JP2002003734A - 粘土複合材料およびそのマスターバッチ - Google Patents

粘土複合材料およびそのマスターバッチ

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JP2002003734A JP2000187543A JP2000187543A JP2002003734A JP 2002003734 A JP2002003734 A JP 2002003734A JP 2000187543 A JP2000187543 A JP 2000187543A JP 2000187543 A JP2000187543 A JP 2000187543A JP 2002003734 A JP2002003734 A JP 2002003734A
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clay
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Yoshitomo Nakada
善知 中田
Kenta Kanaida
健太 金井田
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的強度等の各種物性が要求される成形品
の材料として使用されるデラミ型の粘土複合材料を提供
する。また、有機化粘土鉱物を高濃度に配合したマスタ
ーバッチを提供する。 【解決手段】 オキサゾリン基を含有する重量平均分子
量が5千〜10万の範囲内の重合体と、粘土鉱物を有機
化処理してなる有機化粘土鉱物とを含む粘土複合材料を
成形品の材料として用いる。また、前記粘土複合材料を
マスターバッチとして用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、様々な成形品、特
に機械的強度、弾性率、熱変形温度、ガスバリア性、透
明性、難燃性等の各種物性の向上が要求される成形品の
材料として使用される粘土複合材料およびそのマスター
バッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、成形品の機械的強度等の各種
物性を改良するために、成形用樹脂に種々の充填材が添
加、混合されている。前記成形用樹脂としては、例え
ば、ナイロン、ビニル系高分子、エポキシ樹脂等が挙げ
られる。また、前記充填材としては、例えば、クレイ等
の粘土鉱物、ガラス繊維、カーボンブラック、酸化チタ
ン等が挙げられる。そして、一般に、充填材の分散サイ
ズがナノオーダー(通常1〜100nm)であるような
超微細分散系をナノコンポジットといい、特に、層状粘
土鉱物を充填材として用いたナノコンポジットは、クレ
イハイブリッドと称されている。
【0003】クレイハイブリッドには、層状粘土鉱物
(以下、単に粘土鉱物と記す)の分散状態の相違によっ
て、インターカレーション型(挿入型)とデラミ型(剥
離型)とがある。インターカレーション型とは、粘土鉱
物の層間に成形用樹脂が挿入されることにより該粘土鉱
物の層間距離は広がっているが、粘土鉱物の層構造は破
壊されずに残っている状態をいう。また、デラミ型と
は、粘土鉱物の層間に成形用樹脂が挿入されることによ
り、該粘土鉱物の各層がバラバラになり、層構造が破壊
されて残っていない状態をいう。
【0004】粘土鉱物の分散状態が相違する2種類のク
レイハイブリッドを比較すると、デラミ型の状態は、充
填材である粘土鉱物による成形用樹脂に対する補強効果
が高いため、インターカレーション型の状態よりも、成
形品の機械的強度等の各種物性が優れているという性質
を有する。従って、成形品の機械的強度等の物性を改良
するためには、インターカレーション型のクレイハイブ
リッドを用いるよりもデラミ型のクレイハイブリッドを
用いる方が好ましい。
【0005】デラミ型のクレイハイブリッドを得るため
には、成形用樹脂と粘土鉱物との相互作用を向上させる
ことにより、粘土鉱物の層を引き剥がし、層構造を破壊
することが必要となる。しかし、従来の粘土複合材料に
おいては、粘土鉱物は成形用樹脂とのなじみが悪い。そ
のため、デラミ型のクレイハイブリッドとしては、モノ
マーが粘土鉱物と強い相互作用を有する成形用樹脂であ
るナイロンをマトリックスとしたクレイハイブリッドが
上市されているのみであり、それ以外の成形用樹脂をマ
トリックスとしたデラミ型のクレイハイブリッドは得ら
れていない。そこで、スチレン系樹脂等の成形用樹脂を
マトリックスとしたクレイハイブリッドが求められてい
る。
【0006】ナイロン以外の成形用樹脂をマトリックス
としたクレイハイブリッドとして、特開平11−925
94号公報には、互いに相溶する2種以上のポリマー
(成形用樹脂)と有機化クレイ(有機化粘土鉱物)とか
らなる樹脂複合材料が開示されている。この樹脂複合材
料では、少なくとも1種のポリマーが官能基を有し、こ
のポリマーの官能基と有機化クレイとが相互に作用する
ことにより、他のポリマー中に該有機化クレイが分散す
るようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
公報に開示されている樹脂複合材料では、ポリマーと有
機化クレイとの相互作用が、有機化クレイの各層をバラ
バラにするほどには十分ではない。従って、有機化クレ
イの分散状態は、有機化クレイをポリマー中に分散する
際の混練条件に依存することとなる。即ち、該公報に開
示されている樹脂複合材料を用いてデラミ型のクレイハ
イブリッドを得ることは困難である。
【0008】そこで、例えば、成形用樹脂に配合するの
に好適なデラミ型のクレイハイブリッドを得ることがで
き、機械的強度等の物性が優れる成形品の材料として使
用することができる、粘土複合材料が求められている。
【0009】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、粘土鉱物の分散性が良好
で、粘土鉱物を高濃度で配合することが可能であり、機
械的強度、弾性率、熱変形温度、ガスバリア性、透明
性、難燃性等の各種物性の向上が要求される成形品の材
料として使用される粘土複合材料およびそのマスターバ
ッチを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
の問題を解決すべく、粘土鉱物との相互作用の高い重合
体について鋭意検討した。その結果、官能基としてオキ
サゾリン基を含有し、重量平均分子量が特定の範囲内で
ある重合体が、粘土鉱物を有機化処理してなる有機化粘
土鉱物との相互作用が高いことを見出した。即ち、該重
合体と有機化粘土鉱物とを含む粘土複合材料が、粘土鉱
物を高濃度で含有することができるデラミ型のクレイハ
イブリッドを得るために好適であることを見出して、本
発明を完成させるに至った。
【0011】すなわち、本発明の粘土複合材料は、上記
の課題を解決するために、オキサゾリン基を含有する重
量平均分子量が5千〜10万の範囲内の重合体と、粘土
鉱物を有機化処理してなる有機化粘土鉱物とを含むこと
を特徴としている。さらに、前記有機化粘土鉱物が、粘
土鉱物をアルキルアンモニウム塩でイオン交換してなる
ことがより好ましく、前記重合体に占めるオキサゾリン
基の量が、0.1〜4.5mmol/gの範囲内である
ことがより好ましい。
【0012】また、本発明のマスターバッチは、上記の
課題を解決するために、オキサゾリン基を含有する重合
体と、粘土鉱物を有機化処理してなる有機化粘土鉱物と
を含み、前記重合体100重量部に対する前記有機化粘
土鉱物の割合が5〜150重量部の範囲内であることを
特徴とする。さらに、前記重合体の重量平均分子量が、
5千〜10万の範囲内であることがより好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明にかかる粘土複合材料は、
オキサゾリン基を含有する重量平均分子量が5千〜10
万の範囲内の重合体と、粘土鉱物を有機化処理してなる
有機化粘土鉱物とを含んでいる。上記の粘土複合材料
は、必要に応じて熱可塑性樹脂をさらに含んでいてもよ
い。なお、本発明において「熱可塑性樹脂」には、オキ
サゾリン基を含有する重量平均分子量が5千〜10万の
範囲内の重合体は含まれないこととする。
【0014】上記オキサゾリン基を含有する重合体とし
ては、オキサゾリン環を含有するビニル系単量体の単独
重合体、および、該ビニル系単量体とこの単量体と共重
合しうる他の単量体(以下、ビニル重合性単量体と記
す)との共重合体が挙げられる。なお、本発明において
「オキサゾリン環」には、環内に1個の酸素原子と1個
の窒素原子をもつ全ての環が含まれることとする。
【0015】上記のビニル系単量体は、オキサゾリン環
に重合性ビニル基が結合した化合物であり、例えば、下
記一般式(1)で表される化合物が好適であるが、特に
限定されるものではない。
【0016】
【化1】
【0017】〔式中、R1 は水素原子または炭化水素基
を表し、Xは独立して水素原子または炭素数18以下の
炭化水素基を表し、nは1〜5の整数を表す〕 上記一般式(1)で示されるビニル系単量体のうち、2
−イソプロペニル−2−オキサゾリンや、2−イソプロ
ペニル−4,4−ジメチル−2−オキサゾリンがより好
ましい。
【0018】上記のビニル重合性単量体としては、例え
ば、スチレン、α−クロロスチレン、2,4−ジクロロ
スチレン、p−メトキシスチレン、p−メチルスチレ
ン、p−フェニルスチレン、p−(クロロメトキシ)ス
チレン、α−メチルスチレン、α−メチルビニルトルエ
ン等の芳香族ビニル系単量体;アクリロニトリル、メタ
クリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体;メチルア
クリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリ
レート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレー
ト、2−エチルヘキシルメタクリレート等の不飽和カル
ボン酸アルキルエステル;マレイミド、N−フェニルマ
レイミド、N−メチルマレイミド、N−シクロヘキシル
マレイミド等のマレイミド系単量体;等が挙げられる
が、特に限定されるものではない。また、これら単量体
の誘導体を使用することもできる。そして、これら単量
体は、必要に応じて1種類のみを用いてもよく、また、
2種類以上を併用してもよい。上記の例示の化合物のう
ち、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレー
トがより好ましい。
【0019】上記のビニル系単量体およびビニル重合性
単量体(必要に応じて)を重合させる際の重合方法は、
特に限定されるものではなく、従来公知の種々の重合方
法、例えば、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、塊
状重合法等を採用することができるが、溶液重合法を採
用することがより望ましい。
【0020】上記の溶液重合法に用いられる溶媒として
は、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の
芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エ
ステル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン等のケトン類;iso−ブタノール等の脂肪族アルコ
ール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチ
レングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノエチルエーテル等のアルキレングリコールモノ
アルキルエーテル等が挙げられるが、特に限定されるも
のではない。そして、これら溶媒は、1種類のみを用い
てもよく、また、2種以上を適宜混合して用いてもよ
い。
【0021】さらに、上記の重合反応には重合開始剤を
用いることができる。重合開始剤としては、例えば、ク
メンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼン
ハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサ
イド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネー
ト、t−アミルパーオキシイソプロピルカーボネート、
t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートなど
の有機過酸化物;2,2’−アゾビスイソブチロニトリ
ル等のアゾ化合物;等のラジカル開始剤等が挙げられる
が、特に限定されるものではない。これら重合開始剤
は、1種類のみを用いてもよく、適宜2種類以上を併用
してもよい。なお、重合開始剤の使用量は、用いる単量
体の組み合わせや、反応条件等に応じて適宜設定すれば
よく、特に限定されるものではない。
【0022】また、上記の重合体を製造する際の他の条
件、例えば、反応温度や反応時間等は、用いる単量体の
種類等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されるも
のではない。また、上記の重合反応に際しては、各々、
必要に応じてアルキルメルカプタンやα−メチルスチレ
ンダイマー等の連鎖移動剤、ヒンダードフェノール系の
酸化防止剤、可塑剤、熱安定剤、光安定剤等の添加剤を
加えてもよい。
【0023】また、重合体の製法として溶液重合を採用
した場合、反応溶液から上記の重合体を取り出す方法は
特に限定されず、例えば、(i)反応溶液をベント付き
2軸押出機等のいわゆる揮発分分離除去装置に導入し、
反応溶液から揮発分を除去することにより重合体と未反
応の単量体および溶媒とを分離する方法や、(ii)上
記重合体が溶解しない溶剤(貧溶媒)に反応溶液を投入
して、上記重合体を沈殿(析出)させた後、得られる沈
殿物、つまり、上記重合体を濾別して乾燥する方法など
種々の方法を採用することができる。これらの方法のな
かでも、上記(i)の方法が簡便であり、また、工業的
にも有利であることから望ましい。
【0024】上記オキサゾリン基を含有する重合体は、
重量平均分子量を5千〜10万の範囲内とすることがよ
り好ましい。すなわち、重合体の重量平均分子量の下限
値は5千とすることがより好ましく、1万とすることが
さらに好ましく、1.5万とすることが最も好ましい。
また、重合体の重量平均分子量の上限値は10万とする
ことがより好ましく、8万とすることがさらに好まし
く、5万とすることが最も好ましい。前記重合体の重量
平均分子量を上記の範囲内とすることにより、重合体と
有機化粘土鉱物との相互作用が大きくなり、重合体中に
おける有機化粘土鉱物の分散性を向上させることができ
る。
【0025】上記オキサゾリン基を含有する重合体は、
重合体中に占めるオキサゾリン基の量を0.1〜4.5
mmol/gの範囲内とすることがより好ましい。すな
わち、オキサゾリン基の量の下限値は、0.1mmol
/gとすることがより好ましく、0.5mmol/gと
することがさらに好ましく、1.0mmol/gとする
ことが最も好ましい。また、オキサゾリン基の量の上限
値は、4.5mmol/gとすることがより好ましく、
4.0mmol/gとすることがさらに好ましく、3.
5mmol/gとすることが最も好ましい。前記重合体
中のオキサゾリン基を上記の範囲内とすることにより、
重合体中における有機化粘土鉱物の分散性を向上させる
ことができる。
【0026】従って、ビニル重合性単量体を用いる場合
におけるビニル系単量体とビニル重合性単量体との割合
は、オキゾリン基の量が上記範囲内となる割合とすれば
よい。
【0027】上記の粘土鉱物は層状構造を有する層状粘
土鉱物であり、重合体中に充填材として添加、混合され
ることにより重合体の機械的強度、弾性率、熱変形温
度、ガスバリア性、透明性、難燃性等の各種物性を向上
させる。粘土鉱物としては、例えば、サポナイト、ヘク
トライト、モンモリロナイト、サウコナイト、バイデラ
イト、スティブンサイト、ノントロナイト等のスメクタ
イト;トリオクトヘドラル−バーミキュライト、ジオク
トヘドラル−バーミキュライト等のバーミキュライト;
マスコバイト、フィロゴバイト、バイオタイト、レピド
ライト、パラゴナイト、テトラシリシックマイカ等のマ
イカ;ハロイサイト;クロライト等が挙げられるが、特
に限定されるものではない。これら粘土鉱物は1種類の
みを用いてもよく、また2種類以上を併用してもよい。
粘土鉱物は、膨潤性粘土鉱物であることが好ましく、結
晶性粘土鉱物であることが好ましい。そして、粘土鉱物
は、天然の粘土鉱物でも良く、合成の粘土鉱物でも良
い。
【0028】上記の粘土鉱物は、重合体との接触面積が
大きい方がより好ましい。重合体との接触面積が大きい
粘土鉱物を用いることにより、粘土鉱物の層間を大きく
膨潤させることができる。具体的には、粘土鉱物の陽イ
オンの交換容量は、50〜200ミリ等量/100gと
することが好ましい。粘土鉱物の陽イオンの交換容量が
50ミリ等量/100g未満の場合には、有機オニウム
イオンの交換が十分に行われず、粘土鉱物の層間を膨潤
させることが困難な場合がある。一方、粘土鉱物の陽イ
オンの交換容量が200ミリ等量/100gを越える場
合には、粘土鉱物の結合力が強固となり、粘土鉱物の層
間を膨潤させることが困難な場合がある。
【0029】上記の粘土鉱物を有機化処理することによ
り、つまり、粘土鉱物を有機オニウム塩でイオン交換す
ることにより、有機化粘土鉱物が得られる。イオン交換
により、粘土鉱物の表面にイオン結合させる有機オニウ
ムイオンの炭素数は、6以上であることが好ましい。有
機オニウムイオンの炭素数が6未満の場合には、有機オ
ニウムイオンの親水性が高まり、重合体と有機化粘土鉱
物との相互作用が低下するおそれがある。
【0030】上記の有機オニウムイオンとしては、例え
ば、ヘキシルアンモニウムイオン、オクチルアンモニウ
ムイオン、2−エチルヘキシルアンモニウムイオン、ド
デシルアンモニウムイオン、ラウリルアンモニウムイオ
ン、オクタデシルアンモニウムイオン、ステアリルアン
モニウムイオン、ジオクチルジメチルアンモニウムイオ
ン、トリオクチルアンモニウムイオン、ジステアリルジ
メチルアンモニウムイオン、ラウリン酸アンモニウムイ
オン、アミノ酸類の正電荷有機化合物のイオン等が挙げ
られるが、特に限定されるものではない。
【0031】また、上記の有機オニウム塩としては、ア
ルキルアンモニウム塩がより好ましく、4級アンモニウ
ム塩がさらに好ましい。4級アンモニウム塩は下記一般
式(2)で表される化合物である。
【0032】
【化2】
【0033】〔式中、R2 、R3 、R4 およびR5 は炭
化水素基を表し、Yはハロゲン基を表す。〕 4級アンモニウム塩の炭化水素基のうち、主鎖長が最も
長い炭化水素基の炭素数は4〜30であることがより好
ましい。すなわち、該炭化水素基の炭素数の下限値は、
4であることがより好ましく、12であることがさらに
好ましく、15であることが最も好ましい。また、該炭
化水素基の炭素数の上限値は、30であることがより好
ましく、25であることがさらに好ましく、22である
ことが最も好ましい。該炭化水素基の炭素数が4未満で
は、前記の有機化粘土鉱物の層間が十分に拡がらないた
め、有機化粘土鉱物の層間に重合体が挿入されにくくな
る場合がある。一方、該炭化水素基の炭素数が31以上
では、4級アンモニウム塩の分子サイズが大きくなり、
4級アンモニウム塩が粘土鉱物の層間に入る際の立体的
障害が大きくなることにより、粘土鉱物が有機化されに
くくなる場合がある。そして、式中Yで表されるハロゲ
ン基は、塩素基が特に好ましい。
【0034】上記のイオン交換は、具体的には以下のよ
うに行う。粘土鉱物を水やアルコール等で十分に溶媒和
させた後、有機オニウム塩を加え、撹拌し、粘土鉱物の
層間の金属イオンを有機オニウムイオンに置換する。そ
の後、未置換の有機オニウムイオンを十分に洗浄し、濾
過、乾燥させる。
【0035】イオン交換に用いる有機オニウムイオンの
量は、上記の粘土鉱物の陽イオンの交換容量に対して
0.3〜3当量であることがより好ましい。すなわち、
有機オニウムイオンの量の下限値は、0.3当量である
ことがより好ましく、0.5当量であることがさらに好
ましい。また、有機オニウムイオンの量の上限値は、3
当量であることがより好ましく、2当量であることがさ
らに好ましい。有機オニウムイオンの量が0.3当量未
満の場合は、粘土鉱物の層間を膨潤させることが困難と
なる恐れがある。一方、該有機オニウムイオンの量が3
当量を越える場合は、重合体の劣化の原因となり、粘土
複合材料の着色原因となる恐れがある。
【0036】上記の有機化粘土鉱物の添加量は、オキサ
ゾリン基を含有する重合体100重量部に対して、0.
5〜150重量部の範囲内とすることがより好ましい。
すなわち、重合体100重量部に対する有機化粘土鉱物
の添加量の下限値は、0.5重量部とすることがより好
ましく、1重量部とすることがさらに好ましく、5重量
部とすることが最も好ましい。また、重合体100重量
部に対する有機化粘土鉱物の添加量の上限値は、150
重量部とすることが好ましく、125重量部とすること
がさらに好ましく、100重量部とすることが最も好ま
しい。有機化粘土鉱物の添加量を上記の範囲内とするこ
とにより、機械的強度と成形性とのバランスのとれた粘
土複合材料を得ることができる。該添加量が0.5重量
部未満の場合、有機化粘土鉱物による機械的強度の向上
効果が得られない恐れがある。一方、該添加量が150
重量部よりも多い場合、粘土複合材料の成形性が低下す
る恐れがある。
【0037】本発明にかかる粘土複合材料は、オキサゾ
リン基を含有する重量平均分子量が5千〜10万の範囲
内の重合体と有機化粘土鉱物とに加えて、熱可塑性樹脂
をさらに含んでもいてもよい。前記熱可塑性樹脂の種類
を選択することにより、所望の性質の粘土複合材料を得
ることが可能になる。前記の熱可塑性樹脂としては、例
えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、
ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニ
レンスルフィド、ポリスチレンやアクリロニトリル−ブ
タジエン−スチレン共重合体等のスチレン系樹脂、アク
リル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン等が挙げら
れるが、特に限定されるものではない。これら熱可塑性
樹脂は、必要に応じて、1種類のみを用いてもよく、ま
たは2種類以上を適宜混合して用いてもよい。また、上
記熱可塑性樹脂は、上記オキサゾリン基を含有する重合
体と互いに相溶する樹脂であることがより好ましい。
【0038】つぎに、本発明にかかる粘土複合材料の製
造方法について説明する。本発明にかかる粘土複合材料
は、上記の重合体と上記の有機化粘土鉱物と熱可塑性樹
脂(必要に応じて)とを混合して製造することができ
る。混合の順序は、重合体と有機化粘土鉱物とを同時に
加えて混合してもよいし、または重合体と有機化粘土鉱
物を任意の順序で加えて混合してもよい。例えば、重合
体と有機化粘土鉱物とをオムニミキサーなどの混合機で
プレブレンドした後、得られた混合物を押出混練するこ
とにより、本発明にかかる粘土複合材料を容易に得るこ
とができる。押出混練する混練機としては、例えば、単
軸押出機、二軸押出機(スクリュウ回転方向が同方向、
異方向)などの押出機;加圧ニーダー;等、従来公知の
種々の混練機が挙げられるが、特にこれらに限定される
ものではない。該混練の際には、重合体と有機化粘土鉱
物とを重合体の軟化温度以上に加熱して、溶融混練を行
うことがより好ましい。
【0039】或いは、本発明にかかる粘土複合材料は、
粘土鉱物を有機化処理してなる、溶媒により膨潤された
有機化粘土鉱物と、単量体としてビニル系重合体および
ビニル重合単量体(必要に応じて)とを共存させて、該
単量体を上述した方法で重合させることによっても得る
ことができる。
【0040】上記の膨潤は、有機化粘土鉱物に溶媒また
は単量体および重合開始剤(必要に応じて)の一部もし
くは全部を溶媒に混合して得られる混合物を添加、撹拌
することにより行う。すなわち、上記の操作により、溶
媒が有機化粘土鉱物の層間に侵入し、溶媒と有機化粘土
鉱物の各層の表面にイオン結合している有機オニウムイ
オンとが溶媒和する。したがって、溶媒中において最も
安定な、有機オニウムイオンの炭化水素基が伸びた状態
となる。これにより、有機オニウムイオンが、有機化粘
土鉱物の層の間に柱のような状態で存在することとな
り、層間距離が押し拡げられることとなる。このように
溶媒により膨潤された有機化粘土鉱物は、有機化粘土鉱
物の各層の表面に有機オニウムイオンが配置しているた
めコロイド状になり沈殿しない。
【0041】上記の溶媒としては、例えば、前記例示の
溶媒が挙げられるが、特に限定されるものではない。そ
して、これら溶媒は、1種類のみを用いてもよく、ま
た、2種以上を適宜混合して用いてもよい。
【0042】上記の「共存」とは、溶媒により膨潤され
た有機化粘土鉱物と単量体とが共に存在している状態を
いう。共存させる方法としては、溶媒により膨潤された
粘土鉱物に単量体を加えてもよいし、または単量体の一
部もしくは全部を溶媒に混合して得られた混合物を用い
て有機化粘土鉱物を膨潤させてもよい。より好ましく
は、有機化粘土鉱物を溶媒を用いて膨潤させ、該膨潤さ
れた有機化粘土鉱物に単量体を加える方法により共存さ
せる。
【0043】前記の溶媒は、単量体を重合させた後に除
去する。溶媒の除去は、例えば、反応溶液をベント付き
2軸押出機等のいわゆる揮発分分離除去装置に導入し、
反応溶液から揮発分を除去することにより行う。
【0044】本発明にかかる粘土複合材料は、有機化粘
土鉱物により拘束されている重合体の割合が、通常のコ
ンポジット(充填材の分散サイズがナノオーダーではな
い複合材料)よりも高い。したがって、少量の有機化粘
土鉱物の添加により、機械強度、弾性率、熱変形温度の
向上効果を得ることができる。すなわち、本発明にかか
る粘土複合材料は、通常のコンポジットより低比重で、
かつ、上記各種の物性に関して高性能を示す材料であ
る。また、層状構造を有する有機化粘土鉱物が、重合体
中に超微細分散しているため、粘土複合材料中における
気体(酸素など)の拡散が妨げられる。したがって、本
発明にかかる粘土複合材料は、有機化粘土鉱物を含まな
い成形用樹脂よりガスバリア性および難燃性が高い。ま
た、有機化粘土鉱物が、ナノオーダーで分散しているた
め、該有機化粘土鉱物が可視光線を散乱しない。したが
って、本発明にかかる粘土複合材料は、通常のコンポジ
ットより透明性が高い。また、有機化粘土鉱物がナノオ
ーダーで分散しているため、粘土複合材料を繰り返し加
工しても有機化粘土鉱物の切断等が起こらない。したが
って、例えば、ガラス繊維を充填材として用いた複合材
料のように、繰り返し加工することによる性能の低下が
おこらない。すなわち、本発明にかかる粘土複合材料
は、リサイクルが可能である。また、有機化粘土鉱物に
は毒性が無いため、本発明にかかる粘土複合材料は、安
全性に関して優れている。
【0045】本発明にかかる粘土複合材料は、押出成
形、圧縮成形、ブロー成形、射出成形、延伸成形などの
成形法を用い、種々の形状にすることができる。例え
ば、押出混練によって得られた粘土複合材料を、射出成
形機を用いて成形することにより、板状成形品などの種
々の成形品を得ることができる。
【0046】また、上記の粘土複合材料を押出機に供給
し、溶融可塑後、ダイなどにより押出延伸してフィルム
とすることも可能である。このようにして、本発明の粘
土複合材料を用いて、機械的強度等の各種の物性が優れ
たフィルムを得ることができる。
【0047】つぎに、オキサゾリン基を含有する重合体
と、有機化粘土鉱物とを含み、前記重合体100重量部
に対する前記有機化粘土鉱物の割合が5〜150重量部
の範囲内であるマスターバッチについて説明する。
【0048】上記の粘土複合材料は、有機化粘土鉱物の
分散性が良いため、該粘土複合材料中には有機化粘土鉱
物を多量に添加、分散することができる。したがって、
高濃度の有機化粘土鉱物を含む粘土複合材料、すなわ
ち、重合体100重量部に対する有機化粘土鉱物の割合
が5〜150重量部の範囲内である粘土複合材料は、マ
スターバッチとして用いることができる。
【0049】上記の有機化粘土鉱物の添加量は、オキサ
ゾリン基を含有する重合体100重量部に対して、5〜
150重量部の範囲内とすることがより好ましい。すな
わち、重合体100重量部に対する有機化粘土鉱物の添
加量の下限値は、5重量部とすることがより好ましく、
10重量部とすることがさらに好ましく、15重量部と
することが最も好ましい。また、重合体100重量部に
対する有機化粘土鉱物の添加量の上限値は、150重量
部とすることがより好ましく、125重量部とすること
がさらに好ましく、100重量部とすることが最も好ま
しい。有機化粘土鉱物の添加量を上記の範囲内とするこ
とにより、機械的強度と成形性とのバランスのとれた粘
土複合材料を得ることができる。有機化粘土鉱物の添加
量が5重量部未満の場合、上記の粘土複合材料をマスタ
ーバッチとして用いることができない恐れがある。一
方、有機化粘土鉱物の添加量が150部よりも多い場
合、組成物の成形性が低下する恐れがある。
【0050】上記のマスターバッチは、さらに添加剤を
含んでいてもよい。前記の添加剤を選択することによ
り、所望の性質のマスターバッチを得ることが可能にな
る。前記の添加剤としては、他の熱可塑性樹脂、酸化防
止剤、可塑剤、顔料、熱安定剤、光安定剤、難燃剤など
が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら
添加剤は、必要に応じて、1種類のみを用いてもよく、
または2種類以上を適宜混合して用いてもよい。また、
上記の添加剤は、上記オキサゾリン基を含有する重合体
と互いに相溶する性質を有することがより好ましい。
【0051】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限
定されるものではない。なお、実施例および比較例に記
載の「部」は、「重量部」を示す。
【0052】〔実施例1〕還流冷却器、温度センサー、
ガス導入管、2つの滴下ロートおよび撹拌装置を取り付
けた反応容器の内部を窒素ガスで十分に置換した。続い
て、この反応容器に溶媒としてのキシレン70部を仕込
んだ。その後、このキシレンを窒素ガス気流下で撹拌し
ながら、還流温度に昇温した。
【0053】一方の滴下ロートには、ビニル重合性単量
体としてのスチレン24部と、オキサゾリン環を有する
ビニル系単量体としての2−イソプロペニル−2−オキ
サゾリン6部とからなる単量体組成物(30部)を入れ
た。そして、他方の滴下ロートには、重合開始剤として
のカヤカルボンBIC75(化薬アクゾ製)0.6部を
入れた。
【0054】続いて、反応容器内のキシレンを還流温度
において撹拌しながら、滴下ロートの単量体組成物と該
重合開始剤とをそれぞれ4時間かけて反応容器内のキシ
レンに滴下した。
【0055】滴下終了後、得られた反応液を2軸押出機
を用いて温度200℃、回転数120rpmの条件で脱
揮し、GPCによる標準ポリスチレン換算の平均重量分
子量が15,000である固体状のオキサゾリン基を含
有する重合体(以下、POX−1と記す)を得た。
【0056】次に、上記の「POX−1」90部と有機
化粘土鉱物(コープケミカル製、商品名;スメクタイト
SAN)10部とを乾燥した状態で混合して混合物を得
た。続いて、温度200℃、回転数120rpmの条件
において、2軸押出機を用いて、該混合物を溶融混練し
て粘土複合材料を得た。このようにして得られた粘土複
合材料を透過型電子顕微鏡を用いて観察した結果、有機
化粘土鉱物の層間にPOX−1が挿入されることにより
該有機化粘土鉱物の各層が完全に剥離していることが確
認された。
【0057】上記の結果から分かるように、得られた粘
土複合材料はデラミ型のクレイハイブリッドであった。
【0058】〔実施例2〕溶融混練する混合物を、「P
OX−1」25部と有機化粘土鉱物5部とを乾燥した状
態で混合して得た混合物とした以外は、実施例1と同様
の条件で溶融混練を行って粘土複合材料(以下、MC−
1と記す)を得た。このようにして得られた粘土複合材
料を透過型電子顕微鏡を用いて観察した結果、有機化粘
土鉱物の層間にPOX−1が挿入されることにより該有
機化粘土鉱物の各層が完全に剥離していることが確認さ
れた。
【0059】上記の結果から分かるように、得られた粘
土複合材料(MC−1)はデラミ型のクレイハイブリッ
ドであった。
【0060】〔実施例3〕上記実施例2で得たMC−1
をマスターバッチとし、該「MC−1」30部とポリス
チレン(新日鐵化学製、商品名;エスチレンG−20)
70部とを乾燥した状態で混合した後に、実施例1と同
様の条件で溶融混練を行って粘土複合材料を得た。この
ようにして得られた混合物を透過型電子顕微鏡を用いて
観察した結果、得られた混合物はデラミ型のクレイハイ
ブリッドであった。即ち、実施例2で得られた粘土複合
材料(MC−1)をマスターバッチとしてポリスチレン
と混合することにより、ポリスチレンを主成分とするデ
ラミ型のクレイハイブリッドを得ることができた。
【0061】〔実施例4〕還流冷却器、温度センサー、
ガス導入管、2つの滴下ロートおよび撹拌装置を取り付
けた反応容器の内部を窒素ガスで十分に置換した。続い
て、この反応容器に溶媒としてのキシレン70部と、有
機化粘土鉱物(コープケミカル製、商品名;スメクタイ
トSAN)5部とを仕込んだ。その後、このキシレンと
有機化粘土鉱物との混合物を窒素ガス気流下で激しく撹
拌しながら、還流温度に昇温した。
【0062】一方の滴下ロートには、スチレン20部と
2−イソプロペニル−2−オキサゾリン5部とからなる
単量体組成物を入れた。そして、他方の滴下ロートに
は、重合開始剤としてのカヤカルボンBIC75(化薬
アクゾ製)0.7部を入れた。
【0063】続いて、反応容器内のキシレンと有機化粘
土鉱物との混合物を還流温度において激しく撹拌しなが
ら、該混合物に滴下ロートの単量体組成物と該重合開始
剤とをそれぞれ2時間かけて反応容器内の混合物に滴下
した。
【0064】滴下終了後、得られた淡黄色透明な反応液
を2軸押出機を用いて温度220℃、回転数120rp
mの条件で脱揮し、淡黄色透明な粘土複合材料を得た。
このようにして得られた粘土複合材料は、GPCによる
標準ポリスチレン換算の平均重量分子量が15,000
であった。そして、該粘土複合材料を透過型電子顕微鏡
を用いて観察した結果、有機化粘土鉱物の各層が完全に
剥離していることが確認された。
【0065】上記の結果から分かるように、得られた粘
土複合材料はデラミ型のクレイハイブリッドであった。
【0066】〔比較例1〕還流冷却器、温度センサー、
ガス導入管、滴下ロートおよび撹拌装置を取り付けた反
応容器の内部を窒素ガスで十分に置換した。続いて、こ
の反応容器にキシレン50部と、2−イソプロペニル−
2−オキサゾリン10部と、スチレン40部とを仕込ん
だ。その後、この溶液を窒素ガス気流下で撹拌しなが
ら、還流温度に昇温した。
【0067】一方、滴下ロートに、カヤカルボンBIC
75 0.1部を入れ、反応容器内の溶液を還流温度に
おいて撹拌しながら、該重合開始剤を4時間かけて反応
容器内に滴下した。
【0068】滴下終了後、得られた反応液を2軸押出機
を用いて温度200℃、回転数120rpmの条件で脱
揮し、GPCによる標準ポリスチレン換算の平均重量分
子量が150,000である固体状のオキサゾリン基を
含有する重合体(以下、POX−2と記す)を得た。
【0069】次に、前記のPOX−1の代わりに上記の
POX−2を用いた以外は、実施例1と同様の条件で溶
融混練を行って粘土複合材料を得た。このようにして得
られた粘土複合材料を透過型電子顕微鏡を用いて観察し
た結果、有機化粘土鉱物の層が凝集しており、該有機化
粘土鉱物の層構造が保持されている事が確認された。
【0070】上記の結果から分かるように、得られた粘
土複合材料はデラミ型のクレイハイブリッドではなかっ
た。
【0071】
【発明の効果】本発明の粘土複合材料は、以上のよう
に、オキサゾリン基を含有する重量平均分子量が5千〜
10万の範囲内の重合体と、粘土鉱物を有機化処理して
なる有機化粘土鉱物とを含む構成である。
【0072】それゆえ、重合体と有機化粘土鉱物との相
互作用が高く、重合体中における有機化粘土鉱物の分散
性が向上するため、従来は容易に得ることのできなかっ
たデラミ型のクレイハイブリッドを得ることができる。
これにより、該デラミ型のクレイハイブリッドを用いて
機械的強度等の各種物性が優れた成形品を提供すること
ができるという効果を奏する。
【0073】本発明のマスターバッチは、以上のよう
に、オキサゾリン基を含有する重合体と、粘土鉱物を有
機化処理してなる有機化粘土鉱物とを含み、前記重合体
100重量部に対する前記有機化粘土鉱物の割合が5〜
150重量部の範囲内である構成である。
【0074】それゆえ、重合体と有機化粘土鉱物との相
互作用が高く、重合体中における有機化粘土鉱物の分散
性が向上するため、有機化粘土鉱物を高濃度で配合する
ことが可能となり、従来は容易に得ることのできなかっ
たデラミ型のクレイハイブリッドのマスターバッチを得
ることができる。
【0075】それゆえ、マスターバッチを用いることに
より、機械的強度等の各種物性が優れた成形品を製造す
るための成形用樹脂を調製する際の計量や取扱いを容易
にすることが可能となるという効果を奏する。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オキサゾリン基を含有する重量平均分子量
    が5千〜10万の範囲内の重合体と、粘土鉱物を有機化
    処理してなる有機化粘土鉱物とを含むことを特徴とする
    粘土複合材料。
  2. 【請求項2】前記有機化粘土鉱物が、粘土鉱物をアルキ
    ルアンモニウム塩でイオン交換してなることを特徴とす
    る請求項1記載の粘土複合材料。
  3. 【請求項3】前記重合体に占めるオキサゾリン基の量
    が、0.1〜4.5mmol/gの範囲内であることを
    特徴とする請求項1または2記載の粘土複合材料。
  4. 【請求項4】オキサゾリン基を含有する重合体と、粘土
    鉱物を有機化処理してなる有機化粘土鉱物とを含み、前
    記重合体100重量部に対する前記有機化粘土鉱物の割
    合が5〜150重量部の範囲内であることを特徴とする
    マスターバッチ。
  5. 【請求項5】前記重合体の重量平均分子量が5千〜10
    万の範囲内であることを特徴とする請求項4記載のマス
    ターバッチ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006104129A1 (ja) * 2005-03-28 2006-10-05 Mitsubishi Chemical Corporation 変性オレフィン系重合体組成物及びそれを用いたオレフィン系重合体組成物
JP2012214700A (ja) * 2011-03-29 2012-11-08 Asahi Kasei Chemicals Corp 強化系難燃樹脂組成物及び成形品

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