JPH0524923B2 - - Google Patents

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JPH0524923B2
JPH0524923B2 JP59057086A JP5708684A JPH0524923B2 JP H0524923 B2 JPH0524923 B2 JP H0524923B2 JP 59057086 A JP59057086 A JP 59057086A JP 5708684 A JP5708684 A JP 5708684A JP H0524923 B2 JPH0524923 B2 JP H0524923B2
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JP
Japan
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ethylene
evoh
vinyl acetate
copolymer
polymerization
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JP59057086A
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Kenji Sato
Akemasa Aoyama
Kyoshi Yonezu
Takuji Okaya
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 A 本発明の技術分野 本発明は溶融成形性、特に延伸成形性に顕著に
優れたエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物
(以下EVOHと記す)の製造方法に関し、より詳
しくは階段的に変化させた特定の異なる2以上の
メタノール濃度下に、エチレンと酢酸ビニルを共
重合させ、得られるエチレン−酢酸ビニルを共重
合させ、得られるエチレン−酢酸ビニル共重合体
(以下EVACと記す)をけん化することを特徴と
する溶融成形性延伸成形性、就中積層成形材料と
して用いられて優れた延伸成形性を示すEVOH
の製造法に関する。
B 従来技術およびその問題点 従来ガスバリヤー性、耐油性、耐溶剤性等に優
れた熱成形可能な熱可塑性樹脂としてEVOHは
広く知られ、積々の包装分野の包装用のフイル
ム、就中食品包装用のフルイム、シート、容器等
に好適に用いられる。
しかしながらEVOHは、ポリオレフイン等の
熱可塑性樹脂に比較して溶融成形がむずかしく、
特に延伸成形性に劣り、絞り加工圧空成形、プラ
グアシスト成形、延伸ブロー成形等の組成加工に
際して穴アキ、破断等が生じ易いという欠点を有
している。近年各種包装容器の性能に関する要求
も高度化されるに従つて、他の樹脂と複合化され
て用いられる場合が極めて多くなつており、しか
も他の樹脂と積層された多層シートの中間層とし
て用いられ固相圧空成形(M.BallがSociety of
Plastic Engineers主催の第32回Annnual
Technical Conference(1974年開催)で発表した
Solid Phase Pressure Foiming)によつて、た
とえば絞り比0.5〜3カツプ容器に深絞り成形さ
れるなど、何らかの形で延伸成形され物理的諸特
性の向上を付与される場合が主流となつてきてい
る。然るに特にバリヤー性により優れているエチ
レン含量25〜45モル%、就中25〜40モル%の領域
にあるEVOHの溶融成形性、延伸成形性はより
顕著に劣り、該諸特性が要求される分野にはガス
バリヤー性を犠牲にして、エチレン含量が40モル
%より多い、就中45モル%より多い領域の
EVOHを使用せざるを得ないというのが実情で
ある。
EVOHフイルムが単体または他の熱可塑性樹
脂と積層された形で延伸加工に次される場合にお
いても実情は同様である。すなわち該エチレン含
量領域にあるEVOHの単体フイルムの、たとえ
ば2軸延伸操作に当つては何らかの調湿または含
水操作によつて水分を付与して行わねば満足な2
軸延伸フイルムが得られないのが実態である(た
とえば特開昭50−14476号公報、特開昭52−15570
号公報、特開昭53−30670号公報など)。また該
EVOHを中間層とする積層フイルム、該EVOH
層が熱可塑性樹脂フイルムの片面に積層されたフ
イルムを該EVOHが実質的に非含水の状態で延
伸、就中2軸延伸するときには前記絞り加工、延
伸ブロー成形におけると同様に、該EVOH層に
穴アキ、亀裂、破断等が生じ易いという欠点があ
る。
他方EVOHの溶融成形性を向上させる方法と
して、特定のエチレン含量領域にあり、特定の特
性をもつ異なるEVOHを溶融混練した樹脂組成
物をフイルムやシートや容器の押出成形に供する
もの(特公昭58−20976号公報)、またEVOHの
延伸性を著しく向上させる方法としてはEVOH
とナイロンのブレンドが試みられ提案されている
(たとえば特開昭58−129035号公報、同昭58−
154755号公報など)。しかしながら前者における
溶融成形性の改善効果は、溶融混練組成物である
ことからくる限界、すなわち従来から用いられて
いるEVOHの単なる物理的混合にのみ依存する
改善効果の限界は明かで満足なものとはなり得
ず、現実には実用されるに至つていない。また後
者における該ブレンド物にあつてはEVOHの高
度のバリヤー性を損うばかりでなく、熱安定性が
不良で特に溶融成形時の熱的操作に際して、該両
者の反応に起因するとみられるゲル状物の発生の
ために満足に実用されるに至つていない。
溶融成形性に優れ、前記塑性加工に際し良好な
延伸成形性、就中絞り比0.5以上の絞り加工、圧
空成形、真空成形およびプラグアシスト成形また
は二軸延伸ブロー成形である場合、また特に面積
倍率5倍以上の該積層フイルムの二軸延伸加工で
ある場合、これらの成形加工に好適な延伸成形性
と優れたバリヤー性を併せもつたEVOH、すな
わちエチレン含量が25〜45モル%、就中25〜40モ
ル%の領域にあり、少くとも35℃、相対湿度(以
下RHと記す)0%の酸素透過係数が1×10-3
c.c.・cm/cm2・sec・cmHg以下であつて延伸成形性
に優れたEVOHの出現が強く望まれている。
従来のEVOHは、いづれも狭い組成分布およ
び重合度分布を有することがより好適であるとの
観点から、エチレンと酢酸ビニルを共重合させる
に当つて共重合条件が単一であるよう制御して得
られたEVOHであり、温度、圧力、溶剤濃度等
就中溶液重合において溶剤、特に連鎖移動定数の
大きい溶剤の濃度を該反応途上積極的に大幅に変
化させて得られたEVOHは知られていない。ま
た、従来の単一条件で得られた平均重合度(以下
平均重合度と相関のあるASTM D−1238−Tに
準じて190℃、荷重2160g条件下に測定されたメ
ツトインデツクスを用いる。)は異なるが、エチ
レン含量は同じ2種またはそれ以上のEVOHの
ブレンド物を使用することは、該メルトインデツ
クス差の小さいときは、前記延伸性の改善が認め
られず、該差が著しい場合には溶融粘性差が大き
いために満足な均一混合が行い難い上、該改善の
程度がなお不十分で不満足なものであり、実用に
供せられたものはない。また、エチレン含量の異
なる2種のEVOHをブレンドして用いる場合に
おいてさえ前記共重合条件が単一であるよう制御
して得られたEVOH同志をブレンドしたもので
あり、しかも高々該ブレンド物の示差走査熱量計
(以下DSCと記す)による融解曲線が実質的に単
一ピークを示す範囲を越えない程度にとどめるな
ど組成分布が余りに広きに及ばぬよう強く配慮さ
れてきた(たとえば特公昭58−20976号公報)。特
公昭58−20976号公報の対照例5にみられるよう
に単にエチレン含量の異なる2種の従来の
EVOHのブレンド物であつてDSCによる融解曲
線が2つのピークを示すものでは、得られる成形
物にはフイツシユアイなどが生じるなどの欠点が
あり問題ありとされている。
C 本発明の構成、目的および作用効果 本発明者らは鋭意研究を重ねたところ、従来の
技術思想に反し積極的に、連鎖移動定数の大きい
溶剤を用い、該溶剤、就中連鎖移動定数の大きい
溶剤の濃度について特定の階段的な変化を共重合
過程で与えて得たEVOHの溶融成形性、延伸成
形性に関する挙動が従来の共重合条件が実質上単
一であるよう制御して得られるエチレン含量、メ
ルトインデツクス等の測定値を同じくする従来の
EVOHの挙動とは異なるところがあるという新
たな事実を見出し、本発明を完成するに至つた。
すなわち本発明はエチレンと酢酸ビニルを共重
合し、さらに得られた共重合体をけん化してエチ
レン含量25〜45モル%、酢酸ビニル成分のけん化
度95%以上の該共重合体けん化物を得るに当り、
エチレンと酢酸ビニルの共重合反応を下記(1)およ
び(2)式の温度並びにエチレン圧力の領域内で、メ
タノール濃度を異にする2以上の条件下に、かつ
少なくとも、隣接する該濃度の相異なる共重合条
件の該濃度の差の一つを5重量%以上に保ち、さ
らに相異なる該濃度条件を実質上階段的に変化さ
せながら、それぞれの共重合条件下におけるエチ
レン−酢酸ビニル共重合体の生成量が少くとも全
生成量の10重量%となるように行い、次いで得ら
れた該共重合体をけん化することを特徴とする溶
融成形性、延伸成形性に優れたエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体けん化物の製造法を提供せんとする
ものである。
0.5T−7.5<P<0.9T+18 (1) 35≦T≦80 (2) 但しPはエチレン圧力(Kg/cm2G)、Tは温度
(℃)である。
本発明の方法は(1)および(2)式を満足する温度、
圧力領域で、連鎖移動定数が大きい溶剤の中にあ
つても最も好適なメタノールを重合溶剤として用
い、該溶剤濃度が異なる2以上の条件下に、かつ
少くとも、隣接するメタノール濃度の相異なる共
重合条件の該濃度の差の一つを5重量%以上に保
ち、さらに相異なる該濃度条件を実質上階段的に
変化させながら、それぞれの共重合条件下におけ
るエチレン−酢酸ビニル共重合体の生成量が少く
とも全生成量の10%となるように行い、次いで得
られたEVAcけん化することを骨子とするもので
ある。かかる操作に基づいて得たEVOHは、従
来のEVOH、またはそれらのブレンド物とは異
つた新規なEVOHであり、該EVOHによつては
じめて前記特性を顕著に改善することができるの
であつて、本発明の構成条件のすべてを満足しな
ければ本発明の効果を享受することができない。
(1)および(2)式で表わされる温度並びに圧力の領
域に含まれない領域で共重合反応を行つても、本
発明の溶融成形性、延伸成形性の良好なEVOH
とはかなり得ない。該領域内にあつて前記2以上
の異なる条件が圧力、または/および温度の変化
を伴うものであつてもよく、少くとも隣接する条
件の変化の一つが5Kg/cm2以上の圧力または/お
よび10℃以上の温度の実質上の階段的変化を含む
ことは、より好ましく前記特性改善効果を助長す
る。詳しくは明かでないが、前記領域外では余り
にも低エチレン含量のものや、余りにも高エチレ
ン含量のもの、若しくは余りにも高重合度のもの
や余りにも低重合度のものを含むことになつた
り、異なる共重合条件下に生成するEVOHのエ
チレン含量差が余りにも大きくなり過ぎたりする
こと等から、異なる条件下に生成するEVOH同
志の好適な相互作用が発現し難くなるものと推察
され、本発明の効果を享受することができなくな
る。重合温度が、より低い領域では重合速度より
低下し、経済的に不利になるばかりでなく、後述
する最も好適な重合開始剤を用いても撹拌混合型
重合槽を用いて行う流系操作においては該重合槽
内で生ずる不溶ゲル状物の生成を防ぐことが困難
となり、該槽内に巨大ゲル状物として蓄積するた
めに至るため、長期の連続重合を満足に行い難く
なる傾向が増加するので、比較的高温領域で行う
ことが好ましい。しかし80℃より高い温度領域に
至ると、前記推察要因に基くためか、さらにはポ
リマー構造に若干の差異が生じるためか詳しくは
明かでないが、本発明の効果を享受し難くなるこ
とは前述の通りである。好適には40〜80℃、より
好適には45〜75℃を採用することが望ましい。
本発明の最も重要な要件の一つは、重合溶剤で
あるメタノール濃度を異にする2以上の条件下に
行い、しかも少くとも隣接する2条件間における
濃度差の一つが5重量%以上であり、かつ該メタ
ノール濃度変化が実質上階段的な変化から成つて
いるところである。該変化を実質上階段的に変化
させるに当つては、該共重合反応を一旦停止した
後メタノールを添加して該異なる条件下に重合さ
せる操作を採ることによつても行い得るが、該共
重合反応途上反応が停止させることなく行われる
ことがより好ましい。後者の場合には、撹拌混合
型重合槽を用いた少なくとも2段以上の流系操作
を採り、2段目または/およびそれ以降の重合槽
にメタノールを新たに添加して行う方法が最も好
適に採用できる。この場合メタノール濃度を最も
理想的に階段的に変化させて行うことができる。
階段的に変化させるメタノールの重合槽内濃度差
は5重量%以上でなければならない。10〜40重量
%であることがより好ましい。本発明の効果を得
るためには連鎖移動定数がある程度大きい溶剤で
なければならず、また酢酸ビニル、水等との混合
物からの工学的手法による分離回収が容易である
ものが好ましい。メタノールは該要求を満たす最
も好適なものであり、メタノールより大きい連鎖
移動定数をもつ溶剤では、比較的高重合度の
EVOHを生じさせる重合領域では該溶剤濃度は
極めて小さくなり、塊状重合と同様重合熱の除
去、重合反応の不安定さに難がある。本発明の方
法の骨子とするところは前述の通りであるが、該
メタノール濃度を変化させるに当つて、重合系に
添加されるメタノールに、得られるEVOHの色
相、熱安定性などの特性に影響を及ぼさない範囲
で、メタノールより大きい連鎖移動定数をもつ連
鎖移動剤を該添加メタノールに混在させて用いる
こともできる。本発明におけるメタノール濃度
(%)は重合槽内において、溶存エチレンを考慮
に入れない酢酸ビニル−EVAc−メタノール系に
おけるメタノールの重量%をいう。最初の重合条
件下におけるメタノール濃度は前記の理由から少
くとも1重量%であることが好ましい。
さらに本発明の方法においては、それぞれの条
件下の該共重合体の生成量が少くとも全生成量の
10重量%であるように共重合させたものでなけれ
ば前記改善効果は期待できない。それぞれの条件
下の該生成量が全生成量の30〜70%であることが
一層好適である。
本発明の方法によつて得られるEVOHには、
その示差走査熱量計(以下DSCと記す)による
融解曲線が実質的に単一ピークを示すものと、独
立した2以上のピークを含むものとがあり、前者
は圧力、温度条件が重合過程を通じて実質的に同
一か、または該条件変化の比較的小さい場合にま
た後者は該条件変化が比較的大きい場合に得られ
ることが多い。いづれも本発明の効果を享受し得
る。メタノール濃度についての条件が同じであ
り、得られたEVOHのエチレン含量が同じ場合
においては前者に比し後者が優れる場合が多い。
よりエチレン含量が低く、より気体遮断性に優れ
たEVOHを本発明の方法により得るにはメタノ
ール濃度の変化のみに依存して行う方がより好適
である。なお、該融解曲線とはパーキン・エルマ
ー(Perkin Elmer)社製のDSC−2Cを用いて昇
温速度10℃/minで測定した融解曲線をいう。
本発明の方法で得られるEVOHがより優れた
溶融成形性、延伸成形性を示す理由は未だ詳しく
は明らかでない。従来の実質上単一条件で得られ
るEVOHに比し、本発明の方法で得られる
EVOHは、より広いのみならず、特異な重合度
分布を有ていると推察されること、さらにより低
いビツカート軟化点を示す事実等が溶融成形性の
みならず、特に延伸成形性、就中、積層されて用
いられる他の熱可塑性樹脂の特性からの延伸成形
条件の制限を受ける場合の成形加工温度における
延伸成形性を顕著に向上させる重要な寄与を果し
ているものと推察される。さらに特徴的なこと
は、平均重合度またはメルトインデツクスの異な
る従来のEVOHの2種またはそれ以上を溶融混
練して得たブレンド物については、本発明ほどの
顕著な効果を示すものは得られない点であり、本
発明の方法により得られるEVOHは単なる物理
的混合物でないことを示唆しているものとみられ
る。また、本発明の方法により得られるEVOH
の中でも特に延伸性の優れたものは少くとも3℃
のビツカート軟化点の低下を示すものが多いが、
このことは該軟化点の低下が前記延伸成形条件に
制限を受ける場合、就中、該EVOHが中間層と
して配されてなるシート、パリソン等の積層予備
成形物から、絞り成形、二軸延伸成形等の塑性加
工を行う際の延伸成形性と密接に関係しているも
のの一つであることを暗示しているものとみられ
る。本発明にいうビツカート軟化点とは、断面積
1mm2のひらたい先端をもつ針に一定荷重(1000
g)を加え、毎時50℃の速度で高温油槽中で温度
上昇させ、針入深さが1mmに達したときの温度で
あり、ASTM D1525−58Tに準じて測定された
値をいう。
D 本発明のより詳細な説明 本発明の方法により得られる該共重合体のエチ
レン含量は25〜45モル%の領域にあることが好ま
しく、25モル%未満のものは一般成形性が劣るの
みならず、前記優れた特性の発現も減殺されるの
で好ましくない。また45モル%を越えると高度の
ガスバリヤー性が得られないばかりでなく、本発
明の方法によつて得られるEVOHに依存しなく
とも、該延伸成形性は従来のEVOHにおいても
次第に良好となる領域に属するので本発明の意義
は減少する。また、本発明のEVOHは酢酸ビニ
ル成分のけん化度が95%以上のものである。95%
未満では、バリヤー性が低下し本発明の目的とす
る高バリヤー性のEVOHとはなり得ない。
本発明に係るEVOHは、DSC融解曲線が独立
した複数のピークをもつものを含むが、特にこれ
らのEVOHは従来のEVOHとは組成分布上異な
るものとみられるものであるために必ずしも、エ
チレン含量の測定値が同じ従来のEVOHの酸素
透過係数を示すとは限らないが、本発明の方法で
得られるEVOHは35℃0%RHの酸素透過係数が
1×10-13c.c.・cm/cm2・sec・cmHg以下、就中、
5×10-14c.c.・cm/cm2・sec・cmHg以下のもので
あり、高度のバリヤー性の要求に対応し、好適に
使用できる。
本発明の方法は実質的にEVOHである樹脂の
製造方法に関するものであり、本発明の効果を阻
害しない範囲でエチレン以外のα−オレフイン、
ケイ素を含有するオレフイン性不飽和単量体等を
第3成分として共重合させることができる。
本発明の方法を実施するに当つては、重合操作
は回分法、連続法いづれも使用できるが、就中撹
拌混合型重合槽を用いた流系操作が最も公的であ
る。
本発明における該共重合反応にはそれ自体公知
の各種の開始剤が用いられ、たとえば2,2′−ア
ゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロ
ニトリル)、2,4,4−トリメチルバレロニト
リル、2,2′−アゾビス−イソブチロニトリルな
どのニトリル類、ジ−n−プロピルパーオキシカ
ーボネート、ビス−4−t−ブチルシクロヘキシ
ルパーオキシジカーボネート、ビス−2−エチル
−ヘキシルパーオキシ ジカーボネートなどのカ
ーボネート類、アセチルシクロヘキサンスルフオ
ニルパーオキシド、過酸化ベンゾイル、過酸化ラ
ウロイルなどの過酸化物などがある。就中、半減
期の、より短かい開始剤は前記流系操作にあつて
は共重合途上経時的に認められる集合系に不溶の
ゲル状物の生成をほぼ完全に、あるいは大きく抑
制しうる点で長期連続重合操作に際して、より好
適に用いられる。この場合にあつては該流系操作
における2段目以降の重合槽へも開始剤の供給を
行うことが好ましい。
重合で得られた共重合体は、次いでけん化反応
に供せられる。けん化反応は、たとえばアルカリ
触媒を用いて公知の方法、すなわち通常該共重合
体をアルコール溶液として実施し、アルコリシス
により反応を行わしめるのが有利である。就中、
日本特許第575889号及び同611557号に開示された
塔型反応器を用い、けん化反応途上副生する酢酸
メチルを塔底にアルコール蒸気を吹き込んで塔頂
から除去しながら行う方法が最も好適に用いるこ
とができる。けん化反応に用いるアルカリ性触媒
としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の
アルカリ金属の水酸化物、ナトリウムメチラー
ト、カリウムメチラートなどのアルコラートなど
が用いられる。就中、水酸化ナトリウムが工業的
には、経済的に有利である。けん化温度は60〜
175℃の範囲から好適に選ばれる。就中、前記塔
型反応器を用いる場合には該共重合体の組成にも
関連するが反応時間の短縮、該EVOHのアルコ
ールへの溶解性等から100℃以上が好適である。
けん化反応後、該EVOHを単離するに当つて
は公知の方法が適用可能であるが、就中、日本特
許725520号に開示されたストランド状に析出さ
せ、該ポリマーを分離する方法が好適に用いられ
る。析出単離された該EVOHは公知の方法で水
洗後乾燥される。
本発明の方法で得られたEVOHが成形材料と
して用いられるに当つては、ASTM D−1238−
Tに準じて測定されたメルトインデツクス(190
℃、荷重2160g)が0.1g/10分以上のものが好
ましく、就中、0.5〜10g/10分のものが好適で
ある。
本発明の方法によつて得られるEVOHは、単
体または他の熱可塑性樹脂と積層されて用いられ
るが、就中多層の形で、或いは積層体の形で好適
に用いられ、その中でも中間層に配されてフイル
ム、シート、またはパリソンなどの予備成形物に
熱成形できる。熱成形には押出成形、射出成形、
プリブロー成形等のそれ自体公知の成形法を採用
できる。該EVOH用の押出機と他の樹脂用の押
出機とを使用して、これら両樹脂層を隣接関係位
置で多重、多層ダイを通して共押出する手段が採
用される。積層体として用いる場合の他の熱可塑
性樹脂、就中該EVOHにより形成される中間層
の内外層に設ける熱可塑性樹脂としては延伸成形
性に優れた樹脂が好ましく、ポリプロピレン、結
晶性エチレン・プロピレン共重合体、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレー
トなどの熱可塑性ポリエステル樹脂、6−ナイロ
ン、6,6−ナイロンなどのポリアミド樹脂、ポ
リスチレンなどが使用できる。これらのうち好ま
しいものは、ポリプロピレン、結晶性エチレン−
プロピレン共重合体、熱可塑性ポリエステル樹
脂、ポリスチレン樹脂である。前記内外層に設け
る熱可塑性樹脂は同種のものでもよいし、異種の
ものでもよい。また該EVOH層を積層する構成
としてはEVOH/熱可塑性樹脂、熱可塑性樹
脂/EVOH/熱可塑性樹脂、熱可塑性樹脂/
EVOH/熱可塑性樹脂/EVOH/熱可塑性など
であり、それぞれの熱可塑性樹脂層は単層であつ
てもよいし、また場合によつては多層であつても
よい。
本発明の方法により得られるEVOHは、単独
でフイルム、シート等に用いてより向上した層厚
安定性が得られるとともに、フイツシユアイ減少
効果が得られる。また他の熱可塑性樹脂を積層す
ることにより、就中、該EVOHを中間層に配し
て内外層に熱可塑性樹脂を積層することにより延
伸成形性が良好となり、得られた積層フイルムを
延伸する場合および積層シート、パリソンなどを
深絞り成形、延伸ブロー成形する場合等に、該
EVOHからなる層に亀裂などの生じない優れた
気体遮断性をもつた製品とすることができる。
本発明の方法によつて得られるEVOHを中間
層に配して形成される積層体(フイルム、シー
ト、パリソン)は、少くとも一軸に延伸された積
層フイルム、深絞り容器、延伸ブローボトルなど
の材料として使用できる。特に深絞り容器、就
中、絞り比0.5以上、さらには絞り比0.8〜3の深
絞り容器の材料として著効を示す。深絞り容器た
とえばカツプ状容器は、該EVOHを中間層とし
た積層シートなどを延伸温度において絞り成形、
圧空成形、真空成形、プラグアシスト成形などに
より得られる。
また、延伸ブローボトルは、たとえば本発明の
方法によつて得られたEVOHを中間層としたパ
リソンなどの予備成形物を延伸温度において軸方
向に機械的に延伸するとともに流体の吹込みによ
る周方向にブロー延伸することにより得られる。
本発明の方法によつて得られるEVOHを用い
た積層体の場合における該EVOH層の厚さは、
たとえば得られる深絞り容器、延伸ブローボトル
等の要求性能によるが、2〜40μに、たとえば5
〜30μになる程度にしておくのが好ましい。
また本発明の方法によつて得られるEVOHを
用いて積層体を得る場合において各層は、接着性
樹脂を介して配されるのが好ましく、該接着性樹
脂としては、とくに制限はないが、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、およびエチレン−アクリル酸共重合体等の
カルボキシル共含有変性物、就中、無水マレイン
酸変性物が、そのまま、または未変性の該重合体
とブレンドされてより好適に用いられる。
次に本発明を実施例を挙げて説明するが、本発
明の範囲を限定するものでない。
実施例 1 内部に冷却コイルをもつ容量50(第1重合
槽)及び容量70(第2重合槽)の撹拌基付重合
槽2基を直列に配置して用いた流系操作におい
て、エチレン−酢酸ビニル共重合体を得るため、
以下に示す条件により連続重合を行つた。
第1重合槽 酢酸ビニル供給量 3410g/hr メタノール供給量 70g/hr 2,2′−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジ
メチルバレロニトリル) 0.27g/hr 温 度 60℃ エチレン圧力 39Kg/cm2G 平均滞留時間 3.5hr 第2重合槽 メタノール供給量 1710g/hr 2,2′−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジ
メチルバレロニトリル) 0.17g/hr 温 度 60℃ エチレン圧力 43Kg/cm2G 平均滞留時間 5.2hr 第1重合槽から流出する重合反応液は、全量第
2重合槽へ供給する。このとき第1重合槽および
第2重合槽において測定した、酢酸ビニルの重合
率はそれぞれ27%、40%であり、第1重合槽、第
2重合槽における該共重合体の生成量の全生成量
に対する割合は、それぞれ66重量%、34重量%で
あつた。得られた該共重合体のエチレン含量は
33.4モル%であつた。該共重合反応液中に溶存す
るエチレンを、圧力を常圧に減ずることにより放
散させ、除去した後追出塔に供給し、塔下部から
のメタノール蒸気の導入により、未反応酢酸ビニ
ルを塔頂より除去した後、該共重合体の43%のメ
タノール溶液を得た。次いで該共重合体のメタノ
ール溶液及び該重合体に含まれる酢酸ビニル成分
に対するモル比が0.05となるように水酸化ナトリ
ウムを塔式けん式反応器に供給し、けん化塔下部
よりメタノール蒸気を吹き込み、塔頂より副生酢
酸メチルを除去しながらけん化反応を行い、塔底
よりEVOHのメタノール溶液を得た。該メタノ
ール溶液に重量比メタノール/水=7/3の混合
蒸気を吹き込み、該溶液中の溶剤組成を水/メタ
ノール混合系に変えた後、5℃のメタノール10%
水溶液中にストランド状に吐出させ、凝固析出さ
せ、切断して、該EVOHをペレツト状物として
単離した。充分水洗した後、希薄酢酸水に浸漬処
理して65〜110℃で乾燥した。けん化度は99.4%
であつた。パーキンエルマー社製、DSC−2Cを
用いて昇温速度10℃/minで測定した該EVOHの
溶解曲線は2つの独立ピークを示し、それぞれ
165℃、184℃に位置していた。メルトインデツク
スは2.07g/10分であつた。ビツカート軟化点は
撹拌混合型重合槽1基を用いて単一条件下(60
℃、圧力42Kg/cm2G、溶剤メタノール)に連続溶
液重合で得た従来のエチレン含量33.2モル%、メ
ルトインデツクス2.01g/10分のEVOH(A)の該軟
化点より7.8℃低かつた。
直径が65mm、有効長さが1430mmのフルフライト
型スクリユーを内蔵し、かつ2流路に分岐したメ
ルトチヤンネルを備えた内外層用押出機、直径が
50mm、有効長さが1100mmのフルフライト型スクリ
ユーを備えた中間層用押出機および同じく直径が
50mm、有効長さが1100mmのフルフライト型スクリ
ユーを内蔵し、かつ2流路に分岐したメルトチヤ
ンネルを備えた接着層用押出機の組合せと、多層
5層T−ダイスを用いて巾200mm、厚さが1.1mmの
シートを押出成形した。成形に使用した樹脂は内
外層に密度(ASTM D−1505)が0.910g/c.c.、
メルトインデツクス(ASTM D−1238)が1.6
g/10分、DSCの熱分析による融点が160℃のア
イソタクテイツク・ポリプロピレン、接着層に密
度が0.925g/c.c.、メルトインデツクス3.0g/10
分、前記DSCの熱分析による融点が120℃の無水
マレイン酸変性線状低密度ポリエチレンおよび中
間層に前記得られたEVOH及び比較のための前
記のEVOH(A)である。これらの多層シートを固
相圧空成形法によつて145℃20秒間加熱した後、
内径(D)が100mm、深さ(L)が200mm(絞り比L/D=
2)、肉厚が0.5mmの内容積が1.57の円筒状のカ
ツプへの成形を試みた。外層:接着層:中間層:
接着層:内層の厚さ比は、いづれも45:2.5:
5:2.5:45であつた。前記得られたEVOHを用
いた場合は延伸成形は良好であり、全く問題なく
良好に成形が行われた。比較のため中間層に前記
のEVOH(A)を用いた多層シートでは中間層に亀
裂を生じ、成形が満足に行われなかつた。別に前
記得られたEVOHの気体遮断製を調べるために
20μのフイルムを得て、35℃、0%RHの酸素透
過係数を測定した。140℃、10分間熱処理した該
未延伸フイルムの該測定値は、7.4×10-15c.c.・
cm/cm2・sec・cmHgであつた。また得られたフイ
ルムにはフイツシユアイは実質上殆んどなかつ
た。(3個/100cm×100cm) 実施例 2 実施例1と同じ重合槽を用いて以下の条件で実
施例1と同様に連続重合を行つた。
第1重合槽 酢酸ビニル供給量 5380g/hr メタノール供給量 54g/hr 2,2′−アゾビス イソブチロニトリル
0.58g/hr 温 度 60℃ エチレン圧力 43Kg/cm2G 平均滞留時間 3.2hr 第2重合槽 メタノール供給量 540g/hr 温 度 60℃ エチレン圧力 40Kg/cm2G 平均滞留時間 5.1hr 第1重合槽および第2重合槽において測定した
酢酸ビニルの重合率は、それぞれ1%、44%であ
り、第1重合槽と第2重合槽における該共重合体
の生成量は、全生成量に対しそれぞれ43重量%、
57重量%であつた。得られた該共重合体のエチレ
ン含量は32.0モル%であつた。実施例1と同様に
操作してけん化度99.3%、メルトインデツクス
1.41g/10分のEVOHを得た。該EVOHのDSC
融解曲線は1個のピークを示し、180.5℃に位置
していた。実施例1と同様に多層シートを得て、
固相圧空成形を行つた。延伸成形性は良好であ
り、中間層には亀裂は全く生じず良好に成形が行
われ、満足なカツプを得た。別に20μのフイルム
を得て、35℃、0%RHの酸素透過係数を測定し
た。140℃10分間熱処理した該未延伸フイルムの
該測定値は7.1×10-15c.c.・cm/cm2・sec・cmHgで
あつた。また得られたフイルムにはフイツシユア
イは実質上殆んどなかつた。(4個/100cm×100
cm) 実施例 3 実施例1と同じ重合槽を用いて、以下の条件で
実施例1と同様に連続重合を行つた。
第1重合槽 酢酸ビニル供給量 4350g/hr メタノール供給量 230g/hr 2,2′−アゾビス イソブチロニトリル
1.14g/hr 温 度 60℃ エチレン圧力 52Kg/cm2G 平均滞留時間 3.5hr 第2重合槽 メタノール供給量 650g/hr 2,2′−イゾビス イソブチロニトリル
2.4g/hr 温 度 60℃ エチレン圧力 44Kg/cm2G 平均滞留時間 3.8hr 第1重合槽および第2重合槽において測定した
酢酸ビニルの重合率はそれぞれ20%、50%であ
り、第1重合槽と第2重合槽における該共重合体
の生成量は全生成量に対し、それぞれ40重量%、
60重量%であつた。得られたエチレン含量は38.0
モル%であつた。実施例1に準じで操作しけん化
度99.2%、メルトインデツクス5.82g/10分の
EVOHを得た。該EVOHのDSC融解曲線は1個
のピーク示し、169.5℃に位置していた。該
EVOHを中間層としメルトインデツクス
(ASTM D−1238)が0.5g/10分、密度
(ASTM D−1505)が0.91g/c.c.、融点が165℃
のアイソタクテイツクポリプロピレンを内外層と
し、酢酸ビニル含量33重量%、無水マレイン酸変
性度1.5重量%の変性エチレン−酢酸ビニル共重
合体を接着層とした外層/接着層/EVOH層/
接着層/内層の5層構成からなる無底の積層パイ
プを直径が40mm、有効長さが880mm、メルトチヤ
ンネルが1流路(接着層用)及び直径が65mm、有
効長さが1430mm、メルトチヤンネルが2流路(内
外層用)の各デイメンジヨンを有する押出機群及
び共押出5層用ダイスで成形した。得られたパイ
プの肉厚は約10mm、内径が30mm、長さ30mmであ
り、各パイプの層の構成比は、外層:接着層:中
間層:接着層:内層が100:2:5:2:100であ
つた。該積層パイプを158℃に加熱したのち、前
記パイプの両端をクランプではさみ、最初にパイ
プの縦方向に延伸した後、ブロー用金型ではさみ
次いで横方向に圧縮空気により膨脹させてブロー
成形を行つた。得られた二軸延伸ブローボトルの
内径は100mm、高さが150mm、胴部平均肉厚は0.6
mm、内容積が1180c.c.の円筒状ボトルであつた。該
二軸延伸成形性は良好であり、20回実施したが中
間層の亀裂等の欠陥が認められたものは全くな
く、また縦筋等の欠陥も認められなかつた。比較
のため従来の単一条件下で得られたエチレン含量
38モル%、メルトインデツクス5.8g/10分の
EVOHを中間層として同様に行つた。延伸成形
性は不良ですべて中間層に亀裂、縦筋等の欠陥の
あるもので満足なものは得られなかつた。
実施例 4 実施例1と同じ重合槽を用いて、以下の条件で
実施例1と同様に連続重合を行つた。
第1重合槽 酢酸ビニル供給量 5300g/hr メタノール供給量 164g/hr 2,2′−アゾビス イソブチロニトリル
0.5g/hr 温 度 60℃ エチレン圧力 41Kg/cm2G 平均滞留時間 3.2hr 第2重合槽 メタノール供給量 2120g/hr 2,2′−アゾビスイソブチロニトリル 2.88g/hr 温 度 60℃ エチレン圧力 41Kg/cm2G 平均滞留時間 4.5hr 第1重合槽および第2重合槽において測定した
酢酸ビニルの重合率はそれぞれ18%、43%であ
り、該共重合体の生成量は全生成量に対しそれぞ
れ40重量%、60重量%であつた。得られた該共重
合体のエチレン含量は37.0モル%であつた。実施
例1と同様に操作してけん化度99.2%、メルトイ
ンデツクス6.19g/10分のEVOHを得た。該
EVOHのDSC融解曲線は独立した2つのピーク
を示し、それぞれ165.1℃、182.5℃に位置してい
た。実施例1と同様に多層シートを得て固層圧空
成形を行つた。延伸成形性は良好であり、中間層
に亀裂は全く生じず、良好に成形が行われた。実
施例1と同様にフイルムを得て酸素透過係数を測
定し、35℃、0%RHで1.7×10-14c.c.・cm/cm2
sec・cmHgを得た。また得られたフイルムにフイ
ツシユアイは殆んどなかつた。(4個/100cm×
100cm)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 エチレンと酢酸ビニルを共重合し、さらに得
    られた共重合体をけん化してエチレン含量25〜45
    モル%、酢酸ビニル成分のけん化度が95%以上の
    該共重合体けん化物を得るに当り、エチレンと酢
    酸ビニルの共重合反応を、下記(1)および(2)式の温
    度並びにエチレン圧力の領域内でメタノール濃度
    を異にする2以上の条件下に、かつ少なくとも、
    隣接する該濃度の相異なる共重合条件の該濃度の
    差の一つを5重量%以上に保ち、さらに相異なる
    該濃度条件を実質上階段的に変化させながら、そ
    れぞれの共重合条件下におけるエチレン−酢酸ビ
    ニル共重合体の生成量が少くとも全生成量の10重
    量%となるように行い、次いで得られた共重合体
    をけん化することを特徴とするエチレン−酢酸ビ
    ニル共重合体けん化物の製造法。 0.5T−7.5<P<0.9T+18 (1) 35≦T≦80 (2) 但し、Pはエチレン圧力(Kg/cm2G)、Tは温
    度(℃)である。 2 それぞれの条件下における共重合反応が停止
    させることなく、ひき続いて行われる特許請求の
    範囲第1項記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体
    けん化物の製造法。 3 共重合反応が撹拌混合型重合槽を用いた少く
    とも2段の流系操作により行われる特許請求の範
    囲第1項記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体け
    ん化物の製造法。 4 少くとも、隣接するメタノール濃度の相異な
    る共重合体条件の該濃度の差の一つが10〜40重量
    %である特許請求の範囲第1項ないし第3項のい
    づれかに記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体け
    ん化物の製造法。 5 それぞれの条件下の該重合体の生成量が全生
    成量の30〜70重量%である特許請求の範囲第1項
    ないし第4項のいづれかに記載のエチレン−酢酸
    ビニル共重合体けん化物の製造法。
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