JPH069836A - 射出成形用樹脂組成物 - Google Patents

射出成形用樹脂組成物

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JPH069836A
JPH069836A JP16470092A JP16470092A JPH069836A JP H069836 A JPH069836 A JP H069836A JP 16470092 A JP16470092 A JP 16470092A JP 16470092 A JP16470092 A JP 16470092A JP H069836 A JPH069836 A JP H069836A
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JP
Japan
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styrene
block copolymer
hydrogenated
copolymer
weight
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Application number
JP16470092A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Miyashita
拓 宮下
Seiichi Hitomi
誠一 人見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication of JPH069836A publication Critical patent/JPH069836A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリプロピレン系樹脂のもつ化学的性質や機
械的性質を損なうことなく、耐衝撃性と剛性を向上さ
せ、両者の性能バランスが優れたポリプロピレン系樹脂
組成物を提供する。 【構成】(a)ポリプロピレン系樹脂40〜88重量
%、(b)粒径1〜15μmのタルクx重量%、(c)
エチレン−プロピレン共重合体、水素化(スチレン−イ
ソプレンブロック共重合体)、水素化(スチレン−イソ
プレン−スチレンブロック共重合体)、水素化(スチレ
ン−ブタジエンブロック共重合体)及び水素化(スチレ
ン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体)からなる
群より選ばれる少なくとも1種以上の共重合体y重量%
からなり、x及びyは、24≦2x−y、x−y≦4
5、12<x≦55、0<y≦20なる関係を満足する
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリプロピレン系樹脂
を主成分とする射出成形用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリプロピレン系樹脂は射出
成形等によって、インスツルメントパネル、トリム、フ
ェンダー、バンパー、スポイラーなどの自動車部品、テ
レビ・VTRハウジングなどの家電製品、パソコンハウ
ジングなどのOA機器部品、コンテナ、パレットなどに
成形され、多くの産業用用途に用いられている。
【0003】コンテナについては、従来、人力で運搬す
ることを前提として製品の設計、企画が行われてきた
が、人手による運搬では、運搬される物品はそれほど重
いものではなく、コンテナの剛性も余り要求されなかっ
た。
【0004】ところが、近年、産業用ロボットの普及に
伴い、コンテナの運搬が人間の手から機械へと替わり、
運搬される物品が重量物へと変化するにつれて、コンテ
ナの要求物性は、耐衝撃性と共に剛性が重要視されるよ
うになってきた。
【0005】また、パレットについては、産業用ロボッ
トや自動倉庫の普及に伴い、運搬物が重量物化の傾向に
あり、一定の耐衝撃性を維持しながら、従来品より、耐
たわみ性、圧縮強度、曲げ強度、下面のデッキボード強
度のより優れたものが要求されている。
【0006】しかしながら、従来より使用されてきたポ
リプロピレン系樹脂、例えばポリプロピレン単体やポリ
プロピレンと無機充填剤からなる樹脂組成物では、コン
テナとして使用した場合に十分な剛性が得られず、ま
た、パレットとして使用した場合は、圧縮強度、曲げ強
度、下面デッキボード強度等が不十分なので、このよう
な要求物性の変化に対応することができないという問題
がある。
【0007】剛性を向上させたポリプロピレン系樹脂組
成物として、例えば、ポリプロピレンと、多量の無機充
填剤と、エチレン─プロピレン共重合体からなる樹脂組
成物が、特開昭61−108648号公報及び特開昭6
1−276840号公報に開示されている。
【0008】しかしながら、上記組成物を使用しても、
得られる成形体の剛性は十分ではない。
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記欠点に
鑑みてなされたものであり、その目的は、ポリプロピレ
ン系樹脂のもつ化学的性質や機械的強度を損なうことな
く、特に耐衝撃性と剛性を向上させ、両者の性能バラン
スに優れた射出成形用樹脂組成物を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1発明の射出成形用樹
脂組成物は、(a)ポリプロピレン系樹脂40〜88重
量%、(b)粒径1〜15μmのタルクx重量%、
(c)エチレン−プロピレン共重合体、水素化(スチレ
ン−イソプレンブロック共重合体)、水素化(スチレン
−イソプレン−スチレンブロック共重合体)、水素化
(スチレン−ブタジエンブロック共重合体)及び水素化
(スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体)
からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の共重合体
y重量%からなり、x及びyは、24≦2x−y、x−
y≦45、12<x≦55、0<y≦20なる関係を満
足することを特徴とする。
【0010】第2発明の射出成形用樹脂組成物は、
(a)ポリプロピレン系樹脂55〜95重量%、(d)
繊維直径1〜100μm、繊維長1〜100,000μ
mのガラス繊維s重量%、(c)エチレン−プロピレン
共重合体、水素化(スチレン−イソプレンブロック共重
合体)、水素化(スチレン−イソプレン−スチレンブロ
ック共重合体)、水素化(スチレン−ブタジエンブロッ
ク共重合体)及び水素化(スチレン−ブタジエン−スチ
レンブロック共重合体)からなる群より選ばれる少なく
とも1種以上の共重合体t重量%からなり、s及びt
は、5≦s−t≦35、5<s≦45、0<t≦20な
る関係を満足することを特徴とする。
【0011】第3発明の射出成形用樹脂組成物は、
(a)ポリプロピレン系樹脂30〜95重量%、(e)
ポリスチレン及びアクリロニトリル−ブタジエン−スチ
レン共重合体のうち少なくともいずれか1種のスチレン
系樹脂u重量%、(c)エチレン−プロピレン共重合
体、水素化(スチレン−イソプレンブロック共重合
体)、水素化(スチレン−イソプレン−スチレンブロッ
ク共重合体)、水素化(スチレン−ブタジエンブロック
共重合体)及び水素化(スチレン−ブタジエン−スチレ
ンブロック共重合体)からなる群より選ばれる少なくと
も1種以上の共重合体v重量%からなり、u及びvは、
5≦u−v≦45、5<u≦55、0<v≦15なる関
係を満足することを特徴とする。以上により、上記目的
が達成される。
【0012】以下に第1発明について詳細に説明する。
第1発明で使用されるポリプロピレン系樹脂(a)とし
ては、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンラ
ンダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合
体などが挙げられる。上記エチレン−プロピレンランダ
ム共重合体及びエチレン−プロピレンブロック共重合体
のエチレン含有量は、0.2〜30重量%の範囲が好ま
しく、より好ましくは1〜7重量%である。
【0013】上記ポリプロピレン系樹脂は、成形上の理
由により、メルトフローレート(MFR)が、1〜80
g/10分(JIS K−7210、230℃、2.1
6kgf)の範囲が好ましく、より好ましくは2〜15
g/10分である。
【0014】上記ポリプロピレン系樹脂(a)の量は、
少なくなると成形体の耐薬品性及び耐候性が低下し、多
くなると成形体の底面たわみが、ポリプロピレン樹脂単
独とほぼ同等もしくはそれより低下するので、組成物中
40〜88重量%に限定される。
【0015】第1発明で使用されるタルク(b)は、ポ
リプロピレン系樹脂(a)の剛性を向上させるために添
加されるものであり、その粒径が、小さくなるとホッパ
ー内でブリッジを起こして成形が困難となり、大きくな
ると成形体の耐衝撃性が低下するので、1〜15μmに
限定され、好ましくは3〜10μmである。
【0016】上記タルク(b)は、その表面を、シラン
系カップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、
飽和あるいは不飽和脂肪酸、ビニル性不飽和結合を有す
るカルボン酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル、脂肪酸
アミド等で処理したものを使用してもよい。このような
表面処理は、タルク(b)を樹脂に添加する前に予め行
ってもよく、コンパウンディング工程で行ってもよい。
【0017】上記タルク(b)と共に、少量の、炭酸カ
ルシウム、シリカ、ガラス繊維、マイカ、ウィスカ、炭
素繊維、ボロン繊維等の充填剤を併用してもよい。ま
た、これらの充填剤は単独で用いてもよいし、2種以上
混合して使用してもよい。
【0018】第1発明で使用される共重合体(c)は、
エチレン−プロピレン共重合体、水化(スチレン−イソ
プレンブロック共重合体)、水素化(スチレン−イソプ
レン−スチレンブロック共重合体)、水素化(スチレン
−ブタジエンブロック共重合体)及び水素化(スチレン
−ブタジエン−スチレンブロック共重合体)からなる群
より選ばれる。
【0019】上記エチレン−プロピレン共重合体(以下
EPRという)は、プロピレン含有量が20〜60重量
%のものが好ましく、MFRは0.3〜20g/10分
のものが好ましい。
【0020】上記水素化(スチレン−イソプレンブロッ
ク共重合体)、水素化(スチレン−イソプレン−スチレ
ンブロック共重合体)、水素化(スチレン−ブタジエン
ブロック共重合体)及び水素化(スチレン−ブタジエン
−スチレンブロック共重合体)は、スチレン含有量が1
0〜70重量%のものが好ましい。
【0021】水素化(スチレン−イソプレンブロック共
重合体)としては、例として、スチレン−エチレン−プ
ロピレンブロック共重合体(以下SEPという)が挙げ
られ、例えば、セプトン#1001(クラレ社製)が好
適に用いられ、水素化(スチレン−イソプレン−スチレ
ンブロック共重合体)としては、例として、スチレン−
エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体(以
下SEPSという)が挙げられ、例えば、セプトン#2
003(クラレ社製)が好適に用いられる。
【0022】上記水素化(スチレン−ブタジエンブロッ
ク共重合体)としては、スチレン−エチレン・ブチレン
ブロック共重合体(以下SEBという)が挙げられ、水
素化(スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合
体)としては、例として、スチレン−エチレン・ブチレ
ン−スチレンブロック共重合体が挙げられ、例えば、ク
レイトン#2103(シェル社製)が好適に用いられ
る。
【0023】第1発明の射出成形用樹脂組成物は、ポリ
プロピレン系樹脂(a)40〜88重量%、タルク
(b)x重量%、共重合体(c)y重量%からなり、x
及びyは、24≦2x−y、x−y≦45、12<x≦
55、0<y≦20なる関係を満足する必要がある。
【0024】上記関係を満足することにより、ポリプロ
ピレン樹脂単体に比べて、コンテナにおける底面たわみ
が減少し、パレットにおける曲げ強度、圧縮強度、下面
デッキボードのたわみ率あるいは歪み量が大幅に減少
し、しかも優れた耐衝撃性が得られる。
【0025】特に、コンテナについては、12≦x−y
≦45、15≦x≦55、0<y≦15なる関係を満足
するのが好ましく、また、パレットについては、24≦
2x−y、x≦35、0<y≦20なる関係を満足する
のが好ましい。
【0026】次に、第2発明について詳細に説明する。
第2発明で使用されるポリプロピレン系樹脂(a)とし
ては、例えば、第1発明で使用されるものと同一の樹脂
が使用可能である。
【0027】上記ポリプロピレン系樹脂(a)の量は、
少なくなると成形体の耐薬品性及び耐候性が低下し、多
くなると成形体の底面たわみが、ポリプロピレン樹脂単
独とほぼ同等もしくはそれより低下するので、組成物中
55〜95重量%に限定される。
【0028】上記ポリプロピレン系樹脂(a)には、後
述のガラス繊維(d)との親和性を向上させるために、
アクリル酸、無水マレイン酸等の処理により極性基を導
入したものを用いてもよい。
【0029】第2発明で使用されるガラス繊維(d)
は、ポリプロピレン系樹脂(a)の剛性を向上させるた
めに添加されるものであり、その繊維直径が、小さくな
ると繊維同士の凝集が起こりやすくなり、大きくなると
耐衝撃性が低下するので、1〜100μmに限定され、
好ましくは3〜30μmである。
【0030】また、上記ガラス繊維(d)は、繊維長が
短くなるとホッパー内でブリッジを起こして成形が困難
となり、大きくなるとホッパー内で詰まりを起こすの
で、1〜100,000μmに限定され、好ましくは3
〜10,000μmである。
【0031】上記ガラス繊維(d)は、その表面をシラ
ン系カップリング剤、有機チタネート系カップリング
剤、飽和あるいは不飽和脂肪酸、ビニル性不飽和結合を
有するカルボン酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル、脂
肪酸アミド等で処理したものを使用してもよい。このよ
うな表面処理は、ガラス繊維(d)を樹脂に添加する前
に予め行ってもよく、コンパウンディング工程で行って
もよい。
【0032】上記ガラス繊維(f)と共に、少量の、タ
ルク、シリカ、炭酸カルシウム、ガラス繊維、マイカ、
ウィスカ、炭素繊維、ボロン繊維等の充填剤を併用して
もよい。また、これらの充填剤は単独で用いてもよい
し、2種以上混合して使用してもよい。
【0033】第2発明で使用される共重合体(c)とし
ては、第1発明で使用されるものと同一の共重合体が使
用可能である。
【0034】第2発明の射出成形用樹脂組成物は、ポリ
プロピレン系樹脂(a)55〜95重量%、ガラス繊維
(d)s重量%、共重合体(c)t重量%からなり、s
及びtは、5≦s−t≦35、5<s≦45、0<t≦
20なる関係を満足する必要がある。
【0035】上記関係を満足することにより、ポリプロ
ピレン樹脂単体に比べて、コンテナにおける底面たわみ
が減少し、パレットにおける曲げ強度、圧縮強度、下面
デッキボードのたわみ率あるいは歪み量が大幅に減少
し、しかも優れた耐衝撃性が得られる。
【0036】次に、第3発明について詳細に説明する。
第3発明で使用されるポリプロピレン系樹脂(a)とし
ては、例えば、第1発明で使用されるものと同一の樹脂
が使用可能である。
【0037】第3発明において、ポリプロピレン系樹脂
(a)の量が、少なくなると耐薬品性及び耐候性が低下
し、多くなると成形体の底面たわみが、ポリプロピレン
単独とほぼ同等もしくはそれより低下するので、組成物
中30〜95重量%に限定される。
【0038】第3発明で使用されるスチレン系樹脂
(e)としては、ポリスチレン及びアクリロニトリル−
ブタジエン−スチレン共重合体(以下ABSという)の
うち、少なくともいずれか1種である。
【0039】上記ポリスチレンには、耐衝撃性の向上の
ために、合成ゴム、ゴムラテックス等が添加されもよ
く、耐衝撃性が向上されたポリスチレン(耐衝撃性ポリ
スチレン)としては、例えば、三菱化成社製の「HF−
77」、「HF−55」、「HH−105」等が好適に
用いられる。
【0040】上記スチレン系樹脂(e)の重量平均分子
量は、1万〜100万の範囲が好ましい。
【0041】第3発明において、ポリプロピレン系樹脂
(a)のMFR(PP)とスチレン系樹脂(e)のMF
R(PS)との比〔MFR(PP)/MFR(PS)、
230℃で2.16kgでの測定値〕が、0.25より
大きく、4より小さいことが好ましい。上記比がこの範
囲から外れると、ポリプロピレン系樹脂(a)とスチレ
ン系樹脂(e)とが溶融状態で、典型的な海島構造とな
り、スチレン系樹脂(e)が島相の場合は、スチレン系
樹脂(e)が耐クリープ性の向上に有効に作用せず、ポ
リプロピレン単体と同程度の剛性しか得られず、ポリプ
ロピレン系樹脂(a)が島相の場合は、耐薬品性や耐候
性が悪化するので好ましくない。
【0042】第3発明で使用される共重合体(c)とし
ては、例えば、第1発明で使用されるものと同一の共重
合体が使用可能である。
【0043】第3発明の組成物には、ガラス繊維、タル
ク、炭酸カルシウム、マイカ、ウィスカ、炭素繊維、ボ
ロン繊維、シリカ等の無機充填剤が添加されてもよい。
【0044】上記無機充填剤は、その表面をシラン系カ
ップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、飽和
あるいは不飽和脂肪酸、ビニル性不飽和結合を有するカ
ルボン酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル、脂肪酸アミ
ド等で処理したものを使用してもよい。このような表面
処理は、無機充填剤を樹脂に添加する前に予め行っても
よく、コンパウンディング工程で行ってもよい。
【0045】上記無機充填剤の添加量は、多くなると耐
衝撃性が低下するので、ポリプロピレン系樹脂(a)、
スチレン系樹脂(e)及び共重合体(c)の総量100
重量に対して、60重量部以下が好ましい。
【0046】第3発明の射出成形用樹脂組成物は、ポリ
プロピレン系樹脂(a)30〜95重量%、スチレン系
樹脂(e)u重量%、熱可塑性スチレン系ブロック共重
合体(c)v重量%からなり、u及びvは、5≦u−v
≦45、5<u≦55、0<v≦15なる関係を満足す
る必要がある。
【0047】上記関係を満足することにより、ポリプロ
ピレン樹脂単体に比べて、コンテナにおける底面たわみ
が減少し、パレットにおける曲げ強度、圧縮強度、下面
デッキボードのたわみ率あるいは歪み量が大幅に減少
し、しかも優れた耐衝撃性が得られる。
【0048】第1〜第3発明の射出成形用樹脂組成物に
は、必要に応じて、他の各種樹脂、顔料、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、難燃剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤など
を配合してもよい。
【0049】第1〜第3発明の射出成形用樹脂組成物を
成形する方法は、公知の任意の方法が採用され、例え
ば、二軸押出機、特殊単軸押出機等によってストランド
に押出し、ストランドをペレタイズしたペレットを射出
成形機で成形することにより、コンテナやパレット等の
成形物が得られる。また、射出成形用樹脂組成物のパウ
ダーを、直接射出成形機に投入してもよい。尚、この際
用いられる射出成形機は、スクリューのL/Dが大きい
ものが好ましい。
【0050】
【実施例】以下に本発明の実施例につき説明する。下記
の実施例1〜20及び比較例1〜21は請求項1に、実
施例21〜34及び比較例22〜27は請求項2に、実
施例35〜50及び比較例28〜33は請求項3に該当
する。
【0051】(実施例1) 1)試験片の作製 ポリプロピレン系樹脂(徳山曹達社製「MS640」、
プロピレンブロック共重合体、MFR=6.5、以下ブ
ロックPPと記す)60重量部、タルク(日本タルク社
製「K−1」、平均粒径3.5mμ)35重量部及びE
PR−1(日本合成ゴム社製「EP02P」、プロピレ
ン含有量25重量%)5重量部からなる樹脂組成物を、
二軸押出機〔池貝鉄工(株)製「PCM87」〕で押出
してペレットを製造した。上記ペレットを射出成形機
〔東芝(株)製「T65−M2」〕にてコンテナ(寸
法:592×384×127mm)を成形し、試験用サ
ンプルを作製した。
【0052】2)物性の測定 (1)底面たわみ 1)で作製したコンテナを、平行に敷設した幅100m
mの2本のレール(スパン270mm)の上に、その長
辺がレールと平行となるように置き、50kgの荷重を
均等にかけ、23℃、相対湿度50%の条件で100時
間放置した後、コンテナ中央部のたわみを測定し、その
結果を表1に示した。
【0053】(2)落下試験 1)で作製したコンテナを2mの高さから、コンテナの
底面がコンクリート床と水平となるように、コンクリー
ト床面に落下させ、全く無傷の場合を○、傷が発生した
場合を△、破壊した場合を×とし、その結果を表1に示
した。また、コンテナを2mの高さから、コンクリート
床面にコーナー部から落下させ、全く無傷の場合を○、
傷が発生した場合を△、破壊した場合を×とし、その結
果を表1に示した。
【0054】(実施例2、3、比較例1〜5)表1に示
すように樹脂組成物の配合を変えたこと以外は、実施例
1と同様にして、ペレットを押出した後コンテナを作製
し、このコンテナにつき、実施例1と同様な方法で物性
を測定し、その結果を表1に示した。
【0055】
【表1】
【0056】(実施例4〜6、比較例6〜10)ポリプ
ロピレン系樹脂としてブロックPPに代えて、プロピレ
ン単独重合体(徳山曹達社製「ME240」、MFR=
9、以下ホモPPと記す)を使用したこと以外は、実施
例1と同様にして、表2に示す樹脂組成物を配合し、実
施例1と同様にして、ペレットを押出した後コンテナを
作製し、このコンテナにつき、実施例1と同様な方法で
物性を測定し、その結果を表2に示した。
【0057】
【表2】
【0058】(実施例7〜12、比較例11〜13)ブ
ロックPPと、タルクと、共重合体として、EPR−2
(日本合成ゴム社製「EP181SP」、プロピレン含
有量25重量%)、SEPS(クラレ社製「セプトン♯
2003」、スチレン含有量13重量%)及びSEBS
(シェル社製「クレイトン♯2103」)のうちいずれ
か1種を、表3に示す割合で配合し、実施例1と同様に
して、ペレットを押出した後コンテナを作製し、このコ
ンテナにつき、実施例1と同様な方法で物性を測定し、
その結果を表3に示した。
【0059】
【表3】
【0060】(実施例13、14、比較例14〜18)
ブロックPPと、タルクと、EPR−2、SEPS、S
EBS及びSEP(クラレ社製「セプトン♯100
1」、スチレン含有量35重量%)のうちいずれか1種
を、表4に示す割合で配合し、実施例1と同様にして、
ペレットを押出した後コンテナを作製し、このコンテナ
につき、実施例1と同様な方法で物性を測定し、その結
果を表4に示した。
【0061】
【表4】
【0062】(実施例15〜20、比較例19〜21)
ブロックPPと、タルクと、EPR−1、EPR−2、
SEPS及びSEBSのうちいずれか1種を、表5に示
す割合で配合し、実施例1と同様にして、ペレットを押
出した後、実施例1と同様の射出成形機を用いて射出成
形によりパレット(寸法:幅1100×長さ1100×
高さ150mm)を作製した。このパレットにつき、J
IS Z0602に準拠して、(1)曲げ強度、(2)
下面デッキボード強度及び(3)落下試験を行い、その
結果を表5に示した。
【0063】
【表5】
【0064】(実施例21〜25、比較例22、23)
ブロックPPと、ガラス繊維(日本電気硝子社製「EC
S03 T−488」、繊維直径13μm、繊維長3m
m)と、EPR−1、EPR−2、SEPS、SEBS
及びSEPのうちいずれか1種を、表6に示す割合で配
合し、実施例1と同様にして、ペレットを押出した後コ
ンテナを作製し、このコンテナにつき、実施例1と同様
な方法で物性を測定し、その結果を表6に示した。
【0065】
【表6】
【0066】(実施例26〜30、比較例24、25)
ブロックPPと、ガラス繊維と、EPR−1、EPR−
2、SEPS、SEBS及びSEPの共重合体のうちい
ずれか1種を、表7に示す割合で配合し、実施例1と同
様にして、ペレットを押出した後、実施例1と同様の射
出成形機を用いて射出成形によりパレット(寸法:幅1
100×長さ1100×高さ150mm)を作製した。
このパレットにつき、JIS Z0602に準拠して、
(1)曲げ強度、(2)下面デッキボード強度及び
(3)落下試験を行い、その結果を表7に示した。
【0067】
【表7】
【0068】(実施例31〜34、比較例26、27)
ブロックPPと、スチレン系樹脂(三菱化成ポリテック
社製「HT−88」、耐衝撃性ポリスチレン)と、SE
P、SEPS及びSEBSのうちいずれか1種を、表8
に示す割合で配合し、実施例1と同様にして、ペレット
を押出した後コンテナを作製し、このコンテナにつき、
実施例1と同様な方法で物性を測定し、その結果を表8
に示した。
【0069】
【表8】
【0070】(実施例35〜39、比較例28〜31)
ブロックPPと、スチレン系樹脂と、タルク、炭酸カル
シウム(備北粉化工業社製「ソフトン2600」及びガ
ラス繊維のうちいずれか1種と、SEPSを、表9に示
す割合で配合し、実施例1と同様にして、ペレットを押
出した後コンテナを作製し、このコンテナにつき、実施
例1と同様な方法で物性を測定し、その結果を表9に示
した。尚、スチレン系樹脂としては、HT−88(耐衝
撃製ポリスチレン)、HF−77、HF−55、HH−
105(いずれも三菱化成ポリテック社製ポリスチレ
ン)、ABS(三菱化成ポリテック社製「TFX−25
5」)のうち、いずれか1種を使用した。また、タル
ク、炭酸カルシウム、ガラス繊維は実施例35〜37に
使用した。
【0071】
【表9】
【0072】(実施例40〜44、比較例32、33)
ブロックPPと、HT−88と、SEP、SEPS、及
びSEBSのうちいずれか1種を、表10に示す割合で
配合し、実施例1と同様にして、ペレットを押出した後
コンテナを作製し、このコンテナにつき、実施例1と同
様な方法で物性を測定し、その結果を表10に示した。
尚、実施例40には、共重合体成分を使用しなかった。
【0073】
【表10】
【0074】(実施例45〜50)ブロックPP、スチ
レン系樹脂及びSEPSと、タルク、炭酸カルシウム及
びガラス繊維のうちいずれか1種を、表11に示す割合
で配合し、実施例1と同様にして、ペレットを押出した
後、実施例1と同様の射出成形機を用いて射出成形によ
りパレット(寸法:幅1100×長さ1100×高ささ
150mm)を作製した。このパレットにつき、JIS
Z0602に準拠して、(1)曲げ強度、(2)下面
デッキボード強度及び(3)落下試験を行い、その結果
を表11に示した。尚、スチレン系樹脂としては、HT−
88、HF−77、HF−55、HH−105、ABS
のうち、いずれか1種を使用した。また、タルク、炭酸
カルシウム、ガラス繊維は、実施例45〜47に使用し
た。
【0075】
【表11】
【0076】
【発明の効果】本発明によれば、剛性及び耐衝撃性の性
能バランスに優れた射出成形用樹脂組成物を提供するこ
とができるので、コンテナに適用することにより、底面
たわみの小さい成形体が得られ、パレットに適用するこ
とにより、圧縮強度、曲げ強度、下面デッキボード強度
に優れた成形体が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C08L 23/10 23:16 53:02)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)ポリプロピレン系樹脂40〜88重
    量%、(b)粒径1〜15μmのタルクx重量%、
    (c)エチレン−プロピレン共重合体、水素化(スチレ
    ン−イソプレンブロック共重合体)、水素化(スチレン
    −イソプレン−スチレンブロック共重合体)、水素化
    (スチレン−ブタジエンブロック共重合体)及び水素化
    (スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体)
    からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の共重合体
    y重量%からなり、x及びyは、24≦2x−y、x−
    y≦45、12<x≦55、0<y≦20なる関係を満
    足することを特徴とする射出成形用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(a)ポリプロピレン系樹脂55〜95重
    量%、(d)繊維直径1〜100μm、繊維長1〜10
    0,000μmのガラス繊維s重量%、(c)エチレン
    −プロピレン共重合体、水素化(スチレン−イソプレン
    ブロック共重合体)、水素化(スチレン−イソプレン−
    スチレンブロック共重合体)、水素化(スチレン−ブタ
    ジエンブロック共重合体)及び水素化(スチレン−ブタ
    ジエン−スチレンブロック共重合体)からなる群より選
    ばれる少なくとも1種以上の共重合体t重量%からな
    り、s及びtは、5≦s−t≦35、5<s≦45、0
    <t≦20なる関係を満足することを特徴とする射出成
    形用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】(a)ポリプロピレン系樹脂30〜95重
    量%、(e)ポリスチレン及びアクリロニトリル−ブタ
    ジエン−スチレン共重合体のうち少なくともいずれか1
    種のスチレン系樹脂u重量%、(c)エチレン−プロピ
    レン共重合体、水素化(スチレン−イソプレンブロック
    共重合体)、水素化(スチレン−イソプレン−スチレン
    ブロック共重合体)、水素化(スチレン−ブタジエンブ
    ロック共重合体)及び水素化(スチレン−ブタジエン−
    スチレンブロック共重合体)からなる群より選ばれる少
    なくとも1種以上の共重合体v重量%からなり、u及び
    vは、5≦u−v≦45、5<u≦55、0<v≦15
    なる関係を満足することを特徴とする射出成形用樹脂組
    成物。
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