JP2000109635A - ゴム含有グラフト共重合体組成物および製造方法 - Google Patents

ゴム含有グラフト共重合体組成物および製造方法

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JP2000109635A
JP2000109635A JP28096398A JP28096398A JP2000109635A JP 2000109635 A JP2000109635 A JP 2000109635A JP 28096398 A JP28096398 A JP 28096398A JP 28096398 A JP28096398 A JP 28096398A JP 2000109635 A JP2000109635 A JP 2000109635A
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graft copolymer
silane
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Noriyuki Suzuki
紀之 鈴木
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面外観を損なわず、曲げ強度、曲げ弾性
率、荷重たわみ温度に優れるゴム含有グラフト共重合体
組成物を提供する。 【解決手段】 ゴム含有グラフト共重合体およびシラン
粘土複合体を含有するゴム含有グラフト共重合体組成物
であって、上記ゴム含有グラフト共重合体が、ゴム質重
合体の存在下に芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単
量体及び必要に応じて用いられる共重合可能な他の単量
体をグラフト重合する事により調製され、上記シラン粘
土複合体が膨潤性ケイ酸塩に下記一般式(1) YnSiX4-n (1) (ただし、nは0〜3の整数であり、Yは、炭素数1〜
25の炭化水素基、及び炭素数1〜25の炭化水素基と
置換基から構成される有機官能基であり、Xは加水分解
性基および/または水酸基である。n個のY、4−n個
のXは、それぞれ同種でも異種でもよい。)で表される
シラン系化合物が導入することにより調製され、かつ組
成物中のシラン粘土複合体の平均層厚が500Å以下で
あるゴム含有グラフト共重合体組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴム含有グラフト
共重合体およびシラン粘土複合体を含有するゴム含有グ
ラフト共重合体組成物および該樹脂組成物の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】ABS樹脂に代表されるゴム含有グラフ
ト共重合体は、強靭で耐衝撃性と機械的特性に優れ、剛
性も高く、耐薬品性が優れることに加え、成形加工性に
も優れている。それらの特長を利用して、自動車部品、
OA機器部品、家庭用品、文房具、雑貨等、幅広い分野
で用いられているが、更に高い機械的特性や、耐熱性が
求められている。そのような目的から、様々な充填剤、
例えばガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウムウィス
カーなどの繊維状無機物、ガラスフレーク、ガラスビー
ズ、タルク、マイカ、カオリンなどの粒子状無機物など
の配合が行われてきた。上記無機物の配合によって、機
械的特性などは確かに改善されるものの、成形品の表面
外観が損なわれ、比重も増加するなどの問題があった。
更に別の問題としては、射出成形時、繊維状無機物の配
向によって、異方性が生じる問題もあった。
【0003】こうした繊維状無機物や粒子状無機物の配
合における欠点は、一般に、該無機物の分散不良や分散
粒子のサイズが大きすぎることに起因するものと考えら
れいる。
【0004】無機物の微分散化技術としては、国際公開
公報95−06090号、米国特許5514734号、
国際公開公報93−04118号および国際公開公報9
3−11190号に開示されている方法が挙げられる。
該公報によれば、シラン系化合物などの有機金属化合物
等が結合し、平均層厚が約50Å以下であり、かつ最大
層厚が約100Å以下である層状粒子等と樹脂マトリッ
クスを含有する樹脂複合材料に関する発明が開示されて
おり、シラン系化合物で処理したモンモリロナイトおよ
び樹脂マトリックスとしてナイロン6からなるナイロン
6系複合材料が開示されている。上記技術によれば、カ
プロラクタムが共重合されたイソシアネートプロピルト
リエトキシシラン他が結合したモンモリロナイトおよび
ナイロン6からなるナイロン6系複合材料の引張弾性率
が単独のナイロン6に比べて改善されてはいるが、決し
て充分なものではない。しかしながら、樹脂マトリック
スとしてABS系樹脂などのゴム含有グラフト共重合体
を用いた樹脂複合材料は開示されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにナイロン
6系複合材料は開示されているが、ナイロン6系での方
法をゴム含有グラフト共重合体に直接適用することによ
って、層状粒子が微分散化したゴム含有グラフト共重合
体複合材料とする事は困難であった。
【0006】一方、特開平9−118792号公報で
は、ポリプロピレン系樹脂やビニル系高分子に層状粒子
を一枚一枚に分離して分子状に分散させた場合、層状粒
子はラミネート構造を形成し、等方的な物性を発現しに
くくなる事(粘土科学、30巻(2)、143〜147
(1990))、またそれ自体もともと高い弾性率を有
する層状粒子が単位層に近い状態に分離されると歪曲
し、本来期待するほどの弾性率が得られない事が指摘さ
れている。
【0007】また、本発明者らは、層状粒子を単位層に
近い(単位層の層厚みは約10Å)非常に薄い板状の構
造でゴム含有グラフト共重合体中に含有せしめて複合材
料を得、物性評価を実施したところ、押出溶融混練等の
方法で層状粒子を積層・凝集状態のままでゴム含有グラ
フト共重合体中に含有せしめたものと比較すれば、機械
的特性や荷重たわみ温度は改良されるが、その効果は決
して十分なものではない事が判明した。
【0008】従って、層状ケイ酸塩を平均層厚が約50
Å以下かつ最大層厚が約100Å以下というように単位
層に近い状態で樹脂マトリックス中に分散せしめても、
あるいは積層・凝集したままの状態で含有せしめても、
何れの場合からも、機械的特性、荷重たわみ温度、表面
性および比重のバランスに優れたゴム含有グラフト共重
合体組成物を得ることは困難である。物性バランスが良
好な樹脂組成物を得るためには、適した層厚を有する層
状粒子を分散せしめる事が必須である。
【0009】しかし、その様な技術は未だ提供されてい
ないのが現状であり、本発明の目的は、このような従来
の問題を解決することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成する為に鋭意検討した結果、本発明に至った。す
なわち、膨潤性ケイ酸塩の単位層同士を分離劈開し、1
つの膨潤性ケイ酸塩の凝集粒子を非常に多数の極微小な
薄板状の粒子に細分化して調製される薄板状のシラン粘
土複合体が、ゴム含有グラフト共重合体中に含有される
ことによって得られる、ゴム含有グラフト共重合体組成
物およびその製造方法である。
【0011】本発明によれば、請求項1のゴム含有グラ
フト共重合体組成物は、ゴム含有グラフト共重合体およ
びシラン粘土複合体を含有するゴム含有グラフト共重合
体組成物であって、上記ゴム含有グラフト共重合体が、
ゴム質重合体の存在下に芳香族ビニル単量体、シアン化
ビニル単量体及び必要に応じて用いられる共重合可能な
他の単量体をグラフト重合する事により調製され、上記
シラン粘土複合体が膨潤性ケイ酸塩に下記一般式(1) YnSiX4-n (1) (ただし、nは0〜3の整数であり、Yは、炭素数1〜
25の炭化水素基、及び炭素数1〜25の炭化水素基と
置換基から構成される有機官能基であり、Xは加水分解
性基および/または水酸基である。n個のY、4−n個
のXは、それぞれ同種でも異種でもよい。)で表される
シラン系化合物が導入する事により調製され、かつ組成
物中のシラン粘土複合体の平均層厚が500Å以下であ
る。
【0012】請求項2のゴム含有グラフト共重合体組成
物は、請求項1に記載のゴム含有グラフト共重合体組成
物において、シラン粘土複合体の最大層厚が2000Å
以下である。
【0013】請求項3のゴム含有グラフト共重合体組成
物は、ゴム含有グラフト共重合体およびシラン粘土複合
体を含有するゴム含有グラフト共重合体組成物であっ
て、上記ゴム含有グラフト共重合体が、ゴム質重合体の
存在下に芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体及
び必要に応じて用いられる共重合可能な他の単量体をグ
ラフト重合する事により調製され、上記シラン粘土複合
体が膨潤性ケイ酸塩に下記一般式(1) YnSiX4-n (1) (ただし、nは0〜3の整数であり、Yは、炭素数1〜
25の炭化水素基、及び炭素数1〜25の炭化水素基と
置換基から構成される有機官能基であり、Xは加水分解
性基および/または水酸基である。n個のY、4−n個
のXは、それぞれ同種でも異種でもよい。)で表される
シラン系化合物が導入される事により調製され、かつ組
成物中のシラン粘土複合体の平均アスペクト比(層長さ
/層厚の比)が10〜300であり、かつ[N]値が3
0以上であり、ここで[N]値が、組成物の面積100
μm2中に存在する、シラン粘土複合体の単位比率当た
りの粒子数であると定義されると定義される。
【0014】請求項4のゴム含有グラフト共重合体組成
物は、請求項1または2に記載のゴム含有グラフト共重
合体組成物において、[N]値が30以上であり、ここ
で[N]値が、組成物の面積100μm2中に存在す
る、シラン粘土複合体の単位比率当たりの粒子数である
と定義される。
【0015】請求項5のゴム含有グラフト共重合体組成
物は、請求項1または2に記載のゴム含有グラフト共重
合体組成物において、組成物中のシラン粘土複合体の平
均アスペクト比(層長さ/層厚の比)が10〜300で
ある。
【0016】請求項6のゴム含有グラフト共重合体組成
物の製造方法は、請求項1、2、3、4または5に記載
のゴム含有グラフト共重合体組成物の製造方法であっ
て、(A)シラン粘土複合体とゴム含有グラフト共重合
体の重合性モノマーを含有する粘土分散体を調製する工
程、(B)粘土分散体中の重合性モノマーを重合する工
程を包含する。
【0017】請求項7に記載のゴム含有グラフト共重合
体組成物の製造方法は、請求項6に記載の製造方法にお
いて、工程(A)で得られる粘土分散体中のシラン粘土
複合体の底面間隔が、膨潤性ケイ酸塩の底面間隔の3倍
以上である。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるゴム含有グラ
フト共重合体とは、ゴム質重合体の存在下に芳香族ビニ
ル単量体、シアン化ビニル単量体及び必要に応じて用い
られる共重合可能な他の単量体をグラフト重合する事に
より得られる。ゴム質重合体の例としては、ポリブタジ
エン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソ
プレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合
体、エチレンーα−オレフィン共重合体、エチレンーα
−オレフィン−ポリエン共重合体、イソプレンゴム、ク
ロロプレンゴム等の共役ジエン系ゴム、およびこれらに
水素添加した飽和あるいは部分飽和ゴム、ポリアクリル
酸ブチル等のアクリル系ゴム、エチレン系アイオノマ
ー、シリコーン系ゴム、エチレン−プロピレン−非共役
ジエン等が挙げられる。上記エチレン−プロピレン−非
共役ジエンに含有されるジオレフィンとしては、ジシク
ロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,4−ヘプ
タジエン、1,5−シクロオクタジエン、6−メチル−
1,5−ヘプタジエン、11−エチル−1,11−トリ
デカジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エ
チリデン−2−ノルボルネン、2,5−ノルボルナジエ
ン、2−メチル−2,5−ノルボルナジエン、メチルテ
トラヒドロインデン、リモネン等が挙げられる。
【0019】また、芳香族ビニル単量体としては、スチ
レン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレ
ン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、モノブロ
モスチレン、ジブロモスチレン、フルオロスチレン、
2,4,5−トリブロモスチレン、2,4,6−トリブ
ロモスチレン、o−、m−またはp−メチルスチレン、
p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレン、ビニ
ルキシレン、ビニルナフタレン等が挙げられ、得られる
組成物の機械的物性や入手のし易さの点から好ましく
は、スチレン、α−メチルスチレンを挙げることがで
き、これらの1種または2種以上を使用することができ
る。
【0020】また、シアン化ビニル単量体をしては、例
えば、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等を挙
げることができ、これらの1種または2種以上を使用す
ることができる。
【0021】上記芳香族ビニル単量体およびシアン化ビ
ニル単量体の他に、これらと共重合可能な単量体を、本
発明の目的を損なわない範囲で使用することができる。
この様な共重合可能な他のビニル単量体としては、アク
リル酸、メタクリル酸等のα,β−不飽和カルボン酸;
メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルア
クリレート、ブチルアクリレート、アミルアクリレー
ト、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、2
−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリ
レート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシ
ルメタクリレート等のα,β−不飽和カルボン酸アルキ
ルエステル;マレイミド、N−メチルマレイミド、N−
エチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シク
ロヘキシルマレイミド等のα,β−不飽和ジカルボン酸
のイミド化合物類、グリシジルメタクリレート、アリル
グリシジルエーテル等のエポキシ基含有不飽和化合物、
イタコン酸、マレイン酸等のα,β−不飽和ジカルボン
酸、無水イタコン酸、無水マレイン酸、無水シトラコン
酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸無水物、アクリルア
ミン、メタクリル酸アミノエチル、メタク∽e4e4e4488a
ル酸アミノプロピル、アミノスチレン等のアミノ基含有
不飽和化合物、3−ヒドロキシー1ープロペン、4−ヒ
ドロキシー1ーブテン、シス−4−ヒドロキシー2ーブ
テン、トランス−4−ヒドロキシー2ーブテン、3−ヒ
ドロキシー2ーメチル−1−プロペン、2−ヒドロキシ
エチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート等の水酸基含有不飽和酸、およびアクリルアミド、
ビニルオキサゾリンなどが挙げることができ、これらの
単量体の1種、または2種以上を組み合わせて用いるこ
とができる。
【0022】ゴム含有グラフト共重合体の好ましい例と
しては、ABS樹脂(アクリロニトリル−プタジェン−
スチレン共重合体)の他に、AAS樹脂(アクリロニト
リル−アクリルゴム−スチレン共重合体)、AES樹脂
(アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴムースチレ
ン共重合体)MBS樹脂(メタクリル酸メチル−ブタジ
エン−スチレン共重合体)、MAS樹脂(メタクリル酸
メチル−アクリルゴム−スチレン共重合体)を含むグラ
フト共重合体である。
【0023】本発明に用いるゴム含有グラフト共重合体
の製造方法は特に限定されるものではなく、ゴム質重合
体の存在下に、単量体成分を、公知の重合法である乳化
重合、溶液重合、縣濁重合、塊状重合、塊状縣濁重合法
で重合することによって得られる。この際のゴム質重合
体成分、芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体お
よび必要に応じて用いられるその他の共重合可能な単量
体成分の配合比には特に制限はなく、用途に応じて各成
分が適宜に配合される。
【0024】本発明で用いられるシラン粘土複合体と
は、膨潤性ケイ酸塩に下記一般式(1) YnSiX4-n (1) (ただし、nは0〜3の整数であり、Yは、炭素数1〜
25の炭化水素基、及び炭素数1〜25の炭化水素基と
置換基から構成される有機官能基であり、Xは加水分解
性基および/または水酸基である。n個のY、4−n個
のXは、それぞれ同種でも異種でもよい。)で表される
シラン系化合物が導入されているものである。
【0025】上記の膨潤性ケイ酸塩は、主として酸化ケ
イ素の四面体シートと、主として金属水酸化物の八面体
シートから成り、その例としては、例えば、スメクタイ
ト族粘土および膨潤性雲母などが挙げられる。膨潤性ケ
イ酸塩としてスメクタイト族粘土および膨潤性雲母を使
用する場合には、本発明のゴム含有グラフト共重合体組
成物中における膨潤性ケイ酸塩の分散性、入手の容易さ
及び樹脂組成物の物性改善の点から好ましい。
【0026】前記のスメクタイト族粘土は下記一般式
(2) (ただし、XはK、Na、1/2Ca、及び1/2Mg
から成る群より選ばれる1種以上であり、YはMg、F
e、Mn、Ni、Zn、Li、Al、及びCrから成る
群より選ばれる1種以上であり、ZはSi、及びAlか
ら成る群より選ばれる1種以上である。尚、H2Oは層
間イオンと結合している水分子を表すが、nは層間イオ
ンおよび相対湿度に応じて著しく変動する)で表され
る、天然または合成されたものである。該スメクタイト
族粘土の具体例としては、例えば、モンモリロナイト、
バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、鉄サポナ
イト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイト及
びベントナイト等、またはこれらの置換体、誘導体、あ
るいはこれらの混合物が挙げられる。前記スメクタイト
族粘土の初期の凝集状態における底面間隔は約10〜1
7Åであり、凝集状態でのスメクタイト族粘土の平均粒
径はおおよそ1000Å〜1000000Åである。
【0027】また、前記の膨潤性雲母は下記一般式
(3) X0.51.023(Z410)(F、OH)2 (3) (ただし、XはLi、Na、K、Rb、Ca、Ba、及
びSrから成る群より選ばれる1種以上であり、YはM
g、Fe、Ni、Mn、Al、及びLiから成る群より
選ばれる1種以上であり、ZはSi、Ge、Al、F
e、及びBから成る群より選ばれる1種以上である。)
で表される、天然または合成されたものである。これら
は、水、水と任意の割合で相溶する極性溶媒、及び水と
該極性溶媒の混合溶媒中で膨潤する性質を有する物であ
り、例えば、リチウム型テニオライト、ナトリウム型テ
ニオライト、リチウム型四ケイ素雲母、及びナトリウム
型四ケイ素雲母等、またはこれらの置換体、誘導体、あ
るいはこれらの混合物が挙げられる。膨潤性雲母の初期
の凝集状態における底面間隔はおおよそ10〜17Åで
あり、凝集状態での膨潤性雲母の平均粒径は約1000
〜1000000Åである。
【0028】上記の膨潤性雲母の中には前記バーミキュ
ライト類と似通った構造を有するものもあり、このよう
なバーミキュライト類相当品等も使用し得る。該バーミ
キュライト類相当品には3八面体型と2八面体型があ
り、下記一般式(4) (Mg,Fe,Al)23(Si4-xAlx)O10(OH)2・(M+,M2+ 1/2 )x・nH2O (4) (ただし、MはNa及びMg等のアルカリまたはアルカ
リ土類金属の交換性陽イオン、x=0.6〜0.9、n=
3.5〜5である)で表されるものが挙げられる。前記
バーミキュライトの初期の凝集状態における底面間隔は
おおよそ10〜17Åであり、凝集状態でのバーミキュ
ライトの平均粒径は約1000〜5000000Åであ
る。
【0029】膨潤性ケイ酸塩は単独で用いても良く、2
種以上組み合わせて使用しても良い。これらの内では、
モンモリロナイト、ベントナイト、ヘクトライトおよび
層間にナトリウムイオンを有する膨潤性雲母が、本発明
のゴム含有グラフト共重合体組成物中での分散性、入手
の容易さ及び樹脂組成物の物性改善効果の点から好まし
い。
【0030】膨潤性ケイ酸塩の結晶構造は、c軸方向に
規則正しく積み重なった純粋度が高いものが望ましい
が、結晶周期が乱れ、複数種の結晶構造が混じり合っ
た、いわゆる混合層鉱物も使用され得る。
【0031】膨潤性ケイ酸塩に導入されるシラン系化合
物とは、通常一般に用いられる任意のものが使用され
得、下記一般式(1) YnSiX4-n (1) で表されるものである。一般式(1)中のnは0〜3の
整数であり、Yは、置換基を有していても良い炭素数1
〜25の炭化水素基である。炭素数1〜25の炭化水素
基が置換基を有する場合の置換基の例としては、例えば
エステル結合で結合している基、エーテル結合で結合し
ている基、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、末
端にカルボニル基を有する基、アミド基、メルカプト
基、スルホニル結合で結合している基、スルフィニル結
合で結合している基、ニトロ基、ニトロソ基、ニトリル
基、ハロゲン原子および水酸基などが挙げられる。これ
らの内の1種で置換されていても良く、2種以上で置換
されていても良い。Xは加水分解性基および(または)
水酸基であり、該加水分解性基の例としては、アルコキ
シ基、アルケニルオキシ基、ケトオキシム基、アシルオ
キシ基、アミノ基、アミノキシ基、アミド基、ハロゲン
原子よりなる群から選択される1種以上である。一般式
(1)中、nまたは4−nが2以上の場合、n個のYま
たは4−n個のXはそれぞれ同種でも異種でも良い。
【0032】本明細書において炭化水素基とは、直鎖ま
たは分岐鎖(すなわち側鎖を有する)の飽和または不飽
和の一価または多価の脂肪族炭化水素基、および芳香族
炭化水素基、脂環式炭化水素基を意味し、例えば、アル
キル基、アルケニル基、アルキニル基、フェニル基、ナ
フチル基、シクロアルキル基等が挙げられる。本明細書
において、「アルキル基」という場合は、特に指示が無
い限り「アルキレン基」等の多価の炭化水素基を包含す
ることを意味する。同様にアルケニル基、アルキニル
基、フェニル基、ナフチル基、及びシクロアルキル基
は、それぞれアルケニレン基、アルキニレン基、フェニ
レン基、ナフチレン基、及びシクロアルキレン基等を包
含する。
【0033】上記一般式(1)において、Yが炭素数1
〜25の炭化水素基である場合の例としては、デシルト
リメトキシシランの様に直鎖長鎖アルキル基を有するも
の、メチルトリメトキシシランの様に低級アルキル基を
有するもの、2−ヘキセニルトリメトキシシランの様に
不飽和炭化水素基を有するもの、2−エチルヘキシルト
リメトキシシランの様に側鎖を有するアルキル基を有す
るもの、フェニルトリエトキシシランの様にフェニル基
を有するもの、3−β−ナフチルプロピルトリメトキシ
シランの様にナフチル基を有するもの、及びp−ビニル
ベンジルトリメトキシシランの様にアラルキル基を有す
るものが挙げられる。Yが炭素数1〜25の炭化水素基
の中でも特にビニル基を有する基である場合の例として
は、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラ
ン、及びビニルトリアセトキシシランが挙げられる。Y
がエステル基で結合している基で置換されている基を有
する基である場合の例としては、γ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシランが挙げられる。Yがエーテル
基で結合している基で置換されている基を有する基であ
る場合の例としては、γ−ポリオキシエチレンプロピル
トリメトキシシラン、及び2−エトキシエチルトリメト
キシシランが挙げられる。Yがエポキシ基で置換されて
いる基である場合の例としては、γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシランが挙げられる。Yがアミノ基で
置換されている基である場合の例としては、γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチ
ル)アミノプロピルトリメトキシシラン、及びγ−アニ
リノプロピルトリメトキシシランが挙げられる。Yが末
端にカルボニル基を有する基で置換されている基である
場合の例としては、γ−ユレイドプロピルトリエトキシ
シランが挙げられる。Yがメルカプト基で置換されてい
る基である場合の例としては、γ−メルカプトプロピル
トリメトキシシランが挙げられる。Yがハロゲン原子で
置換されている基である場合の例としては、γ−クロロ
プロピルトリエトキシシランが挙げられる。Yがスルホ
ニル基で結合している基で置換されている基を有する基
である場合の例としては、γ−フェニルスルホニルプロ
ピルトリメトキシシランが挙げられる。Yがスルフィニ
ル基で結合している基で置換されている基を有する基で
ある場合の例としては、γ−フェニルスルフィニルプロ
ピルトリメトキシシランが挙げられる。Yがニトロ基で
置換されている基である場合の例としては、γ−ニトロ
プロピルトリエトキシシランが挙げられる。Yがニトロ
ソ基で置換されている基である場合の例としては、γ−
ニトロソプロピルトリエトキシシランが挙げられる。Y
がニトリル基で置換されている基である場合の例として
は、γ−シアノエチルトリエトキシシランおよびγ−シ
アノプロピルトリエトキシシランが挙げられる。Yがカ
ルボキシル基で置換されている基である場合の例として
は、γ−(4−カルボキシフェニル)プロピルトリメト
キシシランが挙げられる。前記以外にYが水酸基を有す
る基であるシラン系化合物もまた使用し得る。その様な
例としては、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)アミ
ノ−3−プロピルトリエトキシシランが挙げられる。水
酸基はまたシラノール基(SiOH)の形であり得る。
【0034】上記のシラン系化合物の置換体、または誘
導体もまた使用し得る。これらのシラン系化合物は、単
独、又は2種以上組み合わせて使用され得る。
【0035】シラン粘土複合体は、例えば、膨潤性ケイ
酸塩を分散媒中で底面間隔を拡大させた後にシラン系化
合物を添加する事により得られる。
【0036】上記の分散媒とは、水、水と相溶する極性
溶媒、及び水と該極性溶媒の混合溶媒を意味する。該極
性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イ
ソプロパノール等のアルコール類、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等
のグリコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケ
トン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエ
ーテル類、ジメチルホルムアミド等のアミド化合物、そ
の他の溶媒であるジメチルスルホキシドや2−ピロリド
ン等が挙げられる。
【0037】これらの極性溶媒は単独で用いても良く2
種類以上組み合わせて用いても良い。
【0038】膨潤性ケイ酸塩を分散媒中で底面間隔を拡
大させることは、該膨潤性ケイ酸塩を該分散媒中で充分
に撹拌して分散させる事によりなし得る。拡大後の底面
間隔は初期の膨潤性ケイ酸塩の底面間隔に比べて、好ま
しくは3倍以上であり、更に好ましくは5倍以上であ
る。上限値は特にない。ただし、底面間隔が約10倍以
上に拡大すると、底面間隔の測定が困難になるが、この
場合、膨潤性ケイ酸塩は実質的に単位層で存在する。
【0039】ここで、本明細書において、膨潤性ケイ酸
塩の初期の底面間隔とは、分散媒に添加する前の、単位
層が互いに積層し凝集状態である粒子状の膨潤性ケイ酸
塩の底面間隔である事を意味する。
【0040】底面間隔は小角X線回折法(SAXS)な
どで求めることが出来る。すなわち、分散媒と膨潤性ケ
イ酸塩を含む分散体におけるX線回折ピーク角値をSA
XSで測定し、該ピーク角値をBraggの式に当ては
めて算出することにより底面間隔を求め得る。
【0041】膨潤性ケイ酸塩の底面間隔を効率的に拡大
させるためには、数千rpm以上で撹拌するか、以下に
示す物理的な外力を加える方法が挙げられる。物理的な
外力は、一般に行われるフィラーの湿式微粉砕方法を用
いることによって加えられ得る。一般的なフィラーの湿
式微粉砕方法としては、例えば、硬質粒子を利用する方
法が挙げられる。この方法では、硬質粒子と膨潤性ケイ
酸塩と任意の溶媒とを混合して撹拌し、硬質粒子と膨潤
性ケイ酸塩との物理的な衝突によって、膨潤性ケイ酸塩
を分離させる。通常用いられる硬質粒子はフィラー粉砕
用ビーズであり、例えば、ガラスビーズまたはジルコニ
アビーズ等が挙げられる。これら粉砕用ビーズは、膨潤
性ケイ酸塩の硬度、または撹拌機の材質を考慮して選択
され、上述したガラスまたはジルコニアに限定されな
い。その粒径もまた、膨潤性ケイ酸塩のサイズなどを考
慮して決定されるために一概に数値で限定されるもので
はないが、直径0.1〜6.0mmの範囲にあるものが
好ましい。ここで用いる溶媒は特に限定されないが、例
えば、上記の分散媒が好ましい。
【0042】上記のように、膨潤性ケイ酸塩の底面間隔
を拡大して、凝集状態であった層を劈開してばらばらに
し、個々独立に存在させた後にシラン系化合物を添加し
て撹拌する。この様に、劈開された膨潤性ケイ酸塩の層
の表面に該シラン系化合物を導入する事によってシラン
粘土複合体が得られる。
【0043】シラン系化合物の導入は、分散媒を用いる
方法の場合は、底面間隔が拡大された膨潤性ケイ酸塩と
分散媒を含む分散体中にシラン系化合物を添加して撹拌
することにより行われ得る。シラン系化合物をより効率
的に導入したい場合は、撹拌の回転数を1000rpm
以上、好ましくは1500rpm以上、より好ましくは
2000rpm以上にするか、あるいは湿式ミルなどを
用いて500(1/s)以上、好ましくは1000(1
/s)以上、より好ましくは1500(1/s)以上の
剪断速度を加える。回転数の上限値は約25000rp
mであり、剪断速度の上限値は約500000(1/
s)である。上限値よりも大きい値で撹拌を行ったり、
剪断を加えても効果はそれ以上変わらない傾向があるた
め、上限値よりも大きい値で撹拌を行う必要はない。
【0044】物理的外力を用いる方法の場合、膨潤性ケ
イ酸塩に物理的外力を加えながら(例えば、湿式粉砕し
ながら)そこにシラン系化合物を加えることによって、
シラン系化合物を導入し得る。
【0045】あるいは、物理的外力によって底面間隔が
拡大された膨潤性ケイ酸塩を分散媒中に加え、上記の分
散媒を用いる方法の場合と同様に、そこにシラン系化合
物を添加することによって、シラン系化合物を膨潤性ケ
イ酸塩に導入することもできる。
【0046】膨潤性ケイ酸へのシラン系化合物の導入
は、底面間隔が拡大した膨潤性ケイ酸塩の表面に存在す
る水酸基と、シラン系化合物の加水分解性基および(ま
たは)水酸基とが反応する事によって、膨潤性ケイ酸塩
のにシラン系化合物が導入され得る。
【0047】膨潤性ケイ酸塩中に導入されたシラン系化
合物がさらに水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポ
キシ基、あるいはビニル基などの様な反応活性な官能基
を有している場合、この様な反応活性基と反応できる化
合物を更に添加して、この化合物をこの反応活性基と反
応させることも可能である。この様にして膨潤性ケイ酸
塩に導入されたシラン系化合物の官能基鎖の鎖長を長く
したり、極性を変えることができる。この場合、添加さ
れる化合物としては上記のシラン系化合物自体も用いら
れ得るが、それらに限定されることなく、目的に応じて
任意の化合物が用いられ得、例えば、エポキシ基含有化
合物、アミノ基含有化合物、カルボキシル基含有化合
物、酸無水物基含有化合物、及び水酸基含有化合物等が
挙げられる。
【0048】反応は室温で充分に進行するが、必要に応
じて加温しても良い。加温時の最高温度は用いるシラン
系化合物の分解温度未満であり、かつ分散媒の沸点未満
で有れば任意に設定されうる。
【0049】シラン系化合物の使用量は、粘土分散体に
おけるシラン粘土複合体の分散性、シラン粘土複合体と
樹脂との親和性、ゴム含有グラフト共重合体組成物中で
のシラン粘土複合体の分散性が十分に高まるように調製
し得る。必要であるならば、異種の官能基を有する複数
種のシラン系化合物を併用し得る。従って、シラン系化
合物の添加量は一概に数値で限定されるものではない
が、膨潤性ケイ酸塩100重量部に対して、0.1から
200重量部であり、好ましくは0.2から180重量
部であり、より好ましくは0.3から160重量部であ
り、更に好ましくは0.4から140重量部であり、特
に好ましくは0.5から120重量部である。シラン系
化合物の量が0.1重量部未満であると得られるシラン
粘土複合体の微分散化効果が充分で無くなる傾向があ
る。また、200重量部以上では効果が変わらないの
で、200重量部より多く添加する必要はない。
【0050】上記のようにして得られるシラン粘土複合
体の底面間隔は、導入されたシラン系化合物の存在によ
り、膨潤性ケイ酸塩の初期の底面間隔に比べて拡大し得
る。例えば、分散媒中に分散されて底面間隔が拡大され
た膨潤性ケイ酸塩は、シラン系化合物を導入しない場
合、分散媒を除去すると再び層同士が凝集した状態に戻
るが、本発明によれば、底面間隔を拡大した後にシラン
系化合物を導入することによって、分散媒を除去した後
も、得られるシラン粘土複合体は層同士が凝集すること
なく底面間隔が拡大された状態で存在し得る。シラン粘
土複合体の底面間隔は膨潤性ケイ酸塩の初期の底面間隔
に比べて、1.3倍以上、好ましくは1.5倍以上、更に
好ましくは1.7倍以上、特に好ましくは2倍以上拡大
している。このように、シラン系化合物が導入されるこ
とにより、および底面間隔が拡大されることにより、シ
ラン粘土複合体と樹脂との親和性を高めることができ
る。
【0051】ここで、シラン系化合物が膨潤性ケイ酸塩
に導入された事は種々の方法で確認し得る。確認の方法
としては、例えば、以下の方法が挙げられる。まず、テ
トラヒドロフランやクロロホルムなどの有機溶剤を用い
てシラン粘土複合体を洗浄する事によって、単に吸着し
ているシラン系化合物を洗浄し除去する。洗浄後のシラ
ン粘土複合体を乳鉢などで粉体状にしたのち充分に乾燥
する。次いで、シラン粘土複合体を粉末状の臭化カリウ
ム(KBr)等のような窓材質と所定の比率で充分に混
合して加圧錠剤化し、フーリエ変換(FT)−IRを用
い、透過法等により、シラン系化合物に由来する吸収帯
を測定する。より正確に測定することが所望される場
合、あるいは導入されたシラン系化合物量が少ない場合
には、充分に乾燥した粉末状のシラン粘土複合体をその
まま拡散反射法(DRIFT)で測定することが望まし
い。
【0052】また、シラン粘土複合体の底面間隔が膨潤
性ケイ酸塩よりも拡大している事は、種々の方法で確認
し得る。確認の方法としては、例えば、以下の方法が挙
げられる。
【0053】すなわち、上記と同様にして、吸着してい
るシラン系化合物を有機溶媒で洗浄してシラン粘土複合
体から除去し、乾燥した後に、小角X線回折法(SAX
S)などで確認し得る。この方法では、粉末状のシラン
粘土複合体の(001)面に由来するX線回折ピーク角
値をSAXSで測定し、Braggの式に当てはめて算
出することにより底面間隔を求め得る。同様に初期の膨
潤性ケイ酸塩の底面間隔を測定し、この両者を比較する
ことにより底面間隔の拡大を確認し得る。
【0054】前記のように、有機溶剤で洗浄した後に、
添加したシラン系化合物に由来する吸収帯がFT−IR
等で観測され、かつ底面間隔が原料の膨潤性ケイ酸塩よ
りも拡大していることをSAXS等で測定することによ
り、シラン粘土複合体が生成していることが判る。
【0055】本発明のゴム含有グラフト共重合体組成物
において、ゴム含有グラフト共重合体100重量部に対
するシラン粘土複合体の配合量が、代表的には0.1〜
50重量部、好ましくは0.2〜45重量部、より好ま
しくは0.3〜40重量部、更に好ましくは0.4〜35
重量部、特に好ましくは0.5〜30重量部となるよう
に調製される。シラン粘土複合体の配合量が0.1重量
部未満であると機械的特性や荷重たわみ温度などの改善
効果が不充分となる場合があり、50重量部を超えると
成形体の外観や成形時の流動性などが損なわれる傾向が
ある。
【0056】また、シラン粘土複合体に由来するゴム含
有グラフト共重合体組成物の灰分率が、代表的には0.
1〜30重量%、好ましくは0.2〜28重量%、より
好ましくは0.3〜25重量%、更に好ましくは0.4〜
23重量%、特に好ましくは0.5〜20重量%と成る
ように調製される。灰分率が0.1重量%未満であると
機械的特性や荷重たわみ温度などの改善効果が不充分と
なる場合があり、30重量%を超えると成形体の外観や
成形時の流動性などが損なわれる傾向がある。
【0057】本発明のゴム含有グラフト共重合体組成物
中で分散しているシラン粘土複合体の構造は、配合前の
膨潤性ケイ酸塩が有していたような、層が多数積層した
μmサイズの凝集構造とは全く異なる。すなわち、マト
リックス樹脂と親和性を有するシラン系化合物が導入さ
れ、かつ初期の膨潤性ケイ酸塩に比べて底面間隔が拡大
されたシラン粘土複合体を用いることによって、層同士
が劈開し、互いに独立して細分化する。その結果、シラ
ン粘土複合体はゴム含有グラフト共重合体組成物中で非
常に細かく互いに独立した薄板状で分散し、その数は、
原料である膨潤性ケイ酸塩に比べて著しく増大する。こ
の様な薄板状のシラン粘土複合体の分散状態は以下に述
べるアスペクト比(層長さ/層厚の比率)、分散粒子
数、最大層厚および平均層厚で表現され得る。
【0058】まず、平均アスペクト比を、樹脂中に分散
したシラン粘土複合体の層長さ/層厚の比の数平均値で
あると定義すると、本発明のゴム含有グラフト共重合体
組成物中のシラン粘土複合体の平均アスペクト比は10
〜300であり、好ましくは15〜300であり。更に
好ましくは20〜300である。シラン粘土複合体平均
アスペクト比が10未満であると、本発明のゴム含有グ
ラフト共重合体組成物の弾性率や荷重たわみ温度への改
善効果が十分に得られない場合がある。また、300よ
り大きくても効果はそれ以上変わらないため、平均アス
ペクト比を300より大きくする必要はない。
【0059】また、[N]値を、ゴム含有グラフト共重
合体組成物の面積100μm2における、膨潤性ケイ酸
塩の単位重量比率当たりの分散粒子数であると定義する
と、本発明のゴム含有グラフト共重合体組成物における
シラン粘土複合体の[N]値は、30以上であり、好ま
しくは45以上であり、より好ましくは60以上であ
る。上限値は特にないが、[N]値が1000程度を越
えると、それ以上効果は変わらなくなるので、1000
より大きくする必要はない。[N]値は、例えば、次の
ようにして求められ得る。すなわち、ゴム含有グラフト
共重合体組成物を約50μm〜100μm厚の超薄切片
に切り出し、該切片をTEM等で撮影した像上で、面積
が100μm2の任意の領域に存在するシラン粘土複合
体の粒子数を、用いた膨潤性ケイ酸塩の重量比率で除す
ことによって求められ得る。あるいは、TEM像上で、
100個以上の粒子が存在する任意の領域(面積は測定
しておく)を選んで該領域に存在する粒子数を、用いた
膨潤性ケイ酸塩の重量比率で除し、面積100μm2
換算した値を[N]値としてもよい。従って、[N]値
はゴム含有グラフト共重合体組成物のTEM写真等を用
いることにより定量化できる。
【0060】また、平均層厚を、薄板状で分散したシラ
ン粘土複合体の層厚みの数平均値であると定義すると、
本発明のゴム含有グラフト共重合体組成物中のシラン粘
土複合体の平均層厚の上限値は500Å以下であり、好
ましくは450Å以下であり、より好ましくは400Å
以下である。平均層厚が500Åより大きいと、本発明
のゴム含有グラフト共重合体組成物の機械的特性や荷重
たわみ温度などの改良効果が十分に得られない場合があ
る。平均層厚の下限値は特に限定されないが、好ましく
は50Åより大きく、より好ましくは60Å以上であ
り、更に好ましくは70Å以上である。
【0061】また、最大層厚を、本発明のゴム含有グラ
フト共重合体組成物中に薄板状に分散したシラン粘土複
合体の層厚みの最大値であると定義すると、シラン粘土
複合体の最大層厚の上限値は、2000Å以下であり、
好ましくは1800Å以下であり、より好ましくは15
00Å以下である。最大層厚が2000Åより大きい
と、本発明のゴム含有グラフト共重合体組成物の表面性
が損なわれる場合がある。シラン粘土複合体の最大層厚
の下限値は特に限定されないが、好ましくは100Åよ
り大きく、より好ましくは150Å以上であり、更に好
ましくは200Å以上である。
【0062】層厚および層長さは、本発明のゴム含有グ
ラフト共重合体組成物から得られる薄肉の成形品等を、
顕微鏡等を用いて撮影される像から求めることができ
る。
【0063】すなわち、いま仮に、X−Y面上に上記の
方法で調製したフィルムの、あるいは肉厚が約0.5〜
2mm程度の薄い平板状の射出成形した試験片を置いた
と仮定する。上記のフィルムあるいは試験片をX−Z面
あるいはY−Z面と平行な面で約50μm〜100μm
厚の超薄切片を切り出し、該切片を透過型電子顕微鏡な
どを用い、約4〜10万倍以上の高倍率で観察して求め
られ得る。測定は、上記の方法で得られた透過型電子顕
微鏡の象上に置いて、100個以上のシラン粘土複合体
を含む任意の領域を選択し、画像処理装置などで画像化
し、計算機処理する事等により定量化できる。あるい
は、定規などを用いて計測しても求めることもできる。
【0064】本発明のゴム含有グラフト共重合体組成物
の製造方法には特に制限はないが、例えば、(A)シラ
ン粘土複合体とゴム含有グラフト共重合体の重合性モノ
マーを含有する粘土分散体を調製する工程、(B)粘土
分散体中の重合性モノマーを重合する工程、を包含する
方法が好ましい。
【0065】ここでゴム含有グラフト共重合体の重合性
モノマーとは、本発明で用いるゴム含有グラフト共重合
体のグラフト成分の重合性モノマー、すなわち、芳香族
ビニル単量体、シアン化ビニル単量体及び必要に応じて
用いられる共重合可能な他の単量体から成る群から選ば
れる1種以上を意味し、例えば、スチレン、α−メチル
スチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロロスチ
レン、ジクロロスチレン、モノブロモスチレン、ジブロ
モスチレン、フルオロスチレン、2,4,5−トリブロ
モスチレン、2,4,6−トリブロモスチレン、o−、
m−またはp−メチルスチレン、p−tert−ブチル
スチレン、エチルスチレン、ビニルキシレン、ビニルナ
フタレン、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、
アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、エチ
ルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリ
レート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシ
ルメタクリレート、マレイミド、N−メチルマレイミ
ド、N−エチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、
N−シクロヘキシルマレイミド、グリシジルメタクリレ
ート、アリルグリシジルエーテル、無水イタコン酸、無
水マレイン酸、アクリルアミン、メタクリル酸アミノエ
チル、メタクリル酸アミノプロピル、アミノスチレン、
3−ヒドロキシー1ープロペン、4−ヒドロキシー1ー
ブテン、シス−4−ヒドロキシー2ーブテン、アクリル
アミド、ビニルオキサゾリンなどが挙げることができ、
これらの単量体の1種、または2種以上を組み合わせて
用いることができる。
【0066】上記の重合性モノマーには、芳香族ビニル
単量体、シアン化ビニル単量体及び必要に応じて用いら
れる共重合可能な他の単量体から成る群から選ばれる1
種以上がラジカル重合またはイオン重合し、シラン粘土
複合体が充分に均一分散できる程度の粘度を示す分子量
を有する低重合度体を含有していても差し支えない。
【0067】ここで、上記の粘土分散体には、重合性モ
ノマー以外の、例えば、ヘキサン、オクタン、デカン、
ヘキセン等の脂肪族炭化水素系化合物、シクロヘキサ
ン、シクロデカン等の脂環式炭化水素系化合物、ベンゼ
ン、トルエン、エチルベンゼン、n−プロピルベンゼ
ン、クメン、t−ブチルベンゼン、メシチレン、ブロモ
トルエン、クロロトルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素系化合物、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン
化炭化水素系化合物、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、メチルフェニルエーテル等のエーテル化合物、メチ
ルエチルケトン、メチルアリルケトン、メチルフェニル
ケトン、シクロヘキサノン等のケトン化合物、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、アセト酢酸エチル等のエステル化合
物、トリエチルアミン、トリ−t−ブチルアミン、ピペ
リジン、ピリジン、シクロヘキシルアミン、アニリン、
エチレンジアミン等のアミン化合物、N,N−ジメチル
ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミ
ド化合物、ジメチルスルホキシド等の有機硫黄化合物な
どの有機溶媒を含有していてもよい。
【0068】上記の工程(A)で粘土分散体を調製する
方法は特に限定されず、例えば、予め調製したシラン粘
土複合体およびゴム含有グラフト共重合体の重合性モノ
マーを十分に混合する方法、またはシラン粘土複合体お
よび有機溶媒を充分に混合した後、重合性モノマーを更
に添加混合する方法が挙げられる。
【0069】混合を効率よく行うためには、撹拌の回転
数は500rpm以上、あるいは300(1/s)以上
の剪断速度を加える。回転数の上限値は25000rp
mであり、剪断速度の上限値は500000(1/s)
である。上限値よりも大きい値で撹拌を行っても効果は
それ以上変わらない傾向があるため、上限値より大きい
値で撹拌を行う必要はない。
【0070】工程(A)で得られる粘土分散体に含まれ
るシラン粘土複合体は、膨潤性ケイ酸塩が有していたよ
うな初期の積層・凝集構造はほぼ完全に消失して薄板状
に細分化するか、あるいは層同士の間隔が拡大していわ
ゆる膨潤状態となる。膨潤状態を表す指標として底面間
隔が用いられ得る。粘土分散体中のシラン粘土複合体の
底面間隔は、シラン粘土複合体が細分化して薄板状に成
るためには、膨潤性ケイ酸塩の初期の底面間隔の3倍以
上が好ましく、4倍以上がより好ましく、5倍以上更に
好ましい。
【0071】そして工程(B)、すなわち、重合性モノ
マーを重合する工程を行い得る。重合方法は特に限定さ
れず、通常一般に行われるゴム含有グラフト共重合体の
重合方法によってなし得る。その様な方法としては、例
えば、本発明で用いられるゴム質重合体の存在下、工程
(A)で調製した粘土分散体中の重合性モノマーを塊状
重合、溶液重合、塊状縣濁重合、縣濁重合、乳化重合す
る方法が挙げられる。
【0072】ここで、工程(B)において、ゴム質重合
体が存在しない、あるいはゴム質重合体の配合比率が低
い系で重合性モノマーを重合した場合など、必要に応じ
て、工程(B)の後に続く工程で、別に調製したゴム含
有グラフト共重合体を溶融混練する事によっても、本発
明の組成物を得ることができる。
【0073】共重合体に他の重合性モノマー成分を共重
合する場合は、反応の任意の時期に所望の重合性モノマ
ーを新たに添加・混合して反応を行うことにより得られ
る。
【0074】本発明のゴム含有グラフト共重合体組成物
は以下に示す方法によっても製造され得る。
【0075】まず、トルエン(Tol)などの芳香族炭
化水素やジクロロメタン、クロロベンゼンなどの塩素化
脂肪族または芳香族炭化水素などの、ゴム含有グラフト
共重合体のグラフト成分の良溶媒と予め調製したシラン
粘土複合体を十分に混合する。混合時の撹拌数等は上記
の条件と同様であり、混合後のシラン粘土複合体の底面
間隔は、膨潤性ケイ酸塩の初期の底面間隔の3倍以上が
好ましく、4倍以上がより好ましく、5倍以上更に好ま
しい。次いで、ゴム含有グラフト共重合体を添加し、十
分に混合した後に溶媒を除去する事によって、ゴム含有
グラフト共重合体組成物が得られる。
【0076】本発明のゴム含有グラフト共重合体組成物
の機械的特性、荷重たわみ温度、表面外観が優れる理由
は、樹脂中にシラン粘土複合体が、多数の微小な薄板状
粒子となって分散し、その分散状態の指標となるシラン
粘土複合体の平均層厚、最大層厚、分散粒子数および平
均アスペクト比が前述した範囲になっているためであ
る。
【0077】シラン粘土複合体の分散状態は、シラン粘
土複合体の調製工程および/または上記の工程(A)に
よって制御され得る。
【0078】シラン粘土複合体の調製工程でゴム含有グ
ラフト共重合体組成物の分散状態を制御する方法に関し
ては、シラン系化合物の種類や量、シラン系化合物と膨
潤性ケイ酸塩との反応条件(反応時間、反応温度、撹拌
力)、分散媒の種類等が制御因子として挙げられるが、
特に、シラン系化合物と膨潤性ケイ酸塩との反応時間や
反応時の撹拌力および分散媒の種類によって制御するの
が簡便で好ましい。
【0079】この様な方法としては例えば、反応時の撹
拌数や剪断力が一定であるならば、分散媒の種類、複数
種の分散媒を用いる場合はその混合比率および混合の順
番に伴って、膨潤性ケイ酸塩の膨潤・劈開の状態は変化
する。例えば、膨潤性ケイ酸塩としてモンモリロナイト
を用いた場合、分散媒が水のみでは、モンモリロナイト
はほぼ単位層に近い状態にまで膨潤・劈開するので、そ
の状態でシラン系化合物を反応させれば、ほぼ単位層毎
にシラン系化合物が反応したシラン粘土複合体が調製さ
れる。一方、エタノール、テトラヒドロフラン(TH
F)、メチルエチルケトン(MEK)やN−メチルピロ
リドン(NMP)等の極性溶媒と水との混合溶媒を分散
媒とした場合や、該極性溶媒にモンモリロナイトを分散
させ次いで水を加える等した場合は、約数枚〜約百数十
枚程度の単位層が積層した状態に劈開、細分化する。そ
の状態でシラン系化合物を反応させれば、ほぼ数枚〜約
百数十枚分の厚みを有するシラン粘土複合体が調製され
る。それらの状態を保持するように、ゴム含有グラフト
共重合体組成物を重合する事によってシラン粘土複合体
の分散状態を制御し得る。
【0080】工程(A)でゴム含有グラフト共重合体組
成物の分散状態を制御する方法に関しては、粘土分散体
を構成するシラン粘土複合体と重合性モノマーおよび/
または有機溶媒との間の親和性、シラン粘土複合体と重
合性モノマーおよび/または有機溶媒との混合条件(撹
拌力や混合時間、温度)等が制御因子として挙げられる
が、特に、親和性、撹拌力および混合時間によって制御
するのが簡便で好ましい。
【0081】この様な方法としては例えば、混合時の撹
拌数や剪断力および時間が一定であり、かつ重合性モノ
マーとしてスチレンを用いた場合、シラン粘土複合体に
結合しているシラン系化合物がフェニル基やシクロアル
キル基等のような炭化水素基を有していれば、上記重合
性モノマーとの親和性が高いためにシラン粘土複合体は
単位層〜数十枚で分散する。逆にアミノ基、メルカプト
基またはニトリル基等の極性が高い基を有するシラン系
化合物を反応させれば約数枚〜約百数十枚程度の単位層
が積層した状態に劈開、細分化する。それらの状態を保
持するように、重合性モノマーを重合する事によってシ
ラン粘土複合体の分散状態を制御し得る。
【0082】本発明のゴム含有グラフト共重合体組成物
には、必要に応じて、ポリブタジエン、ブタジエン−ス
チレン共重合体、アクリルゴム、アイオノマー、エチレ
ン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエ
ン共重合体、天然ゴム、塩素化ブチルゴム、α−オレフ
ィンの単独重合体、2種以上のα−オレフィンの共重合
体(ランダム、ブロック、グラフトなど、いずれの共重
合体も含み、これらの混合物であっても良い)、または
オレフィン系エラストマーなどの耐衝撃性改良剤を添加
することができる。これらは無水マレイン酸等の酸化合
物、またはグリシジルメタクリレート等のエポキシ化合
物で変性されていても良い。また、機械的特性、成形性
などの特性を損なわない範囲で、他の任意の樹脂、例え
ば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、液晶ポ
リエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリフェニレンエ
ーテル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリサルフォン樹
脂、ポリイミド、ポリエーテルイミド樹脂、及びポリア
リレート樹脂等の熱可塑性樹脂や、不飽和ポリエステル
樹脂、エポキシ樹脂、及びフェノールノボラック樹脂等
の熱硬化性樹脂の単独または2種以上を組み合わせて使
用し得る。
【0083】更に、本発明のゴム含有グラフト共重合体
組成物には、目的に応じて、顔料や染料、熱安定剤、酸
化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、可塑剤、難
燃剤、及び帯電防止剤等の添加剤を添加することができ
る。本発明のゴム含有グラフト共重合体組成物は、射出
成形や熱プレス成形で成形しても良く、押出成形や発泡
成形にも使用できる。
【0084】また、本発明のゴム含有グラフト共重合体
組成物は、フィルムやシートにも利用できる。そのよう
な成形品やフィルムは外観、機械的特性および耐熱変形
性等に優れる為、例えば、自動車部品、家庭用電気製品
部品、精密機械部品、家庭日用品、包装・容器資材、そ
の他一般工業用資材に好適に用いられる。
【0085】本発明のゴム含有グラフト共重合体組成物
中ではシラン粘土複合体が非常に細かく、かつ薄い板状
で均一分散していることから、表面平滑性を損なうこと
なく、また、比重を著しく増加させることなく、機械的
性質や耐熱性などを改善することができる。
【0086】
【実施例】以下実施例により本発明を更に詳細に説明す
るが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるも
のではない。
【0087】実施例、及び比較例で使用する主要原料を
以下にまとめて示す。尚、特に断らない場合は、原料の
精製は行っていない。 (原料等) ・テトラヒドロフラン:和光純薬(株)製、テトラヒド
ロフラン(以降、THFと称す)を用いた。 ・スチレン:和光純薬(株)製、スチレン(以降、St
と称す)を用いた。 ・アクリロニトリル:和光純薬(株)製、アクリロニト
リル(以降、ANと称す)を用いた。 ・ゴム質重合体:日本ゼオン(株)製、Nipol L
X111NF(以降、Nipolと称す)を用いた。 ・モンモリロナイト:山形県産の天然モンモリロナイト
(底面間隔=13Å)を用いた。 ・膨潤性雲母:タルク25.4gとケイフッ化ナトリウ
ム4.7gの微粉砕物を混合し、800℃で加熱処理し
たものを用いた(底面間隔=12Å)。 ・フェニルトリメトキシシラン:信越シリコーン(株)
製、LS2750(以降、LS2750と称す)を用い
た。 ・ドデシルトリエトキシシラン:信越シリコーン(株)
製、LS6570(以降、LS6570と称す)を用い
た。 また、実施例および比較例における評価方法を以下にま
とめて示す。 (FT−IR)シラン粘土複合体1.0gをテトラヒド
ロフラン(THF)50mlに添加し、24時間撹拌し
て吸着しているシラン系化合物を洗浄・除去した後、遠
心分離を行い上澄みを分離した。この洗浄操作を3回繰
り返した。洗浄後、十分に乾燥したシラン粘土複合体約
1mgとKBr粉末約200mgとを乳鉢を用いて充分
に混合した後、卓上プレスを用いて測定用のKBrディ
スクを作製した。ついで赤外分光器(島津製作所(株)
製、8100M)を用いて透過法で測定した。検出器は
液体窒素で冷却したMCT検出器を用い、分解能は4c
-1、スキャン回数は100回とした。 (分散状態の測定)シラン粘土複合体に関しては、TE
Mを用いて以下のように行った。
【0088】厚み50〜100μmの超薄切片を用い
た。透過型電子顕微鏡(日本電子JEM−1200E
X)を用い、加速電圧80kVで倍率4万〜100万倍
でシラン粘土複合体の分散状態を観察撮影した。TEM
写真において、100個以上の分散粒子が存在する領域
を選択し、粒子数([N]値)、層厚および層長を、目
盛り付きの定規を用いた手計測または、必要に応じてイ
ンタークエスト社の画像解析装置PIAS〓を用いて処
理する事により測定した。
【0089】平均アスペクト比は個々のシラン粘土複合
体の層長と層厚の比の数平均値とした。[N]値の測定
は以下のようにして行った。まず、TEM像上で、選択
した領域に存在するシラン粘土複合体の粒子数を求め
る。これとは別に、シラン粘土複合体に由来する樹脂組
成物の灰分率を測定する。上記粒子数を灰分率で除し、
面積100μm2に換算した値を[N]値とした。
【0090】平均層厚は個々のシラン粘土複合体の層厚
の数平均値、最大層厚は個々のシラン粘土複合体の層厚
の中で最大の値とした。
【0091】分散粒子が大きく、TEMでの観察が不適
当である場合は、光学顕微鏡(オリンパス光学(株)製
の光学顕微鏡BH−2)を用いて上記と同様の方法で
[N]値を求めた。ただし、必要に応じて、サンプルは
LINKAM製のホットステージTHM600を用いて
250〜270℃で溶融させ、溶融状態のままで分散粒
子の状態を測定した。
【0092】板状に分散しない分散粒子のアスペクト比
は、長径/短径の値とした。ここで、長径とは、顕微鏡
像等において、対象となる粒子の外接する長方形のうち
面積が最小となる長方形を仮定すれば、その長方形の長
辺を意味する。また、短径とは、上記最小となる長方形
の短辺を意味する。 (小角X線回折法(SAXS)による底面間隔の測定)
X線発生装置(理学電機(株)製、RU−200B)を
用い、ターゲットCuKα線、Niフィルター、電圧4
0kV、電流200mA、走査角2θ=0.2〜16.0
°、ステップ角=0.02°の測定条件で底面間隔を測
定した。
【0093】底面間隔は、小角X線回折ピーク角値をB
raggの式に代入して算出した。ただし、小角X線ピ
ーク角値の確認が困難である場合は、層が十分に劈開し
て結晶性が実質的に消失したかあるいは、ピーク角値が
おおよそ0.8°以下である為に確認が困難であるとみ
なし、底面間隔の評価結果としては>100Åとした。 (荷重たわみ温度:HDT)ゴム含有グラフト共重合体
組成物を乾燥後、射出成形して、寸法約10×100×
6mmの試験片を作製した。得られた試験片の荷重たわ
み温度を、ASTMD−648に従って測定した。 (曲げ特性)荷重たわみ温度の場合と同様にして作製し
た試験片の曲げ強度および曲げ弾性率を、ASTMD−
790に従って測定した。 (表面外観)表面外観は、荷重たわみ温度の場合と同様
の条件で作製した、厚さ約3mmのJIS1号ダンベル
状試験片の中心線平均粗さで評価した。
【0094】中心線表面粗さは、東京精密(株)製の表
面粗さ計;surfcom1500Aを用いて測定し
た。 (灰分率)シラン粘土複合体に由来する、ゴム含有グラ
フト共重合体組成物の灰分率は、JISK7052に準
じて測定した。
【0095】(実施例1) 工程(A) 3500gのイオン交換水に125gのモンモリロナイ
トを加え、日本精機(株)製の湿式ミルを用いて500
0rpm、5分間撹拌して混合した。その後、35gの
LS2750を加えてから更に、表1に示す条件で撹拌
することによってシラン粘土複合体を調製し、乾燥粉末
化した(シラン粘土複合体の確認は、SAXSにより底
面間隔を測定し、およびTHFで洗浄したもののFT−
IRによりシラン系化合物に由来する官能基の吸収帯を
測定することにより行った。結果は表1に示した。実施
例2〜4も同様)。上記のシラン粘土複合体125gと
St370gおよびAN170gを湿式ミルで十分(5
000rpm×30分)に混合し、シラン粘土複合体と
Stを含有する粘土分散体を調製した。粘土分散体中の
シラン粘土複合体の底面間隔は、71Åであった。 工程(B) 撹拌機、環流冷却器、窒素ガス導入口、粘土分散体導入
口および温度計が設置された反応器に、イオン交換水4
500g、Nipol1000g、ナトリウムホルムア
ルデヒドスルホキシレート4.6g、エチレンジアミン
四酢酸二ナトリウム塩1.5gおよび硫酸第一鉄0.04
gを投入した。窒素気流下、反応系を撹拌しながら60
℃に昇温した後、工程(A)で調製した粘土分散体にク
メンハイドロパーオキサイド3.1gを混合した混合体
を連続的に添加した。添加終了後、60℃で2時間撹拌
を続け、重合を行うことにより、ゴム含有グラフと共重
合体組成物を得、評価した。結果は表2に示した。 (実施例2)工程(A)において、LS2750の量を
25gとした(ただし、粘土分散体中のシラン粘土複合
体の底面間隔は、65Åであった)以外は、実施例1と
同様に行い、シラン粘土複合体を含有するゴム含有グラ
フト共重合体組成物を得、評価した。
【0096】(実施例3)工程(A)において、LS2
750の代わりに、35gのLS6570を用いた(た
だし、粘土分散体中のシラン粘土複合体の底面間隔は、
66Åであった)以外は、実施例1と同様に行い、シラ
ン粘土複合体を含有するゴム含有グラフト共重合体組成
物を得、評価した。
【0097】(実施例4)工程(A)において、モンモ
リロナイトの代わりに膨潤性雲母を、またLS2750
の量を40gとした(ただし、粘土分散体中のシラン粘
土複合体の底面間隔は、51Åであった)以外は、実施
例1と同様に行い、シラン粘土複合体を含有するゴム含
有グラフト共重合体組成物を得、評価した。
【0098】(比較例1)シラン粘土複合体を使用せず
に、実施例1と同様な方法でゴム含有グラフト共重合体
をを得、評価した。結果を以下の比較例と併せ、表2に
示した。 (比較例2)シラン粘土複合体の代わりに、125gの
モンモリロナイトを用いた以外は、実施例1と同様な方
法でゴム含有グラフト共重合体組成物を得、評価した。
(比較例3)125gのモンモリロナイトに35gの
LS2750をスプレーを用いて直接噴霧し、1時間混
合する事によってモンモリロナイトをシラン処理した。
シラン処理モンモリロナイトの底面間隔は13Åであ
り、THFで洗浄した後、FT−IRにより測定した結
果、フェニル基に由来する吸収帯が観測された。 シラ
ン粘土複合体の代わりに、上記のシラン処理モンモリロ
ナイトを用いた以外は、実施例1と同様な方法でゴム含
有グラフト共重合体組成物を得、評価した。
【0099】
【発明の効果】以上、詳述したように、ゴム含有グラフ
ト共重合体中において、膨潤性ケイ酸塩の単位層同士を
分離劈開して、1つの膨潤性ケイ酸塩の凝集粒子を、非
常に多数の極微小な薄板状の層に細分化すること、すな
わち、平均層厚を500Å以下にすること、あるいは最
大層厚を2000Å以下にすること、または平均アスペ
クト比(層長さ/層厚の比)が10〜300であり、面
積100μm2中に存在するシラン粘土複合体の単位比
率当たりの粒子数を30以上にすることによって、表面
性を損なうことなく、機械的特製特性や耐熱性を改善す
ることができる。ゴム含有グラフト共重合体中で、膨潤
性ケイ酸塩を上記の如く薄板状に細分化することは、膨
潤性ケイ酸塩にシラン系化合物を導入してシラン粘土複
合体とする事が必須である。
【0100】本発明のゴム含有グラフト共重合体組成物
は、例えば、本発明の製造方法、すなわち、(A)シラ
ン粘土複合体とゴム含有グラフト共重合体の重合性モノ
マーを含有する粘土分散体を調製する工程、(B)粘土
分散体中の重合性モノマーを重合する工程、を包含する
製造方法によって得られる。
【0101】
【表1】
【0102】
【表2】
【0103】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 AC015 AC035 AC085 BB015 BB155 BB205 BB235 BB245 BC055 BG045 BL015 BN061 BN121 BN151 BN161 BN201 CB005 CC035 CD005 CF005 CG005 CH075 CL005 CM045 CN025 CN035 CP171 DJ006 DJ056 FB096 FD020 FD040 FD050 FD060 FD070 FD090 FD100 FD130 FD170 GG00 GM00 GN00 GQ00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム含有グラフト共重合体およびシラン
    粘土複合体を含有するゴム含有グラフト共重合体組成物
    であって、上記ゴム含有グラフト共重合体が、ゴム質重
    合体の存在下に芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単
    量体及び必要に応じて用いられる共重合可能な他の単量
    体をグラフト重合する事により調製され、上記シラン粘
    土複合体が膨潤性ケイ酸塩に下記一般式(1) YnSiX4-n (1) (ただし、nは0〜3の整数であり、Yは、炭素数1〜
    25の炭化水素基、及び炭素数1〜25の炭化水素基と
    置換基から構成される有機官能基であり、Xは加水分解
    性基および/または水酸基である。n個のY、4−n個
    のXは、それぞれ同種でも異種でもよい。)で表される
    シラン系化合物が導入する事により調製され、かつ組成
    物中のシラン粘土複合体の平均層厚が500Å以下であ
    る、ゴム含有グラフト共重合体組成物。
  2. 【請求項2】 シラン粘土複合体の最大層厚が2000
    Å以下である、請求項1に記載のゴム含有グラフト共重
    合体組成物。
  3. 【請求項3】 ゴム含有グラフト共重合体およびシラン
    粘土複合体を含有するゴム含有グラフト共重合体組成物
    であって、上記ゴム含有グラフト共重合体が、ゴム質重
    合体の存在下に芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単
    量体及び必要に応じて用いられる共重合可能な他の単量
    体をグラフト重合する事により調製され、上記シラン粘
    土複合体が膨潤性ケイ酸塩に下記一般式(1) YnSiX4-n (1) (ただし、nは0〜3の整数であり、Yは、炭素数1〜
    25の炭化水素基、及び炭素数1〜25の炭化水素基と
    置換基から構成される有機官能基であり、Xは加水分解
    性基および/または水酸基である。n個のY、4−n個
    のXは、それぞれ同種でも異種でもよい。)で表される
    シラン系化合物が導入される事により調製され、かつ組
    成物中のシラン粘土複合体の平均アスペクト比(層長さ
    /層厚の比)が10〜300であり、かつ[N]値が3
    0以上であり、ここで[N]値が、組成物の面積100
    μm2中に存在する、シラン粘土複合体の単位比率当た
    りの粒子数であると定義される、ゴム含有グラフト共重
    合体組成物。
  4. 【請求項4】 [N]値が30以上であり、ここで
    [N]値が、組成物の面積100μm2中に存在する、
    シラン粘土複合体の単位比率当たりの粒子数であると定
    義される、請求項1または2に記載のゴム含有グラフト
    共重合体組成物。
  5. 【請求項5】 組成物中のシラン粘土複合体の平均アス
    ペクト比(層長さ/層厚の比)が10〜300である、
    請求項1または2に記載のゴム含有グラフト共重合体組
    成物。
  6. 【請求項6】 (A)シラン粘土複合体とゴム含有グラ
    フト共重合体の重合性モノマーを含有する粘土分散体を
    調製する工程 (B)粘土分散体中の重合性モノマーを重合する工程を
    包含する、請求項1、2、3、4または5に記載のゴム
    含有グラフト共重合体組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】 工程(A)で得られる粘土分散体中のシ
    ラン粘土複合体の底面間隔が、膨潤性ケイ酸塩の底面間
    隔の3倍以上であることを特徴とする、請求項6に記載
    のゴム含有グラフト共重合体組成物の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7956138B2 (en) 2007-05-16 2011-06-07 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Catalyst system for olefin polymerization and polymers produced therefrom
EP2502742A2 (en) 2005-10-27 2012-09-26 ExxonMobil Chemical Patents Inc. Construction comprising tie layer for pneumatic tire
US8609760B2 (en) 2009-11-18 2013-12-17 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Blend partner with natural rubber for elastomeric compounds
WO2019147343A1 (en) 2018-01-29 2019-08-01 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Rubber blends, articles thereof, and methods of making the same

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