JP3508304B2 - 架橋ポリマー粒子のグリコール分散体およびその製造方法 - Google Patents

架橋ポリマー粒子のグリコール分散体およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分散安定性に優れた架
橋ポリマー粒子のグリコール分散体およびその製法に関
する。さらに詳しくは形状、粒度分布、表面特性などに
特徴を有する架橋ポリマー粒子がグリコール溶媒中で凝
集粒子が無く、しかも分散安定性に優れた該粒子のグリ
コール分散体およびその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録の高密度化、高性能化、
テープの薄膜化が進むにつれフィルム表面の滑り性とフ
ィルム表面の平坦化という相反する性能を満たすため、
フィルム表面により微細かつ均一な凹凸を施すことが要
求されてきている。微細な凹凸を施すために、微粒子と
してシリカ、酸化チタンなどの無機粒子粉末をポリエス
テル重合時の任意の段階で外部より添加する方法が有
る。しかしこれらの粒子では、凝集粒子が存在しフィル
ム成型時に均一微細な凹凸を形成できない。そのため、
球形状の凝集粒子や粗大粒子の少ない無機粒子の分散安
定性に優れたグリコール分散体を作りポリエステル重合
時に添加する方法(特公昭63−185439)が提案
されている。しかしながら、これらの方法でフィルムに
成型しても、無機粒子とポリエステル間の親和性が悪く
ドロップアウトが起こり磁気テープの品質が低下する。
また無機粒子が樹脂からはがれることがあり、樹脂フィ
ルム上に粒子が散乱し粉をふいた状態になることがあ
る。これらの問題点を改良するために、耐熱性、硬さに
優れた架橋ポリマー粒子を使う方法が提案されてきた
が、これらの架橋ポリマー粒子をポリエステル製造時に
添加すると凝集粒子が生じてしまい要求を満たすことが
出来なかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来の
技術的課題を背景になされたもので、架橋ポリマー粒子
の、凝集粒子が無く、分散安定性に優れたグリコール分
散体を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、架橋性モノマ
ーの含有量が10重量%以上の重合性モノマーを重合し
て得られる架橋ポリマー粒子(A)の表面が、架橋性モ
ノマーの含有量が10重量%未満の重合性モノマーを重
合して得られる重合体(B)により部分的または全面的
に変性され、かつ(A)/(B)の重量割合が100/
0.01〜900重量部、平均粒子径が0.01〜10
μmであることを特徴とする架橋ポリマー粒子のグリコ
ール分散体およびその製造方法を提供するものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
【0005】グリコール分散体中の架橋ポリマー粒子
は、分子中に重合性二重結合を含有する基を2個以上有
する架橋性モノマー(以下、単に「架橋性モノマー」と
いう)の含有量が10重量%以上の重合性モノマーを重
合して得られる架橋ポリマー粒子(A)の表面に、架橋
性モノマーの含有量が20重量%未満の重合性モノマー
を重合して得られる重合体(B)が部分的または全面に
積層し、かつ(A)/(B)の重量割合が100/0.
01〜900重量部、平均粒子径が0.01〜10μm
である。架橋ポリマー粒子(A)で用いられる重合性モ
ノマー中の架橋性モノマーの含有量は10重量%以上、
好ましくは15重量%以上、さらに好ましくは20重量
%以上である。架橋性モノマーの含有量が10重量%未
満であると、フィルム成型中に凝集粒子が発生しフィル
ムの滑り性が劣る。重合体(B)で用いられる重合性モ
ノマー中の架橋性モノマーの含有量は10重量%未満、
好ましくは8重量%以下、さらに好ましくは5重量%以
下である。重合体(B)を構成する重合性モノマーのう
ち架橋性モノマーの含有量が10重量%以上であるとグ
リコール中に分散できない。
【0006】架橋ポリマー粒子(A)の表面に、部分的
または全面的に積層する重合体(B)の量は、架橋ポリ
マー粒子(A)100重量部に対して0.01〜900
重量部、好ましくは0.1〜400重量部、さらに好ま
しくは0.5〜200重量部である。重合体(B)の量
が0.01重量部未満であるとグリコールとの親和性に
劣り、900重量部を超えるとポリエステルフィルムの
滑り性が劣る。また、重合体(B)が分子中に化学反応
性またはイオン性を有しかつ重合性二重結合を有さない
官能基(以下、単に「官能基」という)を有する重合体
であるとグリコールとの親和性、分散性に優れる。ここ
で、官能基としてはカルボキシル基、水酸基、N−メチ
ロール基、スルホン基、無水マレイン酸ユニット、エポ
キシ基、アミノ基、アミド基、ニトリル基など反応性を
有する官能基を挙げることができる。好ましい官能基と
してはカルボキシル基、水酸基、アミノ基、アミド基で
ある。
【0007】グリコール分散体中の架橋ポリマー粒子の
平均粒子径は、0.01〜10μm、好ましくは0.0
1〜5μm、さらに好ましくは0.01〜2μmであ
る。平均粒子径が0.1μm未満であるとポリエステル
フィルムの滑り性が劣り、一方10μmを超えると薄膜
フィルムでは表面の凹凸が大きすぎて問題となる。ここ
での平均粒子径は、下記の方法で測定される。架橋ポリ
マー粒子の平均粒子径の測定は、透過型電子顕微鏡写真
により直接100個の粒子について計測した粒子径(粒
子が円球でない場合は、長径と短径を測定しその平均値
を求めた。)の平均値を求めることにより行なった。上
記の重合体(B)の好ましいガラス転移温度は、200
℃以下、特に150℃以下である。
【0008】上記の架橋ポリマー粒子(A)および重合
性(B)で用いられる架橋性モノマーとしては、ジビニ
ルベンゼンに代表される非共役ビニル化合物あるいはト
リメチレンプロパントリメタクリレートも代表される多
価アクリレート化合物などの2個以上の共重合性二重結
合を有する下記の化合物が挙げられ、これらは1種また
は2種以上で用いられる。架橋性モノマーの具体例とし
ては、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,3
−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ブチレ
ングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンレング
リコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジア
クリレート、ポリプロピレンジアクリレート、2,2′
−ビス(4−アクリロキシプロピロキシフェニル)プロ
パン、2,2′−ビス(4−アクリロキシジエトキシフ
ェニル)プロパン、などのジアクリレート化合物、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、トリメチロール
エタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリ
アクリレートなどのトリアクリレート化合物、ジトリメ
チロールプロパンテトラアクリレート、テトラメチロー
ルメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテ
トラアクリレートなどのテトラアクリレート化合物、エ
チレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコ
ールジメタクリレート、トリエチレングリコールメタク
リレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、
1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4
−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキ
サングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコ
ールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタ
クリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレー
ト、2,2−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェ
ニル)プロパンなどのメタクリレート化合物、トリメチ
ロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエ
タントリメタクリレートなどのトリメタクリレート化合
物、メチレンビスアクリルアミド、ジビニルベンゼンな
どが挙げられる。以上のうち、ジビニルベンゼン、エチ
レングリコールジメタクリレート、またはトリメチロー
ルプロパントリメタクリレートを用いることが好ましく
特にジビニルベンゼンが好ましい。
【0009】架橋性モノマー以外の重合性モノマーのう
ち官能基を有さないモノマーとしては、下記の化合物が
挙げられ、これらは1種または2種以上で使用される。
スチレン、エチルビニルベンゼン、α−メチルスチレ
ン、フルオロスチレン、ビニルピリジンなどの芳香族モ
ノビニル化合物、ブチルアクリレート、2−エチルヘキ
シルアクリレート、β−メタクリロイルオキシエチルハ
イドロジエンフタレート、N,N′−ジメチルアミノエ
チルアクリレートなどのアクリル酸エステルモノマー、
2−エチルヘキシルメタクリレート、メトキシジエチレ
ングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレング
リコールメタクリレート、メチルメタクリレート、エチ
ルメタクリレート、ブチルメタクリレート、N,N′−
ジメチルアミノエチルメタクリレートなどのメタクリル
酸エステルモノマー、シリコン変性モノマー、マクロモ
ノマーなど。さらに、ブタジエン、イソプレンなどの共
役二重結合化合物や酢酸ビニルなどのビニルエステル化
合物、4−メチル−1−ペンテン、その他のα−オレフ
ィン化合物が挙げられる。
【0010】また、架橋性モノマー以外の重合性モノマ
ーのうち官能基を有するモノマーとしては、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸などのモノ
またはジカルボン酸モノマー、2−アクリロイルオキシ
エチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、2−ヒドロキ
シ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート、N−メチロールアクリルア
ミド、スチレンスルホン酸ナトリウム、無水マレイン
酸、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレー
ト、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチレンビス
アミドなどのアミド化合物、アクリロニトリル、メタク
リロニトリルなどのシアン化ビニル化合物などを挙げる
ことができる。本発明において、官能基を有するモノマ
ーは重合体(B)を構成するモノマー中の0.05〜2
0重量%、特に0.1〜15重量%含まれることが得ら
れる架橋ポリマー粒子のグリコールへの分散性をより向
上させることから好ましい。好ましい重合性モノマー
は、スチレン、エチルビニルベンゼン、アクリロニトリ
ル、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、官能
基を有するモノマーである。
【0011】架橋性ポリマー粒子(A)を構成する重合
性モノマーの好ましい組合せとしては、非共役ビニル化
合物、多価メタクリレート化合物などの架橋性モノマー
と芳香族モノビニル化合物、アクリル酸エステルモノマ
ー、メタクリル酸エステルモノマーなどの重合性モノマ
ーとの組み合わせを挙げることができ、特に、非共役ビ
ニル化合物と芳香族モノビニル化合物の組合せが好まし
い。また、重合体(B)を構成する重合性モノマーの好
ましい組合せとしては、非共役ビニル化合物、多価メタ
クリレート化合物などの架橋性モノマーと芳香族モノビ
ニル化合物、アクリル酸エステルモノマー、メタクリル
酸エステルモノマーなどの重合性モノマーと官能基を含
有するモノマーの組み合わせを挙げることができ、特
に、非共役ビニル化合物と芳香族モノビニル化合物とジ
またはモノカルボン酸との組合せが好ましい。
【0012】次に、架橋ポリマー粒子の好ましい製造方
法を説明する。先ず、架橋性モノマーの含有量が10重
量%以上である重合性モノマーを好ましくは乳化重合法
の重合法で重合し、架橋ポリマー粒子(A)を得る。こ
のときの架橋ポリマー粒子(A)の平均粒子径について
は、特に限定するものでなく、最終的に得られる架橋ポ
リマー粒子の目的とする平均粒子径が得られるように、
架橋性ポリマー粒子(A)の平均粒子径は適宜決める。
架橋ポリマー粒子(A)の平均粒子径のコントロールは
乳化剤の量、撹拌、その他公知の方法により行なうこと
ができる。この架橋ポリマー粒子(A)100重量部の
存在下で、架橋性モノマーの含有量が10重量%未満、
および好ましくは官能基を有するモノマーの含有量が
0.05〜20重量%の重合性モノマー0.01〜90
0重量部を、乳化重合法の重合法で重合することで、重
合体(B)を架橋ポリマー粒子(A)の表面の全面また
は部分的に積層させる。本発明において、架橋ポリマー
粒子の表面を部分的に重合体(B)で変性するというこ
とは、架橋ポリマー粒子の全表面積の100%未満、好
ましくは0.00001%以上100%未満を重合体
(B)で変性するということを示す。上記の重合体
(B)を構成するための重合性モノマーの添加方法は、
好ましくは一部または全量を連続的または間欠的に添加
する方法である。
【0013】また、上記の重合体(B)に官能基を導入
するには官能基を有するモノマーを共重合する以外に、
官能基を有さない重合体を化学処理することもできる。
この化学処理としては、例えば、エポキシ基を持つ重合
体(B)を得た後、アンモニア、メチルアミンなどで処
理することによるアミノ基の付与、または亜硫酸水素ナ
トリウム、硫酸で処理することによるスルホン基を付与
などが挙げられる。本発明において乳化重合で使用され
る重合開始剤としては、通常の乳化重合、懸濁重合で用
いられるものであれば特に制限されないが、過硫酸カリ
ウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどの過
硫酸塩系開始剤、アゾ系開始剤および過酸化水素、有機
過酸化物などを単独で、あるいはアスコルビン酸などの
各種還元剤と組み合わせて使用してもよい。上記の乳化
重合においては、重合反応系の安定性を高めるため、懸
濁保護剤または界面活性剤が使用される。界面活性剤と
しては通常のものを用いることができ、例えば、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸塩、ドデシル硫酸塩、ラウリル硫
酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレ
ンアルキルプロペニルフェニルエーテル硫酸塩、ナフタ
レンスルホン酸のホルマリン縮合物などのアニオン系界
面活性剤を例示するこができる。ここで、塩としてナト
リウム、アンモニウムなどを挙げることができる。さら
に、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリ
エチレングリコールモノステアレート、ポリオキシエチ
レンアルキルプロペニルフェニルエーテル、ソルビタン
モノステアレートなどのノニオン系界面活性剤を使用す
ることも可能である。
【0014】また、ナフタレンスルホン酸ナトリウムな
ど一般に知られている反応性乳化剤を単独あるいは上記
の界面活性剤と併用して使用することが可能である。好
ましい懸濁保護剤としては、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポ
リアクリル酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロー
スなどの水溶性高分子を使うことができる。これらは、
単独でもよく、また組み合わせて使用することが可能で
ある。好ましい組み合わせとしては、アニオン系界面活
性剤とノニオン系界面活性剤と水溶性高分子の組み合わ
せがある。本発明で架橋ポリマー粒子を分散するグリコ
ールとしては、例えばエチレングリコール、1,4ーブタ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリ
コール、ジエチレングリコール、など炭素数2〜8を有
しかつアルカノール基を有するグリコールである。
【0015】次に本発明の分散安定性に優れた架橋ポリ
マー粒子のグリコール分散体の製造方法について述べ
る。凝集粒子を生じることなく分散安定性に優れた架橋
ポリマー粒子のグリコール分散体の製造方法としては
(1)得られた架橋ポリマー粒子の水スラリーを粉体化
処理したのち、グリコールに懸濁してグリコール分散体
とする方法(2)得られた架橋ポリマー粒子の水スラリ
ーをグリコールに溶媒置換してグリコール分散体とする
方法などがある。先ず(1)の方法について述べる。架
橋ポリマー粒子の水スラリーの粉体化処理方法として
は、例えばろ過、遠心分離などにより分散溶媒より該粒
子を分離したのち乾燥させる方法、または該粒子のスラ
リーを直接溶媒が蒸発する温度以上の高温環境下に吹き
出して溶媒を除去して乾燥する方法、即ちスプレードラ
イヤーなどによる粉体化処理方法などがある。乾燥処理
中に凝集粒子をさらに防止するめには、スプレードライ
法が好ましい。得られた架橋ポリマー粒子粉体のグリコ
ールへの分散方法としては、一般に用いられる方法で良
く例えばグリコール中に懸濁させた後攪拌棒などによる
攪拌、超音波分散、機器たとえばビーズミルなどによる
分散方法がある。分散体中に凝集粒子をより防止する方
法としては超音波分散による方法が好ましい。
【0016】(2)の方法としては、例えば(a)架橋
ポリマー粒子のろ過、遠心分離などを行い、分散溶媒か
ら架橋ポリマー粒子を分離した後グリコールに分散させ
る方法、(b)架橋ポリマー粒子のスラリーをグリコー
ルの存在下で分散溶媒を溜出せしめてグリコール分散体
とする方法、(c)逆浸透膜により分散溶媒を段階的に
グリコールに置換する方法など任意の方法がとりうる。
ここで、(b)溶媒置換の方法においては、グリコール
を共存させることにより、架橋ポリマー粒子表面が活発
な状態でグリコールと接触させることができ、架橋ポリ
マー粒子表面とグリコールとの親和性を高られること、
乾燥工程を含まないことで工程中の粒子の凝集化を防止
することができることから、より凝集粒子の少ないグリ
コール単分散を得ることができる。これららの理由から
グリコール分散体中に凝集粒子をより防止する方法とし
ては分散溶媒の溜出による方法が好ましい。分散媒の溜
出方法としては例えば架橋ポリマー粒子とグリコールの
懸濁体の温度を50〜250℃の範囲で熱処理する方法
がある。この場合、系内の圧力は減圧、常圧、加圧のい
ずれでも良い。またさらに凝集粒子を少なくする方法と
しては、架橋ポリマー粒子スラリーの段階またはグリコ
ール分散体とした段階で精密ろ過、遠心分離などを行う
ことにより、僅かな粗大粒子、凝集粒子または工程中に
混入する異物を除去することができる。本発明で得られ
る架橋ポリマー粒子のグリコール分散体中の固形分濃度
は、その用途によって変えることができるが、好ましく
は10〜80重量%の範囲である。
【0017】
【発明の効果】かくして本発明により、得られた架橋ポ
リマー粒子のグリコール分散体は粗大粒子や凝集粒子が
無く、しかも経時的な分散安定性に優れたものとなり、
ポリエステルフィルムの滑り剤などフィラー、表面処理
剤の用途に有効に使用される。
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらに限定されるものではない。なお、以下の記載
において「部」は重量部、「%」は「重量%」を表わ
す。
【0018】粒子径の測定方法 架橋ポリマー粒子の平均粒子径の測定は、透過型電子顕
微鏡写真により直接100個の粒子について計測した粒
子径(粒子が円球でない場合は、長径と短径を測定しそ
の平均値を求めた。)の平均値を求めることにより行な
った。グリコール分散体中の粒子分散性の観察方法 架橋ポリマー粒子のグリコール中での分散性は、架橋ポ
リマー粒子をグリコール中に分散したスラリーを、光学
顕微鏡で観察し凝集粒子の有無で目視判断を行なった。架橋ポリマー粒子スラリーの製造例 製造例1 第一工程として、ジビニルベンゼン(市販品、純度55
%、残余の40%はエチルビニルベンセン、残余の5%
はジエチルベンゼン)50部、スチレン50部、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム5部、ポリビニルアル
コール0.5部、イオン交換水1000部、α,α′−
アゾイソブチロニトリル1部を反応容器に仕込み、ホモ
ミキサーにより12,000rpmで60分撹拌して均
一とした。ついで窒素ガスを吹き込みながら80℃に加
熱し3時間撹拌を続けて懸濁重合を行なった。その後、
引き続き第二工程として、過硫酸カリウム1部を反応容
器に仕込み、メチルメタクリレート70部、n−ブチル
アクリレート20部、メタクリル酸9部、エチレングリ
コールメタクリレート1部、イオン交換水40部、ドデ
シルベンゼンスルホン酸0.5部、ポリビニルアルコー
ル1部を混合してできるエマルジョンを3時間にわたり
連続的に添加し重合を完結させ架橋ポリマー粒子aを製
造した。得られた架橋ポリマー粒子aの平均粒子径を測
定したところ、2.3μmであった。
【0019】製造例2 第一工程として、重量平均分子量が15,000からな
る平均粒子径が0.25μmポリスチレン粒子を10
部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5部、ジビ
ニルベンゼン65部、スチレン35部、過硫酸ナトリウ
ム1部、イオン交換水700部を反応容器に仕込み窒素
ガスを吹き込みながら撹拌下80℃で1時間重合した。
その後、引き続き第二工程でスチレン5部、メタクリル
酸5部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート0.5
部、過硫酸ナトリウム0.5部を添加し、80℃でさら
に3時間重合し重合を完結させ架橋ポリマー粒子bを製
造した。得られた架橋ポリマー粒子bの平均粒子径を測
定したところ、0.55μmであった。
【0020】製造例3 製造例2における第二工程において、過硫酸カリウム
0.5部を反応容器に仕込み、スチレン100部、メチ
ルメタクリレート50部、n−ブチルアクリレート43
部、アクリル酸7部、エチレングリコールジメタクリレ
ート3部、イオン交換水40部、ドデシルベンゼンスル
ホン酸0.5部を混合してできるエマルジョンを3時間
にわたり連続的に添加した重合を完結させ架橋ポリマー
粒子cを製造した。得られた架橋ポリマー粒子cの平均
粒子径を測定したところ0.75μmであった。製造例4 製造例2における第一工程のみ実施して(第二工程は実
施せず)架橋ポリマー粒子dを得た。得られた架橋ポリ
マー粒子dの平均粒子径を測定したところ、0.52μ
mであった。
【0021】[実施例1]製造例1で得られた粒子aを
入口温度150℃でスプレードライ処理した。次に得ら
れた乾燥粉末1Kgをエチレングリコール49Kgに分
散させた後超音波分散(20kHz)を30分間実施し
た。製造例1で得られた架橋ポリマー粒子aのエチレン
グリコール分散体を光学顕微鏡で観察した所、凝集粒子
がなく全て一次粒子になっていた。 [実施例2]製造例1で得られた架橋ポリマーaを遠心
分離で回収し80℃で2日間乾燥した。次に得られた乾
燥粉末1Kgをエチレングリコール49Kgに分散させ
た後、超音波分散(20kHz)を30分間実施した。
得られた架橋ポリマー粒子のエチレングリコール分散体
を光学顕微鏡で観察した所、凝集粒子がなく全て一次粒
子になっていた。 [実施例3]製造例2で得られた架橋ポリマー粒子bの
水分散体1Kgにエチレングリコールをなど量仕込み、
攪拌しながら常圧のまま加熱し内温が130℃(エチレ
ングリコール常圧沸点197.6℃)で保持して水を溜
出させ架橋ポリマー粒子のエチレングリコール分散体を
得た。得られた架橋ポリマー粒子bのエチレングリコー
ル分散体を光学顕微鏡で観察した所、凝集粒子がなく全
て一次粒子になっていた。 [実施例4」製造例3で得られた架橋ポリマー粒子cの
水分散体を1μmのフィルターを用いて精密ろ過を実施
した。得られたスラリーを実施例1の方法でエチレング
リコール分散体とした。得られた架橋ポリマー粒子cの
エチレングリコール分散体を光学顕微鏡で観察した所、
凝集粒子がなく全て一次粒子になっていた。 [比較例1]実施例1に於いて架橋ポリマー粒子aの代
わりに製造例4で得られた架橋ポリマー粒子dを用い
た。得られた架橋ポリマー粒子のエチレングリコール分
散体を光学顕微鏡で観察した所、凝集粒子が多数残存し
ていた。
【0022】
【発明の効果】本発明の架橋ポリマー粒子のグリコール
分散体は、樹脂フィルムのブロッキング防止剤、樹脂フ
ィルム、繊維の易滑剤、スペーサー、標準粒子、抗原抗
体反応検査粒子、感熱紙の走行性安定剤、トナー用添加
剤、化粧用添加剤、レオロジーコントロール剤、低収縮
剤などに有用である。本発明の架橋ポリマー粒子のグリ
コール分散体は、凝集粒子がほとんど無く、磁気テー
プ、コンデンサー、包装用、銀塩写真など光学的用途、
写真製版などの広い分野で基材フィルムとして使用され
るポリエステルフィルム、繊維など均一滑り性が要求さ
れるポリエステル、あるいは金属、ガラス、プラスチッ
クなどの表面処理剤としても使用し得る工業的価値のあ
るものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−287242(JP,A) 特開 平6−179703(JP,A) 特開 昭59−1573(JP,A) 特開 平7−206912(JP,A) 特開 平7−225490(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 51/00 C08F 291/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架橋性モノマーの含有量が10重量%以
    上の重合性モノマーを重合して得られる架橋ポリマー粒
    子(A)の表面が、架橋性モノマーの含有量が10重量
    %未満の重合性モノマーを重合して得られる重合体
    (B)により部分的または全面的に変性され、かつ
    (A)/(B)の重量割合が100/0.01〜900
    重量部、平均粒子径が0.01〜10μmである架橋ポ
    リマー粒子のグリコール分散体。
  2. 【請求項2】 乳化重合、懸濁重合または分散重合で
    得られた架橋ポリマー粒子のスラリーを粉体化処理して
    グリコール分散体をうる工程もしくは乳化重合、懸濁
    重合または分散重合で得られた架橋ポリマー粒子のスラ
    リーの溶媒をグリコールに溶媒置換してグリコール分散
    体をうる工程を含むことを特徴とする架橋ポリマー粒子
    のグリコール分散体の製造方法。
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