JP3054232B2 - 接着性、透明性にすぐれた三元共重合体およびその製造方法 - Google Patents

接着性、透明性にすぐれた三元共重合体およびその製造方法

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JP3054232B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は接着性、光学特性のすぐ
れた三元共重合体およびその製造方法に関し、詳しくは
極めて限定された組成のエチレン/酢酸ビニル/ビニル
アルコール三元共重合体または該三元共重合体を架橋し
てなる接着性、光学特性や強度のすぐれた三元共重合体
およびそれらの製造方法に関するものである。この三元
共重合体または該三元共重合体の架橋物は、合わせガラ
ス(積層ガラス)等の中間層として極めて高い性能を発
揮する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の安全レベルの向上にとも
なって、フロントガラスの安全対策は搭乗者の安全を確
保する上で絶対不可欠の至上命題になっている。現在、
自動車のフロントガラスに使用される安全ガラスはきわ
めて厳しい規格があり、例えばわが国に於いてもJAS
O規格に定められている。コスト的要請を満足させつつ
この基準を満足させることはガラス、接着剤共にきわめ
て難しい命題である。
【0003】現在までのところ、自動車用合わせガラス
の中間層の材料としては、ポリビニルブチラールが殆ど
独占的に使用されている。この合わせガラスは、そのす
ぐれた透明性と高い耐貫通性が大きな特徴であるが、ポ
リビニルブチラールが合わせガラスの中間層材料として
必ずしもその性能は満足すべきものではない。つまり、
ガラスとの貼合に際しては吸湿性が高いため事前の状態
調節を必要とし、ガラスに対して一枚、一枚貼合しなけ
ればならずかつオートクレーブにより加圧下で30分〜
2時間程度加熱する必要があり、このことが合わせガラ
スの製造工程を非常に煩雑なものにしている。
【0004】ところで、エチレン/酢酸ビニル/ビニル
アルコール三元共重合体(EVAVAL)は、合わせガ
ラス及び/又は透明合成樹脂透明板に使用し得る中間層
の材料として、特に低温特性の点ですぐれた材料である
ことが知られている。
【0005】例えば、米国特許第 4,137,364号明細書に
は、酢酸ビニル単位含有量40〜60wt%のエチレン
/酢酸ビニル共重合体をケン化して得られるOH含有量
1〜6wt%のEVAVALを、電子線照射あるいは特
定の架橋剤の存在下で加熱することによって架橋された
接着性フィルムが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、従来の
合わせガラスの中間層材料の光学特性、強度を保ちなが
ら、ガラスをはじめとする各種基材との接着性が著しく
向上し、オートクレーブを使用せずに10〜30分程度
の短時間の熱圧着によりガラスと貼合可能であり、合わ
せガラスの製造プロセスが大幅に簡略化できる中間層材
料の開発を目的とし、EVAVALの特性、特にガラス
をはじめとする各種基材との接着性がビニルアルコール
単位含有量の増加とともに増大することに着目して検討
を重ねたところ、特定の組成範囲内のEVAVALにお
いてこれが可能であることを見いだし本発明に到達し
た。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は酢酸
ビニルに由来する単位の含有量が46〜55wt%、M
FRが1〜100g/10分(但し、MFRは190
℃、2.16Kg荷重で測定したメルトフローレートで
ある。)であるエチレン−酢酸ビニル二元共重合体を均
一に部分ケン化し、ビニルアルコール単位の含有量が1
5.6wt%以上であって、酢酸ビニルに由来する単位
の含有量が20wt%以上であるエチレン−酢酸ビニル
−ビニルアルコール三元共重合体としたことを特徴とす
る接着性、透明性にすぐれた三元共重合体および酢酸ビ
ニルに由来する単位の含有量が46〜55wt%、MF
Rが1〜100g/10分(但し、MFRは190℃、
2.16Kg荷重で測定したメルトフローレートであ
る。)であるエチレン−酢酸ビニル二元共重合体を均一
に部分ケン化し、ビニルアルコール単位の含有量が1
5.6wt%以上であって、酢酸ビニルに由来する単位
の含有量が20wt%以上であるエチレン−酢酸ビニル
−ビニルアルコール三元共重合体としたことを特徴とす
る接着性、透明性にすぐれた三元共重合体の製造方法、
更に酢酸ビニルに由来する単位の含有量が46〜55w
t%、MFRが1〜100g/10分(但し、MFRは
190℃、2.16Kg荷重で測定したメルトフローレ
ートである。)であるエチレン−酢酸ビニル二元共重合
体を均一に部分ケン化し、ビニルアルコール単位の含有
量が15.6wt%以上であって、酢酸ビニルに由来す
る単位の含有量が20wt%以上であるエチレン−酢酸
ビニル−ビニルアルコール三元共重合体とし、これをシ
ート状とした後電離性放射線または架橋剤により架橋す
ることを特徴とする接着性、透明性にすぐれた三元共重
合体の製造方法に関するものである。
【0008】本発明に使用されるエチレン/酢酸ビニル
二元共重合体の組成は、前述の如く共重合体中の酢酸
ビニルに由来する単位の含有量、メルトフローレート
(MFR)、によって規定されている。
【0009】ここで、共重合体中の酢酸ビニルに由来す
る単位(酢酸ビニル単位)の含有量は、46〜55wt
%であり、好ましくは48〜53wt%である。酢酸ビ
ニル単位の含有量が46wt%未満の共重合体を出発原
料とした場合、得られる三元共重合体は、二つの観点か
ら本発明の目的を達成することができない。その一つ
は、透明性を重視した処理を行う時は強度が不十分にな
りガラスや合成樹脂と積層した場合に耐貫通性が不十分
となる場合である。他の一つは、強度を重視した処理を
行う時は高い透明性を広い温度範囲で維持することがで
きない。いずれにしても、強度と透明性は相反する要求
となり、両方を広い温度範囲にわたって充分に満足する
ことができない。
【0010】一方、酢酸ビニル単位含有量が55wt%
を超える共重合体では、一般にヘーズ特性を満足する三
元共重合体は容易に得られるが、耐貫通性が維持できず
これらを両立させることは困難である。
【0011】このエチレン/酢酸ビニル二元共重合体の
MFR(190℃、2.16Kg荷重で測定)は、1〜
100g/10分であり、好ましくは2〜50g/10
分である。出発原料である二元共重合体のMFRは、二
元共重合体から得られる三元共重合体あるいはその架橋
物の衝撃強度に極めて大きな影響を与える。MFRが1
00g/10分を超えるものでは、これを部分ケン化し
て得られる三元共重合体(EVAVAL)の架橋物のヘ
ーズ特性はともかく、耐貫通性が低下する。一方、MF
Rが1g/10分以下であると耐貫通性は向上するが、
ヘーズ特性が低下する。
【0012】上述したエチレン/酢酸ビニル二元共重合
体は、高圧共重合法や溶液共重合法によって製造するこ
とが可能であるが、高圧共重合法によって製造されるも
のが好ましく、1000〜3000Kg/cm2 の圧力
下で製造された共重合体が特に好ましい。
【0013】本発明の三元共重合体は、上記の性状を有
するエチレン/酢酸ビニル二元共重合体を均一に部分ケ
ン化することによって得られる。このケン化の程度は、
ビニルアルコールに由来する単位の含有量が15.6w
t%以上となる範囲とすべきである。ビニルアルコール
単位含有量が15.6wt%未満であると、ガラスとの
充分な接着性を得るためには長時間あるいは高温での接
着を必要とするために、ガラスとの積層工程が煩雑なも
のとなる。合わせて、ヘーズ特性を満たすことはできる
が強度的には不十分な結果しか得ることができない。
【0014】さらに、ヘーズ特性に関して十分満足いく
結果を得るためには、酢酸ビニルに由来する単位の含有
量が20wt%以上であることが必要である。酢酸ビニ
ルに由来する単位の含有量が20wt%未満ではヘーズ
特性を満たすことができず、光学的に満足のいく共重合
体を得ることができない。
【0015】この三元共重合体は、上記性状を有するも
のであり、そのケン化方法は各種の方法を採用できる
が、好ましくは前記二元共重合体を溶媒存在下の均一溶
液状態で部分ケン化することによって得ることができ
る。このケン化方法の代表例としては、酸またはアルカ
リ触媒の存在下で加水分解法またはエステル交換法が挙
げられる。例えば、出発物質である二元共重合体及び生
成するEVAVALの双方の良溶媒とアルコールからな
り、かつ双方の共重合体を溶解する混合溶媒中で、酸も
しくはアルカリを触媒としてエステル交換反応を行うこ
とにより、比較的容易に均一な部分ケン化を達成するこ
とができる。
【0016】本発明のすぐれた光学特性を有する三元共
重合体を得るためには、ケン化に使用するエチレン/酢
酸ビニル二元共重合体および部分ケン化によって生成す
る三元共重合体のいずれもがケン化反応中均一溶液状態
に保たれていることが重要である。ケン化反応が不均一
の状態で実施されると、得られる三元共重合体は構造的
に不均一なものとなり、特に架橋した場合に光学特性と
強度の両立を図ることが困難となる。
【0017】このようにして得られる三元共重合体(E
VAVAL)は、ガラスなどの基材との接着性が高く、
合わせガラス製造に際してガラスとの積層条件として短
い時間、低い積層温度を採用できるとともに、柔軟であ
るにも拘わらず、破断強度が高く、200Kg/cm2
以上の高い破断強度を示す。また、広い温度範囲で光学
特性の変動が少ないのが特徴的であり、20〜130℃
の温度領域でヘーズ値は1%以下である。このような三
元共重合体の特徴は、非架橋であっても強度や光学特性
にすぐれているばかりでなく、高い量のビニルアルコー
ルに由来する単位を含有しているため、ガラスおよび/
または合成樹脂板からなる複数の透明板の間に狭持して
なる透明積層板用の中間層(中間膜)材料として極めて
有用である。特に、あまり厳しい耐熱性を要求されない
ガラスと合成樹脂、または合成樹脂と合成樹脂を両面層
とする積層板用の中間層材料として有用である。
【0018】本発明の三元共重合体(EVAVAL)
は、さらに必要に応じて架橋すれば、光学特性にすぐれ
た特性を保持したまま、強度的にも一層すぐれたものと
なる。この架橋は上記三元共重合体に電離性放射線(電
子線、γ線、X線など)を照射したり、あるいは1,1
−ビス−第3級−ブチル−パーオキシ−3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−
2,5−ジハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル
−2,5−ジ−第3ブチルパーオキシヘキサン、ベンゾ
イルパーオキサイド等の架橋剤を加えて反応させること
によって架橋する。特に電子線等の電離性放射線を照射
する方法によって三元共重合体の架橋化を行うことが好
ましい。また、この架橋の程度は、特に制限はなく使用
目的や架橋物の形状等種々の状況に応じて適宜選定すれ
ばよい。例えば三元共重合体の架橋シートとして、自動
車用合わせガラスの中間層に適用する場合には、ゲル分
率が45wt%以上となるように架橋されていることが
好ましい。ここでゲル分率は、沸騰トルエンによるソッ
クスレー抽出を5時間行って求められる値である。ゲル
分率が45wt%に満たない場合は融点以上に加熱する
と形状保持性が低く、実質的に架橋した意味はない。特
に精密な精度を要求される合わせガラスに対しては貼合
時の厚み精度を出すことが難しくなるので中間層として
はある程度以上のゲル分率が必要となるが、45wt%
以上あれば充分である。
【0019】また、このようにして得られる三元共重合
体架橋体は、光学特性にすぐれたものであるが、具体的
には20〜130℃の温度範囲で測定されるヘーズ値は
最大でも1%であり、好ましくは、0.7%以下であ
る。ヘーズ値が1%を越える架橋体は、ガラスと積層し
て、自動車のフロントガラス用の安全ガラスとして使用
することを考慮すると外部からの光が反射するので好ま
しくない。また、耐貫通性のすぐれた架橋体である為に
は、引張破断強度が200Kg/cm2 以上であること
が望ましく、特に250Kg/cm2 以上であることが
好ましい。
【0020】このような架橋体を製造する場合、該三元
共重合体は、架橋化に先立って、通常の押出成形手段に
よって、シートに加工しておくことが好ましい。ここで
成形温度は通常は60〜150℃であるが、80〜13
0℃が好ましい。
【0021】このような架橋シートは、上述したように
三元共重合体を通常の押出手段を用いて、シートとした
後もしくはシート成形と同時に電子線等の電離性放射線
を照射することによって架橋することにより得ることが
できる。該シートの厚さは、通常は0.2〜1.0mm
である。
【0022】電離性放射線の照射線量は、照射時間の関
数として表現されるが、ここで必要な照射線量は5〜3
0Mradであり、20Mrad前後が最も好適であ
る。5Mrad以下では架橋の効果が現れず、30Mr
ad以上照射することは共重合体の強度の低下、照射時
間が長くなる、電力使用量が大きくなるなど物性、経済
性に問題がある。
【0023】架橋に用いる装置、例えば電子線照射装置
においては、加速電圧は100〜1,000kVであ
り、シートの厚さにもよるが内部まで均質に架橋を進め
るために加速電圧は300〜900kVが好ましい。
【0024】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例等によりさ
らに詳しく説明する。 (実施例1〜3) (1)エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコール三元共
重合体の調製 酢酸ビニル単位含有量52wt%のエチレン/酢酸ビニ
ル共重合体(EVA)[Mw/Mn=2.7 、コモノマー
分布(トライアッドEEE分率)=42.0モル%、MFR
=2.8g/10分]をトルエン・メタノール混合溶媒(容
積比=1/1)に均一に溶解させた後、この均一溶液を
60℃に保持しつつ所定量の水酸化ナトリウムのメタノ
ール溶液を、共重合体の析出が起こらない程度の速度で
徐々に添加した。
【0025】混合溶媒の沸点下で3時間反応を継続し、
反応終了後使用した水酸化ナトリウムの1.1倍モルの
酢酸を反応混合物に添加して、10分間撹拌を続けた。
反応溶液に少量の水を添加し、反応液を40℃に冷却し
た後、反応溶液をよく撹拌しつつ、更に溶液と等容積の
アセトンを添加してポリマーを析出させた。析出した粉
末状のポリマーを濾別した後、アセトン/水混合溶媒
(容積比=6/1)で充分に洗浄し、加熱減圧乾燥して
溶媒を含まないエチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコー
ル三元共重合体(EVAVAL)を得た。得られた三元
共重合体の分析及び物性測定を行った結果、次のような
性状であった。 (a) エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコールの各単位
の重量比 =55.5/28.2/16.3 (赤外吸収分析で測
定) (b) 引張り破断強度=265kg/cm2
【0026】(2)三元共重合体シートおよび三元共重
合体架橋シートの作成 上述の如くして得られたEVAVALを、表面をテフロ
ンでコーティングした金型を用いて、120℃の加熱圧
縮プレスにて、20Kg/cm2 の圧力下で圧縮成形
し、厚さ0.76mmの三元共重合体シートを作成し
た。次に、該シートに電子線照射装置(日新ハイボルテ
ージ(株)製、スキャニングタイプ、EPS750型)
を用いて、750kVの加速電圧で、所定の照射線量に
なるように空気中で電子線を照射して三元共重合体架橋
シートを作成した。上記三元共重合体シートおよび三元
共重合体架橋シートの分析結果、物性測定結果を表1に
示す。表1から明らかなように、本発明の三元共重合体
およびその電子線架橋物は高い破断強度を示し、かつ広
い温度範囲で安定して高い透明性を保持していることが
判る。
【0027】(応用例1〜4)実施例1で製造した三元
共重合体シートおよび実施例1〜3で製造した架橋シー
トを用いて、これを中間層とする合わせガラス(積層ガ
ラス)を作成してその物性を測定した。即ち、厚さ2m
mの2枚のガラスの間に上記実施例で作成した三元共重
合体シートあるいはその架橋シートを挟み、表面温度1
20℃に設定した加圧プレスで、20Kg/cm2 の圧
力で10分間加熱して貼合わせを行って、積層ガラスを
作成した。このようにして作成した積層ガラスをJIS
R 3212に準拠した方法で耐貫通試験を行なっ
た。その結果、これらの積層ガラスはいずれも5mの耐
貫通試験をクリアした。またそのときのガラスの剥離量
は、実施例1〜3で製造した架橋シートを用いた積層ガ
ラスについて、それぞれ表2に示している。また、これ
らの積層ガラスの物性は表2に示すとおりである。
【0028】(実施例4〜7)表1に示す条件としたこ
と以外は、上記実施例1〜3と同様にして三元共重合体
シートおよびその架橋シートを作成した。このものの分
析結果を表1に示す。
【0029】(応用例5〜12)上記実施例4〜7で製
造した三元共重合体シートおよびその架橋シートを用い
て、これを中間層とする積層ガラスを、上記応用例1〜
4と同様にして作成してその物性を測定した。結果を表
2に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】(比較例1〜5)表3に示すような本発明
の範囲外の性状のエチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコ
ール三元共重合体のシートおよびその電子線照射シート
を前記実施例と同様に作成し、またこれを用いて前記応
用例と同様にして積層ガラスを作成した。これらの物性
を表4に示す。この表から明らかなように、三元共重合
体中のビニルアルコール含有量が本発明の範囲を下回る
場合には、ガラスとの積層に際して、本発明の範囲内の
三元共重合体と同様の積層条件をとると、明らかにガラ
スとの接着力が不足であり、耐貫通試験を実施した場合
の成績は不良であり、試験の際のガラスの剥離量も大き
い。これらの積層条件として、温度を高くする、積層時
間を長くするなどの条件を検討すれば、ガラスとの接着
力は改善され試験の際のガラスの剥離量は低下するもの
の、強度が低いために耐貫通性は向上しない。
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】これら実施例及び比較例から、本発明の共
重合体が短時間、低温での積層によりガラスとの間に十
分な接着強度を示し、光学特性、耐貫通性ともにすぐれ
ていることが明かである。
【0036】
【発明の効果】本発明のエチレン−酢酸ビニル−ビニル
アルコール三元共重合体は、オートクレーブを使用せず
とも各種基材との接着を短時間の熱接着で可能にしたも
のであり、強度に優れ、かつ広い温度範囲にわたって透
明性等の光学特性を維持しているもので、積層ガラスや
積層透明プラスチック(アクリル樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂等)等の中間層に適用して、自動車フロントガラ
ス等の安全ガラスあるいはその代替品として有効に利用
される。また、この三元共重合体の架橋物は、広い温度
範囲にわたる優れた光学特性とともに、機械的強度を更
に向上させたものであり、積層ガラス(合わせガラス)
の中間層として特に有効に利用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C08L 23:08 23:26 29:04 31:04 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 210/02 C08F 216/06 C08F 218/08 C08J 3/24 C08J 7/00 B32B 17/10 B32B 27/00 B32B 27/28 C03C 27/12

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酢酸ビニルに由来する単位の含有量が4
    6〜55wt%、MFRが1〜100g/10分(但
    し、MFRは190℃、2.16Kg荷重で測定したメ
    ルトフローレートである。)であるエチレン−酢酸ビニ
    ル二元共重合体を均一に部分ケン化し、ビニルアルコー
    ル単位の含有量が15.6wt%以上であって、酢酸ビ
    ニルに由来する単位の含有量が20wt%以上であるエ
    チレン−酢酸ビニル−ビニルアルコール三元共重合体と
    したことを特徴とする接着性、透明性にすぐれた三元共
    重合体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のエチレン−酢酸ビニル−
    ビニルアルコール三元共重合体をゲル分率が45wt%
    以上に架橋した接着性、透明性にすぐれた三元共重合
    体。
  3. 【請求項3】 酢酸ビニルに由来する単位の含有量が4
    6〜55wt%、MFRが1〜100g/10分(但
    し、MFRは190℃、2.16Kg荷重で測定したメ
    ルトフローレートである。)であるエチレン−酢酸ビニ
    ル二元共重合体を均一に部分ケン化し、ビニルアルコー
    ル単位の含有量が15.6wt%以上であって、酢酸ビ
    ニルに由来する単位の含有量が20wt%以上であるエ
    チレン−酢酸ビニル−ビニルアルコール三元共重合体と
    したことを特徴とする接着性、透明性に優れた三元共重
    合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 酢酸ビニルに由来する単位の含有量が4
    6〜55wt%、MFRが1〜100g/10分(但
    し、MFRは190℃、2.16Kg荷重で測定したメ
    ルトフローレートである。)であるエチレン−酢酸ビニ
    ル二元共重合体を均一に部分ケン化し、ビニルアルコー
    ル単位の含有量が15.6wt%以上であって、酢酸ビ
    ニルに由来する単位の含有量が20wt%以上であるエ
    チレン−酢酸ビニル−ビニルアルコール三元共重合体と
    し、これを電離性放射線または架橋剤により架橋するこ
    とを特徴とする接着性、透明性にすぐれた三元共重合体
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 電離性放射線が電子線であり、照射量が
    5〜30Mradである請求項4の接着性、透明性にす
    ぐれた三元共重合体の製造方法。
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