JPH01315454A - 高架橋ポリマー粒子およびその製造方法 - Google Patents

高架橋ポリマー粒子およびその製造方法

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JPH01315454A
JPH01315454A JP19095388A JP19095388A JPH01315454A JP H01315454 A JPH01315454 A JP H01315454A JP 19095388 A JP19095388 A JP 19095388A JP 19095388 A JP19095388 A JP 19095388A JP H01315454 A JPH01315454 A JP H01315454A
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雅幸 服部
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、比較的粒子径が小さくかつ粒子径分布が狭く
、さらに耐熱性、耐溶剤性の優れた高架橋ポリマー粒子
およびその製造方法に関する。
〔従来の技術] 従来より、架橋度が高く優れた耐熱性を有する微少ポリ
マー粒子は、エンジニアリングプラスチックスやポリア
ミドにおける有機フィラーとして有用であり、樹脂フィ
ルムの光沢や表面滑り特性の改質剤として要求されてい
る。しかしながら、現在入手可能なポリマー粒子は、強
度、耐熱性、粒子径および粒子径分布の点で充分満足で
きるものとは言えない。
従来、架橋ポリマー粒子は以下に述べる方法によって製
造されていた。
(1)通常行われる手段として、多官能ビニルモノマー
等の高架橋モノマーを多量に含むモノマー組成物を懸濁
重合によって重合する技術がある。
この方法によれば、数百μm〜数μmの範囲の非常に粒
子径分布が広いポリマー粒子が得られる。
しかしながら、懸濁重合によって粒子径の小さいポリマ
ー粒子を得ることは非常に困難である。
粒子径が1μm以下のポリマー粒子を懸濁重合によって
得るためには、モノマーをホモジナイザー等により非常
に小さい粒子に微分散させる必要がある。
このようにすることにより、ポリマー粒子を1μ!n以
下の粒子径のものとすることが可能であるが、粒子径分
布は非常に広いものとなる。
(2)一方、乳化重合によれば、1μm以下の粒子径を
有し、かつ比較的狭い粒子径分布のポリマー粒子を得る
ことが可能である。しかしながら、乳化重合は、重合初
期に微小な核が形成され、これがモノマーを吸収しなが
ら成長するという重合機構である力1、架橋度の高いモ
ノマー組成では核のモノマー吸収能力が低いために正常
な重合が進行せず、核が過多に生成して重合系の安定性
が大きく低下する。このためにi般の乳化重合では架橋
度の高いポリマー粒子を得ることが極めて困難である。
このように、1μm程度以下の粒子径を有し粒子径分布
が狭く、かつ架橋度の高いポリマー粒子を得ることは、
通常の方法では困難であった。
以上のような問題点を解決するために、以下に述べるよ
うな試みがなされている。
(i)懸濁重合によって得られたポリマー粒子を分級処
理する。しかしながら、現在の分級技術によれば、平均
粒子径が1μm以下であり、かつ平均粒子径の±10%
の範囲に80%以上の粒子が存在するようなポリマー粒
子を得ることは困難である。
(:i)小粒子径の架橋ポリマー粒子を製造する方法と
して、いくつかのシード重合法が知られている。
これらの技術のうち代表的なものとして、特開昭61−
225,208号、同62−223,201号、同62
−223,202号公報のものが知られている。
これらの技術においては、軽度に架橋されたシード粒子
を用い、このシード粒子に架橋性モノマーを吸収させて
重合するものである。この方法においては、架橋された
シード粒子を用いているため、シード粒子におけるモノ
マーの吸収能力が低く、このためポリマー粒子を特定の
粒子径とするためには重合操作を繰返して行う必要があ
り、さらに得られるポリマー粒子の全体に対して架橋度
の低いシードポリマーの占める組成割合が大きいために
、ポリマー粒子の硬度並びに耐熱性の点で限界がある。
また、特開昭61−241,310号公報においては、
乳化重合において重合収率が1〜40%に達した時点で
架橋性モノマーを添加し、さらに重合を続ける方法が開
示されている。しかしながら、この方法においても、前
記特開昭61−225.208号公報に開示された技術
と同様に、全ポリマー粒子に対して占める架橋ポリマー
の割合が小さく、その結果ポリマー粒子の硬度並びに耐
熱性が不十分となる問題点がある。
また、特開昭63−72,713号、同63−72.7
15号公報においては、シード重合法によって一定の粒
子径を有する架橋ポリマー粒子および多孔性の架橋ポリ
マー粒子の製造方法が開示されている。
しかしながら、得られるポリマー粒子の粒子径は1〜3
0μmと大きく、そのため前述した有機フィラーとして
適用することが難しいという問題を有する。また、この
技術においては、シード粒子にモノマーを吸収させる工
程を数段回に分けて行う必要があり、さらに吸収工程の
第1段において用いられるモノマーの水に対する溶解度
が制限されているなど、種々の制約がある。
また、米国特許4,336.173号、同4゜186.
120号および同4,694,035号明細書において
は、シードポリマーのモノマー吸収能力を増大させるた
めの技術が開示されている。
しかしながら、これらの技術においては、大粒径のポリ
マー粒子を合成するためにモノマー/シード比率を増大
させることを主目的としており、その比率が20〜50
0と極めて大きなものとなっている。そのため、重合に
おけるポリマー粒子の粒子径のコントロールが難しいだ
けでなく、シード粒子に吸収しきれないモノマーが一部
残存する。
特に、本発明において対象としている架橋性モノマーを
多量に用いる重合では、シード粒子に吸収されないモノ
マーの重合により系の重合安定性が悪化する傾向が大き
いという間組がある。
なお、架橋性モノマーが数重量%以下の通常の乳化重合
においては、重合により生成するポリマーがさらにモノ
マーを吸収する能力を有するために、未吸収のモノマー
が残っていても重合の進行に伴ってこれが生成したポリ
マーに吸収されていくため、上述の米国特許の技術にお
いても特に問題とはならないのである。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明の目的は、前述した技術の問題点を解決し、平均
粒子径が0.1〜1μmの範囲にありかつ粒子径分布が
狭く均一の粒子径を有し、さらに耐熱性や耐溶剤性に優
れた高架橋ポリマー粒子あるいは多孔性の高架橋ポリマ
ー粒子を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、上記高架橋ポリマー粒子
を比較的簡易なプロセスにより安定性よく工業的に有利
に製造できる製造方法を提供することにある。
[問題点を解決するための手段] 本出願に係る第1の発明は、少なくとも1種の架橋性ポ
リとニルモノマーを20重量%以上含む重合性モノマー
のポリマーからなり、以下の条件(a)〜(e)を満た
すことを特徴とする高架橋ポリマー粒子に関する。
r11〜1.1rllの範囲の粒子径を有する粒子が全
体の80重量%以上存在する。
(b)ポリマー粒子は、トルエンに対して実質的に不溶
性かつ非膨潤性である。
(c)窒素ガス雰囲気下において熱天秤により昇温速度
10℃/分でポリマー粒子を加熱したとき、ポリマー粒
子の減量割合が10重量%に達する温度は380℃以上
である。
(d)窒素ガス雰囲気下においてポリマー粒子を300
℃で5時間にわたって加熱したとき、ポリマー粒子の減
量割合は30重置火以下である。
(e)窒素ガス雰囲気下においてポリマー粒子を200
℃に加熱したとき、ポリマー粒子は相互に融着しない。
本出願に係る第2の発明は、重量平均分子量が500〜
io、oooの範囲にあるポリマー粒子1重量部をシー
ド粒子として含む水性分散体に、少なくとも1種の架橋
性ポリとニルモノマーを20重量%以上含む重合性モノ
マー4〜19重量部を添加し、シード粒子に重合性モノ
マーを吸収させて乳化重合することを特徴とする前記架
橋ポリマー粒子の製造方法に関する。
また、本発明においては、上記製造方法において重合性
モノマーのかわりに重合性モノマーと非反応性溶剤との
混合物を4〜19重量部用い、かつ非反応性溶剤の使用
量を両者の比(非反応性溶剤/重合性モノマー)で0.
1〜1とすることにより、多孔性の高架橋ポリマー粒子
を得ることができる。
本発明の架橋ポリマー粒子において前記条件(a)〜(
e)は、樹脂フィルムの光沢や表面滑り特性を改良する
ために、例えばエンジニアリングプラスチックスやポリ
アミドの有機フィラーとして用いる場合に要求されるも
のである。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の方法は、特定の重量平均分子量を有するポリマ
ー粒子をいわゆるシードポリマー粒子として用いる点に
特徴を有する。すなわち、本発明において用いるシード
ポリマー粒子は、重量平均分子量が500〜10,00
0、好ましくは700〜7.000、さらに好ましくは
1 、000〜6,000であることが必要である。
本発明において、ポリマー粒子について「重量平均分子
量」とは、当該ポリマー粒子の溶液の粘度測定あるいは
ゲルパーミェーションクロマイトグラフィーなどの通常
の方法で測定される重量平均分子量である。
シードポリマー粒子の重量平均分子量が10,000を
越えるときには、当該シードポリマー粒子のモノマーお
よび非反応性溶剤の吸収能力が小さく、モノマーがシー
ドポリマー粒子に吸収されないまま独自に重合するため
、目的とするものとは異なる粒子径のポリマー粒子が多
量に生成される。特にこれらの異粒子は微少でコロイド
的に不安定であるために重合反応系の安定性が悪くなり
、重合時に凝固物が多量に発生するようになる。
また、シードポリマー粒子の重量平均分子量が500未
満のときには、その分子量が小さすぎるためにやはりポ
リマーの吸収能力が小さく、上記と同様の問題が生ずる
また、シードポリマー粒子の粒子径および粒子径分布が
生成される架橋ポリマー粒子の粒子径および粒子径分布
に影響を与えるので、できるだけコントロールされて狭
い粒子径分布を有する、粒子径の揃ったシードポリマー
粒子を用いることが好ましい、具体的には、粒子径が0
.05〜0゜6μmのシードポリマー粒子であって粒子
径分布が狭いもの、例えばその変動係数が10%以下の
ものが好適に用いられる。
シードポリマー粒子の組成は、重合に用いるモノマーに
溶解または膨潤するものであれば特に制限されないが、
通常、オレフィン系モノマーの重合体であるオレフィン
系ポリマーであって、重合に用いるポリマーと同系統の
ものであることが好ましい、具体的にはシードポリマー
粒子としては、スチレン、メチルアクリレートやブチル
アクリレートなどのアクリル酸エステル、ブタジェンな
どのモノマーを単独であるいは好ましくはこれらを2種
以上組合わせて得られるポリマー粒子が好ましく用いら
れる。
かかるシードポリマー粒子を得る方法は特に制限される
ものではないが、例示するならば、メルカプタン系の分
子量調整剤を比較的多量に用いた乳化重合法またはソー
プフリー重合法によって合成することができる。このシ
ードポリマー粒子の製造においては、その粒子径をコン
トロールするために、シード粒子を用いたシード重合法
を利用することが好ましい。
本発明において、架橋性ポリビニルモノマー(以下、「
架橋性モノマー」という)としては、ジビニルベンゼン
に代表、される非共役ジビニル化合物、あるいはトリメ
チロールプロパントリメタクリレート、トリメチロール
プロパントリアクリレートに代表される多価アクリレー
ト化合物などの、2個以上、好ましくは2個の共重合性
二重結合を有する化合物を好ましく用いることができる
本発明に使用することができる多価アクリレート化合物
の例としては、次の化合物を挙げることができる。
ジアクリレートイム ポリエチレングリコールジアクリレート、1゜3−ブチ
レングリコールジアクリレート、1.6−ヘキサングリ
コールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアク
リレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、
2.2−一ビス(4−アクリロキシプロビロキシフェニ
ル)プロパン、2.2−−ビス(4−アクリロキシジェ
トキシフェニル)プロパン トリアクリレ−トイ舎 トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロ
ールエタントリアクリレート、テトラメチロールメタン
トリアクリレート 一トラアクリレートイ^ テトラメチロールメタンテトラアクリレートジメタクリ
レートイム エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリ
コールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメ
タクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト、1.3−ブチレングリコールジメタクリレート、1
.4−ブチレングリコールジメタクリレート、1.6−
ヘキサンゲリコールジメタクリレート、ネオペンチルグ
リコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジ
メタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリ
レート、2.2−一ビス(4−メタクリロキシジェトキ
シフェニル)プロパン トリメタクリレートイム トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチ
ロールエタントリメタクリレート以上のうち、ジビニル
ベンゼン、エチレングリコールジメタクリレートまたは
トリメチロールプロパントリメタクリレートを用いるこ
とが好ましく、特にジビニルベンゼンが好ましい、また
これらの架橋性モノマーは、単独あるいは2種以上を混
合して用いることもできる。
本発明においては、架橋性モノマーの割合を、全モノマ
ーに対して20重量%以上、好ましくは25重量%以上
、さらに好ましくは30重量%以上とすることが必要で
ある。
架橋性モノマーの割合が20重量%未満の場合には、得
られるポリマー粒子は硬度、耐熱性、耐溶剤性などの点
で劣ったものとなる。
なお、ここで架橋性モノマーの量は、希釈剤や他の不純
物を除いた純品換算による。
本発明においては、重合性モノマーは架橋性モノマーの
みからなることが好ましいが、重合性モノとニルモノマ
ーを併用することも可能である。
架橋性モノマーと共に用いられる重合性モノマーとして
は、スチレン、エチルビニルベンゼン、α−メチルスチ
レン、フルオロスチレン、ビニルビリンなどの芳香族モ
ノビニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ルなどのシアン化ビニル化合物、ブチルアクリレート、
2−エチルヘキシルエチルアクリレート、グリシジルア
クリレート、N、N−−ジメチルアミノエチルアクリレ
ートなどのアクリル酸エステルモノマー、ブチルメタク
リレート、2−エチルへキシルメタクリレート、メチル
メタクリレート、2−しドロキシエチルメタクリレート
、グリシジルメタクリレート、N、N−−ジメチルアミ
ノエチルメタクリレートなどのメタクリル酸エステルモ
ノマー、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタ
コン酸などのモノまたはジカルボン酸およびジカルボン
酸の酸無水物、アクリルアミド、メタクリルアミドなど
のアミド系モノマーを用いることができる。また、重合
速度および重合安定性の点で許容される範囲内において
、ブタジェン、イソプレンなどの共役二重結合化合物や
酢酸ビニルなどのビニルエステル化合物、4−メチル−
1−ペンテン、その他のα−オレフィン化合物も使用で
きる。これらのうち、特にスチレン、エチルビニルベン
ゼンが好ましい、これらの重合性モノマーは2種以上を
使用してもよい。
本発明においては、上記重合性モノマーとともに非反応
性溶剤を用いることにより、多孔性の高架橋ポリマー粒
子を得ることができる。このような非反応性溶剤は重合
性モノマーと混合して用いることが好ましい。
非反応性溶剤は、シードポリマー粒子に吸収されるもの
であって、ラジカル重合に不活性でかつモノマーの重合
を阻害しないものであればよい。
非反応性溶剤の具体的としては、ベンゼン、トルエン、
キシレン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの
炭化水素化合物、 シクロヘキサノール、オクタツールなどのアルコール類
、 フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチルなどのエステル
類、 シクロヘキサノンなどのケトン類 などが挙げられる。
一般には、重合ポリマーと親和性の高い非反応性溶剤を
用いると微少な孔径の多孔粒子が得られ、重合ポリマー
と親和性の低い非反応性溶剤を用いると大きな孔径の多
孔粒子が得られる。このため、目的とする孔径に合わせ
て非反応性溶剤を選択する。
例えば、重合ポリマーがジビニルベンゼン系である場合
に、非反応性溶剤として親和性の良いトルエンを用いる
と平均孔径が50〜100人の多孔粒子となり、非反応
性溶剤として親和性の低いシクロヘキサノールを用いる
と平均孔径が500〜2000人の大きな孔径の多孔粒
子となる。
なお、非反応性溶剤は2種以上を混合して使用すること
も可能であり、このようにすることは上記ポリマーに対
する非反応性溶剤の親和性をコントロールする上で好都
合である。
非反応性溶剤の使用量は、重合性モノマーに対し両者の
比(非反応性溶剤/重合性モノマー)で、0.1〜1、
好ましくは0.2〜1、さらに好ましくは0.3〜1の
範囲内である。非反応性溶剤の量を調節することによっ
て、得られる多孔粒子の空孔率をコントロールすること
ができる。非反応性溶剤の比がモノマーに対して0.1
より少ないと、実質的に多孔粒子とはならず単なる架橋
粒子となる。一方、非反応性溶剤の比がモノマーに対し
て1を越えると、多孔粒子の形状維持が困難となる。
なお、この非反応性溶剤の使用量には一部の架橋性モノ
マーのなかに希釈剤または不純物として含有されている
溶剤あるいは不活性成分も含まれる。
本発明において、重合性モノマーの使用量は、シードポ
リマー粒子1重量部に対し4〜19重量部、好ましくは
5〜16重量部、さらに好ましくは6〜12重量部であ
る。この使用量が4重量部未満ではシードポリマー粒子
の比率が大きすぎ、得られるポリマー粒子の機械的強度
および耐熱性が不十分となる。また、重合性モノマーの
使用量が19重量部を越えると、シードポリマー粒子の
モノマー吸収能力が不足してシードポリマー粒子に吸収
されないモノマー量が増えるため、粒子径のコントロー
ルが困難となって幅広い粒子径分布を持つ■大粒子が生
成するか(油溶性開始剤を使用した場合)、多量の微少
粒子が発生して重合系が不安定になる(水溶性開始剤を
使用した場合)。
なお、重合性モノマーとともに非反応性溶剤を用いる場
合には、重合性モノマーと非反応性溶剤の総和が前記重
合性モノマーの使用量の範囲となるように設定される。
本発明でモノマーおよび非反応性溶剤を添加する方法と
しては、シードポリマー粒子の水性分散体に対してこれ
らを一時に投入する方法、重合を行いながらモノマーお
よび非反応性溶剤を分割してまたは連続的に添加する方
法がある0本発明では、重合が開始してシードポリマー
粒子中において実質的に架橋が生ずる前にシードポリマ
ー粒子にモノマーを吸収させることが必要である。
重合の中期以降にモノマーを添加すると、モノマーがシ
ードポリマー粒子に吸収されないため、微少粒子が多量
に生じて重合安定性が悪くなり、重合反応を維持するこ
とができない、そのためシードポリマー粒子に対してす
べてのモノマーを重合開始前に添加するか、重合収率が
30%程度に達する前にずべてのモノマーの添加を終了
させておくことが好ましい0本発明では、特に重合の開
始前にシードポリマー粒子の水性分散体にモノマー(非
反応性溶剤を併用する場合には両者)を加えて撹拌し、
シードポリマーにこれを吸収させた後に重合を開始する
ことが好ましい。
本発明においては、シードポリマー粒子の量およびモノ
マーの量を調整することにより、最終的に得られる架橋
ポリマー粒子の粒子径をコントロールすることができる
。具体的には、シードポリマー粒子の重量をWs、その
数平均粒子径をDS、モノマー量をM、非反応性溶剤量
をSとすると、得られる架橋ポリマー粒子の数平均粒子
径りは次の式で推定することができ、実際上も比較的高
い精度で実現される。
本発明で得られる架橋ポリマー粒子の粒子径は、上記の
ように用いるシードポリマー粒子の粒子径と使用する・
モノマーおよび非反応性溶剤の量によってコントロール
できる。
また、得られる粒子径の範囲は種として用いるシードポ
リマー粒子の粒子径の大小で定まるが、通常0.1〜1
μmの範囲内において容易に合成できる。先に述べたよ
うに、この範囲の架橋ポリマー粒子を得るには従来の通
常の懸濁重合法では困難であり、従来法で合成したもの
のなかから分級分離するか、あるいはモノマーを高圧ホ
モジナイザーで微分散して重合する等の、特殊な生産性
の悪い操作をせねばならなかった。
本発明において、重合開始剤としては、一般の水溶性ラ
ジカル重合開始剤あるいは油溶性のラジカル重合開始剤
を用いることができるが、シードポリマー粒子に吸収さ
れないモノマーが水相で重合を開始することの少ない点
で水溶性の重合開始剤を用いることが好ましい。
水溶性のラジカル開始剤としては、過硫酸カリウム、過
IEW1ナトリウム、クメンハイドロパーオキサイド、
過酸化水素、あるいはこれら還元剤の組み合わせによる
レドックス系開始剤が挙げられる。
本発明に用いられる油溶性の重合開始剤としては、ベン
ゾイルパーオキサイド、a、α−−アゾビスイソブチロ
ニトリル、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノ
エート、3,5.5−トリメチルヘキサノイルパーオキ
サイドなどを挙げることができる。油溶性の重合開始剤
のなかでは、α、α゛−アゾビスイソブチロニトリルを
好ましく用いることができる。
なお、重合反応においては、重クロム酸カリウム、塩化
第2鉄、ハイドロキノンなどの水溶性の重合禁止剤を少
量添加すると、微少粒子の発生を抑制することができる
ので好ましい。
重合反応においては、重合反応系の安定性を高くするた
めに、懸濁保護剤または界面活性剤を使用するとよい、
しかしながら、界面活性剤が多すぎる場合には、微少粒
子が生成して重合安定性を低下させる場合があるので、
その使用量はできるだけ少ないことが好ましい、特に水
溶性重合開始剤を用いて重合を行う場合には、界面活性
剤の濃度は臨界ミセル形成濃度(C,M、C,)以下と
することが好ましい。
一方、油溶性重合開始剤を用いて重合を行う場合には、
モノマーおよび油溶性重合開始剤の水に対する溶解度が
十分に低ければ、界面活性剤の使用量がC,M、C,以
上の濃度であっても支障なく重合を行うことが可能であ
る。
本発明において、界面活性剤としては通常のものを用い
ることができ、例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム、ラウリルWt酸ナトリウム、ジアルキルスルホ
コハク酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸のホルマリ
ン縮金物などのアニオン系乳化剤を例示することができ
る。
さらに、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、
ポリエチレングリコールモノステアレート、ソルビタン
モノステアレートなどのノニオン系界面活性剤を併用す
ることも可能である。
本発明に用いることのできる好ましい懸濁保護剤として
は、ポリビニルアルコール、カルボキシルメチルセルロ
ース、ポリアクリル酸ナトリウムあるいは微粉末無機化
合物などを挙げることができる。
本発明において、重合時の系の安定性を確保しながら目
的の粒子径で粒子径分布の狭い高架橋ポリマー粒子を再
現性よくコントロールして得るための最も好ましい重合
開始剤と安定化剤の組み合わせは、重合開始剤として水
溶性重合開始剤を用い、安定化剤としてその重合系での
C,M、C。
濃度以下でかつその近傍濃度(具体的にはC,M。
C0濃度の0.3〜1.0倍)の界面活性剤を用いるも
のである。
本発明において重合性モノマーとともに非反応性溶剤を
用いた場合には、得られる多孔性の架橋ポリマー粒子は
、重合直後は、その粒子内部に非反応性溶剤を含有した
ものとして得られる。そして、架橋ポリマー粒子内部の
非反応性溶剤はスチームストリップ、減圧処理、乾燥、
抽出などの操作によって除くことができる。
本発明の方法によって得られる架橋ポリマー粒子および
多孔性の高架橋ポリマー粒子はその架橋の程度が高く、
したがって極めて高い硬度、強度、耐熱性ならびに耐溶
剤性を有し、かつ従来得られなかったコントロールされ
た比較的微少粒子径の架橋ポリマー粒子である。そして
この架橋ポリマー粒子は、そのような特性を利用して、
種々の分野において使用することができる。
本発明の高架橋ポリマー粒子の用途の例をあげると、滑
材、スペーサ、ブロッキング防止剤、粉体の流動性改良
剤、粉体潤滑剤、化粧品用粒子、研磨剤、ゴム配合剤、
プラスチックピグメント、ろ材およびろ過助剤、離型剤
、クロマトグラフィー用カラム充填剤、マイクロカプセ
ル用粒子、合成繊維添加用粒子などである。
特に、本発明の多孔性の架橋ポリマー粒子は、クロマト
グラフィーn1カラム充填剤、マイクロカプセル用粒子
、徐放性担体、滑剤、スペーサ、ブロッキング防止剤、
プラスチックピグメント、粉体の流動性改良剤、粉体膨
潤剤、光沢調整剤、合成繊維添加剤、フィルム添加剤、
樹脂添加剤、塗料配合剤、ろ材およびろ過助剤、化粧品
用粒子などとして有用である。
また、本発明の高架橋ポリマー粒子は、特に電子写真用
トナーの助剤として有効であり、例えばトナーの製造時
にベース樹脂および各種トナー添加剤とともに本発明の
架橋ポリマー粒子を1〜10重量%添加して溶融および
破砕すると、破砕性が向上するために破砕に要するエネ
ルギーが減少し、また破砕品の粒子径分布が狭いものと
なり、分級の負担が少なくなるなどの利点がある。また
、トナーとしての定着性と耐ブロッキング性のバランス
の向上を図ることができる。さらに、本発明の架橋ポリ
マー粒子をトナーに0.05〜5重量%の割合で乾式混
合でブレンドすると、トナーの耐ブロッキング性の向上
、流動性の向上、感光ドラムへの汚染の低減、さらにカ
ブリの改良およびトナーの経時劣化による画像濃度低下
の防止を図ることができる。
[実施例] 以下、本発明の詳細な説明するが、本発明はこれらに限
定されるものではない、なお、以下の記載において「部
」は重量部を表す。
実施例1 スチレン             98部メタクリル
M            2部t−ドデシルメルカプ
タン     10部ドデシルベンゼンスルホン酸  
 0.8部ナトリウム 過硫酸カリウム         0.4部水    
                 200部以上の物
質を容量2!のフラスコ中に入れ、撹拌しながら窒素ガ
ス中にて70℃に昇温しで6時間重合を行った。これに
より、重合収率98%で平均粒子径0.17μm、粒子
径の標準偏差値が0.08μmのシードポリマー粒子A
を得た。ここに平均粒子径は透過型電子顕微鏡写真によ
り100個のポリマー粒子について計測した値の平均値
である。このシードポリマー粒子Aは、トルエン−//
1解分98%、ゲルパーミェーションクロマトグラフィ
で測定した分子量が、 重量平均分子量 (MW)=5,000数平均分子量 
 (Mn )=3,100であった。
次に、 シードポリマー粒子A(固形分換算) 8部ラウリル硫
酸ナトリウム     1.0部過硫酸カリウム   
       0.5部水             
         500部ジビニルベンゼン    
    100部(市販品、純度55%、 残余は1官能ビニルモノマー) 以上の物質を混合し、30℃で10分間撹拌してシード
ポリマー粒子にモノマーを吸収させた。
なお、上記ラウリル硫酸ナトリウムの水に対する濃度は
、25℃の水に対するその石ケンのC,M。
C1の87%である。
次に、系を70℃に昇温して3時間重合を行ったところ
、重合収率は99%であった。また、反応生成物におい
て、200メツシユのフィルター上に残る重合凝固物は
0.02%(対重合固形分)であり、良い重合安定性で
ポリマー粒子が得られた。
このポリマー粒子を走査型電子顕微鏡で観察したところ
、平均粒子径が0.38μm、平均粒子径の±10%の
範囲内に属する粒子が全粒子の91重量%存在し、かつ
球形粒子であった。
この粒子1gをトルエン、シクロヘキサン、テトラハイ
ドロフラン、クレゾール、メチルエチルケトンの各々1
00m1に入れ24時間観察したところ、粒子は全く溶
解、膨潤の兆候を示さなかった。
さらに、前記ポリマー粒子の熱的性質を知るために、窒
素ガス雰囲気下において示差熱分析および熱天秤分析を
行った。
示差熱分析によれば、昇温速度10℃/分て加熱したと
きに、常温から450℃にいたるまで溶融ならびに軟化
することがなかった。
また、熱天秤分析によれば、昇温速度10℃/分で加熱
したときに、ポリマー粒子が10重量%減量する温度(
以下、この減量開始温度を「T1゜」と表す)は415
℃であった。また、熱天秤分析において、ポリマー粒子
10gを300℃で5時間加熱したとき、その減量割合
は8重量%であった。
実施例2 実施例1におけるジビニルベンゼン100部のかわりに
ジビニルベンゼン(純品換算)20部と、スチレン80
部を用いた他は、実施例1と同様にして重合を行った。
その結果、平均粒子径が0゜39μm、平均粒子径の±
10%の範囲に存在する粒子は89重重量であった。ま
た、ポリマー粒子の熱的性質を実施例1と同様に測定し
たところ、Tloは395℃であり、ポリマー粒子を窒
素ガス雰囲気下において300℃で5時間加熱したとき
の減量割合は21重量%であった。
実施例3〜5および比較例1〜3 実施例1におけるシードポリマー粒子の製造におけるし
一ドデシルメルカプタンの使用棗を0部、2部、5部、
20部、50部、100部と変えた他は実施例1と同様
にして、重量平均分子量がそれぞれ120,000.1
5,000.8,900.3,050.110および3
20の合計6種のシードポリマー粒子B〜Gを合成した
。なお、シードポリマー粒子り、E、Fは本発明の実施
例に属し、シードポリマー粒子B°、C,Gは比較例に
属する。そして、シードポリマー粒子Aのかわりにこれ
らのシードポリマー粒子の各々を用いたほかは実施例1
と同様に重合し、架橋ポリマー粒子を製造した。
以上の重合反応の各々における重合凝固物の割合および
重合収率、得られた架橋ポリマー粒子の平均粒子径およ
びその±10%の範囲・に存在する粒子の重量割合(粒
子径分布)並びに熱的特性値を第1表に示す。
第1表から明らかなように、比較例1および比較例3で
は重合中に反応系がゲル化し、比較例2では重合が達成
されたものの生成凝固物量が過大であり、しかも得られ
たポリマー粒子は、粒子径が約0.8μmの目標粒子径
に近い粒子と、粒子径が0.05〜0.1μmの多数の
微少粒子と、シードポリマー粒子に吸収されないモノマ
ー液滴がそのまま重合して生成した粒子径が10〜10
0μmの粒子3種の混合物であり、粒子径分布が非常に
ブロードなものであった。
比較例3ではシードポリマー粒子の分子量が小さすぎて
モノマーの吸収がかえって少なくなり、その結果重合安
定性が悪く、重合系がゲル化した。
比較例4 実施例1におけるジビニルベンゼン100部のかわりに
スチレン90部およびジビニルベンゼン(純品換算)1
0部を用いた他は実施例1と同様にして第1表に示す架
橋ポリマー粒子を得た。
実施例6 実施例1のジビニルベンゼン100部のかわりにスチレ
ン60部とジビニルベンゼン(純品換算)40部とを用
いた他は実施例1と同様に重合を行い、第1表に示す架
橋ポリマー粒子を得た。
実施例7 実施例1のジビニルベンゼン100部のかわりにメチル
メタクリレート80部とエチレングリコールジメタクリ
レート20部を用いた他は実施例1と同様に重合を行い
、第1表に示す架橋ポリマー粒子を得た。
実施例8 実施例に1におけるラウリルit酸ナトリウムの使用量
を2.0部に変えた他は実施例1と同様にして重合を行
った。このとき、ラウリルIEBナトリウムの水に対す
る濃度は、25℃におけるその石鹸のC,M、C,の1
70%である。
この例においては、重合時に用いる石鹸量が過剰なため
、重合安定性が損われ、得られるポリマー粒子の粒子径
分布がややブロードなものとなっている。
実施例9.10 実施例1におけるシードポリマー粒子の製造に用いるド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの使用量を2部お
よび0.05部に変え、シードポリマー粒子の使用量を
12部としたほかは実施例1と同様にして重合を行い、
平均粒子径がそれぞれ0.08μmおよび0.45μm
のシードポリマー粒子1.Hを得た。
次にこれらのシードポリマー粒子I、Hを用いたほかは
実施例1と同様にして2種の架橋ポリマー粒子を得た。
第1表にその結果を示すように、本発明によれば従来困
難であった小粒子径で均一径の架橋ポリマー粒子が安定
性よく得られることが確認された。
なお、比較のために、各種高分子化合物における前記熱
的特性T1o値および窒素ガス雰囲気下において300
℃で5時間加熱した場合の重量減量割合の値を第2表に
示す、対象とした高分子化合物は、ポリスチレン、ポリ
メチルメタクリレート、ポリイソブチレン、ポリブタジ
ェン、ボーリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリア
クリロニドニル、フェノール樹脂(ノボラック)、ベン
ゾグアナミン樹脂およびポリテトラフルオロエチレン(
商品名:テフロン)である。
これによると、本発明の架橋ポリマー粒子は、ポリ塩化
ビニリデンに匹敵するT1゜を有し、加熱時の重量減量
割合においてはポリ塩化ビニリデンに勝りテフロンに追
随するものであることが判る。
参考例1〜10 架橋性モノマーの含有割合が過大の重合性モノマーによ
れば、乳化重合を行うことが困難なことを示すために次
の実験を行った。
水500部、開始剤として過硫酸カリウム0゜5部およ
び乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
を用い、モノマーとしてスチレン、ジビニルベンゼンお
よびアクリル酸を合計100部用いた乳化重合系により
、窒素ガス雰囲気中、70℃で6時間重合するという条
件により、重合を行う操作を、乳化剤の量およびモノマ
ー成分の比率を変えて繰り返した。この重合反応におけ
る重合凝固物の割合および重合収率を第3表に示す。
参考例1〜6においては、スチレンとジビニルベンゼン
の比率を変えたが、ジビニルベンゼンの使用量が3部を
越えると重合安定性が悪くなって凝固物の生成量が過大
となるか、あるいは反応系がゲル化する。参考例7およ
び参考例8では、ジビニルベンゼンの使用量を3部とし
たまま乳化剤の使用量を増加したが、重合中に新たに発
生する異粒子の量が増え、これによりむしろ重合安定性
が悪くなった。参考例9および参考例10では、酸モノ
マーを併用することにより、粒子の安定性の向上を試み
たが、大きな効果は見られなかった。
以上のように、架橋性モノマーの多い重合性モノマーを
用いたときには、乳化重合を行うことが困難である。
実施例11 シードポリマー粒子A(固形分換算)10部ラウリル硫
酸ナトリウム     1.0部過1!酸カリウム  
        0.5部水            
          500部ジビニルベンゼン   
      50部(市販品、純度55%、 残余は1官能ビニルモノマー) シクロヘキサノール        50部以上の物質
を混合して30℃で10分間撹拌し、シードポリマー粒
子にモノマーおよびシクロヘキサノールを吸収させた。
なお、上記ラウリルiJ!酸ナトリウムの水に対する濃
度は、25℃の水に対するその石ケンのC,M、C,の
87%である。
次に系を75℃に昇温しで3時間重合を行ったところ、
重合収率99%、200メツシユのフィルター上に残る
重合凝固物は0.02%(対重合固形分)であり、良い
重合安定性で架橋ポリマー粒子が得られた。
この架橋ポリマー粒子の分散体(固形分換算で10Or
)に1%の硫酸アルミニウム水溶液(固形分1g)を加
えてろ過し、十分に水洗してシクロヘキサノールを除去
した後、減圧乾燥して粉体状の架橋ポリマー粒子を得た
この粒子を走査型電子顕微鏡で観察したところ、平均粒
子径が0.37μm、平均粒子径の±10%の範囲に属
する粒子は全体の92%を占め、粒子径の揃った粒子で
あった。
さらに、粒子表面を拡大して観察したところ、0.05
〜0.1μmの粗な孔が一面に形成され、多孔性である
ことが確認された。また、この多孔性の架橋ポリマー粒
子をB、E、T、の装置によりその比表面積を測定した
ところ、105rrr/rと大きな値であった。
さらにまた、架橋ポリマー粒子の熱的性質を知るために
、窒素ガス雰囲気下において、10℃/分の昇温速度で
熱天秤分析を行ったところ、減量開始温度T1゜が41
5℃であった。さらに、窒素ガス雰囲気下において30
0℃で5時間経過した時における減量割合を測定したと
ころ10重量%であった。このように、減量開始温度、
減量割合ともに有機ポリマーとしては格別に高い耐熱性
を示すことが判明した。
実施例12 実施例11における市販品ジビニルベンゼン50部のか
わりにスチレン25部および市販品ジビニルベンゼン(
純度55%)25部を用いた他は実施例11と同様にし
て重合を行い、多孔性の架橋ポリマー粒子を得た。この
ポリマー粒子に関する測定結果を第4表に示す。
比較例5 実施例11におけるジビニルベンゼン50部のかわりに
スチレン40部および市販品ジビニルベンゼン(純度5
5%)10部を用いた他は実施例11と同様にして重合
を行い、多孔性の架橋ポリマー粒子を得た。このポリマ
ー粒子に関する測定結果を第4表に示す、この粒子は架
橋度が低いため耐熱性が低い。
実施例13 実施例11における市販品ジビニルベンゼン50部のか
わりにエチレングリコールジメタクリレート50部を用
いた他は実施例11と同様にして重合を行い、多孔性の
架橋ポリマー粒子を得た。
このポリマー粒子に関する測定結果を第4表に示す。
実施例14 この例においては、油溶性開始剤および懸濁保護剤を用
いて重合を行った。
シードポリマー粒子H(固形分)   7部ポリビニル
アルコール       10部ハイドロキノン   
     0.05部水              
        500部α、α−−アゾビスイソブチ
ロニトリル(モノマーに混合して使用)     1部
ジビニルベンゼン         50部(市販品、
純度55%) トルエン             50部上記物質を
混合し、30分間撹拌した後70℃に昇温しで4時間重
合した。他は実施例11と同様にして多孔性の架橋ポリ
マー粒子を得た。得られたポリマー粒子について実施例
11と同様な測定を行った。その結果を第4表に示す。
実施例15〜20.比較例6.7 非反応性溶剤の種数と量を第5表のように変えたほかは
実施例11と同様にして実施例につき6種、比IPII
例につき2種のポリマー粒子を得な、なお、得られたポ
リマー粒子の測定結果を第5表に示す、第5表には比較
のために実施例1および実雄側11の結果も併せて記載
した。
比較例6においては、非反応性溶剤が過多であり、重合
凝固物が多量であった。
比較例7においては、非反応性溶剤が過多であり、重合
中にポリマー粒子の形状を維持できず、ひしゃげた粒子
となり、比表面積はかえって減少した。
実施例18においては、非反応性溶剤としてトルエンを
用いており、ポリマー粒子は良好な多孔粒子となるが、
孔径は非常に小さいものであり、走査型電子fl微鏡で
粒子表面を拡大しても明らかな孔は見られなかった。そ
こで、このポリマー粒子について水銀圧入ポロシメータ
ーで細孔径分布を調べたときる、孔径20〜100人の
細孔が全体の80%を占める多孔粒子であることがわか
った。
実施例21.22および比較例8〜10ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウムの使用量を0.05部に変えた
他は実施例1の前半と同様にして重合を行い、重合平均
分子量3050、平均粒子径0.31μmのシードポリ
マー粒子Jを得た。
シードポリマー粒子および非反応性溶剤の量を第6表に
示すようにかえ、次のようにして多孔性の架橋ポリマー
粒子を得た。
シードポリマー粒子J(固形分)   変量ポリビニル
アルコール       10部ハイドロキノン   
     0.05部水              
        500部ベンゾイルパーオキサイド 
     1部(モノマーに混合して使用) ジビニルベンゼン         50部(市販品、
純度55%) シクロヘキサノール        50部上記物質を
反応器に入れ30分間撹拌し、その後70゛Cに昇温し
て4時間重合を行った。その後実施例11と同様に処理
して実施例につき2種および比較例につき3種の多孔性
の架橋ポリマー粒子を得た。
さらに、得られた架橋ポリマー粒子について実施例11
に示すと同様の測定を行い、その結果を第6表に示した
比較例8および比較例9においては、シードポリマー粒
子に対するモノマーと非反応性溶剤の使用量が過多であ
り、両者とも、シードポリマー粒子に吸収されずに重合
して形成される脂粒子が多く、粒子径分布がブロードで
あった。また、比較例9においては、粒子径分布がテロ
ードであるだけでなく、さらに重合安定性も低下した。
比較例10においては、シードポリマー粒子の使用量が
過剰であるため、架橋ポリマー粒子の耐熱性が不十分で
あった。
[発明の効果] 本発明の方法によって、従来困難であった1μm以下の
小粒子径で粒子径の揃った架橋ポリマー粒子が容易に得
られるようになった。
そして、この製造方法によれば、重合性モノマーととも
に特定量の非反応性溶剤を用いることにより、多孔性の
架橋ポリマー粒子を得ることができる。そして得られる
多孔性の架橋ポリマー粒子は比表面積が大きい上に、用
いる非反応性溶剤の選択によって孔径を比較的自由にコ
ントロールすることが可能である。
また、本発明の架橋ポリマー粒子は極めて高度に架橋さ
れたものであり、硬度、強度、耐熱性および耐溶剤性に
非常に優れている。
このため本発明の架橋ポリマー粒子は、樹脂、フィルム
、繊維へのブレンド用粒子などにも利用でき、種々の用
途において期待される特性が良好に発揮され、さらに新
しい用途にも良好に使用されることが期待される。さら
に本発明の多孔性の架橋ポリマー粒子は、クロマトグラ
フィー充填剤、マイクロカプセル粒子、徐放性担体粒子
などの内孔を利用する用途に用いることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)少なくとも1種の架橋性ポリビニルモノマーを2
    0重量%以上含む重合性モノマーのポリマーからなり、
    以下の条件(a)〜(e)を満たすことを特徴とする高
    架橋ポリマー粒子。 (a)ポリマー粒子は、その平均粒子径(rm)が0.
    1〜1.0μmの範囲にあり、かつ0.9rm〜1.1
    rmの範囲の粒子径を有する粒子が全体の80重量%以
    上存在する。 (b)ポリマー粒子は、トルエンに対して実質的に不溶
    性かつ非膨潤性である。 (c)窒素ガス雰囲気下において熱天秤により昇温速度
    10℃/分でポリマー粒子を加熱したとき、ポリマー粒
    子の減量割合が10重量%に達する温度は380℃以上
    である。 (d)窒素ガス雰囲気下においてポリマー粒子を300
    ℃で5時間にわたって加熱したとき、ポリマー粒子の減
    量割合は30重量%以下である。 (e)窒素ガス雰囲気下においてポリマー粒子を200
    ℃に加熱したとき、ポリマー粒子は相互に融着しない。
  2. (2)重量平均分子量が500〜10,000の範囲に
    あるポリマー粒子1重量部をシード粒子として含む水性
    分散体に、少なくとも1種の架橋性ポリビニルモノマー
    を20重量%以上含む重合性モノマー4〜19重量部を
    添加し、シード粒子に重合性モノマーを吸収させて乳化
    重合することを特徴とする請求項第1記載の高架橋ポリ
    マー粒子の製造方法。(3)請求項第2記載の製造方法
    において、重合性モノマーのかわりに重合性モノマーと
    非反応性溶剤との混合物を4〜19重量部用い、かつ非
    反応性溶剤の使用量を両者の比(非反応性溶剤/重合性
    モノマー)で0.1〜1とする多孔性の高架橋ポリマー
    粒子の製造方法。
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