JP2000143911A - スチレン系樹脂組成物および製造方法 - Google Patents

スチレン系樹脂組成物および製造方法

Info

Publication number
JP2000143911A
JP2000143911A JP10321601A JP32160198A JP2000143911A JP 2000143911 A JP2000143911 A JP 2000143911A JP 10321601 A JP10321601 A JP 10321601A JP 32160198 A JP32160198 A JP 32160198A JP 2000143911 A JP2000143911 A JP 2000143911A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
resin composition
group
styrene
amino
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10321601A
Other languages
English (en)
Inventor
Noriyuki Suzuki
紀之 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP10321601A priority Critical patent/JP2000143911A/ja
Publication of JP2000143911A publication Critical patent/JP2000143911A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性や表面性を損なわず、機械的特性、荷
重たわみ温度に優れるスチレン系樹脂組成物を提供す
る。 【解決手段】 スチレン系樹脂および層間化合物を含有
するスチレン系樹脂組成物であって、上記層間化合物
が、膨潤性ケイ酸塩とアミノ化合物を分散媒中で混合す
ることによって調製され、上記アミノ化合物が1級、2
級および3級アミノ基からなる群より選択される1種以
上のアミノ基を少なくとも1個有し、水酸基、メルカプ
ト基、エーテル基、カルボニル基、ニトロ基および塩素
原子より成る群から選択される1種以上の置換基を有し
ていても良い、炭素数1〜25の炭化水素化合物であ
る、スチレン系樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スチレン系樹脂お
よび層間化合物を含有するスチレン系樹脂組成物および
該樹脂組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリスチレンに代表されるスチレン系樹
脂はその透明性、寸法安定性および成形性の良さを利用
して、自動車部品、電気機器部品、家庭用品、容器、雑
貨など、種々の分野で広く用いられているが、更に高い
機械的特性や耐熱性が求められている。そのような目的
から、様々な充填剤、例えばガラス繊維、炭素繊維、チ
タン酸カリウムウィスカーなどの繊維状無機物、ガラス
フレーク、ガラスビーズ、タルク、マイカ、カオリンな
どの粒子状無機物などの配合が行われてきた。上記無機
物の配合によって、機械的特性などは確かに改善される
ものの、スチレン系樹脂の大きな特長である透明性が損
なわれ、成形品の表面外観も損なわれ、比重も増加する
などの問題があった。更に別の問題としては、射出成形
時、繊維状無機物の配向によって、異方性が生じる問題
もあった。
【0003】こうした繊維状無機物や粒子状無機物の配
合における欠点は、一般に、該無機物の分散不良や分散
粒子のサイズが大きすぎることに起因するものと考えら
れいる。
【0004】一方、特開平9−175816号および欧
州特許0780340号において、層状ケイ酸塩の層を
劈開し易くする目的から、ヘキサメチレンジアミン等の
低分子化合物(インターカラントモノマー)を層状ケイ
酸塩の層間にインターカレートして層間化合物とする技
術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように層間化合
物は開示されているが、該層間化合物を劈開してスチレ
ン系樹脂へ微分散化する技術は開示されておらず、スチ
レン系樹脂中に層状粒子を微分散させる事は困難であっ
た。
【0006】従って、層状ケイ酸塩の層を劈開して微小
な薄板状でスチレン系樹脂中に分散せしめ、機械的特
性、荷重たわみ温度、透明性、表面性のバランスに優れ
たスチレン系樹脂組成物を得る技術は未だ提供されてい
ないのが現状であり、本発明の目的は、このような従来
の問題を解決することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成する為に鋭意検討した結果、本発明に至った。す
なわち、アミノ基を必須官能基とするアミノ化合物およ
び膨潤性ケイ酸塩を混合して層間化合物とし、スチレン
系樹脂中に該層間化合物を微小な薄板状で分散させる事
により得られるスチレン系樹脂組成物およびその製造方
法である。
【0008】本発明によれば、請求項1のスチレン系樹
脂組成物は、スチレン系樹脂および層間化合物を含有す
るスチレン系樹脂組成物であって、層間化合物が、膨潤
性ケイ酸塩とアミノ化合物を分散媒中で混合することに
よって調製され、かつ上記アミノ化合物が1級、2級お
よび3級アミノ基からなる群より選択される1種以上の
アミノ基を少なくとも1個有し、水酸基、メルカプト
基、エーテル基、カルボニル基、ニトロ基および塩素原
子より成る群から選択される1種以上の置換基を有して
いても良い、炭素数1〜25の炭化水素化合物である。
【0009】請求項2のスチレン系樹脂組成物は、請求
項1に記載のスチレン系樹脂組成物において、層間化合
物の平均層厚が500Å以下である。
【0010】請求項3のスチレン系樹脂組成物は、請求
項1または2に記載のスチレン系樹脂組成物において、
層間化合物の最大層厚が2000Å以下である。
【0011】請求項4のスチレン系樹脂組成物は、請求
項1、2または3に記載のスチレン系樹脂組成物におい
て、層間化合物の[N]値が30以上であり、ここで
[N]値が、樹脂組成物の面積100μm2中に存在す
る、層間化合物の単位比率当たりの粒子数であると定義
される。
【0012】請求項5のスチレン系樹脂組成物は、請求
項1、2、3または4に記載のスチレン系樹脂組成物に
おいて、層間化合物の平均アスペクト比(層長さ/層厚
の比)が10〜300である。
【0013】請求項6のスチレン系樹脂組成物の製造方
法は、請求項1、2、3、4または5に記載のスチレン
系樹脂組成物の製造方法であって、(A)層間化合物と
スチレン系樹脂の重合性モノマーを含有する粘土分散体
を調製する工程および(B)粘土分散体中の重合性モノ
マーを重合する工程を包含する。
【0014】請求項7に記載のスチレン系樹脂組成物の
製造方法は、請求項6に記載の製造方法において、工程
(A)で得られる粘土分散体中の層間化合物の底面間隔
が、膨潤性ケイ酸塩の底面間隔の3倍以上である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるスチレン系樹
脂とは、芳香族ビニル化合物あるいは芳香族ビニル化合
物およびこれと共重合可能な他のビニル単量体を重合し
て得られる重合体である。
【0016】芳香族ビニル化合物としては、スチレン、
α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノ
クロロスチレン、ジクロロスチレン、p−ブロモスチレ
ン、2,4,5−トリブロモスチレン、2,4,6−ト
リブロモスチレン、p−メチルスチレン、p−tert
−ブチルスチレン、エチルスチレン、ビニルキシレン等
が挙げられる。
【0017】芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビ
ニル単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル等のビニルシアン化合物、メチルアクリレート、
エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルア
クリレート、アミルアクリレート、ヘキシルアクリレー
ト、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリ
レート、シクロヘキシルアクリレート等のアクリル酸ア
ルキルエステル、メチルメタクリレート、エチルメタク
リレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロ
ヘキシルメタクリレート等のメタクリル酸アルキルエス
テル、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチル
マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキ
シルマレイミド等のマレイミド化合物、グリシジルメタ
クリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基
含有不飽和化合物、アクリル酸、メタクリル酸、イタコ
ン酸、マレイン酸等の不飽和酸、無水イタコン酸、無水
マレイン酸、無水シトラコン酸等の不飽和カルボン酸無
水物、アクリルアミン、メタクリル酸アミノエチル、メ
タクリル酸アミノプロピル、アミノスチレン等のアミノ
基含有不飽和化合物、3−ヒドロキシー1ープロペン、
4−ヒドロキシー1ーブテン、シス−4−ヒドロキシー
2ーブテン、トランス−4−ヒドロキシー2ーブテン、
3−ヒドロキシー2ーメチル−1−プロペン、2−ヒド
ロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート等の水酸基含有不飽和酸、およびアクリルア
ミド、ビニルオキサゾリンなどが挙げられ、これらの化
合物は単独で、または2種以上を組み合わせて用いるこ
とができる。
【0018】スチレン系樹脂として特に好ましいのは、
ポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン(HIPS)、ア
クリロニトリル−スチレン共重合体(AS)である。
【0019】本発明に用いるスチレン系樹脂の製造方法
は特に限定されるものではなく、単量体成分を、公知の
重合法である乳化重合、溶液重合、縣濁重合、塊状重
合、塊状縣濁重合法で重合することによって得られる。
この際の芳香族ビニル単量体および必要に応じて用いら
れるその他の共重合可能な単量体成分の配合比には特に
制限はなく、用途に応じて各成分が適宜に配合される。
【0020】本発明で用いられる層間化合物とは、分散
媒中で、膨潤性ケイ酸塩およびアミノ基を少なくとも1
つ有するアミノ化合物とを混合することにより調製され
るものである。
【0021】上記の膨潤性ケイ酸塩は、主として酸化ケ
イ素の四面体シートと、主として金属水酸化物の八面体
シートから成り、その例としては、例えば、スメクタイ
ト族粘土および膨潤性雲母などが挙げられる。膨潤性ケ
イ酸塩としてスメクタイト族粘土および膨潤性雲母を使
用する場合には、本発明のスチレン系樹脂組成物中にお
ける膨潤性ケイ酸塩の分散性、入手の容易さ及び樹脂組
成物の物性改善の点から好ましい。
【0022】前記のスメクタイト族粘土は下記一般式
(1) X0.20.623410(OH)2・nH2O (1) (ただし、XはK、Na、1/2Ca、及び1/2Mg
から成る群より選ばれる1種以上であり、YはMg、F
e、Mn、Ni、Zn、Li、Al、及びCrから成る
群より選ばれる1種以上であり、ZはSi、及びAlか
ら成る群より選ばれる1種以上である。尚、H2Oは層
間イオンと結合している水分子を表すが、nは層間イオ
ンおよび相対湿度に応じて著しく変動する)で表され
る、天然または合成されたものである。該スメクタイト
族粘土の具体例としては、例えば、モンモリロナイト、
バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、鉄サポナ
イト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイト及
びベントナイト等、またはこれらの置換体、誘導体、あ
るいはこれらの混合物が挙げられる。前記スメクタイト
族粘土の初期の凝集状態における底面間隔は約10〜1
7Åであり、凝集状態でのスメクタイト族粘土の平均粒
径はおおよそ1000Å〜1000000Åである。
【0023】また、前記の膨潤性雲母は下記一般式
(2) X0.51.023(Z410)(F、OH)2 (2) (ただし、XはLi、Na、K、Rb、Ca、Ba、及
びSrから成る群より選ばれる1種以上であり、YはM
g、Fe、Ni、Mn、Al、及びLiから成る群より
選ばれる1種以上であり、ZはSi、Ge、Al、F
e、及びBから成る群より選ばれる1種以上である。)
で表される、天然または合成されたものである。これら
は、水、水と任意の割合で相溶する極性溶媒、及び水と
該極性溶媒の混合溶媒中で膨潤する性質を有する物であ
り、例えば、リチウム型テニオライト、ナトリウム型テ
ニオライト、リチウム型四ケイ素雲母、及びナトリウム
型四ケイ素雲母等、またはこれらの置換体、誘導体、あ
るいはこれらの混合物が挙げられる。前記膨潤性雲母の
初期の凝集状態における底面間隔はおおよそ10〜17
Åであり、凝集状態での膨潤性雲母の平均粒径は約10
00〜1000000Åである。
【0024】上記の膨潤性雲母の中にはバーミキュライ
ト類と似通った構造を有するものもあり、この様なバー
ミキュライト類相当品等も使用し得る。該バーミキュラ
イト類相当品には3八面体型と2八面体型があり、下記
一般式(3) (Mg,Fe,Al)23(Si4-xAlx)O10(OH)2
(M+,M2+ 1/2)x・nH2O (3) (ただし、MはNa及びMg等のアルカリまたはアルカ
リ土類金属の交換性陽イオン、x=0.6〜0.9、n=
3.5〜5である)で表されるものが挙げられる。前記
バーミキュライトの初期の凝集状態における底面間隔は
おおよそ10〜17Åであり、凝集状態でのバーミキュ
ライトの平均粒径は約1000〜5000000Åであ
る。
【0025】膨潤性ケイ酸塩は単独で用いても良く、2
種以上組み合わせて使用しても良い。これらの内では、
モンモリロナイト、ベントナイト、ヘクトライトおよび
層間にナトリウムイオンを有する膨潤性雲母が、本発明
のスチレン系樹脂組成物中での分散性、入手の容易さ及
び樹脂組成物の物性改善効果の点から好ましい。
【0026】膨潤性ケイ酸塩の結晶構造は、c軸方向に
規則正しく積み重なった純粋度が高いものが望ましい
が、結晶周期が乱れ、複数種の結晶構造が混じり合っ
た、いわゆる混合層鉱物も使用され得る。
【0027】本発明で用いられるアミノ化合物とは、1
級、2級および3級アミノ基からなる群より選択される
1種以上のアミノ基を少なくとも1個有し、水酸基、エ
ーテル基、メルカプト基、カルボニル基、ニトロ基およ
び塩素原子から成る群よりから選択される1種以上の置
換基を有していても良い、炭素数1〜25の炭化水素化
合物である。
【0028】本明細書において炭化水素基とは、直鎖ま
たは分岐鎖(すなわち側鎖を有する)の飽和または不飽
和の一価または多価の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水
素基および脂環式炭化水素基を意味し、例えば、アルキ
ル基、アルケニル基、アルキニル基、フェニル基、ナフ
チル基、シクロアルキル基等が挙げられる。本明細書に
おいて、「アルキル基」という場合は、特に指示が無い
限り「アルキレン基」等の多価の炭化水素基を包含する
ことを意図する。同様にアルケニル基、アルキニル基、
フェニル基、ナフチル基、及びシクロアルキル基は、そ
れぞれアルケニレン基、アルキニレン基、フェニレン
基、ナフチレン基、及びシクロアルキレン基等を包含す
る。
【0029】上記のアミノ化合物の具体例として、アミ
ノ基と炭素数1〜25の炭化水素基が構成成分である場
合の例としては、ブチルアミン、N,N−ジメチルブチ
ルアミン、1,2−ジメチルプロピルアミン、ドデシル
アミン、ヘキシルアミン、N−メチルヘキシルアミン、
3−ペンチルアミン、ジメチルアミノエチルアミン、2
−オクチルアミン、エチルアミノエチルアミン、ジエチ
ルアミノエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミ
ン、1,2−ジアミノプロパン、メチルアミノプロピル
アミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミ
ノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、テ
トラメチル−1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジア
ミノブタン、1,4−ジアミノブタン、N−(3−アミ
ノプロピル)−1,3−プロパンジアミン、ペンタメチ
ルジエチレントリアミン、N,N’−ビス(アミノプロ
ピル)−1,3−プロピレンジアミン、N,N’−ビス
(アミノプロピル)−1,4−ブチレンジアミン、ジア
リルアミン、イソアミルアミン、N−エチルイソアミル
アミン、2−ヘキセニルアミン、N,N−ジイソプロピ
ルアミノエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチル
アミン、2−エチルヘキシルアミン、N−エチル−1,
2−ジメチルプロピルアミン、ジイソブチルアミン、2
−エチルヘキシルアミン、アニリン、β−ナフチルアミ
ン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミ
ン、トルエン−2,4−ジアミン、N,N’−ジメチル
−p−フェニレンジアミン、ジビニルプロピルアミン等
が挙げられる。水酸基を有するアミノ化合物の例として
は、2−(ヒドロキシメチルアミノ)エタノール、N−
イソメチルジエタノールアミン、2−アミノプロパノー
ル、3−アミノプロパノール、3−ジメチルアミノプロ
パノール、4−アミノブタノール、4−メチルアミノブ
タノール、2−ヒドロキシエチルアミノプロピルアミ
ン、ジエタノールアミノプロピルアミン、1−アミノ−
3−フェノキシ−2−プロパノール等が挙げられる。エ
ーテル基を有するアミノ化合物の例としては、ビス(3
−アミノプロピル)エーテル、ジメチルアミノエトキシ
プロピルアミン、1,2−ビス(3−アミノプロポキ
シ)エタン、1,3−ビス(3−アミノプロポキシ)−
2,2−ジメチルプロパン、α,ω−ビス(3−アミノ
プロピル)ポリエチレングリコールエーテル、α,ω−
ビス(3−アミノプロピル)ジエチレングリコールエー
テル、3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロ
ピルアミン、3−プロポキシプロピルアミン、3−イソ
プロポキシプロピルアミン、3−ブトキシプロピルアミ
ン、3−イソブトキシプロピルアミン、2−エチルヘキ
シロキシプロピルアミン、3−デシロキシプロピルアミ
ン等が挙げられる。メルカプト基を有するアミノ化合物
の例としては、2−メルカプトエチルアミン、N−(2
−メルカプトエチル)アセトアミド、2−メルカプトピ
リジン等が挙げられる。カルボニル基を有するアミノ化
合物の例としては、ホルムアニリド、アセトアニリド、
アセトアセトアニリド、ドデシルアミド、テトラデシル
アミド、ヘキサデシルアミド等が挙げられる。ニトロ基
を有するアミノ化合物の例としては、2−ニトロアニリ
ン、3−ニトロアニリン、2,4−ジニトロアニリン、
2,4,6−トリニトロアニリンが挙げられる。塩素原
子を有するアミノ化合物の例としては、2−クロロアニ
リン、3−クロロアニリン、2,5−ジクロロアニリン
等が挙げられる。
【0030】上記のアミノ化合物の中では、ジメチルア
ミノエチルアミン、エチルアミノエチルアミン、ジエチ
ルアミノエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミ
ン、1,2−ジアミノプロパン、メチルアミノプロピル
アミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミ
ノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、テ
トラメチル−1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジア
ミノブタン、1,4−ジアミノブタン、N−(3−アミ
ノプロピル)−1,3−プロパンジアミン、ペンタメチ
ルジエチレントリアミンおよびN,N’−ビス(アミノ
プロピル)−1,3−プロピレンジアミン等のように、
一分子中に2個以上のアミノ基を有するアミノ化合物、
2−(ヒドロキシメチルアミノ)エタノール、N−イソ
メチルジエタノールアミン、2−アミノプロパノール、
3−アミノプロパノール、3−ジメチルアミノプロパノ
ール、4−アミノブタノール、4−メチルアミノブタノ
ール、2−ヒドロキシエチルアミノプロピルアミンおよ
び1−アミノ−3−フェノキシ−2−プロパノール等の
ように、水酸基を有するアミノ化合物、ビス(3−アミ
ノプロピル)エーテル、ジメチルアミノエトキシプロピ
ルアミン、1,2−ビス(3−アミノプロポキシ)エタ
ン、1,3−ビス(3−アミノプロポキシ)−2,2−
ジメチルプロパン、α,ω−ビス(3−アミノプロピ
ル)ポリエチレングリコールエーテルおよびα,ω−ビ
ス(3−アミノプロピル)ジエチレングリコールエーテ
ル等のようにエーテル基を有するアミノ化合物が好まし
く使用され得る。
【0031】上記のアミノ化合物の置換体、または誘導
体もまた使用し得る。これらのアミノ化合物は、単独、
又は2種以上組み合わせて使用され得る。
【0032】層間化合物は、膨潤性ケイ酸塩を分散媒中
で底面間隔を拡大させた後に、上記のアミノ化合物を添
加して混合する事により得られる。
【0033】上記の分散媒とは、水、水と任意の割合で
相溶する極性溶媒、及び水と該極性溶媒の混合溶媒を意
図する。該極性溶媒としては、例えば、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール等のアルコール類、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタン
ジオール等のグリコール類、アセトン、メチルエチルケ
トン等のケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド等のアミド
化合物、その他の溶媒であるジメチルスルホキシドや2
−ピロリドン等が挙げられる。これらの極性溶媒は単独
で用いても良く2種類以上組み合わせて用いても良い。
【0034】膨潤性ケイ酸塩を分散媒中で底面間隔を拡
大させることは、該膨潤性ケイ酸塩を該分散媒中で充分
に撹拌して分散させる事によりなし得る。拡大後の底面
間隔は初期の膨潤性ケイ酸塩の底面間隔に比べて、好ま
しくは3倍以上であり、より好ましくは4倍以上であ
り、更に好ましくは5倍以上である。上限値は特にな
い。ただし、底面間隔が約10倍以上に拡大すると、底
面間隔の測定が困難になるが、この場合、膨潤性ケイ酸
塩は実質的に単位層で存在する。本明細書において、膨
潤性ケイ酸塩の初期の底面間隔とは、分散媒に添加する
前の、単位層が互いに積層し凝集状態である粒子状の膨
潤性ケイ酸塩の底面間隔である事を意図する。底面間隔
は小角X線回折法(SAXS)などで確認し得る。すな
わち、分散媒と膨潤性ケイ酸塩から成る混合物における
X線回折ピーク角値をSAXSで測定し、該ピーク角値
をBraggの式に代入して算出することにより底面間
隔を求め得る。
【0035】膨潤性ケイ酸塩の底面間隔を効率的に拡大
させるためには、数千rpm以上で撹拌するか、以下に
示す物理的な外力を加える方法が挙げられる。物理的な
外力は、一般に行われるフィラーの湿式微粉砕方法を用
いることによって加えられ得る。一般的なフィラーの湿
式微粉砕方法としては、例えば、硬質粒子を利用する方
法が挙げられる。この方法では、硬質粒子と膨潤性ケイ
酸塩と任意の溶媒とを混合して撹拌し、硬質粒子と膨潤
性ケイ酸塩との物理的な衝突によって、膨潤性ケイ酸塩
を分離させる。通常用いられる硬質粒子はフィラー粉砕
用ビーズであり、例えば、ガラスビーズまたはジルコニ
アビーズ等が挙げられる。これら粉砕用ビーズは、膨潤
性ケイ酸塩の硬度、または撹拌機の材質を考慮して選択
され、上述したガラスまたはジルコニアに限定されな
い。その粒径もまた、膨潤性ケイ酸塩のサイズなどを考
慮して決定されるために一概に数値で限定されるもので
はないが、直径0.1〜6.0mmの範囲にあるものが好
ましい。ここで用いる溶媒は特に限定されないが、例え
ば、上記の分散媒が好ましい。
【0036】上記のように、分散媒中で膨潤性ケイ酸塩
の底面間隔を拡大し、言い換えれば、凝集していた各単
位層を劈開してばらばらにして個々独立に存在させる。
その後、アミノ化合物を加えて十分に撹拌して混合する
事によって層間化合物が得られる。
【0037】アミノ化合物による膨潤性ケイ酸塩の処理
は、底面間隔が拡大された膨潤性ケイ酸塩と分散媒を含
む混合物中にアミノ化合物を添加して撹拌することによ
り行われるが、アミノ化合物による処理をより効率的に
行いたい場合は、撹拌の回転数を1000rpm以上、
好ましくは1500rpm以上、より好ましくは200
0rpm以上にするか、あるいは湿式ミルなどを用いて
500(1/s)以上、好ましくは1000(1/s)
以上、より好ましくは1500(1/s)以上の剪断速
度を加える。回転数の上限値は約25000rpmであ
り、剪断速度の上限値は約500000(1/s)であ
る。上限値よりも大きい値で撹拌を行ったり、剪断を加
えても効果はそれ以上変わらない傾向があるため、上限
値よりも大きい値で撹拌を行う必要はない。アミノ化合
物による膨潤性ケイ酸塩の処理は室温で充分に行い得る
が、必要に応じて系を加温しても良い。加温時の最高温
度は用いるアミノ化合物の分解温度未満であり、かつ、
分散媒の沸点未満で有れば任意に設定し得る。
【0038】アミノ化合物の使用量は、得られる層間化
合物とスチレン系樹脂、あるいは粘土分散体(後述する
本発明のスチレン系樹脂組成物の製造方法で用いられ
る)における分散性が十分に高まるように調製し得る。
必要であるならば、構造の異なる複数種のアミノ化合物
を併用し得る。従って、アミノ化合物の添加量は一概に
数値で限定されるものではないが、膨潤性ケイ酸塩10
0重量部に対して、0.1から200重量部であり、好
ましくは0.2から180重量部であり、より好ましく
は0.3から160重量部であり、更に好ましくは0.4
から140重量部であり、特に好ましくは0.5から1
20重量部である。アミノ化合物の量が0.1重量部未
満であると得られる層間化合物の微分散化効果が充分で
無くなる傾向がある。また、200重量部以上では効果
が変わらないので、200重量部より多く添加する必要
はない。
【0039】上記のようにして得られる層間化合物の底
面間隔は、導入されたアミノ化合物の存在により、膨潤
性ケイ酸塩の初期の底面間隔に比べて拡大し得る。例え
ば、分散媒中に分散されて底面間隔が拡大された膨潤性
ケイ酸塩は、アミノ化合物を導入しない場合、分散媒を
除去すると再び層同士が凝集した状態に戻るが、本発明
によれば、底面間隔を拡大した後にアミノ化合物を導入
することによって、分散媒を除去した後も、得られる層
間化合物は層同士が凝集することなく底面間隔が拡大さ
れた状態で存在し得る。層間化合物の底面間隔は膨潤性
ケイ酸塩の初期の底面間隔に比べて、1.1倍以上、好
ましくは1.2倍以上、更に好ましくは1.3倍以上、特
に好ましくは1.5倍以上拡大している。底面間隔は小
角X線回折法(SAXS)などで確認し得る。この方法
では、乾燥して粉末状にした層間化合物の(001)面
に由来するX線回折ピーク角値をSAXSで測定し、B
raggの式に代入し算出することにより底面間隔を求
め得る。同様に初期の膨潤性ケイ酸塩の底面間隔を測定
し、この両者を比較することにより底面間隔の拡大を確
認し得る。この様に底面間隔が拡大していることを確認
することによって、層間化合物が生成していることを確
認できる。
【0040】本発明のスチレン系樹脂組成物において、
スチレン系樹脂100重量部に対する層間化合物の配合
量が、代表的には0.1〜50重量部、好ましくは0.2
〜45重量部、より好ましくは0.3〜40重量部、更
に好ましくは0.4〜35重量部、特に好ましくは0.5
〜30重量部となるように調製される。層間化合物の配
合量が0.1重量部未満であると機械的特性や荷重たわ
み温度などの改善効果が不充分となる場合があり、50
重量部を超えると成形体の透明性や表面外観などが損な
われる傾向がある。
【0041】また、層間化合物に由来するスチレン系樹
脂組成物の灰分率が、代表的には0.1〜30重量%、
好ましくは0.2〜28重量%、より好ましくは0.3〜
25重量%、更に好ましくは0.4〜23重量%、特に
好ましくは0.5〜20重量%と成るように調製され
る。灰分率が0.1重量%未満であると機械的特性や荷
重たわみ温度などの改善効果が不充分となる場合があ
り、30重量%を超えると成形体の透明性や表面外観な
どが損なわれる傾向がある。
【0042】本発明のスチレン系樹脂組成物中で分散し
ている層間化合物の構造は、配合前の膨潤性ケイ酸塩が
有していたような、層が多数積層したμmサイズの凝集
構造とは全く異なる。すなわち、マトリックス樹脂と親
和性を有するアミノ化合物が導入され、かつ初期の膨潤
性ケイ酸塩に比べて底面間隔が拡大された層間化合物を
用いることによって、層同士が劈開し、互いに独立して
細分化する。その結果、層間化合物はスチレン系樹脂組
成物中で非常に細かく互いに独立した薄板状で分散し、
その数は、原料である膨潤性ケイ酸塩に比べて著しく増
大する。この様な薄板状の層間化合物の分散状態は以下
に述べるアスペクト比(層長さ/層厚の比率)、分散粒
子数、最大層厚および平均層厚で表現され得る。
【0043】まず、平均アスペクト比を、樹脂中に分散
した層間化合物の層長さ/層厚の比の数平均値であると
定義すると、本発明のスチレン系樹脂組成物中の層間化
合物の平均アスペクト比は10〜300であり、好まし
くは15〜300であり。更に好ましくは20〜300
である。層間化合物平均アスペクト比が10未満である
と、本発明のスチレン系樹脂組成物の機械的特製や荷重
たわみ温度の改善効果が十分に得られない場合がある。
また、300より大きくても効果はそれ以上変わらない
ため、平均アスペクト比を300より大きくする必要は
ない。
【0044】また、[N]値を、スチレン系樹脂組成物
の面積100μm2における、膨潤性ケイ酸塩の単位重
量比率当たりの分散粒子数であると定義すると、本発明
のスチレン系樹脂組成物における層間化合物の[N]値
は、30以上であり、好ましくは45以上であり、より
好ましくは60以上である。上限値は特にないが、
[N]値が1000程度を越えると、それ以上効果は変
わらなくなるので、1000より大きくする必要はな
い。[N]値は、例えば、次のようにして求められ得
る。すなわち、スチレン系樹脂組成物を約50μm〜1
00μm厚の超薄切片に切り出し、該切片をTEM等で
撮影した像上で、面積が100μm2の任意の領域に存
在する層間化合物の粒子数を、用いた膨潤性ケイ酸塩の
重量比率で除すことによって求められ得る。あるいは、
TEM像上で、100個以上の粒子が存在する任意の領
域(面積は測定しておく)を選んで該領域に存在する粒
子数を、用いた膨潤性ケイ酸塩の重量比率で除し、面積
100μm2に換算した値を[N]値としてもよい。従
って、[N]値はスチレン系樹脂組成物のTEM写真等
を用いることにより定量化できる。
【0045】また、平均層厚を、薄板状で分散した層間
化合物の層厚みの数平均値であると定義すると、本発明
のスチレン系樹脂組成物中の層間化合物の平均層厚の上
限値は500Å以下であり、好ましくは450Å以下で
あり、より好ましくは400Å以下である。平均層厚が
500Åより大きいと、本発明のスチレン系樹脂組成物
の機械的特性や荷重たわみ温度の改良効果が十分に得ら
れない場合がある。平均層厚の下限値は特に限定されな
いが、10Å程度である。
【0046】また、最大層厚を、本発明のスチレン系樹
脂組成物中に薄板状に分散した層間化合物の層厚みの最
大値であると定義すると、層間化合物の最大層厚の上限
値は、2000Å以下であり、好ましくは1800Å以
下であり、より好ましくは1500Å以下である。最大
層厚が2000Åより大きいと、本発明のスチレン系樹
脂組成物の透明性や表面性が損なわれる場合がある。層
間化合物の最大層厚の下限値は特に限定されないが、5
0Å程度である。
【0047】層厚および層長さは、本発明のスチレン系
樹脂組成物から得られる薄肉の成形品等を、顕微鏡等を
用いて撮影される像から求めることができる。
【0048】すなわち、いま仮に、X−Y面上に上記の
方法で調製したフィルムの、あるいは肉厚が約0.5〜
2mm程度の薄い平板状の射出成形した試験片を置いた
と仮定する。上記のフィルムあるいは試験片をX−Z面
あるいはY−Z面と平行な面で約50μm〜100μm
厚の超薄切片を切り出し、該切片を透過型電子顕微鏡な
どを用い、約4〜10万倍以上の高倍率で観察して求め
られ得る。測定は、上記の方法で得られた透過型電子顕
微鏡の象上に置いて、100個以上の層間化合物を含む
任意の領域を選択し、画像処理装置などで画像化し、計
算機処理する事等により定量化できる。あるいは、定規
などを用いて計測しても求めることもできる。
【0049】本発明のスチレン系樹脂組成物の製造方法
には特に制限はないが、例えば、(A)層間化合物とス
チレン系樹脂の重合性モノマーを含有する粘土分散体を
調製する工程、(B)粘土分散体中の重合性モノマーを
重合する工程、を包含する方法が好ましい。
【0050】ここで、スチレン系樹脂の重合性モノマー
とは、本発明で用いられるスチレン系樹脂を構成する芳
香族ビニル化合物及び/又はビニル単量体と同様であ
る。芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、
α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノ
クロロスチレン、ジクロロスチレン、p−ブロモスチレ
ン、2,4,5−トリブロモスチレン、2,4,6−ト
リブロモスチレン、p−メチルスチレン、p−tert
−ブチルスチレン、エチルスチレン、ビニルキシレン等
が挙げられ、これらの化合物は単独で、または2種以上
を組み合わせて用いることができる。また、ビニル単量
体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等
のビニルシアン化合物、メチルアクリレート、エチルア
クリレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸アルキ
ルエステル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレ
ート等のメタクリル酸アルキルエステル、マレイミド、
N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−フ
ェニルマレイミド等のマレイミド化合物、グリシジルメ
タクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ
基含有不飽和化合物、アクリル酸、メタクリル酸、マレ
イン酸等の不飽和酸、無水マレイン酸等の不飽和カルボ
ン酸無水物、アクリルアミン、メタクリル酸アミノエチ
ル等のアミノ基含有不飽和化合物、3−ヒドロキシー1
ープロペン、4−ヒドロキシー1ーブテン等の水酸基含
有不飽和酸、およびアクリルアミド、ビニルオキサゾリ
ンなどが挙げられ、これらの化合物は単独で、または2
種以上を組み合わせて用いることができる。
【0051】上記の重合性モノマーには、スチレン系低
重合度体が含有されていても差し支えない。該スチレン
系低重合度体とは、スチレン系樹脂の重合性モノマーが
ラジカル重合またはイオン重合することによって得ら
れ、層間化合物が充分に均一分散できる程度の粘度を示
す分子量を有するものを意味する。
【0052】ここで、上記の粘土分散体には、重合性モ
ノマー以外の構成成分としてスチレン系樹脂を溶解可能
な有機溶媒が含有されても差し支えない。該有機溶媒と
しては、例えば、ヘキサン、オクタン、デカン、ヘキセ
ン等の脂肪族炭化水素系化合物、シクロヘキサン、シク
ロデカン等の脂環式炭化水素系化合物、ベンゼン、トル
エン、エチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、クメ
ン、t−ブチルベンゼン、メシチレン、ブロモトルエ
ン、クロロトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系化
合物、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化
水素系化合物、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチ
ルフェニルエーテル等のエーテル化合物、メチルエチル
ケトン、メチルアリルケトン、メチルフェニルケトン、
シクロヘキサノン等のケトン化合物、酢酸エチル、酢酸
ブチル、アセト酢酸エチル等のエステル化合物、トリエ
チルアミン、トリ−t−ブチルアミン、ピペリジン、ピ
リジン、シクロヘキシルアミン、アニリン、エチレンジ
アミン等のアミン化合物、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド化合物、
ジメチルスルホキシド等の有機硫黄化合物などの有機溶
媒から成る群から選択される1種以上が挙げられる。
【0053】上記の工程(A)で粘土分散体を調製する
方法は特に限定されず、例えば、予め調製した層間化合
物およびスチレン系樹脂の重合性モノマーを十分に混合
する方法、または層間化合物および有機溶媒を充分に混
合した後、重合性モノマーを更に添加混合する方法等が
挙げられる。
【0054】混合を効率よく行うためには、撹拌の回転
数は500rpm以上、あるいは300(1/s)以上
の剪断速度を加える。回転数の上限値は25000rp
mであり、剪断速度の上限値は500000(1/s)
である。上限値よりも大きい値で撹拌を行っても効果は
それ以上変わらない傾向があるため、上限値より大きい
値で撹拌を行う必要はない。
【0055】工程(A)で得られる粘土分散体に含まれ
る層間化合物は、膨潤性ケイ酸塩が有していたような初
期の積層・凝集構造はほぼ完全に消失して薄板状に細分
化するか、あるいは層同士の間隔が拡大していわゆる膨
潤状態となる。膨潤状態を表す指標として底面間隔が用
いられ得る。粘土分散体中の層間化合物の底面間隔は、
層間化合物が細分化して薄板状に成るためには、膨潤性
ケイ酸塩の初期の底面間隔の3倍以上が好ましく、4倍
以上がより好ましく、5倍以上更に好ましい。
【0056】そして工程(B)、すなわち、重合性モノ
マーを重合する工程を行い得る。重合方法は特に限定さ
れず、通常一般に行われるスチレン系樹脂の重合方法に
よってなし得る。その様な方法としては、例えば、塊状
重合法、懸濁重合法、乳化重合法等が挙げられる。
【0057】樹脂成分に他のスチレン系重合性モノマー
成分を共重合する場合は、反応の任意の時期に所望のス
チレン系重合性モノマーを添加、混合して反応を行うこ
とにより得られる。
【0058】本発明のスチレン系樹脂組成物は以下に示
す方法によっても製造され得る。
【0059】まず、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタ
ン、クロロベンゼン、テトラヒドロフラン(THF)、
メチルエチルケトン、酢酸エチルなどの、スチレン系樹
脂の良溶媒と予め調製した層間化合物を十分に混合す
る。混合時の撹拌数等は上記の条件と同様であり、混合
後の層間化合物の底面間隔は、膨潤性ケイ酸塩の初期の
底面間隔の3倍以上が好ましく、4倍以上がより好まし
く、5倍以上更に好ましい。次いで、スチレン系樹脂を
添加溶解させ、十分に混合した後に溶媒を除去する事に
よって、スチレン系樹脂組成物が得られる。
【0060】本発明のスチレン系樹脂組成物が機械的特
性、荷重たわみ温度に優れ、かつ、表面性や透明性を損
なわない理由は、樹脂中に層間化合物が、多数の微小な
薄板状粒子となって分散し、その分散状態の指標となる
層間化合物の平均層厚、最大層厚、分散粒子数および平
均アスペクト比が前述した範囲になっているためであ
る。
【0061】層間化合物の分散状態は、層間化合物の調
製工程および/または上記の工程(A)によって制御さ
れ得る。
【0062】層間化合物の調製工程でスチレン系樹脂組
成物の分散状態を制御する方法に関しては、アミノ化合
物の種類や量、アミノ化合物と膨潤性ケイ酸塩との混合
条件(混合時間、温度、撹拌力)、分散媒の種類等が制
御因子として挙げられるが、特に、アミノ化合物と膨潤
性ケイ酸塩との混合時間や混合時の撹拌力および分散媒
の種類によって制御するのが簡便で好ましい。
【0063】この様な方法としては例えば、混合時の撹
拌数や剪断力が一定であるならば、分散媒の種類、複数
種の分散媒を用いる場合はその混合比率および混合の順
番に伴って、膨潤性ケイ酸塩の膨潤・劈開の状態は変化
する。例えば、膨潤性ケイ酸塩としてモンモリロナイト
を用いた場合、分散媒が水のみでは、モンモリロナイト
はほぼ単位層に近い状態にまで膨潤・劈開するので、そ
の状態でアミノ化合物を混合させれば、ほぼ単位層毎に
アミノ化合物が導入した層間化合物が調製される。一
方、エタノール、テトラヒドロフラン(THF)、メチ
ルエチルケトン(MEK)やN−メチルピロリドン(N
MP)等の極性溶媒と水との混合溶媒を分散媒とした場
合や、該極性溶媒にモンモリロナイトを分散させ次いで
水を加える等した場合は、約数枚〜約百数十枚程度の単
位層が積層した状態に劈開、細分化する。その状態でア
ミノ化合物を混合させれば、ほぼ数枚〜約百数十枚分の
厚みを有する層間化合物が調製される。それらの状態を
保持するように、スチレン系樹脂組成物を重合する事に
よって層間化合物の分散状態を制御し得る。
【0064】工程(A)でスチレン系樹脂組成物の分散
状態を制御する方法に関しては、粘土分散体を構成する
層間化合物と重合性モノマーおよび/または有機溶媒と
の間の親和性、層間化合物と重合性モノマーおよび/ま
たは有機溶媒との混合条件(撹拌力や混合時間、温度)
等が制御因子として挙げられるが、特に、親和性、撹拌
力および混合時間によって制御するのが簡便で好まし
い。
【0065】この様な方法としては例えば、混合時の撹
拌数や剪断力および時間が一定であり、かつ重合性モノ
マーとしてスチレンを用いた場合、層間化合物に結合し
ているアミノ化合物がフェニル基やシクロアルキル基等
のような炭化水素基を有していれば、上記重合性モノマ
ーとの親和性が高いために層間化合物は単位層〜数十枚
で分散する。逆に水酸基、メルカプト基またはニトロ基
等の極性が高い基を有するアミノ化合物を混合させれば
約数枚〜約百数十枚程度の単位層が積層した状態に劈
開、細分化する。それらの状態を保持するように、重合
性モノマーを重合する事によって層間化合物の分散状態
を制御し得る。
【0066】本発明のスチレン系樹脂組成物には、必要
に応じて、ポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共重
合体、アクリルゴム、アイオノマー、エチレン−プロピ
レン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合
体、天然ゴム、塩素化ブチルゴム、α−オレフィンの単
独重合体、2種以上のα−オレフィンの共重合体(ラン
ダム、ブロック、グラフトなど、いずれの共重合体も含
み、これらの混合物であっても良い)、またはオレフィ
ン系エラストマーなどの耐衝撃性改良剤を添加すること
ができる。これらは無水マレイン酸等の酸化合物、また
はグリシジルメタクリレート等のエポキシ化合物で変性
されていても良い。また、機械的特性、成形性などの特
性を損なわない範囲で、他の任意の樹脂、例えば、ポリ
カーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、液晶ポリエステ
ル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフ
ェニレンスルフィド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹
脂、ポリアセタール樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリイ
ミド、ポリエーテルイミド樹脂、及びポリアリレート樹
脂等の熱可塑性樹脂や、不飽和ポリエステル樹脂、エポ
キシ樹脂、及びフェノールノボラック樹脂等の熱硬化性
樹脂の単独または2種以上を組み合わせて使用し得る。
【0067】更に、本発明のスチレン系樹脂組成物に
は、目的に応じて、顔料や染料、熱安定剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、可塑剤、難燃剤、
及び帯電防止剤等の添加剤を添加することができる。本
発明のスチレン系樹脂組成物は、射出成形や熱プレス成
形で成形しても良く、また、発泡用として、発泡ビーズ
にしたり、押出発泡成形にも使用できる。
【0068】また、本発明のスチレン系樹脂組成物は、
フィルムやシートとしても利用できる。そのような成形
品やフィルムは外観、機械的特性および耐熱性等に優れ
る為、例えば、自動車部品、家庭用電気製品部品、精密
機械部品、家庭日用品、包装・容器資材、その他一般工
業用資材に好適に用いられる。
【0069】本発明のスチレン系樹脂組成物中では層間
化合物が非常に細かく、かつ薄い板状で均一分散してい
ることから、表面平滑性を損なうことなく、また、比重
を著しく増加させることなく、機械的性質や耐熱性を改
善することができる。
【0070】
【実施例】以下実施例により本発明を更に詳細に説明す
るが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるも
のではない。実施例、及び比較例で使用する主要原料を
以下にまとめて示す。尚、特に断らない場合は、原料の
精製は行っていない。
【0071】(原料等) ・スチレン:和光純薬(株)製、スチレン(以降、St
と称す)を用いた。 ・アクリロニトリル:和光純薬(株)製、アクリロニト
リル(以降、ANと称す)を用いた。 ・反応触媒:和光純薬(株)製、アゾビスイソブチロニ
トリル(以降、AIBNと称す)を用いた。 ・モンモリロナイト:山形県産の天然モンモリロナイト
(底面間隔=13Å)を用いた。 ・膨潤性雲母:タルク25.4gとケイフッ化ナトリウ
ム4.7gの微粉砕物を混合し、800℃で加熱処理し
たものを用いた(底面間隔=12Å)。 ・1−アミノ−3−フェノキシ−2−プロパノール:広
栄化学(株)製のアミノ化合物を用いた(以降、APH
Pと称す)。 ・2−ピペリジンエタノール:広栄化学(株)製のアミ
ノ化合物を用いた(以降、2PPREと称す)。 また、実施例および比較例における評価方法を以下にま
とめて示す。 (分散状態の測定)層間化合物に関しては、TEMを用
いて以下のように行った。
【0072】厚み50〜100μmの超薄切片を用い
た。透過型電子顕微鏡(日本電子JEM−1200E
X)を用い、加速電圧80kVで倍率4万〜100万倍
で層間化合物の分散状態を観察撮影した。TEM写真に
おいて、100個以上の分散粒子が存在する領域を選択
し、粒子数([N]値)、層厚および層長を、目盛り付
きの定規を用いた手計測または、必要に応じてインター
クエスト社の画像解析装置PIASIIIを用いて処理す
る事により測定した。平均アスペクト比は個々の層間化
合物の層長と層厚の比の数平均値とした。[N]値の測
定は以下のようにして行った。まず、TEM像上で、選
択した領域に存在する層間化合物の粒子数を求める。こ
れとは別に、層間化合物に由来する樹脂組成物の灰分率
を測定する。上記粒子数を灰分率で除し、面積100μ
2に換算した値を[N]値とした。
【0073】平均層厚は個々の層間化合物の層厚の数平
均値、最大層厚は個々の層間化合物の層厚の中で最大の
値とした。
【0074】分散粒子が大きく、TEMでの観察が不適
当である場合は、光学顕微鏡(オリンパス光学(株)製
の光学顕微鏡BH−2)を用いて上記と同様の方法で
[N]値を求めた。ただし、必要に応じて、サンプルは
LINKAM製のホットステージTHM600を用いて
250〜270℃で溶融させ、溶融状態のままで分散粒
子の状態を測定した。
【0075】板状に分散しない分散粒子のアスペクト比
は、長径/短径の値とした。ここで、長径とは、顕微鏡
像等において、対象となる粒子の外接する長方形のうち
面積が最小となる長方形を仮定すれば、その長方形の長
辺を意味する。また、短径とは、上記最小となる長方形
の短辺を意味する。 (小角X線回折法(SAXS)による底面間隔の測定)
X線発生装置(理学電機(株)製、RU−200B)を
用い、ターゲットCuKα線、Niフィルター、電圧4
0kV、電流200mA、走査角2θ=0.2〜16.0
°、ステップ角=0.02°の測定条件で底面間隔を測
定した。
【0076】底面間隔は、小角X線回折ピーク角値をB
raggの式に代入して算出した。ただし、小角X線ピ
ーク角値の確認が困難である場合は、層が十分に劈開し
て結晶性が実質的に消失したかあるいは、ピーク角値が
おおよそ0.8°以下である為に確認が困難であるとみ
なし、底面間隔の評価結果としては>100Åとした。 (荷重たわみ温度:HDT)スチレン系樹脂組成物の板
から、寸法約10×100×6mmの試験片を切りだし
た。得られた試験片の荷重たわみ温度を、ASTMD−
648に従って測定した。 (曲げ特性)荷重たわみ温度の場合と同様にして作製し
た試験片の曲げ強度および曲げ弾性率を、ASTMD−
790に従って測定した。 (透明性)透明性は、試験片(厚さ3mm)のヘーズ
(曇価)で評価した。ヘーズの測定は、日本電色工業
(株)製の濁度計NDH-Σ80を用い、JISK71
03に従った。 (表面性)表面性は、透明性の評価で用いた成形品の中
心線平均粗さで評価した。中心線平均粗さは、東京精密
(株)製の表面粗さ計;surfcom1500Aを用
いた。 (灰分率)層間化合物に由来する、スチレン系樹脂組成
物の灰分率は、JISK7052に準じて測定した。
【0077】(実施例1) 工程(A) 3500gのイオン交換水に125gのモンモリロナイ
トを加え、日本精機(株)製の湿式ミルを用いて500
0rpm、5分間撹拌して混合した。その後、35gの
APHPを加えてから更に、表1に示した条件で撹拌す
る事によって層間化合物を調製し、乾燥粉末化した(層
間化合物の確認は、SAXSにより底面間隔を測定する
ことにより行った。結果は表1に示した。実施例2〜5
も同様)。
【0078】上記の層間化合物125gとSt1500
gを湿式ミルで十分(5000rpm×30分)に混合
し、層間化合物とStを含有する粘土分散体を調製し
た。粘土分散体中の層間化合物の底面間隔は、71Åで
あった。 工程(B) 工程(A)で調製した粘土分散体および0.3gのAI
BNを充分に混合し、脱泡した。次いで、中型に流し込
んで重合温度95〜105℃で1.5時間塊状重合を行
うことにより、層間化合物を含有するポリスチレン樹脂
組成物を得、評価した。結果は表2に示した。実施例2
〜5も同様 (実施例2)工程(A)において、APHPの量を25
gとし、かつ層間化合物の量を120gとして粘土分散
体を調製した(粘土分散体中の層間化合物の底面間隔
は、65Åであった)以外は、実施例1と同様に行い、
層間化合物を含有するポリスチレン樹脂組成物を得、評
価した。
【0079】(実施例3)工程(A)において、APH
Pの代わりに35gの2PPREを用い、撹拌条件を5
000rpm、2.5時間とした。また、層間化合物の
量を125gとして粘土分散体を調製した(粘土分散体
中の層間化合物の底面間隔は、66Åであった)以外
は、実施例1と同様に行い、層間化合物を含有するポリ
スチレン樹脂組成物を得、評価した。
【0080】(実施例4)モンモリロナイトの代わりに
膨潤性雲母を用い、APHPの量を40gとし、撹拌条
件を6000rpm、3.0時間として層間化合物を調
製した。層間化合物の量を135gとして粘土分散体を
調製した(粘土分散体中の層間化合物の底面間隔は51
Åであった)以外は実施例1と同様の方法で、層間化合
物を含有するポリスチレン樹脂組成物を得、評価した。
【0081】(実施例5) 工程(A) 実施例1と同様の方法で調製した層間化合物125g、
1125gのSt、375gのANを湿式ミルで十分
(5000rpm×30分)に混合し、層間化合物とS
tおよびANを含有する粘土分散体を調製した。 工程(B) 工程(A)で調製した粘土分散体および0.3gのAI
BNを充分に混合し、脱泡した。次いで、中型に流し込
んで重合温度95〜105℃で1.5時間塊状重合を行
うことにより、層間化合物を含有するアクリロニトリル
−スチレン共重合体組成物を得、評価した。
【0082】(比較例1)層間化合物を使用せずに、実
施例1と同様な方法でポリスチレン樹脂を得、評価し
た。結果を以下の比較例と併せ、表3に示した。
【0083】(比較例2)層間化合物の代わりに、10
0gのモンモリロナイトを用いた以外は、実施例1と同
様な方法でポリスチレン樹脂組成物を得、評価した。
【0084】(比較例3)100gのモンモリロナイト
に35gのAPHPをスプレーを用いて直接噴霧し、1
時間混合する事によってモンモリロナイトをアミノ処理
した。アミノ処理モンモリロナイトの底面間隔は13Å
であった。層間化合物の代わりに、上記のアミノ処理モ
ンモリロナイトを用いた以外は、実施例1と同様な方法
で樹脂組成物を得、評価した。
【0085】(比較例4)3500gのイオン交換水に
125gのモンモリロナイトを添加し、湿式ミル(日本
精機(株)製)を用い、5000rpmで5分間撹拌し
た。次いで、和光純薬製のn−ブチルアルデヒド35g
を添加し、更に5000rpm、3時間撹拌する事によ
り、混合物(BA−Moと称す)を得た。次いで、層間
化合物の代わりにBA−Moを用いた以外は実施例1と
同じ方法で重合を行うことによりスチレン系樹脂組成物
を得、評価した。
【0086】(比較例5)層間化合物を使用せずに、実
施例5と同様な方法でアクリロニトリル−スチレン共重
合体を得、評価した。
【0087】(比較例6)層間化合物の代わりに、10
0gのモンモリロナイトを用いた以外は、実施例5と同
様な方法でアクリロニトリル−スチレン共重合体組成物
を得、評価した。
【0088】
【発明の効果】以上、詳述したように、スチレン系樹脂
中において、膨潤性ケイ酸塩の単位層同士を分離劈開し
て、1つの膨潤性ケイ酸塩の凝集粒子を、非常に多数の
極微小な薄板状の層に細分化すること、すなわち、平均
層厚を500Å以下にすること、あるいは最大層厚を2
000Å以下にすること、または平均アスペクト比(層
長さ/層厚の比)が10〜300であり、面積100μ
2中に存在する層間化合物の単位比率当たりの粒子数
を30以上にすることによって、透明性や表面性を損な
うことなく、機械的特性や荷重たわみ温度を改善するこ
とができる。スチレン系樹脂中で、膨潤性ケイ酸塩を上
記の如く薄板状に細分化することは、膨潤性ケイ酸塩に
アミノ化合物を導入して層間化合物とする事が必須であ
る。
【0089】本発明のスチレン系樹脂組成物は、例え
ば、本発明の製造方法、すなわち、(A)層間化合物と
スチレン系樹脂の重合性モノマーを含有する粘土分散体
を調製する工程、(B)粘土分散体中の重合性モノマー
を重合する工程、を包含する製造方法によって得られ
る。
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】
【0092】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 12/04 C08F 12/04 Fターム(参考) 4J002 BC031 BC041 BC061 BC071 BC081 BC091 BC111 BN141 DJ006 DJ036 DJ056 FA016 FB086 FB256 GC00 GG01 GG02 GM00 GN00 GQ00 4J011 PA13 PB02 PB15 PB18 PB22 PC02 PC08 4J100 AB02P AB03P AB04P AB07Q AB08P AB09P AD01Q AD03Q AE18Q AJ02Q AJ08Q AJ09Q AK31Q AK32Q AL03Q AL04Q AL08Q AL09Q AL10Q AM02Q AM15Q AM43Q AM45Q AM47Q AM48Q AQ15Q BA29Q BA30Q BC04Q BC53Q BC80Q CA01 CA04 FA02 JA28 JA43 JA57 JA58

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系樹脂および層間化合物を含有
    するスチレン系樹脂組成物であって、層間化合物が、膨
    潤性ケイ酸塩とアミノ化合物を分散媒中で混合すること
    によって調製され、かつ上記アミノ化合物が1級、2級
    および3級アミノ基からなる群より選択される1種以上
    のアミノ基を少なくとも1個有し、水酸基、メルカプト
    基、エーテル基、カルボニル基、ニトロ基および塩素原
    子より成る群から選択される1種以上の置換基を有して
    いても良い、炭素数1〜25の炭化水素化合物である、
    スチレン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 組成物中の層間化合物の平均層厚が50
    0Å以下である、請求項1に記載のスチレン系樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 組成物中の層間化合物の最大層厚が20
    00Å以下である、請求項1または2に記載のスチレン
    系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 組成物中の層間化合物の[N]値が30
    以上であり、ここで[N]値が、樹脂組成物の面積10
    0μm2中に存在する、層間化合物の単位比率当たりの
    粒子数であると定義される、請求項1、2または3に記
    載のスチレン系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 組成物中の層間化合物の平均アスペクト
    比(層長さ/層厚の比)が10〜300である、請求項
    1、2、3または4に記載のスチレン系樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 (A)層間化合物とスチレン系樹脂の重
    合性モノマーを含有する粘土分散体を調製する工程 (B)粘土分散体中の重合性モノマーを重合する工程を
    包含する、請求項1、2、3、4または5に記載のスチ
    レン系樹脂組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】 工程(A)で得られる粘土分散体中の層
    間化合物の底面間隔が、膨潤性ケイ酸塩の底面間隔の3
    倍以上であることを特徴とする、請求項6に記載のスチ
    レン系樹脂組成物の製造方法。
JP10321601A 1998-11-12 1998-11-12 スチレン系樹脂組成物および製造方法 Pending JP2000143911A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10321601A JP2000143911A (ja) 1998-11-12 1998-11-12 スチレン系樹脂組成物および製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10321601A JP2000143911A (ja) 1998-11-12 1998-11-12 スチレン系樹脂組成物および製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000143911A true JP2000143911A (ja) 2000-05-26

Family

ID=18134367

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10321601A Pending JP2000143911A (ja) 1998-11-12 1998-11-12 スチレン系樹脂組成物および製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000143911A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004012998A3 (fr) * 2002-07-26 2004-04-08 Atofina Composition pour l'emballage alimentaire a base de resine vinyle aromatique contenant une charge minerale plaquettaire dispersee sous la forme de nanoparticules.
WO2005044864A1 (ja) * 2003-11-06 2005-05-19 Asahi Kasei Chemicals Corporation スチレン系共重合体及びその製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004012998A3 (fr) * 2002-07-26 2004-04-08 Atofina Composition pour l'emballage alimentaire a base de resine vinyle aromatique contenant une charge minerale plaquettaire dispersee sous la forme de nanoparticules.
WO2005044864A1 (ja) * 2003-11-06 2005-05-19 Asahi Kasei Chemicals Corporation スチレン系共重合体及びその製造方法
US7781552B2 (en) 2003-11-06 2010-08-24 Asahi Kasei Chemicals Corporation Styrene copolymer and process for producing the same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH06504810A (ja) 剥離層状物質の高分子ナノ複合体の溶融加工形成法
JP3720161B2 (ja) 粘土層間化合物、粘土層間化合物と熱可塑性樹脂からなる熱可塑性樹脂組成物、およびそれらの製法
JP2021519835A (ja) 強化ポリオレフィン複合材料
JP3767965B2 (ja) 粘土複合体層間化合物、粘土複合体層間化合物と熱可塑性樹脂からなる熱可塑性樹脂組成物およびそれらの製法
JP2020514434A (ja) ポリマー組成物
JP2000159960A (ja) スチレン系熱可塑性エラストマー組成物及び製造方法
JPH0641346A (ja) 複合材料、その製造方法及び該複合材料を含有する樹脂成形材料
JP2000143911A (ja) スチレン系樹脂組成物および製造方法
JP4542035B2 (ja) ポリアミド樹脂組成物及びその製造方法
JP4786830B2 (ja) 強化ポリエステル樹脂組成物
JP2000129072A (ja) ゴム含有グラフト共重合体組成物および製造方法
JP2000290506A (ja) ポリサルホン樹脂組成物および製造方法
Okada et al. Twenty-Year Review of Polymer-Clay Nanocomposites at Toyota Central R&D Labs., Inc.
JP2000169689A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物および製造方法
JP2000109635A (ja) ゴム含有グラフト共重合体組成物および製造方法
JP2000109625A (ja) スチレン系樹脂組成物および製造方法
JP2000159941A (ja) ポリオレフィン樹脂組成物
JP2000159962A (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
WO2005056678A1 (ja) ポリエステル樹脂組成物および成形体
JPH11323106A (ja) ポリエステル樹脂組成物および製造方法
JP2000290505A (ja) ポリサルホン樹脂組成物および製造方法
JP2000290492A (ja) ポリフェニレンエーテル樹脂組成物および製造方法
JP4467140B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物
JP2000265047A (ja) ポリアリレート樹脂組成物および製造方法
KR20090112495A (ko) 탄산칼슘 나노캡슬 충전제, 이의 제조방법 및 이를포함하는 플라스틱 수지 조성물