JP2005255583A - ラクトン骨格含有(メタ)アクリル酸エステルの製造方法 - Google Patents

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嘉久 辻
Kazuya Shimizu
和哉 清水
Masayoshi Yamanaka
雅義 山中
Hideji Iwasaki
秀治 岩崎
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Abstract

【課題】不純物含量の少ない高品質のラクトン骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルを収率よく工業的に有利に製造すること。
【解決手段】ラクトン骨格含有アルコールと(メタ)アクリル酸またはその反応性誘導体を反応させ、得られる反応生成物をエステルおよびエーテルの混合溶媒を用いて晶析することを特徴とするラクトン骨格含有(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、一般式(II)
Figure 2005255583
(式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、R 〜R は水素原子またはアルキル基を表す。)
で示されるラクトン骨格含有(メタ)アクリル酸エステル[以下、これをラクトン骨格含有(メタ)アクリル酸エステル(II)と称する]の製造方法に関する。本発明により得られるラクトン骨格含有(メタ)アクリル酸エステル(II)は、レジスト用樹脂の原料モノマーとして有用である。
ラクトン骨格含有(メタ)アクリル酸エステル(II)の製造方法として、(1)2−ヒドロキシ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−5−オンをテトラヒドロフランに溶解し、N,N−ジメチルアニリンの存在下でアクリル酸クロライドと反応させた後、反応液を洗浄し、溶媒を除去し、次いでn−ヘキサンを用いて再結晶する方法(特許文献1参照)、(2)2−ヒドロキシ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−5−オンをトルエンに溶解し、硫酸の存在下でメタクリル酸と加熱反応させた後、反応液をアルカリで中和し、次いで吸着処理を行った後、ろ液を濃縮し、濃縮液にジイソプロピルエーテルを加えて再結晶する方法(特許文献2および特許文献3参照)などが知られている。
特許第3042618号公報、5頁 特開2001−192355号公報、15頁 特開2001−192356号公報、16頁
ラクトン骨格を有する(メタ)アクリレート類をレジスト用樹脂のモノマー原料として用いる際には、レジストとしての性能を十分に発揮させるため、色相に優れ、かつ不純物含量の少ない高純度品が求められる。しかし、上記方法のうち、n−ヘキサンから再結晶する方法(1)およびトルエンなどの芳香族炭化水素とジイソプロピルエーテルなどのエーテルとの混合溶媒から晶析する方法(2)では、n−ヘキサン、トルエンなどの炭化水素がラクトン骨格を有する(メタ)アクリレート類のみならず不純物に対しても貧溶媒であるため、ラクトン骨格を有する(メタ)アクリレート類が(メタ)アクリル酸由来のオリゴマーを結晶中に取り込み易く、高品質のラクトン骨格を有する(メタ)アクリレート類を効率よく得ることはできない。また、シリカゲルクロマトグラフィーで精製する方法(3)では精製コストが非常に高い。
本発明の目的は、不純物含量の少ない高品質のラクトン骨格含有(メタ)アクリル酸エステル(II)を収率よく工業的に有利に製造する方法を提供することにある。
本発明は、一般式(I)
Figure 2005255583
(式中、R 〜R は前記定義のとおりである。)
で示されるラクトン骨格含有アルコール[以下、これをラクトン骨格含有アルコール(I)と称する]と(メタ)アクリル酸またはその反応性誘導体を反応させ、得られる反応生成物をエステルおよびエーテルの混合溶媒を用いて晶析することを特徴とするラクトン骨格含有(メタ)アクリル酸エステル(II)の製造方法である。
本発明によれば、不純物含量の少ない高品質のラクトン骨格含有(メタ)アクリル酸エステル(II)を収率よく工業的に有利に製造することができる。
上記の一般式において、R 〜R がそれぞれ表すアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基などの低級アルキル基が好ましい。
ラクトン骨格含有アルコール(I)のうち、一般式(I)においてR 〜R が水素原子を表すラクトン骨格含有アルコールである2−ヒドロキシ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−5−オンは、例えば、シクロペンタジエンとアクリル酸のディールス−アルダー反応生成物を、ギ酸、過酸化水素水で酸化することにより得ることができる[ジャーナル オブ ケミカル ソサイエティ(J.Chem.Soc.)、221〜226頁(1959年)参照]。
(メタ)アクリル酸の反応性誘導体としては、アルコールと反応して対応するエステルを生成することが可能な誘導体であればよく、例えば、(メタ)アクリル酸クロリド、(メタ)アクリル酸ブロミドなどの(メタ)アクリル酸ハライド;無水(メタ)アクリル酸などの酸無水物;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ )アクリル酸ビニル、(メタ)アクリル酸2−プロペニルなどの(メタ)アクリル酸のアルキルエステルまたはアルケニルエステルなどが挙げられる。
ラクトン骨格含有アルコール(I)と(メタ)アクリル酸とのエステル化反応について説明する。
(メタ)アクリル酸の使用量は、ラクトン骨格含有アルコール(I)1モルに対して1モル以上であればよいが、1.2モル以上であるのが好ましい。エステル化反応はエステル化触媒および溶媒の存在下に行うのが好ましい。
溶媒としては、反応に悪影響を与えない限り特に制限はなく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレンなどの芳香族炭化水素;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、シクロオクタンなどの脂環式炭化水素;塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、アニソール、テトラヒドロフランなどのエーテル;およびこれらの混合溶媒などが挙げられる。溶媒としては、副生する水と共沸し、かつ水と分液可能な溶媒(共沸脱水可能な溶媒)を使用するのが好ましく、反応温度などを考慮して、例えばトルエンなどを使用するのが好ましい。
溶媒の使用量は特に制限されないが、反応の効率、操作性、経済性などを考慮すれば、ラクトン骨格含有アルコール(I)に対して1〜20倍重量の範囲であるのが好ましい。溶媒が共沸により留出する場合、その留出分の溶媒を系内に随時加えるか、反応当初より、共沸脱水するに必要な量を超えて過剰量の溶媒が仕込まれている場合には、反応終了までに溶媒は加えなくてもよい。また、共沸により留出した溶媒は、水と分離した後に反応系内に戻すことができる。
エステル化触媒としては、例えば硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、ヘテロポリ酸(例えば、ケイタングステン酸、ケイモリブデン酸、リンタングステン酸、リンモリブデン酸等)などの無機酸;ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、カンファスルホン酸などのスルホン酸;アンバーリスト15(東京有機化学工業株式会社製)、アンバーライトIR−118(東京有機化学工業株式会社製)などの酸型イオン交換樹脂;フッ化ホウ素ジエチルエーテラートなどのルイス酸などが挙げられる。これらは単独で、または2種以上の組合せで使用される。
エステル化触媒の使用量は、ラクトン骨格含有アルコール(I)に対して0.001〜100モル%の範囲であるのが好ましく、反応の効率を考慮すれば、0.1〜20モル%の範囲であるのがより好ましい。
反応温度は、20〜130℃の範囲であるのが好ましく、50〜120℃の範囲であるのがより好ましい。反応温度が20℃未満である場合には、反応の進行が極めて遅くなり、滞留時間が長くなるため、反応効率が悪くなる傾向にあり、また反応温度が130℃を超える場合には、原料の(メタ)アクリル酸、生成物のエステル化物またはこれらの混合物が重合して、高沸点を有する化合物が副生する傾向にあり、いずれの場合も好ましくない。
反応時間は、0.1〜50時間の範囲であるのが好ましく、10〜30時間の範囲であるのがより好ましい。反応時間が0.1時間未満である場合には、反応が十分に進行せず、反応効率が低くなる傾向にあり、また50時間を超える場合には、抑制すべき高沸点を有する化合物が副生する傾向にあり、いずれの場合も好ましくない。
反応は、常圧下または減圧下のいずれで行ってもよいが、使用する溶媒と水の共沸点が、反応を行う蒸気圧において、130℃を超える場合には、反応温度が高くなり副生物の生成が懸念されるため、減圧下で行うことが好ましい。
反応は、重合禁止剤の存在下に行うのが好ましい。重合禁止剤を反応系に存在させることにより、原料の(メタ)アクリル酸、生成物のエステル化物またはこれらの混合物の重合を防止することができる。重合禁止剤としては、公知の重合禁止剤が使用可能であり、例えばヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、tert−ブチルカテコール、フェノチアジン、p−フェニレンジアミン、ベンジジンなどを使用することができる。また、反応系内気相部などでの重合を抑制するため、反応系に空気または酸素を吹き込みながら反応を行うことが好ましい。
ラクトン骨格含有アルコール(I)と(メタ)アクリル酸の反応性誘導体との反応について説明する。
(メタ)アクリル酸の反応性誘導体の使用量は、ラクトン骨格含有アルコール(I)1モルに対して1モル以上であればよいが、1.2モル以上であるのが好ましい。反応は、該反応性誘導体の種類に応じて、塩基やエステル交換触媒の存在下で行うのが好ましい。例えば、(メタ)アクリル酸の反応性誘導体として(メタ)アクリル酸ハライドまたは酸無水物を用いる場合には、トリエチルアミン、ピリジンなどの塩基(酸捕捉剤)の存在下、例えば前記溶媒中で、0〜100℃程度の温度で反応が行われる。また、(メタ)アクリル酸の反応性誘導体として(メタ)アクリル酸アルキルエステルを用いる場合には、慣用のエステル交換触媒の存在下で、また該反応性誘導体として(メタ)アクリル酸アルケニルエステルを用いる場合には、特に周期表第3族元素化合物触媒(例えば、酢酸サマリウム、トリフルオロメタンスルホン酸サマリウム、サマリウム錯体などのサマリウム化合物など)の存在下、例えば前記溶媒中で、0〜150℃程度の温度で反応が行われる。
ラクトン骨格含有アルコール(I)と反応させる(メタ)アクリル酸またはその反応性誘導体としては、レジスト用樹脂の性能を低下させるハロゲンが反応生成物中に含まれないことを考慮すれば、(メタ)アクリル酸を用いるのが好ましい。
このようにして得られる反応生成物(反応混合物)は、アミン類を含む水溶液で洗浄処理した後に、晶析工程に供するのが好ましい。
アミン類としては、(メタ)アクリル酸またはその反応性誘導体や触媒、(メタ)アクリル酸由来のオリゴマーなどと反応して水溶性の化合物を与えるアミン類であればよく、例えばアンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジンなどを使用することができる。これらの中でも、操作性を考慮すれば、アンモニア、トリエチルアミンを使用するのが好ましい。アミン類の濃度は、1〜25重量%の範囲であるのが好ましく、1〜10重量%の範囲であるのがより好ましい。この洗浄処理により、反応混合物中に含まれる未反応原料[ラクトン骨格含有アルコール(I)、(メタ)アクリル酸またはその反応性誘導体]や触媒、(メタ)アクリル酸由来のオリゴマー、その他の水溶性不純物が効率よく除去される。
洗浄処理の回数は、1回でもよく複数回でもよいが、2回以上が好ましく、2〜10回程度がより好ましく、3〜8回程度が特に好ましい。洗浄液の使用量は、洗浄処理1回当たり、被洗浄物(反応混合物)100重量部に対して、例えば10〜200重量部であるのが好ましく、20〜100重量部程度であるのがより好ましい。洗浄処理の温度は、10〜60℃程度であるのが好ましい。洗浄処理する際の温度が高すぎる場合、ラクトン骨格含有(メタ)アクリル酸エステル(II)が重合する恐れがあり、好ましくない。
反応混合物を洗浄処理後、得られる処理液の水層から(メタ)アクリル酸などの未反応原料を回収して再利用することもできる。処理液は、そのまま晶析工程に供してもよいが、吸着処理を施した後に晶析工程に供することもできる。吸着処理としては、反応混合物中の不純物を吸着除去できる処理であれば特に限定されないが、活性炭、キレート樹脂、キレート繊維、ゼータ電位膜などの少なくとも1種の吸着材を用いて行う処理が好ましい。また、シリカゲルを吸着剤として用いることもできる。
晶析工程では、ラクトン骨格含有(メタ)アクリル酸エステル(II)を含む反応生成物をエステルおよびエーテルの混合溶媒を用いて晶析する。
エステルとしては、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチルなどの脂肪族カルボン酸アルキルエステル;安息香酸エチルなどの芳香族カルボン酸アルキルエステルなどを使用するのが好ましい。これらの中でも、酢酸アルキルエステルを使用するのが特に好ましい。エーテルとしては、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン、アニソールなどの鎖状エーテルを使用するのが好ましい。これらの中でも、ジイソプロピルエーテルを使用するのが特に好ましい。エステルとエーテルの割合は、ラクトン骨格含有(メタ)アクリル酸エステル(II)の種類によっても異なるが、例えば、エステル/エーテル(重量比)=5/95〜95/5、好ましくは20/80〜90/10、さらに好ましくは35/65〜85/15程度である。エステルの割合が高すぎる場合には、結晶化が困難になり易く、エステルの割合が低すぎる場合には、ラクトン骨格含有(メタ)アクリル酸エステル(II)の品質が悪化し易くなる。
晶析溶媒の使用量は、溶媒の種類によっても異なるが、ラクトン骨格含有(メタ)アクリル酸エステル(II)100重量部に対して、20〜1000重量部の範囲であるのが好ましく、25〜800重量部の範囲であるのがより好ましく、30〜500重量部の範囲であるのが特に好ましい。晶析操作は、例えば30〜60℃程度の温度から−20〜10℃程度の温度まで冷却することによって行われる。冷却時間は、0.1〜10時間の範囲であるのが好ましく、0.3〜6時間の範囲であるのがより好ましい。熟成時間は、0.5〜15時間の範囲であるのが好ましく、1〜5時間の範囲であるのがより好ましい。
晶析処理により、(メタ)アクリル酸由来のオリゴマーなどの副生物などを効率よく除去でき、高純度のラクトン骨格含有(メタ)アクリル酸エステル(II)を得ることができる。
上記の吸着処理における溶媒と晶析溶媒とが異なる場合には、溶媒置換を行う。溶媒置換は、吸着処理における溶媒の留去と晶析溶媒の添加により行う。吸着処理における溶媒の留去は、該溶媒の種類によっても異なるが、例えば、665〜13300Pa(5〜100mmHg)程度の圧力、10〜60℃程度の温度で行われる。温度が高すぎる場合、ラクトン骨格含有(メタ)アクリル酸エステル(II)が重合する恐れがあり好ましくない。なお、留去した溶媒は再利用できる。
晶析処理後、得られた結晶を溶媒でリンス(洗浄)することにより、より高純度のラクトン骨格含有(メタ)アクリル酸エステル(II)を取得することができる。リンスは、例えば、前記結晶とリンス溶媒(洗浄溶媒)との混合液を攪拌することにより行う。リンス溶媒としては、例えば、晶析溶媒と同じエステルとエーテルとの混合溶媒を使用するのが好ましい。リンス溶媒の使用量は、ラクトン骨格含有(メタ)アクリル酸エステル(II)100重量部に対して、10〜1000重量部の範囲であるのが好ましく、30〜400重量部の範囲であるのがより好ましい。リンス溶媒の温度は、室温程度で差支えないが、−10℃〜10℃の範囲であるのが好ましく、0〜10℃の範囲であるのがより好ましい。
晶析により得られた結晶またはリンスを施した結晶の乾燥は、ラクトン骨格含有(メタ)アクリル酸エステル(II)の品質および作業効率を損なわない範囲で適宜設定でき、例えば温度10〜60℃程度(好ましくは10〜50℃程度)で、常圧下または減圧下[例えば、13.3〜101000Pa(0.1〜760mmHg)程度]で行う。乾燥時間は、0.1〜24時間程度である。乾燥は、窒素などの不活性ガス気流中で行ってもよい。晶析で得られる母液およびリンス処理液からは、蒸留または蒸発により溶媒を回収することができ、回収した溶媒は再利用が可能である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
実施例1
攪拌器、蒸留塔および温度計を装着した内容積300mLの三ツ口フラスコに、2−ヒドロキシ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−5−オン20.58g(133mmol)、アクリル酸11.54g(160mmol)、p−メトキシフェノール0.23g(1.85mmol)およびトルエン120gを仕込み、攪拌した。系内圧力を45.3kPa(340Torr)に減圧し、温度を86℃に昇温した。蒸留塔内部に少量の空気を吹き込みながら反応系内を攪拌し、反応器内へ硫酸0.79g(8.05mol)を3分で滴下した。同温度で8時間保持し、この間、トルエン120gおよび水1.4gを留去した。また随時、留出量と同量のトルエンを反応系内に添加した。冷却後、窒素雰囲気下、反応系内に1.6%アンモニア水53.5gと酢酸エチル150gを添加し、撹拌することで反応混合物を洗浄し、静置した後、有機層を分離した。この有機層をイオン交換水50gで洗浄した後、分離した有機層を高速液体クロマトグラフィー(カラム:関東化学株式会社製Hiber RT 250−4、キャリア溶媒:アセトニトリル/水=4/6(容積比)、流量:1ml/min、検出:240nm)で分析したところ、2−ヒドロキシ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−5−オンの転化率は93%であり、アクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−2−イルの収率は75%であった。有機層を減圧下に濃縮し、アクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−2−イルの粗結晶29.53gを得た。温度計および撹拌機を装着した容量200mLの三口フラスコに、得られた粗結晶と酢酸エチル30g、ジイソプロピルエーテル30gを仕込み、よく撹拌した後、液温が50℃になるまで加熱した。結晶を完全に溶解させた後、放冷し、次いで氷冷下で2時間撹拌した後、析出した結晶を濾別した。濾別した結晶を酢酸エチル/ジイソプロピルエーテル=1/1(重量比)の混合溶媒30gでリンスした。得られた結晶を真空乾燥することにより、白色のアクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−2−イル17.6gを得た。得られたアクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−2−イルの純度は99.0重量%であり、不純物の金属成分である鉄含有量は20重量ppbであった。また、晶析収率(晶析後の洗浄工程を含む)は84.4%であった。
実施例2
攪拌器、蒸留塔および温度計を装着した内容積300mLの三ツ口フラスコに、2−ヒドロキシ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−5−オン30.06g(195mmol)、メタクリル酸20.14g(234mmol)、p−メトキシフェノール0.26g(2.09mmol)およびトルエン120gを仕込み、攪拌した。系内圧力を58.7kPa(440Torr)に減圧し、温度を95℃に昇温した。蒸留塔内部に少量の空気を吹き込みながら反応系内を攪拌し、反応器内へ硫酸1.15g(11.7mol)を3分で滴下した。同温度で11時間保持し、この間、トルエン120gおよび水2.1gを留去した。また随時、留出量と同量のトルエンを反応系内に添加した。冷却後、窒素雰囲気下、反応系内に2.9%アンモニア水56.5gと酢酸エチル150gを添加し、撹拌することで反応混合物を洗浄し、静置した後、有機層を分離した。この有機層をイオン交換水50gで洗浄した後、分離した有機層を高速液体クロマトグラフィー(前記のとおり)で分析したところ、2−ヒドロキシ−4−オキサトリシクロ[4.21.03,7 ]ノナン−5−オンの転化率は90%であり、メタクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−2−イルの収率は83%であった。有機層を減圧下に濃縮し、メタクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−2−イルの粗結晶33.4gを得た。温度計および撹拌機を装着した容量300mLの三口フラスコに、得られた粗結晶と酢酸エチル68g、ジイソプロピルエーテル34gを仕込み、よく撹拌した後、液温が60℃になるまで加熱した。結晶を完全に溶解させた後、放冷し、次いで氷冷下で2時間撹拌した後、析出した結晶を濾別した。濾別した結晶を酢酸エチル/ジイソプロピルエーテル=1/1(重量比)の混合溶媒15gでリンスした。得られた結晶を真空乾燥することにより、白色のメタクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−2−イル31.0gを得た。得られたメタクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7 ]ノナン−2−イルの純度は99.0重量%であり、不純物の金属成分である鉄含有量は20重量ppbであった。また、晶析収率(晶析後の洗浄工程を含む)は86.2%であった。
本発明により製造される不純物含量の少ない高品質のラクトン骨格含有(メタ)アクリル酸エステル(II)は、レジスト用樹脂の原料モノマーとして有用である。

Claims (1)

  1. 一般式(I)
    Figure 2005255583

    (式中、R 〜R は水素原子またはアルキル基を表す。)
    で示されるラクトン骨格含有アルコールと(メタ)アクリル酸またはその反応性誘導体を反応させ、得られる反応生成物をエステルおよびエーテルの混合溶媒を用いて晶析することを特徴とする一般式(II)
    Figure 2005255583

    (式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、R 〜R は前記定義のとおりである。)
    で示されるラクトン骨格含有(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
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