JP4786830B2 - 強化ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性ポリエステル樹脂、繊維状充填材およびポリエーテル化合物で処理された層状化合物を含有する強化ポリエステル樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性ポリエステル樹脂の弾性率や荷重たわみ温度を改善し、かつ反りを低減して寸法安定性を改善するために、従来から種々の対策が提案されてきた。そのような技術として、たとえば、▲1▼ポリエチレンテレフタレートとガラス繊維に非繊維状無機物を加える技術(特開昭54−74852号公報)、▲2▼ポリブチレンテレフタレートとガラス繊維と破砕鉱物繊維を組み合わせる技術(特開昭61−254655号公報)、▲3▼ポリエチレンテレフタレートとガラス繊維とマイカを組み合わせる技術(特開昭62−59661号公報)など、ガラス繊維と他の無機充填材を組み合わせる方法があげられる。しかし、前記従来技術のように、補強効果と寸法安定化効果を得るためにガラス繊維と無機充填材の添加量を増やすと、比重の上昇、成形品表面外観の悪化、強度の低下などが起こる。またガラス繊維と無機充填剤の何れか一方の添加量が不充分であると、補強効果と寸法安定性のバランスがとれないなど、別の問題が生じていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記課題を解決するものであり、非常に微細な無機充填剤としてのポリエーテル化合物で処理された層状化合物、および従来に比べて少量の繊維状充填材を併用することによって、比重の上昇、表面外観の悪化を引き起こすことなく、成形品の反りなどを低減して寸法安定性に優れる強化ポリエステル樹脂組成物を提供するものである。さらに、弾性率や荷重たわみ温度に優れる強化ポリエステル樹脂組成物を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に至った。
【0005】
すなわち、本発明は、熱可塑性ポリエステル樹脂、繊維状充填材およびポリエーテル化合物で処理された層状化合物を含有する強化ポリエステル樹脂組成物であって、層状化合物が下記(a)〜(c)のうち少なくとも一の条件を満たす、強化ポリエステル樹脂組成物に関する。
(a)前記樹脂組成物中の層状化合物のうち、等価面積円直径[D]が3000Å以下である層状化合物の比率が20%以上であること
(b)前記樹脂組成物中の層状化合物の等価面積円直径[D]の平均値が、5000Å以下であること
(c)前記樹脂組成物の面積100μm2中に存在する単位比率当たりの層状化合物の粒子数[N]が、30以上であること
前記層状化合物がさらに下記(d)〜(f)のうち少なくとも一の条件を満たすことが好ましい。
(d)前記樹脂組成物中の層状化合物の平均層厚が500Å以下であること
(e)前記樹脂組成物中の層状化合物の最大層厚が2000Å以下であること
(f)前記樹脂組成物中の層状化合物の平均アスペクト比(層長さ/層厚)が10〜300であること
前記ポリエーテル化合物がさらに下記(g)および(h)のうち少なくとも一の条件を満たすことが好ましい。
(g)環状炭化水素基を有すること
(h)水酸基価が30mgKOH/g以下であること
前記環状炭化水素基が芳香族炭化水素基であることが好ましい。
【0006】
前記ポリエーテル化合物が、主鎖中に下記一般式(1):
【0007】
【化2】
Figure 0004786830
【0008】
(式中、−A−は、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−、炭素数1〜20のアルキレン基、または炭素数6〜20のアルキリデン基であり、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、およびR8は、いずれも水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1〜5の1価の炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
で表わされる単位を有することが好ましい。
【0009】
前記層状化合物が層状ケイ酸塩であることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられる熱可塑性ポリエステル樹脂とは、カルボン酸化合物および/またはジカルボン酸のエステル形成性誘導体、およびジオール化合物および/またはジオール化合物のエステル形成性誘導体からなる従来公知の任意の熱可塑性ポリエステル樹脂であり、具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサン−1,4−ジメチルテレフタレート、ネオペンチルテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリヘキサメチレンナフタレートなど、またはこれらの共重合ポリエステルをあげることができる。それらは単独、または2種以上組み合わせて使用してもよい。なかでも、入手が容易である点でポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートが好ましい。
【0011】
熱可塑性ポリエステル樹脂の分子量は、フェノール/テトラクロロエタン(5/5重量比)混合溶媒を用いて、25℃で測定した対数粘度が0.3〜2.0(dl/g)のものが好ましい。より好ましくは0.3〜1.8(dl/g)、さらに好ましくは0.3〜1.5(dl/g)、とくに好ましくは0.3〜1.2(dl/g)である。対数粘度が0.3(dl/g)より小さいと、得られる強化ポリエステル樹脂組成物の機械的特性や耐衝撃性が低くなる傾向にある。また、2.0(dl/g)をこえると、溶融粘度が高いために成形流動性が低下する傾向にある。
【0012】
本発明で用いられる繊維状充填材はとくに限定されることはなく、通常一般に用いられる繊維状物が使用され得る。繊維状充填材の具体例としては、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維、炭化珪素繊維、アルミナ繊維およびボロン繊維の他、炭化ケイ素ウィスカー、チッ化ケイ素ウィスカー、酸化マグネシウムウィスカー、チタン酸カリウムウィスカーおよびアルミノボレートウィスカーなどのウィスカー類、ウォラストナイト、ゾノトライト、PMF、石膏繊維、ドーソナイト、MOS、ホスフェートファイバーおよびセピオライトなどの針状結晶物があげられる。
【0013】
機械的特性や耐熱性の改善効果および入手の容易さなどを考慮すると、繊維状充填材の好ましい具体例としては、ガラス繊維、カーボン繊維、チタン酸カリウムウィスカー、チッ化ケイ素ウィスカー、アラミド繊維、アルミナ繊維であり、より好ましくは、ガラス繊維およびカーボン繊維である。
【0014】
本発明で用いられる繊維状充填材の形状はとくに限定されないが、繊維径があまり小さすぎると、その製造が困難となる傾向にある。繊維径があまり大きすぎると、得られる成形品の機械物性等が低下する傾向にある。また、アスペクト比(繊維長さ/繊維径)があまり小さすぎると、補強効果が小さくなる傾向にある。アスペクト比があまり大きすぎると、成形品の外観を損なったり寸法精度が低下する傾向がある。したがって、繊維状充填材の形状は、たとえば、ガラス繊維およびカーボン繊維の場合は、繊維径2〜20μmであることが好ましい。より好ましくは3〜18μm、さらに好ましくは4〜15μmである。繊維径が2μmより小さいとその製造が困難となる傾向にある。繊維径が20μmをこえると、得られる成形品の表面性や機械物性等が低下する傾向にある。また、成形体中においてアスペクト比は、好ましくは2〜70である。より好ましくは3〜60、さらに好ましくは5〜50である。アスペクト比が2より小さいと、弾性率や熱変形温度の改善効果が小さくなる傾向にある。また、アスペクト比が70をこえると、成形品の外観を損なったり寸法精度が低下する傾向にある。ここで、繊維状充填材のアスペクト比とは、本発明の強化ポリエステル樹脂組成物中の繊維状充填材の繊維長を、繊維径で除した値である。本明細書において繊維長とは、本発明の強化ポリエステル樹脂組成物中に分散している個々の繊維状充填材の長さの数平均値を意図する。繊維長および繊維径の測定は、顕微鏡などで撮影した写真像上において、100個以上の繊維状充填材を含む任意の領域を選択し、画像処理装置などを用いて像を画像化し計算機処理する方法や、写真から直接測り取る方法などにより定量化できる。
【0015】
本発明の強化ポリエステル樹脂組成物において、熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対して、繊維状充填材の添加量の上限値は30重量部であることが好ましい。より好ましくは25重量部、さらに好ましくは20重量部、とくに好ましくは15重量部である。上限値が30重量部をこえると、寸法精度の低下、表面外観の低下を招く傾向にある。繊維状充填材の添加量の下限値は、熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対して0.5重量部であることが好ましい。より好ましくは1.0重量部、さらに好ましくは1.5重量部である。添加量が0.5重量部より少ないと機械的特性や耐熱性の改善効果が得られ難くなる傾向にある。
【0016】
本発明で用いられる層状化合物とは、ケイ酸塩、リン酸ジルコニウムなどのリン酸塩、チタン酸カリウムなどのチタン酸塩、タングステン酸ナトリウムなどのタングステン酸塩、ウラン酸ナトリウムなどのウラン酸塩、バナジン酸カリウムなどのバナジン酸塩、モリブデン酸マグネシウムなどのモリブデン酸塩、ニオブ酸カリウムなどのニオブ酸塩、黒鉛からなる群より選択される1種以上である。なかでも入手の容易性、取扱い性等の点から層状ケイ酸塩が好ましく用いられる。
【0017】
前記層状ケイ酸塩とは、主として酸化ケイ素の四面体シートと、主として金属水酸化物の八面体シートから形成され、たとえば、スメクタイト族粘土および膨潤性雲母などがあげられる。
【0018】
前記スメクタイト族粘土は下記一般式(2):
1 0.2 0.61 2 31 410(OH)2・nH2O (2)
(式中、X1はK、Na、1/2Ca、および1/2Mgからなる群より選ばれる1種以上であり、Y1はMg、Fe、Mn、Ni、Zn、Li、Al、およびCrからなる群より選ばれる1種以上であり、Z1はSi、およびAlからなる群より選ばれる1種以上である。なお、H2Oは層間イオンと結合している水分子を表わすが、nは層間イオンおよび相対湿度に応じて著しく変動する)で表わされる、天然または合成されたものである。該スメクタイト族粘土の具体例としては、たとえば、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、鉄サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイトおよびベントナイトなど、またはこれらの置換体、誘導体、あるいはこれらの混合物があげられる。前記スメクタイト族粘土の初期の凝集状態における底面間隔は約10〜17Åであり、凝集状態でのスメクタイト族粘土の平均粒径はおおよそ1000Å〜1000000Åである。
【0019】
また、前記膨潤性雲母は下記一般式(3):
2 0.5 1.02 2 3(Z2 410)(F、OH)2 (3)
(式中、X2はLi、Na、K、Rb、Ca、Ba、およびSrからなる群より選ばれる1種以上であり、Y2はMg、Fe、Ni、Mn、Al、およびLiからなる群より選ばれる1種以上であり、Z2はSi、Ge、Al、Fe、およびBからなる群より選ばれる1種以上である。)で表わされる、天然または合成されたものである。これらは、水、水と任意の割合で相溶する極性溶媒、および水と該極性溶媒の混合溶媒中で膨潤する性質を有する物であり、たとえば、リチウム型テニオライト、ナトリウム型テニオライト、リチウム型四ケイ素雲母、およびナトリウム型四ケイ素雲母など、またはこれらの置換体、誘導体、あるいはこれらの混合物があげられる。前記膨潤性雲母の初期の凝集状態における底面間隔はおおよそ10〜17Åであり、凝集状態での膨潤性雲母の平均粒径は約1000〜1000000Åである。
【0020】
前記膨潤性雲母の中にはバーミキュライト類と似通った構造を有するものもあり、このようなバーミキュライト類相当品なども使用し得る。該バーミキュライト類相当品には3八面体型と2八面体型があり、下記一般式(4):
(Mg,Fe,Al)2 3(Si4-xAlx)O10(OH)2・(M+,M2+ 1/2x・nH2O (4)
(式中、MはNaおよびMgなどのアルカリまたはアルカリ土類金属の交換性陽イオン、x=0.6〜0.9、n=3.5〜5である)で表わされるものがあげられる。前記バーミキュライト相当品の初期の凝集状態における底面間隔はおおよそ10〜17Åであり、凝集状態での平均粒径は約1000〜5000000Åである。
【0021】
層状ケイ酸塩の結晶構造は、c軸方向に規則正しく積み重なった純粋度が高いものが望ましいが、結晶周期が乱れ、複数種の結晶構造が混じり合った、いわゆる混合層鉱物も使用され得る。
【0022】
前記層状ケイ酸塩は単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて使用してもよい。なかでも、モンモリロナイト、ベントナイト、ヘクトライトおよび層間にナトリウムイオンを有する膨潤性雲母が、得られる強化ポリエステル樹脂組成物中での分散性および強化ポリエステル樹脂組成物の物性改善効果の点から好ましい。
【0023】
本発明の強化ポリエステル樹脂組成物中で分散している層状化合物の構造は、使用前の層状化合物が有していたような、層が多数積層したμmサイズの凝集構造とは全く異なる。すなわち、ポリエーテル化合物で処理されることによって、層同士が劈開し、互いに独立して細分化する。その結果、層状化合物は強化ポリエステル樹脂組成物中で非常に細かく互いに独立した薄板状で分散し、その数は、使用前の層状化合物に比べて著しく増大する。このような薄板状の層状化合物の分散状態は以下に述べる等価面積円直径[D]、アスペクト比(層長さ/層厚の比率)、分散粒子数[N]、最大層厚および平均層厚で表現され得る。
【0024】
まず、等価面積円直径[D]を、顕微鏡などで得られる像内でさまざまな形状で分散している個々の層状化合物の該顕微鏡像上での面積と等しい面積を有する円の直径であると定義する。(a)強化ポリエステル樹脂組成物中に分散した層状化合物のうち、等価面積円直径[D]が3000Å以下である層状化合物の数の比率は層状化合物全体の数の20%以上である。好ましくは35%以上、さらに好ましくは50%以上、とくに好ましくは65%以上である。等価面積円直径[D]が3000Å以下である層状化合物数の比率が20%より小さいと、強化ポリエステル樹脂組成物の機械的特性や反りの改良効果が充分でなくなる。
【0025】
また、(b)本発明の強化ポリエステル樹脂組成物中の層状化合物の等価面積円直径[D]の平均値は5000Å以下である。好ましくは4500Å以下、さらに好ましくは4000Å以下、とくに好ましくは3500Å以下である。等価面積円直径[D]の平均値が5000Åより大きいと、強化ポリエステル樹脂組成物の機械的特性や反りの改良効果が充分でなくなり、また成形品の表面外観も損なわれる。下限値はとくに限定されないが、100Åより小さくしても効果はほとんど変わらなくなるので、100Å未満にする必要はない。
【0026】
ここで、等価面積円直径[D]の測定は、顕微鏡などを用いて撮影した像上で、100個以上の層状化合物の層を含む任意の領域を選択し、画像処理装置などを用いて画像化して計算機処理することによって定量化できる。
【0027】
また、(c)強化ポリエステル樹脂組成物の面積100μm2における、層状化合物の単位重量比率当たりの分散粒子数[N]値は、30以上である。好ましくは45以上、より好ましくは60以上である。上限値はとくに限定されないが、[N]値が1000をこえても、それ以上効果は変わらなくなるので、1000より大きくする必要はない。
【0028】
[N]値は、たとえば、つぎのようにして求められ得る。すなわち、強化ポリエステル樹脂組成物を約50μm〜100μm厚の超薄切片に切り出す。該切片をTEMなどで撮影した像上で、面積が100μm2の任意の領域に存在する層状化合物の粒子数を、用いた層状化合物の重量比率で除すことによって求められ得る。あるいは、TEM像上で、100個以上の粒子が存在する任意の領域(面積は測定しておく)を選んで該領域に存在する粒子数を、用いた層状化合物の重量比率で除し、面積100μm2に換算した値を[N]値としてもよい。このように[N]値は強化ポリエステル樹脂組成物のTEM写真などを用いることにより定量化できる。
【0029】
本発明の強化ポリエステル樹脂組成物は、前記(a)〜(c)のうち少なくとも一の条件を満たしている。したがって、前記樹脂組成物中の層状化合物は、微細な薄板状で均一に分散されており、寸法安定性、機械的特性に優れた樹脂組成物を得ることができる。
【0030】
さらに、(d)平均層厚を、薄板状で分散した層状化合物の層厚みの数平均値であると定義すると、本発明の強化ポリエステル樹脂組成物中の層状化合物の平均層厚は500Å以下であることが好ましい。より好ましくは、450Å以下、さらに好ましくは400Å以下である。平均層厚が500Åより大きいと、本発明の強化ポリエステル樹脂組成物の機械的特性などの改良効果が充分に得られない傾向にある。平均層厚の下限値はとくに限定されないが、50Åより大きいことが好ましい。より好ましくは60Å以上、さらに好ましくは70Å以上である。
【0031】
また、(e)最大層厚を、本発明の強化ポリエステル樹脂組成物中に薄板状に分散した層状化合物の層厚みの最大値と定義すると、層状化合物の最大層厚は、2000Å以下であることが好ましい。より好ましくは1800Å以下、さらに好ましくは1500Å以下である。最大層厚が2000Åより大きいと、本発明の強化ポリエステル樹脂組成物の機械的特性、表面外観のバランスが損なわれる傾向にある。層状化合物の最大層厚の下限値はとくに限定されないが、100Åより大きいことが好ましい。より好ましくは150Å以上、さらに好ましくは200Å以上である。
【0032】
また、(f)樹脂中に分散した層状化合物の(層長さ/層厚)の数平均値である平均アスペクト比は、10〜300であることが好ましい。より好ましくは15〜300、さらに好ましくは20〜300である。層状化合物の平均アスペクト比が10より小さいと、本発明の強化ポリエステル樹脂組成物の機械的特性などの改善効果が充分に得られない傾向にある。また、平均アスペクト比が300をこえても効果はそれ以上変わらない傾向にあるため、平均アスペクト比を300より大きくする必要はない。
【0033】
層厚および層長さは、本発明の強化ポリエステル樹脂組成物を加熱溶融した後に、熱プレス成形あるいは延伸成形して得られるフィルム、および溶融樹脂を射出成形して得られる薄肉の成形品などを、顕微鏡などを用いて撮影される像から求めることができる。すなわち、いま仮に、X−Y面上に前記方法で調製したフィルムの、あるいは肉厚が約0.5〜2mm程度の薄い平板状の射出成形した試験片を置いたと仮定する。前記フィルムあるいは試験片をX−Z面あるいはY−Z面と平行な面で約50μm〜100μm厚の超薄切片を切り出し、該切片を透過型電子顕微鏡などを用い、約4〜10万倍以上の高倍率で観察して求められ得る。測定は、前記方法で得られた透過型電子顕微鏡の象上に置いて、100個以上の層状化合物を含む任意の領域を選択し、画像処理装置などで画像化し、計算機処理することなどにより定量化できる。あるいは、定規などを用いて計測しても求めることもできる。
【0034】
本発明の強化ポリエステル樹脂組成物は、前記(d)〜(f)のうち少なくとも一の条件をさらに満たしていることが好ましい。これにより、前記樹脂組成物中の層状化合物は、さらに微細な薄板状で均一に分散することができ、寸法安定性、機械的特性、表面外観に優れた樹脂組成物を得ることができる。
【0035】
前記、層状化合物の処理に使用されるポリエーテル化合物は、(g)環状炭化水素基を有すること、および(h)水酸基価が30mgKOH/g以下であることのうちの少なくとも1の条件を満たすことが好ましい。この条件が満足されるかぎり、とくに限定されず、たとえば、主鎖がポリオキシエチレンやポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体などのようなポリオキシアルキレンであり、繰り返し単位数が2〜100程度のものがあげられる。
【0036】
前記(g)の環状炭化水素基を有するポリエーテル化合物とは、ポリオキシエチレンやポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体などのようなポリオキシアルキレン化合物の側鎖および/または主鎖中に環状炭化水素基を有する物を意図する。具体的には、主鎖にビスフェノールA単位を含有するポリエチレングリコール、主鎖にビスフェノールA単位を含有するポリプロピレングリコールなどがあげられる。前記ポリエーテル化合物が環状炭化水素基を有することで、ポリエステル樹脂への微分散効果が向上する傾向にある。また熱安定性も向上する。前記環状炭化水素基とは、芳香族炭化水素基および/または脂環式炭化水素基を意味し、たとえば、フェニル基、ナフチル基、シクロアルキル基などがあげられる。本明細書において、「フェニル基」という場合は、とくに指示がない限り「フェニレン基」などの多価の環状炭化水素基を包含することを意図する。同様にナフチル基およびシクロアルキル基は、それぞれナフチレン基およびシクロアルキレン基などを包含する。環状炭化水素基の中では芳香族炭化水素基が、熱安定性、層状化合物の分散性の点から好ましい。
【0037】
また、前記(h)の水酸基価が30mgKOH/g以下であるポリエーテル化合物としては、アルコキシ基などで末端封止したポリエチレングリコールなどがあげられる。前記ポリエーテル化合物の水酸基価は、30mgKOH/g以下であることが好ましい。より好ましくは28mgKOH/g以下、さらに好ましくは25mgKOH/g以下、とくに好ましくは23mgKOH/g以下、もっとも好ましくは20mgKOH/g以下である。水酸基価が30mgKOH/gより大きいと熱可塑性ポリエステル樹脂の分子量が低下する傾向にあり、結果として樹脂組成物の強度や靭性が低下する傾向にある。
【0038】
前記水酸基価の測定方法はとくに限定されず、任意の方法を行ない得る。そのような例として、たとえば、本発明で用いられるポリエーテル化合物1gを、塩化アセチル、無水酢酸、氷酢酸などでアセチル化する。ついで、水酸化ナトリウムなどのアルカリ化合物で加水分解、すなわちケン化し、それによって生じる酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数を水酸基価という。
【0039】
前記ポリエーテル化合物の中で、主鎖中に下記一般式(1):
【0040】
【化3】
Figure 0004786830
【0041】
式中、−A−は、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−、炭素数1〜20のアルキレン基、または炭素数6〜20のアルキリデン基であり、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、およびR8は、いずれも水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1〜5の1価の炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
で表わされる単位を有するものが熱安定性、層状化合物の分散性の点から好ましく用いられ得る。前記−A−は、−C(CH32−、−CH2−が、入手が容易である点から好ましい。また、前記R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、およびR8は、それぞれ水素原子、メチル基、エチル基から選ばれる基であることが、入手が容易である点から好ましい。
【0042】
さらに、下記一般式(5):
【0043】
【化4】
Figure 0004786830
【0044】
(式中、−A−は、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−、炭素数1〜20のアルキレン基、または炭素数6〜20のアルキリデン基であり、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、およびR8は、いずれも水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1〜5の1価の炭化水素基であり、R9、R10はいずれも炭素数1〜5の2価の炭化水素基であり、R11、R12はいずれも水素原子、炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。mおよびnはオキシアルキレン単位の繰り返し単位数を示し、2≦m+n≦50である。)
で表わされるものが熱安定性、層状化合物の分散性、入手の容易さの点からとくに好ましく用いられ得る。前記−A−は、−C(CH32−、−CH2−が、入手が容易である点から好ましい。また、前記R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、およびR8は、それぞれ水素原子、メチル基、エチル基から選ばれる基であることが、入手が容易である点から好ましい。前記R9、R10は、エチレン基および/またはプロピレン基であることが、入手が容易である点から好ましい。前記R11、R12は、水素原子、メチル基、エチル基から選ばれる基であることが、入手が容易である点から好ましい。前記m+nは、2≦m+n≦50であることが好ましい。より好ましくは、m+nが2≦m+n≦30である。m+nが2より小さいと、樹脂中での層状化合物の分散性が損なわれる傾向にある。m+nが50をこえると、熱に対する安定性が低下する傾向にある。また前記mは、1〜15であることが、入手が容易である点、層状化合物の分散性、熱安定性の点から好ましい。前記nは、1〜15であることが、入手が容易である点、層状化合物の分散性、熱安定性の点から好ましい。
【0045】
前記ポリエーテル化合物には、熱可塑性ポリエステル樹脂や層状化合物に悪影響を与えない限り、アルコキシシリル基やシラノール基など、Si−O−Si結合を形成し得るケイ素を含有する官能基以外の官能基を有していてもよい。前記置換基の例としては、飽和または不飽和の一価または多価の脂肪族炭化水素基、エステル結合で結合している基、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、末端にカルボニル基を有する基、アミド基、メルカプト基、スルホニル結合で結合している基、スルフィニル結合で結合している基、ニトロ基、ニトロソ基、ニトリル基、ハロゲン原子および水酸基などがあげられる。これらのうちの1種で置換されていてもよく、2種以上で置換されていてもよい。
【0046】
ポリエーテル化合物中の置換基の組成比はとくに制限されるものではないが、ポリエーテル化合物が、水または水を含有する極性溶媒に可溶であることが望ましい。具体的には、室温の水100gに対する溶解度が1g以上であることが好ましい。より好ましくは2g以上、さらに好ましくは5g以上、とくに好ましくは10g以上、もっとも好ましくは20g以上である。
【0047】
ポリエーテル化合物の使用量は、層状化合物と熱可塑性ポリエステル樹脂との親和性、強化ポリエステル樹脂組成物中での層状化合物の分散性が充分に高まるように調製し得る。必要であるならば、異種の官能基を有する複数種のポリエーテル化合物を併用し得る。したがって、ポリエーテル化合物の使用量は一概に数値で限定されるものではないが、層状化合物100重量部に対するポリエーテル化合物の配合量の下限値は、0.1重量部であることが好ましい。より好ましくは0.2重量部、さらに好ましくは0.3重量部、とくに好ましくは0.4重量部、もっとも好ましくは0.5重量部である。層状化合物100重量部に対するポリエーテル化合物の配合量の上限値は、200重量部であることが好ましい。より好ましくは180重量部、さらに好ましくは160重量部、とくに好ましくは140重量部、もっとも好ましくは120重量部である。ポリエーテル化合物量の下限値が0.1重量部より小さいと、層状化合物の微分散化効果が充分でなくなる傾向がある。また、ポリエーテル化合物量の200重量部をこえても、層状化合物の微分散効果は変わらない傾向にあるので、200重量部より多く使用する必要はない。
【0048】
本発明において、ポリエーテル化合物で層状化合物を処理する方法はとくに限定されない。たとえば、以下に示した方法で行ない得る。
【0049】
まず、層状化合物と分散媒を撹拌混合する。前記分散媒とは、水または水を含有する極性溶媒などがあげられる。なかでも、水が、分散媒を乾燥する工程において処理が容易である点で好ましい。前記極性溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、エチレングリコール、プロプレングリコール、1,4−ブタンジオールなどのグリコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、ジメチルホルムアミドなどのアミド化合物、その他の溶媒であるジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ、2−ピロリドンなどがあげられる。
【0050】
前記層状化合物と分散媒との攪拌の方法はとくに限定されず、たとえば、従来公知の湿式撹拌機を用いて行なわれる。前記湿式撹拌機としては、撹拌翼が高速回転して撹拌する高速撹拌機、高剪断速度がかかっているローターとステーター間の間隙で試料を湿式粉砕する湿式ミル類、硬質媒体を利用した機械的湿式粉砕機類、ジェットノズルなどで試料を高速度で衝突させる湿式衝突粉砕機類、超音波を用いる湿式超音波粉砕機などをあげることができる。なかでも、湿式ミルが好ましい。より効率的に混合したい場合は、撹拌の回転数を1000rpm以上、好ましくは1500rpm以上、より好ましくは2000rpm以上とする。回転数の上限値は25000rpmである。回転数が25000rpmをこえても攪拌の効果は変わらない傾向にある。あるいは剪断速度を500(1/s)以上、好ましくは1000(1/s)以上、より好ましくは1500(1/s)以上とすることにより効率的に混合することもできる。剪断速度の上限値は約500000(1/s)である。剪断速度が500000(1/s)をこえても、それ以上攪拌の効果は変わらない傾向にあるため、上限値よりも大きい値で撹拌を行なう必要はない。また、混合に要する時間は1〜10分以上である。ついで、前記ポリエーテル化合物を加えて、さらに5〜60分間撹拌を続け、充分に混合する。そののち、乾燥して必要に応じて粉体化する。また別の方法としてはスプレーして乾燥する方法も好ましく用いられる。
【0051】
本発明の強化ポリエステル樹脂組成物において、熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対するポリエーテル化合物で処理された層状化合物の配合量の下限値は、0.1重量部であることが好ましい。より好ましくは0.3重量部、さらに好ましくは0.5重量部、とくに好ましくは1.0重量部、もっとも好ましくは1.5重量部である。熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対するポリエーテル化合物で処理された層状化合物配合量の上限値は、150重量部であることが好ましい。より好ましくは100重量部、さらに好ましくは70重量部、とくに好ましくは50重量部、もっとも好ましくは30重量部である。熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対するポリエーテル化合物で処理された層状化合物の配合量の下限値が、0.1重量部より小さいと機械的特性、反りの改善効果が不充分となる傾向にある。熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対するポリエーテル化合物で処理された層状化合物配合量の上限値が、150重量部をこえると成形体の表面外観などが損なわれる傾向にある。
【0052】
また、層状化合物に由来する強化ポリエステル樹脂組成物の灰分率の下限値は、0.1重量%であることが好ましい。より好ましくは0.3重量%、さらに好ましくは0.5重量%、とくに好ましくは1.0重量%、もっとも好ましくは1.5重量%である。前記灰分率の上限値は、60重量%であることが好ましい。より好ましくは50重量%、さらに好ましくは40重量%、とくに好ましくは30重量%、もっとも好ましくは20重量%である。灰分率の下限値が0.1重量%より小さいと機械的特性、反りの改善効果が不充分となる傾向にある。灰分率の上限値が60重量%をこえると成形体の表面外観などが損なわれる傾向にある。
【0053】
本発明の強化ポリエステル樹脂組成物の製造方法はとくに制限されるものではない。たとえば、熱可塑性ポリエステル樹脂と繊維状強化材およびポリエーテル化合物で処理した層状化合物とを、種々の一般的な混練機を用いて溶融混練する方法をあげることができる。混練機の例としては、一軸押出機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどがあげられ、とくに、剪断効率の高い混練機が好ましい。前記熱可塑性ポリエステル樹脂とポリエーテル化合物で処理した層状化合物とは、前記混練機に一括投入して溶融混練してもよいし、あるいは予め溶融状態にした熱可塑性ポリエステル樹脂に層状化合物を添加して溶融混練してもよい。
【0054】
本発明の強化ポリエステル樹脂組成物には、必要に応じて、ポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共重合体、アクリルゴム、アイオノマー、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、天然ゴム、塩素化ブチルゴム、α−オレフィンの単独重合体、2種以上のα−オレフィンの共重合体(ランダム、ブロック、グラフトなど、いずれの共重合体も含み、これらの混合物であってもよい)、またはオレフィン系エラストマーなどの耐衝撃性改良剤を添加することができる。これらは無水マレイン酸などの酸化合物、またはグリシジルメタクリレートなどのエポキシ化合物で変性されていてもよい。また、機械的特性、成形性などの特性を損なわない範囲で、他の任意の樹脂、たとえば、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム質重合体強化スチレン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリサルフォン樹脂、およびポリアリレート樹脂などを単独または2種以上組み合わせて使用し得る。
【0055】
さらに、本発明の強化ポリエステル樹脂組成物には、目的に応じて、顔料や染料、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、可塑剤、難燃剤、および帯電防止剤などの添加剤を添加することができる。本発明の強化ポリエステル樹脂組成物は、射出成形や熱プレス成形で成形してもよく、ブロー成形にも使用できる。そのような成形品は寸法精度、機械的特性および耐熱性などに優れるため、たとえば、自動車部品、家庭用電気製品部品、精密機械部品、家庭日用品、容器資材、その他一般工業用資材に好適に用いられる。
【0056】
【実施例】
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
【0057】
実施例、および比較例で使用する主要原料を以下にまとめて示す。なお、とくに断らない場合は、原料の精製は行なっていない。
【0058】
(原料)
・熱可塑性ポリエステル樹脂
ポリエチレンテレフタレート樹脂(鐘紡(株)のベルペットEFG70、フェノール/テトラクロロエタン(5/5重量比)混合溶媒を用いて25℃で測定した対数粘度0.73(dl/g)、以下、ポリエステルA−1と称す)
・繊維状充填材
日本電気硝子(株)製のガラス繊維(T−195H、繊維径約11μm、以下、繊維状充填材B−1と称す)
・層状化合物
モンモリロナイト(クニミネ工業(株)のクニピアF、以下、層状化合物C−1と称す)、
膨潤性雲母(コープケミカル(株)のソマシフME100およびME100F、以下、それぞれ層状化合物C−2およびC−3と称す)、
天然タルク(日本タルク(株)のミクロエースK−1)
・ポリエーテル化合物
主鎖にビスフェノールA単位を含有するポリエチレングリコール(東邦化学(株)製ビスオール18EN、水酸基価=110mgKOH/g、m=9、n=9、以下、ポリエーテル化合物D−1と称す)、
日本油脂(株)製ユニオックスMM500(水酸基価=2.8mgKOH/g、メトキシ基を有する、以下、ポリエーテル化合物D−3と称す)
また、実施例および比較例における評価方法を以下にまとめて示す。
【0059】
(灰分率)
JIS K 7052に準じて測定した。
【0060】
(分散状態の測定)
厚み50〜100μmの樹脂組成物超薄切片を用いた。透過型電子顕微鏡(日本電子JEM−1200EX)を用い、加速電圧80kVで倍率4万〜100万倍で層状化合物など補強材の分散状態を観察撮影した。TEM写真において、100個以上の分散粒子が存在する任意の領域を選択し、層厚、層長、粒子数([N]値)、等価面積円直径[D]を、目盛り付きの定規を用いた手計測またはインタークエスト社の画像解析装置PIASIIIを用いて処理することにより測定した。
【0061】
等価面積円直径[D]はインタークエスト社の画像解析装置PIASIIIを用いて処理することにより測定した。[N]値の測定は以下のようにして行なった。まず、TEM像上で、選択した領域に存在する層状化合物の粒子数を求める。これとは別に、層状化合物に由来する樹脂組成物の灰分率を前記方法により測定する。前記粒子数を前記灰分率で除し、面積100μm2に換算した値を[N]値とした。平均層厚は個々の層状化合物の層厚の数平均値、最大層厚は個々の層状化合物の層厚の中で最大の値とした。分散粒子が大きく、TEMでの観察が不適当である場合は、光学顕微鏡(オリンパス光学(株)製の光学顕微鏡BH−2)を用いて前記と同様の方法で[N]値を求めた。ただし、必要に応じて、サンプルはLINKAM製のホットステージTHM600を用いて250〜270℃で溶融させ、溶融状態のままで分散粒子の状態を測定した。平均アスペクト比は個々の層状化合物の層長と層厚の比の数平均値とした。板状に分散しない分散粒子のアスペクト比は、長径/短径の値とした。ここで、長径とは、顕微鏡像等において、対象となる粒子の外接する長方形のうち面積が最小となる長方形を仮定すれば、その長方形の長辺を意図する。また、短径とは、上記最小となる長方形の短辺を意図する。
【0062】
(反り)
本発明の強化ポリエステル樹脂組成物を乾燥(140℃、5時間)した後、金型温度120℃、樹脂温度250〜280℃の条件で、寸法約120×120×1mmの平板状試験片を射出成形した。平面上に前記平板状試験片を置き、試験片の4隅のうちの1カ所を押さえ、残り3隅のうち、平面からの距離が最も大きい値をノギスを用いて測定した。4隅それぞれを押さえ、得られた反り値の平均値を求めた。
【0063】
(曲げ特性)
本発明の強化ポリエステル樹脂組成物を乾燥(140℃、5時間)した後、型締圧75tの射出成形機を用い、樹脂温度250〜270℃で、寸法約10×100×6mmの試験片を射出成形した。ASTM D−790にしたがい、得られた試験片の曲げ弾性率を測定した。曲げ弾性率は値が大きいほど曲げ特性が優れているといえる。
【0064】
製造例1
イオン交換水と層状化合物を湿式ミル機(コロイドミル、日本精機(株)製、回転数3000〜5000rpm、剪断速度2000〜3000(1/s))により5分間攪拌混合した。ついでポリエーテル化合物を添加して15〜30分間混合して処理した。そののち、乾燥し、粉砕により粉体化してポリエーテル化合物で処理した層状化合物(M−1〜M−5)を得た。製造例で用いた原料の重量比を表1に示す。
【0065】
【表1】
Figure 0004786830
【0066】
実施例1〜8
表2に示す重量比のポリエステル樹脂、繊維状充填材および製造例1で得た層状化合物(M−1〜M−5)を二軸押出機(日本製鋼(株)製、TEX44)を用いて溶融混練することにより強化ポリエステル樹脂組成物を得、評価した。結果を表2に示す。なお、得られた組成物中の繊維状充填材のアスペクト比は30〜35であった。
【0067】
比較例1〜2
表2に示す重量比のポリエステル、繊維状充填材、層状化合物を実施例1と同様に溶融混練し、評価した。結果を表2に示す。
【0068】
【表2】
Figure 0004786830
【0069】
表2より、繊維状充填材で弾性率は向上するが反りが大きくなり試験片の形状が著しく不安定になった。反りは、微分散しない層状化合物を加えても解消しなかった。
【0070】
実施例9〜12
表3に示す重量比のポリエステル樹脂、繊維状充填材および製造例1で得た層状化合物(M−2、M−3)を二軸押出機(日本製鋼(株)製、TEX44)を用いて溶融混練することにより強化ポリエステル樹脂組成物を得、評価した。結果を表3に示す。
【0071】
比較例3〜4
表3に示す重量比のポリエステル、繊維状充填材、層状化合物を実施例9と同様に溶融混練し、評価した。結果を表3に示す。
【0072】
【表3】
Figure 0004786830
【0073】
表3より、繊維状充填材で弾性率は向上するが反りが大きくなり試験片の形状が著しく不安定になった。反りは、微分散しない層状化合物を加えても解消しなかった。
【0074】
【発明の効果】
以上詳述したように、熱可塑性ポリエステル樹脂と繊維状充填材に、特定の構造を有するポリエーテル化合物で処理された層状化合物が均一微分散することによって、反りが抑制され形状が安定し、かつ機械的特性に優れる強化ポリエステル樹脂組成物が提供される。

Claims (5)

  1. 熱可塑性ポリエステル樹脂、繊維状充填材およびポリエーテル化合物で処理された層状化合物を含有する強化ポリエステル樹脂組成物であって、層状化合物が下記(a)〜(c)のうち少なくとも一の条件を満たし、
    前記ポリエーテル化合物で処理された層状化合物が、前記熱可塑性ポリエステル樹脂および前記繊維状充填材と溶融混練する前に、層状化合物と分散媒を撹拌混合し、前記ポリエーテル化合物を加えて撹拌、混合したものであり、
    前記ポリエーテル化合物がさらに下記(g)および(h)のうち少なくとも一の条件を満たす、強化ポリエステル樹脂組成物。
    (a)前記樹脂組成物中の層状化合物のうち、等価面積円直径[D]が3000Å以下である層状化合物の比率が20%以上であること
    (b)前記樹脂組成物中の層状化合物の等価面積円直径[D]の平均値が、5000Å以下であること
    (c)前記樹脂組成物の面積100μm2中に存在する単位比率当たりの層状化合物の粒子数[N]が、30以上であること
    (g)環状炭化水素基を有すること
    (h)水酸基価が30mgKOH/g以下であること
  2. 前記層状化合物がさらに下記(d)〜(f)のうち少なくとも一の条件を満たす、請求項1記載の強化ポリエステル樹脂組成物。
    (d)前記樹脂組成物中の層状化合物の平均層厚が500Å以下であること
    (e)前記樹脂組成物中の層状化合物の最大層厚が2000Å以下であること
    (f)前記樹脂組成物中の層状化合物の平均アスペクト比(層長さ/層厚)が10〜300であること
  3. 前記環状炭化水素基が、芳香族炭化水素基である請求項1または2記載の強化ポリエステル樹脂組成物。
  4. 前記ポリエーテル化合物が、主鎖中に下記一般式(1):
    Figure 0004786830
    (式中、−A−は、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−、炭素数1〜20のアルキレン基、または炭素数6〜20のアルキリデン基であり、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、およびR8は、いずれも水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1〜5の1価の炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
    で表わされる単位を有する請求項1または2記載の強化ポリエステル樹脂組成物。
  5. 前記層状化合物が層状ケイ酸塩である、請求項1、2、3または4記載の強化ポリエステル樹脂組成物。
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