JP2023092920A - エチレン-ビニルアルコール共重合体を含むペレット及びその製造方法 - Google Patents

エチレン-ビニルアルコール共重合体を含むペレット及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】押出機を用いて成形する際に、押出機のモーターのトルク変動や押出機内の圧力変動を抑制することができ、均質な成形品を得ることのできるEVOHペレットを提供する。【解決手段】エチレン-ビニルアルコール共重合体100質量部に対し、30~50質量部の水を含み、温度が90~115℃であるエチレン-ビニルアルコール共重合体含水組成物を、直径が2~5mmの円形ノズルから8~18m/分の線速度で押し出した後に、切断してから乾燥して、直径0.1mm以上の気泡を含有するペレット数の割合が全ペレット数の0.05/100~3/100である、エチレン-ビニルアルコール共重合体を含むペレットを得る。【選択図】図1

Description

本発明は、エチレン-ビニルアルコール共重合体を含むペレット及びその製造方法に関する。
エチレン-ビニルアルコール共重合体(以下、EVOHと称すことがある)はガスバリア性、燃料バリア性、耐薬品性、耐汚染性、非帯電性、機械強度等に優れた熱可塑性樹脂である。そのような特徴を生かして、EVOHは、フィルム、シート、ボトル、カップ、チューブ、パイプなどの形態に溶融成形され、包装容器をはじめ、様々な用途に用いられている。
EVOHは、通常以下のようにして製造される。まず、メタノール溶液中でエチレンと酢酸ビニルを共重合することによって、エチレン-酢酸ビニル共重合体が合成される。次いで、得られたエチレン-酢酸ビニル共重合体を溶液中でケン化することによってEVOHの溶液が得られる。そして、得られたEVOH溶液からメタノールを除き、その後切断し乾燥することによって、EVOHのペレットが製造され、それが溶融成形に供される。
ケン化して得られたEVOHのメタノール溶液の後処理方法として、特許文献1には、EVOHのメタノール溶液を必要に応じて濃縮してから、EVOHが析出しない程度の量の水を添加し、EVOHを15~45重量%含有するEVOHのメタノール-水混合溶液を製造し、これを50℃以下の水又は前記溶液よりもメタノール濃度の低いメタノール-水混合溶液中に押し出してストランド状に析出させてから切断する、EVOHペレットの製造方法が記載されている。この時の凝固浴のメタノール-水混合溶液はメタノールを10~50重量%含有することが好ましいとされている。こうして得られるペレットは多孔質であり、ケン化触媒残渣を水洗除去しやすく、その後の洗浄乾燥工程でも取り扱いが容易である旨が記載されている。しかしながら、メタノールを大量に含有するEVOH溶液を凝固浴で析出させる方法によりEVOHペレットを製造すると、析出作業時にメタノールが揮散することがあり、改善が求められていた。
これに対し、メタノールなどのアルコールをほとんど含まないEVOH含水組成物を切断してEVOHペレットを製造する方法が提案されていて、アルコールの揮散を抑制することができるとされている。
特許文献2には、EVOHを押出機に供給し、押出機内における樹脂溶融温度を70~170℃の範囲に保ち、前記共重合体を押出機から吐出した直後の含水率が5~40重量%となるように押出機内の水分量を調整し、押出機から吐出されたEVOHの含水組成物をカットする、EVOH樹脂ペレットの製造方法が記載されている。
特許文献3には、EVOHのメタノール溶液を容器に導入して、当該容器内で水蒸気と接触させてメタノールを水蒸気とともに導出して、EVOH100重量部に対し、沸点が100℃以下のアルコールを0~10重量部、水を10~500重量部含有するEVOH含水組成物を得て、これを切断する、EVOHペレットの製造方法が記載されている。
また、特許文献4には、特許文献3と同様にして得られた、EVOH100重量部に対し、沸点が100℃以下のアルコールを0~10重量部、水を10~1000重量部含有するEVOH含水組成物を押出機に供給し、溶融混練しながら押出機中の水分量を調整した後、押出機から吐出させて切断する、EVOHペレットの製造方法が記載されている。
特公昭47-38634号公報 米国特許第6,686,405号公報 特開2002-121290号公報 特開2002-284811号公報
特許文献2~4に記載されるような従来の方法によれば、EVOHペレットを製造する際にアルコールの揮散を抑制することができる。しかしながら、このようにして得られたペレットを押出機に供給して溶融成形する場合には、押出機のモーターのトルク変動や、押出機内の圧力変動が生じやすく、得られる成形品に斑が生じることがあった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、押出機を用いて溶融成形する際に、押出機のモーターのトルク変動や押出機内の圧力変動を抑制することができ、均質な成形品を得ることのできるEVOHペレットを提供することを目的とするものである。また、そのようなEVOHペレットの製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題は、エチレン-ビニルアルコール共重合体を含むペレットであって、直径0.1mm以上の気泡を含有するペレット数の割合が全ペレット数の0.05/100~3/100であるペレットを提供することによって解決される。
このとき、前記ペレットが、カルボン酸及びアルカリ金属塩を含有するとともに、ホウ素化合物、リン酸化合物及びアルカリ土類金属塩からなる群から選択される少なくとも1種をさらに含有することが好ましい。前記ペレットの形状が円柱又は楕円体であることが好ましい。また、前記ペレットの粒度分布の半値幅が0.7mm以下であることも好ましい。
また上記課題は、エチレン-ビニルアルコール共重合体100質量部に対し、30~50質量部の水を含み、温度が90~115℃であるエチレン-ビニルアルコール共重合体含水組成物を、直径が2~5mmの円形ノズルから8~18m/分の線速度で押し出した後に、切断してから乾燥する、前記ペレットの製造方法を提供することによっても解決される。
このとき、前記エチレン-ビニルアルコール共重合体含水組成物を、前記円形ノズルから押し出した後に、溶融状態で切断してから乾燥することが好ましい。また、前記含水組成物が、カルボン酸及びアルカリ金属塩を含有するとともに、ホウ素化合物、リン酸化合物及びアルカリ土類金属塩からなる群から選択される少なくとも1種をさらに含有することも好ましい。
本発明のEVOHペレットによれば、押出機を用いて成形する際に、押出機のモーターのトルク変動や、押出機内の圧力変動を抑制することができ、均質な成形品を得ることができる。また、本発明の製造方法によれば、そのようなペレットを得ることができる。
実施例で用いた押出機の構成を示した模式図である。
本発明のペレットは、エチレン-ビニルアルコール共重合体を含むペレットであって、直径0.1mm以上の気泡を含有するペレット数の割合が全ペレット数の0.05/100~3/100である。このように、ペレット全体の中に気泡を含有するペレットを一定の割合で含むことによって、EVOHペレットを押出成形する際の安定性が改善されて、押出機のモーターのトルク変動や、押出機内の圧力変動を抑制することができ、均質な成形品を得ることができる。従来、全てのペレットが均質であることが求められていたが、一定の割合で気泡を含有するペレットを含むことによって、押出成形時の安定性が改善されることは驚きである。
本発明のペレットに含まれるEVOHとしては、エチレン-ビニルエステル共重合体をケン化して得られるものが好ましい。EVOHの製造時に用いるビニルエステルとしては酢酸ビニルが代表的なものとして挙げられるが、その他の脂肪酸ビニルエステル(プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニルなど)も使用できる。また、本発明の目的が阻害されない範囲であれば、他の共単量体を共重合することもできる。
本発明のペレットに含まれるEVOHのエチレン単位含有量は5~70モル%であることが好ましい。エチレン単位含有量が5モル%未満の場合には、溶融成形性が不十分となる。一方、エチレン単位含有量が70モル%を超えるとガスバリア性が不十分となる。エチレン単位含有量は、より好適には10モル%以上であり、さらに好適には20モル%以上であり、特に好適には22モル%以上である。また、エチレン単位含有量は、より好適には60モル%以下であり、さらに好適には50モル%以下である。
また、ビニルエステル成分のケン化度は好ましくは80~100モル%である。ガスバリア性に優れた成形物を得るという観点からは、より好ましくは95モル%以上、さらに好ましくは98モル%以上であり、特に好ましくは99モル%以上である。ケン化度が80モル%未満では、バリア性、ロングラン性、耐湿性が悪化するおそれがある。特に溶融安定性に優れたロングラン性の良好なペレットを製造する場合には、EVOHのケン化度が高い方が好ましい。
本発明のペレットの好適なメルトフローレート(MFR)(190℃、2160g荷重下で測定;但し、融点が190℃付近あるいは190℃を越えるものは2160g荷重下、融点以上の複数の温度で測定し、片対数グラフで絶対温度の逆数を横軸、メルトフローレートを縦軸(対数)としてプロットし、190℃に外挿した値)は好適には0.1~200g/10分である。MFRは、より好適には0.2g/10分以上であり、さらに好適には0.5g/10分以上であり、特に好適には1g/10分以上である。また、MFRは、より好適に50g/10分以下であり、さらに好適には30g/10分以下であり、特に好適には15g/10分以下である。MFRが小さ過ぎる場合には、成形時に押出機のモーターのトルクが高くなりすぎて溶融押出が困難となるおそれがある。一方、MFRが大き過ぎる場合には、得られる成形物の機械強度が不足するおそれがある。
本発明のペレットにおいては、直径0.1mm以上の気泡を含有するペレット数の割合が全ペレット数の0.05/100~3/100である。ここでの気泡の直径は、ペレットを任意の方向から観察した時の気泡の面積から得られる円相当径であり、ペレットの像を画像処理することによって得ることができる。また、直径0.1mmの以上の気泡の有無について訓練した人間の目によって、直径0.1mm以上の気泡の含まれるペレットを選別することも可能である。
気泡を含有するペレット数の割合が、全ペレット数の0.05/100未満である場合も、全ペレット数の3/100を超える場合も、押出機での成形安定性は低下する。この理由は定かではないが、少量の気体を噛みこむことによる緩衝効果が適度に奏されているのではないかと考えられる。気泡を含有するペレット数の割合は、好適には0.07/100以上である。また当該割合は、好適には1.5/100以下であり、より好適には0.8/100以下である。
また、本発明のペレットが、カルボン酸及びアルカリ金属塩を含有するとともに、ホウ素化合物、リン酸化合物及びアルカリ土類金属塩からなる群から選択される少なくとも1種をさらに含有することが、熱安定性の観点から好ましく、特に、長時間にわたって溶融押出成形する場合にEVOH樹脂の劣化を抑制することができる。
本発明のペレットに含まれるカルボン酸は、特に限定されない。酢酸、乳酸、シュウ酸、コハク酸、安息香酸、クエン酸などが例示されるが、炭素数が4以下のカルボン酸が好ましい。これらの中でも、コスト、入手の容易さなどの面から、酢酸が好ましい。本発明の乾燥後のEVOH樹脂ペレット中のカルボン酸の含有量は、少な過ぎると溶融成形時に着色が発生することがあり、また、多過ぎると層間接着性が不十分になることがあるので、10~5000ppmが好ましい。カルボン酸の含有量は好適には30ppm以上であり、より好適には50ppm以上である。また、カルボン酸の含有量は好適には1000ppm以下であり、より好適には500ppm以下である。
本発明のペレットに含まれるアルカリ金属塩としては、脂肪族カルボン酸塩、芳香族カルボン酸塩、リン酸塩などが挙げられる。例えば、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、エチレンジアミン四酢酸のナトリウム塩などが挙げられる。中でも酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、リン酸ナトリウムが好適である。本発明の乾燥後のEVOH樹脂ペレット中のアルカリ金属塩の含有量は、アルカリ金属元素換算で5~5000ppmが好ましい。より好ましくは20~1000ppm、さらにより好ましくは30~750ppmである。
本発明のペレットに含まれるホウ素化合物としては、ホウ酸類、ホウ酸エステル、ホウ酸塩、水素化ホウ素類などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。具体的には、ホウ酸類としては、オルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸などが挙げられ、ホウ酸エステルとしてはホウ酸トリエチル、ホウ酸トリメチルなどが挙げられ、ホウ酸塩としては上記の各種ホウ酸類のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、ホウ砂などが挙げられる。これらの化合物の中でもオルトホウ酸(以下、単にホウ酸と記す。)が好ましい。本発明の乾燥後のEVOH樹脂ペレット中のホウ素化合物の含有量は、少な過ぎると熱安定性の改善効果が少なく、また、多過ぎるとゲル化して成形性不良となることがあるので、ホウ素換算で10~2000ppmが好ましく、50~1000ppmがより好ましい。
本発明のペレットに含まれるリン酸化合物としては、リン酸、亜リン酸などの各種の酸やその塩などが例示される。リン酸塩としては第一リン酸塩、第二リン酸塩、第三リン酸塩のいずれの形で含まれていてもよく、そのカチオン種も特に限定されるものではないが、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩であることが好ましい。中でもリン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウムの形でリン酸化合物を添加することが好ましい。本発明の乾燥後のEVOH樹脂ペレット中のリン酸化合物の含有量はリン酸根換算で1~1000ppmであることが好ましい。このような範囲で添加することにより、成形物の着色及びゲル・ブツの発生を抑制することが可能である。リン酸化合物の含有量が1ppm未満の場合は、溶融成形時に着色しやすくなるおそれがある。また、1000ppmを超える場合は成形物のゲル・ブツが発生しやすくなるおそれがある。
本発明のペレットに含まれるアルカリ土類金属塩としては、マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、ベリリウム塩などが挙げられ、特にマグネシウム塩とカルシウム塩が好適である。アルカリ土類金属塩のアニオン種は特に限定されるものではないが、酢酸塩やリン酸塩が好適である。本発明の乾燥後のEVOH樹脂ペレット中のアルカリ土類金属塩の含有量は金属換算で10~1000ppmが好適であり、より好適には20~500ppmである。アルカリ土類金属塩の含有量が10ppm未満の場合はロングラン性の改善効果が不十分となるおそれがある。また、1000ppmを超えると樹脂溶融時に着色しやすくなるおそれがある。
本発明のペレットに含まれる樹脂成分のうち、EVOHが占める割合は80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましく、99質量%以上であっても、実質的にEVOHのみからなっても、EVOHのみからなってもよい。また、本発明のペレットのうちEVOHが占める割合は80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく。95質量%以上がさらに好ましく、99質量%以上であってもよい。
以下、本発明のペレットの製造方法について説明する。本発明のペレットの好適な製造方法は、エチレン-ビニルエステル共重合体のアルコール溶液にアルカリ触媒を添加して該エチレン-ビニルエステル共重合体をケン化し、EVOHのアルコール溶液を得る工程、ケン化後の溶液に水を添加するとともにアルコールを除去してEVOHの含水組成物を得る工程、得られた含水組成物を切断してペレット化する工程、及び得られたペレットを乾燥する工程を有するものである。
まず、ラジカル開始剤を触媒として用いて、エチレンとビニルエステルを共重合させて、エチレン-ビニルエステル共重合体を得る。好適には、ビニルエステルとして酢酸ビニルを用いて、エチレン-酢酸ビニル共重合体を得る。このとき、メタノールなどのアルコールを溶媒に用いて溶液重合を行う。重合方式は、連続式、回分式のいずれであってもよい。重合温度は、20~90℃、好ましくは40~70℃である。重合時間(連続式の場合は平均滞留時間)は、2~15時間、好ましくは3~11時間である。重合率は、仕込みビニルエステルに対して10~90%、好ましくは30~80%である。重合後の溶液中の樹脂分は、5~85%、好ましくは20~70%である。
用いられる触媒は、2,2-アゾビスイソブチロニトリル、2,2-アゾビス-(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2-アゾビス-(4-メチル-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2-アゾビス-(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2-アゾビス-(2-シクロプロピルプロピオニトリル)等のアゾニトリル系開始剤及びイソブチリルパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカノエイト、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ-n-プロピルパーオキシジカーボネート、t-ブチルパーオキシネオデカノエイト、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
エチレンとビニルエステル以外にこれらと共重合し得る単量体、例えば、プロピレン、ブチレン、ペンテン、ヘキセン等のアルケン;3-アシロキシ-1-プロペン、3-アシロキシ-1-ブテン、4-アシロキシ-1-ブテン、3,4-ジアシロキシ-1-ブテン、3-アシロキシ-4-メチル-1-ブテン、4-アシロキシ-2-メチル-1-ブテン、4-アシロキシ-3-メチル-1-ブテン、3,4-ジアシロキシ-2-メチル-1-ブテン、4-アシロキシ-1-ペンテン、5-アシロキシ-1-ペンテン、4,5-ジアシロキシ-1-ペンテン、4-アシロキシ-1-ヘキセン、5-アシロキシ-1-ヘキセン、6-アシロキシ-1-ヘキセン、5,6-ジアシロキシ-1-ヘキセン、1,3-ジアセトキシ-2-メチレンプロパン等のエステル基を有するアルケン又はそのケン化物;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸等の不飽和酸又はその無水物、塩、又はモノ若しくはジアルキルエステル等;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド;ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸又はその塩;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(β-メトキシ-エトキシ)シラン、γ-メタクリルオキシプロピルメトキシシラン等ビニルシラン化合物;アルキルビニルエーテル類、ビニルケトン、N-ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等を少量共存させて共重合させることも可能である。その場合の共重合量は、通常5モル%以下であり、実質的に含まないことが好ましい。
所定時間の重合後、所定の重合率に達した後、必要に応じて重合禁止剤を添加し、未反応のエチレンガスを蒸発除去した後、未反応ビニルエステルを追い出す。エチレンを蒸発除去したエチレン-ビニルエステル共重合体溶液から未反応のビニルエステルを追い出す方法としては、例えば、ラシヒリングを充填した塔の上部から該共重合体溶液を一定速度で連続的に供給し、塔下部よりメタノール蒸気を吹き込み塔頂部よりメタノールと未反応ビニルエステルの混合蒸気を留出させ、塔底部より未反応ビニルエステルを除去したエチレン-ビニルエステル共重合体溶液を取り出す方法などが採用される。
未反応ビニルエステルを除去したエチレン-ビニルエステル共重合体のアルコール溶液にアルカリ触媒を添加し、該共重合体中のビニルエステル成分をケン化して、エチレン-ビニルアルコール共重合体のアルコール溶液を得る。ケン化方法は連続式、回分式いずれも可能である。アルカリ触媒としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカリ金属アルコラートなどが用いられる。ケン化条件は、以下の通りである。エチレン-ビニルエステル共重合体濃度は、好ましくは10~50質量%である。ケン化反応温度は、好ましくは30~150℃である。アルカリ触媒使用量は、好ましくは0.005~0.6当量(ビニルエステル単位当たり)である。またケン化時間(連続式の場合、平均滞留時間)は、好ましくは10分~6時間である。
こうして得られたEVOHのアルコール溶液に水を添加するとともにアルコールを除去してEVOHの含水組成物を得る。当該含水組成物は、EVOHと水を含む流動状態のものであり、これを切断してペレットを製造する。切断するに際しては、流動状態の含水組成物をそのまま切断してもよいし、一旦固化させたものを切断してもよい。
上記EVOH含水組成物を得る方法は特に限定されず、例えば、特許文献1に記載されたような方法で、EVOHのメタノール-水混合溶液を製造し、これを前記溶液よりもメタノール濃度の低いメタノール-水混合溶液中に押し出してストランド状に析出させてから切断して得られた含水ペレットを、特許文献2に記載されたような方法で押出機に供給して溶融混練して流動状態のEVOH含水組成物を得ることができる。
また、特許文献3に記載されたような方法で、EVOHのメタノール溶液を容器に導入して、当該容器内で水蒸気と接触させてメタノールを水蒸気とともに導出して、EVOH100重量部に対し、メタノールを0~10重量部、水を10~500重量部含有するEVOH含水組成物を得ることもできる。さらに、特許文献3と同様にして得られたEVOH含水組成物を押出機に供給し、溶融混練しながら押出機中の水分量を調整した後、押出機から吐出させてEVOH含水組成物を得ることもできる(特許文献4)。
こうして得られたEVOH含水組成物の含水率は特に限定されないが、EVOH100質量部に対して30~50質量部の水を含むことが好ましい。含水率がEVOH100質量部に対して30質量部未満の場合には、気泡を含有するペレット数の割合が少なすぎて、押出成形時の安定性が低下するおそれがある。含水率はより好適には32質量部以上である。一方、含水率がEVOH100質量部に対して50質量部を超える場合には、気泡を含有するペレット数の割合が多すぎて、やはり押出成形時の安定性が低下するおそれがある。含水率はより好適には45質量部以下であり、さらに好適には40質量部以下であり、特に好適には38質量部以下である。EVOH含水組成物が、水以外に、メタノールなどの有機溶媒を少量含んでいても構わない。しかしながら環境面を考慮すれば、有機溶媒の含有量は少ない方がよく、通常EVOH100質量部に対して10質量部以下であり、好適には3質量部以下であり、より好適には1質量部以下であり、実質的に含まないことが特に好ましい。
前記EVOH含水組成物が、カルボン酸及びアルカリ金属塩を含有するとともに、ホウ素化合物、リン酸化合物及びアルカリ土類金属塩からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤をさらに含有することによって、得られるペレットが、これらの添加剤を含有することになる。これらの添加剤の添加方法は特に限定されない。例えば、ストランド状に析出させてから切断して得られた含水ペレットをこれらの添加剤の少なくとも1種を含む水溶液に浸漬してから溶融混練してEVOH含水組成物を得ることができる。また、押出機中において溶融状態のEVOH含水組成物に対してこれらの添加剤の少なくとも1種を含む水溶液を圧入することもできる。
前記EVOH含水組成物をノズルから押し出して切断することによって、含水ペレットを得る。押し出す方法は特に限定されず、1軸又は2軸の押出機やニーダーによって、EVOH含水組成物を押し出すことができる。
前記EVOH含水組成物をノズルから押し出す際の温度は、EVOH含水組成物が溶融状態を保てる温度であれば特に限定されないが、90~115℃であることが好ましい。当該温度が90℃未満の場合、気泡を含有するペレット数の割合が小さくなりすぎて、押出成形時の安定性が低下する。当該温度は、より好適には95℃以上であり、さらに好適には100℃以上である。一方、当該温度が115℃を超える場合、気泡を含有するペレット数の割合が大きくなりすぎて、やはり溶融成形安定性が低下する。当該温度は、より好適には110℃以下である。
前記EVOH含水組成物をノズルから押し出す際の線速度は特に限定されないが、8~18m/分であることが好ましい。線速度が8m/分未満の場合、気泡を含有するペレット数の割合が小さくなりすぎて、押出成形時の安定性が低下する。線速度は、より好適には9m/分以上である。一方、線速度が18m/分を超える場合、気泡を含有するペレット数の割合が大きくなりすぎて、やはり溶融成形安定性が低下する。線速度は、より好適には15m/分以下である。線速度(cm/分)は、単位時間当たりノズルを通過するEVOH含水組成物の質量(g/分)を、ノズルの断面積(cm)と比重(g/cm)で割ることによって得ることができる。そして得られた線速度(cm/分)を100で割ることによって線速度(m/分)が得られる。このとき、複数の孔が開いているノズルの場合には、1つの孔の断面積に孔の数を掛けてノズルの断面積とする。また、EVOH含水組成物の比重は、EVOHの組成や含水率によって変動するが、通常、約1.2g/cmである。
前記EVOH含水組成物が押し出されるノズルの形状は特に限定されないが、円形であることが好ましい。またその直径は、2~5mmであることが好ましい。直径が2mm未満の場合には、気泡を含有するペレット数の割合が大きくなりすぎて、押出成形時の安定性が低下する。ノズルの直径は、より好適には2.5mm以上である。一方、ノズルの直径が5mmを超える場合、気泡を含有するペレット数の割合が小さくなりすぎて、やはり押出成形時の安定性が低下する。ノズルの直径は、より好適には4mm以下である。
以上のようにして押し出された含水組成物をノズルから押し出して切断することによって、含水ペレットを得る。このとき、溶融状態で切断して楕円体のペレットを得ることもできるし、一旦ストランド状に固化させた後にカッターで切断して、円柱状のペレットを得ることもできる。溶融状態で切断して得られる楕円体のペレットは、形状が不揃いになり易く、成形安定性が悪化する場合が多いので、気泡を含有するペレット数の割合が所定範囲に含まれる本発明のペレットを採用する意義が大きい。また、溶融状態で切断する方が、設備が簡便である。溶融状態で切断する場合の切断装置としては、ホットカッターやアンダーウォーターカッターを用いることができる。溶融状態で切断して得られたペレットの切断直後の含水率は、押出時のEVOH含水組成物の含水率と実質的に同じである。
EVOH含水組成物をペレット形状に切断した後で、乾燥する。乾燥方法は特に限定されず、熱風乾燥機などを使用することができる。乾燥機は流動式乾燥機であっても静置式乾燥機であっても良く、これらを組み合わせて使用してもよい。この中でも、初めに流動乾燥法で乾燥し、引き続いて静置乾燥法で乾燥する方法が好適である。乾燥温度は特に限定されないが、通常70~120℃程度の温度が採用され、乾燥が進むにつれて温度を上昇させることもできる。乾燥後の含水率は、EVOH100質量部に対して、通常1質量部以下であり、好適には0.5質量部以下である。乾燥機に投入する前に遠心脱水器などで脱水してもよい。こうして得られた乾燥ペレットが、溶融成形に供される。
得られるペレットの形状は特に限定されないが、好適には円柱又は楕円体である。ここで、楕円体には、直交する2軸の半径が等しい回転楕円体や、直交する3軸の半径が等しい球も含まれる。ストランドを形成してから切断した場合には円柱形状のペレットが得られる。また、ホットカッターやアンダーウォーターカッターで切断した場合には、楕円体、特に、少し扁平な回転楕円体のペレットが得られる。ここで、円柱又は楕円体という用語は、厳密な意味で用いられているのではなく、少し歪んでいても構わない。ペレットの平均粒径は、通常2~7mmである。ここでの平均粒径は、二次元的に観察したペレット画像の面積から求められる円相当径(直径)のことをいう。なお、本発明のペレットにおいては、全てのペレットが概ね同じ形状であることが好ましいが、本発明の効果を阻害しない範囲内で他の形状のペレットを少量含むことは許容される。
本発明のEVOHペレットの粒度分布の半値幅が0.7mm以下であることが好ましい。半値幅が小さく、粒度が揃ったペレットとすることによって、押出成形時の安定性がさらに良好になり、均質な成形品を長時間にわたって連続的に得ることができる。当該半値幅は、0.6mm以下であることが好ましく、0.5mm以下であることがさらに好ましい。粒度分布の半値幅は、二次元的に観察した多数のペレット画像の面積から、円相当径として得た直径の値の分布から求めることができる。具体的には、動的画像解析装置を用いて測定することができる。
このように、粒度が揃ったペレットを得る方法としては、切断方法を工夫する方法や、ふるい分けする方法が挙げられる。中でも、ふるい分けする方法が、確実かつ簡便に、粒度分布の半値幅を小さくすることができて好ましい。ふるい分けに際しては、少なくとも2種類の目開きのふるいを用い、大き過ぎるペレットと小さ過ぎるペレットを除くのが好ましい。
こうして得られた本発明のペレットを用いて溶融成形する方法は特に限定されないが、押出成形が好ましい。本発明のペレットを用いることによって、押出機のモーターのトルク変動や押出機内の圧力変動を抑制することができ、均質な成形品を得ることができる。溶融温度はEVOHの融点等により異なるが150~270℃程度が好ましい。押出成形によって、フィルム、シート、パイプ、繊維等、各種の成形物が得られる。
得られる成形物は、EVOH樹脂のみの単層からなる成形物であってもよいが、EVOH樹脂からなる少なくとも1層を含む多層構造体とすることが好適である。多層構造体の層構成としては、EVOH樹脂をE、接着性樹脂をAd、それら以外の熱可塑性樹脂をTで表わすと、E/T、T/E/T、E/Ad/T、T/Ad/E/Ad/T等が挙げられるが、これに限定されない。ここで示されたそれぞれの層は単層であってもよいし、多層であってもよい。
上記多層構造体を製造する方法は特に限定されない。EVOH樹脂と他の熱可塑性樹脂とを共押出する方法、EVOH樹脂からなる成形物(フィルム、シート等)上に熱可塑性樹脂を溶融押出する方法、逆に熱可塑性樹脂等の基材上にEVOH樹脂と他の熱可塑性樹脂とを共押出する方法、更にはEVOH樹脂より得られた成形物と他の基材のフィルム、シートとを公知の接着剤を用いてラミネートする方法等が挙げられる。なかでも、他の熱可塑性樹脂と共押出する方法が好適である。
このようにして得られた多層構造体は、フィルム、シート、容器などとして用いることができる。バリア性及び成形性に優れているので、食品包装容器、燃料容器、薬品容器などとして好適である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。実施例及び比較例で得られたペレットについて、以下に示す評価方法に従って、評価を実施した。
(1)気泡含有ペレット含有率
実施例及び比較例で得られたペレットについて、10000個のペレット中の気泡含有ペレットの個数をカウントし、気泡含有ペレット含有率を計測した。このとき、目視で確認可能な0.1mm以上の気泡を有するペレットを気泡含有ペレットであると判定した。
(2)製膜品の流れ斑
実施例及び比較例で得られたペレットの単層製膜試験を下記仕様の押出機、Tダイを使用して行った。
・押出機:GT-40-A 株式会社プラスチック工学研究所製
・形式:単軸押出機(ノンベントタイプ)
・L/D:26
・CR:2.8
・口径:40mmφ
・スクリュー:ダブルフライトタイプ
・回転数:40rpm
・駆動機:住友重機株式会社製直流式電動機SCR-DC218B
・モーター容量:DC7.5KW(定格45A)
・押出機ヒーター:3分割タイプ
・C1/C2/C3=190℃/240℃/260℃
・樹脂圧力計は等間隔でシリンダーに10本設置
・ダイ幅:550mm
・ダイ内樹脂温度:240℃
・引取り速度:10m/分
・フィルム厚さ:20μm
製膜開始から1時間後のフィルム中の流れ斑の個数を数え、1.0mあたりの個数に換算した。このとき、フィルムを蛍光灯にかざし、屈折率の変化を肉眼で確認できる幅約1cm以上の流れ斑をカウントした。
1.0mあたりの流れ斑の個数により、フィルムの外観を以下のように判定した。AまたはBの評価であれば流れ斑が抑制されていると判断した。
A:1個未満
B:1個以上3個未満
C:3個以上10個未満
D:10個以上
(3)厚み斑
前記(2)の単層製膜試験において、製膜開始から1時間後にMD方向(長手方向)にサンプリングし、2mの長さ範囲における厚みを連続厚み計で計測した。25mm間隔で厚みを計測し、その標準偏差(μm)を求めて、以下の基準で厚み斑を評価した。AまたはBの評価であれば厚み斑が抑制されていると判断した。
A:2μm以下
B:2μm超4μm以下
C:4μm超6μm以下
D:6μm超8μm以下
E:8μm超
(4)圧力変動
前記(2)と同様にして単層製膜試験を行い、製膜開始1時間後から7時間後までの6時間の連続製膜において、押出機先端(10番目)の樹脂圧力P10で測定される最大の圧力PMAXと最小の圧力PMINの差ΔPを以下の基準で評価した。AまたはBの評価であれば圧力変動が抑制されていると判断した。
A:ΔP≦0.3
B:0.3<ΔP≦0.6
C:0.6<ΔP≦1.0
D:1.0<ΔP
(5)トルク変動
前記(2)の製膜開始から1時間後から6時間の連続製膜において、押出機のモータートルクの変動幅を以下の基準で評価した。AまたはBの評価であればトルク変動が抑制されていると判断した。
A:5N・m以下
B:5N・m超10N・m以下
C:10N・m超15N・m以下
D:15N・m超
(6)ペレットの粒度分布における半値幅
実施例及び比較例で得られたペレット500gを用い、ヴァーダー・サイエンティフィック社の「CAMSIZER XT」を用いて得られた粒度分布から、半値幅(mm)を求めた。このときの粒度は、ISO 13322-2(2006年)に準拠した動的画像解析法によって算出された円相当径(直径)とした。
実施例1
エチレン単位含有率32モル%のエチレン-酢酸ビニル共重合体100質量部およびメタノール400質量部をケン化反応器に仕込み、さらに水酸化ナトリウムのメタノール溶液(80g/L)0.16質量部(水酸化ナトリウム/酢酸ビニル単位=0.4/1、モル比)を仕込んだ。この反応器内に窒素ガスを吹き込み、副生する酢酸メチルをメタノールとともに系外に除去しながら、60℃で4時間反応させた。その後、酢酸で中和して反応を停止させ、EVOH57質量部、メタノール75質量部からなるEVOHのメタノール溶液を得た。このEVOHのケン化度は99.98モル%であった。
得られたEVOH溶液を円形の開口部を有する金板から、少量のメタノールを含む水溶液中に押し出してストランド状に凝固させ、切断して直径約3mm、長さ約5mmのペレットを得た。ペレットは遠心分離機で脱液し、さらに大量の水を加え脱液する操作を繰り返して洗浄した。こうして得られた含水EVOHペレットは、EVOH100質量部に対して120質量部の水を含んでいた。この含水EVOHペレットを、露点温度-10℃のエアーを用い、熱風乾燥機中80℃で1時間乾燥することで、EVOH100質量部に対する含水量が60質量部である含水EVOHペレットを得た。
こうして得られた含水EVOHペレットを、図1に示される二軸押出機20の原料供給部1からシリンダーバレル10内に投入した。流動状態のEVOH含水組成物を、フルフライトスクリュー部2で前方に向けて送り、逆フライトスクリュー部3で混練し、ベント7で過剰の水分を脱離させて水分調整した。その後、フルフライトスクリュー部4で前方に向けて送り、添加剤溶液注入部8から酢酸/酢酸ナトリウム/リン酸/ホウ酸水溶液を注入した。その後、逆フライトスクリュー部5で混練し、フルフライトスクリュー部6を通過させて吐出口11から吐出した。吐出口近傍に設けられた温度センサー9で測定された樹脂組成物の温度は105℃であった。
EVOHの単位時間当たりの投入量は23.7kg/hr(含有される水の質量を含む)、添加剤溶液の単位時間当たりの投入量は1.1L/hrであり、添加剤溶液の組成は酢酸を10.0g/L、酢酸ナトリウムを7.1g/L、リン酸を0.11g/L、ホウ酸を9.8g/L含有する水溶液であった。
二軸押出機20の仕様は以下の通りである。
・L/D:45.5
・口径:44mmφ
・スクリュー:同方向完全噛合型
・回転数:250rpm
・シリンダー温度:100℃
・ダイス温度:105℃
二軸押出機20の吐出口11から、流動状態のEVOH含水組成物を吐出した。この時の単位時間当たりの吐出量は、20kg/hrであった。吐出口11から導出されたEVOH含水組成物を、3mmφの孔が6個開いたノズルが形成されたダイスから吐出した。当該ダイスとして硬質クロムメッキが施されたものを用いた。ノズルの孔におけるEVOH含水組成物の線速度は、9.44m/minであった。当該線速度は、単位時間当たりのEVOH含水組成物の吐出体積を、6個の孔の合計面積で割ることによって算出される。このとき、単位時間当たりの吐出体積は、単位時間当たりの吐出量を、EVOH含水組成物の比重(1.2g/cm)で割ることによって得られる。ダイス内のEVOH含水組成物の温度は105℃であった。吐出させたEVOH含水組成物を、センターホットカッターを用いて、ノズルから空気中に押し出した直後に回転する刃によって流動状態のまま切断した。当該センターホットカッターは2枚の刃を有するものであり、刃の回転数は600~2800rpmであった。このようにして、回転楕円体状の含水EVOHペレットを得た。当該ペレットはEVOH100質量部に対して35質量部の水を含んでいて、メタノールを実質的に含んでいなかった。
こうして得られたEVOH含水組成物ペレットを遠心脱水器で脱水して、EVOH100質量部に対して20質量部の水を含むペレットを得た。次いで、脱水後のペレットを、流動乾燥機を用いて90℃で15時間乾燥し、引き続き静置乾燥機を用いて105℃で15時間乾燥して、乾燥EVOH樹脂組成物ペレットを得た。得られた乾燥ペレットはEVOH100質量部に対して0.2質量部の水を含んでいた。乾燥EVOH樹脂組成物ペレット中の酢酸の含有量は300ppm、ホウ素化合物の含有量はホウ素換算で270ppm、リン酸化合物の含有量はリン酸根換算で98ppm、アルカリ金属塩の含有量はナトリウム塩が金属換算で130ppmであった。また、MFR(190℃、2160g荷重下)は1.5g/10minであった。
その後、ペレットを6.5メッシュ、7メッシュ及び8メッシュの順で篩に10分かけ、8メッシュ上に残ったペレットを収集することで、溶融成形用のペレットを得た。得られたペレットは、球を上下方向から押しつぶした形の回転楕円体状であり、長手方向長さ3.2mm、短手方向長さは2.1mmであった。得られたペレットについて、上記評価方法に従って評価した結果を表1に示す。
実施例2、3、比較例1、2
実施例1において、切断直後の含水EVOHペレットの含水率、吐出口11からの単位時間当たりの吐出量、ダイス内のEVOH含水組成物の温度、及びノズルの孔におけるEVOH含水組成物の線速度を、表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして乾燥EVOH樹脂ペレットを製造して評価した。結果をまとめて表1に示す。
Figure 2023092920000002
1 原料供給部
2,4,6 フルフライトスクリュー部
3,5 逆フライトスクリュー部
7 ベント
8 添加剤溶液注入部
9 温度センサー
10 シリンダーバレル
11 吐出口
20 二軸押出機

Claims (7)

  1. エチレン-ビニルアルコール共重合体を含むペレットであって、直径0.1mm以上の気泡を含有するペレット数の割合が全ペレット数の0.05/100~3/100である、ペレット。
  2. カルボン酸及びアルカリ金属塩を含有するとともに、ホウ素化合物、リン酸化合物及びアルカリ土類金属塩からなる群から選択される少なくとも1種をさらに含有する、請求項1に記載のペレット。
  3. 前記ペレットの形状が円柱又は楕円体である、請求項1又は2に記載のペレット。
  4. 前記ペレットの粒度分布の半値幅が0.7mm以下である、請求項1~3のいずれかに記載のペレット。
  5. エチレン-ビニルアルコール共重合体100質量部に対し、30~50質量部の水を含み、温度が90~115℃であるエチレン-ビニルアルコール共重合体含水組成物を、直径が2~5mmの円形ノズルから8~18m/分の線速度で押し出した後に、切断してから乾燥する、請求項1~4のいずれかに記載のペレットの製造方法。
  6. 前記エチレン-ビニルアルコール共重合体含水組成物を、前記円形ノズルから押し出した後に、溶融状態で切断してから乾燥する、請求項5に記載のペレットの製造方法。
  7. 前記含水組成物が、カルボン酸及びアルカリ金属塩を含有するとともに、ホウ素化合物、リン酸化合物及びアルカリ土類金属塩からなる群から選択される少なくとも1種をさらに含有する、請求項5又は6に記載のペレットの製造方法。
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