JPH06102702B2 - グラフト化前駆体及びその製造方法 - Google Patents

グラフト化前駆体及びその製造方法

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JPH06102702B2
JPH06102702B2 JP1906088A JP1906088A JPH06102702B2 JP H06102702 B2 JPH06102702 B2 JP H06102702B2 JP 1906088 A JP1906088 A JP 1906088A JP 1906088 A JP1906088 A JP 1906088A JP H06102702 B2 JPH06102702 B2 JP H06102702B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、接着剤、被覆剤、改質剤、ミクロ分散助剤あ
るいはポリマーアロイ化剤、機能性成形体材料、高分子
相溶化助剤として有用な、高いグラフト効率を得ること
が可能なグラフト化前駆体及びその製造方法に関するも
のである。
〔従来の技術〕
従来から、エチレン系(共)重合体は、優れた性質を有
するために広く使用され、またその改質や新しい用途へ
の応用もなされている。
エチレン系(共)重合体として、例えば、低密度エチレ
ン重合体は、成形性や成形品の物理的、化学性質が良好
であることから成形材料としても用いられてきた。
この成形材料としての低密度エチレン重合体の剛性、寸
法安定性、印刷性等を向上させるため、低密度ポリエチ
レン重合体にビニル重合体例えばポリスチレン等をブレ
ンドすることが行なわれている。
また、エポキシ基含有エチレン共重合体は、その極性の
ため、金属とプラスチック素材との接着剤として良好な
接着力を示すことがよく知られている。
さらに、その弾性的性質及び反応性を有することから、
縮合系重合体、特にエンジニアリングプラスチックと反
応させ、耐衝撃性改良剤としての応用もなされている。
また、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体
やα−オレフィン−ビニルエステル共重合体は、優れた
柔軟性、耐候性、耐衝撃性を有するため、成形材料とし
て広く使用され、α−オレフィン−ビニルエステル共重
合体はさらにホットメルト接着剤にも広く使用されてい
る。
また、両共重合体も近年エンジニアリングプラスチック
の耐衝撃性改良剤としての使用も試みられている。
さらに、エチレン−プロピレン共重合ゴム又はエチレン
−プロピレン−ジエン共重合ゴムは、優れたゴム弾性、
柔軟性、耐寒性、耐候性を有するため、主にゴム材料と
して広く使用され、やはり近年エンジニアリングプラス
チックの耐衝撃性改良剤としても使用が試みられてい
る。
しかしながら、エチレン(共)重合体とビニル重合体と
のブレンドは、一般に相溶性が不良であるため、ビニル
重合体を10重量%以上配合することは行なわれておら
ず、通常は0.2〜5重量%のビニル重合体がブレンドさ
れていたにすぎなかつた。
このような少量のビニル重合体はブレンドした場合で
も、ブレンド物は両樹脂の相溶性の悪さから耐衝撃性が
低下し、また外観が悪化しがちであつた。
また、エチレン系共重合体をエンジニアリングプラスチ
ックの耐衝撃性改良剤としても使用する場合には、相溶
性や分散性が低く十分な耐衝撃性の改良効果が得られず
問題となつていた。
例えば、エポキシ基含有エチレン共重合体の場合には、
その応用範囲がエポキシ基と反応する基材に限られ、例
えばビニル系重合体等エポキシ基と反応しない基材に対
しては、十分な接着力が得られなかつたり、基材に対す
る分散力が低く十分な耐衝撃性が得られなかった。
そこで、エンジニアリングプラスチックとの相溶性を増
加させる試みがなされている。
例えば、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合
体やα−オレフィン−ビニルエステル共重合体の(メ
タ)アクリル酸エステルやビニルエステルの比率を増大
させることによってエンジニアリングプラスチックとの
相溶性を増す試みである。またさらに前記共重合体にエ
ポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基等の官能基を導
入し、エンジニアリングプラスチック、特に縮合系エン
ジニアリングプラスチックの残存官能基との反応を行
い、相溶性を高め耐衝撃性改良効果の向上をはかること
も試みられている。
一方、他樹脂への相溶性を向上させるには、1つの分子
中に、他樹脂との相溶性の高い重合体と機能を有する重
合体を化学的に結合させたグラフト共重合体が好ましい
ことは公知である。
一般にエチレン(共)重合体にビニル重合体をグラフト
結合させる方法として、電離性放射線を照射してエチレ
ン(共)重合体にビニル重合体、例えばスチレン系重合
体をグラフト重合させたエチレン(共)重合体が提案さ
れており、この方法はビニル重合体をエチレン(共)重
合体に均一に分散させるのにかなりの効果を示してい
る。
さらに、他の公知の方法としては、キシレンあるいはト
ルエン等の溶媒を利用した溶液グラフト重合法があり、
また乳化グラフト重合法もある。
また、エチレン(共)重合体粒子にビニル単量体を含浸
させて、水性懸濁系で重合させることも提案されている
(特公昭58-51010号公報、特公昭58-53003号公報)。こ
の方法によれば、重合を完了した樹脂組成物は、均一に
ビニル重合体がブレンドされており、これ以外の方法に
比べて好ましい結果をもたらしている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、エチレン(共)重合体にビニル重合体を
グラフト結合させる従来の方法は、次のような問題があ
る。
即ち、電離性放射線を照射する方法は、放射線グラフト
重合法という特殊な方法によるため、経済性に問題があ
つて実用化が困難である。
また、この方法では導入するビニル単量体量に限界があ
り好ましくない。
次に、溶液グラフト重合法は、エチレン(共)重合体の
溶解度の点から、多量の溶媒中に希釈された状態で重合
が行なわれるため、ビニル単量体、重合開始剤及びエチ
レン(共)重合体の相互間の接触の機会が少なく、一般
的にビニル単量体の反応効率が低いという欠点を有する
上に、溶媒回収等の後処理工程が煩雑なため、経済的に
不利である。
さらに、乳化グラフト重合法もあるが、この場合は、反
応がエチレン(共)重合体粒子の表面反応のみに限定さ
れるため、生成物の均質法が劣るという欠点を有する。
また水性懸濁系での重合法は、この方法で得られた樹脂
組成物のグラフト効率が低いため二次加工による加熱あ
るいは溶剤との接触によつて、重合完了時に均一に分散
していたビニル重合体粒子の二次的凝集が起こりやす
く、得られた樹脂組成物をミクロ分散助剤、ポリマーア
ロイ化剤、高分子相溶化剤として使用する際に問題とな
つていた。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、これら従来のエチレン(共)重合体とビ
ニル重合体とのグラフト効率を高めることを目的として
鋭意研究した結果、特定のラジカル(共)重合性有機過
酸化物とビニル単量体との両者を、特定のエチレン系
(共)重合体粒子中で共重合せしめた樹脂組成物が、グ
ラフト化前駆体としてグラフト効率を飛躍的に高め得る
こと、及びその製造に当たつては、水性懸濁系で行なう
のが最適であることを見いだし、本発明を完成させるに
至つた。
すなわち、第1の発明は、 エチレン系(共)重合体粒子20〜95重量%とビニル共重
合体80〜5重量%との混合物からなり、該ビニル共重合
体が該エチレン系(共)重合体粒子中に存在し、 該ビニル共重合体が、式 (式中、XはR2を、Yは −COOR8,−CN又は−OCOR9を示し、R2は水素原子又はメ
チル基を、R7は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基
を、R8は炭素数1〜7のアルキル基を、R9は炭素数1〜
2のアルキル基をそれぞれ示す。) で表わされる構成単位(A)と、式 (式中、R1は水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基
を、R3及びR4はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基を、
R5は炭素数1〜12のアルキル基、フエニル基、アルキル
置換フエニル基又は炭素数3〜12のシクロアルキル基
を、R2は前記式(A)の場合と同じものをそれぞれ示
す。mは1又は2である。) 及び/又は式 (式中、R6は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基
を、R2,R3,R4及びR5は前記式(A),(B1)の場合と
同じものをそれぞれ示す。nは0,1又は2である。) で表わされる構成単位(B)とからなるランダム共重合
体であつて、構成単位(B)の割合が構成単位(A)10
0重量部に対し0.1〜10重量部であり、かつ0.01〜0.73重
量%の活性酸素を含有するものであるグラフト化前駆体
に関する。
また、第2の発明は、 エチレン系(共)重合体粒子100重量部を水に懸濁せし
め、これに対し、別に下記式 (式中、XはR2を、Yは −COOR8,CN又は−OCOR9を示し、R2は水素原子又はメチ
ル基を、R7は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基
を、R8は炭素数1〜7のアルキル基を、R9の炭素数1〜
2のアルキル基をそれぞれ示す。) で表わされるビニル単量体の少なくとも1種の5〜400
重量部に、下記一般式(I)又は(II)で表わされるラ
ジカル(共)重合性有機過酸化物の1種又は2種以上の
混合物を上記ビニル単量体100重量部に対して0.1〜10重
量部と、10時間の半減期を得るための分解温度が40〜90
℃であるラジカル重合開始剤を上記ビニル単量体とラジ
カル(共)重合性有機過酸化物との合計100重量部に対
して0.01〜5重量部とを溶解せしめた溶液を加え、ラジ
カル重合開始剤の分解が実質的に起こらない条件で加熱
し、ビニル単量体、ラジカル(共)重合性有機過酸化物
及びラジカル重合開始剤をエチレン系(共)重合体粒子
中に含浸せしめ、さらに遊離のビニル単量体、ラジカル
(共)重合性有機過酸化物及びラジカル重合開始剤の含
有量が初めの50重量%未満となつたとき、この水性懸濁
液の温度を上昇せしめ、ビニル単量体とラジカル(共)
重合性有機過酸化物とをエチレン系(共)重合体粒子中
において共重合させて得られる活性炭素0.01〜0.73重量
%を含有するビニル共重合体を構成成分とする、エチレ
ン系(共)重合体粒子20〜95重量%とビニル共重合体80
〜5重量%との混合物からなり、該ビニル共重合体が該
エチレン系(共)重合体中に存在してなるグラフト化前
駆体の製造方法に関する。
前記一般式(I)で表わされるラジカル(共)重合性有
機過酸化物とは、式 (式中、R1は水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基
を、R3及びR4はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基を、
R5は炭素数1〜12のアルキル基、フエニル基、アルキル
置換フエニル基又は炭素数3〜12のシクロアルキル基
を、R2は前記式(A)の場合と同じものをそれぞれ示
す。mは1又は2である。) で表わされる化合物である。
また、前記一般式(II)で表わされるラジカル(共)重
合性有機過酸化物とは、式 (式中、R6は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基
を、R2,R3,R4及びR5は前記式(A),(B1)の場合と
同じものをそれぞれ示す。nは0,1又は2である。) で表わされる化合物である。
本発明で用いられるエチレン系(共)重合体としては、
例えば低密度エチレン重合体、エチレンと(メタ)アク
リル酸グリシジルとを共重合して得られるエポキシ基含
有エチレン系共重合体、エチレンと(メタ)アクリル酸
エステルとからなるエチレン系共重合体、エチレンとビ
ニルエステルとからなるエチレン系重合体、エチレン−
プロピレン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン
−共重合ゴム等である。
本発明で用いられる低密度エチレン重合体は、密度が0.
910〜0.935g/cm3のもので、具体的には、高圧重合法で
得られるエチレン単独重合体、エチレンと密度調整のた
めのα−オレフイン例えばプロピレン、ブテン−1、ペ
ンテン−1等との共重合体を挙げることができる。
この低密度エチレン重合体の形状は、粒径1〜5mmのペ
レツト状でもよいし、またパウダー状でもよい。これら
は、グラフト化前駆体中における低密度エチレン重合体
の配合割合によつて使い分けることが好ましい。例え
ば、グラフト化前駆体中の低密度エチレン重合体が50重
量%以上である場合は、ペレツト状のものの使用が好ま
しいし、50重量%未満であると、パウダー状のものが好
ましい。
本発明で用いられるエポキシ基含有エチレン共重合体
は、エチレンと(メタ)アクリル酸グリシジルを共重合
させたものである。
(メタ)アクリル酸グリシジルの共重合比率は、0.5〜4
0重量%、好ましくは2〜20重量%である。共重合量が
0.5重量%未満の場合、耐衝撃性向上剤として使用した
とき、その効果が十分でない。また40重量%を越えた場
合、溶融時の流動性が低下して好ましくない。
また、(メタ)アクリル酸グリシジルの共重合比率が40
重量%未満の場合、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチルなどの(メタ)アクリル酸エステ
ル単量体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニ
ルエステル単量体、ビニルエーテル単量体、(メタ)ア
クリロニトリル、ビニル芳香族単量体、一酸化炭素など
を1種以上共重合させることも可能であり、これらは本
発明に含まれる。
エポキシ基含有エチレン共重合体は、具体的には、例え
ばエチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレ
ン/酢酸ビニル/メタクリル酸グリシジル共重合体、エ
チレン/アクリル酸エチル/メタクリル酸グリシジル共
重合体、エチレン/一酸化炭素/メタクリル酸グリシジ
ル共重合体、エチレン/アクリル酸グリシジル共重合
体、エチレン/酢酸ビニル/アクリル酸グリシジル共重
合体などが挙げられる。中でも好ましいのはエチレン/
メタクリル酸グリシジル共重合体である。
これらのエポキシ基含有エチレン共重合体は、混合して
使用することもできる。
またエポキシ基含有エチレン共重合体の形状は、粒径0.
1〜5mm程度のパウダー又はペレツト状であることが好ま
しい。これらは、グラフト化前駆体中におけるエポキシ
基含有エチレン共重合体の配合割合によつて使い分ける
ことが好ましい。
粒径が過度に大きいと重合時の分散が困難であるばかり
でなく、ビニル単量体等の含浸時間が長くなる欠点があ
る。
本発明で用いられるエチレン−(メタ)アクリル酸エス
テル共重合体とは、具体的には、エチレン−(メタ)ア
クリル酸エステル共重合体、エチレン−(メタ)アクリ
ル酸エチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸ブ
チル共重合体が挙げられる。好ましくはエチレン−(メ
タ)アクリル酸エチル共重合体である。
エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体中、
(メタ)アクリル酸エステルの共重合比率は1〜50重量
%、好ましくは2〜40重量%である。共重合体比率が1
重量%未満の場合、耐衝撃性向上剤として使用したと
き、その効果が十分でない。また50重量%を越えた場
合、成形性が低下し、好ましくない。
また、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体
の形状や配合割合は、前記エポキシ基含有エチレン共重
合体と同様である。
本発明で用いられるエチレン−ビニルエステル共重合体
とは、エチレンと、例えばプロピオン酸ビニル;酢酸ビ
ニル;カプロン酸ビニル;カプリル酸ビニル;ラウリン
酸ビニル;ステアリン酸ビニル;トリフルオル酢酸ビニ
ル等のビニルエステル単量体の1種以上とをラジカル重
合開始剤の存在下に共重合させたものであり、好ましく
はエチレン−酢酸ビニル共重合体である。
エチレン−ビニルエステル共重合体中、ビニルエステル
単量体の共重合比率は前記エチレン−(メタ)アクリリ
酸エステル共重合体中の(メタ)アクリル酸エステルの
共重合比率と同様である。
またエチレン−ビニルエステル共重合体の形状や配合割
合も、前記エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重
合体と同様である。
本発明で用いられるエチレン−プロピレン共重合ゴム又
はエチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴムは、エチレ
ン含有量が40〜80重量%でプロピレンが60〜20重量%、
ムーニー粘度が15〜90であるエチレン−プロピレン共重
合ゴム及びエチレン含有量が40〜80重量%で、プロピレ
ンが60〜20重量%であり、エチリデンノルボルネン、4
−ヘキサジエン;ジシクロペンタジエン等を非共役ジエ
ン成分として三元共合したゴムであって、前記ジエンの
含有量がヨウ素化で4〜30であり、またムーニー粘度が
15〜120であるものが適当である。
なお、ムーニー粘度は、JISK6300(100℃)で求めた値
である。
これらのエチレン−プロピレン共重合ゴム又はエチレン
−プロピレン−ジエン共重合ゴムは、混合して使用する
こともできる。
ビニル単量体の含浸を容易にし、かつ懸濁重合時の凝集
を防ぐため、エチレン−プロピレン共重合ゴム又はエチ
レン−プロピレン−ジエン共重合ゴム粒子は粒径分布が
狭く、かつ平均粒径2〜8mm程度のペレットであること
が好ましい。粒径が過度に大きいと、重合時の分散が困
難なばかりでなく、ビニル単量体の含浸速度が遅くなっ
て反応時間が長くなる欠点がある。
本発明において使用されるビニル単量体は、具体的に
は、ビニル芳香族単量体、例えば、スチレン;該置換ス
チレン例えばメチレンスチレン;ジメチルスチレン;エ
チルスチレン;イソプロピルスチレン;クロルスチレ
ン;α−置換スチレン例えばα−メチルスチレン;α−
エチルスチレン;(メタ)アクリル酸エステル単量体、
例えば(メタ)アクリル酸の炭素数1〜7のアルキルエ
ステル;(メタ)アクリロニトリル;ビニルエステル単
量体、例えばプロピオン酸ビニル;酢酸ビニル;カプロ
ン酸ビニル;カプリル酸ビニル;ラウリン酸ビニル:ス
テアリン酸ビニル;トリフルオル酢酸ビニル等が挙げら
れる。
これらのビニル単量体は、単独で又は2種以上を混合し
て用いられる。
これらのうち、好ましいのはビニル芳香族単量体、(メ
タ)アクリル酸エステル単量体である。
これらを特にエンジニアリングプラスティックの耐衝撃
性改良剤として使用する場合、ビニル芳香族単量体又は
(メタ)アクリル酸エステル単量体を50重量%以上含む
混合物を(共)重合せしめたものが好ましい。その理由
は、エンジニアリングプラスティックに対する相溶性が
良好なためである。
また特に親水性又は固体のビニル単量体は、油溶性単量
体中に溶解して使用するのが好ましい。
ビニル単量体の量は、エチレン系(共)重合体100重量
部に対して5〜400重量部、好ましくは10〜200重量部で
ある。
この量が5重量部未満であると、グラフト化反応後のグ
ラフト化が、グラフト効率は高いにもかかわらず、グラ
フト体としての性能を発現しにくくなり好ましくない。
また、この量が400重量部を越えると、ビニル単量体、
一般式(I)又は(II)で表されるラジカル(共)重合
性有機過酸化物及びラジカル重合開始剤のうち、エチレ
ン系(共)体に含浸されたないものが50重量%以上とな
りやすく、遊離のビニル系単独重合体の量が増大するた
め好ましくない。
特公昭58-51010号公報あるいは特公昭58-53003号公報に
よると、水性懸濁重合法においては、この遊離のビニル
系単量体が20重量%未満であることが必要であるとされ
ている。
しかしながら、本発明においては、生成するグラフト化
前駆体は、そのビニル系重合体分子内にペルオキシ基を
有し、グラフト化能を有しているため、遊離のビニル単
量体、一般式(I)又は(II)で表されるラジカル
(共)重合性有機過酸化物及びラジカル重合開始剤の合
計量が20重量%以上であっても50重量%未満でさえあれ
ば、十分に優れたグラフト化能を示すことができる。
本発明で使用されるラジカル(共)重合性有機過酸化物
は、前記一般式(I)又は(II)で表された化合物であ
る。
具体的には、一般式(I)で表される化合物として、t
−ブチルペルオキシアクリロイロキシエチルカーボネー
ト;t−アミルペルオキシアクリロイロキシエチルカーボ
ネート;t−ヘキシルペルオキシアクリロイロキシエチル
カーボネート;1、1、3、3−テトラメチルブチルペル
オキシアクリロイロキシエチルカーボネート;クミルペ
ルオキシアクリロイロキシエチルカーボネート;p−イソ
プロピルクミルペルオキシアクリロイロキシエチルカー
ボネート;t−ブチルペルオキシメタクリロイロキシエチ
ルカーボネート;t−アミルペルオキシメタクリロイロキ
シエチルカーボネート;t−ヘキシルペルオキシメタクリ
ロイロキシエチルカーボネート;1、1、3、3−テトラ
メチルブチルペルオキシメタクリロイロキシエチルカー
ボネート;クミルペルオキシメタクリロイロキシエチル
カーボネート;p−イソプロピルクミルペルオキシメタク
リロイロキシエチルカーボート;t−ブチルペルオキシア
クリロイロキシエトキシエチルカーボネート;t−アミル
ペルオキシアクリロイロキシエトキシエチルカーボネー
ト;t−ヘキシルペルオキシアクリロイロキシエトキシエ
チルカーボネート;1、1、3、3−テトラメチルブチル
ペルオキシアクリロイロキシエトキシエチルカーボネー
ト;クミルペルオキシアクリロイロキシエトキシエチル
カーボイネート;p−イソプロピルクミルペルオキシアク
リロイロキシエトキシエチルカーボイネート;t−ブチル
ペルオキシメタクリロイロキシエトキシエチルカーボネ
ート;t−アミルペルオキシメタクリロイロキシエトキシ
エチルカーボネート;t−ヘキシルペルオキシメタクリロ
イロキシエトキシエチルカーボネート;1、1、3、3−
テトラメチルブチルベルオキシメタクリロイロキシエト
キシエチルカーボネート;クミルペルオキシメタクリロ
イロキシエトキシエチルカーボネート;p−イソプロピル
クミルペルオキシメタクリロイロキシエトキシエチルカ
ーボネート;t−ブチルペルオキシアクリロイロキシイソ
プロピルカーボネート;t−アミルペルオキシアクリロイ
ロキシイソプロピルカーボネート;t−ヘキシルペルオキ
シアクリロイロキシイソプロピルカーボネート;1、1、
3、3−テトラメチルブチルペルオキシアクリロイロキ
シイソプロピルカーボネート;クミルペルオキシアクリ
ロイロキシイソプロピルカーボネート;p−イソプロピル
クミルペルオキシアクリロイロキシイソプロピルカーボ
ネート;t−ブチルペルオキシメタクリロイロキシイソプ
ロピルカーボネート;t−アミルペルオキシメタクリロイ
ロキシイソプロピルカーボネート;t−ヘキシルペルオキ
シメタクリロイロキシイソプロピルカーボネート;1、
1、3、3−テトラメチルブチルペルオキシメタクリロ
イロキシイソプロピルカーボネート;クミルペルオキシ
メタクリロイロキシイソプロピルカーボネート;p−イソ
プロピルクミルペルオキシメタクリロイロキシイソプロ
ピルカーボネート等を例示することができる。
さらに、一般式(II)で表される化合物としては、t−
ブチルオキシアリルカーボネート;t−アミルペルオキシ
アリルカーボネート;t−ヘキシルペルオキシアリルカー
ボネート;1、1、3、3−テトラメチルブチルペルオキ
シアリルカーボネート;p−メンタンペルオキシアリルカ
ーボネート;クミルペルオキシアリルカーボネート;t−
ブチルペルオキシメタリルカーボネート;t−アミルペル
オキシメタリルカボネート;t−ヘキシルペルオキシメタ
リルカーボネート;1、1、3、3−テトラメチルブチル
ペルオキシメタリルカーボネート;p−メンタンペルオキ
シメタリルカーボネート;クミルペルオキシメタリルカ
ーボネート;t−ブチルペルオキシアリロキシエチルカー
ボネート;t−アミルペルオキシアリロキシエチルカーボ
ネート;t−ヘキシルペルオキシアリロキシエチルカーボ
ネート;t−ブチルペルオキシメタリロキシエチルカーボ
ネート;t−アミルペルオキシメタリロキシエチルカーボ
ネート;t−ヘキシルペルオキシメタリロキシエチルカー
ボネート;t−ブチルペルオキシアリロキシイソプロピル
カーボネート;t−アミルペルオキシアリロキシイソプロ
ピルカーボネート;t−ヘキシルペルオキシアリロキシイ
ソプロピルカーボネート;t−ブチルペルオキシメタリロ
キシイソプロピルカーボネート;t−アミルペルオキシメ
タリロキシイソプロピルカーボネート;t−ヘキシルペル
オキシメタリロキシイソプロピルカーボネート等を例示
することができる。
中でも好ましくは、t−ブチルペルオキシアクリロイロ
キシエチルカーボネート;t−ブチルペルオキシメタクリ
ロイロキシエチルカーボネート;t−ブチルペルオキシア
リリルカーボネート;t−ブチルペルオキシメタリルカー
ボネートである。
このラジカル(共)重合性有機過酸化物の使用量は、ビ
ニル単量体100重量部に対して0.1〜10重量部である。
使用量が0.1重量部未満であると、生成する本発明のグ
ラフト化前駆体の有する活性酸素量が少なく、十分なグ
ラフト化能を発揮することが困難となり好ましくない。
また、10重量部を越えると、重合中にラジカル(共)重
合性有機過酸化物が誘発分解を受け、重合完了時点でグ
ラフト化前駆体中に多量のゲルが発生したり、さらにグ
ラフト化前駆体のグラフト化能は高まるものの、同時に
ゲル発生能も増大したりするため好ましくない。
本発明で使用されるラジカル重合開始剤は、10時間の半
減期を得るための分解温度(以下10時間半減温度とい
う)が40〜90℃、好ましくは50〜75℃のものである。な
ぜならば、本発明における重合は、使用されるラジカル
(共)重合性有機過酸化物が全く分解しない条件で行わ
れなければならず、一方ラジカル(共)重合性有機過酸
化物そのものの10時間半減期温度は90〜110℃であるた
め、重合温度としては110℃以下とせざるを得ないから
である。
ラジカル重合開始剤の10時間半減期温度が90℃を超える
と、重合温度が高くなり、ラジカル(共)重合性有機過
酸化物が重合中に分解する可能性が生じ好ましくない。
また、40℃未満であると、エチレン系(共)重合体にビ
ニル単量体が含浸する過程において重合が開始され、生
成するグラフト化前駆体の不均一性をもたらすため好ま
しくない。ここで、10時間半減期温度とは、ベンゼン1
リットル中に重合開始剤を0.1モル添加しある温度で10
時間経過したとき、重合開始剤の分解率が50%となる温
度をいう。
このようなラジカル重合開始剤としては、具体的には、
例えば、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート(4
0.5℃);ジ−n−プロピルペルオキシジカーボネート
(40.5℃);ジミリスチルペルオキシジカーボネート
(40.9℃);ジ(2−エトキシチル)ペルオキシジカー
ボネート(43.4℃);ジ(メトキシイソプロピル)ペル
オキシジカーボネート(43.5℃);ジ(2−エチルヘキ
シル)ペルオキシジカーボネート(43.5℃);t−ヘキシ
ルペルオキシネオデカノエート(44.7℃);ジ(3−メ
チル−3−メトキシブチル)ペルオキシジカーボネート
(46.5℃);t−ブチルペルオキシネオデカノエート(4
6.5℃);t−ヘキシルペルオキシネオヘキサノエート(5
1.3℃);t−ブチルペルオキシネオヘキサノエート(53
℃);2、4−ジクロロベンゾイルペルオキシド(53
℃);t−ヘキシルペルオキシピバレート(53.2℃);t−
ブチルペルオキシピバレート(55℃);3、5、5−トリ
メチルヘキサノイルペルオキシド(59.5℃);オクタノ
イルペルオキシド(62℃);ラウロイルペルオキシド
(62℃);クミルペルオキシオクトエート(65.1℃);
アセチルペルオキシド(68℃);t−ブチルペルオキシ−
2−エチルヘキサノエート(72.5℃);m−トルオイルペ
ルオキシド(73℃);ベンゾイルペルオキシド(74
℃);t−ブチルペルオキシイソブチレート(78℃);1、
1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3、5、5−トリ
メチルシクロヘキサン(90℃)等を挙げることができる
(カッコ内は10時間半減期温度を表す)。
ラジカル重合開始剤の使用量は、ビニル単量体とラジカ
ル(共)重合性有機過酸化物との合計100重量部に対し
て、0.01〜5重量部、好ましくは0.1〜2.5重量部であ
る。この使用量が0.01重量部未満であると、ビニル単量
体及びラジカル(共)重合性有機過酸化物の重合が完全
に行われず好ましくない。また、5重量部を超えると、
重合中にデチレン系(共)重合体の分子間架橋が起こり
やすくなったり、さらにラジカル(共)重合性有機過酸
化物が誘発分解を受けやすくなるので好ましくない。
本発明における重合は、一般に行われている水性懸濁重
合法により行われる。従って、エチレン系(共)重合体
と、これとは別に調整したラジカル重合開始剤とラジカ
ル(共)重合性有機過酸化物とを予めビニル単量体に溶
解させた溶液とを、水性懸濁重合に使用され得る懸濁
剤、例えば水溶性重合体すなわちポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、メチルセルロースその他
等、あるいは難水溶性無機物質例えばリン酸カルシウ
ム、酸化マグネシウムその他等の存在下の水中で攪はん
分散させる。
この場合の水性懸濁液の濃度は任意であるが一般に水10
0重量部に対して反応成分が5〜150重量部の割合で行わ
れる。
本発明において、エチレン系(共)重量体に対する前記
溶液の含浸は、できるだけ高温で行うことが好ましい。
しかしながら、含浸時にラジカル重合開始剤が分解して
重合を開始すると、生成するグラフト化前駆体の組成が
非常に不均質となるから、一般には使用されルラジカル
重合開始剤の10時間半減期温度より、5℃以上低い温度
で行うのが好ましい。
また、含浸後の遊離のビニル単量体、ラジカル(共)重
合性有機過酸化物及びラジカル重合開始剤の合計量は、
初めの全使用量に対して50重量%未満、好ましくは20重
量%未満とすべきである。この量が50重量%以上である
と、本発明のグラフト化前駆体のグラフト化能が極度に
低下するため好ましくない。遊離のビニル単量体、ラジ
カル(共)重合性有機過酸化物及びラジカル重合開始剤
の量は、水性懸濁液の任意量をサンプリングし、これを
300メッシュ程度の金網を用いて手早く濾過して、エチ
レン系(共)重合体と液相とに分離し、液相中のビニル
単量体、ラジカル(共)重合性有機過酸化物及びラジカ
ル重合開始剤の量を測定して算出する。
本発明の重合は、通常30〜110℃の温度で行われる。な
ぜならば、重合中におけるラジカル(共)重合性有機過
酸化物の分解を可能なかぎり防止するためである。
この温度が110℃を超えた場合、重合時間が5時間以上
になると、ラジカル(共)重合性有機過酸化物の分解量
が多くなり好ましくない。重合時間としては、一般に2
〜20時間が適当である。
また、本発明のグラフト化前駆体は、その中にブレンド
されているビニル共重合体が、活性酸素量として0.01〜
0.73重量%を含有していなければならない。
活性酸素量が0.01重量%未満であると、グラフト化前駆
体のグラフト化能が極度に低下し好ましくない。また、
0.73重量%を超えた場合、グラフト化の際のゲル生成能
が高まり、同様に好ましくない。
なお、この場合の活性酸素量は、本発明のグラフト化前
駆体から溶剤抽出によりビニル共重合体を抽出し、この
ビニル共重合体の活性酸素量をヨードメトリー法により
求めることによって、算出することが可能である。
本発明のグラフト化前駆体をグラフト化させるために
は、一般に単に加熱するだけでよい。例えば、押し出し
機、射出成形機、ミキサー等により、加熱溶融すること
によって、高いグラフト効率を有する樹脂組成物が得ら
れる。
[発明の効果] 本発明によるグラフト化前駆体は、加熱するのみで高い
グラフト効率を有する樹脂組成物を製造することが可能
である。従って、加熱処理された樹脂組成物は、従来の
水性懸濁重合法で得られたものに比べて、二次加工によ
るビニル重合体の凝集が少なくなると考えられ、さらに
高分子相溶化剤としての効果も高いと期待される。
また、本発明によるグラフト化前駆体の製造方法は、水
性懸濁重合法であるので、特別な装置を必要とせず、容
易に大量のグラフト化前駆体を製造することが可能であ
る。さらに、従来の製造方法に比べてビニル系重合体を
大量に導入することも可能である。
[実施例] 以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1 内容積5lのステンレス製オートクレーブに、純水2500g
を入れ、さらに懸濁剤としてポリビニルアルコール25g
を溶解させた。この中に、密度0.925g/cm3の低密度エチ
レン重合体(商品名「スミカセンG−401」、住友化学
工業株式会社製、粒径3〜4mm)700gを入れ、攪拌して
分散させた。別に、ラジカル重合開始剤としてベンゾイ
ルペルオキシド(商品名「ナイパーB」、日本油脂株式
会社製、10時間半減期温度74℃)1.5g、ラジカル(共)
重合性有機過酸化物としてt−ブチルペルオキシメタク
リロイロキシエチルカーボネート6gをビニル単量体とし
てのスチレン300gに溶解させ、この溶液を前記オートク
レーブ中に投入攪拌した。
次いで、オートクレーブを60〜65℃に昇温し、1時間攪
拌することによつて、ラジカル重合開始剤及びラジカル
(共)重合性有機過酸化物を含むビニル単量体を低密度
エチレン重合体中に含浸させた。次いで、遊離のビニル
単量体、ラジカル(共)重合性有機過酸化物及びラジカ
ル重合開始剤の含有量が初めの50重量%未満となつてい
ることを確認した後、温度を80〜85℃に上げ、その温度
で7時間維持して重合を完結させ、水洗及び乾燥してグ
ラフト化前駆体を得た。
このグラフト化前駆体をプレスによつてフイルムにし、
赤外線吸収スペクトルの1603cm-1のポリスチレンの特性
吸収からスチレン共重合体の含有量を算出したところ、
29重量%であつた。また、このグラフト化前駆体から、
酢酸エチルで室温下7日間の抽出を行ない、スチレン系
重合体溶液を得、それをメタノール中に投入して白色粉
末状スチレン系重合体を得た。このスチレン系重合体の
活性酸素量をヨードメトリー法により測定した結果、0.
13重量%であつた。さらに、このグラフト化前駆体をソ
ツクスレー抽出器でキシレンにより抽出したところ、キ
シレン不溶分は存在しなかつた。
参考例1 実施例1において得たグラフト化前駆体を、ラボプラス
トミルB−75型ミキサーを用い180℃で10分間混練し
て、グラフト化反応を行なつた。このグラフト化反応し
たものについて、ソツクスレー抽出器で、酢酸エチルに
よりグラフト化していないスチレン系重合体を抽出した
結果、全量に対して3.3重量%であつた。よつて、スチ
レン系重合体のグラフト効率は89重量%と算出された。
また、キシレンによる抽出ではキシレン不溶分が17.5重
量%であり、さらにこのキシレン不溶分を熱分解ガスク
ロマトグラフイーにより分析した結果、低密度エチレン
重合体;スチレン系重合体は、79.0重量%:21.0重量%
であつた。
比較例1 実施例1において、t−ブチルペルオキシメタクリロイ
ロキシエチルカーボネートを使用しないこと以外は、実
施例1に準じてグラフト化前駆体を製造した。
このグラフト化前駆体について、実施例1と同様にスチ
レン系重合体含有量、活性酸素量、キシレン不溶分を測
定したところ、スチレン系重合体含有量29重量%、活性
酸素量0重量%、キシレン不溶分0重量%であつた。
さらに、このグラフト化前駆体を用い、参考例1に準じ
てグラフト化反応を行ない、グラフト効率を求めたとこ
ろ、グラフト効率は1重量%であり、ほとんどグラフト
化能はなかつた。
比較例2 実施例1において、t−ブチルペルオキシメタクリロイ
ロキシエチルカーボネートをジクミルペルオキシドに変
えた以外は、実施例1に準じてグラフト化前駆体を製造
した。
このとき、スチレン系重合体含有量29重量%、活性酸素
量0.01重量%、キシレン不溶分0重量%であつた。
この活性酸素量0.01重量%ということは、酢酸エチルに
より抽出されたジクミルペルオキシドが、再沈殿溶媒で
あるメタノール・酢酸エチル系溶媒に溶解したことと、
重合中に低密度エチレン重合体中に分配したためと思わ
れる。
このグラフト化前駆体を参考例1に準じて処理した結
果、低密度エチレン重合体とスチレン系重合体とのグラ
フト効率は6.7重量%であり、ジクミルペルオキシド
は、ほとんど低密度エチレン重合体の分子間架橋に働い
たと考えられる。また、キシレン不溶分は35重量%で、
その組成は、低密度エチレン重合体;スチレン系重合体
が99.0重量%:1.0重量%であつた。なお、グラフト効率
算出のときの酢酸エチル可溶分は、28重量%であつた。
実施例2 実施例1において、スチレン300gをメタクリル酸メチル
300gに変えた以外は、実施例1に準じてグラフト化前駆
体を製造した。
このグラフト化前駆体について、実施例1と同様に分析
した結果、メタクリル酸メチル系重合体26重量%(赤外
線吸収スペクトルによる定量は、1720〜1730cm-1のカル
ボニル吸収で行なつた)、活性酸素量0.12重量%、キシ
レン不溶分0重量%であつた。
参考例2 参考例1に準じて、実施例2で得たグラフト化前駆体の
グラフト化を行なつた。その結果、グラフト効率は53重
量%であつた。
比較例3 内容積5lのステンレス製オートクレーブに、純水2500g
を入れ、さらに懸濁剤としてポリビニルアルコール25g
を溶解させた。この中に、スチレン1000g、ベンゾイル
ペルオキシド5g及びt−ブチルペルオキシメタクリロイ
ロキシエチルカーボネート20gの混合物を加え、80〜85
℃で7時間で重合を完結させ、ペルオキシ基含有スチレ
ン系重合体組成物を得た。
このペルオキシ基含有スチレン系重合体組成物を5gをベ
ンゼンに溶解させ、次いでメタノール中に投入すること
により、共重合していないペルオキシドを取り除き、ペ
ルオキシ基含有スチレン系重合体を得た。この重合体の
活性酸素量は0.13重量%であり、実施例1で得たものと
はほぼ同一のスチレン系重合体が生成した。
次いで、実施例1で使用した低密度エチレン重合体70重
量部と、上記ペルオキシ基含有スチレン系重量体30重量
部とを混合し、参考例1に準じてグラフト化反応を行な
つた。その結果、グラフト効率0重量%、キシレン不溶
分23重量%、その不溶分組成すなわち低密度エチレン重
合体:スチレン系重合体は、1重量%:99重量%であつ
た。つまり、この場合はグラフト化反応は全く起こら
ず、スチレン系重合体の分子間架橋反応のみが起こつた
ことになる。
実施例3 実施例1において、スチレン300gを酢酸ビニル300gに、
t−ブチルペルオキシメタクリロイロキシエチルカーボ
ネート6gをt−ブチルペルオキシアリルカーボネート20
gに変えた以外は、実施例1に準じてグラフト化前駆体
を製造した。
このグラフト化前駆体をプレスによつてフイルム化し、
赤外線吸収スペクトルで1720〜1730cm-1のカルボニル吸
収から定量し、ポリ酢酸ビニルの含有量を求めたとこ
ろ、28.5重量%であつた。また、このグラフト化前駆体
から、メタノールにより室温下7日間でポリ酢酸ビニル
を抽出し、さらに石油エーテル中に投入し、ポリ酢酸ビ
ニル粉末を得た。このポリ酢酸ビニルの活性酸素量は、
0.17重量%、またこのグラフト化前駆体のキシレン不溶
分は、1.7重量%であつた。
参考例3 参考例1において、グラフト化前駆体として実施例3で
得たものを用い、グラフト効率を算出する際の抽出溶媒
を酢酸エチルからメタノールに変えた以外は、参考例1
に準じてグラフト化反応を行なつた。その結果、グラフ
ト効率は65重量%であつた。
実施例4 実施例1において、ビニル単量体としてスチレン225g、
アクリロニトリル75gを用いる以外は、実施例1に準じ
てグラフト化前駆体を得た。
このグラフト化前駆体の組成は、重合終了時の収率(こ
の収率は、形状がペレツト状のもののみの収率で、パウ
ダー状のものは、ビニル系単独共重合体であるので除外
した)からビニル系重合体が28重量%であった。また、
実施例1に準じて測定したビニル系重合体の活性酸素量
は0.13重量%、キシレン不溶分は1重量%であつた。
参考例4 参考例1において、グラフト化前駆体として実施例4で
得たものを使用した以外は、参考例1に準じてグラフト
化反応を行なつた。その結果、グラフト効率は72重量%
であつた。
実施例5 実施例1において、ラジカル重合開始剤をベンゾイルペ
ルオキシドからラウロイルペルオキシド(商品名「パー
ロイルL」、日本油脂株式会社製、10時間半減期温度62
℃)に変え、それに伴い重合温度を70〜75℃、重合時間
を9時間とした以外は、実施例1に準じてグラフト化前
駆体を得た。
このグラフト化前駆体について、その組成はスチレン系
重合体29重量%、スチレン系重合体の活性酸素量0.12重
量%、キシレン不溶分0重量%であつた。
比較例4 実施例1において、ラジカル重合開始剤をベンゾイルペ
ルオキシドからt−ブチルペルオキシベンゾエート(商
品名「パーブチルZ」、日本油脂株式会社製、10時間半
減期温度104℃)に変え、それに伴い重合温度を120℃、
重合時間を6時間とした以外は、実施例1に準じてグラ
フト化前駆体を得た。
このグラフト化前駆体は、キシレン不溶分94重量%であ
り、これは、重合中にt−ブチルペルオキシメタクリロ
イロキシエチルカーボネートが分解し、分子間架橋が起
こつたものと考えられる。
比較例5 実施例1において、含浸温度を90℃に変えた以外は、実
施例1に準じてグラフト化前駆体を得た。
このグラフト化前駆体は、粒径4〜5mmのペレツト状の
ものと粒径1mm未満のパウダー状のものとの混合物であ
り、パウダー状のものは、熱分解ガスクロマトグラフイ
ーにより測定した結果、スチレン系単独重合体で、その
収量は232gであつた。グラフト化前駆体について、スチ
レン重合体の活性酸素量は0.11重量%、キシレン不溶分
は2重量%、スチレン系重合体の含有量は全収量から算
出して28重量%であつた。
次いで、参考例1に準じてグラフト化反応を行なつたと
ころ、グラフト効率は19重量%であつた。
実施例6〜9 実施例1において、低密度エチレン重合体、スチレン、
ベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシメタク
リロイロキシエチルカーボネートの量を表1のように変
化させ、グラフト化前駆体を製造した。
さらに、それぞれのグラフト化前駆体を用い、参考例1
に準じてグラフト化反応を行ない、得られたグラフト化
物のグラフト効率、キシレン不溶分を測定した。結果は
表1に示した。
比較例6〜9 実施例1において、低密度エチレン重合体、スチレン、
ベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシメタク
リロイロキシエチルカーボネートの量を表2のように変
化させ、グラフト化前駆体を製造した。
さらに、それぞれのグラフト化前駆体を用い、参考例1
に準じてグラフト化反応を行ない、得られたグラフト化
物のグラフト効率、キシレン不溶分を測定した。結果は
表2に示した。
比較例10 実施例1において、ラジカル重合開始剤をベンゾイルペ
ルオキシドからクミルペルオキシネオデカノエート(商
品名「パークミルND」、日本油脂株式会社製、10時間半
減期温度36.6℃)に変え、それに伴い含浸温度35℃、含
浸時間を2時間にし、さらに重合温度を60℃とした以外
は、実施例1に準じてグラフト化前駆体を製造した。
このグラフト化前駆体は、表面が透明樹脂で覆われ、さ
らにスチレン系単独重合体であるパウダー状のものが、
仕込みスチレン量の63重量%にも達した。
このグラフト化前駆体を用い、参考例1に準じてグラフ
ト化反応を行なつたところ、グラフト効率は9重量%で
あつた。
実施例10 実施例1で用いた低密度エチレン重合体をエポキシ基含
有エチレン共重合体(エチレン−メタクリル酸グリシジ
ル共重合体、メタクリル酸グリシジル含有量15重量%、
ペレツト状)に変え、オートクレーブを60〜65℃に昇温
しての攪拌を1時間から、2時間に変えた以外は実施例
1に準じて重合を行いグラフト化前駆体を得た。
このグラフト化前駆体を実施例1に準じてフイルム化
し、スチレン系重合体の含有量を算出したところ28.7重
量%であつた。
また、このグラフト化前駆体から、実施例1に準じてス
チレン系重合体を抽出して得、その活性酸素量を測定し
た結果、0.13重量%であつた。
さらに、このグラフト化前駆体を実施例1に準じてキシ
レンにより抽出したところ、キシレン不溶分は存在しな
かつた。
参考例5 実施例10において得たグラフト化前駆体を、参考例1に
準じてグラフト化反応を行なつた。
このグラフト化反応したものを、参考例1に準じて、酢
酸エチルによりグラフト化していないスチレン重合体を
抽出した結果、全量に対して6.6重量%であつた。
また、キシレンによる抽出では、キシレン不溶分が19.3
重量%であつた。(グラフト効率とは、全重合ポリスチ
レンに対するグラフト化ポリスチレン割合を表わす。
比較例11 実施例10において、t−ブチルペルオキシメタクリロイ
ロキシエチルカーボネートを使用しないこと以外は、実
施例10に準じてグラフト化前駆体を製造した。
このグラフト化前駆体について、実施例10と同様にスチ
レン重合体含有量、活性酸素量、キシレン不溶分を測定
したところ、スチレン重合体含有量28.5重量%、活性酸
素量0重量、キシレン不溶分0重量%であつた。
さらに、このグラフト化前駆体を用い、参考例1に準じ
てグラフト化反応を行ない、グラフト効率を求めたとこ
ろ、グラフト効率は0重量%であり、全くグラフト化能
力はなかつた。
比較例12 実施例10において、t−ブチルペルオキシメタクリロイ
ロキシエチルカーボネートをジクミルペルオキシドに変
えたい以外は、実施例10に準じてグラフト化前駆体を製
造した。
このとき、スチレン重合体含有量28.5重量%、活性酸素
量0.02重量%、キシレン不溶分0重量%であつた。
この活性酸素量0.02重量%ということは、酢酸エチルに
より抽出されたジクミルペルオキシドが、再沈殿溶媒で
あるメタノール/酢酸エチル系溶媒に溶解したことと、
重合中にエポキシ基含有エチレン共重合体中に分配した
ためと思われる。
このグラフト化前駆体を参考例1に準じて処理した結
果、エポキシ基含有エチレン共重合体とスチレン重合体
とのグラフト効率は1.4重量%であり、ジクミルペルオ
キドによるグラフト化反応はほとんど起こらなかつた。
また、キシレン不溶分は35.6重量%であつた。
実施例11 実施例10において、スチレン300gをメタクリル酸メチル
300gに変えた以外は、実施例10に準じてグラフト化前駆
体を製造した。
このグラフト化前駆体の収量より、メタクリル酸メチル
重合体の含有量を測定した結果、27.9重量%であつた。
また、活性酸素量0.12重量%、キシレン不溶分0.3重量
%であつた。
参考例6 参考例1に準じて、実施例11で得たグラフト化前駆体の
グラフトを行なつた。その結果、メタクリル酸メチル重
合体のグラフト効率は65.3重量%であつた。
比較例13 内容積5lのステンレス製オートクレーブに、純水2500g
を入れ、さらに懸濁剤としてポリビニルアルコール2.5g
を溶解させた。この中に、スチレン1000g、ベンゾイル
ペルオキシド5g及びt−ブチルペルオキシメタクリロイ
ロキシエチルカーボネート20gの混合物を加え、80〜85
℃7時間で重合を完結させ、ペルオキシ基含有スチレン
共重合組成体を得た。
この重合体組成物5gをベンゼンに溶解させ、次いでメタ
ノール中に投入することにより、共重合していないペル
オキシドを取り除き、ペルオキシ基含有スチレン共重合
体を得た。この共重合体の活性酸素量は0.13重量%であ
り、実施例10で得たものとほぼ同一のスチレン重合体が
生成した。
次いで、実施例10で使用したエポキシ基含有エチレン共
重合体70重量部と、上記ペルオキシ基含有スチレン共重
量体30重量部とを混合し、参考例1に準じてグラフト化
反応を行なつた。その結果、スチレン共重合体のグラフ
ト効率0重量%、キシレン不溶分27.2重量%、不溶分は
スチレン共重合体の自己架橋物であつた。つまり、この
場合はグラフト化反応は全く起こらず、スチレン共重合
体の分子間架橋のみが起こつた。
実施例12 実施例10において、スチレン300gを酢酸ビニル300g、t
−ブチルペルオキシメタクリロイロキシエチルカーボネ
ート6gをt−ブチルペルオキシアリルカーボネート6gに
変えた以外は実施例10に準じてグラフト化前駆体を製造
した。
このグラフト化前駆体の収量より、酢酸ビニル重合体の
含有量を測定した結果、28.1重量%であつた。また、こ
のグラフト化前駆体から、メタノールにより室温7日間
で酢酸ビニル重合体を抽出し、さらに石油エーテル中に
投入し、酢酸ビニル重合体粉末を得た。この酢酸ビニル
重合体の活性酸素量は0.15重量%、また、このグラフト
化前駆体のキシレン不溶分は1.3重量%であつた。
参考例7 参考例1において、グラフト化前駆体として実施例12で
得たものを用い、グラフト効率を算出する際の抽出溶媒
を酢酸エチルからメタノールに変えた以外は、参考例1
に準じてグラフト化反応を行なつた。その結果、グラフ
ト効率は65.2重量%であつた。
実施例13 実施例10において、ビニル単量体としてスチレン225g、
アクリロニトリル75gを用いる以外は、実施例10に準じ
てグラフト化前駆体を得た。このグラフト化前駆体の収
率より、スチレン−アクリロニトリル共重合体の含有量
は、27.8重量%であつた。また、実施例10に準じて測定
したスチレン−アクリロニトリル共重合体の活性酸素量
は0.13重量%、キシレン不溶分は1重量%であつた。
参考例8 参考例1において、グラフト化前駆体として実施例13で
得たものを使用した以外は、参考例1に準じてグラフト
化反応を行なつた。その結果、グラフト効率は72.5重量
%であつた。
実施例14 実施例10において、ラジカル重合開始剤をベンゾイルオ
キシドからラウロイルペルオキシド(商品名「パーロイ
ルL」、日本油脂(株)製、10時間半減期温度62℃)に
変え、それに伴い重合温度を70〜75℃、重合時間を9時
間とした以外は、実施例10に準じてグラフト化前駆体を
得た。このグラフト化前駆体について、その組成はスチ
レン系重合体28重量%、スチレン系重合体の活性酸素量
0.12重量%、キシレン不溶分0.2重量%であつた。
比較例14 実施例10において、ラジカル重合開始剤をベンゾイルペ
ルオキシドからt−ブチルペルオキシベンゾエート(商
品名「パーブチルZ」、日本油脂(株)製、10時間半減
期温度104℃)に変え、それに伴い重合温度を120℃、重
合時間を6時間とした以外は、実施例10に準じてグラフ
ト化前駆体を得た。このグラフト化前駆体はキシレン不
溶分95重量%であり、これは重合中にt−ブチルペルオ
キシメタクリロイロキシエチルカーボネートが分解し、
分子間架橋が起こつたものと考えられる。
実施例15 実施例10において、エポキシ基含有エチレン共重合体を
エチレン82重量%、メタクリル酸グリシジル12重量%、
酢酸ビニル6重量%からなるものに変えた以外は、実施
例10に準じてグラフト化前駆体を得た。
このグラフト化前駆体の収率より、スチレン重合体の含
有量は28.7重量%、また、実施例10に準じて測定したス
チレン重合体の活性酸素量は0.13重量%であつた。
実施例16〜19 実施例10において、エポキシ基含有エチレン共重合体、
スチレン、ベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオ
キシメタクリロイロキシエチルカーボネートの量を表3
のように変化させ、グラフト化前駆体を製造した。さら
に、それぞれのグラフト化前駆体を用い、参考例1に準
じてグラフト化反応を行ない、得られたグラフト化物の
グラフト効率、キシレン不溶分を測定した。結果は表3
に示す。
比較例15〜18 実施例10において、エポキシ基含有エチレン共重合体、
スチレン、ベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオ
キシメタクリロイロキシエチルカーボネートの量を表4
のように変化させ、グラフト化前駆体を得た。さらに、
それぞれのグラフト化前駆体を用い、参考例1に準じて
グラフト化反応を行ない、得られたグラフト化物のグラ
フト効率、キシレン不溶分を測定した。結果は表4に示
した。
比較例19 実施例10において、ラジカル重合開始剤をベンゾイルペ
ルオキシドからクミルペルオキシネオデカノエート(商
品名「パークミルND」、日本油脂(株)製、10時間半減
期温度36.6℃)に変え、それに伴い含浸温度を35℃、含
浸時間を2時間にし、さらに重合温度を60℃とした以外
は、実施例10に準じてグラフト化前駆体を得た。このグ
ラフト化前駆体は、表面が透明樹脂で覆われ、さらに、
スチレン単独重合体であるパウダー状(含浸重合したグ
ラフト化前駆体はペレツト状)のものが、仕込みスチレ
ン量の63重量%にも達した。
このグラフト化前駆体を用い、参考例1に準じてグラフ
ト化反応を行なつたところ、グラフト効率は9.4重量%
であつた。
実施例20 実施例1で用いた低密度エチレン重合体をエチレン−ア
クリル酸エチル共重合体(商品名「日石レクスロンEEA
A−4200」、日本石油化学株式会社製、アクリル酸エチ
ル含有量20重量%、ペレツト状)に変え、オートクレー
ブを60〜65℃に昇温しての攪拌を1時間から、2時間に
変えた以外は実施例1に準じて重合を行いグラフト化前
駆体を得た。
このグラフト化前駆体を実施例1に準じてフイルム化
し、スチレン系重合体の含有量を算出したところ29.5重
量%であつた。
また、このグラフト化前駆体から、実施例1に準じてス
チレン系重合体を抽出して得、その活性酸素量を測定し
た結果、0.13重量%であつた。
さらに、このグラフト化前駆体を実施例1に準じてキシ
レンにより抽出したところ、キシレン不溶分は存在しな
かつた。
参考例9 実施例20において得たグラフト化前駆体を、参考例1に
準じてグラフト化反応を行なつた。
得られたグラフト化物について、ソックスレー抽出器で
スチレン重合体を抽出した結果、グラフト化物に対して
5.9重量%であつた。
よつて、スチレン系重合体全量に対するグラフト化スチ
レン系重合体の割合を示すグラフト効率は、80.3重量%
と算出された。
また、キシレンによる抽出ではキシレン不溶分が22.3重
量%であつた。
比較例20 実施例20において、t−ブチルペルオキシメタクリロイ
ロキシエチルカーボネートを使用しないこと以外は、実
施例20に準じてグラフト化前駆体を製造した。
このグラフト化前駆体について、実施例20と同様にスチ
レン系重合体含有量、活性酸素量、キシレン不溶分を測
定したところ、スチレン系重合体含有量29.3重量%、活
性酸素量0重量%、キシレン不溶分0重量%であつた。
さらに、このグラフト化前駆体を用い、参考例1に準じ
てグラフト化反応を行ない、グラフト効率を求めたとこ
ろ、グラフト効率は0重量%であり、全くグラフト化能
はなかつた。
比較例21 実施例20において、t−ブチルペルオキシメタクリロイ
ロキシエチルカーボネートをジクミルペルオキシドに変
えた以外は、実施例20に準じてグラフト化前駆体を製造
した。
このとき、スチレン系重合体含有量29.3重量%、活性酸
素量0.03重量%、キシレン不溶分0重量%であつた。
この活性酸素量0.03重量%ということは、酢酸エチルに
より抽出されたジクミルペルオキシドが、再沈殿溶媒で
あるメタノール・酢酸エチル系溶媒に溶解したことと、
重合中にエチレン−アクリル酸エチル共重合体中に分配
したためと思われる。
このグラフト化前駆体を参考例1に準じて処理した結
果、エチレン−アクリル酸エチル共重合体とスチレン系
重合体とのグラフト効率は0.8重量%であり、ジクミル
ペルオキシドによるグラフト化反応はほとんど起こらな
かつた。また、キシレン不溶分は29.7重量%であつた。
実施例21 実施例20において、スチレン300gはメタクリル酸メチル
300gに変えた以外は、実施例20に準じてグラフト化前駆
体を製造した。
このグラフト化前駆体の収量から、メタクリル酸メチル
共重合体の含有量を求めたところ、28.5重量%であつ
た。また、活性酸素量0.11重量%、キシレン不溶分0.1
重量%であつた。
参考例10 参考例1に準じて、実施例21で得たグラフト化前駆体の
グラフト反応を行なつた。その結果、メタクリル酸メチ
ル系重合体のグラフト効率は70.7重量%であつた。
比較例22 内容積5lのステンレス製オートクレーブに、純水2500g
を入れ、さらに懸濁剤としてポリビニルアルコール2.5g
を溶解させた。この中に、スチレン1000g、ベンゾイル
ペルオキシド5g及びt−ブチルペルオキシメタクリロイ
ロキシエチルカーボネート20gの混合物を加え、80〜85
℃で7時間で重合を完結させ、ペルオキシ基含有スチレ
ン系重合体組成物を得た。
このペルオキシ基含有スチレン系重合体組成物5gをベン
ゼンに溶解させ、次いでメタノール中に投入することに
より、共重合していないペルオキシドを取り除き、ペル
オキシ基含有スチレン系重合体を得た。この重合体の活
性酸素量は0.13重量%であり、実施例20で得たものとほ
ぼ同一のスチレン系重合体が生成した。
次いで、実施例20で使用したエチレン−アクリル酸エチ
ル共重合体70重量部と、上記ペルオキシ基含有スチレン
系重合体30重量部とを混合し、参考例1に準じてグラフ
ト化反応を行なつた。その結果、スチレン系重合体のグ
ラフト効率0重量%、キシレン不溶分31.5重量%で、キ
シレン不溶分は、ほとんどがスチレン系重合体の自己架
橋物であつた。
つまり、この場合はグラフト化反応は全く起こらず、ス
チレン系重合体の分子間架橋反応のみが起こつたことに
なる。
実施例22 実施例20において、スチレン300gを酢酸ビニル300gに、
t−ブチルペルオキシメタクリロイロキシエチルカーボ
ネート6gをt−ブチルペルオキシアリルカーボネート6g
に変えた以外は、実施例20に準じてグラフト化前駆体を
製造した。
このグラフト化前駆体の収量から、酢酸ビニル重合体の
含有量を求めたところ、28.4重量%であつた。また、こ
のグラフト化前駆体から、メタノールにより室温下7日
間で酢酸ビニル重合体を抽出し、さらに石油エーテル中
に投入し、酢酸ビニル重合体粉末を得た。この酢酸ビニ
ル重合体の活性酸素量は0.15重量%、またこのグラフト
化前駆体のキシレン不溶分は、1.9重量%であつた。
参考例11 参考例1において、グラフト化前駆体として実施例22で
得たものを用い、グラフト効率を算出する際の抽出溶媒
を酢酸エチルからメタノールに変えた以外は、参考例1
に準じてグラフト化反応を行なつた。その結果、グラフ
ト効率は、74.4重量%であつた。
実施例23 実施例20において、ビニル単量体としてスチレン225g、
アクリロニトリル75gを用いる以外は、実施例20に準じ
てグラフト化前駆体を得た。このグラフト化前駆体の収
量から、スチレン−アクリロニトリル共重合体の含有量
を求めたところ、29.1重量%であつた。また、実施例20
に準じて測定したスチレン−アクリロニトリル共重合体
の活性酸素量は0.13重量%、キシレン不溶分は0.3重量
%であつた。
参考例12 参考例1において、グラフト化前駆体として実施例23で
得たものを使用した以外は、参考例1に準じてグラフト
化反応を行なつた。その結果、グラフト効率は77.1重量
%であつた。
実施例24 実施例20において、ラジカル重合開始剤をペンゾイルオ
キシドからラウロイルペルオキシド(商品名「パーロイ
ルL」、日本油脂株式会社製、10時間半減期温度62℃)
に変え、それに伴い重合温度を70〜75℃、重合時間を9
時間とした以外は、実施例20に準じてグラフト化前駆体
を得た。
このグラフト化前駆体について、その組成はスチレン系
重合体28.9重量%、スチレン系重合体の活性酸素量0.13
重量%、キシレン不溶分0.1重量%であつた。
比較例23 実施例20において、ラジカル重合開始剤をベンゾイルペ
ルオキシドからt−ブチルペルオキシベンゾエート(商
品名「パーブチルZ」、日本油脂株式会社製、10時間半
減期温度104℃)に変え、それに伴い重合温度を120℃、
重合時間を6時間とした以外は、実施例20に準じてグラ
フト化前駆体を得た。
このグラフト化前駆体は、キシレン不溶分89重量%であ
り、これは、重合中にt−ブチルペルオキシメタクリロ
イロキシエチルカーボネートが分解し、分子間架橋が起
こつたものと考えられる。
実施例25 実施例20において、エチレン−アクリル酸エチル共重合
体を、エチレン95重量%、アクリル酸エチル5重量%か
らなる共重合体(商品名「日石レクスロンEEA A−305
0」、日本石油化学株式会社製)に変えた以外は、実施
例20に準じてグラフト化前駆体を得た。
このグラフト化前駆体の収量から、スチレン重合体の含
有量を求めたところ、28.5重量%であつた。また、実施
例20に準じて測定したスチレン重合体の活性酸素量は0.
12重量%であつた。
実施例26〜29 実施例20において、エチレン−アクリル酸エチル共重合
体、スチレン、ベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペ
ルオキシメタクリロイロキシエチルカーボネートの量を
表5のように変化させ、グラフト化前駆体を製造した。
さらに、それぞれのグラフト化前駆体を用い、参考例1
に準じてグラフト化反応を行ない、得られたグラフト化
物のグラフト効率、キシレン不溶分を測定した。結果は
表5に示した。
比較例24〜27 実施例20において、エチレン−アクリル酸エチル共重合
体、スチレン、ベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペ
ルオキシメタクリロイロキシエチルカーボネートの量を
表6のように変化させ、グラフト化前駆体を製造した。
さらに、それぞれのグラフト化前駆体を用い、参考例1
に準じてグラフト化反応を行ない、得られたグラフト化
物のグラフト効率、キシレン不溶分を測定した。結果は
表6に示した。
比較例28 実施例20において、ラジカル重合開始剤をベンゾイルペ
ルオキシドからクミルペルオキシネオデカノエート(商
品名「パークミルND」、日本油脂株式会社製、10時間半
減期温度36.6℃)に変え、それに伴い含浸温度を35℃、
含浸時間を2時間にし、さらに重合温度を60℃とした以
外は、実施例20に準じてグラフト化前駆体を製造した。
このグラフト化前駆体は、表面が透明樹脂で覆われ、さ
らにスチレン系単独重合体であるパウダー状(含浸重合
したグラフト化前駆体はペレツト状である)のものが、
仕込みスチレン量の54重量%にも達した。
このグラフト化前駆体を用い、参考例1に準じてグラフ
ト化反応を行なつたところ、グラフト効率は10.7重量%
であつた。
実施例30 実施例1で用いた低密度エチレン重合体をエチレン−酢
酸ビニル共重合体(商品名「日石レクスロン エバ V
−270」、日本石油化学(株)製、酢酸ビニル含有量 1
5重量%、ペレッ状)に変え、オートクレーブを60〜65
℃に昇温しての攪拌を1時間から、2時間に変えた以外
は実施例1に準じて重合を行いグラフト化前駆体を得
た。
このグラフト化前駆体を実施例1に準じてフイルム化
し、スチレン系重合体の含有量を算出したところ29.6重
量%であつた。
また、このグラフト化前駆体から、実施例1に準じてス
チレン系重合体を抽出して得、その活性酸素量を測定し
た結果、0.12重量%であつた。
さらに、このグラフト化前駆体を実施例1に準じてキシ
レンにより抽出したところ、キシレン不溶分は存在しな
かつた。
参考例13 実施例30において得たグラフト化前駆体を、参考例1に
準じてグラフト化反応を行なつた。
このグラフト化反応したものを、参考例1に準じて、酢
酸エチルによりグラフト化していないスチレン重合体を
抽出した結果、全量に対して5.7重量%であつた。
よってスチレン重合体のグラフト効率は81重量%と算出
された。また、キシレンによる抽出では、キシレン不溶
分が23.7重量%であった。
比較例29 実施例30において、t−ブチルペルオキシメタクリロイ
ロキシエチルカーボネートを使用しないこと以外は、実
施例30に準じてグラフト化前駆体を製造した。
このグラフト化前駆体について、実施例30と同様にスチ
レン重合体含有量、活性酸素量、キシレン不溶分を測定
したところ、スチレン重合体含有量29.5重量%、活性酸
素量0重量%、キシレン不溶分0重量%であった。
さらに、このグラフト化前駆体を用い、参考例1に準じ
てグラフト化反応を行い、グラフト効率を求めたとこ
ろ、グラフト効率は0.3重量%であり,ほとんどグラフ
ト化能力はなかった。
比較例30 実施例30において、t−ブチルペルオキシメタクリロイ
ロキシエチルカーボネートをジクミルペルオキシドに変
えた以外は、実施例30に準じてグラフト化前駆体を製造
した。
このとき、スチレン重合体含有量は29.6重量%、活性酸
素量0.03重量%、キシレン不溶分0重量%であった。
この活性酸素量0.03重量%ということは、酢酸エチルに
より抽出されたジクミルペルオキシドが、再沈殿溶媒で
あるメタノール/酢酸エチル系溶媒に溶解したことと、
重合中にエチレン−酢酸ビニル共重合体中に分配したた
めと思われる。
このグラフト化前駆体を参考例1に準じて処理した結
果、エチレン−酢酸ビニル共重合体とスチレン重合体と
のグラフト効率は1.2重量%であり、ジクミルペルオキ
シドによるグラフト化反応はほとんど起こらなかった。
また、キシレン不溶分は32.4重量%であつた。
実施例31 実施例30において、スチレン300gをメタクリル酸メチル
300gに変えた以外は、実施例30に準じてグラフト化前駆
体を製造した。
このグラフト化前駆体の収量より、メタクリル酸メチル
重合体の含有量を測定した結果、29.1重量%であった。
また、活性酸素量0.12重量%、キシレン不溶分0.3重量
%であった。
参考例14 参考例13に準じて、実施例31で得たグラフト化前駆体の
グラフト化を行った。その結果、メタクリル酸メチル重
合体のグラフト効率は72.1重量%であった。
比較例31 内容積5lのステンレス製オートクレーブに、純水2500g
を入れ、さらに懸濁剤としてポリビニルアルコール2.5g
を溶解させた。この中に、スチレン1000g、ベンゾイル
ペルオキシド5g及びt−ブチルペルオキシメタクリロイ
ロキシエチルカーボネート20gの混合物を加え、80〜85
℃、7時間で重合を完結させ、ペルオキシ基含有スチレ
ン共重合体を得た。
この重合体組成物5gをベンゼンに溶解させ、次いでメタ
ノール中に投入することにより、共重合していないペル
オキシドを取り除き、ペルオキシ基含有スチレン共重合
体を得た。この共重合体の活性酸素量は0.12重量%であ
り、実施例30で得たものとほぼ同一のスチレン重合体が
生成した。
次いで、実施例30で使用したエチレン−酢酸ビニル共重
合体70重量部と、上記ペルオキシ基含有スチレン共重合
体30重量部とを混合し、参考例13に準じてグラフト化反
応を行った。その結果、スチレン共重合体のグラフト効
率0.2重量%、キシレン不溶分34.1重量%、不溶分はほ
とんどがスチレン共重合体の自己架橋物であった。
つまり、この場合はグラフト化反応は全く起こらず、ス
チレン共重合体の分子間架橋のみが起こった。
実施例32 実施例30において、スチレン300gを酢酸ビニル300g、t
−ブチルペルオキシメタクリロイロキシエチルカーボネ
ート6gをt−ブチルペルオキシアリルカーボネート6gに
変えた以外は実施例30に準じてグラフト化前駆体を製造
した。
このグラフト化前駆体の収量より、酢酸ビニル重合体の
含有量を測定した結果、28.8重量%であった。また、こ
のグラフト化前駆体から、メタノールにより室温下7日
間で酢酸ビニル重合体を抽出し、さらに石油エーテル中
に投入し、酢酸ビニル重合体粉末を得た。この酢酸ビニ
ル重合体の活性酸素量は0.14重量%、また、このグラフ
ト化前駆体のキシレン不溶分は1.8重量%であった。
参考例15 参考例13において、グラフト化前駆体として実施例32で
得たものを用い、グラフト効率を算出する際の抽出溶媒
を酢酸エチルからメタノールに変えた以外は、参考例13
に準じてグラフト化反応を行った。その結果、グラフト
効率は82.3重量%であった。
実施例33 実施例30において、ビニル単量体としてスチレン225g、
アクリロニトリル75gを用いる以外は、実施例30に準じ
てグラフト化前駆体を得た。
このグラフト化前駆体の収率より、スチレン−アクリロ
ニトリル共重合体の含有量は29.4重量%であった。ま
た、実施例30に準じて測定したスチレン−アクリロニト
リル共重合体の活性酸素量は0.12重量%、キシレン不溶
分は0.1重量%であった。
参考例16 参考例13において、グラフト化前駆体として実施例33で
得たものを使用した以外は、参考例13に準じてグラフト
化反応を行った。その結果、グラフト効率は78.6重量%
であった。
実施例34 実施例30において、ラジカル重合開始剤をペンゾイルペ
ルオキシドからラウロイルペルオキシド(商品名「パー
ロイルL」、日本油脂(株)製、10時間半減期温度62
℃)に変え、それに伴い重合温度を70〜75℃、重合時間
を9時間とした以外は、実施例30に準じてグラフト化前
駆体を得た。このグラフト化前駆体について、その組成
はスチレン重合体29.1重量%、スチレン重合体の活性酸
素量0.13重量%、キシレン不溶分0.3重量%であった。
比較例32 実施例30において、ラジカル重合開始剤をベンゾイルペ
ルオキシドからt−ブチルペルオキシベンゾエート(商
品名「パーブチルZ」、日本油脂(株)製、10時間半減
期温度104℃)に変え、それに伴い重合温度を120℃、重
合時間を6時間とした以外は、実施例30に準じてグラフ
ト化前駆体を得た。このグラフト化前駆体はキシレン不
溶分92重量%であり、これは重合中にt−ブチルペルオ
キシメタクリロイロキシエチルカーボエートが分解し、
分子間架橋が起こったものと考えられる。
実施例35 実施例30において、エチレン−酢酸ビニル共重合体をエ
チレン72重量%、酢酸ビニル28重量%からなる共重合体
(商品名「エバフレックス260」、三井ポリケミカル
(株)製)に変えた以外は、実施例30に準じてグラフト
化前駆体を得た。このグラフト化前駆体の収率より、ス
チレン重合体の含有量は29.7重量%、また、実施例30に
準じて測定したスチレン重合体の活性酸素量は0.13重量
%であった。
実施例36〜39 実施例30において、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ス
チレン、ベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキ
シメタクリロイロキシエチルカーボネートの量を表7の
ように変化させ、グラフト化前駆体を製造した。さら
に、それぞれのグラフト化前駆体を用い、参考例13に準
じてグラフト化反応を行い、得られたグラフト化物のグ
ラフト効率、キシレン不溶分を測定した。結果は表7に
示した。
比較例33〜36 実施例30において、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ス
チレン、ベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキ
シメタクリロイロキシエチルカーボネートの量を表8の
ように変化させ、グラフト化前駆体を得た。さらに、そ
れぞれのグラフト化前駆体を用い、参考例13に準じてグ
ラフト化反応を行い、得られたグラフト化物をグラフト
効率、キシレン不溶分を測定した。結果は表8に示し
た。
比較例37 実施例30において、ラジカル重合開始剤をベンゾイルペ
ルオキシドからクミルペルオキシネオデカノエート(商
品名「パークミルND」、日本油脂(株)製、10時間半減
期温度36.6℃)に変え、それに伴い含浸温度を35℃、含
浸時間を2時間にし、さらに重合温度を60℃とした以外
は、実施例30に準じてグラフト化前駆体を得た。
このグラフト化前駆体は、表面が透明樹脂で覆われ、さ
らに、スチレン単独重合体であるパウダー状(含浸重合
したグラフト化前駆体はペレット状)のものが、仕込み
スチレン量の57重量%にも達した。
このグラフト化前駆体を用い、参考例13に準じてグラフ
ト化反応を行ったところ、グラフト効率は13.8重量%で
あった。
実施例40 実施例1で用いた低密度エチレン重合体をエチレン−プ
ロピレン−ジエン共重合ゴム(商品名「三井エラストマ
ー K−9720〕、三井石油化学工業(株)製、ムーニー
粘度(ML I+4,100℃)40、ヨー素化22、ペレット状)
に変え、オートクレーブを60〜65℃に昇温しての攪拌を
1時間から、2時間に変えた以外は実施例1に準じて重
合を行いグラフト化前駆体を得た。
このグラフト化前駆体を実施例1に準じてフイルム化
し、スチレン系重合体の含有量を算出したところ29.2重
量%であつた。
また、このグラフト化前駆体から、実施例1に準じてス
チレン系重合体を抽出して得、その活性酸素量を測定し
た結果、0.13重量%であつた。
さらに、このグラフト化前駆体を実施例1に準じてキシ
レンにより抽出したところ、キシレン不溶分は存在しな
かった。
参考例17 実施例40において得たグラフト化前駆体を、参考例1に
準じてグラフト化反応を行なつた。
このグラフト化反応したものについて、ソックスレー抽
出器で、酢酸エチルによりグラフト化していないスチレ
ン重合体を抽出した結果、全量に対して5.1重量%であ
った。よって、スチレン重合体のグラフト効率は83重量
%と算出された。また、キシレンによる抽出では、キシ
レン不溶分が17.2重量%であった。
比較例38 実施例40において、t−ブチルペルオキシメタクリロイ
キシエチルカーボネートを使用しないこと以外は、実施
例40に準じてグラフト化前駆体を製造した。
このグラフト化前駆体について、実施例40と同様にスチ
レン重合体含有量、活性酸素量、キシレン不溶分を測定
したところ、スチレン重合体含有量29.0重量%、活性酸
素量0重量%、キシレン不溶分0重量%であった。
さらに、このグラフト化前駆体を用い、参考例17に準じ
てグラフト化反応を行い、グラフト効率を求めたとこ
ろ、グラフト効率は0.1重量%であり、ほとんどグラフ
ト化能はなかった。
比較例39 実施例40において、t−ブチルペルオキシメタクリロイ
ロキシエチルカーボネートをジクミルペルオキシドに変
えた以外は、実施例40に準じてグラフト化前駆体を製造
した。
このとき、スチレン重合体含有量は29.4量%、活性酸素
量0.04重量%、キシレン不溶分0重量%であった。
この活性酸素量0.04重量%ということは、酢酸エチルに
より抽出されたジクミルペルオキシドが、再沈殿溶媒で
あるメタノール/酢酸エチル系溶媒に溶解したことと、
重合中にエチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム中に
分配したためと思われる。
このグラフト化前駆体を参考例17に準じて処理した結
果、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴムとスチレ
ン重合体とのグラフト効率は1.6重量%であり、ジクミ
ルペルオキシドによるグラフト化反応はほとんど起こら
なかった。また、キシレン不溶分は41.5重量%であっ
た。
実施例41 実施例40において、スチレン300gをメタクリル酸メチル
300gに変えた以外は、実施例40に準じてグラフト化前駆
体を製造した。
このグラフト化前駆体の収量より、メタクリル酸メチル
重合体の含有量を測定した結果、28.7重量%であった。
また、活性酸素量0.12重量%、キシレン不溶分0.4重量
%であった。
参考例18 参考例17に準じて、実施例41で得たグラフト化前駆体の
グラフト化を行った。
その結果、メタクリル酸メチルのグラフト効率は68.5重
量%であった。
比較例40 内容積5lのステンレス製オートクレーブに、純水2500g
を入れ、さらに懸濁剤としてポリビニルアルコール2.5g
を溶解させた。この中に、スチレン1000g、ベンゾイル
ペルオキシド5g及びt−ブチルペルオキシメタクリロイ
ロキシエチルカーボネート20gの混合物を加え、80〜85
℃、7時間で重合を完結させ、ペルオキシ基含有スチレ
ン共重合体を得た。
この重合体組成物5gをベンゼンに溶解させ、次いでメタ
ノール中に投入することにより、共重合していないペル
オキシドを取り除き、ペルオキシ基含有スチレン共重合
体を得た。この共重合体の活性酸素量は0.12重量%であ
り、実施例40で得たものとほぼ同一のスチレン重合体が
生成した。
次いで、実施例40で使用したエチレン−プロピレン−ジ
エン共重合ゴム70重量部と、上記ペルオキシ基含有スチ
レン共重合体30重量部とを混合し、参考例17に準じてグ
ラフト化反応を行った。
その結果、スチレン共重合体のグラフト効率0.3重量
%、キシレン不溶分30.5重量%、不溶分はほとんどスチ
レン共重合体の自己架橋物であった。つまり、この場合
はグラフト化反応は全く起こらず、スチレン共重合体の
分子間架橋のみが起こった。
実施例42 実施例40において、スチレン300gを酢酸ビニル300g,t−
ブチルペルオキシメタクリロイロキシエチルカーボネー
ト6gをt−ブチルペルオキシアリルカーボネート6gに変
えた以外は実施例40に準じてグラフト化前駆体を製造し
た。
このグラフト化前駆体の収量より、酢酸ビニル重合体の
含有量を測定した結果、29.1重量%であった。また、こ
のグラフト化前駆体から、メタノールにより室温下7日
間で酢酸ビニル重合体を抽出し、さらに石油エーテル中
に投入し、酢酸ビニル重合体粉末を得た。この酢酸ビニ
ル重合体の活性酸素量は0.13重量%、また、このグラフ
ト化前駆体のキシレン不溶分は1.6重量%であった。
参考例19 参考例17において、グラフト化前駆体として実施例42で
得たものを用い、グラフト効率を算出する際の抽出溶媒
を酢酸エチルからメタノールに変えた以外は、参考例17
に準じてグラフト化反応を行った。その結果、グラフト
効率は84.9重量%であった。
実施例43 実施例40において、ビニル単量体としてスチレン225g、
アクリロニトリル75gを用いる以外は、実施例40に準じ
てグラフト化前駆体を得た。
このグラフト化前駆体の収率より、スチレン−アクリロ
ニトリル共重合体の含有量は29.5重量%であった。ま
た、実施例40に準じて測定したスチレン−アクリロニト
リル共重合体の活性酸素量は0.13重量%、キシレン不溶
分は0.2重量%であった。
参考例20 参考例17において、グラフト化前駆体として実施例43で
得たものを使用した以外は、参考例17に準じてグラフト
化反応を行った。その結果、グラフト効率は77.3重量%
であった。
実施例44 実施例40において、ラジカル重合開始剤をベンゾイルペ
ルオキシドからラウロイルペルオキシド(商品名「パー
ロイルL」、日本油脂(株)製、10時間半減期温度62
℃)に変え、それに伴い重合温度を70〜75℃、重合時間
を9時間とした以外は、実施例40に準じてグラフト化前
駆体を得た。このグラフト化前駆体について、その組成
はスチレン重合体28.9重量%、スチレン重合体の活性酸
素量0.13重量%、キシレン不溶分0重量%であった。
比較例41 実施例40において、ラジカル重合開始剤をペルゾイルペ
ルオキシドからt−ブチルペルオキシベンゾエート(商
品名「パーブチルZ」、日本油脂(株)製、10時間半減
期温度104℃)に変え、それに伴い重合温度を120℃、重
合時間を6時間とした以外は、実施例40に準じてグラフ
ト化前駆体を得た。
このグラフト化前駆体はキシレン不溶分95重量%であ
り、これは重合中にt−ブチルペルオキシメタクリロイ
ロキシエチルカーボネートが分解し、分子間架橋が起こ
ったものと考えられる。
実施例45 実施例40において、エチレン−プロピレン−ジエン共重
合ゴムをエチレン−プロピレン共重合ゴム(商品名「三
井EPT#0045],三井石油化学工業(株)製、ムーニー
粘度(ML I−4 100℃)40)に変えた以外は、実施例40
に準じてグラフト化前駆体を得た。
このグラフト化前駆体の収率より、スチレン重合体の含
有量は28.9重量%、また、実施例40に準じて測定したス
チレン重合体の活性酸素量は0.13重量%であった。
実施例46〜49 実施例40において、エチレン−プロピレン−ジエン共重
合ゴム、スチレン、ベンゾイルペルオキシド、t−ブチ
ルペルオキシメタクリロイロキシエチルカーボネートの
量を表9のように変化させ、グラフト化前駆体を製造し
た。
さらに、それぞれのグラフト化前駆体を用い、参考例17
に準じて、グラフト化反応を行い、得られたグラフト化
物のグラフト効率、キシレン不溶分を測定した。結果は
表9に示した 比較例42〜45 実施例40において、エチレン−プロピレン−ジエン共重
合ゴム、スチレン、ベンゾイルペルオキシド、t−ブチ
ルペルオキシメタクリロイロキシエチルカーボネートの
量を表10のように変化させ、グラフト化前駆体を得た。
さらに、それぞれのグラフト化前駆体を用い、参考例17
に準じてグラフト化反応を行い、得られたグラフト化物
のグラフト効率、キシレン不溶分を測定した。結果は表
10に示した。
比較例46 実施例40において、ラジカル重合開始剤をペンゾイルペ
ルオキシドからクミルペルオキシネオデカノエート(商
品名「パークミルND」、日本油脂(株)製、10時間半減
期温度36.6℃)に変え、それに伴い含浸温度を35℃、含
浸時間を2時間にし、さらに重合温度を60℃とした以外
は、実施例40に準じてグラフト化前駆体を得た。
このグラフト化前駆体は、表面が透明樹脂で覆われ、さ
らに、スチレン単独重合体であるパウダー状(含浸重合
したグラフト化前駆体はペレット状)のものが、仕込み
スチレン量の69重量%にも達した。
このグラフト化前駆体を用い、参考例17に準じてグラフ
ト化反応を行ったところ、グラフト効率は16.1重量%で
あった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 220:26 218:08) (C08F 255/02 220:26 220:44) (C08F 255/02 220:26 220:12) (31)優先権主張番号 特願昭62−199618 (32)優先日 昭62(1987)8月10日 (33)優先権主張国 日本(JP)

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン系(共)重合体粒子20〜95重量%
    とビニル共重合体80〜5重量%との混合物からなり、該
    ビニル共重合体が該エチレン系(共)重合体粒子中に存
    在し、 該ビニル共重合体が、式 (式中、XはR2を、Yは −COOR8,−CN又は−OCOR9を示し、R2は水素原子又はメ
    チル基を、R7は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基
    を、R8は炭素数1〜7のアルキル基を、R9は炭素数1〜
    2のアルキル基をそれぞれ示す。) で表わされる構成単位(A)と、式 (式中、R1は水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基
    を、R3及びR4はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基を、
    R5は炭素数1〜12のアルキル基、フエニル基、アルキル
    置換フエニル基又は炭素数3〜12のシクロアルキル基
    を、R2は前記式(A)の場合と同じものをそれぞれ示
    す。mは1又は2である。) 及び/又は式 (式中、R6は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基
    を、R2,R3,R4及びR5は前記式(A),(B1)の場合と
    同じものをそれぞれ示す。nは0,1又は2である。) で表わされる構成単位(B)とからなるランダム共重合
    体であつて、構成単位(B)の割合が構成単位(A)10
    0重量部に対し、0.1〜10重量部であり、かつ0.01〜0.73
    重量%の活性酸素を含有するものであるグラフト化前駆
    体。
  2. 【請求項2】エチレン系重合体が密度0.910〜0.935g/cm
    3の低密度エチレン重合体である請求項1記載のグラフ
    ト化前駆体。
  3. 【請求項3】エチレン系共重合体がエチレン重合体部分
    と(メタ)アクリル酸グリシジル重合体部分とからなる
    エポキシ基含有エチレン系共重合体である請求項1記載
    のグラフト化前駆体。
  4. 【請求項4】エポキシ基含有エチレン系共重合体がエチ
    レン重合体部分60〜99.5重量%と(メタ)アクリル酸グ
    リシジル重合体部分40〜0.5重量%とからなるものであ
    る請求項3記載のグラフト化前駆体。
  5. 【請求項5】エチレン系共重合体がエチレン重合体部分
    と(メタ)アクリル酸エステル重合体部分とからなるエ
    チレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体である請
    求項1記載のグラフト化前駆体。
  6. 【請求項6】エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共
    重合体がエチレン重合体部分50〜99重量%と(メタ)ア
    クリル酸エステル重合体部分50〜1重量%とからなるも
    のである請求項5記載のグラフト化前駆体。
  7. 【請求項7】エチレン系共重合体がエチレン重合体部分
    とビニルエステル重合体部分とからなるエチレン−ビニ
    ルエステル共重合体である請求項1記載のグラフト化前
    駆体。
  8. 【請求項8】エチレン−ビニルエステル共重合体がエチ
    レン重合体部分50〜99重量%とビニルエステル重合体部
    分50〜1重量%とからなるものである請求項7記載のグ
    ラフト化前駆体。
  9. 【請求項9】ビニルエステル重合体部分が酢酸ビニルに
    基づくものである請求項7又は8記載のグラフト化前駆
    体。
  10. 【請求項10】エチレン系共重合体がエチレン−プロピ
    レン共重合ゴムである請求項1記載のグラフト化前駆
    体。
  11. 【請求項11】エチレン系共重合体がエチレン−プロピ
    レン−ジエン共重合ゴムである請求項1記載のグラフト
    化前駆体。
  12. 【請求項12】ビニル共重合体の構成単位(A)が、式 (式中、X,R7は前記式(A)の場合と同じものを示
    す。) で表わされる構成単位(A1)と、式 (式中、Xは前記式(A)の場合と同じものを、Y1は前
    記式(A)の場合のYから を除いたものを示す。) で表わされる構成単位(A2)とからなるビニル共重合体
    であり、該共重合体中の構成単位(A1)の割合が50重量
    %以上である請求項1記載のグラフト化前駆体。
  13. 【請求項13】ビニル共重合体の構成単位(A)が、式 (式中、X,R8は前記式(A)の場合と同じものを示
    す。) で表わされる構成単位(A3)と、式 (式中、Xは前記式(A)の場合と同じものを、Y2は前
    記式(A)の場合のYから−COOR8を除いたものを示
    す。) で表わされる構成単位(A4)とからなるビニル共重合体
    でり、該共重合体中の構成単位(A3)の割合が50重量%
    以上である請求項1記載のグラフト化前駆体。
  14. 【請求項14】エチレン系(共)重合体粒子100重量部
    を水に懸濁せしめ、これに対し、別に下記式 (式中、XはR2を、Yは −COOR8,CN又は−OCOR9を示し、R2は水素原子又はメチ
    ル基を、R7は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基
    を、R8は炭素数1〜7のアルキル基を、R9は炭素数1〜
    2のアルキル基をそれぞれ示す。) で表わされるビニル単量体の少なくとも1種の5〜400
    重量部に、下記一般式(I)又は(II)で表わされるラ
    ジカル(共)重合性有機過酸化物の1種又は2種以上の
    混合物を上記ビニル単量体100重量部に対して0.1〜10重
    量部と、10時間の半減期を得るための分解温度が40〜90
    ℃であるラジカル重合開始剤を上記ビニル単量体とラジ
    カル(共)重合性有機過酸化物との合計100重量部に対
    して0.01〜5重量部とを溶解せしめた溶液を加え、ラジ
    カル重合開始剤の分解が実質的に起こらない条件で加熱
    し、ビニル単量体、ラジカル(共)重合性有機過酸化物
    及びラジカル重合開始剤をエチレン系(共)重合体粒子
    中に含浸せしめ、さらに遊離のビニル単量体、ラジカル
    (共)重合性有機過酸化物及びラジカル重合開始剤の含
    有量が初めの50重量%未満となつたとき、この水性懸濁
    液の温度を上昇せしめ、ビニル単量体とラジカル(共)
    重合性有機過酸化物とをエチレン系(共)重合体粒子中
    において共重合させて得られる活性酸素0.01〜0.73重量
    %を含有するビニル共重合体を構成成分とする、エチレ
    ン系(共)重合体粒子20〜95重量%とビニル共重合体80
    〜5重量%との混合物からなり、該ビニル共重合体が該
    エチレン系(共)重合体粒子中に存在してなるグラフト
    化前駆体の製造方法。 前記一般式(I)で表わされるラジカル(共)重合性有
    機過酸化物とは、式 (式中、R1は水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基
    を、R3及びR4はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基を、
    R5は炭素数1〜12のアルキル基、フエニル基、アルキル
    置換フエニル基又は炭素数3〜12のシクロアルキル基
    を、R2は前記式(A)の場合と同じものをそれぞれ示
    す。mは1又は2である。) で表わされる化合物である。 また、前記一般式(II)で表わされるラジカル(共)重
    合性有機過酸化物とは、式 (式中、R6は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基
    を、R2,R3,R4及びR5は前記式(A),(B1)の場合と
    同じものをそれぞれ示す。nは0,1又は2である。) で表わされる化合物である。
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