JPS6017296B2 - 熱可塑性樹脂成形材料 - Google Patents

熱可塑性樹脂成形材料

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JPS6017296B2
JPS6017296B2 JP13754977A JP13754977A JPS6017296B2 JP S6017296 B2 JPS6017296 B2 JP S6017296B2 JP 13754977 A JP13754977 A JP 13754977A JP 13754977 A JP13754977 A JP 13754977A JP S6017296 B2 JPS6017296 B2 JP S6017296B2
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filler
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molding
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は熱可塑性樹脂成形材料ならびにその製造法、詳
しくは射出成形、押出成形その他の一般的な熱可塑性樹
脂の成形法において、特に表面光沢が良好かつ均一でフ
ローマーク等の少ない、そして物性面でも安定した成形
物の得られる充填剤含有熱可塑性樹脂成形材料に関する
ものである。
従来、ポリオレフィン、ポリアミド、その他の重合体樹
脂に無機または有機の粉末状充填剤を他の必要な添加剤
と共に配合して成形材料となし、上記の各種方法にて成
形物を得ることはごく普通に行なわれて来たし、特に近
年そのような成形法ならびに成形材料等に係わる研究は
、樹脂価格の高騰、省資源、公害防止等の観点からきわ
めて活発に行なわれるようになって釆た。充填剤をある
程度以上に配合して成る成形材料から得られる成形物は
、物性の面でも例えば剛性の向上、寸法安定性の向上等
の効果が明瞭に現われ、いまいま実用面でそれらが有効
に利用されている。そしてこのような効果および前記公
害面での効果則ち燃焼時の発熱量や発煙量の減少、更に
は経済上の利点等が、いずれも充填剤配合量の増加と共
に正比例的に多くもたらされると云うことはすでに知ら
れている。しかし一方、一般に充填剤量の増加につれて
種々の困難な問題が発生することも又よく知られている
ところであって、特に大形または複雑な形状の成形物を
得ようとする場合には、単純な形状または小形の成形物
の場合にはあまり表面化されない現象、例えば成形品表
面の艶の消失や、フローマークや艶むらが明瞭に発生し
たり、又、成形物の位置により強度に大小の差が生じた
りする。
就中、金型内で形成材料が高速で流動する射出成形にお
いて、その流動距離1と肉厚tの比1/tの大きい大形
成形物を製造する場合に上記不良現象は非常にはっきり
と現われ、その為に充填剤を低いレベルに制限するとか
、あるいは別種の成形材料の採用を検討する等と云った
事態が、業界内で往々にして発生しているのである。問
題は単に以上に述べた成形物の品質への影響丈にと)、
まらず、例えば押出成形における吐出量あるいは射出成
形における射出量の変動と云った如き非正常現象が、充
填剤の配合量の増加と共にいちじるしくなり、又、金型
内における流動性の低下およびそれによる充填不足と局
部的バリの発生等、成形上の種々の問題点がいずれも充
填剤の大量配合の結果としてクローズアップされること
も一般に指摘されているところである。
叙上の如き成形物の品質および成形加工時の問題点の克
服は、当該業界にとってきわめて重要な課題であり、活
発な技術検討の結果としてすでに多数の方策提案がなさ
れ、その一部は実施に移されている。
それらの内容を検討してみると、大体二つの方向、即ち
成形材料製造機または成形機等と云った装置面の改良と
、成形材料面の改良に大別される。
そのうち、まず装置面について見てみると、最近高性能
のニーダーや押出機が種々開発され、熱可塑性樹脂と粉
末充填剤に強力な練り効果を与えて効率よく充分に均一
な、従って良好な成形性を有するコンパウンドを生産す
る途が開けて来た。
又、成形装置に関しても、例えばブレンドフィーダー(
日精樹脂工業社製)等の補助設備、あるし、は押出機、
射出成形機等における特殊形状のスクリュー、射出成形
機における特殊な先端ノズルの如き充填剤分散促進機構
等に依り、相当高い充填剤濃度の成形材料からも高品質
の成形物を得ることが可能になって来た。しかし業界の
実状を見ると、そのような特殊な装置類の使用は数量的
にも限定されており、大半は在来の普通の押出機や成形
機により成形材料及び成形物の生産を行なっているので
ある。
当然のこと乍ら上述の如き特殊な装置は一般に高価であ
り、従ってそれによる生産コストも高くなり、充填剤配
合の主眼とするコストメリットがそれによって相殺され
ることになる。
本発明の思想は後にも述べるように経済性に重点を置く
ものであり、従って上述の如き特殊な装置によってでは
なく、従来からの普通の装置を使って如何にして高品質
の製品を安く造り得るかに係わり、そのような成形材料
ならびに製造法を提供しようとするものである。
次に成形材料の面における従来の改良手法の中で主なも
のを挙げると、まず粉末充填剤の表面処理の手法がある
即ち、脂肪酸あるいは脂肪酸の金属塩、低融点樹脂、界
面活性剤等の分散剤に依る表面処理法、あるいはシラン
系その他のカップリング剤やアクリル酸その他の不飽和
酸、更には有機過酸化物のようなラジカル発生剤等の物
理化学的または化学的架橋結合導入剤等による樹脂との
親和性または接着剤、樹脂への分散性等を付与せんとす
る表面活性化法を挙げることが出来る(以下、これら全
てを「表面処理法」と総称する)。また、他の手法とし
て、充填剤と比較的少量の高流動性樹脂を場合によって
は可塑剤等の共存下に熔融濃練することにより樹脂分を
充分に合浸した充填剤を高濃度に含む粒状物(所謂充填
剤マスターバッチ乃至額粒状充填剤の類のものであって
、以下粒状物Qと略称する)を普通の粉末状充填剤の代
りに使用する方法が知られている。
そして上記表面処理法により調整された充填剤あるいは
粒状物Qをべレットまたは粉末状の熱可塑性樹脂に配合
してそのま)、あるいはもう一度ロールミル、押出機、
その他の熔融混練機にかけて再べレット化して成形材料
とするのが従来の方法である。その他、熱可塑性樹脂の
使用量の一部と無機充填剤を前者の熔融温度以上におい
て混合鷹拝し、冷却後残りの熱可塑性樹脂と混合し押母
機によりべレット化して成形材料とする方法(椿関階5
2−28538号公報、第三法と呼ぶことにする)等が
最近提案されている。
本発明者等は前記表面処理法および第三法等につき入念
に追試確認を行なったが、それらの方法の効果には限度
があり、前述の大形成品等の場合にはやはりフローマー
クや艶の消失等の問題が不充分にしか解決されないこと
がわかった。
粒状物Qを用いる方法に関しては、成形性や成形物の品
質等の点では前記表面処理法や第三法に比し格段に良い
結果が得られるが、粒状物Qの製造における加工費が災
いして、充填剤配合による肝腎のコストの引下げが結局
僅かしか達成出来ないことが判明した。
本発明者らは以上に述べた従釆法の問題点乃至不充分さ
を克服して前記の目的を達成すべ〈鋭意検討の結果、‘
1ー熱可塑性樹脂(記号Aで表わす)と、■粉末状充填
剤と比較的少量の高流動性熱可塑性樹脂から製造される
フレ−クまたは粒状物(記号Pで表わす)および、‘3
ー粉末状充填剤(記号Dで表わす)の三者A、P、Dを
必須の基本原料として特性範囲の量比で配合することを
特徴とする製造法により目的に適合した成形材料の得ら
れることを見出し、本発明に到達した。
以下本発明を詳細に説明する。上記、熱可塑性樹脂Aと
は、本発明方法によって得られる成形材料のベースとな
る樹脂の主要成分と成るべきものであって、市販の成形
用熱可塑性樹脂のいずれもが対象になる。
その中、特に本発明の実施に好適なものを例示すると、
低密度および高密度ポリエチレン、結晶性ポリプロピレ
ン、エチレンとプロピレンの(場合によってはビニル、
炭素数4〜8のQ−オレフィン、共銅または非共轍ジェ
ン等の第三成分を含む)共重合物、エチレンまたはプロ
ピレンと他のQ−オレフインやビニル単量体等の共重合
物、特定の不飽和酸やビニルシラン等をグラフトしたポ
リオレフィン、塩素化またはクロロスルフオン化ポリオ
レフィン等、種々の単独重合物、共重合物、変性物、あ
るいはそれらの混合物等を含むオレフィン系樹脂、ポリ
アミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)や
ポリブチレンテレフタレート(PBT)等で代表される
ポリエステル、ゴム状重合体(多くの場合スチレンでグ
ラフト化されたジエンラバーサブストレート)を高濃度
に含有するポリスチレンまたはゴム状重合体とスチレン
および他のコモノマーから得られる多元重合体等のゴム
変性スチレン系樹脂、ノルボルネン系樹脂(あるいはノ
ルボルネン誘導体含有樹脂)、ポリウレタン樹脂、ポリ
アリーレンオキサイド樹脂、ポリアルキレンオキサイド
樹脂(好ましい例は米国セラニーズ社の「セルコン」で
代表されるアセタールコポリマ−)、繊維素系樹脂、塩
化ピニル系樹脂等を挙げることが出来る。これらの樹脂
は各単独で使用してもよいが、二種以上を併用すること
により好ましい結果の得られることが多い。
また、これらの樹脂に上記以外の成形用樹脂あるいは非
成形用樹脂、例えば加工性改良用として市販されている
低融点樹脂等を一部併用しても、もちろん支障ない。
しかし一般に成形用樹脂が少なくとも70%、出来れば
80%(重量)以上を占ることが望ましい。上記例示の
樹脂中、本発明の実施に特に好適なのは、充填剤包容力
および広い意味での成形性等から、ポリオレフイン、ポ
リアミド、ポリエステル、ポリウレタン、および可塑化
された塩化ビニル系樹脂等を主体とするものであるが、
更に経済性等を考慮すると、オレフィン系樹脂が最適と
考えられる。
就中、結晶性ポリエチレンまたはポリプロピレンを主体
(重量で75%以上)とする樹脂において、本発明の効
果が最も顕著に発揮されることが判明した。次に、第二
の原料として上に言及したフレークまたは粒状物Pは、
それ自体新規なものではなく、例えば前述の無機充填剤
のマスターバッチとか粒状充填剤として実用化されてい
る粒状物Qを本発明法に適合するように特殊化したもの
である。
その製法の基本は、粉末状充填剤(記号Cで表わす)と
比較的少量の熱可鰻控樹脂(記号Bで表わす)を必須の
出発原料として、熔融混練の手段によりフレークまたは
粒状物(ベレットであることもできる)とし得ることで
あり、このようにして得られるPは、樹脂分Bの充分に
含浸された充填剤Cを高濃度に含有するものである。
特に本発明におけるPの製法に係わる要件は、【11
熱可塑性樹脂Bが(本発明法により得られる最終成形材
料の成形温度付近の任意の指定温度で比較した場合に)
前記の第一の原料たる熱可塑性樹脂Aに比し「同等以上
の熔融流動指数(ASTMD1238に準拠)を示す」
こと、換言すれば、「同等以下の熔融粘度(上記熔融流
動指数測定器または他のフローテスターによる流動度か
ら周知の方法で算出され、一般には流動度に反比例する
数値として得られる)を示す」こと、{2} 樹脂Bと
充填剤Cの配合比が「容量」で0.15乃至2.0の範
囲内にあること、{31 得られるPがフレーク乃至粒
状であること「のニつである。
要件【1〕が充されない場合には、CのBによる含浸性
が悪く、かつ造粒が困難であり、またそのようなPは(
仮に粒状で得られたとしても)流動性に乏しく、前記A
や後に説明する充填剤Dとの均一な熔融混合が達成され
得ない。
要件{2)に関しては、BとCの容量による配合比b/
cが0.15より小さいと上記要件‘1}の充ごれない
場合と同様の現象が起こり、逆にb/cが2.0より大
きくなると経済的不利を生じる、と云うのはb/cの値
が2.0を越えて増加しても(本発明法による)最終の
成形材料の品質はもはやそれほど大きな影響は受けず、
該成形材料中に占めるB(Aに比し熔融混糠の数が1回
多く、従って高価である)の割合が徒に増加するからで
ある。
かくしてb/cは上記の範囲内にある必要があり、特に
0.25〜1であることが望ましい。最後に要件(釧ま
本法により得られるPの形状に関するものであるが、こ
の形状は、CのBによる含浸の程度を表わす重要な目安
となるもので、実験結果の示す処に依れば、それが好ま
しくは粒状、少なく共フレーク状程度である場合は良い
が、ばご‘よさした粉末に近いもの等では、結局本発明
の意図する効果が得られず、例えば外観の良くない成形
物しか提供し得ない成形材料の出来上がる原因になるの
である。
以下、この「第2の原料」に関し更に細部を説明する。
まず、熱可塑性樹脂Bについては、上述の通り、前記A
と同等以下の熔融粘度を示す(従って特別な場合として
B‘まAと同一物でもあり得る)ものを使用し得るが、
好ましくはAに比し熔融粘度がかなり低い、例えば2分
の1乃至数分の1のもの、時として一桁低い場合でさえ
、良好な結果が得られる。すなわち、一般に非常に流動
性の良好な樹脂がこれに該当する。
具体例としては、低分子量のポリプロピレン、エチレン
を比較的多く含むプロピレン主体の共重合物、ブロピレ
ンその他のQ−オレフィンを含むエチレン主体の共重合
物、比較的分子量の低いポリエチレン、酢酸ビニル5乃
至40%のエチレン−酢酸ビニル共重合物(EVA)等
高流動性(易加工性)のオレフィン系重合体、ポリアミ
ドその他前記例示の熱可塑性樹脂Aの各々において選定
される高流動性タイプの成形用樹脂等を使用することが
出来る。特にB‘こおいては、成形用としては必ずしも
適当でない樹脂を、例えば成形用樹脂に可成り多量に、
場合によっては40%(重量)あるいはそれ以上に混合
すると云った形で有効に使用出来る点で、Aとは若干異
なった特徴を有する。
そのような樹脂の例としては、超低分子量重合体(ポリ
エチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ピニル等)、クマロ
ンーィンデン樹脂、石油樹脂、非結晶性ポリオレフイン
(アタクテイツクポリプロピレン等)、ゴム分の多い各
種グラフトマ−、ジェン系ェラストマー、低分子量ポリ
オレフィンの塩素化物およびクロロスルフオン化物、低
分子量ポリウレタン及びポリエステル等を挙げることが
出来るが、これらに限定されるものではない。なお樹脂
Bは臨界的ではないが、Aとの相溶性を有することが好
ましく、場合によってはそれが結果に重大な影響を及ぼ
すこともある。
また充填剤との相互作用等についても、考慮を必要とす
る場合がある。これらの点に就いては、いわば業界にお
ける常識的事項であり、暗黙理に了解されるべき条件と
云ってよいであろう。若しAとしてオレフィン系の樹脂
を使用する場合には、上言己の理由および経済的理由か
ら、Bとしても同系の樹脂を使用するのが最良であるこ
とは明白である。
次に、粉末状充填剤Cとしては、不融または簸融のプラ
スチック粉末、精製セルロース粉末、穀粉、太粉等の有
機充填剤および酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム
、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウ
ム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、硫酸バリウム
、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、タルク、
マイカ、アスベスト粉末、カーボンブラック、ガラス粉
末、酸化チン、酸化鉄、酸化鉛、アルミナ、酸化亜鉛、
ホゥ酸亜鉛、三酸化アンチモニー、ポリ燐酸アンモニウ
ム、カオリン、クレー、ケィ砂粉、ケィソゥ土等の粉末
から成る無機充填剤を例示することが出来るが、これら
以外にも公知のもの、市販のものを全て自由に使用する
ことが出来る。
しかし価格、性能(例えば扱い易さ、樹脂中における分
散性、耐熱性、難燃性付与能力、成形物の強度あるいは
電気特性等に及ぼす影響、樹脂の劣化に及ぼす影響等)
の面から、マグネシウム、カルシウム、およびアルミニ
ウムの酸化物、水酸化物、硫酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩、
およびこれらの水和物あるいはこれらの化合物に基〈複
塩等を主成分とする粉末状無機充填剤の使用が好ましい
それらに較べると他のものは実用的価値が低いと云える
なお、前記例示したものは、一部を除き上記の好ましい
種類の群に含まれる(例えばタルクはケイ酸マグネシウ
ムの水和物であり、ケィソウ士は少量のケイ酸アルミニ
ウム等を含む無水ケイ酸を主成分とするものである)。
充填剤の二種以上の併用はもちろん支障ない。なお、充
填剤Cにおいては、後に説明する充填剤Dについても全
く同じことが云えるが、前記「表面処理」をほどこした
ものおよびほどこさないものの両方が本発明において使
用の対象になる。実験結果によると、この表面処理の効
果は意外に大きく、本発明方法に依る最終配合物、即ち
基本原料A、PおよびDの混合物を更に溶融混線してべ
レット状の成形材料とした場合でも、この成形材料の品
質にはなお充填剤Cおよび/またはDの表面処理の効果
がかなりはっきりと反映される。つまり、充填剤Cおよ
びDとしては、表面処理をほどこしたものが本発明にと
って好ましいものと云える。
特に、この表面処理によって成形材料の流動性が顕著に
改良される。以上に述べた如く、粒状物Pは熱可塑性樹
脂Bと粉末充填剤Cから基本的に構成されるものである
が、この両者以外に第三の成分として何等かの改質用添
加剤を混合することは、それらが何ら不都合な結果を惹
起しない限り、またそのような安全性を保証する量的限
度内の添加にとどめられる限り、何らの制約をも受ける
理由がない。
その添加の許容量は添加物の種類、樹脂の種類その他に
依存し、かつ一般には臨界的でない。因に此所に謂う添
加剤とは、普通好ましくは可塑剤または可塑剤的な効果
を有する重合物、たとえば液状のEVAまたはポリブタ
ジェン、ポリエステル、ポリェ−テル、更にはェポキシ
ド等であり、必要に応じて劣化防止剤、熱安定剤、紫外
線吸収剤、重金属妻防止剤、透明性改良剤、分散剤や結
晶核剤等の物性改良剤、帯電防止剤、防虫または防轍剤
、難燃剤、糟剤、顔料等を適宜添加することが出来る。
これらの中、可塑剤または可塑剤的な効果を示し得るも
のは比較的多量に添加され得るが、その場合でも高々樹
脂Bの15〜2山重量%が実質的限度と考えられる。そ
れ以上の添加量は終局的に得られる成形物の強度、軟化
温度等に悪影響を及ぼすからである。次に、以上の素原
料から目的とする前記Pなる原料を得るための熔融混練
装置としては、押出機その他従来公知の種々の装置を使
用することが出来るが、強力なニーダーや回転ブレード
式混練機(例えば川田製作所製KCK連続混練機)等が
より理想的である。
最後に、第三の原料である粉末状充填剤Dに関しては、
前記Cと同様のものが全て対象になる。
CとDは基本的には同じものであってもよいし、また互
いに異つたものであってもよいのであるがその点に関し
更に詳細に検討した結果、次のようなことが見出された
。すなわち、粉末状充填剤Cに比しDの方がより紬粒で
あって、両者の粒子サイズ平均直径比が少なくとも2、
より好ましくは3以上であるときに、それらを用いて得
られる成形材料の性能はCとDが同粒径の場合に比し明
らかに良好であると云うこと、即ち成形時の流動性が良
く、得られる成形物は改善された表面光沢とより少ない
フローマークおよび優れた物性値を示すことがわかった
特にアィゾット衝撃強さにおいて差がはっきりと認めら
れる。粒蓬比が逆の場合、つまりCの方がDよりも紬粒
である場合には、上記の如き性能上の有意性は認められ
ない。ではCよりも○が紬粒であるときに何故良い結果
が得られるかと云うと、今の所確証は無いが、やや粗粒
の充填剤Cが予備造粒(前記粒状物Pの製造)の段階で
樹脂Bによる含浸と脱気が行なわれ、次に再び他の成分
と共に熔融混練されて成形材料または成形品に加工され
る過程で、上記の含浸および脱気の効果と、−更にCが
Dほど細粒でない為にそれを含む粒状物Pの熔融粘度が
比較的低く保たれる等の効果が相俊つて、上述の如き性
能向上の効果を奏するものと考えられる。
また、粉末状で添加する充填剤Dが紬粒であると樹脂の
含浸性が比較的良く、それが後に成形物の表層に浮き出
ても外観を大きく損じるような作用を示さないと思われ
るが、このこともCよりもDが紬粒である時に良い結果
の得られる一因になっているのではないかと推定される
衝撃強さの向上については、上記の諸効果の他にCとD
の粒蓬の違いが、衝撃エネルギーの吸収に関与している
のではないかと思われる。
以上に述べた如き特異な現象は、いずれにしてもCとD
の粒蓬比が2以下の場合には認められないが、それは後
の実施例からも伺われるであろう。
実用上、CとDの粒隆比は3乃至10が理想的と思われ
る。さて、既に述べたように、本発明は以上の三種の主
原料を特定限度内の量比で配合することを最も大きな特
徴とするものであるが、次にその根拠および基本的な考
え方を説明する。
粉末状充填剤を多量に加えた成形材料を用いて大形また
は複雑な形状の成形物を得ようとする場合に起こる前記
の各種不良現象を低減する方法として、粉末充填剤をそ
のま)用いずに一旦樹脂舎浸粒状物(前記Q)に造粒し
て成形用熱可塑性樹脂に配合することがきわめて有効な
手段であることは前に述べた。
我々の粒状物Pを用いる時には少なく共それと同等の効
果が得られる。今、熱可塑性樹脂Aと粒状物Pから成る
二元混合物におけるPの一部を粉末状充填剤Dで置換し
て三元混合物とするとき、上記Pに対する○の割合の増
加につれて該三元混合物の成形材料としての性能品質は
当然少しずつ悪くなるが、Dの量のある限度内では、P
に対するDの割合の増加による該三元混合物の性能品質
の低下は予想外に僅少であり、その製造コストのみが安
価なDの配合比率に比例して低下すると云う好都合な事
実が発見され、本発明の足がかりとなった。
即ち本発明はその出発点から成形材料における品質とコ
ス.ト則ち経済性の両立を中心課題とし、またそれを目
的として完成を遂げたものである。
本発明が多元成形材料の製法に関する以上、上記目的を
実現する為には当然該成形材料を構成する各原料間にお
ける好ましい量的関係を見出すべく大きな努力が必要で
あった。本発明者等は多数の実験によって上記三元成形
材料における品質と経済性の両立を保証する条件を追求
し、その必要条件が一般別に準じた形で表現され得るこ
とを見出した。
即ち本発明による成形材料の構成要素A、B、C、Dの
容積換算配合量を夫々a「 b、cおよびdとするとき
、充分な成形性と経済性を満足する配合条件は、下記の
連立不等式の定める範囲内において求められることが見
出された。
なお、a、b、c、dはいずれも零より大きいものとす
る。肌8≦(C+d)/(a十b)≦1.o(1)o.
3≦(b+c)/(c十d)≦1.2 (0)上式(
1)は、充填剤総量と熱可塑樹脂総量の比の上限と下限
を表わす。上記の比の下限が0.08と云うのは、充填
剤の総量がそれ以下では充填剤使用によるコスト上の利
点及び得られる成形物の寸法精度その他における利点が
殆んどなくなることに依る。また、上限については、上
記の比が1を超えるような高充填配合の成形材料では、
成形上および成形物の物性上の問題が多く、殊に本発明
の目的とする大形または複雑な形状の成形物製造に適し
た良好な成形性を有する成形材料をそのような高充填配
合によって得ることは至難である。かくして式(1)で
表わされる範囲の充填剤量が本発明の対象となる。次に
式(ロ)は、粒状物Pの量に実質的に等しい(c+d)
と粉末充填剤の全量(c+d)の比(b+c)/(c十
d)=F(と置く)が本発明による成形材料の性能また
は品質と強い相関関係を有すると云う事実、即ち一定の
充填剤水準(c+dが一定)において、上記品質はFの
増加と共に向上すると云う事実に鑑み導入されたもので
ある。
例えば(c+d)文でなくc/dも一定とした場合、粒
状物Pの樹脂分を多くする(b/cを大きくする)とF
値が大きくなるが、一方最終成形材料の品質も実際に良
くなり、上記の相関関係の云う所と一致する。このよう
な事実の根底には、粒状物Pが粉末状充填剤Dに比し成
形時および成形物の内部にあってはるかに好ましい挙動
を示すと云うことが原因として潜んでいると考えられる
充填剤量(c十d)が式(1)で規制される範囲内にあ
って一定値をとると云う条件の下で、そして特に(c+
d)が高い水準に保たれている場合においては、粒状物
Pの相対的量が非常に少くなってFが0.3以下になる
と、成形性および得られる成形物の品質の点で我々の意
図する限度から外れ、加えわざわざ三種の原料を使用す
る煩雑さおよび管理面の費用の発生による不利益を蒙る
ので好ましくない。
逆にPの量が相対的に多くなってFが1.2以上になる
と、得られる成形材料の品質はもはやPの相対量によっ
てはあまり影響されず、原料費のみがPの相対量の増加
に伴って比例的に増加することになり、結局経済的に好
ましくない。かくして本発明の目的を達成するためには
、原料A、P、Dの配合割合が前記式(1)および(ロ
)を満足するように決定される必要がある。より好まし
い配合割合は、式(1)および式(ロ)の範囲を夫々0
.15〜0.8および0.45〜0.8と置いて求めら
れる。
なお、以上の説明の中では、配合割合に関しては全て当
業界において慣用の「重量表示」でなく「容量表示」に
依った。
これは充填剤入り成形材料の成形性およびそれから得ら
れる成形物の物性等が充填剤の容積分率に依存するから
である(もちろんその他に充填剤の形状、表面特性等が
影響を及ぼすが、それらは一般に充填剤配合量に対し副
次的な効果として取扱われる)詳しくは関連文献、例え
ばローレンス・ィー・ニールセン著「メカニカルプロバ
テイーズオブポリマーズアンドコンポジッッ」(197
5年米国マルセルデッカー社版)等に解説されているの
で参照されたい。此所では下記の若干の指摘にとどめる
。熱可塑性樹脂用として一般に用いられる充填剤として
は(特に増量等の目的で大量に配合されるものとしては
)、クレー、タルク、炭酸カルシウム、水酸化マグネシ
ウム等ごく限られた種類のものであるが、これらは比重
(より正確には真比重)が2.3〜2.7と比較的似通
っている。従って充填剤の種類をこれらに限ってしまえ
ば、その配合量(部数)を重量で表わして成形物の物性
等との関係を論じても大きな矛盾を生じることはない。
ところが本発明の如く、比重が1に近い有機充填剤およ
び金属酸化物のように比重が3〜6と云った重い無機充
填剤等を全て対象とする場合には、重量表示では統一的
説明が不可能であって、容量表示法を用いることが必要
なのである。
実用的観点からすれば重量表示法がより重要であって、
殆んど全ての場合に実際の配合操作は重量に基いて行な
われる。従って本発明法のように容量表示を基準とする
場合には各成分毎に容量から重量への換算、即ち例えば
各成分の容量による配合部数に夫々の比重(樹脂の場合
には均一な固体に成形した時の比重、粉末状充填剤の場
合にはその真比重)を剰じて重量による配合部数を求め
る必要がある。重量から容量への換算はその逆の計算に
より行なわれる。これらの換算は配合決定時に一回だけ
行なえば済むものであって、量産時に煩雑さ等の不便さ
は全くない。次に本発明の実施要領であるが、以上にお
いて詳述した原料および配合法にしたがい、通常のブレ
ンダー、ミキサー等を用いて各原料(前記A、P、Dそ
の他必要な成分)を均一に混合して成形材料とする方法
が一つ、更に今一つの方法として上記の単に混合した丈
の成形材料を押出機、ロールミル、コニーダーその他の
慣用の装置によりもう一度熔融混練してべレットにする
方法があり、更に上記二方法の中間的なやり方として、
例えばへンシエルミキサー〜バンバリーミキサー、グラ
ッシュミキサー等の品名で販売されている装置で半熔融
させて粉粒体あるいは粒状物として得る方法等もあるが
、いずれにおいても本発明の効果は充分に発揮される。
即ち本発明による成形材料と従来のそれとを比較すると
、両者の形態(混合した丈のものかあるし、はべレット
状であるか等の区分)が同じ場合には、常に本発明によ
るものの方が品質、経済両面の綜合判断、即ちコストバ
フオーマンス(性能対価格比)の視点からとらえると確
実に優位に立つのである。たとえば充填剤として粒状物
Pの類のもののみを使用した成形材料(従来法1)と比
較すると、本発明によるものは性能的に殆んど差がない
にもか)わらずより安価である。またPを使用せず充填
剤の全量を粉末状で加えたもの(従来法2)と比較する
と、幾分高価ではあるが性能面で大中に優れている。こ
の本発明の優位性は成形材料の各形態毎に指摘される(
前述)ので、それら各形態の成形材料を得る各製法はい
ずれも本発明の実施態様として、最終の目的あるいは設
備等における事情に照らして選択採用される。
例えば大形または特に複雑な形状の成形物等において特
にその品質(外観、物性等)が重要視される場合には本
発明法に従って配合後吏に押出機等により熔融漉練して
べレット状にした成形材料を使用する必要があるし、単
純な形状の成形物の生産またはコスト面の制約が特に厳
しく、しかもある程度の品質の成形物が要望される場合
には、混合しただけの成形材料が選択されるのである。
本発明によれば特に高価な装置を用いなくても普通の押
出機等でべレツト化しまた普通一般の成形機で成形する
と云うやり方で高品質の成形物が得られるが、この特徴
は本発明の価値、特に経済的利点を一層高めるものであ
る。
以下参考例、実施例を示すが、それらのデータ‐表にお
ける各原料の配合量のみ全て重量による値(重量部数ま
たは重量%)である。
参考例 (谷原料の調製) 表1に示す各種粉末状充填剤を準備した。
但し、「表面処理」は未処理の充填剤10k9と同表に
示す量の処理剤を20ク容量のスーパーミキサーOil
田製作所製)に投じ、加熱下に5分間鷹拝して行なつた
。表1 注)表面処理剤量の「努」は被処理充填剤に対する「重
量百分率」を表わす。
また、表2に示す各種熱可塑性樹脂を準備した。
各樹脂の流動性は同表に示す熔融粘度値〔島津製作所製
高化式フローテスターによる。1側J×5側のノズルを
使用。
見掛け勢断速度10$ec‐1における見掛け熔融粘度
を求めCGS単位(夕/弧‐sec.即ちポィズ)で表
示〕によって代表される。表2 注)(1)多は全て重量による。
(2)A−6,A−9,A−10,A−11はパゥタリ
−、A一8はピートー 他は全てべレット状。
以上の充填剤および熱可塑性樹脂その他を表3に示す通
りに混合し、前述のKCK連続鹿練機(スクリューゥオ
ーム径65側)にてべレット化し「粒状物P」を製造し
た。
P−4以外は全て本発明で対象とされる範囲内のb/c
値を有する。べースレジンとしてはP−11のみナイロ
ン(商標)単独であるが、他は全て高流動性樹脂を含む
ポリブレンドであることに注意すべきである。なお表中
のS−1、S−2は熱安定剤である。
表3注)、S−1:ジブチル錫マレェート系液状安定剤
(共同薬品「KS−68」)S−2:オクタデンルージ
ー3−(3.5ージ−t−ブチルー4ーヒドロキシフエ
ニル)プロピオネート(チバ・ガイギー「イルガノツク
ス1076」)実施例 1 A成分、P成分の各々を構成する樹脂、すなわち熱可塑
性樹脂AおよびBの熔融粘度(流動度)の果たす役割に
関する検討結果の一例を此所に示す。
A成分としてポリプロピレン樹脂べレット、P成分とし
て炭酸カルシウム含有(80重量%)ポリオレフィン系
樹脂粒状物、D成分として炭酸カルシウムの粉末を用い
、容量100そのスーパミキサーで5分間損梓混合し(
合計仕込量50X9)、バレル径100側の単軸押出機
(ベント式、L/D=26)によりバレル設定温度18
0〜20000で混練し、べレツト化して表4に示す数
種の成形材料を得た。
これらの成形材料は次の共通の配合特性値を有する。即
ち、b/c=0.7、(c+d)ノ(a+b)=0.2
3、(b+c)/(c十d)=0.68であり、全て本
発明で要請される条件を撤している。
次に上言己の各成形材料につき、スクリューインラィン
式射出成形機(三菱ナトコ製85佃XL−18里型、型
締力800トン、容量185オンス)でシリンダー温度
200〜225qC、射出圧70〜80M円a成形サイ
クル69秒で台所家具底プレート(縦横各500側周囲
立上り高さ3仇肋、肉厚2.5側)を表面からの4点ピ
ンゲート方式で成形し、下記方法によりその品質の評価
を行なった。
(1} 表面状態または外観:フローマーク、ストリー
ク等の出方に従ってA(良)、B、C、D(不良)の7
段階に分ける。
一応B以上であればその成形物は実用上使用して問題な
いと判断される。‘21 表面光沢:JISZ8741
により測定、東洋精機製グロスメーターにて入射光角6
0oの反射率を求める。
三点測定の平均で表示(単位%){3} 衝撃強さ:A
STMD256によるアィゾット(ノッチ入り)衝撃強
さ、単位k9‐抑/肌ーノッチ中、試験片は製品から切
削加工により製作。
(以上の評価基準及び試験法を以後の実施例の全てに適
用する。)表4には、熱可塑性樹脂BとAのそれぞれの
熔融粘度の比りB/りAが小さい場合には成形物の外観
、物性共に良好であるが、りB/りAが1以上になると
特に外観が悪くなることが示されている。
これは両樹脂の熔融粘度、換言すれば熔融流動指数(例
えばASTMD1238による)が本発明の効果を左右
する重要な因子であることを示すものである。表4 注)、熔融粘度:単位103 ポィズ(高化式フローテ
スター、ノズル1側の×5肌、1 90℃、1 00S
ec‐1 )A−15:(A−2)/(A−8)/(A
−10)=2:1:1のポリフレンド(均質べレット)
実施例 2此所では、粒状物Pを構成する樹脂と充填剤
の比率b/cの作用に就いて検討した結果を示す。
実施例1と同様の方法で表5に示す5種類の成形材料(
ベレット)を調製し、同じく実施例1の方法で同じ底プ
レートを成形し、そしてその外観、物性を評価した。該
5種類の成形材料の素原料の種類と量は全て同じであり
、それは比較例0の配合によって示される。
表5に見られるように、b/c値の大なるほど成形物の
外観、物性は良好になるが、例えば本発明法のmと比較
例の1を対比すると、殆んど差が認められない。
即ち、b/cが2以上になることは品質面から見てもあ
まり意味がなく、単にコストが増加する丈である。即ち
、本例はb/cが2以上になることは好ましくないと云
うことを示す。比較例ローま粒状物Pを用いず粉末状充
填剤のみを使用した従来型処方の場合であるが、これは
本発明法の1(b/c=0.31)と比較してもはるか
に悪い結果しか与えていない。従来法と本発明法の差が
此所に顕れていると思われる。表5 実施例 3 基本三原料A、P、Dの配合比率に関する検討結果の代
表例を此所に示す。
検討手法は実施例1及び2の場合と全く同様である。配
合処方および評価結果を表6に総括するが、この一連の
実験において充填剤量は実施例1および2と同じく約4
0重量%、即ち(c十d)/(a十b)≠0.23であ
り、樹脂AおよびBはいずれもオレフィン系である。′
もともと本発明が成形材料における性能対価格比を高
めることに目標を導いていることに鑑み、此所で価格を
代表する「コストフィクター」なる数量を導入して上記
性能対価格比の評価を併せ行なうことを試みた。
此所にコストファクターとしては、現時点における実際
の製造コストを勘案して次の如く定義する。すなわち、 熱可塑性樹脂A: 100/10の重量部粒状物P:
40/10の重量部 粉末状充填剤: 15/10の重量部 と置いてこれらの合計で表示する。
表6には、Pの配合割合を示す(b十c)/(c+d)
の値が0.20(比較例の0)と0.34(本発明法の
1)とではコストがそれほど違わないにもかかわらず成
形材料の性能にはかなり大きな差のあることが示されて
いる。
また、本発明法のmと比較例のmを比較すると、後者が
徒に高価な配合であると云える。
すなわち(b+c)/(c十d)の値が本発明の要請す
る0.3〜1.2なる範囲に入らないものは実用的価値
が少ないことを上記の結果は示している。本発明法のロ
あたりが本発明における代表的配合であり、実用的価値
が非常に高いと判断される。表6 実施例 4 充填剤の粒子サイズの吟味および充填剤の表面処理の効
果に関する検討を行なう為に、粒子サイズの種々異なっ
た炭酸カルシウム粉末(D成分)とそれらを含有するポ
リオレフィン系粒状物(P成分)を用意し、表7に示す
配合の成形材料(先行実施例と同様の方法によるべレッ
ト)を製造し、前記台所家具部品を同じ方法で成形し、
そしてその仕上り状態と物性の評価を行なった。
表7の結果から下記の知見が得られる:{1} P成分
に含有される充填剤Cと粉末状充填剤Dのそれぞれの平
均粒径の比?c/0。
が2以上になると外観の良好な成形物が得られる。■
ぐc/で。
が1.92.0 5と大きくなるにつれ成形物の衝撃強
サが増加する。従って?c/?。は2以上と云うよりも
3以上であることが望ましい。又表7のデータ一から、
充填剤の表面処理が成形材料の流動性と成形物の外観、
物性五こ大きく寄与することがわかる。
特にD成分として用いられる充填剤においては、表面処
理の効果が非常に大きいことがわかる。なお充填剤の平
均粒径は島津製作所製全自動粒度測定器で測定した。
表7 注)D−4は未表面処理炭酸カルソゥム、P−7はそれ
を使用した粒状物実施例 5本発明の応用の好例として
ポリプロピレン系難燃性組成物の製法を取り上げて説明
する。
上記樹脂の雛燃化についてはこれまでに多くの方法が提
案されているが、その中の代表的なものの一つに、水酸
化アルミニウムおよび/または水酸化マグネシウム、水
酸化マグネシウムとケイ酸マグネシウムの複合化合物、
更に場合によってはこれらと有機または無機の難燃化助
剤を該樹脂に配合する方法がある。
この方法はいわゆる無公害樹脂の製法として近時注目を
浴びている。しかしこの方法においては、例えば該金属
水酸化物と熱可塑性樹脂の低親和性、成形温度条件下で
の水分子の放出と吸着現象、特に水酸化マグネシウムに
おける粒子形状、縞比重等がいずれも樹脂への分散不良
、粒子の凝集、析出等を助長するように作用することに
よる成形時の問題が大きく、それを経済的に有利に解決
する方策は未だ見出されていない。しかるに今此所に本
発明がか)る問題点を解決する為の有効な手段たり得る
ことが判明した。
表−8の結果は125オンス射出成形機(三菱−ナトコ
60庇XL−125)で得た14インチカラーテレビの
バックカバーについて得たものであるが、本発明の効果
がよく示されている。(比較例の0が経済的理由から本
発明の外に置かれることはこれまでの実施例におけるの
と同じである。)表8実施例 6 A既‐ポリ塩化ビニル(PVC)ブレンドを基礎とする
難燃性組成物の製造への本発明の応用例を示す。
押出機を用いバレル温度160〜185qoで得たべレ
ットを60『Cで4時間送風乾器中で熟成し、125オ
ンス射出成形機(三菱ナトコ60皿XL−125)で1
4インチカラーテレビ本体(キャビネット)を成形した
この時成形温度は180〜19500、射出圧約110
MPa、金型はスピア方式でキヤビテイ一面温度は50
〜60oo、成形のサイクルタイムは7現砂であつた。
結果を表9に示す。同表の比較例の1は従来法の一例で
あって、表面に金属石けんをコーティングした酸化アン
チモンを使用することを特徴とする特開昭51一730
47号公報記載の方法と基本的に同じものであるが、本
発明法によるものはそれよりも外観上はるかに優れた成
品を与えることがわかる。
なお、加熱負荷変形温度は上記成形物から切り出して作
った厚さ2.7肋の試験片につき、ASTMD648に
基いて測定した。
表9 注) L×−6 :含錫高級粕旨肪酸部分ェステル系
滑剤兼熱安定剤(白色粒状,共同薬品社製)ZS一67
A:ジブチル錫マレェート系熱安定剤(白色粉末,ァデ
ヵアーガス社製)実施例 7 65柳押出機で造った木粉/ポリアミド系および炭酸カ
ルシウム/ァセタールコポリマー系複合材料べレットを
用いて20オンス射出成形機(三菱重工350MVXL
−20)により厨房家具用ひきだしレール(略コの字形
で長さ430側、一金型二本取り)を成形した。
ナイ。
ン系およびアセタールコポリマー系のそれぞれに対し、
成形温度は230〜250℃および170〜190℃で
あり、その前工程であるべレット化の押出温度は上記温
度より10〜15二0程度低いものであった。又、射出
成形前に実施例6におけると同程度のべレット乾燥を実
施した。結果を表10に総括して示す。
第10表 注) P−10,P−15の比重は夫々1.08,2.
27実施例 8下記配合すなわち A−9〔塩化ビニル樹脂m〕 9碇都(重量)A−
6〔塩素化ポリエチレン〕 5カネェースB−12〔
補強用樹脂〕※15P−10〔D−1(CaCO.ぷ分
末)含有粒状物〕15D−3〔CaC03粉末〕
12.5三塩基性亜硫酸鉛〔安定剤〕 2AC
−船ポリエチレン〔滑剤〕 1 ステアリン酸鉛〔安定剤兼滑剤〕1.3 二酸化チタニウム系着色剤 0.8 〔11カネェースB−12:鐘淵化学社製、メチルメタ
クリレートースチレンーブタジェン三元共重合体と推定
される。
〕から成る粉末状試料を用い、65柳単藤押出機(L/
D=27、ベント式)で底辺11仇奴、高さ80肋、肉
厚1.4肋の養鶏樋を毎分約1.2メートルの速度で押
出した(スクリュー速度31〜3公pm、バレル温度1
50〜180oo、ダィ温度185qo)ところ若干の
肌荒れや銀条は認められたものの、商品として充分採用
し得る品質の製品が得られた。
これに対し粒状物P−10を使用せずにP−10の素原
料を個々に添加した成形材料から得られた成形物は表面
状態が非常に悪く、商品として採用出来るようなもので
はなかった。
この結果は、本発明による成形材料がべレットでなく単
に混合した丈の形態のものであっても、従来法による成
形材料に比いまるかに良好な成形物を与えることを示す
ものであり、特に単軸の普通の押出機を用いてそれが可
能であることは驚くべきことである。
以上の実施例からも明らかなように本発明によれば熱可
塑性樹脂の成形において、射出成形や押出成形やその他
の一般的な成形を行った際にその表面光沢が良好でしか
も均一でフローマーク等が少なく、さらに物性面でも安
定した成形物が得られるものとなるのである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記材料すなわち A:熱可塑性樹脂 P:上記Aに比し同等以上の溶融流動指数を有する熱可
    塑性樹脂Bと粉末状充填剤Cを容量比0.15乃至2.
    0の範囲で熔融混練して得られるフレーク若しくは粒状
    物。 D:粉末状充填剤、但しこれは上記Cと同じ物であつて
    もよく、また異なつていてもよい。 の三者A、P、Dを主原料として連立不等式0.08≦
    (c+d)/(a+b)≦1.0(I)0.3≦(b+
    c)/(c/d)≦1.2(II)(式中、a、b、cお
    よびdは夫々上記A、B、CおよびDの容量基準配合量
    を表わし、a〜dはいずれも零より大きい)を満足する
    ように配合したことを特徴とする熱可塑性樹脂成形材料
    。 2 熱可塑性樹脂Aがオレフイン系樹脂であることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項記載の熱可塑性樹脂成形
    材料。 3 熱可塑性樹脂AおよびBがいずれもオレフイン系樹
    脂であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    熱可塑性樹脂成形材料。 4 粉末状充填剤CおよびDがいずれもマグネシウム、
    カルシウム、およびアルミニウムの酸化物、水酸化物、
    硫酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩、そして以上の水和物および
    複塩から成る群から選ばれた化合物を主成分とする粉末
    状無機充填剤の一種以上から主として成ることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項記載の熱可塑性樹脂成形材料
    。 5 粉末状充填剤Cに比しDの方がより細粒であつて、
    両者の平均粒径比が2以上であることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項記載の熱可塑性樹脂成形材料。 6 粉末状充填剤CとDの平均粒径比が3以上であるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の熱可塑性樹
    脂成形材料。
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