JP2001302710A - 樹脂組成物および積層体 - Google Patents

樹脂組成物および積層体

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JP2001302710A
JP2001302710A JP2000118183A JP2000118183A JP2001302710A JP 2001302710 A JP2001302710 A JP 2001302710A JP 2000118183 A JP2000118183 A JP 2000118183A JP 2000118183 A JP2000118183 A JP 2000118183A JP 2001302710 A JP2001302710 A JP 2001302710A
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acid
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phyllosilicate
vinyl
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JP2000118183A
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Kaoru Inoue
馨 井上
Tamahide Naito
珠英 内藤
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ガスバリア性や外観性等に優れた樹脂組成物
を提供すること。 【解決手段】 フィロ珪酸塩(A)の存在下で、オニウ
ムイオン基含有のラジカル重合開始剤(B)を用いてビ
ニル系モノマー(C)を重合してなる樹脂組成物。
(C)は例えば、酢酸ビニル、或いは酢酸ビニルとエチ
レンであり、重合体をケン化することが好ましい。及
び、上記樹脂組成物を使用した積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィロ珪酸を含有
したビニル系重合体の樹脂組成物及びその積層体に関
し、更に詳しくは成形物とした時のガスバリア性や外観
性等に優れた樹脂組成物及びその積層体に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般に、ポリビニルアルコール系樹脂
(以下、PVAと略記することがある)やエチレン−酢
酸ビニル共重合体ケン化物(以下、EVOHと略記する
ことがある)等のビニルアルコール系重合体は、透明
性、帯電防止性、耐油性、耐溶剤性、ガスバリア性、保
香性等に優れており、そのフィルムやシートは、食品や
衣料品の包装をはじめとして、種々の包装材料用途に用
いられている。
【0003】しかし、このようなPVAやEVOHは、
外部の湿度や温度という環境の変化によりガスバリア性
や機械物性が大きく変化するという欠点を有している。
【0004】近年、この対策の一つとして、ガスバリア
性の改善を目的として、EVOHに層状無機化合物をブ
レンドすることが試みられている。例えば、特開平5−
39392号公報には、水の存在下にEVOHと水膨潤
性フィロケイ酸塩を溶液状態で混合することが記載され
ており、また、特開平10−158459号公報には、
ビニルアルコール共重合体と有機化された粘土鉱物を押
出機を用いて溶融混合することが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、本発
明者が上記の記載技術を詳細に検討した結果、特開平5
−39392号公報に記載の技術では、水の存在下に水
膨潤性フィロケイ酸塩を投入するため、いわゆるママコ
が発生しやすく、そのため均一に分散することができ
ず、又均一分散させるにはかなりの時間を必要とするこ
とが判明し、また、溶液状態での混合であるため最終的
には長時間の乾燥も必要となり、工業的に不利である。
更に、EVOHと水膨潤性フィロケイ酸塩のブレンド物
は経時的に増粘し易く、押出加工時に滞留物が多く発生
し、成形物にスジ等が発生する等の問題点があり、まだ
まだ改善の余地が残るものであることが判明した。ま
た、特開平10−158459号公報に記載の技術で
は、有機化された粘土鉱物を使用しているためEVOH
中での均一分散性には優れており、一般の押出機を用い
て溶融混合できるという工業上の利点はあるものの、E
VOHの種類によってはブレンド物の経時的な増粘が極
めて著しくなり、組成物の製造時及び組成物から成形物
を溶融成形により得る場合には長時間の運転ができな
い、いわゆるロングラン成形性に劣るという問題点があ
り、また溶融混合では、フィロ珪酸塩を完全に微分散さ
せることは難しく、フィロ珪酸塩の添加量に対する改善
効果が小さいことが判明した。
【0006】そこで、このような背景下において、本発
明では、溶融成形して成形物としたときに十分なガスバ
リア性や良好な外観性が得られる樹脂組成物及びその積
層体を提供することを目的とするものである。
【0007】
【問題点を解決するための手段】そこで、本発明者は上
記の事情に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、フィロ珪酸塩
(A)の存在下で、オニウムイオン基含有のラジカル重
合開始剤(B)を用いてビニル系モノマー(C)を重合
して得られた樹脂組成物が、上記の目的に合致すること
を見出し本発明を完成するに至った。
【0008】本発明においては、かかるフィロ珪酸塩
(A)としては、ビニル系モノマー(C)中の膨潤度が
5ml/2g以上(日本ベントナイト工業会の標準試験
方法容積法に準じて、精製水に替えてビニル系モノマー
(C)を用いて測定)及び/又はオニウムイオン基を含
有したフィロ珪酸塩(A)を用いることが好ましく、ま
た、オニウムイオン基含有のラジカル重合開始剤(B)
としては、該オニウムイオン基がアミノ基であるラジカ
ル重合開始剤(B)を用いることが好ましく、更には、
得られる重合体が酢酸ビニル系重合体やエチレン−酢酸
ビニル共重合体、特にこれらのケン化物であるPVAや
EVOHが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。
【0010】本発明に用いるフィロ珪酸塩(A)として
は、特に限定されないが、スメクタイトやバーミキュラ
イト等の粘土鉱物、更には合成マイカであり、前者のス
メクタイトの具体例としてはモンモリロナイト、バイデ
ライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、
ソーコナイト、スチブンサイト等が挙げられる。これら
は天然のものであっても、合成されたものでもよい。こ
れらの中でもスメクタイト、特にその中でもモンモリロ
ナイトが好ましい。
【0011】また、フィロ珪酸塩(A)の膨潤度は、大
きい方が好ましく、具体的には、ビニル系モノマー
(C)中の膨潤度が5ml/2g以上であることが好ま
しい。かかる膨潤度が5ml/2g未満では、本発明の
効果が少なくなって好ましくなく、かかる膨潤度の上限
は50ml/2g(更には30ml/2g)が好まし
く、更に下限は5ml/2g(更には10ml/2g)
が好ましい。尚、かかる膨潤度は、上記の如く日本ベン
トナイト工業会の標準試験方法容積法に準じて、精製水
に替えてビニル系モノマー(C)を用いて測定されるも
のである。
【0012】また、フィロ珪酸塩(A)として、オニウ
ムイオン基を含有した有機物で処理されたフィロ珪酸塩
を用いることも、上記の膨潤度を向上させる点で好まし
く、かかるオニウムイオン基を含有した有機物で処理す
るに当たっては、具体的には、水に分散させたフィロ珪
酸の水分散液にオニウムイオン基を有する化合物を添加
して水洗することによって行うことができる。
【0013】即ち、フィロ珪酸塩(A)に存在するナト
リウムイオンとオニウムイオン基を有する化合物がイオ
ン交換により、フィロ珪酸塩の間隙に該化合物が挿入さ
れるのである。
【0014】かかるオニウムイオン基を有する化合物と
しては、モノアルキルの1級〜4級のアンモニウムイオ
ン、ジアルキルの2級〜3級のアンモニウムイオン、ト
リアルキルの3級〜4級のアンモニウムイオン、テトラ
アルキルアンモニウムイオン等を有する化合物を挙げる
ことができ、アルキル鎖長としては炭素数が4〜30の
ものが好ましく、更には6〜20、特には8〜18が好
ましい。アルキル鎖以外にも、エチレンオキサイドを構
成単位とする、ポリエチレングリコール鎖を持つ1級〜
4級のアンモニウムイオン(モノエチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テト
ラエチレングリコールのアンモニウムイオンでもよ
い。)等を有する化合物でもよく、或いは高級脂肪酸の
1〜4級のアンモニウムイオン、高級脂肪酸エステルの
1〜4級のアンモニウムイオン、高級アルコールの1〜
4級のアンモニウムイオンを有する化合物でもよい。
又、これらの複数種の分子鎖を持つものでもよい。更に
は脂肪酸アシドにこれらの分子鎖を付加させた2〜4級
のアンモニウムイオンを有する化合物でもよい。
【0015】上記の方法により、オニウムイオン基を含
有した有機物で処理されたフィロ珪酸塩が得られるので
あるが、該フィロ珪酸塩中の該有機物の含有量は特に限
定されないが、その下限は1重量%(更には5重量%、
特には10重量%)が好ましく、上限は50重量%(更
には40重量%、特には30重量%)が好ましく、かか
る含有量が1重量%未満では、フィロ珪酸塩(A)のモ
ノマーに対する膨潤度が小さくなり、逆に50重量%を
越えるとガスバリア性が低下して好ましくない。
【0016】また、本発明に用いるオニウムイオン基含
有のラジカル重合開始剤(B)としては、通常、後述す
るビニル系モノマー(C)の重合時に用いられるラジカ
ル重合開始剤にオニウムイオン基を含有させたもので、
かかるラジカル重合開始剤としては、2,2′−アゾビ
ス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−
アゾビス−(2,4,4−トリメチルバレロニトリ
ル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,
2′−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバ
レロニトリル)等のアゾ化合物、t−ブチルパーオキシ
ネオデカノエート、t−ブチルパーピバレ−ト等のアル
キルパーエステル類、ビス−(4−t−ブチルシクロヘ
キシル)パーオキシ−ジ−カーボネート、ジ−シクロヘ
キシルパーオキシ−ジ−カーボネート、ビス(2−エチ
ルヘキシル)ジ−sec−ブチルパーオキシ−ジ−カー
ボネート、ジ−イソプロピルパーオキシ−ジ−カーボネ
ート等のパーオキシ−ジ−カーボネート類、アセチルパ
ーオキシド、ジ−ラウロイルパーオキシド、ジ−デカノ
イルパーオキシド、ジ−オクタノイルパーオキシド、ジ
−プロピルパーオキシド等のパーオキシド類などを挙げ
ることができ、本発明で用いるオニウムイオン基含有の
ラジカル重合開始剤(B)は、上記の如きラジカル重合
開始剤にオニウムイオン基を含有させたもので、具体的
には、2,2′−アゾビス−2−アミジノプロパン−ジ
ハイドロクロライド、2,2′−アゾビス(2−メチル
ブタンアミドオキシム)ハイドロクロライドテトラハイ
ドレイト等を挙げることができる。
【0017】更に、本発明に用いられるビニル系モノマ
ー(C)としては、エチレン、ロピレン、1−ブテン、
イソブテン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン
酸、(無水)イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩
あるいは炭素数1〜18のモノ又はジアルキルエステル
類、アクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルア
クリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、2−
アクリルアミドプロパンスルホン酸あるいはその塩、ア
クリルアミドプロピルジメチルアミンあるいはその酸塩
あるいはその4級塩等のアクリルアミド類、メタクリル
アミド、炭素数1〜18のN−アルキルメタクリルアミ
ド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、2−メタクリ
ルアミドプロパンスルホン酸あるいはその塩、メタクリ
ルアミドプロピルジメチルアミンあるいはその酸塩ある
いはその4級塩等のメタクリルアミド類、N−ビニルピ
ロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセト
アミド等のN−ビニルアミド類、アクリルニトリル、メ
タクリルニトリル等のシアン化ビニル類、炭素数1〜1
8のアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニ
ルエーテル、アルコキシアルキルビニルエーテル等のビ
ニルエーテル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化
ビニル、フッ化ビニリデン、臭化ビニル等のハロゲン化
ビニル類、トリメトキシビニルシラン等のビニルシラン
類、酢酸アリル、酢酸ビニル、塩化アリル、アリルアル
コール、ジメチルアリルアルコール、トリメチル−(3
−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニ
ウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸等が挙げられ、好適には酢酸ビニル或いは酢酸
ビニルとエチレンが用いられる。
【0018】本発明の樹脂組成物は、上記の如きフィロ
珪酸塩(A)の存在下で、オニウムイオン基含有のラジ
カル重合開始剤(B)を用いてビニル系モノマー(C)
を重合して得られるもので、かかる重合について説明す
る。尚、ビニル系モノマー(C)として、酢酸ビニルを
例に挙げて説明するが、これに限定されるものではな
い。
【0019】ビニル系モノマー(C)として、酢酸ビニ
ル或いは酢酸ビニルとエチレンを重合或いは共重合する
にあたっては、該モノマー(C)(酢酸ビニル或いは酢
酸ビニルとエチレン)、重合溶媒及び重合触媒(重合開
始剤)等を重合(反応)缶内に仕込んで行うのである
が、本発明においては、かかる(共)重合時にフィロ珪
酸塩(A)を共存させ、かつ該重合触媒として、オニウ
ムイオン基含有のラジカル重合開始剤(B)を用いるこ
とを特徴とするものである。
【0020】重合缶内への仕込みに当たっては、特に限
定されず、上記の(A)〜(C)及び重合溶媒を一括に
仕込んでも良く、(A)〜(C)及び重合溶媒のいずれ
か1種又は2種又は3種を仕込んでから残りを仕込んで
も良いが、好ましくは、一括に仕込む方法が採用されう
る。
【0021】上記の重合溶媒としては、炭素数4以下の
アルコール又は炭素数4以下のアルコールを主とする混
合溶媒が好適に用いられ、該アルコールとしては、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、t−ブタノール等
が挙げられるが、中でもメタノールが好適に用いられ
る。
【0022】重合缶内に仕込まれる(A)〜(C)の仕
込み量は特に制限はないが、(B)の仕込み量は、ビニ
ル系モノマー(C)(酢酸ビニル)に対して、0.00
2〜2モル%(更には0.002〜1モル%)が好まし
く、0.002モル%未満では、触媒効率が悪く重合時
間が長くなったり、重合が進まない場合があり、2モル
%を越えると、重合の制御が困難となったり、重合度が
低くなったり、重合終了後も触媒が残存して後重合を起
こすことがあり好ましくない。
【0023】また、(A)の仕込量は、ビニル系モノマ
ー(C)(酢酸ビニル)100重量部に対して、0.5
〜20重量部(更には1〜10重量部)が好ましく、か
かる仕込量が0.5重量部未満では、添加効果が小さ
く、逆に20重量部を越えると、溶液粘度が高くなって
好ましくない。
【0024】尚、酢酸ビニルとエチレンを共重合すると
きは、得られる共重合体のケン化物のガスバリア性等を
考慮して、エチレン含有量が5〜70モル%(更に好ま
しくは5〜50モル%、特に好ましくは10〜50モル
%)になるように仕込み量を調整することが好ましい。
【0025】また、重合温度は特に限定されないが、通
常は40〜80℃(更には55〜80℃)が好ましく、
かかる温度が40℃未満では重合に長時間を要し、重合
時間を短縮しようとすると触媒量が多量に必要となり、
逆に80℃を越えると重合制御が困難となり好ましくな
い。
【0026】また、重合時間は、回分式の場合、4〜1
0時間(更には6〜9時間)が好ましく、該重合時間が
4時間未満では重合温度を高くしたり、触媒量を多く設
定しなければならず、逆に10時間を越えると生産性の
面で問題があり好ましくない。連続式の場合、重合缶内
での平均滞留時間は2〜8時間(更には2〜6時間)が
好ましく、該滞留時間が2時間未満では重合温度を高く
したり、触媒量を多く設定しなければならず、8時間を
越えると生産性の面で問題があり好ましくない。
【0027】重合率(酢酸ビニル)は生産性の面から重
合制御が可能な範囲でできるだけ高く設定され、好まし
くは20〜90%である。該重合率が20%未満では、
生産性も面や未重合の酢酸ビニルが多量に存在する等の
問題があり、逆に90%を越えると重合制御が困難とな
り好ましくない。
【0028】また、本発明においては、エチレン、酢酸
ビニル以外に、これらと共重合可能なエチレン性不飽和
単量体を共重合成分として共重合させることも可能で、
かかる単量体としては、例えばプロピレン、イソブチレ
ン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等
のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽
和酸類あるいはその塩あるいはモノ又はジアルキルエス
テル等、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニ
トリル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミ
ド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタア
リルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいはその
塩、アルキルビニルエーテル類、N−アクリルアミドメ
チルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメ
チルアンモニウムクロライド、ジメチルアリルビニルケ
トン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリ
デン、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポ
リオキシプロピレン(メタ)アリルエーテルなどのポリ
オキシアルキレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシ
エチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン
(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン(メ
タ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリ
ルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミ
ド等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリルアミド、
ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド−
1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシエチ
レンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエー
テル、ポリオキシエチレンアリルアミン、ポリオキシプ
ロピレンアリルアミン、ポリオキシエチレンビニルアミ
ン、ポリオキシプロピレンビニルアミン等が挙げられ
る。
【0029】かくして本発明の樹脂組成物が得られるの
であるが、上記の如くビニル系モノマー(C)として、
酢酸ビニル或いは酢酸ビニルとエチレンを用いたときに
は、酢酸ビニル系樹脂組成物或いはエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体樹脂組成物が得られ、これらの樹脂組成物の
ガスバリア性を向上させるためには、ケン化処理をし
て、ケン化物として、PVA組成物やEVOH組成物と
することが好ましい。
【0030】かかるケン化処理については、公知の方法
によって行うことができ、例えば、上記の酢酸ビニル系
樹脂組成物或いはエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂組
成物をアルコール(通常メタノールが用いられる)又は
アルコール含有媒体中に通常30〜60重量%程度の濃
度になる如く溶解し、アルカリ触媒(通常水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物が用
いられる)を添加して40〜140℃の温度でケン化反
応せしめる。
【0031】かかるケン化により酢酸ビニル成分のケン
化度は80〜100モル%(更に90〜100モル%、
特に95〜100モル%)とすることが好ましく、かか
るケン化度が80モル%未満の場合、ガスバリア性が低
下して好ましくない。
【0032】かくしてPVA組成物やEVOH組成物が
得られるのであるが、これらの組成物には、本発明の目
的を阻害しない範囲で、飽和脂肪族アミド(例えばステ
アリン酸アミド等)、不飽和脂肪酸アミド(例えばオレイ
ン酸アミド等)、ビス脂肪酸アミド(例えばエチレンビス
ステアリン酸アミド等)、脂肪酸金属塩(例えばステアリ
ン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリ
ン酸亜鉛等)、低分子量ポリオレフィン(例えば分子量5
00〜10,000程度の低分子量ポリエチレン、又は
低分子量ポリプロピレン等)などの滑剤、無機塩(例え
ばハイドロタルサイト等)、可塑剤(例えばエチレング
リコール、グリセリン、ヘキサンジオール等の脂肪族多
価アルコールなど)、酸素吸収剤(例えば無機系酸素吸
収剤として、還元鉄粉類、さらにこれに吸水性物質や電
解質等を加えたもの、アルミニウム粉、亜硫酸カリウ
ム、光触媒酸化チタン等が、添加されたもの有機化合物
系酸素吸収剤として、アスコルビン酸、さらにその脂肪
酸エステルや金属塩等、ハイドロキノン、没食子酸、水
酸基含有フェノールアルデヒド樹脂等の多価フェノール
類、ビス−サリチルアルデヒド−イミンコバルト、テト
ラエチレンペンタミンコバルト、コバルト−シッフ塩基
錯体、ポルフィリン類、大環状ポリアミン錯体、ポリエ
チレンイミン−コバルト錯体等の含窒素化合物と遷移金
属との配位結合体、テルペン化合物、アミノ酸類とヒド
ロキシル基含有還元性物質の反応物、トリフェニルメチ
ル化合物等が、高分子系酸素吸収剤として、窒素含有樹
脂と遷移金属との配位結合体(例:MXDナイロンとコ
バルトの組合せ)、三級水素含有樹脂と遷移金属とのブ
レンド物(例:ポリプロピレンとコバルトの組合せ)、
炭素−炭素不飽和結合含有樹脂と遷移金属とのブレンド
物(例:ポリブタジエンとコバルトの組合せ)、光酸化
崩壊性樹脂(例:ポリケトン)、アントラキノン重合体
(例:ポリビニルアントラキノン)等や、更にこれらの
配合物に光開始剤(ベンゾフェノン等)や過酸化物補足
剤(市販の酸化防止剤等)や消臭剤(活性炭等)を添加
したものなど、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、着色剤、帯電防止剤、界面活性剤、抗菌剤、
アンチブロッキング剤(例えばタルク微粒子等)、スリ
ップ剤(例えば無定形シリカ等)、充填材(例えば無機
フィラー等)、他樹脂(例えばポリオレフィン、ポリエ
ステル等)などを配合しても良い。
【0033】かくして得られた本発明の樹脂組成物は、
成形物とした時のガスバリア性や外観性(透明性)等に
優れ、各種の成形物の用途に多用され、溶融成形等によ
り、ペレット、フィルム、シート、容器、繊維、棒、
管、各種成形品等に成形され、又、これらの粉砕品(回
収品を再使用する時など)やペレットを用いて再び溶融
成形に供することもできる。
【0034】溶融成形としては、押出成形法(T−ダイ
押出、インフレーション押出、ブロー成形、溶融紡糸、
異型押出等)、射出成形法が主として採用される。溶融
成形温度は150〜250℃の範囲から選ぶことが多
い。
【0035】本発明の樹脂組成物は、上述の如き成形物
に用いることができるが、特に該樹脂組成物からなる層
の少なくとも片面に熱可塑性樹脂層を積層してなる積層
体として用いることが好ましく、耐水性、機械的特性、
ヒートシール性等が付与された実用に適した積層体が得
られる。
【0036】該積層体を製造するに当たっては、本発明
の樹脂組成物の層の片面又は両面に他の基材を積層する
のであるが、積層方法としては、例えば、以下の方法が
挙げられる。但しこれらに限定されるものではない。下
記の中でもエ)の(共)押出成形法が安定生産が可能で
ある点で有利である。
【0037】ア)溶液コーティング法 該樹脂組成物の水−アルコール(或いはDMSOやHF
IP等の溶剤)溶液をマイヤーバー、グラビア及びリバ
ースロール方式等のローラーコーティング法、スプレー
コーティング法、ディップコーティング法等の公知の方
法で熱可塑性樹脂フィルムや紙等の基材にコーティング
して積層体を作製する。その後、公知の方法で乾燥が行
われる。一例を挙げると乾燥温度が40〜180℃、好
ましくは60〜140℃程度で5秒〜5分程度加熱すれ
ばよい。かかる乾燥において塗膜中の揮発分(水、アル
コール或いは溶剤)が除去されるのであるが、通常揮発
分が2重量%以下となるまで行えばよい。
【0038】本発明の樹脂組成物層と熱可塑性樹脂フィ
ルムや紙等の基材との接着強度を向上させるために通常
のアンカーコート剤(ポリウレタン系、ポリエステル系
等)を予め基材上にコートしてもよい。基材としては熱
可塑性樹脂フィルム以外に任意の基材(紙、金属箔、一
軸延伸又は二軸延伸プラスチックフイルム又はシート、
更にはそれらの金属又は無機物の蒸着物、織布、不織
布、金属綿条、木質面等)が使用可能である。
【0039】イ)(共)押出コーティング法 本発明の樹脂組成物のフィルム、シートに熱可塑性樹脂
を溶融押出して積層体を作製する。又、逆に熱可塑性樹
脂フィルム等の基材に本発明の樹脂組成物を溶融押出し
て積層体を作製する。基材としては熱可塑性樹脂フィル
ム以外に任意の基材(紙、金属箔、一軸延伸又は二軸延
伸プラスチックフイルム又はシート、更にはそれらの金
属又は無機物の蒸着物、織布、不織布、金属綿条、木質
面等)が使用可能である。
【0040】ウ)ドライラミネート法 本発明の樹脂組成物のフィルム、シートと他の基材のフ
ィルム、シートとを有機チタン化合物、イソシアネート
化合物、ポリエステル系化合物、ポリウレタン化合物等
の公知の接着剤を用いてラミネートして積層体を作製す
る。基材としては熱可塑性樹脂フィルム以外に任意の基
材(紙、金属箔、一軸延伸又は二軸延伸プラスチックフ
イルム又はシート、更にはそれらの金属又は無機物の蒸
着物、織布、不織布、金属綿条、木質面等)が使用可能
である。
【0041】エ)(共)押出成形法 本発明の樹脂組成物を単独で押出して、又は他の熱可塑
性物樹脂と共押出して積層体を作製する。共押出の場合
の相手側樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、共重合ポリアミド、
ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩
化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン、アクリル系樹
脂、ビニルエステル系樹脂、ポリエステルエラストマ
ー、ポリウレタンエラストマー、塩素化ポリエチレン、
塩素化ポリプロピレン、芳香族および脂肪族ポリケト
ン、脂肪族ポリアルコール等が挙げられ、好適にはポリ
オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、(共重合)ポ
リアミド系樹脂が用いられる。
【0042】かかるポリオレフィン系樹脂としては、具
体的には、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、
低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレ
ン(VLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、
高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体(EVA)又はその部分ケン化物、アイオノ
マー、エチレン−プロピレン(ブロック又はランダム)
共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−
メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル
共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、
ポリプロピレン(PP)、プロピレン−α−オレフィン
(炭素数4〜20のα−オレフィン)共重合体、ポリブ
テン、ポリペンテン、ポリメチルペンテン等のオレフィ
ンの単独又は共重合体、或いはこれらのオレフィンの単
独又は共重合体を不飽和カルボン酸又はそのエステルで
グラフト変性したものやこれらのブレンド物などの広義
のポリオレフィン系樹脂を挙げることができ、なかで
も、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度
ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(V
LDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EV
A)、アイオノマー、エチレン−プロピレン(ブロック
又はランダム)共重合体、ポリプロピレン(PP)が好
適に用いられる。
【0043】かかるポリエステル系樹脂としては、具体
的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ
エチレンテレナフタレート(PEN)、或いはこれらの
他共重合成分(酸成分:イソフタル酸、ジフェニル−
4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボ
ン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフ
タレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸およびこれ
らのエステル形成性誘導体、アジピン酸、セバシン酸、
アゼライン酸、コハク酸等の脂肪族ジカルボン酸および
これらのエステル形成性誘導体、シクロヘキサンジカル
ボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸等の脂環族ジカルボ
ン酸およびこれらのエステル形成性誘導体、p−オキシ
安息香酸、オキシカプロン酸等のオキシ酸およびこれら
のエステル形成性誘導体の他、トリメリット酸、ピロメ
リット酸等、グリコール成分:ジエチレングリコール、
トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、
ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコール、1,4
−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール、
ビスフェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキ
サイド付加物等の芳香族グリコール、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレ
ングリコール等のポリアルキレングリコールの他、グリ
セリン、1,3−プロパンジオール、ペンタエリスリト
ール等)による変性物やPETとPENのブレンド物、
他熱可塑性樹脂(MXD−6ナイロン、ポリカーボネー
ト、ポリアリレート、液晶ポリマー等)のブレンド物を
挙げることができる。
【0044】かかる(共重合)ポリアミド系樹脂として
は、具体的には、ポリカプラミド(ナイロン6)、ポリ
−ω−アミノヘプタン酸(ナイロン7)、ポリ−ω−ア
ミノノナン酸(ナイロン9)、ポリウンデカンアミド
(ナイロン11)、ポリラウリルラクタム(ナイロン1
2)、ポリエチレンジアミンアジパミド(ナイロン2
6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン4
6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン6
6)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン61
0)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン61
2)、ポリオクタメチレンアジパミド(ナイロン8
6)、ポリデカメチレンアジパミド(ナイロン10
8)、カプロラクタム/ラウリルラクタム共重合体(ナ
イロン6/12)、カプロラクタム/ω−アミノノナン
酸共重合体(ナイロン6/9)、カプロラクタム/ヘキ
サメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロ
ン6/66)、ラウリルラクタム/ヘキサメチレンジア
ンモニウムアジペート共重合体(ナイロン12/6
6)、エチレンジアミンアジパミド/ヘキサメチレンジ
アンモニウムアジペート共重合体(ナイロン26/6
6)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウム
アジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート
共重合体(ナイロン66/610)、エチレンアンモニ
ウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペ
ート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合
体(ナイロン6/66/610)、ポリヘキサメチレン
イソフタルアミド、ポリヘキサメチレンテレフタルアミ
ド、ヘキサメチレンイソフタルアミド/テレフタルアミ
ド共重合体あるいはこれらのポリアミド系樹脂をメチレ
ンベンジルアミン、メタキシレンジアミン等の芳香族ア
ミンで変性したものやメタキシリレンジアンモニウムア
ジペート等が挙げられ、これらの1種または2種以上の
ブレンド物が用いられ、更にはこれらの中でも、融点が
240℃以下、特に融点が160〜230℃のポリアミ
ド系樹脂が好ましく、具体的にはポリカプラミド(ナイ
ロン6)、ポリラウリルラクタム(ナイロン12)、カ
プロラクタム/ラウリルラクタム共重合体(ナイロン6
/12)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニ
ウムアジペート共重合体(ナイロン6/66)等が用い
られる。
【0045】又、共押出の場合、本発明の樹脂組成物に
熱可塑性樹脂、熱可塑性樹脂に本発明の樹脂組成物をブ
レンドしたり、本発明の樹脂組成物や熱可塑性樹脂の少
なくとも一方に両層面の密着性を向上させる樹脂を配合
することもある。
【0046】更に、樹脂組成物層と他の熱可塑性物樹脂
層の間に接着性樹脂層を設けることも、両層間の接着性
が強固になり実用に適した積層体が得られる点で好まし
く、該接着性樹脂層に用いられる接着性樹脂としては、
特に限定されず、種々のものを使用することができる
が、一般的には、不飽和カルボン酸又はその無水物をオ
レフィン系重合体(上述の広義のポリオレフィン系樹
脂)に付加反応やグラフト反応等により化学的に結合さ
せて得られるカルボキシル基を含有する変性オレフィン
系重合体を挙げることができ、不飽和カルボン酸又はそ
の無水物としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマ
ル酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコ
ン酸、シトラコン酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙
げられ、中でも、無水マレイン酸が好適に用いられる。
具体的には、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレ
ン、無水マレイン酸グラフト変性ポリプロピレン、無水
マレイン酸グラフト変性エチレン−プロピレン共重合
体、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−エチルアク
リレート共重合体、無水マレイン酸グラフト変性エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体等から選ばれた1種または2種
以上の混合物が好適なものとして挙げられる。このとき
の、オレフィン系重合体に含有される不飽和カルボン酸
又はその無水物の量は、0.001〜3重量%が好まし
く、更に好ましくは0.01〜1重量%、特に好ましく
は0.03〜0.5重量%である。該変性物中の変性量
が少ないと、層間接着性の向上効果に乏しく、逆に多い
と架橋反応を起こし、成形性が悪くなることがあり好ま
しくない。
【0047】また、これらの接着性樹脂にはポリイソブ
チレン、エチレン−プロピレンゴム等のゴム・エラスト
マー成分や、接着性樹脂の母体のポリオレフィン系樹脂
と異なるポリオレフィン系樹脂をブレンドすることによ
り、接着性が向上することがあり有用である。
【0048】積層体の層構成としては、本発明の樹脂組
成物の層をa(a1,a2,・・・)、他の基材、例えば
熱可塑性樹脂層をb(b1,b2,・・・)とするとき、
フィルム、シート、ボトル状であれば、a/bの二層構
造のみならず、b/a/b、a/b/a、a1/a2/
b、a/b1/b2、b2/b1/a/b1/b2、b2/b1
/a/b1/a/b1/b2等、任意の組合せが可能であ
り、フィラメント状ではa、bがバイメタル型、芯
(a)−鞘(b)型、芯(b)−鞘(a)型、或いは偏
心芯鞘型、等の任意の組み合わせが可能である。
【0049】上記樹脂組成物或いは積層体は、そのまま
各種形状のものに使用されるが、更には物性改善のため
に延伸処理を施すことも可能であり、かかる延伸につい
ては、一軸延伸、二軸延伸のいずれであってもよく、で
きるだけ高倍率の延伸を行ったほうが物性的に良好であ
る。
【0050】延伸方法としては、ロール延伸法、テンタ
ー延伸法、チューブラー延伸法、絞り成形法、ブロー成
形法等が採用できる。二軸延伸の場合は同時二軸延伸方
式、逐次二軸延伸方式のいずれの方式も採用できる。延
伸温度は80〜170℃、好ましくは100〜160℃
程度の範囲から選ばれる。
【0051】延伸が終了した後、次いで熱固定を行うこ
とも好ましい。熱固定は周知の手段で実施可能であり、
上記延伸成形物を緊張状態を保ちながら80〜170
℃、好ましくは100〜160℃で2〜600秒間程度
熱処理を行う。
【0052】また、生肉、加工肉、チーズ等の熱収縮包
装フィルム用途に用いる場合には、延伸後の熱固定は行
わずに製品フィルムとし、上記の生肉、加工肉、チーズ
等を該フィルムに収納した後、50〜130℃、好まし
くは70〜120℃で、2〜300秒程度の熱処理を行
って、該フィルムを熱収縮させて密着包装をする。
【0053】又、多層シートや多層フィルムからカップ
やトレイ状の多層容器を得る場合は絞り成形法が採用さ
れ、具体的には真空成形法、圧空成形法、真空圧空成形
法、プラグアシスト式真空圧空成形法等が挙げられる。
【0054】さらに、多層パリソン(ブロー前の中空管
状の予備成形物)からチューブやボトル、タンク状の多
層容器を得る場合はブロー成形法が採用され、具体的に
は押出ブロー成形法(双頭式、金型移動式、パリソンシ
フト式、ロータリー式、アキュムレーター式、水平パリ
ソン式等)、コールドパリソン式ブロー成形法、射出ブ
ロー成形法、二軸延伸ブロー成形法(押出式コールドパ
リソン二軸延伸ブロー成形、射出コールドパリソン二軸
延伸ブロー成形、射出成形インライン式二軸延伸ブロー
成形等)等が挙げられる。
【0055】かくして得られた積層体の形状としては任
意のものであってよく、フィルム、シート、テープ、カ
ップ、トレイ、チューブ、ボトル、タンク、パイプ、フ
ィラメント、異型断面押出物等が例示される。又、得ら
れる積層体は必要に応じ、熱処理、冷却処理、圧延処
理、印刷処理、ドライラミネート処理、溶液又は溶融コ
ート処理、製袋加工、深絞り加工、箱加工、チューブ加
工、スプリット加工等を行うことができる。
【0056】上記の如く得られるフィルム、シート或い
はカップ、トレイ、チューブ、ボトル、タンク等の容器
は、一般食品、液体状・半液体状食品、飲料、ボイル・
レトルト食品、医薬品、工業薬品、農薬等各種の包装材
料として有用であり、特に高度のガスバリア性を要求さ
れる分野に好適に展開される。
【0057】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明する。
【0058】尚、実施例中「部」、「%」とあるのは、
特に断わりのない限り、重量基準を意味する。
【0059】実施例1 [フィロ珪酸塩(A)の調製]モンモリロナイトの5%
分散液にジオクタデシルジメチルアンモニウムクロライ
ドをモンモリロナイト100部に対して100部添加し
て、攪拌・水洗後に乾燥させて有機化処理されたモンモ
リロナイトを得た。かかる処理されたモンモリロナイト
中のジオクタデシルジメチルアンモニウムの含有量は2
0%で、処理されたモンモリロナイトの膨潤度(酢酸ビ
ニル中)は、本文中に記載の方法で測定したところ、1
6ml/2gであった。重合缶に上記で得られたフィロ
珪酸(A)5部、2,2’−アゾビス−2−アミジノプ
ロパン−ジハイドロクロライド(B)1部((C)に対
して0.32モル%)、酢酸ビニルモノマー(C)10
0部及びメタノール30部を一括に仕込んで、60℃環
流下で5時間重合させた。このときの重合率は70%で
あった。重合後、真空乾燥で溶剤及び未反応モノマーを
除去して、ポリ酢酸ビニル組成物を得た。
【0060】得られた組成物を広角X線回折測定を行っ
たところ、層状フィロ珪酸の面間隔に相当するピークが
なく、フィロ珪酸が良好に分散していることが認められ
た。次いで、上記で得られた組成物をメタノールに40
%となるように再溶解して組成物溶液を得た後、該組成
物溶液100部に対して10%水酸化ナトリウムのメタ
ノール溶液を5部添加し、ニーダーで1時間攪拌してケ
ン化処理を行って、PVA組成物を得た。
【0061】得られたPVA組成物のガスバリア性及び
外観性を以下の要領で評価した。 (ガスバリア性)得られたPVA組成物を水に溶解させ
て10%のPVA組成物水溶液とし、PPフィルム上に
塗工し、90℃で乾燥して厚みが3μmのフィルムを得
て、かかるフィルムのガスバリア性(酸素透過度)を2
0℃、65%RHの条件下で酸素透過度測定装置(MO
CON社製「OXTRAN10/50」)を用いて測定
した。 (外観性)上記と同様の方法で得られたフィルムの外観
を目視観察して、フィルム100cm2中に存在する直
径0.1mm以上の異物の個数を調べて、以下の通り評
価した。 ○ ・・・ 2個以下 △ ・・・ 3〜10個 × ・・・ 11個以上
【0062】実施例2 実施例1において、下記方法で調整したフィロ珪酸塩
(A)を用いた以外は同様に行って、PVA組成物を得
て、同様に評価を行った。尚、途中で得られたポリ酢酸
ビニル組成物を広角X線回折測定を行ったところ、層状
フィロ珪酸の面間隔に相当するピークがなく、フィロ珪
酸が良好に分散していることが認められた。 [フィロ珪酸塩(A)の調製]実施例1と同様にモンモ
リロナイトをジメチルジエチレングリコールアンモニウ
ムクロライドで有機化処理した。かかる処理されたモン
モリロナイト中のジメチルジエチレングリコールアンモ
ニウムの含有量は18%で、処理されたモンモリロナイ
トの膨潤度(酢酸ビニル中)は、本文中に記載の方法で
測定したところ、20ml/2gであった。
【0063】実施例3 実施例1において、フィロ珪酸塩(A)の仕込量を10
部とした以外は同様に行って、PVA組成物を得て、同
様に評価を行った。尚、途中で得られたポリ酢酸ビニル
組成物を広角X線回折測定を行ったところ、層状フィロ
珪酸の面間隔に相当するピークがなく、フィロ珪酸が良
好に分散していることが認められた。
【0064】実施例4 実施例1において、フィロ珪酸塩(A)として、処理を
行っていないモンモリロナイトを用いた以外は同様に行
って、PVA組成物を得て、同様に評価を行った。尚、
途中で得られた共重合体を広角X線回折測定を行ったと
ころ、層状フィロ珪酸の面間隔に相当するピークがな
く、フィロ珪酸が良好に分散していることが認められ
た。
【0065】比較例1 実施例1において、重合時にフィロ珪酸塩(A)を共存
させなかった以外は同様に行って、PVA組成物を得
て、同様に評価を行った。
【0066】比較例2 実施例1において、重合時に2,2’−アゾビス−2−
アミジノプロパン−ジハイドロクロライド(B)に変え
て、2,2’−アゾビス−イソブチロニトリルを用いた
以外は同様に行って、PVA組成物を得て、同様に評価
を行った。
【0067】実施例5 実施例1のフィロ珪酸塩(A)2.5部、2,2’−ア
ゾビス−2−アミジノプロパン−ジハイドロクロライド
(B)0.05部((C)に対して0.02モル%)、
酢酸ビニルモノマー(C)100部及びメタノール12
部を一括に仕込み、次いで、重合缶内に窒素ガスを入れ
て、その後エチレンガスに置換して、エチレン圧を35
kg/cm2になるまで圧入し、攪拌下に温度を60℃
に上げて7時間反応させた後、2,4−ジフェニル−4
−メチル−1−ペンテンの0.5%メタノール溶液を
2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンが仕込
みの酢酸ビニルモノマーに対して60ppmになるよう
に添加して、冷却してエチレン−酢酸ビニル共重合体
(樹脂分45%、エチレン含有量30モル%)を得た。
【0068】得られた共重合体1部を乾燥して、広角X
線回折測定を行ったところ、層状フィロ珪酸の面間隔に
相当するピークがなく、フィロ珪酸が良好に分散してい
ることが認められた。次いで、得られたエチレン酢酸ビ
ニル共重合体の40%メタノール溶液を調製して、この
溶液1000部を耐圧反応器に入れ、攪拌しながら11
0℃に加熱後、水酸化ナトリウムの6%メタノール溶液
40部及びメタノール2500部を連続的に仕込むと共
に生成する酢酸メチル及び余分のメタノールを系から留
出させながら2.5時間ケン化処理を行って、酢酸ビニ
ル成分のケン化度99.0モル%のEVOH組成物を得
た。
【0069】得られたEVOH組成物のガスバリア性、
外観性を以下の要領で評価した。 (ガスバリア性)得られたEVOH組成物を40mmφ
の単軸押出機に供給して、230℃で溶融押出により3
0μmのフィルムを得た。かかるフィルムのガスバリア
性(酸素透過度)を20℃、65%RHの条件下で酸素
透過度測定装置(MOCON社製「OXTRAN10/
50」)を用いて測定した。 (外観性)上記と同様の方法で得られたフィルムの外観
を目視観察して、フィルム100cm2中に存在する直
径0.1mm以上の異物の個数を調べて、以下の通り評
価した。 ○ ・・・ 2個以下 △ ・・・ 3〜10個 × ・・・ 11個以上
【0070】実施例6 実施例5において、フィロ珪酸塩(A)の仕込量を5部
とした以外は同様に行って、EVOH組成物を得て、同
様に評価を行った。尚、途中で得られた共重合体を広角
X線回折測定を行ったところ、層状フィロ珪酸の面間隔
に相当するピークがなく、フィロ珪酸が良好に分散して
いることが認められた。
【0071】比較例3 実施例5において、重合時にフィロ珪酸塩(A)を共存
させなかった以外は同様に行って、EVOH組成物を得
て、同様に評価を行った。
【0072】比較例4 実施例5において、重合時に2,2’−アゾビス−2−
アミジノプロパン−ジハイドロクロライド(B)に変え
て、2,2’−アゾビス−イソブチロニトリルを用いた
以外は同様に行って、EVOH組成物を得て、同様に評
価を行った。
【0073】実施例及び比較例の評価結果を表1に示
す。
【0074】 *ガスバリア性(酸素透過度)の単位:cc/m2・day・atm
【0075】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、フィロ珪酸
(A)の存在下で、オニウムイオン基含有のラジカル重
合開始剤(B)を用いてビニル系モノマー(C)を重合
して得られた樹脂組成物であるため、かかる樹脂組成物
から得られる成形物はガスバリア性や外観性等に優れ、
特に該樹脂組成物がビニルアルコール系樹脂組成物であ
るときは、本発明の作用効果を顕著に発揮することがで
き、かかる樹脂組成物を用いたシートやフィルム、更に
はこれらを少なくとも一層とする積層体は、カップ、ト
レイ、チューブ、ボトル、タンク等の容器は、一般食
品、液体状・半液体状食品、飲料、ボイル・レトルト食
品、医薬品、工業薬品、農薬等各種の包装材料として有
用であり、特に高度のガスバリア性を要求される分野に
好適に展開される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/00 C08L 101/00 Fターム(参考) 4J002 AA011 BB001 BB061 BB221 BD001 BE031 BE041 BF031 BG001 BG101 BG121 DJ006 FD016 FD206 GF00 GG02 4J011 AA05 PA13 PB02 PB15 PB22 PB40 4J100 AA02Q AG04P BA03H CA04 CA31 HA09 JA58

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィロ珪酸塩(A)の存在下で、オニウ
    ムイオン基含有のラジカル重合開始剤(B)を用いてビ
    ニル系モノマー(C)を重合して得られたことを特徴と
    する樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ビニル系モノマー(C)中の膨潤度が5
    ml/2g以上(測定規格:日本ベントナイト工業会
    標準試験方法容積法)であるフィロ珪酸(A)を用いる
    ことを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 フィロ珪酸塩(A)としてオニウムイオ
    ン基を含有した有機物で処理されたフィロ珪酸塩を用い
    ることを特徴とする請求項1または2記載の樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 オニウムイオン基がアミノ基であるラジ
    カル重合開始剤(B)を用いることを特徴とする請求項
    1〜3いずれか記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 ビニル系モノマー(C)が酢酸ビニルで
    あることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の樹脂
    組成物。
  6. 【請求項6】 ビニル系モノマー(C)として更にエチ
    レンを使用して得られたことを特徴とする請求項5記載
    の樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 得られた重合体を更にケン化してなるこ
    とを特徴とする請求項5または6記載の樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7いずれか記載の樹脂組成物
    を少なくとも1層とすることを特徴とする積層体。
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