JPH10259017A - 粘土複合体層間化合物、粘土複合体層間化合物と熱可塑性樹脂からなる熱可塑性樹脂組成物およびそれらの製法 - Google Patents

粘土複合体層間化合物、粘土複合体層間化合物と熱可塑性樹脂からなる熱可塑性樹脂組成物およびそれらの製法

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JPH10259017A
JPH10259017A JP6692197A JP6692197A JPH10259017A JP H10259017 A JPH10259017 A JP H10259017A JP 6692197 A JP6692197 A JP 6692197A JP 6692197 A JP6692197 A JP 6692197A JP H10259017 A JPH10259017 A JP H10259017A
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紀之 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少量の添加によっても各種の溶媒に所望のレ
オロジー特性を与えうる粘土複合体層間化合物(C)を
提供すること。また、機械特性、耐熱性、成形品外観な
どがすぐれた成形品を与える熱可塑性樹脂組成物を提供
する。 【解決手段】 スメクタイト族、バーミキュライト族お
よびカオリン族粘土鉱物よりなる群から選ばれた1種以
上の層状ケイ酸塩の単位層状態の層の表面に少なくとも
1種の官能基を有する基が共有結合されることにより、
底面間隔が初期値よりも拡大されている粘土複合体
(A)および分散安定化剤(B)からなり、該分散安定
化剤(B)が、粘土複合体(A)に挟まれて存在する粘
土複合体層間化合物(C)とする。また、該粘土複合体
層間化合物(C)および熱可塑性樹脂(D)からなる熱
可塑性樹脂組成物(E)にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は粘土複合体層間化合
物、それを含む熱可塑性樹脂組成物およびそれらの製法
に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】層状
ケイ酸塩は、マトリックスとなる種々の化合物に分散し
てレオロジー特性を調整または改良する性質を有するた
め、たとえば、塗料、印刷インキ、化粧品などの流体状
ファインケミカル製品の粘度調整剤として利用されてい
る。また、層状ケイ酸塩は、ゴム、プラスチックなどの
高分子材料の剛性、機械的特性および耐熱変形性などの
物理的特性を改良する目的で、充填剤または補強剤とし
ても利用されている。
【0003】前記層状ケイ酸塩は、単位層が多数積層し
た積層構造状態を有する。該単位層の厚さは10Å前後
であるが、該単位層が多数積層すると、単位層の積層数
にも依存するが、一般にその層厚は平均してμmオーダ
ー厚となる。そのような層状ケイ酸塩のアスペクト比や
比表面積は小さいため、単位層が多数積層されたままの
層状ケイ酸塩が粘度調整剤として配合されたとしても少
量の配合比率ではレオロジー改質効果や増粘効果が充分
にえられないという問題がある。
【0004】前記問題を解決する手段として、層状ケイ
酸塩の中でも、層間に水を取り込んで水系溶媒に膨潤す
る性質を示すもの、たとえばスメクタイト族粘土鉱物、
膨潤性雲母およびバーミキュライトなどのいわゆる膨潤
性層状ケイ酸塩の利用が検討されてきている。
【0005】しかし、前記膨潤性層状ケイ酸塩を粘度調
整剤として各種流体状ファインケミカル製品に用いよう
とするばあいには、また別の様々な問題が生ずる。
【0006】たとえば、膨潤性雲母のばあい、水または
エチレングリコールのような特定の有機溶媒分子は膨潤
性雲母の層間に進入するが、層間に進入できる有機溶媒
分子数は2〜3分子程度にすぎず、いわゆる限定膨潤す
るにすぎない。そのため、膨潤性雲母は依然として積層
構造であるので、レオロジー改質効果が充分えられな
い。
【0007】一方、スメクタイト族粘土鉱物、とくにモ
ンモリロナイト、ヘクトライトおよびサポナイトなど
は、水和性を有しているので、水分子の進入によって無
限膨潤し、大部分が単位層にまで分離する。それゆえ、
スメクタイト族粘土鉱物は、少量の添加で水の粘度を効
率よく増加させる効果を有することが知られており、ス
メクタイト族粘土鉱物の分散濃度を変えることにより水
を主成分とする流体物の粘度などのレオロジー特性を調
整することができる。
【0008】しかし、スメクタイト族粘土鉱物は、水中
では無限膨潤して安定的に存在することができるが、有
機溶媒などの水以外の溶媒を加えると層同士が2次凝集
するために安定的に存在できなくなる。したがって、ス
メクタイト族粘土鉱物は、水以外の溶媒系または水以外
の溶媒を主成分とする混合溶媒系のレオロジー特性の改
良および樹脂特性の改良には利用できないという欠点が
ある。
【0009】このように、スメクタイト族粘土鉱物また
は膨潤性雲母は有機溶媒への分散性がわるいため、これ
らの膨潤性ケイ酸塩を用いて有機溶媒のレオロジー特性
を調整するばあいには、分散濃度を高くする必要があ
る。しかし、多量の添加はコスト高を惹き起こし、ま
た、製品の色調を害するなどの問題もある。
【0010】これらの欠点を改善するために、以下に示
すように、スメクタイト族粘土鉱物の水以外のマトリッ
クスへの分散を促進する技術(スメクタイト族粘土鉱物
の処理・変性技術)が開発されている。
【0011】(1)スメクタイト族粘土鉱物の単位層間
に存在するアルカリ金属などの交換性陽イオンを、他の
有機陽イオンと交換することによりえられる、有機陽イ
オンが粘土層の単位層表面にイオン結合してなる複合
体。具体的には、ドデシルアミンとスメクタイト族粘土
鉱物の1種であるベントナイトとからえられるドデシル
アンモニウムがイオン結合したベントナイト複合体が、
米国特許第2531427号明細書に記載されている。
【0012】(2)スメクタイト族粘土鉱物の単位層間
に陽イオンとしてジメチルオクタデシルアンモニウムイ
オンを導入した複合体。エヌ・エル・インダストリー
(NLIndustry)社またはコープケミカル社に
より工業的に生産されており、塗料の増粘剤などに利用
されている。
【0013】(3)精製ベントナイトをアルキルトリア
ルコキシシランで表面処理することによって、有機系の
溶媒に分散する変性ベントナイトが開発されている(特
公平7−23211号公報)。この変性ベントナイト
は、粗ベントナイトの懸濁液から自然沈降法または遠心
分離法により非粘土質のものを除去することによって精
製したベントナイトをえたのち、えられた精製ベントナ
イトゾルに予備加熱および調湿乾燥を施し、最終的に1
50〜200℃で充分に乾燥させて無水精製ベントナイ
トを製造し、ついで、えられた無水精製ベントナイトが
撥水性を示さなくなるのに充分な量のアルキルトリアル
コキシシランを無水雰囲気中で添加して撹拌し、生成物
を粉砕することにより製造される。
【0014】しかし、従来技術である(1)〜(2)に
記載の変性されたスメクタイト族粘土鉱物系複合体によ
ってレオロジー特性を調整できる溶媒は、ベンゼン、ト
ルエンなどの芳香族有機溶媒に限られ、脂肪族炭化水素
系の有機溶媒に対しては分散性がよくない。そのため、
前記スメクタイト族粘土鉱物系複合体を脂肪族炭化水素
系の溶媒に分散させるためには、メタノール、エタノー
ル、アセトンなどの極性化合物を適当量添加しなければ
ならない。このような方法は煩雑であり、さらにメタノ
ールなどの極性溶媒が、前記スメタクタイト族粘土鉱物
系複合体と脂肪族炭化水素系溶媒とからなる分散体に必
ず混入するという問題がある。
【0015】従来技術である(3)に記載の変性ベント
ナイトのばあい、乾燥および粉砕に多大な労力とコスト
がかかる。そのうえ、精製ベントナイトは、無水雰囲気
中では単位層が幾重にも積層したμmオーダーの厚さま
でしか分離させることができない。したがって、アルキ
ルトリアルコキシシランは、このμmオーダーの大きさ
の層状ケイ酸塩の積層体の表面と反応するにすぎない。
また、無水雰囲気中で精製ベントナイトとアルキルトリ
アルコキシシランとを直接反応させてシラン変性精製ベ
ントナイトを効率よくえようとするばあいには、通常、
アミン化合物のような触媒が必要であるが、(3)につ
いて記載されている特公平7−23211号公報に記載
の方法では、触媒を使用していないため、シラン変性精
製ベントナイトを効率よくうることは困難であり、工業
的に利用することは困難である。さらに、(3)の方法
で用いられるアルキルトリアルコキシシランの官能基は
炭素数が1〜22個の飽和アルキル基であるので、ベン
トナイトの表面を疎水化している。このように疎水化さ
れたベントナイトと、アルコール類、エーテル類および
アミン化合物などの高極性溶媒との親和性は低く、充分
な微分散が困難となる。したがって、(3)の方法でえ
られた変性ベントナイトは、極性が高い溶媒への利用が
制限される。
【0016】以上のように、種々の溶媒に良好に均一に
分散し、少量の添加でも溶媒のレオロジー特性を調整す
ることができる変性された層状ケイ酸塩はいまだ提供さ
れていないのが現状である。
【0017】ところで、層状ケイ酸塩は高分子化合物に
配合されて、レオロジー特性の調整・改良効果または機
械物性・耐熱性の改良効果を付与するために利用されて
いる(たとえば特開昭53−77245号公報、特開昭
53−125479号公報、特公昭63−28464号
公報など)。しかし、該層状ケイ酸塩を、高分子化合物
の充填剤および補強剤などとして使用するばあいにも、
以下に示すような様々な問題がある。
【0018】すなわち、押出機などの混練機を用いて樹
脂と層状ケイ酸塩とを溶融混合しても、該層状ケイ酸塩
はμmオーダーの積層体として分散するにすぎない。前
記層状ケイ酸塩の積層構造体内では、単位層同士の層間
距離は数Å程度で非常に接近しているが、積層構造体間
では、その距離はμmオーダーになる。換言すれば、前
記積層構造体が存在する部分では層状ケイ酸塩の濃度は
高いが、積層構造体が存在しない樹脂だけの部分では層
状ケイ酸塩の濃度はゼロであるので、層状ケイ酸塩の分
散性は非常に不均一となる。前記の理由から、単位層が
多数積層されたままの層状ケイ酸塩が高分子化合物に配
合されたとしても少量の配合比率では機械物性の改善な
ど、補強効果が充分にえられない。そのため、配合比率
を高くすることを余儀なくされる。
【0019】しかし、これら層状ケイ酸塩は多くのばあ
い、マトリックスを形成する高分子化合物と親和力が弱
く、配合比率を高くすると衝撃特性や機械物性の低減、
成形品の表面外観の低下、比重の増加、さらに製品の色
調悪化などが惹き起こされる。また、フィルムなどの成
形工程におけるフィルターの目詰まり、フィルム破れな
どの問題が発生する。さらに、フィッシュアイに代表さ
れる外観上の問題や磁気テープにおけるドロップアウト
などのトラブルが発生する。
【0020】前記層状ケイ酸塩と高分子化合物との界面
の接着性を改良して衝撃特性を向上させる目的から、シ
ランカップリング剤などの表面処理剤による処理が一般
に利用されており、たとえば層状ケイ酸塩をシランカッ
プリング剤で処理した表面処理充填剤とポリエステル樹
脂との複合物が開示されている(たとえば特開昭51−
24653号公報、特開昭51−24654号公報な
ど)。
【0021】しかしながら、前記表面処理剤によって確
かに衝撃特性はある程度改善されるものの、決して満足
されるものではない。従来の表面処理方法では、層状ケ
イ酸塩は積層構造状態のものであるので、小アスペクト
比、小比表面積、不均一分散に起因する問題は依然とし
て発生する。
【0022】前記問題を改善するため、前記の従来技術
(1)および(2)で示したような、有機陽イオンが膨
潤性層状ケイ酸塩にイオン結合した複合体と樹脂とから
なる組成物にすることによって、組成物中の層状ケイ酸
塩の層間距離を原料段階の層間距離よりも拡大させるこ
とによって均一分散させ、結果として層状ケイ酸塩の層
厚も減じることによってアスペクト比や比表面積を増加
させ、組成物の物性を向上させる下記の技術が開示され
ている。
【0023】すなわち、 (4)有機オニウム塩で有機化したモンモリロナイトの
層間でナイロン樹脂やポリエステル樹脂を重合させるこ
とによってえられる、均一微分散した前記モンモリロナ
イトと前記ナイロン樹脂やポリエステル樹脂とからなる
熱可塑性樹脂組成物(たとえば特開昭62−74957
号公報、特開平1−301750号公報など)、 (5)層間イオンが有機オニウムイオンで置換された層
状ケイ酸塩をラクタム類および(または)水などの分散
媒で膨潤状態にしたものを、ポリアミド樹脂と混合およ
び(または)混練することによってポリアミド複合材料
を製造する方法(特公平7−47644号公報)、 (6)熱可塑性ポリエステルと、有機オニウムイオンが
結合した層状粘土鉱物と、ラクトン、ラクタム類、それ
らの重合体などの相溶化剤とを含み、有機オニウムイオ
ンが結合した層状粘土鉱物が相溶化剤の親和作用により
熱可塑性ポリエステル中に均一に分散し、かつ熱可塑性
芳香族ポリエステルの分子鎖によって橋かけされた構造
を有しているポリエステル複合材料(特開平3−628
46号公報)などが開示されている。
【0024】(4)の技術では、確かにナイロンの重合
中に有機オニウム塩で有機化したモンモリロナイトは劈
開して積層数が減少することにより層厚が非常に薄くな
り、弾性率などの機械物性が向上する。しかしながら、
この方法では、有機オニウム塩で有機化したモンモリロ
ナイトを脱塩洗浄し、さらに、重合終了後、反応不充分
なオリゴマーおよび未反応のモノマーを熱水などで洗浄
除去する必要があり問題である。
【0025】(5)および(6)の技術では、樹脂中に
おける、有機オニウム塩で有機化した層状ケイ酸塩ある
いは層状粘土鉱物の分散性が不充分であるため、物性の
改善効果が顕著ではない。
【0026】以上、層状ケイ酸塩化合物を樹脂中に均一
に微分散させることによってすぐれた物性を有する樹脂
組成物をうる技術は未だ提供されていないのが現状であ
る。
【0027】本発明は、前記従来の問題を解決すること
にあり、少量の添加によっても、マトリックスとなる各
種化合物に所望のレオロジー特性を与えうる層状ケイ酸
塩化合物を提供することによって、機械物性および耐熱
変形性などの種々の特性にすぐれた熱可塑性樹脂組成物
を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成
するに至った。
【0029】すなわち、本発明は、スメクタイト族粘土
鉱物、バーミキュライト族粘土鉱物およびカオリン族粘
土鉱物よりなる群から選ばれた1種以上の層状ケイ酸塩
に、官能基を有する表面処理剤が共有結合することによ
りなり、かつ平均層厚が200Å以下である粘土複合体
(A)、および分散安定化剤(B)からなり、分散安定
化剤(B)が、粘土複合体(A)に挟まれて存在するこ
とを特徴とする粘土複合体層間化合物(C)(請求項
1)、スメクタイト族粘土鉱物、バーミキュライト族粘
土鉱物およびカオリン族粘土鉱物よりなる群から選ばれ
た1種以上の層状ケイ酸塩の表面に、官能基を有する表
面処理剤が共有結合することにより底面間隔が拡大され
た粘土複合体(A)、および分散安定化剤(B)からな
り、分散安定化剤(B)が、粘土複合体(A)に挟まれ
て存在することを特徴とする粘土複合体層間化合物
(C)(請求項2)、請求項1および2に記載の粘土複
合体層間化合物(C)の混合物(請求項3)、分散安定
化剤(B)が、ポリシロキサン鎖を主鎖とする化合物お
よびポリエーテル鎖を主鎖とする化合物よりなる群から
選ばれた1種以上である請求項1、2または3記載の粘
土複合体層間化合物(C)(請求項4)、前記表面処理
剤が、シラン系表面処理剤、チタネート系表面処理剤お
よびアルミナ系表面処理剤よりなる群から選ばれた1種
以上である請求項1、2、3または4記載の粘土複合体
層間化合物(C)(請求項5)、前記表面処理剤が、一
般式(I): YnSiX4-n (I) (式中、Xは加水分解性基または水酸基、Xが複数個存
在するばあい、それらは互いに異なっていてもよい、Y
は置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素
基であり、該置換基としては、エポキシ基、アミノ基、
アミド基、カルボキシル基、メルカプト基、水酸基、ハ
ロゲン原子、炭素数2〜8のアシルオキシ基、カルボキ
シル基が炭素数1〜10のアルキルアルコールでエステ
ル化された基、水酸基が炭素数1〜10のアルキルアル
コールでエーテル化された基よりなる群から選ばれた1
種以上であり、Yが複数個存在するばあい、それらは互
いに異なっていてもよい、nは0〜3の整数である)で
表わされるシラン系表面処理剤である請求項1、2、
3、4または5記載の粘土複合体層間化合物(C)(請
求項6)、底面間隔が初期値の2倍以上である請求項
1、2、3、4、5または6記載の粘土複合体層間化合
物(C)(請求項7)、水および有機溶媒よりなる群か
ら選ばれた1種以上の溶媒の粘度を増加させる機能を有
する粘土複合体層間化合物(C)であって、粘土複合体
層間化合物(C)を3.5重量%の濃度で分散させたば
あい、25℃、6rpmでの見かけ粘度が、初期の溶媒
の値の5倍以上になる請求項1、2、3、4、5、6ま
たは7記載の粘土複合体層間化合物(C)(請求項
8)、スメクタイト族、バーミキュライト族およびカオ
リン族粘土鉱物よりなる群から選ばれた1種以上の層状
ケイ酸塩と、水または水と任意の割合で相溶する極性溶
媒または水と該極性溶媒からなる混合溶媒とを混合する
ことにより該層状ケイ酸塩を膨潤させたのち、官能基を
有する表面処理剤を共有結合することによって粘土複合
体(A)を形成させ、ついで、えられた粘土複合体
(A)と分散安定化剤(B)を分散媒中で混合したの
ち、該分散媒を除去することを特徴とする粘土複合体層
間化合物(C)の製法(請求項9)、層状ケイ酸塩に表
面処理剤を共有結合させる際に、1000rpm以上で
撹拌する請求項9記載の粘土複合体層間化合物(C)の
製法(請求項10)、層状ケイ酸塩に表面処理剤を共有
結合させる際に、剪断速度500s-1以上で撹拌する請
求項9記載の粘土複合体層間化合物(C)の製法(請求
項11)、分散安定化剤(B)が、ポリシロキサン鎖を
主鎖とする化合物およびポリエーテル鎖を主鎖とする化
合物よりなる群から選ばれた1種以上である請求項9、
10または11記載の粘土複合体層間化合物(C)の製
法(請求項12)、前記表面処理剤が、シラン系表面処
理剤、チタネート系表面処理剤およびアルミナ系表面処
理剤よりなる群から選ばれた1種以上である請求項9、
10、11または12記載の粘土複合体層間化合物
(C)の製法(請求項13)、前記表面処理剤が、一般
式(I): YnSiX4-n (I) (式中、Xは加水分解性基または水酸基、Xが複数個存
在するばあい、それらは互いに異なっていてもよい、Y
は置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素
基であり、該置換基としては、エポキシ基、アミノ基、
アミド基、カルボキシル基、メルカプト基、水酸基、ハ
ロゲン原子、炭素数2〜8のアシルオキシ基、カルボキ
シル基が炭素数1〜10のアルキルアルコールでエステ
ル化された基、水酸基が炭素数1〜10のアルキルアル
コールでエーテル化された基よりなる群から選ばれた1
種以上であり、Yが複数個存在するばあい、それらは互
いに異なっていてもよい、nは0〜3の整数である)で
表わされるシラン系表面処理剤である請求項9、10、
11、12または13記載の粘土複合体層間化合物
(C)の製法(請求項14)、請求項1、2、3、4、
5、6、7または8記載の粘土複合体層間化合物(C)
および熱可塑性樹脂(D)からなる熱可塑性樹脂組成物
(E)(請求項15)、灰分率が0.1〜60重量%で
ある請求項15記載の熱可塑性樹脂組成物(E)(請求
項16)、粘土複合体層間化合物(C)の平均層厚が2
00Å以下である請求項15または16記載の熱可塑性
樹脂組成物(E)(請求項17)、粘土複合体層間化合
物(C)の底面間隔が、平均して初期値の3倍以上であ
る請求項15、16または17記載の熱可塑性樹脂組成
物(E)(請求項18)、請求項15、16、17また
は18記載の熱可塑性樹脂組成物(E)を製造する方法
であって、請求項1、2、3、4、5、6、7または8
記載の粘土複合体層間化合物(C)および(または)粘
土複合体層間化合物(C)を含有する分散体と、熱可塑
性樹脂(D)の重合性モノマーとの混合物を調製する工
程、および該混合物中で該重合性モノマーを重合する工
程を包含する方法(請求項19)、請求項15、16、
17または18記載の熱可塑性樹脂組成物(E)を製造
する方法であって、請求項1、2、3、4、5、6、7
または8記載の粘土複合体層間化合物(C)および(ま
たは)粘土複合体層間化合物(C)を含有する分散体
と、熱可塑性樹脂(D)を、混練機を用いて溶融混合す
る方法(請求項20)に関する。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明の粘土複合体層間化合物
(C)は、スメクタイト族粘土鉱物、バーミキュライト
族粘土鉱物およびカオリン族粘土鉱物よりなる群から選
ばれた1種以上の層状ケイ酸塩に、官能基を有する表面
処理剤が共有結合することによりなる、平均層厚が20
0Å以下である粘土複合体(A)と、粘土複合体(A)
の微分散化を容易ならしめる化合物である分散安定化剤
(B)からなり、分散安定化剤(B)が粘土複合体
(A)に挟まれたものである。
【0031】前記表面処理剤が層状ケイ酸塩に共有結合
していることは、たとえば、赤外分光法(IR)で表面
処理剤の官能基に由来する吸収帯を測定することによっ
て確認しうる。共有結合しない成分は、たとえばテトラ
ヒドロフランやメチルエチルケトン、あるいはクロロホ
ルムで数回洗浄することによって除去される。洗浄後の
粘土複合体層間化合物(C)を透過法あるいは必要に応
じて拡散反射法で測定することにより、表面処理剤が共
有結合していることを確認しうる。
【0032】また、粘土複合体(A)の平均層厚が20
0Å以下であることは、たとえば、透過型電子顕微鏡
(TEM)で測定することによって確認しうる。粘土複
合体層間化合物(C)をエポキシ樹脂やアクリル樹脂な
どに凝集しないように分散させ、分散後エポキシ樹脂や
アクリル樹脂を硬化させる、いわゆる包埋法で被検体を
作製し、ミクロトームなどで薄片状に切り出し、染色し
てTEM観察することによって確認しうる。
【0033】さらに、分散安定化剤(B)が粘土複合体
(A)に挟まれたものであることは、たとえば、小角X
線回折(SAXS)で底面間隔を測定することにより知
ることができる。層状ケイ酸塩は分散媒中で膨潤させて
も、該分散媒が中性であれば、分散媒を乾燥すると層状
ケイ酸塩は初期の積層構造に戻る。すなわち、分散媒が
なくなれば初期の底面間隔と同じになる。同様の条件で
粘土複合体層間化合物(C)の底面間隔を測定し、値が
初期(層状ケイ酸塩、あるいは粘土複合体(A))より
も大きければ、分散安定化剤(B)が挟まれているため
である。
【0034】粘土複合体層間化合物(C)の原料である
粘土複合体(A)は、層状ケイ酸塩の表面に官能基を有
する表面処理剤が共有結合し、かつ、平均層厚が200
Å以下である、あるいは共有結合した表面処理剤の存在
により底面間隔が初期の層状ケイ酸塩の値よりも拡大し
ている粘土複合体である。また、粘土複合体の原料であ
る層状ケイ酸塩は、分散媒(水または水を主成分とする
溶媒)中で膨潤する性質を有するものであり、その例と
しては、主として酸化ケイ素の四面体シートと、主とし
て金属水酸化物の八面体シートとからなる、スメクタイ
ト族粘土鉱物、バーミキュライト族粘土鉱物などの膨潤
性層状ケイ酸塩およびカオリン族粘土鉱物があげられ
る。
【0035】前記スメクタイト族粘土鉱物としては、た
とえば天然または合成されたヘクトライト、サポナイ
ト、モンモリロナイト、スチブンサイト、バイデライ
ト、ノントロナイト、ベントナイトなど、これらの置換
体、誘導体などがあげられる。これらは1種で用いても
よく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0036】前記バーミキュライト族粘土鉱物には、3
八面体型と2八面体型とがあり、一般式(II): (Mg,Fe,Al)2〜3(Si4-xAlx)O10(OH)2・ (M1 +,M2 2+ 1/2x・nH2O (II) (式中、M1はNaなどのアルカリ金属、M2はMgなど
のアルカリ土類金属で、M1とM2とは交換性陽イオン、
xは0.6〜0.9、nは3.5〜5である)で表わさ
れる天然または合成バーミキュライト族粘土鉱物が使用
される。
【0037】前記カオリン族粘土鉱物としては、天然ま
たは合成されたカオリナイト、ディッカライト、ハロイ
サイト、これらの置換体、誘導体があげられる。これら
は1種で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いても
よい。
【0038】前記層状ケイ酸塩は、単独で用いてもよく
2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0039】前記層状ケイ酸塩の結晶構造は、c軸方向
に規則正しく積み重なった純度の高いものが望ましい
が、結晶周期が乱れ、複数種の結晶構造が混じり合っ
た、いわゆる混合層鉱物のものも使用されうる。
【0040】前記層状ケイ酸塩の中で、スメクタイト族
粘土鉱物およびカオリン族粘土鉱物が膨潤しやすい点か
ら好ましく使用され、スメクタイト族粘土鉱物がさらに
好ましい。
【0041】粘土複合体(A)の原料である少なくとも
1種の官能基を有する表面処理剤としては、通常一般に
用いられる表面処理剤を使用することができる。たとえ
ばシラン系カップリング処理剤などのシラン系表面処理
剤、チタネート系カップリング処理剤などのチタネート
系表面処理剤、アルミナ系カップリング処理剤などのア
ルミナ系表面処理剤などがあげられる。これらの表面処
理剤の1種以上が層状ケイ酸塩に共有結合している。共
有結合していないばあいには、粘土複合体層間化合物
(C)をマトリックスに分散させた際に、表面処理剤が
分離し、その結果、所望のレオロジー改質効果がえられ
なくなる。
【0042】前記シラン系表面処理剤の好ましい例とし
ては、一般式(III): YnSiX4-n (III) (式中、Xは加水分解性基または水酸基、Xが複数個存
在するばあい、それらは互いに異なっていてもよい、Y
は置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素
基であって、該置換基としては、たとえばエポキシ基、
アミノ基、アミド基、カルボキシル基、メルカプト基、
水酸基、ハロゲン原子、炭素数2〜8のアシルオキシ
基、カルボキシル基が炭素数1〜10のアルキルアルコ
ールでエステル化された基、水酸基が炭素数1〜10の
アルキルアルコールでエーテル化された基よりなる群か
ら選ばれた1種以上であり、Yが複数個存在するばあ
い、それらは互いに異なっていてもよい、nは0〜3の
整数)で表わされるシランカップリング剤があげられ
る。
【0043】一般式(III)中のXの内の加水分解性基
の具体例としては、たとえば炭素数1〜8のアルコキシ
基(たとえばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基な
ど)、炭素数3〜8のアルケニルオキシ基(たとえばイ
ソプロペノキシ基、1−エチル−2−メチルビニルオキ
シム基など)、炭素数3〜8のケトオキシム基(ジメチ
ルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基な
ど)、炭素数2〜8のアシルオキシ基(アセトキシ基、
プロピオノキシ基、ブチロイロキシ基、ベンゾイルオキ
シム基など)、アミノ基(ジメチルアミノ基、ジエチル
アミノ基など)、アミノキシ基(ジメチルアミノキシ
基、ジエチルアミノキシ基など)、アミド基(N−メチ
ルアセトアミド基、N−エチルアセトアミド基、N−メ
チルベンズアミド基など)、ハロゲン原子(塩素原子、
臭素原子など)などがあげられる。これらのなかでは、
炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜5のアシルオ
キシ基、塩素原子が、反応性の点から好ましい。
【0044】一般式(III)中のYの内の置換基を有し
ていてもよい炭素数1〜25の炭化水素基(脂肪族炭化
水素基、芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基)の例と
しては、置換基を有さない炭素数1〜25のアルキル基
(たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロ
ピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル
基、デシル基、ドデシル基など)、置換基を有さない炭
素数2〜25のアルケニル基(たとえばビニル基、1−
プロペニル基、1−ブテニル基、1−ヘキセニル基、2
−ヘキセニル基、1−オクテニル基、3−オクテニル
基、シクロヘキセニル基など)、置換基を有さない炭素
数6〜25の芳香族基(たとえばフェニル基、ナフチル
基など)、置換基を有さない炭素数7〜25のアラルキ
ル基(ベンジル基、フェネチル基など)、置換基を有さ
ない炭素数6〜25のシクロアルキル基(シクロヘキシ
ル基、シクロオクチル基など)、置換基(たとえばエポ
キシ基、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、水
酸基、ハロゲン原子、炭素数2〜8のアシルオキシ基、
カルボキシル基が炭素数1〜10のアルキルアルコール
でエステル化された基、水酸基が炭素数1〜10のアル
キルアルコールでエーテル化された基など、以下、単に
置換基という)を有する炭素数1〜25のアルキル基
(たとえばγ−(2−アミノエチル)アミノプロピル
基、γ−グリシドキシプロピル基、γ−メルカプトプロ
ピル基、γ−クロロプロピル基、γ−アミノプロピル基
など)、置換基を有する炭素数2〜25のアルケニル基
(たとえばγ−メタクリロキシプロピル基、4−メチル
−4−アミノ−1−ヘキセニル基など)、置換基を有す
る炭素数2〜25のアルキニル基(たとえばγ−アミノ
プロピニル基など)、置換基を有する炭素数6〜25の
芳香族基(たとえばγ−アニリノプロピル基など)、置
換を有する炭素数7〜25のアラルキル基(たとえばN
−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミ
ノプロピル基など)、置換基を有する炭素数6〜25の
シクロアルキル基(たとえば2−(3,4−エポキシシ
クロヘキシル)エチル基など)などがあげられる。
【0045】一般式(III)中のnは前記のように0〜
3の整数であるが、層状ケイ酸塩との反応性の点から、
1または2が好ましい。
【0046】一般式(III)中のX、Y、nは前記のご
ときものであるが、これらを組み合わせた一般式(II
I)で表わされるシラン系カップリング処理剤などのシ
ラン系表面処理剤の具体例としては、たとえばデシルト
リメトキシシランのようにYがポリメチレン鎖を有する
もの、メチルトリメトキシシランのようにYが低級アル
キル基であるもの、2−ヘキセニルトリメトキシシラン
のようにYが不飽和炭化水素基を有するもの、2−エチ
ルヘキシルトリメトキシシランのようにYが側鎖を有す
るもの、フェニルトリエトキシシランのようにYがフェ
ニル基を有するもの、3−β−ナフチルプロピルトリメ
トキシシランのようにYがアラルキル基を有するもの、
p−ビニルベンジルトリメトキシシランのようにYがフ
ェニレン基を有するもの、ビニルトリメトキシシラン、
ビニルトリクロロシラン、ビニルトリアセトキシシラン
のようにYがビニル基を有するもの、γ−メタクリロキ
シプロピルトリメトキシシランのようにYがエステル基
を有するもの、γ−ポリオキシエチレンプロピルトリメ
トキシシラン、2−エトキシエチルトリメトキシシラン
のようにYがエーテル基を有するもの、γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシランのようにYがエポキシ基
を有するもの、γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメト
キシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン
のようにYがアミノ基を有するもの、γ−ユレイドプロ
ピルトリエトキシシランのようにYがカルボニル基を有
するもの、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン
のようにYがメルカプト基を有するもの、γ−クロロプ
ロピルトリエトキシシランのようにYがハロゲンを有す
るもの、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)アミノ−
3−プロピルトリエトキシシランのようにYが水酸基を
有するものがあげられる。
【0047】前記シラン系表面処理剤としてシラノール
基(SiOH)を有するものも使用しうる。前記シラノ
ール基を有するものの例としては、式(IV):
【0048】
【化1】
【0049】(式中、nは2〜30)で表わされるジメ
チルジヒドロキシシランのオリゴマーがあげられる。
【0050】前記のシラン系表面処理剤の置換体または
誘導体もまた使用しうる。これらのシラン系表面処理剤
は、単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いて
もよい。
【0051】前記チタネート系カップリング処理剤など
のチタネート系表面処理剤の好ましい例としては、たと
えば一般式(V)〜(VII):
【0052】
【化2】
【0053】(式中、R1、R2、R3、R4およびR
5は、それぞれ独立して置換基を有していてもよい炭素
数1〜25の炭化水素基、リン酸エステル基、およびポ
リリン酸エステル基よりなる群から選ばれた基を少なく
とも1種有する官能基であるのが好ましく、Zはメチレ
ン基またはカルボニル基であるのが好ましい)で表わさ
れるチタネート系表面処理剤があげられる。
【0054】一般式(V)〜(VII)中のR1〜R5が置
換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基で
あるばあい、一般式(III)中のYが置換基を有してい
てもよい炭素数1〜25の炭化水素基のばあいと同じで
あり、置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化
水素基に関する説明がそのままあてはまるので、説明は
省略する。
【0055】一般式(V)で表わされるモノアルコキシ
型チタネート系表面処理剤の具体例としては、たとえば
イソプロピルトリスイソステアロイルチタネート、イソ
プロピルトリス−n−ドデシルベンゼンスルフォニルチ
タネート、イソプロピルジメタクリロニトリルイソステ
アロイルチタネートなどがあげられる。
【0056】また、一般式(VI)で表わされるキレート
型チタネート系表面処理剤の具体例としては、たとえば
ビス(ジオクチルパイロホスフェート)−オキシアセテ
ートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェー
ト)−エチレンチタネート、ジクミルフェニルオキシア
セテートチタネートなどがあげられる。
【0057】さらに、一般式(VII)で表わされる配位
型チタネート系表面処理剤の具体例としては、たとえば
テトライソプロピル−ビス(ジトリデシルホスファイ
ト)チタネート、テトラオクチル−ビス(ジトリデシル
ホスファイト)チタネートなどがあげられる。
【0058】前記チタネート系表面処理剤の置換体、誘
導体もまた使用しうる。これらチタネート系表面処理剤
は、単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いて
もよい。
【0059】前記アルミナ系カップリング処理剤などの
アルミナ系表面処理剤の好ましい例としては、一般式
(VIII):
【0060】
【化3】
【0061】(式中、R6は置換基を有していてもよい
炭素数1〜25の炭化水素基である)で表わされるアセ
トアルコキシアルミニウムジイソプロピレートなどがあ
げられる。
【0062】一般式(VIII)中のR6は置換基を有して
いてもよい炭素数1〜25の炭化水素基であり、一般式
(III)中のYが置換基を有していてもよい炭素数1〜
25の炭化水素基のばあいと同じであり、置換基を有し
ていてもよい炭素数1〜25の炭化水素基に関する説明
がそのままあてはまるので、説明は省略する。
【0063】一般式(VIII)で表わされるアルミナ系表
面処理剤(アルミナ系カップリング処理剤)の具体例と
しては、R6がメチル基、エチル基、プロピル基、およ
びブチル基であるものの混合物があげられる。
【0064】前記アルミナ系表面処理剤の置換体、誘導
体もまた使用しうる。これらアルミナ系表面処理剤は、
単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0065】前記表面処理剤の中で、シラン系表面処理
剤が、反応性、取扱性、経済性、安定性の点から好まし
く使用される。
【0066】前記表面処理剤の量は、マトリックスとな
る化合物との親和性が高まるように調整しうる。必要な
らば、異種の官能基を有する複数種の表面処理剤を併用
しうる。したがって、表面処理剤の添加量は一概に限定
されるものではないが、層状ケイ酸塩100部に対し
て、好ましくは0.1〜200部、さらに好ましくは
0.2〜160部、とくに好ましくは0.3〜120部
である。表面処理剤の量が0.1部未満であると、えら
れる粘土複合体(A)の微分散化効果が充分でなくなる
傾向がある。また、表面処理剤の添加量が200部をこ
えても効果が変わらないので、200部より多く添加す
る必要はない。
【0067】レオロジー改良効果などをうる上で、粘土
複合体(A)の形態は、以下に示す2形態の少なくとも
1種であることが必要である。
【0068】すなわち、粘土複合体(A)の平均層厚は
200Å以下であり、180Å以下が好ましく、さらに
150Å以下が好ましい。平均層厚が200Åより大き
いと、本発明の粘土複合体層間化合物(C)のレオロジ
ー改質効果がえられ難くなるばかりでなく、マトリック
スの物性を不均一にする傾向があり好ましくない。
【0069】また、粘土複合体(A)の底面間隔は、共
有結合している表面処理剤の存在により、初期の層状ケ
イ酸塩の値に比べて拡大し、好ましくは底面間隔は初期
値の2倍以上、さらに好ましくは3倍以上拡大してい
る。前記のように底面間隔が拡大されていればマトリッ
クス化合物との親和性を高めることができ、効率よくレ
オロジー特性を改良できる。
【0070】粘土複合体(A)の層厚は、たとえば、透
過型電子顕微鏡などを用いて測定することによってえら
れる。また、底面間隔は、小角X線回折法(SAXS)
により、(001)面の間隔の測定から容易に求めう
る。底面間隔はSAXSにおける回折ピーク角値をBr
aggの式に当てはめて算出することなどの方法で求め
られる。
【0071】分散安定化剤(B)は、粘土複合体(A)
が分散する分散媒に可溶であり、用いるマトリックス化
合物に対して分解などの悪影響を及ぼさず、かつマトリ
ックス化合物の加工温度においても安定に存在しうる化
合物であればとくに限定はない。
【0072】分散安定化剤(B)の具体例としては、ポ
リオキシアルキレン鎖、アミノ基、エポキシ基、カルボ
キシル基、酸無水物基、フェニル基などが結合した直鎖
状のシリコーン化合物などのシリコーン系界面活性剤や
シリコーン系樹脂改質剤として使用されるポリシロキサ
ン鎖を主鎖とする化合物、ポリエチレングリコールやポ
リオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体、エ
チレンジアミンのポリエーテル縮合物およびポリオキシ
エチレングリコールオレート共重合体などのポリエーテ
ル鎖を主鎖とする化合物、置換基を有するフェノールエ
トキシレートや高級アルコールエトキシレートなどの水
溶性界面活性剤、カーボネート結合を含む構造単位から
なる重合体、ポリスチレンやポリメチルメタクリレート
およびポリ酢酸ビニルなどのビニル結合を含む構造単位
からなる重合体、ポリエチレンワックスなどのポリオレ
フィン系重合体、ポリリン酸エステル系化合物、繰返単
位数が2〜20であるビスフェノールA型カーボネート
オリゴマーおよび(または)テトラブロモビスフェノー
ルA型カーボネートオリゴマーなどがあげられる。それ
らは置換基を有していてもよい。
【0073】分散安定化剤(B)の前記具体例のうちで
も好ましいものとしては、シリコーン系界面活性剤やシ
リコーン系樹脂改質剤などのポリシロキサン鎖を主鎖と
する化合物、ポリエチレングリコールなどのポリエーテ
ル鎖を主鎖とする化合物、および繰返単位数が2〜20
であるビスフェノールA型カーボネートオリゴマーおよ
び(または)テトラブロモビスフェノールA型カーボネ
ートオリゴマーがあげられる。
【0074】シリコーン系界面活性剤は疎水基であるジ
メチルシリコーンと親水基であるポリエーテルで構成さ
れた非イオン系の界面活性剤であり、種々の粘土複合体
(A)と組み合わせることが可能であり、汎用性、微分
散化効果、取扱性の点から好ましく使用できる。
【0075】シリコーン系樹脂改質剤は、分子量100
〜10000のジメチルシリコーンにエポキシ基、アミ
ノ基、水酸基、フェニル基、カルボキシル基などが結合
したものであり、汎用性、微分散化効果、マトリックス
との親和性の点から好ましく使用できる。
【0076】繰返単位数が2〜20であるビスフェノー
ルA型カーボネートオリゴマーおよび(または)テトラ
ブロモビスフェノールA型カーボネートオリゴマーは、
熱安定性、取扱性の点から好ましく使用できる。
【0077】分散安定化剤(B)は1種で用いてもよく
2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0078】前記分散安定化剤(B)の量は、層状ケイ
酸塩100部に対して、好ましくは0.1〜60部、さ
らに好ましくは0.2〜50部、とくに好ましくは0.
3〜40部である。分散安定化剤(B)の量が0.1部
未満であるとえられる粘土複合体層間化合物(C)の微
分散化効果が充分でなくなる傾向があり、また、60部
をこえるとマトリックスとなる化合物のレオロジー特性
や、熱可塑性樹脂の機械物性や耐熱性を損ねる傾向があ
る。
【0079】本発明の粘土複合体層間化合物(C)の製
法は、スメクタイト族粘土鉱物、バーミキュライト族粘
土鉱物およびカオリン族粘土鉱物よりなる群から選ばれ
た1種以上の層状ケイ酸塩を、水、水と任意の割合で相
溶する極性溶媒、または水と該極性溶媒の混合溶媒に分
散させて該層状ケイ酸塩を膨潤させる工程(膨潤化工
程)、少なくとも1種の官能基を有する表面処理剤の1
種以上を導入して共有結合させることによって粘土複合
体(A)を形成させる工程(官能基導入工程)、および
分散媒中で粘土複合体(A)と分散安定化剤(B)を混
合し、ついで該分散媒を除去する工程(層間化合物化工
程)を包含する方法により製造することができる。
【0080】膨潤化工程は、たとえば、以下に示した方
法で行なわれうる。まず、層状ケイ酸塩を、水、水と任
意の割合で相溶する極性溶媒、または水と該極性溶媒の
混合溶媒に微分散させることによって単位層状態に分離
させる。水、水と任意の割合で相溶する極性溶媒、また
は水と該極性溶媒の混合溶媒中に微分散される層状ケイ
酸塩の固体分散濃度は、層状ケイ酸塩が充分に分散可能
な濃度範囲であるならば自由に設定しうるが、30%以
下、さらには25%以下、とくには20%以下に分散
し、膨潤する。下限はとくに限定されないが、生産性の
点から、0.05%、さらには0.1%が望ましい。
【0081】前記水と任意の割合で相溶する極性溶媒の
例としては、メタノール、エタノールなどのアルコール
類、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの
グリコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケ
トン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどの
エーテル類などがあげられる。
【0082】前記極性溶媒は、単独で用いてもよく2種
以上を組み合わせて用いてもよい。
【0083】層状ケイ酸塩の微分散化を促進させたいば
あいには、剪断力や圧力などの物理的な外力を利用しう
る。物理的な外力は、たとえば一般に行なわれるフィラ
ーの微粉砕方法を用いることによって加えることができ
る。
【0084】一般的なフィラーの微粉砕方法としては、
たとえば、硬質粒子を利用する方法があげられる。この
方法では、硬質粒子と層状ケイ酸塩と分散媒とを混合し
て高速撹拌し、硬質粒子と層状ケイ酸塩との物理的な衝
突によって、層状ケイ酸塩を単位層状態にまで分離させ
る。通常用いられる硬質粒子はフィラー粉砕用ビーズで
あり、たとえばガラスビーズまたはジルコニアビーズな
どが用いられるが、これらに限定されない。これら粉砕
用ビーズは、層状ケイ酸塩の硬度または撹拌機の材質を
考慮して選択され、その粒径も層状ケイ酸塩の劈開性な
どを考慮して決定されるために一概に数値で限定される
ものではないが、直径0.1〜6.0mmの範囲にある
ものが好ましい。ここで用いる溶媒にもとくに限定はな
いが、層状ケイ酸塩を表面処理するために好ましい溶
媒、たとえば水系溶媒が好ましい。
【0085】官能基導入工程では、前記の膨潤化工程で
膨潤化した層状ケイ酸塩と水、水と任意の割合で相溶す
る極性溶媒、または水と該極性溶媒の混合溶媒とからな
る分散体に、表面処理剤を添加して撹拌し、膨潤化した
層状ケイ酸塩の表面に共有結合により導入する。表面処
理剤をより効率的に共有結合させたいばあいは、撹拌の
回転数を1000rpm以上にするか、あるいは500
-1以上の剪断速度を加える。回転数の上限値は250
00rpmであり、剪断速度の上限値は500000s
-1である。上限値よりも大きい値で撹拌を行なっても効
果はそれ以上変わらない傾向があるため、上限値よりも
大きい値で撹拌を行なう必要はない。
【0086】官能基導入工程は、シングルステップまた
はマルチステップで、たとえば以下に示した方法で行な
われる。
【0087】シングルステップのばあい、前記の表面処
理剤が層状ケイ酸塩の表面に存在する水酸基との反応に
より共有結合を形成することによって、層状ケイ酸塩の
表面に少なくとも1種の官能基を有する表面処理剤が導
入される。
【0088】前記のごときシングルステップの他、マル
チステップでも行なうことができる。マルチステップの
ばあい、第1ステップでは、たとえばシラン系表面処理
剤の加水分解性基と層状ケイ酸塩の水酸基とを反応さ
せ、第2ステップでは、たとえばシラン系表面処理剤の
反応性の置換基を有する炭化水素基と新たに添加した化
合物(表面処理剤に限らない)とを反応させる。この第
2ステップによって、導入された基の鎖長を長くした
り、極性を変えることも可能である。第2ステップで添
加する化合物としては、表面処理剤に限定されることは
なく、目的に応じて任意の化合物が用いられうる。たと
えば、エポキシ基含有化合物、アミノ基含有化合物、カ
ルボキシル基含有化合物、酸無水物基含有化合物、およ
び水酸基含有化合物などがあげられる。
【0089】膨潤化工程で水、極性溶媒、または水と極
性溶媒の混合溶媒を分散媒として使用したばあいには、
そこでえられる分散体を、表面処理剤との反応系として
そのまま使用しうる。また、膨潤化工程で物理的な外力
を使用したばあいには、えられる層状ケイ酸塩を水、極
性溶媒、または水と極性溶媒の混合溶媒中に分散させて
分散体を調製し、表面処理剤と反応させうる。前記のよ
うにしてえられた粘土複合体(A)を単離して、乾燥
し、必要に応じて粉砕する。反応は室温で充分に進行す
るが、必要に応じて加温してもよい。加温時の最高温度
は、用いる表面処理剤の官能基の耐熱性に支配され、そ
の分解温度未満であれば任意に設定されうる。
【0090】粘土複合体(A)の層表面に共有結合によ
り導入された官能基種、あるいは複数種の官能基が共有
結合により導入されているばあいの比率は、フーリエ変
換(FT)−IRを用いて測定しうる。粘土複合体
(A)が粉体であるばあいには、充分に乾燥した粘土複
合体(A)と粉末状の臭化カリウム(KBr)などのよ
うな窓材料とを、所定の比率で、乳鉢などを用いて充分
に混合し、加圧錠剤化することによって、透過法で測定
しうる。より正確に測定することが所望されるばあい、
または共有結合された官能基量が少ないばあいには、充
分に乾燥した粉末錠の粘土複合体(A)を、そのまま拡
散反射法(DRIFT)で測定するのが望ましい。
【0091】前記層間化合物化工程は、たとえば以下の
方法によって行なわれうる。
【0092】まず、粘土複合体(A)を任意の分散媒中
に分散させ、膨潤させる。ここで用いる分散媒は粘土複
合体(A)を充分に膨潤できればとくに限定されない
が、たとえば、ベンゼンやトルエンおよびキシレンなど
の芳香族炭化水素化合物、テトラヒドロフランやジオキ
サンなどのエーテル類、アセトンやメチルエチルケトン
およびメチルイソブチルケトンなどのケトン類、メタノ
ールやエタノール、プロパノールおよびイソプロパノー
ルなどの低級アルコール類、デカノールやヘキサノール
などの高級アルコール類、四塩化炭素やクロロホルム、
ジクロロメタン、ジクロロエタン、パークロロエチレン
およびクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素化合
物、ジメチルホルムアミドなどのアミド化合物、酢酸エ
チルなどのエステル化合物、その他、フタル酸ジオクチ
ル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ、N−メ
チル−2−ピロリドンなどの溶媒があげられる。これら
の溶媒は、単独または2種以上組み合わせて用いられ
る。ここで膨潤化を促進させたいばあいには、高速撹拌
機などで撹拌する。ついで、粘土複合体(A)が分散し
た分散体に、同分散媒に可溶な分散安定化剤(B)を添
加して溶解し、充分に混合して混合液を調製する。この
際、分散安定化剤(B)が前記分散媒に溶解し難いばあ
いにはつぎのように混合する。まず、粘土複合体(A)
と分散媒とからなる分散体を調製し、別に分散安定化剤
(B)を良溶媒に溶解させて調製した溶液と該分散体と
を充分に混合し、混合液を調製するなどすればよい。前
記粘土複合体(A)が分散した分散体と分散安定化剤
(B)が溶解した溶液とを混合させる比率は、粘土複合
体(A)の分散性と分散安定化剤(B)の溶解性が維持
される範囲で任意に設定しうる。ついで、乾燥または再
沈などによって分散媒および溶媒を除去し、必要に応じ
て粉砕して本発明の粘土複合体層間化合物(C)をうる
ことができる。
【0093】製造時の温度は室温で充分であるが、必要
に応じて加温してもよい。加温時の最高温度は分散安定
化剤(B)の分解温度未満であれば任意に設定しうる。
【0094】粘土複合体層間化合物(C)が生成してい
ることは、小角X線回折法(SAXS)により、(00
1)面の底面間隔の測定から容易に確認しうる。
【0095】粘土複合体(A)の層間に分散安定化剤
(B)が進入し、粘土複合体層間化合物(C)になるこ
とにより底面間隔は初期値に比べて、2倍以上、好まし
くは2.5倍以上、さらに好ましくは3倍以上に拡大す
る。上限は10倍であり、これをこえると粘土複合体
(A)の層間の分散安定化剤(B)が過剰量存在するこ
とになるので、本発明の粘土複合体層間化合物(C)の
取扱性が低下するか、または系のレオロジー特性やマト
リックス化合物が本来有する特性を損ねる傾向にある。
たとえば、層状ケイ酸塩として好適に用いられる天然モ
ンモリロナイトの底面間隔は通常の温度および湿度にお
いて12〜16Åである。これに対して、本発明の粘土
複合体層間化合物(C)の底面間隔は進入する分散安定
化剤(B)の種類に依存するが、いずれのばあいも32
Åより大きい。このように、底面間隔が拡大されている
ことから、粘土複合体層間化合物(C)が生成している
ことが確認される。
【0096】前記のようにしてえられる本発明の粘土複
合体層間化合物(C)は、マトリックスとなる種々の化
合物に対して親和性を有するため、種々のマトリックス
中に良好に分散されうる。したがって、本発明の粘土複
合体層間化合物(C)はマトリックス中においても凝集
することなく、均一に微分散し、少量の添加でもマトリ
ックスに対するすぐれた増粘効果、レオロジー特性など
の変性・改質作用を有する。
【0097】本発明の粘土複合体層間化合物(C)は、
水および有機溶媒から選択される1種以上の溶媒の粘度
を増加させる機能を有し、たとえば、粘土複合体層間化
合物(C)を3.5%の濃度で溶媒に分散させたばあ
い、25℃、6rpmでの見かけ粘度が、初期の溶媒の
値の5倍以上になる。
【0098】前記の有機溶媒としては、たとえばベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素化合物、
テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、ア
セトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン
などのケトン類、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロパノールなどの低級アルコール類、デカノ
ール、ヘキサノールなどの高級アルコール類、四塩化炭
素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、
パークロロエチレン、クロロベンゼンなどのハロゲン化
炭化水素化合物、ジメチルホルムアミドなどのアミド化
合物、酢酸エチルなどのエステル化合物、その他、ヘキ
サン、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、
塩化メチレン、フタル酸ジオクチル、ジメチルスルホキ
シド、メチルセロソルブ、2−ピロリドン、N−メチル
−2−ピロリドンなどの溶媒があげられる。これらの溶
媒は、単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用い
てもよい。
【0099】本発明の粘土複合体層間化合物(C)が種
々の溶媒に対して増粘効果を有するのは、粘土複合体層
間化合物(C)を構成している表面処理剤の官能基、お
よび分散安定化剤がマトリックスとなる種々の溶媒に対
して親和性を有することや種々のマトリックス中に良好
に分散されるためであると考えられる。そのため、マト
リックス中においても凝集することなく、均一微分散
し、少量の添加でもマトリックスに対する優れた増粘効
果、およびレオロジー特性などの変性・改質作用を有す
る。
【0100】したがって、本発明の粘土複合体層間化合
物(C)は、様々な極性を有する種々の溶媒系の増粘剤
またはゲル化剤として各種の用途に使用されうる。この
目的は、粘土複合体層間化合物(C)を任意の溶媒系に
添加し、通常の撹拌などの操作によって分散させること
により容易に達成されうる。あるいは、前述の粘土複合
体層間化合物(C)の製法における層間化合物化工程に
おいて分散媒を除去して粘土複合体層間化合物(C)を
単離することなく、分散媒中で粘土複合体(A)と分散
安定化剤(B)を混合し、所望の溶媒を新たに追加し、
通常の分留操作によって層間化合物化工程で用いた分散
媒を除去することによっても達成されうる。
【0101】粘土複合体層間化合物(C)の分散濃度
は、溶媒に分散しうる濃度であれば多ければ多いほど増
粘効果は高い。具体的な分散濃度は用途によって異なり
うるので、一概には決定できないが、一般には0.01
〜50%、好ましくは0.05〜35%、さらに好まし
くは0.1〜20%の範囲である。
【0102】粘土複合体層間化合物(C)には層空間が
できると考えられる。この層空間を利用して、粘土複合
体層間化合物(C)を有機物貯蔵剤、徐放剤、触媒、吸
着剤、担体、フィラーなどとしても利用することも可能
である。
【0103】本発明の熱可塑性樹脂組成物(E)は、前
記のようにしてえられる粘土複合体層間化合物(C)と
熱可塑性樹脂(D)とを含む組成物である。組成物中に
粘土複合体層間化合物(C)が含まれるため、成形品の
外観を損わず、機械的特性および耐熱変形性などの特性
にすぐれた組成物となる。
【0104】熱可塑性樹脂組成物(E)に用いられる熱
可塑性樹脂(D)としては、任意の熱可塑性樹脂を使用
しうる。熱可塑性樹脂(D)の例としては、たとえば、
熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、エラストマー、ポリオレフィン系樹脂の
他、ビニル系高分子化合物、ポリイミド樹脂、ポリフェ
ニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリ
アセタール、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、フ
ッ素樹脂、ポリオレフィン系共重合体、ゴムなどがあげ
られる。これらの熱可塑性樹脂(D)は1種で用いても
よく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0105】熱可塑性樹脂(D)の中では、熱可塑性ポ
リエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹
脂およびポリオレフィン系樹脂が好ましい。
【0106】前記熱可塑性ポリエステル樹脂としては、
ジカルボン酸化合物および(または)ジカルボン酸のエ
ステル形成性誘導体、およびジオール化合物および(ま
たは)ジオール化合物のエステル形成性誘導体を重合さ
せてなる従来公知の任意のポリエステル樹脂があげられ
る。具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリシクロ
ヘキサン−1,4−ジメチルテレフタレート、ネオペン
チルテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポ
リエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、
ポリヘキサメチレンナフタレートなど、またはこれらの
共重合ポリエステルをあげることができる。これらは単
独で用いてもよく2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0107】前記ポリアミド樹脂としては、とくに限定
されず、公知のポリアミド樹脂を使用でき、具体例とし
ては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリテトラメ
チレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレ
ンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセ
バカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデ
カミド(ナイロン612)、ポリウンデカメチレンアジ
パミド(ナイロン116)、ポリウンデカミド(ナイロ
ン11)、ポリドデカミド(ナイロン12)、ポリトリ
メチルヘキサメチレンテレフタラミド(TMHT)、ポ
リヘキサメチレンテレフタラミド(ナイロン6T)、ポ
リヘキサメチレンイソフタラミド(ナイロン6I)、ポ
リビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド
(ナイロンジメチルPACM12)、ポリメタキシリレ
ンアジパミド(ナイロンMXD6)、ポリウンデカメチ
レンテレフタラミド(ナイロン11T)、ポリウンデカ
メチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ナイロン11T
H)、およびこれらの共重合体をあげることができる。
これらは単独で用いてもよく2種以上組み合わせて用い
てもよい。
【0108】前記ポリカーボネート樹脂としては、2価
フェノール化合物とホスゲン、または2価フェノールと
炭酸ジエステルとの反応によりえられる従来公知の任意
のポリカーボネート樹脂があげられる。具体例として
は、2,2−ビスフェノール(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン型ポリカーボネート樹脂、2,2−ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン型ポリカーボネート、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)シクロヘキサン型ポリカーボネート、4,
4′−ジヒドロキシフェニルエーテル型ポリカーボネー
ト、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド型ポ
リカーボネート、4,4′−ジヒドロキシジフェニルス
ルホン型ポリカーボネート、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)ケトン型ポリカーボネート、1,4−ビス(4−
ジヒドロキシフェニルスルホニル)ベンゼンなどがあげ
られる。これらは単独で用いてもよく2種以上を組み合
わせて用いてもよい。
【0109】前記ポリオレフィン系樹脂としては、とく
に限定はなく、公知のポリオレフィンを使用することが
できる。具体例としては、エチレンを含むα−オレフィ
ンの単独重合体、2種以上のα−オレフィンの共重合体
(ランダム、ブロック、グラフトなど、いずれの共重合
体も含み、これらの混合物であってもよい)、またはオ
レフィン系エラストマーがあげられる。エチレン単独の
重合体としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、高
密度ポリエチレン(HDPE)および線状低密度ポリエ
チレン(LLDPE)などを用いることができる。ポリ
プロピレンとしては、ポリプロピレン単独重合体に限ら
ず、プロピレンとエチレンの共重合体も含む。前記のポ
リエチレンやポリプロピレンはオレフィン系エラストマ
ーを含んでいてもよい。ここで、オレフィン系エラスト
マーとは、エチレンと、1種以上のエチレン以外のα−
オレフィン(たとえば、プロピレン、1−ブテン、1−
ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンなど)との共重合
体を意味し、具体例としては、エチレン−プロピレン共
重合体(EPR)、エチレン−ブテン共重合体(EB
R)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPD
M)などがあげられる。これらは単独で用いてもよく2
種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0110】熱可塑性樹脂(D)の分子量は、成形工程
における成形流動性および最終製品の諸物性を考慮して
選択すればよく、低すぎても高すぎても好ましくない。
最適な分子量は、主として熱可塑性樹脂それぞれの一次
構造で決定されるため、それぞれの熱可塑性樹脂につい
て適した分子量を設定すればよい。
【0111】たとえば、熱可塑性樹脂組成物(E)に好
適に使用される熱可塑性ポリエステル樹脂の分子量は、
フェノール/テトラクロロエタン(5/5重量比)混合
溶媒を用いて、25℃で測定した対数粘度が0.3〜
2.0dl/gのものが望ましい。対数粘度が0.3d
l/g未満のばあい、えられる熱可塑性ポリエステル樹
脂組成物の成形品の機械物性、耐衝撃性が低くなる傾向
にあり、また2.0dl/gより大きいばあい、成形時
の流動性などの加工性に問題が生じやすい傾向にある。
【0112】また、たとえば熱可塑性樹脂組成物(E)
に好適に使用されるポリアミド樹脂の分子量は、98%
濃硫酸を用いて1.0%の濃度で25℃で測定した相対
粘度が1.5〜5.0のものが望ましい。相対粘度が
1.5未満のばあい、えられるポリアミド樹脂組成物の
成形品の機械物性、耐衝撃性が低くなる傾向にあり、ま
た5.0より大きいばあい、成形時の流動性などの加工
性に問題が生じやすい傾向にある。
【0113】また、たとえば熱可塑性樹脂組成物(E)
に好適に使用されるポリカーボネート樹脂の分子量は、
テトラヒドロフラン(THF)溶媒を用いたゲルパーミ
エーションクロマトグラフィ(GPC)測定において、
40℃で測定した重量平均分子量(Mw)が、単分子量
分散ポリスチレン換算で、15000〜80000、好
ましくは30000〜65000である。Mwが150
00未満のばあい、えられるポリカーボネート樹脂組成
物からの成形品の機械物性や耐衝撃性が低くなる傾向に
あり、また80000より大きいばあい、成形時の流動
性などの加工性に問題が生じやすい傾向にある。
【0114】また、たとえば熱可塑性樹脂組成物(E)
に好適に使用されるポリオレフィン系樹脂のうちのポリ
プロピレンの分子量は、230℃、荷重2.16kgで
測定したMI(メルトインデックス)が0.3〜30g
/10分が好ましく、さらには0.5〜15g/10分
が好ましい。MIが30g/10分より大きいと、成形
品の機械物性、耐衝撃性が低くなる傾向にあり、また、
0.3g/10分未満であると成形時の流動性などの加
工性に問題が生じやすい傾向にある。
【0115】熱可塑性樹脂組成物(E)における層状ケ
イ酸塩複合体(C)および熱可塑性樹脂(D)の配合割
合としては、熱可塑性樹脂(D)100部に対して、粘
土複合体層間化合物(C)が0.1〜400部、好まし
くは0.2〜200部、さらに好ましくは0.6〜80
部である。粘土複合体層間化合物(C)が0.1部より
少ないと、機械物性の改善効果がえられない傾向があ
る。また、400部より多いと、成形品の表面外観や、
成形時の流動性が損われる傾向にある。
【0116】熱可塑性樹脂組成物(E)の製造は、粘土
複合体層間化合物(C)と熱可塑性樹脂(D)とを、種
々の一般的な方法、たとえば混練機を用いて溶融混合す
ることによって行なうことができる。
【0117】前記混練機の例としては、1軸押出機、2
軸押出機、バンバリミキサー、ロールなど、系に高い剪
断力を与えうる混練機があげられる。とくにニーディン
グディスク部を有する噛み合い型2軸押出機が好まし
い。
【0118】熱可塑性樹脂組成物(E)の製法におい
て、粘土複合体層間化合物(C)の製造に用いた分散媒
および粘土複合体層間化合物(C)を分散できる溶媒は
通常予め除去してから熱可塑性樹脂組成物(E)の製造
を行なうが、分散媒および溶媒が熱可塑性樹脂の劣化な
どを招かないばあいには、分散媒および溶媒の除去を省
略し、それらを含んだままの粘土複合体層間化合物
(C)を用いると樹脂に対する均一性がよい点から、分
散媒および溶媒を除去しないで熱可塑性樹脂組成物
(E)を製造してもよい。
【0119】熱可塑性樹脂組成物(E)の粘土複合体層
間化合物(C)に由来する無機灰分率は0.1〜60
%、さらには0.2〜50%、とくには0.5〜35%
が好ましい。無機灰分率が0.1%未満であると、機械
物性や耐熱性の改善効果が充分にえられず、60%をこ
えると、成形品の表面外観や加工性が不良になる傾向に
ある。
【0120】熱可塑性樹脂組成物(E)中における粘土
複合体層間化合物(C)の平均層厚は、200Å以下が
好ましく、さらに好ましくは150Åであり、とくに好
ましくは100Å以下である。平均層厚っが200Åよ
り大きいと熱可塑性樹脂組成物(E)の機械的特性やレ
オロジー特性の改善効果がえられ難くなるので好ましく
ない。平均層厚は、透過型電子顕微鏡などを用いて熱可
塑性樹脂組成物(E)の任意の部位における個々の粘土
複合体層間化合物(C)の層厚を測定し、それらを平均
することなどにより求められる。
【0121】熱可塑性樹脂組成物(E)中における粘土
複合体層間化合物(C)の底面間隔は平均して初期の層
状ケイ酸塩の値の3倍以上、好ましくは4倍以上、さら
に好ましくは5倍以上拡大している。底面間隔の拡大が
3倍未満であると熱可塑性樹脂組成物(E)の機械的特
性やレオロジー特性の改善効果がえられ難くなる傾向に
ある。底面間隔は、SAXSを用いて回析ピーク角から
Braggの式を用いて算出することなどにより求めら
れる。
【0122】熱可塑性樹脂組成物(E)の製造は、前記
のように粘土複合体層間化合物(C)および熱可塑性樹
脂(D)を混合することによって行なってもよいが、予
め製造し、単離した粘土複合体層間化合物(C)および
熱可塑性樹脂(D)を構成する重合性モノマーの混合
物、あるいは粘土複合体層間化合物(C)と分散媒から
なる分散体および該重合性モノマーの混合物を調製した
のち、該混合物中で該重合性モノマーを重合させること
によって製造してもよい。
【0123】具体的には、膨潤させた層状ケイ酸塩と1
種以上の表面処理剤を水、水と任意の割合で相溶する極
性溶媒、または水と該極性溶媒との混合溶媒中で反応さ
せ、共有結合することによって粘土複合体(A)を製造
し、えられた粘土複合体(A)と分散媒からなる分散体
に、1種以上の分散安定化剤(B)を溶解させて充分に
撹拌して、粘土複合体層間化合物(C)を製造し、つい
で、分散媒を含有した状態の粘土複合体層間化合物
(C)と重合性モノマーとを混合し、該混合物中の重合
性モノマーを重合させることにより製造される。ここ
で、前記の分散媒および極性溶媒と重合性モノマーと
は、同一であってもよく異っていてもよい。
【0124】熱可塑性樹脂(D)を構成する重合性モノ
マーとしては、以下に示すモノマーがあげられる。
【0125】前記熱可塑性ポリエステル樹脂を構成する
重合性モノマーとしては、たとえば芳香族ジカルボン酸
あるいはそのエステル形成性誘導体を主成分とする酸成
分、およびジオール化合物あるいはそのエステル形成性
誘導体を主成分とするジオール成分があげられる。
【0126】前記酸成分の例としては、たとえばテレフ
タル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,5−ナフ
タレンジカルボン酸、4,4′−ビフェニルジカルボン
酸、4,4′−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,
4′−ジフェニルメタンジカルボン酸、4,4′−ジフ
ェニルスルフォンジカルボン酸、4,4′−ジフェニル
イソプロピリデンジカルボン酸などがあげられ、これら
の置換体や誘導体も好ましく使用しうる。これらは1種
で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0127】前記熱可塑性ポリエステル樹脂の特性を損
わない程度の少量であれば、これらの芳香族ジカルボン
酸とともにアジピン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、
セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸を1種以上混合し
て使用してもよい。
【0128】前記ジオール成分の例としては、たとえば
エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレン
グリコール、ヘキシレングリコール、ネオペンチルグリ
コールなどの脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサン
ジメタノールなどの脂環族ジオール、ビス(4,4′−
ジヒドロキシフェニル)エタンなどの芳香族ジオールが
あげられ、これらの置換体や誘導体も好ましく使用しう
る。これらは1種で用いてもよく2種以上を組み合わせ
て用いてもよい。さらに、ポリエステル樹脂の弾性率を
著しく低下させない程度の少量であるならば、長鎖ジオ
ール、たとえばポリエチレングリコール、ポリテトラメ
チレングリコール、ビスフェノールAのエチレンオキサ
イド付加重合体などに代表されるビスフェノール類のア
ルキレンオキサイド付加重合体などの1種以上を混合し
ても差し支えない。
【0129】前記ポリアミド樹脂のモノマーとしては、
たとえばジアミンとジカルボン酸、ラクタム類、重合可
能なω−アミノ酸類、ジアミンとジカルボン酸とからな
る塩などがあげられる。
【0130】前記ジアミンとしては、一般式(III): H2N−X−NH2 (III) (式中、Xは2価の脂肪族基、2価の脂環式基または2
価の芳香族基であって、これらの基は置換基を有してい
てもよい)で示される化合物が用いられる。この例とし
ては、たとえばトリメチレンジアミン、テトラメチレン
ジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジ
アミン、オクタメチレンジアミン、フェニレンジアミン
類、キシリレンジアミン類、2,2,4−トリメチルヘ
キサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサ
メチレンジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)
メタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシ
ル)メタンなどがあげられるが、これらに限定されるも
のではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を
組み合わせて用いてもよい。
【0131】前記ジカルボン酸としては、一般式(I
V): HOOC−Y−COOH (IV) (式中、Yは2価の脂肪族基、2価の脂環式基、または
2価の芳香族基であって、これらの基は置換基を有して
いてもよい)で示される化合物が用いられる。この例と
しては、たとえばセバシン酸、オクタデカン二酸、スベ
リン酸、グルタル酸、ピメリン酸、アジピン酸などの脂
肪族ジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの
芳香族ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,4−ジカル
ボン酸、シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸などの
脂環式ジカルボン酸などがあげられる。これらは単独で
用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0132】前記ラクタム類の例としては、たとえばブ
チルラクタム、ピバロラクタム、カプロラクタム、カプ
リルラクタム、エナントラクタム、ウンデカノラクタ
ム、ドデカノラクタムなどがあげられる。これらは単独
で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0133】前記重合可能なω−アミノ酸類の例として
は、たとえば6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタ
ン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン
酸、12−アミノドデカン酸などがあげられる。これら
は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いて
もよい。
【0134】また、前記ポリカーボネート樹脂のモノマ
ーとしては、2価フェノール化合物とホスゲンまたは炭
酸ジエステルとがあげられる。
【0135】前記ポリカーボネート樹脂を構成する2価
フェノール化合物としては、たとえば2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン(「ビスフェノール
A」)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,
1−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリ
メチルシロクヘキサン(「ビスフェノールTMC」)、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタ
ン、2,2−ビス(4′−ヒドロキシ−3,5′−ジブ
ロモフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジクロロフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ
−3,5−ジメチルフェニル)メタン、2,2−ビス
(4′−ヒドロキシ−3′,5′−ジメチルフェニル)
プロパン、1,1−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)
−1−フェニルエタン、4,4′−ジヒドロキシジフェ
ニルエーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチ
ルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルフォン、ビス(4−ヒドロキシキ−3,5−ジ
メチルフェニル)スルフォン、4,4′−ジヒドロキシ
ベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スル
フィドなどがあげられる。また、難燃性を高めるため
に、ベンゾトリアゾール基を有する2価フェノールを共
重合させてもよい。これら2価フェノール化合物の置換
体や誘導体もまた使用しうる。これらは1種で用いても
よく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0136】また、前記ポリオレフィン系樹脂のモノマ
ーとしては、たとえばエチレン、プロピレン、ブテン、
イソプレンおよびペンテンなどのオレフィン化合物があ
げられる。これらは1種で用いてもよく2種以上を組み
合わせて用いてもよい。さらに、ポリオレフィン系樹脂
の特性を著しく損わない範囲で、ブタジエン、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、スチレン、アクリル酸、メタクリ
ル酸、t−ブチルアクリルアミド、アクリロニトリル、
ノルボルナジエン、N−ビニルカルバゾール、ビニルピ
リジン、ビニルピロリドン、1−ブテン、イソブテン、
シアン化ビニリデン、4−メチルペンテン、酢酸ビニ
ル、ビニルイソブチルエーテル、メチルビニルケトン、
フェニルビニルケトン、フェニルビニルスルフィド、ア
クロレインなどのビニル化合物を1種以上混合しても差
し支えない。
【0137】前述のごとく、粘土複合体層間化合物
(C)および熱可塑性樹脂(D)を構成する重合性モノ
マーの混合物中において、該重合性モノマーを重合させ
ることによって本発明の熱可塑性樹脂組成物(E)を製
造するばあいには、該熱可塑性樹脂組成物(E)中にお
いて、粘土複合体層間化合物(C)の層厚みを小さくし
たり、底面間隔を拡大しやすい点から好ましい。
【0138】なお、前記方法によって熱可塑性樹脂組成
物(E)を製造する際の条件などは、熱可塑性樹脂
(D)のそれぞれを製造するのと同様の条件で行なえば
よい。また、えられた熱可塑性樹脂組成物(E)におけ
る粘土複合体層間化合物(C)および熱可塑性樹脂
(D)の割合、粘土複合体層間化合物(C)の平均層間
距離、無機灰分率などは、粘土複合体層間化合物(C)
および熱可塑性樹脂(D)を混合機を用いて溶融混合す
るばあいと同じであるので説明は省略する。
【0139】本発明の熱可塑性樹脂組成物(E)には、
目的に応じて、顔料や染料、熱安定剤、酸化防止剤、紫
外線吸収剤、光安定剤、滑剤、可塑剤、難燃剤、帯電防
止剤などの添加剤を添加することができる。
【0140】本発明の熱可塑性樹脂組成物(E)は、射
出成形、熱プレス成形、ブロー成形などに使用でき、ま
た、金型内で反応成形させて成形体をえてもよい。
【0141】本発明の熱可塑性樹脂組成物(E)からの
成形体は、外観にすぐれ、機械物性や耐熱性などにすぐ
れるため、たとえば自動車部品、家庭用電気製品部品、
家庭日用品、包装資材、その他一般工業用資材に好適に
用いられる。
【0142】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらによってなんら限定されるも
のではない。
【0143】なお、実施例および比較例で用いる材料を
以下にまとめて示す。
【0144】層状ケイ酸塩: 秋田県産の未精製のモンモリロナイト(底面間隔13
Å) アメリカ合衆国ジョージア州産の未精製のカオリナイト
(底面間隔7〜10Å)
【0145】表面処理剤:以下に示すシラン系表面処理
剤を精製せずにそのまま用いた。 γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシ
シラン γ−ポリオキシエチレンプロピルトリメトキシシラン N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)アミノ−3−プロピ
ルトリエトキシシランドデシルメチルジエトキシシラン
【0146】分散安定化剤(B):以下に示す化合物を
精製せずにそのまま用いた。 日本ユニカー(株)製のシリコーン化合物L7002、
FZ2123、FZ2110(それぞれポリアルキレン
オキサイド鎖がグラフトされたメチルポリシロキサ
ン)、FZ3707(アミノ基がグラフトされたメチル
ポリシロキサン)、FZ209(フェニル基がグラフト
されたメチルポリシロキサン) 旭電化工業(株)製のアデカプルロニックL−64(ポ
リオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物、L−
64と略す) 日本ユニカー(株)製のNUCシリコーンL−45(ポ
リジメチルシロキサン系化合物、L−45と略す)
【0147】熱可塑性樹脂(D):以下に示す樹脂を精
製せずにそのまま用いた。 鐘紡(株)製、PBK2(ポリエチレンテレフタレート
(PET)樹脂、対数粘度0.63dl/g) 東レ(株)製、アミランCM1026(ナイロン6、相
対粘度3.1) 三菱化学(株)製、ノバレックス7025PJ(ビスフ
ェノールA型ポリカーボネート(PC)樹脂、重量平均
分子量(Mw)45000) 住友化学工業(株)製、H501(ポリプロピレン(P
P)樹脂、MI3.0g/10分)
【0148】また、実施例、比較例および参考例におけ
る評価は下記方法で行なった。
【0149】(FT−IRによる粘土複合体における共
有結合した官能基の同定)粘土複合体をテトラヒドロフ
ラン(THF)に添加し、15分間撹拌して物理的に吸
着している表面処理剤を洗浄した。遠心分離を行ない上
澄みを分離した。この洗浄操作を3回繰り返した。充分
に乾燥した前記の粘土複合体約1mgとKBr粉末約2
00mgとを乳鉢を用いて充分に混合したのち、卓上プ
レスを用いて測定用KBrディスクを作製した。つい
で、赤外分光器を用いて透過法で測定した。検出器はM
CT検出器を用い、分解能4cm-1、スキャン回数10
0回とした。
【0150】(小角X線回折法(SAXS)による底面
間隔)X線発生装置(理学電機(株)製RU−200
B)を用い、ターゲットCuKα線、Niフィルター、
電圧40kV、電流200mA、走査角2θ=0.2〜
16.0°、ステップ角=0.02°の測定条件で、層
状ケイ酸塩、粘土複合体(A)、粘土複合体層間化合物
(C)の底面間隔を測定した。
【0151】また、ペレット化した熱可塑性樹脂組成物
を120℃×4時間真空乾燥させたのち熱プレスを用
い、温度をそれぞれ270℃(PET)、240℃(ナ
イロン6)、280℃(PC)、180℃(PP)、圧
力850kg/cm2の条件で10×100×6mmの
試験片を作製し、えられた試験片のSAXS測定を行な
い、回折ピーク角から、熱可塑性樹脂組成物(E)中の
粘土複合体層間化合物(C)の(001)面の底面間隔
を算出した。
【0152】(透過型電子顕微鏡(TEM)による、粘
土複合体(A)および粘土複合体層間化合物(C)の層
厚の測定)透過型電子顕微鏡(日本電子(株)製のJE
M−1200EX)を用い、加速電圧80kVで測定し
た。粘土複合体(A)および粘土複合体層間化合物
(C)は、凝集しないようにエポキシ化合物中で充分に
撹拌して分散させ、そののち、硬化させる、エポキシ包
埋法にてサンプルを調製した。熱可塑性樹脂組成物
(E)中の粘土複合体(A)および粘土複合体層間化合
物(C)は、成形品から超薄切断を切り出してサンプル
とした。前記のサンプルは酸化ルテニウムで染色した。
【0153】(見かけ粘度)粘土複合体層間化合物
(C)を各種有機溶媒に分散させた粘土複合体層間化合
物(C)分散体の25℃での見かけ粘度を、東京精機
(株)製のB型粘度計を用いて測定した。分散体の粘度
に応じて、ローターはNo.1、No.2、No.3ま
たはBLアダプターを使用した。
【0154】表2に記載の有機溶媒400mlに、粘土
複合体層間化合物(C)を、分散濃度が3.5%となる
ように添加し、5000rpmで15分間撹拌して粘土
複合体層間化合物(C)分散体を調製した。えられた分
散体を500mlのマヨネーズ瓶に移し換え、3時間静
置したのち、ローターを標線まで入れ、ローター回転数
6rpmでの見かけ粘度を測定した。
【0155】(粘土複合体層間化合物(C)の無機灰分
率)熱可塑性樹脂組成物における粘土複合体層間化合物
(C)に由来する無機灰分率は、JIS K 7052
に準じて測定した。
【0156】(HDT)ペレット化した熱可塑性樹脂組
成物を120℃×4時間真空乾燥させたのち、熱プレス
を用い、温度をそれぞれ270℃(PET)、240℃
(ナイロン6)、280℃(PC)、180℃(P
P)、圧力850kg/cm2の条件で10×100×
6mmの試験片を作製し、えられた試験片のHDTをA
STM D−648にしたがって測定した。
【0157】(曲げ弾性率)HDTのばあいと同様にし
て作製した試験片の曲げ弾性率をASTM D−790
にしたがって測定した。
【0158】(成形品の表面性)光沢性および色調を目
視で観察し、下記基準で評価した。
【0159】 ◎:光沢があり、色調に斑がない。 ○:失透しているか、または色調が不均一である。 ×:失透し、かつ色調が不均一である。
【0160】(対数粘度)ペレット状の熱可塑性ポリエ
ステル樹脂組成物を140℃×4時間で乾燥させたの
ち、約100mgを精秤して、フェノール/1,1,
2,2−テトラクロロエタン=5/5(重量比)混合溶
媒20mlを加えて120℃で溶解させた。ウベローデ
型粘度計を用い、自動粘度測定装置(ラウダ社製ビスコ
タイマー)を用いて25℃で溶液粘度の測定を行ない、
式(I): ηinh={ln(t/t0)}/C (I) (式中、tは溶液の値、t0は混合溶媒の値、Cは濃度
(g/dl))から対数粘度(ηinh)を求めた。
【0161】(相対粘度)JIS K 6810にした
がい測定した。
【0162】ペレット状のポリアミド樹脂組成物を12
0℃×4時間で真空乾燥させた。約250mgを精秤し
て、98%濃硫酸25mlを加えて室温で溶解させた。
ウベローデ型粘度計を用い、自動粘度測定装置(ラウダ
社製ビスコタイマー)を用いて25℃で測定を行ない、
式(II): ηr=t/t0 (II) (式中、tは溶液の値、t0は濃硫酸のみの値)から相
対粘度(ηr)を求めた。
【0163】(重量平均分子量)ペレット状のポリカー
ボネート樹脂組成物を140℃×4時間で乾燥させたの
ち、約5mgを精秤して、テトラヒドロフラン(TH
F)6.0gを加えて溶解させた。0.5μフィルター
で濾過したのち、カラム温度40℃、流量1ml/分の
測定条件でウォーターズ社製ゲルパーミエーションクロ
マトグラフィ(GPC)測定装置を用いて、単分子量分
散ポリスチレン換算で重量平均分子量(Mw)を測定し
た。
【0164】製造例1 純水3.5リットルに140gのモンモリロナイトを高
速撹拌機を用いて分散させた。そののち、γ−(2−ア
ミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン14g
を簡易ピペットで徐々に滴下し、5000rpmで2時
間撹拌を続けた。濾過し、乾燥・粉砕して粘土複合体a
をえた。えられた粘土複合体aの底面間隔は37Åであ
った。
【0165】なお、粘土複合体aをFT−IRにより測
定した結果、1級アミノ基、2級アミノ基、エチレン基
に由来する吸収帯が観測された。
【0166】製造例2 純水3.5リットルに140gのモンモリロナイトを高
速撹拌機を用いて分散させた。でそののち、塩酸でpH
4に調整した水で加水分解したγ−ポリオキシエチレン
プロピルトリメトキシシラン14gを簡易ピペットを用
いて徐々に滴下し、剪断速度4000s-1で撹拌を3時
間続けた。濾過し、乾燥・粉砕して粘土複合体bをえ
た。えられた粘土複合体bの底面間隔は39Åであっ
た。
【0167】なお、粘土複合体bをFT−IRにより測
定した結果、エーテル基とエチレン基に由来する吸収帯
が観測された。
【0168】製造例3 純水3.5リットルに140gのモンモリロナイトを高
速撹拌機を用いて分散させた。そののち、塩酸でpH4
に調整したエタノール/水(3/7重量比)混合溶媒で
加水分解したN,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)アミ
ノ−3−プロピルトリエトキシシラン14gを簡易ピペ
ットを用いて徐々に滴下し、5000rpmで3時間撹
拌を続けた。濾過し、乾燥・粉砕して粘土複合体cをえ
た。えられた粘土複合体cの底面間隔は31Åであっ
た。
【0169】なお、粘土複合体cをFT−IRにより測
定した結果、3級アミノ基とエチレンに由来する吸収帯
が観測された。
【0170】製造例4 純水3.5リットルに140gのモンモリロナイトを高
速撹拌機を用いて分散させた。そののち、pH3.5に
調整したエタノール/水(9/1重量比)混合溶媒で加
水分解したドデシルメチルジエトキシシラン14gを簡
易ピペットを用いて徐々に滴下し、剪断速度6000s
-1で撹拌を3時間続けた。濾過し、乾燥・粉砕して粘土
複合体dをえた。えられた粘土複合体dの底面間隔は2
3Åであった。
【0171】なお、粘土複合体dをFT−IRにより測
定した結果、メチル基とエチレンに由来する吸収帯が観
測された。
【0172】製造例5 純水0.5リットルに140gのカオリナイト、平均粒
径0.8mmの球状ガラスビーズ2000gを入れ、5
000rpm、10分間高速撹拌した。そののち、さら
に純水3リットルを添加し、ガラスビーズを除去した。
そののち、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルト
リメトキシシラン14gを簡易ピペットを用いて徐々に
滴下し、そのまま撹拌を3時間続けた。濾過し、乾燥さ
せて粘土複合体eをえた。えられた粘土複合体eの底面
間隔は25Åであった。
【0173】なお、粘土複合体eをFT−IRにより測
定した結果、1、2級アミノ基とエチレン基に由来する
吸収帯が観測された。
【0174】実施例1〜17 表1に記載の粘土複合体(A)25gを表1に記載の分
散媒500gに添加して充分に分散させた。ついで分散
安定化剤(B)2.5gを添加し、撹拌して充分に混合
した。
【0175】そののち、分散媒を除去して乾燥し、粉砕
して、粘土複合体層間化合物(C)をえ、底面間隔を測
定した。
【0176】また、えられた粘土複合体層間化合物
(C)12.5gを表2に記載の溶媒340gに添加
し、粘土複合体層間化合物(C)と溶媒とからなる分散
体を調製し、25℃での該分散体における粘土複合体層
間化合物(C)の底面間隔および見かけ粘度を測定し
た。結果を表2に示す。
【0177】比較例1〜15 製造例で用いたモンモリロナイトと表2に記載の分散媒
とを高速撹拌機を用いて充分に撹拌することによってモ
ンモリロナイト分散体を調製した。該分散体におけるモ
ンモリロナイトの底面間隔および該分散体の見かけ粘度
を、実施例と同様にして測定した。結果を表2に示す。
【0178】
【表1】
【0179】
【表2】
【0180】実施例18〜28 実施例1〜17と同様の方法で粘土複合体層間化合物
(C)を製造した。なお、粘土複合体(A)の種類およ
び分散安定化剤(B)の組み合わせ、粘土複合体(A)
100部に対する分散安定化剤(B)の使用量および調
製時の溶媒は表3に示す。
【0181】PBK2(PET)100部と、表3に示
した量の粘土複合体層間化合物(C)とをニーディング
ディスク部を有する同方向噛み合い型2軸押出機を用い
て、回転数100回転、溶融混練温度270℃で溶融混
練し、熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を製造し、評価
した。結果を表3に示す。
【0182】比較例16〜19 実施例18〜28で使用した粘土複合体層間化合物
(C)のかわりに、表3に示した層状ケイ酸塩を表3に
記載の量使用したほかは実施例18〜28と同様にして
組成物を製造し、評価した。結果を表3に示す。
【0183】参考例1 PBK2(PET)のみを用いて評価した。結果を表3
に示す。
【0184】
【表3】
【0185】実施例29〜31 実施例1〜17と同様の方法で粘土複合体層間化合物
(C)を製造した。なお、粘土複合体(A)の種類およ
び分散安定化剤(B)の組み合わせ、粘土複合体(A)
100部に対する分散安定化剤(B)の使用量および調
製時の溶媒は表4に示す。
【0186】アミランCM 1026(ナイロン6)1
00部と、表4に示した量の粘土複合体層間化合物
(C)とを実施例18〜28と同様にして溶融混練(た
だし、溶融混練温度は250℃)し、熱可塑性ポリアミ
ド樹脂組成物を製造し、評価した。結果を表4に示す。
【0187】比較例20〜21 実施例29〜31で使用した粘土複合体層間化合物
(C)のかわりに表4に示した層状ケイ酸塩を6.0部
使用したほかは実施例29〜31と同様にして組成物を
製造し、評価した。結果を表4に示す。
【0188】参考例2 アミランCM 1026(ナイロン6)のみを用いて評
価した。結果を表4に示す。
【0189】
【表4】
【0190】実施例32〜33 実施例1〜17と同様の方法で粘土複合体層間化合物
(C)を製造した。なお、粘土複合体(A)の種類およ
び分散安定化剤(B)の組み合わせ、粘土複合体(A)
100部に対する分散安定化剤(B)の使用量および調
製時の溶媒は表5に示す。
【0191】ノバレックス7025PJ(ポリカーボネ
ート樹脂)100部と、表5に示した量の粘土複合体層
間化合物(C)とを実施例18〜28と同様にして溶融
混練(ただし、溶融混練温度は280℃)し、熱可塑性
ポリカーボネート樹脂組成物を製造し、評価した。結果
を表5に示す。
【0192】比較例22 実施例32〜33で使用した粘土複合体層間化合物
(C)のかわりに表4に示した層状ケイ酸塩を6.0部
使用したほかは実施例32〜33と同様にして組成物を
製造し、評価した。結果を表5に示す。
【0193】参考例3 ノバレックス7025PJ(ポリカーボネート樹脂)の
みを用いて評価した。結果を表5に示す。
【0194】
【表5】
【0195】実施例34 実施例1〜17と同様の方法で粘土複合体層間化合物
(C)を製造した。なお、粘土複合体(A)の種類およ
び分散安定化剤(B)の組み合わせ、粘土複合体(A)
100部に対する分散安定化剤(B)の使用量および調
製時の溶媒は表6に示す。
【0196】H501(ポリプロピレン樹脂)100部
と、表6に示した量の粘土複合体層間化合物(C)とを
実施例18〜28と同様にして溶融混練(ただし、溶融
混練温度は170℃)し、ポリプロピレン樹脂組成物を
製造し、評価した。結果を表6に示す。
【0197】比較例23 実施例34で使用した粘土複合体層間化合物(C)のか
わりに表6に示した層状ケイ酸塩を6.0部使用したほ
かは実施例34と同様にして組成物を製造し、評価し
た。結果を表6に示す。
【0198】参考例4 H501(ポリプロピレン樹脂)のみを用いて評価し
た。結果を表6に示す。
【0199】
【表6】
【0200】
【発明の効果】本発明の粘土複合体層間化合物(C)
は、層状ケイ酸塩の表面に少なくとも1種の官能基を有
する表面処理剤が共有結合してえられる平均層厚200
Å以下の粘土複合体(A)の層間に挟まれる分散安定化
剤(B)を選択することによって底面間隔が拡大し、種
々の水系溶媒マトリックスとの親和性を高めることがで
きる。また、少量の添加によっても種々のマトリックス
に所望のレオロジー特性を与えることができる。
【0201】また、本発明の粘土複合体層間化合物
(C)は、各種溶媒と親和性を有し、容易に微分散し、
少量の添加でもすぐれたレオロジー改質効果を有するた
め、粘性調整が必要な化粧品、医薬品、衛生剤、接着
剤、塗料、塗料原料、各種プラスチック製品、繊維工業
などの各種製品または工業プロセスにおいて、粘度調整
剤、分散剤、乳化剤、粘結剤などの組成物として用いる
ことができ、極めて有用である。本発明の粘土複合体層
間化合物(C)は粘土複合体(A)およびシリコーン系
化合物などの一般に使用される化合物から容易にうるこ
とができる。
【0202】さらに、粘土複合体層間化合物(C)と熱
可塑性樹脂(D)とを含有する本発明の組成物(E)に
することによって、粘土複合体層間化合物(C)を熱可
塑性樹脂マトリックス中にnmレベルで微分散させるこ
とができ、その結果、弾性率などの機械特性、熱変形温
度などの耐熱性および成形品外観などの特性にすぐれた
熱可塑性樹脂組成物を製造することができる。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スメクタイト族粘土鉱物、バーミキュラ
    イト族粘土鉱物およびカオリン族粘土鉱物よりなる群か
    ら選ばれた1種以上の層状ケイ酸塩に、官能基を有する
    表面処理剤が共有結合することによりなり、かつ平均層
    厚が200Å以下である粘土複合体(A)、および分散
    安定化剤(B)からなり、分散安定化剤(B)が、粘土
    複合体(A)に挟まれて存在することを特徴とする粘土
    複合体層間化合物(C)。
  2. 【請求項2】 スメクタイト族粘土鉱物、バーミキュラ
    イト族粘土鉱物およびカオリン族粘土鉱物よりなる群か
    ら選ばれた1種以上の層状ケイ酸塩の表面に、官能基を
    有する表面処理剤が共有結合することにより底面間隔が
    拡大された粘土複合体(A)、および分散安定化剤
    (B)からなり、分散安定化剤(B)が、粘土複合体
    (A)に挟まれて存在することを特徴とする粘土複合体
    層間化合物(C)。
  3. 【請求項3】 請求項1および2に記載の粘土複合体層
    間化合物(C)の混合物。
  4. 【請求項4】 分散安定化剤(B)が、ポリシロキサン
    鎖を主鎖とする化合物およびポリエーテル鎖を主鎖とす
    る化合物よりなる群から選ばれた1種以上である請求項
    1、2または3記載の粘土複合体層間化合物(C)。
  5. 【請求項5】 前記表面処理剤が、シラン系表面処理
    剤、チタネート系表面処理剤およびアルミナ系表面処理
    剤よりなる群から選ばれた1種以上である請求項1、
    2、3または4記載の粘土複合体層間化合物(C)。
  6. 【請求項6】 前記表面処理剤が、一般式(I): YnSiX4-n (I) (式中、Xは加水分解性基または水酸基、Xが複数個存
    在するばあい、それらは互いに異なっていてもよい、Y
    は置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素
    基であり、該置換基としては、エポキシ基、アミノ基、
    アミド基、カルボキシル基、メルカプト基、水酸基、ハ
    ロゲン原子、炭素数2〜8のアシルオキシ基、カルボキ
    シル基が炭素数1〜10のアルキルアルコールでエステ
    ル化された基、水酸基が炭素数1〜10のアルキルアル
    コールでエーテル化された基よりなる群から選ばれた1
    種以上であり、Yが複数個存在するばあい、それらは互
    いに異なっていてもよい、nは0〜3の整数である)で
    表わされるシラン系表面処理剤である請求項1、2、
    3、4または5記載の粘土複合体層間化合物(C)。
  7. 【請求項7】 底面間隔が初期値の2倍以上である請求
    項1、2、3、4、5または6記載の粘土複合体層間化
    合物(C)。
  8. 【請求項8】 水および有機溶媒よりなる群から選ばれ
    た1種以上の溶媒の粘度を増加させる機能を有する粘土
    複合体層間化合物(C)であって、粘土複合体層間化合
    物(C)を3.5重量%の濃度で分散させたばあい、2
    5℃、6rpmでの見かけ粘度が、初期の溶媒の値の5
    倍以上になる請求項1、2、3、4、5、6または7記
    載の粘土複合体層間化合物(C)。
  9. 【請求項9】 スメクタイト族、バーミキュライト族お
    よびカオリン族粘土鉱物よりなる群から選ばれた1種以
    上の層状ケイ酸塩と、水または水と任意の割合で相溶す
    る極性溶媒または水と該極性溶媒からなる混合溶媒とを
    混合することにより該層状ケイ酸塩を膨潤させたのち、
    官能基を有する表面処理剤を共有結合することによって
    粘土複合体(A)を形成させ、ついで、えられた粘土複
    合体(A)と分散安定化剤(B)を分散媒中で混合した
    のち、該分散媒を除去することを特徴とする粘土複合体
    層間化合物(C)の製法。
  10. 【請求項10】 層状ケイ酸塩に表面処理剤を共有結合
    させる際に、1000rpm以上で撹拌する請求項9記
    載の粘土複合体層間化合物(C)の製法。
  11. 【請求項11】 層状ケイ酸塩に表面処理剤を共有結合
    させる際に、剪断速度500s-1以上で撹拌する請求項
    9記載の粘土複合体層間化合物(C)の製法。
  12. 【請求項12】 分散安定化剤(B)が、ポリシロキサ
    ン鎖を主鎖とする化合物およびポリエーテル鎖を主鎖と
    する化合物よりなる群から選ばれた1種以上である請求
    項9、10または11記載の粘土複合体層間化合物
    (C)の製法。
  13. 【請求項13】 前記表面処理剤が、シラン系表面処理
    剤、チタネート系表面処理剤およびアルミナ系表面処理
    剤よりなる群から選ばれた1種以上である請求項9、1
    0、11または12記載の粘土複合体層間化合物(C)
    の製法。
  14. 【請求項14】 前記表面処理剤が、一般式(I): YnSiX4-n (I) (式中、Xは加水分解性基または水酸基、Xが複数個存
    在するばあい、それらは互いに異なっていてもよい、Y
    は置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素
    基であり、該置換基としては、エポキシ基、アミノ基、
    アミド基、カルボキシル基、メルカプト基、水酸基、ハ
    ロゲン原子、炭素数2〜8のアシルオキシ基、カルボキ
    シル基が炭素数1〜10のアルキルアルコールでエステ
    ル化された基、水酸基が炭素数1〜10のアルキルアル
    コールでエーテル化された基よりなる群から選ばれた1
    種以上であり、Yが複数個存在するばあい、それらは互
    いに異なっていてもよい、nは0〜3の整数である)で
    表わされるシラン系表面処理剤である請求項9、10、
    11、12または13記載の粘土複合体層間化合物
    (C)の製法。
  15. 【請求項15】 請求項1、2、3、4、5、6、7ま
    たは8記載の粘土複合体層間化合物(C)および熱可塑
    性樹脂(D)からなる熱可塑性樹脂組成物(E)。
  16. 【請求項16】 灰分率が0.1〜60重量%である請
    求項15記載の熱可塑性樹脂組成物(E)。
  17. 【請求項17】 粘土複合体層間化合物(C)の平均層
    厚が200Å以下である請求項15または16記載の熱
    可塑性樹脂組成物(E)。
  18. 【請求項18】 粘土複合体層間化合物(C)の底面間
    隔が、平均して初期値の3倍以上である請求項15、1
    6または17記載の熱可塑性樹脂組成物(E)。
  19. 【請求項19】 請求項15、16、17または18記
    載の熱可塑性樹脂組成物(E)を製造する方法であっ
    て、請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の
    粘土複合体層間化合物(C)および(または)粘土複合
    体層間化合物(C)を含有する分散体と、熱可塑性樹脂
    (D)の重合性モノマーとの混合物を調製する工程、お
    よび該混合物中で該重合性モノマーを重合する工程を包
    含する方法。
  20. 【請求項20】 請求項15、16、17または18記
    載の熱可塑性樹脂組成物(E)を製造する方法であっ
    て、請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の
    粘土複合体層間化合物(C)および(または)粘土複合
    体層間化合物(C)を含有する分散体と、熱可塑性樹脂
    (D)を、混練機を用いて溶融混合する方法。
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