JP2000143736A - エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物 - Google Patents

エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物

Info

Publication number
JP2000143736A
JP2000143736A JP32512498A JP32512498A JP2000143736A JP 2000143736 A JP2000143736 A JP 2000143736A JP 32512498 A JP32512498 A JP 32512498A JP 32512498 A JP32512498 A JP 32512498A JP 2000143736 A JP2000143736 A JP 2000143736A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ethylene
polymerization
vinyl acetate
mol
evoh
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP32512498A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Nimiya
賢二 仁宮
Kuniyoshi Asano
邦芳 浅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd filed Critical Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP32512498A priority Critical patent/JP2000143736A/ja
Publication of JP2000143736A publication Critical patent/JP2000143736A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスバリア性と延伸成形性に優れたエチレン
−酢酸ビニル共重合体ケン化物を提供すること。 【解決手段】 エチレン含有量10〜70モル%、ケン
化度95モル%以上で、[エチレン−ビニルアルコール
−ビニルアルコール]の結合単位の含有量とエチレン含
有量が特定の関係式を満足し、かつ固有粘度を0.6〜
1.5dl/gとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体ケン化物(以下、EVOHと略記する)に
関し、更に詳しくはガスバリア性と延伸成形性に優れた
EVOHに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、EVOHはその透明性、ガスバ
リヤー性、保香性、耐溶剤性、耐油性などに優れてお
り、かかる特性を生かして、食品包装材料、医薬品包装
材料、工業薬品包装材料、農薬包装材料等のフィルムや
シート、或いはボトル等の容器等に成形されて利用され
ている。また、一方では、日本化学会誌,1977,
(11)の「エチレン−ビニルアルコール共重合体の微
細構造」に、EVOHの構造解析についての報告がなさ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この報文を基
に、EVOHのガスバリア性や延伸成形性とEVOHの
微細構造の関係について種々検討を行った結果、EVO
Hのブロックキャラクターとガスバリア性や延伸成形性
に少なからず関係があることを見出した。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明者は、
かかる現況に鑑みてEVOHのブロックキャラクターに
ついて鋭意研究を重ねた結果、エチレン含有量10〜7
0モル%、ケン化度95モル%以上で、[エチレン−ビ
ニルアルコール−ビニルアルコール]の結合単位の含有
量を[EVV](モル%)とするとき下記(1)式を満
足し、かつ固有粘度が0.6〜1.5dl/gであるEVO
Hがガスバリア性や延伸成形性に優れることを見出して
本発明を完成するに至った。
【数3】 [EVV]<0.02[E]−0.0002[E]2 ・・・ (1) {ここで、[E]は、EVOH中のエチレン含有量(モ
ル%)} 尚、上記[EVV]は、核磁気共鳴法によって測定され
るEVOH中の[エチレン−ビニルアルコール−ビニル
アルコール]の連鎖構造単位の含有量である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に述べる。
本発明のEVOHは、エチレン含有量が10〜70モル
%(更には25〜55モル%、特に30〜45モル%)
で、ケン化度が95モル%以上(更には98モル%以
上、特に99モル%以上)のもので、該エチレン含有量
が10モル%未満では高湿時のガスバリア性、溶融成形
性が低下し、逆に70モル%を越えると充分なガスバリ
ア性が得られず、更にケン化度が95モル%未満ではガ
スバリア性、熱安定性、耐湿性等が低下して不適であ
る。また、該EVOHのメルトインデックス(MI)
(210℃、荷重2160g)は、特に1〜50g/1
0分(更には1.5〜35g/10分、特に2〜20g
/10分)が好ましく、該メルトインデックスが該範囲
よりも小さい場合には、溶融成形時のロングラン性が低
下する傾向にあり、また該範囲よりも大きい場合には、
溶融成形性が不安定となり、得られる成形物の寸法が不
均一となる傾向にあり好ましくない。
【0006】本発明の最大の特徴は、上記の如きEVO
Hが構造的に特定のブロック性を有することである。す
なわち、EVOH中の[エチレン−ビニルアルコール−
ビニルアルコール]の結合単位の含有量を[EVV]
(モル%)とするとき下記(1)式を満足するようなブ
ロック性を有することが必要で、かかる式を満足しない
ときには本発明の効果を期待することはできない。
【数4】 [EVV]<0.02[E]−0.0002[E]2 ・・・ (1) {ここで、[E]は、EVOH中のエチレン含有量(モ
ル%)} 換言すれば、本発明では、EVOH中に含有されるエチ
レンの量に応じて、EVOH中の[エチレン−ビニルア
ルコール−ビニルアルコール]の結合単位の含有量をコ
ントロールしようとするものであり、一般のEVOHに
おいてはこのような点は考慮されていない。
【0007】かかるEVOHを得るにあたっては、特に
限定はされないが、EVOHの原料であるエチレン−酢
酸ビニル共重合体(以下、EVAと略記する)の製造時
に工夫することも有用で、かかる方法について説明す
る。通常、EVAを製造するにあたっては、重合(反
応)缶内で、重合開始剤の存在下でエチレンと酢酸ビニ
ルを共重合するのであるが、上記の目的とするEVAを
得るためには、このような重合において、仕込み時の溶
剤とモノマーの重量比(F)及び重合終了時の溶剤とモ
ノマーの重量比(P)を下記(2)式の如くコントロー
ルすればよい。
【数5】 0.005<|F−P|<0.25 ・・・ (2) また、この時F及びPのそれぞれの重量比は特に限定さ
れないが、Fは0.30以下(更には0.05〜0.2
5)が好ましく、Pは0.055〜0.30(更には
0.06〜0.25)が好ましい。
【0008】尚、ここで言う仕込み時の溶剤とモノマー
の重量比(F)とは、重合(開始)時に重合(反応)缶
に仕込まれる重合用溶剤(溶媒)と酢酸ビニルモノマー
の重量比で、また重合終了時の溶剤とモノマーの重量比
(P)とは、重合終了時(重合缶よりEVAが抜き出さ
れるとき)の重合缶内における重合用溶剤(溶媒)と残
存酢酸ビニルモノマーの重量比であり、より具体的に
は、バッチ重合においては、重合終了時に冷却して脱圧
されて受器に移された反応液中の重合用溶剤(溶媒)と
残存酢酸ビニルモノマーの重量比で、連続重合において
は、脱圧された抜き出し液中の重合用溶剤(溶媒)と残
存酢酸ビニルモノマーの重量比である。
【0009】上記の条件を満足するように重合を行え
ば、他の条件については、公知の方法を採用することが
でき、連続式、回分式のいずれであっても良く、各重合
方式に応じて適宜、(上記の仕込み時及び重合終了時の
溶剤とモノマーの重量比以外の)重合条件を設定すれば
よく、一例を以下に挙げるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0010】重合時に用いる溶媒としては、炭素数4以
下のアルコール又は炭素数4以下のアルコールを主とす
る混合溶媒が好適に用いられ、該アルコールとしては、
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等
が挙げられるが、中でもメタノールが好適に用いられ、
該溶媒の量としては、上記の重量比(F)を満足する必
要があり、具体的には酢酸ビニル100重量部に対し
て、0.1〜30重量部(更には5〜25重量部)が好
ましく、かかる溶媒の量が0.1重量部未満では重合中
のペースト粘度が高くなりすぎて生産性が低下し、逆に
30重量部を越えると得られるEVAの分子量が小さく
なって後述するEVOHとしたときに溶融粘度が低くな
りすぎて好ましくない。
【0011】また、重合触媒としては、ラジカル開始剤
であれば特に制限なく用いられるが、好ましくは2,
2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2′−アゾビス−(2,4,4−トリメチル
バレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニト
リル、2,2′−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−
ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物、t−ブチル
パーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーピバレ−
ト等のアルキルパーエステル類、ビス−(4−t−ブチ
ルシクロヘキシル)パーオキシ−ジ−カーボネート、ジ
−シクロヘキシルパーオキシ−ジ−カーボネート、ビス
(2−エチルヘキシル)ジ−sec−ブチルパーオキシ
−ジ−カーボネート、ジ−イソプロピルパーオキシ−ジ
−カーボネート、ジーノルマルプロピルパーオキシカー
ボネート等のパーオキシ−ジ−カーボネート類、アセチ
ルパーオキシド、ジ−ラウロイルパーオキシド、ジ−デ
カノイルパーオキシド、ジ−オクタノイルパーオキシ
ド、ジ−プロピルパーオキシド等のパーオキシド類など
を挙げることができる。
【0012】かかる触媒の使用量は、回分式の場合、酢
酸ビニル100重量部に対して、0.002〜0.1重
量部(更には0.005〜0.05重量部)が好まし
く、0.002重量部未満では、触媒効率が悪く重合時
間が長くなったり、重合が進まない場合があり、逆に
0.1重量部を越えると、重合の制御が困難となった
り、重合終了後も触媒が残存して後重合を起こすことが
あり好ましくない。連続式の場合、酢酸ビニル100重
量部に対して、0.002〜0.06重量部(更には
0.01〜0.06重量部)が好ましく、0.002重
量部未満でも、触媒効率が悪く重合時間が長くなった
り、重合が進まない場合があり、逆に0.06重量部を
越えると、重合の制御が困難となったり、重合終了後も
触媒が残存して後重合を起こすことがあり好ましくな
い。
【0013】重合にあたっては、上記の酢酸ビニル、溶
媒及び触媒を重合缶に仕込んだ後、エチレンガスを吹き
込んで重合を行うのであるが、かかる酢酸ビニル、溶媒
及び触媒の仕込み方法としては任意の手段が採用され、
代表的には、酢酸ビニル、溶媒、触媒全てを事前に混
合した後、一括して仕込む方法、溶媒に溶解した触
媒、酢酸ビニル、溶媒を別々に仕込む方法、酢酸ビニ
ル、触媒と溶媒の混合液を別々に仕込む方法、酢酸ビ
ニルと溶媒の混合液、触媒と溶媒の混合液を別々に仕込
む方法等が挙げられる。
【0014】一方、重合缶に仕込むエチレンガスのエチ
レン圧としては、1.5〜7.5MPa(更に2.0〜
6.5MPa)にすることが好ましく、かかるエチレン
圧が1.5MPa未満ではエチレン組成のコントロール
が難しく、逆に7.5MPaを越えると重合したポリマ
ーが析出して不均一系となって好ましくない。通常、重
合温度は、40〜80℃(更には50〜70℃)が好ま
しく、かかる温度が40℃未満では重合に長時間を要
し、重合時間を短縮しようとすると触媒量が多量に必要
となり、逆に80℃を越えると重合制御が困難となり好
ましくない。
【0015】また、重合時間は、回分式の場合、4〜1
2時間(更には6〜10時間)が好ましく、該重合時間
が4時間未満では重合温度を高くしたり、触媒量を多く
設定しなければならず、逆に12時間を越えると生産性
の面で問題があり好ましくない。連続式の場合、重合缶
内での平均滞留時間は2〜8時間(更には2〜6時間)
が好ましく、該滞留時間が2時間未満では重合温度を高
くしたり、触媒量を多く設定しなければならず、8時間
を越えると生産性の面で問題があり好ましくない。
【0016】酢酸ビニルの重合率は、生産性の面から重
合制御が可能な範囲でできるだけ高く設定され、好まし
くは20〜90%である。該重合率が20%未満では、
生産性の面や未重合の酢酸ビニルが多量に存在する等の
問題があり、逆に90%越えると重合制御が困難となり
好ましくない。
【0017】本発明においては、上述したように、仕込
み時及び重合終了時の溶剤とモノマーの重量比をコント
ロールする必要があり、重合終了時の溶剤とモノマーの
重量比をコントロールするにあたっては、重合中に、
溶剤を追加、溶剤を除去、酢酸ビニルモノマーを追
加、酢酸ビニルモノマーを除去等の方法が挙げられる
が、、の方法が好ましい。
【0018】また、上記のEVAの製造においては、本
発明の目的を阻害しない範囲において、エチレン、酢酸
ビニル以外に、これらと共重合可能なエチレン性不飽和
単量体を共重合成分として共重合させることも可能で、
かかる単量体としては、例えばプロピレン、イソブチレ
ン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等
のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽
和酸類あるいはその塩あるいはモノ又はジアルキルエス
テル等、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニ
トリル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミ
ド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタア
リルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいはその
塩、アルキルビニルエーテル類、N−アクリルアミドメ
チルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメ
チルアンモニウムクロライド、ジメチルアリルビニルケ
トン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリ
デン、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポ
リオキシプロピレン(メタ)アリルエーテルなどのポリ
オキシアルキレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシ
エチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン
(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン(メ
タ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリ
ルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミ
ド等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリルアミド、
ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド−
1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシエチ
レンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエー
テル、ポリオキシエチレンアリルアミン、ポリオキシプ
ロピレンアリルアミン、ポリオキシエチレンビニルアミ
ン、ポリオキシプロピレンビニルアミン等が挙げられ
る。
【0019】かくして得られたEVAからEVOHを製
造するには、かかるEVAをケン化すればよく、かかる
ケン化反応は、ケン化触媒の共存下に実施される。ケン
化に当たっては、上記EVAを、アルコール(通常メタ
ノールが用いられる)又はアルコール含有媒体中に通常
30〜60重量%程度の濃度になる如く溶解し、アルカ
リ触媒(通常水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの
アルカリ金属水酸化物が用いられる)を添加して40〜
140℃の温度でケン化反応せしめる。
【0020】かかるケン化によりEVOHが得られるの
であるが、この時にEVOHの酢酸ビニル成分のケン化
度を95モル%以上に調整すればよい。かくして目的と
するEVOHのアルコール溶液が得られるのであるが、
かかる溶液は、そのままでもよいが、好ましくは、直接
水を加えるか、水を加えてから該ケン化物のアルコール
溶液を適宜濃度調整して、アルコール/水溶液としてス
トランド製造用の溶液とした後、水又は水/アルコール
(混合)溶液等の凝固浴中にストランド状に押し出して
析出させるのである。
【0021】そして、析出させたストランドは次に切断
されてペレット状となり、次いで水洗されて、乾燥され
て、本発明のEVOHのペレットとなるのであるが、本
発明では、かかるEVOHの固有粘度(フェノール85
重量%と水15重量%との混合溶媒中、30℃の測定
値)が0.6〜1.5dl/g(更には0.7〜1.3
dl/g、特に0.8〜1.2dl/g)であることが
必要であり、かかる粘度が0.6dl/g未満では延伸
成形時にEVOH層が破断してガスバリア性が大幅に低
下することとなり、逆に1.5dl/gを越えると延伸
成形後のEVOH層の膜厚が不均一となって得られる成
形物の外観が悪化する。
【0022】また、本発明においては、かかるEVOH
中に、上記の水洗したペレットを酸及び/又はそれらの
塩類等の薬剤の水溶液中に浸漬させる等の方法でアルカ
リ金属を含有させることも、積層体としたときの延伸成
形性が向上する点で好ましく、かかる方法について具体
的に説明する。含有させるアルカリ金属としては、酢
酸、プロピオン酸、酪酸、ラウリル酸、ステアリン酸、
オレイン酸、ベヘニン酸等の有機酸や、リン酸、炭酸、
ホウ酸等の無機酸のアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カ
リウム塩等)を挙げることができ、好適には酢酸ナトリ
ウム、酢酸カリウムが用いられる。
【0023】該金属を含有させるにあたっては、該金属
塩の水溶液にEVOHを接触させることで含有させるこ
とができ、このときの該水溶液中の該金属塩の濃度は、
0.001〜1重量%(更には0.01〜0.5重量
%)が好ましく、0.001重量%未満では所定量の該
金属を含有させることが困難となり、逆に1重量%を越
えると最終的に得られる成形物の外観性が低下して好ま
しくない。かかる水溶液にEVOHを接触させる方法と
しては特に限定されないが、通常は該水溶液に凝固浴中
に析出させて得たペレット状の含水EVOHを投入して
撹拌しながら、上記の化合物を含有させることが好まし
い。
【0024】最終的にEVOH中に含有されるアルカリ
金属の量は、5〜500ppm(更には10〜300p
pm、特に20〜200ppm)が好ましく、かかる量
が5ppm未満では延伸成形性が低下したり、隣接する
熱可塑性樹脂層とのデラミが発生したりする傾向にあ
り、逆に500ppmを越えると得られる成形物の着色
やスジの発生が大きくなる傾向にあり好ましくない。
【0025】かかるアルカリ金属の含有量は、EVOH
(組成物)を灰化後、塩酸水溶液に溶解して原子吸光分
析法により測定することができる。かかる含有量の調整
にあたっては、特に限定されないが、前述の水溶液との
接触処理において、化合物等の水溶液濃度、接触処理時
間、接触処理温度、接触処理時の撹拌速度や処理される
EVOHの含水率等をコントロールすることで可能であ
る。また、EVOHの製造時に調整することも可能で、
例えば、ケン化工程で使用したアルカリ(水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム等)を酢酸で中和して、副生成す
る酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の量を前述の水洗処
理により調整したりすることも可能である。
【0026】かくして得られたガスバリア性と延伸成形
性に優れた本発明のEVOH(組成物)は、必要に応じ
ガラス繊維、炭素繊維などの補強材、充填剤、着色剤、
酸化防止剤、紫外線吸収剤、ハイドロタルサイトなどの
安定剤、滑剤、可塑剤、スリップ剤、発泡剤、乾燥剤、
抗菌剤、更にはシリカやタルクなどの公知の添加剤やポ
リオレフィン、ポリアミド、ポリケトン、ポリアルコー
ル、組成の異なるEVOH等の樹脂が必要に応じて適当
量配合されて、成形物の用途に多用され、溶融成形等に
よりペレット、フィルム、シート、容器、繊維、棒、
管、各種成形品等に成形され、又、これらの粉砕品(回
収品を再使用する時など)やペレットを用いて再び溶融
成形に供することもでき、かかる溶融成形方法として
は、押出成形法(T−ダイ押出、インフレーション押
出、ブロー成形、溶融紡糸、異型押出等)、射出成形法
が主として採用される。溶融成形温度は、150〜30
0℃の範囲から選ぶことが多い。
【0027】また、本発明で得られたEVOH(組成
物)は、単層として用いることができるが、特に積層体
用途に供した時に本発明の作用効果を十分に発揮するこ
とができ、具体的には該EVOH組成物からなる層の少
なくとも片面に熱可塑性樹脂層等を積層して多層積層体
として用いることが有用である。
【0028】該積層体を製造するに当たっては、該EV
OH(組成物)の層の片面又は両面に他の基材を積層す
るのであるが、積層方法としては、例えば該EVOH組
成物のフィルムやシートに熱可塑性樹脂を溶融押出する
方法、逆に熱可塑性樹脂等の基材に該EVOH組成物を
溶融押出する方法、該EVOH(組成物)と他の熱可塑
性樹脂とを共押出する方法、更には本発明で得られたE
VOH組成物のフィルムやシートと他の基材のフィル
ム、シートとを有機チタン化合物、イソシアネート化合
物、ポリエステル系化合物、ポリウレタン化合物等の公
知の接着剤を用いてドライラミネートする方法等が挙げ
られる。
【0029】共押出の場合の相手側樹脂としては直鎖状
低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリ
エチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、アイオノマー、エチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリプロ
ピレン、プロピレン−α−オレフィン(炭素数4〜20
のα−オレフィン)共重合体、ポリブテン、ポリペンテ
ン等のオレフィンの単独又は共重合体、或いはこれらの
オレフィンの単独又は共重合体を不飽和カルボン酸又は
そのエステルでグラフト変性したものなどの広義のポリ
オレフィン系樹脂、PET、PEN等のポリエステル、
ポリアミド、共重合ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、アクリル系樹脂、ポリスチレン、ビニ
ルエステル系樹脂、ポリエステルエラストマー、ポリウ
レタンエラストマー、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリ
プロピレン、ポリケトン、ポリアルコール等が挙げられ
る。EVOHも共押出可能である。上記のなかでも、共
押出成形の容易さ、フィルム物性(特に機械的強度)の
実用性の点から、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエ
チレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレ
ン、PETが好ましく用いられる。
【0030】更に、本発明で得られるEVOH(組成
物)から一旦フィルムやシート等の成形物を得、これに
他の基材を押出コートしたり、他の基材のフィルム、シ
ート等を接着剤を用いてラミネートする場合、前記の熱
可塑性樹脂以外に任意の基材(紙、金属箔、一軸又は二
軸延伸プラスチックフィルム又はシート、織布、不織
布、金属綿状、木質等)が使用可能である。
【0031】積層体の層構成は、本発明で得られたEV
OH(組成物)の層をa(a1、a2、・・・)、他の基
材、例えば熱可塑性樹脂層をb(b1、b2、・・・)と
するとき、フィルム、シート、ボトル状であれば、a/
bの二層構造のみならず、b/a/b、a/b/a、a
1/a2/b、a/b1/b2、b2/b1/a/b1/b2
任意の組み合わせが可能であり、フィラメント状では
a、bがバイメタル型、芯(a)−鞘(b)型、芯
(b)−鞘(a)型、或いは偏心芯鞘型等任意の組み合
わせが可能である。
【0032】該積層体は、そのまま各種形状のものに使
用されるが、前述のように、本発明のEVOH(組成
物)は延伸成形性に優れているので、更に該積層体の物
性を改善するためには延伸処理を施すことが好ましい。
ここで延伸処理とは、熱的に均一に加熱された積層体を
チャック、プラグ、真空力、圧空力、ブローなどにより
容器、カップ、ボトル、シート、フィルム状に均一に成
形する操作を意味し、かかる延伸については、一軸延
伸、二軸延伸のいずれであってもよく、できるだけ高倍
率の延伸を行ったほうが物性的に良好で、延伸時にピン
ホールやクラック、延伸ムラや偏肉、デラミ等の生じな
い、ガスバリア性に優れた延伸フィルムや延伸シート、
延伸ボトル、延伸容器等が得られる。
【0033】延伸方法としては、ロール延伸法、テンタ
ー延伸法、チューブラー延伸法、延伸ブロー法、真空圧
空成形等のうち延伸倍率の高いものも採用できる。二軸
延伸の場合は同時二軸延伸方式、逐次二軸延伸方式のい
ずれの方式も採用できる。延伸温度は60〜170℃、
好ましくは80〜160℃程度の範囲から選ばれる。
【0034】延伸が終了した後、次いで熱固定を行うこ
とも好ましい。熱固定は周知の手段で実施可能であり、
上記延伸フィルムを緊張状態を保ちながら80〜170
℃、好ましくは100〜160℃で2〜600秒間程度
熱処理を行う。また、生肉、加工肉、チーズ等の熱収縮
包装用途に用いる場合には、延伸後の熱固定は行わずに
製品フィルムとし、上記の生肉、加工肉、チーズ等を該
フィルムに収納した後、50〜130℃、好ましくは7
0〜120℃で、2〜300秒程度の熱処理を行って、
該フィルムを熱収縮させて密着包装をする。
【0035】かくして得られた積層体の形状としては任
意のものであってよく、フィルム、シート、テープ、ボ
トル、パイプ、フィラメント、異型断面押出物等が例示
される。又、得られる積層体は必要に応じ、熱処理、冷
却処理、圧延処理、印刷処理、ドライラミネート処理、
溶液又は溶融コート処理、製袋加工、深絞り加工、箱加
工、チューブ加工、スプリット加工等を行うことができ
る。上記の如く得られたフィルム、シート或いは容器等
は食品、医薬品、工業薬品、農薬等各種の包装材料とし
て有用である。
【0036】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。尚、実施例中、「部」、「%」とあるのは、特に
断りのない限り重量基準である。尚、実施例中の測定項
目は下記の方法で行った。
【0037】(1)エチレン含有量、ケン化度および
[EVV] EVOH試料を濃度約3%のジメチルスルホキサイド
(DMSO−d6)溶液として、核磁気共鳴法(ブルカ
ー社製「DPXー400」、共鳴周波数400MHz、
基準物質TMS)によって温度50℃で測定して、NM
Rチャートを得た。
【0038】エチレン含有量については、かかるチャー
トより、δ3.3〜4.0ppm(CH)およびδ1.
0〜1.8ppm(CH2)のピークに基づく積分値か
ら算出した。ケン化度についても、同様にδ3.3〜
4.0ppm、δ1.98ppm(未ケン化アセトキシ
ル基CH3)およびδ0.85ppm(アルキル分岐末
端CH3)のピークに基づく積分値から算出した。[E
VV]についても、同様にδ3.37ppm([EV
E]のCH)、δ3.62ppm([EVV]のCH)
およびδ3.84ppm([VVV]のCH)のピーク
に基づく積分値から算出した。
【0039】(2)固有粘度 フェノール85%と水15%との混合溶媒中、温度30
℃で測定した。 (3)アルカリ金属の含有量 EVOH試料を灰化後、塩酸水溶液に溶解して、原子吸
光分析法(日立社製の原子吸光光度計)によって測定を
行い、標準液との吸光度の比率からアルカリ金属を定量
した。 (4)メルトインデックス ASTM D1238に準じて、温度210℃、荷重2
160gで測定した。
【0040】実施例1 (EVAの製造)容量10lの撹拌機付き重合缶に、メ
タノール(重合用溶媒)及び酢酸ビニルをそれぞれ60
g/hr及び860g/hrの割合(F=60/860
=0.070)で供給して、下記の条件でエチレン−酢
酸ビニル共重合体を連続重合を開始した。 2,2′−アゾビスイソブチロニトリル供給量 300mg/hr 重合温度 60℃ エチレン圧 4.7MPa 平均滞留時間 5.0hr
【0041】重合した重合液は、連続して重合缶から抜
き出し、重合禁止剤を入れて、エチレン含量37.8モ
ル%のEVAを得た。このときの単位時間当たりの抜き
出し反応液中のメタノール(重合用溶媒)及び酢酸ビニ
ルはそれぞれ60g及び600g(P=60/600=
0.100、|F−P|=0.030)であった。上記
で得られた反応液から酢酸ビニルを取り除いてEVAを
50%含むメタノール溶液100部に、該EVA中の酢
酸ビニル基に対して0.017当量の水酸化ナトリウム
を含有するメタノール溶液150部を供給し、120〜
130℃、圧力0.39MPaで、30分間ケン化反応
を行った。得られたEVOH(ケン化度99.8モル
%)メタノール溶液の樹脂分濃度は30%であった。
【0042】次に含水率62.5%のメタノール水溶液
60部を、該EVOHメタノール溶液に共沸下で供給
し、100〜110℃、圧力0.29MPaで、EVO
Hメタノール/水溶液中の樹脂分濃度が40%になるま
でメタノールを留出させ、完全透明なメタノール/水均
一溶液を得た。
【0043】続いて得られたEVOHのメタノール/水
溶液を、水/メタノール溶液(重量比95/5)よりな
る凝固液槽にストランド状に押し出してカッターで切断
し、ペレットを得、該ペレットを30℃の酢酸水溶液中
で洗浄後、30℃の酢酸−酢酸ナトリウム水溶液中で5
時間撹拌した後、110℃で9時間乾燥して、下記の如
き本発明のEVOH(組成物)のペレットを得た。 ・エチレン含有量: 37.8モル% ・ケン化度 : 99.8モル% ・[EVV] : 45.7モル% ([EVV]=45.7、0.02[E]−0.000
2[E]2=0.02×37.8−0.0002×3
7.82=47.0) ・固有粘度 : 1.08dl/g ・アルカリ金属の含有量: 120ppm(ナトリウ
ム) ・メルトインデックス : 4.0g/10分(210
℃、荷重2160g) 得られたEVOHのペレットについて、ガスバリア性と
延伸成形性について、積層体の場合(評価1)と容器の
場合(評価2)のそれぞれの評価を以下の如く行った。
【0044】(評価1)上記EVOHを用いて、フィー
ドブロック5層Tダイにより、ポリプロピレン層/接着
樹脂層/EVOH層/接着樹脂層/ポリプロピレン層の
層構成となるように製膜し、積層体を作製した。該積層
体の構成は、両外層のポリプロピレン層(ポリプロピレ
ンのMIが1.2g/10分)が100μm、接着樹脂
層(接着樹脂が無水マレイン酸変性ポリプロピレンであ
り、そのMIが2.6g/10分)が25μm、中間層
のEVOH組成物層が50μmである。かかる積層体に
ついて、延伸成形性、ガスバリア性について、下記
の如く評価した。
【0045】延伸成形性 上記積層体から8cm×8cmの試験片をサンプリング
し、該試験片を145℃で1分間予熱し、120mm/
secの延伸速度で、縦方向に4倍、横方向に4倍の順
(延伸倍率:16倍)で逐次二軸延伸を行い、得られた
延伸フィルムの外観性を目視観察により下記の通り評価
した。 ○ −−− 縦スジ状の厚みムラ、偏肉が発生せず △ −−− 1〜2本の縦スジ状の厚みムラ、偏肉が発生 × −−− 3本以上の縦スジ状の厚みムラ、偏肉が発生 ガスバリア性 得られた延伸フィルムについて、酸素透過度測定装置
(MOCON社製、OXTRAN10/50)を用いて、
23℃−50%RH下で酸素透過度を測定した。
【0046】(評価2)上記EVOHを用いて、フィー
ドブロック5層Tダイにより、ポリスチレン層/接着樹
脂層/EVOH組成物層/接着樹脂層/ポリスチレン層
の層構成となるように多層シートを作製した。該積層体
の構成は、両外層のポリスチレン層が400μm、接着
樹脂層(無水マレイン酸変性エチレン−酢酸ビニル共重
合体)が100μm、中間層のEVOH組成物層が20
0μmである。かかる積層体を真空圧空熱成形機(浅野
研究所社製)により、135℃で容器(縦90mm、横
90mm、深さ100mm)を成形して、延伸成形性
及びガスバリア性について、下記の如く評価した。
【0047】延伸成形性 得られた容器を目視観察して、その外観性を以下の通り
評価した。 ○ −−− クラック、延伸ムラ、偏肉が認められず、外観上良好である △ −−− クラック、延伸ムラ、偏肉が若干認められるが、外観上使用可 能である × −−− クラック、延伸ムラ、偏肉が多数認められ、外観上使用に耐え ない ガスバリア性 得られた容器について、酸素透過度測定装置(MOCO
N社製、OXTRAN10/50)を用いて、23℃−
50%RH下で酸素透過度を測定した。
【0048】実施例2 (EVAの製造)容量10lの撹拌機付き重合缶に、メ
タノール(重合用溶媒)及び酢酸ビニルをそれぞれ54
0g及び5680gの割合(F=540/5680=
0.095)で仕込んで、下記の条件でエチレン−酢酸
ビニル共重合体を(バッチ)重合を開始した。 2,2′−アゾビスイソブチロニトリル供給量 1990mg 重合温度 60℃ エチレン圧 5.4MPa 重合を9時間行った後に、重合禁止剤を入れて、エチレ
ン含量42.4モル%のEVAを得た。このときの重合
終了時の反応液中のメタノール(重合用溶媒)及び酢酸
ビニルはそれぞれ540g及び2556g(P=540
/2556=0.211、|F−P|=0.116)で
あった。
【0049】上記で得られたEVAを実施例1と同様に
ケン化処理をして、下記の如き本発明のEVOHを得
た。 ・エチレン含有量: 42.4モル% ・ケン化度 : 99.7モル% ・[EVV] : 47.1モル% ([EVV]=47.1、0.02[E]−0.000
2[E]2=0.02×42.4−0.0002×4
2.42=48.8) ・固有粘度 : 0.91dl/g ・アルカリ金属の含有量: 80ppm(ナトリウム) ・メルトインデックス : 11.6g/10分(21
0℃、荷重2160g) 得られたEVOHについて、実施例1と同様に評価を行
った。
【0050】実施例3 実施例1において、メタノール(重合用溶媒)及び酢酸
ビニルをそれぞれ65g/hr及び860g/hrの割
合(F=65/860=0.076)で供給し、平均滞
留時間を3.5hrとした以外は同様に重合を行って、
エチレン含量37.7モル%のEVAを得た。このとき
の単位時間当たりの抜き出し反応液中のメタノール(重
合用溶媒)及び酢酸ビニルはそれぞれ65g及び620
g(P=65/680=0.096、|F−P|=0.
020)であった。
【0051】上記で得られたEVAを実施例1と同様に
ケン化処理をして、下記の如き本発明のEVOHを得
た。 ・エチレン含有量: 37.7モル% ・ケン化度 : 99.8モル% ・[EVV] : 44.2モル% ([EVV]=44.2、0.02[E]−0.000
2[E]2=0.02×37.7−0.0002×3
7.72=47.0) ・固有粘度 : 1.10dl/g ・アルカリ金属の含有量: 115ppm(ナトリウ
ム) ・メルトインデックス : 3.6g/10分(210
℃、荷重2160g) 得られたEVOHについて、実施例1と同様に評価を行
った。
【0052】実施例4 実施例2において、メタノール(重合用溶媒)及び酢酸
ビニルをそれぞれ570g及び5680gの割合(F=
570/5680=0.100)で仕込んで、重合時間
を4時間とした以外は同様に重合を行って、エチレン含
量42.4モル%のEVAを得た。このときの重合終了
時の反応液中のメタノール(重合用溶媒)及び酢酸ビニ
ルはそれぞれ570g及び3990g(P=570/3
990=0.143、|F−P|=0.043)であっ
た。
【0053】上記で得られたEVAを実施例1と同様に
ケン化処理をして、下記の如き本発明のEVOHを得
た。 ・エチレン含有量: 42.4モル% ・ケン化度 : 99.7モル% ・[EVV] : 46.5モル% ([EVV]=46.5、0.02[E]−0.000
2[E]2=0.02×42.4−0.0002×4
2.42=48.8) ・固有粘度 : 0.91dl/g ・アルカリ金属の含有量: 80ppm(ナトリウム) ・メルトインデックス : 11.5g/10分(21
0℃、荷重2160g) 得られたEVOHについて、実施例1と同様に評価を行
った。
【0054】比較例1 実施例1において、メタノール(重合用溶媒)及び酢酸
ビニルをそれぞれ80g/hr及び860g/hrの割
合(F=80/860=0.093)で供給し、重合温
度を70℃として、エチレン圧を5.5MPaとした以
外は同様に行って、エチレン含量37.8モル%のEV
Aを得た。このときの単位時間当たりの抜き出し反応液
中のメタノール(重合用溶媒)及び酢酸ビニルはそれぞ
れ80g及び820g(P=80/820=0.09
8、|F−P|=0.005)であった。
【0055】上記で得られたEVAを実施例1と同様に
ケン化処理をして、下記の如き本発明のEVOHを得
た。 ・エチレン含有量: 37.8モル% ・ケン化度 : 99.8モル% ・[EVV] : 47.3モル% ([EVV]=47.3、0.02[E]−0.000
2[E]2=0.02×37.8−0.0002×3
7.82=47.0) ・固有粘度 : 1.13dl/g ・アルカリ金属の含有量: 120ppm(ナトリウ
ム) ・メルトインデックス : 3.0g/10分(210
℃、荷重2160g) 得られたEVOHについて、実施例1と同様に評価を行
った。
【0056】比較例2 実施例1において、メタノール(重合用溶媒)及び酢酸
ビニルをそれぞれ450g/hr及び470g/hrの
割合(F=450/470=0.96)で供給し、2,
2′−アゾビスイソブチロニトリルの供給量を360m
g/hrとした以外は同様に重合を行って、エチレン含
量37.8モル%のEVAを得た。このときの単位時間
当たりの抜き出し反応液中のメタノール(重合用溶媒)
及び酢酸ビニルはそれぞれ450g及び230g(P=
450/230=1.96、|F−P|=1.0)であ
った。
【0057】上記で得られたEVAを実施例1と同様に
ケン化処理をして、下記の如き本発明のEVOHを得
た。 ・エチレン含有量: 37.8モル% ・ケン化度 : 99.8モル% ・[EVV] : 45.6モル% ([EVV]=45.6、0.02[E]−0.000
2[E]2=0.02×37.8−0.0002×3
7.82=47.0) ・固有粘度 : 0.55dl/g ・アルカリ金属の含有量: 120ppm(ナトリウ
ム) ・メルトインデックス : 170g/10分(210
℃、荷重2160g) 得られたEVOH組成物について、実施例1と同様に評
価を行った。
【0058】比較例3 実施例1において、メタノール(重合用溶媒)及び酢酸
ビニルをそれぞれ5g/hr及び920g/hrの割合
(F=5/920=0.005)で供給し、重合温度を
55℃とし、更にエチレン圧を4.1MPaとした以外
は同様に重合を行って、エチレン含量37.8モル%の
EVAを得た。このときの単位時間当たりの抜き出し反
応液中のメタノール(重合用溶媒)及び酢酸ビニルはそ
れぞれ5g及び740g(P=5/740=0.00
7、|F−P|=0.002)であった。
【0059】上記で得られたEVAを実施例1と同様に
ケン化処理をして、下記の如き本発明のEVOHを得
た。 ・エチレン含有量: 37.8モル% ・ケン化度 : 99.8モル% ・[EVV] : 45.7モル% ([EVV]=45.7、0.02[E]−0.000
2[E]2=0.02×37.8−0.0002×3
7.82=47.0) ・固有粘度 : 1.6dl/g ・アルカリ金属の含有量: 120ppm(ナトリウ
ム) ・メルトインデックス : 0.8g/10分(210
℃、荷重2160g) 得られたEVOHについて、実施例1と同様に評価を行
った。
【0060】実施例及び比較例の評価結果を表1に示
す。
【表1】 評 価 1 評 価 2 延伸成形性 ガスバリア性 延伸成形性 ガスバリア性 実施例1 ○ 3.5 ○ 0.4 〃 2 ○ 6.1 ○ 0.8 〃 3 ○ 3.6 ○ 0.4 〃 4 ○ 6.3 ○ 0.8 比較例1 × 3.5 × 45 〃 2 △ >100 △ >100 〃 3 × 3.7 × 0.5 注)ガスバリア性の単位は、cc/m2・24hrs・atmである。
【0061】
【発明の効果】本発明のEVOHは、特定の構造を有す
るEVOHを用いているため、ガスバリア性と延伸成形
性に優れ、各種の積層体とすることができ、食品や医薬
品、農薬品、工業薬品包装用のフィルム、シート、チュ
ーブ、袋、ボトル、カップ、容器等の用途に非常に有用
で、特に延伸処理を伴う二次加工製品等に好適に用いる
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/24 C08K 5/098 5/098 C08L 29/04 Z C08L 29/04 B29C 55/00 // B29C 55/00 B65D 1/00 A B29K 29:00 B29L 7:00 22:00 Fターム(参考) 3E033 BA24 BB01 BB04 BB05 CA09 CA16 CA20 EA12 FA02 FA03 FA04 4F100 AB01A AH08A AK07 AK07G AK12 AK69A AL07G BA01 BA02 BA03 BA06 BA15 CB00 EH20 EJ37 GB16 GB23 JA06A JD02 JL02 YY00A 4F210 AA04A AA04E AA19A AA19E AB19 AG01 AG03 AG07 AH54 AH55 QA02 QA03 QG01 QG11 QG15 QG18 QW07 4J002 BB061 DE226 DH036 DK006 EG026 GF00 GG00 4J100 AA02P AG04Q CA04 CA31 DA09 FA27 HA09 JA58

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン含有量10〜70モル%、ケン
    化度95モル%以上で、[エチレン−ビニルアルコール
    −ビニルアルコール]の結合単位の含有量を[EVV]
    (モル%)とするとき下記(1)式を満足し、かつ固有
    粘度が0.6〜1.5dl/gであることを特徴とする
    エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物。 【数1】 [EVV]<0.02×[E]−0.0002[E]2 ・・・ (1) {ここで、[E]は、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケ
    ン化物中のエチレン含有量(モル%)}
  2. 【請求項2】 アルカリ金属を5〜500ppm含有す
    ることを特徴とする請求項1記載のエチレン−酢酸ビニ
    ル共重合体ケン化物。
  3. 【請求項3】 下記(2)式を満足する条件で、重合し
    て得られたエチレン−酢酸ビニル共重合体をケン化した
    ことを特徴とする請求項1または2記載のエチレン−酢
    酸ビニル共重合体ケン化物。 【数2】 0.005<|F−P|<0.25 ・・・ (2) (但し、Fは仕込み時の溶剤/モノマー重量比で、Pは
    重合終了時の溶剤/モノマー重量比をそれぞれ表す。)
  4. 【請求項4】 延伸処理を施して積層体または容器に用
    いることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のエチ
    レン−酢酸ビニル共重合体ケン化物。
JP32512498A 1998-11-16 1998-11-16 エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物 Pending JP2000143736A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32512498A JP2000143736A (ja) 1998-11-16 1998-11-16 エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32512498A JP2000143736A (ja) 1998-11-16 1998-11-16 エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000143736A true JP2000143736A (ja) 2000-05-26

Family

ID=18173359

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32512498A Pending JP2000143736A (ja) 1998-11-16 1998-11-16 エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000143736A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001019712A (ja) * 1999-07-06 2001-01-23 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物および積層体
JP2011052234A (ja) * 2010-12-15 2011-03-17 Kuraray Co Ltd エチレン−酢酸ビニル共重合体部分ケン化物ペレットの製造方法
JP2015101612A (ja) * 2013-11-22 2015-06-04 日本合成化学工業株式会社 変性エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物組成物及びその製造方法
JP2016029157A (ja) * 2014-07-11 2016-03-03 株式会社クラレ 樹脂組成物、多層シート、包装材及び容器
US10570268B2 (en) 2015-05-19 2020-02-25 Mitsubishi Chemical Corporation Modified ethylene-vinyl ester saponified copolymer resin composition
CN115175574A (zh) * 2020-02-28 2022-10-11 织宽植物露水株式会社 袋装果冻食品

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001019712A (ja) * 1999-07-06 2001-01-23 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物および積層体
JP2011052234A (ja) * 2010-12-15 2011-03-17 Kuraray Co Ltd エチレン−酢酸ビニル共重合体部分ケン化物ペレットの製造方法
JP2015101612A (ja) * 2013-11-22 2015-06-04 日本合成化学工業株式会社 変性エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物組成物及びその製造方法
JP2016029157A (ja) * 2014-07-11 2016-03-03 株式会社クラレ 樹脂組成物、多層シート、包装材及び容器
JP2020196889A (ja) * 2014-07-11 2020-12-10 株式会社クラレ 樹脂組成物、多層シート、包装材及び容器
US10570268B2 (en) 2015-05-19 2020-02-25 Mitsubishi Chemical Corporation Modified ethylene-vinyl ester saponified copolymer resin composition
CN115175574A (zh) * 2020-02-28 2022-10-11 织宽植物露水株式会社 袋装果冻食品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6232382B1 (en) Saponified ethylene-vinyl acetate copolymer resin composition and laminate having a layer of said resin composition
JP5001207B2 (ja) エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造方法
JP6790837B2 (ja) エチレン−ビニルアルコール系共重合体及び該エチレン−ビニルアルコール系共重合体の製造方法
EP1612228B1 (en) Ethylene-vinyl alcohol based copolymer and method for production thereof
JP5046430B2 (ja) 樹脂組成物および積層体
JP6547289B2 (ja) エチレン−ビニルエステル系共重合体の製造方法、及びエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物
JP4046245B2 (ja) エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造法
JP3976212B2 (ja) エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の連続処理法
JP2000143736A (ja) エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
CN110036060B (zh) 乙烯-乙烯醇系共聚物粒料、树脂组合物及多层结构体
KR20210154976A (ko) 에틸렌-비닐 알코올 공중합체 및 이의 제조 방법
JP2012207054A (ja) 熱収縮性フィルム
JP3942125B2 (ja) エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の処理法
JPH10180867A (ja) エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物延伸フィルムの製造法
JP4634554B2 (ja) 樹脂組成物および積層体
JPH11116760A (ja) 樹脂組成物の製造法
JP4634555B2 (ja) 樹脂組成物および積層体
JPH11116758A (ja) 樹脂組成物の製造法
JPH11293068A (ja) 樹脂組成物
JP2001302710A (ja) 樹脂組成物および積層体
JPH1158501A (ja) 樹脂組成物の成形法
JP2000281715A (ja) エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の洗浄方法
JP2000000817A (ja) エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物ペレットの製造法
JPH1158500A (ja) 樹脂組成物の成形法
JP2001019712A (ja) エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物および積層体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051019

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071220

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080410