JPH0641346A - 複合材料、その製造方法及び該複合材料を含有する樹脂成形材料 - Google Patents
複合材料、その製造方法及び該複合材料を含有する樹脂成形材料Info
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Abstract
してビニル系高分子化合物中に分散して成る複合材料、
無機層状物質を膨潤分散させた有機分散液とビニル系高
分子化合物を溶解させた有機溶液とを混合したのち、脱
溶媒することにより、前記複合材料を製造する方法、及
び前記複合材料と合成樹脂とを溶融混練して成る樹脂成
形材料である。 【効果】 低比重で外観に優れ、かつ引張強度や曲げ強
度の高い成形品を与えることができる。
Description
造方法及び該複合材料を含有する樹脂成形材料に関する
ものである。さらに詳しくいえば、本発明は、無機層状
物質がビニル系高分子化合物中に均質かつ微細に分散し
た複合材料、このものを効率よく製造する方法、及び該
複合材料を含有する低比重で外観に優れ、かつ引張強度
や曲げ強度の高い成形品を与える樹脂成形材料に関する
ものである。
を向上させる目的で、該合成樹脂に各種フィラーを配合
することが行われている。しかしながら、混合機や混練
機を用いてフィラーを合成樹脂中に分散させる通常の方
法では、該フィラーを均質かつ微細に分散させることが
困難であって、得られるフィラー強化樹脂は、光沢低下
などの外観不良が生じたり、透明性が低下したり、ある
いは成形性が悪いなど、好ましくない事態を招来する。
また、通常のフィラーでは高比重のものになるなどの問
題も生じる。
鉱物は比較的安価で軽量であることから、フィラーとし
ての使用が古くから試みられている。しかしながら、該
粘土鉱物をフィラーとして用いた場合、その二次凝集に
よって樹脂中への均質分散が困難になるし、また、吸湿
性によって溶融混練時に発泡を生じ、成形品の外観不良
をもたらすなどの欠点があるため、この粘土鉱物はフィ
ラーとして使用されていない。
で軽量な無機層状物質、例えば粘土鉱物をフィラーとし
て用いて、低比重で良好な外観を示し、かつ引張強度や
曲げ強度の優れた成形品を与える樹脂成形材料を提供す
ることを目的としてなされたものである。
物質をフィラーとして含む樹脂成形材料について、鋭意
研究を重ねた結果、無機層状物質を膨潤分散させた有機
分散液とビニル系高分子化合物を溶解させた有機溶液と
を混合し、脱溶媒することにより、該無機層状物質がビ
ニル系高分子化合物中に均質かつ微細に分散した複合材
料が得られること、そしてこの複合材料と合成樹脂とを
溶融混練することにより、低比重で良好な外観を有し、
かつ引張強度や曲げ強度の優れた成形品を与える樹脂成
形材料が得られることを見出し、このような知見に基づ
いてなされたものである。
粒径2μm以下の粒子としてビニル系高分子化合物中に
均質分散して成る複合材料、及びこの複合材料と合成樹
脂とを溶融混練して成る樹脂成形材料を提供するもので
ある。
状物質を膨潤分散させた有機分散液とビニル系高分子化
合物を溶解させた有機溶液とを混合したのち、脱溶媒す
ることにより製造することができる。
は層状結晶構造をもつ無機物質のことであり、このよう
なものとしては、例えばモンモリロナイト、サポナイ
ト、ハイデライト、ノントロナイト、ヘクトライト、ス
ティブンサイトなどのスメクタイト系粘土鉱物、バーミ
キュライト、ハロサイト、その他天然又は人工の粘土鉱
物、雲母、ハイドロタルサイト、グラファイトなどが挙
げられるが、これらの中で粘土鉱物が好適である。これ
らの無機層状物質は1種用いてもよいし、2種以上を組
み合わせて用いてもよい。
前記無機層状物質を膨潤分散させた有機分散液、及びビ
ニル系高分子化合物を溶解させた有機溶液を調製するこ
とが必要である。前者の有機分散液の調製においては、
該無機層状物質として、その層間に、双極子モーメント
(極性)をもつ化学種、例えば有機物カチオン、金属カ
チオン、有機物アニオン、アミン類などをインターカレ
ーション(層間挿入)したものを用いるのが望ましく、
このようなものを用いることにより、有機溶媒中に良好
に膨潤分散させることができる。
(1)無機層状物質において、層自体の構造欠陥又は非
化学量論性により、層自体が電荷を帯びているとき、通
常その電荷を打ち消すためにその反対の電荷をもつ化学
種が層間に存在して電気的に中性を保持しており、この
化学種に対して所望の化学種を配位させたり、交換させ
る、あるいは単に電荷を打ち消すために所望の化学種を
挿入する場合と、(2)単に無機層状物質の層間に所望
の化学種を挿入する場合とがある。前記(1)の具体例
としては、粘土鉱物の結晶層間の金属カチオン又はアニ
オン(酸アニオン)をイオン性界面活性剤を用いてイオ
ン交換する場合を挙げることができる。
については、無機層状物質を膨潤分散させる能力と、後
記のビニル系高分子化合物を溶解させる能力とを有する
ものであればよく、特に制限されず、例えばトルエン、
キシレン、ベンゼン、スチレン、アセトン、メチルエチ
ルケトンなどが挙げられるが、これらの中で芳香族溶媒
が好適である。これらの有機溶媒は1種用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、膨潤
度を向上させるために、メタノールなどの極性添加剤
を、該溶媒に対して0.5〜5重量%程度添加してもよ
い。
0重量%以下が好ましく、10重量%を超えると該無機
層状物質が分散不良を生じる場合があり、好ましくな
い。また、混合温度や混合時間については特に制限はな
く、混合により粘度が上昇することで、無機層状物質が
膨潤分散した有機分散液が得られたことが判断できる。
有機溶液の調製に用いられるビニル系高分子化合物とし
ては、ビニル系モノマーの単独重合体又は2種以上を共
重合させて得られた共重合体を使用することができる。
該ビニル系モノマーとしては、例えばエチレン、プロピ
レン、ブタジエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチ
レン、アクリル酸、メタクリル酸、t‐ブチルアクリル
アミド、アクリロニトリル、ノルボルナジエン、N‐ビ
ニルカルバゾール、ビニルピリジン、ビニルピロリド
ン、1‐ブテン、イソブテン、シアン化ビニリデン、4
‐メチルペンテン‐1、酢酸ビニル、ビニルイソブチル
エーテル、メチルビニルケトン、フェニルビニルケト
ン、フェニルビニルスルフィド、アクロレインなどが挙
げられる。これらのビニル系モノマーは1種用いてもよ
いし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。該ビニル
系高分子化合物としては、特にエチレン、プロピレン、
スチレンの単独重合体や共重合体が好適である。本発明
においては、該ビニル系高分子化合物は1種用いてもよ
いし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
溶媒については、前記ビニル系高分子化合物を溶解する
能力と前記無機層状物質を分散させる能力とを有するも
のであればよく、特に制限されず、先に例示した有機溶
媒を挙げることができるが、これらの中で芳香族溶媒が
好適である。該有機溶媒は1種用いてもよいし、2種以
上を組み合わせて用いてもよく、また、前記の無機層状
物質の有機分散液における有機溶媒とそれぞれ相溶性を
もつものであれば、必ずしもそれと同じものを用いる必
要はない。さらに、該有機溶液中のビニル系高分子化合
物の濃度については特に制限はなく、適宜選ばれる。
れたビニル系高分子化合物を溶解させた有機溶液と前記
の無機層状物質を膨潤分散させた有機分散液とを適当な
割合で混合したのち、脱溶媒して複合材料を製造する。
混合温度については、該ビニル系高分子化合物が固体と
して析出しない温度であればよく、特に制限されず、ま
た、混合時間についても特に制限はない。
層状物質及びビニル系高分子化合物に対してそれぞれ貧
分散媒及び貧溶媒となる化合物を加え、無機層状物質/
ビニル系高分子化合物から成る複合材料を析出させ、遠
心分離やろ過などの手段により溶媒を除く方法、及び該
混合液から蒸発などの手段により溶媒を除く方法を挙げ
ることができる。
は、混合液中の有機溶媒と相溶性を有し、かつ無機層状
物質に対する膨潤能力及びビニル系高分子化合物に対す
る溶解能力を共に定性的に有しない化合物が用いられ、
このような化合物としては、例えばメタノールやエタノ
ールなどのアルコール類を好ましく挙げることができ
る。
は、該無機層状物質が平均粒径2μm以下の粒子として
ビニル系高分子化合物中に均質に分散したものであっ
て、複合材料中の無機層状物質の含有量については特に
制限はないが、0.5重量%以上であるのが望ましい。
いてもよいが、該複合材料と合成樹脂とを溶融混練して
樹脂組成物を調製し、成形材料として用いるのが有利で
ある。複合材料との混練に用いられる合成樹脂について
は、該複合材料と溶融混練しうるものであればよく特に
制限はないが、前記したビニル系高分子化合物が好まし
く、特にエチレン、プロピレン、スチレンの単独重合体
や共重合体が好適である。この合成樹脂は、該複合材料
中のビニル系高分子化合物と同一のものであってもよい
し、異なるものであってもよく、また、1種用いても2
種以上を組み合わせて用いてもよい。
は、公知の混練機、例えばヘンシェルミキサー、単軸又
は二軸押出機、バンバリミキサー、ロールなどが用いら
れる。また、この混練に際して、所望により酸化防止
剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤
などの公知の添加剤を配合することができる。
無機層状物質の含有量は0.5〜70重量%の範囲にあ
るのが望ましい。この含有量が0.5重量%未満ではフ
ィラーの配合効果が十分に発揮されないし、70重量%
を超えると成形性が低下する傾向がみられる。
系高分子化合物中に均質かつ微細に分散した複合材料が
容易に得られる。またこの複合材料と合成樹脂とを溶融
混練して成る樹脂成形材料は、低比重で外観に優れ、か
つ引張強度や曲げ強度の高い成形品を与え、例えば自動
車部品、家電音響製品、家庭日用品、包装資材、水産資
材、その他一般工業資材などに好適に用いられる。
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。
求めた。 (1)引張強度 ASTM D638に準拠して求めた。 (2)曲げ強度、曲げ弾性率 ASTM D790に準拠して求めた。 (3)外観 射出成形プレート(100×100×1mm)の表面外
観を目視にて観察し、次の記号に従って評定した。 ○:フィラーが均質に分散している △:異物状のフィラー凝集物が点在している ×:目視判定可能な粒子(0.1mm以上)が分散して
いる (4)灰分の大きさ 走査電子顕微鏡により長径を測定した。また、符号aは
3〜5μmの粒子が多数凝集した状態を、bは3〜5μ
mの塊状粒子が存在している状態を、cは3〜5μmの
板状粒子が存在している状態を示す。
モリロナイトにインターカレーションしたもの[商品名
S‐BEN、豊順鉱業(株)製]を用い、このS‐BE
N100gとキシレン2000mlとを、常温(約20
℃)で20分間混合して、S‐BENの膨潤分散液を調
製した。
0 MI17、出光石油化学(株)製]50gをキシレ
ン1000ml中に溶解してポリプロピレンのキシレン
溶液を調製した。
分散液とポリプロピレンのキシレン溶液とを130℃で
10分間かきまぜて混合したのち、これに大過剰のメタ
ノールを加え析出させた。析出物はろ過分離後、80℃
で温風乾燥してポリプロピレンとS‐BENとから成る
複合材料を得た。
鏡(SEM)で灰分観察を行ったところ、平均粒径1μ
m以下のベントナイト層が独立して存在することを確認
した。
トを用い、実施例1と同様な操作を行ったが、モンモリ
ロナイトはキシレン中では分散せず極めて不均質な分散
形態の混合物しか得られなかった。
に示す割合で45mmφの二軸押出機を用いて230℃
で溶融混練を行い樹脂成形材料を調製した。その物性を
表1に示す。
合で45mmφの二軸押出機を用いて230℃で溶融混
練を行ったが、混練物は目視可能な大きさ(0.1mm
以上)の凝集物の分散形態となっていた。また、熱分解
灰分の観察を行ったところ、3〜5μm程度の二次粒子
が多数凝集して0.1mm程度の凝集体を形成してい
た。このものの物性を表1に示す。
い、比較例2と同様な方法で溶融混練した結果、見掛け
上は均質に分散していたが、その熱分解灰分は3〜5μ
m程度の二次粒子であった。このものの物性を表1に示
す。
比較例2と同様な方法で溶融混練した結果、見掛け上は
均質に分散していたが、その熱分解灰分は3〜5μm程
度のタルク粒子であった。このものの物性を表1に示
す。
製ポリプロピレン 2)120J:出光石油化学(株)製高密度ポリエチレ
ン 3)HH‐30:出光石油化学(株)製ポリスチレン 4)PP/S‐BEN:実施例1の複合材料 5)S‐BEN:豊潤鉱業(株)製ベントナイト(1μ
m程度の粒子が凝集して3〜5μmの塊状粒子を形成し
ている) 6)モンモリロナイト:クニミネ工業(株)製クニピア
F(S‐BENと同様の形態) 7)タルク:市販タルク(3〜5μmの板状粒子)
は、核剤的なS‐BEN配合効果が認められ、実施例3
〜8においては、強化充填材的なS‐BEN配合効果が
認められる。
実施例8と比較例5とを比較した場合、同一フィラー重
量(ほぼ同一の比重)での樹脂中のフィラー分散形態の
違いにより発生する物性差が認められる。
Claims (3)
- 【請求項1】 無機層状物質が平均粒径2μm以下の粒
子としてビニル系高分子化合物中に均質分散して成る複
合材料。 - 【請求項2】 無機層状物質を膨潤分散させた有機分散
液とビニル系高分子化合物を溶解させた有機溶液とを混
合したのち、脱溶媒することを特徴とする請求項1記載
の複合材料の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1記載の複合材料と合成樹脂とを
溶融混練して成る樹脂成形材料。
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- 1992-07-22 JP JP21574192A patent/JP3393879B2/ja not_active Expired - Fee Related
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