JP2002338775A - 樹脂組成物及びその製造方法並びにマスターバッチ - Google Patents

樹脂組成物及びその製造方法並びにマスターバッチ

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JP2002338775A
JP2002338775A JP2001148922A JP2001148922A JP2002338775A JP 2002338775 A JP2002338775 A JP 2002338775A JP 2001148922 A JP2001148922 A JP 2001148922A JP 2001148922 A JP2001148922 A JP 2001148922A JP 2002338775 A JP2002338775 A JP 2002338775A
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vinylamide
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masterbatch
polymer
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Yoshitomo Nakada
善知 中田
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ナノコンポジットが有する特徴を充分に発揮
することが可能であるN−ビニルアミド系重合体と、デ
ラミ状態のクレイを含む樹脂組成物及び樹脂組成物の製
造方法並びに該樹脂組成物を含有するマスターバッチを
提供する。 【解決手段】 N−ビニルアミド系重合体と、デラミ状
態のクレイを含む樹脂組成物及びN−ビニルアミド化合
物を必須とする単量体成分を有機化クレイと溶媒の共存
下で重合する樹脂組成物の製造方法並びに該樹脂組成物
を含有するマスターバッチ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂組成物及びそ
の製造方法並びにマスターバッチに関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂組成物としては、充填剤(フィラ
ー)が樹脂中に分散した組成物等が挙げられるが、充填
剤の分散サイズがナノオーダーすなわち通常1〜100
nmであるような超微細分散系は、ナノコンポジットと
呼ばれ、中でも、充填剤が層状粘土鉱物であるときには
特にクレイハイブリッドと呼ばれ、成形品やフィルム等
を形成する成形材料等に使用されて最近注目されてい
る。
【0003】このようなナノコンポジット(クレイハイ
ブリッド)には、次の(1)〜(5)に挙げるような特
徴がある。すなわち(1)クレイが微分散されているた
め、少量の添加により通常のフィラー充填系と同等の効
果があり、その結果、低比重で機械強度や弾性率、熱変
形温度等の特性が向上した高性能の材料となる。 (2)層状フィラーが樹脂中に分散しているため、ガス
の拡散が妨げられ、その結果、ガスバリア性が向上する
ことになる。 (3)フィラーがナノオーダーで分散していると、光を
散乱せず、透明性が発現することになる。 (4)生成ガスの炎の拡散を防ぎ、ポリマーを熱流から
遮へいするため、難燃性が発現する。 (5)その他の特徴としては、フィラーが粘土である
と、毒性がなく安全性のうえで好ましく、また、フィラ
ーがナノオーダーで分散していると、繰り返し加工して
もフィラーの切断がなく、性能を低下させずにリサイク
ルすることが可能であること等が挙げられる。
【0004】特開平9−118518号公報には、ホス
ト材料及びフィロシリケート物の剥離小板を含み、該小
板は、フィロシリケートをインターカラントポリマー含
有組成物に接触させることにより形成されるインターカ
レーション物に由来するものである合成物に関し、主な
隣接するフィロシリケート小板の間の間隔が、インター
カラントポリマー収着後に測定すると少なくとも約10
Åに広げられていること、また、N−ビニルアミド系重
合体であるポリビニルピロリドン等をインターカラント
ポリマーとして用いることができることが開示されてい
る。
【0005】しかしながら、この公報では、PVPをイ
ンターカラントとするインターカレーション物について
は記載があるものの、そこから得られる剥離小板(デラ
ミ)については、何ら具体的な記載はなく、また、PV
Pを用いたインターカレーション物を、水溶液の増粘剤
として用いる例があるのみで、フィルムや、成形材料と
して用いる樹脂組成物としての開示は全く示唆されてい
ない。また、インターカラントポリマーであるビニルピ
ロリドンのポリマーとしてはホモポリマーしか開示がさ
れていないため、適用用途に応じて各種のビニルピロリ
ドンのポリマーを用いるように工夫する余地があり、更
に、ナノコンポジットの製造方法を工夫する余地があっ
た。また、その製造方法も、PVPを直接フィロシリケ
ートにインターカレートする記載しかなく、モノマーと
クレイを混合した状態から重合する方法については全く
記載されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑みてなされたものであり、ナノコンポジットが有する
特徴を充分に発揮することが可能である樹脂組成物及び
その製造方法並びにマスターバッチを提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ナノコン
ポジットとなる樹脂組成物について種々検討するうち、
クレイとN−ビニルアミド系重合体を含む樹脂組成物が
ナノコンポジットとなり、しかも、クレイがデラミ型の
形態となり得ることに着目し、このようなデラミ型のナ
ノコンポジットが上記(1)〜(5)の特徴点すなわち
(1)機械強度や弾性率、熱変形温度の向上、(2)ガ
スバリア性の向上、(3)透明性の発現、(4)難燃性
の発現、(5)安全性やリサイクル性に有利、等の特徴
を充分に発揮することが可能であることを見いだした。
クレイとN−ビニルアミド系重合体とを含むナノコンポ
ジットがこのような特徴を充分に発揮する理由として
は、充填剤としてクレイを用い、N−ビニルアミド系重
合体により樹脂組成物とすると、クレイの層構造がなく
なって層間距離が大きくなり、図1の概念図に示すよう
なデラミ型ナノコンポジットとなるために、図2の概念
図に示すようなインターカレーション型の形態に比較し
てナノコンポジットの特徴が発現しやすくなること等が
考えられる。また、N−ビニルアミド化合物を必須とす
る単量体成分を有機化クレイと溶媒の共存下で重合する
ことにより、すなわちN−ビニルアミド化合物を用いた
in situ重合により、このようなデラミ型のクレ
イハイブリッドを簡便かつ効率よく製造することが可能
となることや、N−ビニルアミド系重合体、有機化クレ
イ及びN−ビニルアミド化合物のすべてを均一に溶解す
る溶媒を選択して重合を行うと、より確実にデラミ型の
クレイハイブリッドを製造することが可能であることも
見いだした。更に、N−ビニルアミド系重合体と、デラ
ミ状態のクレイを含むナノコンポジットを用いてなるマ
スターバッチが各種の用途でナノコンポジットの特性を
充分に発揮させるうえで有効なものであることも見いだ
し、本発明に到達したものである。
【0008】すなわち本発明は、N−ビニルアミド系重
合体と、デラミ状態のクレイを含む樹脂組成物である。
本発明はまた、N−ビニルアミド化合物を必須とする単
量体成分を有機化クレイと溶媒の共存下で重合する樹脂
組成物の製造方法でもある。本発明は更に、上記樹脂組
成物を含有するマスターバッチでもある。以下に、本発
明を詳述する。
【0009】本発明におけるクレイとしては、N−ビニ
ルアミド系重合体によりデラミ型の形態となり得るもの
であれば特に限定されず、天然のものでも合成されたも
のでも用いることができ、例えば、モンモリロナイト、
ノントロナイト、バイデライト、ボルコンスコイト(v
olkonskoite)、ヘクトライト、サポナイ
ト、サウコナイト、ソボカイト(sobockit
e)、スティブンサイト、スビンフォルダイト(svi
nfordite)等のスメクタイト系クレイ;バーミ
キュライト;ハロイサイト;イライト等のマイカ石鉱
物;レディカイト(ledikite)等の層状イライ
ト/スメクタイト鉱物の混合物;上述した粘土鉱物とイ
ライトとの混合物等が挙げられる。これらは単独で用い
てもよく、2種以上を併用してもよい。
【0010】上記クレイの好ましい形態としては、有機
化クレイが挙げられる。有機化クレイとは、有機陽イオ
ン(有機カチオン)により有機化したクレイ、すなわち
クレイの陽イオンを、有機陽イオンでイオン交換した状
態となったものを意味する。このような有機化クレイを
用いることにより、後述するようにデラミ型のクレイハ
イブリッドを形成しやすくすることができ、ナノコンポ
ジットの特性を充分に発揮することが可能となる。すな
わち有機化することで溶媒、モノマーに対してクレイが
膨潤しやすくなり、デラミ型ハイブリッドが形成され
る。有機化クレイは、クレイに有機陽イオンを作用させ
て公知の方法で有機化することにより製造することがで
きる。
【0011】上記有機化クレイの製造で用いられる有機
陽イオンとしては特に限定されず、例えば、ヘキシルア
ンモニウムイオン、オクチルアンモニウムイオン、2−
エチルヘキシルアンモニウムイオン、ドデシルアンモニ
ウムイオン、ラウリルアンモニウムイオン、オクタデシ
ルアンモニウムイオン、ステアリルアンモニウムイオ
ン、ジオクチルジメチルアンモニウムイオン、トリオク
チルアンモニウムイオン、ジステアリルジメチルアンモ
ニウムイオン、ラウリン酸アンモニウムイオン等の有機
アンモニウムイオン;α−ピロリドン、N−メチル−2
−ピロリドン、δ−バレロラクタム、ε−カプロラクタ
ム、N−メチルカプロラクタム、ε−エナントラクタム
等のラクタムの有機陽イオン等が挙げられ、1種又は2
種以上を用いることができる。これらの中でも、炭素数
6以上の有機陽イオンが好ましい。炭素数が6未満であ
ると、有機陽イオンの親水性が高まり、有機化クレイ
と、溶媒やN−ビニルアミド化合物、N−ビニルアミド
系重合体との相溶性が低下するおそれがある。
【0012】本発明におけるN−ビニルアミド系重合体
とは、N−ビニルアミド化合物を含む単量体成分を重合
してなる重合体であれば特に限定されるものではない。
このような重合体は単独で用いてもよく、2種以上を併
用してもよい。上記N−ビニルアミド系重合体はクレイ
に対して優れた親和性を示し、また、他の樹脂に対して
も優れた相溶性を有する。このような重合体を含む樹脂
組成物をマスターバッチとし、これを成形品やフィルム
等を形成する成形材料等に好適に使用することが可能と
なる。
【0013】上記N−ビニルアミド系重合体を形成する
N−ビニルアミド化合物としては、例えば、下記一般式
(1);
【0014】
【化1】
【0015】(式中、R1は、水素又はメチル基を示
す。R2及びR3は、同一又は異なって、水素、メチル基
又はエチル基を示し、R2とR3とは、結合して炭素数3
〜5のアルキレン基を形成していてもよい。)で表され
る化合物等が挙げられる。
【0016】上記N−ビニルアミド化合物としては、具
体的には、N−ビニルアセトアミド、N−メチル−N−
ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、N−メ
チル−N−ビニルホルムアミド、N−ビニルプロピオン
アミド、N−ビニルピロリドン等が挙げられ、1種又は
必要により2種以上を用いることができる。その中で、
N−ビニルピロリドンが充填剤との親和性の点で好まし
い。
【0017】N−ビニルアミド系重合体は、N−ビニル
アミドの単独重合体であっても、その他の共重合成分を
含んだ共重合体であっても構わない。また、共重合体の
場合、その重合形態としては特に限定されず、例えば、
ブロック状、交互状、ランダム状等のいずれであっても
よい。
【0018】上記単量体成分に含まれるN−ビニルアミ
ド化合物以外の単量体としては特に限定されず、N−ビ
ニルアミド化合物と共重合可能な重合性単量体が挙げら
れ、具体的には、例えば、(1)(メタ)アクリル酸メ
チル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸
ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)
アクリル酸ヒドロキシエチル等の(メタ)アクリル酸エ
ステル類;(2)(メタ)アクリルアミド、N−モノメ
チル(メタ)アクリルアミド、N−モノエチル(メタ)
アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルア
ミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体類;(3)(メ
タ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノ
エチル(メタ)アクリルアミド、ビニルピリジン、ビニ
ルイミダゾール等の塩基性不飽和単量体及びその塩又は
第4級化物;(4)ビニルホルムアミド、ビニルアセト
アミド、ビニルオキサゾリン等のビニルアミド類;
(5)(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、
フマル酸等のカルボキシル基含有不飽和単量体及びその
塩;(6)無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和
無水物類;(7)酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の
ビニルエステル類;(8)ビニルエチレンカーボネート
及びその誘導体;(9)スチレン及びその誘導体;(1
0)(メタ)アクリル酸−2−スルホン酸エチル及びそ
の誘導体;(11)ビニルスルホン酸及びその誘導体;
(12)メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテ
ル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;(1
3)エチレン、プロピレン、オクテン、ブタジエン等の
オレフィン類等が挙げられる。これらは単独で用いても
よく、2種以上を併用してもよい。
【0019】本発明では、N−ビニルアミド系重合体
は、N−ビニルピロリドン系重合体であることが好まし
い。これにより、より確実に本発明の作用効果を発揮す
ることが可能となる。N−ビニルピロリドン系重合体と
は、N−ビニルアミド系重合体を形成する単量体成分に
おいて、N−ビニルアミド化合物としてN−ビニルピロ
リドンを用いてなる重合体である。
【0020】上記N−ビニルアミド系重合体を製造する
方法としては特に限定されず、例えば、水溶液重合法、
有機溶媒中での溶液重合法、逆相懸濁重合法、乳化重合
法、沈殿重合法等が挙げられ、溶液重合法が好適に適用
される。重合時の反応条件等は重合方法等により適宜設
定すればよく特に限定されるものではない。使用する重
合開始剤としては特に限定されず、従来公知のものを1
種又は2種以上使用することができ、使用量も特に限定
されるものではない。また、重合開始剤を用いずに、
熱、光、放射線による重合法を用いてもよい。
【0021】上記溶液重合法において用いられる溶媒と
しては特に限定されず、通常の溶液重合に用いる水、又
は有機溶媒1種又は2種以上を用いることができ、例え
ば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン等のケトン類;ベンゼン、トル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキ
サン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素
類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエ
ーテル類;クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタ
ン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類等が挙げ
られる。
【0022】上記N−ビニルアミド系重合体の分子量と
しては、樹脂組成物の使用用途等に応じて適宜設定すれ
ばよく、例えば、重量平均分子量が1000〜5000
000であることが好ましい。1000未満であった
り、5000000を超えたりすると、本発明の作用効
果を充分に発揮することができなくなるおそれがある。
より好ましくは、5000〜1000000であり、更
に好ましくは、10000〜500000である。
【0023】本発明の樹脂組成物では、N−ビニルアミ
ド系重合体と、デラミ状態のクレイを含むことになる。
デラミ状態とは、図1に示すようにクレイの層構造の間
にN−ビニルアミド系重合体が挿入されて層間距離が広
がり、クレイの層構造が配向せずにランダムになった形
態、すなわちクレイの層構造が残っていない形態であ
る。これにより、ナノコンポジットが有する特徴を充分
に発揮することができることになる。本発明の最も好ま
しい形態は、クレイがすべてデラミ型の形態で含まれて
いることであるが、一部がインターカレーション型の形
態で含まれていてもよい。すなわちデラミ型の部分とイ
ンターカレーション型の部分とが共存していてもよい。
インターカレーション型の形態とは、図2に示すように
クレイの層構造の間にN−ビニルアミド系重合体が挿入
されて層間距離が広がっているが、クレイの層構造が配
向している状態、すなわちクレイの層構造が残っている
形態である。なお、クレイを含む樹脂組成物では、例え
ば、透過型電子顕微鏡写真で観察することにより、デラ
ミ型の形態であるか、又は、インターカレーション型の
形態であるかを見分けることができる。
【0024】本発明の樹脂組成物の製造方法としては特
に限定されず、例えば、クレイとN−ビニルアミド系重
合体を溶融混練する方法等を用いてもよいが、N−ビニ
ルアミド化合物を必須とする単量体成分を有機化クレイ
と溶媒の共存下で重合する方法が好適である。このよう
な樹脂組成物の製造方法もまた、本発明の1つである。
このような製造方法では、有機化クレイが溶媒やN−ビ
ニルアミド化合物を必須とする単量体成分、N−ビニル
アミド系重合体になじみやすいこと、また、N−ビニル
アミド系重合体の形成を有機化クレイと溶媒の共存下で
行われることにより、単量体成分が有機化クレイの層間
に入ったモノマー複合体が形成されつつ重合することに
なる。このような製造方法を用いると、デラミ型ナノコ
ンポジットの形成を容易に行うことが可能となる。
【0025】上記製造方法において用いることができる
N−ビニルアミド化合物を必須とする単量体成分や有機
化クレイ、溶媒、重合条件等は上述したのと同様である
が、重合に使用する溶媒の種類をN−ビニルアミド系重
合体、有機化クレイ及びN−ビニルアミド化合物のすべ
てを均一に溶解することができるものとすることが好ま
しく、例えば、これらをそれぞれ1重量%以上の濃度で
均一に溶解することができる溶媒を用いることが好まし
い。具体的には、N−ビニルアミド化合物及びN−アミ
ド系重合体がN−ビニルピロリドン及びポリビニルピロ
リドン(ビニルピロリドンホモポリマー)である場合、
トルエン/メタノールの比が5/5〜9.9/0.1
(重量比)の混合溶媒等が好適である。これにより、重
合中にはN−ビニルアミド化合物及び有機化クレイを均
一に溶解することでデラミ型の形態とすることが容易と
なり、また、重合後にはN−ビニルアミド系重合体及び
有機化クレイを均一に溶解することでデラミ型の形態を
充分に保つことが可能となる。より好ましくは、N−ビ
ニルアミド系重合体、有機化クレイ及びN−ビニルアミ
ド化合物をそれぞれ2重量%以上の濃度で均一に溶解す
ることができる溶媒である。
【0026】本発明の樹脂組成物は、マスターバッチと
すること、すなわち充填剤としてクレイが含まれ、他の
樹脂組成物に混合するための材料とすることが好適であ
る。このようなマスターバッチは、成形品やフィルム等
の材料として好ましく用いることができ、各種の用途で
ナノコンポジットの特性を充分に発揮させるうえで有効
なものである。このように、本発明の樹脂組成物を含有
するマスターバッチもまた、本発明の1つである。この
場合、本発明の樹脂組成物における、クレイとN−ビニ
ルアミド系重合体との重量割合としては特に限定され
ず、マスターバッチの使用用途等に応じて適宜設定すれ
ばよいが、例えば、クレイとN−ビニルアミド系重合体
とが100/100〜5/100となるようにすること
が好ましい。より好ましくは、50/100〜 10/
100である。なお、上記マスターバッチは、本発明の
樹脂組成物を必須として含むことになるが、例えば、そ
の他の樹脂や公知の添加剤等を1種又は2種以上含んで
いてもよい。
【0027】上記マスターバッチを配合することができ
る樹脂としては特に限定されず、例えば、エポキシ樹
脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエ
ステル樹脂等の熱硬化性樹脂;ポリ塩化ビニル樹脂、ポ
リオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、(メタ)アクリ
ル系樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ナイロン樹脂、
ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポ
リカーボネート樹脂等の熱可塑性樹脂等のエンジニアリ
ングプラスチックス等が挙げられる。また、成形材料中
におけるマスターバッチの重量割合としては、成形材料
の使用用途等に応じて適宜設定すればよく特に限定され
るものではないが、例えば、成形材料100重量%に対
して、10重量%以上とすることが好ましい。ナノコン
ポジットの特性をより充分に発揮するためには、30重
量%以上とすることが好ましい。
【0028】上記マスターバッチを用いて成形品を製造
する方法としては特に限定されず、例えば、マスターバ
ッチと、上述した樹脂や添加剤とを溶融混練することに
より調製することができる。溶融混練の温度としては、
例えば、100〜300℃とすることが好ましい。より
好ましくは、150〜280℃である。また、混練に用
いる装置としては特に限定されるものではない。このよ
うにして製造された成形品は、ナノコンポジットの特徴
を充分に発揮することができるものであり、各種の用途
で有用なものである。
【0029】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。
【0030】実施例1 還流冷却器、温度センサー、ガス導入管及び攪拌装置を
取り付けた反応容器にガス導入管から窒素ガスを吹き込
み、容器内部を充分、窒素ガスで置換した。続いてこの
反応容器に有機化クレイ(クニミネ社製、商品名「スメ
クタイトSAN」)4.5g、N−ビニルピロリドン4
0.5g、溶媒としてトルエン/メタノールが9/1
(重量比)の混合溶媒105gを仕込んだ。このトルエ
ン/メタノールの比が9/1(重量比)の混合溶媒は、
ビニルピロリドンホモポリマー(PVP)、N−ビニル
ピロリドンモノマー、有機化クレイ(クニミネ社製、商
品名「スメクタイトSAN」)をそれぞれ均一に溶解す
ることができる溶媒である。窒素ガスを吹き込み、攪拌
しながら昇温すると約80℃で還流が始まった。その
後、重合開始剤として有機過酸化物(日本油脂社製、商
品名「パーブチルO」)を0.4g添加し、そのまま還
流状態で3時間反応を行った。その後、有機過酸化物
0.2gを添加し、更に3時間反応し、淡黄色透明な溶
液を得た。
【0031】得られた溶液を真空乾燥機により減圧下1
50℃で乾燥させ、淡黄色の固体を取り出した。得られ
た固体について透過型電子顕微鏡写真を撮ると、クレイ
の層構造は残っておらず、ナノサイズに分散したクレイ
ハイブリッドであることが確認された。この固体をマス
ターバッチとし、以下の実施例で用いた。
【0032】実施例2 実施例1で得られたクレイハイブリッド10gとAS樹
脂(新日鐵化学社製、商品名「AS−70」)20gを
ラボプラストミル(商品名、東洋精機社製)を用いて2
00℃で5分間溶融混練した。取り出した固体の透過型
電子顕微鏡写真を撮ると、クレイが非常に微細に分散し
た構造であった。
【0033】実施例3 実施例1で得られたクレイハイブリッド10gとPBT
樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス製、商品名
「ノバドール5010」)20gをラボプラストミル
(商品名、東洋精機社製)を用いて250℃で5分間溶
融混練した。取り出した固体の透過型電子顕微鏡写真を
撮ると、クレイが非常に微細に分散した構造であった。
【0034】比較例1 PVP40.5g、スメクタイトSAN4.5g、混合
溶媒105gを80℃で混合、撹絆した。やや濁りのあ
る溶液が得られた。減圧下150℃で乾燥して黄色固体
を得た。最終的に得られた固体の構造を透過型電子顕微
鏡で撮影すると、クレイが凝集した状態であった。
【0035】比較例2 AS樹脂20g、PVP9g、有機化クレイ1gをラボ
プラストミル(商品名、東洋精機社製)を用いて200
℃5分間溶融混練した。取り出した固体の透過型電子顕
微鏡写真を撮ると、クレイが凝集した構造であった。
【0036】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、上述のような構
成からなるため、ナノコンポジットが有する特徴を充分
に発揮することが可能であり、成形品やフィルム等の成
形材料として各種の用途に好適に用いることができるも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】剥離型(デラミ型)ナノコンポジットの形態を
示す概念図である。
【図2】挿入型(インターカレーション型)ナノコンポ
ジットの形態を示す概念図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F070 AA18 AA34 AA38 AA47 AB11 AC27 AD10 AE01 FB04 4J002 BJ001 DJ036 FB086 FB266 FD016 GT00 4J011 PA13 PB15 PB22 PC02 4J100 AN04P AQ08P BA13P BA14P CA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 N−ビニルアミド系重合体と、デラミ状
    態のクレイを含むことを特徴とする樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 N−ビニルアミド化合物を必須とする単
    量体成分を有機化クレイと溶媒の共存下で重合すること
    を特徴とする樹脂組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の樹脂組成物を含有するマ
    スターバッチ。
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