JPH05247274A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

Info

Publication number
JPH05247274A
JPH05247274A JP4992492A JP4992492A JPH05247274A JP H05247274 A JPH05247274 A JP H05247274A JP 4992492 A JP4992492 A JP 4992492A JP 4992492 A JP4992492 A JP 4992492A JP H05247274 A JPH05247274 A JP H05247274A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyolefin
weight
modified
alkyl acrylate
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4992492A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Sato
裕之 佐藤
Masahide Ochiumi
雅英 落海
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Petrochemical Co Ltd filed Critical Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Priority to JP4992492A priority Critical patent/JPH05247274A/ja
Publication of JPH05247274A publication Critical patent/JPH05247274A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形品の表面外観が良好であり、相溶性の優
れたポリオレフィン系樹脂組成物の提供。 【構成】(a)ポリオレフィン系樹脂 5〜95重量
%、(b)塩素含有樹脂またはアクリル含有重合体から
選ばれた重合体 95〜5重量%、および(c)ポリオ
レフィンにアルキルアクリレートモノマーが1重量%以
上グラフト共重合された改質ポリオレフィン共重合体樹
脂 上記(a)と(b)の合計量100重量部に対して
2〜200重量部、からなることを特徴とする熱可塑
性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリオレフィン系樹
脂、塩素含有樹脂またはアクリル含有重合体から選ばれ
た重合体、および特定の改質ポリオレフィン共重合体樹
脂からなる熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリオレフィン系樹脂は安価
で各種成形加工性に優れ、かつ品質的にも硬度、クリー
プ特性、耐摩耗性等の機械的性質および耐水性、耐ガソ
リン性、耐薬品性などに優れることから広範囲な用途に
利用されている。しかしながら、一方では剛性、耐衝撃
性、接着性や印刷特性等に難点を有している。一方、塩
化ビニルに代表される塩素含有樹脂は、一般的に耐溶剤
性、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性、難燃性等多くの優
れた性質を有しており、フィルム、電線被覆、床材、
管、板等の用途に幅広く利用されている。しかし、塩素
含有樹脂それ自体では熱及び光に対しては比較的劣化し
やすく、また硬すぎるため、これに適当な安定剤や可塑
剤を添加して用いることが必要とされている。特に軟質
塩化ビニル樹脂は約30〜40%の可塑剤を含有してお
り、そのために耐寒性、耐油性、耐クリ−プ性が悪いと
いう欠点がある。また、ポリメチルメタクリレートに代
表されるアクリル含有重合体は耐薬品性に劣るという欠
点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような現状におい
て、ポリオレフィンに塩素含有樹脂またはアクリル含有
重合体から選ばれた重合体を配合して、両樹脂双方の特
徴を有する熱可塑性樹脂組成物を得ることができれば、
工業上新たな用途展開を期待することが可能である。し
かしながら、ポリオレフィンと塩素含有樹脂またはアク
リル含有重合体は極めて相溶性が悪いことが知られてお
り、単純に両者を混合しただけでは成形加工性が乏しい
だけでなく、非相溶なため外観の劣る成形体しか得るこ
とができない。また、このような単純混合物の成形体の
機械的性質は、大幅に低下していまい、実用に耐え得る
ものを得ることができない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のポリオ
レフィンと塩素含有樹脂またはアクリル含有重合体から
選ばれた重合体との混合における欠点を改良することを
目的とし、特定の改質ポリオレフィン共重合体樹脂を用
いると相溶性が顕著に改善され、この目的が達成される
との知見を得て本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、(a)ポリ
オレフィン系樹脂5〜95重量%、(b)塩素含有樹脂
または95〜5重量%、および(c)ポリオレフィンに
アルキルアクリレートモノマーが1重量%以上グラフト
共重合され、MFRが0.1〜30g/10分である改
質ポリオレフィン共重合体樹脂が(a)と(b)の合計
量100重量部に対して2〜200重量部からなること
を特徴とする熱可塑性樹脂組成物である。
【0005】[発明の具体的説明](1)ポリオレフィン系樹脂 本発明の熱可塑性樹脂組成物の一成分を構成するポリオ
レフィン系樹脂としては、エチレン、プロピレン、ブテ
ン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、
4−メチルペンテン−1−ペンテン等炭素数2〜12、
好ましくは2〜8程度のオレフィンの単独または2種以
上の共重合体、ないしはこれらオレフィンとビニルエス
テル、不飽和有機酸またはその誘導体、ビニル有機シラ
ン等とからなる共重合体などを挙げることができる。共
重合体はランダム、ブロックあるいはグラフトといずれ
のどの様な重合様式のものでも構わない。これらのオレ
フィン共重合体は、2種以上を混合して用いることもで
きる。
【0006】具体例としては、高、中、低密度ポリエチ
レン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体
(ランダム、ブロック)、プロピレン−ブテン−1ラン
ダム共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1ラン
ダム共重合体、プロピレンと炭素数5〜12のα−オレ
フィンと場合によりエチレンまたはブテン−1とからな
る共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン
−ビニルトリメトキシシラン共重合体、無水マレイン酸
グラフトポリエチレン、無水マレイン酸グラフトポリプ
ロピレン、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチ
レン−メタクリル酸共重合体等が代表的なものである。
中でも特に、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン
−プロピレン共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共
重合体などが好ましい。
【0007】(2)改質ポリオレフィン共重合体樹脂 本発明の熱可塑性樹脂組成物の一成分を構成する改質ポ
リオレフィン共重合体樹脂は、ポリオレフィンにアルキ
ルアクリレートモノマーをグラフト反応条件に付して得
られる改質重合体であって、アルキルアクリレートモノ
マーが1重量%以上、好ましくは2重量%以上グラフト
共重合されたものである樹脂状のものである。改質ポリ
オレフィン共重合体のMFR(JIS K6760準
拠:230℃,2.16kg荷重)は、0.1〜30g
/10分、好ましくは0.2〜10g/10分である。
このような改質ポリオレフィン共重合体樹脂(以下「改
質PO」と称す)は下記の方法によって製造されたもの
であることが好適である。
【0008】1)原材料 (i)ポリオレフィン 本発明で用いるポリオレフィンとしては、上記(1)に
記載したポリオレフィン系樹脂から選択される。その
際、両ポリオレフィンは同一種類のものであっても、異
なるものであってもよい。
【0009】(ii)アルキルアクリレ−トモノマー 改質POを製造する際に使用されるアルキルアクリレー
トモノマーは、通常市販のものを用いることができる。
具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレ
ート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレ
ート、sec−ブチルアクリレート、ドデシルアクリレ
ート、2−エチルヘキシルアクリレート、ヘキシルアク
リレート、オクチルアクリレート等のアクリル酸エステ
ル類、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、
n−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレ
ート、デシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタ
クリレート、グリシジルメタクリレート等のメタクリル
酸エステル類が挙げられる。なかでもメチルメタクリレ
ートが好ましい。このアルキルアクリレートモノマーの
過半重量に、これと共重合可能な他のビニル単量体を混
合したものを用いてもよい。ここで他のビニル単量体と
しては、例えばスチレン、2−メチルスチレン、3−メ
チルスチレン、4−メチルスチレン、ジメチルスチレ
ン、クロロスチレン等の不飽和芳香族単量体;酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;アクリ
ル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、マレイン酸ジメ
チル、マレイン酸ジ(2−エチルヘキシル)等の不飽和
有機酸;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不
飽和ニトリル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン等の不飽
和モノないしジハライド等が挙げられる。
【0010】該アルキルアクリレートモノマーは前記ポ
リオレフィン100重量部に対して通常10〜200重
量部、好ましくは20〜100重量部添加される。添加
は一括または分割して添加することができる。上記のよ
うなポリオレフィン及びアルキルアクリレートモノマー
をグラフト反応条件に付すに当たっては、放射線により
反応以外は通常ラジカル発生剤を用いる。
【0011】(iii)ラジカル発生剤 前記改質POを製造する際に使用されるラジカル発生剤
としては、汎用のものを使用することができるが、後に
記載する好ましいグラフト反応方法との関係で、分解温
度が50℃以上であって、かつ油溶性であるものが好ま
しい。ここで「分解温度」とは、ベンゼン1リットル中
にラジカル発生剤0.1モルを添加してある温度で10
時間放置したときにラジカル発生剤の分解率が50%と
なるときの温度であるところの、いわゆる「10時間の
半減期を得るための分解温度」を意味する。この分解温
度が低いものを用いると、アルキルアクリレートモノマ
ーの重合が異常に進行してしまうことがあり、均質な改
質重合体が得られない欠点がある。しかし、逆に分解温
度が高いものと低いものを適宜組み合わせて段階的ない
し連続的に分解を行わせ、効率よくグラフト反応させる
こともできる。
【0012】このようなラジカル発生剤としては、例え
ば2、4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブ
チルパーオキシピバレート、o−メチルベンゾイルパー
オキサイド、ビス−3、5、5−トリメチルヘキサノイ
ルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベン
ゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エ
チルヘキサノエート、シクロヘキサノンパーオキサイ
ド、2、5−ジメチル−2、5−ジベンゾイルパーオキ
シヘン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−
ブチル−ジパーオキシフタレート、メチルエチルケトン
パーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブ
チルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブ
チロニトリル、アゾビス(2、4−ジメチルバレロニト
リル)等のアゾ化合物等がある。ラジカル発生剤の使用
量は、用いるアルキルアクリレートモノマーの量に対し
て0.01〜10重量%程度の範囲内で、ラジカル発生
剤の種類、反応条件により適宜加減することができる。
使用量がこの量未満では反応が円滑に進まず、一方、こ
の量超過では改質PO中にゲルが生成しやすく本発明の
効果が発現され難くなる。
【0013】2)改質POの製造 これら各原料成分をグラフト重合反応に付して改質PO
を製造するのであるが、以下に説明する水性懸濁グラフ
ト手法によって製造することがゲル分をコントロールす
ることが容易な点で特に好ましい方法である。すなわ
ち、ポリオレフィン粒子、アルキルアクリレートモノマ
ー及びラジカル発生剤を含む水性懸濁液を、この開始剤
の分解が実質的に起こらない温度に昇温し、該モノマー
を該ポリオレフィン粒子に含浸させた後、この水性懸濁
液をさらに昇温させてモノマーの重合を完結させる方法
が好ましく、この方法について説明する。
【0014】(i)含浸工程 水性媒体中でポリオレフィン粒子にアルキルアクリレー
トモノマーを含浸させる代表的な好ましい方法として
は、ポリオレフィン粒子の水性懸濁液に、好ましくはラ
ジカル発生剤(及び必要に応じてその他の添加剤)が溶
存しているアルキルアクリレートモノマーを加えて撹拌
するか、または、ラジカル発生剤が溶存したアルキルア
クリレートモノマーの水性分散液にポリオレフィン粒子
を加えて撹拌する方法を挙げることができる。
【0015】含浸工程では、工業的には上記ラジカル発
生剤が実質的に分解しない温度に昇温して、効率よく含
浸が行われるべきであり、一般的には室温から100
℃、特に60〜90℃で操作するのが好ましい。この工
程で、遊離アルキルアクリレートの量が、アルキルアク
リレート使用量の80重量%以下となるようにアルキル
アクリレートを含浸させる。ポリオレフィンはアルキル
アクリレートと比較的相溶性があるので、重合開始前に
80重量%以下のアルキルアクリレートが遊離していて
も重合中にこれらアルキルアクリレートはポリオレフィ
ン粒子に含浸するので、これらアルキルアクリレートを
重合して得られる重合体粒子が改質されたポリオレフィ
ン重合体粒子と独立して析出することはない。含浸時間
は2〜8時間程度が普通である。水性分散液中のポリオ
レフィン及びアルキルアクリレートの含量は、水100
重量部に対して5〜100重量部程度であるのが普通で
ある。
【0016】このような水性分散液は単に撹拌を十分に
行うだけでも安定に分散状態に維持することができる
が、適当な懸濁安定剤を使用すればより容易かつ安定に
懸濁分散液を調整することができる。この場合の懸濁安
定剤としては、例えばポリビニルアルコール、メチルセ
ルロース、ヒドロキシセルロース等の水溶性高分子;ア
ルキルベンゼンスルホネート等のような陰イオン性界面
活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル等の非イ
オン性界面活性剤;あるいは酸化マグネシウム、リン酸
カルシウム等の水不溶性の無機塩等が単独あるいは混合
して水に対して0.01〜10重量%程度の量で使用さ
れる。ポリオレフィン粒子にアルキルアクリレートモノ
マー(及びラジカル発生剤等)を含浸させる際に、可塑
剤、滑剤、酸化防止剤等の補助資材を同時に含浸させる
ことができる(これらの補助資材はポリオレフィンに既
に添加されている場合もあり、またグラフト重合反応後
に配合することもできる)。
【0017】(ii)グラフト重合工程 このようにして調整した水性懸濁液を昇温して、使用し
たラジカル発生剤が適当な速度で分解する温度以上にす
れば、含浸されたアルキルアクリレートモノマーはグラ
フト重合して改質PO粒子が生成する。グラフト重合進
行中の水性懸濁液は、適当に撹拌することが好ましい。
重合温度は一般的に50〜150℃の範囲で適宜選択す
べきであるが、グラフト重合工程を通じて一定である必
要はない。重合は2〜10時間程度であるのが普通であ
る。重合圧力は常圧〜10kg/cm2程度が普通である。ま
た、アルキルアクルレートモノマーの重合の結果生じる
重合体の分子量調節のため、n−ブチルメルカプタン、
n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン
等の連鎖移動剤を添加するとよい。
【0018】重合後、通常のビニル単量体(例えばスチ
レン)の水性懸濁重合の後処理と同様の後処理を行え
ば、使用したポリオレフィン粒子の形状がほぼそのまま
保持されていて直ちに成形用材料として使用することが
できる改質PO粒子が得られる。粒子寸法は、通常成形
材料として用いられる程度のものである方が生成される
改質POをそのまま成形材料に用いることができるので
好ましく、好ましくは平均粒径1〜8mm、好ましくは
3〜7mm程度である。その寸法は改質処理前後でさし
て変化が認められない。得られた改質POは、アルキル
アクリレートモノマーが1重量%以上、好ましくは2重
量%以上グラフト共重合されたものである。
【0019】(3)塩素含有樹脂 塩素含有樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合
体、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル・エ
チレン共重合体、塩化ビニル・アクリロニトリル共重合
体、塩化ビニル・アクリル酸メチル共重合体、塩素化ポ
リエチレン等市販のものが適宜使用されるが、中でもポ
リ塩化ビニルが好ましい。さらに、本発明の効果を阻害
しない限り該塩素含有樹脂に他の重合体をブレンドして
用いることも可能である。例えば、ポリ塩化ビニルとア
クリロニトリル・ブタジエン共重合体ゴムとは互いに相
溶性があって、より多量に混入させることができるので
好ましい。
【0020】(4)アクリル含有重合体 本発明で使用される成分の一つであるアクリル含有重合
体は、一般にいうアクリル重合体およびアクリル変性重
合体である。アクリル重合体としては、例えば、ポリア
クリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル
酸ブチル、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチ
ル・アクリル酸メチル共重合体、メタクリル酸メチル・
アクリロニトリル共重合体、メタクリル酸・α−メチル
スチレン共重合体等の市販のものを適宜使用可能であ
る。この中でもポリメタクリル酸メチルを使用すること
が好ましい。
【0021】アクリル変性重合体としては、例えばアク
リロニトリル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・
ブタジエン・スチレン共重合体、アクリロニトリル・ス
チレン・エチレン・プロピレン共重合体、メタクリル酸
メチル・スチレン・ブタジエン共重合体等市販のものを
適宜使用可能である。この中でもアクリロニトリル・ブ
タジエン・スチレン共重合体を使用することが好まし
い。もちろん、上記塩素含有樹脂またはアクリル含有重
合体には、本発明の効果を損なわない範囲で各種の安定
剤、着色剤、充填剤、核剤、軟化剤、可塑剤、帯電防止
剤等添加剤を配合したものであってもよい。
【0022】(5)組成物の配合割合 本発明の組成物の配合割合は(a)ポリオレフィン系樹
脂5〜95重量%、好ましくは10〜90重量%、
(b)塩素含有樹脂またはアクリル含有重合体95〜5
重量%、好ましくは90〜10重量%及び(c)改質P
Oが(a)と(b)の合計量100重量部に対して2〜
200重量部、好ましくは3〜150重量%である。配
合される改質POの量が2重量部未満では相溶性を改善
が充分でなく、また200重量部超過では物性バランス
上好ましくない。本発明の組成物には、これらの必須成
分の他に付加的成分を発明の効果を損なわない範囲の量
で添加することができる。付加的成分としては、例え
ば、他の熱可塑性樹脂、ゴム物質、無機フィラー、顔
料、可塑剤、各種安定剤(酸化防止剤、帯電防止剤、光
安定剤、アンチブロッキング剤、滑剤)等である。
【0023】(6)組成物の製造 上記の成分をドライブレンドして直接成形しても得られ
るが、一般には予めロール、バンバリーミキサー、押出
機等通常の混練機で混練して組成物とした後成形に供さ
れる。成形は、射出成形、中空成形、押出成形、圧縮成
形等いずれの方法も採ることができる。
【0024】(7)本発明組成物の用途 本発明の熱可塑性樹脂組成物は、特定の改質ポリオレフ
ィン共重合体樹脂を用いることにより、ポリオレフィン
と塩素含有樹脂またはアクリル含有重合体の相溶性を改
善することができ、両者の長所を併せ持つことができる
ので、工業部品、包装材料、自動車部品、電気・電子部
品等の用途への適用が期待し得るものである。
【0025】
【実施例】
実施例1改質PO粒子の製造工程 50リットル容量のオ−トクレ−ブに水20kg、懸濁
剤の第三リン酸カルシウム0.6kg、およびドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム0.6gを混入して水性
媒質とし、これに粒径3〜4mmのエチレン−プロピレ
ンランダム共重合体粒子(エチレン含量4.0%、MF
R17.0g/10分)6kgを加え、撹拌して懸濁さ
せた。別にt−ブチルパーオキシピバレート130.2
g、及びベンゾイルパーオキサイド40.2gをメチル
メタクリレートモノマー6kgに溶解し、これを先の懸
濁系に添加し、オートクレーブ内に窒素を導入して系内
を0.5kg/cm2に加圧した。更にオートクレーブ内を6
0℃に昇温し、この温度で撹拌しながら3時間放置して
重合開始剤を含むメチルメタクリレートモノマーを全量
エチレン−プロピレンランダム共重合体粒子中に含浸さ
せた。次にこの懸濁液を75℃に昇温し、この温度で撹
拌しながら3時間放置して重合を行い、更に90℃に昇
温して3時間維持して重合を完結した。冷却後、内容固
形物を取り出して水洗し、改質エチレン−プロピレンラ
ンダム共重合体粒子12kgを得た。得られた改質エチ
レン−プロピレンランダム共重合体のMFRは1.0/
10分であった。また、得られた改質PO粒子をアセト
ンにて十分に抽出し、未グラフトのメチルメタクリレー
ト重合体を除去した後、赤外線吸収スペクトルよりグラ
フト率を求めたところ、グラフト率は12重量%であっ
た。ここで、グラフト率は、 グラフト率=(グラフトしたモノマー量/重合したモノ
マー量)×100(%) である。
【0026】樹脂組成物の製造工程 上記で得られた改質エチレン−プロピレンランダム共重
合体粒子、ポリプロピレン(三菱油化製三菱ポリプロF
X4:MFR6.0g/10分)、ポリ塩化ビニル(三
菱化成ポリテック社製ビニカコンパウンドD7210)
を第1表に示す割合で用いて、東洋精機(株)製ブラベ
ンダープラストグラフにて、180℃で混練したのち圧
縮成形法により1mm厚シート(縦20cm,横20cm)を得
た。これらのシ−トについて各種の評価をした。結果を
第1表に示す。
【0027】比較例1 実施例1において改質エチレン−プロピレンランダム共
重合体粒子を用いない以外は実施例1と同様にしてシー
トを得て、評価した。結果を第1表に示す。
【0028】
【表1】
【0029】実施例2 上記実施例1における工程で得られた改質エチレン−プ
ロピレンランダム共重合体粒子、ポリプロピレン(三菱
油化製三菱ポリプロMA3:MFR11.0g/10
分)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合
体(三菱化成ポリテック社製タフレックスYT410)
を第2表に示す割合で用いて、東洋精機(株)製ブラベ
ンダープラストグラフにて、230℃で混練したのち圧
縮成形法により1mm厚シート(縦20cm,横20cm)を得
た。これらのシートについて各種の評価をした。結果を
第2表に示す。
【0030】比較例2 実施例2において改質エチレン−プロピレンランダム共
重合体粒子を用いない以外は実施例2と同様にしてシー
トを得て、評価した。結果を第2表に示す。
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】本発明は、特定の改質ポリオレフィン共
重合体樹脂を配合することにより、ポリオレフィンと塩
素含有樹脂またはアクリル含有重合体の相溶性を大幅に
改良したものであり、機械的強度に優れ、かつ表面外観
の良好な成形品が得られるので、各種工業用部品や包装
材料への応用等、工業的に極めて有用なものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)ポリオレフィン系樹脂 5〜95重
    量% (b)塩素含有樹脂またはアクリル含有重合体から選ば
    れた重合体 95〜5重量%、および (c)ポリオレフィンにアルキルアクリレートモノマー
    が1重量%以上グラフト共重合され、MFRが0.1〜
    30g/10分である改質ポリオレフィン共重合体樹脂
    上記(a)と(b)の合計量100重量部に対して、
    2〜200重量部からなることを特徴とする熱可塑性樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】 改質ポリオレフィン共重合体樹脂が、ポ
    リオレフィン重合体粒子、アルキルアクリレートモノマ
    ーおよびラジカル発生剤を含む水性懸濁液を、該ラジカ
    ル発生剤の分解が実質的に起こらない温度に昇温し、該
    アルキルアクリレートモノマーを前記ポリオレフィン重
    合体粒子に含浸させた後、この水性懸濁液をさらに昇温
    してグラフト反応を完結させる方法によって得られたも
    のである、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
JP4992492A 1992-03-06 1992-03-06 熱可塑性樹脂組成物 Pending JPH05247274A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4992492A JPH05247274A (ja) 1992-03-06 1992-03-06 熱可塑性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4992492A JPH05247274A (ja) 1992-03-06 1992-03-06 熱可塑性樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05247274A true JPH05247274A (ja) 1993-09-24

Family

ID=12844566

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4992492A Pending JPH05247274A (ja) 1992-03-06 1992-03-06 熱可塑性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05247274A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2004311958B2 (en) Interpolymer resin particles
WO1995013320A1 (fr) Composition de resine polyolefinique
JPH05247274A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH0651767B2 (ja) グラフト樹脂組成物の製造方法
EP0279430B1 (en) The method of manufacturing a grafted resin composition
JP2792996B2 (ja) グラフト変性オレフィン共重合体の製造法
JP3379793B2 (ja) 改質オレフィン重合体粒子の製造法
JPH0476383B2 (ja)
JPH06136231A (ja) 重合体組成物
JP4103972B2 (ja) ゴム変性熱可塑性樹脂
JP3274922B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂組成物
JPH0593020A (ja) ポリプロピレン系組成物の変性方法
JPS63270713A (ja) グラフト化前駆体及びその製造方法
JPH0347299B2 (ja)
JPH07173229A (ja) 変性ポリオレフィンの製造方法
JP3210056B2 (ja) 塩素含有樹脂組成物
JPS6315951B2 (ja)
JPS6367484B2 (ja)
JPS6364446B2 (ja)
JPH06106685A (ja) 変性プロピレン系重合体を用いた樹脂積層物
JPS638984B2 (ja)
JPH0710935A (ja) グラフト共重合体及び該グラフト共重合体を含有してなるポリオレフィン系樹脂組成物
JP2019099735A (ja) 熱可塑性樹脂組成物及びその成形品
JPH07258496A (ja) 架橋性樹脂組成物および架橋成形体
JPH083232A (ja) グラフト共重合変性オレフィン系樹脂の製造方法