JPH093299A - ポリプロピレン系組成物 - Google Patents

ポリプロピレン系組成物

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JPH093299A
JPH093299A JP17278995A JP17278995A JPH093299A JP H093299 A JPH093299 A JP H093299A JP 17278995 A JP17278995 A JP 17278995A JP 17278995 A JP17278995 A JP 17278995A JP H093299 A JPH093299 A JP H093299A
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ethylene
propylene
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mfr
talc
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JP17278995A
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English (en)
Inventor
Akira Amano
明 天野
Kunio Iwanami
邦夫 岩浪
Akira Kobayashi
明 小林
Yuji Fujita
祐二 藤田
Shinya Kawamura
信也 河村
Takao Nomura
孝夫 野村
Takesumi Nishio
武純 西尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tonen Chemical Corp
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Tonen Sekiyu Kagaku KK
Tonen Chemical Corp
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐衝撃性、硬度、剛性等の機械的強度、成形
性及び耐熱安定性に優れ、自動車内装用に好適なポリプ
ロピレン系組成物を提供する。 【構成】 (a) 10〜25g/10分のMFRを有する
プロピレン−エチレンブロック共重合体55〜85重量
%と、(b) MFR0.5〜20g/10分のエチレン−
プロピレン共重合体ゴム、及びMFR0.2〜30g/
10分のエチレン−ブテン共重合体ゴム0〜20重量%
と、(c) 平均粒径5μm以下のタルク10〜25重量%
とを含有し、かつ前記プロピレン−エチレンブロック共
重合体は、その100重量%当たり3〜20重量%のプ
ロピレン−エチレン共重合部分(極限粘度は3〜5dl
/gで、共重合部分のエチレン含有量は30〜50重量
%である。)と、融解熱量(△Hm )とMFRとが一定
の関係を満たすプロピレンホモポリマー部分とを含有す
ることを特徴とするポリプロピレン系組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリプロピレン系組成物
に関し、特に、耐衝撃性、硬度、剛性等の機械的強度、
成形性及び耐熱安定性に優れ、自動車内装用に好適なポ
リプロピレン系組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリプ
ロピレンは軽量であり、かつ機械的強度等に優れている
ので、各種の分野に広く利用されている。しかしなが
ら、耐衝撃性に劣るため、その改良を目的として、プロ
ピレン−エチレンブロック共重合体にエチレン−プロピ
レン共重合体ゴム(EPR)等のゴム成分やタルク等の
無機フィラーを添加してなる種々のポリプロピレン系樹
脂組成物が提案されている。
【0003】特開昭61−12742号は、(a) エチレ
ン含量2〜3重量%、メルトフローレート40〜45g
/10分のプロピレン−エチレンブロック共重合体62
〜57重量%、(b) エチレン含量70〜80重量%、ム
ーニー粘度ML1+4 (100℃)55〜58のエチレン
−プロピレン共重合体ゴム26〜28重量%、(c) 密度
0.955〜0.960g/cm3 、メルトフローレー
ト18〜22g/10分の高密度ポリエチレン2〜3重
量%、(d) 平均粒径1.8〜2.2μm、比表面積36
000〜42000cm2 /gのタルク10〜12重量
%からなり、メルトフローレートが13〜18g/10
分、密度が0.950〜0.980g/cm3 、曲げ弾
性率が11500〜14000kg/cm2 、20〜8
0℃間の線膨張係数が7×10-5〜10×10-5cm/
cm/℃、及びJIS−Z8741の60°−60°法
による表面光沢度が55%以上であることを特徴とする
樹脂組成物を開示している。
【0004】特開平1−149845号は、(a) エチレ
ン含有量が20〜60重量%の沸騰キシレン可溶分を5
〜12重量%含み、重合体全体のエチレン含量が1〜7
重量%でかつメルトフローレートが15〜50g/10
分のプロピレン−エチレンブロック共重合体59〜74
重量%と、(b) プロピレン含量が20〜60重量%でか
つムーニー粘度ML1+4 (100℃)が100〜150
のエチレン−プロピレン系共重合体ゴム35〜20重量
%と、(c) 比表面積が30000cm2 /g以上、平均
粒径が0.5〜2.0μmであるタルク3〜6重量%を
配合してなることを特徴とする樹脂組成物を開示してい
る。
【0005】しかしながら、特開昭61−12742号
に開示されている組成物は、平均粒径1.8〜2.2μ
mのタルクを使用しており、タルクの比表面積が十分に
大きくないので、近年の技術レベルの進歩に伴う樹脂材
料のより一層の高性能化への要求に対応するのが困難で
あるという問題がある。
【0006】また特開平1−149845号に開示され
ている組成物は、タルクとして平均粒径1.0μm以下
の微細タルクを包含するものであるが、微細タルクは凝
集塊を形成しやすく、凝集塊を形成すると、硬度、剛性
及び低温時の耐衝撃性等の機械的強度のバランスが悪く
なる。また、微細タルクを使用することで、タルクの比
表面積が増大すると、タルクの捕集効果(吸着性)が高
くなるため、タルクが各種添加剤を吸着してしまうとい
う問題もある。そこで、アミノシラン系処理剤やチタネ
ート系処理剤等により、タルクに表面処理を施すことに
より、微細タルクの分散性を良好なものとするととも
に、添加剤の吸着を抑制することが行われているが、い
まだ十分な効果を有するものではないという問題があ
る。
【0007】さらに特開平6−263961号には、
(a) 10〜100g/10分のメルトフローレートを有
するプロピレン−エチレンブロック共重合体、又は前記
プロピレン−エチレンブロック共重合体80重量%超1
00重量%未満とオレフィン系エラストマー20重量%
未満とからなるポリオレフィン樹脂成分100重量部に
対して、(b) 変性シリコーンにより処理した平均粒径1
μm以下のタルク1〜67重量部を含有するポリオレフ
ィン樹脂組成物が開示されてる。しかしながら、このポ
リオレフィン樹脂組成物を射出成形によって製造される
トリム、コンソールボックス等の自動車内装材に用いる
場合には、機械的強度、成形性、耐熱安定性等をさらに
改善する必要がある。
【0008】したがって、本発明の目的は、耐衝撃性、
硬度、剛性等の機械的強度、成形性及び耐熱安定性に優
れ、自動車内装用に好適なポリプロピレン系組成物を提
供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み、本発明
者らは、プロピレン−エチレンブロック共重合体、ある
いはそれとエチレン−プロピレン共重合体ゴム及びエチ
レン−ブテン共重合体ゴム、タルクを所定量含有してな
るポリプロピレン系組成物の諸物性にプロピレン−エチ
レンブロック共重合体の成分構成がどのような影響を与
えるかについて、鋭意研究した結果、プロピレン−エチ
レン共重合部分の割合及び極限粘度と、プロピレン−エ
チレン共重合部分のエチレン含有量とが所定の範囲にあ
り、またプロピレンホモポリマー部分の融解熱量とメル
トフローレートとの間に一定の関係が成り立つように、
プロピレン−エチレンブロック共重合体を製造し、それ
にエチレン−プロピレン共重合体ゴム及びエチレン−ブ
テン共重合体ゴムを配合することにより、耐衝撃性、硬
度、剛性等の機械的強度、成形性及び耐熱安定性に著し
く優れたポリプロピレン系組成物が得られることを見出
し、本発明に想到した。
【0010】すなわち、本発明のポリプロピレン系組成
物は、(a) 10〜25g/10分のメルトフローレート
(MFR)を有するプロピレン−エチレンブロック共重
合体55〜85重量%と、(b) MFR0.5〜20g/
10分のエチレン−プロピレン共重合体ゴム、及びMF
R0.2〜30g/10分のエチレン−ブテン共重合体
ゴム0〜20重量%と、(c) 平均粒径5μm以下のタル
ク10〜25重量%とを含有し、かつ前記プロピレン−
エチレンブロック共重合体(a) は、その100重量%当
たり3〜20重量%のプロピレン−エチレン共重合部分
(極限粘度は3〜5dl/gで、共重合部分のエチレン
含有量は30〜50重量%である。)と、融解熱量(△
m )とMFRとが、 △Hm ≧24.5+1.583logMFR なる関係式を満たすプロピレンホモポリマー部分とを含
有することを特徴とする。
【0011】本発明を以下詳細に説明する。 [1] ポリプロピレン系組成物の各成分 (a) プロピレン−エチレンブロック共重合体 本発明において使用するプロピレン−エチレンブロック
共重合体は、多段重合により合成されるものが好まし
い。
【0012】多段重合では、まずチーグラ触媒等の存在
下でプロピレンを重合することにより、結晶性プロピレ
ンホモポリマー部分(少量のコモノマー成分を含んでい
てもよい)を生成し、次の段階でエチレン+プロピレン
に切替えてプロピレン−エチレン共重合部分を生成す
る。
【0013】上記多段重合により合成されたプロピレン
−エチレンブロック共重合体は、実質的に結晶性ホモ
ポリプロピレン部分と、プロピレン−エチレン共重合
部分と、少量の結晶性ホモポリエチレン部分とからな
るものであり、それぞれの部分は単独のポリマーとして
存在していても、あるいはそれぞれが結合した状態にあ
ってもよい。なお、上記各部分は基本的にはプロピレン
及び/又はエチレンとからなるものであるが、他のα−
オレフィンやジエン系モノマー等を少量含有していても
よい。
【0014】上記各部分の含有量については+の合
計を100重量%として、結晶性ホモポリプロピレン部
分が80〜97重量%、好ましくは85〜97重量%で
あり、プロピレン−エチレン共重合部分が3〜20重量
%、好ましくは3〜15重量%である。なお、結晶性ホ
モポリエチレン部分を含有するとしても、その含有量は
3重量%以下である。プロピレン−エチレン共重合部分
が3重量%未満では(結晶性ホモポリプロピレン部分が
97重量%を越える場合には)、耐衝撃性が低く、一方
プロピレン−エチレン共重合部分が20重量%を越える
と(結晶性ホモポリプロピレン部分が80重量%未満で
は)、剛性及び耐衝撃性が低下する。なお、プロピレン
−エチレン共重合部分の含有量は、冷キシレンに可溶部
分の割合を測定することにより求められる。
【0015】上記結晶性ホモポリマー部分については、
その融解熱量(△Hm )とMFRとが、 △Hm ≧24.5+1.583logMFR なる関係式を満たすことが必要である。△Hm <24.
5+1.583logMFRの場合には、剛性及び耐熱
性が低い。
【0016】またプロピレン−エチレン共重合部分のエ
チレンの含有量は30〜50重量%、好ましくは35〜
50重量%である。エチレンの含有量が30重量%未満
あるいは50重量%を越えると、特に延性が不足する。
プロピレン−エチレン共重合部分の極限粘度〔η〕は3
〜5dl/g、好ましくは3.5〜5dl/gである。
極限粘度〔η〕が3dl/g未満の場合には、耐衝撃性
の向上効果が十分でなく、一方5dl/gを越えると剛
性及び耐衝撃性が低下する。
【0017】このようなプロピレン−エチレンブロック
共重合体のMFRは10〜25g/10分、好ましくは
12〜25g/10分である。MFRの値が10g/1
0分未満では得られる組成物の成形性、特に射出成形性
が低下し、25g/10分を超えると耐熱性及び耐衝撃
性が低下する。
【0018】(b) エチレン−プロピレン共重合体ゴム及
びエチレン−ブテン共重合体ゴム 上述のプロピレン−エチレンブロック共重合体は単独で
用いても良いが、エチレン−プロピレン共重合体ゴム及
びエチレン−ブテン共重合体ゴムと併用することによ
り、さらに耐衝撃性等を向上させることができる。エチ
レン−プロピレン共重合体ゴム(EPR)のMFRは、
0.5〜20g/10分、好ましくは0.5〜10g/
10分である。MFRが0.5g/10分未満の場合に
は成形性が低下し、一方20g/10分を越えると機械
的強度が低下する。またハンドリング性、生産性等の観
点から、エチレンの含有量50〜90モル%、プロピレ
ンの含有量50〜10モル%のものが好ましく、エチレ
ンの含有量60〜85モル%、プロピレンの含有量40
〜15モル%のものがより好ましい。
【0019】エチレン−ブテン共重合体ゴム(EBR)
のMFRは、0.2〜30g/10分、好ましくは0.
2〜20g/10分である。MFRが0.2g/10分
未満の場合には成形性が低下し、一方30g/10分を
越えると機械的強度が低下する。またハンドリング性、
生産性等の観点から、エチレンの含有量70〜90モル
%、ブテン−1の含有量30〜10モル%のものが好ま
しく、エチレンの含有量80〜90モル%、ブテン−1
の含有量20〜10モル%のものが好ましい。なお、エ
チレン−ブテン共重合体ゴムは、エチレン及びブテン−
1以外にヘキセン−1、オクテン−1等の他のα−オレ
フィンやエチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエ
ン等のジエン化合物等を少量含有していてもよい。
【0020】(c) タルク 本発明に用いるタルクは、レーザー回折散乱法による平
均粒径が5μm以下、好ましくは1〜5μmである。タ
ルクの平均粒径が5μmを超えると、比表面積を十分に
大きくすることができず、組成物の剛性及び耐衝撃性が
低下する。
【0021】また機械的強度、耐熱性及び耐候性の向上
の観点から、変性シリコーンによる表面処理を施したタ
ルクを用いるのが好ましい。タルクに処理を施す変性シ
リコーンとしては、オルガノポリシロキサン(典型的に
はポリジメチルシロキサンなどが挙げられる。)に、シ
ラザン化合物を付加させた変性シリコーンが好ましい。
上記シラザン化合物としては、シラザン、ジシラザン、
トリシラザン、ヘキサシクロシラザンなどが挙げられ
る。上記シラザン化合物の付加量は、変性シリコーン全
体を100重量%として、0.1〜5重量%、特に1〜
3重量%であるのが好ましい。
【0022】上記変性シリコーンによるタルクの表面処
理は、タルク100重量部に対して、変性シリコーン
0.1〜5重量部、特に0.2〜1重量部を配合し、ヘ
ンシェルミキサー等により機械的に混合することによっ
て行うことができる。
【0023】このような効果が得られる理由は必ずしも
明らかではないが、シラザン化合物等による変性シリコ
ーンによってタルクの表面を処理することにより、ポリ
プロピレン系樹脂成分(プロピレン−エチレンブロック
共重合単独、あるいはそれとエチレン−プロピレン共重
合体ゴム及びエチレン−ブテン共重合体ゴム)に対する
タルクの分散性が良好なものとなるとともに、各種添加
剤等のタルクへの吸着性が大幅に低下するためであると
考えられる。
【0024】[2] 配合比 各成分の配合比は、プロピレン−エチレンブロック共重
合体が55〜85重量%、好ましくは60〜75重量%
であり、エチレン−プロピレン共重合体ゴム及びエチレ
ン−ブテン共重合体ゴムが0〜20重量%、好ましくは
10〜20重量%であり、タルクが10〜25重量%、
好ましくは15〜20重量%である。またエチレン−プ
ロピレン共重合体ゴムと、エチレン−ブテン共重合体ゴ
ムとの重量比は0.5〜2であるのが好ましい。
【0025】プロピレン−エチレンブロック共重合体の
配合量が55重量%未満では、延性、硬度等が低く、一
方85重量%を越えると耐衝撃性が低下する。またエチ
レン−プロピレン共重合体ゴム及びエチレン−ブテン共
重合体ゴムの配合量が20重量%を越えると、成形性及
び耐熱性が低下する。またタルクの配合量が10重量%
未満では剛性及び耐熱性が低く、一方25重量%を越え
ると耐衝撃性が低下する。さらにエチレン−プロピレン
共重合体ゴムと、エチレン−ブテン共重合体ゴムとの重
量比が上記の範囲以外の場合には、延性、耐衝撃性及び
コストのバランスが悪化するので好ましくない。
【0026】[3] その他の成分 本発明のポリプロピレン系組成物は、その他にその改質
を目的として、他の添加剤、例えば熱安定剤、酸化防止
剤、光安定剤、難燃剤、可塑剤、帯電防止剤、離型剤、
発泡剤、色剤、顔料等を添加することができる。
【0027】[4] ポリプロピレン系組成物の製造方法 本発明のポリプロピレン系組成物は上記成分をヘンシェ
ルミキサー、スーパーミキサー、リボンブレンダー等を
用いて混合し、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミ
キサー、ニーダー等で180〜300℃の温度範囲で溶
融混練することによって得ることができる。
【0028】なお、変性シリコーンにより処理したタル
クは、ポリプロピレン系樹脂成分(プロピレン−エチレ
ンブロック共重合単独、あるいはそれとエチレン−プロ
ピレン共重合体ゴム及びエチレン−ブテン共重合体ゴ
ム)のそれぞれ全量に対して配合してもよいし、また例
えばタルク50〜80重量%と、プロピレン−エチレン
ブロック共重合体(又は結晶性ホモポリプロピレン)2
0〜50重量%とを溶融混練し、タルクの含有量の高
い、いわゆるマスターバッチをあらかじめ製造してお
き、これにプロピレン−エチレンブロック共重合体(場
合によってはさらにエチレン−プロピレン共重合体ゴム
及びエチレン−ブテン共重合体ゴム)を所定のタルク配
合量となるように配合してもよい。このような方法でタ
ルクを配合することにより、プロピレン−エチレンブロ
ック共重合体に対するタルクの分散性(親和性)を一層
良好なものとすることができる。なお、マスターバッチ
の製造において、プロピレン−エチレンブロック共重合
体の代わりに、結晶性ホモポリプロピレンを用いてもよ
い。ただし、その使用量は、樹脂成分全体を100重量
%として20重量%以下程度である。
【0029】
【実施例】本発明を以下の実施例及び比較例により詳細
に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではな
い。実施例1〜10及び比較例1〜6 1.原料 (a) プロピレン−エチレンブロック共重合体(BPP)BPPの特性 BPP1 BPP2 BPP3 BPP4 BPP5 MFR(g/10min) 20 20 34 36 30 共重合部分 (1) 割合(重量%)(2) 10 12 11 2.5 21 エチレン含有量(重量%) 40 50 42 50 50 極限粘度(dl/g) 3.5 3 5 4 7 ホモポリプロピレン 融解熱量(cal/g) 測定値(△Hm (3) 26.8 26.1 27.0 27.4 28.5 計算値(4) 26.6 26.6 26.9 27.0 26.8 注(1) :エチレン−プロピレン共重合部分 (2) :プロピレン−エチレン共重合部分と結晶性ホモポ
リプロピレン部分の含有量の合計を100 重量%としたと
きの、プロピレン−エチレン共重合部分の含有量であ
り、冷キシレン可溶部分の割合をいう。 (3) :DSC(パーキンエルマ社製)により測定(昇温
速度:20 ℃/min)。 (4) :△Hm ' =24.5+1.583logMFR により算出
【0030】(b) エチレン−プロピレン共重合体ゴム及
びエチレン−ブテン共重合体ゴム EPR1:エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EP02P 、日
本合成ゴム(株)製)MFR=3.2 g/10min 、エチレン含有
量=74重量% EPR2:エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EP961SP 、
日本合成ゴム(株)製)MFR=0.8 g/10min 、エチレン含
有量=77重量% EBR1:エチレン−ブテン共重合体ゴム(EBM2041P、日本
合成ゴム(株)製)MFR=6 g/10min 、エチレン含有量=
80重量% EBR2:エチレン−ブテン共重合体ゴム(EBM2011P、日本
合成ゴム(株)製)MFR=1 g/10min 、エチレン含有量=
80重量%
【0031】(c) タルクタルク 平均粒径(μm)(1) Ta-1 3.6 Ta-2 4.2 Ta-3 5.0 Ta-4 12.0 Ta-5(2) 3.6 注(1) :レーザー回折散乱法により測定 (2) :タルク100 重量部をシラザン変性ポリシロキサン
1重量部で処理したものと、結晶性ホモポリプロピレン
(MFR=40g/10分)とを重量比3:1でマスターバ
ッチ化した表面処理タルク
【0032】2.混練及び成形方法 上記原料を表1に示す割合で配合し、スーパーミキサー
を用いてドライブレンドした後、二軸押出機(池貝
(株)製、PCM−45)にて200℃で、200rp
mのスクリュー回転数で溶融混練し、押出してペレット
を得た。得られたペレットを射出成形機により、樹脂温
度210℃、射出圧力2000kg/cm2及び金型温
度50℃で射出成形し、試験片を作製した。
【0033】3.物性測定 各試験片の物性測定は以下の方法で行った。それらの結
果を下記表1に示す。 (1) MFR(g/10分):ASTM D1238により230 ℃、荷
重2.16kgで測定。 (2) 引張強度(kg/cm2 ):ASTM D638 により室温で測
定。 (3) 引張破断伸度(%):ASTM D638 により室温で測
定。 (4) 曲げ弾性率(kg/cm2 ):ASTM D790 により室温で
測定。 (5) 曲げ強度(kg/cm2 ):ASTM D790 により室温で測
定。 (6) アイゾット衝撃強度(kg・cm/cm):ASTM D256 に
より3.2 mm厚試験片を用いて、ノッチ付きにて23℃及び
-30℃で測定した。 (7) 熱変形温度(℃):ASTM D648 により18.6kg/cm2
の圧力にて測定した。 (8) ロックウェル硬度(スケールR):ASTM D785 によ
り測定した。 (9) 脆化温度(℃):ASTM D746 により測定した。
【0034】 表1 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 組成(重量%) (a) BPP BPP1 59 65 75 59 BPP2 ─ ─ ─ ─ BPP3 ─ ─ ─ ─ BPP4 ─ ─ ─ ─ BPP5 ─ ─ ─ ─ (b) EPR及びEBR EPR1 ─ ─ ─ ─ EPR2 8 5 ─ 8 EBR1 ─ ─ ─ ─ EBR2 8 5 ─ 8 (c) タルク Ta−1 ─ ─ ─ ─ Ta−2 ─ ─ ─ ─ Ta−3 ─ ─ ─ ─ Ta−4 ─ ─ ─ ─ Ta−5 25 25 25 25 組成物の特性 MFR(g/10分) 14 18 20 14 引張強度(kg/cm2 ) 240 260 320 240 引張破断伸度(%) NB(2) 150 50 NB(2) 曲げ弾性率(kg/cm2 ) 23000 27000 31000 23000 曲げ強度(kg/cm2 ) 350 390 480 350 アイゾット衝撃強度(1) 23℃ 33 14 6.0 33 -30℃ 4 3.0 2.0 3.0 熱変形温度(℃) 75 80 85 75 ロックウェル硬度(R) 75 85 94 74 脆化温度(℃) -1.5 10.5 20 -1.5 注(1) :単位:kg・cm/cm (2) :破断せず
【0035】 表1(つづき) 実施例5 実施例6 実施例7 実施例8 組成(重量%) (a) BPP BPP1 65 64 70 70 BPP2 ─ ─ ─ ─ BPP3 ─ ─ ─ ─ BPP4 ─ ─ ─ ─ BPP5 ─ ─ ─ ─ (b) EPR及びEBR EPR1 5 ─ ─ ─ EPR2 ─ 5 5 5 EBR1 5 ─ ─ ─ EBR2 ─ 5 5 5 (c) タルク Ta−1 ─ ─ 20 ─ Ta−2 ─ ─ ─ 20 Ta−3 ─ ─ ─ ─ Ta−4 ─ ─ ─ ─ Ta−5 25 26 ─ ─ 組成物の特性 MFR(g/10分) 20 18 17 18 引張強度(kg/cm2 ) 250 260 250 260 引張破断伸度(%) 130 150 140 120 曲げ弾性率(kg/cm2 ) 26000 28000 27000 26500 曲げ強度(kg/cm2 ) 380 390 380 380 アイゾット衝撃強度(1) 23℃ 14 14 15 15 -30℃ 3.0 3.0 3.0 2.9 熱変形温度(℃) 80 81 80 80 ロックウェル硬度(R) 83 85 83 84 脆化温度(℃) 10.5 10.5 10.5 10.5
【0036】 表1(つづき) 実施例9 実施例10 比較例1 比較例2 組成(重量%) (a) BPP BPP1 70 77 ─ ─ BPP2 ─ ─ 59 ─ BPP3 ─ ─ ─ 59 BPP4 ─ ─ ─ ─ BPP5 ─ ─ ─ ─ (b) EPR及びEBR EPR1 ─ ─ ─ ─ EPR2 5 5 8 8 EBR1 ─ ─ ─ ─ EBR2 5 5 8 8 (c) タルク Ta−1 ─ ─ ─ ─ Ta−2 ─ ─ ─ ─ Ta−3 20 ─ ─ ─ Ta−4 ─ ─ ─ ─ Ta−5 ─ 13 25 25 組成物の特性 MFR(g/10分) 19 20 15 25 引張強度(kg/cm2 ) 260 260 220 240 引張破断伸度(%) 100 300 NB(2) 150 曲げ弾性率(kg/cm2 ) 26000 20000 22000 22000 曲げ強度(kg/cm2 ) 390 390 320 340 アイゾット衝撃強度(1) 23℃ 14 15 36 18 -30℃ 2.9 2.8 3.7 3.0 熱変形温度(℃) 80 76 71 72 ロックウェル硬度(R) 83 78 70 71 脆化温度(℃) 10.5 5.5 -3.5 0.5
【0037】 表1(つづき) 比較例3 比較例4 比較例5 比較例6 組成(重量%) (a) BPP BPP1 ─ ─ 70 50 BPP2 ─ ─ ─ ─ BPP3 ─ ─ ─ ─ BPP4 51 ─ ─ ─ BPP5 ─ 59 ─ ─ (b) EPR及びEBR EPR1 ─ ─ ─ ─ EPR2 12 8 5 5 EBR1 ─ ─ ─ ─ EBR2 12 8 5 5 (c) タルク Ta−1 ─ ─ ─ ─ Ta−2 ─ ─ ─ ─ Ta−3 ─ ─ ─ ─ Ta−4 ─ ─ 20 ─ Ta−5 25 25 ─ 40 組成物の特性 MFR(g/10分) 28 24 17 17 引張強度(kg/cm2 ) 240 230 240 280 引張破断伸度(%) 80 100 50 50 曲げ弾性率(kg/cm2 ) 21400 20000 22000 35000 曲げ強度(kg/cm2 ) 330 350 350 400 アイゾット衝撃強度(1) 23℃ 11 15 8 8 -30℃ 2.7 3.0 2.0 2.2 熱変形温度(℃) 70 70 76 85 ロックウェル硬度(R) 74 70 80 93 脆化温度(℃) 5.5 5.5 15.5 20
【0038】表1から明らかなように、実施例1〜10の
ポリプロピレン系組成物は、曲げ弾性率、熱変形温度、
アイゾット衝撃強度、硬度等の値がすべて良好なレベル
にあり、耐衝撃性、硬度、剛性等の機械的強度、成形性
及び耐熱安定性に優れている。一方、比較例1〜6のポ
リプロピレン系組成物は、耐衝撃性、硬度、剛性等の機
械的強度、成形性及び耐熱安定性の少なくとも一つが劣
る。
【発明の効果】以上に詳述したように、本発明のポリプ
ロピレン系組成物は、(a) 10〜25g/10分のメル
トフローレート(MFR)を有するプロピレン−エチレ
ンブロック共重合体と、(b) MFR0.5〜20g/1
0分のエチレン−プロピレン共重合体ゴム、及びMFR
0.2〜30g/10分のエチレン−ブテン共重合体ゴ
ムと、(c) 平均粒径5μm以下のタルクとを含有し、か
つ前記プロピレン−エチレンブロック共重合体(a) は、
その100重量%当たり3〜20重量%のプロピレン−
エチレン共重合部分(極限粘度は3〜5dl/gで、共
重合部分のエチレン含有量は30〜50重量%であ
る。)と、融解熱量(△Hm )とMFRとが、一定の関
係を満たすプロピレンホモポリマー部分とを含有するの
で、耐衝撃性、硬度、剛性等の機械的強度、成形性及び
耐熱安定性に著しく優れている。
フロントページの続き (72)発明者 小林 明 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3丁目1番地 東燃化学株式会社技術開発センター内 (72)発明者 藤田 祐二 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3丁目1番地 東燃化学株式会社技術開発センター内 (72)発明者 河村 信也 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 野村 孝夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 西尾 武純 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) 10〜25g/10分のメルトフロ
    ーレート(MFR)を有するプロピレン−エチレンブロ
    ック共重合体55〜85重量%と、(b) MFR0.5〜
    20g/10分のエチレン−プロピレン共重合体ゴム、
    及びMFR0.2〜30g/10分のエチレン−ブテン
    共重合体ゴム0〜20重量%と、(c) 平均粒径5μm以
    下のタルク10〜25重量%とを含有し、かつ前記プロ
    ピレン−エチレンブロック共重合体(a) は、その100
    重量%当たり3〜20重量%のプロピレン−エチレン共
    重合部分(極限粘度は3〜5dl/gで、共重合部分の
    エチレン含有量は30〜50重量%である。)と、融解
    熱量(△Hm )とMFRとが、 △Hm ≧24.5+1.583logMFR なる関係式を満たすプロピレンホモポリマー部分とを含
    有することを特徴とするポリプロピレン系組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のポリプロピレン系組成
    物において、前記エチレン−プロピレン共重合体ゴム
    と、エチレン−ブテン共重合体ゴムとの重量比が0.5
    〜2の範囲であることを特徴とするポリプロピレン系組
    成物。
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