JPH03255114A - グラフト変性オレフィン共重合体の製造法 - Google Patents

グラフト変性オレフィン共重合体の製造法

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JPH03255114A
JPH03255114A JP5446890A JP5446890A JPH03255114A JP H03255114 A JPH03255114 A JP H03255114A JP 5446890 A JP5446890 A JP 5446890A JP 5446890 A JP5446890 A JP 5446890A JP H03255114 A JPH03255114 A JP H03255114A
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unsaturated monomer
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の背景〕 〈技術分野〉 本発明は、成形性にすぐれ、剛性、寸法精度、印刷性等
の緒特性が改良され、かつ相溶化剤として好適なジアル
ケニルベンゼン−α−オレフィン共重合体(以下、特定
α−オレフィン共重合体という。ここで、「α−オレフ
ィン」はエチレンを包含するものとする。)の製造法に
関する。さらに具体的には、本発明は、特定α−オレフ
ィン共重合体とエチレン性不飽和単量体由来のビニル重
合体とからなり、かつ沸騰キシレン不溶分(以下、ゲル
分と記載する)が3重量%以下である均質複合樹脂の製
造法に関する。この複合樹脂は、ビニル重合体が限定さ
れた範囲内で特定α−オレフィン共重合体よりも多量で
あってもその均質性が維持されている。
〈先行技術〉 従来より成形材料としてのα−オレフィン重合体の剛性
、寸法安定性、印刷性等を向上させるため、α−オレフ
ィン重合体にビニル重合体、たとえばポリスチレン、を
ブレンドすることが行なわれている。しかし、α−オレ
フィン重合体とポリスチレンとは一般に相溶性が不良で
あるため、ポリスチレンを10重量%以上配合すること
は行なわれておらず、一般には0. 2〜5重量%のポ
リスチレンがα−オレフィン重合体にブレンドされてい
たにすぎない。しかしながら、このような少量のポリス
チレンをブレンドした場合でも、ブレンド物からの成形
体は両樹脂の相溶性の悪さから耐衝撃性が低下し、また
外観が悪化しがちであった。
このような欠点を改良するためのものとして、電離性放
射線を照射してスチレンをプロピレン重合体にグラフト
重合させる方法が提案されている。
この方法はポリスチレンをプロピレン重合体に均一に分
散させるのに効果があるが、放射線グラフト重合法とい
う特殊な方法によるため経済性に問題があって、実用化
されていない。なお、この方法では導入するスチレン量
に限界がある。
一方、他の公知な方法として、プロピレン重合体をその
溶剤、たとえばキシレンあるいはクロルベンゼン等、に
溶解させてラジカル重合開始剤によってスチレン等をグ
ラフト重合させる方法、すなわち溶液グラフト重合法、
がある。しかし、この方法は、プロピレン重合体の溶解
度の点から、多量の溶媒中に希釈された状態で重合が行
なわれるため、エチレン性不飽和単量体(以下、ビニル
単量体と記載することがある)、重合開始剤およびプロ
ピレン重合体の相互の接触の機会が少なくてビニル単量
体の反応効率が低いという問題点を有するうえ、溶剤回
収等の後処理工程が煩雑なために経済的に不利である。
また、乳化グラフト重合法もあるが、この場合には重合
がプロピレン重合体粒子の表面反応に実質的に限定され
るため、生成物の均質性が劣るという問題点がある。
この為、既に本発明者らは上記の点に解決を与えること
を目的とした技術(特開平1−123811号公報)を
提案している。この方法によれば、特定α−オレフィン
共重合体とビニル重合体とからなる均質複合樹脂が得ら
れるようになった。しかしながら、成形外観および他の
重合体との相溶性がさらに良好な重合体の要請が増々高
まるなか、本発明者らの先の提案の方法ではある程度上
記問題点は解決されたが、ビニル単量体の重合時に分子
間架橋を起こしたりする場合がある為、成形品外観が特
に要求される分野では必ずしも充分満足のゆくものでは
なかった。また、他の重合体との相溶性に関しても、分
子間架橋に起因するゲルが発生したりする場合には必ず
しも充分に満足できるものでなかった。
〔発明の概要〕
〈要 旨〉 本発明は、上記の点に解決を与えることを目的とし、エ
チレン性不飽和単量体の懸濁重合時にゲル低減効果を有
する成分(c)(以下、ゲル低減剤と記載する)を共存
させることにより、この目的を達成しようとするもので
ある。
即ち、本発明によるグラフト変性オレフィン共重合体の
製造法は、下記の工程(A)に引続いて工程(B)を行
うこと、を特徴とするものである。
工程(A) 下記の成分(a)〜(d)を含む水性懸濁液を、成分(
d)の分解が実質的に起こらない条件下に加熱して、成
分(b)および(c)を成分(a)に含浸させて、遊離
の成分(b)および(c)の量を各々20重量%未満に
到らせる工程。
成分(a) 一般式 (ここで、R1はHまたはCHR2は炭素数1 1〜6の炭化水素基、nはOまたは1の数を示す。)で
表わされるジアルケニルベンゼンと炭素数2〜20のα
−オレフィンの少なくとも1種とから主としてなる共重
合体の粒子 100重量部 成分(b) エチレン性不飽和単量体  5〜200重量部成分(c
) 脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素
、脂肪族ケトンおよび脂肪族エステルからなる群から選
ばれる1種以上の非重合性化合物0.5〜100重量部 成分(d) 10時間の半減期を得るための分解温度が85〜130
℃であるラジカル重合開始剤 成分(b)100重量部に対して 0.01〜3重量部 工程(B) 工程(A)を経た水性懸濁液の温度を上昇させて、エチ
レン性不飽和単量体の重合を完成させる工程。
〈効 果〉 このように、本発明によるグラフト変性オレフィン共重
合体の製造法は、水性懸濁液中で重合開始剤の溶存した
エチレン性不飽和単量体およびゲル低減剤を特定α−オ
レフィン共重合体粒子へ含浸させる工程とエチレン性不
飽和単量体の重合工程とからなるものである。特定の限
定された量比のゲル低減剤を特定α−オレフィン共重合
体に含浸させて共重合体粒子を適度に膨潤させることに
より、本発明の効果が発現しているものと本発明者らは
推定しているが、このような方法によりゲル分の少ない
(3重量%以下)均質複合樹脂材料が製造できるという
ことは思いがけなかった発見であると思料される。
本発明により得られる複合樹脂は、それを構成する雨垂
合体成分の相溶性が良好であるため、それ自身が均質な
成形用材料として使用することができるが、この複合樹
脂のもう一つの特色は他の熱可塑性樹脂との相溶性が良
好であるということである。従って、本発明によるグラ
フト変性オレフィン共重合体は、本複合樹脂とは相溶性
を持つが相互には相溶性のない二種または数種の熱可塑
樹脂からなるブレンド樹脂素材に対するいわゆる相溶化
剤としても利用できる。
〔発明の詳細な説明〕
(I)特定α−オレフィン共重合体粒子に対するエチレ
ン性不飽和単量体およびゲル低減剤の含浸工程(工程(
A)) く特定α−オレフィン共重合体粒子(成分(a))>成
分(a)は、特定のアルケニルベンゼンと炭素数2〜2
0のα−オレフィンの少なくとも1種とから主としてな
る共重合体の粒子である。ここで、「α−オレフィン」
は前記したようにエチレンを包含するものである。また
「主としてなる」とは、上記の必須二成分を主要成分と
して含有してなるということを意味するものであり、し
たがって本発明の成分(a)は、上記必須成分以外の成
分の少量の共存(この必須二成分の合計に対して20モ
ル%程度まで)を排除しない。
本発明で使用されるジアルケニルベンゼンは、下記の一
般式(1)で示されるものであり、0−体、m一体、p
一体などの異性体いずれでもよく、またこれらの混合物
でもよい。また、ベンゼン環の残りの水素が他の炭化水
素残基で置換されている各種の誘導体でもよい。
1              2 (ここで、RはHまたはCH3、Rは炭素数1〜6の炭
化水素基、nはOまたは1の数を示す。)このような化
合物を具体的に例示すれば、ジビニルベンゼン、イソプ
ロペニルスチレン、ジビニルトルエン、ジビニルナフタ
レンなどがある。
本発明で使用される炭素数2〜20のα−オレフィンと
しては、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン
−1,3−メチルブテン−1、ヘキセン−1,4−メチ
ルペンテン−1,3−エチルブテン−1、ヘプテン−1
,4,4−ジメチルペンテン−1,3,3−ジメチルブ
テン−1などが例示される。これらの中でもエチレンま
たは炭素数3〜10のα−オレフィンが好ましく、特に
エチレンまたはプロピレンが好ましい。尚、これらのモ
ノマーは混合して使用することもできる。
また、これらの七ツマ−に少量の、特に10重量%まで
の、ジエン類(例えばブタジェン、4−メチルへキサジ
エン、5−メチルへキサジエンなど)を含有させること
もできる。
上述の炭素数2〜20のα−オレフィンの少なくとも1
種と上記一般式(1)で表わされるジアルケニルベンゼ
ンとの共重合は、通常のチーグラー・ナツタ型触媒を用
いる重合条件で実施できる。
本発明で使用される特定α−オレフィン共重合体におけ
るジアルケニルベンゼンの含有量は、0.001〜10
重量%、好ましくは0.05〜5重量%、であることが
重要である。この含量が多すぎるとポリマーのゲル化が
起こり易くなり、逆に少なすぎると工程(B)のグラフ
ト重合が効果的に行なわれなくなる。
本発明で好適な特定α−オレフィン共重合体を具体的に
例示すれば、プロピレン−ジビニルベンゼン共重合体、
プロピレン−エチレン−ジビニルベンゼン共重合体、プ
ロピレン−ブテン−1−ジビニルベンゼン共重合体など
が挙げられる。
これらの特定α−オレフィン共重合体は、混合使用する
こともできる。また特定α−オレフィン共重合体の性質
を損わない範囲で他の重合体を混合使用することもでき
る。
本発明によれば、使用した特定α−オレフィン共重合体
粒子の形状がほぼそのまま生成複合樹脂、即ちグラフト
変性オレフィン共重合体、に保持されるから、生成複合
樹脂が直ちに成形用材料として使用するのに適した粒度
ないし粒子形状であるように出発特定α−オレフィン共
重合体粒子の粒度を選定することができる。
くエチレン性不飽和単量体(成分(b))>成分(b)
は、エチレン性不飽和単量体である。
具体的には、例えば、スチレン系単量体、例えば、スチ
レン、核置換スチレンたとえばメチルスチレン、ジメチ
ルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、
クロルスチレン、α−置換スチレンたとえばα−メチル
スチレン、α−エチルスチレン、アクリル酸エステル(
特に、01〜C7アルキルエステル)、メタクリル酸エ
ステル(特に、01〜C7アルキルエステル)、ハロゲ
ン化ビニルないしビニリデン(特に、塩化ビニル、塩化
ビニリデン)、アクリロニトリル、メタシクロニトリル
、ビニルナフタレン、ビニルカルバゾール、アクリルア
ミド、メタクリルアミド、無水マレイン酸、その他があ
る。これらは単独または混合して用いることができる。
特に、親水性または固体状のエチレン性不飽和単量体は
、油溶性単量体中に溶解して使用するとよい。
汎用的で高剛性のグラフト変性オレフィン共重合体を得
るためには、スチレン単独あるいはスチレン主体とこれ
と共重合可能な少量の他の単量体、特にアクリロニトリ
ル、メタクリル酸メチル、塩化ビニル、無水マレイン酸
等との混合物が適当である。
エチレン性不飽和単量体の使用量は、特定α−オレフィ
ン共重合体100重量部に対して5〜200重量部、好
ましくは20〜100重量部、である。200重量部を
超えると特定α−オレフィン共重合体に含浸されないエ
チレン性不飽和単量体量が多くなって特定α−オレフィ
ン共重合体粒子と独立のビニル重合体粒子が懸濁重合時
に析出して、生成複合樹脂の均質性が阻害される。
方、5重量部未満では生成複合樹脂の剛性あるいは他の
熱可塑性樹脂との相溶性等の改良効果が十分でない。
くゲル低減剤(成分(c))> 本発明によるゲル低減剤(成分(c))は、含浸工程時
に特定α−オレフィン共重合体中に含浸されることによ
り、当該共重合体を膨潤させ、エチレン性不飽和単量体
重合時における架橋する可能性のある活性基密度を低下
させることによって分子間架橋を防ぐ作用を有するもの
と推定される。
このようにゲル分を低下させる作用を有するものとして
は、具体的には(イ)脂肪族炭化水素、特に炭素数6〜
20程度のもの、例えばヘプタン、シクロヘキサンなど
、(ロ)芳香族炭化水素、特に炭素数6〜20程度のも
の、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン
など、(ハ)ハロゲン化炭化水素、特に炭素数1〜10
程度で、ハロゲンが塩素、臭素またはヨウ素であるもの
、例えば1.1.1−)リクロルエタン、クロルベンゼ
ン、クロルトルエン、ジクロルベンゼンなど、(ニ)脂
肪族ケトン、特に炭素数が2〜10程度のもの、例えば
アセトン、メチルエチルケトンなど、(ホ)脂肪族エス
テル、特に酸部分が炭素数2〜10程度のモノカルボン
酸で、アルコール部分が炭素数1〜10程度のもの、例
えばメチルアセテート、エチルアセテート、アリルアセ
テート、エチルステアレートなどを挙げることができる
このうち(イ)および(ロ)が好ましく、さらには(ロ
)がより好ましい。
ゲル低減剤の使用量は、成分(a)100重量部に対し
て0.5〜100重量部、好ましくは1〜30重量部、
である。100重量部を超えると特定α−オレフィン共
重合体に含浸されないゲル低減剤が多くなって生成複合
樹脂粒子の表面荒れや凝結粒子が発生して、生成複合樹
脂の均質性が阻害されるし、工業的製造プロセス上の問
題点の要因ともなる。一方、0.5重量部未満では十分
なゲル低減効果が得られない。
くラジカル重合開始剤(成分(d))>この発明による
方法は水性懸濁重合の技術に従うものであるため、重合
開始剤は油溶性のものを使用する。
そして、重合開始剤は10時間の半減期を得るための分
解温度が85〜130”Cであるものでなければならな
い。本発明では特に90〜110”Cの範囲内にあるも
のが好ましい。85℃未満では含浸工程中にエチレン性
不飽和単量体の重合が生じて、生成複合樹脂の均質なも
のが得られない。
130℃超過では特定α−オレフィン共重合体の分子切
断反応が起こるので好ましくない。
このような重合開始剤の具体例を挙げれば、下記の通り
である(カッコ内の温度は、ベンゼン1g中に重合開始
剤を0. 1モル添加し、該温度で10時間放置すれば
重合開始剤の分解率が50%となる温度である)。
シクロヘキサノンパーオキサイド(97℃)、t−ブチ
ルパーオキシベンゾエート(104℃)、メチルエチル
ケトンパーオキサイド(109℃)、ジクミルパーオキ
サイド(117℃)、ジ−t−ブチルパーオキサイド(
124℃)、2.5−ジメチル−2,5−ジベンゾイル
パーオキシヘキサン(100℃)、ジ−t−ブチル−ジ
−パーオキシフタレート(105℃)。
重合開始剤の使用量は、エチレン性不飽和単量体100
重量部に対して0.01〜3重量部、好ましくは0.1
〜1重量部、である。0.01重量部未満ではエチレン
性不飽和単量体の重合が完全に行なわれない。また、3
重量部を越えると、特定α−オレフィン共重合体の分子
切断反応が顕著になり、特定α−オレフィン共重合体が
本来有する物性を著しく損なうと共に生成複合樹脂を成
形加工する場合に残存する重合開始剤による悪影響が起
こる。
く水性懸濁液の調製〉 系内に特定α−オレフィン共重合体粒子か存在するとい
う点を除けば、本発明での水性懸濁液の調製は、エチレ
ン性不飽和単量体の水性懸濁重合を実施する場合のそれ
と本質的には変らない。従って、特定α−オレフィン共
重合体粒子と、好ましくは重合開始剤をあらかじめ溶存
させたエチレン性不飽和単量体とゲル低減剤との混合液
とを、水性懸濁重合に使用されうる懸濁剤、たとえば水
溶性重合体、たとえばポリビニルアルコール、ポリビニ
ルピロリドン、メチルセルロース、あるいは難溶性無機
物質、たとえばリン酸カルシウム、酸化マグネシウム、
その他、の存在下に水性媒体中に攪拌分散させて調製す
る。水性媒体は、各種水溶性物質が溶存したものでもよ
い。
水性懸濁液における特定α−オレフィン共重合体粒子、
エチレン性不飽和単量体およびゲル低減剤の濃度は、系
の攪拌が容易に行なわれる限り任意であるが、一般に水
100重量部に対して特定α−オレフィン共重合体、エ
チレン性不飽和単量体およびゲル低減剤5〜100重量
部で行なわれる。
くエチレン性不飽和単量体の含浸〉 この水性懸濁液を、重合開始剤の分解が実質的に起こら
ない条件下で加熱して、エチレン性不飽和単量体および
ゲル低減剤を特定α−オレフィン共重合体粒子中に含浸
させる。含浸は、エチレン性不飽和単量体およびゲル低
減剤の各々80重量%以上、好ましくは90重量%以上
、が特定αオレフイン共重合体粒子に含浸または付着さ
れるまで、すなわち遊離のエチレン性不飽和単量体液滴
およびゲル低減剤液層が各々20重量%未満、好ましく
は10重量%未満、の量となる程度まで、水性懸濁液を
好ましくは攪拌下に行なう。本発明者らの種々の実験の
結果、遊離のエチレン性不飽和単量体が20重量%以上
の場合は独立のビニル重合体粒子が析出し、特定α−オ
レフィン共重合体粒子中のビニル重合体の分散が不均一
となって目的とする性能が得られないことが判明した。
なお、含浸工程における20重量%未満の遊離のエチレ
ン性不飽和単量体は、次の重合工程(工程(B))にお
いて特定α−オレフィン共重合体粒子内に含浸収蔵され
あるいは特定α−オレフィン共重合体粒子表面に付着し
て重合するため、生成物中にはビニル重合体粒子が特定
α−オレフィン共重合体粒子と独立して存在することは
事実上記められない。
また、遊離のゲル低減剤が20重量%以上の場合は生成
複合樹脂粒子の表面荒れや凝結粒子が発生し、複合樹脂
の均質性が阻害されることが判明した。なお、含浸工程
における20重量%未満の遊離のゲル低減剤は、次の重
合工程(工程(B))において、特定α−オレフィン共
重合体粒子内に含浸収蔵される。
含浸の際は、含浸促進の点からは加熱温度は高い方がよ
いが、重合開始剤の過早分解によって含浸前のエチレン
性不飽和単量体か単独で重合するので、これを防止する
点からは加熱温度は低い方がよい。好ましい条件は、温
度70〜100℃、攪拌時間は2〜6時間、程度である
なお、遊離のエチレン性不飽和単量体および遊離のゲル
低減剤の量は、次の方法によって知ることができる。す
なわち、水性懸濁液の任意量をサンプリングし、これを
300メツシュ程度の金網を用いて手早く濾過してプロ
ピレン共重合体粒子と液相に分離して液相中のエチレン
性不飽和単量体およびゲル低減剤の量を測定し、この値
とエチレン性不飽和単量体およびゲル低減剤の仕込み量
とから遊離のエチレン性不飽和単量体および遊離のゲル
低減剤の割合を算出する。
(II)エチレン性不飽和単量体の重合(工程(B))
工程(B)は、上記の工程(A)を経た水性懸濁液の温
度を上昇させてエチレン性不飽和単量体の重合を完成さ
せる工程である。この工程は攪拌下に行なうのが好まし
い。
加熱温度は、使用重合開始剤の充分な分解が生じる温度
であるべきである。しかし、150℃を越えないことが
好ましい。150℃を越えると、特定α−オレフィン共
重合体の分子切断反応が起こって、特定α−オレフィン
共重合体が本来有する特性を著しく損なう。一般に、1
00〜130℃の温度が適当である。重合中の温度は、
150℃以下であれば必ずしも一定でなくてもよく、懸
濁重合で生成する複合樹脂の性状具合で二段あるいはそ
れ以上に変更することもできる。重合時間は一般に5〜
20時間である。
前記したように、重合終了後も使用特定α−オレフィン
共重合体粒子の形状がほぼそのまま保持されている。重
合終了後は冷却し、その他通常の水性懸濁重合の後処理
工程と同様に処理すれば、直ちに成形用材料として使用
できる形態の複合樹脂を得ることができる。
〔■〕生成複合樹脂 このようにして得られるグラフト変性オレフィン共重合
体粒子、即ち複合樹脂は、その大部分はエチレン性不飽
和単量体が特定α−オレフィン共重合体の幹にグラフト
重合したものであるが、部エチレン性不飽和単量体から
の重合体そのもの(即ち、いわゆるホモポリマー)を含
むものである。しかし、このホモポリマーは、一般に、
特定α−オレフィン重合体粒子中に内蔵され、そして0
.1〜2μのほぼ球状の微細な分散粒子として複合樹脂
中に平均して存在するため、本発明による複合樹脂は実
質上均一物とみなすことができる。
このような本発明によれば、ゲル分が少ない、例えば特
願平1−103079号公報などの提案の方法によるも
のよりもより均質な複合樹脂を得ることができる。
〔■〕グラフト変性オレフィン共重合体の利用このよう
にして得られた本発明によるグラフト変性オレフィン共
重合体は、ゲル含量が3%以下にコントロールされてお
り、かつグラフト変性オレフィン共重合体に起因する広
範囲の特性を有しているので、これ自身成形材料として
使用できるのみではなく、例えばポリオレフィンと各種
樹脂との混合物の相溶化剤として、またはポリオレフィ
ンと各種樹脂との接着剤などとして、更には、接着性、
染色性、印刷性、他の極性樹脂との混和性等が改良され
たオレフィン共重合体としてなど広範囲に利用ができる
ものである。
なお、ゲル分の測定は、得られたグラフト変性オレフィ
ン共重合体約1gを80メツシユの金網に入れ、抽出溶
媒としてキシレンを使用してソックスレー抽出を8時間
行い、80メツシユの金網中に残ったものをゲル分とし
た。
〔V〕実験例 実施例−1 内容jllリットルのオートクレーブ内に純水495g
および懸濁剤として第三リン酸カルシウム9.9gおよ
びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.016g
を加えて水性懸濁液とし、これに粒径4〜5+nのプロ
ピレン−ジビニルベンゼン共重合体粒子(プロピレン含
有j199. 64重量%、ジビニルベンゼン含有1t
O,36重量%、メルトインデックス(Ml)5.3 
(以下、プロピレン共重合体粒子という)50gを攪拌
により懸濁させた。別に重合開始剤としてt−プチルバ
オキシベンゾエート(10時間の半減期を得るための分
解温度(以下同様)104℃)0.25gをスチレン2
5gとキシレン2,5gとの混合溶液に溶解させ、これ
を前記懸濁系に投入し、オートクレーブ内温度を90℃
に昇温させ、該温度で3時間保持して、重合開始剤を含
むスチレンおよびキシレンをプロピレン共重合体粒子中
に含浸させた。
この水性懸濁液を105℃に昇温し、該温度で3時間保
持して重合を行わせ、更に135℃に昇温し、該温度で
3時間保持して重合を完結させた。
冷却後、内容物を取り出し、水洗して、粒径5〜6mm
のスチレン改質プロピレン共重合体粒子77.5gを得
た。この粒子は、融着、塊状化、傷つきなどがなく、た
たちに成形用に使用可能な状態であった。
本重合体約1gを用い、抽出溶媒としてメチルエチルケ
トン(MEK)を使用してソックスレー抽出を5時間行
い、MEK抽出不溶分を得た。本不溶分中のポリスチレ
ン含量を赤外線吸収スペクトルにより定量し、プロピレ
ン共重合体にグラフト重合しているポリスチレンの重合
したポリスチレン(グラフトポリスチレン+独立ポリス
チレン)に対する割合、いわゆるグラフト効率、を求め
たところ54.0重量%であった。
また、同じく本重合体約1gを用い、沸騰キシレンで8
時間抽出してキシレン不溶分率を求めたところ0.91
重量%であった。
さらに本重合体とポリプロピレン(三菱ポリプロピレン
MA−8,23C1’CMFR0,7g/10分)およ
びポリフェニレンエーテル(日本ポリエーテル(株)社
製 ボリル2.6−シメチルー1,4−フエニレンエー
テル、クロロホルム30℃極限粘度0.40dl/g)
とをブラベンダーにて混練(本重合体:ポリプロピレン
:ポリフェニレンエーテル−15:50:50(重量比
)〉し、その物性を求めたところ、オルゼン曲げ剛性1
6200)cg/cdおよびアイゾツト衝撃強度(ノツ
チ有り)4.2kg−arr/cdを得た。また、本混
線品を走査型電子顕微鏡にて観察したところ写真−1が
得られた。この写真の海部分はポリプロピレンであり、
島部分はポリフェニレンエーテルである。島部分の平均
直径は2〜3μmである。
比較例−1 キシレン2,5gを使用しなかったこと以外は全て実施
例−1と同様の方法で重合を行ったところ、スチレン改
質プロピレン共重合体粒子75gを得た。
実施例−1と同様の方法にてグラフト効率およびキシレ
ン不溶分を求めたところ、それぞれ59.8重量%と9
.5重量%であった。さらに実施例−1と同様の方法に
て物性を求めたところオルゼン曲げ剛性15000kg
/c−およびアイゾツト衝撃強度(ノツチ有り) 3.
 0kg−cm/cdを得た。また、本混線品を走査型
電子顕微鏡にて観察したところ写真−2が得られた。島
部分の平均直径は7〜lOumである。
実施例−2 キシレン2.5gの代わりにトルエン5gを使用したこ
と以外は全て実施例−1と同様の方法で重合を行ったと
ころ、スチレン改質プロピレン共重合体粒子80gを得
た。
実施例−1と同様の方法にてグラフト効率およびキシレ
ン不溶分を求めたところ、それぞれ45.4重量%と0
.4重量%であった。
実施例−3 内容量1リツトルのオートクレーブ内に純水495gお
よび懸濁剤として第三リン酸カルシウム9.9gおよび
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.016gを
加えて水性懸濁液とし、これに粒径4〜5mmのプロピ
レン−ジビニルベンゼン共重合体粒子(プロピレン含有
j199.44重量%、ジビニルベンゼン含有量0.5
6重量%、メルトインデックス(Ml)3.2)50g
を攪拌により懸濁させた。別に重合開始剤としてtブチ
ルパーオキサイド(分解温度:124℃)0.25gを
メチルメタクリレート25gとキシレン2gとの混合溶
液に溶解させ、これを前記懸濁系に投入し、実施例1と
同様の方法でメチルメタクリレート改質プロピレン共重
合体粒子77gを得た。
実施例−1と同様の方法にてグラフト効率およびキシレ
ン不溶分を求めたところ、それぞれ55.7重量%と1
.1重量%であった。
比較例−2 キシレン2gを使用しなかったこと以外は全て実施例−
3と同様の方法で重合を行ったところ、メチルメタクリ
レート改質プロピレン共重合体粒子75gを得た。
実施例−1と同様の方法にてグラフト効率およびキシレ
ン不溶分を求めたところ、それぞれ57.3重量%と7
,8重量%であった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例−1で得られた混練品の粒子構造を示
す電子顕微鏡写真である。 第2図は、比較例−1で得られた混練品の粒子構造を示
す電子顕微鏡写真である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 下記の工程(A)に引続いて工程(B)を行うことを特
    徴とする、グラフト変性オレフィン共重合体の製造法。 工程(A) 下記の成分(a)〜(d)を含む水性懸濁液を、成分(
    d)の分解が実質的に起こらない条件下に加熱して、成
    分(b)および(c)を成分(a)に含浸させて、遊離
    の成分(b)および(c)の量を各々20重量%未満に
    到らせる工程。 ¥成分(a)¥ 一般式 ▲数式、化学式、表等があります▼ (ここで、R^1はHまたはCH_3、R^2は炭素数
    1〜6の炭化水素基、nは0または1の数を示す。)で
    表わされるジアルケニルベンゼンと炭素数2〜20のα
    −オレフィンの少なくとも1種とから主としてなる共重
    合体の粒子 100重量部 ¥成分(b)¥ エチレン性不飽和単量体5〜200重量部 ¥成分(c)¥ 脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素
    、脂肪族ケトンおよび脂肪族エステルからなる群から選
    ばれる1種以上の非重合性化合物0.5〜100重量部 ¥成分(d)¥ 10時間の半減期を得るための分解温度が85〜130
    ℃であるラジカル重合開始剤 成分(b)100重量部に対して 0.01〜3重量部 工程(B) 工程(A)を経た水性懸濁液の温度を上昇させて、エチ
    レン性不飽和単量体の重合を完成させる工程。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0770251A (ja) * 1993-07-02 1995-03-14 Rohm & Haas Co セグメント化コポリマーの製造方法
US6096849A (en) * 1999-07-21 2000-08-01 The Penn State Research Foundation Linear copolymers of alpha-olefins and divinylbenzene having narrow molecular weight and composition distributions and process for preparing same
US6265493B1 (en) 1999-07-21 2001-07-24 The Penn State Research Foundation Polyolefin graft copolymers derived from linear copolymers of alpha-olefins and divinylbenzene having narrow molecular weight and composition distributions and process for preparing same
JP2006160945A (ja) * 2004-12-09 2006-06-22 Yokohama Rubber Co Ltd:The エラストマー組成物の製造方法
US8524001B2 (en) 2008-12-26 2013-09-03 Siltronic Ag Silicon wafer and method for producing the same

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