示が入力されたことに応じて、図7に示される画像記録処理を実行する。記録指示は、画像データで示される画像をシートに記録する記録処理をプリンタ10に実行させるための排出指示の一例である。記録指示の取得先は特に限定されないが、例えば、記録指示に対応するユーザ操作を操作パネル22を通じて受け付けてもよいし、不図示の通信インタフェースを通じて外部装置から受信してもよい。
まず、コントローラ130は、4つのS_Emptyフラグ及び残量無しフラグそれぞれの設定値を判断する(S11)。そして、コントローラ130は、4つのS_Emptyフラグの少なくとも1つに“ON”が設定されていると判断したことに応じて(S11:ON)、S_Empty報知画面をディスプレイ17に表示させる(S12)。S_Empty報知画面は、対応するタンク160がインクエンプティ状態になって、ヘッド21を通じたインクの排出ができないことを、ユーザに報知するための画面である。なお、インクエンプティ状態は、S_Emptyフラグ又は残量無しフラグのいずれかが”ON”である状態である。S_Empty報知画面は、例えば、インクエンプティ状態のタンク160に貯留されているインクの色及びインク量Vc、Vsを示す情報を含んでもよい。なお、ステップS12において、コントローラ130は、4つのC_Emptyフラグの少なくとも1つに“ON”が設定されていると判断したことに応じて、C_Empty報知画面を、S_Empty報知画面と合わせてディスプレイ17に表示させてもよい。S12におけるディプレイ17の動作が、報知機の作動の一例である。
また、コントローラ130は、“ON”が設定されたS_Emptyフラグに対応するカートリッジ200それぞれに対して、S13~S15の処理を実行する。すなわち、S13~S15の処理は、4つのカートリッジ200のうち、対応するS_Emptyフラグに“ON”が設定されたカートリッジ200それぞれに対して実行される。カートリッジ200毎のS13~S15の処理は共通するので、1つのカートリッジ200に対応するS13~S15の処理のみを説明する。
まず、コントローラ130は、装着センサ154が出力する信号を取得する(S13)。次に、コントローラ130は、装着センサ154から取得した信号がハイレベル信号及びローレベル信号のどちらであるかを判断する(S14)。そして、コントローラ130は、装着センサ154が出力する信号が、ローレベル信号からハイレベル信号に変化し、再びハイレベル信号からローレベル信号に変化するまで、所定の時間間隔でS13、S14の処理を繰り返し実行する(S14:No)。換言すれば、コントローラ130は、カートリッジ200が装着ケース150から抜き出され、新たにカートリッジ200が装着ケース150に装着されるまで、S13、S14の処理を繰り返し実行する。
そして、コントローラ130は、装着センサ154からローレベル信号を取得し、その後に装着センサ154からハイレベル信号を取得し、さらにその後に装着センサ154からローレベル信号を取得したことに応じて(S14:Yes)、Empty解除処理(S15)を実行する。Empty解除処理は、ディスプレイ17に表示されたC_Empty報知画面及びS_Empty報知画面を消去する処理である。Empty解除処理の詳細は、図9を参照して後述する。そして、Empty解除処理が終了したことに応じて、S11以降の処理を再び実行する。
コントローラ130は、すべてのカートリッジ200にそれぞれ対応するすべてのS_Emptyフラグが”ON”でなければ、すなわち”OFF”であれば、現時点で4つの液面センサ155それぞれから出力されている信号を取得する(S16)。さらにS16において、コントローラ130は、液面センサ155から取得した信号がハイレベル信号及びローレベル信号のどちらかを示す情報を、RAM133に記憶させる。
そして、コントローラ130は、記録指示に含まれる画像データで示される画像を1つのシートに記録する(S17)。より詳細には、コントローラ130は、給送トレイ15上のシートを給送ローラ23及び搬送ローラ25に搬送させ、ヘッド21にインクを吐出させ、画像が記録されたシートを排出ローラ27に排出トレイ16へ排出させる。すなわち、コントローラ130は、4つのS_Emptyフラグの全てに“OFF”が設定されているときにヘッド21を通じたインクの排出を許可する。一方、コントローラ130は、4つのS_Emptyフラグ又は残量無しフラグの少なくとも1つに“ON”が設定されているときにヘッド21を通じたインクの排出を禁止する。
次に、コントローラ130は、記録指示に従って1つのシートに画像を記録したことに応じて、現時点で4つの液面センサ155それぞれから出力されている信号を取得する(S18)。さらに、S17と同様に、コントローラ130は、液面センサ155から取得した信号がハイレベル信号及びローレベル信号のどちらかを示す情報を、RAM133に記憶させる(S18)。そして、コントローラ130は、カウント処理を実行する(S19)。カウント処理は、S17、S19で液面センサ155から取得した信号に基づいて、カウント値TN、SN、C_Emptyフラグ、S_Emptyフラグ、及び残量無しフラグを更新する処理である。カウント処理の詳細は、図8を参照して後述する。
次に、コントローラ130は、記録指示で示された全ての画像を1つのシートに記録するまで(S20:Yes)、S11~S19の処理を繰り返し実行する。そして、コントローラ130は、記録指示で示される全ての画像を1つのシートに記録したことに応じて(S20:No)、4つのS_Emptyフラグ及び残量無しフラグそれぞれの設定値、並びに4つのC_Emptyフラグそれぞれの設定値を判断する(S21、S22)。
コントローラ130は、4つのS_Emptyフラグ及び残量無しフラグの少なくとも1つに“ON”が設定されていることに応じて(S21:ON)、S_Empty報知画面をディスプレイ17に表示させる(S23)。また、コントローラ130は、4つのS_Emptyフラグ及び残量無しフラグの全てに“OFF”が設定されており、且つ4つのC_Emptyフラグの少なくとも1つに“ON”が設定されていることに応じて(S21:OFF&S22:ON)、C_Empty報知画面をディスプレイ17に表示させる(S24)。
S23で表示されるS_Empty報知画面は、S12と同様であってもよい。また、C_Empty報知画面は、”ON”が設定されたC_Emptyフラグに対応するカートリッジ200がカートリッジエンプティ状態になったことを、ユーザに報知するための画面である。C_Empty報知画面は、例えば、カートリッジエンプティ状態のカートリッジ200に貯留されているインクの色及びインク量Vc、Vsを示す情報を含んでもよい。一方、コントローラ130は、4つのS_Emptyフラグ及び残量無しフラグ、並びに4つのC_Emptyフラグの全てに“OFF”が設定されていることに応じて(S22:OFF)、S23、S24の処理を実行せずに、画像記録処理を終了する。
なお、排出指示の具体例は記録指示に限定されず、パージなどのノズル29のメンテナンスを指示するメンテナンス指示等であってもよい。コントローラ130は、例えば操作パネル22を通じてメンテナンス指示を取得したことに応じて、図7と同様の処理を実行する。メンテナンス指示を取得した場合の前述の処理との相違点は、以下の通りである。まず、コントローラ130は、S17において、不図示のメンテナンス機構を駆動させて、ノズル29を通じてインクを排出させる。また、コントローラ130は、カウント処理を実行した後にS20の処理を実行することなく、S21以降の処理を実行する。
[カウント処理]
次に図8を参照して、S20でコントローラ130が実行するカウント処理の詳細を説明する。なお、コントローラ130は、4つのカートリッジ200のそれぞれに対して、カウント処理を独立して実行する。カートリッジ200毎のカウント処理は、カートリッジ200毎のインク量Vcが、そのカートリッジ200の識別情報と関連づけてEEPROM134に記憶される他は共通するので、1つのカートリッジ200に対応するカウント処理のみを説明する。
まず、コントローラ130は、S16、S18でRAM133に記憶させた液面センサ155の信号を示す情報を比較する(S31)。すなわち、コントローラ130は、カウント処理(S19)を実行する直前のS17の処理を実行する前と後とで、4つの液面センサ155それぞれの信号が変化したか否かを判断する。
コントローラ130は、S16、S18でRAM133に記憶させた情報が共にローレベル信号を示す(すなわち、S17の処理の前後で液面センサ155の出力が変化していない)ことに応じて(S31:L→L)、カウント値TNを更新する(S32)。すなわち、コントローラ130は、直前のS17で排出を指示したインク量に相当する値で、カウント値TNをカウントアップする。
また、コントローラ130は、現在の総量Vtを算出する(S33)。具体的には、コントローラ130は、カートリッジ装着後にEEPROM134に記憶されたインク量Vc及びインク量Vsの和であるカートリッジ装着後の総量Vtを算出する。なお、このインク量Vc及びインク量Vsは、カートリッジ200装着後に、液室210から液室171へインクが移動していない状態におけるインク量である。そして、コントローラ130は、算出した総量Vtから、カウント値TNに相当するインク量を差し引いた値として、現在の総量Vtを算出する(Vt=Vt-TN)。そして、コントローラ130は、算出された現在の総量Vt及び関数Fに基づいてインク量Vc、Vsを算出する(S33)。コントローラ130は、算出したインク量Vcを識別情報と関連づけてEEPROM134に記憶する。
そして、コントローラ130は、算出されたインク量Vc及びインク量Vsの双方と、算出された総量Vtと、のいずれか一方をディスプレイ17に表示する(S34)。
また、コントローラ130は、S32で更新したカウント値TNと閾値Nth2とを比較する(S35)。そして、コントローラ130は、S32で更新したカウント値TNが閾値Nth2未満だと判断したことに応じて(S35:No)、カウント処理を終了する。一方、コントローラ130は、S32で更新したカウント値TNが閾値Nth2以上だと判断したことに応じて(S35:Yes)、残量無しフラグに“ON”を設定する(S36)。
後述されるように、閾値Nth2は、カートリッジ200の液室210に貯留されているインク量Vcと、タンク160の液室171に貯留されているインク量Vsとの和である総量Vtが、液室171において流出口174の直上未満の容積に相当する量になったことを判断するものである。なお、閾値Nth2は、ステップS61において補正値H3を用いて補正される。また、閾値Nth2は、液面センサ155が正常に機能しないときに、流出口174からヘッド21へ向かって空気が進入することを防止するために、カウント値TNと比較される値である。したがって、液面センサ155が正常に機能すれば、カウント値TNが閾値Nth2以上になる前に、液面センサ155の出力がローレベル信号からハイレベル信号に変化する。しかしながら、液面センサ155が正常に機能しなくなったり、アクチュエータ190が正常に機能しなくなったりしたとすれば、液面センサ155の出力がローレベル信号であるにも拘わらず、カウント値TNが閾値Nth2以上になることがあり得る。カウント値TNが閾値Nth2以上になれば、液室171の液面が流出口174の上端付近にあると推定される。したがって、コントローラ130は、残量無しフラグに“ON”を設定して、ヘッド21を通じたインクの排出を禁止し、ディスプレイ17にS_Empty報知画面を表示する。
また、コントローラ130は、S17でRAM133に記憶させた情報がローレベル信号を示し、S19でRAM133に記憶させた情報がハイレベル信号を示す(すなわち、S17の処理の前後で液面センサ155の出力が変化したことに応じて(S31:L→H)、C_Emptyフラグに“ON”を設定する(S37)。液面センサ155の出力がローレベル信号からハイレベル信号に変化するのは、図10(A)に示されるように、S17の処理中に液室171の液面が所定位置Pに達したことに対応する。そして、これ以降は、カートリッジ200とタンク160との間でインクが移動しない。
また、コントローラ130は、ROM132から所定インク量Vcc(=0)を読み出して、EEPROM134に記憶されているインク量Vcを所定インク量Vccとする(S38)。同様に、コントローラ130は、ROM132から所定インク量Vsc(所定位置P未満の液室171の容積に相当する。)を読み出して、EEPROM134に記憶されているインク量Vsを所定インク量Vscとする(S38)。残量更新処理で算出されるインク量Vc、Vsは誤差を含むので、コントローラ130は、液面センサ155の出力がローレベル信号からハイレベル信号に変化したタイミングで、インク量Vcを所定インク量Vccとし、また、インク量Vsを所定インク量Vscとして、累積した誤差をリセットする。また、コントローラ130は、現在の総量Vtを、インク量Vsと同じ値(Vt=Vsc)として算出する(S38)。インク量Vcがゼロになることによって、総量Vtは、インク量Vsと同じ値となる。
そして、コントローラ130は、現在のインク量Vc及びインク量Vsの双方と、現在の総量Vtと、のいずれか一方をディスプレイ17に表示する(S39)。
なお、コントローラ130は、インク量Vcを所定インク量Vcc(=0)としたことに基づいて、カートリッジ200のIC基板247のメモリに、インク量Vc=所定インク量Vccを記憶させてもよい。併せて、コントローラ130は、EEPROM134に記憶されている識別情報に関連づけられたインク量Vcを消去してもよい。例えば、インク量Vcがゼロになった後は、総量Vtはインク量Vsと同じ値なので、インク量Vcを用いずに、総量Vt及びインク量Vsを決定することができる。EEPROM134には、カートリッジ200の識別情報に関連づけられたインク量Vcが記憶されているので、インク量Vcがゼロになったカートリッジ200が交換されても、交換前のカートリッジ200の識別情報と関連づけたインク量Vc(=0)がEEPROM134に記憶されて残ることとなる。このような識別情報に関連づけられたインク量VcがEEPROM134から消去されることによって、EEPROM134の記憶領域を空けることができる。また、インク量VcがゼロであることがIC基板247のメモリに記憶されることによって、その後に、そのカートリッジ200が装着ケース150に装着されたとしても、そのカートリッジ200が使用済みであることを、コントローラ130が判断することができる。
また、液面センサ155の出力が変化するのは、S17の処理の途中である。よって、S38で読み出された所定インク量Vscは、正確には、液面センサ155の出力が変化した瞬間にタンク160に貯留されているインクの量ではなく、液面センサ155の出力が変化する直前のインクの量を示していることとなる。しかしながら、これらのインク量の差は僅かなので、S38で読み出された所定インク量Vscが、液面センサ155の出力が変化した時点のインク量Vsとして近似的に扱われる。
コントローラ130は、EEPROM134に記憶されたカウント値SNを、直前のS17で排出を指示したインク量に相当する値でカウントアップする(S40)。換言すれば、コントローラ130は、液面センサ155の出力がローレベル信号からハイレベル信号に変化したことに応じて、カウント値SNの更新を開始する。また、コントローラ130は、EEPROM134に記憶されたカウント値TNを、直前のS17で排出を指示したインク量に相当する値でカウントアップする。
そして、コントローラ130は、インク量Vsを算出する(S41)。算出されるインク量Vsは、ROM132に記憶された所定インク量Vscから、EEPROM134に記憶されたカウント値SNに相当するインク量を差し引いた値である。なお、前述したように、液面センサ155の出力がハイレベル信号になった後は、インク量Vsは、総量Vtと同じ値である。また、インク量Vcはゼロである。コントローラ130は、算出したインク量VsをEEPROM134に記憶する。
そして、コントローラ130は、算出された現在のインク量Vc及びインク量Vsの双方と、算出された現在の総量Vtと、のいずれか一方をディスプレイ17に表示する(S42)。
次に、コントローラ130は、S40で更新したカウント値SNと、閾値Nth1とを比較する(S43)。そして、コントローラ130は、S39で更新したカウント値SNが閾値Nth1未満だと判断したことに応じて(S43:No)、カウント処理を終了する。一方、コントローラ130は、S40で更新したカウント値SNが閾値Nth1以上だと判断したことに応じて(S43:Yes)、S_Emptyフラグに“ON”を設定する(S44)。そして、コントローラ130は、S_Emptyフラグに“ON”が設定されていることに応じてヘッド21を通じたインクの排出を禁止して、カウント処理を終了する。
また、コントローラ130は、S16、S18でRAM133に記憶させた情報が共にハイレベル信号を示すことに応じて(S31:H→H)、EEPROM134に記憶されているカウント値SNを読み出す。そして、コントローラ130は、読み出したカウント値SNを、直前のS17で排出を指示したインク量に相当する値でカウントアップして、再びEEPROM134に記憶させる。すなわち、コントローラ130は、カウント値SNを更新する(S40)。また、コントローラ130は、カウント値TNも更新する。次に、コントローラ130は、S40で更新したカウント値SNを用いて、前述したS41からS44の処理を実行する。
[Empty解除処理]
次に図9を参照して、S15でコントローラ130が実行するEmpty解除処理の詳細を説明する。なお、コントローラ130は、4つのカートリッジ200のそれぞれに対して、Empty解除処理を、独立して実行する。カートリッジ200毎のEmpty解除処理は共通するので、1つのカートリッジ200に対応するEmpty解除処理のみを説明する。
図8に示すカウント処理において、コントローラ130は、カウント値SNが閾値Nth1以上だと判断したことに応じて(S43:Yes)、S_Emptyフラグに“ON”を設定する(S44)。また、コントローラ130は、カウント値TNが閾値Nth2以上だと判断したことに応じて(S35:Yes)、残量無しフラグに“ON”を設定する(S36)。図7に示す画像記録処理において、コントローラ130は、S_Emptyフラグ及び残量無しフラグのいずれかに“ON”が設定されていると判断したことに応じて(S11:ON)、S_Empty報知画面をディスプレイ17に表示させる(S12)。コントローラ130は、S_Empty報知画面をディスプレイ17に表示させる一方で、ヘッド21を通じたインクの排出を禁止している。
コントローラ130がヘッド21を通じたインクの排出を禁止し且つS_Empty報知画面をディスプレイ17に表示させている状態において、図10(B)に示されるように、カートリッジ200は、タンク160へインクが流出しない状態である。すなわち、インク量Vcがゼロ(Vc=0)である。また、タンク160は、インクの液面が所定位置Pより下方であって、流出口174の上端付近の位置に達している。したがって、ユーザは、エンプティになったカートリッジ200に代えて新品の或いは十分にインクが貯留されているカートリッジ200を装着して、ヘッド21を通じたインクの排出の禁止が解除されなければ、画像記録を行うことができない。
ユーザがカートリッジ200を装着している過程において、コントローラ130は、装着センサ154からローレベル信号を取得し、その後に装着センサ154からハイレベル信号を取得し、さらにその後に装着センサ154からローレベル信号を取得する(S14:Yes)。具体的には、カートリッジ200が装着ケース150から抜去される過程では、コントローラ130は、装着センサ154からローレベル信号を取得し、その後に装着センサ154からハイレベル信号を取得する。次に、カートリッジ200が装着ケース150に挿入される過程では、装着センサ154からハイレベル信号を取得し、その後に装着センサ154からローレベル信号を取得する。
Empty解除処理において、コントローラ130は、接点152を通じてIC基板247のメモリにアクセス可能かを判断する(S51)。IC基板247のメモリに記憶された情報が読み出せない状態や、インク量Vcが読み出せない状態、IC基板247の導通チェックにおいて、適切な電気信号が返されない状態などであれば、コントローラ130は、IC基板247のメモリにアクセス不能であると判断する(S51:No)。
コントローラ130は、IC基板247のメモリにアクセス不能であると判断したことに応じて(S51:No)、液面センサ155から受信した信号がローレベル信号であるかを判断する(S52)。コントローラ130は、液面センサ155から受信した信号がローレベル信号でないと判断したことに応じて(S52:No)、装着センサ154からローレベル信号を受信してからの経過時間が所定時間Twを経過したかを判断する(S53)。カートリッジ200が装着ケース150に装着されると、カートリッジ200の液室210からタンク160の液室171にインクが流入して、液室171の液面が所定位置Pに到達する。カートリッジ200が装着ケース150に装着されてから、液室171の液面が所定位置Pに到達するまでに要する時間に対応して、所定時間Twが設定される。
コントローラ130は、装着センサ154からローレベル信号を受信してからの経過時間が所定時間Twに到達していないと判断したことに応じて(S53:No)、液面センサ155から受信した信号がローレベル信号であるかを判断する(S52)。コントローラ130は、装着センサ154からローレベル信号を受信してからの経過時間が所定時間Twに到達したと判断したことに応じて(S53:Yes)、Empty解除処理を終了する。装着センサ154からローレベル信号を受信してからの経過時間が所定時間Twに到達しても、液面センサ155がローレベル信号を出力していなければ、次のように推定される。すなわち、液室171の液面が所定位置Pに到達するに必要な量のインクが、装着ケース150に装着されたカートリッジ200の液室210からタンク160の液室171に流出しなかったと推定される。
コントローラ130は、液面センサ155から受信した信号がローレベル信号であると判断したことに応じて(S52:Yes)、EEPROM134に記憶されたインク量Vsを所定値(予め定められた固定値)に更新する(S54)。所定値は、例えば、新品のカートリッジ200が装着ケース150に装着されて、液室210の液面と液室171の液面とが平衡になったときに、液室171に貯留されるインク量に対応した値である。所定値は、例えばROM132に記憶されている。そして、コントローラ130は、後述されるS66からS68を実行する。
コントローラ130は、接点152を通じてIC基板247のメモリにアクセス可能であれば(S51:Yes)。IC基板247のメモリからCTG情報を読み出す(S55)。コントローラ130は、読み出したCTG情報に含まれる識別情報をEEPROM134に記憶する。
コントローラ130は、IC基板247のメモリから未使用情報を読み出したかを判断する(S56)。装着されたカートリッジ200が未使用であれば、IC基板247のメモリには未使用情報(例えば、フラグ)が記憶されている。コントローラ130は、IC基板247のメモリから未使用情報を読み出したことに基づいて(S56:Yes)、EEPROM134に記憶されている識別情報に対応する初期インク量Vc0を、識別情報に関連づけたインク量VcとしてEEPROM134に記憶する(S57)。
コントローラ130は、IC基板247のメモリから未使用情報を読み出して、EEPROM134に、インク量Vcとして初期インク量Vc0を記憶させた後(S57)、初期インク量Vc0に基づいて、閾値Nth2を補正するための補正値H3を算出する(S58)。具体的には、コントローラ130は、まず、初期インク量Vc0に対する補正値H1を決定する。補正値H1は、初期インク量Vc0に対するバラツキを考慮したものである。カートリッジ200の製造段階において、カートリッジ200の液室210には、初期インク量Vc0を設計値としてインクが分注される。しかし、カートリッジ200の液室210にインクを分注するときに、インクの分注量にバラツキが生じることがあり得る。したがって、初期インク量Vc0の設計値に対して、分注のバラツキも考慮して液室210に貯留される下限として液室210に少なくとも初期インク量Vc0が分注されるように分注量が設定される。その結果、分注量は、初期インク量Vc0よりも多い。この多めに分注される液量に対して、補正値H1が設定される。補正値H1は、例えばROM132に記憶されている。
つづいて、コントローラ130は、ROM132から所定インク量Vscを読み出し、EEPROM134からカウント値SNを読み出す。読み出した所定インク量Vscとカウント値SNとから液室171のインク量Vs(Vs=Vsc-SN)を算出する。そして、算出したインク量Vsに所定係数を乗じ、また、初期インク量Vc0に所定係数を乗じて補正値H2を算出する。新品のカートリッジ200が装着された後、インク量Vs及び初期インク量Vc0の和であるインク量がヘッド21から吐出可能である。カウント値TNは、ヘッド21に排出を指示したインク排出量Dhに相当する値であるが、ヘッド21に指示されたインク排出量Dhと、実際にヘッド21から排出されたインク量との間には誤差が生じ得る。一般に、ヘッド21に指示されたインク排出量Dhに対して、実際にヘッド21から排出されたインク量が少ない。所定係数は、この誤差に対応して設定される値(%)である。補正値H2は、インク量Vsに対する排出誤差と、初期インク量Vc0に対する排出誤差との和であり、補正値H2=所定係数×(Vs+Vc0)である。所定係数は、例えばROM132に記憶されている。
そして、コントローラ130は、補正値H1と補正値H2との和である補正値H3を算出してRAM133に記憶させる。すなわち、補正値H3=補正値H1+補正値H2である。コントローラ130は、閾値Nth2として、カートリッジ200が装着されたときの初期インク量Vc0、インク量Vs、補正値H3との和を算出する(S61)。すなわち、閾値Nth2=Vc0+Vs+補正値H3である。なお、液室171の液面が流出口174の上端付近となるインク量Vminが、閾値Nth2から減じられてもよい。
また、コントローラ130は、IC基板247のメモリから未使用情報を読み出していないと判断したことに基づいて(S56:No)、IC基板247から読み出した識別情報に関連づけてEEPROM134に記憶されたインク量Vcを読み出す。そして、コントローラ130は、EEPROM134から読み出したインク量Vcがゼロより大きいかを判断する(S59)。コントローラ130は、EEPROM134から読み出したインク量Vcがゼロより大きくない、すなわちゼロであると判断したことに応じて(S59:No)、Empty解除処理を終了する。インクが消費されて液室210のインク量Vcがゼロとなったカートリッジ200が、再び装着ケース150に装着されても、カートリッジ200の液室210からタンク160の液室171へインクが移動しないので、Emptyを解除する必要がない。
コントローラ130は、インク量Vcがゼロより大きいと判断したことに応じて(S59:Yes)、読み出したインク量Vcに基づいて、閾値Nth2を補正するための補正値H4を算出する(S60)。具体的には、コントローラ130は、ROM132から所定インク量Vscを読み出し、EEPROM134からカウント値SNを読み出して、これらのから液室171のインク量Vsを算出する。そして、算出したインク量Vsに所定係数を乗じる。なお、補正値H4を算出するための所定係数は、補正値H2を算出するための所定係数と同じである。また、コントローラ130は、EEPROM134から読み出したインク量Vcに所定係数を乗じる。補正値H4は、インク量Vsに対する排出誤差と、インク量Vcに対する排出誤差との和であり、補正値H4=所定係数×(Vs+Vc0)である。そして、コントローラ130は、決定した補正値H4をRAM133に記憶させる。コントローラ130は、閾値Nth2として、カートリッジ200が装着されたときのインク量Vc、インク量Vs、補正値H4との和を算出する。すなわち、閾値Nth2=Vc0+Vs+補正値H4である。なお、液室171の液面が流出口174の上端付近となるインク量Vminが、閾値Nth2から減じられてもよい。
そして、コントローラ130は、算出したインク量Vsと、EEPROM134から読み出したインク量Vcとに基づいて、現在のインクの総量Vtを算出する(S62)。さらに、コントローラ130は、算出した現在のインクの総量Vtから、カートリッジ200の液室210からタンク160の液室171へインクが移動し終えた状態におけるインク量Vc、Vsを算出する(S62)。詳細には、コントローラ130は、ROM132から所定インク量Vscを読み出し、EEPROM134からカウント値SNを読み出して、これらから液室171のインク量Vsを算出する。EEPROM134から読み出したカートリッジ200の液室210のインク量は、インク量Vcである。従って、現在のインクの総量Vtは、インク量Vsとインク量Vcとの和となる。また、現在のインクの総量Vt及び関数Fから、液室210から液室171へインクが移動し終えた状態のインク量Vc及びインク量Vsを算出する。
コントローラ130は、S62を実行した後、EEPROM134に記憶されているカウント値TN、SNをリセットする(S63)。これにより、カウント値TN、SNは、それぞれ初期値(ここではゼロ)となる。
そして、コントローラ130は、現在のインク量Vc及びインク量Vsの双方と、現在の総量Vtと、のいずれか一方をディスプレイ17に表示する(S64)。また、コントローラ130は、接点152を通じてIC基板247のメモリから未使用情報を消去する(S65)。未使用情報の消去は、例えば未使用であることを示すフラグが”ON”であるときに、そのフラグに”OFF”を設定することである。IC基板247のメモリから未使用情報が消去されることによって、その後に、そのカートリッジ200が装着ケース150に装着されたときに、コントローラ130が新品でないと判断可能となる。
そして、コントローラ130は、S_Emptyフラグ及びC_Emptyフラグにそれぞれ“OFF”を設定する(S66)。また、コントローラ130は、残量無しフラグに”OFF”を設定する(S67)。コントローラ130は、4つのS_Emptyフラグ及び残量無しフラグの全てに“OFF”が設定されていることに応じて、ヘッド21を通じたインクの排出を許可する。また、コントローラ130は、S_Empty報知画面及びC_Empty報知画面をディスプレイ17から消去して(S68)、Empty解除処理を終了する。
[実施形態の作用効果]
上記実施形態によれば、カウント値TNが閾値Nth2以上となれば、S_Empty報知画面がディスプレイ17に表示されるので、仮に液面センサ155が故障したとしても、液室171のインク量Vsが少なくなったことをユーザに報知できる。また、カウント値TNが閾値Nth2以上となれば、ヘッド21を通じたインクの排出を禁止されるので、エアインが防止される。なお、コントローラ130は、カウント値TNが閾値Nth2以上となれば、S_Empty報知画面をディスプレイ17に表示させるか、ヘッド21を通じたインクの排出を禁止するかの、いずれか一方のみを行ってもよい。
また、補正値H1が、初期インク量Vc0対して設定されるので、初期インク量Vc0に対応する製造時の分注バラツキを考慮した閾値Nth2が算出される。
また、補正値H2が、インク量Vc及びインク量Vsにそれぞれ所定係数を乗じた値の和として算出されるので、カウント値TNのバラツキを考慮した閾値Nth2が算出される。
また、残量無しフラグが”ON”であることに応じて、ヘッド21を通じたインクの排出が禁止されるので、仮に液面センサ155やアクチュエータ190が正常に動作しなかったとしても、タンク160の液室171からヘッド21へ空気が進入するおそれが低減される。
[変形例]
前述された実施形態では、カートリッジ200が備えるIC基板247のメモリに未使用情報が記憶されているが、未使用情報は必ずしもIC基板247に記憶されていなくてもよい。この場合、例えば、装着ケース150にカートリッジ200が装着されると、コントローラ130は、装着されたカートリッジ200のIC基板247のメモリに、装着されたカートリッジ200を識別可能な情報(個体識別情報の一例)を記憶させる。そして、コントローラ130は、その識別可能な情報と関連づけて、そのカートリッジ200のインク量VcをEEPROM134に記憶させる。
装着ケース150に対してカートリッジ200が装着されると、コントローラ130は、装着されたカートリッジ200のIC基板247のメモリから、識別可能な情報が読み出し可能かを判断する。コントローラ130は、IC基板247のメモリから、識別可能な情報が読み出せなければ、そのカートリッジ200の識別情報に基づいて、EEPROM134から初期インク量Vc0を読み出して、インク量VcとしてEEPROM134に記憶させる。そして、コントローラ130は、初期インク量Vc0と、前述と同様に算出したインク量Vsを用いて補正値H3及び総量Vtなどを決定する。
また、コントローラ130は、IC基板247のメモリから、識別可能な情報が読み出せれば、その識別可能な情報に関連づけてEEPROM134に記憶されているインク量Vcと、前述と同様に算出したインク量Vsを用いて補正値H4及び総量Vtなどを決定する。
また、前述された実施形態において、装着ケース150に装着されたカートリッジ200のIC基板247のメモリから未使用情報が読み出せず、且つ読み出した識別情報に対応するインク量VcがEEPROM134に記憶されていない場合には、閾値Nth2として固定値が設定されてもよい。
また、前述された実施形態では、Empty解除処理のS59において、インク量Vcがゼロより大きければ、S68においてS_Empty報知画面が消去されるが、このS59に代えて、S62において算出されたインク量Vsが、液室171の液面が所定位置P以上となるインク量より多いことに応じて、S68においてS_Empty報知画面が消去されることとしてもよい。これにより、液室171の液面が所定位置Pより上方になるインク量が液室に貯留されているカートリッジ200が装着されれば、S_Empty報知画面が消去される。なお、残量無しフラグが”ON”であるときにディスプレイ17に表示される画面は、S_Empty報知画面と異なってもよい。例えば、故障の可能性を示唆する表示がディスプレイ17に表示されてもよい。
また、EEPROM134に識別情報に関連づけて記憶されている初期インク量Vc0は、例えば液室210が大容積のカートリッジ200に初期に貯留されているインク量であったり、液室210が標準容積のカートリッジ200に初期に貯留されているインク量であったりするが、装着ケース150に装着可能なカートリッジ200は、同じ初期インク量Vc0のみである場合には、複数の初期インク量Vc0が、カートリッジ200の識別情報に関連づけてEEPROM134に記憶されている必要はない。
また、前述された実施形態では、補正値H1は固定値であるが、これに限らない。例えば、EEPROM134から読み出された初期インク量Vc0に所定係数が乗じられて補正値H1が算出されてもよい。また、補正値H2、H3が固定値であってもよい。
また、前述された実施形態では、ヘッド21を通じたインクの排出がシートへの画像記録として説明がされているが、ヘッド21を通じたインクの排出は、ヘッド21のノズル29から強制的にインクを排出させる所謂パージであってもよい。
また、前述された実施形態では、コントローラ130が、液面センサ155が出力する信号に基づいて、アクチュエータ190の被検出部194が検出位置に位置しているか否かを検出する構成であるが、液室171におけるインクの液面が検出できれば、液面センサ155の構成は特に限定されない。例えば、コントローラ130が、液室171の後壁164にインクが接触しているか否かによって異なる反射率を有するプリズムを利用して、液室171におけるインクの液面を光学的に検出するためのセンサであってもよい。また、液面センサ155は、液室171内に挿入された電極棒であってもよい。
前述された実施形態では、コントローラ130は、装着センサ154からローレベル信号を取得し、その後に装着センサ154からハイレベル信号を取得し、さらにその後に装着センサ154からローレベル信号を取得したことに応じて(S14:Yes)、S15に示す処理を実行した。コントローラ130がS15に示す処理を実行するのは、装着ケース150内にカートリッジ200が存在しない装着ケース150内に、カートリッジ200が装着されたことを契機としている。つまり、コントローラ130は、装着ケース150内にカートリッジ200が装着されたと判断したことに応じて、S15に示す処理を実行すればよい。なお、コントローラ130が、装着センサ154からローレベル信号を取得し、その後に装着センサ154からハイレベル信号を取得し、さらにその後に装着センサ154からローレベル信号を取得したことは、コントローラ130が、装着ケース150内にカートリッジが装着されたと判断したことの一例である。コントローラ130が、装着ケース150内にカートリッジ200が装着されたと判断する、他の例を以下に説明する。
例えば、コントローラ130が、カバーセンサ88からハイレベル信号を受信した後にローレベル信号を受信する。そして、コントローラ130は、IC基板247のメモリから識別情報を読み出す。IC基板247のメモリから識別情報が読み出せたことに基づいて、コントローラ130は、S15に示す処理を実行してもよい。つまり、「コントローラ130は、IC基板247のメモリから識別情報を読み出した」ことが、コントローラ130が、装着ケース150内にカートリッジ200が装着されたと判断することの一例である。
また、例えば、コントローラ130が、カバーセンサ88からハイレベル信号を受信した後にローレベル信号を受信する。そして、コントローラ130は、ディスプレイ17を通じてユーザに、装着ケース150内に新たなカートリッジ200の装着をしたか、を示す確認画面を表示させる。コントローラ130は、ディスプレイ17に確認画面を表示させている一方で、操作パネル22を通じて、当該確認画面に対応する、入力を受信する。受信した当該入力が、装着ケース150内に新たなカートリッジ200の装着した、ことに対応していることに応じて、コントローラ130は、S15に示す処理を実行する。つまり、「コントローラ130が、カバーセンサ88からハイレベル信号を受信した後にローレベル信号を受信する。そして、コントローラ130は、ディスプレイ17を通じてユーザに、装着ケース150内に新たなカートリッジ200の装着をしたか、を示す確認画面を表示させる。コントローラ130は、ディスプレイ17に確認画面を表示させている一方で、操作パネル22を通じて、当該確認画面に対応する、入力を受信する。受信した当該入力が、装着ケース150内に新たなカートリッジ200の装着した、ことに対応している」ことが、コントローラ130が、装着ケース150内にカートリッジ200が装着されたと判断することの一例である。
上記実施形態では、供給管230に設けられたインク供給口234と、ニードル181の開口183とが開放されて、供給管230のインクバルブ室213と、ニードル181の内部空間とが連通される例が説明された。インク供給口234は、カートリッジ200の後壁202に設けられてもよい。例えば、インク供給口234として、後壁202を厚み方向に貫通する貫通孔が後壁202に形成されてもよい。インク供給口234の内部空間は、第1流路の一例である。この変形例では、カートリッジ200が装着ケース150に装着される過程において、ニードル181がインク供給口234を通じてカートリッジ200の液室210に進入し、ニードル181の一端(開口183)が、カートリッジ200の液室210の内部に位置する状態となる。これにより、カートリッジ200の液室210と、ニードル181の内部空間とが連通される。すなわち、装着ケース150にカートリッジ200が装着された状態において、ニードル181の内部空間は、カートリッジ200の液室210とタンク160の液室171とを連通させる流路を形成する。
また、開口183が、タンク160の前壁162に設けられてもよい。例えば、開口183として、前壁162を厚み方向に貫通する貫通孔が前壁162に形成されてもよい。開口183の内部空間は、第1流路の一例である。この変形例では、カートリッジ200が装着ケース150に装着される過程において、供給管230が開口183を通じてタンク160の液室171に進入し、供給管230の他端(インク供給口234)が、タンク160の液室171の内部に位置する状態となる。これにより、カートリッジ200の液室210と、ニードル181の内部空間とが連通される。すなわち、装着ケース150にカートリッジ200が装着された状態において、インクバルブ室213は、カートリッジ200の液室210とタンク160の液室171とを連通させる流路を形成する。
また、IC基板247は、接点152と接触して導通されるが、これにかえて、NFC(near field communication)やRFID(radio frequency identification)のような電波を用いて非接触でデータを読み書きする情報媒体とインターフェースとが採用されてもよい。
また、前述された実施形態では、インクが液体の一例として説明されているが、液体は、例えば、画像記録時にインクに先立って用紙などに吐出される前処理液でもよいし、ヘッド21を洗浄するための水でもよい。
10・・・プリンタ(液体排出装置)
17・・・ディスプレイ(報知機)
21・・・ヘッド
32・・・チューブ(流路)
130・・・コントローラ
132・・・ROM(メモリ)
133・・・RAM(メモリ)
134・・・EEPROM(メモリ)
150・・・装着ケース
152・・・接点(インターフェース)
154・・・装着センサ
155・・・液面センサ
160・・・タンク
171・・・液室(第2液室)
181・・・ニードル(流路)
200・・・カートリッジ
210・・・液室(第1液室)
247・・・IC基板(カートリッジメモリ)

Claims (7)

  1. 液体が貯留された第1液室を有するカートリッジが装着される装着ケースと、
    第2液室を有するタンクと、
    一方が上記第2液室に連通し、他方が上記装着ケースに装着された上記カートリッジの上記第1液室と連通する流路と、
    上記第2液室と連通されるヘッドと、
    液面センサと、
    インターフェースと、
    メモリと、
    報知機と、
    コントローラと、を備えており、
    上記コントローラは、
    上記第2液室の液面の位置が所定位置以上であることに基づいて上記液面センサが出力する第1信号を、上記液面センサから受信し、
    上記第2液室の液面の位置が所定位置未満であることに基づいて上記液面センサが出力する第2信号を、上記液面センサから受信し、
    上記装着ケースに上記カートリッジが装着されたかを判断し、
    上記装着ケースに上記カートリッジが装着されたと判断したことに基づいて、上記カートリッジが備えるカートリッジメモリから上記インターフェースを通じて、当該カートリッジが未使用であることを示す未使用情報を読み出し、
    上記メモリから、読み出した上記未使用情報に対応する上記第1液室に初期に貯留されている液体の初期液体量Vc0を読み出し、
    上記メモリから、上記第2液室に貯留されている液体の液体量Vsを読み出し、
    少なくとも、上記メモリから読み出した上記初期液体量Vc0及び上記液体量Vsに基づいて、上記所定位置未満の上記第2液室内の液面の位置に相当する閾値を決定し、
    上記ヘッドを通じて液体を排出させる排出指示を受け付け、
    受け付けた上記排出指示で排出が指示された液体の量に相当する値でカウント値を更新し、
    更新した上記カウント値が上記閾値に到達したことに応じて、上記報知機を作動させる液体排出装置。
  2. 液体が貯留された第1液室を有するカートリッジが装着される装着ケースと、
    第2液室を有するタンクと、
    一方が上記第2液室に連通し、他方が上記装着ケースに装着された上記カートリッジの上記第1液室と連通する流路と、
    上記第2液室と連通されるヘッドと、
    液面センサと、
    インターフェースと、
    メモリと、
    報知機と、
    コントローラと、を備えており、
    上記コントローラは、
    上記第2液室の液面の位置が所定位置以上であることに基づいて上記液面センサが出力する第1信号を、上記液面センサから受信し、
    上記第2液室の液面の位置が所定位置未満であることに基づいて上記液面センサが出力する第2信号を、上記液面センサから受信し、
    上記装着ケースに上記カートリッジが装着されたかを判断し、
    上記装着ケースに上記カートリッジが装着されたと判断したことに基づいて、上記カートリッジが備えるカートリッジメモリから上記インターフェースを通じて、当該カートリッジの個体識別情報を読み出せないことに基づいて、上記メモリから、上記第1液室に初期に貯留されている液体の初期液体量Vc0を読み出し、
    上記メモリから、上記第2液室に貯留されている液体の液体量Vsを読み出し、
    少なくとも、上記メモリから読み出した上記初期液体量Vc0及び上記液体量Vsに基づいて、上記所定位置未満の上記第2液室内の液面の位置に相当する閾値を決定し、
    上記ヘッドを通じて液体を排出させる排出指示を受け付け、
    受け付けた上記排出指示で排出が指示された液体の量に相当する値でカウント値を更新し、
    更新した上記カウント値が上記閾値に到達したことに応じて、上記報知機を作動させる液体排出装置。
  3. 液体が貯留された第1液室を有するカートリッジが装着される装着ケースと、
    第2液室を有するタンクと、
    一方が上記第2液室に連通し、他方が上記装着ケースに装着された上記カートリッジの上記第1液室と連通する流路と、
    上記第2液室と連通されるヘッドと、
    液面センサと、
    インターフェースと、
    メモリと、
    コントローラと、を備えており、
    上記コントローラは、
    上記第2液室の液面の位置が所定位置以上であることに基づいて上記液面センサが出力する第1信号を、上記液面センサから受信し、
    上記第2液室の液面の位置が所定位置未満であることに基づいて上記液面センサが出力する第2信号を、上記液面センサから受信し、
    上記装着ケースに上記カートリッジが装着されたと判断したことに基づいて、上記カートリッジが備えるカートリッジメモリから上記インターフェースを通じて、当該カートリッジが未使用であることを示す未使用情報を読み出し、

    上記メモリから、読み出した上記未使用情報に対応する上記第1液室に初期に貯留されている液体の初期液体量Vc0を読み出し、
    上記メモリから、上記第2液室に貯留されている液体の液体量Vsを読み出し、
    少なくとも、上記メモリから読み出した上記初期液体量Vc0及び上記液体量Vsに基づいて、上記所定位置未満の上記第2液室内の液面の位置に相当する閾値を決定し、
    上記ヘッドを通じて液体を排出させる排出指示を受け付け、
    受け付けた上記排出指示で排出が指示された液体の量に相当する値でカウント値を更新し、
    更新した上記カウント値が上記閾値に到達したことに応じて、上記ヘッドを通じた液体の排出を禁止する液体排出装置。
  4. 液体が貯留された第1液室を有するカートリッジが装着される装着ケースと、
    第2液室を有するタンクと、
    一方が上記第2液室に連通し、他方が上記装着ケースに装着された上記カートリッジの上記第1液室と連通する流路と、
    上記第2液室と連通されるヘッドと、
    液面センサと、
    インターフェースと、
    メモリと、
    コントローラと、を備えており、
    上記コントローラは、
    上記第2液室の液面の位置が所定位置以上であることに基づいて上記液面センサが出力する第1信号を、上記液面センサから受信し、
    上記第2液室の液面の位置が所定位置未満であることに基づいて上記液面センサが出力する第2信号を、上記液面センサから受信し、
    上記装着ケースに上記カートリッジが装着されたと判断したことに基づいて、上記カートリッジが備えるカートリッジメモリから上記インターフェースを通じて当該カートリッジの個体識別情報を読み出せないことに基づいて、上記メモリから、上記第1液室に初期に貯留されている液体の初期液体量Vc0を読み出し、
    上記メモリから、上記第2液室に貯留されている液体の液体量Vsを読み出し、
    少なくとも、上記メモリから読み出した上記初期液体量Vc0及び上記液体量Vsに基づいて、上記所定位置未満の上記第2液室内の液面の位置に相当する閾値を決定し、
    上記ヘッドを通じて液体を排出させる排出指示を受け付け、
    受け付けた上記排出指示で排出が指示された液体の量に相当する値でカウント値を更新し、
    更新した上記カウント値が上記閾値に到達したことに応じて、上記ヘッドを通じた液体の排出を禁止する液体排出装置。
  5. 上記コントローラは、
    読み出した上記初期液体量Vc0を示す情報に基づいて補正値を決定し、
    読み出した上記初期液体量Vc0を示す情報が示す初期液体量Vc0と、読み出した上記液体量Vsと、決定した上記補正値と、を加えて上記閾値を決定する請求項1から4のいずれかに記載の液体排出装置。
  6. 上記コントローラは、読み出した上記初期液体量Vc0を示す情報が示す初期液体量Vc0と、読み出した上記液体量Vsとの和に係数を乗じて上記補正値を算出する請求項5に記載の液体排出装置。
  7. 上記コントローラは、読み出した上記初期液体量Vc0を示す情報が示す初期液体量Vc0と、読み出した上記液体量Vsとの和に係数を乗じた値に、さらに固定値を加えて上記補正値を算出する請求項6に記載の液体排出装置。
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