JP5128730B2 - エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(以下、「EVOH」と略称する)の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
EVOHは、溶融成形性、酸素バリアー性、耐油性、非帯電性および機械的強度に優れているため、フィルム、シート、容器などの成形体として各種包装に使用されている。成形時に発生する外観上の問題、例えば、着色、フィッシュアイ、肌荒れなどは克服すべき重要な課題の一つであり、EVOHの製造工程においていくつかの改良が提案されている。
【0003】
エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、「EVAc」と略称する)のケン化工程では、通常、アルカリ触媒が使用される。このアルカリ触媒は、EVAcとアルコールとのエステル交換反応の触媒として作用する。このエステル交換反応を主としながらケン化が進行する工程では、反応系内に水が存在すると、アルカリ触媒が消費されてケン化の反応速度が低下することが知られている。水は、EVAcとアルカリ触媒との直接ケン化反応を促進すると同時に、上記エステル交換反応で副生する酢酸エステルとアルカリ触媒との反応を促進するからである。このため、従来は、専ら、反応系内から水を除去することが試みられてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、EVOHのケン化工程に新たな改良を加えることにより、EVOH成形体の外観不良をさらに抑制することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために鋭意検討した結果、本発明者は、従来は触媒毒として可能な限り排除されていた水を敢えて所定量添加すれば、EVOH成形体の外観を改善できることを見出した。
【0006】
すなわち、本発明のEVOHの製造方法は、EVAcを、アルカリ触媒の存在下、アルコール系溶媒中でケン化するEVOHの製造方法であって、塔式ケン化反応器の塔上部から、エチレン−酢酸ビニル共重合体およびアルコール系溶媒を含む第1の溶液と、アルカリ触媒およびアルコール系溶媒を含む第2の溶液とを導入し、前記塔式ケン化反応器の塔下部からアルコール系溶媒を蒸気として導入し、前記塔式ケン化反応容器内に、前記EVAcに対して100ppm以上15000ppm以下(ppmは重量基準;以下同様)の水を供給し、ケン化度が99モル%以上となるまでエチレン−酢酸ビニル共重合体をケン化することを特徴とする。この製造方法によれば、ケン化工程自体に大幅な変更を加えることなく、EVOH成形体の外観特性を向上させることができる。
【0007】
EVOHの外観を改善する水の作用は、現時点では必ずしも明確ではないが、反応系内に局所的に強塩基性の部分が発生することを防止することにあると考えられる。水の含有量が少なすぎると上記作用が十分に得られない。一方、水が過多となると、アルカリ触媒が消費されてケン化の速度が低下する。
【0008】
上記製造方法では、塔式ケン化反応器の塔上部から、EVAcおよびアルコール系溶媒を含む第1の溶液と、アルカリ触媒およびアルコール系溶媒を含む第2の溶液とを導入し、前記塔式ケン化反応器の塔下部からアルコール系溶媒を蒸気として導入する。この方法では、塔上部からアルコール系溶媒の蒸気とともに副生物(酢酸エステル)を追い出しながら、塔下部からEVOHを導出できる。したがって、アルカリ触媒を消費する副生物を追い出しながら効率的にケン化を実施できる。
【0009】
上記方法では、第2の溶液に水を含有させることにより、塔式ケン化反応器内に水を供給することが好ましい。アルカリ触媒およびアルコール系溶媒とともに水を供給することにより、含水量の制御が簡便な操作で可能となる。
【0010】
上記製造方法では、ケン化度が99モル%以上となるまでEVAcをケン化する。高いケン化度を要する場合には、水の含有量を調整するとよい。すなわち、上記製造方法では、EVAcに対して100ppm以上3000ppm以下の水を含有させ、ケン化度が99モル%以上となるまでEVAcをケン化してもよい。
【0011】
上記で説明したように、水は、アルカリ触媒の消費を促進する。したがって、水の添加量を調整することにより、EVOH成形体の外観を改善するとともに、そのケン化度を制御することもできる。すなわち、EVAcに対して1000ppm以上15000ppm以下の水を含有させ、前記水の存在により促進されるアルカリ触媒の消費によって前記EVAcのケン化を停止させることにより、ケン化度が90モル%以上98モル%以下のEVOHを得ることとしてもよい。この好ましい形態によれば、EVOHの最終到達ケン化度を容易に制御できる。
【0012】
上記製造方法では、EVAcのエチレン含有率を20モル%以上70モル%以下とすることが好ましい。エチレン含有率が低すぎるとEVOH成形体の耐水性が低下し、逆に高すぎるとEVOH成形体のガスバリア性が低下するからである。エチレン含有率は、25モル%以上がさらに好ましく、55モル%以下が特に好適である。もっとも、コート材料などとして用いる場合は、エチレン含有率を20モル%未満としてもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい形態について説明する。
水は、EVAcに対して、100〜15000ppmとなるように、ケン化反応器に供給される。好ましい水の含有量は、所望のケン化度にもよるが、一般には、300〜10000ppm、特に500〜8000ppmである。
【0014】
アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、n−ブタノール、t−ブタノールなど炭素数が1〜4のアルコール、特にメタノールが適している。2以上の種類のアルコールを混合した溶媒を用いてもよい。また、アルカリ触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカリ金属アルコラート(例えば、ナトリウムメチラート)などを用いることができる。
【0015】
EVAcは、従来から行われてきた方法に従い、エチレンと酢酸ビニルとを共重合させて製造すればよい。重合法、溶媒などに制限はないが、メタノールを溶媒とする溶液重合が好適である。重合触媒としては、ラジカル開始剤、例えば、各種のアゾニトリル系開始剤、有機過酸化物系開始剤を使用できる。また、EVAcには、エチレン、酢酸ビニルと共重合しうる第3の単量体(例えば、プロピレンなどのα−オレフィン、アクリル酸などの不飽和酸、各種ニトリル、各種アミド)を共存させてもよい。ただし、これら第3の単量体は、本発明の作用効果を阻害しない範囲で添加することが好ましい。
【0016】
ケン化は、塔式ケン化反応器を用いて行うことが好ましい。塔式ケン化反応器を用いたケン化の例を図1を参照して説明する。塔式ケン化反応器10の塔上部2,3から、それぞれ、EVAcのメタノール溶液と、水酸化ナトリウムのメタノール溶液とが導入される。また、塔下部5からは、メタノールの蒸気を吹き込む。このメタノール蒸気により、塔頂部1から副生する酢酸メチルを追い出しながら、EVAcのケン化を進行させ、塔底部6からEVOHをメタノールとともに得る。ここでは、メタノール蒸気とともに酢酸メチルを留出させて、アルカリ触媒(水酸化ナトリウム)の消費を抑制している。
【0017】
水を供給する方法としては、水酸化ナトリウムのメタノール溶液、EVAcのメタノール溶液またはメタノール蒸気とともに塔内に導入する方法、メタノールとは別に塔内に供給する方法が挙げられる。これらの中でも、含水量の精度向上の観点から、水酸化ナトリウムのメタノール溶液またはEVAcのメタノール溶液とともに塔内に導入する方法が好ましい。EVAcのメタノール溶液とともに水を塔内に導入する方法は,EVAcのメタノール溶液と水とを混合する時期を自由に選択できるという利点がある反面、溶液の粘度が比較的高いので混合に余分な労力を費やさなければならないという欠点がある。この欠点を回避し、簡便な操作で含水量の正確な制御を可能とするためには、水酸化ナトリウムのメタノール溶液とともに水を塔内に導入する方法が特に好ましい。水酸化ナトリウムのメタノール溶液の好ましい含水量は、ケン化に供するEVAcのエチレン含有率やその他の製造条件によって異なるが、概ね0.1〜10重量%の範囲である。
【0018】
水酸化ナトリウムは、複数の位置(高さ)から塔内に供給してもよい。例えば、図1に示したように、塔上部3とともに塔中部4から導入してもよい。
【0019】
EVOHは、エチレン含有率にもよるが、常圧下ではメタノールに溶解しにくい。ポリマースケールの付着を抑制して長時間の連続運転を可能にするために、ケン化反応器内は0.1MPa以上1.0MPa以下程度に加圧することが好ましい。また、同様の観点およびケン化の反応速度の上昇のために、塔内の温度は60℃以上150℃以下とすることが好適である。
【0020】
特に塔式ケン化反応器を用いた連続ケン化を行う場合には、ケン化反応器内の溶液粘度が高くなり過ぎないようにEVAcの濃度を調整することが望ましい。EVAcの濃度は、供給されるメタノール溶液において、30重量%以上60重量%以下が好適である。
【0021】
アルカリ触媒(水酸化ナトリウム)の添加量は、EVAcのエチレン含有率、目的とするケン化度などに応じて調整すればよい。一般に、90モル%以上のケン化度を得ようとする場合は、EVAcの酢酸エステル成分に対し、0.5〜20モル%が好適である。
【0022】
メタノール蒸気の吹き込み量は、副生する酢酸メチルをほぼ完全に追い出すことができる範囲から選択することが好ましい。また、蒸気の温度は、例えば、塔内の圧力におけるメタノールの沸点とすればよい。メタノール蒸気の吹き込み量は、例えば、EVAc1重量部に対し、1〜10重量部程度が好適である。
【0023】
塔式ケン化反応器を用いた上記方法によれば、単一のケン化反応器内における連続ケン化により、高いケン化度のEVOHを得ることができる。しかし、本発明は、ケン化度が上記程度に制限された部分ケン化物の製造にも適用することができる。部分ケン化物を得る工程では、上記で説明した方法により、ケン化度を水の含有量により制御することが好ましい。この制御には、他の方法と比較して、得られるEVOHのケン化度分布が狭いという利点もある。
【0024】
部分ケン化物は、接着性を有するので、単独で多層構造体の中間層として使用可能である。また、完全ケン化物とブレンドすることにより、完全ケン化物に接着性を付与することもできる。さらに、部分ケン化物は、さらにケン化して最終ケン化物としてもよい。部分ケン化物のケン化は、アルコール系溶媒中で行ってもよく、アルカリ触媒の水溶液に投入して行っても構わない。
【0025】
なお、EVOHのメルトインデックス(MI)は、0.1〜200g/10分が好ましい。ここでは、MIとして、190℃、2160g荷重下での測定値を採用する。ただし、融点が190℃付近または190℃を超えるものは、上記荷重下、融点以上の温度における複数の測定値を、絶対温度の逆数を横軸、MIを縦軸(対数目盛)とする片対数グラフとしてプロットし、190℃に外挿した値を用いることとする。
【0026】
ケン化して得たEVOHは、通常、さらに、水または水とメタノールとの混合液からなる凝固浴中へと押し出して切断し、ペレットへと加工される。このペレットは、洗浄、脱液され、適宜、ホウ素化合物、カルボン酸化合物、リン酸化合物などにより処理される。これらの化合物を含有させると、EVOH成形体の機械的特性、熱安定性などを改善することができる。
【0027】
こうして得たEVOHは、溶融成形により、フィルム、シート、容器、パイプ、繊維など各種形状へと成形される。溶融成形としては、押出成形、インフレーション成形、ブロー成形、溶融紡糸、射出成形などを適用できる。溶融温度は、150〜270℃が好適である。重合度、エチレン含有率、ケン化度などが相違する2種以上のEVOHをブレンドして溶融成形してもよい。また、予め、EVOHに、可塑剤、安定剤、界面活性剤、架橋剤、金属塩、充填剤、各種繊維などの補強剤をさらに添加しても構わない。
【0028】
EVOHには、EVOH以外の熱可塑性樹脂を配合してもよい。熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1ペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレンと炭素数が4以上のα−オレフィンとの共重合体、ポリオレフィンと無水マレイン酸との共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、これらを不飽和カルボン酸またはその誘導体でグラフト変性した変性ポリオレフィンなど)、各種ナイロン(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6/66共重合体など)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリアセタール、変性ポリビニルアルコール樹脂などが挙げられる。
【0029】
また、EVOHと上記に例示したような熱可塑性樹脂とを、例えば共押出しすることにより、積層体として成形してもよい。さらに、EVOHは、紙、プラスチックフィルム、金属箔などの基材フィルムとの積層体としてもよく、共押出コート、溶液コートなどにより、これら基材フィルムの表面にコーティングしても構わない。
【0030】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
【0031】
(実施例1)
ケン化反応器として、塔径0.85m、段数20段の泡鐘塔を使用した。この泡鐘塔の搭上部より、EVAc(エチレン含有率:32モル%)のメタノール溶液(EVAc濃度:45重量%)を1.3t/時、水を含む水酸化ナトリウムのメタノール溶液(水酸化ナトリウム濃度:15重量%、含水率:1.74重量%)を50kg/時で供給した。EVAcに対する含水量は約1500ppmであった。また、塔下部から、115℃のメタノール蒸気を1.1t/時で塔内へ吹き込み、副生した酢酸メチルをメタノールの一部と共に塔頂部から留出させた。このとき、塔内の温度は110〜115℃、圧力は5.5kg/cm2(約0.54MPa)、原料の塔内滞留時間は30分であった。このようにして、塔底部よりケン化度99.5モル%のEVOHのメタノール溶液を得た。
【0032】
この溶液に、さらに水−メタノール混合蒸気を吹き込み、水−メタノール混合蒸気を留出させて、EVOHのメタノール−水混合溶媒(メタノール/水=65/35、重量比)の溶液(EVOH濃度:35重量%)を得た。この溶液を、2mm径の孔を持つダイスより5℃のメタノール−水混合溶媒(メタノール/水=10/90、重量比)からなる凝固浴中に吐出してストランド状に凝固させた。このストランド状物をカッターで切断して長さが2.5〜3.5mmのペレットを得た。このEVOHペレットを、ペレット1重量部について15重量部の水を用いて洗浄し、脱液した。引き続き、ペレットを、酢酸およびリン酸二水素ナトリウム水溶液で処理し、脱液し、さらに乾燥してケン化度99.5モル%、メルトインデックス2.1g/10分のEVOHを得た。このEVOHをJIS K7103に従ってYellow Indexを測定したところ、15を示した。
【0033】
(実施例2)
使用するEVAcのエチレン含有率を52モル%に変更し、かつ塔上部より供給する水酸化ナトリウムのメタノール溶液の含水率を0.86重量%とし、供給速度を100kg/時とした点を除いては、実施例1と同様にしてケン化を行った。EVAcに対する含水量は約1500ppmであった。得られたEVOHのケン化度は99.0モル%、Yellow Indexは18であった。
【0034】
(実施例3)
搭上部より供給する水酸化ナトリウムのメタノール溶液の含水率を5.8重量%とした点を除いては、実施例1と同様にしてケン化を行った。EVAcに対する含水量は約5000ppmであった。得られたEVOHのケン化度は96モル%、Yellow Indexは10であった。
【0035】
(比較例1)
搭上部より供給する水酸化ナトリウムのメタノール溶液の含水率を0.04重量%とした点を除いては、実施例1と同様にしてケン化を行った。EVAcに対する含水量は約50ppmであった。得られたEVOHのケン化度は99.6モル%、Yellow Indexは30であり、肉眼による観察でも黄色味を帯びていた。
【0036】
(比較例2)
搭上部より供給する水酸化ナトリウムのメタノール溶液の含水率を35重量%とした点を除いては、実施例1と同様にしてケン化を試みた。EVAcに対する含水量は約30000ppmであった。しかし、ケン化反応の速度が極めて遅いため、ケン化を打ち切らざるを得なかった。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ケン化工程において水を敢えて所定量添加することにより、EVOH成形体の外観を改善することができる。本発明の方法は、従来のケン化反応器やケン化工程の大きな変更を伴わずに製品の特性を向上させ得るものであって、当該技術分野における利用価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製造方法を実施するためのケン化反応器の例を示す図である。
【符号の説明】
1 塔頂部
2,3 塔上部
4 塔中部
5 塔下部
6 塔底部
10 塔式ケン化反応器
Claims (4)
- エチレン−酢酸ビニル共重合体を、アルカリ触媒の存在下、アルコール系溶媒中でケン化するエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造方法であって、
塔式ケン化反応器の塔上部から、エチレン−酢酸ビニル共重合体およびアルコール系溶媒を含む第1の溶液と、アルカリ触媒およびアルコール系溶媒を含む第2の溶液とを導入し、前記塔式ケン化反応器の塔下部からアルコール系溶媒を蒸気として導入し、
前記塔式ケン化反応容器内に、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体に対して100ppm以上15000ppm以下の水を供給し、
ケン化度が99モル%以上となるまでエチレン−酢酸ビニル共重合体をケン化することを特徴とするエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造方法。 - 第2の溶液に水を含有させることにより、塔式ケン化反応器内に水を供給する請求項1に記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造方法。
- エチレン−酢酸ビニル共重合体に対して100ppm以上3000ppm以下の水を含有させたアルコール系溶媒中において、ケン化度が99モル%以上となるまでエチレン−酢酸ビニル共重合体をケン化する請求項1又は2に記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造方法。
- エチレン−酢酸ビニル共重合体のエチレン含有率を20モル%以上70モル%以下とする請求項1〜3のいずれかに記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造方法。
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