JP3016891B2 - プロピレン系樹脂組成物の製造法 - Google Patents
プロピレン系樹脂組成物の製造法Info
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- JP3016891B2 JP3016891B2 JP3064787A JP6478791A JP3016891B2 JP 3016891 B2 JP3016891 B2 JP 3016891B2 JP 3064787 A JP3064787 A JP 3064787A JP 6478791 A JP6478791 A JP 6478791A JP 3016891 B2 JP3016891 B2 JP 3016891B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軽量でかつ剛性、耐熱
性に優れたプロピレン系樹脂組成物の製造法に関するも
ので、得られた樹脂組成物は工業部品分野、特に自動車
部品成形用材料として好適なものである。
性に優れたプロピレン系樹脂組成物の製造法に関するも
ので、得られた樹脂組成物は工業部品分野、特に自動車
部品成形用材料として好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、プロピレン系樹脂組成物はその優
れた機械的強度、加工性、経済性等を備えていることか
ら、自動車用を始めとする工業部品分野に広く用いられ
ている。これら工業用部品の中でも高い剛性や耐熱性を
必要とする分野には、タルクやガラス繊維等の無機フイ
ラーを複合化してより高性能なものとし、例えば自動車
部品、具体的にはトリム、インストルメントパネル等の
内装部品、バンパー等の外装部品、ファンシュラウド等
の機能部品などとして広く実用化されている。
れた機械的強度、加工性、経済性等を備えていることか
ら、自動車用を始めとする工業部品分野に広く用いられ
ている。これら工業用部品の中でも高い剛性や耐熱性を
必要とする分野には、タルクやガラス繊維等の無機フイ
ラーを複合化してより高性能なものとし、例えば自動車
部品、具体的にはトリム、インストルメントパネル等の
内装部品、バンパー等の外装部品、ファンシュラウド等
の機能部品などとして広く実用化されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなプロピレン系樹脂組成物においては、従来から以下
に示すような問題点があった。すなわち、高い剛性や耐
熱性を保持させた従来のプロピレン系樹脂組成物は、前
述する様に、タルクやガラス繊維等の原材料自体の密度
がプロピレン系重合体に比して著しく大きい無機フイラ
ーであり、それを多量に含有させて複合化させているた
め、特に高度の剛性や耐熱性を賦与する場合では組成物
自体の密度が過大になりすぎて、それを用いた成形品自
体が重くなりすぎるといった問題点を有していた。
うなプロピレン系樹脂組成物においては、従来から以下
に示すような問題点があった。すなわち、高い剛性や耐
熱性を保持させた従来のプロピレン系樹脂組成物は、前
述する様に、タルクやガラス繊維等の原材料自体の密度
がプロピレン系重合体に比して著しく大きい無機フイラ
ーであり、それを多量に含有させて複合化させているた
め、特に高度の剛性や耐熱性を賦与する場合では組成物
自体の密度が過大になりすぎて、それを用いた成形品自
体が重くなりすぎるといった問題点を有していた。
【0004】
【課題を解決するための手段】[発明の概要]本発明者
等は、上記課題を解決するために種々の研究を重ねた結
果、特定の成分を用いて特定の混練方法で製造して得ら
れたプロピレン系樹脂組成物が極めて小さい密度である
にも拘らず高度の剛性及び耐熱性を有することを見い出
して本発明を完成するに至った。すなわち、本発明のプ
ロピレン系樹脂組成物の製造法は、下記の(a)成分、
或いは(a)成分と少なくとも一部の(b)成分の配合
物を溶融混練せしめ、次いでこれに(c)成分或いは
(c)成分と残量の(b)成分を個別に又は同時に配合
し、混練させて得られた密度が0.950g/cm3 以下
かつ弾性率が25,000kg/cm2 以上の組成物であっ
て、その組成比が(a)成分100重量部に対して
(b)成分及び(c)成分が両者の重量比1/99〜9
9/1でかつ合計量が5〜100重量部であることを特
徴とするものである。 (a)プロピレン単独重合体部分の密度が0.9070
g/cm3 以上でかつ重合体全体のMFRが0.5〜20
0g/10分の結晶性プロピレン重合体 (b)平均粒径が0.8〜15μmのタルク、平均粒径
が3〜150μmのマイカ、平均直径が18μm以下の
ガラス繊維及び平均直径が2μm以下かつ平均アスペク
ト比が5以上の非金属無機ウイスカーから選ばれた少な
くとも一種のフイラー (c)ASTM−D2840(エアーコンパリソンピク
ノメーター使用)による平均粒子密度が0.2〜0.8
g/cm3 、ASTM−D3102(グリセロール使用)
による平均耐圧強度が250kg/cm2 以上の中空ガラス
球
等は、上記課題を解決するために種々の研究を重ねた結
果、特定の成分を用いて特定の混練方法で製造して得ら
れたプロピレン系樹脂組成物が極めて小さい密度である
にも拘らず高度の剛性及び耐熱性を有することを見い出
して本発明を完成するに至った。すなわち、本発明のプ
ロピレン系樹脂組成物の製造法は、下記の(a)成分、
或いは(a)成分と少なくとも一部の(b)成分の配合
物を溶融混練せしめ、次いでこれに(c)成分或いは
(c)成分と残量の(b)成分を個別に又は同時に配合
し、混練させて得られた密度が0.950g/cm3 以下
かつ弾性率が25,000kg/cm2 以上の組成物であっ
て、その組成比が(a)成分100重量部に対して
(b)成分及び(c)成分が両者の重量比1/99〜9
9/1でかつ合計量が5〜100重量部であることを特
徴とするものである。 (a)プロピレン単独重合体部分の密度が0.9070
g/cm3 以上でかつ重合体全体のMFRが0.5〜20
0g/10分の結晶性プロピレン重合体 (b)平均粒径が0.8〜15μmのタルク、平均粒径
が3〜150μmのマイカ、平均直径が18μm以下の
ガラス繊維及び平均直径が2μm以下かつ平均アスペク
ト比が5以上の非金属無機ウイスカーから選ばれた少な
くとも一種のフイラー (c)ASTM−D2840(エアーコンパリソンピク
ノメーター使用)による平均粒子密度が0.2〜0.8
g/cm3 、ASTM−D3102(グリセロール使用)
による平均耐圧強度が250kg/cm2 以上の中空ガラス
球
【0005】[発明の具体的説明] 〔I〕プロピレン系樹脂組成物の製造 (1)原料成分 (a)プロピレン重合体:(a)成分 本発明のプロピレン系樹脂組成物の製造法において用い
られる(a)成分のプロピレン重合体としては、プロピ
レンの単独重合体(ポリプロピレン)、過半重量割合の
プロピレンと従重量割合の他のα−オレフィン(例え
ば、エチレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテ
ン、4−メチルペンテン、オクテン等)、ビニルエステ
ル(例えば、酢酸ビニル)、芳香族ビニル単量体(例え
ば、スチレン)、ビニルシラン(例えば、ビニルトリメ
トキシシラン、ビニルトリメチルシラン)等との二元以
上のブロック、ランダムないしグラフト共重合体(これ
らの混合物であっても良い)であって、プロピレン単独
重合体部分の密度が0.9070g/cm3 以上、好まし
くは0.9075〜0.920g/cm3 で、かつ重合体
全体のMFR(230℃,2.16kg、JIS−K72
10)が0.5〜200g/10分の結晶性重合体を挙
げることができる。これらの中でも、プロピレンの単独
重合体(ポリプロピレン)、プロピレンとエチレンとの
共重合体が好ましく、特にMFRが1〜100g/10
分のプロピレンとエチレンとのブロック共重合体が好ま
しい。ここで、プロピレン単独重合体部分の密度が上記
範囲未満のものは、樹脂組成物の剛性や耐熱性が劣り不
適当である。また、MFRが上記範囲未満のものは成形
加工性が劣り、同じく上記範囲を超えるものは衝撃強度
が劣り不適当である。
られる(a)成分のプロピレン重合体としては、プロピ
レンの単独重合体(ポリプロピレン)、過半重量割合の
プロピレンと従重量割合の他のα−オレフィン(例え
ば、エチレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテ
ン、4−メチルペンテン、オクテン等)、ビニルエステ
ル(例えば、酢酸ビニル)、芳香族ビニル単量体(例え
ば、スチレン)、ビニルシラン(例えば、ビニルトリメ
トキシシラン、ビニルトリメチルシラン)等との二元以
上のブロック、ランダムないしグラフト共重合体(これ
らの混合物であっても良い)であって、プロピレン単独
重合体部分の密度が0.9070g/cm3 以上、好まし
くは0.9075〜0.920g/cm3 で、かつ重合体
全体のMFR(230℃,2.16kg、JIS−K72
10)が0.5〜200g/10分の結晶性重合体を挙
げることができる。これらの中でも、プロピレンの単独
重合体(ポリプロピレン)、プロピレンとエチレンとの
共重合体が好ましく、特にMFRが1〜100g/10
分のプロピレンとエチレンとのブロック共重合体が好ま
しい。ここで、プロピレン単独重合体部分の密度が上記
範囲未満のものは、樹脂組成物の剛性や耐熱性が劣り不
適当である。また、MFRが上記範囲未満のものは成形
加工性が劣り、同じく上記範囲を超えるものは衝撃強度
が劣り不適当である。
【0006】このようなプロピレン重合体は高立体規則
性重合触媒を用いてスラリー重合、気相重合或いは液相
塊状重合により製造する。該高立体規則性重合触媒とし
ては、例えば塩化マグネシウムに四塩化チタン、有機酸
ハライド及び有機珪素化合物を接触させて形成された固
体触媒成分と有機アルミニウム化合物の組合せ触媒など
が用いられる。更に、該プロピレン重合体として、不飽
和有機酸またはその誘導体で変性したプロピレン重合体
或いはこれを配合したものを使用した場合、樹脂組成物
の剛性や耐熱性及び衝撃強度をより一層向上させること
に有効で好ましい。このようにプロピレン重合体を不飽
和有機酸またはその誘導体で変性するためには、例え
ば、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、イタコ
ン酸等の不飽和有機酸;無水マレイン酸、無水イタコン
酸、無水シトラコン酸等の不飽和有機酸の無水物;アク
リル酸メチル、マレイン酸モノメチル等の不飽和有機酸
のエステル;アクリル酸アミド、フマル酸モノアミド等
の不飽和有機酸のアミド;イタコン酸イミド等の不飽和
有機酸のイミド等をプロピレン重合体100重量部に対
し0.01〜20重量部、好ましくは0.05〜15重
量部添加してグラフト反応条件に付すことにより変性す
る。これらの中でも、アクリル酸、無水マレイン酸を用
いて変性するのが好ましい。変性に際しては、変性度合
を促進させるため、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミ
ルパーオキサイド等の有機過酸化物を用いる。この変性
法は特に限定されないが、例えばプロピレン重合体の融
点以上の温度下で加熱溶融混練するか溶液中で反応させ
る方法が採用される。
性重合触媒を用いてスラリー重合、気相重合或いは液相
塊状重合により製造する。該高立体規則性重合触媒とし
ては、例えば塩化マグネシウムに四塩化チタン、有機酸
ハライド及び有機珪素化合物を接触させて形成された固
体触媒成分と有機アルミニウム化合物の組合せ触媒など
が用いられる。更に、該プロピレン重合体として、不飽
和有機酸またはその誘導体で変性したプロピレン重合体
或いはこれを配合したものを使用した場合、樹脂組成物
の剛性や耐熱性及び衝撃強度をより一層向上させること
に有効で好ましい。このようにプロピレン重合体を不飽
和有機酸またはその誘導体で変性するためには、例え
ば、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、イタコ
ン酸等の不飽和有機酸;無水マレイン酸、無水イタコン
酸、無水シトラコン酸等の不飽和有機酸の無水物;アク
リル酸メチル、マレイン酸モノメチル等の不飽和有機酸
のエステル;アクリル酸アミド、フマル酸モノアミド等
の不飽和有機酸のアミド;イタコン酸イミド等の不飽和
有機酸のイミド等をプロピレン重合体100重量部に対
し0.01〜20重量部、好ましくは0.05〜15重
量部添加してグラフト反応条件に付すことにより変性す
る。これらの中でも、アクリル酸、無水マレイン酸を用
いて変性するのが好ましい。変性に際しては、変性度合
を促進させるため、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミ
ルパーオキサイド等の有機過酸化物を用いる。この変性
法は特に限定されないが、例えばプロピレン重合体の融
点以上の温度下で加熱溶融混練するか溶液中で反応させ
る方法が採用される。
【0007】(b)フイラー:(b)成分 本発明のプロピレン系樹脂組成物の製造法において用い
られる上記(b)成分のフイラーとしては、平均粒径が
0.8〜15μm、好ましくは1〜5μmのタルク、平
均粒径が3〜150μm、好ましくは5〜120μmの
マイカ、平均直径が18μm以下、好ましくは6〜13
μmのガラス繊維及び平均直径が2μm以下かつ平均ア
スペクト比が5以上の非金属無機ウイスカーから選ばれ
た少なくとも一種のものである。タルクは、例えばタル
ク原石を衝撃式粉砕機やミクロンミル型粉砕機で粉砕
し、更にミクロンミル,ジェット型粉砕機で微粉砕した
後、サイクロンやミクロンセパレーター等で分級調整し
製造する。平均粒径が上記範囲を超えるタルクを用いる
と、樹脂組成物の成形品の衝撃強度や外観が劣り、平均
粒径が上記範囲より小さくなるとタルクを分散させるこ
とが困難となり衝撃強度や外観がかえって悪化する。ま
た、マイカは前述のタルクと似た方法で製造され、その
種類は白マイカ、金マイカ、黒マイカ等何れを使用して
も構わない。平均粒径が上記範囲を超えるマイカを用い
ると、樹脂組成物の成形品の衝撃強度や外観が劣り、平
均粒径が上記範囲より小さくなると剛性や耐熱性が劣り
各々不適当である。さらに、ガラス繊維はその平均直径
が上記範囲を超える場合は樹脂組成物の成形品の剛性や
耐熱性が劣り好ましくない。該ガラス繊維は、その表面
集束剤(サイジング剤と表面処理剤)の最終付着量が
0.10〜0.30重量%のものが好ましい。該ウイス
カーは、平均直径及び平均アスペクト比が上記範囲を超
えるものは、樹脂組成物の成形品の剛性、耐熱性や外観
が劣り好ましくない。これらは、例えばほう酸アルミニ
ュウムウイスカー、チタン酸カリウムウイスカー、塩基
性硫酸マグネシウムウイスカー〔マグネシウムオキシサ
ルフェートウイスカーMgSO4 ・5Mg(OH)2 ・
3H2 O〕、酸化チタンウイスカー、炭酸カルシウムウ
イスカー等が挙げられる。好ましいものは平均直径が
1.5μm以下且つ平均アスペクト比が10以上のもの
であり、特に好ましいものは平均直径が1.0μm以下
且つ平均アスペクト比が15以上のものである。
られる上記(b)成分のフイラーとしては、平均粒径が
0.8〜15μm、好ましくは1〜5μmのタルク、平
均粒径が3〜150μm、好ましくは5〜120μmの
マイカ、平均直径が18μm以下、好ましくは6〜13
μmのガラス繊維及び平均直径が2μm以下かつ平均ア
スペクト比が5以上の非金属無機ウイスカーから選ばれ
た少なくとも一種のものである。タルクは、例えばタル
ク原石を衝撃式粉砕機やミクロンミル型粉砕機で粉砕
し、更にミクロンミル,ジェット型粉砕機で微粉砕した
後、サイクロンやミクロンセパレーター等で分級調整し
製造する。平均粒径が上記範囲を超えるタルクを用いる
と、樹脂組成物の成形品の衝撃強度や外観が劣り、平均
粒径が上記範囲より小さくなるとタルクを分散させるこ
とが困難となり衝撃強度や外観がかえって悪化する。ま
た、マイカは前述のタルクと似た方法で製造され、その
種類は白マイカ、金マイカ、黒マイカ等何れを使用して
も構わない。平均粒径が上記範囲を超えるマイカを用い
ると、樹脂組成物の成形品の衝撃強度や外観が劣り、平
均粒径が上記範囲より小さくなると剛性や耐熱性が劣り
各々不適当である。さらに、ガラス繊維はその平均直径
が上記範囲を超える場合は樹脂組成物の成形品の剛性や
耐熱性が劣り好ましくない。該ガラス繊維は、その表面
集束剤(サイジング剤と表面処理剤)の最終付着量が
0.10〜0.30重量%のものが好ましい。該ウイス
カーは、平均直径及び平均アスペクト比が上記範囲を超
えるものは、樹脂組成物の成形品の剛性、耐熱性や外観
が劣り好ましくない。これらは、例えばほう酸アルミニ
ュウムウイスカー、チタン酸カリウムウイスカー、塩基
性硫酸マグネシウムウイスカー〔マグネシウムオキシサ
ルフェートウイスカーMgSO4 ・5Mg(OH)2 ・
3H2 O〕、酸化チタンウイスカー、炭酸カルシウムウ
イスカー等が挙げられる。好ましいものは平均直径が
1.5μm以下且つ平均アスペクト比が10以上のもの
であり、特に好ましいものは平均直径が1.0μm以下
且つ平均アスペクト比が15以上のものである。
【0008】これらフイラーは界面活性剤、カップリン
グ剤等で表面処理を施したものでも良い。表面処理した
フイラーは樹脂組成物の成形品の剛性、耐熱性、衝撃強
度や外観の更なる向上に有効である。特にシラン系等の
カップリング剤でガラス繊維やマイカ、各種ウイスカー
を表面処理したものが好ましい。また、これら(b)成
分は予め各種樹脂、例えば前記(a)成分等のプロピレ
ン重合体中に高濃度に分散(いわゆるマスターバッチ
化)せしめておいてもよく、例えばガラス繊維を高濃度
に長繊維の長さのまゝ結晶性プロピレン重合体に含有さ
せたもの(いわゆる長繊維ガラス配合ペレット)を用い
てもよい。この場合、剛性・耐熱性や成形反りに対して
良好化させることができる。ここで(b)成分のフイラ
ーは、下記に詳記する(c)成分との重量費で1:99
〜99:1の範囲で配合される。なかでも10:90〜
90:10の範囲が好ましく、特に20:80〜80:
20の範囲で配合することが好ましい。ここで、(b)
成分が(c)成分との関係で少なすぎると剛性不足とな
り易く、多すぎると過重となり易く好ましくない。
グ剤等で表面処理を施したものでも良い。表面処理した
フイラーは樹脂組成物の成形品の剛性、耐熱性、衝撃強
度や外観の更なる向上に有効である。特にシラン系等の
カップリング剤でガラス繊維やマイカ、各種ウイスカー
を表面処理したものが好ましい。また、これら(b)成
分は予め各種樹脂、例えば前記(a)成分等のプロピレ
ン重合体中に高濃度に分散(いわゆるマスターバッチ
化)せしめておいてもよく、例えばガラス繊維を高濃度
に長繊維の長さのまゝ結晶性プロピレン重合体に含有さ
せたもの(いわゆる長繊維ガラス配合ペレット)を用い
てもよい。この場合、剛性・耐熱性や成形反りに対して
良好化させることができる。ここで(b)成分のフイラ
ーは、下記に詳記する(c)成分との重量費で1:99
〜99:1の範囲で配合される。なかでも10:90〜
90:10の範囲が好ましく、特に20:80〜80:
20の範囲で配合することが好ましい。ここで、(b)
成分が(c)成分との関係で少なすぎると剛性不足とな
り易く、多すぎると過重となり易く好ましくない。
【0009】(c)中空ガラス球:(c)成分 本発明のプロピレン系樹脂組成物の製造法において用い
られる上記(c)成分の中空ガラス球は、平均粒子密度
が0.2〜0.8g/cm3 、平均耐圧強度が250kg/
cm2 以上のものである。ここで、平均粒子密度はAST
M−D2840(エアーコンパリソンピクノメーター使
用)に準拠して測定された値であり、また平均耐圧強度
はASTM−D3102(グリセロール使用)に準拠し
て測定された値である。該中空ガラス球の製造方法は特
に限定されないが、平均粒子密度が上記範囲外のものは
樹脂組成物の密度が過大となったり、混練が困難となる
ので不適当であり、平均耐圧強度が上記範囲以外のもの
を用いると混練の際に破損し、樹脂組成物の密度が過大
となるので不適当である。なかでも平均粒子密度(真密
度)が0.3〜0.8g/cm3で、しかも平均耐圧強度
が300kg/cm2 以上のものが好ましく、特に平均粒子
密度が0.4〜0.7g/cm3 で、しかも平均耐圧強度
が500kg/cm2 以上のものが好ましい。この中空ガラ
ス球の寸法は特に限定されないが、通常は平均粒直径4
0〜100μmのものであり、更にその嵩密度は通常
0.1〜0.6g/cm3 のものである。この中空ガラス
球は界面活性剤、カップリング剤等で表面処理を施した
ものでも良く、このように表面処理した中空ガラス球は
樹脂組成物の成形品の剛性、耐熱性、衝撃強度や外観を
より一層向上させることができる。特にシラン等のカッ
プリング剤で表面処理することが好ましい。これらの
(b)成分と(c)成分の配合量は、(a)成分100
重量部に対して、両者合計量で5〜100重量部であ
る。この範囲未満では物性不足となり、一方、この範囲
超過では外観が劣ったり、不経済であるので好ましくな
い。
られる上記(c)成分の中空ガラス球は、平均粒子密度
が0.2〜0.8g/cm3 、平均耐圧強度が250kg/
cm2 以上のものである。ここで、平均粒子密度はAST
M−D2840(エアーコンパリソンピクノメーター使
用)に準拠して測定された値であり、また平均耐圧強度
はASTM−D3102(グリセロール使用)に準拠し
て測定された値である。該中空ガラス球の製造方法は特
に限定されないが、平均粒子密度が上記範囲外のものは
樹脂組成物の密度が過大となったり、混練が困難となる
ので不適当であり、平均耐圧強度が上記範囲以外のもの
を用いると混練の際に破損し、樹脂組成物の密度が過大
となるので不適当である。なかでも平均粒子密度(真密
度)が0.3〜0.8g/cm3で、しかも平均耐圧強度
が300kg/cm2 以上のものが好ましく、特に平均粒子
密度が0.4〜0.7g/cm3 で、しかも平均耐圧強度
が500kg/cm2 以上のものが好ましい。この中空ガラ
ス球の寸法は特に限定されないが、通常は平均粒直径4
0〜100μmのものであり、更にその嵩密度は通常
0.1〜0.6g/cm3 のものである。この中空ガラス
球は界面活性剤、カップリング剤等で表面処理を施した
ものでも良く、このように表面処理した中空ガラス球は
樹脂組成物の成形品の剛性、耐熱性、衝撃強度や外観を
より一層向上させることができる。特にシラン等のカッ
プリング剤で表面処理することが好ましい。これらの
(b)成分と(c)成分の配合量は、(a)成分100
重量部に対して、両者合計量で5〜100重量部であ
る。この範囲未満では物性不足となり、一方、この範囲
超過では外観が劣ったり、不経済であるので好ましくな
い。
【0010】(d)その他の付加成分:(d)成分 このような樹脂組成物には通常着色するための顔料を用
いる場合が多い外、更に性能向上をはかるため、上記成
分の他に、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、分散剤等
の各種添加剤を添加することもできる。更に本発明効果
を著しく損なわない範囲内で前記各(a)〜(c)成分
以外の各種樹脂、各種エラストマー、各種フイラー等を
配合することができる。特に、次に述べる核剤は、前記
その他の付加成分の中でも好ましいものである。
いる場合が多い外、更に性能向上をはかるため、上記成
分の他に、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、分散剤等
の各種添加剤を添加することもできる。更に本発明効果
を著しく損なわない範囲内で前記各(a)〜(c)成分
以外の各種樹脂、各種エラストマー、各種フイラー等を
配合することができる。特に、次に述べる核剤は、前記
その他の付加成分の中でも好ましいものである。
【0011】核剤 核剤としては、芳香族リン酸金属塩、芳香カルボン酸の
金属塩及びソルビトール系核剤であり、具体的にはソジ
ウムビス(4−t−ブチルフェニル)フォスフェート;
ソジウム−2,2′−メチレン−ビス−(4,6−ジ−
t−ブチル−フェニル)フォスフェート;リチウム−
2,2′−メチレン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチル
フェニル)フォスフェート;アルミニウム−モノ−ヒド
ロキシ−ジ−p−t−ブチルベンゾエート;安息香酸ナ
トリウム;1,3,2,4−ジ−ベンジリデン−ソルビ
トール;1,3,2,4−ジ−(p−メチル−ベンジリ
デン)ソルビトール;1,3,2,4−ジ−(p−エチ
ル−ベンジリデン)ソルビトール;1,3,2,4−ジ
−(2′4′−ジ−メチル−ベンジリデン)ソルビトー
ル;1,3−p−クロロ−ベンジリデン−2,4−p−
メチル−ベンジリデン−ソルビトール;1,3,2,4
−ジ−(p−プロピル−ベンジリデン)ソルビトール等
が挙げられる。これらの中でもソジウムビス(4−t−
ブチルフェニル)フォスフェート;ソジウム−2,2′
−メチレン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチル−フェニ
ル)フォスフェート;リチウム−2,2′−メチレン−
ビス−4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェー
ト;アルミニウム−モノ−ヒドロキシ−ジ−p−t−ブ
チルベンゾエート;安息香酸ナトリウムが好ましく、特
にソジウム−2,2′−メチレン−ビス−(4,6−ジ
−t−ブチル−フェニル)フォスフェート;リチウム−
2,2′−メチレン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチル
フェニル)フォスフェートが好ましい。これらの核剤は
樹脂組成物の剛性、耐熱性の更なる向上に極めて有効で
ある。次に述べるエラストマーも、前記その他の付加成
分の中でも好ましいものである。
金属塩及びソルビトール系核剤であり、具体的にはソジ
ウムビス(4−t−ブチルフェニル)フォスフェート;
ソジウム−2,2′−メチレン−ビス−(4,6−ジ−
t−ブチル−フェニル)フォスフェート;リチウム−
2,2′−メチレン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチル
フェニル)フォスフェート;アルミニウム−モノ−ヒド
ロキシ−ジ−p−t−ブチルベンゾエート;安息香酸ナ
トリウム;1,3,2,4−ジ−ベンジリデン−ソルビ
トール;1,3,2,4−ジ−(p−メチル−ベンジリ
デン)ソルビトール;1,3,2,4−ジ−(p−エチ
ル−ベンジリデン)ソルビトール;1,3,2,4−ジ
−(2′4′−ジ−メチル−ベンジリデン)ソルビトー
ル;1,3−p−クロロ−ベンジリデン−2,4−p−
メチル−ベンジリデン−ソルビトール;1,3,2,4
−ジ−(p−プロピル−ベンジリデン)ソルビトール等
が挙げられる。これらの中でもソジウムビス(4−t−
ブチルフェニル)フォスフェート;ソジウム−2,2′
−メチレン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチル−フェニ
ル)フォスフェート;リチウム−2,2′−メチレン−
ビス−4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェー
ト;アルミニウム−モノ−ヒドロキシ−ジ−p−t−ブ
チルベンゾエート;安息香酸ナトリウムが好ましく、特
にソジウム−2,2′−メチレン−ビス−(4,6−ジ
−t−ブチル−フェニル)フォスフェート;リチウム−
2,2′−メチレン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチル
フェニル)フォスフェートが好ましい。これらの核剤は
樹脂組成物の剛性、耐熱性の更なる向上に極めて有効で
ある。次に述べるエラストマーも、前記その他の付加成
分の中でも好ましいものである。
【0012】エラストマー エラストマーとしては、エチレン・プロピレン二元共重
合ゴム(EPM)やエチレン・プロピレン・非共役ジエ
ン三元共重合ゴム(EPDM)、エチレン・ブテン−1
二元共重合ゴムやエチレン・プロピレン・ブテン1三元
共重合ゴム等のエチレン系エラストマー、水素添加スチ
レン・ブタジエンブロック共重合体及び水素添加スチレ
ン・イソプレンブロック共重合体等である。ここで、水
素添加スチレン・ブタジエンブロック共重合体および水
素添加スチレン・イソプレンブロック共重合体は、それ
ぞれ完全または部分水素添加されたもので、例えばスチ
レン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合
体、スチレン・エチレン・プロピレンブロック共重合体
と表現されるものである。これらエラストマーの中でも
エチレン・プロピレン二元共重合ゴム(EPM)、エチ
レン・プロピレン・非共役ジエン三元共重合ゴム(EP
DM)、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロ
ック共重合体、スチレン・エチレン・プロピレンブロッ
ク共重合体が好ましく、特にプロピレン含量が20〜5
5重量%、ムーニー粘度(ML1+4100℃)が10〜
100のエチレン・プロピレン二元共重合ゴム(EP
M)またはエチレン・プロピレン・非共役ジエン三元共
重合ゴム(EPDM)、水添率95%以上かつスチレン
含量が5〜50重量%のスチレン共重合体が好ましい。
これらのエラストマーは本発明方法によって得られる樹
脂組成物の性能、特に衝撃強度や寸法安定性の向上に極
めて有効である。ここで、各その他の付加成分の含量
は、赤外スペクトル分析法やNMR法等の常法により測
定される値であり、またこれらのゴムの結晶化度は全体
の30%以下のものであることが好ましい。なお、これ
らその他の付加成分の製法や形状は特に限定されない。
合ゴム(EPM)やエチレン・プロピレン・非共役ジエ
ン三元共重合ゴム(EPDM)、エチレン・ブテン−1
二元共重合ゴムやエチレン・プロピレン・ブテン1三元
共重合ゴム等のエチレン系エラストマー、水素添加スチ
レン・ブタジエンブロック共重合体及び水素添加スチレ
ン・イソプレンブロック共重合体等である。ここで、水
素添加スチレン・ブタジエンブロック共重合体および水
素添加スチレン・イソプレンブロック共重合体は、それ
ぞれ完全または部分水素添加されたもので、例えばスチ
レン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合
体、スチレン・エチレン・プロピレンブロック共重合体
と表現されるものである。これらエラストマーの中でも
エチレン・プロピレン二元共重合ゴム(EPM)、エチ
レン・プロピレン・非共役ジエン三元共重合ゴム(EP
DM)、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロ
ック共重合体、スチレン・エチレン・プロピレンブロッ
ク共重合体が好ましく、特にプロピレン含量が20〜5
5重量%、ムーニー粘度(ML1+4100℃)が10〜
100のエチレン・プロピレン二元共重合ゴム(EP
M)またはエチレン・プロピレン・非共役ジエン三元共
重合ゴム(EPDM)、水添率95%以上かつスチレン
含量が5〜50重量%のスチレン共重合体が好ましい。
これらのエラストマーは本発明方法によって得られる樹
脂組成物の性能、特に衝撃強度や寸法安定性の向上に極
めて有効である。ここで、各その他の付加成分の含量
は、赤外スペクトル分析法やNMR法等の常法により測
定される値であり、またこれらのゴムの結晶化度は全体
の30%以下のものであることが好ましい。なお、これ
らその他の付加成分の製法や形状は特に限定されない。
【0013】(2)混練 前記(a)〜(c)の各成分を配合、更にこれを混練す
ることによって樹脂組成物が得られる。該混練は、例え
ば一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロー
ル、ブラベンダープラストグラフ、ニーダー等の通常の
混練機を用いて行なわれる。上記混練に際し、本発明の
プロピレン系樹脂組成物の製造方法においてはその混合
順序が重要である。前記の(a)〜(c)成分のうち、
予め(a)成分のみ或いは(a)成分と少なくとも一部
の(b)成分の配合物を溶融混練せしめ、次いで、これ
に(c)成分のみ或いは(c)成分と残量の(b)成分
を個別又は同時に配合して混練する必要がある。具体的
には、例えば、二軸押出機を用い、まず(a)成分のみ
を押出機前半部よりフィードして充分加熱混練した後、
押出機後半部から(b)成分と(c)成分を各々個別に
フィードして混練して製造する。すなわち(c)成分は
必ず(a)成分或いは(a)成分と少なくとも一部の
(b)成分が充分加熱溶融混練された後にフィードして
混練される必要がある。このような混合順序で混合しな
いと、(c)成分の破壊が生じ、本発明の著しい効果を
奏することができない。すなわち、得られたプロピレン
系樹脂組成物中の中空ガラス球が破壊されて、ガラス球
中の中空部分に樹脂成分が入り込んでしまうために、プ
ロピレン系樹脂組成物全体の密度が増し、密度が0.9
50g/cm3 を超えるものとなり、該プロピレン系樹脂
組成物を用いた成形体は比重の大きな重いものとなる。
従って、上記混練は(c)成分の中空ガラス球を破壊し
ないように混練することが重要である。なお、本発明の
効果を著しく損わない範囲で(a)成分の一部を押出機
後半部からフィールドしても構わない。
ることによって樹脂組成物が得られる。該混練は、例え
ば一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロー
ル、ブラベンダープラストグラフ、ニーダー等の通常の
混練機を用いて行なわれる。上記混練に際し、本発明の
プロピレン系樹脂組成物の製造方法においてはその混合
順序が重要である。前記の(a)〜(c)成分のうち、
予め(a)成分のみ或いは(a)成分と少なくとも一部
の(b)成分の配合物を溶融混練せしめ、次いで、これ
に(c)成分のみ或いは(c)成分と残量の(b)成分
を個別又は同時に配合して混練する必要がある。具体的
には、例えば、二軸押出機を用い、まず(a)成分のみ
を押出機前半部よりフィードして充分加熱混練した後、
押出機後半部から(b)成分と(c)成分を各々個別に
フィードして混練して製造する。すなわち(c)成分は
必ず(a)成分或いは(a)成分と少なくとも一部の
(b)成分が充分加熱溶融混練された後にフィードして
混練される必要がある。このような混合順序で混合しな
いと、(c)成分の破壊が生じ、本発明の著しい効果を
奏することができない。すなわち、得られたプロピレン
系樹脂組成物中の中空ガラス球が破壊されて、ガラス球
中の中空部分に樹脂成分が入り込んでしまうために、プ
ロピレン系樹脂組成物全体の密度が増し、密度が0.9
50g/cm3 を超えるものとなり、該プロピレン系樹脂
組成物を用いた成形体は比重の大きな重いものとなる。
従って、上記混練は(c)成分の中空ガラス球を破壊し
ないように混練することが重要である。なお、本発明の
効果を著しく損わない範囲で(a)成分の一部を押出機
後半部からフィールドしても構わない。
【0014】(3)プロピレン系樹脂組成物 上記のようにして得られたプロピレン系樹脂組成物は、
該組成物中に含まれる中空ガラス球がほとんど破壊され
ない状態(90%以上、好ましくは95〜100%が残
存)で配合されていることから、密度が0.950g/
cm3 以下、好ましくは0.940g/cm3 以下、特に好
ましくは0.930g/cm2 以下のもので、かつ弾性率
が25,000kg/cm2 以上、好ましくは26,000
kg/cm2 以上の値を示すものである。
該組成物中に含まれる中空ガラス球がほとんど破壊され
ない状態(90%以上、好ましくは95〜100%が残
存)で配合されていることから、密度が0.950g/
cm3 以下、好ましくは0.940g/cm3 以下、特に好
ましくは0.930g/cm2 以下のもので、かつ弾性率
が25,000kg/cm2 以上、好ましくは26,000
kg/cm2 以上の値を示すものである。
【0015】〔II〕成形体の製造 このようなプロピレン系樹脂組成物を用いて成形体を製
造するには、通常の成形方法によって行うことができ
る。すなわち、射出成形、圧縮成形、押出成形(シート
成形、ブロー成形)等のいずれの成形方法であっても構
わないが、中でも射出成形によって成形することが好ま
しい。該成形体は、工業用分野、特に自動車部品として
成形することが好ましい。具体的にはトリム、インスト
ルメントパネル等の内装部品、バンパー等の外装部品、
ファンシュラウド等の機能部品などを挙げることができ
る。
造するには、通常の成形方法によって行うことができ
る。すなわち、射出成形、圧縮成形、押出成形(シート
成形、ブロー成形)等のいずれの成形方法であっても構
わないが、中でも射出成形によって成形することが好ま
しい。該成形体は、工業用分野、特に自動車部品として
成形することが好ましい。具体的にはトリム、インスト
ルメントパネル等の内装部品、バンパー等の外装部品、
ファンシュラウド等の機能部品などを挙げることができ
る。
【0016】
【実施例】以下に、実施例および比較例を示して本発明
を更に具体的に説明する。なお、ここで実施した原材料
及び物性の評価方法は次に示すとおりである。 (1)原材料 (a)成分 a−1:密度が0.9081g/cm3 、MFRが10g
/10分のプロピレン単独重合体 a−2:プロピレン単独重合体部の密度が0.9078
g/cm3 、全体のMFRが5g/10分,エチレン含量
が4.9重量%のプロピレン・エチレンンブロック共重
合体 a−3:プロピレン単独重合体部の密度が0.9077
g/cm3 、全体のMFRが30g/10分、エチレン含
量が5.3重量%のアクリル酸変性プロロピレン・エチ
レンブロック共重合体(変性剤濃度0.25重量%) a−4:プロピレン単独重合体部の密度が0.9059
g/cm3 、全体のMFRが8g/10分,エチレン含量
が5.7重量%のプロピレン・エチレンブロック共重合
体 (b)成分 b−1:平均直径が0.5μmかつ平均アスペクト比が
25の塩基性硫酸マグネシウムウィスカー〔マグネシウ
ムオキシサルフェートウィスカーMgSO4・5Mg
(OH)2 ・3H2 O〕 b−2:平均直径が9μm、長さが3mmかつ表面集束剤
の最終付着量が0.25重量%のガラス繊維(アミノシ
ランカップリング剤にて表面処理済み) b−3:平均直径が90μmかつ平均アスペクト比が5
5の白マイカ b−4:平均直径が2μmのタルク(中国原石使用) b−5:平均直径が2.5μmの重質炭酸カルシウム (c)成分 c−1:平均粒子密度(真密度)が0.60g/cm3 、
平均耐圧強度が700kg/cm2 の中空ガラス球 c−2:c−1をガンマ−アミノプロピルトリメトキシ
シランで表面処理したもの c−3:平均粒子密度(真密度)が0.23g/cm3 、
平均耐圧強度が35kg/cm2 の中空ガラス球 c−4:平均粒子密度(真密度)が0.38g/cm3 、
平均耐圧強度が210kg/cm2 の中空ガラス球
を更に具体的に説明する。なお、ここで実施した原材料
及び物性の評価方法は次に示すとおりである。 (1)原材料 (a)成分 a−1:密度が0.9081g/cm3 、MFRが10g
/10分のプロピレン単独重合体 a−2:プロピレン単独重合体部の密度が0.9078
g/cm3 、全体のMFRが5g/10分,エチレン含量
が4.9重量%のプロピレン・エチレンンブロック共重
合体 a−3:プロピレン単独重合体部の密度が0.9077
g/cm3 、全体のMFRが30g/10分、エチレン含
量が5.3重量%のアクリル酸変性プロロピレン・エチ
レンブロック共重合体(変性剤濃度0.25重量%) a−4:プロピレン単独重合体部の密度が0.9059
g/cm3 、全体のMFRが8g/10分,エチレン含量
が5.7重量%のプロピレン・エチレンブロック共重合
体 (b)成分 b−1:平均直径が0.5μmかつ平均アスペクト比が
25の塩基性硫酸マグネシウムウィスカー〔マグネシウ
ムオキシサルフェートウィスカーMgSO4・5Mg
(OH)2 ・3H2 O〕 b−2:平均直径が9μm、長さが3mmかつ表面集束剤
の最終付着量が0.25重量%のガラス繊維(アミノシ
ランカップリング剤にて表面処理済み) b−3:平均直径が90μmかつ平均アスペクト比が5
5の白マイカ b−4:平均直径が2μmのタルク(中国原石使用) b−5:平均直径が2.5μmの重質炭酸カルシウム (c)成分 c−1:平均粒子密度(真密度)が0.60g/cm3 、
平均耐圧強度が700kg/cm2 の中空ガラス球 c−2:c−1をガンマ−アミノプロピルトリメトキシ
シランで表面処理したもの c−3:平均粒子密度(真密度)が0.23g/cm3 、
平均耐圧強度が35kg/cm2 の中空ガラス球 c−4:平均粒子密度(真密度)が0.38g/cm3 、
平均耐圧強度が210kg/cm2 の中空ガラス球
【0017】(2)評価方法 密度 :成形体試片についてJIS−K7112に
準拠して測定した。 曲げ弾性率:成形体試験片についてJIS−K7203
に準拠して測定した。測定温度は23℃である。 成形反り :射出成形シート(120mm×120mm×
1.8mm)を定盤上に置き、その一片を押え他の一片の
(最大)反り量を測定し、下記の様に分類した。 1.0mm未満 : 極めて良好 2.0mm未満 : 良 好 2.0mm以上 : 不 良 熱変形温度:成形体試験片についてJIS−K7207
に準拠して測定した。ファイバーストレスは4.6kg/
cm2 である。 アイゾット衝撃強度[切削ノッチ付]:成形体試験片に
ついてJIS−K7110に準拠して測定した。測定温
度は23℃である。
準拠して測定した。 曲げ弾性率:成形体試験片についてJIS−K7203
に準拠して測定した。測定温度は23℃である。 成形反り :射出成形シート(120mm×120mm×
1.8mm)を定盤上に置き、その一片を押え他の一片の
(最大)反り量を測定し、下記の様に分類した。 1.0mm未満 : 極めて良好 2.0mm未満 : 良 好 2.0mm以上 : 不 良 熱変形温度:成形体試験片についてJIS−K7207
に準拠して測定した。ファイバーストレスは4.6kg/
cm2 である。 アイゾット衝撃強度[切削ノッチ付]:成形体試験片に
ついてJIS−K7110に準拠して測定した。測定温
度は23℃である。
【0018】実施例1〜7及び比較例1〜6 (1)ミキサーによる混合 下記の(a)成分(粉末)、(b)成分及び(c)成分
を表1に示す割合で配合し、更にテトラキス〔メチレン
−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート〕メタン及び2−(2′−
ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニ
ル)−5−クロロベンゾトリアゾールを上記(a)〜
(c)成分の合計100重量部に対して各々0.07重
量部、カーボンブラック系灰色顔料マスターバッチを1
重量部配合し、このうち押出機後半部よりフィードする
成分〔(c)成分のみ、または(c)成分と(b)成分
の全部または一部〕を除いた各成分を高速ミキサーにて
充分混合した。
を表1に示す割合で配合し、更にテトラキス〔メチレン
−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート〕メタン及び2−(2′−
ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニ
ル)−5−クロロベンゾトリアゾールを上記(a)〜
(c)成分の合計100重量部に対して各々0.07重
量部、カーボンブラック系灰色顔料マスターバッチを1
重量部配合し、このうち押出機後半部よりフィードする
成分〔(c)成分のみ、または(c)成分と(b)成分
の全部または一部〕を除いた各成分を高速ミキサーにて
充分混合した。
【0019】(2)押出機による混合 次いで、日本製鋼所製2軸押出機を用い、220℃の温
度条件にて前記高速ミキサー混合成分を前半部よりフィ
ードして溶融混練しながら、残りの成分〔(c)成分の
み、または(c)成分と(b)成分の全部または一部〕
を表1に示す割合に見合う量で後半部よりフィードして
混練造粒した(除く比較例6)。
度条件にて前記高速ミキサー混合成分を前半部よりフィ
ードして溶融混練しながら、残りの成分〔(c)成分の
み、または(c)成分と(b)成分の全部または一部〕
を表1に示す割合に見合う量で後半部よりフィードして
混練造粒した(除く比較例6)。
【0020】(3)評価 こうして得られた着色ペレットをスクリューインライン
式射出成形機へ供して成形反り評価用シート(120mm
×120mm×1.8mm)及び物性評価用試験片を230
℃で成形した。この場合の成形サイクルは、各々合計5
0秒及び45秒であった。その評価結果を表2に示す。
式射出成形機へ供して成形反り評価用シート(120mm
×120mm×1.8mm)及び物性評価用試験片を230
℃で成形した。この場合の成形サイクルは、各々合計5
0秒及び45秒であった。その評価結果を表2に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】実施例8 実施例2と同一の配合において、更に(a)〜(c)成
分合計100重量部に対してソジウム−2,2′−メチ
レン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチル−フェニル)フ
ォスフェートを0.1重量部配合し、実施例2と同一の
方法で混練造粒した。この樹脂組成物の評価結果は、 密度:0.902g/cm3 、 曲げ弾性率:29,200kg/cm2 、 熱変形温度:142℃、 アイゾット衝撃強度:7.9kg・cm/cm2 であった。
分合計100重量部に対してソジウム−2,2′−メチ
レン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチル−フェニル)フ
ォスフェートを0.1重量部配合し、実施例2と同一の
方法で混練造粒した。この樹脂組成物の評価結果は、 密度:0.902g/cm3 、 曲げ弾性率:29,200kg/cm2 、 熱変形温度:142℃、 アイゾット衝撃強度:7.9kg・cm/cm2 であった。
【0024】
【発明の効果】本発明方法によって得られたプロピレン
系樹脂組成物は、従来のプロピレン系樹脂組成物の製造
によって得られたものとは異なり、極めて小さい密度で
あるにも拘らず高度の剛性及び耐熱性を有するプロピレ
ン系樹脂組成物であるため、軽量でかつ高度の剛性及び
耐熱性を有する成形品が常法の成形法によって容易に得
ることができ、例えば、自動車部品や電気・電子装置の
ハウジング等の軽量化用の材料として有用なものであ
る。
系樹脂組成物は、従来のプロピレン系樹脂組成物の製造
によって得られたものとは異なり、極めて小さい密度で
あるにも拘らず高度の剛性及び耐熱性を有するプロピレ
ン系樹脂組成物であるため、軽量でかつ高度の剛性及び
耐熱性を有する成形品が常法の成形法によって容易に得
ることができ、例えば、自動車部品や電気・電子装置の
ハウジング等の軽量化用の材料として有用なものであ
る。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−294751(JP,A) 特開 昭62−91559(JP,A) 特開 平2−91134(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/00 - 23/36 C08K 3/00 - 13/08
Claims (1)
- 【請求項1】 下記の(a)成分、或いは(a)成分と
少なくとも一部の(b)成分の配合物を溶融混練せし
め、次いでこれに(c)成分或いは(c)成分と残量の
(b)成分を個別に又は同時に配合し、混練させて得ら
れた密度が0.950g/cm3 以下かつ弾性率が25,
000kg/cm2 以上の組成物であって、その組成比が
(a)成分100重量部に対して(b)成分及び(c)
成分が両者の重量比1/99〜99/1でかつ合計量が
5〜100重量部であることを特徴とするプロピレン系
樹脂組成物の製造法。 (a)プロピレン単独重合体部分の密度が0.9070
g/cm3 以上でかつ重合体全体のMFRが0.5〜20
0g/10分の結晶性プロピレン重合体 (b)平均粒径が0.8〜15μmのタルク、平均粒径
が3〜150μmのマイカ、平均直径が18μm以下の
ガラス繊維及び平均直径が2μm以下かつ平均アスペク
ト比が5以上の非金属無機ウイスカーから選ばれた少な
くとも一種のフイラー (c)ASTM−D2840(エアーコンパリソンピク
ノメーター使用)による平均粒子密度が0.2〜0.8
g/cm3 、ASTM−D3102(グリセロール使用)
による平均耐圧強度が250kg/cm2 以上の中空ガラス
球
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3064787A JP3016891B2 (ja) | 1991-03-28 | 1991-03-28 | プロピレン系樹脂組成物の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3064787A JP3016891B2 (ja) | 1991-03-28 | 1991-03-28 | プロピレン系樹脂組成物の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04298552A JPH04298552A (ja) | 1992-10-22 |
JP3016891B2 true JP3016891B2 (ja) | 2000-03-06 |
Family
ID=13268296
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3064787A Expired - Fee Related JP3016891B2 (ja) | 1991-03-28 | 1991-03-28 | プロピレン系樹脂組成物の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3016891B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0517634A (ja) * | 1991-07-09 | 1993-01-26 | Meiwa Ind Co Ltd | 圧縮成形用オレフイン系樹脂組成物 |
JP2002020559A (ja) * | 2000-07-06 | 2002-01-23 | Sumitomo Chem Co Ltd | ポリプロピレン系樹脂組成物及びその自動車用射出成形体 |
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