JPH02192939A - 透明積層板 - Google Patents

透明積層板

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JPH02192939A
JPH02192939A JP15671989A JP15671989A JPH02192939A JP H02192939 A JPH02192939 A JP H02192939A JP 15671989 A JP15671989 A JP 15671989A JP 15671989 A JP15671989 A JP 15671989A JP H02192939 A JPH02192939 A JP H02192939A
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JP
Japan
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terpolymer
transparent
sheet
crosslinked
vinyl acetate
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Application number
JP15671989A
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English (en)
Inventor
Hayashi Kurosawa
黒沢 林
Toshiyuki Iwashita
敏行 岩下
Koji Nagaoka
孝司 長岡
Shigeki Saito
斎藤 茂樹
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は透明積層板に関し、詳しくは極めて限定された
組成のエチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコールからな
る三元共重合体や該三元共重合体の架橋物ならびに架橋
シートを、複数のガラス板や透明合成樹脂板の間に挟持
してなる透明積層板、に関するものである。これらの透
明積層板は、広い温度範囲にわたって透明性や強度にす
ぐれ、自動車のフロントガラスや建築用の合わせガラス
あるいはその代替品等として極めて高い性能を発揮する
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕近年、
自動車の安全レベルの向上にともなって、フロントガラ
スの安全対策は搭乗者の安全を確保する上で絶対不可欠
の至上命題になっている。このような時代の要請にとも
なって、樹脂強化複層安全ガラスをフロントガラスに使
用することが、世界各国に於いても法的に義務付けられ
つつあるのが実状である。
現在、自動車のフロントガラスに使用される安全ガラス
はきわめて厳しい規格があり、例えばわが国に於いても
JASO規格に定められている。
コスト的要請を満足させつつこの基準を満足させること
は、きわめて難しい命題である。
しかしながら、搭乗者の安全を確保しつつ、−方ですぐ
れた経済性ならびに生産性で提供できる材料への要求は
、わが国のみならず今や全世界的規模にまで及んでいる
現在までのところ、自動車用合わせガラスの中間層の材
料としては、ポリビニルブチラールが殆ど独占的に使用
されている。そのすぐれた透明性及び常温付近での高い
耐貫通性が大きな特徴であるが、必ずしもその性能は満
足すべきものではない。このポリビニルブチラールは、
常温付近では高い耐貫通性を示すものの、0℃以下の温
度領域あるいは80℃以上の温度領域では、その耐貫通
性は必ずしも満足すべきものではない。また、大量の可
塑剤の添加によって柔軟化を達成しているため、そのこ
とに伴う不都合も少なからず抱えている。
ところで、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコール三
元共重合体(EVAVAL)は、ガラス及び/又は透明
プラスチックに使用し得るラミネート材料として、特に
低温特性の点ですぐれていることが知られている。
米国特許第3.923,757号明細書には、パーオキ
サイド架橋EVAVALが開示されている。また米国特
許第3,378.515号明細書には、芳香族ジイソシ
アナートで架橋されたEVAVALが記載されている。
更に、米国特許第4.137.364号明細書には、酢
酸ヒニル単位含140〜60wt%のエチレン/酢酸ビ
ニル共重合体を鹸化して得られるOH含量1〜6wt%
のEVAVALを電子線照射あるいは特定の架橋剤の存
在下で加熱することによって架橋された接着性フィルム
が開示されている。また、該材料は広い温度領域での特
性がすぐれていると記載されているが、必ずしもそれを
充分に裏付けるデータは開示されていない。
これら米国特許明細書の記載によれば、EVAVAL架
橋物は、そのすぐれた低温特性と高温側にも余裕のある
広い使用温度範囲を有するため、魅力的な材料であると
されている。しかしながら、このEVAVAL架橋物は
、未だ産業界に於いて安全ガラス用ラミネート材料とし
て広く使用されるには至っていない。この原因は、ガラ
スをその両面層とする積層ガラスを考えた場合、充分に
高い耐貫通性を満足し、なお且つ充分な透明性を満たす
ことが該材料では不可能であるためと思われる。
一方、エチレン/酢酸ビニル共重合体及びその完全鹸化
物の物性挙動については、例えばジャーナル・オブ・ポ
リマーサイエンス、パートA−1゜第9巻、3038〜
3103頁(Journal ofPolymer 5
cience、  Part A −1,Vol、  
9゜P3083〜3103)には、エチレンと酢酸ビニ
ルまたはビニルアルコールの二元共重合体の共重合組成
と対応する物性の関係について詳しく報告されている。
しかし、この報告からEVAVALの如き三元共重合体
の物性を推測することはほとんど不可能であり、またこ
のEVAVALについては、構造と物性の関係について
は比較的知見が少ないのが実状である。
本発明者らは、前述した如くガラス/ガラスの中間層(
ラミネート層)としての優れた材料、特に耐貫通性と透
明性及び適度な接着性を有し、積層安全ガラスとしての
高い性能を有する材料が強く要請されているにも拘らず
、各種の広い観点からみて充分な性能を満足する材料が
実用に供されていない実状に鑑みて、比較的産業界に於
いて入手しやすい材料であるEVAVALについて鋭意
研究を加えた。特に、EVAVALについて、その製造
法と構造と物性との関係を深く追求した。
ガラスを両面層とする安全ガラスの場合、安全ガラスが
高い耐貫通性を発揮するためには、ガラスとガラスの間
に中間層としての高分子材料が極めて重要な役割を果た
しているであろうことは容易に推測されるにも拘わらず
、その詳細についてはあまり明らかではない。
本発明者らは、EVAVALの特性、特に引張り破断強
度がビニルアルコール含量の増加とともに増大すること
に着目して検討を重ねたところ、引張り破断強度の増大
は材料の破壊のエネルギーの増大につながり、このこと
が、複層化された合わせガラスとしての耐貫通性の向上
にもつながっていることを発見した。
しかし、このような耐貫通性の向上は、高い透明性を求
められるフロントガラス用の中間層(中間膜)として眺
めた場合には、同時にEVAVALに好ましくない特異
な光学挙動をもたらすことが判明した。例えば、EVA
VALについて、20〜130℃の間で温度の上昇及び
降下を繰り返して実施し、その間の透明性の観察を行っ
てみると、ある一定組成の共重合体では、昇温過程では
著しい光学的な変化は認められないにも拘らず、冷却過
程の特定の狭い温度領域でヘーズが象、上昇し、さらに
冷却をすると再び透明になるという現象が観察された。
ここで見出された特異なヘーズ上昇挙動については、こ
れまでに殆゛ど知られていないものであり、例えば米国
特許第4.137.364号明細書にも全く触れられて
いない。
このような特異なヘーズ挙動は、加水分解を施す前のエ
チレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)や比較的低加、
水分解率のEVAVALでは認められない場合でも、E
VAVALに強度を付与するために必要な比較的高いビ
ニルアルコール含量の領域で認められることが判明した
。二方、合わせガラスとしての耐貫通性を改良するため
に必要な中間膜適性の高いEVAVALの領域も、高い
ビニルアルコール含量の領域であることが判明した。
米国特許第4,137.364号明細書には、EVAV
ALの電子線架橋物が従来材料に比べて、使用温度範囲
が広くすぐれた特性を有する旨の記載が認められる。し
かしながら、ここに開示されている実施例は、比較的ビ
ニルアルコール含量の低いEVAVALの例のみにとど
まり、本発明者らが発見した特異な光学挙動にはなんら
言及されていない。つまり、この特異な光学挙動は、米
国特許第4.137.364号にかかる発明の成立時点
では予想され得なかった全く新しい現象である。
本発明者らは、かかる予想せざる発見をきっかけに、更
に研究を進め、自動車フロントガラス用の合わせガラス
中間層の如く、極めて高い要求特性を満足できる材料を
開発すべく EVAVALの性状をあらゆる観点から検
討を加えた。
その結果、極めて限られた構造範囲のエチレン/酢酸ビ
ニル共重合体を出発原料として、これを部分鹸化するこ
とによって得られる限られた構造範囲のEVAVALあ
るいはこれを架橋したものが、ガラス板や合成樹脂板か
らなる複数の透明板の中間層としての極めてすぐれた特
性を有することを見出した。本発明はかかる知見に基づ
いて完成したものである。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち、本発明はエチレン/酢酸ビニル二元共重合体
を均一に部分鹸化して得られるエチレン/酢酸ビニル/
ビニルアルコール三元共重合体であって、 i)該二元共重合体が、 ■ 酢酸ビニルに由来する単位の含量が46〜53匈t
% ■ MFIが1〜20g/10分 (但し、MFIは190℃で測定したメルトフローイン
デックスである。) ■ 多分散値M w / M nが4.0以下(但し、
Mwは重量平均分子量を、Mnは数平均分子量をそれぞ
れ示す。) ■ 同位体炭素13Cの核磁気共鳴法で測定されるトラ
イアットにおけるエチレン連鎖の比率が50モル%以下
のコモノマー分布 で規定されるものであり、かつ ii )該三元共重合体が、 ■ ビニルアルコールに由来する単位の含量が12.4
〜15.2 wt% ■ 結晶融解エンタルピー(ΔHm)が0,5cal/
g以下の実質的に非晶性 で規定される三元共重合体を、ガラス板及び/又は合成
樹脂板からなる複数の透明板の間に挟持してなる透明積
層板を提供するものである。また、本発明は上記三元共
重合体を架橋してなる共重合体架橋物を、ガラス板及び
/又は合成樹脂板からなる複数の透明板の間に挟持して
なる透明積層板を提供し、さらに上記三元共重合体に電
離性放射線を照射して架橋したゲル分率55%以上共重
合体架橋シートを、ガラス板及び/又は合成樹脂板から
なる複数の透明板の間に挟持してなる透明積層板をも提
供するものである。
本発明の透明積層板の中間層として使用されるエチレン
/酢酸ビニル二元共重合体の構造及び組成は、前述の如
く■共重合体中の酢酸ビニルに由来する単位の含量、■
メルトフローインデックス(MFり、■多分散値(Mw
/Mn)及び■同位体炭素13Cの核磁気共鳴(”C−
NMR)法で求められるコモノマー分布によって特性付
けることができる。
ここで、■共重合体中の酢酸ビニルに由来する単位(酢
酸ビニル単位)の含量は、46〜53wt%であり、好
ましくは48〜52wt%である。酢酸ビニル単位の含
量が46wt%未満の共重合体を出発原料とした場合、
得られる三元共重合体は、二つの観点から本発明の目的
を達成することができない。その一つは、透明性の点で
は充分であるにも拘らず、強度が不充分であるためガラ
スや合成樹脂と積層した場合に耐貫通性が不充分な場合
である。他の一つは、強度的には充分であるが、透明性
を広い温度範囲で満足できない場合である。
いずれにしても、強度と透明性の両方を広い温度範囲に
わたって充分に満足することができない。
一方、酢酸ビニル単位含量が53wt%を超える共重合
体では、一般にヘーズ特性を満足する三元共重合体は得
られるが、耐貫通性をも両立させることは困難である。
次に、このエチレン/酢酸ビニル二元共重合体の[2]
MFI(190℃で測定)は、1〜20g/10分であ
り、好ましくは2〜12/10分である。MFIが20
g/10分を超えるものでは、これを部分鹸化して得ら
れる三元共重合体(EVAVAL)あるいはその架橋物
のヘーズ特性を満足しつつ耐貫通性を満足させることは
難しい。出発原料である二元共重合体のMFIは、二元
共重合体から得られる三元共重合体あるいはその架橋物
の衝撃強度に極めて大きな影響を与える。
また、エチレン/酢酸ビニル二元共重合体の■多分散値
であるM w / M nについては、4.0以下であ
り、好ましくは2.5〜3.0である。Mw/Mnが4
.0を超えるものでは耐貫通性とヘーズ特性とのバラン
スをとることが極めて困難である。
更に、エチレン/酢酸ビニル二元共重合体の■”C−N
MR法で求められるコモノマー分布は、トライアッドに
おけるエチレン連鎖の比率(即ちエチレン−エチレン−
エチレン(EEE)の分率)が50モル%以下であるこ
とが重要であり、好ましくは45モル%以下である。E
EE連鎖の比率が50モル%を超えると、耐貫通性を満
足する三元共重合体あるいはその架橋物としたときに、
へ−ズ特性を満足することが極めて困難となる。
上述したようにきわめて制限された条件を満足するエチ
レン/酢酸ビニル二元共重合体は、高圧共重合法や溶液
共重合法によって製造することが可能であるが、高圧共
重合法によって製造されるものが好ましく、1500〜
3000kg/c+aの圧力下で製造することが特に好
ましい。
本発明の透明積層板の中間層に用いる三元共重合体は、
上記■〜■の性状を有するエチレン/酢酸ビニル二元共
重合体を均一に部分鹸化することによって得られる。こ
の鹸化の程度は、■ビニルアルコールに由来する単位の
含量が12.4〜15.2wt%となる範囲とすべきで
ある。ビニルアルコール単位含量が15.2evt%を
超えると、強度的には満足できるが、多くの場合ヘーズ
特性を満たすことができない。
即ち、ビニルアルコール単位含量が高くなりすぎると、
三元共重合体あるいはその架橋物を約130℃迄加熱し
て徐々に温度を降下させると、温度降下の過程でヘーズ
が急上昇する温度領域が存在するようになる。また、ビ
ニルアルコール単位含量が12.4 wt%未溝の共重
合体では、ヘーズ特性は優れた架橋シートは得られるが
、ガラス板あるいは合成樹脂板に積層した場合に耐貫通
性の高い積層物を与える架橋シートとはならないことが
種々の検討の結果明らかになった。このビニルアルコー
ル単位含量の下限値を決めるより客観的な指標は、三元
共重合体の引っ張り破断強度が最低でも200 kg/
cdなる値を維持できるビニルアルコール単(6含量で
ある。
また、本発明に用いる三元共重合体は、実質的に非晶性
であって、その客観的な基準は■示差走査熱量分析(D
 S C)(Differential Scannt
ngCaloris+eter)で測定される三元共重
合体の結晶融解エンタルピー(ΔHm)が0.5cal
/g以下の値を示す。
本発明に用いる三元共重合体は、上記性状を有するもの
であり、その製造法は各種の方法があるが、好ましくは
上述した二元共重合体を溶液共存下の均一溶液状態で部
分鹸化することによって得ることができる。これらの方
法の代表例としては、酸またはアルカリ触媒の存在下で
加水分解法またはエステル交換法が挙げられる。例えば
、出発物質である二元共重合体および生成するEVAV
ALの双方の良溶媒とアルコールからなりかつ双方の共
重合体を溶解する混合溶媒中で、酸もしくはアルカリを
触媒として用いてエステル交換反応を行うことにより、
比較的容易に均一な部分鹸化を達成することができる。
すぐれた光学特性を有する三元共重合体を得るためには
、鹸化に使用するエチレン/酢酸ビニル二元共重合体お
よび部分鹸化によって生成する三元共重合体のいずれも
が鹸化反応の実施に際しては、均一溶液状態を保たれて
いることが重要である。鹸化反応が不均一の状態で実施
されると、得られる三元共重合体は構造的に不均一なも
のとなり、特に架橋した場合に光学特性と強度の両立を
図ることが困難となる。
鹸化反応が不均一になることによって、目的とする性状
の三元共重合体が得られなくなることの理由は、必ずし
も明確ではないが、下記の如く推察される。即ち、例え
ば、メタノール中にエチレン/酢酸ビニル二元共重合体
のペレットを分散させて、アルカリ鹸化を実施すると、
全体の鹸化度としては目標値になっていたとしても、ペ
レットの表面部分では鹸化が進みすぎ、またペレットの
中心部分では逆に鹸化が進まず鹸化不充分になる。
このようにして得られた三元共重合体(EVAVAL)
は、結果としてきわめて組成分布の広いEVAVALで
ありヘーズの温度依存性の点で劣るだけでなく、強度的
にもあまり高くならない。
このようにして得られる三元共重合体(EVAVAL)
は、柔軟であるにも拘わらず、破断強度が高く、200
kg/cIi以上の高い破断強度を示す。
また、広い温度範囲で光学特性の変動が少ないのが特徴
的であり、20〜130 ”Cの温度領域でヘーズ値は
1以下である。このような三元共重合体の特徴は、非架
橋であっても強度や光学特性にすぐれているばかりでな
く、高い量のビニルアルコールに由来する単位を含有し
ているため、ガラス及び/又は合成樹脂板からなる複数
の透明板の間に挟持してなる透明積層板用の中間N(中
間膜)材料として極めて有用である。
本発明に用いる三元共重合体(・EVAVAL)は、そ
のままガラス板及び/又は合成樹脂板からなる複数の透
明板の間に挟持すれば、広い温度範囲にわたってすぐれ
た透明性を有する積層板が得られる。またこの三元共重
合体をさらに必要に応じて架橋すれば、光学特性にすぐ
れたものであるのみならず、強度的にも一層すぐれたも
のとなり、使用温度範囲もより広い中間層となる。この
ように本発明の三元共重合体は、そのままでもすぐれた
中間層として使用できるが、架橋を施すことにより、そ
の特徴を一層明確にすることができる。
架橋した三元共重合体は、ガラス板及び/又は合成樹脂
板からなる複数の透明板の間に挟持することによって、
積層板としての強度も一段と向上した透明積層板とする
ことができる。
このように本発明の三元共重合体は、架橋の有無に拘わ
らずすぐれた性能を示すが、架橋を施す場合、その程度
に関しては、その使用目的や架橋物の形状等種々の状況
に応じて適宜選定すべきである。例えば、複数の合成樹
脂板に挟持して用いる場合、中間層が受は持つ耐貫通エ
ネルギーの比率は比較的軽減されているから、非架橋も
しくは軽度の架橋でも充分に使用に耐えることができる
この場合、使用する合成樹脂板の耐衝撃性や合成樹脂と
の接着強度等に応じて架橋の程度を選択すればよい。ま
た、高度の耐熱性と高度の耐貫通性とを同時に要求され
ないような用途では、非架橋もしくは軽度の架橋物でも
、複数のガラス板に挟持した複層ガラスとして充分に使
用することができる。自動車用の合わせガラスの如き高
度の性能を要求される用途では、基本的には三元共重合
体の架橋化物を用いることが必要である。
このように、架橋化の程度は目的に応じて適宜選択する
ことができるが、一般にはゲル分率で90wt%以下が
好ましく、80wt%以下がより好ましい。例えば、自
動車の合わせガラスの中間層のように厳しい性能を要求
される用途には、三元共重合体は高度に架橋されている
ことが好ましく、この場合の架橋の程度は50wt%以
上、好ましくは55wt%以上である。ここでゲル分率
は、沸騰トルエンによるソックスレー抽出を5時間行っ
て求められる値である。
三元共重合体の架橋は、該共重合体に電離性放射線(電
子線、γ線、X線など)を照射したり、あるいは架橋剤
を加えて反応させることによって進行させることができ
る。これらの中でも、電離性放射線、とりわけ電子線を
照射する方法によって架橋化を行うことが好ましい。
また、このようにして得られる三元共重合体架橋シート
は、光学特性にすぐれたものであるが、具体的には20
〜130℃の温度範囲で測定されるヘーズ値は最大でも
1であり、好ましくは0.7以下である。ヘーズ値が1
を越える架橋シートは、ガラス板あるいは合成樹脂板と
積層して、自動車のフロントガラス用の安全ガラス(あ
るいはその代替品)として使用することを考慮すると、
特に夜間走行時には、外部からの光が反射して目が疲れ
る原因となり好ましくない。また、耐貫通性のすぐれた
架橋シートである為には、引張破断強度が250 kg
/d以上であることが望ましく、特に300kg/ci
i以上であることが好ましい。
このような架橋シートを製造する場合、該三元共重合体
は、架橋化に先立って、通常の押出成形手段によって、
シートに加工しておくことが好ましい。ここで成形温度
は通常は80〜200℃であるが、100〜150℃が
好ましい。
このような架橋シートは、上述したように三元共重合体
を通常の押出手段を用いて、シートとした後もしくはシ
ート成形と同時に電子線等の電離性放射線を照射するこ
とによって架橋することにより得ることができる。該シ
ートの厚さは、通常は0.2〜1.0mmである。電離
性放射線の照射線量は、照射時間の関数として表現され
るが、照射線量は30 Mrad以下であり、架橋物の
強度を高めることに主眼を置けば15〜25Mradが
好ましく、20 Mrad前後が最適である。照射線量
を多くすることは、一般には架橋材料のコストアッブに
つながるため、その照射線量は使用目的に応じて決定さ
れるべきである。コストとは別に材料の強度を高めるこ
とに主眼を置いて電子線等の電離性放射線の照射を実施
する場合、照射線量の好ましい範囲のより客観的な基準
は、架橋シートを高速衝撃試験機にかけて貫通エネルギ
ーを求めたときに、該貫通エネルギー値が極大値を示す
照射線量の近辺であり、その照射量±3Mradが最適
範囲である。架橋シートは架橋を進めると適度は架橋ま
では強度が上昇するが、反面ガラス及び合成樹脂に対す
る接着性は低下する傾向にある。したがって、積層物を
作成するための最適な架橋化の程度は、材料の強度だけ
で必ずしも最適化されるものではなく、接着性も架橋の
程度の一つの目安になり、これらを総合して架橋の程度
は決定されるべきである。照射線量が30 Mradを
超えると材料の強度は、低下するだけでなく、接着性も
低下し好ましくない。
架橋に用いる装置、例えば電子線照射装置は、電子線の
加速電圧によってほぼ特性付けられるが、加速電圧は2
00〜1.000kVであり、シートの内部まで均質に
架橋を進めるためには300〜900kVが好ましい。
本発明の透明積層板は、上記三元共重合体やその架橋物
ならびに架橋シートを、複数のガラス板や透明合成樹脂
板の間に挟持してなるものであるが、ここで使用できる
ガラス板や合成樹脂板は各種のものがあり、用途や要求
特性により適宜選定すればよい。例えば、ガラス板とし
ては普通板ガラス、みがき板ガラス、フロート板ガラス
、ソーダ石灰ガラス、硼珪酸ガラス、鉛ガラス、石英ガ
ラス、燐酸ガラス、部分強化ガラス、強化ガラス等があ
げられる。一方、合成樹脂板としては、透明なものであ
れば様々なものがあるが、具体的には、アクリル樹脂、
メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などがあげられ
る。
本発明に使用するガラス板や合成樹脂板は、上記中間層
との接着性をより効果的にするために、必要に応じて洗
浄、脱脂等の処理あるいは表面層に凹凸をつけて接触面
積を増大させたり、さらにはプライマー処理を行うこと
も有効である。
本発明の透明積層板を製造するには、様々な手法によれ
ばよいが、例えばシート状の前記三元共重合体(EVA
VAL)をそのままあるいは電離性放射線を照射して架
橋した後、上記二枚のガラス板あるいは合成樹脂板の間
に介在させ貼り合わせることにより得られる。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例及び比較例等によりさらに詳しく
説明する。
製造例1〜3 酢酸ビニル単位含量52−1%のエチレン/酢酸ビニル
共重合体(EVA)(Mw/Mn= 2.7゜コモノマ
ー分布(トライアッドEEE分率)=42.0モル%、
 MF I= 2.8 g/l 0分〕をトルエン/メ
タノール混合溶媒(容積比−1/1)に均一に溶解させ
た後、この均一溶液を60℃に保持しつつ所定量の水酸
化ナトリウムのメタノール溶液を、共重合体の析出が起
こらない程度の速度で徐々に添加した。
混合溶媒の沸点下で3時間反応を継続し、反応終了後使
用した水酸化ナトリウムの1.1倍モルの酢酸を反応混
合物に添加して、10分間攪拌を続けた。反応溶液に少
量の水を添加し、反応液を40℃に冷却した後、反応溶
液をよく攪拌しつつ、更に溶液と等容積のアセトンを添
加してポリマーを析出させた。析出した粉末状のポリマ
ーを濾別した後、アゼトン/水混合溶媒で充分に洗浄し
、加熱減圧乾燥して溶媒を含まないエチレン/酢酸ビニ
ル/ビニルアルコール三元共重合体(EVAVAL)を
得た。
得られた三元共重合体の分析及び物性測定を行った結果
、次のような性状であった。
(a)エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコールの各単
位の重量比= 54.6 / 31.1 / 14.3
(赤外吸収分析で測定) (b)結晶融解エンタルピー(ΔHm) = 0.27
 cal/g(示差走査熱量分析(DSC)で測定;昇
温速度10℃/分) (C)引張り破断強度=259kg/cd上述の如くし
て得られたEVAVALを、表面をテフロンでコーティ
ングした金型を用いて、120℃の加熱圧縮プレスにて
、20kg/cdの圧力下で圧縮成形し、厚さ0.76
mmの三元共重合体シートを作成した。
次に、該シートに加速電圧750kVの電子線照射装置
(日新ハイボルテージ■製、スキャニングタイプ、EP
S  750型)を用いて、所定の照射線量になるよう
に空気中で電子線を照射して三元共重合体架橋シートを
作成した。
上記三元共重合体シートおよび三元共重合体架橋シート
の分析結果、物性測定結果を第1表に示す。
第1表から明らかなように、本発明の三元共重合体の電
子線架橋化物は高い破断強度を示し、かつ広い温度範囲
で安定して高い透明性を保持していることが判る。
実施例1〜4 製造例1で製造した三元共重合体シートおよび製造例1
〜3で製造した架橋シートを用いて、これを中間層とす
る合わせガラス(積層ガラス)を作成してその物性を測
定した。
即ち、厚さ2mmの2枚のガラスの間に上記実施例で作
成した三元共重合体シートあるいはその架橋シートを挟
み、表面温度120 ’Cに設定した加圧プレスで、2
0kg/cfflの圧力で10分間加熱して貼合わせを
行って、積層ガラスを作成した。このようにして作成し
た積層ガラスのJISR3212に準拠した方法での耐
貫通試験を行なった。その結果、これらの積層ガラスは
いずれも4mの耐貫通試験をクリアした。またそのとき
のガラスの剥離量は、製造例1〜3で製造した架橋シー
トを用いた積層ガラスについて、それぞれ8g。
12g及びl1gであった。なお、これらの積層ガラス
の物性は第2表に示すとおりである。
製造例4〜7 第1表に示す条件としたこと以外は、上記製造例1〜3
と同様にして三元共重合体シートおよびその架橋シート
を作成した。このものの分析結果を第1表に示す。
実施例5〜12 上記製造例4〜7で製造した三元共重合体シートおよび
その架橋シートを用いて、これを中間層とする積層ガラ
スを、上記実施例1〜4と同様にして作成してその物性
を測定した。結果を第2表に示す。
比較例1〜8 第3表に示すような本発明の範囲外の性状のエチレン/
酢酸ビニル/ビニルアルコール三元共重合体のシートお
よびその電子線架橋シートを前記実施例と同様に作成し
、またこれを用いて前記応用例と同様にして積層ガラス
を作成した。これらの物性を第3表に示す。
〔発明の効果〕
本発明の透明積層板は、広い温度範囲にわたって透明性
等の光学特性にすぐれ、自動車のフロントガラス等の安
全ガラス、建築用合わせガラスあるいはその代替品とし
て有効である。また、この中間層として三元共重合体の
架橋物あるいはシートを用いた透明積層板は、広い温度
範囲にわたるすぐれた光学特性とともに、機械的強度の
すぐれたものであり、特に自動車のフロントガラスある
いはその代替品等に有効に利用される。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)エチレン/酢酸ビニル二元共重合体を均一に部分
    鹸化して得られるエチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコ
    ール三元共重合体であって、 i)該二元共重合体が、 [1]酢酸ビニルに由来する単位の含量が46〜53w
    t% [2]MFIが1〜20g/10分 (但し、MFIは190℃で測定したメル トフローインデックスである。) [3]多分散値Mw/Mnが4.0以下 (但し、Mwは重量平均分子量を、Mnは 数平均分子量をそれぞれ示す。) [4]同位体炭素^1^3Cの核磁気共鳴法で測定され
    るトライアッドにおけるエチレン連鎖の比 率が50モル%以下のコモノマー分布 で規定されるものであり、かつ ii)該三元共重合体が、 [5]ビニルアルコールに由来する単位の含量が12.
    4〜15.2wt% [6]結晶融解エンタルピー(ΔHm)が0.5cal
    /g以下の実質的に非晶性 で規定される三元共重合体を、ガラス板及び/又は合成
    樹脂板からなる複数の透明板の間に挟持してなる透明積
    層板。
  2. (2)請求項1記載の三元共重合体を架橋してなる共重
    合体架橋物を、ガラス板及び/又は合成樹脂板からなる
    複数の透明板の間に挟持してなる透明積層板。
  3. (3)請求項1記載の三元共重合体に電離性放射線を照
    射して架橋したゲル分率55%以上共重合体架橋シート
    を、ガラス板及び/又は合成樹脂板からなる複数の透明
    板の間に挟持してなる透明積層板。
  4. (4)請求項1記載の三元共重合体に電離性放射線を照
    射して架橋したゲル分率55%以上共重合体架橋シート
    を、ガラス板からなる複数の透明板の間に挟持してなる
    透明積層板。
  5. (5)電離性放射線が電子線である請求項3あるいは4
    の透明積層板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6903159B2 (en) 2000-08-31 2005-06-07 Kuraray Co., Ltd. Method for producing saponified ethylene-vinyl acetate copolymer
CN108699186A (zh) * 2016-02-12 2018-10-23 东曹株式会社 交联乙烯-乙酸乙烯酯共聚物皂化物、热熔粘接剂树脂组合物、粘接剂及其成型体

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CN108699186B (zh) * 2016-02-12 2021-01-26 东曹株式会社 交联乙烯-乙酸乙烯酯共聚物皂化物、热熔粘接剂树脂组合物、粘接剂及其成型体

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