JPH09316258A - エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物組成物およびその製法 - Google Patents
エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物組成物およびその製法Info
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Abstract
エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物組成物を得
ること。 【解決手段】 亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩を
亜硫酸換算で1〜5000ppm含有するエチレン−ビ
ニルエステル共重合体ケン化物組成物を提供すること、
また好ましくはそれに加えて25℃でのpKaが2〜6
の酸および/またはその金属塩を酸換算で10〜500
0ppm含有するエチレン−ビニルエステル共重合体ケ
ン化物組成物を提供すること。また、亜硫酸塩および/
または亜硫酸水素塩を含む水溶液にエチレン−ビニルエ
ステル共重合体ケン化物を浸漬することを特徴とするエ
チレン−ビニルエステル共重合体ケン化物組成物の製造
方法を提供すること、また好ましくはそれに加えて25
℃でのpKaが2〜6の酸および/またはその金属塩を
含む水溶液にも浸漬することを特徴とするエチレン−ビ
ニルエステル共重合体ケン化物組成物の製造方法を提供
すること。
Description
つ溶融成形時のブツの発生が少ない高品質のエチレン−
ビニルエステル共重合体ケン化物組成物およびその製法
に関する。
化物は酸素遮蔽性、耐油性、非帯電性、機械強度等に優
れた有用な高分子材料であり、フィルム、シート、容器
など各種包装材料などとして広く用いられる。エチレン
−ビニルエステル共重合体ケン化物を各種包装材として
用いた場合、使用目的に対する性能はもとより、外観上
のわずかな着色やフィッシュアイ、ブツ、肌荒れおよび
透明性が問題視される。
ケン化物は、溶融成形を行うに際し、着色やブツの発生
といった問題を発生しやすいという問題を有している。
そこで従来、その着色やブツの発生を抑制する方法とし
て以下のような様々な手法が提案されている。
体ケン化物に酢酸、リン酸等の酸および/またはそれら
の塩を添加する方法については、特開昭48−2504
8、特開昭51−26993、特開昭51−2889
1、特開昭51−49294、特開昭51−9198
8、特開昭52−954、特開昭52−955、特開昭
52−956、特開昭56−20044、特開昭56−
41204、特開昭61−95053、特開昭61−9
5054、特開昭62−143954等、多数出願され
ている。すなわち、エチレン−ビニルエステル系共重合
体に苛性アルカリを加えてケン化し、水で洗浄後、酢
酸、リン酸などの酸および/またはそれらの塩を添加
し、さらに乾燥することにより着色やブツの発生の少な
いものが得られる、とされている。
ン−ビニルエステル共重合体ケン化物における着色やブ
ツの発生などの問題に対してはさまざまな対策がとられ
ている。しかし、エチレン−ビニルエステル共重合体ケ
ン化物に酢酸、リン酸等の酸および/またはそれらの塩
を添加する方法については、ケン化後の中和、洗浄が充
分でなかったり、酢酸、リン酸およびそれらの塩の添加
量が適当でないと、着色やブツの発生が増加しやすくな
る。この欠点を改良するために、ケン化後の充分な洗浄
や、酢酸、リン酸等の酸および/またはそれらの塩の添
加量の最適化が行われているが、それでもなお、満足し
えるレベルには到達していないのが現状である。
時にブツの発生が少ないエチレン−ビニルエステル共重
合体ケン化物組成物およびその製法を提供することにあ
る。
よび/または亜硫酸水素塩を亜硫酸換算で1〜5000
ppm含有するエチレン−ビニルエステル共重合体ケン
化物組成物を提供することによって達成される。さらに
加えて、25℃でのpKaが2〜6の酸および/または
その金属塩を酸換算で10〜5000ppm含有するエ
チレン−ビニルエステル共重合体ケン化物組成物を提供
することでより十分に達成される。また、亜硫酸塩およ
び/または亜硫酸水素塩を含む水溶液にエチレン−ビニ
ルエステル共重合体ケン化物を浸漬することを特徴とす
るエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物組成物の
製造方法を提供することによっても達成され、亜硫酸塩
および/または亜硫酸水素塩を含む水溶液並びに(2)
25℃でのpKaが2〜6の酸および/またはその金属
塩を含む水溶液にエチレン−ビニルエステル共重合体ケ
ン化物を浸漬することを特徴とするエチレン−ビニルエ
ステル共重合体ケン化物組成物の製造方法を提供するこ
とでより十分に達成される。
たは亜硫酸水素塩はそれぞれ、Mx(SO3)y、Mx
(HSO3)yで示される化合物をいい、ここでMは水
中で陽イオンに解離できるものであれば特に限定されな
い。亜硫酸塩の具体例としては、亜硫酸カリウム、亜硫
酸ナトリウム、亜硫酸マグネシウム、亜硫酸カルシウ
ム、亜硫酸アンモニウムなどがあげられ、亜硫酸水素塩
の具体例としては、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素ナ
トリウムなどがあげられる。中でも、ナトリウム塩(亜
硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム)が食品添加剤
としてFDAの認可を受けており、安全性に優れるの
で、EVOHが食品包装容器用材料として多用される観
点からも好ましい。
有量は亜硫酸換算で1〜5000ppmである。ここで
亜硫酸換算とはMx(SO3)y、Mx(HSO3)y式
において、MがH(水素)であったとき、すなわちH2
SO3での重量換算ということである。1ppm未満の
場合には、着色および溶融安定性の改善効果に乏しく、
5000ppmを超える場合には着色するという問題を
生じやすい。亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩の含
有量は好ましくは10ppm以上であり、より好ましく
は20ppm以上である。また、好ましくは1000p
pm以下であり、より好ましくは500ppm以下であ
る。
はその金属塩は、25℃でのpKaが2〜6の酸および
/またはその金属塩である。ここでpKaとは、酸の解
離定数をKaとするとき、pKa=−logKaで定義
される値のことをいう。なお、酸が多塩基酸である場合
には、pKaが2〜6の酸基を少なくとも1つ有すれば
よい。pKaが2〜6であることが重要で、pKaが2
以下または6以上では着色や溶融成形時のブツ発生の低
減効果は減少し、目的を充分に達成することが困難であ
る。pKaの値はより好ましくは3〜5.5である。p
Kaが2〜6である酸としては各種の無機酸および有機
酸が使用可能であり、特に限定されるものではないが、
具体的にはリン酸、亜リン酸、酢酸、シュウ酸、コハク
酸、アジピン酸、酒石酸、クエン酸等があげられる。ま
た、この酸は沸点115℃以上であることが、処理後に
チップを乾燥する時に酸等が揮散することを防止する理
由により望ましい。
れるものではないが、ナトリウム塩、カリウム塩、リチ
ウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩等
があげられ、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カル
シウム等を用いることができる。多塩基酸を用いる場合
にはその金属塩が部分塩であってもよく、リン酸二水素
ナトリウムやリン酸二水素カリウムなども用いることが
できる。
たはその金属塩の含有量は酸換算で10〜5000pp
mであることが好ましい。ここで酸換算とは塩でもイオ
ンでもない形の酸としての重量換算ということである。
10ppm未満の場合には、着色および溶融安定性の改
善効果が十分でなく、5000ppmを超える場合には
着色するという問題が生じやすい。25℃でのpKaが
2〜6の酸および/またはその金属塩の含有量はより好
ましくは20ppm以上であり、特に好ましくは50p
pm以上である。また、より好ましくは1000ppm
以下であり、特に好ましくは500ppm以下である。
共重合体は、エチレンとビニルエステルを共重合して得
られるが、ビニルエステルの種類は特に限定されるもの
ではない。例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、
バーサチック酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどの脂肪族
ビニルエステルがあげられ、芳香族カルボン酸のビニル
エステルであっても構わない。これらのビニルエステル
の中で、価格の面から酢酸ビニルが好ましい。
ル共重合体ケン化物は、エチレン含有量が10〜60モ
ル%、好ましくは20〜55モル%、ビニルエステル成
分のケン化度90モル%以上、好ましくは95モル%以
上のものである。エチレン含量が10モル%以下では高
湿時の酸素遮断性が低下し、一方60モル%以上では充
分な酸素遮断性や印刷適性等の物性が低下する。また、
ケン化度が90モル%以下では、酸素遮断性や耐湿性が
低下する。
レンとビニルエステルの重合は溶液重合に限るものでは
なく、連続式、回分式のいずれであってもよいが、例え
ば、回分式の溶液重合の場合の重合条件は次の通りであ
る。
エチレン、ビニルエステルおよびエチレン−ビニルエス
テル共重合体を溶解し得る有機溶剤(ジメチルスルホキ
シドなど)を用いることができる。アルコール類として
はメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアル
コール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール
等を用いることができ、特にメチルアルコールが好まし
い。 触媒;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,
2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2’−アゾビス−(4−メチル−2,4−ジ
メチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(2−
シクロプロピルプロピオニトリル)等のアゾニトリル系
開始剤およびイソブチリルパーオキサイド、クミルパー
オキシネオデカノエイト、ジイソプロピルパーオキシカ
ーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネー
ト、t−ブチルパーオキシネオデカノエイト、ラウロイ
ルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブ
チルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物系開始剤
等を用いることができる。 温度;20〜90℃、好ましくは40℃〜70℃。 時間;2〜15時間、好ましくは3〜11時間。 重合率;仕込みビニルエステルに対して10〜90%、
好ましくは30〜80%。 重合後の溶液中の樹脂分;5〜85%、好ましくは20
〜70%。 共重合体中のエチレン含有率;20〜60モル%、好ま
しくは25〜55モル%。
れらと共重合し得る単量体、例えば、プロピレン、イソ
ブチレン、α−オクテン、α−ドデセン等のα−オレフ
ィン;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイ
ン酸、イタコン酸等の不飽和酸またはその無水物、塩、
あるいはモノまたはジアルキルエステル等;アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル等のニトリル類;アクリル
アミド、メタクリルアミド等のアミド類;エチレンスル
ホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等の
オレフィンスルホン酸またはその塩;アルキルビニルエ
ーテル類、ビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化
ビニル、塩化ビニリデン等を少量共存させることも可能
である。
後、必要に応じて重合禁止剤を添加し、未反応のエチレ
ンガスを蒸発除去した後、未反応ビニルエステルを追い
出す。エチレンを蒸発除去したエチレン−ビニルエステ
ル共重合体から未反応のビニルエステルを追い出す方法
としては、例えば、ラシヒリングを充填した塔の上部か
ら該共重合体溶液を一定速度で連続的に供給し、塔下部
よりメタノール等の有機溶剤蒸気を吹き込み塔頂部より
メタノール等の有機溶剤と未反応ビニルエステルの混合
蒸気を流出させ、塔底部より未反応ビニルエステルを除
去した該共重合体溶液を取り出す方法などが採用され
る。
体溶液にアルカリ触媒を添加し、該共重合体中のビニル
エステル成分をケン化する。ケン化方法は連続式、回分
式いずれも可能である。アルカリ触媒としては水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、アルカリ金属アルコラート
などが用いられる。例えば、回分式の場合のケン化条件
は次の通りである。 該共重合体溶液濃度;10〜50%。 反応温度;30〜60℃。 触媒使用量;0.02〜0.6当量(ビニルエステル成
分当たり)。 時間;1〜6時間。 ケン化反応後のケン化度は目的により異なるが通常ビニ
ルエステル成分の90%以上であり、好ましくは95%
以上である。ケン化度は条件によって任意に調整でき
る。
体ケン化物はアルカリ触媒、副生塩類、その他不純物等
を含有するため、これらを必要に応じて中和、洗浄する
ことにより除去する。
体ケン化物に亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩を含
有させる方法は特に限定されない。例えば、該ケン化物
を亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩が溶解している
溶液に浸漬させる方法、該ケン化物を溶融させて亜硫酸
塩および/または亜硫酸水素塩を混合させる方法、また
は該ケン化物を適当な溶媒に溶解させて亜硫酸塩および
/または亜硫酸水素塩を混合させる方法等がある。
によって生じる樹脂の劣化を防止でき、樹脂溶液から溶
剤を回収する必要がないこと等の理由から、溶液に浸漬
させて亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩を含有させ
る方法が望ましい。この処理は、バッチ方式、連続方式
のいずれによる操作でも実施可能である。また、その際
該ケン化物の形状は、粉末、粒状、球状、円柱形チップ
状等の任意の形状であってよい。
物を亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩の溶液に浸漬
させる場合、亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩の濃
度は、0.0001〜100g/Lの範囲内が好まし
く、最適には0.001〜20g/Lである。浸漬させ
る溶液の溶媒は特に限定されないが、取扱い上の理由や
亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩の溶解性の点など
から水溶液であることが好ましい。該ケン化物を浸漬す
る際、亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩の溶液重量
が、乾燥時の該ケン化物重量に対して3倍以上、好まし
くは20倍以上であることが望ましい。浸漬時間はエチ
レン−ビニルエステル共重合体ケン化物の形態によって
その好適範囲は異なるが、1〜10mm程度のチップの
場合には1時間以上、好ましくは2時間以上が望まし
い。
物に亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩を含有させる
ことに加えて、25℃でのpKaが2〜6の酸および/
またはその金属塩を含有させることで、成形時のブツ発
生や着色をより効果的に低減させることができる。
酸水素塩での処理同様、特に限定されない。例えば、該
ケン化物を25℃でのpKaが2〜6の酸および/また
はその金属塩の溶液に浸漬させる方法、該ケン化物を溶
融させて25℃でのpKaが2〜6の酸および/または
酸の金属塩を混合させる方法、または該ケン化物を適当
な溶媒に溶解させて25℃でのpKaが2〜6の酸およ
び/または酸の金属塩を混合させる方法等がある。
によって生じる樹脂の劣化を防止でき、樹脂溶液から溶
剤を回収する必要がないこと等の理由から、該ケン化物
を25℃でのpKaが2〜6の酸および/または酸の金
属塩の溶液、特に水溶液に浸漬させる方法が望ましく、
その濃度は、酸、金属塩の合計値として好ましくは0.
01〜50g/L、より好ましくは0.05〜20g/
Lである。この処理においても、バッチ方式、連続方式
のいずれによる操作でも実施可能である。ケン化物の形
状も、粉末、粒状、球状、円柱形チップ状等の任意の形
状であってよい。
/またはその金属塩での処理は、亜硫酸塩および/また
は亜硫酸水素塩での処理の前に行ってもよいし、後に行
ってもよく、また同時に処理しても構わない。なかで
も、25℃でのpKaが2〜6の酸および/またはその
金属塩、並びに亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩の
双方を含む溶液で処理することが、工程の簡素化の点か
ら好ましい。このとき、この処理液はpH7以下に、よ
り好ましくは6.2以下に調製されていることが、溶融
成形時のブツの発生や着色をより効果的に抑えられるた
め望ましい。
酸水素塩の溶液に浸漬して処理した場合、最後に乾燥し
目的とする亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩を含有
するエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物組成物
が得られる。また、それに加えて25℃でのpKaが2
〜6の酸および/またはその金属塩の溶液に浸漬して処
理した場合には、最後に乾燥し目的とする亜硫酸塩およ
び/または亜硫酸水素塩および25℃でのpKaが2〜
6の酸および/またはその金属塩を含有するエチレン−
ビニルエステル共重合体ケン化物組成物が得られる。
共重合体ケン化物の好適なメルトインデックス(MI)
(190℃、2160g荷重下で測定;ただし、融点が
190℃付近あるいは190℃を越えるものは2160
g荷重下、融点以上の複数の温度で測定し、片対数グラ
フで絶対温度の逆数を横軸、メルトインデックスを縦軸
(対数)としてプロットし、190℃に外挿した値)は
0.1〜200g/10min.、最適には0.2〜1
00g/10min.である。
および/または亜硫酸水素塩とエチレン−ビニルエステ
ル共重合体ケン化物の組成物は溶融成形によりフィル
ム、シート、容器、パイプ、繊維等、各種の成形体に成
形される。これらの成形物は再使用の目的で粉砕し再度
成形することも可能である。また、フィルム、シート、
繊維等を一軸または二軸延伸することも可能である。溶
融成形法としては押出成形、インフレーション押出、ブ
ロー成形、溶融紡糸、射出成形等が可能である。溶融温
度は該共重合体の融点等により異なるが150〜270
℃程度が好ましい。該共重合体ケン化物の組成物の重合
度、エチレン含有率およびケン化度の異なるものを二種
以上ブレンドし溶融成形することも可能である。また、
該共重合体ケン化物の組成物に他の各種可塑剤、安定
剤、界面活性剤、色剤、紫外線吸収剤、スリップ剤、帯
電防止剤、乾燥剤、ホウ酸などの架橋剤、金属塩、充填
剤、各種繊維等の補強剤等を適量添加することも可能で
ある。このような方法によって、着色およびブツの少な
い成形物が得られる。
熱可塑性樹脂を適量配合することも可能である。熱可塑
性樹脂としては各種ポリオレフィン(ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−
ペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレンと
炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体、ポリオレ
フィンと無水マレイン酸との共重合体、エチレン−ビニ
ルエステル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共
重合体、またはこれらを不飽和カルボン酸またはその誘
導体でグラフト変性した変性ポリオレフィンなど)、各
種ナイロン(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6/
66共重合体など)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアクリロニト
リル、ポリウレタン、ポリアセタールおよび変性ポリビ
ニルアルコール樹脂などが用いられる。また、本発明中
のエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物の組成物
を前記の熱可塑性樹脂と積層、特に共押出しして多層構
造体として使用することもできる。また、該エチレン−
ビニルエステル共重合体ケン化物組成物を紙、プラスチ
ックフィルムおよび金属箔等の基材フィルムに共押出し
コートあるいは溶液コートすることも可能である。
お、(部)、(%)、(ppm)は特に断わりのない限
り重量基準で表したものである。
順で行った。亜硫酸塩・亜硫酸水素塩の含量および25
℃でのpKaが2〜6の酸、その塩の含量の測定は以下
のように行った。試料とする乾燥チップ10gを0.0
1規定の塩酸水溶液50mlに投入し、95℃で6時間
攪拌した。攪拌後の水溶液をイオンクロマトグラフィー
を用いて定量分析し、亜硫酸イオン量を亜硫酸換算で得
た。カラムは、(株)横河電機製のICS−A23を使
用し、溶離液は2.5mMの炭酸ナトリウムと1.0m
Mの炭酸水素ナトリウムを含む水溶液とした。なお、定
量に際しては亜硫酸ナトリウム水溶液で作成した検量線
を用いた。また、25℃でのpKaが2〜6の酸、その
塩の含量についても同様にして、酸とその塩の合計量と
して酸換算で得た。このとき酢酸イオンについては酢酸
で、リン酸イオンについてはリン酸で検量線を作成し
た。
K−7103に準じて測定した。また、溶融成形物の黄
色度については、乾燥チップを230℃で6分30秒溶
融し、板状に成形したものの表面色をJIS−K−71
03に準じて測定した。また、上記乾燥後のケン化物を
径20mmの押出機/Tダイ単層製膜機でシリンダー温
度230℃で製膜し、厚み30μmのフィルムを作成し
た。このフィルムのブツの数を、目視で確認可能なもの
の数をカウントすることで測定した。
0部、メタノール2180部、AIBN(アゾビスイソ
ブチロニトリル)7.5部を仕込み、攪拌しながら窒素
置換後、昇温、昇圧し内温60℃、エチレン圧力35.
5kg/cm2に調整した。3.5時間その温度、圧力
を保持し重合させた後、ハイドロキノン5部を添加し、
重合槽を常圧に戻し、エチレンを蒸発除去した。引き続
き、このメタノール溶液をラシヒリングを充填した追い
出し塔の塔上部より連続的に流下させ、一方、塔底部よ
りメタノール蒸気を吹き込んで未反応酢酸ビニル単量体
をメタノール蒸気とともに塔頂部より放出させコンデン
サーを通して除去することにより、未反応酢酸ビニル
0.01%以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体の45
%メタノール溶液を得た。この時の重合率は仕込み酢酸
ビニルに対して47%、エチレン含有率は33モル%で
あった。
タノール溶液をケン化反応器に仕込み、苛性ソーダ/メ
タノール溶液(80g/L)を共重合体中の酢酸ビニル
成分に対し、0.4当量となるように添加し、メタノー
ルを添加して共重合体濃度が20%になるように調整し
た。60℃に昇温し反応器内に窒素ガスを吹き込みなが
ら約4時間反応させた。4時間後、酢酸で中和し反応を
停止させ、円形の開口部を有する金板から水中に押し出
して析出させ、切断することで直径約3mm、長さ約5
mmのチップを得た。得られたチップは遠心分離機で脱
液しさらに大量の水を加え脱液する操作を繰り返した。
ル共重合体ケン化物の含水チップ3kgを、0.1g/
Lの亜硫酸ナトリウムの水溶液40Lに25℃で4時間
浸漬した。浸漬後、80℃で3時間、引き続いて105
℃で15時間熱風乾燥機を用いて乾燥を行った。得られ
たエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物のケン化
度は99.5モル%、メルトインデックス(190℃、
2160g荷重下)は2g/10min.であった。乾
燥チップ中の亜硫酸塩の含量は亜硫酸換算量として50
ppmであった。また、乾燥チップの黄色度は13であ
り、溶融成形物の黄色度は16であった。また、ブツの
数は31個/100cm2であった。これらの結果は表
1にあわせて記載した。
水溶液の代わりに以下に示すような水溶液に浸漬した他
は実施例1と同様にしてエチレン−ビニルエステル共重
合体ケン化物組成物チップを得て、実施例1と同様にし
て評価した。評価結果を表1に示す。 ・比較例1……純水 ・比較例2……0.01g/Lの亜硫酸ナトリウム水溶
液 ・実施例2……0.02g/Lの亜硫酸ナトリウム水溶
液 ・実施例3……1g/Lの亜硫酸ナトリウム水溶液 ・比較例3……20g/Lの亜硫酸ナトリウム水溶液 ・実施例4……0.1g/Lの亜硫酸水素ナトリウム水
溶液 ・実施例5……0.1g/Lの亜硫酸カリウム水溶液 ・実施例6……0.1g/Lの亜硫酸マグネシウム水溶
液 ・実施例7……0.1g/Lの亜硫酸ナトリウムと0.
5g/Lの酢酸を含む水溶液 ・実施例8……0.1g/Lの亜硫酸ナトリウムと0.
5g/Lのリン酸を含む水溶液 ・実施例9……0.1g/Lの亜硫酸ナトリウムと0.
5g/Lの酢酸と0.2g/Lの酢酸ナトリウムを含む
水溶液 ・比較例4……0.5g/Lの酢酸水溶液 ・比較例5……0.5g/Lの酢酸と0.2g/Lの酢
酸ナトリウムを含む水溶液
が少ないエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物組
成物を提供することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩を
亜硫酸換算で1〜5000ppm含有するエチレン−ビ
ニルエステル共重合体ケン化物組成物。 - 【請求項2】 25℃でのpKaが2〜6の酸および/
またはその金属塩を酸換算で10〜5000ppm含有
する請求項1に記載のエチレン−ビニルエステル共重合
体ケン化物組成物。 - 【請求項3】 亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩を
含む水溶液にエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化
物を浸漬することを特徴とするエチレン−ビニルエステ
ル共重合体ケン化物組成物の製法。 - 【請求項4】 (1)亜硫酸塩および/または亜硫酸水
素塩を含む水溶液並びに(2)25℃でのpKaが2〜
6の酸および/またはその金属塩を含む水溶液にエチレ
ン−ビニルエステル共重合体ケン化物を浸漬することを
特徴とするエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物
組成物の製法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2005179390A (ja) * | 2003-12-16 | 2005-07-07 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | 水溶性フィルム |
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-
1997
- 1997-02-19 JP JP03494197A patent/JP3602677B2/ja not_active Expired - Lifetime
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