JPH1192567A - エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物ペレット - Google Patents

エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物ペレット

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JPH1192567A
JPH1192567A JP27367097A JP27367097A JPH1192567A JP H1192567 A JPH1192567 A JP H1192567A JP 27367097 A JP27367097 A JP 27367097A JP 27367097 A JP27367097 A JP 27367097A JP H1192567 A JPH1192567 A JP H1192567A
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誠 国枝
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温時での溶融成形性に優れて、溶融成形時
のトルク変動や吐出量変化が少なく、更には厚みの均一
性に優れたフィルムやシート等の成形物を得ることがで
きるエチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物ペレット
を提供すること。 【解決手段】 20℃における貯蔵弾性率を2×106
〜5×107Paとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エチレン−酢酸ビ
ニル系共重合体ケン化物(以下、EVOHと略記する)
ペレットに関し、更に詳しくは低温での溶融成形性に優
れたEVOHペレットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、EVOHはその透明性、ガスバ
リヤー性、保香性、耐溶剤性、耐油性などに優れてお
り、かかる特性を生かして、食品包装材料、医薬品包装
材料、工業薬品包装材料、農薬包装材料等のフィルムや
シート、或いはボトル等の容器等に成形されて利用され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
成形にあたっては、通常200℃前後で溶融成形が行わ
れることが多いが、場合によって、もっと低温での溶融
成形が望まれることがあるものの、その時は成形性をあ
る程度犠牲にせざるを得ないこともあり、100℃前後
の比較的低温での成形性に優れたEVOHが望まれると
ころである。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
かかる現況に鑑みて鋭意研究した結果、20℃における
貯蔵弾性率が2×106〜5×107PaであるEVOH
ペレットが、100℃前後の比較的低温でも成形性に優
れ、溶融成形時のトルク変動や吐出量変化が少なく、更
には厚みの均一性に優れたフィルムやシート等の成形物
を得ることができることを見いだすと同時に、炭素数が
5以下のアルコールを0.1〜1000ppm含有し、
かつ含水率が10〜60重量%で、エチレン含有量60
モル%以下,ケン化度90モル%以上のEVOHペレッ
トが上記の物性を満足することも見いだし、本発明を完
成するに至った。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のEVOHペレットは、20℃における貯蔵弾性
率が2×106〜5×107Pa(更には4×106〜2
×107Pa)のもので、該貯蔵弾性率が2×106Pa
未満では成形安定性に欠け、逆に5×107Paを越え
ると押し出し加工時に高トルクとなって、本発明の目的
を達成することができない。尚、かかる貯蔵弾性率と
は、10Hzの振動を与えた時に測定される値で、DM
A(Dynamic Mechanical Analyzer)等で測定するこ
とができ、本発明においては、EVOHペレットを10
〜50℃まで、3℃/minの速度で昇温しながら、該D
MAで連続的に貯蔵弾性率を測定して、20℃における
測定値をEVOHペレットの貯蔵弾性率とした。
【0006】また、本発明においては、20℃における
EVOHペレットの硬度(JISA K6301のスプ
リング式硬さ試験A形に準拠、以下同様)が50〜90
(更には70〜90)であることが好ましく、該硬度が
50未満では、ペレット形状が不良となり、逆に90を
越えると低温押し出し加工が難しくなって、好ましくな
い。尚、かかるペレットの硬度は、ストランド状のEV
OHを切断してペレット状にしたときの切断面の硬度を
測定したものである。
【0007】更に該EVOH(ペレット)は、エチレン
含有量が60モル%以下(更には25〜55モル%)、
ケン化度が90モル%以上(更には99モル%以上)、
含水率0.3重量%以下の時のメルトインデックス(2
10℃、荷重2160g)が1〜100g/10分(更
には3〜50g/10分)のものが好ましく、該エチレ
ン含有量が、60モル%を越える場合や該ケン化度が、
90モル%未満の場合には、ガスバリヤー性が低下して
好ましくなく、また、該メルトインデックスが該範囲よ
りも小さい場合には、成形時に押出機内が高トルク状態
となって押出加工が困難となり、また該範囲よりも大き
い場合には、逆に低トルクのため押出加工性が不安定と
なり好ましくない。
【0008】本発明に用いるEVOHには、少量の変性
成分として、例えば不飽和カルボン酸、その無水物、
塩、エステルやα−オレフィン類、ビニルエーテル、ニ
トリル、アミド類をはじめ任意の変性重合成分が含まれ
ていても良い。又、本発明においては、エチレン含有量
及びケン化度が上記の如き範囲のEVOHであれば、単
独で用いても、異なる組成のEVOHを2種以上併用し
て用いてもよい。上記の如き物性を有する本発明のEV
OHペレットを得るにあたっては、特に制限はなく、E
VOH中のアルコールの含有量を調整したり、EVOH
中の水分量を調整したり、EVOH中の酢酸ナトリウム
や酢酸の含有量を調整したり、等の方法が考えられる
が、炭素数が5以下のアルコールを0.1〜1000p
pm含有し、かつ含水率(水分量)を10〜60重量%
とする方法が、工業的には好ましく、かかる方法につい
て以下説明するが、この方法に限定されるものではな
い。
【0009】炭素数が5以下のアルコールとしては、メ
チルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコー
ル、ブチルアルコール等を挙げることができるが、工業
的にはメチルアルコールが好ましい。かかるアルコール
の含有方法としては、EVOHにアルコールまたは水/
アルコール混合溶媒等を浸漬、スプレーなどの方法によ
り、接触させることにより、所定量のアルコールを含有
させることもできるが、EVOHの製造時に用いる(メ
チル)アルコールを利用することも好ましい。
【0010】すなわち、エチレンと酢酸ビニルとの共重
合時に用いる(メチル)アルコール溶媒、その後の脱モ
ノマー工程に用いる(メチル)アルコール蒸気、更にそ
の後のケン化時に用いるメチルアルコール蒸気とケン化
触媒の溶媒(アルコールもしくは水/アルコールの混合
溶媒)等により、EVOHの製造工程において、(メチ
ル)アルコールと接触する機会があり、これにより製造
されたEVOHにはアルコールが多量に含有されること
になり、かかる含有されたアルコールを調整することが
工業的には好ましい。
【0011】上記の如くして得られたEVOHは、通常
10〜70重量%程度のアルコールを含有しており、得
られた該EVOHからアルコールを除去して、その含有
量をEVOHに対して、0.1〜1000ppmになる
ように調整すれば良く、具体的には、アルコールを10
〜70重量%程度含有したEVOHペースト(水も10
〜70重量%程度含有)をペレットに成形後、(温)
水、熱風、水蒸気等と接触させたりして、含有アルコー
ルを0.1〜1000ppmになるように調整すればよ
い。かかるアルコールの含有量が、0.1ppm未満で
は、成形されたフィルム表面にスジ、凹凸が発生して平
滑性がなくなり、逆に1000ppmを越えると、成形
されたフィルムに発泡が発生しやすくなり好ましくな
い。
【0012】また、かかる含水率の調整方法としては、
特に限定されず、製造工程中のEVOHのペレット
(水/メタノール含有)と水を混合撹拌した後、乾燥等
により含水率を調整する方法、製造されたEVOHの
ペレットと水蒸気を接触させて含水させる方法、EV
OHの製造時に若干のメタノール、イソプロピルアルコ
ール等のアルコールと共に含水させる方法(この際、少
量のエチレングリコール、プロピレングリコール、グリ
セリンなどの可塑剤を含んでいても差し支えない)等を
挙げることができるが、の方法が上記のアルコールの
含有量も同時に調整することができる点で好ましく、更
に詳細に説明すれば、上記の如き常法により製造された
EVOH(含水率10〜70重量%程度)を円柱状(長
さ2〜5mm、直径2〜5mm程度)や球状(直径2〜
5mm程度)のペレットとし、先ず、かかるペレットの
アルコール含有量を0.1〜1重量%とし、同時に、水
を含有させるのであるが、具体的には該ペレットを水中
に入れて撹拌機等で撹拌する、連続的に該ペレットと水
を接触させる等の方法により、該ペレットの脱アルコー
ルをしながら水を吸収させ、ペレット100重量部に対
して、水を100〜250重量部含有させるのである。
このときのペレットと水(2回以上接触を行う場合は、
その総水量とする)の混合重量比は1/5〜1/15程
度が好ましく、水の温度は20〜40℃が好ましく、ま
た、処理時間は、120〜240分程度が好ましい。
【0013】上記の処理により、アルコールを0.1〜
1重量%含有し、かつ多量に水を含有したEVOHのペ
レットは、次いで90℃以下(更には70〜90℃)の
水/アルコール混合蒸気または空気または不活性ガス
(窒素ガス等)と接触させて該ペレットのアルコール含
有量を0.1〜1000ppmにして、含水率を調整す
ることが好ましく、かかる含水率は10〜60重量%が
好ましく、更には20〜40重量%で、かかる含水率が
10重量%未満では、融点が高いため、低温押出が難し
くなり、逆に60重量%を越えると押出成形時、水がバ
ックフローして好ましくない。具体的に含水ペレットと
空気または不活性ガスと接触させる方法としては、箱形
乾燥機、バンド乾燥機、回転乾燥機、気流乾燥機、流動
乾燥機等の方法が挙げられ、いずれの方法も好適に採用
され得る。
【0014】また、本発明においては、EVOH(ペレ
ット)中の酢酸ナトリウムや酢酸の含有量を調整するこ
とも有用で、酢酸ナトリウムをEVOH100重量部に
対して0.0001〜0.1重量部、酢酸をEVOH1
00重量部に対して0.005〜0.5重量部含有させ
ることが好ましい。かかる酢酸ナトリウムの含有量が
0.0001重量部未満および0.1重量部を越える場
合やかかる酢酸の含有量が0.005重量部未満および
0.5重量部を越える場合は、製膜(成形)時の押出安
定性が悪くなったり、成形されたフィルムの外観特性が
悪くなり好ましくない。かかる酢酸ナトリウムおよび酢
酸の含有量の調整法として具体的には、乾燥前の含水ペ
レットを水洗し所定の酢酸を添加し所定量の酢酸ナトリ
ウムを残存させる方法や含水ペレット中の酢酸ナトリウ
ムを完全に除去した後、所定量の酢酸及び酢酸ナトリウ
ムを添加する方法等が挙げられ、好適には、前者の方法
が採用され得る。
【0015】また、EVOH(ペレット)中に含有され
る酢酸(a)と酢酸ナトリウム(b)の重量比(a/
b)を0.5〜10とすることも好ましく、かかる重量
比が0.5未満では粘度上昇が著しく、押出成形時の加
工安定性に欠け、逆に10を越えると成形品にフィッシ
ュアイが多発して好ましくない。かかる重量比の調整法
として具体的には、所定量のEVOHに対して、所定
の割合に調整した酢酸/酢酸ナトリウム水溶液を添加す
る。酢酸により、EVOH中の酢酸ナトリウムを除去
した後、所定の酢酸/酢酸ナトリウムの比になるよう
に、酢酸ナトリウムを添加する。所定の酢酸/酢酸ナ
トリウムの比になるように、鹸化終了後の中和の処理時
に、酢酸水溶液をEVOH重量に対して所定比加える。
鹸化時に副生した酢酸ナトリウム分を含んだEVOH
を水洗し、所定量の酢酸ナトリウム含有のEVOHとし
た後、酢酸水溶液を加え、一定比にする等の方法が挙げ
られ、好適にはの方法が採用され得る。かくして得ら
れたEVOHペレットは、溶融成形時のトルク変動や吐
出量変化が少なく、更には厚みの均一性に優れたフィル
ムやシート等の成形物を得ることができるという溶融成
形性に優れるもので、その成形法について具体的に説明
する。
【0016】上記の如く調整された本発明のEVOHペ
レットは、溶融押出機に供されてフィルム等の成形物に
成形されるのであるが、かかる成形時の条件としては、
特に限定されないが、通常はノンベント、スクリュータ
イプ押出機を用い成形温度40〜150℃で押出製膜さ
れる。製膜されたフィルム中に均一な分布で水を残留さ
せる為に、圧縮比2.0〜3.5のスクリューを用い、
バレルのフィード部の温度は80℃以下の低めに設定し
て行うことが好ましい。得られた成形物は、更に二次加
工性、特に延伸処理等により非常に優れたフィルムや容
器等を得ることができる。かかる延伸に関しては、通常
の方法で行うことも可能で、1軸延伸法、2軸延伸法
(同時、逐次)等があり、特に限定されない。
【0017】かくして得られたEVOHフィルム(未延
伸も含む)は、単層のみならず、かかるフィルムを少な
くとも一層とする積層体として実用に供せられることが
多い。該積層体の製造に当たっては、得られたフィル
ム、シート等の樹脂成形物の層の片面又は両面に他の基
材をラミネートするのであるが、ラミネート方法として
は、例えば、該樹脂成形物と他の基材のフィルム、シー
トとを有機チタン化合物、イソシアネート化合物、ポリ
エステル系化合物等の公知の接着剤を用いてラミネート
する方法等が挙げられる。
【0018】かかる他の基材フィルムとしては、直鎖状
低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリ
エチレン、高密度ポリエチレン、EVA、アイオノマ
ー、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−アクリ
ル酸エステル共重合体、ポリプロピレン、プロピレン−
α−オレフィン(炭素数4〜20のα−オレフィン)共
重合体、ポリブテン、ポリペンテン等のオレフィンの単
独又は共重合体、或いはこれらのオレフィンの単独又は
共重合体を不飽和カルボン酸又はそのエステルでグラフ
ト変性したもの等の広義のポリオレフィン系樹脂、ポリ
スチレン系樹脂、ポリエステル、ポリアミド、共重合ポ
リアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アク
リル系樹脂、ビニルエステル系樹脂、ポリエステルエラ
ストマー、ポリウレタンエラストマー、塩素化ポリエチ
レン、塩素化ポリプロピレン、EVOH等が挙げられ、
更には、紙、金属箔、1軸又は2軸延伸プラスチックフ
ィルム又はシート、織布、不織布、金属綿条、木質面な
ども使用可能である。積層体の層構成としては、EVO
Hフィルムの層をI(I1,I2,・・・)、他の基材、例
えば熱可塑性樹脂層をII(II1,II2,・・・)とすると
き、フィルム、シート状であれば、I/IIの二層構造の
みならず、II/I/II、I/II/I、I1/I2/II、I/II1
/II2、II2/II1/I/II1/II2など任意の組合せが可能
である。
【0019】かくして、得られたEVOHフィルムやそ
の積層体は、その特性、即ち外観特性、ガスバリヤー性
等に優れるため、食品や医薬品、農薬品、工業薬品包装
用のフィルム、シート、チューブ、袋、容器等の用途に
非常に有用である。
【0020】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。尚、例中、「部」、「%」とあるのは、特に断り
のない限り重量基準を意味する。 実施例1 エチレン含有量40モル%のエチレン−酢酸ビニル共重
合体の40%メタノール溶液1,000部を耐圧反応器
に入れ、撹拌しながら110℃に加熱した。続いて水酸
化ナトリウムの6%メタノール溶液40部及びメタノー
ル2,500部を連続的に仕込むと共に副生する酢酸メ
チル及び余分のメタノールを系から留出させながら2.
5時間ケン化反応を行ない、酢酸ビニル成分のケン化度
99.0モル%のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化
物を得た。ケン化終了液に30%含水メタノール 45
0部を仕込みながら余分のメタノールを留出させ、樹脂
分濃度39%の水/メタノール(組成比3/7)溶液を
製造した。液温を50℃にした前記のエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体ケン化物の水/メタノール混合溶液を孔径
4mmのノズルより1.5kg/時の速度にて5℃に維
持された水槽(巾100mm,長さ4,000mm,高
さ100mm)にストランド状に押出した。凝固終了
後、水槽の端部に付設された引き取りローラー(線速2
m/分)を経て、ストランド状物をカッターで切断し、
直径4mm、長さ4mmの白色のペレット(メタノール
含有量38重量%、含水率22重量%、酢酸ナトリウム
含有量1.5部(対EVOH100部)、酢酸含有量
0.01部(対EVOH100部)を製造した。
【0021】次いで、得られたペレット[エチレン含有
量40モル%、ケン化度99モル%]100部を30℃
の温水400部に投入して、約60分間撹拌(3回繰り
返し)し、酢酸を0.6部添加した後、オーブンによ
り、窒素ガスを80℃雰囲気中で30分接触させて、メ
タノール含有量100ppm、含水率30重量%、酢酸
ナトリウム含有量0.05部(対EVOH100部)、
酢酸含有量0.2部(対EVOH100部)のEVOH
ペレットを得た。かかるEVOHペレットの20℃にお
ける貯蔵弾性率は5×106Paであった。また、20
℃における硬度は、70であった。
【0022】次いで、得られたEVOHペレットをTダ
イを備えた単軸押出機に供給し、厚さ40μmのEVO
Hフィルムの成形を行った。単軸押出機による製膜条件
は下記の通りとした。 スクリュー内径 40mm L/D 28 スクリュー圧縮比 3.2 Tダイ コートハンガータイプ ダイ巾 450mm 押出温度 C1:70℃、 H:100℃ C2:80℃、 D:100℃ C3:100℃、 C4:100℃ 上記のEVOHフィルムの成形に当たっては、96時間
の連続成形を行って、以下の評価を行った。
【0023】(トルク変動)96時間連続製膜中の押出
機モーター負荷(スクリュー回転数40rpmでのスク
リュートルクA(アンペア)の変動により求めて、以下
のとおり評価した。 ○ −−−5%未満の変動 △ −−−5〜10%未満 × −−−10%以上 (吐出量変化) 96時間連続製膜中の押出機(40rpm)での吐出量
の変動を求めて、以下のとおり評価した。 ○ −−−5%未満 △ −−−5〜10%未満 × −−−10%以上
【0024】(膜厚変化) MD(長手)方向のフィルムの厚みを1時間毎に測り、
変動比を求めて、以下のとおり評価した。 ○ −−−5%未満 △ −−−5〜10%未満 × −−−10%以上 (フィルム外観)フィルム100cm2(10cm×10
cm)当たりのフィッシュアイの数を測定して、以下の
とおり評価した。 ○ −−−0〜3個 △ −−−4〜20個 × −−−21個以上
【0025】実施例2 実施例1と同様にして、エチレン含有量40モル%、ケ
ン化度99モル%で、メタノール含有量38重量%、含
水率22重量%、酢酸ナトリウム含有量1.5部(対E
VOH100部)、酢酸含有量0.02部(対EVOH
100部)のペレットを製造した。得られたペレットを
酢酸水で洗浄した後(ペレット100部と30℃の0.
5%酢酸水300部を30分間攪拌を2回繰り返し)、
ペレット100部を30℃の温水400部に投入し、約
60分間攪拌(3回繰り返し)した。その後、酢酸ナト
リウム0.15部及び酢酸0.3部添加した後、オーブ
ンにより、窒素ガスを80℃雰囲気中で30分接触させ
て、メタノール含有量80ppm、含水率35重量%、
酢酸ナトリウム含有量0.03部(対EVOH100
部)、酢酸含有量0.13部(対EVOH100部)の
EVOHペレットを得た。かかるEVOHペレットの2
0℃における貯蔵弾性率は4×106Paであった。ま
た、20℃における硬度は、65であった。かかるEV
OHペレットを用いて、同様に評価を行った。
【0026】実施例3 エチレン含有量29.5モル%のエチレン−酢酸ビニル
共重合体を用いた以外は実施例1に準じて実験を行い、
メタノール含有量80ppm、含水率30重量%、酢酸
ナトリウム含有量0.04部(対EVOH100部)、
酢酸含有量0.2部(対EVOH100部)のEVOH
ペレットを得た。かかるEVOHペレットの20℃にお
ける貯蔵弾性率は5.5×106Paであった。また、2
0℃における硬度は、75であった。かかるEVOHペ
レットを用いて、同様に評価を行った。
【0027】比較例1 実施例1において、ケン化されたペレットの水洗及び乾
燥をせずに、20℃における貯蔵弾性率が、1×106
PaのEVOHペレットを得て、同様に評価を行った。
【0028】比較例2 実施例1において、約100℃の温度で乾燥させて、2
0℃における貯蔵弾性率が、6×107PaのEVOH
ペレットを得て、同様に評価を行った。実施例及び比較
例の評価結果を表1に示す。
【0029】
【表1】 トルク変動 吐出量変化 膜厚変化 フィルム外観 実施例1 ○ ○ ○ ○ 〃 2 ○ ○ ○ ○ 〃 3 ○ ○ ○ ○ 比較例1 × × × × 〃 2 × × × ○
【0030】
【発明の効果】本発明は、EVOHペレットは特定の物
性値を有しているため、低温時での溶融成形性に優れ
て、溶融成形時のトルク変動や吐出量変化が少なく、更
には厚みの均一性に優れたフィルムやシート等の成形物
を得ることができ、食品や医薬品、農薬品、工業薬品包
装用のフィルム、シート、チューブ、袋、容器等の用途
に非常に有用である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 20℃における貯蔵弾性率が2×106
    〜5×107Paであることを特徴とするエチレン−酢
    酸ビニル共重合体ケン化物ペレット。
  2. 【請求項2】 炭素数が5以下のアルコールを0.1〜
    1000ppm含有し、かつ含水率が10〜60重量%
    で、エチレン含有量60モル%以下,ケン化度90モル
    %以上であることを特徴とする請求項1記載のエチレン
    −酢酸ビニル共重合体ケン化物ペレット。
  3. 【請求項3】 酢酸ナトリウムをエチレン−酢酸ビニル
    共重合体ケン化物100重量部に対して0.0001〜
    0.1重量部含有することを特徴とする請求項1または
    2記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物ペレッ
    ト。
  4. 【請求項4】 酢酸をエチレン−酢酸ビニル共重合体ケ
    ン化物100重量部に対して0.005〜0.5重量部
    含有することを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の
    エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物ペレット。
  5. 【請求項5】 含有される酢酸(a)と酢酸ナトリウム
    (b)の重量比(a/b)が0.5〜10であることを
    特徴とする請求項1〜4いずれか記載のエチレン−酢酸
    ビニル共重合体ケン化物ペレット。
JP27367097A 1997-07-18 1997-09-19 エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物ペレット Expired - Fee Related JP3967803B2 (ja)

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