JPS5851010B2 - シンキジユウゴウタイリユウシノセイゾウホウ - Google Patents

シンキジユウゴウタイリユウシノセイゾウホウ

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JPS5851010B2
JPS5851010B2 JP12607675A JP12607675A JPS5851010B2 JP S5851010 B2 JPS5851010 B2 JP S5851010B2 JP 12607675 A JP12607675 A JP 12607675A JP 12607675 A JP12607675 A JP 12607675A JP S5851010 B2 JPS5851010 B2 JP S5851010B2
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low
ethylene polymer
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particles
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哲司 柿崎
正和 荒居
博成 佐野
宏 松居
浩 由井
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Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 O〕 発明の背景 ■、技術分野 この発明は、成形性にすぐれ、剛性、寸法精度、印刷性
等の緒特性が改良された低密度エチレン重合体粒子の製
造法に関する。
さらに具体的には、この発明は、低密度エチレン重合体
とビニル重合体とからなる均質複合樹脂の製造法に関す
る。
この場合のビニル重合体は限定された範囲内で低密度エ
チレン重合体よりも多量であっても、均質性は維持され
る。
従って、この発明は、別の観点からみれば、改質された
ビニル重合体の製造法に関するものでもある。
2、先行技術 従来より成形材料としてエチレン重合体の剛性、寸法安
定性、印刷性等を向上させるため、オレフィン重合体に
ビニル重合体、たとえばポリスチレン、をブレンドする
ことが行なわれている。
しかし、オレフィン重合体とポリスチレンとは一般に相
溶性が不良であるため、ポリスチレンを10重量%以上
配合することは行なわれておらず、一般には0.2〜5
重量%のポリスチレンがオレフィン重合体にブレンドさ
れていたにすぎない。
しかしながら、このような少量のポリスチレンをブレン
ドした場合でも、ブレンド物からの成形体は両樹脂の相
溶性の悪さから耐衝撃性が低下し、また外観が悪化しが
ちであった。
このような欠点を改良するため、電離性放射線を照射し
てスチレンをグラフト重合させたエチレン重合体が提案
されている。
この方法は、ポリスチレンをエチレン重合体に均一に分
散させるのにかなり効果があるが、放射線グラフト重合
法という特殊な方法によるため経済性に問題があって、
実用化されていない。
なお、この方法では導入するスチレン量に限界がある。
一方、他の公知な方法として、キシレンあるいはトルエ
ン等の溶媒を利用した溶液グラフト重合法があるが、エ
チレン重合体の溶解度の点から、多量の溶媒中に希釈さ
れた状態で重合が行なわれるため、ビニル単量体、重合
開始剤およびエチレン重合体の相互の接触の機会が少な
くて一般的にビニル単量体の反応効率が低いという欠点
を有する上、溶剤回収等の後処理工程が煩雑なため、経
済的に不利である。
乳化グラフト重合法もあるが、この場合はエチレン重合
体粒子の表面反応に限定されるため、生成物の均質性が
劣るという欠点を有する。
また、ポリエチレン粒子存在下にビニル単量体を水中分
散懸濁系で重合させる技術も公知であるが、このものは
ビニルモノマーの含浸を重合と併進させて行なっている
ため重合が粒子の表面反応に限定されがちで均質性が劣
る傾向があるばかりでなく、当然のことながら本発明の
ように粒子に対するビニルモノマーの量比をあげること
が出来ないため、本発明で目的とするような新規重合体
粒子は得られない。
■ 発明の概要 この発明は上記の点に解決を与えることを目的とし、ビ
ニル単量体の懸濁重合という単一工程だけで、そしてこ
の懸濁重合工程を特定の条件下に実施することによって
、この目的を達成しようとするものである。
従って、この発明による新規重合体粒子の製造法は、下
記の工程を含むこと、を特徴とするものである。
(1)低密度エチレン重合体粒子100重量部、ビニル
ないしビニリデン単量体5〜200重量部、および10
時間の半減期を得るための分解温度が60〜130℃で
あるラジカル重合開始剤をビニルないしビニリデン単量
体100重量部に対し0.01〜0.8重量部を含む水
性懸濁液を、この開始剤の分解が実質的に起らない条件
下に加熱して、ビニルないしビニリデン単量体が低密度
エチレン重合体粒子に含浸されて遊離ビニルないしビニ
リデン単量体の量が20重量%未満となるに到らせる。
(2)この水性懸濁液の温度を上昇させて、ビニルない
しビニリデン単量体の重合を完成させる。
このように、この発明による新規重合体粒子の製造法は
、水性懸濁液中で低密度エチレン重合体粒子に対する重
合開始剤溶存ビニルないしビニリデン(以下、ビニル単
量体と呼ぶ)単量体の含浸工程とこのビニル単量体の重
合工程とを含んでおり、特定の限定されたビニル単量体
の量比および反応条件を採用することによって、ビニル
単量体の水性懸濁重合の技術によって均質な複合樹脂材
料を製造するのに成功したものである。
ビニル単量体の含浸を遊離単量体、すなわち低密度エチ
レン重合体粒子に含浸または付着されない単量体の量が
仕込単量体の20重量%未満となる程度にまで行なう結
果、ビニル単量体の事実上全量が低密度エチレン重合体
粒子内部でかつごく少量がエチレン重合体粒子表面に耐
着して重合し、生成物中にはビニル重合体粒子がエチレ
ン重合体粒子と独立して存在することは事実上記められ
ない。
従って、この意味においてこの発明の方法は通常の油溶
性ビニル単量体例えばスチレンの水性懸濁重合とは異な
るといえよう。
ビニル単量体の大部分がこのように低密度エチレン重合
体粒子内で重合するため、生成ビニル重合体は低密度エ
チレン重合体との間に何らかの相互作用を受けているも
のと推定され、従って両者の相溶性は極めて良好である
また公知の技術に比較し、重合体粒子の中心部までビニ
ル単量体を含浸させた上、重合させているので均質性に
優れる。
この発明により得られる複合樹脂は両型合体成分の相溶
性が良好であるためそれ自身が均質な成形用材料として
使用されるが、この複合樹脂のもう一つの特色は他の熱
可塑性樹脂との相溶性が良好であるということである。
従って、この複合樹脂は他の熱可塑性樹脂とのブレンド
として一つの成形材料をなし、あるいはこれと相溶性を
持つが相互には相溶性のない二種または数種の熱可塑性
樹脂に対する分散剤として利用される。
この発明により得られる複合樹脂の均質性は、ビニル単
量体の低密度エチレン重合体粒子中への含浸工程を重合
工程とは別個に設けてビニル単量体の含浸を均一に、す
なわち低密度エチレン重合体粒子中心に致るまで均一に
、行なわれるようにしたことにも原因する。
叫 発明の詳細な説明 1、低密度エチレン重合体粒子に対するビニル単量体の
含浸 (1)低密度エチレン重合体粒子 低密度エチレン重合体としては、種々の重合法で製造さ
れた密度が0.910〜0.934 ?/crj、のも
のが使用される。
また、この低密度ポリエチレンのメルトインデックス(
MI )は、0.05〜6ob/10分(2,16kg
荷重)程度であルノがふつうである。
ここで、密度およびメルトインデックスは、JISK−
6760で求めた値である。
このような低密度エチレン重合体の代表例は、エチレン
の単独重合体であり、低密度ポリエチレンとして商業的
に容易に入手することができる。
この発明で対象とする低密度エチレン重合体の他の例は
、エチレンと比重調節の為に使用される少i(I Qモ
ル%以下)のα−オレフィンとの共重合体である。
α−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、ペ
ンテン−1等が代表的である。
これらの低密度エチレン重合体は、相互に混合使用する
ことができる。
また、低密度エチレン重合体としての性質を損なわない
範囲で他の重合体を混合使用することもできる。
ビニル単量体の含浸を容易にしかつ、懸濁重合時の凝集
を防ぐため、低密度エチレン重合体の粒子は粒径分布が
狭く、かつ平均粒径2〜5朋程度のペレットであること
が好ましい。
粒径が過度に太きいと、重合時の分散が困難なばかりで
なく、ビニル単量体の含浸速度が遅くなって反応時間が
長くなる欠点があるが、粒径がたとえば6〜20關と大
きいエチレン重合体粒子を使用した場合は、含浸時間を
長くし、また必要であれば生成樹脂塊を粉砕すればよい
から、低密度エチレン重合体の粒度はこの発明において
は必ずしも臨界的ではない。
この発明によれば、使用した低密度エチレン重合体粒子
の形状がほぼそのまま生成複合樹脂即ち新規重合体粒子
に保持されるから、生成複合樹脂が直ちに成形用材料と
使用するに適した粒度ないし粒子形状であるように出発
低密度エチレン重合体粒子の粒度を選定することができ
る。
(2)ビニル単量体 前記したように、ビニリデン単量体をも包含する。
具体的には、たとえば、スチレン系単量体、たとえばス
チレン、核置換スチレンたとえばメチルスチレン、ジメ
チルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン
、クロルスチレン、α置換スチレンたとえばα−メチル
スチレン、α−エチルスチレン、アクリル酸エステル(
%K、C,〜C7アルキルエステル)、メタクリル酸エ
ステル(特ニ、C1〜C7アルキルエステル)、ハロゲ
ン化ビニルないしビニリデン(特に、塩化ビニル、塩化
ビニリデン)、アクリロニトリル、メタクリロニトリル
、ビニルナフタレン、ビニルカルバゾール、アクリルア
ミド、メタクリルアミド、無水マレイン酸、その他があ
り、単独または混合して用いられる。
特に、親水性または固体のビニル単量体は、油溶性単量
体中に溶解して使用するとよい。
(3)ビニル単量体の使用量 ビニル単量体の量は、低密度エチレン重合体100重量
部に対して5〜200重量部、好ましくは、20〜15
0重量部である。
200重量部以上を越えると低密度エチレン重合体に含
浸されないビニル単量体量が多くなって低密度エチレン
重合体粒子と独立のビニル重合体粒子が懸濁重合時に析
出して、生成複合樹脂の均質性が阻害されるし、5重量
部未満では生成複合樹脂の剛性あるいは他の熱可塑性樹
脂との相溶性等の改良効果が十分でない。
この発明によると、低密度エチレン重合体に対するビニ
ル単量体の量比が増加すると、生成する複合樹脂中のビ
ニル単量体の分散粒子径が大きくなる傾向がある。
したがって、目的とする使用形態により低密度エチレン
重合体とビニル単量体の量比を変えて利用できる。
一例として、ビニル単量体がスチレンの場合、低密度エ
チレン重合体100重量部に対しスチレン5〜100重
量部の量比では生成する複合樹脂中のポリスチレン分散
粒子径が非常に小さいことから、低密度エチレン重合体
の剛性を改良した成形材料として、各種熱可塑性樹脂と
のブレンド材料として、また相互に相溶性のない二種又
は数種の熱可塑性樹脂に対する分散剤として、有効であ
る。
一方、低密度エチレン重合体100重量部に対しスチレ
ン100〜200重量部の量比では生成する複合樹脂中
のポリスチレンの分散粒子径がやや大きくなることから
、主として、高剛性で耐衝撃性にすぐれる成形材料とし
て、或いはスチレン系樹脂へのブレンド材料としての応
用が考えられる。
(4)重合開始剤 この発明による方法は水性懸濁重合の技術に従うものに
よるため、重合開始剤は油溶性のものを使用する。
そして、この発明の特徴によれば、重合開始剤は10時
間の半減期を得るための分解温度が60〜130℃であ
るものでなげればならない。
特に70〜110℃の範囲内にあるのが好ましい。
60℃未満では含浸工程中にビニル単量体の重合が生じ
て、生成複合樹脂の均質なものが得られない。
130℃を越えると得られる重合体に白斑(ゲル)が生
じ、物性上は熱論のこと商品価値も好ましくない。
白斑は、開始剤の分解のため過度に温度を上げる結果、
低密度エチレン重合体の分子間架橋反応が起きたためと
考えられる。
このような重合開始剤の具体例を挙げれば、下記の通り
である(カッコ内の温度は、ベンゼンll中に重合開始
剤を(11モル添加し該温度で10時間放置すれば重合
開始剤の分解率が50%となる温度である)。
オクタノイルパーオキサイド(61℃)、ベンゾイルパ
ーオキサイド(74℃)、シクロヘキサノンパーオキサ
イド(97°C)、t−フ−1−/L/バーオキシベン
ゾエート(IQ4℃)、メチルエチルケトンパーオキサ
イド(109℃)、ジクミルパーオキサイド(117℃
)、ジー上ブチルパーオキサイド(124℃)、2・5
−ジメチル−2・5−ジベンゾイルパーオキシヘキサン
(100℃)、ジ−t−ブチル−ジ−パーオキシフタレ
ート(105°C)。
重合開始剤の使用量は、ビニル単量体100重量部に対
して0.01〜Q、8重量部、好ましくは0.05〜0
.5重量部、である。
0.01重量%未満ではビニル単量体の重合が完全には
行なわれないし、1重量%を越えると、低密度エチレン
重合体の分子間架橋反応が顕著になり、低密度エチレン
重合体が本来有する特性を著るしく損なうと共に生成複
合樹脂を成形加工する場合に残存する重合開始剤による
悪影響が起こる。
(5)水性懸濁液の調製 系内に低密度エチレン重合体粒子が存在するという点を
除けば、ビニル単量体の水性懸濁重合を実施する場合の
水性懸濁液調製と本質的には変らない。
従って、低密度エチレン重合体粒子と、好ましくは重合
開始剤をあらかじめ溶存させたビニル単量体とを、水性
懸濁重合に使用されうる懸濁剤たとえば水溶性重合体た
とえばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、
メチルセルロースその他あるいは難溶性無機物質たとえ
ばリン酸カルシウム、酸化マグネシウムその他の存在下
に、水性媒体中にかくはん分散させる。
水性媒体は、各種水溶性物質が溶存したものでもよい。
水性懸濁液の低密度エチレン重合体粒子ないしビニル単
量体の濃度は、系のかくはんが容易に行なわれる限り任
意であるが、一般に水100重量部に対して低密度エチ
レン重合体およびビニル単量体5〜100重量部で行な
われる。
(6)ビニル単量体の含浸 この水性懸濁液を、使用重合開始剤の分解が実質的には
起らない条件下で加熱して、ビニル単量体を低密度エチ
レン重合体粒子中に含浸させる。
含浸は、ビニル単量体の80重量%以上、好ましくは9
0重量%以上が低密度エチレン重合体粒子に含浸または
耐着されるまですなわち遊離のビニル単量体液滴が20
重量%、好ましくは10重量%未満の量となる程度まで
水性懸濁液を好ましくはかくはん下に放置して行なう。
本発明者らの種々の実験の結果、未含浸のビニル単量体
が20重量%以上の場合は独立のビニル重合体粒子が析
出し、また低密度エチレン重合体粒子中のビニル重合体
の分散が不均一となって目的とする性能が得られないこ
とが判明した。
なお、含浸工程における20重量%未満の遊離のビニル
単量体は、次の重合工程において低密度エチレン重合体
に含浸されあるいは低密度エチレン重合体表面に付着し
て重合するため、生成物中にはビニル重合体粒子が低密
度エチレン重合体粒子と独立して存在することは事実上
記められない。
含浸の条件は含浸促進の点からは加熱温度は高い方がよ
いが、重合開始剤の過早分解によって含没前のビニル単
量体が単独で重合するので、これを防止する点からは加
熱温度は低い方がよい。
前述した特定重合開始剤および特定粒子形状の低密度エ
チレン重合体粒子を用いる本発明において好ましい条件
は温度50〜80℃、かくはん時間は1〜4時間程度で
ある。
なお、遊離のビニル単量体の量は、次の方法によって知
ることができる。
すなわち、水性懸濁液の任意量をサンプリングし、これ
を300メツシュ程度の金網を用いて手早く沢過してエ
チレン重合体粒子と液相に分離して液相中のビニル単量
体を測定し、この値とビニル単量体の仕込み量とから遊
離のビニル単量体の割合を算出する。
2、ビニル単量体の重合 このようにして用意した水性懸濁液を、好ましくはかく
はん下に、更に高温に加熱して、ビニル単量体の重合を
行なう。
加熱温度は、使用重合開始剤の充分な分解が生じる温度
であるべきである。
しかし、150℃を越えないことが好ましい。
150℃を越えると、低密度エチレン重合体の分子間架
橋反応が起こって、低密度エチレン重合体が本来有する
特性を著るしく損なう。
一般に、80〜130℃の温度が適当である。
重合中の温度は、150℃以下であれば必ずしも一定で
なくてもよ(、懸濁重合で生成する複合樹脂の性状具合
で二段あるいはそれ以上に変更することもできる。
重合時間は、一般に5〜20時間である。
前記したように、重合終了後も使用低密度エチレン重合
体粒子の形状がほぼそのまま保持されている。
重合終了後は冷却し、その他通常の水性懸濁重合のあと
処理と同様に処理すれば、直ちに成形用材料として使用
できる形態の複合樹脂を得ることができる。
3、生成複合樹脂 このようにして得られる新規重合体粒子すなわち複合樹
脂は出発低密度エチレン重合体と同質ではなく、均一に
分散されたビニル単量体からの重合体を内蔵する低密度
エチレン重合体あるいはビニル単量体が低密度エチレン
重合体の幹にグラフト重合した変性低密度エチレン重合
体あるいは低密度エチレン重合体粒子表面にビニル単量
体の重合体がグラフト重合したものあるいはこれらの混
合物と推定され、ビニル単量体の独自の重合体粒子が低
密度エチレン重合体粒子と別個に存在するものではない
この発明により製造される複合樹脂は、ビニル単量体か
らの重合体が0.5〜1μのほぼ球状の微細粒子として
低密度エチレン重合体中に均一に分散しているものであ
る。
このような微細な分散は、単純ブレンドではいかなる手
法を用いても達成しえない(低密度エチレン重合体中に
ビニル重合体粒子を数十μの単位でしか分散されえない
)。
この発明により製造される複合樹脂は、未改質の低密度
エチレン重合体に比較して、後記実施例に示すように曲
げ剛性、引張強度、曲げ強度等の機械的強度が大幅に改
良されており、かつ寸法安定性、印刷性がすぐれている
すなわち、一般的にいえば、この発明による新規重合体
は、下記の諸特性においてすぐれた新規重合体粒子であ
る。
成形性−熱可塑時の流動性、加工安定な温度域成形品収
縮性、圧延性等 機械的性質−引張強度、耐クリープ強度、圧縮強度、耐
摩耗性等 外観−表面光沢、色調、着色性等 化学的性質−耐薬品性、耐候性等 物理的性質−耐熱性、ガス透過性等 4、複合樹脂の利用 この発明によって製造される複合樹脂はその均質性によ
って、また前記した諸特性によって、改質低密度エチレ
ン重合体として成形材料として利用される。
この複合樹脂に顔料、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防
止剤、難燃化剤、無機充填材、他の熱可塑性樹脂をブレ
ンドして成形材料として利用することももちろん可能で
ある。
そして、この複合樹脂の他の利用態様の一つは、これを
他の熱可塑性樹脂とのブレンドとして使用することであ
る。
低密度エチレン重合体とこの低密度エチレン重合体に含
浸されたビニル単量体の重合により生成したビニル重合
体との均質複合体から本質的になるこの発明の新規重合
体すなわち複合樹脂の特色の一つは各種の熱可塑性樹脂
に対する相溶性の良さであり、この複合樹脂を各種の熱
可塑性樹脂に適当量配合したものは均質なブレンドをな
し、しかしてこのフレンドは被配合熱可塑性樹脂にこの
複合樹脂に固有の前記した改良された特性を附与するこ
とができる。
たとえば、スチレン改質低密度ポリエチレンはホモポリ
エチレンの耐衝撃性および伸びの改良、低密度ポリエチ
レンの顔料分散性、収縮性の改良、スチレンおよび無水
マレイン酸改質低密度ポリエチレンは低密度ポリエチレ
ンの印刷性改良、塩化ビニリデン改質低密度ポリエチレ
ンは低密度ポリエチレンのガスバリヤ−性の改良、メタ
クリル酸メチル改質低密度ポリエチレンは低密度ポリエ
チレンの耐候性の改良、にそれぞれ有効である。
また、スチレンおよびアクリル酸ないし無水マレイン酸
改質低密度ポリエチレンを未変性の低密度または高密度
ポリエチレンに配合したものは、金属、ガラス等への接
着力が未変性のポリエチレンのみの場合に比べて著るし
く向上する。
5、実験例 実施例 1 内容量31iのオートクレーブ内に純水1400グおよ
び懸濁剤としてポリビニルアルコール14グを加えて水
性媒質となし、これに粒径2〜3mmの低密度ポリエチ
レン粒子(MI8、密度Q、918)7001をかくは
んにより懸濁させた。
別に重合開始剤として1・1−ビス(1−ブチルパーオ
キシ)シクロヘキサン0.30?およびt−ブチルパー
オキシベンゾエート0.91’をスチレン300r(ポ
リエチレン100部に対し43部)に溶解させ、これを
前記懸濁系に投入し、オートクレーブ内温度を70℃に
昇温させ、該温度で3時時保持して、重合開始剤を含む
スチレンを低密度ポリエチレン粒子中に含浸させた。
この水性懸濁液を9Q’Cに昇温し、該温度で7時間維
持して重合を行なわせ、更に120°Cに昇温し、該温
度で5時間維持して重合を完結させた。
冷却後、内容物を取り出し、水洗して、粒径3〜4mm
のスチレン改質低密度ポリエチレン粒子1001’を得
た。
更に、低密度ポリエチレン粒子943グとスチ*レン5
71(ポリエチレン100部に対し6部)の量比で含浸
時間2時間、低密度ポリエチレン粒子4901とスチレ
ン510 ?’(ポリエチレン100部に対し105部
)の量比で含浸時間4時間、低密度ポリエチレン粒子3
40グとスチレン660′f!(ポリエチレン100部
に対し190部)の量比で含浸時間5時間の条件以外は
全く同一の方法で重合を行なって、スチレン改質低密度
ポリエチレン粒子をそれぞれ得た。
これらを200℃でプレス成形し、肉厚Q、 5 mm
のシートを作成した。
シートを打抜き、幅57/17IL、標点間10mmの
試験片を作成し、インストロン型オートグラフにて、引
張速度50mm1分の条件で、引張強伸度を求めた。
結果を表1に示す。比較例 1 低密度ポリエチレン粒子3101、スチレン690S’
(ポリエチレン100部に対し220部)の量比で含浸
時間を5時間にした以外は実施例1と同じ条件で重合を
行なって、スチレン改質低密度ポリエチレン粒子を得た
物性を表−1に示す。比較例 2 実施例1で用いた低密度ポリエチレン粒子14グとポリ
スチレン粒子(三菱モンサント■「ダイヤレックスHF
−77J ’)26?(ポリエチレン100部に対し1
90部)をブラベンダープラストグラフを用いて200
℃の温度で10分間よく混練し、このフレンド物を20
0℃でプレス成形して、肉厚0.5 mmのシートを得
た。
同様に、低密度ポリエチレン粒子19.5Pとポリスチ
レン粒子20.5P(ポリエチレン100部に対し10
5部)、低密度ポリエチレン粒子28rとポリスチレン
粒子121(ポリエチレン100部に対し43部)、低
密度ポリエチレン粒子37.71とポリスチレン粒子2
.3P(ポリエチレン100部に対し6部)のブレンド
物のシートを得た。
このシートの物性を表−1に示す。表1の結果から明ら
かなように、本発明の改質低密度ポリエチレン重合体粒
子が単なる低密度ポリエチレンとポリスチレンのブレン
ドより強度が大幅に向上しており、かつ伸びが十分であ
ることが理解できる。
また、未改質低密度ポリエチレンに比較して、強度が向
上していることが理解できる。
比較例1におけるように低密度ポリエチレンとスチレン
の量比がポリエチレン粒子100重量部に対しスチレン
が100重量部以上になると生成ポリスチレンの分散に
於ける均質性が損われて、引張強度が逆に低下する。
また、本発明によるスチレン改質低密度ポリエチレン粒
子と比較例2の低密度ポリエチレン/ポリスチレン単純
ブレンドの走査型電子顕微鏡による内部構造の観察写真
を第1〜3図に示す。
いずれも、溶媒エツチング法を用いて相分数を観察した
結果であり、第1,2図は本発明によるスチレン改質低
密度ポリエチレン(スチレン105部、低密度ポリエチ
レン100部)、第3図は低密度ポリエチレンとポリス
チレンとの単純ブレンド(ポリスチレン105部、ポリ
エチレン100部)の写真である。
写真から明らかなように、スチレン改質低密度ポリエチ
レンではポリスチレンが微細粒子として均一に分散して
おり、〔第1図(内部)、第2図*(表面)〕(実施例
1)、単純ブレンドにおけるポリスチレンの分散状態(
大きなドメインとして存在、その分散単位が非常に大き
くかつ不規則である)(第3図)(比較例2)とは著し
い相違を示している。
分散ポリスチレン粒子の大きさは、スチレンの量比が小
さいものは0.5μ以下、スチレンの量比が増加したも
のは1μ前後である。
実施例 2 内容量31のオートクレーブ内に、純水1400グ、お
よび懸濁剤としてポリビニルアルコール14Pを加えて
水性媒質となし、これに粒径2〜3mrILの低密度ポ
リエチレン粒子(MI4、密度0.924)70(lを
かくはんにより懸濁させた。
別に重合開始剤として表2に示す化合物の1.51をス
チレン300fに溶解させ、これを前記懸濁液系に投入
し、オートクレーブ内温度を70℃に昇温させ、該温度
で3時間保持して、重合開始剤を含むスチレンを低密度
ポリエチレン中に含浸させた。
この水性懸濁液を90℃に昇温し、該温度で7時間維持
して重合を行なわせ、更に120℃に昇温し、該温度で
5時間維持して、重合を完結させた。
冷却後、内容物も取り出し、水洗して粒径3〜4mmの
スチレン改質低密度ポリエチレン粒子1000Pを得た
結果を表2に示す。表2に見られるように、10時間の
半減期を得る為の分解温度が60〜130℃の範囲の重
合開始剤はポリスチレンの分散が均一な重合体粒子を与
えた。
比較例3すなわち重合開始剤の分解温度60℃未満の場
合には、重合体粒子中のポリスチレンの分散が粒子の直
径方向に対し不均一となり、得られる重合体の物性は悪
化した。
更に付加的には、粒子が互にくっつき、重合後の水洗お
よび乾燥がやりにくくなることもあった。
重合開始剤の分解温度が130℃を越える場合、すなわ
ち比較例4においては、未反応のスチレンや重合開始剤
が重合体粒子中に残存し、樹脂を溶融加工する際に未反
応スチレンは樹脂を発泡させたり、残存する重合開始剤
は熱分解により低密度ポリエチレン主鎖の分子間架橋反
応を誘起して、**所望する物性を持った成形体が得ら
れなかった。
実−流側 3 実施例1の方法でえられるスチレン改質低密度ポリエチ
レン粒子(ポリエチレン100重量部に対しスチレン1
05重量部)とポリスチレン樹脂(三菱モンサント■「
ダイヤレックスHF−77」とポリプロピレン樹脂(三
菱油化■「三菱ノーブレンBC−81)を所定の割合で
ブラベンダープラストグラフにて220℃で10分間十
分混練した。
えられたブレンド物を240℃でプレス成形し、肉厚O
05鼎のシートを作製した。
シートを打抜き、巾5間、標点間10amの試験片を作
成し、インストロン型オートグラフにて、引張強度50
mm1分の条件で、引張強伸度を求めた。
また、シートの外観を比較した。
結果を表−3に示す。表3の結果から明らかなように、
ポリスチレンとポリプロピレンに本発明の改質低密度ポ
リエチレンを少量添加することにより、比較例にみられ
るように相溶性の乏しいポリスチレンとポリプロピレン
の単純ブレンドに比べ、引張強度、伸びが大幅に改良さ
れかつシート外観がすぐれることがわかった。
実施例 4 実施例1において、低密度ポリエチレン粒子(MI8、
密度0.918)800グ、スチレン151’、無水マ
レイン酸50fを用いた以外は全く同一の方法にて、ス
チレン−無水マレイン酸改質低密度ポリエチレン粒子を
えた。
この改質低密度ポリエチレン粒子と未改質低密度ポリエ
チレン粒子を任意の割合にフレンドし、小型Tダイフィ
ルム成形機(220℃)にて、肉厚50μのフィルムを
作製した。
このフィルムを接着層として、アルミニウム/アルミニ
ウムの1800剥離強度なASTMD903−49に従
い評価した。
基材アルミニウムは0.5 am厚、剥離すべきアルミ
ニウムは0.2 mm厚、接着面積は25mmX 10
0mm、荷重速度は300mm/分であった。
なお接着条件は、プレス成形機を用いて温度180°C
1圧力20 kg/crA、時間1分である。
結果を表−4に示す。
表−4より明らかなように、本発明による改質低密度ポ
リエチレンを未改質低密度ポリエチレンに少量ブレンド
することにより、金属(アルミニウム)に対する感熱接
着性が大幅に改良されることが理解できる。
実施例 5 実施例10条件(低密度ポリエチレン490rに対しス
チレン510グ)のうちの含浸温度を変更して重合を行
なったところ、表5のような結果を得た。
これから明らかなように実施例10条件では、目的とす
る改質低密度ポリエチレン樹脂を得るための適切な含浸
温度は50−80℃である。
50℃以下の温度で含浸した場合は、スチレンの低密度
ポリエチレン粒子への含浸が不十分な状態で重合温度に
昇温されるため、未含浸スチレンが急速な重合反応を起
し、生成したポリスチレンが低密度ポリエチレン粒子表
面に皮膜となって析出し、不均一な粒子となる。
一方、80℃以上の含浸温度の場合は、含浸段階でかな
りの速度で重合が進行したために、50℃より低温の場
合と同様、生成したポリスチレンが低密度ポリエチレン
粒子表面に析出した。
また、上記範囲(50〜80℃)外の温度で含浸した場
合は、重合体粒子内の中心と表面付近とでポリスチレン
の分散が不均一となったが、これは成形品の物性を悪化
させる原因となり好ましくない。
比較例 3 実施例1において、70℃で3時間の含浸工程をとるこ
となく、90℃に昇温した低密度ポリエチレン490f
を含む水性懸濁液にスチレン510グを徐々に滴下して
7時間重合を行なわせ、更に120℃に昇温しで5時間
維持して重合を完結させた。
得られたペレットのポリスチレンの分散状態を第4図(
内部)および第5図(表面)に示す。
含浸工程をとらないため、表面層付近内部のポリスチレ
ン濃度に大差が生じ、ポリスチレン濃度分布が不均一に
なる。
実施例6および比較例4 実施例5のA3および比較例3で得られた改質ポリエチ
レン粒子をそれぞれ径40朋、L/D28の押出機を用
いて230℃でシート状に押し出し、冷却して、肉厚2
朋のシートを得た。
得られたシートの引張強度、引張伸度をJISK711
3に準じて測定したところ下表の結果を得た。
【図面の簡単な説明】
第1〜5図は、いずれも樹脂材料の走査型電子顕微鏡写
真(6000倍)であって、第1,2図は本発明による
スチレン改質低密度ポリエチレン(実施例1)、第3図
は低密度ポリエチレン/ポリスチレン単純ブレンド(比
較例2)についてのそれであり、第4,5図は公知技術
(比較例3)についてのそれである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記の工程を含むことを特徴とする、新規重合体粒
    子の製造法。 (1) 低密度エチレン重合体粒子100重量部、ビ
    ニルないしビニリデン単量体5〜200重量部、および
    10蒔間の半減期を得るための分解温度が60〜130
    ℃であるラジカル重合開始剤をビニルないしビニリデン
    単量体100重量部に対し0.01〜0.8重量部含む
    水性懸濁液を、この開始剤の分解が実質的に起らない条
    件下に加熱して、ビニルないしビニリデン単量体力低密
    度エチレン重合体粒子に含浸されて遊離ビニルないしビ
    ニリデン単量体の量が20重量%未満となるに到らせる
    。 (2)この水性懸濁液の温度を上昇させて、ビニルない
    しビニリデン単量体の重合を完成させる。
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