JP2010222539A - ポリエステル樹脂組成物及びそれを用いた射出成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】成形時の流動性に優れるとともに、高剛性の成形品が得られ、成形時のバリの発生が少ない成形用材料、及びこの成形用材料を射出成形して得られる射出成形品を提供する。
【解決手段】ポリエステル樹脂、有機化クレー及びシランカップリング剤を含有したポリエステル樹脂組成物であって、ポリエステル樹脂100重量部に対し、有機化クレーの含有量が0.5重量部以上、60重量部以下、及びシランカップリング剤の含有量が0.01重量部以上、10重量部以下であることを特徴とするポリエステル樹脂組成物、及びこの成形用材料を射出成形して得られる射出成形品。
【選択図】 なし
【解決手段】ポリエステル樹脂、有機化クレー及びシランカップリング剤を含有したポリエステル樹脂組成物であって、ポリエステル樹脂100重量部に対し、有機化クレーの含有量が0.5重量部以上、60重量部以下、及びシランカップリング剤の含有量が0.01重量部以上、10重量部以下であることを特徴とするポリエステル樹脂組成物、及びこの成形用材料を射出成形して得られる射出成形品。
【選択図】 なし
Description
本発明は、自動車部品及び電子機器部品用の材料、特にコネクター材料として好適なポリエステル樹脂組成物、及びそれを用いた射出成型品に関する。
ポリエステル樹脂、中でもエンジニアリングプラスチックであるポリブチレンテレフタレート樹脂は、機械的特性、耐熱性、易成形加工性、その他各種特性に優れていることから、自動車部品、電子機器部品等の材料として使用されており、特にコネクター材料として幅広く使用されている。
近年、コネクターには、その小型化、薄肉化が進むにつれ使用時の高剛性が求められてきており、それとともに小型、薄肉の成形を可能にするため、その材料の樹脂には成形時の優れた流動性が求められてきている。成形時の流動性は、成形用の樹脂の低分子量化により向上することができる。しかし、成形用の樹脂を低分子量化すると、成形品の剛性が低下するとともに成形時にバリが発生する等、物性・加工の両面で問題が生じる。成形品の剛性向上のためには、ガラス繊維の添加も考えられるが、この場合は外観不良の発生が問題となる。
本発明は、成形時の流動性に優れるとともに、高剛性の成形品が得られ、成形時のバリの発生が少ない成形用材料を提供することを課題とする。本発明は、又、この成形用材料を射出成形して得られる射出成形品を提供する。
本発明者は、上記の問題について鋭意検討した結果、ポリエステル樹脂に、有機化クレーとシランカップリング剤を所定の範囲内の割合で分散させたポリエステル樹脂組成物は、成形時の流動性に優れるとともに、高剛性の成形品が得られ、成形時のバリの発生が少ないことを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、ポリエステル樹脂、有機化クレー及びシランカップリング剤を含有するポリエステル樹脂組成物であって、ポリエステル樹脂100重量部に対し、有機化クレーの含有量が0.5重量部以上、60重量部以下、及びシランカップリング剤の含有量が0.01重量部以上、10重量部以下であることを特徴とするポリエステル樹脂組成物(請求項1)を提供する。
このポリエステル樹脂組成物は、成形時の流動性、成形品の高剛性、及び成形時のバリ発生の抑制との要請を同時に充足できるものであり、射出成形品の材料、特にコネクターを構成する材料(コネクター材料)として好適に用いられるものである。
ポリエステル樹脂とは、ジカルボン酸とポリアルコールとの縮合重合物である熱可塑性樹脂である。中でも、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸とポリアルコールとの縮合重合物は、各種成形品の材料として広く用いられている。ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂等を挙げることができる。
請求項2に記載の発明は、前記ポリエステル樹脂が、テレフタル酸を含有するジカルボン酸と1,4−ブタンジオールとを縮合重合して得られるポリブチレンテレフタレート樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物である。熱可塑性ポリエステル樹脂の中でも、テレフタル酸を含有するジカルボン酸と1,4−ブタンジオールとを脱水縮合して得られるポリブチレンテレフタレート樹脂は、機械的特性、耐熱性等の特性に優れており、又結晶化速度が速く、射出成形に好適である。
本発明で使用するポリブチレンテレフタレート樹脂としては、トレコン、ノバデュラン、ジュラネックス等の商品名で市販されているものを使用することができる。又、既知の方法にて重合して得ることができる。具体的には、テレフタル酸又はそのアルキルジエステルと、1,4−ブタンジオールを既知の方法にて脱水縮合することにより得ることができる。
請求項3に記載の発明は、テレフタル酸を含有するジカルボン酸が、テレフタル酸、又はイソフタル酸及びテレフタル酸からなり、イソフタル酸とテレフタル酸の重量比が70/30〜0/100の範囲内であることを特徴とする請求項2に記載のポリエステル樹脂組成物である。
このポリブチレンテレフタレート樹脂は、テレフタル酸のみからなる芳香族ジカルボン酸、又はイソフタル酸とテレフタル酸をともに含むジカルボン酸と、1,4−ブタンジオールとの脱水縮合物である。ジカルボン酸が、イソフタル酸とテレフタル酸の混合物である場合、テレフタル酸を30重量%以上含むことが好ましい。テレフタル酸の重量比が、30%未満の場合は、融点がさらに低下する、結晶化が遅くなり結晶量が少なくなる、剛性が低下する等の問題があり好ましくない。
中でも、ジカルボン酸が、テレフタル酸単体だけではなく、テレフタル酸とイソフタル酸とをともに含む場合、成形品の剛性を向上させる効果(剛性向上効果)、バリの発生の抑制効果(バリ抑制効果)がより優れ、さらには成形品の形状が維持できる温度(形状維持温度)の高温化等付帯的な特性向上がみられ、より好ましい特性の成形品を与えることができる。イソフタル酸とテレフタル酸の重量比のより好ましい範囲は、50/50〜5/95であり、特に好ましくは、40/60〜10/90である。
本発明のポリエステル樹脂組成物を構成する有機化クレーとは、モンモリロナイト等の層状珪酸塩(クレー)において、層状に積層した珪酸塩平面の層間に有機化合物がインターカレーション(導入)されたものである。層状珪酸塩では、珪酸塩平面の間に、ナトリウムイオンやカルシウムイオンのような中間層カチオンが存在して層状の結晶構造を保っているが、この中間層カチオンを有機カチオンとイオン交換することで、有機化合物が珪酸塩平面の表面に化学的に結合した有機化クレーが得られる。
有機化クレーは、層間に有機化合物がインターカレーションすることにより珪酸塩平面間の層間距離が大きくなり、有機物への分散性が向上する。又未処理のクレーでは、有機溶剤中で層間距離が変化することはないが、有機化クレーは有機溶剤中で層間距離がさらに広がり膨潤する性質を持つため、更に分散性が向上する。
有機化クレーの含有量は、ポリエステル樹脂100重量部に対して0.5重量部以上、60重量部以下である。0.5重量部よりも少ない場合は、バリ抑制効果が得られない。一方、60重量部を超えると、溶融粘度が高くなり、成形時の優れた流動性が得られず、射出成形等が困難になる。さらに、有機化クレーは塩基性を帯びるので、ポリブチレンテレフタレートの加水分解が促進され強度の低下が発生しはじめる等、物性への悪影響が懸念される。有機化クレー含有量の範囲は、より好ましくは、ポリエステル樹脂100重量部に対して2重量部以上、50重量部以下、特に好ましくは5重量部以上、40重量部以下である。
有機化クレーの原料となる層状珪酸塩は、一般的には粘土、クレーとして知られているものであり、モンモリロナイト、バイデライト、へクトライト、サポナイト、スチブンサイト、ソーコナイト、ノントロナイト等のスメクタイト系粘土のほか、バーミキュライト、ハロイサイト、膨潤性マイカ等、天然及び合成粘土及びこれらの混合物が挙げられる。
層間にインターカレーションされる有機化合物としては、塩化ジメチルジステアリルアンモニウム、塩化ベンジルジメチルステアリルアンモニウム等の4級アンモニウムイオン、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、及びそれらの混合物からなる有機カチオンが挙げられる。
有機化クレーの具体的な製造方法としては、層状珪酸塩を水中で十分に剥離、分散させ、その後、水又はアルコールに溶解した有機カチオンを、層状珪酸塩のカチオン交換容量に対して0.5〜2.0倍量添加し、層状珪酸塩の珪酸塩平面に吸着しているナトリウムイオンと有機カチオンイオンをイオン交換する方法を挙げることができる。
有機化クレーとしては、Nanofil、エスベン等の商品名で市販されているものを使用することができる。
請求項4に記載の発明は、前記有機化クレーが、塩化ジメチルジステアリルアンモニウム及び塩化ベンジルジメチルステアリルアンモニウムから選ばれる有機化合物がインターカレーションされていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂組成物である。
有機化クレーの中でも、塩化ジメチルジステアリルアンモニウム及び塩化ベンジルジメチルステアリルアンモニウムのいずれか一方、又は両方がインターカレーションされている有機化クレーは、ポリエステル樹脂への分散性に優れており、ポリエステル樹脂組成物を作製した段階での有機化クレーの凝集が見られないので好ましい。有機化クレーの凝集が抑制される結果、成形品の剛性向上効果、バリ抑制効果も向上する。
本発明で使用するシランカップリング剤は無機フィラーの処理に使用される一般的なものを使用することができる。例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等、分子中に、無機質と化学結合する反応基(メトキシ基、エトキシ基、シラノール基等)及び有機材料と化学結合する反応基(ビニル基、エポキシ基、メタクリル基、アミノ基、メルカプト基等)を持つ有機珪素化合物を挙げることができる。これらは、KBM−1003、KBM−303(以上、信越シリコーン社製)等の商品名で市販されているものを用いることができる。
請求項5に記載の発明は、前記シランカップリング剤が、エポキシ基及びアミノ基から選ばれる官能基を有するシランカップリング剤であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂組成物である。
シランカップリング剤は、有機化クレーの端面に存在するヒドロキシル基との相互作用やポリエステル樹脂との相互作用によって、剛性の向上、バリ発生の抑制に寄与しているものと思われる。シランカップリング剤としては、官能基を有しているシランカップリング剤を用いることが好ましく、特にエポキシ基やアミノ基を官能基として有しているシランカップリング剤を用いた場合、より高い剛性向上効果、バリ抑制効果が得られるので好ましい。
シランカップリング剤の含有量は、ポリエステル樹脂100重量部に対して、0.01重量部以上10重量部以下である。含有量が、0.01重量部よりも少ないとバリ抑制効果が得られない。一方、10重量部を超えると、成形品よりシランカップリング剤のブリードアウトが発生する、樹脂中への混練が難しくなる等作業性を悪化させる原因となり得る問題が発生する。好ましくは0.1重量部以上、7重量部以下、より好ましくは0.5重量部以上、5重量部以下である。
請求項6に記載の発明は、さらに界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂組成物である。
本発明のポリエステル樹脂組成物には、成形時の流動性を調節する目的で、界面活性剤を添加することが可能である。界面活性剤を添加することにより、成形時の流動性を向上させ、より流動性に優れた材料とすることができるが、剛性向上効果やバリ抑制効果を低下させることはない。即ち、界面活性剤の添加により、剛性向上効果やバリ抑制効果を添加前と同等レベルに維持しながら、成形時の流動性を向上させることができる。
ここで使用する界面活性剤としては、一般に、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤を使用することができる。カチオン性界面活性剤は、例えば、カチオン2−OLR、AR、MA、SA(以上日油社製)等の商品名で、アニオン性界面活性剤は、サンアミド、サンベース、ダイアポン(以上日油社製)等の商品名で、両性界面活性剤は、ニッサンアノンBDF、BDC、BDL、BF、BL、GLM、LA、LG(以上日油社製)等の商品名で市販されているものも使用することができる。市販されている界面活性剤は水溶液であるため、水溶液のままで使用することも可能であるし、水分を乾燥させたゲル状として使用することも可能である。
界面活性剤の添加量は、ポリエステル樹脂100重量部に対し5重量部以下が好ましい。5重量部を超えると樹脂中への混練が難しくなる等、作業性を悪化させる原因となり得る。好ましくは3重量部以下である。
本発明のポリエステル樹脂組成物には、必要に応じてさらに、各種樹脂を配合することも可能である。各種樹脂の配合量は、成形品の物性に対して悪影響を与えない範囲で適宜設定できる。このような各種樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンや、エチレンの2元系、3元系の共重合体、それらのポリマーのグラフト系樹脂、スチレン系樹脂、それらのポリマーのグラフト系樹脂、脂環式ポリマー、熱可塑性エラストマー、植物由来樹脂、生分解性樹脂、ポリブチレンテレフタレート以外のエンジニアリングプラスチック等を挙げることができる。
本発明のポリエステル樹脂組成物には、本発明の趣旨を損ねない範囲で他の成分、例えばトリメチロールプロパントリメタクリレートやトリアリルイソシアヌレート等の多官能性モノマーや、酸化防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、加水分解抑止剤、滑剤、着色剤等の各種添加剤を添加することができる。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、上記の各種材料を、溶融混練して製造することができる。溶融混練には、オープンロール、加圧ニーダー、単軸混合機、2軸混合機等の既知の混合装置を用いることができる。溶融混練の際の設定温度は、使用するポリエステル樹脂の融点より20℃程度低い温度以上とすることが好ましい。融点−20℃程度以上に設定すれば、混練の際の摩擦熱によりポリエステル樹脂を溶融することができる。
このようにして得られたポリエステル樹脂組成物を用いて、射出成形や押出成形を行うことにより成形品を製造することができる。コネクター等の成形品は、通常、射出成形により製造することができる。特に、ポリエステル樹脂が、ポリブチレンテレフタレート樹脂の場合は、射出成形に好適である。
さらに本発明は、上記のポリエステル樹脂組成物を射出成形したことを特徴とする射出成形品を提供する(請求項7)。本発明のポリエステル樹脂組成物を用いることにより、成形時における流動性が優れバリの発生が抑制されることで、成形時の不良低減が図れるだけでなく、剛性の高い射出成形品を得ることができる。
上記のようにして得られた射出成形品に電離放射線の照射を行うことにより、さらに高温での形状維持能を有する成形品を得ることができる。
電離放射線源としては、加速電子線やガンマ線、X線、α線、紫外線等を例示することができるが、線源利用の簡便さや電離放射線の透過厚み、架橋処理の速度等工業的利用の観点から加速電子線が好ましく利用できる。
加速電子線の加速電圧は、成形品の肉厚や形状に応じて適宜設定すればよい。例えば厚み2mm程度のサイズの成形品であれば、加速電圧は500〜10,000kVの間で選定される。照射線量としては30〜500kGyで充分な架橋度が得られる。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、成形時の流動性に優れるとともに、高剛性の成形品が得られ、成形時のバリの発生が少ない成形用材料である。又、この成形用材料を射出成形して得られる本発明の射出成形品は、剛性が高くかつバリの発生等の成形時の不良が抑制された成形品であり、コネクター等として好適に用いられる。
次に本発明を実施するための形態を実施例により説明する。なお、本発明の範囲はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々の変更が可能である。
先ず、下記の実施例、比較例で行った樹脂組成物ペレットの作製及びその評価について説明する。
(樹脂ペレットの作製)
表1〜4に示す配合処方で、ポリブチレンテレフタレート樹脂、有機化クレー及びシランカップリング剤等の材料を用いた。この材料を、二軸混合機(30mmφ、L/D=30)を使用し、バレル温度を各ベース樹脂の融点より−10℃〜+30℃の温度に設定し、スクリュー回転数100rpmで溶融混合して樹脂組成物を作製した後、ストランドカットペレタイザで樹脂組成物ペレットを作製した。
表1〜4に示す配合処方で、ポリブチレンテレフタレート樹脂、有機化クレー及びシランカップリング剤等の材料を用いた。この材料を、二軸混合機(30mmφ、L/D=30)を使用し、バレル温度を各ベース樹脂の融点より−10℃〜+30℃の温度に設定し、スクリュー回転数100rpmで溶融混合して樹脂組成物を作製した後、ストランドカットペレタイザで樹脂組成物ペレットを作製した。
(MIの測定)
メルトインデックス(MI)は、上記で得られた樹脂組成物ペレットを用い、JIS K 7210に準拠した方法で測定した。ただし、荷重は21.6kg、単位はg/10分、測定時のペレット投入量は3g、予熱は3分とした。又、測定温度は、ベース樹脂の融点が200℃未満であるペレットの場合は190℃、ベース樹脂の融点が200℃以上であるペレットの場合は240℃とした。
メルトインデックス(MI)は、上記で得られた樹脂組成物ペレットを用い、JIS K 7210に準拠した方法で測定した。ただし、荷重は21.6kg、単位はg/10分、測定時のペレット投入量は3g、予熱は3分とした。又、測定温度は、ベース樹脂の融点が200℃未満であるペレットの場合は190℃、ベース樹脂の融点が200℃以上であるペレットの場合は240℃とした。
(剪断粘度の測定)
ROSAND社製のキャピラリー・レオメーターRH7−2を用い、測定温度190℃又は240℃、予熱5分の後、剪断速度6000、3000、1500、600、300、150、60、30(1/s)での剪断粘度を測定した。剪断速度−剪断粘度カーブが曲線であることを確認した後、規定の剪断速度での剪断粘度の値を確認した。測定温度は、ベース樹脂の融点が200℃未満であるペレットの場合は190℃、ベース樹脂の融点が200℃以上であるペレットの場合は240℃とした。
ROSAND社製のキャピラリー・レオメーターRH7−2を用い、測定温度190℃又は240℃、予熱5分の後、剪断速度6000、3000、1500、600、300、150、60、30(1/s)での剪断粘度を測定した。剪断速度−剪断粘度カーブが曲線であることを確認した後、規定の剪断速度での剪断粘度の値を確認した。測定温度は、ベース樹脂の融点が200℃未満であるペレットの場合は190℃、ベース樹脂の融点が200℃以上であるペレットの場合は240℃とした。
次に、上記のようにして得られた樹脂組成物ペレットを用いて行った射出成形の実施、及びその評価方法について説明する。
(1)射出成形の実施
樹脂組成物ペレットを60℃真空乾燥機にて5時間乾燥の後、射出成型機(型締力18トン、スクリュー径16mmφ)を用いて、射出圧100kg/cm2、保圧10秒、金型温度60℃の条件にて、長さ40mm×幅5mm×厚み1mmのプレート(射出成形品)を作製した。バレル温度は、ベース樹脂の融点が200℃未満であるペレットの場合は220℃、ベース樹脂の融点が200℃以上であるペレットの場合は250℃とした。
樹脂組成物ペレットを60℃真空乾燥機にて5時間乾燥の後、射出成型機(型締力18トン、スクリュー径16mmφ)を用いて、射出圧100kg/cm2、保圧10秒、金型温度60℃の条件にて、長さ40mm×幅5mm×厚み1mmのプレート(射出成形品)を作製した。バレル温度は、ベース樹脂の融点が200℃未満であるペレットの場合は220℃、ベース樹脂の融点が200℃以上であるペレットの場合は250℃とした。
(2)外観
上記にて作製したプレートの外観を確認した。平滑なものを良好とし、フィラーの影響で表面が荒れているもの、ヒケにより凹凸のあるものをNGと判定した。
上記にて作製したプレートの外観を確認した。平滑なものを良好とし、フィラーの影響で表面が荒れているもの、ヒケにより凹凸のあるものをNGと判定した。
(3)動的粘弾性測定(規定温度での貯蔵弾性率、規定貯蔵弾性率での温度)
上記にて作製したプレートについて、アイティー計測制御社製の動的粘弾性測定装置DVA−220にて、空気雰囲気下、−50℃〜350℃まで測定し、温度−貯蔵弾性率によるプロットを行った後、規定温度(25℃)での貯蔵弾性率、規定貯蔵弾性率(0.1MPa)での温度を確認した。
上記にて作製したプレートについて、アイティー計測制御社製の動的粘弾性測定装置DVA−220にて、空気雰囲気下、−50℃〜350℃まで測定し、温度−貯蔵弾性率によるプロットを行った後、規定温度(25℃)での貯蔵弾性率、規定貯蔵弾性率(0.1MPa)での温度を確認した。
次に、下記の実施例、比較例で使用した材料を以下に示す。
[ポリブチレンテレフタレート(以下、PBTと略する。)]
(1)ジカルボン酸としてイソフタル酸/テレフタル酸を、アルコールとして1,4−ブタンジオールを用いた変性PBT。融点が170℃、IV値が1.0、235℃でのMFR=12.5(g/10min)。(PBT1と示す。)
(2)ジカルボン酸としてイソフタル酸/テレフタル酸を、アルコールとして1,4−ブタンジオールを用いた変性PBT。融点が205℃、IV値が1.0、235℃でのMFR=12.5(g/10min)。(PBT2と示す。)
(3)ジカルボン酸としてテレフタル酸のみ、アルコールとして1,4−ブタンジオールを用いたホモPBT。融点が226℃、IV値が0.9、235℃でのMFR=23(g/10min)。(PBT3と示す。)
(4)(3)のPBT100重量部にガラス繊維20重量部を添加して強化したPBT。(PBT3+GFと示す。)
(1)ジカルボン酸としてイソフタル酸/テレフタル酸を、アルコールとして1,4−ブタンジオールを用いた変性PBT。融点が170℃、IV値が1.0、235℃でのMFR=12.5(g/10min)。(PBT1と示す。)
(2)ジカルボン酸としてイソフタル酸/テレフタル酸を、アルコールとして1,4−ブタンジオールを用いた変性PBT。融点が205℃、IV値が1.0、235℃でのMFR=12.5(g/10min)。(PBT2と示す。)
(3)ジカルボン酸としてテレフタル酸のみ、アルコールとして1,4−ブタンジオールを用いたホモPBT。融点が226℃、IV値が0.9、235℃でのMFR=23(g/10min)。(PBT3と示す。)
(4)(3)のPBT100重量部にガラス繊維20重量部を添加して強化したPBT。(PBT3+GFと示す。)
なお、PBT1、PBT2、PBT3のベース樹脂単体について、上記の方法にてMI及び動的粘弾性測定を行ったところ以下のような測定値が得られた。
(MI)
・PBT1:16(190℃)、PBT2:18(240℃)、PBT3:32(240℃)
(25℃での貯蔵弾性率)
・PBT1:1.6GPa、PBT2:1.4GPa、PBT3:1.8GPa
(貯蔵弾性率0.1MPaとなる時の温度)
・PBT1:171、PBT2:205、PBT3:228
(MI)
・PBT1:16(190℃)、PBT2:18(240℃)、PBT3:32(240℃)
(25℃での貯蔵弾性率)
・PBT1:1.6GPa、PBT2:1.4GPa、PBT3:1.8GPa
(貯蔵弾性率0.1MPaとなる時の温度)
・PBT1:171、PBT2:205、PBT3:228
[クレー]
(5)ジメチルジステアリルアンモニウム塩をインターカレーションした有機化クレー(ROCK WOOD社製 商品名:Nanofil15)(表中では有機化クレー1と示す。)
(6)ベンジルメチルジステアリルアンモニウムをインターカレーションした有機化クレー(LAVIOSA CHIMICA MINERARIA社製 商品名:Delite 43B)(表中では有機化クレー2と示す。)
(7)バーゲス・ピグメント社製 BURGESS#30(表中ではクレー3と示す。)
(5)ジメチルジステアリルアンモニウム塩をインターカレーションした有機化クレー(ROCK WOOD社製 商品名:Nanofil15)(表中では有機化クレー1と示す。)
(6)ベンジルメチルジステアリルアンモニウムをインターカレーションした有機化クレー(LAVIOSA CHIMICA MINERARIA社製 商品名:Delite 43B)(表中では有機化クレー2と示す。)
(7)バーゲス・ピグメント社製 BURGESS#30(表中ではクレー3と示す。)
[シランカップリング剤]
(8)3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(表中ではシランカップリング剤1と示す。)
(9)3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン(表中ではシランカップリング剤2と示す。)
(8)3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(表中ではシランカップリング剤1と示す。)
(9)3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン(表中ではシランカップリング剤2と示す。)
[界面活性剤]
(10)カチオン性界面活性剤:ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド(表中では界面活性剤1と示す。)
(11)両性界面活性剤:アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン(表中では界面活性剤2と示す。)
(10)カチオン性界面活性剤:ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド(表中では界面活性剤1と示す。)
(11)両性界面活性剤:アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン(表中では界面活性剤2と示す。)
なお、実施例、比較例の全ての配合には、窒素系酸化防止剤(ナウガード445)とカルボジイミド系の加水分解抑止材が、各0.5部ずつ添加されている。
(実施例1〜7)
PBT1、有機化クレー、シランカップリング剤、界面活性剤を表1又は表2に示す組成で配合して、バレル温度を190℃に設定して樹脂組成物ペレットを作製し、MIと剪断粘度の測定を実施した。さらに、この樹脂組成物ペレットを用い上記方法に従って射出成形を実施してプレートを作製し、外観の確認と動的粘弾性測定を実施した。その結果を表1又は表2に示す。
PBT1、有機化クレー、シランカップリング剤、界面活性剤を表1又は表2に示す組成で配合して、バレル温度を190℃に設定して樹脂組成物ペレットを作製し、MIと剪断粘度の測定を実施した。さらに、この樹脂組成物ペレットを用い上記方法に従って射出成形を実施してプレートを作製し、外観の確認と動的粘弾性測定を実施した。その結果を表1又は表2に示す。
表1又は表2に示されるように、実施例1〜7のいずれも、ベース樹脂単体と比較すると、貯蔵弾性率が1.5倍〜2.7倍の向上を示し、形状維持温度(成形体の形状維持が可能である温度の上限:貯蔵弾性率0.1MPaとなる時の温度により示す。以下の実施例、比較例においても同様である。)が40℃〜80℃上昇することを確認した。又、低剪断速度での剪断粘度が2倍以上に向上しており、バリの発生や洟垂れが発生することなく、射出成形も容易に実施することができた。
(実施例8)
PBT1の代わりに融点が205℃であるPBT2を使用したこと以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物ペレットの作製、評価、射出成形の実施、評価を行った。樹脂組成物ペレット作製段階でのバレル温度は220℃に設定した。ベース樹脂の融点が200℃以上であるため、MI、剪断粘度の測定は240℃で実施した。その結果を表2に示す。表2に示されるように、貯蔵弾性率の向上、高温での形状維持温度の向上、低剪断速度での剪断粘度の向上が見られる。
PBT1の代わりに融点が205℃であるPBT2を使用したこと以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物ペレットの作製、評価、射出成形の実施、評価を行った。樹脂組成物ペレット作製段階でのバレル温度は220℃に設定した。ベース樹脂の融点が200℃以上であるため、MI、剪断粘度の測定は240℃で実施した。その結果を表2に示す。表2に示されるように、貯蔵弾性率の向上、高温での形状維持温度の向上、低剪断速度での剪断粘度の向上が見られる。
(実施例9、10)
PBT1の代わりに融点が226℃であるPBT3を使用したこと以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物ペレットの作製評価、射出成形の実施、評価を行った。樹脂組成物ペレット作製段階でのバレル温度は240℃に設定した。ベース樹脂の融点が200℃以上であるため、MI、剪断粘度の測定は240℃で実施した。その結果を表2に示す。表2に示されるように、貯蔵弾性率の向上、高温での形状維持温度の向上、低剪断速度での剪断粘度の向上が見られた。
PBT1の代わりに融点が226℃であるPBT3を使用したこと以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物ペレットの作製評価、射出成形の実施、評価を行った。樹脂組成物ペレット作製段階でのバレル温度は240℃に設定した。ベース樹脂の融点が200℃以上であるため、MI、剪断粘度の測定は240℃で実施した。その結果を表2に示す。表2に示されるように、貯蔵弾性率の向上、高温での形状維持温度の向上、低剪断速度での剪断粘度の向上が見られた。
(比較例1)
有機化クレー、シランカップリング剤を添加せず、PBT1(実施例1〜7で使用したPBT)単体で各種評価を実施したこと以外は実施例1と同様に、樹脂組成物ペレットの作製、評価、射出成形の実施、評価を行った。その結果を表3に示す。
有機化クレー、シランカップリング剤を添加せず、PBT1(実施例1〜7で使用したPBT)単体で各種評価を実施したこと以外は実施例1と同様に、樹脂組成物ペレットの作製、評価、射出成形の実施、評価を行った。その結果を表3に示す。
表3に示されるように、前記の射出成形条件(保圧10秒)では良好な外観は得られず、又、有機化クレー、シランカップリング剤を添加した場合と異なり、MIや25℃での貯蔵弾性率はベース樹脂単体の場合とほぼ同じでほとんど向上しておらず、低剪断速度での剪断粘度が低く、射出成形段階でのバリの発生、洟垂れが大きい材料であった。又、貯蔵弾性率0.1MPaとなる時の温度が172℃であり、ベース樹脂の融点にほぼ等しい172℃での形状維持が不可能となっており、形状維持温度の向上は見られなかった。
(比較例2、3)
有機化クレー、シランカップリング剤のどちらか一方を添加したこと以外は比較例1と同様にして樹脂組成物ペレットの作製、評価、射出成形の実施、評価を行った。その結果を表3に示す。表3に示されるように、25℃での貯蔵弾性率の向上が小さく、貯蔵弾性率0.1MPaとなる時の温度が170〜178℃であり、180℃までの温度にて形状維持が不可能となっており、形状維持温度の向上はほとんど見られなかった。又、低剪断速度での剪断粘度が低く、射出成形段階でのバリの発生、洟垂れが大きい材料であった。
有機化クレー、シランカップリング剤のどちらか一方を添加したこと以外は比較例1と同様にして樹脂組成物ペレットの作製、評価、射出成形の実施、評価を行った。その結果を表3に示す。表3に示されるように、25℃での貯蔵弾性率の向上が小さく、貯蔵弾性率0.1MPaとなる時の温度が170〜178℃であり、180℃までの温度にて形状維持が不可能となっており、形状維持温度の向上はほとんど見られなかった。又、低剪断速度での剪断粘度が低く、射出成形段階でのバリの発生、洟垂れが大きい材料であった。
(比較例4)
有機化クレーの変わりに汎用的な焼成クレー(クレー3)を用いたこと以外は実施例1と同様にして樹脂組成物ペレットの作製、評価、射出成形の実施、評価を行った。その結果を表3に示す。表3に示されるように、25℃での貯蔵弾性率の向上が小さく、貯蔵弾性率0.1MPaとなる時の温度が172℃であり、180℃までの温度にて形状維持が不可能となっており、形状維持温度の向上はほとんど見られなかった。又、低剪断速度での剪断粘度が低く、射出成形段階でのバリの発生、洟垂れが大きい材料であった。
有機化クレーの変わりに汎用的な焼成クレー(クレー3)を用いたこと以外は実施例1と同様にして樹脂組成物ペレットの作製、評価、射出成形の実施、評価を行った。その結果を表3に示す。表3に示されるように、25℃での貯蔵弾性率の向上が小さく、貯蔵弾性率0.1MPaとなる時の温度が172℃であり、180℃までの温度にて形状維持が不可能となっており、形状維持温度の向上はほとんど見られなかった。又、低剪断速度での剪断粘度が低く、射出成形段階でのバリの発生、洟垂れが大きい材料であった。
(比較例5)
有機化クレー、シランカップリング剤を添加せず、PBT3(実施例9、10で使用したPBT)単体で各種評価を実施したこと以外は実施例9と同様にして樹脂組成物ペレットの作製、評価、射出成形の実施、評価を行った。その結果を表3に示す。表3に示されるように、25℃での貯蔵弾性率は2.0GPa、240℃でのMIは28であり良好な外観が得られたものの、有機化クレー、シランカップリング剤を添加した樹脂組成物ペレットと異なり、低剪断速度での剪断粘度が低く、射出成形段階でのバリの発生、洟垂れが大きい材料であった。又、高剪断速度での粘度が高く流動性の悪い材料であった。又、貯蔵弾性率0.1MPaとなる時の温度が230℃であり、ベース樹脂の融点にほぼ等しい230℃での形状維持が不可能となっており、形状維持温度の向上は見られなかった。
有機化クレー、シランカップリング剤を添加せず、PBT3(実施例9、10で使用したPBT)単体で各種評価を実施したこと以外は実施例9と同様にして樹脂組成物ペレットの作製、評価、射出成形の実施、評価を行った。その結果を表3に示す。表3に示されるように、25℃での貯蔵弾性率は2.0GPa、240℃でのMIは28であり良好な外観が得られたものの、有機化クレー、シランカップリング剤を添加した樹脂組成物ペレットと異なり、低剪断速度での剪断粘度が低く、射出成形段階でのバリの発生、洟垂れが大きい材料であった。又、高剪断速度での粘度が高く流動性の悪い材料であった。又、貯蔵弾性率0.1MPaとなる時の温度が230℃であり、ベース樹脂の融点にほぼ等しい230℃での形状維持が不可能となっており、形状維持温度の向上は見られなかった。
(比較例6、7)
有機化クレー、シランカップリング剤のどちらか一方を添加したこと以外は比較例5と同様にして樹脂組成物ペレットの作製、評価、射出成形の実施、評価を行った。25℃での貯蔵弾性率の向上が小さく、235℃までの温度にて形状維持が不可能となっており、形状維持温度の向上はほとんど見られなかった。又低剪断速度での剪断粘度が低く、射出成形段階でのバリの発生、洟垂れが大きい材料であった。
有機化クレー、シランカップリング剤のどちらか一方を添加したこと以外は比較例5と同様にして樹脂組成物ペレットの作製、評価、射出成形の実施、評価を行った。25℃での貯蔵弾性率の向上が小さく、235℃までの温度にて形状維持が不可能となっており、形状維持温度の向上はほとんど見られなかった。又低剪断速度での剪断粘度が低く、射出成形段階でのバリの発生、洟垂れが大きい材料であった。
(比較例8)
有機化クレー、シランカップリング剤を添加せず、PBT3単体(実施例9、10で使用したPBT)の代わりにPBT3単体にガラス繊維が20部添加された材料(PBT3+GF)を用いた以外は実施例9と同様にして、樹脂組成物ペレットの作製、評価、射出成形の実施、評価を行った。25℃での貯蔵弾性率は6.5GPaと弾性率の向上効果がみられるものの、外観がガラス繊維の影響により凹凸しており、NGとなった。又、235℃までの温度にて形状維持が不可能となっており、形状維持温度の向上はほとんど見られなかった。低剪断速度での剪断粘度も低く、射出成形段階でのバリの発生、洟垂れが大きい材料であった。
有機化クレー、シランカップリング剤を添加せず、PBT3単体(実施例9、10で使用したPBT)の代わりにPBT3単体にガラス繊維が20部添加された材料(PBT3+GF)を用いた以外は実施例9と同様にして、樹脂組成物ペレットの作製、評価、射出成形の実施、評価を行った。25℃での貯蔵弾性率は6.5GPaと弾性率の向上効果がみられるものの、外観がガラス繊維の影響により凹凸しており、NGとなった。又、235℃までの温度にて形状維持が不可能となっており、形状維持温度の向上はほとんど見られなかった。低剪断速度での剪断粘度も低く、射出成形段階でのバリの発生、洟垂れが大きい材料であった。
Claims (7)
- ポリエステル樹脂、有機化クレー及びシランカップリング剤を含有するポリエステル樹脂組成物であって、ポリエステル樹脂100重量部に対し、有機化クレーの含有量が0.5重量部以上、60重量部以下、及びシランカップリング剤の含有量が0.01重量部以上、10重量部以下であることを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
- 前記ポリエステル樹脂が、テレフタル酸を含有するジカルボン酸と1,4−ブタンジオールとを縮合重合して得られるポリブチレンテレフタレート樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。
- テレフタル酸を含有するジカルボン酸が、テレフタル酸、又はイソフタル酸及びテレフタル酸からなり、イソフタル酸とテレフタル酸の重量比が70/30〜0/100の範囲内であることを特徴とする請求項2に記載のポリエステル樹脂組成物。
- 前記有機化クレーが、塩化ジメチルジステアリルアンモニウム及び塩化ベンジルジメチルステアリルアンモニウムから選ばれる有機化合物がインターカレーションされていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂組成物。
- 前記シランカップリング剤が、エポキシ基及びアミノ基から選ばれる官能基を有するシランカップリング剤であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂組成物。
- さらに界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂組成物。
- 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂組成物を射出成形したことを特徴とする射出成形品。
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Citations (5)
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-
2009
- 2009-03-25 JP JP2009074486A patent/JP2010222539A/ja active Pending
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