JP4077318B2 - エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造方法 - Google Patents

エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造方法 Download PDF

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(以下、「EVOH」と略称する)の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、「EVAc」と略称する)のケン化によりEVOHを製造するに際し、高いケン化度のEVOHを短時間で効率よく製造することは、当業者において長年の課題である。この課題を解決するために、従来より種々の方法が提案されている。具体的には、塔型反応器内でアルカリ触媒の存在下にメタノール溶液中のEVAcをケン化する方法(特公昭43−14958号公報)、アルカリ触媒の存在下にメタノール溶液中のEVAcをケン化し、さらにアルカリ触媒の存在下に50℃以上の水溶液中のEVAcを再ケン化する方法(特公昭45−34152号公報)、再ケン化する際の溶媒として水溶性低級アルコールと水の混合液を用いる方法(特開昭48−43493号公報)などが知られている。なお、再ケン化を伴う方法では、遠心分離などにより反応液から分離された部分ケン化物が別の溶媒に投入され、この溶媒中において再びケン化が行われる。
【0003】
EVAcのケン化に使用されるアルカリ触媒は、苛性焼けと呼ばれるポリマーの劣化や着色の原因となる。また、副生成物である酢酸化合物が製造物中に残存すると熱安定性が低下し、着色やゲル状ブツの発生の原因となる。したがって、使用するアルカリ触媒は少ないほうが好ましい。しかしながら、上記従来の方法においてアルカリ触媒の使用量を単に少なくすると、ケン化反応の速度が低下するため、触媒量の削減には限界があった。
【0004】
特にエチレン含有量の小さいEVAcはケン化反応の進行とともにメタノールなどのケン化溶剤への溶解性が悪化するため、高温・高圧下での反応が必要となるが、単に高温・高圧下でケン化反応を行うと、上記副生成物および着色・ブツの生成が顕著となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記事情を鑑み鋭意研究を重ねた結果、本発明者は、EVAcのケン化反応の初期と末期とにおける反応機構の相違、ケン化の進行に伴うEVOHの溶媒に対する溶解性の変化に応じ、ケン化の各段階に適した反応条件を選択することにより、従来よりも少ないアルカリ触媒を用いて、高いケン化度のEVOHを効率的に製造できることを見出した。この方法は、エチレン含有量の大小を問わずに適用できるが、エチレン含有量の小さいEVOHの製造への適用に特に効果がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明のEVOHの製造方法は、EVAcを、アルカリ触媒を含有するメタノール溶液を用いてケン化するEVOHの製造方法であって、第1の反応器内で所定圧力の下にケン化して得たEVAcの部分ケン化物を含む溶液を、第1の反応器から第2の反応器へと供給し、第2の反応器内で上記所定圧力よりも高い圧力の下に上記部分ケン化物をさらにケン化してEVAcの最終ケン化物とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の製造方法によれば、EVAcのケン化反応の初期工程におけるアルカリ触媒の消費を抑制しながら、同反応の末期工程においてもケン化を進行させることができる。この製造方法では、部分ケン化物を反応液から分離し、この部分ケン化物を別の溶媒に投入する操作が必要とされない。したがって、少ないアルカリ触媒で高いケン化度のEVOHを効率的に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の製造方法では、EVAcのエチレン含有量を10〜60モル%とすることが好適であり、10〜30モル%がより好適である。既に述べたように、エチレン含有量の小さいEVAcを従来の方法でケン化すると、酢酸化合物などの副生成物および着色・ブツの生成が問題となるが、この製造方法では使用するアルカリ触媒の量が少量ですむため、これらの問題を回避することが容易となる。
【0009】
本発明の製造方法では、第1の反応器内の圧力は0.1〜0.2MPa、第2の反応器内の圧力は0.2〜2.0MPaが好適である。また、第2の反応器へと供給する部分ケン化物のケン化度は60〜98モル%が好適である。一方、最終ケン化物のケン化度は99.0モル%以上にまで高くすることが好ましい。
【0010】
本発明の製造方法では、EVAcに含まれる酢酸基に対するモル比により表示して、0.01〜0.03のアルカリ触媒を用いるとよい。アルカリ触媒の量が多すぎると、EVOHをフィルムなどに加工したときに、着色、ゲル状ブツ、フィッシュアイなどの外観不良が発生しやすくなる。
【0011】
アルカリ触媒は、第1の反応器のみに供給してもよく、第1の反応器および第2の反応器に供給してもよい。第1の反応器のみに供給する方法には、アルカリ触媒の合計使用量の制御が容易であるという利点があり、第1および第2の反応器に供給する方法には、アルカリ触媒の合計使用量が少なくてすむという利点がある。
【0012】
アルカリ触媒を第1の反応器のみに供給する場合、第1の反応器から第2の反応器へと供給される溶液が、部分ケン化物に含まれる酢酸基に対するモル比により表示して、0.005〜0.03のアルカリ触媒を含有することが好ましい。アルカリ触媒の量が多すぎると上記不良が発生しやすくなり、逆に少なすぎると、第2反応器におけるケン化が十分に進行しない場合がある。
【0013】
アルカリ触媒を第2の反応器にも供給する場合、第2の反応器として塔型反応器を用い、この第2の反応器を塔上部から塔下部にかけて2以上の領域に区分し、これらの領域にそれぞれアルカリ触媒を供給するとよい。このように第2の反応器に触媒を分割して供給すると、アルカリ触媒の合計使用量を低減することができる。
【0014】
本発明の製造方法では、第1の反応器および第2の反応器として塔型反応器を用いることが好ましい。塔型反応器を用いることにより、EVAcのケン化を連続的かつ効率的に行うことができる。この場合は、第1の反応器の塔上部からEVAcのメタノール溶液とアルカリ触媒のメタノール溶液とを供給し、このEVAcの部分ケン化物およびアルカリ触媒を含有するメタノール溶液を、第1の反応器の塔下部から第2の反応器の塔上部へと供給するとよい。最終ケン化物を含むメタノール溶液は、第2の反応器の塔下部から導出される。さらに、第1の反応器および第2の反応器の少なくとも一方の塔下部からメタノール蒸気を供給し、このメタノール蒸気を供給する反応器の塔上部から、ケン化の副生成物である酢酸メチルとともにメタノール蒸気を排出しながらケン化を行うと、アルカリ触媒の消費量をさらに低減できる。
【0015】
本発明で使用するEVOHの製造装置は、EVAcを、アルカリ触媒を含有するメタノール溶液中でケン化するEVOHの製造装置であって、EVAcのメタノール溶液を導入する共重合体供給用配管とアルカリ触媒を導入する触媒供給用配管とを備えた第1の反応器と、EVAcの最終ケン化物を導出する最終ケン化物排出用配管を備えた第2の反応器と、第1の反応器と第2の反応器とを送液可能に接続し、第1の反応器から第2の反応器へとEVAcの部分ケン化物を供給する部分ケン化物移送用配管と、第2の反応器内の圧力を調整する圧力調整弁とを備えるこの製造装置、本発明の製造方法を連続して実施できる。この製造装置は、少量のアルカリ触媒を用いたケン化度が高いEVOHの工業的生産に適している。この製造装置、第1の反応器および第2の反応器として塔型反応器を用い、第1の反応器の塔上部に共重合体供給用配管および触媒供給用配管を接続し、第2の反応器の塔下部に最終ケン化物排出用配管を接続し、第1の反応器の塔下部と第2の反応器の塔上部とを部分ケン化物移送用配管により接続するとよい。この場合には、さらに、第1の反応器および第2の反応器から選ばれる少なくとも一方の反応器において、塔下部にメタノール蒸気供給用配管を、塔上部に酢酸メチル排出用配管をそれぞれ接続するとよい。
【0016】
以下、本発明およびその好ましい実施形態について詳細を説明する。
EVOHは、特にエチレン含有量が低い場合には、メタノールに溶解しにくい。例えば、エチレン含有量が約50モル%以下でケン化度99.3モル%以上のEVOHは、常圧下では沸点以下のメタノールにはほとんど溶解しない。ケン化反応器内を加圧し、EVOHが溶解する程度にまでメタノールの温度を上昇させれば、ケン化度99.3モル%以上のEVOHのメタノール溶液を得ることができる。しかし、該メタノール溶液を得るために、単にケン化を高圧、高温条件下で進行させたのでは、ケン化反応の副生成物である酢酸メチルによるアルカリ触媒の消費も促進される。
【0017】
メタノールに対するEVOHの溶解性は、ケン化の進行とともに低下する。したがって、ケン化の初期段階では、相対的に低い圧力(例えば常圧)の下でも、EVOHがメタノールに溶解した状態を保ちながら、EVOHをケン化することができる。そこで、まず、相対的に低い圧力の下でケン化を進行させ、副生した酢酸メチルを除去した後、ケン化の進行に伴ってメタノールに対するEVOHの溶解性が低下してから、相対的に高い圧力の下でケン化を継続させると、アルカリ触媒の消費を抑制しながら高いケン化度のEVOHを得ることができる。少量のアルカリ触媒によりケン化を進行させることにより、EVOH最終製品における着色なども低減することも可能となる。
【0018】
ケン化の初期段階におけるケン化反応は、主として、EVAc(またはケン化度の低いEVOH)とメタノールとのエステル交換反応である。この反応は、置換した水酸基が隣接するアセチル基の離脱を促進することにより、常圧下でも連鎖的に進行する。しかし、エチレンが共重合しているEVOHでは、この反応のみによるケン化度の向上には限界がある。このため、ある程度高いケン化度に達した部分ケン化物をさらにケン化しようとすると、アルカリによる直接ケン化を行う必要がある。直接ケン化が必要となった段階で加圧してメタノールを高温に保持すれば、メタノールに対するEVOHの溶解性を維持するとともに、アルカリの濃度を必要以上に高くすることなく、ケン化反応速度を高くすることもできる。ある程度ケン化が進行した段階では、共重合体中に存在する酢酸ビニルの量が少ないため、条件を厳しくして反応を促進しても、消費されるアルカリ触媒の量は大きく増加しない。
【0019】
以上のように、ケン化の進行に伴って圧力を相対的に高く調整すれば、ケン化の初期と末期とにおける反応機構の相違や、ケン化の進行に伴うEVOHのメタノールの溶解性の変化から見て、極めて合理的にケン化度が高いEVOHを製造できる。
【0020】
この方法を用いれば、基本的には単一の溶媒中でEVAcを最終的なケン化物にまでケン化できるため、直接ケン化のために、別の溶媒(例えば直接ケン化のための水溶液)を用意したり、この別の溶媒に移し替えるためにEVOHのろ過や遠心分離を行う必要もない。したがって、内部を所定の圧力に調整した複数の反応器を用い、EVAcのケン化を連続して行うことができる。
【0021】
供給するEVAcのエチレン含有量は特に制限されないが、10〜60モル%が好適であり、10〜30モル%がより好適である。通常のケン化方法と比較した場合、特にエチレン含有量が10〜30モル%のEVAcをケン化する際に、改善効果は顕著になる。
【0022】
複数の反応器を備えたケン化装置の一例を、図1を参照して説明する。このケン化装置では、第1反応器1には、EVAc供給管12およびアルカリ触媒供給管13が塔上部に、メタノール蒸気供給管15が塔下部にそれぞれ接続されている。第1反応器の塔頂部および塔底部には、酢酸メチル排出管11および部分ケン化物移送管16がそれぞれ接続されている。この部分ケン化物移送管16は、部分ケン化物を含む溶液を第2反応器2へと送液できるように、ポンプ36を介して第2反応器の塔上部へとつながっている。
【0023】
第2反応器2にも、第1反応器と同様の位置に、酢酸メチル排出管21、アルカリ触媒供給管23およびメタノール蒸気供給管25が接続されている。第2反応器の塔底部からは、最終ケン化物を含むメタノール溶液を導出するための最終ケン化物排出管26が接続されている。
【0024】
複数の位置から触媒を供給できるように、第1反応器および第2反応器の塔中部にも、アルカリ触媒供給管14,24が接続されている。
【0025】
各反応器1,2は、上記各配管を除いては外部と接続しておらず、各配管を閉じれば実質的に気密となるように構成されている。したがって、酢酸メチル排出管11,21に配置されたバルブ31,41を調整すれば、反応器内を所定の圧力に調節することができる。なお、圧力調整弁は第2反応器にのみ設置してもよい。
【0026】
以下、このケン化装置を用いたEVAcの連続ケン化方法の一例について説明する。この方法では、アルカリ触媒として水酸化ナトリウムを使用する。
【0027】
第1反応器1の塔上部には、各配管12,13から、それぞれEVAcのメタノール溶液(EVAc/MeOH)および水酸化ナトリウムのメタノール溶液(NaOH/MeOH)を供給する。反応器内における溶液粘度が高くなりすぎないように、EVAcの濃度は、供給するメタノール溶液において、30〜60重量%とすることが好ましい。水酸化ナトリウムの供給量は、EVAcのエチレン含有量、目的とするケン化度などに応じて適宜定めればよい。ここでは、アルカリ触媒を第2の反応器にも供給する例について説明するが、水酸化ナトリウムを第1の反応器のみに供給する場合には、移送管16内の溶液に、部分ケン化物に含まれる酢酸基に対するモル比により表示して、0.005〜0.03の水酸基が残存するように、水酸化ナトリウムを供給するとよい。
【0028】
塔下部の配管15からは、メタノール(MeOH)蒸気を吹き込む。メタノール蒸気の吹き込み量は、副生する酢酸メチルをほぼ完全に追い出すことができる範囲から選択することが好ましく、例えば、EVAc1重量部に対して、1〜10重量部程度とするとよい。メタノール蒸気の温度は、例えば、反応器内の圧力下におけるメタノールの沸点とするとよい。
【0029】
第1の反応器内の塔頂部からは、メタノール(MeOH)蒸気とともに、副生する酢酸メチル(MeOAc)が排出される。このようなメタノール蒸気の吹き込みによる酢酸メチルのストリッピングは、アルカリ触媒の消費の抑制とケン化速度の向上に効果がある。第1反応器内の圧力は、0.1〜0.2MPa、特に0.1〜0.15MPa程度が好適であり、常圧であってもよい。なお、この段階でメタノール溶液の温度を過度に高くすると、酢酸メチルと水酸化ナトリウムとの反応が促進されてしまうが、ケン化度が低いEVOHは、メタノールに対する溶解性が高いため、メタノール溶液を高温とする必要はない。
【0030】
第1反応器内でのケン化により生成した部分ケン化物を含むメタノール溶液は、ポンプ36により第2反応器2へと移送される。この部分ケン化物のケン化度は、60〜98モル%、特に80〜95モル%とするとよい。ケン化を進めすぎるとEVOHの溶解性が低下しすぎて反応器や配管にポリマースケールが付着し、長時間の連続運転が困難となる場合がある。一方、ケン化度を低く抑えすぎると、アルカリ触媒の量を十分に抑制できない。
【0031】
第2反応器2へと供給された部分ケン化物は、この反応器においてさらにケン化される。第2反応器内にも、第1反応器と同様、塔上部および塔下部から、それぞれ水酸化ナトリウムのメタノール溶液(NaOH/MeOH)およびメタノール(MeOH)蒸気が供給される。この反応塔内でも、酢酸メチル(MeOAc)が塔頂部から排出されながら、EVOHがさらにケン化される。
【0032】
第2反応器内の圧力は、少なくとも第1反応器内の圧力よりも高い範囲に設定される。部分ケン化物のメタノールへの溶解度は、そのエチレン含有量に依存し、エチレン含有量の低いものはメタノールに不溶となる場合もあるので、製造しようとするEVOHのエチレン含有量に応じて、圧力を適宜選択することが好ましい。第2反応器内の圧力は、好ましくは0.2〜2.0MPa、より好ましくは0.2〜1.0MPa、さらに好ましくは0.2〜0.5MPa程度に設定される。
【0033】
図示した装置では、反応器内の圧力調整は、主としてバルブ31,41の開閉の程度により行われる。第2反応器内で副生する酢酸メチルは、通常、第1反応器から副生する量よりは少ないため、反応器内を加圧するために配管21からの排気量を制限しても十分に副生物を追い出すことができる。第2反応器内へのメタノール蒸気の吹き込み量は、例えば、部分ケン化物1重量部に対して、0.1〜2重量部程度が好適である。ここでも、メタノール蒸気の温度は、第2反応器内の圧力下におけるメタノールの沸点とするとよい。
【0034】
こうして、第2反応器においてさらにケン化された最終ケン化物が、この反応器の塔底部から取り出される。最終ケン化物のケン化度は、99.0モル%以上、より好ましくは99.3モル%以上である。
【0035】
以上説明した方法によれば、ケン化の各段階に応じて調整した反応条件の下に、EVAcを連続的にケン化することができる。また、ケン化反応を基本的には均一系の反応として進めることができる。このため、上記方法は、高い反応速度を得るという観点からも有利である。
【0036】
なお、水酸化ナトリウムのメタノール溶液は、塔上部のみからではなく、各配管14,24を介して塔中部からも塔内に供給してもよい。また、供給部位をさらに分割しても構わない。このように2以上の部位からアルカリ触媒を供給すると、アルカリ触媒の合計使用量が少なくてすみ、かつ最終製品の着色などを低減することができる。アルカリ触媒の分割供給は、特に第2反応器において有効である。
【0037】
上記では、2つの反応器を含む装置および方法を例示したが、これに限らず、送液可能に接続した3またはそれ以上の反応器を用いてもよい。3以上の反応器を用いる場合には、最後段の2つの反応器に上記に例示した構成を採用すればよい。上記では、第1反応器にEVAcを供給したが、3以上の反応器を用いる場合には、EVAcに代えて、予め前段の反応器で部分的にケン化したEVOHがこの反応器に供給される。
【0038】
上記では、アルカリ触媒として、水酸化ナトリウムを例示したが、水酸化カリウムやアルカリ金属アルコラート(例えばナトリウムメチラート)を用いてもよい。メタノール溶液は、メタノールを主成分としていればよく、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、t−ブタノールなど炭素数が2〜4のアルコールが混在していてもよい。
【0039】
EVAcは、従来から行われてきた方法に従い、エチレンと酢酸ビニルとを共重合させて製造すればよい。重合法、溶媒などに制限はないが、メタノールを溶媒とする溶液重合が好適である。重合触媒としては、ラジカル開始剤、例えば、各種のアゾニトリル系開始剤、有機過酸化物系開始剤を使用できる。EVAcには、エチレン、酢酸ビニルと共重合しうる第3の単量体(例えば、プロピレンなどのα−オレフィン、アクリル酸などの不飽和酸、各種ニトリル、各種アミド)を共存させてもよい。ただし、これら第3の単量体は、本発明の作用効果を阻害しない範囲で添加することが好ましい。
【0040】
最終ケン化物として得られるEVOHのメルトインデックス(MI)は、0.1〜200g/10分が好ましい。ここでは、MIとして、190℃、2160g荷重下での測定値を採用する。ただし、融点が190℃付近または190℃を超えるものは、上記荷重下、融点以上の温度における複数の測定値を、絶対温度の逆数を横軸、MIを縦軸(対数目盛)とする片対数グラフとしてプロットし、190℃に外挿した値を用いることとする。
【0041】
ケン化して得たEVOHは、通常、さらに、水または水とメタノールとの混合液からなる凝固浴中へと押し出して切断し、ペレットへと加工される。このペレットは、洗浄、脱液され、適宜、ホウ素化合物、カルボン酸化合物、リン酸化合物などにより処理される。これらの化合物を含有させると、EVOH成形体の機械的特性、熱安定性などを改善することができる。
【0042】
こうして得たEVOHは、溶融成形により、フィルム、シート、容器、パイプ、繊維など各種形状へと成形される。溶融成形としては、押出成形、インフレーション成形、ブロー成形、溶融紡糸、射出成形などを適用できる。溶融温度は、150〜270℃が好適である。重合度、エチレン含有量、ケン化度などが相違する2種以上のEVOHをブレンドして溶融成形してもよい。予め、EVOHに、可塑剤、安定剤、界面活性剤、架橋剤、金属塩、充填剤、各種繊維などの補強剤をさらに添加しても構わない。
【0043】
EVOHには、EVOH以外の熱可塑性樹脂を配合してもよい。熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1ペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレンと炭素数が4以上のα−オレフィンとの共重合体、ポリオレフィンと無水マレイン酸との共重合体、EVAc、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、これらを不飽和カルボン酸またはその誘導体でグラフト変性した変性ポリオレフィンなど)、各種ナイロン(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6/66共重合体など)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリアセタール、変性ポリビニルアルコール樹脂などが挙げられる。
【0044】
EVOHと上記に例示したような熱可塑性樹脂とを、例えば共押出しすることにより、積層体として成形してもよい。さらに、EVOHは、紙、プラスチックフィルム、金属箔などの基材フィルムとの積層体としてもよく、共押出コート、溶液コートなどにより、これら基材フィルムの表面にコーティングしても構わない。
【実施例】
【0045】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は実施例の記載により限定を受けるものではない。
(実施例1)
エチレン含有量44モル%のEVAcをメタノールに溶解し、46重量%の溶液を得た。次いで、直径15mmのラシヒリングが充填長520mmにわたって充填された直径100mmの充填塔(以下、「塔型反応器A」と称する)の上部より、該溶液を16g/分、水酸化ナトリウムの5重量%メタノール溶液を0.9g/分で供給した。このときのEVAc中の酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比は0.017であった。塔底部からは58g/分でメタノール蒸気を吹き込み、塔頂部から副生する酢酸メチルを過剰なメタノールと共に混合蒸気として留去させた。塔内の温度は66℃、圧力は約0.1MPa(ほぼ常圧)、EVAcの平均塔内滞留時間は約20分であった。この反応により、ケン化度90.8モル%の部分ケン化EVOHのメタノール溶液(共重合体濃度:23重量%)が21g/分の速度で得られた。この溶液中には水酸化ナトリウムが0.14重量%残存していた。
【0046】
次に、直径12mmのラシヒリングが充填長770mmにわたって充填された直径150mmの充填塔(以下、「塔型反応器B」と称する)の上部より、上記の部分ケン化EVOHのメタノール溶液を21g/分で供給し、塔底部からは24g/分でメタノール蒸気を吹き込み、塔頂部から副生する酢酸メチルを過剰なメタノールと共に混合蒸気として留去させた。塔内の温度は104℃、圧力は約0.3MPa、EVOHの平均塔内滞留時間は約40分であった。この反応により、ケン化度99.4モル%のEVOHのメタノール溶液(共重合体濃度:22重量%)が20g/分の速度で得られた。
【0047】
こうして得られたEVOHのメタノール溶液に、EVOH100重量部に対して2部の割合で酢酸を加え、残存していた水酸化ナトリウムを中和した。中和後のメタノール溶液には、EVOH100重量部に対して1.85重量部の酢酸ナトリウムが含まれていた。次いで、共重合体濃度が45重量%となるまで溶液を濃縮し、溶液100重量部に対して24重量部の水を添加して60℃に昇温し、均一な溶液とした。この溶液を孔径2mmのノズルから、5℃に保持したメタノール−水混合溶媒(メタノール/水=10/90、重量比)中に15g/分の速度で押出してストランド状に凝固させ、カッターで切断して長さ2.7〜3.0mmのペレットを得た。さらに、このペレットを大量の0.1g/L酢酸水溶液に投入して洗浄し、残存していたメタノールと酢酸ナトリウムを除いた後、60℃で5時間、さらに110℃で10時間乾燥し、エチレン含有量44モル%、ケン化度99.4モル%のEVOHの乾燥ペレットを得た。このペレットは無色透明であった。以上の結果をまとめて表1に示す。
【0048】
(実施例2)
エチレン含有量27モル%のEVAcをメタノールに溶解し、46重量%の溶液を得た。次いで、塔型反応器Aの上部より、該溶液を16g/分、水酸化ナトリウムの5重量%メタノール溶液を0.7g/分で供給した。このときのEVAc中の酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比は0.012であった。塔底部からは67g/分でメタノール蒸気を吹き込み、塔頂部から副生する酢酸メチルを過剰なメタノールと共に混合蒸気として留去させた。塔内の温度は65℃、圧力は約0.1MPa(ほぼ常圧)、EVAcの平均塔内滞留時間は約20分であった。この反応により、ケン化度89.5モル%の部分ケン化EVOHのメタノール溶液(共重合体濃度:22重量%)が20g/分の速度で得られた。この溶液中には水酸化ナトリウムが0.09重量%残存していた。
【0049】
次に、塔型反応器Bの上部より、上記の部分ケン化EVOHのメタノール溶液を20g/分で供給し、塔底部からは24g/分でメタノール蒸気を吹き込み、塔頂部から副生する酢酸メチルを過剰なメタノールと共に混合蒸気として留去させた。塔内の温度は103℃、圧力は約0.3MPa、EVOHの平均塔内滞留時間は約40分であった。この反応により、ケン化度99.3モル%のEVOHのメタノール溶液(共重合体濃度:21重量%)が20g/分の速度で得られた。
【0050】
こうして得られたEVOHのメタノール溶液に、EVOH100重量部に対して2部の割合で酢酸を加え、残存していた水酸化ナトリウムを中和した。中和後のメタノール溶液には、EVOH100重量部に対して1.60部の酢酸ナトリウムが含まれていた。次いで、実施例1と同様の方法で濃縮、凝固、洗浄、乾燥し、エチレン含有量27モル%、ケン化度99.3モル%のEVOHの乾燥ペレットを得た。このペレットは無色透明であった。以上の結果をまとめて表1に示す。
【0051】
(実施例3)
エチレン含有量35モル%のEVAcをメタノールに溶解し、46重量%の溶液を得た。次いで、塔型反応器Aの上部より、該溶液を16g/分、水酸化ナトリウムの5重量%メタノール溶液を0.8g/分で供給した。このときのEVAc中の酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比は0.014であった。塔底部からは58g/分でメタノール蒸気を吹き込み、塔頂部から副生する酢酸メチルを過剰なメタノールと共に混合蒸気として留去させた。塔内の温度は66℃、圧力は約0.1MPa(ほぼ常圧)、EVAcの平均塔内滞留時間は約20分であった。この反応により、ケン化度91.1モル%の部分ケン化EVOHのメタノール溶液(共重合体濃度:23重量%)が20g/分の速度で得られた。この溶液中には水酸化ナトリウムが0.09重量%残存していた。
【0052】
次に、塔型反応器Bの上部より、上記の部分ケン化EVOHのメタノール溶液を20g/分で供給し、塔底部からは24g/分でメタノール蒸気を吹き込み、塔頂部から副生する酢酸メチルを過剰なメタノールと共に混合蒸気として留去させた。このときの塔内の温度は103℃、圧力は約0.3MPa、EVOHの平均塔内滞留時間は約40分であった。この反応により、ケン化度99.3モル%のEVOHのメタノール溶液(共重合体濃度:22重量%)が20g/分の速度で得られた。
【0053】
こうして得られたEVOHのメタノール溶液に、EVOH100重量部に対して2部の割合で酢酸を加え、残存していた水酸化ナトリウムを中和した。中和後のメタノール溶液には、EVOH100重量部に対して1.70部の酢酸ナトリウムが含まれていた。次いで、実施例1と同様の方法で濃縮、凝固、洗浄、乾燥し、エチレン含有量35モル%、ケン化度99.3モル%のEVOHの乾燥ペレットを得た。このペレットは無色透明であった。以上の結果をまとめて表1に示す。
【0054】
(比較例1)
エチレン含有量44モル%のEVAcをメタノールに溶解し、46重量%の溶液を得た。次いで、塔型反応器Bの上部より、該溶液を16g/分、水酸化ナトリウムの5重量%メタノール溶液を3.6g/分で供給した。このときのEVAc中の酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比は0.066であった。塔底部からは58g/分でメタノール蒸気を吹き込み、塔頂部から副生する酢酸メチルを過剰なメタノールと共に混合蒸気として留去させた。このときの塔内の温度は104℃、圧力は約0.3MPa、EVOHの平均塔内滞留時間は約40分であった。この反応により、ケン化度99.4モル%のEVOHのメタノール溶液(共重合体濃度:23重量%)が20g/分の速度で得られた。
【0055】
こうして得られたEVOHのメタノール溶液に、EVOH100重量部に対して2部の割合で酢酸を加え、残存していた水酸化ナトリウムを中和した。中和後のメタノール溶液には、EVOH100重量部に対して7.40部の酢酸ナトリウムが含まれていた。次いで、実施例1と同様の方法で濃縮、凝固、洗浄、乾燥し、エチレン含有量44モル%、ケン化度99.4モル%のEVOHの乾燥ペレットを得た。このペレットは黄色に着色していた。以上の結果をまとめて表1に示す。
【0056】
(比較例2)
エチレン含有量27モル%のEVAcをメタノールに溶解し、46重量%の溶液を得た。次いで、塔型反応器Bの上部より、該溶液を16g/分、水酸化ナトリウムの5重量%メタノール溶液を2.1g/分で供給した。このときの水酸化ナトリウムとEVAc中の酢酸ビニル単位のモル比は0.034であった。塔底部からは58g/分でメタノール蒸気を吹き込み、塔頂部から副生する酢酸メチルを過剰なメタノールと共に混合蒸気として留去させた。このときの塔内の温度は104℃、圧力は約0.3MPa、EVOHの平均塔内滞留時間は約40分であった。この反応により、ケン化度99.3モル%のEVOHのメタノール溶液(共重合体濃度:22重量%)が21g/分の速度で得られた。
【0057】
こうして得られたEVOHのメタノール溶液に、EVOH100重量部に対して2部の割合で酢酸を加え、残存していた水酸化ナトリウムを中和した。中和後のメタノール溶液には、EVOH100重量部に対して4.70部の酢酸ナトリウムが含まれていた。次いで、実施例1と同様の方法で濃縮、凝固、洗浄、乾燥し、エチレン含有量27モル%、ケン化度99.3モル%のEVOHの乾燥ペレットを得た。このペレットは黄色に着色していた。以上の結果をまとめて表1に示す。
【0058】
【表1】
Figure 0004077318
【0059】
以上の結果に示したように、各実施例からは、着色していないペレットが得られた。また、ケン化触媒の使用量が従来の方法と比較して1/3〜1/4程度に低減された。さらに、触媒使用量が低減されたことで、副生物である酢酸ナトリウムの洗浄負荷も低減された。
【0060】
本発明によれば、少量のアルカリ触媒を用いながらも工業的に十分適用可能な速度でEVAcをケン化できるため、効率的にEVOHを製造できる。また、反応後の洗浄に係る負荷の軽減や安定した連続運転も可能となる。本発明により得られるEVOHは、アルカリ触媒の使用量が低減されているため、着色などの外観不良も抑制されたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】図1は、本発明で使用する製造装置の一形態の構成を示す図である。

Claims (14)

  1. エチレン−酢酸ビニル共重合体を、アルカリ触媒を含有するメタノール溶液を用いてケン化するエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造方法であって、第1の反応器内で所定圧力の下にケン化して得た前記共重合体の部分ケン化物を含む溶液を、前記第1の反応器から第2の反応器へと供給し、前記第2の反応器内で前記所定圧力よりも高い圧力の下に前記部分ケン化物をさらにケン化して前記共重合体の最終ケン化物とすることを特徴とするエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造方法。
  2. エチレン−酢酸ビニル共重合体のエチレン含有量を10〜60モル%とする請求項1に記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造方法。
  3. エチレン−酢酸ビニル共重合体のエチレン含有量を10〜30モル%とする請求項2に記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造方法。
  4. 第1の反応器内の圧力を0.1MPa〜0.2MPa、第2の反応器内の圧力を0.2MPa〜2.0MPaとする請求項1に記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造方法。
  5. 第2の反応器へと供給する部分ケン化物のケン化度を60〜98モル%とする請求項1に記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造方法。
  6. 最終ケン化物のケン化度を99.0モル%以上とする請求項1に記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造方法。
  7. エチレン−酢酸ビニル共重合体に含まれる酢酸基に対するモル比により表示して、0.01〜0.03のアルカリ触媒を用いる請求項1に記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造方法。
  8. アルカリ触媒を第1の反応器のみに供給する請求項1に記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造方法。
  9. 第1の反応器から第2の反応器へと供給される溶液が、部分ケン化物に含まれる酢酸基に対するモル比により表示して、0.005〜0.03のアルカリ触媒を含有する請求項8に記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造方法。
  10. アルカリ触媒を第1の反応器および第2の反応器に供給する請求項1に記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造方法。
  11. 第2の反応器が塔型反応器であり、前記第2の反応器を塔上部から塔下部にかけて2以上の領域に区分し、前記領域にそれぞれアルカリ触媒を供給する請求項10に記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造方法。
  12. 第1の反応器および第2の反応器が塔型反応器である請求項1に記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造方法。
  13. 第1の反応器の塔上部からエチレン−酢酸ビニル共重合体のメタノール溶液とアルカリ触媒のメタノール溶液とを供給し、前記共重合体の部分ケン化物および前記アルカリ触媒を含有するメタノール溶液を前記第1の反応器の塔下部から第2の反応器の塔上部へと供給する請求項12に記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造方法。
  14. 第1の反応器および第2の反応器の少なくとも一方の塔下部からメタノール蒸気を供給し、前記メタノール蒸気を供給する反応器の塔上部から、ケン化の副生物である酢酸メチルとともに前記メタノール蒸気を排出する請求項12に記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造方法。
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