JP3031986B2 - プロピレン樹脂組成物 - Google Patents

プロピレン樹脂組成物

Info

Publication number
JP3031986B2
JP3031986B2 JP2260153A JP26015390A JP3031986B2 JP 3031986 B2 JP3031986 B2 JP 3031986B2 JP 2260153 A JP2260153 A JP 2260153A JP 26015390 A JP26015390 A JP 26015390A JP 3031986 B2 JP3031986 B2 JP 3031986B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
propylene
component
ethylene
block copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2260153A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04139252A (ja
Inventor
好洋 傍島
剛 今村
秀雄 桜井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2260153A priority Critical patent/JP3031986B2/ja
Publication of JPH04139252A publication Critical patent/JPH04139252A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3031986B2 publication Critical patent/JP3031986B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の背景〕 <産業上の利用分野> 本発明は、高度な機械的強度バランス、良好な成形品
外観及び成形性を備えた成形用ポリプロピレン系樹脂組
成物に関するものである。
<従来の技術> 従来、工業部品分野に於ける各種成形品、例えばテレ
ビケース、VTRケース、洗濯機カバー等の家電製品の各
種部品、グローブボックス等の自動車部品、ステレオケ
ース等の音響製品部品用素材としては、タルク、各種ウ
ィスカー等のフィラーや各種ゴム成分を複合化して強化
したポリプロピレン系樹脂組成物が、その優れた機械的
強度、成形性及び経済性を備えているとの特徴を活かし
て多量に実用に供されている。
<発明が解決しようとする課題> しかし、近年上記各種部品の高機能化や大型化に伴っ
て、要求される高水準の機械的強度バランス、美麗な外
観及び良好な成形性に満足できるような結果が得られ
ず、実用に供する素材を提供するのが困難であった。
すなわち、剛性(耐熱性)と衝撃強度の機械的強度バ
ランスが低水準であったり、射出成形した場合にはフロ
ーマーク(波形状流れ模様)が発生したり、低光沢とな
って成形品の外観的価値が低下したり、或いは、その成
形性が低水準である為に、上記各種成形品のデザイン的
な自由度や生産性の向上を阻む場合が多かった。
〔発明の概要〕
<要旨> 本発明者等は、上記課題を解決するために、種々の研
究を重ねた結果、特定のプロピレン・エチレンブロック
共重合体、特定のエチレン・プロピレン系共重合体およ
び特定のフィラーから成るプロピレン樹脂組成物が、高
水準の機械的強度バランス、良好な成形品外観及び成形
性を備えていることを見出して本発明を完成するに至っ
た。
すなわち、本発明のプロピレン樹脂組成物は、下記の
(a)〜(c)成分から成ることを特徴とするプロピレ
ン系樹脂組成物に関するものである。
(a) 結晶性ポリプロピレン部分(A成分)とエチレ
ン・プロピレンランダム共重合部分(B成分)とを含有
するMFRが50〜200g/10分の減成処理されていないプロピ
レン・エチレンブロック共重合体であって、前記A成分
はブロック共重合体全体の88〜95重量%を占め、そのMF
Rが70〜300g/10分、密度が0.9080g/cm3以上のものであ
り、B成分はブロック共重合体全体の5〜12重量%を占
め、そのエチレン含量が20〜50重量%のものであるブロ
ック共重合体: 40〜77重量% (b) ムーニー粘度ML1+4(100℃)が70〜95で、か
つ、プロピレン含量が40〜60重量%の非晶性エチレン・
プロピレン系共重合体: 15〜40重量% (c) 比表面積が37,000cm2/g以上、実質的に全体の
長さが15μm以下であって平均粒径が0.8〜2.2μmかつ
平均アスペクト比が5以上のタルク、平均直径が2μm
以下でかつ平均アスペクト比が5以上のほう酸アルミニ
ウムウィスカー、同チタン酸カリウムウィスカー、同硫
酸マグネシウムウィスカー(マグネシウムオキシサルフ
ェートウィスカー)、同炭酸カルシウムウィスカー及び
同炭素繊維から選ばれた少なくとも一種のフィラー: 8〜30重量% <効果> 本発明のプロピレン樹脂組成物は、その組成に特定の
プロピレン・エチレンブロック共重合体、特定のエチレ
ン・プロピレン系共重合体及び特定のフィラーを用いた
ことから、従来の成形用ポリプロピレン系樹脂組成物と
は異なり、高水準の機械的強度バランス、良好な成形品
外観及び成形性を備えていることから、テレビケース、
VTRケース、洗濯機カバー、掃除機ケース等の家電製品
部品、グローブボックス等の内外装自動車部品、ステレ
オケース等の音響製品部品向けの成形用樹脂組成物とし
て優れた適用性を有している。
〔発明の具体的説明〕
〔I〕構成成分 (a)成分:ブロック共重合体 本発明において用いられる上記(a)成分のブロック
共重合体は、結晶性ポリプロピレン部分(A成分)とエ
チレン・プロピレンランダム共重合部分(B成分)を含
有する減成処理されていないプロピレン・エチレンブロ
ック共重合体であって、上記A成分はブロック共重合体
全体の88〜95重量%、好ましくは90〜95重量%を占め、
そのMFRが70〜300g/10分、好ましくは80〜250g/10分、
かつ密度が0.9080g/cm3以上、好ましくは0.9086g/cm3
上のものであり、B成分はブロック共重合体全体の5〜
12重量%、好ましくは5〜10重量%を占め、そのエチレ
ン含量が20〜50重量%、好ましくは25〜45重量%のもの
であり、その上、ブロック共重合体全体のMFRが50〜200
g/10分、好ましくは60〜150g/10分のものである。
ここでエチレン含量の値は赤外スペクトル分析法等に
より測定することができ、またMFRの値はJIS−K7210(2
30℃、2.16kg)に準拠して測定することができる。ま
た、B成分の含量の値は、2gの試料を沸騰キシレン300g
の中に20分間浸漬して溶解させた後、室温まで冷却し、
それによって析出した固相をガラスフィルターで過、
乾燥して求めた固相重量から逆算することにより求めら
れる。
このような(a)成分のプロピレン・エチレンブロッ
ク共重合体は、高立体規則性重合触媒を用いてスラリー
重量、気相重合、あるいは液相塊状重合により製造され
たものである。重合方式はバッチ重合、連続重合どちら
の方式も採用し得る。該プロピレン・エチレンブロック
共重合体を製造するに際しては、最初に結晶性ポリプロ
ピレン部分を重合し、次にエチレン・プロピレンランダ
ム共重合部分を重合するのが品質上好ましい。
前記高立体規則性重合触媒としては、従来、三塩化チ
タン組成物と有機アルミニウム化合物の組合せに有機酸
エステルを添加した触媒系が知られているが、これらの
触媒系を使用したのでは高MFRのブロック共重合体を製
造する際に多量の溶媒可溶副生物が生成するので、上記
(a)成分のプロピレン・エチレンブロック共重合体を
製造するのが困難である。
従って、本発明者らは、鋭意検討した結果、塩化マグ
ネシウムに四塩化チタン、有機酸ハライド及び有機珪素
化合物を接触させて形成された固体触媒成分と有機アル
ミニウム化合物の組合せ触媒(特開昭62−187707号公報
および特開昭62−246906号公報)を用いることにより上
記の問題を解決し、(a)成分のプロピレン・エチレン
ブロック共重合体を製造することが可能となった。
この(a)成分のプロピレン・エチレンブロック共重
合体のMFRは50〜200g/10分であることが必須であり、上
記範囲未満の場合には成形品の外観が劣ったり、成形性
が劣るので不適当である。他方、上記範囲を上回るもの
は成形品の耐衝撃性で劣ったものとなり不適当である。
更に、このブロック共重合体のMFRは、重合条件の変更
のみで上記範囲のMFR値に調整させたものであることが
必要である。例えば予め重合により低MFRのブロック共
重合体を生成させた後、これをジアルキルパーオキサイ
ド等の過酸化物等にて減成処理をし高MFR化して50g/10
分以上としたものは機械的強度バランスや成形品の外観
が劣る。
また、このブロック共重合体のB成分の割合が上記範
囲に満たないものは、成形品とした際に耐衝撃性が劣っ
たものとなり、他方、上記範囲を上回るもの、更には該
ブロック共重合体のA成分の密度が上記範囲に満たない
ものは、成形品の剛性(耐熱性)がそれぞれ不足し不適
当である。このブロック共重合体は、本発明の効果を著
しく損なわない範囲内で他の不飽和単量体(例えばブテ
ン−1等のα−オレフィンや酢酸ビニルの如きビニルエ
ステル、或いはアクリル酸、無水マレイン酸等の不飽和
有機酸又はその誘導体)を含有する三元以上の共重合体
であってもよい。
ここで(a)成分は40〜77重量%、好ましくは45〜72
重量%であり、この範囲未満では成形品外観や成形性が
劣り、また、この範囲を超えると機械的強度バランスが
劣る様になり不適当である。
(b)成分:非晶性エチレン・プロピレン系共重合体 本発明において用いられる上記(b)成分の非晶性エ
チレン・プロピレン系共重合体としては、ムーニー粘度
ML1+4(100℃)が75〜95、プロピレン含量が40〜60重量
%、好ましくは45〜55重量%の非晶性エチレン・プロピ
レン系共重合体、好ましくは非晶性エチレン・プロピレ
ン二元共重合体(EPM)又は非晶性エチレン・プロピレ
ン・ジエン三元重合体(EPDM)を挙げることができる。
該非晶性エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体
(EPDM)の場合は、沃素価が20以下、好ましくは18以下
のものであることが好ましい。該非晶性エチレン・プロ
ピレン系共重合体は、事実上非晶性(例えば、結晶化度
10%以下)であることが好ましいが、30%以下の結晶化
度(X線回析、DSC等の常法による測定値)を有してい
ても良い。
このような非晶性エチレン・プロピレン系共重合体
は、従来重合時の触媒活性が著しく低下するので、その
製造が極めて困難であったが、バナジウム触媒と脱触技
法の改良によってその製造を可能とした。これによっ
て、従来のEPM及びEPDMでは得られなかった本発明の効
果をもたらすことができたのである。ここでムーニー粘
度が上記範囲未満のものは機械的強度バランスが劣り、
また、上記範囲を超えるものは成形品外観が劣ったもの
となる。更に、プロピレン含量が上記範囲未満のものは
機械的強度バランスや成形品外観が劣り、上記範囲を超
えるものは機械的強度バランスが劣ったものとなる。
該非晶性エチレン・プロピレン系共重合体は、通常ベ
ール状であるが、必要に応じて各種ゴムや樹脂等の外成
分と混合し、ペレット状、フレーク状やクラム状等にし
て用いることも出来る。なかでもプロピレン系樹脂との
混練は本発明のプロピレン樹脂組成物の性能や混練作業
性の向上が図れるので好ましく、とりわけ上記(a)成
分のブロック共重合体と一定割合で混合、混練したペレ
ット状物は、これらの向上効果が大きいので好ましい。
この場合、該非晶性エチレン・プロピレン系共重合体
と該ブロック共重合体との混合、混練割合(重量比)は
90:10〜50:50、好ましくは80:20〜60:40の範囲内であ
る。非晶性エチレン・プロピレン系共重合体の混合割合
がこの範囲未満では本発明のプロピレン樹脂組成物の強
度バランス向上が小さくなり、更に経済性も劣ったもの
となり、また、この範囲を超えると本発明のプロピレン
樹脂組成物の強度バランスの向上効果が小さくなる以外
にペレット形状化が困難となるので好ましくない。
これら混合物の製造方法としては、特に限定されない
が、通常はバンバリーミキサーや各種押出混練機を用い
て混合される。
ここで(b)成分は15〜40重量%、好ましくは18〜30
重量%、特に好ましくは18〜25重量%であり、上記範囲
未満では衝撃強度が劣り、また、上記範囲を超えると耐
熱剛性や成形品外観を劣る様になり不適当であり(b)
成分が上記18〜25重量%の範囲内であるときは機械的強
度バランス及び成形品外観が優れているので好ましい。
この非晶性エチレン・プロピレン共重合体の配合量は実
質的に配合された量であり、先に述べた例えば(a)成
分のブロック共重合体との混合物の場合には該ブロック
共重合体の混合量を除いた量である。
(c)成分:フィラー 本発明において用いられる上記(c)成分のフィラー
は、比表面積が37,000cm2/g以上、好ましくは39,000cm2
/g以上、長さが実質的に15μm以下、好ましくは10μm
以下、平均粒径が0.8〜2.2μm、好ましくは0.8〜2.0μ
mかつ平均アスペクト比が5以上、好ましくは6以上の
タルク、平均直径が2μm以下、好ましくは1.5μm以
下でかつ平均アスペクト比が5以上、好ましくは10以上
のほう酸アルミニウムウィスカー、同チタン酸カリウム
ウィスカー、同硫酸マグネシウムウィスカー(マグネシ
ウムオキシサルフェートウィスカー)、同炭酸カルシウ
ムウィスカー、及び同炭素繊維から選ばれた少なくとも
一種のフィラーである。ここで、タルクの長さが「実質
的に」とは、殆どのタルク粒子がこの範囲内にあるもの
を言う。
該タルクは、例えばタルク原石を衝撃式粉砕機やミク
ロンミル型粉砕機で粉砕し、更にミクロンミル、ジェッ
ト型粉砕機で微粉砕した後、サイクロンやミクロンセパ
レーター等で分級調整して製造したものである。ここで
タルク原石は中国産が金属不純物成分が少ないので好ま
しい。
前記、比表面積、長さ、平均アスペクト比が上記範囲
外でかつ平均粒径が上記範囲を超えるタルクを用いる
と、成形品の機械的強度バランスや成形品外観が劣った
ものが得られる。一方、平均粒径が上記範囲より小さく
なるとタルクを分散させることが困難となり、機械的強
度バランスや成形品外観が悪化する。
また、ほう酸アルミニウムウィスカー、チタン酸カリ
ウムウィスカー、硫酸マグネシウムウィスカー(マグネ
シウムオキシサルフェートウィスカー)、炭酸カルシウ
ムウィスカー、炭素繊維の平均直径が上記範囲を超える
ものは、成形品外観や、高温時の寸法安定性が劣り不適
当である。
これらフィラーの中では、タルク、ほう酸アルミニウ
ムウィスカー、硫酸マグネシウムウィスカー(マグネシ
ウムオキシサルフェートウィスカー)の単独使用が好ま
しく、またタルクと前記各ウィスカーとの併用がより好
ましい。とりわけタルクの単独使用とタルクとほう酸ア
ルミニウムウィスカー、硫酸マグネシウムウィスカー
(マグネシウムオキシサルフェートウィスカー)との併
用が好ましい。上記平均粒径の測定は液相沈降方式の光
透過法によって測定できるもので、測定装置としては、
例えば、島津製作所製SA−CP型などがあり、また比表面
積は、空気透過法によって測定できるもので、測定装置
としては、例えば、島津製作所製SS−100型などがあ
る。長さとアスペクト比は顕微鏡法等によって測定され
る。
これらフィラーは界面活性剤、カップリング剤、金属
石鹸等で表面処理を施したものを使用することができ、
該表面処理したフィラーは成形品の機械的強度バランス
や成形品外観の更なる向上に有効である。
ここで(c)成分のフィラーの配合量は8〜30重量
%、好ましくは10〜25重量%、特に好ましくは15〜22重
量%である。上記範囲未満では成形品の剛性(耐熱性)
や寸法安定性が劣り、上記範囲を超えると成形品外観や
成形性が劣るので不適当である。
(d)成分:その外の配合成分 本発明のプロピレン樹脂組成物には、上記必須成分の
外に通常着色するために顔料を配合したり、更に性能の
向上をはかるために、上記必須成分以外に、酸化防止
剤、帯電防止剤、難燃剤、分散剤等を添加することもで
き、更に本発明の効果を著しく損なわない範囲内で前記
(a)〜(c)の必須成分以外の各種樹脂、各種エラス
トマー、各種フィラー等を配合することができる。
〔II〕配合 前記(a)〜(c)の各成分を配合してなるプロピレ
ン樹脂組成物は、一般に一軸押出機、二軸押出機、バン
バリーミキサー、ロール、ブラベンダープラストグラ
フ、ニーダー等通常の混練機を用いて混練造粒して得ら
れる。この場合各成分の分散を良好化するために混練造
粒法を選ぶことが好ましく、通常は二軸押出機を用いて
混練造粒する。この際、上記(a)〜(c)の各成分を
同時混練しても良く、また性能の向上を図るべく各成分
を分割、例えば、先ず(a)成分と(b)成分の一部ま
たは全部を混練し、その後に残りの成分を混練造粒する
ことも出来る。
〔III〕成形 この様にして得られたプロピレン樹脂組成物を用いて
各種成形方法、すなわち、射出成形、圧縮成形、押出成
形(シート成形、ブロー成形)等にて成形して、製品を
得るが、これら成形方法の中でも効果発現の点で射出成
形を行なうことが好ましい。
〔IV〕用途 本発明のプロピレン樹脂組成物は、成形品の高水準な
機械的強度バランスと良好な外観及び成形性を有してい
る外、優れた塗装性や寸法安定性も発現することができ
るので、各種の工業部品分野の特に高機能化や大型化さ
れた各種成形品、例えばテレビケース、VTRケース、洗
濯機カバー、掃除機ケース等の家電製品部品、グローブ
ボックス等の内外装自動車部品、ステレオケース等の音
響製品部品向け射出成形用材料としての実用に充分な性
能を有している。
〔実験例〕
以下に実験例を示して本発明を更に具体的に説明す
る。
ここで行なった評価方法は次に示すとおりである。
<機械的強度評価> 曲げ弾性率 JIS−K7203に準拠して測定した。測定温度は23℃であ
る。本測定値は耐熱性の目安ともなる。
ダート衝撃強度 直径20mm、荷重4kgのダートを、高さ2mより100×100
×2mmのシート状試験片上に落下せしめ、その際の衝撃
吸収エネルギーを求めた。測定温度は−30℃である。
<成形品外観> 光 沢 上記シートにてJIS−Z8741に準拠して測定した。
フローマーク観察 幅14mm、厚み2.5mmの断面形状を有するスパイラル状
試験片を射出成形し、その外観(フローマーク)を目視
して観察した(成形条件後述)。
<成形性> 上記スパイラル状試験片の成形(流動)長さを測定し
た。尚、成形は東芝機械製IS−170型射出成形機を用
い、成形条件は240℃、600kg/cm2であった。
実施例1〜6及び比較例1〜7 下記の(a)成分(粉末)、(b)成分及び(c)成
分を第1表に示す割合で配合し、更に(a)〜(c)成
分の合計量100重量部に対して安定剤としてテトラキス
〔メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタンを0.08重
量部、安定剤としてジ−ステアリル−チオ−ジ−プロピ
オネートを0.07重量部を各々配合し、高速ミキサーにて
これらを充分に混合させた(但し、第1表のフィラー成
分c−2のうち、硫酸マグネシウムウィスカー(マグネ
シウムオキシサルフェートウィスカー)部分は除外し
て、後記押出機の途中にフィードした)。
然る後、池貝鉄工(株)製PCM型押出機を用いて、220
℃の温度条件下にて混練造粒した後、得られたペレット
を上記射出成形機へ供給して、物性測定用試験片及びス
パイラル状試験片を上記温度条件で成形して、評価を行
なった。その評価結果を第1表に示す。
(a)成分 a−1:MFRが130g/10分、密度が0.9093g/cm3の結晶性ポ
リプロピレン部分(A成分)92重量%、エチレン含量が
35重量%のエチレン・プロピレンランダム共重合部分
(B成分)を8重量%各々含有し、全体の重合MFRが70g
/10分であるプロピレン・エチレンブロック共重合体 a−2:MFRが160g/10分、密度が0.9094g/cm3の結晶性ポ
リプロピレン部分(A成分)89重量%、エチレン含量が
42重量%のエチレン・プロピレンランダム共重合部分
(B成分)11重量%を各々含有し、全体の重合MFRが105
g/10分であるプロピレン・エチレンブロック共重合体 a−3:MFRが50g/10分、密度が0.9076g/cm3の結晶性ポリ
プロピレン部分(A成分)91重量%、エチレン含量が40
重量%のエチレン・プロピレンランダム共重合部分(B
成分)9重量%を各々含有し、全体の重合MFRが30g/10
分であるプロピレン・エチレンブロック共重合体 a−4:上記a−3をジアルキルパーオキサイドにて調整
し、全体のMFRを75g/10分にしたプロピレン・エチレン
ブロック共重合体 (b)成分 b−1:ムーニー粘度ML1+4(100℃)80、プロピレン含量
50重量%のEPM(ベール状) b−2:上記ゴム(b−1)と上記プロピレン・エチレン
ブロック共重合体(a−1)とを重量比で70:30の割合
で配合し、押出機で溶融混練してペレット状としたEPM b−3:ムーニー粘度ML1+4(100℃)90、プロピレン含量
47重量%のEPDM(ベール状) b−4:ムーニー粘度ML1+4(100℃)22、プロピレン含量
27重量%のEPM(ペレット状) b−5:ムーニー粘度ML1+4(100℃)82、プロピレン含量
26重量%のEPM(ペレット状) b−6:ムーニー粘度ML1+4(100℃)103、プロピレン含
量26重量%のEPM(ペレット状) b−7:ムーニー粘度ML1+4(100℃)29、プロピレン含量
43重量%のEPM(ベール状) (c)成分 c−1:比表面積が40,200cm2/g、実質的に全体の長さが1
0μm以下であって、平均粒径が1.7μmで、平均アスペ
クト比が6のタルク c−2:平均粒径が0.7μmで、平均アスペクト比が30の
硫酸マグネシウムウィスカー(マグネシウムオキシサル
フェートウィスカー)と、前記c−1タルクとを、重量
比で5:15の割合にしたもの 第1表に示す様に、実施例1〜6に示す組成を持った
樹脂組成物は、何れも良好な機械的強度バランス、成形
品外観及び成形性を有していた。一方、比較例1〜7に
示したものは、何れも機械的強度バランス、成形品外観
や成形性の一部または全部が不充分であった。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08K 3:34) (56)参考文献 特開 昭63−284241(JP,A) 特開 平1−204947(JP,A) 特開 昭63−150341(JP,A) 特開 昭63−150343(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 53/00,23/16 C08K 13/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の(a)〜(c)成分から成ることを
    特徴とするプロピレン樹脂組成物。 (a)結晶性ポリプロピレン部分(A成分)とエチレン
    ・プロピレンランダム共重合部分(B成分)とを含有す
    るMFRが50〜200g/10分の減成処理されていないプロピレ
    ン・エチレンブロック共重合体であって、前記A成分は
    ブロック共重合体全体の88〜95重量%を占め、そのMFR
    が70〜300g/10分、密度が0.9080g/cm3以上のものであ
    り、B成分はブロック共重合体全体の5〜12重量%を占
    め、そのエチレン含量が20〜50重量%のものであるブロ
    ック共重合体: 40〜77重量% (b)ムーニー粘度ML1+4(100℃)が75〜95で、かつ、
    プロピレン含量が40〜60重量%の非晶性エチレン・プロ
    ピレン系共重合体: 15〜40重量% (c)比表面積が37,000cm2/g以上、実質的に全体の長
    さが15μm以下であって平均粒径が0.8〜2.2μmかつ平
    均アスペクト比が5以上のタルク、平均直径が2μm以
    下でかつ平均アスペクト比が5以上のほう酸アルミニウ
    ムウィスカー、同チタン酸カリウムウィスカー、同硫酸
    マグネシウムウィスカー、同炭酸カルシウムウィスカー
    及び同炭素繊維から選ばれた少なくとも一種のフィラ
    ー: 8〜30重量%
JP2260153A 1990-09-28 1990-09-28 プロピレン樹脂組成物 Expired - Fee Related JP3031986B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2260153A JP3031986B2 (ja) 1990-09-28 1990-09-28 プロピレン樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2260153A JP3031986B2 (ja) 1990-09-28 1990-09-28 プロピレン樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04139252A JPH04139252A (ja) 1992-05-13
JP3031986B2 true JP3031986B2 (ja) 2000-04-10

Family

ID=17344051

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2260153A Expired - Fee Related JP3031986B2 (ja) 1990-09-28 1990-09-28 プロピレン樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3031986B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7582696B2 (en) 2003-12-26 2009-09-01 Japan Polypropylene Corporation Polypropylene-based resin composition and molded article thereof

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3582387B2 (ja) 1998-01-12 2004-10-27 マツダ株式会社 射出成形組成物とその射出成形品の製造方法および低艶化射出成形品
JP2002187981A (ja) * 2000-12-20 2002-07-05 Mitsubishi Chemicals Corp 熱可塑性エラストマー組成物
KR100957303B1 (ko) * 2007-11-26 2010-05-12 현대자동차주식회사 자동차 내장재용 폴리프로필렌 수지 조성물

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63150343A (ja) * 1986-12-12 1988-06-23 Mitsubishi Petrochem Co Ltd 自動車外装部材
JPS63150341A (ja) * 1986-12-13 1988-06-23 Mitsubishi Petrochem Co Ltd 繊維補強樹脂組成物
JPS63284241A (ja) * 1987-05-15 1988-11-21 Mitsubishi Petrochem Co Ltd 繊維補強樹脂組成物
JPH01204947A (ja) * 1988-02-12 1989-08-17 Nissan Motor Co Ltd 自動車外装部品用熱可塑性樹脂組成物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7582696B2 (en) 2003-12-26 2009-09-01 Japan Polypropylene Corporation Polypropylene-based resin composition and molded article thereof

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04139252A (ja) 1992-05-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5708083A (en) Propylene polymer ethylene/olefin rubber and polyethylene block copolymer
JP3347958B2 (ja) プロピレン系樹脂組成物
JP4528669B2 (ja) 自動車外装部品用ポリプロピレン系樹脂組成物及びそれを用いた自動車外装部品
EP0557807B1 (en) Process for producing molded products of propylene resin compositions
JPH11315186A (ja) プロピレン系樹脂組成物
JP3253954B2 (ja) 樹脂製自動車バンパ
US5432209A (en) Propylene resin composition
JPH01149845A (ja) フィラー補強樹脂組成物
US5747576A (en) Propylene resin compositions containing talc
JP3031986B2 (ja) プロピレン樹脂組成物
JP3990856B2 (ja) ポリプロピレンマスターバッチ及びそれを用いた成形方法
JP3678338B2 (ja) プロピレン系樹脂組成物
US6403691B1 (en) High-concentration talc masterbatch
JPH01204946A (ja) 自動車バンパ用熱可塑性樹脂組成物
CN111499967A (zh) 树脂组合物和注射成型制品
JPS5943057B2 (ja) 無機フイラ−含有樹脂組成物
JP2000109639A (ja) 成形性、成形外観に優れるポリプロピレン系樹脂組成物
JPH06248155A (ja) プロピレン系樹脂組成物
JPH0749499B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物
JPS63150343A (ja) 自動車外装部材
JP3016891B2 (ja) プロピレン系樹脂組成物の製造法
JPH093299A (ja) ポリプロピレン系組成物
JPH0971711A (ja) プロピレン系樹脂組成物
JPH0841274A (ja) 塗装用プロピレン系樹脂組成物
JPH01204947A (ja) 自動車外装部品用熱可塑性樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080210

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090210

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100210

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees