JP3356224B2 - ポリオレフィン系樹脂組成物 - Google Patents
ポリオレフィン系樹脂組成物Info
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Description
組成物、詳しくは優れた機械的性能を有するマイカを充
填したポリオレフィン系樹脂組成物に関する。
組成物は、ガラス繊維、タルク、炭酸カルシウム等の無
機物充填ポリオレフィン系樹脂組成物に比較して成形品
の剛性が高く、寸法安定性が優れていることより自動車
部品、電気部品等として有効に使用されてきた。
組成物等に用いられているマイカにおいて、平均フレー
ク径とその比表面積の関係は、該平均フレーク径が大き
くなるにつれ比表面積がほぼ反比例して小さくなる。従
って、上記マイカ充填ポリオレフィン系樹脂組成物の配
合成分として一般的に使用されているマイカにおいて
も、例えば該マイカのうち平均フレーク径が200μm
程度と大きいものの、その比表面積は通常、0.35m2
/g程度にすぎない。一方、該平均フレーク径が、例えば
10μm程度と小さいものの、その比表面積は多くても
せいぜい4m2/g程度である。
リオレフィン系樹脂組成物は、上記した通り良好な剛性
を有するが、その一方で、曲げ強度、引張り強度等の機
械的強度が、十分ではなく、そのため、かかる機械的強
度が要求される分野においては使用が制限される問題が
あった。これを、改良するために、マイカを表面処理し
て使用すること等が検討されているが、コストが上昇し
効率的でない。
り強度を有するマイカ充填ポリオレフィン系樹脂組成物
の開発が望まれていた。
課題に鑑み鋭意研究を続けてきた。その結果、ポリオレ
フィンに特定のマイカを充填することによって、高強度
を有するポリオレフィン系樹脂組成物が得られることを
見出し本発明を完成するに至った。
100重量部、および(b)比表面積(Sm2/g)と平
均フレーク径(Lμm)の積が S×L≧80 であるマイカ 10〜200重量部からなるポ
リオレフィン系樹脂組成物である。
のが何等制限されることなく使用される。具体的には、
エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘ
キセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1などのα−オ
レフィンの単独重合体、上記のα−オレフィン同士のブ
ロックあるいはランダム共重合体、またはこれらの単独
重合体または共重合体の混合物等を挙げることができ
る。上記α−オレフィン同士のブロックあるいはランダ
ム共重合体としては、具体的には、エチレン含量が10
重量%以下のエチレン−プロピレンランダム共重合体や
エチレン−プロピレンブロック共重合体、同じくエチレ
ン含量が10重量%以下のエチレン−ブテン−1ランダ
ム共重合体やエチレン−ブテン−1ブロック共重合体等
が挙げられる。本発明においては、プロピレンの単独重
合体を用いるのが最も好ましい。また、上記の共重合体
には共重合体の性質を損なわない範囲で、例えば、40
モル%以下で、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸、
酢酸ビニル等のα−オレフィン以外のモノマーが共重合
成分として含まれていてもよい。さらに、上記のポリオ
レフィンには、その物性を損なわない範囲で、例えば、
20重量%以下で該ポリオレフィン以外の重合体が混合
されていてもよい。
イカ(マスコバイト)、金マイカ(フロゴバイト)、黒
マイカ、合成マイカ等の公知のものが広く使用できる。
本発明において、こうしたマイカの平均フレーク径(L
μm)と比表面積(Sm2/g)との間には、下記式 S×L≧80 好ましくは S×L≧83 の関係を満足することが必要である。なお、ここで、比
表面積Sとは、BET法により算出した値である。ま
た、平均フレーク径とは、乾式篩分け法による50%径
である。本発明では、こうした特定の平均フレーク径と
比表面積の関係を有すマイカを使用することにより、得
られるポリオレフィン系樹脂組成物を、曲げ強度及び引
張り強度の著しく優れたものとすることができる。ここ
で、上記マイカの比表面積と平均フレーク径の積が80
より小さい場合、該曲げ強度及び引張り強度の満足でき
るだけの向上効果は得られない。
レーク径及びアスペクト比は特に限定されない。一般的
にはアスペクト比が高くかつ平均フレーク径が小さいこ
とが好ましい。マイカのアスペクト比は好ましくは10
以上、さらに好ましくは30〜150であり、平均フレ
ーク径は好ましくは5〜500μm、好ましくは5〜1
00μmであるのが好適である。一方、こうしたマイカ
の比表面積は、特に制限されるものではないが、通常
は、0.3〜5m2/g、好ましくは1〜4m2/gの範囲であ
る。また、平均フレーク径と比表面積との積S×Lは、
前述した関係式を満足することが必要であり、その上限
は特に限定されるものではないが、一般的にはS×L≦
200であるのが好ましい。
レーク径と比表面積の関係を有するものであれば特に制
限されるものではなく、例えば天然に産出されたもの
や、通常の乾式粉砕により所望の粒度に機械的に微粉砕
化されたものでも、該条件を充足するものであれば使用
することができる。一般には、平均フレーク径に対して
比表面積が大きいものが得られ易い湿式粉砕、即ち、水
等の液相中でマイカを所望の粒度に機械的に微粉砕化さ
せて得たものを使用するのが好適である。なお、こうし
たマイカは各種の表面処理剤により表面処理して用いて
も差し支えない。
ポリオレフィン100重量部と上記マイカ10〜200
重量部、好ましくは20〜100重量部とよりなる。マ
イカの混合量が10重量部未満の場合、マイカの混合に
よる成形品の力学的性質、熱的性質の改善効果が充分に
発現されない。一方、該マイカの混合量が200重量部
を超えた場合、射出成形、押出成形等の成形が極めて困
難になるため好ましくない。
物に、さらに酸変性ポリオレフィンを加えることは、強
度の向上がより顕著になり好ましい。
ポリオレフィンと不飽和カルボン酸またはその無水物
を、溶媒中あるいは溶融状態で過酸化物の存在下または
不存在下に反応させて得られる。ここで、該酸変性ポリ
オレフィンの酸変性量は、特に制限されるものではない
が、一般には酸のグラフト量が0.2〜2重量%である
のが好ましい。
オレフィンと同様な範囲のものが使用できる。また、不
飽和カルボン酸またはその無水物としては、特に制限さ
れるものではないが、具体的にはマレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、シトラコン酸、アクリル酸、エンドビ
シクロ[2,2,1]−5−ヘプテン−2,3−ジカル
ボン酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボ
ン酸および無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シト
ラコン酸、エンドビシクロ[2,2,1]−5−ヘプテ
ン−2,3−無水ジカルボン酸、シス−4−シクロヘキ
セン−1,2−無水ジカルボン酸等が挙げられる。なか
でも無水マレイン酸が好ましい。
は、特に制限はないが、曲げ強度、引張り強度の向上効
果や剛性、熱変形温度の優位性を勘案すると、ポリオレ
フィン100重量部に対して1〜30重量部であること
が好ましい。
損なわない範囲で、他の無機充填剤(例えば、ガラス繊
維、ガラスビーズ、ガラスバルーン、タルク、炭酸カル
シウム、クレー、シリカ、炭酸マグネシウム、硫酸バリ
ウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ワラ
ストナイト、炭素繊維)、有機充填剤(例えば、木粉、
籾殻)、安定剤、滑剤、帯電防止剤、離型剤、発泡剤、
顔料、核剤、難燃剤、紫外線吸収剤、可塑剤などが配合
できる。
製するに際し、各成分の配合順序、混合方法などは特に
限定されるものではない。一般には、タンブラー式ブレ
ンダー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、リボン
ミキサー等を用いて常法により行えば良い。
通常の射出成形機、押出成形機、圧縮成形機、カレンダ
ー成形機等の公知の成形機により、何等制限されること
なく所望の形状に成形することができる。
は、従来のマイカ充填ポリオレフィン系樹脂組成物に比
較して、曲げ強度、引張り強度が優れている。従って、
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、構造部品、機
械部品、電気部品等において従来の用途より、はるかに
広く適用できる。
下に実施例及び比較例を挙げて説明するが、本発明はこ
れらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例
及び比較例で示した記号は以下の通りである。
0g/10分(「PN18HG」徳山曹達社製)〕 B:エチレン−プロピレンブロックコポリマー〔メルト
フローレイト 23g/10分、エチレン含有量2.6
wt%(「PN670G」徳山曹達社製)〕 2.ポリエチレン C:高密度ポリエチレン〔メルトフローレイト 15g
/10分〕 3.酸変性ポリプロピレン D:無水マレイン酸変性ポリプロピレン(グラフト量
0.56重量%) E:イタコン酸変性ポリプロピレン(グラフト量 0.
75重量%) 4.マイカ F:「W−40」(レプコ社製) 平均フレーク径(L):25μm 比表面積(S) :3.4m2/g S×L :85 アスペクト比 :40 G:「W−100」(レプコ社製) 平均フレーク径(L):65μm 比表面積(S) :1.5m2/g S×L :98 アスペクト比 :55 H:平均フレーク径(L):16μm 比表面積(S) :2.9m2/g S×L :46 アスペクト比 :35 I:平均フレーク径(L):195μm 比表面積(S) :0.36m2/g S×L :70 アスペクト比 :75 実施例1〜13及び比較例1〜8 樹脂組成物の調整及び試験方法は以下のように行った。
イカを表1に示す所定の割合になるようヘンシェルミキ
サーで混合した。
て240℃で混練造粒し、ペレットを製造した。
形機により、試験片を作成した。射出圧力は220kg/c
m2、樹脂温度は220℃、金型温度は40℃であった。
作成した試験片の引張り強度及び曲げ強度の測定結果を
表1に併記した。
験片)に準拠。
拠。
Claims (4)
- 【請求項1】(a)ポリオレフィン 100重量
部、および (b)比表面積(Sm2/g)と平均フレーク径(Lμm)
の積が S×L≧80 であるマイカ 10〜200重量部 からなるポリオレフィン系樹脂組成物。 - 【請求項2】 前記マイカのアスペクト比が、30〜1
50である請求項1記載のポリオレフィン系樹脂組成
物。 - 【請求項3】 前記ポリオレフィン系樹脂組成物が、カ
ーボンブラックを含まない請求項1記載のポリオレフィ
ン系樹脂組成物。 - 【請求項4】 前記ポリオレフィンがポリエチレンであ
る請求項1記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26607493A JP3356224B2 (ja) | 1993-10-25 | 1993-10-25 | ポリオレフィン系樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26607493A JP3356224B2 (ja) | 1993-10-25 | 1993-10-25 | ポリオレフィン系樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07118458A JPH07118458A (ja) | 1995-05-09 |
JP3356224B2 true JP3356224B2 (ja) | 2002-12-16 |
Family
ID=17425999
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26607493A Expired - Lifetime JP3356224B2 (ja) | 1993-10-25 | 1993-10-25 | ポリオレフィン系樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3356224B2 (ja) |
-
1993
- 1993-10-25 JP JP26607493A patent/JP3356224B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07118458A (ja) | 1995-05-09 |
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