JP2000290492A - ポリフェニレンエーテル樹脂組成物および製造方法 - Google Patents
ポリフェニレンエーテル樹脂組成物および製造方法Info
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- JP2000290492A JP2000290492A JP11100222A JP10022299A JP2000290492A JP 2000290492 A JP2000290492 A JP 2000290492A JP 11100222 A JP11100222 A JP 11100222A JP 10022299 A JP10022299 A JP 10022299A JP 2000290492 A JP2000290492 A JP 2000290492A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 表面外観を損なわず異方性や反りを抑え、か
つ機械的特性が改良されたポリフェニレンエーテル樹脂
組成物を提供すること。 【解決手段】 (A)ポリフェニレンエーテル樹脂、及
び(B)アミノ基を少なくとも1個有するアミノ化合物
と膨潤性ケイ酸塩とを分散媒中で混合することによって
調製される粘土層間化合物、を含有するポリフェニレン
エーテル樹脂組成物。
つ機械的特性が改良されたポリフェニレンエーテル樹脂
組成物を提供すること。 【解決手段】 (A)ポリフェニレンエーテル樹脂、及
び(B)アミノ基を少なくとも1個有するアミノ化合物
と膨潤性ケイ酸塩とを分散媒中で混合することによって
調製される粘土層間化合物、を含有するポリフェニレン
エーテル樹脂組成物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリフェニレンエ
ーテル樹脂および粘土層間化合物を含有するポリフェニ
レンエーテル樹脂組成物および該樹脂組成物の製造方法
に関する。
ーテル樹脂および粘土層間化合物を含有するポリフェニ
レンエーテル樹脂組成物および該樹脂組成物の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンエーテル樹脂はガラス転
移温度が約220℃以上あり耐熱性に優れているほか、
耐酸・アルカリ性や耐加水分解性に優れた樹脂として知
られている。中でもスチレン系樹脂で変性されたポリフ
ェニレンエーテル樹脂は、変性ポリフェニレンエーテル
樹脂として、耐熱性、機械的特性、成形性、耐衝撃性、
寸法精度などのバランスに優れた材料として、OA機器
分野、自動車分野、電気・電子分野など、種々の分野で
広く用いられている。特に複写機やファクシミリなどの
OA機器用材料の分野では、高剛性と低異方性が要求さ
れるので、ガラス繊維等の繊維状強化材とタルク、ガラ
スフレーク等の板状フィラーを組み合わせて使用されて
いる。
移温度が約220℃以上あり耐熱性に優れているほか、
耐酸・アルカリ性や耐加水分解性に優れた樹脂として知
られている。中でもスチレン系樹脂で変性されたポリフ
ェニレンエーテル樹脂は、変性ポリフェニレンエーテル
樹脂として、耐熱性、機械的特性、成形性、耐衝撃性、
寸法精度などのバランスに優れた材料として、OA機器
分野、自動車分野、電気・電子分野など、種々の分野で
広く用いられている。特に複写機やファクシミリなどの
OA機器用材料の分野では、高剛性と低異方性が要求さ
れるので、ガラス繊維等の繊維状強化材とタルク、ガラ
スフレーク等の板状フィラーを組み合わせて使用されて
いる。
【0003】繊維状強化材の浮きによって成形品表面の
観は悪くなり易いが、繊維径を小さくすること等により
外観改良が図られている。繊維状強化材が射出成形時に
流動方向へ配向する事によって異方性が高くなりやすい
が、板状フィラーを多量に添加する事によって異方性の
低減を図っている。しかしながらそれらの効果は十分で
はなく問題であった。こうした無機フィラーの配合にお
ける欠点は、一般に、該無機フィラーの分散不良や分散
粒子のサイズが大きすぎることに起因するものと考えら
れている。
観は悪くなり易いが、繊維径を小さくすること等により
外観改良が図られている。繊維状強化材が射出成形時に
流動方向へ配向する事によって異方性が高くなりやすい
が、板状フィラーを多量に添加する事によって異方性の
低減を図っている。しかしながらそれらの効果は十分で
はなく問題であった。こうした無機フィラーの配合にお
ける欠点は、一般に、該無機フィラーの分散不良や分散
粒子のサイズが大きすぎることに起因するものと考えら
れている。
【0004】一方、層状ケイ酸塩の層を劈開し易くする
目的から、(1)ヘキサメチレンジアミン等の低分子化
合物(インターカラントモノマー)を層状ケイ酸塩の層
間にインターカレートして粘土層間化合物とする技術
(特開平9−175816号、欧州特許0780340
号)が開示されている。
目的から、(1)ヘキサメチレンジアミン等の低分子化
合物(インターカラントモノマー)を層状ケイ酸塩の層
間にインターカレートして粘土層間化合物とする技術
(特開平9−175816号、欧州特許0780340
号)が開示されている。
【0005】また、無機フィラーの微分散化技術として
は、(2)熱可塑性樹脂中に平均層厚が25〜1000
Åでアスペクト比が20〜300である層状ケイ酸塩が
分散された樹脂組成物に関する発明(特開平9−124
836号公報)が開示されている。
は、(2)熱可塑性樹脂中に平均層厚が25〜1000
Åでアスペクト比が20〜300である層状ケイ酸塩が
分散された樹脂組成物に関する発明(特開平9−124
836号公報)が開示されている。
【0006】しかし、上記(1)の発明では、粘土層間
化合物は開示されているが、該粘土層間化合物を劈開し
てポリフェニレンエーテル樹脂へ微分散化する技術は開
示されておらず、ポリフェニレンエーテル樹脂中に層状
粒子を微分散させる事は困難であった。
化合物は開示されているが、該粘土層間化合物を劈開し
てポリフェニレンエーテル樹脂へ微分散化する技術は開
示されておらず、ポリフェニレンエーテル樹脂中に層状
粒子を微分散させる事は困難であった。
【0007】また、上記(2)の技術では、層状ケイ酸
塩として膨潤性雲母を用い、水で膨潤化した膨潤性雲母
またはキシレンで膨潤化したアルキルアンモニウム処理
膨潤性雲母をポリブチレンテレフタレート等と2軸押出
して得られる樹脂組成物の技術が開示されている。しか
しながら、上記技術をポリフェニレンエーテル樹脂に直
接適用しても、層状ケイ酸塩は部分的に微分散化されて
はいても不完全でかつ不均一であるため所望の物性を有
するポリフェニレンエーテル樹脂組成物を得ることがで
きない。
塩として膨潤性雲母を用い、水で膨潤化した膨潤性雲母
またはキシレンで膨潤化したアルキルアンモニウム処理
膨潤性雲母をポリブチレンテレフタレート等と2軸押出
して得られる樹脂組成物の技術が開示されている。しか
しながら、上記技術をポリフェニレンエーテル樹脂に直
接適用しても、層状ケイ酸塩は部分的に微分散化されて
はいても不完全でかつ不均一であるため所望の物性を有
するポリフェニレンエーテル樹脂組成物を得ることがで
きない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、層状ケイ酸塩
の層を劈開して微小な薄板状でポリフェニレンエーテル
樹脂中に均一に分散せしめ、表面外観を損なわずに、反
り、異方性、機械的特性が十分に改善されたポリフェニ
レンエーテル樹脂組成物を得る技術は未だ提供されてい
ないのが現状であり、本発明の目的は、このような従来
の問題を解決することにある。
の層を劈開して微小な薄板状でポリフェニレンエーテル
樹脂中に均一に分散せしめ、表面外観を損なわずに、反
り、異方性、機械的特性が十分に改善されたポリフェニ
レンエーテル樹脂組成物を得る技術は未だ提供されてい
ないのが現状であり、本発明の目的は、このような従来
の問題を解決することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、アミノ基を必須官能基とするアミノ化合物お
よび膨潤性ケイ酸塩を混合して粘土層間化合物とし、ポ
リフェニレンエーテル樹脂中に該粘土層間化合物を微小
な薄板状で分散させる事により、上記目的を達成するこ
とができることを見出し、本発明を完成するに至った。
した結果、アミノ基を必須官能基とするアミノ化合物お
よび膨潤性ケイ酸塩を混合して粘土層間化合物とし、ポ
リフェニレンエーテル樹脂中に該粘土層間化合物を微小
な薄板状で分散させる事により、上記目的を達成するこ
とができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明の第1は、(A)ポリフェニ
レンエーテル樹脂、及び(B)アミノ基を少なくとも1
個有するアミノ化合物と膨潤性ケイ酸塩とを分散媒中で
混合することによって調製される粘土層間化合物、を含
有するポリフェニレンエーテル樹脂組成物に関する。
レンエーテル樹脂、及び(B)アミノ基を少なくとも1
個有するアミノ化合物と膨潤性ケイ酸塩とを分散媒中で
混合することによって調製される粘土層間化合物、を含
有するポリフェニレンエーテル樹脂組成物に関する。
【0011】好ましい実施態様としては、(A)ポリフ
ェニレンエーテル樹脂、及び(B)1級、2級および3
級アミノ基からなる群より選択される1種以上のアミノ
基を少なくとも1個有する炭素数1〜25の炭化水素化
合物であるアミノ化合物と、膨潤性ケイ酸塩とを分散媒
中で混合することによって調製される粘土層間化合物、
を含有するポリフェニレンエーテル樹脂組成物に関す
る。
ェニレンエーテル樹脂、及び(B)1級、2級および3
級アミノ基からなる群より選択される1種以上のアミノ
基を少なくとも1個有する炭素数1〜25の炭化水素化
合物であるアミノ化合物と、膨潤性ケイ酸塩とを分散媒
中で混合することによって調製される粘土層間化合物、
を含有するポリフェニレンエーテル樹脂組成物に関す
る。
【0012】更に好ましい実施態様としては、(B)成
分が、1級、2級および3級アミノ基からなる群より選
択される1種以上のアミノ基を少なくとも1個有し、か
つ水酸基、メルカプト基、エーテル基、カルボニル基、
ニトロ基および塩素原子より成る群から選択される1種
以上の置換基を有する炭素数1〜25の炭化水素化合物
であるアミノ化合物と、膨潤性ケイ酸塩とを分散媒中で
混合することによって調製される粘土層間化合物である
ことを特徴とする前記記載のポリフェニレンエーテル樹
脂組成物に関する。
分が、1級、2級および3級アミノ基からなる群より選
択される1種以上のアミノ基を少なくとも1個有し、か
つ水酸基、メルカプト基、エーテル基、カルボニル基、
ニトロ基および塩素原子より成る群から選択される1種
以上の置換基を有する炭素数1〜25の炭化水素化合物
であるアミノ化合物と、膨潤性ケイ酸塩とを分散媒中で
混合することによって調製される粘土層間化合物である
ことを特徴とする前記記載のポリフェニレンエーテル樹
脂組成物に関する。
【0013】更に好ましい実施態様としては、粘土層間
化合物の平均層厚が500Å以下である、前記記載のポ
リフェニレンエーテル樹脂組成物に関する。
化合物の平均層厚が500Å以下である、前記記載のポ
リフェニレンエーテル樹脂組成物に関する。
【0014】更に好ましい実施態様としては、粘土層間
化合物の最大層厚が2000Å以下である、前記記載の
ポリフェニレンエーテル樹脂組成物に関する。
化合物の最大層厚が2000Å以下である、前記記載の
ポリフェニレンエーテル樹脂組成物に関する。
【0015】更に好ましい実施態様としては、樹脂組成
物の面積100μm2中に存在する、粘土層間化合物の
単位比率当たりの粒子数であると定義される、粘土層間
化合物の[N]値が30以上である、前記記載のポリフ
ェニレンエーテル樹脂組成物に関する。
物の面積100μm2中に存在する、粘土層間化合物の
単位比率当たりの粒子数であると定義される、粘土層間
化合物の[N]値が30以上である、前記記載のポリフ
ェニレンエーテル樹脂組成物に関する。
【0016】更に好ましい実施態様としては、粘土層間
化合物の平均アスペクト比(層長さ/層厚の比)が10
〜300である、前記記載のポリフェニレンエーテル樹
脂組成物に関する。
化合物の平均アスペクト比(層長さ/層厚の比)が10
〜300である、前記記載のポリフェニレンエーテル樹
脂組成物に関する。
【0017】本発明の第2は、(A)粘土層間化合物を
調製する工程、(B)粘土層間化合物および下記一般式
(1):
調製する工程、(B)粘土層間化合物および下記一般式
(1):
【0018】
【化2】 (式中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ水素、ハ
ロゲン原子、官能基で置換されていてもよいアルキル
基、官能基で置換されていて良いアラルキル基、官能基
で置換されていても良いアリール基、官能基で置換され
ていてもよいアルコキシ基である)で表されるフェノー
ル性化合物を混合する工程、(C)フェノール性化合物
を重合する工程を包含する、前記いずれか記載のポリフ
ェニレンエーテル樹脂組成物の製造方法に関する。
ロゲン原子、官能基で置換されていてもよいアルキル
基、官能基で置換されていて良いアラルキル基、官能基
で置換されていても良いアリール基、官能基で置換され
ていてもよいアルコキシ基である)で表されるフェノー
ル性化合物を混合する工程、(C)フェノール性化合物
を重合する工程を包含する、前記いずれか記載のポリフ
ェニレンエーテル樹脂組成物の製造方法に関する。
【0019】好ましい実施態様としては、工程(B)
で、フェノール性化合物と混合した後の粘土層間化合物
の底面間隔が、膨潤性ケイ酸塩の底面間隔の3倍以上で
あることを特徴とする、前記記載のポリフェニレンエー
テル樹脂組成物の製造方法に関する。
で、フェノール性化合物と混合した後の粘土層間化合物
の底面間隔が、膨潤性ケイ酸塩の底面間隔の3倍以上で
あることを特徴とする、前記記載のポリフェニレンエー
テル樹脂組成物の製造方法に関する。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるポリフェニレ
ンエーテル樹脂とは、下記一般式(1):
ンエーテル樹脂とは、下記一般式(1):
【0021】
【化3】 (式中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ水素、ハ
ロゲン原子、官能基で置換されていてもよいアルキル
基、官能基で置換されていて良いアラルキル基、官能基
で置換されていても良いアリール基、官能基で置換され
ていてもよいアルコキシ基である)で表される繰り返し
単位からなる単独重合体または共重合体が挙げられる。
ロゲン原子、官能基で置換されていてもよいアルキル
基、官能基で置換されていて良いアラルキル基、官能基
で置換されていても良いアリール基、官能基で置換され
ていてもよいアルコキシ基である)で表される繰り返し
単位からなる単独重合体または共重合体が挙げられる。
【0022】ポリフェニレンエーテル単独重合体の具体
例としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニ
レン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,
4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−
1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6
−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ
(2,6−ジ−n−プロピル−1,4−フェニレン)エ
ーテル、ポリ(2−エチル−6−n−ブチル−1,4−
フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−イソプ
ロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メ
チル−6−クロル−1,4−フェニレン)エーテル、ポ
リ(2−メチル−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェ
ニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−クロロエチ
ル−1,4−フェニレン)エーテル等が挙げられる。
例としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニ
レン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,
4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−
1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6
−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ
(2,6−ジ−n−プロピル−1,4−フェニレン)エ
ーテル、ポリ(2−エチル−6−n−ブチル−1,4−
フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−イソプ
ロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メ
チル−6−クロル−1,4−フェニレン)エーテル、ポ
リ(2−メチル−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェ
ニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−クロロエチ
ル−1,4−フェニレン)エーテル等が挙げられる。
【0023】上記のポリフェニレンエーテル樹脂は単独
で、または組成あるいは成分の異なるもの及び/または
分子量の異なるものを2種以上組み合わせて使用し得
る。
で、または組成あるいは成分の異なるもの及び/または
分子量の異なるものを2種以上組み合わせて使用し得
る。
【0024】本発明で用いられる粘土層間化合物とは、
アミノ基を少なくとも1つ有するアミノ化合物と膨潤性
ケイ酸塩とを分散媒中で混合することにより調製される
ものである。
アミノ基を少なくとも1つ有するアミノ化合物と膨潤性
ケイ酸塩とを分散媒中で混合することにより調製される
ものである。
【0025】上記の膨潤性ケイ酸塩は、主として酸化ケ
イ素の四面体シートと、主として金属水酸化物の八面体
シートから成り、その例としては、例えば、スメクタイ
ト族粘土および膨潤性雲母などが挙げられる。膨潤性ケ
イ酸塩としてスメクタイト族粘土および膨潤性雲母を使
用する場合が、本発明のポリフェニレンエーテル樹脂組
成物中における膨潤性ケイ酸塩の分散性、入手の容易さ
及び樹脂組成物の物性改善の点から好ましい。
イ素の四面体シートと、主として金属水酸化物の八面体
シートから成り、その例としては、例えば、スメクタイ
ト族粘土および膨潤性雲母などが挙げられる。膨潤性ケ
イ酸塩としてスメクタイト族粘土および膨潤性雲母を使
用する場合が、本発明のポリフェニレンエーテル樹脂組
成物中における膨潤性ケイ酸塩の分散性、入手の容易さ
及び樹脂組成物の物性改善の点から好ましい。
【0026】前記のスメクタイト族粘土は下記一般式
(2): X0.2〜0.6Y2〜3Z4O10(OH)2・nH2O (2) (ただし、XはK、Na、1/2Ca、及び1/2Mg
から成る群より選ばれる1種以上であり、YはMg、F
e、Mn、Ni、Zn、Li、Al、及びCrから成る
群より選ばれる1種以上であり、ZはSi、及びAlか
ら成る群より選ばれる1種以上である。尚、H2Oは層
間イオンと結合している水分子を表すが、nは層間イオ
ンおよび相対湿度に応じて著しく変動する)で表され
る、天然または合成されたものである。該スメクタイト
族粘土の具体例としては、例えば、モンモリロナイト、
バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、鉄サポナ
イト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイト及
びベントナイト等、またはこれらの置換体、誘導体、あ
るいはこれらの混合物が挙げられる。前記スメクタイト
族粘土の初期の凝集状態における底面間隔は約10〜1
7Åであり、凝集状態でのスメクタイト族粘土の平均粒
径はおおよそ1000Å〜1000000Åである。
(2): X0.2〜0.6Y2〜3Z4O10(OH)2・nH2O (2) (ただし、XはK、Na、1/2Ca、及び1/2Mg
から成る群より選ばれる1種以上であり、YはMg、F
e、Mn、Ni、Zn、Li、Al、及びCrから成る
群より選ばれる1種以上であり、ZはSi、及びAlか
ら成る群より選ばれる1種以上である。尚、H2Oは層
間イオンと結合している水分子を表すが、nは層間イオ
ンおよび相対湿度に応じて著しく変動する)で表され
る、天然または合成されたものである。該スメクタイト
族粘土の具体例としては、例えば、モンモリロナイト、
バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、鉄サポナ
イト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイト及
びベントナイト等、またはこれらの置換体、誘導体、あ
るいはこれらの混合物が挙げられる。前記スメクタイト
族粘土の初期の凝集状態における底面間隔は約10〜1
7Åであり、凝集状態でのスメクタイト族粘土の平均粒
径はおおよそ1000Å〜1000000Åである。
【0027】また、前記の膨潤性雲母は下記一般式
(3): X0.5〜1.0Y2〜3(Z4O10)(F、OH)2 (3) (ただし、XはLi、Na、K、Rb、Ca、Ba、及
びSrから成る群より選ばれる1種以上であり、YはM
g、Fe、Ni、Mn、Al、及びLiから成る群より
選ばれる1種以上であり、ZはSi、Ge、Al、F
e、及びBから成る群より選ばれる1種以上である。)
で表される、天然または合成されたものである。これら
は、水、水と任意の割合で相溶する極性溶媒、及び水と
該極性溶媒の混合溶媒中で膨潤する性質を有する物であ
り、例えば、リチウム型テニオライト、ナトリウム型テ
ニオライト、リチウム型四ケイ素雲母、及びナトリウム
型四ケイ素雲母等、またはこれらの置換体、誘導体、あ
るいはこれらの混合物が挙げられる。前記膨潤性雲母の
初期の凝集状態における底面間隔はおおよそ10〜17
Åであり、凝集状態での膨潤性雲母の平均粒径は約10
00〜1000000Åである。
(3): X0.5〜1.0Y2〜3(Z4O10)(F、OH)2 (3) (ただし、XはLi、Na、K、Rb、Ca、Ba、及
びSrから成る群より選ばれる1種以上であり、YはM
g、Fe、Ni、Mn、Al、及びLiから成る群より
選ばれる1種以上であり、ZはSi、Ge、Al、F
e、及びBから成る群より選ばれる1種以上である。)
で表される、天然または合成されたものである。これら
は、水、水と任意の割合で相溶する極性溶媒、及び水と
該極性溶媒の混合溶媒中で膨潤する性質を有する物であ
り、例えば、リチウム型テニオライト、ナトリウム型テ
ニオライト、リチウム型四ケイ素雲母、及びナトリウム
型四ケイ素雲母等、またはこれらの置換体、誘導体、あ
るいはこれらの混合物が挙げられる。前記膨潤性雲母の
初期の凝集状態における底面間隔はおおよそ10〜17
Åであり、凝集状態での膨潤性雲母の平均粒径は約10
00〜1000000Åである。
【0028】上記の膨潤性雲母の中にはバーミキュライ
ト類と似通った構造を有するものもあり、この様なバー
ミキュライト類相当品等も使用し得る。該バーミキュラ
イト類相当品には3八面体型と2八面体型があり、下記
一般式(4): (Mg,Fe,Al)2〜3(Si4-xAlx)O10(OH)2・(M+,M2+ 1/2)x・nH2O ( 4) (ただし、MはNa及びMg等のアルカリまたはアルカ
リ土類金属の交換性陽イオン、x=0.6〜0.9、n=
3.5〜5である)で表されるものが挙げられる。前記
バーミキュライト相当品の初期の凝集状態における底面
間隔はおおよそ10〜17Åであり、凝集状態での平均
粒径は約1000〜5000000Åである。
ト類と似通った構造を有するものもあり、この様なバー
ミキュライト類相当品等も使用し得る。該バーミキュラ
イト類相当品には3八面体型と2八面体型があり、下記
一般式(4): (Mg,Fe,Al)2〜3(Si4-xAlx)O10(OH)2・(M+,M2+ 1/2)x・nH2O ( 4) (ただし、MはNa及びMg等のアルカリまたはアルカ
リ土類金属の交換性陽イオン、x=0.6〜0.9、n=
3.5〜5である)で表されるものが挙げられる。前記
バーミキュライト相当品の初期の凝集状態における底面
間隔はおおよそ10〜17Åであり、凝集状態での平均
粒径は約1000〜5000000Åである。
【0029】膨潤性ケイ酸塩は単独で用いても良く、2
種以上組み合わせて使用しても良い。これらの内では、
モンモリロナイト、ベントナイト、ヘクトライトおよび
層間にナトリウムイオンを有する膨潤性雲母が、本発明
のポリフェニレンエーテル樹脂組成物中での分散性、入
手の容易さ及び樹脂組成物の物性改善効果の点から好ま
しい。
種以上組み合わせて使用しても良い。これらの内では、
モンモリロナイト、ベントナイト、ヘクトライトおよび
層間にナトリウムイオンを有する膨潤性雲母が、本発明
のポリフェニレンエーテル樹脂組成物中での分散性、入
手の容易さ及び樹脂組成物の物性改善効果の点から好ま
しい。
【0030】膨潤性ケイ酸塩の結晶構造は、c軸方向に
規則正しく積み重なった純粋度が高いものが望ましい
が、結晶周期が乱れ、複数種の結晶構造が混じり合っ
た、いわゆる混合層鉱物も使用され得る。
規則正しく積み重なった純粋度が高いものが望ましい
が、結晶周期が乱れ、複数種の結晶構造が混じり合っ
た、いわゆる混合層鉱物も使用され得る。
【0031】本発明で用いられるアミノ化合物とは、1
級、2級および3級アミノ基からなる群より選択される
1種以上のアミノ基を少なくとも1個有し、水酸基、エ
ーテル基、メルカプト基、カルボニル基、ニトロ基およ
び塩素原子から成る群よりから選択される1種以上の置
換基を有していても良い、炭素数1〜25の炭化水素化
合物であるのが好ましい。
級、2級および3級アミノ基からなる群より選択される
1種以上のアミノ基を少なくとも1個有し、水酸基、エ
ーテル基、メルカプト基、カルボニル基、ニトロ基およ
び塩素原子から成る群よりから選択される1種以上の置
換基を有していても良い、炭素数1〜25の炭化水素化
合物であるのが好ましい。
【0032】本明細書において炭化水素化合物中の炭化
水素基とは、直鎖または分岐鎖(すなわち側鎖を有す
る)の飽和または不飽和の一価または多価の脂肪族炭化
水素基、芳香族炭化水素基および脂環式炭化水素基を意
味し、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、フェニル基、ナフチル基、シクロアルキル基等が挙
げられる。本明細書において、「アルキル基」という場
合は、特に指示が無い限り「アルキレン基」等の多価の
炭化水素基を包含することを意図する。同様にアルケニ
ル基、アルキニル基、フェニル基、ナフチル基、及びシ
クロアルキル基は、それぞれアルケニレン基、アルキニ
レン基、フェニレン基、ナフチレン基、及びシクロアル
キレン基等を包含する。
水素基とは、直鎖または分岐鎖(すなわち側鎖を有す
る)の飽和または不飽和の一価または多価の脂肪族炭化
水素基、芳香族炭化水素基および脂環式炭化水素基を意
味し、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、フェニル基、ナフチル基、シクロアルキル基等が挙
げられる。本明細書において、「アルキル基」という場
合は、特に指示が無い限り「アルキレン基」等の多価の
炭化水素基を包含することを意図する。同様にアルケニ
ル基、アルキニル基、フェニル基、ナフチル基、及びシ
クロアルキル基は、それぞれアルケニレン基、アルキニ
レン基、フェニレン基、ナフチレン基、及びシクロアル
キレン基等を包含する。
【0033】上記のアミノ化合物の具体例として、1
級、2級および3級アミノ基からなる群より選択される
1種以上のアミノ基と炭素数1〜25の炭化水素基が構
成成分である場合の例としては、ブチルアミン、N,N
−ジメチルブチルアミン、1,2−ジメチルプロピルア
ミン、ドデシルアミン、ヘキシルアミン、N−メチルヘ
キシルアミン、3−ペンチルアミン、ジメチルアミノエ
チルアミン、2−オクチルアミン、エチルアミノエチル
アミン、ジエチルアミノエチルアミン、テトラメチルエ
チレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、メチルア
ミノプロピルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、
ジエチルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピ
ルアミン、テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン、
1,2−ジアミノブタン、1,4−ジアミノブタン、N
−(3−アミノプロピル)−1,3−プロパンジアミ
ン、ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N’−ビ
ス(アミノプロピル)−1,3−プロピレンジアミン、
N,N’−ビス(アミノプロピル)−1,4−ブチレン
ジアミン、ジアリルアミン、イソアミルアミン、N−エ
チルイソアミルアミン、2−ヘキセニルアミン、N,N
−ジイソプロピルアミノエチルアミン、N,N−ジイソ
プロピルエチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、N
−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、ジイソブ
チルアミン、2−エチルヘキシルアミン、アニリン、β
−ナフチルアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェ
ニレンジアミン、トルエン−2,4−ジアミン、N,
N’−ジメチル−p−フェニレンジアミン、ジビニルプ
ロピルアミン等が挙げられる。水酸基を有するアミノ化
合物の例としては、2−(ヒドロキシメチルアミノ)エ
タノール、N−イソメチルジエタノールアミン、2−ア
ミノプロパノール、3−アミノプロパノール、3−ジメ
チルアミノプロパノール、4−アミノブタノール、4−
メチルアミノブタノール、2−ヒドロキシエチルアミノ
プロピルアミン、ジエタノールアミノプロピルアミン、
1−アミノ−3−フェノキシ−2−プロパノール等が挙
げられる。エーテル基を有するアミノ化合物の例として
は、ビス(3−アミノプロピル)エーテル、ジメチルア
ミノエトキシプロピルアミン、1,2−ビス(3−アミ
ノプロポキシ)エタン、1,3−ビス(3−アミノプロ
ポキシ)−2,2−ジメチルプロパン、α,ω−ビス
(3−アミノプロピル)ポリエチレングリコールエーテ
ル、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ジエチレング
リコールエーテル、3−メトキシプロピルアミン、3−
エトキシプロピルアミン、3−プロポキシプロピルアミ
ン、3−イソプロポキシプロピルアミン、3−ブトキシ
プロピルアミン、3−イソブトキシプロピルアミン、2
−エチルヘキシロキシプロピルアミン、3−デシロキシ
プロピルアミン等が挙げられる。メルカプト基を有する
アミノ化合物の例としては、2−メルカプトエチルアミ
ン、N−(2−メルカプトエチル)アセトアミド、2−
メルカプトピリジン等が挙げられる。カルボニル基を有
するアミノ化合物の例としては、ホルムアニリド、アセ
トアニリド、アセトアセトアニリド、ドデシルアミド、
テトラデシルアミド、ヘキサデシルアミド等が挙げられ
る。ニトロ基を有するアミノ化合物の例としては、2−
ニトロアニリン、3−ニトロアニリン、2,4−ジニト
ロアニリン、2,4,6−トリニトロアニリンが挙げら
れる。塩素原子を有するアミノ化合物の例としては、2
−クロロアニリン、3−クロロアニリン、2,5−ジク
ロロアニリン等が挙げられる。
級、2級および3級アミノ基からなる群より選択される
1種以上のアミノ基と炭素数1〜25の炭化水素基が構
成成分である場合の例としては、ブチルアミン、N,N
−ジメチルブチルアミン、1,2−ジメチルプロピルア
ミン、ドデシルアミン、ヘキシルアミン、N−メチルヘ
キシルアミン、3−ペンチルアミン、ジメチルアミノエ
チルアミン、2−オクチルアミン、エチルアミノエチル
アミン、ジエチルアミノエチルアミン、テトラメチルエ
チレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、メチルア
ミノプロピルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、
ジエチルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピ
ルアミン、テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン、
1,2−ジアミノブタン、1,4−ジアミノブタン、N
−(3−アミノプロピル)−1,3−プロパンジアミ
ン、ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N’−ビ
ス(アミノプロピル)−1,3−プロピレンジアミン、
N,N’−ビス(アミノプロピル)−1,4−ブチレン
ジアミン、ジアリルアミン、イソアミルアミン、N−エ
チルイソアミルアミン、2−ヘキセニルアミン、N,N
−ジイソプロピルアミノエチルアミン、N,N−ジイソ
プロピルエチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、N
−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、ジイソブ
チルアミン、2−エチルヘキシルアミン、アニリン、β
−ナフチルアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェ
ニレンジアミン、トルエン−2,4−ジアミン、N,
N’−ジメチル−p−フェニレンジアミン、ジビニルプ
ロピルアミン等が挙げられる。水酸基を有するアミノ化
合物の例としては、2−(ヒドロキシメチルアミノ)エ
タノール、N−イソメチルジエタノールアミン、2−ア
ミノプロパノール、3−アミノプロパノール、3−ジメ
チルアミノプロパノール、4−アミノブタノール、4−
メチルアミノブタノール、2−ヒドロキシエチルアミノ
プロピルアミン、ジエタノールアミノプロピルアミン、
1−アミノ−3−フェノキシ−2−プロパノール等が挙
げられる。エーテル基を有するアミノ化合物の例として
は、ビス(3−アミノプロピル)エーテル、ジメチルア
ミノエトキシプロピルアミン、1,2−ビス(3−アミ
ノプロポキシ)エタン、1,3−ビス(3−アミノプロ
ポキシ)−2,2−ジメチルプロパン、α,ω−ビス
(3−アミノプロピル)ポリエチレングリコールエーテ
ル、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ジエチレング
リコールエーテル、3−メトキシプロピルアミン、3−
エトキシプロピルアミン、3−プロポキシプロピルアミ
ン、3−イソプロポキシプロピルアミン、3−ブトキシ
プロピルアミン、3−イソブトキシプロピルアミン、2
−エチルヘキシロキシプロピルアミン、3−デシロキシ
プロピルアミン等が挙げられる。メルカプト基を有する
アミノ化合物の例としては、2−メルカプトエチルアミ
ン、N−(2−メルカプトエチル)アセトアミド、2−
メルカプトピリジン等が挙げられる。カルボニル基を有
するアミノ化合物の例としては、ホルムアニリド、アセ
トアニリド、アセトアセトアニリド、ドデシルアミド、
テトラデシルアミド、ヘキサデシルアミド等が挙げられ
る。ニトロ基を有するアミノ化合物の例としては、2−
ニトロアニリン、3−ニトロアニリン、2,4−ジニト
ロアニリン、2,4,6−トリニトロアニリンが挙げら
れる。塩素原子を有するアミノ化合物の例としては、2
−クロロアニリン、3−クロロアニリン、2,5−ジク
ロロアニリン等が挙げられる。
【0034】上記のアミノ化合物の中では、ジメチルア
ミノエチルアミン、エチルアミノエチルアミン、ジエチ
ルアミノエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミ
ン、1,2−ジアミノプロパン、メチルアミノプロピル
アミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミ
ノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、テ
トラメチル−1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジア
ミノブタン、1,4−ジアミノブタン、N−(3−アミ
ノプロピル)−1,3−プロパンジアミン、ペンタメチ
ルジエチレントリアミンおよびN,N’−ビス(アミノ
プロピル)−1,3−プロピレンジアミン等のように、
一分子中に2個以上のアミノ基を有するアミノ化合物、
2−(ヒドロキシメチルアミノ)エタノール、N−イソ
メチルジエタノールアミン、2−アミノプロパノール、
3−アミノプロパノール、3−ジメチルアミノプロパノ
ール、4−アミノブタノール、4−メチルアミノブタノ
ール、2−ヒドロキシエチルアミノプロピルアミンおよ
び1−アミノ−3−フェノキシ−2−プロパノール等の
ように、水酸基を有するアミノ化合物、ビス(3−アミ
ノプロピル)エーテル、ジメチルアミノエトキシプロピ
ルアミン、1,2−ビス(3−アミノプロポキシ)エタ
ン、1,3−ビス(3−アミノプロポキシ)−2,2−
ジメチルプロパン、α,ω−ビス(3−アミノプロピ
ル)ポリエチレングリコールエーテルおよびα,ω−ビ
ス(3−アミノプロピル)ジエチレングリコールエーテ
ル等のようにエーテル基を有するアミノ化合物が好まし
く使用され得る。
ミノエチルアミン、エチルアミノエチルアミン、ジエチ
ルアミノエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミ
ン、1,2−ジアミノプロパン、メチルアミノプロピル
アミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミ
ノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、テ
トラメチル−1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジア
ミノブタン、1,4−ジアミノブタン、N−(3−アミ
ノプロピル)−1,3−プロパンジアミン、ペンタメチ
ルジエチレントリアミンおよびN,N’−ビス(アミノ
プロピル)−1,3−プロピレンジアミン等のように、
一分子中に2個以上のアミノ基を有するアミノ化合物、
2−(ヒドロキシメチルアミノ)エタノール、N−イソ
メチルジエタノールアミン、2−アミノプロパノール、
3−アミノプロパノール、3−ジメチルアミノプロパノ
ール、4−アミノブタノール、4−メチルアミノブタノ
ール、2−ヒドロキシエチルアミノプロピルアミンおよ
び1−アミノ−3−フェノキシ−2−プロパノール等の
ように、水酸基を有するアミノ化合物、ビス(3−アミ
ノプロピル)エーテル、ジメチルアミノエトキシプロピ
ルアミン、1,2−ビス(3−アミノプロポキシ)エタ
ン、1,3−ビス(3−アミノプロポキシ)−2,2−
ジメチルプロパン、α,ω−ビス(3−アミノプロピ
ル)ポリエチレングリコールエーテルおよびα,ω−ビ
ス(3−アミノプロピル)ジエチレングリコールエーテ
ル等のようにエーテル基を有するアミノ化合物が好まし
く使用され得る。
【0035】上記のアミノ化合物の置換体、または誘導
体もまた使用し得る。これらのアミノ化合物は、単独、
又は2種以上組み合わせて使用され得る。
体もまた使用し得る。これらのアミノ化合物は、単独、
又は2種以上組み合わせて使用され得る。
【0036】本発明において粘土層間化合物の底面間隔
は、導入されたアミノ化合物の存在により、膨潤性ケイ
酸塩の初期の底面間隔に比べて拡大し得る。例えば、分
散媒中に分散されて底面間隔が拡大された膨潤性ケイ酸
塩は、アミノ化合物を導入しない場合、分散媒を除去す
ると再び層同士が凝集した状態に戻るが、本発明によれ
ば、底面間隔を拡大した後にアミノ化合物を導入するこ
とによって、分散媒を除去した後も、得られる粘土層間
化合物は層同士が凝集することなく底面間隔が拡大され
た状態で存在し得る。粘土層間化合物の底面間隔は膨潤
性ケイ酸塩の初期の底面間隔に比べて、1.1倍以上、
好ましくは1.2倍以上、更に好ましくは1.3倍以上、
特に好ましくは1.5倍以上拡大している。底面間隔は
小角X線回折法(SAXS)などで確認し得る。この方
法では、乾燥して粉末状にした粘土層間化合物の(00
1)面に由来するX線回折ピーク角値をSAXSで測定
し、Braggの式に代入し算出することにより底面間
隔を求め得る。同様に初期の膨潤性ケイ酸塩の底面間隔
を測定し、この両者を比較することにより底面間隔の拡
大を確認し得る。この様に底面間隔が拡大していること
を確認することによって、粘土層間化合物が生成してい
ることを確認できる。
は、導入されたアミノ化合物の存在により、膨潤性ケイ
酸塩の初期の底面間隔に比べて拡大し得る。例えば、分
散媒中に分散されて底面間隔が拡大された膨潤性ケイ酸
塩は、アミノ化合物を導入しない場合、分散媒を除去す
ると再び層同士が凝集した状態に戻るが、本発明によれ
ば、底面間隔を拡大した後にアミノ化合物を導入するこ
とによって、分散媒を除去した後も、得られる粘土層間
化合物は層同士が凝集することなく底面間隔が拡大され
た状態で存在し得る。粘土層間化合物の底面間隔は膨潤
性ケイ酸塩の初期の底面間隔に比べて、1.1倍以上、
好ましくは1.2倍以上、更に好ましくは1.3倍以上、
特に好ましくは1.5倍以上拡大している。底面間隔は
小角X線回折法(SAXS)などで確認し得る。この方
法では、乾燥して粉末状にした粘土層間化合物の(00
1)面に由来するX線回折ピーク角値をSAXSで測定
し、Braggの式に代入し算出することにより底面間
隔を求め得る。同様に初期の膨潤性ケイ酸塩の底面間隔
を測定し、この両者を比較することにより底面間隔の拡
大を確認し得る。この様に底面間隔が拡大していること
を確認することによって、粘土層間化合物が生成してい
ることを確認できる。
【0037】本発明のポリフェニレンエーテル樹脂組成
物において、ポリフェニレンエーテル樹脂100重量部
に対する粘土層間化合物の配合量が、代表的には0.1
〜50重量部、好ましくは0.2〜45重量部、より好
ましくは0.3〜40重量部、更に好ましくは0.4〜3
5重量部、特に好ましくは0.5〜30重量部となるよ
うに調製される。粘土層間化合物の配合量が0.1重量
部未満であると機械的特性、反りの改善効果が不充分と
なる場合があり、50重量部を超えると表面外観が損な
われる傾向がある。
物において、ポリフェニレンエーテル樹脂100重量部
に対する粘土層間化合物の配合量が、代表的には0.1
〜50重量部、好ましくは0.2〜45重量部、より好
ましくは0.3〜40重量部、更に好ましくは0.4〜3
5重量部、特に好ましくは0.5〜30重量部となるよ
うに調製される。粘土層間化合物の配合量が0.1重量
部未満であると機械的特性、反りの改善効果が不充分と
なる場合があり、50重量部を超えると表面外観が損な
われる傾向がある。
【0038】また、粘土層間化合物に由来するポリフェ
ニレンエーテル樹脂組成物の灰分率が、代表的には0.
1〜30重量%、好ましくは0.2〜28重量%、より
好ましくは0.3〜25重量%、更に好ましくは0.4〜
23重量%、特に好ましくは0.5〜20重量%と成る
ように調製される。灰分率が0.1重量%未満であると
機械的特性、反りの改善効果が不充分となる場合があ
り、30重量%を超えると成形体の表面外観が損なわれ
る傾向がある。
ニレンエーテル樹脂組成物の灰分率が、代表的には0.
1〜30重量%、好ましくは0.2〜28重量%、より
好ましくは0.3〜25重量%、更に好ましくは0.4〜
23重量%、特に好ましくは0.5〜20重量%と成る
ように調製される。灰分率が0.1重量%未満であると
機械的特性、反りの改善効果が不充分となる場合があ
り、30重量%を超えると成形体の表面外観が損なわれ
る傾向がある。
【0039】本発明のポリフェニレンエーテル樹脂組成
物中で分散している粘土層間化合物の構造は、配合前の
膨潤性ケイ酸塩が有していたような、層が多数積層した
μmサイズの凝集構造とは全く異なる。すなわち、マト
リックス樹脂と親和性を有するアミノ化合物が導入され
かつ初期の膨潤性ケイ酸塩に比べて底面間隔が拡大され
ている粘土層間化合物を用いることによって、層同士が
劈開し、互いに独立して細分化する。その結果、粘土層
間化合物はポリフェニレンエーテル樹脂組成物中で非常
に細かく互いに独立した薄板状で分散し、その数は、原
料である膨潤性ケイ酸塩に比べて著しく増大する。この
様な薄板状の粘土層間化合物の分散状態は以下に述べる
アスペクト比(層長さ/層厚の比率)、分散粒子数、最
大層厚および平均層厚で表現され得る。
物中で分散している粘土層間化合物の構造は、配合前の
膨潤性ケイ酸塩が有していたような、層が多数積層した
μmサイズの凝集構造とは全く異なる。すなわち、マト
リックス樹脂と親和性を有するアミノ化合物が導入され
かつ初期の膨潤性ケイ酸塩に比べて底面間隔が拡大され
ている粘土層間化合物を用いることによって、層同士が
劈開し、互いに独立して細分化する。その結果、粘土層
間化合物はポリフェニレンエーテル樹脂組成物中で非常
に細かく互いに独立した薄板状で分散し、その数は、原
料である膨潤性ケイ酸塩に比べて著しく増大する。この
様な薄板状の粘土層間化合物の分散状態は以下に述べる
アスペクト比(層長さ/層厚の比率)、分散粒子数、最
大層厚および平均層厚で表現され得る。
【0040】まず、平均アスペクト比を、樹脂中に分散
した粘土層間化合物の層長さ/層厚の比の数平均値であ
ると定義すると、本発明のポリフェニレンエーテル樹脂
組成物中の粘土層間化合物の平均アスペクト比は10〜
300であり、好ましくは15〜300であり、更に好
ましくは20〜300である。粘土層間化合物平均アス
ペクト比が10未満であると、本発明のポリフェニレン
エーテル樹脂組成物の機械的特性や反りへの改善効果が
十分に得られない場合がある。また、300より大きく
ても効果はそれ以上変わらないため、平均アスペクト比
を300より大きくする必要はない。
した粘土層間化合物の層長さ/層厚の比の数平均値であ
ると定義すると、本発明のポリフェニレンエーテル樹脂
組成物中の粘土層間化合物の平均アスペクト比は10〜
300であり、好ましくは15〜300であり、更に好
ましくは20〜300である。粘土層間化合物平均アス
ペクト比が10未満であると、本発明のポリフェニレン
エーテル樹脂組成物の機械的特性や反りへの改善効果が
十分に得られない場合がある。また、300より大きく
ても効果はそれ以上変わらないため、平均アスペクト比
を300より大きくする必要はない。
【0041】また、[N]値を、ポリフェニレンエーテ
ル樹脂組成物の面積100μm2における、膨潤性ケイ
酸塩の単位重量比率当たりの分散粒子数であると定義す
ると、本発明のポリフェニレンエーテル樹脂組成物にお
ける粘土層間化合物の[N]値は、30以上であり、好
ましくは45以上であり、より好ましくは60以上であ
る。上限値は特にないが、[N]値が1000程度を越
えると、それ以上効果は変わらなくなるので、1000
より大きくする必要はない。[N]値は、例えば、次の
ようにして求められ得る。すなわち、ポリフェニレンエ
ーテル樹脂組成物を約50μm〜100μm厚の超薄切
片に切り出し、該切片をTEM等で撮影した像上で、面
積が100μm2の任意の領域に存在する粘土層間化合
物の粒子数を、用いた膨潤性ケイ酸塩の重量比率で除す
ことによって求められ得る。あるいは、TEM像上で、
100個以上の粒子が存在する任意の領域(面積は測定
しておく)を選んで該領域に存在する粒子数を、用いた
膨潤性ケイ酸塩の重量比率で除し、面積100μm2に
換算した値を[N]値としてもよい。従って、[N]値
はポリフェニレンエーテル樹脂組成物のTEM写真等を
用いることにより定量化できる。
ル樹脂組成物の面積100μm2における、膨潤性ケイ
酸塩の単位重量比率当たりの分散粒子数であると定義す
ると、本発明のポリフェニレンエーテル樹脂組成物にお
ける粘土層間化合物の[N]値は、30以上であり、好
ましくは45以上であり、より好ましくは60以上であ
る。上限値は特にないが、[N]値が1000程度を越
えると、それ以上効果は変わらなくなるので、1000
より大きくする必要はない。[N]値は、例えば、次の
ようにして求められ得る。すなわち、ポリフェニレンエ
ーテル樹脂組成物を約50μm〜100μm厚の超薄切
片に切り出し、該切片をTEM等で撮影した像上で、面
積が100μm2の任意の領域に存在する粘土層間化合
物の粒子数を、用いた膨潤性ケイ酸塩の重量比率で除す
ことによって求められ得る。あるいは、TEM像上で、
100個以上の粒子が存在する任意の領域(面積は測定
しておく)を選んで該領域に存在する粒子数を、用いた
膨潤性ケイ酸塩の重量比率で除し、面積100μm2に
換算した値を[N]値としてもよい。従って、[N]値
はポリフェニレンエーテル樹脂組成物のTEM写真等を
用いることにより定量化できる。
【0042】また、平均層厚を、薄板状で分散した粘土
層間化合物の層厚みの数平均値であると定義すると、本
発明のポリフェニレンエーテル樹脂組成物中の粘土層間
化合物の平均層厚の上限値は500Å以下であり、好ま
しくは450Å以下であり、より好ましくは400Å以
下である。平均層厚が500Åより大きいと、本発明の
ポリフェニレンエーテル樹脂組成物の機械的特性や反り
の改良効果が十分に得られない場合がある。平均層厚の
下限値は特に限定されないが、10Å程度である。
層間化合物の層厚みの数平均値であると定義すると、本
発明のポリフェニレンエーテル樹脂組成物中の粘土層間
化合物の平均層厚の上限値は500Å以下であり、好ま
しくは450Å以下であり、より好ましくは400Å以
下である。平均層厚が500Åより大きいと、本発明の
ポリフェニレンエーテル樹脂組成物の機械的特性や反り
の改良効果が十分に得られない場合がある。平均層厚の
下限値は特に限定されないが、10Å程度である。
【0043】また、最大層厚を、本発明のポリフェニレ
ンエーテル樹脂組成物中に薄板状に分散した粘土層間化
合物の層厚みの最大値であると定義すると、粘土層間化
合物の最大層厚の上限値は、2000Å以下であり、好
ましくは1800Å以下であり、より好ましくは150
0Å以下である。最大層厚が2000Åより大きいと、
本発明のポリフェニレンエーテル樹脂組成物の機械的特
性、反り、表面外観のバランスが損なわれる場合があ
る。粘土層間化合物の最大層厚の下限値は特に限定され
ないが、50Å程度である。
ンエーテル樹脂組成物中に薄板状に分散した粘土層間化
合物の層厚みの最大値であると定義すると、粘土層間化
合物の最大層厚の上限値は、2000Å以下であり、好
ましくは1800Å以下であり、より好ましくは150
0Å以下である。最大層厚が2000Åより大きいと、
本発明のポリフェニレンエーテル樹脂組成物の機械的特
性、反り、表面外観のバランスが損なわれる場合があ
る。粘土層間化合物の最大層厚の下限値は特に限定され
ないが、50Å程度である。
【0044】層厚および層長さは、本発明のポリフェニ
レンエーテル樹脂組成物を加熱溶融した後に、熱プレス
成形あるいは延伸成形して得られるフィルム、および溶
融樹脂を射出成形して得られる薄肉の成形品等を、顕微
鏡等を用いて撮影される像から求めることができる。
レンエーテル樹脂組成物を加熱溶融した後に、熱プレス
成形あるいは延伸成形して得られるフィルム、および溶
融樹脂を射出成形して得られる薄肉の成形品等を、顕微
鏡等を用いて撮影される像から求めることができる。
【0045】すなわち、いま仮に、X−Y面上に上記の
方法で調製したフィルムの、あるいは肉厚が約0.5〜
2mm程度の薄い平板状の射出成形した試験片を置いた
と仮定する。上記のフィルムあるいは試験片をX−Z面
あるいはY−Z面と平行な面で約50μm〜100μm
厚の超薄切片を切り出し、該切片を透過型電子顕微鏡な
どを用い、約4〜10万倍以上の高倍率で観察して求め
られ得る。測定は、上記の方法で得られた透過型電子顕
微鏡の象上に置いて、100個以上の粘土層間化合物を
含む任意の領域を選択し、画像処理装置などで画像化
し、計算機処理する事等により定量化できる。あるい
は、定規などを用いて計測しても求めることもできる。
方法で調製したフィルムの、あるいは肉厚が約0.5〜
2mm程度の薄い平板状の射出成形した試験片を置いた
と仮定する。上記のフィルムあるいは試験片をX−Z面
あるいはY−Z面と平行な面で約50μm〜100μm
厚の超薄切片を切り出し、該切片を透過型電子顕微鏡な
どを用い、約4〜10万倍以上の高倍率で観察して求め
られ得る。測定は、上記の方法で得られた透過型電子顕
微鏡の象上に置いて、100個以上の粘土層間化合物を
含む任意の領域を選択し、画像処理装置などで画像化
し、計算機処理する事等により定量化できる。あるい
は、定規などを用いて計測しても求めることもできる。
【0046】本発明のポリフェニレンエーテル樹脂組成
物の製造方法には特に制限はないが、例えば、(A)粘
土層間化合物を調製する工程、(B)粘土層間化合物お
よび下記一般式(1):
物の製造方法には特に制限はないが、例えば、(A)粘
土層間化合物を調製する工程、(B)粘土層間化合物お
よび下記一般式(1):
【0047】
【化4】 (式中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ水素、ハ
ロゲン原子、官能基で置換されていてもよいアルキル
基、官能基で置換されていて良いアラルキル基、官能基
で置換されていても良いアリール基、官能基で置換され
ていてもよいアルコキシ基である)で表されるフェノー
ル性化合物を混合する工程 (C)フェノール性化合物を重合する工程、を包含する
方法が好ましい。
ロゲン原子、官能基で置換されていてもよいアルキル
基、官能基で置換されていて良いアラルキル基、官能基
で置換されていても良いアリール基、官能基で置換され
ていてもよいアルコキシ基である)で表されるフェノー
ル性化合物を混合する工程 (C)フェノール性化合物を重合する工程、を包含する
方法が好ましい。
【0048】まず、工程(A)を詳細に述べる。工程
(A)の中で、粘土層間化合物は、例えば、膨潤性ケイ
酸塩を分散媒中で底面間隔を拡大させた後に、アミノ化
合物を添加して混合する事により得られる。
(A)の中で、粘土層間化合物は、例えば、膨潤性ケイ
酸塩を分散媒中で底面間隔を拡大させた後に、アミノ化
合物を添加して混合する事により得られる。
【0049】上記の分散媒とは、水、水と任意の割合で
相溶する極性溶媒、及び水と該極性溶媒の混合溶媒を意
図する。該極性溶媒としては、例えば、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール等のアルコール類、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタン
ジオール等のグリコール類、アセトン、メチルエチルケ
トン等のケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド等のアミド
化合物、その他の溶媒であるジメチルスルホキシドや2
−ピロリドン等が挙げられる。これらの極性溶媒は単独
で用いても良く2種類以上組み合わせて用いても良い。
相溶する極性溶媒、及び水と該極性溶媒の混合溶媒を意
図する。該極性溶媒としては、例えば、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール等のアルコール類、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタン
ジオール等のグリコール類、アセトン、メチルエチルケ
トン等のケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド等のアミド
化合物、その他の溶媒であるジメチルスルホキシドや2
−ピロリドン等が挙げられる。これらの極性溶媒は単独
で用いても良く2種類以上組み合わせて用いても良い。
【0050】膨潤性ケイ酸塩を分散媒中で底面間隔を拡
大させることは、該膨潤性ケイ酸塩を該分散媒中で充分
に撹拌して分散させる事によりなし得る。拡大後の底面
間隔は初期の膨潤性ケイ酸塩の底面間隔に比べて、好ま
しくは3倍以上であり、より好ましくは4倍以上であ
り、更に好ましくは5倍以上である。上限値は特にな
い。ただし、底面間隔が約10倍以上に拡大すると、底
面間隔の測定が困難になるが、この場合、膨潤性ケイ酸
塩は実質的に単位層で存在する。
大させることは、該膨潤性ケイ酸塩を該分散媒中で充分
に撹拌して分散させる事によりなし得る。拡大後の底面
間隔は初期の膨潤性ケイ酸塩の底面間隔に比べて、好ま
しくは3倍以上であり、より好ましくは4倍以上であ
り、更に好ましくは5倍以上である。上限値は特にな
い。ただし、底面間隔が約10倍以上に拡大すると、底
面間隔の測定が困難になるが、この場合、膨潤性ケイ酸
塩は実質的に単位層で存在する。
【0051】ここで、本明細書において、膨潤性ケイ酸
塩の初期の底面間隔とは、分散媒に添加する前の、単位
層が互いに積層し凝集状態である粒子状の膨潤性ケイ酸
塩の底面間隔である事を意図する。底面間隔は小角X線
回折法(SAXS)などで確認し得る。すなわち、分散
媒と膨潤性ケイ酸塩から成る混合物におけるX線回折ピ
ーク角値をSAXSで測定し、該ピーク角値をBrag
gの式に代入して算出することにより底面間隔を求め得
る。
塩の初期の底面間隔とは、分散媒に添加する前の、単位
層が互いに積層し凝集状態である粒子状の膨潤性ケイ酸
塩の底面間隔である事を意図する。底面間隔は小角X線
回折法(SAXS)などで確認し得る。すなわち、分散
媒と膨潤性ケイ酸塩から成る混合物におけるX線回折ピ
ーク角値をSAXSで測定し、該ピーク角値をBrag
gの式に代入して算出することにより底面間隔を求め得
る。
【0052】膨潤性ケイ酸塩の底面間隔を効率的に拡大
させるためには、数千rpm以上で撹拌するか、以下に
示す物理的な外力を加える方法が挙げられる。物理的な
外力は、一般に行われるフィラーの湿式微粉砕方法を用
いることによって加えられ得る。一般的なフィラーの湿
式微粉砕方法としては、例えば、硬質粒子を利用する方
法が挙げられる。この方法では、硬質粒子と膨潤性ケイ
酸塩と任意の溶媒とを混合して撹拌し、硬質粒子と膨潤
性ケイ酸塩との物理的な衝突によって、膨潤性ケイ酸塩
を分離させる。通常用いられる硬質粒子はフィラー粉砕
用ビーズであり、例えば、ガラスビーズまたはジルコニ
アビーズ等が挙げられる。これら粉砕用ビーズは、膨潤
性ケイ酸塩の硬度、または撹拌機の材質を考慮して選択
され、上述したガラスまたはジルコニアに限定されな
い。その粒径もまた、膨潤性ケイ酸塩のサイズなどを考
慮して決定されるために一概に数値で限定されるもので
はないが、直径0.1〜6.0mmの範囲にあるものが
好ましい。ここで用いる溶媒は特に限定されないが、例
えば、上記の分散媒が好ましい。
させるためには、数千rpm以上で撹拌するか、以下に
示す物理的な外力を加える方法が挙げられる。物理的な
外力は、一般に行われるフィラーの湿式微粉砕方法を用
いることによって加えられ得る。一般的なフィラーの湿
式微粉砕方法としては、例えば、硬質粒子を利用する方
法が挙げられる。この方法では、硬質粒子と膨潤性ケイ
酸塩と任意の溶媒とを混合して撹拌し、硬質粒子と膨潤
性ケイ酸塩との物理的な衝突によって、膨潤性ケイ酸塩
を分離させる。通常用いられる硬質粒子はフィラー粉砕
用ビーズであり、例えば、ガラスビーズまたはジルコニ
アビーズ等が挙げられる。これら粉砕用ビーズは、膨潤
性ケイ酸塩の硬度、または撹拌機の材質を考慮して選択
され、上述したガラスまたはジルコニアに限定されな
い。その粒径もまた、膨潤性ケイ酸塩のサイズなどを考
慮して決定されるために一概に数値で限定されるもので
はないが、直径0.1〜6.0mmの範囲にあるものが
好ましい。ここで用いる溶媒は特に限定されないが、例
えば、上記の分散媒が好ましい。
【0053】上記のように、膨潤性ケイ酸塩の底面間隔
を拡大して、凝集状態であった層を劈開してばらばらに
し、個々独立に存在させた後にアミノ化合物を添加して
十分に撹拌して混合する事によって粘土層間化合物が得
られる。
を拡大して、凝集状態であった層を劈開してばらばらに
し、個々独立に存在させた後にアミノ化合物を添加して
十分に撹拌して混合する事によって粘土層間化合物が得
られる。
【0054】アミノ化合物による膨潤性ケイ酸塩の処理
は、分散媒を用いる方法の場合は、底面間隔が拡大され
た膨潤性ケイ酸塩と分散媒を含む分散体中にアミノ化合
物を添加して撹拌することにより行われ得る。攪拌の方
法は特に限定されず、例えば、従来公知の湿式撹拌機を
用いて行われる。該湿式撹拌機としては、撹拌翼が高速
回転して撹拌する高速撹拌機、高剪断速度がかかってい
るローターとステーター間の間隙で試料を湿式粉砕する
湿式ミル類、硬質媒体を利用した機械的湿式粉砕機類、
ジェットノズルなどで試料を高速度で衝突させる湿式衝
突粉砕機類、超音波を用いる超音波粉砕機類などを挙げ
ることができる。粘土層間化合物の生成を効率的に行い
たい場合は、撹拌の回転数を1000rpm以上、好ま
しくは1500rpm以上、より好ましくは2000r
pm以上にするか、あるいは500(1/s)以上、好
ましくは1000(1/s)以上、より好ましくは15
00(1/s)以上の剪断速度を加える。回転数の上限
値は約25000rpmであり、剪断速度の上限値は約
500000(1/s)である。上限値よりも大きい値
で撹拌を行ったり、剪断を加えても効果はそれ以上変わ
らない傾向があるため、上限値よりも大きい値で撹拌を
行う必要はない。
は、分散媒を用いる方法の場合は、底面間隔が拡大され
た膨潤性ケイ酸塩と分散媒を含む分散体中にアミノ化合
物を添加して撹拌することにより行われ得る。攪拌の方
法は特に限定されず、例えば、従来公知の湿式撹拌機を
用いて行われる。該湿式撹拌機としては、撹拌翼が高速
回転して撹拌する高速撹拌機、高剪断速度がかかってい
るローターとステーター間の間隙で試料を湿式粉砕する
湿式ミル類、硬質媒体を利用した機械的湿式粉砕機類、
ジェットノズルなどで試料を高速度で衝突させる湿式衝
突粉砕機類、超音波を用いる超音波粉砕機類などを挙げ
ることができる。粘土層間化合物の生成を効率的に行い
たい場合は、撹拌の回転数を1000rpm以上、好ま
しくは1500rpm以上、より好ましくは2000r
pm以上にするか、あるいは500(1/s)以上、好
ましくは1000(1/s)以上、より好ましくは15
00(1/s)以上の剪断速度を加える。回転数の上限
値は約25000rpmであり、剪断速度の上限値は約
500000(1/s)である。上限値よりも大きい値
で撹拌を行ったり、剪断を加えても効果はそれ以上変わ
らない傾向があるため、上限値よりも大きい値で撹拌を
行う必要はない。
【0055】物理的外力を用いる方法の場合、膨潤性ケ
イ酸塩に物理的外力を加えながら(例えば、湿式粉砕し
ながら)そこにアミノ化合物を加えることによって、粘
土層間化合物が得られる。
イ酸塩に物理的外力を加えながら(例えば、湿式粉砕し
ながら)そこにアミノ化合物を加えることによって、粘
土層間化合物が得られる。
【0056】アミノ化合物による膨潤性ケイ酸塩の処理
は室温で充分に行い得るが、必要に応じて系を加温して
も良い。加温時の最高温度は用いるアミノ化合物の分解
温度未満であり、かつ、分散媒の沸点未満で有れば任意
に設定し得る。
は室温で充分に行い得るが、必要に応じて系を加温して
も良い。加温時の最高温度は用いるアミノ化合物の分解
温度未満であり、かつ、分散媒の沸点未満で有れば任意
に設定し得る。
【0057】アミノ化合物の使用量は、得られる粘土層
間化合物とポリフェニレンエーテル樹脂との親和性、あ
るいは粘土層間化合物とフェノール性化合物を含有する
混合系(以降、粘土−フェノール分散体、と称す)中で
の分散性が充分に高まるように調整し得る。必要である
ならば、異種の官能基を有する複数種のアミノ化合物を
併用し得る。従って、アミノ化合物の添加量は一概に数
値で限定されるものではないが、膨潤性ケイ酸塩100
重量部に対して、0.1から200重量部であり、好ま
しくは0.2から180重量部であり、より好ましくは
0.3から160重量部であり、更に好ましくは0.4か
ら140重量部であり、特に好ましくは0.5から12
0重量部である。アミノ化合物の量が0.1重量部未満
であると得られる粘土層間化合物の微分散化効果が充分
で無くなる傾向がある。また、200重量部以上では効
果が変わらないので、200重量部より多く添加する必
要はない。
間化合物とポリフェニレンエーテル樹脂との親和性、あ
るいは粘土層間化合物とフェノール性化合物を含有する
混合系(以降、粘土−フェノール分散体、と称す)中で
の分散性が充分に高まるように調整し得る。必要である
ならば、異種の官能基を有する複数種のアミノ化合物を
併用し得る。従って、アミノ化合物の添加量は一概に数
値で限定されるものではないが、膨潤性ケイ酸塩100
重量部に対して、0.1から200重量部であり、好ま
しくは0.2から180重量部であり、より好ましくは
0.3から160重量部であり、更に好ましくは0.4か
ら140重量部であり、特に好ましくは0.5から12
0重量部である。アミノ化合物の量が0.1重量部未満
であると得られる粘土層間化合物の微分散化効果が充分
で無くなる傾向がある。また、200重量部以上では効
果が変わらないので、200重量部より多く添加する必
要はない。
【0058】次に工程(B)、すなわち粘土層間化合物
およびおよび下記一般式(1):
およびおよび下記一般式(1):
【0059】
【化5】 (式中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ水素、ハ
ロゲン原子、官能基で置換されていてもよいアルキル
基、官能基で置換されていて良いアラルキル基、官能基
で置換されていても良いアリール基、官能基で置換され
ていてもよいアルコキシ基である)で表されるフェノー
ル性化合物を混合する工程を行う。
ロゲン原子、官能基で置換されていてもよいアルキル
基、官能基で置換されていて良いアラルキル基、官能基
で置換されていても良いアリール基、官能基で置換され
ていてもよいアルコキシ基である)で表されるフェノー
ル性化合物を混合する工程を行う。
【0060】ここで、上記フェノール性化合物としては
例えば、2,6−ジメチルフェノール、2,3,6−ト
リメチルフェノール、2−メチル−6−エチルフェノー
ル、2,6−ジエチルフェノール、2−エチル−6−n
−プロピルフェノール、2−メチル−6−クロルフェノ
ール、2−メチル−6−ブロモフェノール、2−メチル
−6−イソプロピルフェノール、2−メチル−6−n−
プロピルフェノール、2−エチル−6−ブロモフェノー
ル、2−メチル−6−n−ブチルフェノール、2,6−
ジ−n−プロピルフェノール、2−エチル−6−クロル
フェノール、2−メチル−6−フェニルフェノール、
2,6−ジフェニルフェノール、2,6−ビス−(4−
フルオロフェニル)フェノール、2−メチル−6−トリ
ルフェノール、2,6−ジトリルフェノールなどが挙げ
られる。これらのフェノール性化合物はそれぞれ単独で
用いても良いし、2種以上を併用しても良い。また、少
量のフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p
−クレゾール、2,4−ジメチルフェノール、2−エチ
ルフェノールなどを含んでいても差し支えない。これら
フェノール系化合物の中では、2,6−ジメチルフェノ
ール、2,6−ジエチルフェノールが重要である。
例えば、2,6−ジメチルフェノール、2,3,6−ト
リメチルフェノール、2−メチル−6−エチルフェノー
ル、2,6−ジエチルフェノール、2−エチル−6−n
−プロピルフェノール、2−メチル−6−クロルフェノ
ール、2−メチル−6−ブロモフェノール、2−メチル
−6−イソプロピルフェノール、2−メチル−6−n−
プロピルフェノール、2−エチル−6−ブロモフェノー
ル、2−メチル−6−n−ブチルフェノール、2,6−
ジ−n−プロピルフェノール、2−エチル−6−クロル
フェノール、2−メチル−6−フェニルフェノール、
2,6−ジフェニルフェノール、2,6−ビス−(4−
フルオロフェニル)フェノール、2−メチル−6−トリ
ルフェノール、2,6−ジトリルフェノールなどが挙げ
られる。これらのフェノール性化合物はそれぞれ単独で
用いても良いし、2種以上を併用しても良い。また、少
量のフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p
−クレゾール、2,4−ジメチルフェノール、2−エチ
ルフェノールなどを含んでいても差し支えない。これら
フェノール系化合物の中では、2,6−ジメチルフェノ
ール、2,6−ジエチルフェノールが重要である。
【0061】粘土層間化合物とフェノール性化合物とを
混合して粘土−フェノール分散体を調製する方法は特に
限定されず、従来公知の湿式撹拌機を用いて行われ得、
例えば、下記の有機溶媒中に粘土層間化合物およびフェ
ノール性化合物を混合する方法が挙げられる。
混合して粘土−フェノール分散体を調製する方法は特に
限定されず、従来公知の湿式撹拌機を用いて行われ得、
例えば、下記の有機溶媒中に粘土層間化合物およびフェ
ノール性化合物を混合する方法が挙げられる。
【0062】ここで用いられる有機溶媒とは、フェノー
ル性化合物に比べて酸化され難く、かつ重合反応の過程
で生成すると考えられる各種ラジカルに対して反応性を
ほとんど有しないものであれば特に限定されないが、フ
ェノール性化合物を溶解し、反応に用いられる触媒の一
部あるいは全部を溶解するものが好ましい。このような
有機溶媒の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、クロロホル
ム、塩化メチレン、1,2−ジクロルエタン、トリクロ
ルエタン、クロルベンゼン、ジクロルベンゼン、トリク
ロルベンゼン等のようなハロゲン化炭化水素、ニトロベ
ンゼンのようなニトロ化合物等を挙げることができ、こ
れらは重合体の良溶媒として使用できる。これら良溶媒
の1種以上を用いることができる。
ル性化合物に比べて酸化され難く、かつ重合反応の過程
で生成すると考えられる各種ラジカルに対して反応性を
ほとんど有しないものであれば特に限定されないが、フ
ェノール性化合物を溶解し、反応に用いられる触媒の一
部あるいは全部を溶解するものが好ましい。このような
有機溶媒の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、クロロホル
ム、塩化メチレン、1,2−ジクロルエタン、トリクロ
ルエタン、クロルベンゼン、ジクロルベンゼン、トリク
ロルベンゼン等のようなハロゲン化炭化水素、ニトロベ
ンゼンのようなニトロ化合物等を挙げることができ、こ
れらは重合体の良溶媒として使用できる。これら良溶媒
の1種以上を用いることができる。
【0063】また、重合体の貧溶媒もまた使用できる。
貧溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、プ
ロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、シクロ
ヘキサノール等のアルコール類、ペンタン、ヘキサン、
ヘプタン、シクロヘキサン、シクロペンタンなどの脂肪
族炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン
類、酢酸エチル、ギ酸エチル等のエステル化合物、テト
ラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル化合
物、ジメチルホルムアミド等のアミド化合物、ジメチル
スルホキシド等のスルホキシド化合物、水を挙げること
ができる。これら貧溶媒の1種以上を必要に応じて、上
記良溶媒と混合して使用できる。メタノール、エタノー
ル等のアルコール類を含有させることは活性の面から好
ましい。
貧溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、プ
ロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、シクロ
ヘキサノール等のアルコール類、ペンタン、ヘキサン、
ヘプタン、シクロヘキサン、シクロペンタンなどの脂肪
族炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン
類、酢酸エチル、ギ酸エチル等のエステル化合物、テト
ラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル化合
物、ジメチルホルムアミド等のアミド化合物、ジメチル
スルホキシド等のスルホキシド化合物、水を挙げること
ができる。これら貧溶媒の1種以上を必要に応じて、上
記良溶媒と混合して使用できる。メタノール、エタノー
ル等のアルコール類を含有させることは活性の面から好
ましい。
【0064】その他の混合方法としては、例えば粘土層
間化合物を調製した際に得られる、分散媒と粘土層間化
合物を含有するものにフェノール系化合物を添加して混
合する方法、または、粘土層間化合物を調製した際に得
られる、分散媒と粘土層間化合物を含有するものに、上
記の良溶媒を添加混合してから置換する事により、新た
に加えた良溶媒と粘土層間化合物から成る系を得、次い
でフェノール性化合物を添加して混合する方法、あるい
は、分散媒を乾燥除去して得られる粘土層間化合物と所
望の良溶媒を充分に混合し、次いでフェノール性化合物
を添加して混合する方法等が挙げられる。
間化合物を調製した際に得られる、分散媒と粘土層間化
合物を含有するものにフェノール系化合物を添加して混
合する方法、または、粘土層間化合物を調製した際に得
られる、分散媒と粘土層間化合物を含有するものに、上
記の良溶媒を添加混合してから置換する事により、新た
に加えた良溶媒と粘土層間化合物から成る系を得、次い
でフェノール性化合物を添加して混合する方法、あるい
は、分散媒を乾燥除去して得られる粘土層間化合物と所
望の良溶媒を充分に混合し、次いでフェノール性化合物
を添加して混合する方法等が挙げられる。
【0065】尚、混合を効率よく行うためには、撹拌の
回転数は500rpm以上、あるいは300(1/s)
以上の剪断速度を加える。回転数の上限値は25000
rpmであり、剪断速度の上限値は500000(1/
s)である。上限値よりも大きい値で撹拌を行っても効
果はそれ以上変わらない傾向があるため、上限値より大
きい値で撹拌を行う必要はない。
回転数は500rpm以上、あるいは300(1/s)
以上の剪断速度を加える。回転数の上限値は25000
rpmであり、剪断速度の上限値は500000(1/
s)である。上限値よりも大きい値で撹拌を行っても効
果はそれ以上変わらない傾向があるため、上限値より大
きい値で撹拌を行う必要はない。
【0066】工程(B)で得られる粘土−フェノール分
散体に含まれる粘土層間化合物は、膨潤性ケイ酸塩が有
していたような初期の積層・凝集構造はほぼ完全に消失
して薄板状に細分化するか、あるいは層同士の間隔が拡
大していわゆる膨潤状態となる。膨潤状態を表す指標と
して底面間隔が用いられ得る。粘土−フェノール分散体
中の粘土層間化合物の底面間隔は、粘土層間化合物が細
分化して薄板状に成るためには、膨潤性ケイ酸塩の初期
の底面間隔の3倍以上が好ましく、4倍以上がより好ま
しく、5倍以上更に好ましい。
散体に含まれる粘土層間化合物は、膨潤性ケイ酸塩が有
していたような初期の積層・凝集構造はほぼ完全に消失
して薄板状に細分化するか、あるいは層同士の間隔が拡
大していわゆる膨潤状態となる。膨潤状態を表す指標と
して底面間隔が用いられ得る。粘土−フェノール分散体
中の粘土層間化合物の底面間隔は、粘土層間化合物が細
分化して薄板状に成るためには、膨潤性ケイ酸塩の初期
の底面間隔の3倍以上が好ましく、4倍以上がより好ま
しく、5倍以上更に好ましい。
【0067】そして工程(C)、すなわち、工程(B)
で得られた粘土−フェノール分散体中のフェノール性化
合物を重合する工程を行い得る。重合方法は特に限定さ
れず、通常一般に行われるポリフェニレンエーテル樹脂
の重合方法、例えば、窒素含有化合物や銅化合物などの
触媒の存在下でフェノール性化合物を酸化重合する方法
などに従って行うことができる。
で得られた粘土−フェノール分散体中のフェノール性化
合物を重合する工程を行い得る。重合方法は特に限定さ
れず、通常一般に行われるポリフェニレンエーテル樹脂
の重合方法、例えば、窒素含有化合物や銅化合物などの
触媒の存在下でフェノール性化合物を酸化重合する方法
などに従って行うことができる。
【0068】上記の窒素含有化合物としては、例えば、
脂肪族または芳香族の第1級、第2級または第3級のモ
ノアミン、ジアミン、トリアミン化合物、またはヘテロ
原子として窒素原子を含有する環状化合物から成る群か
ら選択される1種以上の化合物が用いられ得、例えば、
モノアルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキル
アミン、アルカノールアミン類、アニリン、N−炭化水
素置換アニリン類、ジフェニルアミン類、環状アミン
類、ピリジン類、エチレンジアミンやこれらの炭化水
素、プロパンジアミンやこれらの炭化水素、イミダゾー
ル類、ジエチレントリアミンやこれらの炭化水素置換
体、ジプロパントリアミンやこれらの炭化水素置換体等
が挙げられる。
脂肪族または芳香族の第1級、第2級または第3級のモ
ノアミン、ジアミン、トリアミン化合物、またはヘテロ
原子として窒素原子を含有する環状化合物から成る群か
ら選択される1種以上の化合物が用いられ得、例えば、
モノアルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキル
アミン、アルカノールアミン類、アニリン、N−炭化水
素置換アニリン類、ジフェニルアミン類、環状アミン
類、ピリジン類、エチレンジアミンやこれらの炭化水
素、プロパンジアミンやこれらの炭化水素、イミダゾー
ル類、ジエチレントリアミンやこれらの炭化水素置換
体、ジプロパントリアミンやこれらの炭化水素置換体等
が挙げられる。
【0069】また、上記の銅化合物としては、例えば、
塩化第一銅、臭化第一銅、硫酸第一銅、硝酸第一銅、酢
酸第一銅、アジ化第一銅、トルイル酸第一銅などの第一
銅化合物、塩化第二銅、臭化第二銅、硫酸第二銅、硝酸
第二銅、酢酸第二銅、アジ化第二銅、トルイル酸第二銅
などの第二銅化合物からなる群から選択される1種以上
を用い得る。
塩化第一銅、臭化第一銅、硫酸第一銅、硝酸第一銅、酢
酸第一銅、アジ化第一銅、トルイル酸第一銅などの第一
銅化合物、塩化第二銅、臭化第二銅、硫酸第二銅、硝酸
第二銅、酢酸第二銅、アジ化第二銅、トルイル酸第二銅
などの第二銅化合物からなる群から選択される1種以上
を用い得る。
【0070】フェノール性化合物を酸化重合させて得ら
れるポリフェニレンエーテルに対する良溶媒と貧溶媒の
比率によって溶液重合法あるいは沈殿重合法を行うこと
ができる。例えば、溶液重合法によれば、良溶媒である
トルエン中に粘土層間化合物を分散させ、次いでフェノ
ール性化合物である2,6−ジメチルフェノールを溶解
させる。次いで、上記の触媒を加えて、温度管理し、酸
素を導入しながら酸化重合させる。
れるポリフェニレンエーテルに対する良溶媒と貧溶媒の
比率によって溶液重合法あるいは沈殿重合法を行うこと
ができる。例えば、溶液重合法によれば、良溶媒である
トルエン中に粘土層間化合物を分散させ、次いでフェノ
ール性化合物である2,6−ジメチルフェノールを溶解
させる。次いで、上記の触媒を加えて、温度管理し、酸
素を導入しながら酸化重合させる。
【0071】重合反応の温度については、低すぎると反
応が進行し難くなり、高すぎると触媒が失活することも
あるので、0〜80℃、好ましくは10〜70℃、の範
囲で行われることが好ましい。酸化重合における酸素
は、純酸素の他、窒素等の不活性ガスと任意の割合で混
合したもの及び空気などを使用することができる。反応
中の系内圧力は常圧で十分であるが、必要に応じて減圧
しても加圧してもよい。
応が進行し難くなり、高すぎると触媒が失活することも
あるので、0〜80℃、好ましくは10〜70℃、の範
囲で行われることが好ましい。酸化重合における酸素
は、純酸素の他、窒素等の不活性ガスと任意の割合で混
合したもの及び空気などを使用することができる。反応
中の系内圧力は常圧で十分であるが、必要に応じて減圧
しても加圧してもよい。
【0072】重合反応後の後処理に関しては特に制限は
ない。通常は、塩酸や酢酸等の酸、またはエチレンジア
ミン四酢酸(EDTA)およびその塩、ニトリロポリ酢
酸およびその塩等を系に加えて触媒を失活させた後、生
成した樹脂を分離して、メタノールなどで洗浄、乾燥す
る。
ない。通常は、塩酸や酢酸等の酸、またはエチレンジア
ミン四酢酸(EDTA)およびその塩、ニトリロポリ酢
酸およびその塩等を系に加えて触媒を失活させた後、生
成した樹脂を分離して、メタノールなどで洗浄、乾燥す
る。
【0073】本発明のポリフェニレンエーテル樹脂組成
物の表面外観を損なわないで反りや異方性が小さく、か
つ機械的特性が優れる理由は、ポリフェニレンエーテル
樹脂中に粘土層間化合物が、多数の微小な薄板状粒子と
なって分散し、その分散状態の指標となる粘土層間化合
物の平均層厚、最大層厚、分散粒子数および平均アスペ
クト比が前述した範囲になっているためである。
物の表面外観を損なわないで反りや異方性が小さく、か
つ機械的特性が優れる理由は、ポリフェニレンエーテル
樹脂中に粘土層間化合物が、多数の微小な薄板状粒子と
なって分散し、その分散状態の指標となる粘土層間化合
物の平均層厚、最大層厚、分散粒子数および平均アスペ
クト比が前述した範囲になっているためである。
【0074】粘土層間化合物の分散状態は、上記のポリ
フェニレンエーテル樹脂組成物の製造方法における工程
(A)および工程(B)から選ばれる1種以上の工程に
よって制御され得る。
フェニレンエーテル樹脂組成物の製造方法における工程
(A)および工程(B)から選ばれる1種以上の工程に
よって制御され得る。
【0075】すなわち、例えば、工程(A)では、アミ
ノ化合物が有する有機官能基、アミノ化合物の使用量、
使用する分散媒の種類等で、粘土層間化合物の分散状態
が制御され得る。膨潤性ケイ酸塩を分散させる際の撹拌
力や剪断力が一定であるとするならば、分散媒の種類、
複数種の分散媒を用いる場合はその混合比率および混合
の順番に伴って、膨潤性ケイ酸塩の膨潤・劈開の状態は
変化する。例えば、膨潤性ケイ酸塩としてモンモリロナ
イトを用いた場合、分散媒が水のみでは、モンモリロナ
イトはほぼ単位層に近い状態にまで膨潤・劈開するの
で、その状態で水酸基、メルカプト基またはニトリル基
等の極性が高い基を有するアミノ化合物を混合すれば、
ほぼ単位層厚の粘土層間化合物が分散した分散体が調製
される。一方、エタノール、テトラヒドロフラン(TH
F)、メチルエチルケトン(MEK)やピリジン、N,
N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチ
ルアセトアミド(DMAc)、N−メチルピロリドン
(NMP)等の極性溶媒と水との混合溶媒を分散媒とし
た場合や、該極性溶媒にモンモリロナイトを分散させ次
いで水を加える等した場合は、約数枚〜約百数十枚程度
の単位層が積層した状態に劈開、細分化する。その状態
でアミノ化合物を混合すれば、ほぼ数枚〜約百数十枚分
の厚みを有する粘土層間化合物が分散した分散体が調製
される。それらの状態を保持するように、ポリフェニレ
ンエーテル樹脂組成物の製造方法における工程(B)お
よび(C)を行う事によって粘土層間化合物の分散状態
を制御し得る。
ノ化合物が有する有機官能基、アミノ化合物の使用量、
使用する分散媒の種類等で、粘土層間化合物の分散状態
が制御され得る。膨潤性ケイ酸塩を分散させる際の撹拌
力や剪断力が一定であるとするならば、分散媒の種類、
複数種の分散媒を用いる場合はその混合比率および混合
の順番に伴って、膨潤性ケイ酸塩の膨潤・劈開の状態は
変化する。例えば、膨潤性ケイ酸塩としてモンモリロナ
イトを用いた場合、分散媒が水のみでは、モンモリロナ
イトはほぼ単位層に近い状態にまで膨潤・劈開するの
で、その状態で水酸基、メルカプト基またはニトリル基
等の極性が高い基を有するアミノ化合物を混合すれば、
ほぼ単位層厚の粘土層間化合物が分散した分散体が調製
される。一方、エタノール、テトラヒドロフラン(TH
F)、メチルエチルケトン(MEK)やピリジン、N,
N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチ
ルアセトアミド(DMAc)、N−メチルピロリドン
(NMP)等の極性溶媒と水との混合溶媒を分散媒とし
た場合や、該極性溶媒にモンモリロナイトを分散させ次
いで水を加える等した場合は、約数枚〜約百数十枚程度
の単位層が積層した状態に劈開、細分化する。その状態
でアミノ化合物を混合すれば、ほぼ数枚〜約百数十枚分
の厚みを有する粘土層間化合物が分散した分散体が調製
される。それらの状態を保持するように、ポリフェニレ
ンエーテル樹脂組成物の製造方法における工程(B)お
よび(C)を行う事によって粘土層間化合物の分散状態
を制御し得る。
【0076】また、工程(B)においては、粘土層間化
合物とフェノール性化合物との混合条件、例えば攪拌
数、攪拌時の剪断力、攪拌時間で、粘土−フェノール分
散体中の粘土層間化合物の膨潤状態が制御される。それ
らの状態を保持するようにポリフェニレンエーテル樹脂
組成物の製造方法における工程(C)を行う事によって
粘土層間化合物の分散状態を制御し得る。
合物とフェノール性化合物との混合条件、例えば攪拌
数、攪拌時の剪断力、攪拌時間で、粘土−フェノール分
散体中の粘土層間化合物の膨潤状態が制御される。それ
らの状態を保持するようにポリフェニレンエーテル樹脂
組成物の製造方法における工程(C)を行う事によって
粘土層間化合物の分散状態を制御し得る。
【0077】本発明のポリフェニレンエーテル樹脂組成
物には、必要に応じて、ポリブタジエン、ブタジエン−
スチレン共重合体、アクリルゴム、アイオノマー、エチ
レン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジ
エン共重合体、天然ゴム、塩素化ブチルゴム、α−オレ
フィンの単独重合体、2種以上のα−オレフィンの共重
合体(ランダム、ブロック、グラフトなど、いずれの共
重合体も含み、これらの混合物であっても良い)、また
はオレフィン系エラストマー等の熱可塑性エラストマー
などの耐衝撃性改良剤を添加することができる。これら
は無水マレイン酸等の酸化合物、またはグリシジルメタ
クリレート等のエポキシ化合物で変性されていても良
い。また、機械的特性、成形性などの特性を損なわない
範囲で、他の任意の樹脂、例えば、ポリエステル樹脂、
ポリカーボネート樹脂、ポリエステルカーボネート樹
脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチ
レン系樹脂、ゴム質重合体強化スチレン系樹脂、ポリア
ミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリアセタ
ール樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサルフォン樹脂、
ポリイミド、ポリエーテルイミド樹脂等の熱可塑性樹脂
や、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、及びフェ
ノールノボラック樹脂等の熱硬化性樹脂の単独または2
種以上を組み合わせて使用し得る。
物には、必要に応じて、ポリブタジエン、ブタジエン−
スチレン共重合体、アクリルゴム、アイオノマー、エチ
レン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジ
エン共重合体、天然ゴム、塩素化ブチルゴム、α−オレ
フィンの単独重合体、2種以上のα−オレフィンの共重
合体(ランダム、ブロック、グラフトなど、いずれの共
重合体も含み、これらの混合物であっても良い)、また
はオレフィン系エラストマー等の熱可塑性エラストマー
などの耐衝撃性改良剤を添加することができる。これら
は無水マレイン酸等の酸化合物、またはグリシジルメタ
クリレート等のエポキシ化合物で変性されていても良
い。また、機械的特性、成形性などの特性を損なわない
範囲で、他の任意の樹脂、例えば、ポリエステル樹脂、
ポリカーボネート樹脂、ポリエステルカーボネート樹
脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチ
レン系樹脂、ゴム質重合体強化スチレン系樹脂、ポリア
ミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリアセタ
ール樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサルフォン樹脂、
ポリイミド、ポリエーテルイミド樹脂等の熱可塑性樹脂
や、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、及びフェ
ノールノボラック樹脂等の熱硬化性樹脂の単独または2
種以上を組み合わせて使用し得る。
【0078】更に、本発明のポリフェニレンエーテル樹
脂組成物には、目的に応じて、顔料や染料、熱安定剤、
酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、可塑剤、
難燃剤、及び帯電防止剤等の添加剤を添加することがで
きる。本発明のポリフェニレンエーテル樹脂組成物は、
射出成形や押出成形、熱プレス成形で成形しても良く、
ブロー成形にも使用できる。そのような成形品は外観、
機械的特性等に優れる為、例えば、自動車部品、家庭用
電気製品部品、精密機械部品、家庭日用品、包装・容器
資材、電気磁気基材、その他一般工業用資材に好適に用
いられる。
脂組成物には、目的に応じて、顔料や染料、熱安定剤、
酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、可塑剤、
難燃剤、及び帯電防止剤等の添加剤を添加することがで
きる。本発明のポリフェニレンエーテル樹脂組成物は、
射出成形や押出成形、熱プレス成形で成形しても良く、
ブロー成形にも使用できる。そのような成形品は外観、
機械的特性等に優れる為、例えば、自動車部品、家庭用
電気製品部品、精密機械部品、家庭日用品、包装・容器
資材、電気磁気基材、その他一般工業用資材に好適に用
いられる。
【0079】本発明のポリフェニレンエーテル樹脂組成
物中では粘土層間化合物が非常に細かく、かつ薄い板状
で均一分散していることから、表面外観を損なうことな
く、機械的特性、反りを改善することができる。
物中では粘土層間化合物が非常に細かく、かつ薄い板状
で均一分散していることから、表面外観を損なうことな
く、機械的特性、反りを改善することができる。
【0080】
【実施例】実施例、及び比較例で使用する主要原料を以
下にまとめて示す。尚、特に断らない場合は、原料の精
製は行っていない。 (原料) ・2,6−ジメチルフェノール:和光純薬(株)の(和
光規格品)2,6−ジメチルフェノール(以降、26D
Pと称す)を用いた。 ・膨潤性ケイ酸塩:クニミネ工業(株)のクニピアF
(以降、クニピアFと称す、底面間隔=13Å)、豊順
洋行(株)のベンゲルHVP(以降、ベンゲルHVPと
称す、底面間隔=13Å)を用いた。 ・α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリエチレング
リコールエーテル;広栄化学(株)のアミノ化合物を用
いた(以降、αωAPEGと称す)。 ・1,2−ビス−(3−アミノプロポキシ)エタン:広
栄化学(株)のアミノ化合物を用いた(以降、BAPE
と称す)。 ・ポリスチレン樹脂:住友化学(株)のスミブライト
GPPS−M140(以降、M140と称す)を用い
た。 ・ガラス繊維:日本電気硝子(株)のT−195H(以
降、T195Hと称す)を用いた。 また、実施例および比較例における評価方法を以下にま
とめて示す。 (分散状態の測定)粘土層間化合物に関しては、TEM
を用いて以下のように行った。
下にまとめて示す。尚、特に断らない場合は、原料の精
製は行っていない。 (原料) ・2,6−ジメチルフェノール:和光純薬(株)の(和
光規格品)2,6−ジメチルフェノール(以降、26D
Pと称す)を用いた。 ・膨潤性ケイ酸塩:クニミネ工業(株)のクニピアF
(以降、クニピアFと称す、底面間隔=13Å)、豊順
洋行(株)のベンゲルHVP(以降、ベンゲルHVPと
称す、底面間隔=13Å)を用いた。 ・α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリエチレング
リコールエーテル;広栄化学(株)のアミノ化合物を用
いた(以降、αωAPEGと称す)。 ・1,2−ビス−(3−アミノプロポキシ)エタン:広
栄化学(株)のアミノ化合物を用いた(以降、BAPE
と称す)。 ・ポリスチレン樹脂:住友化学(株)のスミブライト
GPPS−M140(以降、M140と称す)を用い
た。 ・ガラス繊維:日本電気硝子(株)のT−195H(以
降、T195Hと称す)を用いた。 また、実施例および比較例における評価方法を以下にま
とめて示す。 (分散状態の測定)粘土層間化合物に関しては、TEM
を用いて以下のように行った。
【0081】厚み50〜100μmの超薄切片を用い
た。透過型電子顕微鏡(日本電子JEM−1200E
X)を用い、加速電圧80kVで倍率4万〜100万倍
で粘土層間化合物の分散状態を観察撮影した。TEM写
真において、100個以上の分散粒子が存在する領域を
選択し、粒子数([N]値)、層厚および層長を、目盛
り付きの定規を用いた手計測または、必要に応じてイン
タークエスト社の画像解析装置PIASIIIを用いて処
理する事により測定した。
た。透過型電子顕微鏡(日本電子JEM−1200E
X)を用い、加速電圧80kVで倍率4万〜100万倍
で粘土層間化合物の分散状態を観察撮影した。TEM写
真において、100個以上の分散粒子が存在する領域を
選択し、粒子数([N]値)、層厚および層長を、目盛
り付きの定規を用いた手計測または、必要に応じてイン
タークエスト社の画像解析装置PIASIIIを用いて処
理する事により測定した。
【0082】平均アスペクト比は個々の粘土層間化合物
の層長と層厚の比の数平均値とした。[N]値の測定は
以下のようにして行った。まず、TEM像上で、選択し
た領域に存在する粘土層間化合物の粒子数を求める。こ
れとは別に、粘土層間化合物に由来する樹脂組成物の灰
分率を測定する。上記粒子数を灰分率で除し、面積10
0μm2に換算した値を[N]値とした。
の層長と層厚の比の数平均値とした。[N]値の測定は
以下のようにして行った。まず、TEM像上で、選択し
た領域に存在する粘土層間化合物の粒子数を求める。こ
れとは別に、粘土層間化合物に由来する樹脂組成物の灰
分率を測定する。上記粒子数を灰分率で除し、面積10
0μm2に換算した値を[N]値とした。
【0083】平均層厚は個々の粘土層間化合物の層厚の
数平均値、最大層厚は個々の粘土層間化合物の層厚の中
で最大の値とした。
数平均値、最大層厚は個々の粘土層間化合物の層厚の中
で最大の値とした。
【0084】分散粒子が大きく、TEMでの観察が不適
当である場合は、光学顕微鏡(オリンパス光学(株)製
の光学顕微鏡BH−2)を用いて上記と同様の方法で
[N]値を求めた。ただし、必要に応じて、サンプルは
LINKAM製のホットステージTHM600を用いて
250〜280℃で溶融させ、溶融状態のままで分散粒
子の状態を測定した。
当である場合は、光学顕微鏡(オリンパス光学(株)製
の光学顕微鏡BH−2)を用いて上記と同様の方法で
[N]値を求めた。ただし、必要に応じて、サンプルは
LINKAM製のホットステージTHM600を用いて
250〜280℃で溶融させ、溶融状態のままで分散粒
子の状態を測定した。
【0085】板状に分散しない分散粒子のアスペクト比
は、長径/短径の値とした。ここで、長径とは、顕微鏡
像等において、対象となる粒子の外接する長方形のうち
面積が最小となる長方形を仮定すれば、その長方形の長
辺を意図する。また、短径とは、上記最小となる長方形
の短辺を意図する。 (小角X線回折法(SAXS)による底面間隔の測定)
X線発生装置(理学電機(株)製、RU−200B)を
用い、ターゲットCuKα線、Niフィルター、電圧4
0kV、電流200mA、走査角2θ=0.2〜16.0
°、ステップ角=0.02°の測定条件で底面間隔を測
定した。
は、長径/短径の値とした。ここで、長径とは、顕微鏡
像等において、対象となる粒子の外接する長方形のうち
面積が最小となる長方形を仮定すれば、その長方形の長
辺を意図する。また、短径とは、上記最小となる長方形
の短辺を意図する。 (小角X線回折法(SAXS)による底面間隔の測定)
X線発生装置(理学電機(株)製、RU−200B)を
用い、ターゲットCuKα線、Niフィルター、電圧4
0kV、電流200mA、走査角2θ=0.2〜16.0
°、ステップ角=0.02°の測定条件で底面間隔を測
定した。
【0086】底面間隔は、小角X線回折ピーク角値をB
raggの式に代入して算出した。ただし、小角X線ピ
ーク角値の確認が困難である場合は、層が十分に劈開し
て結晶性が実質的に消失したかあるいは、ピーク角値が
おおよそ0.8°以下である為に確認が困難であるとみ
なし、底面間隔の評価結果としては>100Åとした。 (反り)ポリフェニレンエーテル樹脂組成物を乾燥(1
20℃、5時間)した後、型締圧75tの射出成形機
(東芝機械(株)製、IS−75E)を用い、金型温度
50℃、樹脂温度200℃、ゲージ圧約10MPa、射
出速度約50%の条件で射出成形して、寸法約120×
120×1mmの平板状試験片を作製した。平面上に上
記の平板状試験片を置き、反りの程度をみた。 (表面外観)ポリフェニレンエーテル樹脂組成物を乾燥
(120℃、5時間)した。型締圧75tの射出成形機
(東芝機械(株)製、IS−75E)を用い、樹脂温度
200℃、ゲージ圧約10MPa、射出速度約50%の
条件で厚さ約3mmのJIS1号ダンベル状試験片を射
出成形し、中心線平均粗さで評価した。中心線表面粗さ
は、東京精密(株)製の表面粗さ計;surfcom1
500Aを用いて測定した。 (曲げ特性)ポリフェニレンエーテル樹脂組成物を乾燥
(120℃、5時間)した。型締圧75tの射出成形機
(東芝機械(株)製、IS−75E)を用い、樹脂温度
約260℃、ゲージ圧約10MPa、射出速度約50%
の条件で射出成形して、寸法約10×100×6mmの
試験片を作製した。得られた試験片の曲げ強度および曲
げ弾性率を、ASTMD−790に従って測定した。 (異方性;線膨張係数)上記と同様の条件で作製した、
厚さ約3mmのJIS1号ダンベル状試験片のMD方向
とTD方向の線膨張係数の比率によって異方性を測定し
た。比率が1に近いほど異方性が小さく、等方性であ
る、すなわち寸法精度が優れていることを表す。尚、線
膨張係数は、上記のダンベル状試験片の中心部分を約7
mm×7mmに切り取り、セイコー電子(株)社製のS
SC−5200およびTMA−120Cを用いて測定し
た。 (灰分率)粘土層間化合物に由来する、ポリフェニレン
エーテル樹脂組成物の灰分率は、JISK7052に準
じて測定した。 (実施例1) 工程(A) 4000gのイオン交換水に180gのクニピアFを加
え、日本精機(株)製の湿式ミルを用いて5000rp
m、5分間撹拌して混合した。その後、40gのαωA
PEGを加えてから更に、表1に示した条件で撹拌し、
乾燥粉末化する事によって粘土層間化合物を調製した。
(粘土層間化合物の確認は、固形分を分離、乾燥、粉砕
したものをSAXSにより底面間隔を測定することによ
り行った。結果は表1に示す。)。
raggの式に代入して算出した。ただし、小角X線ピ
ーク角値の確認が困難である場合は、層が十分に劈開し
て結晶性が実質的に消失したかあるいは、ピーク角値が
おおよそ0.8°以下である為に確認が困難であるとみ
なし、底面間隔の評価結果としては>100Åとした。 (反り)ポリフェニレンエーテル樹脂組成物を乾燥(1
20℃、5時間)した後、型締圧75tの射出成形機
(東芝機械(株)製、IS−75E)を用い、金型温度
50℃、樹脂温度200℃、ゲージ圧約10MPa、射
出速度約50%の条件で射出成形して、寸法約120×
120×1mmの平板状試験片を作製した。平面上に上
記の平板状試験片を置き、反りの程度をみた。 (表面外観)ポリフェニレンエーテル樹脂組成物を乾燥
(120℃、5時間)した。型締圧75tの射出成形機
(東芝機械(株)製、IS−75E)を用い、樹脂温度
200℃、ゲージ圧約10MPa、射出速度約50%の
条件で厚さ約3mmのJIS1号ダンベル状試験片を射
出成形し、中心線平均粗さで評価した。中心線表面粗さ
は、東京精密(株)製の表面粗さ計;surfcom1
500Aを用いて測定した。 (曲げ特性)ポリフェニレンエーテル樹脂組成物を乾燥
(120℃、5時間)した。型締圧75tの射出成形機
(東芝機械(株)製、IS−75E)を用い、樹脂温度
約260℃、ゲージ圧約10MPa、射出速度約50%
の条件で射出成形して、寸法約10×100×6mmの
試験片を作製した。得られた試験片の曲げ強度および曲
げ弾性率を、ASTMD−790に従って測定した。 (異方性;線膨張係数)上記と同様の条件で作製した、
厚さ約3mmのJIS1号ダンベル状試験片のMD方向
とTD方向の線膨張係数の比率によって異方性を測定し
た。比率が1に近いほど異方性が小さく、等方性であ
る、すなわち寸法精度が優れていることを表す。尚、線
膨張係数は、上記のダンベル状試験片の中心部分を約7
mm×7mmに切り取り、セイコー電子(株)社製のS
SC−5200およびTMA−120Cを用いて測定し
た。 (灰分率)粘土層間化合物に由来する、ポリフェニレン
エーテル樹脂組成物の灰分率は、JISK7052に準
じて測定した。 (実施例1) 工程(A) 4000gのイオン交換水に180gのクニピアFを加
え、日本精機(株)製の湿式ミルを用いて5000rp
m、5分間撹拌して混合した。その後、40gのαωA
PEGを加えてから更に、表1に示した条件で撹拌し、
乾燥粉末化する事によって粘土層間化合物を調製した。
(粘土層間化合物の確認は、固形分を分離、乾燥、粉砕
したものをSAXSにより底面間隔を測定することによ
り行った。結果は表1に示す。)。
【0087】
【表1】 工程(B) 上記の粘土層間化合物とトルエン2700gを湿式ミル
で十分(5000rpm×30分)に混合し、次いで9
00gのメタノールと700gのn−ブタノールを加え
て充分に混合した。次いで、窒素雰囲気下、800gの
26DPを溶解・攪拌することによって、粘土層間化合
物とフェノール性化合物26DPを含有する粘土−フェ
ノール分散体を得た。粘土−フェノール分散体中の粘土
層間化合物の底面間隔は、>100Åであった。 工程(C) 0.58gの塩化第二銅、4.5gのp−トルエンスルホ
ン酸1水和物、360gのメタノール、40gのN,N,
N,’N,’−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパ
ン、8gのジ−n−ブチルアミン、1070gのトルエ
ンと360gのn−ブタノールを十分に混合し、触媒溶
液を調製した。これとは別に、上記の粘土−フェノール
分散体を反応槽に投入した。撹拌しながら反応槽を酸素
置換し、そのまま酸素気流させた。次いで、粘土−フェ
ノール分散体を激しく撹拌しながら、上記の触媒溶液を
添加して、40℃で3時間重合を行った。次いで、メタ
ノールで重合体を析出させ、洗浄する事によって、粘土
層間化合物を含有するポリフェニレンエーテル樹脂を重
合した。
で十分(5000rpm×30分)に混合し、次いで9
00gのメタノールと700gのn−ブタノールを加え
て充分に混合した。次いで、窒素雰囲気下、800gの
26DPを溶解・攪拌することによって、粘土層間化合
物とフェノール性化合物26DPを含有する粘土−フェ
ノール分散体を得た。粘土−フェノール分散体中の粘土
層間化合物の底面間隔は、>100Åであった。 工程(C) 0.58gの塩化第二銅、4.5gのp−トルエンスルホ
ン酸1水和物、360gのメタノール、40gのN,N,
N,’N,’−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパ
ン、8gのジ−n−ブチルアミン、1070gのトルエ
ンと360gのn−ブタノールを十分に混合し、触媒溶
液を調製した。これとは別に、上記の粘土−フェノール
分散体を反応槽に投入した。撹拌しながら反応槽を酸素
置換し、そのまま酸素気流させた。次いで、粘土−フェ
ノール分散体を激しく撹拌しながら、上記の触媒溶液を
添加して、40℃で3時間重合を行った。次いで、メタ
ノールで重合体を析出させ、洗浄する事によって、粘土
層間化合物を含有するポリフェニレンエーテル樹脂を重
合した。
【0088】乾燥後、1800gのM140とドライブ
レンドし、30mm径2軸押出機(日本製鋼(株)製、
LABOTEX30)を用いて温度約250℃、回転数
100rpmの条件にて溶融混練を行い、ポリフェニレ
ンエーテル樹脂組成物を得、評価した。結果は表2に示
す。
レンドし、30mm径2軸押出機(日本製鋼(株)製、
LABOTEX30)を用いて温度約250℃、回転数
100rpmの条件にて溶融混練を行い、ポリフェニレ
ンエーテル樹脂組成物を得、評価した。結果は表2に示
す。
【0089】
【表2】 (実施例2) 工程(A) αωAPEGの代わりに、45gのBAPEを用いた以
外は、実施例1と同様に粘土−フェノール分散体を調製
した。結果は表1に示す。粘土−フェノール分散体中の
粘土層間化合物の底面間隔は、87Åであった。 工程(B)、(C) 実施例1と同様に行い、ポリフェニレンエーテル樹脂組
成物を得、評価した。結果は表2に示す。 (実施例3) 工程(A) クニピアFの代わりに、200gのベンゲルHVPを用
いた以外は実施例1と同様に粘土−フェノール分散体を
調製した。結果は表1に示す。粘土−フェノール分散体
中の粘土層間化合物の底面間隔は、>100Åであっ
た。 工程(B)、(C) 実施例1と同様に行い、ポリフェニレンエーテル樹脂組
成物を得、評価した。結果は表2に示す。 (実施例4)2軸押出機(日本製鋼(株)、LABOT
EX30)を用いて温度約250℃、回転数100rp
mの条件にて、実施例1と同様の方法で重合した粘土層
間化合物を含有するポリフェニレンエーテル樹脂、18
00gのM140および200gのガラス繊維T195
Hを溶融混練を行い、ポリフェニレンエーテル樹脂組成
物を得、評価した。結果は表2に示す。 (比較例1)粘土層間化合物を用いないで実施例1と同
様の方法でポリフェニレンエーテル樹脂を重合し、次い
でM140と溶融混練を行い、ポリフェニレンエーテル
樹脂組成物を得、評価した。結果は表3に示す。
外は、実施例1と同様に粘土−フェノール分散体を調製
した。結果は表1に示す。粘土−フェノール分散体中の
粘土層間化合物の底面間隔は、87Åであった。 工程(B)、(C) 実施例1と同様に行い、ポリフェニレンエーテル樹脂組
成物を得、評価した。結果は表2に示す。 (実施例3) 工程(A) クニピアFの代わりに、200gのベンゲルHVPを用
いた以外は実施例1と同様に粘土−フェノール分散体を
調製した。結果は表1に示す。粘土−フェノール分散体
中の粘土層間化合物の底面間隔は、>100Åであっ
た。 工程(B)、(C) 実施例1と同様に行い、ポリフェニレンエーテル樹脂組
成物を得、評価した。結果は表2に示す。 (実施例4)2軸押出機(日本製鋼(株)、LABOT
EX30)を用いて温度約250℃、回転数100rp
mの条件にて、実施例1と同様の方法で重合した粘土層
間化合物を含有するポリフェニレンエーテル樹脂、18
00gのM140および200gのガラス繊維T195
Hを溶融混練を行い、ポリフェニレンエーテル樹脂組成
物を得、評価した。結果は表2に示す。 (比較例1)粘土層間化合物を用いないで実施例1と同
様の方法でポリフェニレンエーテル樹脂を重合し、次い
でM140と溶融混練を行い、ポリフェニレンエーテル
樹脂組成物を得、評価した。結果は表3に示す。
【0090】
【表3】 (比較例2)粘土層間化合物の代わりに180gのクニ
ピアFを用いた以外は実施例1と同様にポリフェニレン
エーテル樹脂を重合し、次いでM140と溶融混練を行
い、ポリフェニレンエーテル樹脂組成物を得、評価し
た。結果は表3に示す。 (比較例3)180gのクニピアFに40gのαωAP
EGをスプレーを用いて直接噴霧し、1時間混合する事
によってクニピアFをアミノ処理した。アミノ処理クニ
ピアFの底面間隔は13Åであった。
ピアFを用いた以外は実施例1と同様にポリフェニレン
エーテル樹脂を重合し、次いでM140と溶融混練を行
い、ポリフェニレンエーテル樹脂組成物を得、評価し
た。結果は表3に示す。 (比較例3)180gのクニピアFに40gのαωAP
EGをスプレーを用いて直接噴霧し、1時間混合する事
によってクニピアFをアミノ処理した。アミノ処理クニ
ピアFの底面間隔は13Åであった。
【0091】粘土−フェノール分散体の代わりに、上記
のアミノ処理クニピアFを用いた以外は、実施例1と同
様な方法でポリフェニレンエーテル樹脂を重合し、次い
でM140と溶融混練を行い、ポリフェニレンエーテル
樹脂組成物を得、評価した。結果は表3に示す。 (比較例4)4000gのイオン交換水に180gのク
ニピアを添加し、湿式ミル(日本精機(株)製)を用
い、5000rpmで5分間撹拌した。次いで、和光純
薬(株)のn−ブチルアルデヒド40gを添加し、更に
5000rpm、3時間撹拌した後、乾燥した。次い
で、実施例1と同様の方法で重合し、M140と溶融混
練を行い、ポリフェニレンエーテル樹脂組成物を得、評
価した。結果は表3に示す。 (比較例5)イオン交換水900gと300gのクニピ
アFとを超音波をかけて混合し、クニピアFを膨潤させ
た。
のアミノ処理クニピアFを用いた以外は、実施例1と同
様な方法でポリフェニレンエーテル樹脂を重合し、次い
でM140と溶融混練を行い、ポリフェニレンエーテル
樹脂組成物を得、評価した。結果は表3に示す。 (比較例4)4000gのイオン交換水に180gのク
ニピアを添加し、湿式ミル(日本精機(株)製)を用
い、5000rpmで5分間撹拌した。次いで、和光純
薬(株)のn−ブチルアルデヒド40gを添加し、更に
5000rpm、3時間撹拌した後、乾燥した。次い
で、実施例1と同様の方法で重合し、M140と溶融混
練を行い、ポリフェニレンエーテル樹脂組成物を得、評
価した。結果は表3に示す。 (比較例5)イオン交換水900gと300gのクニピ
アFとを超音波をかけて混合し、クニピアFを膨潤させ
た。
【0092】2軸押出機(日本製鋼(株)、TEX4
4)を用い、温度300〜320℃、回転数350rp
mの条件にて、比較例1と同様の方法で重合したポリフ
ェニレンエーテル樹脂1320g、3080gのM14
0および上記のイオン交換水で膨潤したクニピアFを溶
融混練し、揮発する水分はベント口から減圧除去し、ポ
リフェニレンエーテル樹脂組成物を得、評価した。結果
は表3に示す。
4)を用い、温度300〜320℃、回転数350rp
mの条件にて、比較例1と同様の方法で重合したポリフ
ェニレンエーテル樹脂1320g、3080gのM14
0および上記のイオン交換水で膨潤したクニピアFを溶
融混練し、揮発する水分はベント口から減圧除去し、ポ
リフェニレンエーテル樹脂組成物を得、評価した。結果
は表3に示す。
【0093】(比較例6)比較例1と同様の方法で重合
したポリフェニレンエーテル樹脂800gと1800g
のM140および650gのガラス繊維T195Hを、
比較例4と同条件にて溶融混練を行い、ポリフェニレン
エーテル樹脂組成物を得、評価した。結果は表3に示
す。
したポリフェニレンエーテル樹脂800gと1800g
のM140および650gのガラス繊維T195Hを、
比較例4と同条件にて溶融混練を行い、ポリフェニレン
エーテル樹脂組成物を得、評価した。結果は表3に示
す。
【0094】
【発明の効果】ポリフェニレンエーテル樹脂中で、膨潤
性ケイ酸塩の単位層同士を分離劈開して、1つの膨潤性
ケイ酸塩の凝集粒子を、非常に多数の極微小な薄板状の
層に細分化することによって、表面外観を損なうことな
く、機械的特性や低反りへの効果が効率的に得られるポ
リフェニレンエーテル樹脂組成物が得られる。
性ケイ酸塩の単位層同士を分離劈開して、1つの膨潤性
ケイ酸塩の凝集粒子を、非常に多数の極微小な薄板状の
層に細分化することによって、表面外観を損なうことな
く、機械的特性や低反りへの効果が効率的に得られるポ
リフェニレンエーテル樹脂組成物が得られる。
Claims (9)
- 【請求項1】 (A)ポリフェニレンエーテル樹脂、及
び(B)アミノ基を少なくとも1個有するアミノ化合物
と膨潤性ケイ酸塩とを分散媒中で混合することによって
調製される粘土層間化合物、を含有するポリフェニレン
エーテル樹脂組成物。 - 【請求項2】 (A)ポリフェニレンエーテル樹脂、及
び(B)1級、2級および3級アミノ基からなる群より
選択される1種以上のアミノ基を少なくとも1個有する
炭素数1〜25の炭化水素化合物であるアミノ化合物
と、膨潤性ケイ酸塩とを分散媒中で混合することによっ
て調製される粘土層間化合物、を含有するポリフェニレ
ンエーテル樹脂組成物。 - 【請求項3】 (B)成分が、1級、2級および3級ア
ミノ基からなる群より選択される1種以上のアミノ基を
少なくとも1個有し、かつ水酸基、メルカプト基、エー
テル基、カルボニル基、ニトロ基および塩素原子より成
る群から選択される1種以上の置換基を有する炭素数1
〜25の炭化水素化合物であるアミノ化合物と、膨潤性
ケイ酸塩とを分散媒中で混合することによって調製され
る粘土層間化合物であることを特徴とする請求項2記載
のポリフェニレンエーテル樹脂組成物。 - 【請求項4】 粘土層間化合物の平均層厚が500Å以
下である、請求項1〜3記載のポリフェニレンエーテル
樹脂組成物。 - 【請求項5】 粘土層間化合物の最大層厚が2000Å
以下である、請求項1〜4記載のポリフェニレンエーテ
ル樹脂組成物。 - 【請求項6】 樹脂組成物の面積100μm2中に存在
する、粘土層間化合物の単位比率当たりの粒子数である
と定義される、粘土層間化合物の[N]値が30以上で
ある、請求項1〜5記載のポリフェニレンエーテル樹脂
組成物。 - 【請求項7】 粘土層間化合物の平均アスペクト比(層
長さ/層厚の比)が10〜300である、請求項1〜6
記載のポリフェニレンエーテル樹脂組成物。 - 【請求項8】 (A)粘土層間化合物を調製する工程、
(B)粘土層間化合物および下記一般式(1): 【化1】 (式中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ水素、ハ
ロゲン原子、官能基で置換されていてもよいアルキル
基、官能基で置換されていて良いアラルキル基、官能基
で置換されていても良いアリール基、官能基で置換され
ていてもよいアルコキシ基である)で表されるフェノー
ル性化合物を混合する工程、(C)フェノール性化合物
を重合する工程を包含する、請求項1〜7記載のポリフ
ェニレンエーテル樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項9】 工程(B)で、フェノール性化合物と混
合した後の粘土層間化合物の底面間隔が、膨潤性ケイ酸
塩の底面間隔の3倍以上であることを特徴とする、請求
項8記載のポリフェニレンエーテル樹脂組成物の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11100222A JP2000290492A (ja) | 1999-04-07 | 1999-04-07 | ポリフェニレンエーテル樹脂組成物および製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11100222A JP2000290492A (ja) | 1999-04-07 | 1999-04-07 | ポリフェニレンエーテル樹脂組成物および製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000290492A true JP2000290492A (ja) | 2000-10-17 |
Family
ID=14268278
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11100222A Pending JP2000290492A (ja) | 1999-04-07 | 1999-04-07 | ポリフェニレンエーテル樹脂組成物および製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000290492A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7138452B2 (en) | 2001-12-27 | 2006-11-21 | Lg Chem, Ltd. | Nanocomposite blend composition having super barrier property |
WO2008102876A1 (ja) * | 2007-02-22 | 2008-08-28 | Asahi Kasei Chemicals Corporation | ポリマー-(オルガノ)クレイ複合体、これを用いた組成物、およびこれらを用いたシート状物、ならびに、ポリマー-(オルガノ)クレイ複合体の製造方法 |
JP2009221403A (ja) * | 2008-03-18 | 2009-10-01 | Asahi Kasei Chemicals Corp | ポリフェニレンエーテルの製造方法 |
JP2020132704A (ja) * | 2019-02-15 | 2020-08-31 | 東レ株式会社 | 熱可塑性樹脂組成物およびそれを成形してなる成形品 |
-
1999
- 1999-04-07 JP JP11100222A patent/JP2000290492A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7138452B2 (en) | 2001-12-27 | 2006-11-21 | Lg Chem, Ltd. | Nanocomposite blend composition having super barrier property |
WO2008102876A1 (ja) * | 2007-02-22 | 2008-08-28 | Asahi Kasei Chemicals Corporation | ポリマー-(オルガノ)クレイ複合体、これを用いた組成物、およびこれらを用いたシート状物、ならびに、ポリマー-(オルガノ)クレイ複合体の製造方法 |
JPWO2008102876A1 (ja) * | 2007-02-22 | 2010-05-27 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | ポリマー−(オルガノ)クレイ複合体、これを用いた組成物、およびこれらを用いたシート状物、ならびに、ポリマー−(オルガノ)クレイ複合体の製造方法 |
JP2009221403A (ja) * | 2008-03-18 | 2009-10-01 | Asahi Kasei Chemicals Corp | ポリフェニレンエーテルの製造方法 |
JP2020132704A (ja) * | 2019-02-15 | 2020-08-31 | 東レ株式会社 | 熱可塑性樹脂組成物およびそれを成形してなる成形品 |
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