JPWO2019130799A1 - エチレン−ビニルアルコール共重合体含有樹脂組成物、成形体及び包装材料 - Google Patents
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Abstract
Description
(2)前記樹脂組成物10gを純水50mlで95℃、8時間抽出して得られる抽出液の20℃におけるpHが4.0〜5.5の範囲にある、(1)に記載の樹脂組成物。
(3)さらに、金属イオン(C)を100〜400ppm含有する、(1)または(2)に記載の樹脂組成物。
(4)さらに、pKaが3.5〜5.5の範囲にあるカルボン酸(D)を50〜400ppm含有する、(1)〜(3)のいずれかに記載の樹脂組成物。
ただし、カルボン酸(D)の含有量は、前記樹脂組成物10gを純水50mlで95℃、8時間抽出した後、得られる抽出液を滴定によって測定することにより求められる。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載の樹脂組成物を含む成形体。
(6)前記樹脂組成物からなる層を含む多層構造体である、(5)に記載の成形体。
(7)(5)または(6)に記載の成形体を有する包装材料。
本発明の樹脂組成物は、EVOH(A)及び下記の式(X)で示される化合物(B)を含有し、必要に応じてその他の添加物を含有してもよい。
EVOH(A)は、本発明の樹脂組成物の主成分である。EVOH(A)は、主構造単位として、エチレン単位及びビニルアルコール単位を有する共重合体である。EVOH(A)は、通常、エチレンとビニルエステルとを重合し、得られるエチレン−ビニルエステル共重合体をけん化して得られる。
本発明の樹脂組成物は、下記式(X)で示される化合物(B)を含有する。本発明の樹脂組成物は、所定量の化合物(B)を含有することで、繰り返しの溶融成形プロセスにおいてもコゲの発生が抑制される。コゲ発生抑制の理由は定かではないが、化合物(B)が滑剤のようにふるまい、本発明の樹脂組成物の溶融成形時に、樹脂組成物とスクリューやダイス表面との摩擦が軽減され、劣化樹脂の付着及び局所的な剪断発熱を低減できるためと考えられる。また、本発明の樹脂組成物は、塩基性条件下における着色耐性も改善される。着色耐性が改善される理由も定かではないが、化合物(B)中の隣接したニトリル基が塩基成分と相互作用するためと考えられる。
本発明の樹脂組成物はさらに金属イオン(C)を含有することが好ましい。本発明の樹脂組成物は金属イオン(C)を含有することで、多層構造の成形体とした時の層間接着性が優れたものとなる。金属イオン(C)によって層間接着性が向上する理由は明らかではないが、EVOH(A)と隣接する層がEVOH(A)のヒドロキシ基と反応し得る官能基を有する分子を有する場合には、この結合生成反応が金属イオン(C)によって加速されることが一因であると考えられる。また、金属イオン(C)と、後述するカルボン酸(D)との含有比率を制御することで、得られる樹脂組成物の溶融成形性や着色耐性をさらに改善することができる。
本発明の樹脂組成物が、さらに、pKaが3.5〜5.5の範囲にあるカルボン酸(D)を含有することが好ましい。本発明の樹脂組成物がカルボン酸(D)を含有することにより、当該樹脂組成物の溶融成形性や高温下での着色耐性をさらに改善することができる。特に、カルボン酸(D)のpKaが3.5〜5.5の範囲にあることで、得られる樹脂組成物のpH緩衝能力が高まり、酸性物質や塩基性物質による着色をさらに改善することができる場合がある。
本発明の樹脂組成物は本発明の効果を損なわない範囲でその他の成分を含有していてもよい。その他の成分としては、例えばリン酸化合物、ホウ素化合物、EVOH(A)以外の熱可塑性樹脂、架橋剤、乾燥剤、酸化促進剤、酸化防止剤、酸素吸収剤、可塑剤、滑剤、熱安定剤(溶融安定剤)、加工助剤、界面活性剤、脱臭剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、防曇剤、難燃剤、顔料、染料、フィラー、充填剤、各種繊維等の補強剤等が挙げられる。
リン酸化合物を含有する場合、前記樹脂組成物中のその含有量の下限は、リン酸根換算で1ppmが好ましく、10ppmがより好ましい。一方、前記樹脂組成物中のリン酸化合物の含有量の上限は、リン酸根換算で200ppmが好ましく、100ppmがより好ましい。この範囲でリン酸化合物を含有することにより、前記樹脂組成物の熱安定性を改善できる。特に、長時間にわたって溶融成形を行う際のゲル状ブツの発生や着色を抑制できる場合がある。
ホウ素化合物を含有する場合、前記樹脂組成物中のその含有量の下限は、ホウ素元素換算で5ppmが好ましく、10ppmがより好ましい。一方、前記樹脂組成物中の含有量の上限はホウ素元素換算で1000ppmが好ましく、500ppmがより好ましい。この範囲でホウ素化合物を含有することにより、前記樹脂組成物の溶融成形時の熱安定性が向上して、ゲル状ブツの発生が抑制される場合がある。また、得られる成形体の機械的性質が向上する場合もある。これらの効果は、EVOH(A)とホウ素化合物との間にキレート相互作用が発生することに起因すると推測される。
本発明の樹脂組成物の製造方法としては、EVOH(A)中に化合物(B)を均一に混合でき、最終的に得られる樹脂組成物に5〜100ppmの化合物(B)を含有させられる方法であれば特に限定されない。好ましい製造方法としては、エチレンとビニルエステルとを共重合してエチレン−ビニルエステル共重合体を得る共重合工程(I)、エチレン−ビニルエステル共重合体をけん化してEVOH(A)を得るけん化工程(II)、造粒操作によりEVOH(A)の含水ペレットを得る造粒工程(III)、及び含水ペレットを乾燥してEVOH(A)を含む樹脂組成物を得る乾燥工程(IV)を含み、共重合工程(I)より後に、エチレン−ビニルエステル共重合体又はEVOH(A)と化合物(B)とを混合する混合工程を含む方法が挙げられる。この場合、前記混合工程において添加する化合物(B)の量を調節することで、最終的に得られる樹脂組成物中の化合物(B)の含有量を容易に制御できる。さらに、必要に応じて化合物(B)を除去する洗浄操作を行ってもよい。洗浄操作による化合物(B)の含有量の調節は、造粒工程(III)においてEVOH(A)のペーストを析出させる際のペースト濃度及び温度、凝固浴の組成及び温度を調整したり、その後の工程においてEVOH(A)の含水ペレットを浸漬する溶液の種類、温度、浸漬時間及び回数を適宜調節すること等によりなし得る。また、乾燥後の樹脂組成物を良溶媒に溶解させた溶液に貧溶媒を少量ずつ添加し、樹脂組成物を析出・沈殿させて回収することで、樹脂組成物中の化合物(B)の含有量を必要量まで低減させることも化合物(B)の含有量を調整する方法として有効である。
共重合工程は、エチレンとビニルエステルとの共重合の工程に加え、必要に応じて重合禁止剤を添加し、それに続いて未反応エチレン、未反応ビニルエステルを除去してエチレン−ビニルエステル共重合体溶液を得る工程を含む。エチレンとビニルエステルとの共重合方法としては、例えば溶液重合、懸濁重合、乳化重合、バルク重合などの公知の方法が挙げられる。重合に用いられる代表的なビニルエステルとして酢酸ビニルが挙げられるが、その他の脂肪族ビニルエステル、例えばプロピオン酸ビニルやピバリン酸ビニルも使用できる。他にも、共重合し得る単量体を少量共重合させることができる。重合温度は20〜90℃が好ましく、40〜70℃がより好ましい。重合時間は2〜15時間が好ましく、3〜11時間がより好ましい。重合率は、仕込みのビニルエステルに対して10〜90%が好ましく、30〜80%がより好ましい。重合後の溶液中の樹脂含有量は5〜85質量%が好ましく、20〜70質量%がより好ましい。
次に、エチレン−ビニルエステル共重合体溶液にアルカリ触媒を添加し、溶液中の共重合体をけん化してEVOH(A)を得る。けん化方法として、連続式、回分式のいずれも採用可能である。アルカリ触媒としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカリ金属アルコラートが挙げられる。また、けん化工程の後に、酢酸等の酸を添加して残存するアルカリ触媒を中和することも一般に行われる。
造粒の操作としては、例えば、(1)EVOH(A)の溶液を低温の貧溶媒中に押出して析出又は凝固させその直後又はさらに冷却固化させた後にカットする方法、(2)EVOH(A)の溶液を水蒸気と接触させて予めEVOH(A)の含水樹脂組成物を得た後、当該含水樹脂組成物をカットする方法が挙げられる。これらの方法により得られたEVOH(A)の含水ペレット中の含水量は、EVOH(A)100質量部に対して、50〜200質量部であることが好ましく、70〜150質量部であることがより好ましい。
造粒工程で得られたEVOH(A)の含水ペレットを乾燥することにより、EVOH(A)の乾燥ペレットとすることが好ましい。乾燥ペレット中の水分量は、ボイドの発生といった成形時のトラブルを防ぐ目的から、EVOH(A)100質量部に対して、1.0質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以下であることがより好ましく、0.3質量部以下であることがさらに好ましい。含水ペレットの乾燥方法としては、例えば静置乾燥や流動乾燥が挙げられる。これらの乾燥方法は単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。乾燥処理は連続式、バッチ式いずれの方法で行っても良い。複数の乾燥方法を組み合わせて行う場合は、各乾燥方法について連続式、バッチ式を自由に選択できる。乾燥を低酸素濃度或いは無酸素状態で行うことも、乾燥中の酸素による樹脂組成物の劣化を低減できる点で好ましい。
本発明の樹脂組成物を含む成形体が本発明の好適な実施態様である。本発明の樹脂組成物は、単層構造の成形体とすることもできるし、当該樹脂組成物からなる層と、他の層とを有する多層構造の成形体、すなわち多層構造体とすることもできる。成形方法としては、例えば押出成形、熱成形、異形成形、中空成形、回転成形、射出成形が例示される。本発明の成形体の用途は多岐にわたり、フィルム、シート、容器、ボトル、タンク、パイプ、ホース等が好適なものとして例示される。
本発明の樹脂組成物からなる層を含む多層構造体が本発明のより好適な実施態様である。当該多層構造体は、本発明の樹脂組成物からなる層と他の層とが積層されてなる。前記樹脂組成物層以外の他の層として、EVOH(A)以外の樹脂からなる層が好ましい。また、前記多層構造体がさらに接着性樹脂からなる層を有していてもよい。当該多層構造体の層構成としては、EVOH(A)以外の樹脂からなる層をx層、本発明の樹脂組成物層をy層、接着性樹脂層をz層とすると、例えばx/y、x/y/x、x/z/y、x/z/y/z/x、x/y/x/y/x、x/z/y/z/x/z/y/z/x等が挙げられる。複数のx層、y層、z層を設ける場合は、その種類は同じであっても異なっていてもよい。また、成形時に発生するトリム等のスクラップからなる回収樹脂を用いた層を別途設けてもよいし、回収樹脂をEVOH(A)以外の他の樹脂からなる層にブレンドしてもよい。当該多層構造体の各層の厚さや構成は、特に限定されるものではないが、成形性及びコスト等の観点から、全層厚さに対するy層の厚さ比は通常2〜20%である。
乾燥ペレットを内部標準物質としてテトラメチルシラン(TMS)、添加剤としてトリフルオロ酢酸(TFA)を含む重ジメチルスルホキシド(DMSO−d6)に溶解し、500MHzの1H−NMR(日本電子株式会社製:「GX−500」)を用いて80℃で測定し、エチレン単位、ビニルアルコール単位、ビニルエステル単位のピーク強度比よりエチレン単位含有量及びけん化度を求めた。
乾燥ペレットを内部標準物質としてTMSを含むDMSO−d6に溶解し、500MHzの1H−NMR(日本電子株式会社製:「GX−500」)を用いて45℃で測定し、エチレン単位、ビニルアルコール単位、ビニルエステル単位のピーク強度と、化合物(B)が有するメトキシ基のメチル水素またはエトキシ基のメチレン水素のピーク強度の比より化合物(B)の含有量を求めた。なお、化合物(B)が有するメトキシ基のメチル水素またはエトキシ基のメチレン水素のピークは、3.13ppm付近に検出された。
乾燥ペレット0.5gをテフロン(登録商標)製圧力容器に入れ、ここに濃硝酸5mLを加えて室温で30分間分解させた。分解後に、前記容器に蓋をしてから、湿式分解装置により150℃で10分間、次いで180℃で5分間加熱することでさらに分解を行い、その後室温まで冷却した。この処理液を50mLのメスフラスコに移し純水でメスアップした。この溶液をICP発光分光分析装置により測定することで、乾燥ペレット中の各金属イオンの含有量を定量した。なお、リン酸化合物、ホウ素化合物の含有量も同様の方法で定量することができる。
乾燥ペレット10gと純水50mLを共栓付き100mL三角フラスコに投入し、冷却コンデンサーを付け、95℃で8時間撹拌した。得られた抽出液を20℃まで冷却した後、フェノールフタレインを指示薬として、0.02モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液で滴定することにより、カルボン酸(D)の含有量を定量した。
乾燥ペレット10gと純水50mLを共栓付き100mL三角フラスコに投入し、冷却コンデンサーを付け、95℃で8時間撹拌した。得られた抽出液を20℃まで冷却し、pHを測定した。
乾燥ペレット2kgを用いて、単軸押出機(東洋精機株式会社D2020、口径20mmφ、L/D20、フルフライトスクリュー)でペレタイズを行い、1回溶融成形されたペレットを得た。温度条件は、供給部/圧縮部/計量部/ダイ=175/215/225/220℃、スクリュー回転数は50rpmとした。得られた溶融成形ペレットを再度同条件にてペレタイズを行い、2回溶融成形されたペレットを得た。同様にして合計5回ペレタイズを繰り返した後、500gの高密度ポリエチレンで単軸押出機内でパージ(洗浄)した。次に、スクリューを抜き出してスクリュー上のコゲの付着状況を目視で確認した後に採取して秤量し、下記のA〜Dの基準で評価することでコゲの評価の指標とした。
A :コゲの色は淡黄色で、その量は0.1g未満であった
B :コゲの色は黄色または褐色で、その量は0.1g未満であった
C :コゲの色は黄色または褐色で、その量は0.1g以上0.3g未満であった
D :コゲの色は黄色または褐色で、その量は0.3g以上であった
乾燥ペレット100gを0.1モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液1000gに浸漬し、前記ペレットが入った容器の蓋をして80℃で1週間静置した。HunterLab社製「LabScan XE Sensor」を用い、浸漬前後のペレットのYI(イエローインデックス)値を測定し、浸漬によるYIの増加量を求め、下記のA〜Dの基準で評価した。この評価結果を塩基性条件下における樹脂組成物の着色耐性の指標とした。なお、YI値は対象物の黄色度(黄色み)を表す指標であり、YI値が高いほど黄色度が強く、一方、YI値が低いほど黄色度が弱く、着色が少ないことを表している。
A :YIの増加量が2未満
B :YIの増加量が2以上4未満
C :YIの増加量が4以上6未満
D :YIの増加量が6以上
乾燥ペレット10gを用いて、加熱圧縮プレス装置にて220℃で6分間加熱溶融させて、厚み3mmの円盤状サンプルを作製した。HunterLab社製「LabScan XE Sensor」を用い、得られた円盤状サンプルのYI値を測定し、下記のA〜Dの基準で評価した。この評価結果を溶融成形後の外観特性の指標とした。
A :YIが8未満
B :YIが8以上13未満
C :YIが13以上20未満
D :YIが20以上
乾燥ペレット、直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン社製ノバテックLL−UF943、以下LLDPEと略記する)及び接着性樹脂(デュポン社製バイネルCXA417E10を上記LLDPEで7%に希釈したもの、以下Adと略記する)を用い、3種5層の多層フィルム(LLDPE/Ad/EVOH/Ad/LLDPE=50μm/10μm/10μm/10μm/50μm)を製膜した。押出機及び押出条件、使用したダイは下記の通りとした。
押出機:
EVOH:単軸押出機(東洋精機株式会社 ラボ機ME型CO−EXT)
口径20mmφ、L/D20、フルフライトスクリュー
供給部/圧縮部/計量部/ダイ=175/210/220/220℃
LLDPE:単軸押出機(株式会社プラスチック工学研究所 GT−32−A)
口径32mmφ、L/D28、フルフライトスクリュー
供給部/圧縮部/計量部/ダイ=150/200/210/220℃
Ad:単軸押出機(株式会社テクノベル SZW20GT−20MG−STD)
口径20mmφ、L/D20、フルフライトスクリュー
供給部/圧縮部/計量部/ダイ=150/200/220/220℃
ダイ:300mm幅3種5層用コートハンガーダイ(プラスチック工学研究所社製)
A :500g/15mm以上
B :300g/15mm以上500g/15mm未満
C :300g/15mm未満
250Lの加圧反応槽を用いて以下の原料及び条件でエチレン−酢酸ビニル共重合体の重合を実施した。
・酢酸ビニル:105.0kg
・メタノール:38.3kg
・開始剤:2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(10.0g/Lメタノール溶液)、初期供給量:2440mL、連続供給量:なし
・重合温度:60℃
・重合槽エチレン圧力:3.7MPa
前記エチレン−酢酸ビニル共重合体の重合時における条件を下記に変更した以外は合成例1と同様の操作により、エチレン単位含有量32モル%、けん化度99.9モル%のEVOHの粗乾燥物を得た。
・酢酸ビニル:83.0kg
・メタノール:26.6kg
・開始剤:2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(2.5g/Lメタノール溶液)、初期供給量:362mL、連続供給量:1120mL/hr
・重合温度:60℃
・重合槽エチレン圧力:3.6MPa
前記エチレン−酢酸ビニル共重合体の重合時における条件を下記に変更した以外は合成例1と同様の操作により、エチレン単位含有量44モル%、けん化度99.9モル%のEVOHの粗乾燥物を得た。
・酢酸ビニル:76.7kg
・メタノール:11.0kg
・開始剤:2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(2.5g/Lメタノール溶液)、初期供給量:510mL、連続供給量:1570mL/hr
・重合温度:60℃
・重合槽エチレン圧力:5.5MPa
上記合成例1で得られたEVOHの粗乾燥物を、固形分40%となるように水/メタノール=40/60(質量比)の混合溶媒に入れ、60℃で6時間攪拌して溶解させた。得られた溶液に上記式(X)におけるZ1とZ2が水素原子である化合物(B)を添加してさらに1時間攪拌した後、直径4mmのノズルより、0℃に調整した水/メタノール=90/10(質量比)の析出浴中に連続的に押出してストランド状に析出させた。このストランドをペレタイザーに導入して多孔質の含水ペレットを得た。この含水ペレットを酢酸水溶液及びイオン交換水を用いて洗浄した後、酢酸ナトリウム及び酢酸を含む水溶液で浸漬処理を行った。この水溶液と含水ペレットを分離して脱液した後、熱風乾燥機に入れて80℃で3時間、次いで110℃で35時間乾燥を行って乾燥ペレットを得た。この乾燥ペレットを用いて、上記した分析及び評価を行った。なお、化合物(B)の添加量、浸漬処理用水溶液の各成分の濃度を調節することにより、表1に記載された組成の樹脂組成物を製造した。
酢酸ナトリウムの代わりに酢酸カリウムを使用した以外は実施例1と同様の操作により、乾燥ペレットを製造して分析及び評価を行った。
酢酸ナトリウムの代わりに乳酸ナトリウムを、酢酸の代わりに乳酸を使用した以外は実施例1と同様の操作により、乾燥ペレットを製造して分析及び評価を行った。
酢酸ナトリウムの代わりにトリフルオロ酢酸ナトリウムを、酢酸の代わりにトリフルオロ酢酸を使用した以外は実施例1と同様の操作により、乾燥ペレットを製造して分析及び評価を行った。
上記合成例2で得られたEVOHの粗乾燥物を使用した以外は実施例1と同様の操作により、乾燥ペレットを製造して分析及び評価を行った。
上記合成例3で得られたEVOHの粗乾燥物を使用し、溶解に水/メタノール=25/75(質量比)の混合溶媒を用いた以外は実施例1と同様の操作により、乾燥ペレットを製造して分析及び評価を行った。
Claims (7)
- 前記樹脂組成物10gを純水50mlで95℃、8時間抽出して得られる抽出液の20℃におけるpHが4.0〜5.5の範囲にある、請求項1に記載の樹脂組成物。
- さらに、金属イオン(C)を100〜400ppm含有する、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
- さらに、pKaが3.5〜5.5の範囲にあるカルボン酸(D)を50〜400ppm含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物を含む成形体。
- 前記樹脂組成物からなる層を含む多層構造体である、請求項5に記載の成形体。
- 請求項5または6に記載の成形体を有する包装材料。
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