JPWO2008102876A1 - ポリマー−(オルガノ)クレイ複合体、これを用いた組成物、およびこれらを用いたシート状物、ならびに、ポリマー−(オルガノ)クレイ複合体の製造方法 - Google Patents
ポリマー−(オルガノ)クレイ複合体、これを用いた組成物、およびこれらを用いたシート状物、ならびに、ポリマー−(オルガノ)クレイ複合体の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
難燃性や、耐光性、耐薬品性および耐衝撃性等の耐久性、シート押出性等が著しく改良された高性能なポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体等を得ること。溶媒と触媒とフェノール性化合物とオルガノクレイとを含み、該オルガノクレイを該フェノール性化合物100質量部に対して0.1〜20質量部含む、混合物を作製し、前記混合物に酸素含有ガスを接触させて前記フェノール性化合物を酸化重合させる、得られた重合混合物から前記溶媒と前記触媒から分離して、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を得る。該方法は、芳香族ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、およびポリアリレートなど他のポリマー−(オルガノ)クレイ複合体の製造においても適用可能である。
Description
本発明は、難燃性や、耐光性、耐薬品性および耐衝撃性等の耐久性が改良されたポリマー−(オルガノ)クレイ複合体、これを用いた組成物、およびこれらを用いたシート状物、ならびに、そのようなポリマー−(オルガノ)クレイ複合体を製造し得る製法に関し、特に、重合工程において特定の重合モノマーに特定量の(オルガノ)クレイを添加して複合化させる、ポリマー−(オルガノ)クレイ複合体の製造方法に関する。
熱可塑性樹脂の機械強度や耐久性を改良することを目的として、クレイ(層状ケイ酸塩鉱物)やオルガノクレイ(有機化された層状ケイ酸塩鉱物)を熱可塑性樹脂中に添加して複合化することが、従来から行われている。熱可塑性樹脂とオルガノクレイの重合時における複合化方法として、例えば、特許文献1には、陽イオン交換容量が50〜200ミリ等量/100gの層状の粘土鉱物と膨潤化剤とを分散媒の存在下で接触させて複合体とする接触工程と、上記分散媒を含んだ状態の複合体と高分子化合物のモノマーとを混合する混合工程と、得られた混合物中の高分子化合物のモノマーを重合させる重合工程とからなる、複合材料の製造方法が記載されている。しかしながら、特許文献1において具体的に記述されているのは、極性が高い分散媒、極性が高いモノマーから誘導される極性が高いポリマーに関するもののみである。すなわち、特許文献1には、低極性の熱可塑性樹脂と(オルガノ)クレイとの熱可塑性樹脂複合材料に関する具体的な記述はない。一方、オルガノクレイとの複合化を低極性のポリマーに応用した例は、例えば、特許文献2に記載されている。しかしながら、特許文献2において具体的に記述されているのは、ビニル系モノマーに関するもののみである。すなわち、特許文献2には、加工時に高温に晒される熱可塑性樹脂に関する具体的な記述はない。しかも、特許文献2に記載の技術は、ビニル系モノマーとビニル基を有する特殊なオニウムイオンとを必要とするため、この技術を、非ビニル系モノマーを重合させて得る熱可塑性樹脂に対して適用することは考えられなかった。
一方、特許文献3および4にも、オルガノクレイの存在下、モノマーを重合させることにより両者を複合化する技術が記載されている。しかしながら、特許文献3および4には、加工時に高温に晒される熱可塑性樹脂への適用に関する具体的な記載はない。その上さらに、特許文献3および4に記載の技術は、いずれも、オルガノクレイをモノマー中に分散させるために特殊な処理が必要とされる。具体的には、特許文献3に記載の技術では、クレイと結合する官能基を分子鎖の側鎖に有する特殊な有機化剤で処理したオルガノクレイを用いることが必要とされ、特許文献4に記載の技術では、加熱加圧下で高温高圧流体または超臨界流体とすることが必要とされる。そのため、特許文献3および4に記載の技術は、簡便で汎用性のあるものではなく、生産性および経済性に劣るものであった。
他方、特許文献5および6には、ガラス転移温度(Tg)が150℃以上の熱可塑性樹脂とオルガノクレイとを溶融混練時に複合化する記載され、具体的には、ポリフェニレンエーテルとオルガノクレイとを押出時に溶融混練する方法(所謂メルトインターカレーション法)が記載されている。そして現在、オルガノクレイとポリフェニレンエーテルとを複合化する技術に関しては、この種のメルトインターカレーション法が進展しつつある。
しかしながら、上述したメルトインターカレーション法による複合化では、難燃性や、耐光性、耐薬品性および耐衝撃性等の耐久性が十分に改良された、高性能な複合材料を得ることは極めて困難であった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、難燃性や、耐光性、耐薬品性および耐衝撃性等の耐久性、シート押出性等が著しく改良された高性能なポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体、およびこれを用いた組成物、ならびにこれらを用いたシート状物を提供することにある。また、本発明は、ポリフェニレンエーテルの重合時にオルガノクレイに添加して複合化させる手法を採りながらも、かかる高性能なポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を簡便に製造可能な、生産性および経済性に優れる製造方法を提供することをも目的とする。
さらに、本発明は、上記のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製法を応用することにより、難燃性や、耐光性、耐薬品性および耐衝撃性等の耐久性、シート押出性等が著しく改良された高性能なポリマー−(オルガノ)クレイ複合体、ならびに、そのようなポリマー−(オルガノ)クレイ複合体を用いた組成物およびシート状物を提供することをも目的とする。また同様に、本発明は、上記のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製法を応用することにより、ポリマーの重合時に(オルガノ)クレイに添加して複合化させる手法を採りながらも、かかる高性能なポリマー−(オルガノ)クレイ複合体を簡便に製造可能な、生産性および経済性に優れる製造方法を提供することをも目的とする。
上記課題を解決するため、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、ポリマーの重合時に(オルガノ)クレイを添加して複合化させる手法において、重合に用いるモノマー成分および重合系中に添加する(オルガノ)クレイの添加量を最適化することにより、従来のメルトインターカレーション法によって得られる複合材料に比して、難燃性や、耐光性、耐薬品性および耐衝撃性等の耐久性等が改良された高性能なポリマー−(オルガノ)クレイ複合体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。また、本発明者らは、必要に応じて使用する触媒成分と触媒組成および溶媒成分並びにこれらの組み合わせを最適化することにより、従来のメルトインターカレーション法によって得られる複合材料に比して、少ない添加量で流動性や靭性等の物性をさほど低下させることなく、さらなる高性能化が達成され、しかも、シート押出成形時のガスや付着物の発生状態等が著しく改良されることをも見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下<1>〜<25>を提供する。
<1>溶媒と触媒の存在下、酸素含有ガスを用いてフェノール性化合物を酸化重合させる、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法において、
溶媒と触媒とフェノール性化合物とオルガノクレイとを含み、該オルガノクレイを該フェノール性化合物100質量部に対して0.1〜20質量部含む、混合物を作製する工程と、
前記混合物に酸素含有ガスを接触させて前記フェノール性化合物を酸化重合させる工程と、
得られた重合混合物から前記溶媒と前記触媒から分離して、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を得る工程と
を有する、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。
<2>前記触媒が、銅化合物、ハロゲン化合物および一般式(1)で表されるジアミン化合物を含むものである、
上記<1>に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。
(式中、R1、R2、R3、R4は各々独立して、水素、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状アルキル基であるが、R1〜R4のすべてが同時に水素とはならない。R5は炭素数2〜5の直鎖状またはメチル分岐を持つアルキレン基である)
<3>前記オルガノクレイは、層状ケイ酸塩が有機オニウム塩で有機化されたものである、
上記<1>または<2>に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。
<4>前記オルガノクレイは、層状ケイ酸塩が4級アンモニウム塩で有機化されたものである、
上記<1>〜<3>のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。
<5>前記オルガノクレイは、分子構造中に少なくとも1個の芳香環を有する4級アンモニウム塩で有機化されたベントナイトまたはヘクトライトである、
上記<1>〜<4>のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。
<6>前記オルガノクレイの強熱減量(600℃で5時間加熱した後の、元の質量に対する減量の割合)が40〜60質量%である、
上記<1>〜<5>のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。
<7>前記オルガノクレイの層間距離が20〜60Åである、
上記<1>〜<6>のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。
<8>前記フェノール性化合物が、2,6−ジメチルフェノール、または、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの混合物である、
上記<1>〜<7>のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。
<9>前記ハロゲン化合物が、塩化アンモニウム化合物または臭化アンモニウム化合物である、
上記<2>〜<8>のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。
<10>前記ハロゲン化合物が、ハロゲン化トリ−n−オクチルメチルアンモニウムである、
上記<2>〜<8>のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。
<11>前記ジアミン化合物が、N,N’−ジ−t−ブチルエチレンジアミン、または、N,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミンである、
上記<2>〜<10>のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。
<12>前記混合物は、前記フェノール性化合物100質量部に対し、前記オルガノクレイを0.5〜10質量部含む、
上記<1>〜<11>のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。
<13>前記混合物は、前記フェノール性化合物100質量部に対し、前記オルガノクレイを1〜5質量部含む、
上記<1>〜<11>のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。
<14>前記溶媒が芳香族炭化水素であり、
前記重合混合物は、前記ポリフェニレンエーテルが前記芳香族炭化水素中に溶解したものである、
上記<1>〜<13>のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。
<15>前記溶媒が芳香族炭化水素と炭素数1〜6のアルコールの混合溶媒であり、
前記重合混合物は、前記ポリフェニレンエーテルが前記混合溶媒中に析出したスラリーである、
上記<1>〜<13>のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。
<16>前記芳香族炭化水素が、トルエン、キシレン、およびエチルベンゼンよりなる群から選択される少なくとも1種である、
上記<14>または<15>に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。
<17>前記アルコールが、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、およびペンタノールよりなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記芳香族炭化水素と前記アルコールの質量比が90:10〜5:95である、
<15>または<16>に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。
<18>前記混合物を作製する工程においては、前記オルガノクレイを、前記溶媒および/または前記フェノール性化合物中に予め添加して分散させる、
上記<1>〜<17>のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。
<19>前記混合物を作製する工程においては、前記オルガノクレイを、50〜200℃に加熱した前記フェノール性化合物中に予め添加して分散させる、
上記<1>〜<18>のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。
<20>上記<1>〜<19>のいずれか一項に記載の製造方法により得られるポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体であって、
前記ポリフェニレンエーテルの還元粘度(ウベローデ粘度計を用いて0.5g/dlのクロロホルム溶液で30℃において測定する)が、0.2〜0.9dl/gの範囲にある、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体。
<21>上記<20>に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体と熱可塑性樹脂とを含む、
組成物。
<22>上記<20>に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体、または上記<21>に記載の組成物を含む、
シート状物。
<1>溶媒と触媒の存在下、酸素含有ガスを用いてフェノール性化合物を酸化重合させる、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法において、
溶媒と触媒とフェノール性化合物とオルガノクレイとを含み、該オルガノクレイを該フェノール性化合物100質量部に対して0.1〜20質量部含む、混合物を作製する工程と、
前記混合物に酸素含有ガスを接触させて前記フェノール性化合物を酸化重合させる工程と、
得られた重合混合物から前記溶媒と前記触媒から分離して、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を得る工程と
を有する、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。
<2>前記触媒が、銅化合物、ハロゲン化合物および一般式(1)で表されるジアミン化合物を含むものである、
上記<1>に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。
<3>前記オルガノクレイは、層状ケイ酸塩が有機オニウム塩で有機化されたものである、
上記<1>または<2>に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。
<4>前記オルガノクレイは、層状ケイ酸塩が4級アンモニウム塩で有機化されたものである、
上記<1>〜<3>のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。
<5>前記オルガノクレイは、分子構造中に少なくとも1個の芳香環を有する4級アンモニウム塩で有機化されたベントナイトまたはヘクトライトである、
上記<1>〜<4>のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。
<6>前記オルガノクレイの強熱減量(600℃で5時間加熱した後の、元の質量に対する減量の割合)が40〜60質量%である、
上記<1>〜<5>のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。
<7>前記オルガノクレイの層間距離が20〜60Åである、
上記<1>〜<6>のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。
<8>前記フェノール性化合物が、2,6−ジメチルフェノール、または、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの混合物である、
上記<1>〜<7>のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。
<9>前記ハロゲン化合物が、塩化アンモニウム化合物または臭化アンモニウム化合物である、
上記<2>〜<8>のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。
<10>前記ハロゲン化合物が、ハロゲン化トリ−n−オクチルメチルアンモニウムである、
上記<2>〜<8>のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。
<11>前記ジアミン化合物が、N,N’−ジ−t−ブチルエチレンジアミン、または、N,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミンである、
上記<2>〜<10>のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。
<12>前記混合物は、前記フェノール性化合物100質量部に対し、前記オルガノクレイを0.5〜10質量部含む、
上記<1>〜<11>のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。
<13>前記混合物は、前記フェノール性化合物100質量部に対し、前記オルガノクレイを1〜5質量部含む、
上記<1>〜<11>のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。
<14>前記溶媒が芳香族炭化水素であり、
前記重合混合物は、前記ポリフェニレンエーテルが前記芳香族炭化水素中に溶解したものである、
上記<1>〜<13>のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。
<15>前記溶媒が芳香族炭化水素と炭素数1〜6のアルコールの混合溶媒であり、
前記重合混合物は、前記ポリフェニレンエーテルが前記混合溶媒中に析出したスラリーである、
上記<1>〜<13>のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。
<16>前記芳香族炭化水素が、トルエン、キシレン、およびエチルベンゼンよりなる群から選択される少なくとも1種である、
上記<14>または<15>に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。
<17>前記アルコールが、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、およびペンタノールよりなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記芳香族炭化水素と前記アルコールの質量比が90:10〜5:95である、
<15>または<16>に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。
<18>前記混合物を作製する工程においては、前記オルガノクレイを、前記溶媒および/または前記フェノール性化合物中に予め添加して分散させる、
上記<1>〜<17>のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。
<19>前記混合物を作製する工程においては、前記オルガノクレイを、50〜200℃に加熱した前記フェノール性化合物中に予め添加して分散させる、
上記<1>〜<18>のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。
<20>上記<1>〜<19>のいずれか一項に記載の製造方法により得られるポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体であって、
前記ポリフェニレンエーテルの還元粘度(ウベローデ粘度計を用いて0.5g/dlのクロロホルム溶液で30℃において測定する)が、0.2〜0.9dl/gの範囲にある、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体。
<21>上記<20>に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体と熱可塑性樹脂とを含む、
組成物。
<22>上記<20>に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体、または上記<21>に記載の組成物を含む、
シート状物。
<23>プレス成形して得られる平板の断面(厚み方向)からX線を入射してX線回折測定を行ない、得られた二次元散乱パターンのプレス平板の法線方向を0°として、−15°〜15°の範囲で扇状平均して算出した一次元プロフィールにおける(オルガノ)クレイ由来のピークの極大値が2θ=3°〜7°の範囲に存在し、且つ、(オルガノ)クレイ由来のピーク面積とポリフェニレンエーテル由来のピークの面積との合計を100%とした場合の(オルガノ)クレイ由来のピーク面積の割合をa(%)、ポリフェニレンエーテル由来のピーク面積の割合をb(%)とし、さらに、ポリフェニレンエーテルと(オルガノ)クレイとの複合体全質量を1としたときの(オルガノ)クレイの比率をαとしたとき、下記式(I)
(a/α)/〔b/(1−α)〕≦5 ・・・(I)
を満たすことを特徴とする、ポリフェニレンエーテル−(オルガノ)クレイ複合体。
(a/α)/〔b/(1−α)〕≦5 ・・・(I)
を満たすことを特徴とする、ポリフェニレンエーテル−(オルガノ)クレイ複合体。
<24>ポリマー−(オルガノ)クレイ複合体の製造方法であって、
モノマー単位中に芳香環を有するモノマーと(オルガノ)クレイとを含み、該(オルガノ)クレイを該モノマー100質量部に対して0.1〜20質量部を含む混合物を作製する工程と、
前記混合物中の前記モノマーを重合させて、ガラス転移温度(Tg)が150℃以上であり且つ構成単位中に芳香環を有する、熱可塑性樹脂を作製する工程と
を有する、ポリマー−(オルガノ)クレイ複合体の製造方法。
<25>前記熱可塑性樹脂が、ポリフェニレンエーテル、芳香族ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、およびポリアリレートよりなる群から選択される少なくとも1種である、
上記<24>に記載のポリマー−(オルガノ)クレイ複合体の製造方法。
モノマー単位中に芳香環を有するモノマーと(オルガノ)クレイとを含み、該(オルガノ)クレイを該モノマー100質量部に対して0.1〜20質量部を含む混合物を作製する工程と、
前記混合物中の前記モノマーを重合させて、ガラス転移温度(Tg)が150℃以上であり且つ構成単位中に芳香環を有する、熱可塑性樹脂を作製する工程と
を有する、ポリマー−(オルガノ)クレイ複合体の製造方法。
<25>前記熱可塑性樹脂が、ポリフェニレンエーテル、芳香族ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、およびポリアリレートよりなる群から選択される少なくとも1種である、
上記<24>に記載のポリマー−(オルガノ)クレイ複合体の製造方法。
ここで、本明細書において、「(オルガノ)クレイ」とは、クレイおよびオルガノクレイを包含する用語として使用する。また、本明細書において、「シート状物」とは、シートおよびフィルムを包含する用語として使用する。
本発明者らが、上記のように構成された本発明を実施したところ、難燃性や、耐光性、耐薬品性および耐衝撃性等の耐久性、シート押出性等が著しく改良された高性能なポリマー−(オルガノ)クレイ複合体が、生産性および経済性を損なうことなく簡便に得られることが判明した。その理由は定かではないが、以下のように推定される。
本発明では、(オルガノ)クレイと複合化させる熱可塑性樹脂の原料となるモノマー成分の種類、およびそのモノマー成分と(オルガノ)クレイとの配合割合を最適化したことにより、そのモノマー成分および必要に応じて添加される溶媒等が比較的容易に(オルガノ)クレイの層間にインターカレーションし易い特殊な環境が形成された結果、(オルガノ)クレイの層間距離の変動や層間剥離等が生じ、(オルガノ)クレイの微粉化や(オルガノ)クレイの分散状態の均一化等が実現され、これにより、各種性能が著しく改良された高性能なポリマー−(オルガノ)クレイ複合体が得られたものと推定される。また、本発明の重合系(重合環境)においては、上記モノマー成分の種類、およびそのモノマー成分と(オルガノ)クレイとの配合割合を最適化したことにより、必要に応じて添加される触媒と(オルガノ)クレイとの相互作用が抑制される特殊な環境が形成され、これにより(オルガノ)クレイ共存下であっても重合活性の低下が抑制されて重合ポリマーの分子量の低下や不均一化等が抑制された結果、各種性能が著しく改良された高性能なポリマー−(オルガノ)クレイ複合体が得られたものとも推定される。但し、作用はこれらに限定されない。
本発明では、(オルガノ)クレイと複合化させる熱可塑性樹脂の原料となるモノマー成分の種類、およびそのモノマー成分と(オルガノ)クレイとの配合割合を最適化したことにより、そのモノマー成分および必要に応じて添加される溶媒等が比較的容易に(オルガノ)クレイの層間にインターカレーションし易い特殊な環境が形成された結果、(オルガノ)クレイの層間距離の変動や層間剥離等が生じ、(オルガノ)クレイの微粉化や(オルガノ)クレイの分散状態の均一化等が実現され、これにより、各種性能が著しく改良された高性能なポリマー−(オルガノ)クレイ複合体が得られたものと推定される。また、本発明の重合系(重合環境)においては、上記モノマー成分の種類、およびそのモノマー成分と(オルガノ)クレイとの配合割合を最適化したことにより、必要に応じて添加される触媒と(オルガノ)クレイとの相互作用が抑制される特殊な環境が形成され、これにより(オルガノ)クレイ共存下であっても重合活性の低下が抑制されて重合ポリマーの分子量の低下や不均一化等が抑制された結果、各種性能が著しく改良された高性能なポリマー−(オルガノ)クレイ複合体が得られたものとも推定される。但し、作用はこれらに限定されない。
本発明によれば、従来技術にて必須とされる特殊処理を必要とせずに、また、ポリフェニレンエーテル等の熱可塑性樹脂本来の特性、例えば、流動性や靭性等の物性を過度に損なうことなく、難燃性や、耐光性、耐薬品性および耐衝撃性等の耐久性、シート押出性等が著しく改良された高性能なポリマー−(オルガノ)クレイ複合体が簡易に得られるので、生産性および経済性が高められる。
また、本発明によれば、メルトインターカレーション法で製造する場合に比して、少ない(オルガノ)クレイ添加量にて、驚くべき難燃効果、耐光性改良効果、耐薬品性改良効果等が奏され、また、シート押出成形時のガスや付着物の発生を著しく抑制する効果をも奏する。このことは、本発明の重合方法で複合化されて得られるポリマー−(オルガノ)クレイ複合体と、メルトインターカレーション法によって得られるポリマー−(オルガノ)クレイ複合体との比較から明らかであり、故に、両者の製法により得られる複合体は、複合体中の(オルガノ)クレイの分散状態が大きく異なっているのではないかと推定される。よって、本発明によって得られた複合体も新規な複合体なのである。
また、本発明によれば、メルトインターカレーション法で製造する場合に比して、少ない(オルガノ)クレイ添加量にて、驚くべき難燃効果、耐光性改良効果、耐薬品性改良効果等が奏され、また、シート押出成形時のガスや付着物の発生を著しく抑制する効果をも奏する。このことは、本発明の重合方法で複合化されて得られるポリマー−(オルガノ)クレイ複合体と、メルトインターカレーション法によって得られるポリマー−(オルガノ)クレイ複合体との比較から明らかであり、故に、両者の製法により得られる複合体は、複合体中の(オルガノ)クレイの分散状態が大きく異なっているのではないかと推定される。よって、本発明によって得られた複合体も新規な複合体なのである。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明は、この実施の形態のみに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない限り、種々の形態で実施することができる。
<ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体>
まず、本発明の好適な一実施形態である、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体およびその製造方法について説明する。
本実施形態のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体は、モノマーとしてフェノール性化合物を用い、これを、所定量のオルガノクレイ、溶媒および触媒の存在下、酸素含有ガスを接触させて酸化重合させることによって得ることができる。このような重合方法を採用する場合、予め、モノマー、所定量のオルガノクレイ、溶媒および触媒を含有する混合物(分散物)を作製し、その混合物に酸素含有ガスを接触させて、混合物中のモノマーを酸化重合させることが好ましい。なお、ポリフェニレンエーテルの重合方法には、重合の途中で重合体を析出させてさらに重合を進めていくスラリー化法と、重合体を析出させずに溶媒中に溶解した状態で重合を進めていく溶液重合法とが知られているが、いずれの方法であっても、本実施形態のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を得ることができる。
まず、本発明の好適な一実施形態である、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体およびその製造方法について説明する。
本実施形態のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体は、モノマーとしてフェノール性化合物を用い、これを、所定量のオルガノクレイ、溶媒および触媒の存在下、酸素含有ガスを接触させて酸化重合させることによって得ることができる。このような重合方法を採用する場合、予め、モノマー、所定量のオルガノクレイ、溶媒および触媒を含有する混合物(分散物)を作製し、その混合物に酸素含有ガスを接触させて、混合物中のモノマーを酸化重合させることが好ましい。なお、ポリフェニレンエーテルの重合方法には、重合の途中で重合体を析出させてさらに重合を進めていくスラリー化法と、重合体を析出させずに溶媒中に溶解した状態で重合を進めていく溶液重合法とが知られているが、いずれの方法であっても、本実施形態のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を得ることができる。
ポリフェニレンエーテルの重合に用いるフェノール性化合物は、下記一般式(2)で表される構造の化合物であることが好ましい。
(式中、R6、R7、R8、R9は各々独立の置換基を表し、R6はアルキル基、置換アルキル基、アラルキル基、置換アラルキル基、アリール基、置換アリール基、アルコキシ基または置換アルコキシ基であり、R7、R8、R9はR6と同一であるか、または水素或いはハロゲンである。)
一般式(2)で表される構造のフェノール性化合物の具体例としては、2,6−ジメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール、2−メチル−6−エチルフェノール、2,6−ジエチルフェノール、2−エチル−6−n−プロピルフェノール、2−メチル−6−クロルフェノール、2−メチル−6−ブロモフェノール、2−メチル−6−イソプロピルフェノール、2−メチル−6−n−プロピルフェノール、2−エチル−6−ブロモフェノール、2−メチル−6−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−n−プロピルフェノール、2−エチル−6−クロルフェノール、2−メチル−6−フェニルフェノール、2,6−ジフェニルフェノール、2,6−ビス(4−フルオロフェニル)フェノール、2−メチル−6−トリルフェノール、2,6−ジトリルフェノール等が挙げられる。これらの化合物は、それぞれ単独で用いても、2種以上を併用してもよい。また、上述した化合物の使用の際、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,4−ジメチルフェノール、2−エチルフェノール等が少量含まれていても、実質上差し支えない。これらのフェノール性化合物の中でも、特に、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールは工業上重要であり、これらを用いて得られる2,6−ジメチルフェノールのホモポリマーや、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとのコポリマーは、工業上、重要な素材である。
クレイは、陽イオン交換能を有する層状ケイ酸塩であり、本実施形態では、ポリフェニレンエーテルと複合化されるオルガノクレイの前駆体となるものである(なお、後述するポリフェニレンエーテル−クレイ複合体の態様においては、複合体の原料として使用される)。そのような層状ケイ酸塩としては、Al、Mg、Li等を含む八面体シート構造を2枚のSiO4 四面体シート構造にてはさんだ形の2:1型のものが好適に用いられる。かかる層状ケイ酸塩の単位構造である1層の厚みは、通常、9.5オングストローム程度である。クレイの具体例としては、例えば、モンモリロナイト、ヘクトライト、フッ素ヘクトライト、サポナイト、バイデライト、スチブンサイト等のスメクタイト系粘土鉱物、Li型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲母、Li型四珪素フッ素雲母等の膨潤性合成雲母、バーミキュライト、フッ素バーミキュライト、ハロイサイト等が挙げられる。クレイは、天然のものであっても合成されたものであっても構わない。これらの層状ケイ酸塩の中でも、陽イオン交換容量や入手容易性の観点から、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト等のスメクタイト系粘土鉱物、Li型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲母等の膨潤性合成雲母が好適に用いられ、とりわけ、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライトが特に好適に用いられる。なお、層状ケイ酸塩の陽イオン交換容量(CEC)は、通常、30ミリ当量/100g以上であるが、50ミリ当量/100g以上であることが好ましく、より好ましくは80ミリ当量/100g以上である。陽イオン交換容量が30ミリ当量/100g未満の場合、層状ケイ酸塩の層間への有機オニウムイオンのインターカレーション量が不十分となり、複合化されるポリマー中における分散性が悪くなるため、成形表面外観、難燃改良効果が低下する。かかる陽イオン交換容量は、メチレンブルーの吸着量測定により求めることができる。
オルガノクレイは、上述したクレイ(陽イオン交換能を有する層状ケイ酸塩)をホストとし有機オニウム塩をゲストとして、有機オニウム塩と、負の層格子および交換可能なカチオンを含有する層状ケイ酸塩とのイオン交換反応により製造される化合物であって、層状ケイ酸塩の層間にオニウムイオンが挿入(インターカレーション)された化合物を意味する。かかるイオン交換反応は、例えば、特公昭61−5492号公報、特開昭60−42451号公報等に記載された公知の方法に準じて行うことができ、その好ましい反応条件等として、例えば、特願平5−245199号公報、特願平5−245200号公報に記載された4級アンモニウム塩挿入の場合の反応方法および精製方法を適用することができる。
上記の有機オニウム塩の具体例としては、例えば、有機アンモニウム塩、有機ホスホニウム塩、有機スルホニウム塩、複素芳香族環由来の有機オニウム塩等が挙げられる。これら有機オニウム塩により、負に帯電したケイ酸塩層の層間に有機化合物が導入され、インターカレーションが生じる。
有機オニウム塩の中でも、ケイ酸塩層間の疎水化に寄与する炭化水素構造の有効性の点から、4級アンモニウム塩が好ましく、その具体例としては、例えば、トリメチルドデシルアンモニウム、トリメチルテトラデシルアンモニウム、トリメチルヘキサデシルアンモニウム、トリメチルオクタデシルアンモニウム、トリエチルドデシルアンモニウム、トリエチルテトラデシルアンモニウム、トリエチルヘキサデシルアンモニウム、トリエチルオクタデシルアンモニウム等の炭素数12以上のアルキル基を1分子中に1つ有する4級アンモニウム、ジメチルジドデシルアンモニウム、ジメチルジテトラデシルアンモニウム、ジメチルジヘキサデシルアンモニウム、ジメチルジオクタデシルアンモニウム、ジエチルジドデシルアンモニウム、ジエチルジテトラデシルアンモニウム、ジエチルジヘキサデシルアンモニウム、ジエチルジオクタデシルアンモニウム等の炭素数12以上のアルキル基を1分子中に2つ有する4級アンモニウム、メチルベンジルジヘキサデシルアンモニウム、ジベンジルジヘキサデシルアンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム、トリメチルフェニルアンモニウム、ベンジルメチルジ水添タローアンモニウム、ベンジルジメチル水添タローアンモニウム等の芳香環を有する4級アンモニウム等が挙げられる。
有機オニウム塩の中でも、ケイ酸塩層間の疎水化に寄与する炭化水素構造の有効性の点から、4級アンモニウム塩が好ましく、その具体例としては、例えば、トリメチルドデシルアンモニウム、トリメチルテトラデシルアンモニウム、トリメチルヘキサデシルアンモニウム、トリメチルオクタデシルアンモニウム、トリエチルドデシルアンモニウム、トリエチルテトラデシルアンモニウム、トリエチルヘキサデシルアンモニウム、トリエチルオクタデシルアンモニウム等の炭素数12以上のアルキル基を1分子中に1つ有する4級アンモニウム、ジメチルジドデシルアンモニウム、ジメチルジテトラデシルアンモニウム、ジメチルジヘキサデシルアンモニウム、ジメチルジオクタデシルアンモニウム、ジエチルジドデシルアンモニウム、ジエチルジテトラデシルアンモニウム、ジエチルジヘキサデシルアンモニウム、ジエチルジオクタデシルアンモニウム等の炭素数12以上のアルキル基を1分子中に2つ有する4級アンモニウム、メチルベンジルジヘキサデシルアンモニウム、ジベンジルジヘキサデシルアンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム、トリメチルフェニルアンモニウム、ベンジルメチルジ水添タローアンモニウム、ベンジルジメチル水添タローアンモニウム等の芳香環を有する4級アンモニウム等が挙げられる。
オルガノクレイの層間距離は、20〜100Åの範囲であることが好ましく、より好ましくは20〜60Åの範囲である。重合溶剤中における十分な層剥離性の観点から、オルガノクレイの層間距離は20Å以上であることが好ましく、取扱性等の観点から、オルガノクレイの層間距離は100Å以下であることが好ましい。なお、オルガノクレイの層間距離は、X線回折によるd(001)面を測定することにより求めることが可能である。
オルガノクレイの強熱減量は、30〜60質量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは40〜60質量%の範囲である。重合溶剤中における十分な総剥離性の観点から、オルガノクレイの強熱減量は30質量%以上であることが好ましく、複合体および複合体から得られる組成物の外観保持の観点から、オルガノクレイの強熱減量は60質量%以下が好ましい。なお、オルガノクレイの強熱減量は、600℃で5時間加熱した後の、元の質量に対する減量の割合を算出することにより求めることが可能である。
上述した混合物において、モノマー成分であるフェノール性化合物とオルガノクレイとの配合割合は、フェノール性化合物100質量部に対して、オルガノクレイが0.1〜20質量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.3〜15質量部であり、さらに好ましくは0.5〜10質量部であり、特に好ましくは1〜5質量部である。十分な難燃性の付与および耐光性の改良の観点から、オルガノクレイをフェノール性化合物100質量部に対して0.1質量部以上、添加することが好ましく、製造時の十分な重合活性を保持する観点から、オルガノクレイをフェノール性化合物100質量部に対して20質量部以下、添加することが好ましい。かかる混合物の作製においては、オルガノクレイを、後述する溶媒および/またはフェノール性化合物中に予め添加して分散させておくか、或いは、オルガノクレイを、50〜200℃に加熱したフェノール性化合物中に予め添加して分散させておくことが好ましい。
オルガノクレイの存在下でフェノール性化合物を触媒と溶媒と酸素含有ガスを用いて酸化重合させる際に、好適に使用可能な触媒としては、銅化合物、塩素化合物、臭素化合物、ジアミン化合物、3級モノアミン化合物、2級モノアミン化合物等が挙げられる。これらの化合物は、それぞれ単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
銅化合物、塩素化合物および臭素化合物としては、以下のものを例示することができる。銅化合物の具体例としては、例えば、第一銅化合物、第二銅化合物またはそれらの混合物が挙げられる。ここで、第二銅化合物としては、例えば塩化第二銅、臭化第二銅、硫酸第二銅、硝酸第二銅等を例示することができる。また、第一銅化合物としては、例えば塩化第一銅、臭化第一銅、硫酸第一銅、硝酸第一銅等を例示することができる。第一銅および第二銅化合物の中で好ましい化合物は、塩化第一銅、塩化第二銅、臭化第一銅、および臭化第二銅である。また、これらの銅塩は、酸化物、炭酸塩、水酸化物等と反応するハロゲンまたは酸から使用時に合成してもよく、例えば、酸化第一銅と臭化水素(の溶液)を混合することにより得られる。上述した銅化合物として、特に好ましいものは第一銅化合物である。なお、上述した銅化合物は、それぞれ単独でも用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
塩素化合物の具体例としては、例えば、塩化水素、塩化ナトリウム、塩化カリウムや、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化トリ−n−オクチルメチルアンモニウム等の塩化アンモニウム化合物等が挙げられる。これらは、水溶液や適当な溶媒を用いた溶液の形態でも使用することができる。これらの塩素化合物は、それぞれ単独でも用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上述した銅化合物と塩素化合物との好ましい組み合わせは、塩化第二銅と塩化アンモニウム化合物であり、より好ましくは、塩化第二銅と塩化トリ−n−オクチルメチルアンモニウムの組み合わせである。これらの組み合わせにおける各化合物の使用量は、特に限定されないが、銅原子のモル量に対して塩素原子を2倍以上10倍以下とすることが好ましい。また、塩素化合物の使用量は、上述したフェノール性化合物100モルに対して銅原子を0.02〜0.06モルの範囲とすることが好ましい。
臭素化合物の具体例としては、例えば、臭化水素、臭化ナトリウム、臭化カリウムや、臭化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム等の臭化アンモニウム化合物等が挙げられる。これらは、水溶液や適当な溶媒を用いた溶液の形態でも使用することができる。これらの臭素化合物は、それぞれ単独でも用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上述した銅化合物と臭素化合物との好ましい組み合わせは、酸化第一銅と臭化水素、酸化第一銅と臭化水素と臭化アンモニウム、ハロゲン化銅化合物と臭化アンモニウム化合物の組み合わせである。これらの組み合わせにおける各化合物の使用量は、特に限定されないが、銅原子のモル量に対して臭素原子を2倍以上10倍以下とすることが好ましく、また、臭素化合物の使用量は、上述したフェノール性化合物100モルに対して銅原子を0.02〜0.6モルの範囲とすることが好ましい。
ジアミン化合物の具体例としては、例えば、N,N’−ジ−t−ブチルエチレンジアミン、N,N’−ジ−t−アシルエチレンジアミン、N,N’−ジイソプロピルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン等が挙げられるが、これらの例には限定されない。これらのジアミン化合物は、それぞれ単独でも用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。ジアミン化合物の使用量は、特に限定されないが、上述したフェノール性化合物100モルに対して0.05〜15モルの範囲とすることが好ましい。
上述した触媒の使用においては、さらに2級モノアミン化合物や3級モノアミン化合物を触媒の成分として共存させることが好ましい。
2級モノアミン化合物の具体例としては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−i−プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−i−ブチルアミン、ジ−t−ブチルアミン、ジペンチルアミン類、ジヘキシルアミン類、ジオクチルアミン類、ジデシルアミン類、ジベンジルアミン類、メチルエチルアミン、メチルプロピルアミン、メチルブチルアミン、シクロヘキシルアミン等の他、例えば、N−フェニルメタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、N−フェニルプロパノールアミン、N−(m−メチルフェニル)エタノールアミン、N−(p−メチルフェニル)エタノールアミン、N−(2’,6’−ジメチルフェニル)エタノールアミン、N−(p−クロロフェニル)エタノールアミン等のN−(置換または非置換フェニル)アルカノールアミン、例えば、N−エチルアニリン、N−ブチルアニリン、N−メチル−2−メチルアニリン、N−メチル−2,6−ジメチルアニリン、ジフェニルアミン等のN−炭化水素置換アニリンが挙げられるが、これらの例には限定されない。これらの第2級モノアミン化合物は、それぞれ単独でも用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2級モノアミン化合物の使用量は、特に限定されないが、上述したフェノール性化合物100モルに対して0〜15モルの範囲とすることが好ましい。
2級モノアミン化合物の具体例としては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−i−プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−i−ブチルアミン、ジ−t−ブチルアミン、ジペンチルアミン類、ジヘキシルアミン類、ジオクチルアミン類、ジデシルアミン類、ジベンジルアミン類、メチルエチルアミン、メチルプロピルアミン、メチルブチルアミン、シクロヘキシルアミン等の他、例えば、N−フェニルメタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、N−フェニルプロパノールアミン、N−(m−メチルフェニル)エタノールアミン、N−(p−メチルフェニル)エタノールアミン、N−(2’,6’−ジメチルフェニル)エタノールアミン、N−(p−クロロフェニル)エタノールアミン等のN−(置換または非置換フェニル)アルカノールアミン、例えば、N−エチルアニリン、N−ブチルアニリン、N−メチル−2−メチルアニリン、N−メチル−2,6−ジメチルアニリン、ジフェニルアミン等のN−炭化水素置換アニリンが挙げられるが、これらの例には限定されない。これらの第2級モノアミン化合物は、それぞれ単独でも用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2級モノアミン化合物の使用量は、特に限定されないが、上述したフェノール性化合物100モルに対して0〜15モルの範囲とすることが好ましい。
3級モノアミン化合物の具体例としては、例えば、脂肪族3級アミン(脂環式3級アミンを含む)が挙げられる。より具体的には、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリイソブチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルプロピルアミン、アリルジエチルアミン、ジメチル−n−ブチルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、N−メチルシクロヘキシルアミン等が挙げられるが、これらの例には限定されない。これらの3級モノアミン化合物は、それぞれ単独でも用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。3級モノアミン化合物の使用量は、特に限定されないが、上述したフェノール性化合物100モルに対して0〜15モルの範囲とすることが好ましい。
触媒の好ましい組み合わせは、銅化合物とハロゲン化合物とジアミン化合物との組み合わせであり、重合中の触媒活性の低下を抑制する観点から、銅化合物とハロゲン化合物と下記一般式(3)で表されるジアミン化合物との組み合わせがより好ましく、そのジアミン化合物として、N,N’−ジ−t−ブチルエチレンジアミン、またはN,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミンを用いることが特に好ましい。
(式中、R1、R2、R3、R4は各々独立して、水素、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状アルキル基であるが、R1〜R4すべてが同時に水素の場合を除く。R5は炭素数2〜5の直鎖状またはメチル分岐を持つアルキレン基である)
ポリフェニレンエーテルの重合の際に用いる溶媒は、特に限定されるものではないが、被酸化物であるモノマーと比較して酸化され難く、且つ反応過程において生成すると考えられる各種ラジカルに対して反応性をほとんど有しないものが好ましく、また、上述した比較的低分子量のフェノール性化合物を溶解可能であり、さらには、触媒の一部または全部を溶解可能なものがより好ましい。溶媒は、1種のみからなる単独溶媒であっても、2種以上を混合した混合溶媒であってもよく、例えば、ポリフェニレンエーテルの良溶媒および貧溶媒を併用した混合溶媒が好ましく用いられる。
好ましい溶媒の具体例としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロルエタン、トリクロルエタン、クロルベンゼン、ジクロルベンゼン、トリクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ニトロベンゼン等のニトロ化合物等が挙げられ、これらは、ポリフェニレンエーテルの良溶媒として使用することができる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素系の溶媒は、単独溶媒として、或いは、ポリフェニレンエーテルの良溶媒として、特に好ましく用いることができる。
また、その他の好ましい溶媒の具体例としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、ギ酸エチル等のエステル類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等が挙げられ、これらは、ポリフェニレンエーテルの貧溶媒として使用することができる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、アルコール、特に、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノールは、ポリフェニレンエーテルの貧溶媒として、特に好ましく用いることができる。
フェノール性化合物を酸化重合させる際の重合系において、良溶媒としてはトルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素が、貧溶媒としては炭素数1〜6のアルコール、より具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール等が特に好ましく用いられ、これらの良溶媒および貧溶媒の組み合わせからなる混合溶媒もまた、特に好ましく用いられる。良溶媒と貧溶媒との配合割合は、質量比で良溶媒:貧溶媒=100:0〜5:95の範囲とすることが好ましく、より好ましくは90:10〜5:95の範囲である。良溶媒と貧溶媒との配合割合により、重合過程が変化し、例えば、良貧溶媒の比率を大きくすると重合体が反応溶媒中に溶解する溶液重合法が、貧溶媒の比率を大きくすると反応の進行とともに重合体が反応溶媒中に析出(分散)する沈殿重合法が優勢となる傾向にある。本実施形態において、好ましい重合方法は、沈殿重合法である。かかる沈殿重合法においては、ポリフェニレンエーテルに対する貧溶媒の使用が必須となる。なお、重合単位操作は、バッチ重合法および連続重合法のいずれの方法であっても適用可能である。
フェノール性化合物を酸化重合する際に必要とされる、酸素含有ガスの具体例としては、酸素を含むガスである限りにおいて特に限定されるものではないが、例えば、酸素ガスや、任意の酸素濃度に調整された、酸素ガスと不活性ガスとの混合ガス等が挙げられる。酸素含有ガスとして、空気を用いることも可能である。不活性ガスは、重合反応に対して多大な影響を与えるものでなければ、任意のものを使用可能であり、代表的には窒素が挙げられる。
重合反応温度は、低すぎると反応が進行しにくく、また、高すぎると反応選択性が低下する場合があるので、0〜80℃であることが好ましく、より好ましくは20〜60℃、さらに好ましくは30℃〜50℃、特に好ましくは35〜45℃である。
重合反応終了後の後処理方法については、特に制限されるものではなく、既知の処理方法を適用することができる。例えば、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を回収するにあたり、エチレンジアミン4酢酸(EDTA)およびその塩や、ニトリロトリ酢酸およびその塩等の触媒失活剤を、そのまま或いは水等の溶媒に溶解した溶液の形態にて重合混合物に加え、触媒を失活させた後、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を分離、乾燥する操作を適用することができる。
以下、重合反応終了後の後処理方法について、さらに詳述するが、これらの方法に特に制限されるものではない。
溶液重合法では、ポリフェニレンエーテルの良溶媒が用いられるので、所望の分子量まで重合反応を行った重合終了時には、ポリフェニレンエーテルが溶媒中に溶解し、且つ、オルガノクレイが分散した形態の重合混合物が得られる。したがって、例えば、この重合混合物に、触媒失活剤の水溶液と接触させ(水相の分離が見られる場合にはこれを除いてもよい)、さらにポリフェニレンエーテルを溶解しないメタノール等の溶媒を加えて、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を沈殿させた後、濾過、洗浄、乾燥等の操作を行うことにより、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を回収することができる。
一方、好適な手法であるスラリー重合法では、ポリフェニレンエーテルの良溶媒と貧溶媒とが用いられ、重合の途中でポリフェニレンエーテルが析出し始めるので、所望の分子量まで重合反応を行った重合終了時には、既にポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体が分散沈殿した形態の重合混合物が得られる。したがって、例えば、この重合混合物に、触媒失活剤の水溶液を接触させ(水相の分離が見られる場合にはこれを除いてもよい)、さらに濾過、洗浄、乾燥等の操作を行うことにより、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を回収することができる。
溶液重合法では、ポリフェニレンエーテルの良溶媒が用いられるので、所望の分子量まで重合反応を行った重合終了時には、ポリフェニレンエーテルが溶媒中に溶解し、且つ、オルガノクレイが分散した形態の重合混合物が得られる。したがって、例えば、この重合混合物に、触媒失活剤の水溶液と接触させ(水相の分離が見られる場合にはこれを除いてもよい)、さらにポリフェニレンエーテルを溶解しないメタノール等の溶媒を加えて、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を沈殿させた後、濾過、洗浄、乾燥等の操作を行うことにより、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を回収することができる。
一方、好適な手法であるスラリー重合法では、ポリフェニレンエーテルの良溶媒と貧溶媒とが用いられ、重合の途中でポリフェニレンエーテルが析出し始めるので、所望の分子量まで重合反応を行った重合終了時には、既にポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体が分散沈殿した形態の重合混合物が得られる。したがって、例えば、この重合混合物に、触媒失活剤の水溶液を接触させ(水相の分離が見られる場合にはこれを除いてもよい)、さらに濾過、洗浄、乾燥等の操作を行うことにより、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を回収することができる。
以上において詳述したポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法は、その製造手法自体が新規なものであるが、かくして得られるポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体もまた新規なものである。このことは、所謂メルトインターカレーション法で得られる複合体とポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体との特性を比較すれば明らかである。
ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体は、これをプレス成形して得られる厚み0.5〜5mm程度のプレス平板の断面(厚み方向)からX線を入射してX線回折測定を行ない(図1参照)、得られたX線二次元散乱パターン図(図2参照)のプレス平板の法線方向を0°として、−15°〜15°の角度の範囲で扇状平均して算出した一次元プロフィール図(図3参照)におけるオルガノクレイ由来のピークの極大値が2θ=3°〜7°の範囲に存在し、且つ、オルガノクレイ由来のピーク面積とポリフェニレンエーテル由来のピークの面積との合計を100%とした場合のオルガノクレイ由来のピーク面積の割合をa(%)、ポリフェニレンエーテル由来のピーク面積の割合をb(%)とし、さらに、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の全質量を1としたときのオルガノクレイの質量比率をαとしたとき、下記式(I)
(a/α)/〔b/(1−α)〕≦5 ・・・(I)
を満たすものであることが好ましい。かかるX線回折測定により、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイにおけるクレイ層間剥離の進行度合いが確認可能である。以下、このX線回折測定につき詳述する。
まず、オルガノクレイ由来のピークとポリフェニレンエーテル由来のピークとの区別は、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体のプレス成型平板(試験片)とは別に、ポリフェニレンエーテルのみのプレス成型品(参照片)を作製して、同様に一次元プロフィール図を解析し、これをポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の一次元プロフィール図と比較することによって、容易に区別することが可能である。十分な物性改良の観点から、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体は、かかるオルガノクレイ由来のピーク極大値の存在範囲が、2θ=3°〜7°の範囲に認められるものが好ましく、より好ましくは5°〜7°の範囲であり、さらに好ましくは6°〜7°の範囲である。
また、上述した一次元プロフィール図から、オルガノクレイ由来ピーク面積/ポリマー由来ピーク面積の面積比(以下、クレイ/ポリマー面積比ともいう)を算出することが可能である。かかるクレイ/ポリマー面積比は、十分な物性改良の観点から、ポリマー成分にクレイを同量添加し押出機で押出して所謂メルトインターカレーション法によって作製したポリマー−クレイ複合体のクレイ/ポリマー面積比よりも、小さな値であることが好ましく、具体的には、メルトインターカレーション法で作製したポリマー−オルガノクレイ複合体に対して2〜80%の値であることが好ましく、より好ましくは2〜60%、さらに好ましくは5〜50%である。
そして、上記のように算出されたa(%)およびb(%)と、αとから、上記式(I)を計算することにより、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体中のクレイ層間剥離の進行度合いが求められる。この上記式(I)にて求められる数値が小さくなるほど、クレイ層間剥離の進行度合いは大きくなる。したがって、上記式(I)の数値は、5.0以下であることが好ましく、より好ましくは0.5〜3.0の範囲である。十分な難燃性、耐光性改良の観点から、上記式(I)にて求められる数値は、3以下であることがより好ましく、靭性改良の観点から0.5以上であることがより好ましい。
なお、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体中のオルガノクレイの質量比率αは、灰分を測定することによって求めることが可能である。ここで、他の熱可塑性樹脂とのブレンド物中におけるポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の含有量は、上記の灰分(クレイ)測定に加えて、溶剤への溶解、析出などの分離操作により、ブレンド樹脂中からポリフェニレンエーテルのみを分離してポリフェニレンエーテルの含有量を求め、求めたクレイとポリフェニレンエーテルとの含有量の和が、ここでいうポリフェニレンエーテル−クレイ複合体の含有量となり、クレイとポリフェニレンエーテルとの配合比率を求めることが可能である。
(a/α)/〔b/(1−α)〕≦5 ・・・(I)
を満たすものであることが好ましい。かかるX線回折測定により、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイにおけるクレイ層間剥離の進行度合いが確認可能である。以下、このX線回折測定につき詳述する。
まず、オルガノクレイ由来のピークとポリフェニレンエーテル由来のピークとの区別は、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体のプレス成型平板(試験片)とは別に、ポリフェニレンエーテルのみのプレス成型品(参照片)を作製して、同様に一次元プロフィール図を解析し、これをポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の一次元プロフィール図と比較することによって、容易に区別することが可能である。十分な物性改良の観点から、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体は、かかるオルガノクレイ由来のピーク極大値の存在範囲が、2θ=3°〜7°の範囲に認められるものが好ましく、より好ましくは5°〜7°の範囲であり、さらに好ましくは6°〜7°の範囲である。
また、上述した一次元プロフィール図から、オルガノクレイ由来ピーク面積/ポリマー由来ピーク面積の面積比(以下、クレイ/ポリマー面積比ともいう)を算出することが可能である。かかるクレイ/ポリマー面積比は、十分な物性改良の観点から、ポリマー成分にクレイを同量添加し押出機で押出して所謂メルトインターカレーション法によって作製したポリマー−クレイ複合体のクレイ/ポリマー面積比よりも、小さな値であることが好ましく、具体的には、メルトインターカレーション法で作製したポリマー−オルガノクレイ複合体に対して2〜80%の値であることが好ましく、より好ましくは2〜60%、さらに好ましくは5〜50%である。
そして、上記のように算出されたa(%)およびb(%)と、αとから、上記式(I)を計算することにより、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体中のクレイ層間剥離の進行度合いが求められる。この上記式(I)にて求められる数値が小さくなるほど、クレイ層間剥離の進行度合いは大きくなる。したがって、上記式(I)の数値は、5.0以下であることが好ましく、より好ましくは0.5〜3.0の範囲である。十分な難燃性、耐光性改良の観点から、上記式(I)にて求められる数値は、3以下であることがより好ましく、靭性改良の観点から0.5以上であることがより好ましい。
なお、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体中のオルガノクレイの質量比率αは、灰分を測定することによって求めることが可能である。ここで、他の熱可塑性樹脂とのブレンド物中におけるポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の含有量は、上記の灰分(クレイ)測定に加えて、溶剤への溶解、析出などの分離操作により、ブレンド樹脂中からポリフェニレンエーテルのみを分離してポリフェニレンエーテルの含有量を求め、求めたクレイとポリフェニレンエーテルとの含有量の和が、ここでいうポリフェニレンエーテル−クレイ複合体の含有量となり、クレイとポリフェニレンエーテルとの配合比率を求めることが可能である。
ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体に含まれるポリフェニレンエーテルの還元粘度(ηsp/c)は、0.2〜0.9dl/gの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.3〜0.7dl/gであり、さらに好ましくは0.4〜0.7dl/gの範囲である。十分な機械物性発現の観点から、ポリフェニレンエーテルの還元粘度(ηsp/c)は0.2dl/g以上が好ましく、成形加工性の観点から、ポリフェニレンエーテルの還元粘度(ηsp/c)は0.9dl/g以下が好ましい。なお、かかる還元粘度(ηsp/c)は、30℃のクロロホルム中、理論上、ポリマー濃度が0.5g/dlとなる条件でウベローデ粘度計を用いて測定することにより求めることができる。
ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体に含まれるポリフェニレンエーテルの分子量は、成型体の溶融加工性と十分な機械物性発現の観点から、数平均分子量が10000〜40000の範囲であることが好ましく、より好ましくは13000〜30000の範囲である。ポリフェニレンエーテルの数平均分子量が10000を下回ると、十分な機械特性が得られない場合があり、また、ポリフェニレンエーテルの数平均分子量が40000を越えると、溶融加工性が低下して所望の成型体が得られない場合がある。
ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体は、従来既知の熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂と溶融混練することができる。熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂の具体例としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリル/スチレン樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル、ポリアミド、ポリアセタール、高分子量ポリエチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルペンテン、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリアミドイミド、フェノール、尿素、メラミン、不飽和ポリエステル、アルキッド、エポキシ、ジアリルフタレート等が挙げられる。これらは、それぞれ単独でも用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、溶融混練時に、剛性、導電性、難燃性、耐衝撃性等を調整する目的で、従来既知の無機フィラーや各種添加剤、熱可塑性エラストマー等を加えることもできる。
<ポリマー−(オルガノ)クレイ複合体>
上述した製造方法は、他のポリマー−(オルガノ)クレイ複合体の製造においても適用可能である。すなわち、ポリマーの重合時に(オルガノ)クレイを添加して複合化させる手法において、重合に用いるモノマー成分および重合系中に添加する(オルガノ)クレイの添加量を最適化することにより、従来のメルトインターカレーション法によって得られる複合材料に比して、難燃性や、耐光性、耐薬品性および耐衝撃性等の耐久性等が改良された高性能なポリマー−(オルガノ)クレイ複合体が得られる。具体的には、モノマー単位中に芳香環を有するモノマーと(オルガノ)クレイとを含み、この(オルガノ)クレイをモノマー100質量部に対して0.1〜20質量部を含む混合物を作製し、その混合物中のモノマーを重合させて、ガラス転移温度(Tg)が150℃以上であり且つ構成単位中に芳香環を有する熱可塑性樹脂を作製することにより、ポリマー−(オルガノ)クレイ複合体を製造することができる。なお、ここで添加する(オルガノ)クレイは、既述の通り、オルガノクレイに限定されず、クレイであってもよい。
上述した製造方法は、他のポリマー−(オルガノ)クレイ複合体の製造においても適用可能である。すなわち、ポリマーの重合時に(オルガノ)クレイを添加して複合化させる手法において、重合に用いるモノマー成分および重合系中に添加する(オルガノ)クレイの添加量を最適化することにより、従来のメルトインターカレーション法によって得られる複合材料に比して、難燃性や、耐光性、耐薬品性および耐衝撃性等の耐久性等が改良された高性能なポリマー−(オルガノ)クレイ複合体が得られる。具体的には、モノマー単位中に芳香環を有するモノマーと(オルガノ)クレイとを含み、この(オルガノ)クレイをモノマー100質量部に対して0.1〜20質量部を含む混合物を作製し、その混合物中のモノマーを重合させて、ガラス転移温度(Tg)が150℃以上であり且つ構成単位中に芳香環を有する熱可塑性樹脂を作製することにより、ポリマー−(オルガノ)クレイ複合体を製造することができる。なお、ここで添加する(オルガノ)クレイは、既述の通り、オルガノクレイに限定されず、クレイであってもよい。
ガラス転移温度(Tg)が150℃以上であり且つ構成単位中に芳香環(芳香族基)を含む熱可塑性樹脂は、非晶性樹脂および結晶性樹脂のいずれであっても特に限定されるものではないが、ポリフェニレンエーテル、芳香族ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリアリレート等の非晶性ポリマーであることが好ましく、特に、ポリフェニレンエーテルであることが好ましい。以下、各樹脂の態様について詳述するが、既述のポリフェニレンエーテルの態様と重複する記載、および各々重複する記載は省略する。
<芳香族ポリカーボネート−(オルガノ)クレイ複合体>
芳香族ポリカーボネートの重合(重縮合)は、ビスフェノール等の芳香族ジヒドロキシ化合物(フェノール性化合物)とホスゲンとを直接反応させる界面法や、芳香族ジヒドロキシ化合物とジフェニルカーボネート等の芳香族炭酸ジエステルとをエステル交換反応させる溶融法がある。(オルガノ)クレイとの複合化においては、モノマー成分である芳香族ジヒドロキシ化合物と芳香族炭酸ジエステルとを(オルガノ)クレイと混合物とした後、エステル交換触媒等の触媒存在下で溶融する溶融重合法による複合化が好ましい。
芳香族ポリカーボネートの重合(重縮合)は、ビスフェノール等の芳香族ジヒドロキシ化合物(フェノール性化合物)とホスゲンとを直接反応させる界面法や、芳香族ジヒドロキシ化合物とジフェニルカーボネート等の芳香族炭酸ジエステルとをエステル交換反応させる溶融法がある。(オルガノ)クレイとの複合化においては、モノマー成分である芳香族ジヒドロキシ化合物と芳香族炭酸ジエステルとを(オルガノ)クレイと混合物とした後、エステル交換触媒等の触媒存在下で溶融する溶融重合法による複合化が好ましい。
芳香族ジヒドロキシ化合物の具体例としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキ−t−ブチルフェニル)プロパン等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル等のジヒドロキシアリールエーテル類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド等のジヒドロキシアリールスルフィド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン等のジヒドロキシアリールスルホン類等が挙げられる。これらは、それぞれ単独でも用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、特に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが好ましい。
芳香族炭酸ジエステルとしては、置換されてもよい炭素数6〜10のアリール基やアラルキル基等のエステルが挙げられ、具体的には、例えば、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート等が挙げられる。これらは、それぞれ単独でも用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
芳香族ジヒドロキシ化合物および芳香族ジヒドロキシ化合物を用いる場合、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対し、芳香族炭酸ジエステルを1.00〜1.30モル、好ましくは1.005〜1.150モルの比率で用いることが好ましい。
芳香族ポリカーボネートの重合において、重合速度を速める触媒として、アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物、含窒素塩基性化合物を用いることが好ましい。これらは、それぞれ単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよく、例えば、含窒素塩基性化合物とアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物とよりなるエステル交換触媒等を用いることも可能である。
アルカリ金属化合物の具体例としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ビスフェノールAのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム等が挙げられる。これらは、それぞれ単独でも用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アルカリ土類金属化合物の具体例としては、例えば、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロンチウム等が挙げられる。これらは、それぞれ単独でも用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
含窒素塩基性化合物の具体例としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリフェニルアミン等が挙げられる。これらは、それぞれ単独でも用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物の使用量は、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、1×10-7〜1×10-4当量であることが好ましく、より好ましくは1×10-5〜5×10-5当量である。また、含窒素塩基性化合物の使用量は、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、1×10-5〜1×10-3当量であることが好ましく、より好ましくは1×10-5〜5×10-4当量である。
さらに、必要に応じて、その他の化合物を補助触媒として用いることもできる。そのような補助触媒としては、例えば、ホウ素やアルミニウムの水酸化物のアルカリ金属やアルカリ土類金属塩、第4級アンモニウム塩類、アルカリ金属やアルカリ土類金属のアルコキシド類、アルカリ金属やアルカリ土類金属の有機酸塩類、亜鉛化合物類、ホウ素化合物類、珪酸化合物類、ゲルマニウム化合物類、オスミニウム化合物類、ジルコニウム化合物類等が挙げられるが、これらに特に限定されるものではない。
芳香族ポリカーボネートの重合(重縮合、溶融重縮合)は、常法にしたがい公知の方法にて行うことができ、特に限定されるものではなく、例えば、不活性ガス雰囲気下、反応温度が120〜350℃の範囲となるように加熱しながら攪拌し、生成する芳香族モノヒドロキシ化合物を留出させることで行うことができる。また、反応後期に系の減圧度を10〜0.1Torrに高めて、生成する芳香族モノヒドロキシ化合物の留出を容易にさせて完結させる等するとよい。
上記の方法によって得られる芳香族ポリカーボネート−(オルガノ)クレイ複合体における芳香族ポリカーボネートは、30℃の塩化メチレン中、ポリマー濃度0.7g/dlの条件で測定した固有粘度[η]が、0.20〜0.50dl/gの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.25〜0.40dl/gの範囲である。
<ポリエーテルイミド−(オルガノ)クレイ複合体>
ポリエーテルイミドの重合は、常法にしたがい公知の方法にて行うことができ、特に限定されるものではなく、例えば、o−ジクロロベンゼン、m−クレゾール/トルエン等の周知の溶媒に、芳香族ビス(エーテル無水物)、有機ジアミン化合物、および(オルガノ)クレイを予め分散させた後、反応温度100〜250℃において、反応させることにより実施することができる。また、ポリエーテルイミドの重合は、芳香族ビス(エーテル無水物)と有機ジアミン化合物に、(オルガノ)クレイを予め混合しておき、混合物を攪拌しながら約200〜400℃の高温で溶融重合させることによっても実施可能である。重合の際に、連鎖停止剤および枝分かれ剤等の各種添加剤を添加してもよい。
ポリエーテルイミドの重合は、常法にしたがい公知の方法にて行うことができ、特に限定されるものではなく、例えば、o−ジクロロベンゼン、m−クレゾール/トルエン等の周知の溶媒に、芳香族ビス(エーテル無水物)、有機ジアミン化合物、および(オルガノ)クレイを予め分散させた後、反応温度100〜250℃において、反応させることにより実施することができる。また、ポリエーテルイミドの重合は、芳香族ビス(エーテル無水物)と有機ジアミン化合物に、(オルガノ)クレイを予め混合しておき、混合物を攪拌しながら約200〜400℃の高温で溶融重合させることによっても実施可能である。重合の際に、連鎖停止剤および枝分かれ剤等の各種添加剤を添加してもよい。
芳香族ビス(エーテル無水物)の具体例としては、例えば、2,2−ビス(4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル)プロパン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルエーテル二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、2,2−ビス[4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、4,4’−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルエーテル二無水物、4,4’−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、4,4’−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)−4’−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニル−2,2−プロパン二無水物、4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)−4’−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルエーテル二無水物、4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)−4’−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)−4’−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)−4’−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物等が挙げられる。これらは、それぞれ単独でも用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機ジアミン化合物の具体例としては、例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、3,3−ジメチルベンジジン、3,3−ジメトキシベンジジン、2,4−ビス(β−アミノ−t−ブチル)トルエン、ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−o−アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ジアミノ−4−イソプロピルベンゼン、1,2−ビス(3−アミノプロポキシ)エタン、ベンジジン、m−キシリレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11−ドデカンジアミン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、1,18−オクタメチレンジアミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、1,18−オクタデカンジアミン、ビス(3−アミノプロピル)スルフィド、N−メチル−ビス(3−アミノプロピル)アミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン等が挙げられる。これらは、それぞれ単独でも用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記の方法によって得られるポリエーテルイミド−(オルガノ)クレイ複合体におけるポリエーテルイミドは、25℃のm−クレゾール中、ポリマー濃度0.5g/dlの条件で測定した固有粘度[η]が、0.2〜0.80dl/gの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.35〜0.70dl/gの範囲である。
<ポリアリレート−(オルガノ)クレイ複合体>
ポリアリレートの重合は、常法にしたがい公知の方法にて行うことができ、特に限定されるものではなく、例えば、モノマーとしてビスフェノール類と芳香族ジカルボン酸とを用い、溶融重合や界面重合させることによって実施することができる。溶融重合法では、例えば、予めアセチル化されたビスフェノール類と芳香族ジカルボン酸類と(オルガノ)クレイとを予め混合したものを、必要に応じてルイス酸等の触媒の存在下、高温減圧下で重合させることによって行うことができる。界面重合法では、例えば、アルカリ水溶液に溶解させたビスフェノール類(水相)と、水に相溶しない有機溶剤に溶解させた芳香族ジカルボン酸ハライドと(オルガノ)クレイとの混合物(有機相)とを混合攪拌することによって行うことができる。(オルガノ)クレイとの複合化においては、ポリアリレート−(オルガノ)クレイ複合体の十分な高分子量化の観点から、界面重合法による重合がより好ましい。
ポリアリレートの重合は、常法にしたがい公知の方法にて行うことができ、特に限定されるものではなく、例えば、モノマーとしてビスフェノール類と芳香族ジカルボン酸とを用い、溶融重合や界面重合させることによって実施することができる。溶融重合法では、例えば、予めアセチル化されたビスフェノール類と芳香族ジカルボン酸類と(オルガノ)クレイとを予め混合したものを、必要に応じてルイス酸等の触媒の存在下、高温減圧下で重合させることによって行うことができる。界面重合法では、例えば、アルカリ水溶液に溶解させたビスフェノール類(水相)と、水に相溶しない有機溶剤に溶解させた芳香族ジカルボン酸ハライドと(オルガノ)クレイとの混合物(有機相)とを混合攪拌することによって行うことができる。(オルガノ)クレイとの複合化においては、ポリアリレート−(オルガノ)クレイ複合体の十分な高分子量化の観点から、界面重合法による重合がより好ましい。
ビスフェノール類の具体例としては、例えば、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2−メチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3−メチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3−メチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2−クロロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3−クロロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,3’−ジメチル4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジ−tert−ブチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルビフェニル、3,3’−ジフルオロ−4,4’−ビフェノール、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル、3,3’,5,5’−テトラフルオロ−4,4’−ビフェノール、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−4,4’−ビフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4−メチル−2−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−sec−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロパン、4,4’−[1,4−フェニレン−ビス(1−メチルエチリデン)]ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、2,4’−メチレンビスフェノール、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−ブタン、ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,3−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,3−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノナン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、テルペンジフェニル、1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジ−sec−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)エタン、1,1−ビス(3−ノニル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチルエステル、1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−5−フルオロフェニル)メタン、2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1−(p−フルオロフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−(p−フルオロフェニル)メタン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ニトロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ドデカン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ドデカン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ドデカン、1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン酸メチルエステル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン酸エチルエステル、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−4,4’−ビフェノール、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、2,4’−メチレンビスフェノール、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(2−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(2−ヒドロキシ−3−アリルフェニル)メタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)エタン、ビス(2−ヒドロキシ−5−フェニルフェニル)メタン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタデカン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタデカン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタデカン、1,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)メタン、2,2−ビス(3−スチリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−(p−ニトロフェニル)エタン、ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5,5−ジメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−4−メチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−エチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチル−シクロペンタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)3,3−ジメチル−5−メチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチル−シクロヘキサン、1,4−ジ(4−ヒドロキシフェニル)−p−メンタン、1,4−ジ(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−メンタン、1,4−ジ(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−メンタン等が挙げられる。これらは、それぞれ単独でも用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
芳香族ジカルボン酸の具体例としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ジフェン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、芳香核にアルキル基やハロゲン基が置換した芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。これらは、それぞれ単独でも用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
芳香族ジカルボン酸ハライドの具体例としては、例えば、テレフタル酸ハライド、イソフタル酸ハライド、オルソフタル酸ハライド、ジフェン酸ハライド、1,4−ナフタレンジカルボン酸ハライド、2,3−ナフタレンジカルボン酸ハライド、2,6−ナフタレンジカルボン酸ハライド、2,7−ナフタレンジカルボン酸ハライド、1,8−ナフタレンジカルボン酸ハライド、1,5−ナフタレンジカルボン酸ハライド、芳香核にアルキル基やハロゲン基が置換した芳香族ジカルボン酸のハライド等が挙げられる。これらは、それぞれ単独でも用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、テレフタル酸ハライド10〜90モル%とイソフタル酸ハライド90〜10モル%の混合物が好ましく、特に、両者の等量混合物がより好ましい。
界面重合においては、ポリマー末端を封止して分子量を調節するために、芳香族ヒドロキシ化合物や芳香族カルボン酸ハライド、芳香族ハロホルメート等の末端封止剤を用いることが好ましい。末端封止剤の具体例としては、フェノール、o,m,p−クレゾール、o,m,p−エチルフェノール、o,m,p−プロピルフェノール、o,m,p−tert−ブチルフェノール、ペンチルフェノール、ヘキシルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、o,m,p−クロロフェノール等の芳香族ヒドロキシ化合物、安息香酸ハライド、o,m,p−メチル安息香酸ハライド、o,m,p−tert−ブチル安息香酸ハライド、o,m,p−クロロ安息香酸ハライド等の芳香族カルボン酸ハライド、フェニルハロホルメート、o,m,p−メチルフェニルハロホルメート、o,m,p−tert−ブチルフェニルハロホルメート、o,m,p−クロロフェニルハロホルメート等の芳香族ハロホルメートが挙げられる。これらは、それぞれ単独でも用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
界面重合によりポリアリレート−(オルガノ)クレイ複合体を作製する好適例について、さらに詳細に説明する。
まず、水相としてビスフェノール類のアルカリ水溶液を調整し、このアルカリ水溶液にさらに重合触媒および末端停止剤を添加する。ここ使用可能なアルカリ成分として、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等が挙げられる。一方、重合触媒としては、n−プロピル基を3〜4個有する四級アンモニウム塩、または四級ホスホニウム塩を用いることが必須である。
まず、水相としてビスフェノール類のアルカリ水溶液を調整し、このアルカリ水溶液にさらに重合触媒および末端停止剤を添加する。ここ使用可能なアルカリ成分として、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等が挙げられる。一方、重合触媒としては、n−プロピル基を3〜4個有する四級アンモニウム塩、または四級ホスホニウム塩を用いることが必須である。
四級アンモニウム塩の具体例として、例えば、トリn−プロピルベンジルアンモニウムクロライド、トリn−プロピルベンジルアンモニウムブロマイド、トリn−プロピルベンジルアンモニウムヒドロキサイイド、トリn−プロピルベンジルアンモニウムハイドロジェンサルフェート、テトラn−プロピルアンモニウムクロライド、テトラn−プロピルアンモニウムブロマイド、テトラn−プロピルアンモニウムヒドロキサイド、テトラn−プロピルアンモニウムハイドロジェンサルフェート等が挙げられる。これらは、それぞれ単独でも用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
四級ホスホニウム塩の具体例としては、例えば、トリn−プロピルベンジルホスホニウムクロライド、トリn−プロピルベンジルホスホニウムブロマイド、トリn−プロピルベンジルホスホニウムヒドロキサイド、トリn−プロピルベンジルホスホニウムハイドロジェンサルフェート、テトラn−プロピルホスホニウムクロライド、テトラn−プロピルホスホニウムブロマイド、テトラn−プロピルホスホニウムヒドロキサイド、テトラn−プロピルホスホニウムハイドロジェンサルフェート等が挙げられる。これらは、それぞれ単独でも用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記の重合触媒の添加量は、重合に用いるビスフェノール類のモル数に対して、0.1〜2.0mol%であることが好ましく、より好ましくは0.3〜1.0mol%である。重合触媒の添加量が0.1mol%未満であると、重合触媒の効果が得られず、ポリアリレート樹脂の分子量が十分に向上しない傾向にあり、また、添加量が2.0mol%を超えると、芳香族ジカルボン酸ハライドの加水分解反応が速くなり、やはりポリアリレート樹脂の分子量が十分に向上しない傾向にある。
次に、水に相溶しない有機溶剤に溶解させた芳香族ジカルボン酸ハライドと(オルガノ)クレイとの混合物(有機相)を作製する。有機相の溶媒としては、水と相溶せず、且つポリアリレート樹脂を溶解するような溶媒が用いられる。そのような溶媒の具体例としては、例えば、塩化メチレン、1,2−ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、o,m,p−ジクロロベンゼン、トルエン、ベンゼン、キシレン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。これらは、それぞれ単独でも用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。混合物(有機相)を作製においては、水相と混合する前に、溶媒中に芳香族ジカルボン酸ハライドおよび(オルガノ)クレイとを十分に溶解させておくことが重要である。
そして、有機相たる混合物(混合溶液)を前述の水相の溶液に加えて攪拌混合し、好ましくは25℃以下の温度で1〜5時間攪拌しながら、界面重合させることにより、ポリアリレート−(オルガノ)クレイ複合体が作製される。
上記の方法によって得られるポリアリレート−(オルガノ)クレイ複合体におけるポリアリレートは、1,1,2,2−テトラクロロエタン中、ポリマー濃度1g/dl、温度25℃で測定したインヘレント粘度[η]が、0.85〜2.50dl/gの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.95〜1.80dl/gの範囲である。かかるインヘレント粘度[η]は、十分な機械物性付与の観点から0.85dl/g以上が好ましく、成形加工性の観点から2.50dl/g以下が好ましい。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更して実施可能である。なお、以下において、「部」及び「%」は、「質量部」及び「質量%」を各々意味する。
実施例および比較例における各種物性の測定は、以下の方法によって各々求めた。
(1)還元粘度(ηsp/c)の測定
重合体を0.5g/dlのクロロホルム溶液として、30℃においてウベローデ粘度計を用いて測定した。単位はdl/gで表す。ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体におけるポリフェニレンエーテルの還元粘度を測定する場合、オルガノクレイの添加量を考慮して、クロロホルム中のポリフェニレンエーテルの濃度が理論上0.5g/dlとなるように調整して測定した。ここでは、ポリマー濃度が理論上0.5g/dlとなるように、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体をクロロホルムに溶解した場合の溶液中に存在するオルガノクレイの理論量を、クロロホルム中に添加したものを測定のブランクとして用いて測定した。
(1)還元粘度(ηsp/c)の測定
重合体を0.5g/dlのクロロホルム溶液として、30℃においてウベローデ粘度計を用いて測定した。単位はdl/gで表す。ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体におけるポリフェニレンエーテルの還元粘度を測定する場合、オルガノクレイの添加量を考慮して、クロロホルム中のポリフェニレンエーテルの濃度が理論上0.5g/dlとなるように調整して測定した。ここでは、ポリマー濃度が理論上0.5g/dlとなるように、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体をクロロホルムに溶解した場合の溶液中に存在するオルガノクレイの理論量を、クロロホルム中に添加したものを測定のブランクとして用いて測定した。
(2)固有粘度([η])の測定
重合体を0.7g/dlの塩化メチレン溶液として、30℃においてウベローデ粘度計を用いて測定した。単位はdl/gで表す。ポリカーボネート−オルガノクレイ複合体におけるポリカーボネートの固有粘度を測定する場合、オルガノクレイの添加量を考慮して、塩化メチレン中のポリカーボネートの濃度が理論上0.7g/dlとなるように調整して測定した。ここでは、ポリマー濃度が理論上0.7g/dlとなるように、ポリカーボネート−オルガノクレイ複合体を塩化メチレンに溶解した場合の溶液中に存在するオルガノクレイの理論量を、クロロホルム中に添加したものを測定のブランクとして用いて測定した。
重合体を0.7g/dlの塩化メチレン溶液として、30℃においてウベローデ粘度計を用いて測定した。単位はdl/gで表す。ポリカーボネート−オルガノクレイ複合体におけるポリカーボネートの固有粘度を測定する場合、オルガノクレイの添加量を考慮して、塩化メチレン中のポリカーボネートの濃度が理論上0.7g/dlとなるように調整して測定した。ここでは、ポリマー濃度が理論上0.7g/dlとなるように、ポリカーボネート−オルガノクレイ複合体を塩化メチレンに溶解した場合の溶液中に存在するオルガノクレイの理論量を、クロロホルム中に添加したものを測定のブランクとして用いて測定した。
(3)灰分の測定
樹脂成形品サンプルをルツボに入れ、内温約600℃に設定した電気炉中で、樹脂の燃焼により重量の減少が無くなるまで燃焼させ、残った灰分の質量を測定して求めた。灰分量の数値は、燃焼前の樹脂成形サンプルの質量に対する割合(%)で示した。
樹脂成形品サンプルをルツボに入れ、内温約600℃に設定した電気炉中で、樹脂の燃焼により重量の減少が無くなるまで燃焼させ、残った灰分の質量を測定して求めた。灰分量の数値は、燃焼前の樹脂成形サンプルの質量に対する割合(%)で示した。
(4)X線回折測定における、式(I)の(a/α)/〔b/(1−α)〕の算出
ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を真空プレス成形して6cm*6cm、厚み1mmのプレス平板を作製し、そのプレス平板のシート平面の法線方向から厚み方向へ切断して約2mm幅の短冊を切り出し、その短冊を試料セルにセットした後、切断した断面(厚み方向)に対し垂直な方向からX線を入射してX線回折測定を行なった(図1〜3参照)。測定装置の条件は、入射X線波長:0.154nm、光学系:ピンホールコリメーション、検出器:イメージングプレート、カメラ長:70.6mmであり、測定時間30分で行なった。ここで、空気散乱(空セル)補正を行なうために、空セルに対する散乱測定および各試料に対するX線透過率測定も併せて実施した。
得られたX線二次元散乱パターン図において、プレス平板の法線方向に当たる方向を0°とし、−15°〜15°の角度の範囲で扇状平均して、一次元プロフィール図を算出し、この一次元プロフィール図から、クレイ/ポリマーピーク面積比を算出した。ここで、クレイ由来のピーク面積は、4.5°<2θ<8.0°の範囲で積算した値を用い、また、ポリマー(ポリフェニレンエーテル)由来のピーク面積については、2.5°<2θ<39°の範囲で積算した値から前述のクレイ由来の面積を除いた値を用い、これらの結果から、クレイ/ポリマーピーク面積比を算出した。そして、得られたクレイ由来のピーク面積とポリフェニレンエーテル由来のピーク面積との合計を100%とし、クレイ由来のピーク面積をa(%)、ポリフェニレンエーテル由来のピーク面積をb(%)とし、さらに、灰分測定によって求めた複合体の全質量を1とした際のクレイ(灰分)の含有比率をαとして、式(I)の(a/α)/〔b/(1−α)〕の値を算出した。値が小さい程、クレイの層剥離が進行していると判断できる。
ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を真空プレス成形して6cm*6cm、厚み1mmのプレス平板を作製し、そのプレス平板のシート平面の法線方向から厚み方向へ切断して約2mm幅の短冊を切り出し、その短冊を試料セルにセットした後、切断した断面(厚み方向)に対し垂直な方向からX線を入射してX線回折測定を行なった(図1〜3参照)。測定装置の条件は、入射X線波長:0.154nm、光学系:ピンホールコリメーション、検出器:イメージングプレート、カメラ長:70.6mmであり、測定時間30分で行なった。ここで、空気散乱(空セル)補正を行なうために、空セルに対する散乱測定および各試料に対するX線透過率測定も併せて実施した。
得られたX線二次元散乱パターン図において、プレス平板の法線方向に当たる方向を0°とし、−15°〜15°の角度の範囲で扇状平均して、一次元プロフィール図を算出し、この一次元プロフィール図から、クレイ/ポリマーピーク面積比を算出した。ここで、クレイ由来のピーク面積は、4.5°<2θ<8.0°の範囲で積算した値を用い、また、ポリマー(ポリフェニレンエーテル)由来のピーク面積については、2.5°<2θ<39°の範囲で積算した値から前述のクレイ由来の面積を除いた値を用い、これらの結果から、クレイ/ポリマーピーク面積比を算出した。そして、得られたクレイ由来のピーク面積とポリフェニレンエーテル由来のピーク面積との合計を100%とし、クレイ由来のピーク面積をa(%)、ポリフェニレンエーテル由来のピーク面積をb(%)とし、さらに、灰分測定によって求めた複合体の全質量を1とした際のクレイ(灰分)の含有比率をαとして、式(I)の(a/α)/〔b/(1−α)〕の値を算出した。値が小さい程、クレイの層剥離が進行していると判断できる。
(5)燃焼性の測定
東芝機械社製の射出成形機IS−80C(成形温度290℃、金型温度80℃)を用いて作成した、3.2mm厚みの短冊試験片5本を用いて、UL−94試験法に基づいて測定した。ここでは、5本の試験片をも用いて垂直燃焼試験を行ない、第一接炎で燃焼滴下しない試験片については第二接炎も実施した。測定結果は、試験片5本中の滴下本数で示すとともに、滴下していない試験片のみで計算して得られた平均燃焼秒数および最大燃焼秒数で示した。なお、5本の試験片がすべて滴下した場合、平均燃焼秒数および最大燃焼秒数は測定不可とした。
東芝機械社製の射出成形機IS−80C(成形温度290℃、金型温度80℃)を用いて作成した、3.2mm厚みの短冊試験片5本を用いて、UL−94試験法に基づいて測定した。ここでは、5本の試験片をも用いて垂直燃焼試験を行ない、第一接炎で燃焼滴下しない試験片については第二接炎も実施した。測定結果は、試験片5本中の滴下本数で示すとともに、滴下していない試験片のみで計算して得られた平均燃焼秒数および最大燃焼秒数で示した。なお、5本の試験片がすべて滴下した場合、平均燃焼秒数および最大燃焼秒数は測定不可とした。
(6)耐光性の測定
東芝機械社製の射出成形機IS−80C(成形温度290℃、金型温度80℃)を用いて作成した、50mm×90mm×2.5mm(厚さ)の平板成形品(試験片)を用いて、(株)東洋精機製作所製のCi4000ウェザオメーターにて、耐光変色試験を行なった。ここで、測定条件は、光照射条件:キセノンランプ照射=340nm、0.3W/m2、試験温度50℃、照射時間300時間とした。試験後、日本電色工業(株)製の測色色差計ZE−2000を用いて試験前のサンプルとの色差ΔE*を測定し、測定結果は、この色差ΔE*で示した。なお、色差ΔE*の値が小さい程、色の変化が小さいため、耐光性に優れる。
東芝機械社製の射出成形機IS−80C(成形温度290℃、金型温度80℃)を用いて作成した、50mm×90mm×2.5mm(厚さ)の平板成形品(試験片)を用いて、(株)東洋精機製作所製のCi4000ウェザオメーターにて、耐光変色試験を行なった。ここで、測定条件は、光照射条件:キセノンランプ照射=340nm、0.3W/m2、試験温度50℃、照射時間300時間とした。試験後、日本電色工業(株)製の測色色差計ZE−2000を用いて試験前のサンプルとの色差ΔE*を測定し、測定結果は、この色差ΔE*で示した。なお、色差ΔE*の値が小さい程、色の変化が小さいため、耐光性に優れる。
(7)耐薬品性の測定
東芝機械社製の射出成形機IS−80C(成形温度290℃、金型温度80℃)を用いて作成した、3.2mm厚みのダンベル試験片6本を測定用サンプルとして用い、それぞれの試験片をベンディングフォームに固定して1%歪をかけ、その後、シクロヘキサン/イソプロパノール=40/60質量%混合溶液中に23℃で30分浸漬し、さらに23℃の大気中で1時間以上放置した後、ASTMのD638の引張試験法に基づいて引張試験を行なった。ここでは、溶剤浸漬をしていない試験片2本を引張試験して事前に測定した引張強度(TY)の平均値をブランクとし、溶剤浸漬したサンプル6本の引張強度(TY)の平均値をブランクで除して、溶剤浸漬後TY保持率(%)を求めた。溶剤浸漬後TY(%)が大きいものほど、耐薬品性に優れる。
東芝機械社製の射出成形機IS−80C(成形温度290℃、金型温度80℃)を用いて作成した、3.2mm厚みのダンベル試験片6本を測定用サンプルとして用い、それぞれの試験片をベンディングフォームに固定して1%歪をかけ、その後、シクロヘキサン/イソプロパノール=40/60質量%混合溶液中に23℃で30分浸漬し、さらに23℃の大気中で1時間以上放置した後、ASTMのD638の引張試験法に基づいて引張試験を行なった。ここでは、溶剤浸漬をしていない試験片2本を引張試験して事前に測定した引張強度(TY)の平均値をブランクとし、溶剤浸漬したサンプル6本の引張強度(TY)の平均値をブランクで除して、溶剤浸漬後TY保持率(%)を求めた。溶剤浸漬後TY(%)が大きいものほど、耐薬品性に優れる。
(8)耐衝撃性(落錘衝撃エネルギー)の測定
東芝機械社製の射出成形機IS−80C(成形温度290℃、金型温度80℃)を用いて作成した、50mm×90mm×2.5mm(厚さ)の平板(試験片)を用い、(株)東洋精機製作所製の落錘グラフィックインパクトテスターにて、23℃における破壊時の全吸収エネルギーを測定した。
東芝機械社製の射出成形機IS−80C(成形温度290℃、金型温度80℃)を用いて作成した、50mm×90mm×2.5mm(厚さ)の平板(試験片)を用い、(株)東洋精機製作所製の落錘グラフィックインパクトテスターにて、23℃における破壊時の全吸収エネルギーを測定した。
(9)シート押出性
樹脂組成物を、乾燥機を用いて90℃で3時間乾燥し、シリンダー温度300℃、Tダイス(幅40cm、クリアランス0.8mm)の温度305℃に設定したスクリュー径40mmの単軸押出機を用いて、スクリュー回転数40rpm、吐出量6kg/hr、引き取り速度2.0m/minの条件下で押出シート成形を90分間行なう(シートサイズは、38cm*10m、シート厚:約200μm)。
このシート作製時において、Tダイスの樹脂出口付近のガス発生状況を目視で判定した。また、運転開始60分後にシート10mサンプリングを行なって、シート付着物発生状況およびシート外観を目視で判定した。判定は、シートに付着物がわずかでも見られるものはシート付着物発生を“有り”とし、シートに付着物が認められないものを“無し”とした。シート外観の判定は、付着物や黒点の発生等によってシートの平滑性や外観が実用に耐え得ないレベルを×とし、シート表面が平滑で黒点等が見られず外観が実用に耐え得るものを○とした。
樹脂組成物を、乾燥機を用いて90℃で3時間乾燥し、シリンダー温度300℃、Tダイス(幅40cm、クリアランス0.8mm)の温度305℃に設定したスクリュー径40mmの単軸押出機を用いて、スクリュー回転数40rpm、吐出量6kg/hr、引き取り速度2.0m/minの条件下で押出シート成形を90分間行なう(シートサイズは、38cm*10m、シート厚:約200μm)。
このシート作製時において、Tダイスの樹脂出口付近のガス発生状況を目視で判定した。また、運転開始60分後にシート10mサンプリングを行なって、シート付着物発生状況およびシート外観を目視で判定した。判定は、シートに付着物がわずかでも見られるものはシート付着物発生を“有り”とし、シートに付着物が認められないものを“無し”とした。シート外観の判定は、付着物や黒点の発生等によってシートの平滑性や外観が実用に耐え得ないレベルを×とし、シート表面が平滑で黒点等が見られず外観が実用に耐え得るものを○とした。
[実施例1]
重合槽として、重合槽低部に酸素ガス導入のためのスパージャー、攪拌タービン翼およびバッフルを、重合槽上部のベントガスラインに還流冷却機を備えた、10リットルのジャケット付き重合槽を用いた。まず、この重合槽に、約500ml/minの流量で窒素ガスを吹き込みながら、1.186gの塩化第二銅2水和物、5.078gの36%塩酸、45.293gのN,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミン、17.082gのジ−n−ブチルアミン、1010gのn−ブタノール、2019gのメタノール、3702gの混合キシレン、1700gの2,6−ジメチルフェノール、17gのオルガノクレイ(商品名:BENTONR2010、米国エレメンティススペシャリティーズ社製の有機化ベントナイト、有機化剤:ベンジルメチルジ水添タローアンモニウム塩、強熱減量40質量%、層間距離d(001)=20Å、有機処理量136ミリ等量/100g)を投入して攪拌し、均一溶液となるように、さらに反応機の内温を40℃にして引き続き2時間攪拌した。
次に、激しく攪拌した重合槽へ1560Nml/minの流量で酸素ガスをスパージャーより導入を開始して260分通気しつつ、反応機の内温が40℃になるようにコントロールしながら重合した。なお、この重合混合物においては、酸素ガスの供給開始130分後に重合体の析出が確認され、スラリー状の形態を示していた。また、重合終結時の重合液の形態は、沈殿析出重合であった。その後、酸素ガスの通気をやめ、重合混合物にエチレンジアミン四酢酸3カリウム塩(同仁化学研究所製試薬)の50%水溶液を13.0g添加し、引き続き60分間、重合混合物を攪拌した。次いで、ハイドロキノン(和光純薬社製試薬)を少量ずつ添加し、スラリー状のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体が白色となるまで攪拌を続けた。反応機の内温は40℃になるようコントロールした。
このように調整された重合混合物を濾過し、得られた濾残の湿潤ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体をメタノール5950gと共に10リットル洗浄槽に投入して分散させ、30分攪拌した後、再度濾過し、湿潤ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を得た。その際、洗浄槽の内温は40℃にコントロールした。この操作を3回繰り返した後、得られた湿潤ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を140℃で240分乾燥することにより、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の粉体を得た。得られたポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体におけるポリフェニレンエーテルの還元粘度は、0.42dl/gであった。
そして、得られたポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体51.6質量部を、ハイインパクトポリスチレン(商品名:PS6200、米国ノバケミカル社製)24.2質量部、ゼネラルパーパスポリスチレン(商品名:スタイロン660、米国ダウケミカル社製)24.2質量部とブレンドした後、ZSK25二軸押出機(独国Werner&Pfleiderer社製、バレル数10、スクリュー径25mm、ニーディングディスクL:2個、ニーディングディスクR:6個、ニーディングディスクN:2個を有するスクリューパターン)を用いて、バレル設定温度300℃、スクリュー回転数250rpmの条件下で溶融混練して、樹脂混合組成物ペレットを作製した。この樹脂混合組成物ペレットの灰分量を測定したところ、0.307%(複合体中に換算すると0.595%)であった。
得られた樹脂混合組成物ペレットを、東芝機械社製の射出成形機IS−80C(成形温度290℃、金型温度80℃)を用いて射出成形することにより、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を含有する樹脂成形品(樹脂組成物)を成形した。表1に、樹脂成形品(試験片)の物性試験結果を示す。
重合槽として、重合槽低部に酸素ガス導入のためのスパージャー、攪拌タービン翼およびバッフルを、重合槽上部のベントガスラインに還流冷却機を備えた、10リットルのジャケット付き重合槽を用いた。まず、この重合槽に、約500ml/minの流量で窒素ガスを吹き込みながら、1.186gの塩化第二銅2水和物、5.078gの36%塩酸、45.293gのN,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミン、17.082gのジ−n−ブチルアミン、1010gのn−ブタノール、2019gのメタノール、3702gの混合キシレン、1700gの2,6−ジメチルフェノール、17gのオルガノクレイ(商品名:BENTONR2010、米国エレメンティススペシャリティーズ社製の有機化ベントナイト、有機化剤:ベンジルメチルジ水添タローアンモニウム塩、強熱減量40質量%、層間距離d(001)=20Å、有機処理量136ミリ等量/100g)を投入して攪拌し、均一溶液となるように、さらに反応機の内温を40℃にして引き続き2時間攪拌した。
次に、激しく攪拌した重合槽へ1560Nml/minの流量で酸素ガスをスパージャーより導入を開始して260分通気しつつ、反応機の内温が40℃になるようにコントロールしながら重合した。なお、この重合混合物においては、酸素ガスの供給開始130分後に重合体の析出が確認され、スラリー状の形態を示していた。また、重合終結時の重合液の形態は、沈殿析出重合であった。その後、酸素ガスの通気をやめ、重合混合物にエチレンジアミン四酢酸3カリウム塩(同仁化学研究所製試薬)の50%水溶液を13.0g添加し、引き続き60分間、重合混合物を攪拌した。次いで、ハイドロキノン(和光純薬社製試薬)を少量ずつ添加し、スラリー状のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体が白色となるまで攪拌を続けた。反応機の内温は40℃になるようコントロールした。
このように調整された重合混合物を濾過し、得られた濾残の湿潤ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体をメタノール5950gと共に10リットル洗浄槽に投入して分散させ、30分攪拌した後、再度濾過し、湿潤ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を得た。その際、洗浄槽の内温は40℃にコントロールした。この操作を3回繰り返した後、得られた湿潤ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を140℃で240分乾燥することにより、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の粉体を得た。得られたポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体におけるポリフェニレンエーテルの還元粘度は、0.42dl/gであった。
そして、得られたポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体51.6質量部を、ハイインパクトポリスチレン(商品名:PS6200、米国ノバケミカル社製)24.2質量部、ゼネラルパーパスポリスチレン(商品名:スタイロン660、米国ダウケミカル社製)24.2質量部とブレンドした後、ZSK25二軸押出機(独国Werner&Pfleiderer社製、バレル数10、スクリュー径25mm、ニーディングディスクL:2個、ニーディングディスクR:6個、ニーディングディスクN:2個を有するスクリューパターン)を用いて、バレル設定温度300℃、スクリュー回転数250rpmの条件下で溶融混練して、樹脂混合組成物ペレットを作製した。この樹脂混合組成物ペレットの灰分量を測定したところ、0.307%(複合体中に換算すると0.595%)であった。
得られた樹脂混合組成物ペレットを、東芝機械社製の射出成形機IS−80C(成形温度290℃、金型温度80℃)を用いて射出成形することにより、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を含有する樹脂成形品(樹脂組成物)を成形した。表1に、樹脂成形品(試験片)の物性試験結果を示す。
[実施例2]
重合槽として、重合槽低部に酸素ガス導入のためのスパージャー、攪拌タービン翼およびバッフルを、重合槽上部のベントガスラインに還流冷却機を備えた、10リットルのジャケット付き重合槽を用いた。まず、この重合槽に、約500ml/minの流量で窒素ガスを吹き込みながら、1.186gの塩化第二銅2水和物、20.240gの塩化トリ−n−オクチルメチルアンモニウム、45.293gのN,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミン、17.082gのジ−n−ブチルアミン、1010gのn−ブタノール、2019gのメタノール、3702gの混合キシレン、1700gの2,6−ジメチルフェノール、17gのオルガノクレイ(商品名:BENTONR2010、米国エレメンティススペシャリティーズ社製の有機化ベントナイト、有機化剤:ベンジルメチルジ水添タローアンモニウム塩、強熱減量40質量%、層間距離d(001)=20Å、有機処理量136ミリ等量/100g)を投入して攪拌し、均一溶液となるように、さらに反応機の内温を40℃にして引き続き2時間攪拌した。
次に、激しく攪拌した重合槽へ1560Nml/minの流量で酸素ガスをスパージャーより導入を開始して268分通気しつつ、反応機の内温が40℃になるようにコントロールしながら重合した。なお、この重合混合物においては、酸素ガスの供給開始134分後に重合体の析出が確認され、スラリー状の形態を示していた。また、重合終結時の重合液の形態は、沈殿析出重合であった。その後、酸素ガスの通気をやめ、重合混合物にエチレンジアミン四酢酸3カリウム塩(同仁化学研究所製試薬)の50%水溶液を13.0g添加し、引き続き60分間、重合混合物を攪拌した。次いで、ハイドロキノン(和光純薬社製試薬)を少量ずつ添加し、スラリー状のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体が白色となるまで攪拌を続けた。反応機の内温は40℃になるようコントロールした。
このように調整された重合混合物を濾過し、得られた濾残の湿潤ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体をメタノール5950gと共に10リットル洗浄槽に投入して分散させ、30分攪拌した後、再度濾過し、湿潤ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を得た。その際、洗浄槽の内温は40℃にコントロールした。この操作を3回繰り返した後、得られた湿潤ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を140℃で240分乾燥することにより、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の粉体を得た。得られたポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体におけるポリフェニレンエーテルの還元粘度は、0.42dl/gであった。
そして、得られたポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体51.6質量部を、ハイインパクトポリスチレン(商品名:PS6200、米国ノバケミカル社製)24.2質量部、ゼネラルパーパスポリスチレン(商品名:スタイロン660、米国ダウケミカル社製)24.2部質量とブレンドした後、ZSK25二軸押出機(独国Werner&Pfleiderer社製、バレル数10、スクリュー径25mm、ニーディングディスクL:2個、ニーディングディスクR:6個、ニーディングディスクN:2個を有するスクリューパターン)を用いて、バレル設定温度300℃、スクリュー回転数250rpmの条件下で溶融混練して、樹脂混合組成物ペレットを作製した。この樹脂混合組成物ペレットの灰分量を測定したところ、0.309%(複合体中に換算すると0.599%)であった。
得られた樹脂混合組成物ペレットを、東芝機械社製の射出成形機IS−80C(成形温度290℃、金型温度80℃)を用いて射出成形することにより、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を含有する樹脂成形品(樹脂組成物)を成形した。表1に、樹脂成形品の(試験片)の物性試験結果を示す。
重合槽として、重合槽低部に酸素ガス導入のためのスパージャー、攪拌タービン翼およびバッフルを、重合槽上部のベントガスラインに還流冷却機を備えた、10リットルのジャケット付き重合槽を用いた。まず、この重合槽に、約500ml/minの流量で窒素ガスを吹き込みながら、1.186gの塩化第二銅2水和物、20.240gの塩化トリ−n−オクチルメチルアンモニウム、45.293gのN,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミン、17.082gのジ−n−ブチルアミン、1010gのn−ブタノール、2019gのメタノール、3702gの混合キシレン、1700gの2,6−ジメチルフェノール、17gのオルガノクレイ(商品名:BENTONR2010、米国エレメンティススペシャリティーズ社製の有機化ベントナイト、有機化剤:ベンジルメチルジ水添タローアンモニウム塩、強熱減量40質量%、層間距離d(001)=20Å、有機処理量136ミリ等量/100g)を投入して攪拌し、均一溶液となるように、さらに反応機の内温を40℃にして引き続き2時間攪拌した。
次に、激しく攪拌した重合槽へ1560Nml/minの流量で酸素ガスをスパージャーより導入を開始して268分通気しつつ、反応機の内温が40℃になるようにコントロールしながら重合した。なお、この重合混合物においては、酸素ガスの供給開始134分後に重合体の析出が確認され、スラリー状の形態を示していた。また、重合終結時の重合液の形態は、沈殿析出重合であった。その後、酸素ガスの通気をやめ、重合混合物にエチレンジアミン四酢酸3カリウム塩(同仁化学研究所製試薬)の50%水溶液を13.0g添加し、引き続き60分間、重合混合物を攪拌した。次いで、ハイドロキノン(和光純薬社製試薬)を少量ずつ添加し、スラリー状のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体が白色となるまで攪拌を続けた。反応機の内温は40℃になるようコントロールした。
このように調整された重合混合物を濾過し、得られた濾残の湿潤ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体をメタノール5950gと共に10リットル洗浄槽に投入して分散させ、30分攪拌した後、再度濾過し、湿潤ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を得た。その際、洗浄槽の内温は40℃にコントロールした。この操作を3回繰り返した後、得られた湿潤ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を140℃で240分乾燥することにより、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の粉体を得た。得られたポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体におけるポリフェニレンエーテルの還元粘度は、0.42dl/gであった。
そして、得られたポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体51.6質量部を、ハイインパクトポリスチレン(商品名:PS6200、米国ノバケミカル社製)24.2質量部、ゼネラルパーパスポリスチレン(商品名:スタイロン660、米国ダウケミカル社製)24.2部質量とブレンドした後、ZSK25二軸押出機(独国Werner&Pfleiderer社製、バレル数10、スクリュー径25mm、ニーディングディスクL:2個、ニーディングディスクR:6個、ニーディングディスクN:2個を有するスクリューパターン)を用いて、バレル設定温度300℃、スクリュー回転数250rpmの条件下で溶融混練して、樹脂混合組成物ペレットを作製した。この樹脂混合組成物ペレットの灰分量を測定したところ、0.309%(複合体中に換算すると0.599%)であった。
得られた樹脂混合組成物ペレットを、東芝機械社製の射出成形機IS−80C(成形温度290℃、金型温度80℃)を用いて射出成形することにより、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を含有する樹脂成形品(樹脂組成物)を成形した。表1に、樹脂成形品の(試験片)の物性試験結果を示す。
[実施例3]
重合槽として、重合槽低部に酸素ガス導入のためのスパージャー、攪拌タービン翼およびバッフルを、重合槽上部のベントガスラインに還流冷却機を備えた、10リットルのジャケット付き重合槽を用いた。まず、この重合槽に、約500ml/minの流量で窒素ガスを吹き込みながら、1.542gの塩化第二銅2水和物、26.312gの塩化トリ−n−オクチルメチルアンモニウム、58.880gのN,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミン、17.082gのジ−n−ブチルアミン、1007gのn−ブタノール、1343gのメタノール、4365gの混合キシレン、1700gの2,6−ジメチルフェノール、51gのオルガノクレイ(商品名:BENTONR2010、米国エレメンティススペシャリティーズ社製の有機化ベントナイト、有機化剤:ベンジルメチルジ水添タローアンモニウム塩、強熱減量40質量%、層間距離d(001)=20Å、有機処理量136ミリ等量/100g)を投入して攪拌し、均一溶液となるように、さらに反応機の内温を40℃にして引き続き2時間攪拌した。
次に、激しく攪拌した重合槽へ1560Nml/minの流量で酸素ガスをスパージャーより導入を開始して278分通気しつつ、反応機の内温が40℃になるようにコントロールしながら重合した。なお、この重合混合物においては、酸素ガスの供給開始139分後に重合体の析出が確認され、スラリー状の形態を示していた。また、重合終結時の重合液の形態は、沈殿析出重合であった。その後、酸素ガスの通気をやめ、重合混合物にエチレンジアミン四酢酸3カリウム塩(同仁化学研究所製試薬)の50%水溶液を13.0g添加し、引き続き60分間、重合混合物を攪拌した。次いで、ハイドロキノン(和光純薬社製試薬)を少量ずつ添加し、スラリー状のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体が白色となるまで攪拌を続けた。反応機の内温は40℃になるようコントロールした。
このように調整された重合混合物を濾過し、得られた濾残の湿潤ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体をメタノール5950gと共に10リットル洗浄槽に投入して分散させ、30分攪拌した後、再度濾過し、湿潤ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を得た。その際、洗浄槽の内温は40℃にコントロールした。この操作を3回繰り返した後、得られた湿潤ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を140℃で240分乾燥することにより、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の粉体を得た。得られたポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体におけるポリフェニレンエーテルの還元粘度は、0.47dl/gであった。
そして、得られたポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体51.6質量部を、ハイインパクトポリスチレン(商品名:PS6200、米国ノバケミカル社製)24.2質量部、ゼネラルパーパスポリスチレン(商品名:スタイロン660、米国ダウケミカル社製)24.2質量部とブレンドした後、ZSK25二軸押出機(独国Werner&Pfleiderer社製、バレル数10、スクリュー径25mm、ニーディングディスクL:2個、ニーディングディスクR:6個、ニーディングディスクN:2個を有するスクリューパターン)を用いて、バレル設定温度300℃、スクリュー回転数250rpmの条件下で溶融混練して、樹脂混合組成物ペレットを作製した。この樹脂混合組成物ペレットの灰分量を測定したところ、0.901%(複合体中に換算すると1.746%)であった。
得られた樹脂混合組成物ペレットを、東芝機械社製の射出成形機IS−80C(成形温度290℃、金型温度80℃)を用いて射出成形することにより、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を含有する樹脂成形品(樹脂組成物)を成形した。表1に、樹脂成形品(試験片)の物性試験結果を示す。
重合槽として、重合槽低部に酸素ガス導入のためのスパージャー、攪拌タービン翼およびバッフルを、重合槽上部のベントガスラインに還流冷却機を備えた、10リットルのジャケット付き重合槽を用いた。まず、この重合槽に、約500ml/minの流量で窒素ガスを吹き込みながら、1.542gの塩化第二銅2水和物、26.312gの塩化トリ−n−オクチルメチルアンモニウム、58.880gのN,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミン、17.082gのジ−n−ブチルアミン、1007gのn−ブタノール、1343gのメタノール、4365gの混合キシレン、1700gの2,6−ジメチルフェノール、51gのオルガノクレイ(商品名:BENTONR2010、米国エレメンティススペシャリティーズ社製の有機化ベントナイト、有機化剤:ベンジルメチルジ水添タローアンモニウム塩、強熱減量40質量%、層間距離d(001)=20Å、有機処理量136ミリ等量/100g)を投入して攪拌し、均一溶液となるように、さらに反応機の内温を40℃にして引き続き2時間攪拌した。
次に、激しく攪拌した重合槽へ1560Nml/minの流量で酸素ガスをスパージャーより導入を開始して278分通気しつつ、反応機の内温が40℃になるようにコントロールしながら重合した。なお、この重合混合物においては、酸素ガスの供給開始139分後に重合体の析出が確認され、スラリー状の形態を示していた。また、重合終結時の重合液の形態は、沈殿析出重合であった。その後、酸素ガスの通気をやめ、重合混合物にエチレンジアミン四酢酸3カリウム塩(同仁化学研究所製試薬)の50%水溶液を13.0g添加し、引き続き60分間、重合混合物を攪拌した。次いで、ハイドロキノン(和光純薬社製試薬)を少量ずつ添加し、スラリー状のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体が白色となるまで攪拌を続けた。反応機の内温は40℃になるようコントロールした。
このように調整された重合混合物を濾過し、得られた濾残の湿潤ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体をメタノール5950gと共に10リットル洗浄槽に投入して分散させ、30分攪拌した後、再度濾過し、湿潤ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を得た。その際、洗浄槽の内温は40℃にコントロールした。この操作を3回繰り返した後、得られた湿潤ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を140℃で240分乾燥することにより、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の粉体を得た。得られたポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体におけるポリフェニレンエーテルの還元粘度は、0.47dl/gであった。
そして、得られたポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体51.6質量部を、ハイインパクトポリスチレン(商品名:PS6200、米国ノバケミカル社製)24.2質量部、ゼネラルパーパスポリスチレン(商品名:スタイロン660、米国ダウケミカル社製)24.2質量部とブレンドした後、ZSK25二軸押出機(独国Werner&Pfleiderer社製、バレル数10、スクリュー径25mm、ニーディングディスクL:2個、ニーディングディスクR:6個、ニーディングディスクN:2個を有するスクリューパターン)を用いて、バレル設定温度300℃、スクリュー回転数250rpmの条件下で溶融混練して、樹脂混合組成物ペレットを作製した。この樹脂混合組成物ペレットの灰分量を測定したところ、0.901%(複合体中に換算すると1.746%)であった。
得られた樹脂混合組成物ペレットを、東芝機械社製の射出成形機IS−80C(成形温度290℃、金型温度80℃)を用いて射出成形することにより、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を含有する樹脂成形品(樹脂組成物)を成形した。表1に、樹脂成形品(試験片)の物性試験結果を示す。
[実施例4]
重合槽として、重合槽低部に酸素ガス導入のためのスパージャー、攪拌タービン翼およびバッフルを、重合槽上部のベントガスラインに還流冷却機を備えた、10リットルのジャケット付き重合槽を用いた。まず、この重合槽に、約500ml/minの流量で窒素ガスを吹き込みながら、1.256gの塩化第二銅2水和物、42.864gの塩化トリ−n−オクチルメチルアンモニウム、47.957gのN,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミン、12.058gのジ−n−ブチルアミン、1004gのn−ブタノール、1339gのメタノール、4352gの混合キシレン、1200gの2,6−ジメチルフェノール、120gのオルガノクレイ(商品名:BENTONR2010、米国エレメンティススペシャリティーズ社製の有機化ベントナイト、有機化剤:ベンジルメチルジ水添タローアンモニウム塩、強熱減量40質量%、層間距離d(001)=20Å、有機処理量136ミリ等量/100g)を投入して攪拌し、均一溶液となるように、さらに反応機の内温を40℃にして引き続き2時間攪拌した。
次に、激しく攪拌した重合槽へ1560Nml/minの流量で酸素ガスをスパージャーより導入を開始して450分通気しつつ、反応機の内温が40℃になるようにコントロールしながら重合した。なお、この重合混合物においては、酸素ガスの供給開始150分後に重合体の析出が確認され、スラリー状の形態を示していた。また、重合終結時の重合液の形態は、沈殿析出重合であった。その後、酸素ガスの通気をやめ、重合混合物にエチレンジアミン四酢酸3カリウム塩(同仁化学研究所製試薬)の50%水溶液を13.0g添加し、引き続き60分間、重合混合物を攪拌した。次いで、ハイドロキノン(和光純薬社製試薬)を少量ずつ添加し、スラリー状のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体が白色となるまで攪拌を続けた。反応機の内温は40℃になるようコントロールした。
このように調整された重合混合物を濾過し、得られた濾残の湿潤ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体をメタノール4200gと共に10リットル洗浄槽を投入して分散させ、30分攪拌した後、再度濾過し、湿潤ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を得た。その際、洗浄槽の内温は40℃にコントロールした。この操作を3回繰り返した後、得られた湿潤ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を140℃で480分乾燥することにより、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の粉体を得た。得られたポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体におけるポリフェニレンエーテルの還元粘度は、0.47dl/gであった。
そして、得られたポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体56.2質量部を、ハイインパクトポリスチレン(商品名:PS6200、米国ノバケミカル社製)21.9質量部、ゼネラルパーパスポリスチレン(商品名:スタイロン660、米国ダウケミカル社製)21.9質量部とブレンドした後、ZSK25二軸押出機(独国Werner&Pfleiderer社製、バレル数10、スクリュー径25mm、ニーディングディスクL:2個、ニーディングディスクR:6個、ニーディングディスクN:2個を有するスクリューパターン)を用いて、バレル設定温度300℃、スクリュー回転数250rpmの条件下で溶融混練して、樹脂混合組成物ペレットを作製した。この樹脂混合組成物ペレットの灰分量を測定したところ、3.069%(複合体中に換算すると5.460%)であった。
得られた樹脂混合組成物ペレットを、東芝機械社製の射出成形機IS−80C(成形温度290℃、金型温度80℃)を用いて射出成形することにより、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を含有する樹脂成形品(樹脂組成物)を成形した。表1に、樹脂成形品の(試験片)の物性試験結果を示す。
重合槽として、重合槽低部に酸素ガス導入のためのスパージャー、攪拌タービン翼およびバッフルを、重合槽上部のベントガスラインに還流冷却機を備えた、10リットルのジャケット付き重合槽を用いた。まず、この重合槽に、約500ml/minの流量で窒素ガスを吹き込みながら、1.256gの塩化第二銅2水和物、42.864gの塩化トリ−n−オクチルメチルアンモニウム、47.957gのN,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミン、12.058gのジ−n−ブチルアミン、1004gのn−ブタノール、1339gのメタノール、4352gの混合キシレン、1200gの2,6−ジメチルフェノール、120gのオルガノクレイ(商品名:BENTONR2010、米国エレメンティススペシャリティーズ社製の有機化ベントナイト、有機化剤:ベンジルメチルジ水添タローアンモニウム塩、強熱減量40質量%、層間距離d(001)=20Å、有機処理量136ミリ等量/100g)を投入して攪拌し、均一溶液となるように、さらに反応機の内温を40℃にして引き続き2時間攪拌した。
次に、激しく攪拌した重合槽へ1560Nml/minの流量で酸素ガスをスパージャーより導入を開始して450分通気しつつ、反応機の内温が40℃になるようにコントロールしながら重合した。なお、この重合混合物においては、酸素ガスの供給開始150分後に重合体の析出が確認され、スラリー状の形態を示していた。また、重合終結時の重合液の形態は、沈殿析出重合であった。その後、酸素ガスの通気をやめ、重合混合物にエチレンジアミン四酢酸3カリウム塩(同仁化学研究所製試薬)の50%水溶液を13.0g添加し、引き続き60分間、重合混合物を攪拌した。次いで、ハイドロキノン(和光純薬社製試薬)を少量ずつ添加し、スラリー状のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体が白色となるまで攪拌を続けた。反応機の内温は40℃になるようコントロールした。
このように調整された重合混合物を濾過し、得られた濾残の湿潤ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体をメタノール4200gと共に10リットル洗浄槽を投入して分散させ、30分攪拌した後、再度濾過し、湿潤ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を得た。その際、洗浄槽の内温は40℃にコントロールした。この操作を3回繰り返した後、得られた湿潤ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を140℃で480分乾燥することにより、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の粉体を得た。得られたポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体におけるポリフェニレンエーテルの還元粘度は、0.47dl/gであった。
そして、得られたポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体56.2質量部を、ハイインパクトポリスチレン(商品名:PS6200、米国ノバケミカル社製)21.9質量部、ゼネラルパーパスポリスチレン(商品名:スタイロン660、米国ダウケミカル社製)21.9質量部とブレンドした後、ZSK25二軸押出機(独国Werner&Pfleiderer社製、バレル数10、スクリュー径25mm、ニーディングディスクL:2個、ニーディングディスクR:6個、ニーディングディスクN:2個を有するスクリューパターン)を用いて、バレル設定温度300℃、スクリュー回転数250rpmの条件下で溶融混練して、樹脂混合組成物ペレットを作製した。この樹脂混合組成物ペレットの灰分量を測定したところ、3.069%(複合体中に換算すると5.460%)であった。
得られた樹脂混合組成物ペレットを、東芝機械社製の射出成形機IS−80C(成形温度290℃、金型温度80℃)を用いて射出成形することにより、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を含有する樹脂成形品(樹脂組成物)を成形した。表1に、樹脂成形品の(試験片)の物性試験結果を示す。
[比較例1]
還元粘度(クロロホルム溶媒、30℃)0.42dl/gのポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル粉体100質量部と、オルガノクレイ(商品名:BENTONR2010、米国エレメンティススペシャリティーズ社製の有機化ベントナイト、有機化剤:ベンジルメチルジ水添タローアンモニウム塩、強熱減量40質量%、層間距離d(001)=20Å、有機処理量136ミリ等量/100g)1質量部とを、ドライブレンド後、ZSK25二軸押出機(独国Werner&Pfleiderer社製、バレル数10、スクリュー径25mm、ニーディングディスクL:2個、ニーディングディスクR:6個、ニーディングディスクN:2個を有するスクリューパターン)を用いて、バレル設定温度300℃、スクリュー回転数450rpmの条件下で溶融混練することにより、メルトインターカレーション法によるポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体(ペレット)を作製した。得られたポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体(ペレット)におけるポリフェニレンエーテルの還元粘度は、0.50dl/gであった。
そして、得られたメルトインターカレーション法によるポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体(ペレット)51.6質量部を、ハイインパクトポリスチレン(商品名:PS6200、米国ノバケミカル社製)24.2質量部、ゼネラルパーパスポリスチレン(商品名:スタイロン660、米国ダウケミカル社製)24.2質量部とブレンドした後、PCM30二軸押出機(池貝鉄工所(株)製、バレル数8、スクリュー径30mm、ニーディングディスクL:2個、ニーディングディスクR:3個、シーリング1個を有するスクリューパターン)を用いて、バレル設定温度300℃、スクリュー回転数150rpmの条件下で溶融混練することにより、樹脂混合組成物ペレットを作製した。この樹脂混合組成物ペレットの灰分量を測定したところ、0.305%(複合体中に換算すると0.591%)であった。
得られた樹脂混合組成物ペレットを、東芝機械社製の射出成形機IS−80C(成形温度290℃、金型温度80℃)を用いて射出成形することにより、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を含有する樹脂成形品(樹脂組成物)を成形した。表2に、樹脂成形品(試験片)の物性試験結果を示す。
還元粘度(クロロホルム溶媒、30℃)0.42dl/gのポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル粉体100質量部と、オルガノクレイ(商品名:BENTONR2010、米国エレメンティススペシャリティーズ社製の有機化ベントナイト、有機化剤:ベンジルメチルジ水添タローアンモニウム塩、強熱減量40質量%、層間距離d(001)=20Å、有機処理量136ミリ等量/100g)1質量部とを、ドライブレンド後、ZSK25二軸押出機(独国Werner&Pfleiderer社製、バレル数10、スクリュー径25mm、ニーディングディスクL:2個、ニーディングディスクR:6個、ニーディングディスクN:2個を有するスクリューパターン)を用いて、バレル設定温度300℃、スクリュー回転数450rpmの条件下で溶融混練することにより、メルトインターカレーション法によるポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体(ペレット)を作製した。得られたポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体(ペレット)におけるポリフェニレンエーテルの還元粘度は、0.50dl/gであった。
そして、得られたメルトインターカレーション法によるポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体(ペレット)51.6質量部を、ハイインパクトポリスチレン(商品名:PS6200、米国ノバケミカル社製)24.2質量部、ゼネラルパーパスポリスチレン(商品名:スタイロン660、米国ダウケミカル社製)24.2質量部とブレンドした後、PCM30二軸押出機(池貝鉄工所(株)製、バレル数8、スクリュー径30mm、ニーディングディスクL:2個、ニーディングディスクR:3個、シーリング1個を有するスクリューパターン)を用いて、バレル設定温度300℃、スクリュー回転数150rpmの条件下で溶融混練することにより、樹脂混合組成物ペレットを作製した。この樹脂混合組成物ペレットの灰分量を測定したところ、0.305%(複合体中に換算すると0.591%)であった。
得られた樹脂混合組成物ペレットを、東芝機械社製の射出成形機IS−80C(成形温度290℃、金型温度80℃)を用いて射出成形することにより、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を含有する樹脂成形品(樹脂組成物)を成形した。表2に、樹脂成形品(試験片)の物性試験結果を示す。
[比較例2]
オルガノクレイの添加量を3質量部にすること以外は、比較例1と同一条件で操作することにより、メルトインターカレーション法によるポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体(ペレット)を作製した。得られたポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体(ペレット)におけるポリフェニレンエーテルの還元粘度は、0.50dl/gであった。
そして、得られたメルトインターカレーション法によるポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体(ペレット)51.6質量部を、ハイインパクトポリスチレン(商品名:PS6200、米国ノバケミカル社製)24.2質量部、ゼネラルパーパスポリスチレン(商品名:スタイロン660、米国ダウケミカル社製)24.2質量部とブレンドした後、比較例1で使用したPCM30押出機を用いて、比較例1と同一条件で溶融混練することにより、樹脂混合組成物ペレットを作製した。この樹脂混合組成物ペレットの灰分量を測定したところ、0.906%(複合体中に換算すると1.756%)であった。
得られた樹脂混合組成物ペレットを、東芝機械社製の射出成形機IS−80C(成形温度290℃、金型温度80℃)を用いて射出成形することにより、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を含有する樹脂成形品(樹脂組成物)を成形した。表2に、樹脂成形品(試験片)の物性試験結果を示す。
オルガノクレイの添加量を3質量部にすること以外は、比較例1と同一条件で操作することにより、メルトインターカレーション法によるポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体(ペレット)を作製した。得られたポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体(ペレット)におけるポリフェニレンエーテルの還元粘度は、0.50dl/gであった。
そして、得られたメルトインターカレーション法によるポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体(ペレット)51.6質量部を、ハイインパクトポリスチレン(商品名:PS6200、米国ノバケミカル社製)24.2質量部、ゼネラルパーパスポリスチレン(商品名:スタイロン660、米国ダウケミカル社製)24.2質量部とブレンドした後、比較例1で使用したPCM30押出機を用いて、比較例1と同一条件で溶融混練することにより、樹脂混合組成物ペレットを作製した。この樹脂混合組成物ペレットの灰分量を測定したところ、0.906%(複合体中に換算すると1.756%)であった。
得られた樹脂混合組成物ペレットを、東芝機械社製の射出成形機IS−80C(成形温度290℃、金型温度80℃)を用いて射出成形することにより、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を含有する樹脂成形品(樹脂組成物)を成形した。表2に、樹脂成形品(試験片)の物性試験結果を示す。
[比較例3]
還元粘度(クロロホルム溶媒、30℃)が0.42dl/gのポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル粉体51質量部を、ハイインパクトポリスチレン(商品名:PS6200、米国ノバケミカル社製)24.5質量部、ゼネラルパーパスポリスチレン(商品名:スタイロン660、米国ダウケミカル社製)24.5質量部とブレンドした後、ZSK25二軸押出機(独国Werner&Pfleiderer社製、バレル数10、スクリュー径25mm、ニーディングディスクL:2個、ニーディングディスクR:6個、ニーディングディスクN:2個を有するスクリューパターン)を用いて、バレル設定温度300℃、スクリュー回転数250rpmの条件下で溶融混練することにより、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を含有しない樹脂混合組成物ペレットを作製した。
得られた樹脂混合組成物ペレットを、東芝機械社製の射出成形機IS−80C(成形温度290℃、金型温度80℃)を用いて射出成形することにより、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を含有しない樹脂成形品(樹脂組成物)を成形した。表2に、樹脂成形品(試験片)の物性試験結果を示す。
還元粘度(クロロホルム溶媒、30℃)が0.42dl/gのポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル粉体51質量部を、ハイインパクトポリスチレン(商品名:PS6200、米国ノバケミカル社製)24.5質量部、ゼネラルパーパスポリスチレン(商品名:スタイロン660、米国ダウケミカル社製)24.5質量部とブレンドした後、ZSK25二軸押出機(独国Werner&Pfleiderer社製、バレル数10、スクリュー径25mm、ニーディングディスクL:2個、ニーディングディスクR:6個、ニーディングディスクN:2個を有するスクリューパターン)を用いて、バレル設定温度300℃、スクリュー回転数250rpmの条件下で溶融混練することにより、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を含有しない樹脂混合組成物ペレットを作製した。
得られた樹脂混合組成物ペレットを、東芝機械社製の射出成形機IS−80C(成形温度290℃、金型温度80℃)を用いて射出成形することにより、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を含有しない樹脂成形品(樹脂組成物)を成形した。表2に、樹脂成形品(試験片)の物性試験結果を示す。
[実施例5]
実施例3のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体51.6質量部を、ハイインパクトポリスチレン(商品名:PS6200、米国ノバケミカル社製)38.4質量部、スチレン系エラストマー(商品名:タフレックH1271、旭化成ケミカルズ社製)7質量部、リン酸エステル系の可塑剤(商品名:TPP、大八化学社製)3質量部とブレンドした後、ZSK25二軸押出機(独国Werner&Pfleiderer社製、バレル数10、スクリュー径25mm、ニーディングディスクL:2個、ニーディングディスクR:6個、ニーディングディスクN:2個を有するスクリューパターン)を用いて、バレル設定温度300℃、スクリュー回転数250rpmの条件下で溶融混練することにより、樹脂混合組成物ペレットを作製した。この樹脂混合組成物ペレットの灰分量を測定したところ、0.901wt%(複合体中に換算すると1.746%)であった。
得られた樹脂混合組成物ペレットを、東芝機械社製の射出成形機IS−80C(成形温度290℃、金型温度80℃)を用いて射出成形することにより、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を含有する樹脂成形品(樹脂組成物)を成形した。表3に、樹脂成形品(試験片)の物性試験結果を示す。
実施例3のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体51.6質量部を、ハイインパクトポリスチレン(商品名:PS6200、米国ノバケミカル社製)38.4質量部、スチレン系エラストマー(商品名:タフレックH1271、旭化成ケミカルズ社製)7質量部、リン酸エステル系の可塑剤(商品名:TPP、大八化学社製)3質量部とブレンドした後、ZSK25二軸押出機(独国Werner&Pfleiderer社製、バレル数10、スクリュー径25mm、ニーディングディスクL:2個、ニーディングディスクR:6個、ニーディングディスクN:2個を有するスクリューパターン)を用いて、バレル設定温度300℃、スクリュー回転数250rpmの条件下で溶融混練することにより、樹脂混合組成物ペレットを作製した。この樹脂混合組成物ペレットの灰分量を測定したところ、0.901wt%(複合体中に換算すると1.746%)であった。
得られた樹脂混合組成物ペレットを、東芝機械社製の射出成形機IS−80C(成形温度290℃、金型温度80℃)を用いて射出成形することにより、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を含有する樹脂成形品(樹脂組成物)を成形した。表3に、樹脂成形品(試験片)の物性試験結果を示す。
[比較例4]
比較例2のメルトインターカレーション法によるポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を用いること以外は、実施例5と同一条件で操作することにより、樹脂混合組成物ペレットを作製した。この樹脂混合組成物ペレットの灰分量を測定したところ、0.900wt%(複合体中に換算すると1.744%)であった。
得られた樹脂混合組成物ペレットを、東芝機械社製の射出成形機IS−80C(成形温度290℃、金型温度80℃)を用いて射出成形することにより、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を含有する樹脂成形品(樹脂組成物)を成形した。表3に、樹脂成形品(試験片)の物性試験結果を示す。
比較例2のメルトインターカレーション法によるポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を用いること以外は、実施例5と同一条件で操作することにより、樹脂混合組成物ペレットを作製した。この樹脂混合組成物ペレットの灰分量を測定したところ、0.900wt%(複合体中に換算すると1.744%)であった。
得られた樹脂混合組成物ペレットを、東芝機械社製の射出成形機IS−80C(成形温度290℃、金型温度80℃)を用いて射出成形することにより、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を含有する樹脂成形品(樹脂組成物)を成形した。表3に、樹脂成形品(試験片)の物性試験結果を示す。
[比較例5]
還元粘度(クロロホルム溶媒、30℃)0.42dl/gのポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル粉体50質量部を、ハイインパクトポリスチレン(商品名:PS6200、米国ノバケミカル社製)40質量部、スチレン系エラストマー(商品名:タフレックH1271、旭化成ケミカルズ社製)7質量部、リン酸エステル系の可塑剤(商品名:TPP、大八化学社製)3質量部とブレンドした後、ZSK25二軸押出機(独国Werner&Pfleiderer社製、バレル数10、スクリュー径25mm、ニーディングディスクL:2個、ニーディングディスクR:6個、ニーディングディスクN:2個を有するスクリューパターン)を用いて、バレル設定温度300℃、スクリュー回転数250rpmの条件下で溶融混練することにより、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を含有しない樹脂混合組成物ペレットを作製した。
得られた樹脂混合組成物ペレットを、東芝機械社製の射出成形機IS−80C(成形温度290℃、金型温度80℃)を用いて射出成形することにより、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を含有しない樹脂成形品(樹脂組成物)を成形した。表3に、樹脂成形品(試験片)の物性試験結果を示す。
還元粘度(クロロホルム溶媒、30℃)0.42dl/gのポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル粉体50質量部を、ハイインパクトポリスチレン(商品名:PS6200、米国ノバケミカル社製)40質量部、スチレン系エラストマー(商品名:タフレックH1271、旭化成ケミカルズ社製)7質量部、リン酸エステル系の可塑剤(商品名:TPP、大八化学社製)3質量部とブレンドした後、ZSK25二軸押出機(独国Werner&Pfleiderer社製、バレル数10、スクリュー径25mm、ニーディングディスクL:2個、ニーディングディスクR:6個、ニーディングディスクN:2個を有するスクリューパターン)を用いて、バレル設定温度300℃、スクリュー回転数250rpmの条件下で溶融混練することにより、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を含有しない樹脂混合組成物ペレットを作製した。
得られた樹脂混合組成物ペレットを、東芝機械社製の射出成形機IS−80C(成形温度290℃、金型温度80℃)を用いて射出成形することにより、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を含有しない樹脂成形品(樹脂組成物)を成形した。表3に、樹脂成形品(試験片)の物性試験結果を示す。
[実施例6]
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1370gとジフェニルカーボネート1348gとを溶解槽に仕込み、約500ml/minで窒素を吹き込みながら、150℃で溶解した。その後、溶解槽内の溶融混合物を攪拌しながら、オルガノクレイ(商品名:BENTONR1651、米国エレメンティススペシャリティーズ社製の有機化ベントナイト、有機化剤:ベンジルメチルジ水添タローアンモニウム塩、強熱減量50質量%、層間距離d(001)=36Å、有機処理量142ミリ等量/100g)47.7gを配合し、さらに1時間攪拌を行なった。
次に、溶解槽内の溶融混合物を、精留塔を備えた竪型攪拌槽に移送し、攪拌槽内にビスフェノールAジナトリウム塩0.032gとテトラメチルアンモニウムヒドロキシド0.046gとを加えた後、反応温度180℃、反応圧力100Torrで、生成したフェノールを除去しながら反応を行ない、さらに、反応温度を200℃、反応圧力を30Torrとして初期重合を行なった。
次いで、270℃、1Torrで、精留塔を有しない竪型攪拌槽に、初期重合後のポリマーを供給し、その攪拌槽内にドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩0.032gを添加し、45分間溶融混合を続けることにより、全量ペレット化して、ポリカーボネート−オルガノクレイ複合体(ペレット)を得た。得られたポリカーボネート−オルガノクレイ複合体(ペレット)における芳香族ポリカーボネートの固有粘度は、0.348dl/gであった。
そして、得られたポリカーボネート−オルガノクレイ複合体(ペレット)51.6質量部とABS樹脂(商品名:スタイラック121、旭化成ケミカルズ社製)48.4質量部とをブレンドした後、ZSK25二軸押出機(独国Werner&Pfleiderer社製、バレル数10、スクリュー径25mm、ニーディングディスクL:2個、ニーディングディスクR:6個、ニーディングディスクN:2個を有するスクリューパターン)を用いて、バレル設定温度280℃、スクリュー回転数250rpmの条件下で溶融混練して、樹脂混合組成物ペレットを作製した。この樹脂混合組成物ペレットの灰分量を測定したところ、0.751%(複合体中に換算すると1.456%)であった。
得られた樹脂混合組成物ペレットを、東芝機械社製の射出成形機IS−80C(成形温度260℃、金型温度70℃)を用いて射出成形することにより、ポリカーボネート−オルガノクレイ複合体を含有する樹脂成形品(樹脂組成物)を成形した。表4に、樹脂成形品の(試験片)の物性試験結果を示す。
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1370gとジフェニルカーボネート1348gとを溶解槽に仕込み、約500ml/minで窒素を吹き込みながら、150℃で溶解した。その後、溶解槽内の溶融混合物を攪拌しながら、オルガノクレイ(商品名:BENTONR1651、米国エレメンティススペシャリティーズ社製の有機化ベントナイト、有機化剤:ベンジルメチルジ水添タローアンモニウム塩、強熱減量50質量%、層間距離d(001)=36Å、有機処理量142ミリ等量/100g)47.7gを配合し、さらに1時間攪拌を行なった。
次に、溶解槽内の溶融混合物を、精留塔を備えた竪型攪拌槽に移送し、攪拌槽内にビスフェノールAジナトリウム塩0.032gとテトラメチルアンモニウムヒドロキシド0.046gとを加えた後、反応温度180℃、反応圧力100Torrで、生成したフェノールを除去しながら反応を行ない、さらに、反応温度を200℃、反応圧力を30Torrとして初期重合を行なった。
次いで、270℃、1Torrで、精留塔を有しない竪型攪拌槽に、初期重合後のポリマーを供給し、その攪拌槽内にドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩0.032gを添加し、45分間溶融混合を続けることにより、全量ペレット化して、ポリカーボネート−オルガノクレイ複合体(ペレット)を得た。得られたポリカーボネート−オルガノクレイ複合体(ペレット)における芳香族ポリカーボネートの固有粘度は、0.348dl/gであった。
そして、得られたポリカーボネート−オルガノクレイ複合体(ペレット)51.6質量部とABS樹脂(商品名:スタイラック121、旭化成ケミカルズ社製)48.4質量部とをブレンドした後、ZSK25二軸押出機(独国Werner&Pfleiderer社製、バレル数10、スクリュー径25mm、ニーディングディスクL:2個、ニーディングディスクR:6個、ニーディングディスクN:2個を有するスクリューパターン)を用いて、バレル設定温度280℃、スクリュー回転数250rpmの条件下で溶融混練して、樹脂混合組成物ペレットを作製した。この樹脂混合組成物ペレットの灰分量を測定したところ、0.751%(複合体中に換算すると1.456%)であった。
得られた樹脂混合組成物ペレットを、東芝機械社製の射出成形機IS−80C(成形温度260℃、金型温度70℃)を用いて射出成形することにより、ポリカーボネート−オルガノクレイ複合体を含有する樹脂成形品(樹脂組成物)を成形した。表4に、樹脂成形品の(試験片)の物性試験結果を示す。
[比較例6]
オルガノクレイを添加しないこと以外は、実施例6と同一条件で操作することにより、固有粘度(得られたポリカーボネートの濃度が0.7g/dlの塩化メチレン溶液で、30℃で測定した値)が、0.341dl/gのポリカーボネートのペレットを得た。
そして、得られたポリカーボネートのペレット100質量部を、オルガノクレイ(商品名:BENTONR1651、米国エレメンティススペシャリティーズ社製の有機化ベントナイト、有機化剤:ベンジルメチルジ水添タローアンモニウム塩、強熱減量50質量%、層間距離d(001)=36Å、有機処理量142ミリ等量/100g)3質量部とドライブレンドした後、ZSK25二軸押出機(独国Werner&Pfleiderer社製、バレル数10、スクリュー径25mm、ニーディングディスクL:2個、ニーディングディスクR:6個、ニーディングディスクN:2個を有するスクリューパターン)を用いて、バレル設定温度280℃、スクリュー回転数450rpmの条件下で溶融混練することにより、メルトインターカレーション法によるポリカーボネート−オルガノクレイ複合体(ペレット)を作製した。得られたポリカーボネート−オルガノクレイ複合体(ペレット)における芳香族ポリカーボネートの固有粘度は、0.359dl/gであった。
そして、得られたメルトインターカレーション法によるポリカーボネート−オルガノクレイ複合体(ペレット)51.6質量部とABS樹脂(商品名:スタイラック121、旭化成ケミカルズ社製)48.4質量部とをブレンドした後、PCM30二軸押出機(池貝鉄工所(株)製、バレル数8、スクリュー径30mm、ニーディングディスクL:2個、ニーディングディスクR:3個、シーリング1個を有するスクリューパターン)を用いて、バレル設定温度280℃、スクリュー回転数150rpmの条件下で溶融混練して、樹脂混合組成物ペレットを作製した。この樹脂混合組成物ペレットの灰分量を測定したところ、0.752%(複合体中に換算すると1.457%)であった。
得られた樹脂混合組成物ペレットを、東芝機械社製の射出成形機IS−80C(成形温度290℃、金型温度80℃)を用いて射出成形することにより、ポリカーボネート−オルガノクレイ複合体を含有する樹脂成形品(樹脂組成物)を成形した。表4に、樹脂成形品の(試験片)の物性試験結果を示す。
オルガノクレイを添加しないこと以外は、実施例6と同一条件で操作することにより、固有粘度(得られたポリカーボネートの濃度が0.7g/dlの塩化メチレン溶液で、30℃で測定した値)が、0.341dl/gのポリカーボネートのペレットを得た。
そして、得られたポリカーボネートのペレット100質量部を、オルガノクレイ(商品名:BENTONR1651、米国エレメンティススペシャリティーズ社製の有機化ベントナイト、有機化剤:ベンジルメチルジ水添タローアンモニウム塩、強熱減量50質量%、層間距離d(001)=36Å、有機処理量142ミリ等量/100g)3質量部とドライブレンドした後、ZSK25二軸押出機(独国Werner&Pfleiderer社製、バレル数10、スクリュー径25mm、ニーディングディスクL:2個、ニーディングディスクR:6個、ニーディングディスクN:2個を有するスクリューパターン)を用いて、バレル設定温度280℃、スクリュー回転数450rpmの条件下で溶融混練することにより、メルトインターカレーション法によるポリカーボネート−オルガノクレイ複合体(ペレット)を作製した。得られたポリカーボネート−オルガノクレイ複合体(ペレット)における芳香族ポリカーボネートの固有粘度は、0.359dl/gであった。
そして、得られたメルトインターカレーション法によるポリカーボネート−オルガノクレイ複合体(ペレット)51.6質量部とABS樹脂(商品名:スタイラック121、旭化成ケミカルズ社製)48.4質量部とをブレンドした後、PCM30二軸押出機(池貝鉄工所(株)製、バレル数8、スクリュー径30mm、ニーディングディスクL:2個、ニーディングディスクR:3個、シーリング1個を有するスクリューパターン)を用いて、バレル設定温度280℃、スクリュー回転数150rpmの条件下で溶融混練して、樹脂混合組成物ペレットを作製した。この樹脂混合組成物ペレットの灰分量を測定したところ、0.752%(複合体中に換算すると1.457%)であった。
得られた樹脂混合組成物ペレットを、東芝機械社製の射出成形機IS−80C(成形温度290℃、金型温度80℃)を用いて射出成形することにより、ポリカーボネート−オルガノクレイ複合体を含有する樹脂成形品(樹脂組成物)を成形した。表4に、樹脂成形品の(試験片)の物性試験結果を示す。
[比較例7]
比較例6のポリカーボネートのペレット50質量部と、ABS樹脂(商品名:スタイラック121、旭化成ケミカルズ社製)50質量部とをブレンドした後、ZSK25二軸押出機(独国Werner&Pfleiderer社製、バレル数10、スクリュー径25mm、ニーディングディスクL:2個、ニーディングディスクR:6個、ニーディングディスクN:2個を有するスクリューパターン)を用いて、バレル設定温度280℃、スクリュー回転数250rpmの条件下で溶融混練することにより、ポリカーボネート−オルガノクレイ複合体を含有しない樹脂混合組成物ペレットを作製した。
得られた樹脂混合組成物ペレットを、東芝機械社製の射出成形機IS−80C(成形温度260℃、金型温度70℃)を用いて射出成形することにより、ポリカーボネート−オルガノクレイ複合体を含有しない樹脂成形品(樹脂組成物)を成形した。表4に、樹脂成形品の(試験片)の物性試験結果を示す。
比較例6のポリカーボネートのペレット50質量部と、ABS樹脂(商品名:スタイラック121、旭化成ケミカルズ社製)50質量部とをブレンドした後、ZSK25二軸押出機(独国Werner&Pfleiderer社製、バレル数10、スクリュー径25mm、ニーディングディスクL:2個、ニーディングディスクR:6個、ニーディングディスクN:2個を有するスクリューパターン)を用いて、バレル設定温度280℃、スクリュー回転数250rpmの条件下で溶融混練することにより、ポリカーボネート−オルガノクレイ複合体を含有しない樹脂混合組成物ペレットを作製した。
得られた樹脂混合組成物ペレットを、東芝機械社製の射出成形機IS−80C(成形温度260℃、金型温度70℃)を用いて射出成形することにより、ポリカーボネート−オルガノクレイ複合体を含有しない樹脂成形品(樹脂組成物)を成形した。表4に、樹脂成形品の(試験片)の物性試験結果を示す。
本発明のポリマー−(オルガノ)クレイ複合体およびその製造方法は、その特性を生かして、従来存在しなかった新たな機能性材料として各種用途に利用することができ、また、難燃性や耐久性、溶融滴下防止性、ガスバリア性等が要求される、様々な機械部品、自動車部品、電気電子部品、特にシート、フィルム材等の分野において好適に利用可能である。
Claims (25)
- 溶媒と触媒の存在下、酸素含有ガスを用いてフェノール性化合物を酸化重合させる、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法において、
溶媒と触媒とフェノール性化合物とオルガノクレイとを含み、該オルガノクレイを該フェノール性化合物100質量部に対して0.1〜20質量部含む、混合物を作製する工程と、
前記混合物に酸素含有ガスを接触させて前記フェノール性化合物を酸化重合させる工程と、
得られた重合混合物から前記溶媒と前記触媒から分離して、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体を得る工程と
を有する、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。 - 前記オルガノクレイは、層状ケイ酸塩が有機オニウム塩で有機化されたものである、
請求項1または2に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。 - 前記オルガノクレイは、層状ケイ酸塩が4級アンモニウム塩で有機化されたものである、
請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。 - 前記オルガノクレイは、分子構造中に少なくとも1個の芳香環を有する4級アンモニウム塩で有機化されたベントナイトまたはヘクトライトである、
請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。 - 前記オルガノクレイの強熱減量(600℃で5時間加熱した後の、元の質量に対する減量の割合)が40〜60質量%である、
請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。 - 前記オルガノクレイの層間距離が20〜60Åである、
請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。 - 前記フェノール性化合物が、2,6−ジメチルフェノール、または、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの混合物である、
請求項1〜7のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。 - 前記ハロゲン化合物が、塩化アンモニウム化合物または臭化アンモニウム化合物である、
請求項2〜8のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。 - 前記ハロゲン化合物が、ハロゲン化トリ−n−オクチルメチルアンモニウムである、
請求項2〜8のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。 - 前記ジアミン化合物が、N,N’−ジ−t−ブチルエチレンジアミン、または、N,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミンである、
請求項2〜10のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。 - 前記混合物は、前記フェノール性化合物100質量部に対し、前記オルガノクレイを0.5〜10質量部含む、
請求項1〜11のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。 - 前記混合物は、前記フェノール性化合物100質量部に対し、前記オルガノクレイを1〜5質量部含む、
請求項1〜11のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。 - 前記溶媒が芳香族炭化水素であり、
前記重合混合物は、前記ポリフェニレンエーテルが前記芳香族炭化水素中に溶解したものである、
請求項1〜13のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。 - 前記溶媒が芳香族炭化水素と炭素数1〜6のアルコールの混合溶媒であり、
前記重合混合物は、前記ポリフェニレンエーテルが前記混合溶媒中に析出したスラリーである、
請求項1〜13のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。 - 前記芳香族炭化水素が、トルエン、キシレン、およびエチルベンゼンよりなる群から選択される少なくとも1種である、
請求項14または15に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。 - 前記アルコールが、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、およびペンタノールよりなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記芳香族炭化水素と前記アルコールの質量比が90:10〜5:95である、
請求項15または16に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。 - 前記混合物を作製する工程においては、前記オルガノクレイを、前記溶媒および/または前記フェノール性化合物中に予め添加して分散させる、
請求項1〜17のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。 - 前記混合物を作製する工程においては、前記オルガノクレイを、50〜200℃に加熱した前記フェノール性化合物中に予め添加して分散させる、
請求項1〜18のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体の製造方法。 - 請求項1〜19のいずれか一項に記載の製造方法により得られるポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体であって、
前記ポリフェニレンエーテルの還元粘度(ウベローデ粘度計を用いて0.5g/dlのクロロホルム溶液で30℃において測定する)が、0.2〜0.9dl/gの範囲にある、ポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体。 - 請求項20に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体と熱可塑性樹脂とを含む、
組成物。 - 請求項20に記載のポリフェニレンエーテル−オルガノクレイ複合体、または請求項21に記載の組成物を含む、
シート状物。 - プレス成形して得られる平板の断面(厚み方向)からX線を入射してX線回折測定を行ない、得られた二次元散乱パターンのプレス平板の法線方向を0°として、−15°〜15°の範囲で扇状平均して算出した一次元プロフィールにおける(オルガノ)クレイ由来のピークの極大値が2θ=3°〜7°の範囲に存在し、且つ、(オルガノ)クレイ由来のピーク面積とポリフェニレンエーテル由来のピークの面積との合計を100%とした場合の(オルガノ)クレイ由来のピーク面積の割合をa(%)、ポリフェニレンエーテル由来のピーク面積の割合をb(%)とし、さらに、ポリフェニレンエーテルと(オルガノ)クレイとの複合体全質量を1としたときの(オルガノ)クレイの比率をαとしたとき、下記式(I)
(a/α)/〔b/(1−α)〕≦5 ・・・(I)
を満たすことを特徴とする、ポリフェニレンエーテル−(オルガノ)クレイ複合体。 - ポリマー−(オルガノ)クレイ複合体の製造方法であって、
モノマー単位中に芳香環を有するモノマーと(オルガノ)クレイとを含み、該(オルガノ)クレイを該モノマー100質量部に対して0.1〜20質量部を含む混合物を作製する工程と、
前記混合物中の前記モノマーを重合させて、ガラス転移温度(Tg)が150℃以上であり且つ構成単位中に芳香環を有する、熱可塑性樹脂を作製する工程と
を有する、ポリマー−(オルガノ)クレイ複合体の製造方法。 - 前記熱可塑性樹脂が、ポリフェニレンエーテル、芳香族ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、およびポリアリレートよりなる群から選択される少なくとも1種である、
請求項24に記載のポリマー−(オルガノ)クレイ複合体の製造方法。
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