JPH0476383B2 - - Google Patents

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JPH0476383B2
JPH0476383B2 JP62147838A JP14783887A JPH0476383B2 JP H0476383 B2 JPH0476383 B2 JP H0476383B2 JP 62147838 A JP62147838 A JP 62147838A JP 14783887 A JP14783887 A JP 14783887A JP H0476383 B2 JPH0476383 B2 JP H0476383B2
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JP
Japan
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weight
vinyl
polymer
precursor
grafting
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JP62147838A
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JPS63312306A (ja
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Yasuo Morya
Shinkichi Suzuki
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NOF Corp
Original Assignee
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Publication date
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Priority to EP88305171A priority patent/EP0295821B1/en
Priority to DE88305171T priority patent/DE3886833T2/de
Priority to US07/204,263 priority patent/US4839423A/en
Priority to KR1019880006983A priority patent/KR910008585B1/ko
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Description

【発明の詳細な説明】
<産業上の利用分野> 本発明は接着剤、被覆剤、改質剤、ミクロ分散
剤、あるいはポリマーアロイ化剤、機能性成形体
材料、高分子相溶化剤等として有用なグラフト樹
脂組成物の製造方法に関するものである。 <従来の技術> 従来から、成形材料としてのプロピレン重合体
の剛性、寸法安定性、印刷性等を向上させるた
め、プロピレン重合体にビニル重合体例えばポリ
エチレンを、さらには架橋剤又はグラフト化剤と
し有機過酸化物を加え、溶融下にブレンドする試
みがなされている。 また、電離性放射線を照射してプロピレン重合
体にスチレンをグラフト重合させたプロピレン重
合体が提案されており、この方法は、ポリスチレ
ンをプロピレン重合体に均一に分散させるのにか
なりの効果を示している。 一方、他の公知の方法としては、キシレンある
いはトルエン等の溶媒を利用した溶液グラフト重
合法があり、また乳化グラフト重合法もある。 さらにまた、プロピレン重合体粒子にビニル単
量体を含浸させて、水性懸濁系で重合させグラフ
ト樹脂組成物を製造することも提案されている
(特公昭58−53303号公報)。この方法によれば、
重合を完了した樹脂組成物は、均一にビニル重合
体がブレンドされており、これ以外の方法に比べ
て好ましい結果をもたらしている。 <発明が解決しようとする問題点> しかしながら、プロピレン重合体とスチレン系
重合体とは本質的に相溶せず、例えばグラフト化
剤として有機過酸化物を添加しても、そのグラフ
ト化効果は全くない。したがつて、スチレン系重
合体を10重量%以上配合することは行なわれてお
らず、通常は0.2〜5重量%のスチレン系重合体
がブレンドされていたにすぎなかつた。このよう
な少量のスチレン系重合体をブレンドした場合で
も、ブレンド物からの成形体は、両重合体の相溶
性の悪さから耐衝撃性が低下し、また外観が悪化
しがちであつた。 次に、この欠点を改良するための電離性放射線
を照射する方法は、放射線グラフト重合法という
特殊な方法によるため、経済性に問題があつて実
用化が困難である。また、この方法は表面反応で
あるため、導入されるスチレン量に限界があり好
ましくない。 第3に、溶液グラフト重合法は、プロピレン重
合体の溶解度の点から、多量の溶媒に稀釈された
状態で重合が行なわれるため、ビニル単量体、重
合開始剤及びプロピレン重合体の相互間の接触の
機会が少なく、ビニル単量体の反応効率が低いと
いう欠点を有する上に、溶媒回収等の後処理工程
が煩雑なため、経済的に不利である。さらに、乳
化グラフト重合法があるが、この場合は、反応が
プロピレン重合体粒子の表面反応のみに限定され
るため、生成物の均質性が劣るという欠点を有す
る。 水性懸濁系での重合は、得られた樹脂組成物の
物理的からみ合いによつて、ビニル重合体の分散
がよいのであつて、グラフト効率自体がよいわけ
ではない。そのため、二次加工による加熱、ある
いは溶剤との接触によつて、重合完了時に均一に
分散していたビニル重合体粒子の二次的凝集が起
こりやすく、得られた樹脂組成物を機能性成形
体、高分子相溶化剤として使用する際に問題とな
つていた。 <問題点を解決するための手段> 本発明者らは、これら樹脂組成物中において分
散相を形成する重合体成分の、マトリツクス成分
に対するグラフト効率を上げ、二次加工による分
散相の二次的凝集を防ぐことを目的とし鋭意研究
した結果、特定のグラフト化前駆体と特定の重合
体とを、溶融下に混練することにより、グラフト
効率の高い樹脂組成物を得ることを見いだし、本
発明を完成させるに至つた。 すなわち、本発明は、プロピレン重合体を水に
懸濁させ、該懸濁液に対してプロピレン重合体
100重量部当り5〜400重量部の後述の特定のビニ
ル単量体の一種又は二種以上に 式 (式中、R1は水素原子又は炭素数1〜2のアル
キル基、R2は水素原子又はメチル基、R3及びR4
それぞれ炭素数1〜4のアルキル基、R5は炭素
数1〜12のアルキル基、フエニル基、アルキル置
換フエニル基又は炭素数3〜12のシクロアルキル
基を示す。mは1又は2である。)及び 式 (式中、R6は水素原又は炭素数1〜4のアルキ
ル基、R7は水素原子又はメチル基、R8及びR9
それぞれ炭素数1〜4のアルキル基、R10は炭素
数1〜12のアルキル基、フエニル基、アルキル置
換フエニル基又は炭素数3〜12のシクロアルキル
基を示す。nは0、1又は2である。)で表わさ
れるラジカル(共)重合性有機過酸化物の一種又
は二種以上をビニル単量体100重量部当り、0.1〜
10重量部及び10時間の半減期を得るための分解温
度が40〜90℃であるラジカル重合開始剤を、上記
ビニル単量体とラジカル(共)重合性有機過酸化
物の合計量100重量部当り0.01〜5重量部を加え
た溶液を、加えて水性懸濁液を生成させた後、該
液をラジカル重合開始剤の分解が実質的に起らな
い条件で加熱して、ビニル単量体、ラジカル
(共)重合性有機過酸化物及びラジカル重合開始
剤をプロピレン重合体に含浸せしめ、さらに遊離
のビニル単量体、ラジカル(共)重合性有機過酸
化物及びラジカル重合開始剤の含有量が初めの50
重量%より少なくなつたとき、この水性懸濁液の
温度を上昇させることにより、ビニル単量体とラ
ジカル(共)重合性有機過酸化物とをプロピレン
重合体中において共重合させて得られた樹脂組成
物であるグラフト前駆体を1〜99重量%と、 プロピレン重合体と 一種又は二種以上の後述の特定のビニル単量
体に基づくビニル単量体 のいずれか一方又は双方からなる重合体99〜1重
量%とを混合し、該混合物を100〜300℃の溶融
下、混練することによりグラフト化反応させるこ
とを特徴とするグラフト樹脂組成物の製造方法に
関する。 本発明のグラフト化前駆体の製造に用いられる
プロピレン重合体は、プロピレン単独重合体及び
プロピレンを主体とする他のα−オレフイン又は
極性エチレン性不飽和単量体との共重合体(いず
れも、プロピレン75重量%以上の共重合体が好ま
しい。)を含む。 具体的には例えば、アイソタクチツクポリピロ
ピレン、結晶性プロピレン−エチレンランダム共
重合体、結晶性プロピレン−エチレンブロツク共
重合体、結晶性プロピレン−ブテン−1ランダム
共重合体、無水マレイン酸変性ポリプロピレン等
が代表的なものである。 これらのプロピレン重合体は、混合使用するこ
ともできる。 このプロピレン重合体の形状は、粒径0.1mm〜
5mm程度のパウダー又はペレツト状であることが
好ましい。これらは、グラフト化前駆体中におけ
るプロピレン重合体の配合割合によつて使い分け
ることが好ましい。粒径が過度に大きいと重合時
の分散が困難であるばかりなく、ビニル単量体等
の含浸時間が長くなる欠点がある。 本発明の前述の特定のビニル単量体とは、具体
的には、ビニル芳香族単量体、例えばスチレン;
核置換スチレン、例えばメチルスチレン、ジメチ
ルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチ
レン、クロルスチレン;α−置換スチレン例えば
α−メチルスチレン、α−エチルスチレン;(メ
タ)アクリル酸エステル単量体、例えば、(メタ)
アクリル酸の炭素数1〜7のアルキルエステル;
(メタ)アクリロニトリル:ビニルエステル単量
体、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が
挙げられる。 これらは単独で又は2種以上が混合して用いら
れる。 これらのうち、特に好ましいのはビニル芳香族
単量体、(メタ)アクリル酸エステル単量体であ
る。そしてそれらがビニル単量体中少なくとも50
%あればよくに好ましい。また特に親水性又は固
体のビニル単量体は、油溶性単量体中に溶解して
使用するかが好ましい。グラフト化前駆体の製造
について、ビニル単量体の量は、プロピレン重合
体100重量部に対して5〜400重量部、好ましくは
10〜200重量部である。 この量が5重量部未満であると、グラフト化反
応後のグラフト体が、グラフト効率は高いにもか
かわらず、グラフト体としての性能を発現しにく
くなり好ましくない。 また、この量が400重量部を超えると、ビニル
単量体、一般式(1)又は(2)で表わされるラジカル
(共)重合性有機過酸化物及びラジカル重合体開
始剤のうち、プロピレン重合体に含浸されないも
のが50重量%以上となり、遊離のビニル単独重量
体の量が増大するため好ましくない。 特公昭58−53003号公報によると、水性懸濁重
合法においては、この遊離のビニル系単量体が20
重量%未満であることが必要であるとされてい
る。しかしながら、本発明で使用するグラフト化
前駆体は、そのビニル単独重合体分子内にペルオ
キシ基を有し、グラフト化能を有しているため、
遊離のビニル単量体、ラジカル(共)重合性有機
過酸化物及びラジカル重合開始剤の合計量が20重
量%以上であつても50重量%未満でさえあれば、
十分に優れたグラフト化能を示す。 本発明でグラフト化前駆体の製造に用いられる
ラジカル(共)重合性有機過酸化物は、前記一般
式(1)又は(2)で表わされる化合物である。 具体的には、一般式(1)で表わされる化合物とし
て、t−ブチルペルオキシアクリロイロキシエチ
ルカーボネート、t−アミルペルオキシアクリロ
イロキシエチルカーボネート、t−ヘキシルペル
オキシアクリロイロキシエチルカーボネート、
1,1,3,3−テトラメルブチルペルオキシア
クリロイロキシエチルカーボネート、クミルペル
オキシアクリロイロキシエチルカーボネート、p
−イソプロピルクミルペルオキシアクリロイロキ
シエチルカーボネート、t−ブチルペルオキシメ
タクリロイロキシエチルカーボネート、t−アミ
ルペルオキシメタクリロイロキシエチルカーボネ
ート、t−ヘキシルペルオキシメタクリロイロキ
シエチルカーボネート、1,1,3,3−テトラ
メチルブチルペルオキシメタクリロイロキシエチ
ルカーボネート、クミルペルオキシメタクリロイ
ロキシエチルカーボネート、p−イソプロピルク
ミルペルオキシメタクリロイロキシエチルカーボ
ネート、t−ブチルペルオキシアクリロイロキシ
エトキシエチルカーボネート、t−アミノペルオ
キシアクリロイロキシエトキシエチルカーボネー
ト、t−ヘキシルペルオキシアクリロイロキシエ
トキシエチルカーボネート、1,1,3,3−テ
トラメチルブチルペルオキシアクリロイロキシエ
トキシエチルカーボネート、クミルペルオキシア
クリロイロキシエトキシエチルカーボネート、p
−イソプロピルクミルペルオキシアクリロイロキ
シエトキシエチルカーボネート、t−ブチルペル
オキシメタクリロイロキシエトキシエチルカーボ
ネート、t−アミルペルオキシメタクリロイロキ
シエトキシエチルカーボネート、t−ヘキシルペ
ルオキシメタクリロイロキシエトキシエチルカー
ボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチル
ペルオキシメタクリロイロキシエトキシエチルカ
ーボネート、クミルペルオキシメタクリルロイロ
キシエトキシエチルカーボネート、クミルペルオ
キシメタクリロイロキシエトキシエチルカーボネ
ート、p−イソプロピルクミルペルオキシメタク
リロイロキシエトキシエチルカーボネート、t−
ブチルペルオキシアクリロイロキシイソプロピル
カーボネート、t−アミルペルオキシアクリロイ
ロキシイソプロピルカーボネート、t−ヘキシル
ペルオキシアクリロイロキシイソプロピルカーボ
ネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペ
ルオキシアクリロイロキシイソプロピルカーボネ
ート、クミルペルオキシアクリロイロキシイソプ
ロピルカーボネート、p−イソプロピルクミルペ
ルオキシアクリロイロキシイソプロピルカーボネ
ート、t−ブチルペルオキシメタクリロイロキシ
イソプロピルカーボネート、t−アミルペルオキ
シメタクリロイロキシイソプロピルカーボネー
ト、t−ヘキシルペルオキシメタクリロイロキシ
イソプロピルカーボネート、1,1,3,3−テ
トラメチルブチルペルオキシメタクリロイロキシ
イソプロピルカーボネート、クミルペルオキシメ
タクリロイロキシイソプロビルカーボネート、p
−イソプロピルクミルペルオキシメタクロイロキ
シイソプロピルカーボネート等を例示することが
できる。 さらに、一般式(2)で表わされる化合物として
は、t−ブチルペルオキシアリルカーボネート、
t−アミルペルオキシアリルカーボネート、t−
ヘキシルペルオキシアリルカーボネート、1,
1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシアリ
ルカーボネート、p−メンタンペルオキシアリル
カーボネート、クミルペルオキシアリルカーボネ
ート、t−ブチルペルオキシメタリルカーボネー
ト、t−アミルペルオキシメタリルカーボネー
ト、t−ヘキシルペルオキシメタリルカーボネー
ト、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオ
キシメタリルカーボネート、p−メンタンペルオ
キシメタリルカーボネート、クミルペルオキシメ
タリルカーボネート、t−ブチルペルオキシアリ
ロキシエチルカーボネート、t−アミルペルオキ
シアリロキシエチルカーボネート、t−ヘキシル
アリロキシエチルカーボネート、t−ブチルペル
オキシメタリロキシエチルカーボネート、t−ア
ミルペルオキシメタリロキシエチルカーボネー
ト、t−ヘキシルペルオキシメタリロキシエチル
カーボネート、t−ブチルペルオキシアリロキシ
イソプロピルカーボネート、t−アミルペルオキ
シアリロキシイソプロピルカーボネート、t−ヘ
キシルペオキシアリロキシイソプロピルカーボネ
ート、t−ブチルペルオキシメタリロキシイソプ
ロピルカーボネート、t−アミルペルオキシメタ
リロキシイソプロピルカーボネート、t−ヘキシ
ルペルオキシメタリロキシイソプロピルカーボネ
ート等を例示することができる。 中でも、好ましくは、t−ブチルペルオキシア
クリロイロキシエチルカーボネート、t−ブチル
ペルオキシメタクリロイロキシエチルカーボネー
ト、t−ブチルペルオキシアリルカーボネート、
t−ブチルペルオキシメタリルカーボネートであ
る。 このラジカル(共)重合性有機過酸化物の使用
量は、ビニル単量体100重量部に対して0.1〜10重
量部である。 使用量が0.1重量部未満であると、生成する本
発明のグラフト化前駆体の有する活性酸素量が少
なく、十分なグラフト化性能を発揮することが困
難となり好ましくない。 また、10重量部を超えると、重合中に誘発分解
を受け、重合完了時点でグラフト化前駆体中に多
量のゲルが発生したり、さらにグラフト化前駆体
のグラフト化能は高まるものゝ、同時にゲル生成
能も増大したりするため好ましくない。 本発明において、グラフト化前駆体の製造に用
いられるラジカル重合開始剤は、10時間の半減期
を得るための分解温度(以下10時間半減期温度と
いう)が40〜90℃、好ましくは50〜75℃のもので
ある。なぜならば、本発明における重合は、使用
されるラジカル(共)重合性有機過酸化物が全く
分解しない条件で行なわれなければならず、一方
のラジカル(共)重合性有機過酸化物そのものゝ
10時間半減期温度は90〜110℃であるため、重合
温度として110℃以下とせざるを得ないからであ
る。 ラジカル重合開始剤の10時間半減期温度が90℃
を超えると、重合温度が高くなり、ラジカル
(共)重合性有機過酸化物が重合中に分解する可
能性が生じ好ましくない。また、40℃未満である
と、プロピレン重合体にビニル単量体が含浸する
過程において重合が開始され、生成するグラフト
化前駆体の組成の不均一性をもたらすため好まし
くない。こゝで、10時間半減期温度とは、ベンゼ
ン1中に重合開始剤を0.1モル添加し、ある温
度で10時間経過したとき、重合開始剤の分解率が
50%となる温度をいう。 このようなラジカル重合開始剤としては、具体
的には、例えば、ジイソプロピルペルオキシジカ
ーボネート(40.5℃)、ジ−n−プロピルペルオ
キシジカーボネート(40.5℃)、ジミリスチルペ
ルオキシジカーボネート(40.9℃)、ジ(2−エ
トキシエチル)ペルオキシジカーボネート(43.4
℃)、ジ(メトキシイソプロピル)ペルオキシジ
カーボネート(43.5℃)、ジ(2−エチルヘキシ
ル)ペルオキシカーボネート(43.5℃)、t−ヘ
キシルペルオキシネオデカノエート(44.7℃)、
ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)ペルオキ
シジカーボネート(46.5℃)、t−ブチルペルオ
キシネオデカノエート(46.5℃)、t−ヘキシル
ペルオキシネオヘキサノエート(51.3℃)、t−
ブチルペルオキシネオヘキサノエート(53℃)、
2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド(53
℃)、t−ヘキシルペルオキシピバレート(53.2
℃)、t−ブチルペルオキシピバレート(55℃)、
3,5,5−トリメチルヘキサノイルペルオキシ
ド(59.5℃)、オクタノイルペルオキシド(62
℃)、ラウロイルペルオキシド(62℃)、クミルペ
ルオキシオクトエート(65.1℃)、アセチルペル
オキシド(68℃)、t−ブチルペルオキシ−2−
エチルヘキサノエート(72.5℃)、m−トルオイ
ルペルオキシド(73℃)、ベンゾイルペルオキシ
ド(74℃)、t−ブチルペルオキシイソブチレー
ト(78℃)、1,1−ビス(t−ブチルペルオキ
シ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン
(90℃)等を挙げることができる。(カツコ内は10
時間半減期温度を表わす) ラジカル重合開始剤の使用量は、ビニル単量体
とラジカル(共)重合性有機過酸化物との合計
100重量部に対して0.01〜5重量部、好ましくは、
0.1〜2.5重量部である。 この使用量が0.01重量部未満であると、ビニル
単量体及びラジカル(共)重合体有機過酸化物の
重合が完全に行なわれず好ましくない。また、5
重量部を超えると、重合中にプロピレン重合体の
分子切断が起こり易くなつたり、さらにラジカル
(共)重合性有機過酸化物が誘発分解を受けやす
くなるので好ましい。 本発明において、グラフト化前駆体の製造は、
一般に行なわれている水性懸濁重合法により行な
われる。したがつて、プロピレン重合体と、これ
とは別に調整したラジカル重合開始剤とラジカル
(共)重合性有機過酸化物と予めビニル単量体に
溶解させた溶液とを、水性懸濁重合に使用され得
る懸濁剤、例えば水溶性重合体すなわちポリビニ
ルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセ
ルロースその他等、あるいは難水溶性無機物質、
例えばリン酸カルシウム、酸化マグネシウムその
他等の存在下の水中で撹拌分散される。この場合
の水性懸濁液の濃度は任意であるが、一般に水
100重量部に対して反応成分が5〜150重量部の割
合で行なわれる。 この際、プロピレン重合体に対する前記溶液の
含浸は、できるだけ高温で行なうことが好まし
い。しかしながら、含浸時にラジカル重合開始剤
が分解して重合を開始すると、生成するグラフト
化前記対の組成が非常に不均質となるから、一般
には使用されるラジカル重合開始剤の10時間半減
期温度より、5℃以上低い温度で行なうのが好ま
しい。 また、含浸は遊離のビニル単量体、ラジカル
(共)重合体有機過酸化物及びラジカル重合開始
剤が初めの添加量の50重量より少なくなるまで、
好ましくは20重量%より少なくなるまで行なうべ
きである。この量が50重量%以上であると、本発
明のグラフト化前駆体のグラフト化能が極度に低
下するため好ましくない。遊離のビニル単量体、
ラジカル(共)重合性有機過酸化物及びラジカル
重合開始剤の合計量は、水性懸濁液の任意量をサ
ンプリングし、これを300メツシユ程度の金網を
用いて手早く過して、プロピレン重合体と液相
とに分離し、液相中のビニル単量体、ラジカル
(共)重合性有機過酸化物及びラジカル重合開始
剤の量を測定して算出する。 グラフト化前駆体の重合は、通常30〜110℃の
温度で行われる。なぜならば、重合中におけるラ
ジカル(共)重合性有機過酸化物の分解を可能な
限り防止するためである。 この温度が110℃を超えた場合、重合時間が5
時間以上になると、ラジカル(共)重合性有機過
酸化物の分解量が多くなり好ましくない。重合時
間としては、一般に2〜20時間が適当である。 本発明において、グラフト化前駆体に混練され
るプロピレン重合体は、グラフト化前駆体の製造
に用いられるものと同様のもので、好ましくは、
グラフト化前駆体に使用されているプロピレン重
合体と単量体組成又はメルトフローレートが同一
のものである。単量体組成又はメルトフローレー
トが異なると、混練が不十分となりやすく、得ら
れたグラフト樹脂組成物の機械的強度、外観が悪
化する可能性があり好ましくない。 本発明において、グラフト化前駆体に混練され
るビニル重合体は、グラフト化の製造に用いられ
るビニル単量体即ち、ビニル芳香族単量体、例え
ば、スチレン;核置換スチレン例えば、メチルス
チレン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、イ
ソプロピルスチレン、クロルスチレン;α−置換
スシレン例えばα−メチルスチレン、α−エチレ
ンスチレン;(メタ)アクリル酸エステル単量体、
例えば(メタ)アクリル酸の炭素数1〜7のアル
キルエステル;(メタ)アクリルニトリル;ビニ
ルエステル単量体、例えば酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル等の1種又は2種以上を重合して得ら
れる重合体である。そして、好ましくは、グラフ
ト化前駆体に使用されるているビニル重合体と単
量体組成が同一のものである。単量体組成が異な
ると、混練が不十分となりやすく、得られたグラ
フト樹脂組成物の機械的強度、外観が悪化する可
能性があり好ましくない。 本発明のグラフト樹脂組成物は、グラフト化前
駆体1〜99重量%、それに混練する重合体99〜1
重量%から構成される。グラフト化前駆体が1重
量%未満すなわち混練される重合体が99重量%超
えると、グラフト樹脂組成物中のグラフト体の量
が少なくなり、層状剥離等を起こすため好ましく
ない。また、グラフト化前駆体が99重量%を超え
る、すなわち混練される重合体が1重量%未満で
あると、グラフト樹脂組成物の組成がグラフト化
前駆体とほゞ同一となり、ゲルの量が多くなつた
りするので好ましくない。 そしてグラフト化前駆体10〜90重量%、それに
混練される重合体90〜10重量%の範囲がとくに好
ましい。その理由は、グラフト化前駆体が10重量
%未満であると、分散は良好であるが、分散相の
粒径が大きくなりやすく、またグラフト化前駆体
が90重量%を越えるとゲルの生成が多くなりやす
いからである。 本発明において、グラフト化反応は100〜300℃
の溶融下、混練することによつて行なわれる。こ
の温度は100℃未満であると、溶融が不十分で混
練が困難であるとゝもに、ラジカル(共)重合性
有機過酸化物の分解に長時間を要し好ましくな
い。また、300℃を超えると、グラフト化前駆体
の分子切断(分解)が起こり好ましくない。 本発明において、混練は、グラフト樹脂組成物
の均一性維持及び分散相の粒径制御のために必要
である。 特に、グラフト化反応の温度が200℃を超える
と分散相の凝集が起こりやすくなるが、この凝集
を混練によつて防ぐことができる。 グラフト化反応の時間は、グラフト化反応の温
度によつて異なるが、一般に1時間以内である。 <発明の効果> 本発明によると、短時間で容易に、また既存の
混練機を使用することにより、グラフト樹脂組成
物が得られ、その混練割合の変更も、単に配合割
合を変えるのみでよい。また、本発明により得ら
れるグラフト樹脂組成物は、グラフト体の含有量
が従来品に比べて高いため、二次加工によるビニ
ル重合体の凝集が少なく、接着剤、被覆剤、改質
剤、ミクロ分散剤、ポリマーアロイ化剤、機能性
成形体材料、高分子相溶化剤等として有用なグラ
フト樹脂組成物が得られる。 <実施例> 以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。 実施例 1 内容積5のステンレス製オートクレーブに、
純水2500gを入れ、さらに懸濁剤としてポリビニ
ルアルコール2.5gを溶解させた。この中にプロ
ピレン重合体(商品名「スミトモ ノーブレンW
−101」、住友化学工業(株)製、ペレツト状メルトフ
ローレート8.0g/10min)(以下、特記しない限
りプロピレン重合体は「スミトモ ノーブレンW
−101」である。)700gを入れ、撹拌して分散さ
せた。別に、ラジカル重合開始剤としてベンゾイ
ルペルオキシド(商品名「ナイパーB」、日本油
脂(株)製、10時間半減期温度74℃)1.5g、ラジカ
ル(共)重合性有機過酸化物としてt−ブチルペ
ルオキシメタクリロイロキシエチルカーボネート
6gをビニル単量体としてのスチレン300gに溶
解させ、この溶液を前記オートクレーブ中に投入
撹拌した。次いで、オートクレーブを60〜65℃に
昇温し、1時間撹拌しながら、ラジカル重合開始
剤及びラジカル(共)重合性有機過酸化物を含む
ビニル単量体をプロピレン重合体中に含浸させ
た。次いで、遊離のビニル単量体、ラジカル
(共)重合性有機過酸化物及びラジカル重合開始
剤の含有量が初めの50重量%未満となつているこ
とを確認した後、温度を80〜85℃に上げ、その温
度で7時間維持して重合を完結させ、水洗及び乾
燥してグラフト化前駆体を得た。 このグラフト化前駆体中のスチレン系重合体の
活性酸素量をヨードメトリー法により測定した結
果、0.13重量%であつた。さらに、このグラフト
化前駆体をソツクスレー抽出器でキシレンにより
抽出したところ、キシレン不溶分は存在しなかつ
た。 次いで、このグラフト化前駆体の粒状物50g
と、プロピレン重合体50gとを室温下によく混合
し、この混合物をラボプラスミトルB−75型ミキ
サー((株)東洋精機製作所製)を用い、180℃にお
いて回転数50RPMで10分間混練した。このグラ
フト樹脂組成物のスチレン系重合体のグラフト効
率を測定するため、ソツクスレー抽出器で酢酸エ
チルによりグラフト化していないスチレン系重合
体を抽出した結果、グラフト樹脂組成物に対して
6.7重量%であつた。よつてスチレン系重合体の
グラフト効率は44.7重量%と算出された。 さらに、キシレンによる抽出ではキシレン不溶
分を測定したところ8.9重量%であつた。 次いで、このグラフト樹脂組成物を200℃でプ
レス成形し、厚さ2mmの板を作成した。その外観
は均一な白色であり相分離は認められなかつた。 また、その板を破断したところ層状剥離も認め
られなかつた。 実施例 2〜5 実施例1において、グラフト化前駆体とプロピ
レン重合体での混合物を第1表のように変え、他
は実施例1に準じてグラフト樹脂組成物を製造し
た。グラフト樹脂組成物のスチレン系重合体のグ
ラフト効率、キシレン不溶分及び200℃でのプレ
ス成形した板の外観を第1表に示す。
【表】
【表】 実施例 6〜8 実施例1において、混練温度を第2表のように
変え、他は実施例1に準じてグラフト樹脂組成物
を製造した。グラフト樹脂組成物のスチレン系重
合体のグラフト効率、キシレン不溶分及び200℃
でプレス成形した板の外観を表2に示す。
【表】 実施例 9 実施例1において、混練機をラボプラストミル
B−75型ミキサーからバンバリー型ミキサー(株)東
洋精機製作所製)に変え、他は実施例1に準じて
グラフト樹脂組成物を製造した。グラフト樹脂組
成物のスチレン系重合体のグラフト効率48.6重量
%、キシレン不溶分8.2重量%で、また200℃でプ
レス成形した板に相分離、層状剥離は見られなか
つた。 実施例 10 実施例1において、混練機を一軸押出機((株)東
洋精機製作所製)に変え、他は実施例1に準じて
グラフト樹脂組成物を製造した。グラフト樹脂組
成物のスチレン系重合体のグラフト効率41.3重量
%、キシレン不溶分11.2重量%で、また200℃で
プレス成形した板に層分離、層状剥離は見られな
かつた。 実施例 11 実施例1に準じて、まずグラフト化前駆体を製
造した。このグラフト化前駆体の粒状物50gと、
ビニル重合体としてスチレン重合体(商品名「ダ
イヤレツクスHF−55」、三菱モンサント化成(株)
製)50gとを用い、実施例1に準じてグラフト樹
脂組成物を製造した。このグラフト樹脂組成物
は、スチレン系重合体がマトリツクスであると思
われるため、本来はプロピレン重合体のグラフト
効率を求める方が好ましいと考えられるが、残念
ながら適当な測定手段がない。そこで、スチレン
系重合体のプロピレン重合体に対するグラフト効
率を実施例1に準じて求めることゝとした。その
結果、スチレン系重合体のグラフト効率は12.5重
量%、キシレン不溶分は1.4重量%であつた。さ
らに、このグラフト樹脂組成物を実施例1に準じ
て成形した板には相分離あるいは層状剥離は見ら
れなかつた。 実施例 12〜15 実施例11において、グラフト化前駆体とスチレ
ン重合体との混合量を第3表のように変え、他は
実施例1に準じてグラフト樹脂組成物を製造し
た。グラフト樹脂組成物のスチレン系重合体のグ
ラフト効率、キシレン不溶分及び200℃でプレス
成形した板の外観を第3表に示す。 なお、実施例14及び15に見られるように、スチ
レン系重合体をマトリツクスにした場合、スチレ
ン系重合体のプロピレン重合体に対するグラフト
効率は計算上低いもとなるが、分散相であるプロ
ピレン重合体は、スチレン系重合体にかなり高効
率でグラフト化しているものと思われる。
【表】 実施例 16〜19 実施例1において、グラフト化前駆体の製造に
用いられるプロピレン重合体700gを500gに、ス
チレン300gを500gに、ベンゾイルペルオキシド
1.5gを2.5gに、t−ブチルペルオキシメタクリ
ロイロキシエチルカーボネート6gを1gに変
え、他は実施例1に準じてグラフト変前駆体を製
造した。次いで、このグラフト化前駆体とプロピ
レン重合体及びスチレン重合体との混合量を第4
表のように変え、他は実施例1に準じてグラフト
樹脂組成物を製造した。グラフト樹脂組成物のス
チレン系重合体のグラフト効率、キシレン不溶分
及び200℃でプレス成形した板の外観を第4表に
示す。
【表】 実施例 20〜24 実施例1において、スチレン300gをメタクリ
ル酸メチル300gに変え、分子量調節剤としてn
−ドデシルメルカプタン0.6gを追加使用した以
外は、実施例1に準じてグラフト化前駆体を製造
した。このグラフト化前駆体とプロピレン重合体
及びメタクリル酸メチル重合体(商品名「デルペ
ツト50N」、旭化成工業(株)製)との混合量を第5
表のように変え、他は実施例1に準じてグラフト
樹脂組成物を製造した。試験結果は第5表に示
す。
【表】
【表】 実施例 25〜29 実施例1において、スチレン300gを、スチレ
ン210g、アクリロニトリル90g、分子量調節剤
としてのn−ドデジルメルカプタン0.6gの混合
単量体に変えた以外は、実施例1に準じてグラフ
ト化前駆体を製造した。別に、1%ポリビニルア
ルコール水溶液500g中に、スチレン70g、アク
リロニトリル30g、n−ドデシルメルカプタン
0.2g、ベンゾイルペルオキシド0.5gの混合液を
加え、温度80〜85℃で7時間維持して重合を完結
させ、アクリロニトリル−スチレン共重合体を得
た。この共重合体と、先のグラフト化前駆体及び
プロピレン重合体との混合量を第6表のように変
え、他は実施例1に準じてグラフト樹脂組成物を
製造した。試験結果は第6表に示す。
【表】 実施例 30 実施例1において、スチレン300gをメタクリ
ル酸メチル210gとアクリル酸−n−ブチル90g
の混合単量体に変えた以外は、実施例1に準じて
グラフト化前駆体を製造した。次いで、このグラ
フト化前駆体50gとプロピレン重合体50gとを用
い、実施例1に準じてグラフト樹脂組成物を製造
した。その結果、メタクリル酸メチル−アクリル
酸−n−ブチル共重合体のグラフト効率は49.5重
量%、キシレン不溶分は13.2重量%であつた。ま
た、実施例1に準じてプレス成形した板に相分
離、層状剥離は認められなかつた。 実施例 31 実施例1において、スチレン300gを酢酸ビニ
ル300gに、t−ブチルペルオキシメタクリロイ
ロキシエチルカーボネート6gをt−ブチルペル
オキシアリルカーボネート6gにそれぞれ変えた
以外は、実施例1に準じてグラフト化前駆体を製
造した。次いで、このグラフト化前駆体50gとプ
ロピレン重合体50gとを用い、実施例1に準じて
グラフト樹脂組成物を製造した。さらに、グラフ
ト効率は、実施例1において抽出溶媒を酢酸エチ
ルからメタノールに変えることにより測定した。
その結果、酢酸ビニル重合体のグラフト効率は
55.7重量%、キシレン不溶分は19.3重量%であつ
た。また、実施例1に準じてプレス成形した板に
相分離、層状剥離は認められなかつた。 実施例 32 実施例1に準じてグラフト化前駆体を製造し
た。次いで、グラフト化前駆体と混練されるプロ
ピレン重合体として、商品名「スミトモ ノーブ
レンH−501」(メルトフローレート3.5g/
10min、住友化学工業(株)製)50gを用い、グラフ
ト化前駆体50gと混合し、実施例1に準じてグラ
フト樹脂組成物を製造した。このとき、スチレン
系重合体のグラフト効率は42.5重量%、キシレン
系不溶分は8.1重量%であつた。また、実施例1
に準じてプレス成形した板には相分離は見られな
かつたが、破断面にわずかの層状剥離現象が認め
られた。 比較例 1 実施例1に準じてグラフト化前駆体を製造し
た。次いで、このグラフト化前駆体0.50g、プロ
ピレン重合体50g、実施例11で用いたスチレン系
重合体(「ダイヤレツクスHF−55」)49.5gを混
合し、実施例1に準じてグラフト樹脂組成物を製
造した。このとき、スチレン系重合体のグラフト
効率は0.2重量%、キシレン不溶分は0.1重量%で
あつた。また、実施例1に準じてプレス成形した
板には相分離が見られ、破断面にも大きな層状剥
離現象が起こつていた。 比較例 2 実施例1において、グラフト化前駆体と重合体
との混練温度を90℃とした以外は、実施例1に準
じてグラフト化反応を試みた。しかしながら、混
練温度が低いため溶融混練が不可能であつた。 比較例 3 実施例1において、グラフト化前駆体と重合体
との混練温度を320℃とした以外は、実施例1に
準じてグラフト化反応を行なつた。その結果、グ
ラフト化反応中に樹脂の分解が起こり、得られた
樹脂組成物が褐色に着色した。 比較例 4 実施例1において、t−ブチルペルオキシメタ
クリロイロキシエチルカーボネートを用いずに、
グラフト化前駆体を製造した以外は、実施例1に
準じてグラフト化反応を行なつた。その結果、ス
チレン系重合体のグラフト効率は0.8重量%、キ
シレン不溶分は0.1重量%であつた。しかしなが
ら、実施例1に準じてプレス成形した板には相分
離が見られ、さらに破断面に大きな層状剥離現象
が現われた。すなわち、明らかにラジカル(共)
重合性有機過酸化物であるt−ブチルペルオキシ
メタクリロイロキシエチルカーボネートの効果が
確認された。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (a) プロピレン重合体を水に懸濁させ、 該懸濁液に対して、 懸濁液中のプロピレン重合体100重量部当た
    り5〜400重量部のビニル芳香族単量体、(メ
    タ)アクリル酸エステル単量体、(メタ)アク
    リロニトリル及びビニルエシテルに属するビニ
    ル単量体の一種または二種以上に、 (イ) 式 (式中、R1は水素原子又は炭素数1〜2の
    アルキル基、R2は水素原子又はメチル基、
    R3及びR4は夫々炭素数1〜4のアルキル基、
    R5は炭素数1〜12のアルキル基、フエニル
    基、アルキル置換フエニル基又は炭素数3〜
    12のシクロアルキル基を示す。mは1又は2
    である。) 及び 式 (式中、R6は水素原又は炭素数1〜4のア
    ルキル基、R7は水素原子又はメチル基、R8
    及びR9は夫々炭素数1〜4のアルキル基、
    R10は炭素数1〜12のアルキル基、フエニル
    基、アルキル置換フエニル基又は炭素数3〜
    12のシクロアルキル基を示す。nは0、1又
    は2である。) で表されるラジカル(共)重合性有機過酸化
    化物の一種又は二種以上をビニル単量体100
    重量部当り、0.1〜10重量部及び (ロ) 10時間の半減期を得るための分解温度が40
    〜90℃であるラジカル重合開始剤を上記ビニ
    ル単量体とラジカル(共)重合性有機過酸化
    物の合計量100重量部当たり0.01〜5重量部
    を加えた溶液を、 加えて水性懸濁液を生成させた後、 該液をラジカル重合開始剤の分解が実質的に
    起らない条件で加熱して、ビニル単量体、ラジ
    カル(共)重合体有機過酸化物及びラジカル重
    合開始剤をプロピレン重合体に含浸せしめ、更
    に遊離のビニル単量体、ラジカル(共)重合性
    有機過酸化物及びラジカル重合開始剤の含有量
    が初めの50重量%より少なくなつたとき、この
    水性懸濁液の温度を上昇させることにより、ビ
    ニル単量体とラジカル(共)重合性有機過酸化
    物とをプロピレン重合体中において共重合せし
    めて得られた樹脂組成物であるグラフト化前駆
    体を1〜99重量%と、 (b) プロピレン重合体と ビニル芳香族単量体、(メタ)アクリル酸
    エステル単量体、(メタ)アクリロニトリル
    及びビニルエステルに属する一種又は二種以
    上のビニル単量体に基づくビニル単量体 のいずれか一方又は双方からなる重合体99〜1
    重量%とを混合し、該混合物を100〜300℃の溶
    融下、混練することによりグラフト化反応させ
    ることを特徴とするグラフト樹脂組成物の製造
    方法。 2 グラフト化前駆体に混練されるプロピレン重
    合体の単量体組成物が、グラフト化前駆体の製造
    に用いられるプロピレン重合体の単量体組成と同
    一である特許請求の範囲第1項記載のグラフト樹
    脂組成物の製造方法。 3 グラフト化前駆体に混練されるプロピレン重
    合体の単量体のメルトフローレートが、グラフト
    化前駆体の製造に用いられるプロピレン重合体の
    単量体メルトフローレートと同一である特許請求
    の範囲第1項記載のグラフト樹脂組成物の製造方
    法。 4 グラフト化前駆体に混練されるプロピレン重
    合体の単量体組成が、グラフト化前駆体中のビニ
    ル重合体の単量体組成と同一である特許請求の範
    囲第1項記載のグラフト樹脂組成物の製造方法。 5 グラフト化前駆体の製造に用いられるビニル
    単量体のうち少なくとも50重量%が、ビニル芳香
    族単量体からなるものである特許請求の範囲第1
    項記載のグラフト樹脂組成物の製造方法。 6 グラフト化前駆体の製造に用いられるビニル
    単量体のうち少なくとも50重量%が、(メタ)ア
    クリル酸エステル単量体からなるものである特許
    請求の範囲第1項記載のグラフト樹脂組成物の製
    造方法。
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US07/204,263 US4839423A (en) 1987-06-16 1988-06-09 Method for production of graft resin composition
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