JP5064614B2 - 環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの製造法 - Google Patents

環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はレジスト用樹脂の原料モノマーなどとして有用な環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルに関する。
【0002】
【従来の技術】
アダマンタン骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルは、アダマンタン環という特殊な構造を有する脂環式炭素環を有するため、ポリマー化したときに透明性及びプラズマエッチング耐性が高いことから、レジスト用樹脂等のモノマー原料として注目されている。また、3−オキサトリシクロ[4.3.1.14,8]ウンデカン−2−オン環や、3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン環、γ−ブチロラクトン環などのラクトン骨格を有する基を含む(メタ)アクリル酸エステルの重合体も、基板に対する密着性等に優れることから、レジスト用樹脂等のモノマーとして注目されている。
【0003】
このようなアダマンタン骨格やラクトン骨格等の環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルをレジスト用樹脂のモノマー原料として用いる際には、レジストとしての性能を十分に発揮させるため、色相に優れるとともに不純物含量の少ない高純度品が求められる。特に、レジスト用樹脂中に金属成分が多く含まれていると、導電性が増大して半導体の電気特性が著しく低下するため、金属含有量の極めて少ないモノマーが要望されている。しかしながら、従来用いられてきた環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルは、一般に原料や製造工程(製造装置の材質等)に由来する金属成分(例えば、鉛、スズ、鉄等)を1ppm(金属換算)程度以上、多い場合には10ppm以上含んでいるため、重合して得られるポリマーをレジスト用樹脂として用いた場合、半導体の電気特性が低下するという不具合が生じていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、金属含有量の極めて少ない環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、アダマンタン骨格やラクトン骨格等の環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルを分子蒸留や吸着処理に付すことにより金属含有量の極めて少ない(メタ)アクリル酸エステルが得られることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、下記式(1a)、(1b)、(1d)、又は(1e
【化2】
Figure 0005064614
式(1a)中、R 1 は環に結合した置換基であって、ヒドロキシル基又は(メタ)アクリロイルオキシ基を示し、nは1〜3の整数を示す。式(1b)、(1d)、(1e)中、R1は環に結合した置換基であって、メチル基、ヒドロキシル基又は(メタ)アクリロイルオキシ基を示し、R2は水素原子、メチル基又はエチル基を示し、R3はメチル基又はエチル基を示す。nは0〜3の整数を示す。式中に示される環にはオキソ基が結合していてもよい。式中、Rは水素原子又はメチル基を示す
で表される化合物に対応する環式骨格を有するアルコールと(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体とから、対応する上記式(1a)、(1b)、(1d)、又は(1e)で表される(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法であって、
(A)上記式(1a)、(1b)、(1d)、又は(1e)で表される化合物に対応する環式骨格を有するアルコールと(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体との反応生成物であって融点が100℃以下の(メタ)アクリル酸エステルを洗浄液で洗浄する洗浄工程と;
該洗浄工程を経た反応生成物を、温度10〜80℃、圧力0.0001〜0.2mmHgの条件で、分子蒸留に付して上記式(1a)、(1b)、(1d)、又は(1e)で表される環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルを留出させる分子蒸留工程とを少なくとも含むか、又は
(B)上記式(1a)、(1b)、(1d)、又は(1e)で表される化合物に対応する環式骨格を有するアルコールと(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体との反応生成物を洗浄液で洗浄する洗浄工程と;
該環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの濃度1〜50重量%の被処理液をキレート樹脂、キレート繊維及びゼータ電位膜から選択された少なくとも1種の吸着材による吸着処理に付す吸着処理工程であって、吸着材がキレート樹脂の場合は、上記被処理液の溶媒がアルコール及びエステルからなる群より選択された少なくとも1の溶媒であり、吸着材がキレート繊維の場合は、上記被処理液の溶媒がアルコール、エステル、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、ハロゲン化炭化水素及びエーテルからなる群より選択された少なくとも1の溶媒であり、吸着材がゼータ電位膜の場合は、上記被処理液の溶媒がアルコール、エステル及び芳香族炭化水素からなる群より選択された少なくとも1の溶媒である吸着処理工程と;
該吸着処理工程を経た反応生成物が、上記式(1a)、(1d)、又は(1e)で表される環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの場合は、(i)少なくとも芳香族炭化水素を含む溶媒を用いて、上記式(1b)で表される環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの場合は、(i)少なくとも芳香族炭化水素を含む溶媒、又は(iii)水と水混和性溶媒との混合溶媒を用いて、晶析に付す晶析工程とを少なくとも含み、
金属含有量が500ppb以下である該環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルを得ることを特徴とする環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの製造法を提供する。
【0007】
本発明の(メタ)アクリル酸エステルの製造法では、(A)上記式(1a)、(1b)、(1d)、又は(1e)で表される化合物に対応する環式骨格を有するアルコールと(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体との反応生成物であって融点が100℃以下の(メタ)アクリル酸エステルを洗浄液で洗浄する洗浄工程と;
該洗浄工程を経た反応生成物を、温度10〜80℃、圧力0.0001〜0.2mmHgの条件で、分子蒸留に付して上記式(1a)、(1b)、(1d)、又は(1e)で表される環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルを留出させる分子蒸留工程とを少なくとも含んでいることが好ましい。
また、好ましくは、吸着処理工程における、キレート樹脂処理及びキレート繊維処理の処理温度が10〜60℃、ゼータ電位膜処理の処理温度が10〜50℃であり、晶析工程における、晶析溶媒の使用量が、前記環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル100重量部に対して、20〜1000重量部である。
また、吸着処理工程において、吸着処理を複数回行うことが好ましい。
なお、本明細書において「ppb」とは重量基準の10億分率を意味する。
なお、本明細書では上記の発明のほか、下記式(1a)、(1b)、(1c)、(1d)、(1e)、(1f)又は(1g)
【化3】
Figure 0005064614
(式中、R 1 は環に結合した置換基であって、メチル基、ヒドロキシル基又は(メタ)アクリロイルオキシ基を示し、R 2 は水素原子、メチル基又はエチル基を示し、R 3 はメチル基又はエチル基を示す。nは0〜3の整数、mは0〜5の整数を示す。式中に示される環にはオキソ基が結合していてもよい。式中、Rは水素原子又はメチル基を示す)で表される化合物に対応する環式骨格を有するアルコールと(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体とから、対応する上記式(1a)、(1b)、(1c)、(1d)、(1e)、(1f)又は(1g)で表される(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法であって、
(A)上記式(1a)、(1b)、(1c)、(1d)、(1e)、(1f)又は(1g)で表される化合物に対応する環式骨格を有するアルコールと(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体との反応生成物であって融点が100℃以下の(メタ)アクリル酸エステルを洗浄液で洗浄する洗浄工程と;
該洗浄工程を経た反応生成物を、分子蒸留に付して上記式(1a)、(1b)、(1c)、(1d)、(1e)、(1f)又は(1g)で表される環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルを留出させる分子蒸留工程とを少なくとも含むか、又は
(B)上記式(1a)、(1b)、(1c)、(1d)、(1e)、(1f)又は(1g)で表される化合物に対応する環式骨格を有するアルコールと(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体との反応生成物を洗浄液で洗浄する洗浄工程と;
該環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの濃度1〜50重量%の被処理液をキレート樹脂、キレート繊維及びゼータ電位膜から選択された少なくとも1種の吸着材による吸着処理に付す吸着処理工程と;
目的化合物が固体の場合には該吸着処理工程を経た反応生成物を晶析に付す晶析工程とを少なくとも含み、金属含有量が500ppb以下である該環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルを得ることを特徴とする、環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの製造法についても説明する。
【0008】
【発明の実施の形態】
前記式(1)において、Rは水素原子又はメチル基を示し、Zは環式骨格を有する有機基を示す。環式骨格としては、特に限定されず、例えば、5〜20員程度の芳香族性又は非芳香族性の炭素環又は複素環が挙げられる。これらの環は単環であっても、縮合環や橋かけ環等の多環であってもよい。代表的な環式骨格として、例えば、アダマンタン環、3−オキサトリシクロ[4.3.1.14,8]ウンデカン環、3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン環などの橋かけ環、γ−ブチロラクトン環などが挙げられる。環式骨格は式(1)中に示されるエステル結合を構成する酸素原子と直接結合していてもよく、また、直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基等の連結基を介して前記酸素原子と結合していてもよい。
【0009】
式(1)で表される環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの代表的な例として、前記式(1a)、(1b)、(1c)、(1d)、(1e)、(1f)又は(1g)で表される化合物が挙げられる。
【0010】
式(1a)で表される1−アダマンチル(メタ)アクリレート類において、n個のR1は、同一の基であってもよく、互いに異なる基であってもよい。R1は橋頭位の炭素原子に結合している場合が多い。
【0011】
前記式(1a)で表される1−アダマンチル(メタ)アクリレート類の代表的な例として、例えば、1−アクリロイルオキシアダマンタン、1−メタクリロイルオキシアダマンタン、1−アクリロイルオキシ−3,5−ジメチルアダマンタン、1−メタクリロイルオキシ−3,5−ジメチルアダマンタン、1−アクリロイルオキシ−3−ヒドロキシ−5,7−ジメチルアダマンタン、1−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシ−5,7−ジメチルアダマンタン、1−アクリロイルオキシ−3−ヒドロキシアダマンタン、1−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシアダマンタン、1,3−ビス(アクリロイルオキシ)−5,7−ジメチルアダマンタン、1,3−ビス(メタクリロイルオキシ)−5,7−ジメチルアダマンタン、1−アクリロイルオキシ−4−オキソアダマンタン、1−メタクリルオキシ−4−オキソアダマンタンなどが挙げられる。
【0012】
前記式(1b)で表されるアダマンチルメチル基を有する(メタ)アクリル酸エステルにおいて、n個のR1は、同一の基であってもよく、互いに異なる基であってもよい。R1は橋頭位の炭素原子に結合している場合が多い。
【0013】
式(1b)で表されるアダマンチルメチル基を有する(メタ)アクリル酸エステルの代表的な例として、例えば、1−(1−アクリロイルオキシ−1−メチルエチル)アダマンタン、1−(1−アクリロイルオキシ−1−メチルエチル)−3−ヒドロキシアダマンタン、1−(1−アクリロイルオキシ−1−メチルエチル)−3,5−ジメチルアダマンタン、1−(1−メタクリロイルオキシ−1−メチルエチル)アダマンタン、1−ヒドロキシ−3−(1−メタクリロイルオキシ−1−メチルエチル)−3−メチルアダマンタン、1−(1−メタクリロイルオキシ−1−メチルエチル)−3,5−ジメチルアダマンタンなどが挙げられる。
【0014】
前記式(1c)で表される2−アダマンチル(メタ)アクリレート類において、n個のR1は、同一の基であってもよく、互いに異なる基であってもよい。R1は橋頭位の炭素原子に結合している場合が多い。
【0015】
式(1c)で表される2−アダマンチル(メタ)アクリレート類の代表的な例として、例えば、2−アクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン、2−アクリロイルオキシ−2,5,7−トリメチルアダマンタン、2−メタクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン、2−メタクリロイルオキシ−2,5,7−トリメチルアダマンタン等が挙げられる。
【0016】
前記式(1d)で表される6−(メタ)アクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.3.1.14,8]ウンデカン−2−オン類において、n個のR1は、同一の基であってもよく、互いに異なる基であってもよい。R1は橋頭位の炭素原子に結合している場合が多い。
【0017】
式(1d)で表される6−(メタ)アクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.3.1.14,8]ウンデカン−2−オン類の代表的な例として、例えば、6−アクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.3.1.14,8]ウンデカン−2−オン、6−アクリロイルオキシ−8−ヒドロキシ−3−オキサトリシクロ[4.3.1.14,8]ウンデカン−2−オン、6−メタクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.3.1.14,8]ウンデカン−2−オン、6−メタクリロイルオキシ−8−ヒドロキシ−3−オキサトリシクロ[4.3.1.14,8]ウンデカン−2−オンなどが挙げられる。
【0018】
前記式(1e)で表される6−(メタ)アクリロイルオキシメチル−3−オキサトリシクロ[4.3.1.14,8]ウンデカン−2−オン類において、n個のR1は、同一の基であってもよく、互いに異なる基であってもよい。R1は橋頭位の炭素原子に結合している場合が多い。
【0019】
式(1e)で表される6−(メタ)アクリロイルオキシメチル−3−オキサトリシクロ[4.3.1.14,8]ウンデカン−2−オン類の代表的な例として、例えば、6−(1−アクリロイルオキシ−1−メチルエチル)−3−オキサトリシクロ[4.3.1.14,8]ウンデカン−2−オン、8−ヒドロキシ−6−(1−アクリロイルオキシ−1−メチルエチル)−3−オキサトリシクロ[4.3.1.14,8]ウンデカン−2−オン、6−(1−メタクリロイルオキシ−1−メチルエチル)−3−オキサトリシクロ[4.3.1.14,8]ウンデカン−2−オン、8−ヒドロキシ−6−(1−メタクリロイルオキシ−1−メチルエチル)−3−オキサトリシクロ[4.3.1.14,8]ウンデカン−2−オンなどが挙げられる。
【0020】
前記式(1f)で表される5−(メタ)アクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン類において、n個のR1は、同一の基であってもよく、互いに異なる基であってもよい。R1は橋頭位の炭素原子に結合している場合が多い。
【0021】
式(1f)で表される5−(メタ)アクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン類の代表的な例として、5−アクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン、5−メタクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オンなどが挙げられる。
【0022】
前記式(1g)で表されるγ−ブチロラクトン環を有する(メタ)アクリル酸エステルにおいて、mは、好ましくは0〜3程度である。
【0023】
式(1g)で表されるγ−ブチロラクトン環を有する(メタ)アクリル酸エステルの代表的な例として、例えば、β−アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、β−アクリロイルオキシ−α,α−ジメチル−γ−ブチロラクトン、β−アクリロイルオキシ−γ,γ−ジメチル−γ−ブチロラクトン、β−アクリロイルオキシ−α,α,β−トリメチル−γ−ブチロラクトン、β−アクリロイルオキシ−β,γ,γ−トリメチル−γ−ブチロラクトン、β−アクリロイルオキシ−α,α,β,γ,γ−ペンタメチル−γ−ブチロラクトン、β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、β−メタクリロイルオキシ−α,α−ジメチル−γ−ブチロラクトン、β−メタクリロイルオキシ−γ,γ−ジメチル−γ−ブチロラクトン、β−メタクリロイルオキシ−α,α,β−トリメチル−γ−ブチロラクトン、β−メタクリロイルオキシ−β,γ,γ−トリメチル−γ−ブチロラクトン、β−メタクリロイルオキシ−α,α,β,γ,γ−ペンタメチル−γ−ブチロラクトンなどのβ−(メタ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン;α−アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、α−アクリロイルオキシ−α−メチル−γ−ブチロラクトン、α−アクリロイルオキシ−β,β−ジメチル−γ−ブチロラクトン、α−アクリロイルオキシ−α,β,β−トリメチル−γ−ブチロラクトン、α−アクリロイルオキシ−γ,γ−ジメチル−γ−ブチロラクトン、α−アクリロイルオキシ−α,γ,γ−トリメチル−γ−ブチロラクトン、α−アクリロイルオキシ−β,β,γ,γ−テトラメチル−γ−ブチロラクトン、α−アクリロイルオキシ−α,β,β,γ,γ−ペンタメチル−γ−ブチロラクトン、α−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、α−メタクリロイルオキシ−α−メチル−γ−ブチロラクトン、α−メタクリロイルオキシ−β,β−ジメチル−γ−ブチロラクトン、α−メタクリロイルオキシ−α,β,β−トリメチル−γ−ブチロラクトン、α−メタクリロイルオキシ−γ,γ−ジメチル−γ−ブチロラクトン、α−メタクリロイルオキシ−α,γ,γ−トリメチル−γ−ブチロラクトン、α−メタクリロイルオキシ−β,β,γ,γ−テトラメチル−γ−ブチロラクトン、α−メタクリロイルオキシ−α,β,β,γ,γ−ペンタメチル−γ−ブチロラクトンなどのα−(メタ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
【0024】
式(1)で表される環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルは、対応する環式骨格を有するアルコールと(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体とを反応させることにより得ることができる。
【0025】
式(1a)で表される化合物に対応するアルコールとして、例えば、1−アダマンタノール、3,5−ジメチル−1−アダマンタノール、1,3−アダマンタンジオール、5,7−ジメチル−1,3−アダマンタンジオール、3−(メタ)アクリロイルオキシ−1−アダマンタノール、3−(メタ)アクリロイルオキシ−5,7−ジメチル−1−アダマンタノール、4−オキソ−1−アダマンタノールなどが挙げられる。これらの中でも、1,3−アダマンタンジオール、5,7−ジメチル−1,3−アダマンタンジオール等のアダマンタンジオール類;4−オキソ−1−アダマンタノール等のオキソ基を有するアダマンタノール類などが好ましい。
【0026】
これらのアルコール類は、アダマンタン環の少なくとも1つの橋頭位に水素原子を有するアダマンタン類を、N−ヒドロキシフタルイミドなどのN−ヒドロキシイミド系触媒と、必要に応じて、バナジウム化合物(例えば、バナジウムアセチルアセトナト、バナジルアセチルアセトナトなど)、コバルト化合物(例えば、酢酸コバルト、コバルトアセチルアセトナトなど)等の金属化合物助触媒の存在下、酸素で酸化して、アダマンタン環の橋頭位にヒドロキシル基を導入することにより得ることができる。この方法において、N−ヒドロキシイミド系触媒の使用量は、アダマンタン類1モルに対して、例えば0.000001〜0.5モル、好ましくは0.00001〜0.3モル程度である。また、金属化合物助触媒の使用量は、アダマンタン類1モルに対して、例えば0.0001〜0.5モル、好ましくは0.0005〜0.1モル程度である。酸化反応は、例えば、酢酸などの有機酸、アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類、トリフルオロメチルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素等の有機溶媒中、常圧又は加圧下[例えば5〜40atm(0.505〜4.04MPa)程度]、例えば40〜150℃、好ましくは60〜120℃程度の温度で行われる。
【0027】
なお、アダマンタンジオール類は、アダマンタン類を臭素によりブロム化した後、塩酸で処理してアダマンタンモノオールとし、これを硫酸と反応させてアダマンタンジオールとする方法により得ることもできる(特公平7−61980号公報)。しかし、レジスト用ポリマーとして用いる際に問題となるハロゲンを用いることがなく、しかも温和な条件で簡易に製造できる点などから、上記のN−ヒドロキシイミド系触媒を用いる方法が好ましい。
【0028】
式(1b)で表される化合物に対応するアルコールの代表的な例として、例えば、α,α−ジメチル−1−アダマンタンメタノール、α,α,3,5−テトラメチル−1−アダマンタンメタノール、3−ヒドロキシ−α,α−ジメチル−1−アダマンタンメタノール、3−(メタ)アクリロイルオキシ−α,α−ジメチル−1−アダマンタンメタノールなどが挙げられる。
【0029】
これらのアルコールは、例えば、橋頭位に水素原子を有するアダマンタン類に、(a)1,2−ジカルボニル化合物(ビアセチル等)、(b)酸素、及び(c)金属化合物とで構成されるアシル化剤を作用させて、対応するアシルアダマンタン誘導体(1,2−ジカルボニル化合物に対応するアシルアダマンタン誘導体、例えばビアセチルを用いた場合にはアセチルアダマンタン誘導体)を得、このアシルアダマンタン誘導体にメチルマグネシウムハライド等のグリニヤール試薬を反応させることにより得ることができる。
【0030】
金属化合物(c)としては、例えば、コバルトアセチルアセトナト等のコバルト化合物などが好ましく用いられる。1,2−ジカルボニル化合物(a)の使用量は、橋頭位に水素原子を有するアダマンタン化合物1モルに対して1モル以上(例えば1〜50モル)、好ましくは1.5〜20モル程度である。酸素は前記アダマンタン化合物に対して過剰量用いる場合が多い。金属化合物(c)の使用量は、前記アダマンタン化合物1モルに対して、例えば0.00001〜1モル、好ましくは0.0001〜0.7モル程度である。アシル化反応は、例えば酢酸などの適当な溶媒中、40〜150℃程度の温度で行われる。また、アシルアダマンタン誘導体とグリニヤール試薬との反応は一般的なグリニヤール反応の条件で行うことができる。
【0031】
前記式(1c)で表される化合物に対応するアルコールとして、例えば、2−メチル−2−アダマンタノール、2,5,7−トリメチル−2−アダマンタノールなどが挙げられる。
【0032】
これらのアルコールは、例えば、2−アダマンタノン誘導体にメチルマグネシウムハライド等のグリニヤール試薬を反応させることにより得ることができる。この反応は一般的なグリニヤール反応に準じて行うことができる。
【0033】
式(1d)で表される化合物に対応するアルコールの代表的な例として、例えば、6−ヒドロキシ−3−オキサトリシクロ[4.3.1.14,8]ウンデカン−2−オン、6,8−ジヒドロキシ−3−オキサトリシクロ[4.3.1.14,8]ウンデカン−2−オンなどが挙げられる。
【0034】
これらのアルコールは、例えば、1−ヒドロキシ−4−アダマンタノン類にm−クロロ過安息香酸などの過酸を作用させることにより得ることができる。この反応は一般的なバイヤービリガー反応に準じて行うことができる。
【0035】
前記式(1e)で表される化合物に対応するアルコールの代表的な例として、例えば、6−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−3−オキサトリシクロ[4.3.1.14,8]ウンデカン−2−オン、8−ヒドロキシ−6−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−3−オキサトリシクロ[4.3.1.14,8]ウンデカン−2−オンなどが挙げられる。
【0036】
これらのアルコールは、例えば、1位に水素原子を有する4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン類に、(a)1,2−ジカルボニル化合物(ビアセチル等)、(b)酸素、及び(c)金属化合物とで構成されるアシル化剤を作用させて、対応する1−アシル−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン類を得、これにメチルマグネシウムハライド等のグリニヤール試薬を反応させることにより得ることができる。アシル化反応及びグリニヤール反応は、前記式(1b)で表される化合物に対応するアルコールを得る場合と同様にして行うことができる。
【0037】
式(1f)で表される化合物に対応するアルコールの代表的な例として、5−ヒドロキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オンなどが挙げられる。
【0038】
これらのアルコールは、例えば、ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン−5−カルボン酸類を、メチルトリオキソレニウムの存在下、過酸化水素を反応させることにより得ることができる。
【0039】
前記式(1g)で表される化合物に対応するアルコールの代表的な例として、例えば、β−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトン、β−ヒドロキシ−α,α−ジメチル−γ−ブチロラクトン、β−ヒドロキシ−γ,γ−ジメチル−γ−ブチロラクトン、β−ヒドロキシ−α,α,β−トリメチル−γ−ブチロラクトン、β−ヒドロキシ−β,γ,γ−トリメチル−γ−ブチロラクトン、β−ヒドロキシ−α,α,β,γ,γ−ペンタメチル−γ−ブチロラクトンなどのβ−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトン類;α−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトン、α−ヒドロキシ−α−メチル−γ−ブチロラクトン、α−ヒドロキシ−β,β−ジメチル−γ−ブチロラクトン、α−ヒドロキシ−α,β,β−トリメチル−γ−ブチロラクトン、α−ヒドロキシ−γ,γ−ジメチル−γ−ブチロラクトン、α−ヒドロキシ−α,γ,γ−トリメチル−γ−ブチロラクトン、α−ヒドロキシ−β,β,γ,γ−テトラメチル−γ−ブチロラクトン、α−ヒドロキシ−α,β,β,γ,γ−ペンタメチル−γ−ブチロラクトンなどのα−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトン類などが挙げられる。
【0040】
前記(メタ)アクリル酸の反応性誘導体としては、アルコールと反応して対応するエステルを生成可能な誘導体、例えば、(メタ)アクリル酸クロリドなどの(メタ)アクリル酸ハライド;無水(メタ)アクリル酸などの酸無水物;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ビニル、(メタ)アクリル酸2−プロペニルなどの(メタ)アクリル酸エステル(例えば、アルキルエステル、アルケニルエステルなど)などが挙げられる。
【0041】
式(1)で表される化合物に対応するアルコールと(メタ)アクリル酸との反応(エステル化)は、通常、反応に不活性な溶媒中で行われる。前記溶媒として、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、アニソール、テトラヒドロフランなどのエーテル;及びこれらの混合溶媒などが挙げられる。溶媒としては、副生する水と共沸し且つ水と分液可能な溶媒(共沸脱水可能な溶媒)、例えばトルエンなどが好ましい。
【0042】
エステル化反応に用いる触媒としては、例えば、硫酸、塩酸、リン酸、ヘテロポリ酸(例えば、ケイタングステン酸、ケイモリブデン酸、リンタングステン酸、リンモリブデン酸等)などの無機酸;ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、スルホン酸系強酸性イオン交換樹脂などのスルホン酸類などが挙げられる。これらは単独で又は2種以上混合して使用できる。
【0043】
また、反応中の重合を防止するため、メトキノン、ヒドロキノンなどの重合禁止剤を系内に添加したり、系内に酸素を供給するのが好ましい。酸素は窒素などの不活性ガスで希釈して使用することもできる。
【0044】
上記式(1)で表される化合物に対応する環式骨格を有するアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化反応は、常圧又は減圧下、例えば50〜150℃程度の温度で行われる。(メタ)アクリル酸の使用量は、環式骨格を有するアルコール1モルに対して1モル以上であればよいが、1.5モル以上(例えば1.5〜10モル、特に2.5〜6モル程度)であるのが好ましい。
【0045】
一方、前記式(1)で表される化合物に対応するアルコールと(メタ)アクリル酸の反応性誘導体との反応は、該反応性誘導体の種類に応じて、塩基やエステル交換触媒の存在下で行うことができる。例えば、(メタ)アクリル酸の反応性誘導体として(メタ)アクリル酸ハライドや酸無水物を用いる場合には、トリエチルアミン、ピリジンなどの塩基(酸捕捉剤)の存在下、例えば前記溶媒中、0〜100℃程度の温度下で反応が行われる。また、(メタ)アクリル酸の反応性誘導体として(メタ)アクリル酸エステルを用いる場合には、慣用のエステル交換触媒、又は該反応性誘導体として(メタ)アクリル酸アルケニルを使用する場合には、特に周期表第3族元素化合物触媒(例えば、酢酸サマリウム、トリフルオロメタンスルホン酸サマリウム、サマリウム錯体などのサマリウム化合物等)の存在下、例えば前記溶媒中、0〜150℃程度の温度下で反応が行われる。
【0046】
本発明の重要な特徴は、前記式(1)で表される化合物中の全金属含有量が500ppb以下である点にある。前記金属含有量は、好ましくは400ppb以下、さらに好ましくは300ppb以下であり、特に200ppb以下(就中100ppb以下)が好ましい。このような金属含有量の低い環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルによれば、重合して得られるポリマーをレジスト用樹脂として使用した場合、半導体の電気特性が低下する等の不具合が生じにくい。なお、金属含有量は、慣用の金属分析法、例えば、質量分析法により求めることができる。質量分析に用いる質量分析装置として、例えば、セイコー インスツルメンツ(株)製の「SPQ9000ICP」などが挙げられる。
【0047】
このような金属含有量が500ppb以下の環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルは、例えば、(A)式(1)で表される化合物に対応する環式骨格を有するアルコールと(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体との反応生成物を分子蒸留に付して式(1)で表される環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルを留出させる方法、(B)式(1)で表される化合物に対応する環式骨格を有するアルコールと(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体との反応生成物を吸着材による吸着処理に付す方法などにより得ることができる。前記(A)の方法においては、分子蒸留工程の前に、前記反応生成物を洗浄液で洗浄する洗浄工程や、前記反応生成物を吸着材による吸着処理に付す吸着処理工程を設けるのが好ましい。また、前記(B)の方法においては、吸着処理工程の前に、前記反応生成物を洗浄液で洗浄する洗浄工程を設けたり、目的化合物が固体の場合には、吸着処理工程の後に晶析工程を設けるのがより好ましい。以下、これらの各工程について説明する。
【0048】
[洗浄工程]
洗浄工程では、式(1)で表される化合物に対応する環式骨格を有するアルコールと(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体とを反応させて得られる反応生成物(反応混合液)を、水、アルカリ水溶液及び塩水溶液から選択された少なくとも1種の洗浄液で洗浄する。この洗浄処理により、反応混合液中に含まれている未反応原料[環式骨格を有するアルコール、(メタ)アクリル酸]や触媒、その他の水溶性不純物を効率よく除去できる。
【0049】
前記アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩などの水溶液が例示される。好ましいアルカリ水溶液には、炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸塩の水溶液などが含まれる。
【0050】
前記塩水溶液としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウムなどのアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属のハロゲン化物若しくは硫酸塩の水溶液などが挙げられる。
【0051】
洗浄は、水、アルカリ水溶液、塩水溶液の何れか1種又は2種の洗浄液を用いて行ってもよいが、前記3種の洗浄液を組み合わせて行うのが好ましい。複数の洗浄液を使用する場合の洗浄の順序は、特に限定されないが、水洗浄−アルカリ水溶液洗浄−塩水溶液洗浄の順序が望ましい。洗浄液の使用量は、洗浄処理1回当たり、被洗浄液100重量部に対して、例えば10〜200重量部、好ましくは20〜100重量部程度である。洗浄する際の温度は、例えば10〜60℃程度である。洗浄する際の温度が高すぎると、環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルが重合する恐れがある。
【0052】
洗浄は、回分式、連続式、多段式等の公知乃至慣用の方法により行うことができる。洗浄後の水層から(メタ)アクリル酸などの未反応原料を回収して再利用することもできる。
【0053】
[吸着処理工程]
吸着処理工程では、反応混合液又は前記洗浄工程で得られた洗浄処理液などを、必要に応じて溶媒置換(交換)した後、吸着処理する。吸着処理法としては、反応生成物中の金属成分(金属及び金属化合物)を除去できる処理法であれば特に限定されないが、キレート樹脂、キレート繊維及びゼータ電位膜から選択された少なくとも1種の吸着材を用いた処理法が好ましい。なお、金属成分以外の不純物を除去するため、上記の処理法と、活性炭を吸着材として用いる処理法やシリカゲルを吸着材として用いる処理法とを組み合わせるのも好ましい。
【0054】
溶媒置換は、例えば、反応混合液や洗浄工程で得られた洗浄処理液中の反応溶媒を留去し、吸着処理に用いる溶媒を添加することにより行うことができる。反応溶媒の留去は、該溶媒の種類によっても異なるが、例えば、5〜100mmHg(665〜13300Pa)程度の圧力、10〜60℃程度の温度で行われる。温度が高すぎると環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルが重合する恐れが生じる。なお、溶媒置換において、反応溶媒は必ずしも完全に留去する必要はなく、例えば4〜15倍程度に濃縮するだけでもよい。留去した反応溶媒は再利用できる。
【0055】
前記キレート樹脂処理に用いられるキレート樹脂としては、金属とキレートを形成可能な官能基を有する樹脂であれば特に限定されないが、その代表的な例として、イミノジ酢酸型、ポリアミン型等のキレート樹脂が挙げられる。キレート樹脂の交換容量としては特に制限はないが、例えば0.1〜2モル/l程度のものが使用される。
【0056】
キレート樹脂処理に付す被処理液としては、溶液であれば特に限定されないが、不純物の除去効果の点から、例えば、前記被処理液の溶媒として、メタノール、エタノールなどのアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステルなどが好ましい。キレート樹脂処理に付す被処理液中の環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの濃度は、処理効率や作業性等を損なわない範囲で適宜選択できるが、一般には1〜50重量%程度、好ましくは5〜30重量%程度である。キレート樹脂の使用量も処理効率や作業性等を考慮して適宜選択でき、例えば、被処理液中に含まれる金属1モルに対して、交換基として1000モル〜100000モル程度である。
【0057】
キレート樹脂処理における処理温度は、例えば10〜60℃程度である。処理温度が高すぎると、環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルが重合する恐れがある。キレート樹脂処理は、バッチ式、連続式、固定床方式、流動床方式等の公知の方法を採用できる。キレート樹脂処理により、主に微量金属成分(例えば、Fe、Al、Pb、Snなど)を効率よく除去することができる。
【0058】
前記キレート繊維処理に用いられるキレート繊維としては、天然繊維に化学結合でキレート官能基(例えば、イミノジ酢酸型樹脂など)を固定化させたものであれば特に限定されないが、その代表的な例としてセルロースを基材としたキレート繊維(商品名「キレストファイバー」、キレスト株式会社製等)などが挙げられる。
【0059】
キレート繊維処理に付す被処理液としては、溶液であれば特に限定されないが、不純物の除去効果の点から、例えば、前記被処理液の溶媒として、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、オクタノールなどのアルコール;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル;トルエン等の芳香族炭化水素;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素;テトラヒドロフランなどのエーテル類などが好ましい。キレート繊維処理に付す被処理液中の環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの濃度は、処理効率や作業性等を損なわない範囲で適宜選択できるが、一般には1〜50重量%程度、好ましくは5〜30重量%程度である。キレート繊維の使用量も処理効率や作業性等を考慮して適宜選択できる。
【0060】
キレート繊維処理における処理温度は、例えば10〜60℃(好ましくは10〜50℃)程度である。処理温度が高すぎると、環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルが重合する恐れがある。キレート繊維処理は、バッチ式、連続式、固定床方式、流動床方式等の公知の方法を採用できる。キレート繊維処理により、主に微量金属成分(例えば、Fe、Al、Pb、Snなど)を効率よく除去することができる。
【0061】
前記ゼータ電位膜処理は、被処理液をしてゼータ電位膜を通過させることにより行われる。ゼータ電位膜処理に用いられるゼータ電位膜としては、ゼータ電位に基づいて微細粒子を吸着可能な濾過膜であれば特に限定されず、例えば、キュノ(株)製、商品名「ゼータプラス」などを使用できる。ゼータ電位膜の材質として、例えば、樹脂、セルロース、パーライト、ケイソウ土、ガラス繊維などが挙げられる。
【0062】
ゼータ電位膜処理に付す被処理液の溶媒としては、特に限定されないが、代表的な例として、例えば、メタノール、エタノールなどのアルコール;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素などが例示される。ゼータ電位膜処理に付す被処理液中の環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの濃度は、処理効率や作業性等を損なわない範囲で適宜選択できるが、一般には1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%程度である。被処理液の処理量は、ゼータ電位膜1m2当たり、例えば1〜30kg程度である。また、処理速度は、例えば0.02〜2m3/m2/時程度である。
【0063】
ゼータ電位膜処理における処理温度は、例えば10〜50℃程度である。処理温度が高すぎると、環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルが重合する恐れがある。ゼータ電位膜処理により、主に微量金属成分(例えば、Fe、Al、Pb、Snなど)を効率よく除去できる。
【0064】
活性炭処理に用いる活性炭としては、特に限定されず、ガス賦活活性炭及び薬品賦活活性炭の何れも使用できる。活性炭の起源も特に限定されず、木材、鋸屑、果実殻、果実殻炭などの植物系原料から得られた活性炭;泥炭、亜炭、褐炭、コークス、石炭ピッチ、石油ピッチなどの鉱物系原料から得られた活性炭;フェノール樹脂、アクリル樹脂などの合成樹脂原料から得られた活性炭の何れをも使用できる。活性炭の形状も特に限定されず、粉末状、粒状、繊維状等の何れであってもよい。また、活性炭の比表面積は、例えば10〜3000m2/g程度である。
【0065】
活性炭処理に付す被処理液としては、溶液であれば特に限定されないが、不純物の除去効果の点から、例えば、前記被処理液の溶媒として、メタノール、エタノールなどのアルコールなどが好ましい。活性炭処理に付す被処理液中の前記環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの濃度は、処理効率や作業性等を損なわない範囲で適宜選択できるが、一般には1〜50重量%程度、好ましくは5〜30重量%程度である。なお、活性炭処理溶媒としてメタノール等のアルコールを用いる場合のアルコールの使用量は、環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル100重量部に対して、例えば200〜1000重量部程度である。活性炭の使用量も処理効率や作業性等を考慮して適宜選択でき、例えば、被処理液中に含まれる環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル100重量部に対して、5〜1000重量部、好ましくは10〜100重量部程度である。
【0066】
活性炭処理における処理温度は、例えば10〜60℃程度である。処理温度が高すぎると、環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルが重合する恐れがある。活性炭処理は、バッチ式、連続式、固定床方式、流動床方式等の公知の方法を採用できる。活性炭処理により、主に着色成分を効率よく除去することができる。
【0067】
シリカゲル処理に用いるシリカゲルとしては特に限定されない。シリカゲル処理に付す被処理液としては、溶液であれば特に限定されないが、例えば、前記キレート繊維処理に付す被処理液と同様の溶媒を使用できる。シリカゲル処理に付す被処理液中の前記環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの濃度は、処理効率や作業性等を損なわない範囲で適宜選択できるが、一般には1〜50重量%程度、好ましくは5〜30重量%程度である。シリカゲルの使用量も処理効率や作業性等を考慮して適宜選択できる。
【0068】
シリカゲル処理における処理温度は、例えば10〜60℃程度である。処理温度が高すぎると、環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルが重合する恐れがある。シリカゲル処理は、バッチ式、連続式、固定床方式、流動床方式等の公知の方法を採用できる。シリカゲル処理により、高沸点有機物、着色成分などを効率よく除去することができる。
【0069】
本発明では、特に、キレート樹脂処理、キレート繊維処理及びゼータ電位膜処理から選択された吸着処理を複数回(例えばキレート繊維処理を2回以上)行うのが好ましい。吸着処理を複数回行うことにより、前記環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル中の金属成分含有量を例えば100ppb以下にまで低減することができる。この方法では、吸着処理を1回行う場合と比較して、同量の吸着剤を複数回に分けて使用するだけで金属成分除去効果を著しく向上できるため、有用性が極めて高い。
【0070】
[分子蒸留工程]
分子蒸留工程では、分子蒸留により環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルを留出させる。分子蒸留は慣用の分子蒸留装置、例えば、ポット式分子蒸留装置、流下膜式分子蒸留装置、遠心式分子蒸留装置などを用いて行うことができる。これらの中でも、極めて薄い液膜の形成が可能であり、しかも試料を瞬時に加熱蒸発できることから、遠心式分子蒸留装置が特に好ましい。なお、分子蒸留の前に脱溶媒を行う場合が多い。脱溶媒は、溶媒の種類によっても異なるが、例えば、温度10〜100℃(好ましくは10〜50℃)、圧力5〜300mmHg(665〜39900Pa)の条件で行われる。
【0071】
分子蒸留における操作条件は、目的の環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの品質を損なわない範囲で適宜選択できる。温度は、例えば10〜100℃程度、好ましくは10〜80℃、さらに好ましくは10〜65℃程度であり、特に10〜50℃程度が好ましい。圧力は、例えば0.0001〜0.5mmHg(0.0133〜66.5Pa)、好ましくは0.0001〜0.2mmHg(0.0133〜26.6Pa)、さらに好ましくは0.0001〜0.1mmHg(0.0133〜13.3Pa)程度であり、特に0.001〜0.05mmHg(0.133〜6.65Pa)程度が好ましい。
【0072】
操作温度が高すぎると、環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルが重合して、精製収率が低下するとともに、製品が着色したり、純度が低下しやすくなる。そのため、分子蒸留は、常温で液体であるか、又は融点が100℃以下、特に50℃以下の環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの製造に有用である。
【0073】
前記分子蒸留により、金属成分(Fe、Al、Pb、Snなどの金属及び金属化合物)や反応で生成した副生物等を効率よく除去でき、着色度が小さく金属含有量の極めて少ない高純度の環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルを得ることができる。例えば、分子蒸留により、環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル中の金属含有量を100ppb以下にすることが可能である。
[晶析工程]
晶析工程では、前記吸着処理工程で得られた吸着処理液から(必要に応じて溶媒置換した後)、式(1)で表される環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルを晶析させる。
【0074】
晶析溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素;ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、トリフルオロメチルベンゼン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、安息香酸エチルなどのエステル;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン、アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフランなどの鎖状又は環状エーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどの非プロトン極性溶媒;二硫化炭素;水;これらの混合溶媒などが挙げられる。
【0075】
好ましい晶析溶媒として、トルエンなどの芳香族炭化水素、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素、イソプロピルアルコールなどのアルコール、酢酸エチルなどのエステル、ジイソプロピルエーテルなどの鎖状エーテル、テトラヒドロフランなどの環状エーテル、水、又はこれらの混合溶媒などが挙げられる。中でも、(i)(i-1)トルエン等の芳香族炭化水素、(i-2)トルエン等の芳香族炭化水素とヘキサン等の脂肪族炭化水素との混合溶媒、(i-3)トルエン等の芳香族炭化水素とジイソプロピルエーテル等のエーテル(特に鎖状エーテル)との混合溶媒、などの少なくともトルエン等の芳香族炭化水素を含む溶媒、(ii)ヘキサン等の脂肪族炭化水素と酢酸エチル等のエステルとの混合溶媒、(iii)水と水混和性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン等の環状エーテル、イソプロピルアルコール等のアルコールなど)との混合溶媒などが好ましい。前記(iii)の場合、水と、テトラヒドロフラン等の環状エーテルと、イソプロピルアルコール等のアルコールとの混合溶媒が特に好適である。
【0076】
晶析溶媒として前記(i-2)トルエン等の芳香族炭化水素とヘキサン等の脂肪族炭化水素との混合溶媒を用いる場合、両者の割合は、晶析化合物の種類によっても異なるが、例えば、前者(芳香族炭化水素)/後者(脂肪族炭化水素)(重量比)=5/95〜95/5、好ましくは20/80〜90/10、さらに好ましくは50/50〜85/15程度である。また、晶析溶媒として前記(i-3)トルエン等の芳香族炭化水素とジイソプロピルエーテル等のエーテル(特に鎖状エーテル)との混合溶媒を用いる場合、両者の割合は、晶析化合物の種類によっても異なるが、例えば、前者(芳香族炭化水素)/後者(エーテル)(重量比)=5/95〜95/5、好ましくは20/80〜80/20程度である。さらに、晶析溶媒として前記(ii)ヘキサン等の脂肪族炭化水素と酢酸エチル等のエステルとの混合溶媒を用いる場合、両者の割合は、晶析化合物の種類によっても異なるが、例えば、前者(脂肪族炭化水素)/後者(エステル)(重量比)=5/95〜95/5、好ましくは20/80〜90/10程度である。
【0077】
また、晶析溶媒として前記(iii)水と水混和性溶媒との混合溶媒を用いる場合、両者の割合は、晶析化合物の種類によっても異なるが、例えば、前者(水)/後者(水混和性溶媒)(重量比)=5/95〜95/5、好ましくは10/90〜80/20程度である。前記(iii)において、水混和性溶媒としてテトラヒドロフラン等の環状エーテルとイソプロピルアルコール等のアルコールとを組み合わせて使用する場合、両者の割合は、例えば、前者(環状エーテル)/後者(アルコール)(重量比)=2/98〜90/10、好ましくは5/95〜80/20、さらに好ましくは8/92〜50/50程度である。
【0078】
前記式(1a)、(1b)、(1c)、(1d)、(1e)又は(1f)で表される環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの晶析に用いる溶媒としては、前記(i)少なくともトルエン等の芳香族炭化水素を含む溶媒(とりわけ、前記(i-2)または(i-3)の溶媒)が好ましい。特に、式(1a)で表される環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルのうち、環にヒドロキシル基を有する化合物(ヒドロキシアダマンチル(メタ)アクリレート類)の晶析溶媒としては、前記(i-2)芳香族炭化水素と脂肪族炭化水素との混合溶媒が好適である。また、式(1a)で表される環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルのうち、環にオキソ基を有する化合物(オキソアダマンチル(メタ)アクリレート類)、式(1d)で表される環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル、式(1f)で表される環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの晶析溶媒としては、前記(i-3)芳香族炭化水素とエーテル(特に鎖状エーテル)との混合溶媒が好ましい。また、式(1b)で表される環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの晶析溶媒として、(iii)水と水混和性溶媒との混合溶媒も好ましい。式(1g)で表される環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの晶析に用いる溶媒としては、前記(ii)脂肪族炭化水素とエステルとの混合溶媒が特に好適である。
【0079】
なお、吸着処理工程における溶媒と晶析溶媒とが異なる場合には、溶媒置換を行う。溶媒置換は、吸着処理工程における溶媒の留去と晶析溶媒の添加により行うことができる。吸着処理工程における溶媒の留去は、該溶媒の種類によっても異なるが、例えば、5〜100mmHg(665〜13300Pa)程度の圧力、10〜60℃程度の温度で行われる。温度が高すぎると環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルが重合する恐れがある。なお、留去した溶媒は再利用できる。
【0080】
晶析溶媒の使用量は、溶媒の種類によっても異なるが、一般には、環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル100重量部に対して、20〜1000重量部、好ましくは25〜800重量部、さらに好ましくは30〜300重量部程度である。晶析操作は、例えば30〜50℃程度の温度から−20〜10℃程度の温度まで冷却することによって行われる。
【0081】
前記晶析操作により、環式骨格を有する(メタ)アクリル酸ジエステル(例えば、アダマンチルジ(メタ)アクリレート類等)などの副生物等を効率よく除去でき、高純度の環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルを得ることができる。
【0082】
晶析後、得られた結晶を溶媒で洗浄(リンス)することにより、より高純度の環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルを取得することができる。前記洗浄に用いる溶媒としては、例えば、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル(例えば、鎖状エーテル)、水と水混和性溶媒(例えば、イソプロピルアルコール等のアルコールなど)との混合溶媒などが好ましい。
【0083】
より具体的には、晶析溶媒として前記(i-2)トルエン等の芳香族炭化水素とヘキサン等の脂肪族炭化水素との混合溶媒を用いる場合や、(ii)ヘキサン等の脂肪族炭化水素と酢酸エチル等のエステルとの混合溶媒を用いる場合には、リンス溶媒としてヘキサン等の脂肪族炭化水素が好適である。また、晶析溶媒として(i-3)トルエン等の芳香族炭化水素とジイソプロピルエーテル等のエーテル(特に鎖状エーテル)との混合溶媒を用いる場合には、リンス溶媒としてジイソプロピルエーテル等のエーテル(特に鎖状エーテル)が好ましい。さらに、晶析溶媒として(iii)水と水混和性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン等の環状エーテル、イソプロピルアルコール等のアルコールなど)との混合溶媒を用いる場合には、リンス溶媒として水と水混和性溶媒(例えば、イソプロピルアルコール等のアルコールなど)との混合溶媒が好適である。
【0084】
洗浄に用いる溶媒(リンス溶媒)の使用量は、例えば、環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル100重量部に対して、10〜1000重量部、好ましくは50〜400重量部程度である。洗浄に用いる溶媒の温度は、室温程度であってもよいが、好ましくは−10〜10℃程度である。
【0085】
晶析により得られた結晶、又はさらに洗浄を施した結晶の乾燥条件は、品質及び作業効率を損なわない範囲で適宜設定でき、例えば温度10〜60℃程度、及び常圧又は減圧下[例えば、0.1〜760mmHg(13.3〜101000Pa)程度]で乾燥が行われる。乾燥時間は、例えば0.1〜24時間程度である。乾燥は、窒素等の不活性ガス気流中で行ってもよい。晶析で得られる母液、及び洗浄処理液からは、蒸留又は蒸発により溶媒を回収できる。回収した溶媒は再利用が可能である。
【0086】
【発明の効果】
本発明によれば、金属含有量の極めて少ない環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルが提供される。この(メタ)アクリル酸エステルはレジスト用樹脂等の感光性樹脂の原料モノマー等として好適に使用できる。
【0087】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、金属含有量(金属化合物の場合は金属換算の含有量)はセイコー インスツルメンツ(株)製の質量分析装置「SPQ9000ICP」を用いて測定した。なお、実施例1、2、4〜7、10〜12は、参考例として記載するものである。
【0088】
実施例1
下記式(2)で表される1−メタクリロイルオキシ−3,5−ジメチルアダマンタンの製造。
【化5】
Figure 0005064614
内容積10Lのガラス製反応器に、3,5−ジメチル−1−アダマンタノール1200g、メタクリル酸1147g、硫酸20.2g、メトキノン1.2g及びトルエン5211gを入れ、液中に、酸素濃度5モル%の酸素窒素混合ガスを3l/分の流量で供給した。液の温度を110℃まで昇温し、反応で副生する水をトルエンとの共沸により留去し、トルエンのみを反応器に戻しながら、約7.5時間反応を行った。反応液をガスクロマトグラフィーにより分析した結果、1−メタクリロイルオキシ−3,5−ジメチルアダマンタンが1400g生成していた。
この反応液を攪拌機を備えたガラス製洗浄槽に移し、ヘキサンを8000g加えた後、温度40℃の条件下、3000gの10重量%炭酸ナトリウム水溶液で2回、3000gの水で3回の計5回バッチ洗浄した。この洗浄操作により、未反応の3,5−ジメチル−1−アダマンタノール、メタクリル酸及び硫酸が除去され、有機層として、1−メタクリロイルオキシ−3,5−ジメチルアダマンタンのトルエン−ヘキサン溶液が得られた。
この有機層を内容積10Lのガラス製エバポレーターを用いて濃縮し[10mmHg(1330Pa)、35℃]、1091gの濃縮液を得た。濃縮液中の全金属含有量は1300ppbであった。この濃縮液をガラス製の遠心式分子蒸留装置(日本車輌製造(株)製、商品名「MS−150」)を用いて、圧力0.02mmHg(2.66Pa)、温度40℃の条件で分子蒸留し、1004gの1−メタクリロイルオキシ−3,5−ジメチルアダマンタン(純度98.1%)を得た。この1−メタクリロイルオキシ−3,5−ジメチルアダマンタン中の全金属含有量は25ppbであった。
【0089】
実施例2
下記式(3)で表される1−メタクリロイルオキシアダマンタン(=1−アダマンチルメタクリレート)の製造。
【化6】
Figure 0005064614
内容積10Lのガラス製反応器に、1−アダマンタノール1100g、メタクリル酸1245g、硫酸21.2g、メトキノン1.1g及びトルエン4774gを入れ、液中に、酸素濃度5モル%の酸素窒素混合ガスを3l/分の流量で供給した。液の温度を110℃まで昇温し、反応で副生する水をトルエンとの共沸により留去し、トルエンのみを反応器に戻しながら、約6時間反応を行った。反応液をガスクロマトグラフィーにより分析した結果、1−メタクリロイルオキシアダマンタンが1337g生成していた。
この反応液を攪拌機を備えたガラス製洗浄槽に移し、トルエンを4774g加えた後、温度40℃の条件下、5500gの水で2回、3300gの10重量%炭酸ナトリウム水溶液で1回の計3回バッチ洗浄した。この洗浄操作により、未反応の1−アダマンタノール、メタクリル酸及び硫酸が除去され、有機層として、1−メタクリロイルオキシアダマンタンのトルエン溶液が得られた。
この有機層を内容積10Lのガラス製エバポレーターを用いて濃縮し[10mmHg(1330Pa)、35℃]、2968gの濃縮液を得た。濃縮液中の全金属含有量は1200ppbであった。この濃縮液をガラス製の遠心式分子蒸留装置(日本車輌製造(株)製、商品名「MS−150」)を用いて脱溶剤した後、再度ガラス製の遠心式分子蒸留装置(日本車輌製造(株)製、商品名「MS−150」)に供給して、圧力0.03mmHg(3.99Pa)、温度40℃の条件で分子蒸留し、984gの1−メタクリロイルオキシアダマンタン(純度98.0%)を得た。この1−メタクリロイルオキシアダマンタン中の全金属含有量は30ppbであった。
【0090】
実施例3
下記式(4)で表されるアクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−メチルエチルエステル[=1−(1−アクリロイルオキシ−1−メチルエチル)アダマンタン]の製造。
【化7】
Figure 0005064614
内容積10Lのガラス製反応器に、2−(アダマンタン−1−イル)−1−プロパン−2−オール(=α,α−ジメチルアダマンタンメタノール)600.4g、テトラヒドロフラン4000g及びトリエチルアミン1093gを入れ、窒素雰囲気下、アクリル酸クロライド364gを1時間で滴下した。48時間熟成した後、反応終了とした。この間、液の温度を50〜55℃にコントロールした。反応液を液体クロマトグラフィーにより分析した結果、アクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−メチルエチルエステルが499g生成していた。
この反応液を攪拌機を備えた洗浄槽に移し、温度40℃の条件下、水で1回、10重量%炭酸ナトリウム水溶液で1回、さらに10重量%塩化ナトリウム水溶液で1回の計3回バッチ洗浄した。なお、何れの場合も、被洗浄液100重量部に対して60重量部の洗浄液を用いた。この洗浄操作により、未反応の2−(アダマンタン−1−イル)−1−プロパン−2−オール、アクリル酸クロライドが除去され、有機層として、アクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−メチルエチルエステルのテトラヒドロフラン溶液が得られた。
この有機層を内容積10Lのガラス製エバポレーターを用いて濃縮し[50mmHg(6664Pa)、60℃]、1491gの濃縮液を得た。
得られた濃縮液に、メタノール3973gを加え、重合物を析出させた。このスラリーを濾別し、さらに濃縮を行い[200mmHg(26658Pa)、60℃]、799gの濃縮液を得た。濃縮液中の全金属含有量は1300ppbであった。
この濃縮液をガラス製の遠心式分子蒸留装置(日本車輌製造(株)製、商品名「MS−150」)を用いて、圧力0.007mmHg(0.93Pa)、温度58℃の条件で分子蒸留し、452gのアクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−メチルエチルエステル(純度95.0%)を得た。このアクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−メチルエチルエステル中の全金属含有量は35ppbであった。
【0091】
実施例4
下記式(5)で表されるメタクリル酸5−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステル(=β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン)の製造。
【化8】
Figure 0005064614
内容積10Lのガラス製反応器に、4−ヒドロキシジヒドロフラン−2−オン(=β−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトン)400.2g、フェノチアジン0.405g、トリエチルアミン496g及びN,N−ジメチルホルムアミド4384.9gを入れ、窒素雰囲気下、メタクリル酸クロライド496gとN,N−ジメチルホルムアミド1964gの混合液を2時間で滴下した。1時間熟成後、反応終了とした。この間、液の温度を−32℃以下にコントロールした。
得られた反応液に水1600gを加え、酸クロライドをクエンチし、更にトルエンを5133g添加した。この液を攪拌機を備えた洗浄槽に移し、温度40℃の条件下、水で3回洗浄した。なお、何れの場合も、被洗浄液100重量部に対して100重量部の洗浄液を用いた。このクエンチ及び洗浄操作により、未反応の4−ヒドロキシジヒドロフラン−2−オン、メタクリル酸クロライドが除去され、有機層として、メタクリル酸5−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステルのN,N−ジメチルホルムアミド/トルエン溶液が得られた。この液を液体クロマトグラフィーにより分析した結果、メタクリル酸5−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステルが254.4g生成していた。
この液を内容積10Lのガラス製エバポレーターを用いて濃縮し[50mmHg(6664Pa)、60℃]、発生したスラリーを濾別した。濾別後、トルエン868gでリンスして、得られた濾液をさらに濃縮し、899gの粗濃縮液を得た。
得られた粗濃縮液をさらにWFE(Wiped Film Evapolator)により濃縮を行い[200mmHg(26658Pa)、60℃]、572gの濃縮液を得た。濃縮液中の全金属含有量は1500ppbであった。この濃縮液をガラス製の遠心式分子蒸留装置(日本車輌製造(株)製、商品名「MS−150」)を用いて、圧力0.34mmHg(45.3Pa)、温度90℃の条件で分子蒸留し、133.1gのメタクリル酸5−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステル(純度98.6%)を得た。このメタクリル酸5−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステル中の全金属含有量は25ppbであった。
【0092】
実施例5
下記式(6)で表されるメタクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イルエステル(=2−メタクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン)の製造。
【化9】
Figure 0005064614
内容積10Lのガラス製反応器に、2−メチルアダマンタン−2−オール(=2−メチル−2−アダマンタノール)513.3g、トルエン3764g及びトリエチルアミン1093.2gを入れ、窒素雰囲気下、メタクリル酸クロライド420gと144gの混合液を1時間で滴下した。48時間熟成した後、反応終了とした。この間、液の温度を55℃以下にコントロールした。反応液を液体クロマトグラフィーにより分析した結果、メタクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イルエステルが734.1g生成していた。
この反応液を攪拌機を備えた洗浄槽に移し、温度40℃の条件下、水で1回、さらに15重量%炭酸ナトリウム水溶液で2回、また10重量%塩化ナトリウム水溶液で1回の計4回バッチ洗浄した。なお、何れの場合も、被洗浄液100重量部に対して50重量部の洗浄液を用いた。この洗浄操作により、未反応の2−メチルアダマンタン−2−オール、メタクリル酸クロライドが除去され、有機層として、メタクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イルエステルのトルエン溶液が得られた。
この有機層を内容積10Lのガラス製エバポレーターを用いて濃縮し[50mmHg(6664Pa)、80℃]、954gの濃縮液を得た。濃縮液中の全金属含有量は1700ppbであった。
この濃縮液をガラス製の遠心式分子蒸留装置(日本車輌製造(株)製、商品名「MS−150」)を用いて、圧力0.15mmHg(20Pa)、温度72℃の条件で分子蒸留し、491.9gのメタクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イルエステル(純度98.2%)を得た。このメタクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イルエステル中の全金属含有量は80ppbであった。
【0093】
実施例6
下記式(7)で表されるメタクリル酸5,5−ジメチル−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステル(=α−メタクリロイルオキシ−γ,γ−ジメチル−γ−ブチロラクトン)の製造。
【化10】
Figure 0005064614
内容積10Lのガラス製反応器に、3−ヒドロキシ−5,5−ジメチルジヒドロフラン−2−オン(=α−ヒドロキシ−γ,γ−ジメチル−γ−ブチロラクトン)510g、トルエン4325g及びトリエチルアミン525gを入れ、窒素雰囲気下、メタクリル酸クロライド528gとトルエン1821gの混合液を1時間で滴下した。1時間熟成した後、反応終了とした。この間、液の温度を20〜30℃以下にコントロールした。反応液をガスクロマトグラフィーにより分析した結果、メタクリル酸5,5−ジメチル−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステルが734g生成していた。
この反応液を攪拌機を備えた洗浄槽に移し、温度40℃の条件下、水で1回、さらに10重量%炭酸ナトリウム水溶液で1回、また10重量%塩化ナトリウム水溶液で1回の計3回バッチ洗浄した。なお、何れの場合も、被洗浄液100重量部に対して100重量部の洗浄液を用いた。この洗浄操作により、未反応の3−ヒドロキシ−5,5−ジメチルジヒドロフラン−2−オン、メタクリル酸クロライドが除去され、有機層として、メタクリル酸5,5−ジメチル−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステルのトルエン溶液が得られた。
この有機層を内容積10Lのガラス製エバポレーターを用いて濃縮[45mmHg(5998Pa)、50℃]した。濃縮液中の全金属含有量は1400ppbであった。引き続き濃縮液を缶容量10Lのガラス製の遠心式分子蒸留装置(日本車輌製造(株)製、商品名「MS−150」)を用いて、圧力0.03mmHg(4.0Pa)、温度60℃の条件でバッチ蒸留し、409.5gのメタクリル酸5,5−ジメチル−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステル(純度95.2%)を得た。このメタクリル酸5,5−ジメチル−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステル中の全金属含有量は30ppbであった。
【0094】
実施例7
下記式(6)で表されるメタクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イルエステル(=2−メタクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン)の製造。
【化11】
Figure 0005064614
実施例5の方法で得られた全金属含有量80ppbのメタクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イルエステル900gをガラス製の遠心式分子蒸留装置(日本車輌製造(株)製、商品名「MS−150」)を用いて、圧力0.15mmHg(20Pa)、温度72℃の条件で分子蒸留し、430gのメタクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イルエステルを得た。このメタクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イルエステル中の全金属含有量は15ppbであった。
また、上記の分子蒸留において缶から得られた液を再度上記と同様の条件にて分子蒸留にかけたところ、全金属含有量23ppbのメタクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イルエステルが240g得られた。
【0095】
実施例8
下記式(8)で表される1−メタクリロイルオキシ−3−ヒドロキシアダマンタンの製造。
【化12】
Figure 0005064614
内容積10Lのガラス製反応器に、1,3−アダマンタンジオール678g、メタクリル酸1531g、p−トルエンスルホン酸83.8g、硫酸4.4g、メトキノン14.8g及びトルエン6401gを入れ、液中に、酸素濃度5モル%の酸素窒素混合ガスを0.8L/分の流量で供給した。液の温度を110℃まで昇温し、反応で副生する水をトルエンとの共沸により留去し、トルエンのみ反応器に戻しながら、約5時間反応を行った。反応液をガスクロマトグラフィーにより分析した結果、1−アクリロイルオキシ−3−ヒドロキシアダマンタンが875.6g生成していた。
この反応液を攪拌機に備えた洗浄槽に移し、温度40℃の条件下、10重量%炭酸ナトリウムで4回、さらに水で2回の計6回バッチ洗浄した。なお、何れの場合も、被洗浄液100重量部に対して50重量部の洗浄液を用いた。この洗浄操作により、未反応の1,3−アダマンタンジオール、メタクリル酸、p−トルエンスルホン酸、硫酸が除去され、有機層として、1−メタクリロイルオキシ−3−ヒドロキシアダマンタンのトルエン溶液が得られた。
この有機層にキレート繊維(商品名「キレストファイバーICP」、キレスト株式会社製)228.4gを加え、温度40℃の条件で吸着処理を行った。その後、キレート繊維を濾過機により濾別した。この濾液を内容積10Lのガラス製エバポレーター6を用いて濃縮し[10mmHg(1330Pa)、40℃]、2486gの濃縮液を得た。
得られた濃縮液に、ヘキサン1664gを加え、氷冷下で3時間攪拌冷却すると、1−メタクリロイルオキシ−3−ヒドロキシアダマンタンが結晶化し、スラリーが得られた。このスラリーの温度は2℃であった。晶析終了後、結晶を濾別し、これに冷ヘキサン2003gを加え、氷冷下で1時間攪拌することにより洗浄した。洗浄終了後、結晶を濾別し、真空乾燥機で3時間乾燥することにより[10mmHg(1330Pa)、50℃]、白色の1−メタクリロイルオキシ−3−ヒドロキシアダマンタンを727.1g得た。得られた1−メタクリロイルオキシ−3−ヒドロキシアダマンタンの純度は99.0重量%であり、不純物である1,3−ビス(メタクリロイルオキシ)アダマンタンの含有量は100重量ppm以下、全金属含有量は120ppbであった。また、晶析収率(晶析後の洗浄工程を含む)は82.2%であった。
【0096】
実施例9
下記式(9)で表される6−メタクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.3.1.14,8]ウンデカン−2−オンの製造。
【化13】
Figure 0005064614
内容積10Lのガラス製反応器に、6−ヒドロキシ−3−オキサトリシクロ[4.3.1.14,8]ウンデカン−2−オン680g、メタクリル酸1531g、p−トルエンスルホン酸83.8g、硫酸4.4g、メトキノン14.8g及びトルエン6401gを入れ、液中に、酸素濃度5モル%の酸素窒素混合ガスを0.8L/分の流量で供給した。液の温度を110℃まで昇温し、反応で副生する水をトルエンとの共沸により留去し、トルエンのみ反応器に戻しながら、約20時間反応を行った。反応液をガスクロマトグラフィーにより分析した結果、6−メタクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.3.1.14,8]ウンデカン−2−オンが662.1g生成していた。
この反応液を攪拌機を備えた洗浄槽に移し、温度40℃の条件下、10重量%炭酸ナトリウムで4回、さらに水で2回の計6回バッチ洗浄した。なお、何れの場合も、被洗浄液100重量部に対して50重量部の洗浄液を用いた。この洗浄操作により、未反応の6−ヒドロキシ−3−オキサトリシクロ[4.3.1.14,8]ウンデカン−2−オン、メタクリル酸、p−トルエンスルホン酸、硫酸が除去され、有機層として、6−メタクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.3.1.14,8]ウンデカン−2−オンのトルエン溶液が得られた。
この有機層にキレート繊維(商品名「キレストファイバーICP」、キレスト株式会社製)172.8gを加え、温度40℃の条件で吸着処理を行った。その後、キレート繊維を濾過機により濾別した。この濾液を内容積10Lのガラス製エバポレーターを用いて濃縮し[10mmHg(1330Pa)、40℃]、1281gの濃縮液を得た。
得られた濃縮液に、ジイソプロピルエーテル1120gを加え、氷冷下で3時間攪拌冷却すると、6−メタクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.3.1.14,8]ウンデカン−2−オンが結晶化し、スラリーが得られた。このスラリーの温度は2℃であった。晶析終了後、結晶を濾別し、これに冷ジイソプロピルエーテル517.5gを加え、氷冷下で1時間攪拌することにより洗浄した。洗浄終了後、結晶を濾別し、真空乾燥機で9時間乾燥することにより[10mmHg(1330Pa)、60℃]、白色の6−メタクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.3.1.14,8]ウンデカン−2−オンを542.9g得た。得られた、6−メタクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.3.1.14,8]ウンデカン−2−オンの純度は99.9重量%であり、全金属含有量は150ppbであった。また、晶析収率(晶析後の洗浄工程を含む)は81.2%であった。
【0097】
実施例10
下記式(10)で表されるメタクリル酸4−オキソアダマンタン−1−イルエステル(=1−メタクリロイルオキシ−4−オキソアダマンタンの製造。
【化14】
Figure 0005064614
内容積10Lのガラス製反応器に、5−ヒドロキシアダマンタン−2−オン620g、メタクリル酸1531g、p−トルエンスルホン酸83.8g、硫酸4.4g、メトキノン14.8g及びトルエン6401gを入れ、液中に、酸素濃度5モル%の酸素窒素混合ガスを0.8L/分の流量で供給した。液の温度を110℃まで昇温し、反応で副生する水をトルエンとの共沸により留去し、トルエンのみ反応器に戻しながら、約20時間反応を行った。反応液をガスクロマトグラフィーにより分析した結果、メタクリル酸4−オキソアダマンタン−1−イルエステルが619.7g生成していた。
この反応液を攪拌機を備えた洗浄槽に移し、温度40℃の条件下、10重量%炭酸ナトリウムで4回、さらに水で2回の計6回バッチ洗浄した。なお、何れの場合も、被洗浄液100重量部に対して50重量部の洗浄液を用いた。この洗浄操作により、未反応の5−ヒドロキシアダマンタン−2−オン、メタクリル酸、p−トルエンスルホン酸、硫酸が除去され、有機層として、メタクリル酸4−オキソアダマンタン−1−イルエステルのトルエン溶液が得られた。
この有機層にキレート繊維(商品名「キレストファイバーICP」、キレスト株式会社製)172.8gを加え、温度40℃の条件で吸着処理を行った。
その後、キレート繊維を濾過機により濾別した。この濾液を内容積10Lのガラス製エバポレーターを用いて濃縮し[10mmHg(1330Pa)、40℃]、1199gの濃縮液を得た。
得られた濃縮液に、ジイソプロピルエーテル1048gを加え、氷冷下で3時間攪拌冷却すると、メタクリル酸4−オキソアダマンタン−1−イルエステルが結晶化し、スラリーが得られた。このスラリーの温度は2℃であった。晶析終了後、結晶を濾別し、これに冷ジイソプロピルエーテル484.4gを加え、氷冷下で1時間攪拌することにより洗浄した。洗浄終了後、結晶を濾別し、真空乾燥機で9時間乾燥することにより[10mmHg(1330Pa)、60℃]、白色の、メタクリル酸4−オキソアダマンタン−1−イルエステルを533.6g得た。得られたメタクリル酸4−オキソアダマンタン−1−イルエステルの純度は99.9重量%であり、全金属含有量は180ppbであった。また、晶析収率(晶析後の洗浄工程を含む)は86.1%であった。
【0098】
実施例11
下記式(11)で表されるメタクリル酸2−オキソ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−イルエステル(5−メタクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン)の製造。
【化15】
Figure 0005064614
内容積10Lのガラス製反応器に、5−ヒドロキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン1200g、メタクリル酸1340g、硫酸38g、メトキノン12g及びトルエン5630gを入れ、液中に、酸素濃度5モル%の酸素窒素混合ガスを4L/分の流量で供給した。液の温度を110℃まで昇温し、反応で副生する水をトルエンとの共沸により留去し、トルエンのみ反応器に戻しながら、約11時間反応を行った。反応液をガスクロマトグラフィーにより分析した結果、メタクリル酸2−オキソ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−イルエステルが1609g生成していた。
この反応液を攪拌機を備えた洗浄槽に移し、温度40℃の条件下、10重量%炭酸ナトリウムで3回、さらに水で2回の計5回バッチ洗浄した。なお、何れの場合も、被洗浄液100重量部に対して100重量部の洗浄液を用いた。この洗浄操作により、未反応の5−ヒドロキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン、メタクリル酸、硫酸が除去され、有機層として、メタクリル酸2−オキソ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−イルエステルのトルエン溶液が得られた。
この有機層にキレート繊維(商品名「キレストファイバーICP」、キレスト株式会社製)230gを加え、温度40℃の条件で吸着処理を行った。
その後、キレート繊維を濾過機により濾別した。この濾液を内容積10Lのガラス製エバポレーターを用いて濃縮し[10mmHg(1330Pa)、40℃]、2896gの濃縮液を得た。
得られた濃縮液に、ジイソプロピルエーテル1448gを加え、氷冷下で3時間攪拌冷却すると、メタクリル酸2−オキソ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−イルエステルが結晶化し、スラリーが得られた。このスラリーの温度は2℃であった。晶析終了後、結晶を濾別し、これに冷ジイソプロピルエーテル1556gを加え、洗浄した。洗浄終了後、結晶を濾別し、真空乾燥機で3時間乾燥することにより[10mmHg(1330Pa)、50℃]、白色のメタクリル酸2−オキソ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−イルエステルを1245g得た。得られたメタクリル酸2−オキソ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−イルエステルの純度は99.0重量%であり、全金属含有量は180ppbであった。また、晶析収率(晶析後の洗浄工程を含む)は86.0%であった。
【0099】
実施例12
前記式(11)で表されるメタクリル酸2−オキソ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−イルエステル(5−メタクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン)の製造。
実施例11と同様にして、反応及び洗浄操作を行い、有機層として、メタクリル酸2−オキソ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−イルエステルのトルエン溶液を得た。
この有機層にキレート繊維(商品名「キレストファイバーICP」、キレスト株式会社製)100gを加え、温度40℃の条件で吸着処理を行った。キレート繊維を濾過機により濾別し、得られた濾液に上記と同様のキレート繊維を130g加え、温度40℃の条件で再度吸着処理を行った。キレート繊維を濾過機により濾別し、濾液を内容積10Lのガラス製エバポレーターを用いて濃縮し[10mmHg(1330Pa)、40℃]、2800gの濃縮液を得た。
得られた濃縮液に、ジイソプロピルエーテル1448gを加え、氷冷下で3時間攪拌冷却すると、メタクリル酸2−オキソ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−イルエステルが結晶化し、スラリーが得られた。このスラリーの温度は2℃であった。晶析終了後、結晶を濾別し、これに冷ジイソプロピルエーテル1556gを加え、洗浄した。洗浄終了後、結晶を濾別し、真空乾燥機で3時間乾燥することにより[10mmHg(1330Pa)、50℃]、白色のメタクリル酸2−オキソ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−イルエステルを1240g得た。得られたメタクリル酸2−オキソ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−イルエステルの純度は99.2重量%であり、全金属含有量は80ppbであった。

Claims (4)

  1. 下記式(1a)、(1b)、(1d)、又は(1e
    Figure 0005064614
    式(1a)中、R 1 は環に結合した置換基であって、ヒドロキシル基又は(メタ)アクリロイルオキシ基を示し、nは1〜3の整数を示す。式(1b)、(1d)、(1e)中、R1は環に結合した置換基であって、メチル基、ヒドロキシル基又は(メタ)アクリロイルオキシ基を示し、R2は水素原子、メチル基又はエチル基を示し、R3はメチル基又はエチル基を示す。nは0〜3の整数を示す。式中に示される環にはオキソ基が結合していてもよい。式中、Rは水素原子又はメチル基を示す
    で表される化合物に対応する環式骨格を有するアルコールと(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体とから、対応する上記式(1a)、(1b)、(1d)、又は(1e)で表される(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法であって、
    (A)上記式(1a)、(1b)、(1d)、又は(1e)で表される化合物に対応する環式骨格を有するアルコールと(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体との反応生成物であって融点が100℃以下の(メタ)アクリル酸エステルを洗浄液で洗浄する洗浄工程と;
    該洗浄工程を経た反応生成物を、温度10〜80℃、圧力0.0001〜0.2mmHgの条件で、分子蒸留に付して上記式(1a)、(1b)、(1d)、又は(1e)で表される環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルを留出させる分子蒸留工程とを少なくとも含むか、又は
    (B)上記式(1a)、(1b)、(1d)、又は(1e)で表される化合物に対応する環式骨格を有するアルコールと(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体との反応生成物を洗浄液で洗浄する洗浄工程と;
    該環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの濃度1〜50重量%の被処理液をキレート樹脂、キレート繊維及びゼータ電位膜から選択された少なくとも1種の吸着材による吸着処理に付す吸着処理工程であって、吸着材がキレート樹脂の場合は、上記被処理液の溶媒がアルコール及びエステルからなる群より選択された少なくとも1の溶媒であり、吸着材がキレート繊維の場合は、上記被処理液の溶媒がアルコール、エステル、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、ハロゲン化炭化水素及びエーテルからなる群より選択された少なくとも1の溶媒であり、吸着材がゼータ電位膜の場合は、上記被処理液の溶媒がアルコール、エステル及び芳香族炭化水素からなる群より選択された少なくとも1の溶媒である吸着処理工程と;
    該吸着処理工程を経た反応生成物が、上記式(1a)、(1d)、又は(1e)で表される環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの場合は、(i)少なくとも芳香族炭化水素を含む溶媒を用いて、上記式(1b)で表される環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの場合は、(i)少なくとも芳香族炭化水素を含む溶媒、又は(iii)水と水混和性溶媒との混合溶媒を用いて、晶析に付す晶析工程とを少なくとも含み、
    金属含有量が500ppb以下である該環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルを得ることを特徴とする、環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの製造法。
  2. (A)上記式(1a)、(1b)、(1d)、又は(1e)で表される化合物に対応する環式骨格を有するアルコールと(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体との反応生成物であって融点が100℃以下の(メタ)アクリル酸エステルを洗浄液で洗浄する洗浄工程と;
    該洗浄工程を経た反応生成物を、温度10〜80℃、圧力0.0001〜0.2mmHgの条件で、分子蒸留に付して上記式(1a)、(1b)、(1d)、又は(1e)で表される環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルを留出させる分子蒸留工程とを少なくとも含む、請求項1に記載の環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの製造法。
  3. 吸着処理工程における、キレート樹脂処理及びキレート繊維処理の処理温度が10〜60℃、ゼータ電位膜処理の処理温度が10〜50℃であり、晶析工程における、晶析溶媒の使用量が、前記環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル100重量部に対して、20〜1000重量部である、請求項1に記載の環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの製造法。
  4. 吸着処理工程において、吸着処理を複数回行う請求項1又は3に記載の環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの製造法。
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