JP2001192355A - 環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの製造法 - Google Patents

環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの製造法

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JP2001192355A JP2000323373A JP2000323373A JP2001192355A JP 2001192355 A JP2001192355 A JP 2001192355A JP 2000323373 A JP2000323373 A JP 2000323373A JP 2000323373 A JP2000323373 A JP 2000323373A JP 2001192355 A JP2001192355 A JP 2001192355A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不純物含量の少ない高品質の環式骨格を有す
る(メタ)アクリル酸エステルを効率よく製造する。 【解決手段】 環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エ
ステルの製造法は、下記式(1a)、(1b)、(1c)、
(1d)、(1e)、(1f)又は(1g) 【化1】 (式中、R1はメチル基、ヒドロキシル基等を示し、R2
は水素原子、メチル基等を示し、R3はメチル基等を示
す。nは0〜3の整数、mは0〜5の整数を示す。式中
に示される環にはオキソ基が結合していてもよい)で表
される環式骨格を有するアルコールと(メタ)アクリル
酸等とから、対応する(メタ)アクリル酸エステルを製
造する方法であって、前記反応の反応生成物を、(i)
少なくとも芳香族炭化水素を含む溶媒、(ii)脂肪族炭
化水素とエステルとの混合溶媒、及び(iii)水と水混
和性溶媒との混合溶媒から選択された溶媒を用いた晶析
に付す晶析工程を少なくとも含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレジスト用樹脂の原
料モノマーなどとして有用な環式骨格を有する(メタ)
アクリル酸エステルの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】アダマンタン骨格を有する(メタ)アク
リル酸エステルは、アダマンタン環という特殊な構造を
有する脂環式炭素環を有するため、ポリマー化したとき
に透明性及びプラズマエッチング耐性が高いことから、
レジスト用樹脂のモノマー原料として注目されている。
特に、アダマンタン環にヒドロキシル基と(メタ)アク
リロイルオキシ基とを有するヒドロキシアダマンチル
(メタ)アクリレート類は、アダマンタン環とともにヒ
ドロキシル基を有するため、ポリマー化したときに、透
明性及びプラズマエッチング耐性が高いだけでなく、基
板に対する密着性にも優れるという利点を有する。ま
た、ラクトン骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル
の重合体も、基板に対する密着性等に優れることから、
レジスト用樹脂のモノマーとして注目されている。
【0003】ヒドロキシアダマンチル(メタ)アクリレ
ート類の製造法として、特公平7−61980号公報に
は、アダマンタンジオール類をトルエン等の溶剤に溶解
し、p−トルエンスルホン酸等の触媒の存在下で(メ
タ)アクリル酸と加熱反応させてモノエステル化した
後、反応液をアルカリで中和し、不溶物及び溶媒を除去
し、次いでn−ヘキサンを用いて再結晶することにより
前記ヒドロキシアダマンチル(メタ)アクリレート類を
得る方法が開示されている。
【0004】ヒドロキシアダマンチル(メタ)アクリレ
ート類をレジスト用樹脂のモノマー原料として用いる際
には、レジストとしての性能を十分に発揮させるため、
色相に優れるとともに不純物含量の少ない高純度品が求
められる。しかし、反応混合液を中和してn−ヘキサン
から再結晶する上記方法では、着色物質等の不純物を結
晶中に取り込みやすく、高品質のヒドロキシアダマンチ
ル(メタ)アクリレート類を効率よく得ることはできな
い。また、一般に、アダマンタン環やラクトン環等の環
式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの高純度品
を効率よく得る方法は知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、不純物含量の少ない高品質の環式骨格を有する(メ
タ)アクリル酸エステルを効率よく製造する方法を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意検討を重ねた結果、アダマンタン
ジオール類等の環式骨格を有するアルコールと(メタ)
アクリル酸又はその反応性誘導体との反応により生成し
た反応生成物を特定の溶媒で晶析すると、品質の優れた
環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルを効率よ
く製造できることを見出し、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、下記式(1a)、(1
b)、(1c)、(1d)、(1e)、(1f)又は(1g)
【化3】 (式中、R1は環に結合した置換基であって、メチル
基、ヒドロキシル基又は(メタ)アクリロイルオキシ基
を示し、R2は水素原子、メチル基又はエチル基を示
し、R3はメチル基又はエチル基を示す。nは0〜3の
整数、mは0〜5の整数を示す。式中に示される環には
オキソ基が結合していてもよい)で表される環式骨格を
有するアルコールと(メタ)アクリル酸又はその反応性
誘導体とから、対応する下記式(2a)、(2b)、(2
c)、(2d)、(2e)、(2f)又は(2g)
【化4】 (式中、Rは水素原子又はメチル基を示す。R1、R2
3、n及びmは前記に同じ)で表される環式骨格を有
する(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法であっ
て、前記式(1a)〜(1g)で表される環式骨格を有する
アルコールと(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体
との反応生成物を、(i)少なくとも芳香族炭化水素を
含む溶媒、(ii)脂肪族炭化水素とエステルとの混合溶
媒、及び(iii)水と水混和性溶媒との混合溶媒から選
択された溶媒を用いた晶析に付す晶析工程を少なくとも
含む環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの製
造法を提供する。この製造法において、晶析により得ら
れた環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルを、
(iv)脂肪族炭化水素、(v)エーテル、及び(vi)水
と水混和性溶媒との混合溶媒から選択された溶媒を用い
て洗浄する工程をさらに含んでいてもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の環式骨格を有する(メ
タ)アクリル酸エステルの製造法は、前記式(1a)、
(1b)、(1c)、(1d)、(1e)、(1f)又は(1g)で
表される環式骨格を有するアルコールと(メタ)アクリ
ル酸又はその反応性誘導体との反応生成物を、(i)少
なくとも芳香族炭化水素を含む溶媒、(ii)脂肪族炭化
水素とエステルとの混合溶媒、及び(iii)水と水混和
性溶媒との混合溶媒から選択された溶媒を用いた晶析に
付す晶析工程を少なくとも含んでいる。
【0009】反応原料として用いられる式(1a)で表さ
れる1−アダマンタノール類において、n個のR1は、
同一の基であってもよく、互いに異なる基であってもよ
い。R1は橋頭位の炭素原子に結合している場合が多
い。
【0010】式(1a)で表される代表的な1−アダマン
タノール類として、例えば、1−アダマンタノール、
3,5−ジメチル−1−アダマンタノール、1,3−ア
ダマンタンジオール、5,7−ジメチル−1,3−アダ
マンタンジオール、3−(メタ)アクリロイルオキシ−
1−アダマンタノール、3−(メタ)アクリロイルオキ
シ−5,7−ジメチル−1−アダマンタノール、4−オ
キソ−1−アダマンタノールなどが挙げられる。これら
の中でも、1,3−アダマンタンジオール、5,7−ジ
メチル−1,3−アダマンタンジオール等のアダマンタ
ンジオール類;4−オキソ−1−アダマンタノール等の
オキソ基を有するアダマンタノール類などが好ましい。
【0011】式(1a)で表される1−アダマンタノール
類は、アダマンタン環の少なくとも1つの橋頭位に水素
原子を有するアダマンタン類を、N−ヒドロキシフタル
イミド等のN−ヒドロキシイミド系触媒と、必要に応じ
て、バナジウム化合物(例えば、バナジウムアセチルア
セトナト、バナジルアセチルアセトナト等)、コバルト
化合物(例えば、酢酸コバルト、コバルトアセチルアセ
トナト等)等の金属化合物助触媒の存在下、酸素で酸化
して、アダマンタン環の橋頭位にヒドロキシル基を導入
することにより得ることができる。この方法において、
N−ヒドロキシイミド系触媒の使用量は、アダマンタン
類1モルに対して、例えば0.000001〜0.5モ
ル、好ましくは0.00001〜0.3モル程度であ
る。また、金属化合物助触媒の使用量は、アダマンタン
類1モルに対して、例えば0.0001〜0.5モル、
好ましくは0.0005〜0.1モル程度である。酸化
反応は、例えば、酢酸などの有機酸、アセトニトリル、
ベンゾニトリルなどのニトリル類、トリフルオロメチル
ベンゼンなどのハロゲン化炭化水素等の有機溶媒中、常
圧又は加圧下[例えば5〜40atm(0.505〜
4.04MPa)程度]、例えば40〜150℃、好ま
しくは60〜120℃程度の温度で行われる。
【0012】なお、アダマンタンジオール類は、アダマ
ンタン類を臭素によりブロム化した後、塩酸で処理して
アダマンタンモノオールとし、これを硫酸と反応させて
アダマンタンジオールとする方法により得ることもでき
る(特公平7−61980号公報)。しかし、レジスト
用ポリマーとして用いる際に問題となるハロゲンを用い
ることがなく、しかも温和な条件で簡易に製造できる点
などから、上記のN−ヒドロキシイミド系触媒を用いる
方法が好ましい。
【0013】式(1a)で表される1−アダマンタノール
類のうち、R1が(メタ)アクリロイルオキシ基である
化合物は、後述のエステル化法に準じて、R1がヒドロ
キシル基である化合物を(メタ)アクリル酸又はその反
応性誘導体と反応させることにより得られる。
【0014】前記式(1b)で表されるアダマンタンメタ
ノール類において、n個のR1は、同一の基であっても
よく、互いに異なる基であってもよい。R1は橋頭位の
炭素原子に結合している場合が多い。
【0015】式(1b)で表されるアダマンタンメタノー
ル類の代表的な例として、例えば、α,α−ジメチル−
1−アダマンタンメタノール、α,α,3,5−テトラ
メチル−1−アダマンタンメタノール、3−ヒドロキシ
−α,α−ジメチル−1−アダマンタンメタノール、3
−(メタ)アクリロイルオキシ−α,α−ジメチル−1
−アダマンタンメタノールなどが挙げられる。
【0016】式(1b)で表されるアダマンタンメタノー
ル類は、例えば、橋頭位に水素原子を有するアダマンタ
ン類に、(a)1,2−ジカルボニル化合物(ビアセチ
ル等)、(b)酸素、及び(c)金属化合物とで構成さ
れるアシル化剤を作用させて、対応するアシルアダマン
タン誘導体(1,2−ジカルボニル化合物に対応するア
シルアダマンタン誘導体、例えばビアセチルを用いた場
合にはアセチルアダマンタン誘導体)を得、このアシル
アダマンタン誘導体にメチルマグネシウムハライド等の
グリニヤール試薬を反応させることにより得ることがで
きる。
【0017】金属化合物(c)としては、例えば、コバ
ルトアセチルアセトナト等のコバルト化合物などが好ま
しく用いられる。1,2−ジカルボニル化合物(a)の
使用量は、橋頭位に水素原子を有するアダマンタン化合
物1モルに対して1モル以上(例えば1〜50モル)、
好ましくは1.5〜20モル程度である。酸素は前記ア
ダマンタン化合物に対して過剰量用いる場合が多い。金
属化合物(c)の使用量は、前記アダマンタン化合物1
モルに対して、例えば0.00001〜1モル、好まし
くは0.0001〜0.7モル程度である。アシル化反
応は、例えば酢酸などの適当な溶媒中、40〜150℃
程度の温度で行われる。また、アシルアダマンタン誘導
体とグリニヤール試薬との反応は一般的なグリニヤール
反応の条件で行うことができる。
【0018】前記式(1c)で表される2−アダマンタノ
ール類において、n個のR1は、同一の基であってもよ
く、互いに異なる基であってもよい。R1は橋頭位の炭
素原子に結合している場合が多い。式(1c)で表される
2−アダマンタノール類の代表的な例として、例えば、
2−メチル−2−アダマンタノール、2,5,7−トリ
メチル−2−アダマンタノールなどが挙げられる。
【0019】式(1c)で表される2−アダマンタノール
類は、例えば、2−アダマンタノン誘導体にメチルマグ
ネシウムハライド等のグリニヤール試薬を反応させるこ
とにより得ることができる。この反応は一般的なグリニ
ヤール反応に準じて行うことができる。
【0020】前記式(1d)で表される1−ヒドロキシ−
4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカ
ン−5−オン類(=6−ヒドロキシ−3−オキサトリシ
クロ[4.3.1.14,8]ウンデカン−2−オン類)
において、n個のR1は、同一の基であってもよく、互
いに異なる基であってもよい。R1は橋頭位の炭素原子
に結合している場合が多い。
【0021】式(1d)で表される1−ヒドロキシ−4−
オキサトリシクロ[4.3.1.1 3,8]ウンデカン−
5−オン類の代表的な例として、例えば、1−ヒドロキ
シ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウン
デカン−5−オン、1,8−ジヒドロキシ−4−オキサ
トリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オ
ンなどが挙げられる。
【0022】式(1d)で表される1−ヒドロキシ−4−
オキサトリシクロ[4.3.1.1 3,8]ウンデカン−
5−オン類は、例えば、1−ヒドロキシ−4−アダマン
タノン類にm−クロロ過安息香酸などの過酸を作用させ
ることにより得ることができる。この反応は一般的なバ
イヤービリガー反応に準じて行うことができる。
【0023】前記式(1e)で表される1−ヒドロキシメ
チル−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウ
ンデカン−5−オン類(=6−ヒドロキシメチル−3−
オキサトリシクロ[4.3.1.14,8]ウンデカン−
2−オン類)において、n個のR1は、同一の基であっ
てもよく、互いに異なる基であってもよい。R1は橋頭
位の炭素原子に結合している場合が多い。
【0024】式(1e)で表される1−ヒドロキシメチル
−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデ
カン−5−オン類の代表的な例として、例えば、1−
(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−4−オキサト
リシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オ
ン、8−ヒドロキシ−1−(1−ヒドロキシ−1−メチ
ルエチル)−4−オキサトリシクロ[4.3.1.1
3,8]ウンデカン−5−オンなどが挙げられる。
【0025】式(1e)で表される1−ヒドロキシメチル
−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデ
カン−5−オン類は、例えば、1位に水素原子を有する
4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカ
ン−5−オン類に、(a)1,2−ジカルボニル化合物
(ビアセチル等)、(b)酸素、及び(c)金属化合物
とで構成されるアシル化剤を作用させて、対応する1−
アシル−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8
ウンデカン−5−オン類を得、これにメチルマグネシウ
ムハライド等のグリニヤール試薬を反応させることによ
り得ることができる。アシル化反応及びグリニヤール反
応は、前記式(1b)で表されるアダマンタンメタノール
類を得る場合と同様にして行うことができる。
【0026】前記式(1f)で表される2−ヒドロキシ−
5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.0
3,7]ノナン類(=4−ヒドロキシ−7−オキソ−6−
オキサトリシクロ[3.2.1.13,8]ノナン類)に
おいて、n個のR1は、同一の基であってもよく、互い
に異なる基であってもよい。R1は橋頭位の炭素原子に
結合している場合が多い。
【0027】式(1f)で表される2−ヒドロキシ−5−
オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7
ノナン類の代表的な例として、2−ヒドロキシ−5−オ
キソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノ
ナンなどが挙げられる。
【0028】式(1f)で表される2−ヒドロキシ−5−
オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7
ノナン類は、例えば、ビシクロ[2.2.1]−2−ヘ
プテン−5−カルボン酸類を、メチルトリオキソレニウ
ムの存在下、過酸化水素を反応させることにより得るこ
とができる。
【0029】前記式(1g)で表されるヒドロキシ−γ−
ブチロラクトン類において、mは、好ましくは0〜3程
度である。式(1g)で表されるヒドロキシ−γ−ブチロ
ラクトン類の代表的な例として、例えば、β−ヒドロキ
シ−γ−ブチロラクトン、β−ヒドロキシ−α,α−ジ
メチル−γ−ブチロラクトン、β−ヒドロキシ−γ,γ
−ジメチル−γ−ブチロラクトン、β−ヒドロキシ−
α,α,β−トリメチル−γ−ブチロラクトン、β−ヒ
ドロキシ−β,γ,γ−トリメチル−γ−ブチロラクト
ン、β−ヒドロキシ−α,α,β,γ,γ−ペンタメチ
ル−γ−ブチロラクトンなどのβ−ヒドロキシ−γ−ブ
チロラクトン類;α−ヒドロキシ−γ−ブチロラクト
ン、α−ヒドロキシ−α−メチル−γ−ブチロラクト
ン、α−ヒドロキシ−β,β−ジメチル−γ−ブチロラ
クトン、α−ヒドロキシ−α,β,β−トリメチル−γ
−ブチロラクトン、α−ヒドロキシ−γ,γ−ジメチル
−γ−ブチロラクトン、α−ヒドロキシ−α,γ,γ−
トリメチル−γ−ブチロラクトン、α−ヒドロキシ−
β,β,γ,γ−テトラメチル−γ−ブチロラクトン、
α−ヒドロキシ−α,β,β,γ,γ−ペンタメチル−
γ−ブチロラクトンなどのα−ヒドロキシ−γ−ブチロ
ラクトン類などが挙げられる。
【0030】前記(メタ)アクリル酸の反応性誘導体と
しては、アルコールと反応して対応するエステルを生成
可能な誘導体、例えば、(メタ)アクリル酸クロリドな
どの(メタ)アクリル酸ハライド;無水(メタ)アクリ
ル酸などの酸無水物;(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ビニル、
(メタ)アクリル酸2−プロペニルなどの(メタ)アク
リル酸エステル(例えば、アルキルエステル、アルケニ
ルエステルなど)などが挙げられる。
【0031】前記環式骨格を有するアルコールと(メ
タ)アクリル酸との反応(エステル化)は、通常、反応
に不活性な溶媒中で行われる。前記溶媒として、例え
ば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンな
どの芳香族炭化水素;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、
デカンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサンなどの脂
環式炭化水素;塩化メチレン、クロロホルム、1,2−
ジクロロエタン、クロロベンゼン、トリフルオロメチル
ベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;酢酸エチル、酢酸
ブチルなどのエステル;ジエチルエーテル、ジイソプロ
ピルエーテル、ジブチルエーテル、アニソール、テトラ
ヒドロフランなどのエーテル;及びこれらの混合溶媒な
どが挙げられる。溶媒としては、副生する水と共沸し且
つ水と分液可能な溶媒(共沸脱水可能な溶媒)、例えば
トルエンなどが好ましい。
【0032】エステル化反応に用いる触媒としては、例
えば、硫酸、塩酸、リン酸、ヘテロポリ酸(例えば、ケ
イタングステン酸、ケイモリブデン酸、リンタングステ
ン酸、リンモリブデン酸等)などの無機酸;ベンゼンス
ルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホ
ン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン
酸、エタンスルホン酸、スルホン酸系強酸性イオン交換
樹脂などのスルホン酸類などが挙げられる。これらは単
独で又は2種以上混合して使用できる。なお、ヒドロキ
シル基を複数個有するアルコールをモノエステル化する
場合(例えば、アダマンタンジオール類からヒドロキシ
アダマンチル(メタ)アクリレート類を得る場合など)
には、特に、触媒として硫酸などの無機強酸と、p−ト
ルエンスルホン酸などのスルホン酸類とを組み合わせて
用いると、反応速度が極めて速く、短時間で収率よくヒ
ドロキシアダマンチル(メタ)アクリレート類を得るこ
とができる。例えば、p−トルエンスルホン酸のみを触
媒として用いると、反応が途中で停止するケースがある
が、硫酸を反応開始当初又は反応途中で添加すると、原
料が消失するまで反応が進行するという大きな利点があ
る。
【0033】また、反応中の重合を防止するため、メト
キノン、ヒドロキノンなどの重合禁止剤を系内に添加し
たり、系内に酸素を供給するのが好ましい。酸素は窒素
などの不活性ガスで希釈して使用することもできる。
【0034】上記環式骨格を有するアルコールと(メ
タ)アクリル酸とのエステル化反応は、常圧又は減圧
下、例えば50〜150℃程度の温度で行われる。(メ
タ)アクリル酸の使用量は、環式骨格を有するアルコー
ル1モルに対して1モル以上であればよいが、1.5モ
ル以上(例えば1.5〜10モル、特に2.5〜6モル
程度)であるのが好ましい。
【0035】複数のヒドロキシル基を有する環式骨格を
有するアルコールからモノエステル体を製造する場合に
おいても、(メタ)アクリル酸の使用量は、環式骨格を
有するアルコール1モルに対して1.5モル以上(例え
ば1.5〜10モル、特に2.5〜6モル程度)である
のが好ましい。通常のエステル化反応では、ジオール1
モルに対して酸を過剰量用いると、ジエステル化が進行
してモノエステル体の収率は低下するが、本反応系にお
いては、酸を過剰モル用いてもジエステル化はさほど進
行せず、反応速度の増大により、逆にモノエステル体の
収率が大きく向上するという特殊な現象が見られる。こ
れは、アダマンタンジオール類等の環式骨格を有するポ
リオール(ジオール等)のエステル化において第2段目
以降のエステル化速度が第1段目のエステル化速度に比
べて著しく遅いこと、及び(メタ)アクリル酸の量が多
いとアダマンタンジオール類等の環式骨格を有するポリ
オール(ジオール等)の溶解性が著しく向上することな
どによるものと推測される。原料の転化率を高めるた
め、反応は、副生する水を系外に留去させながら行うの
が好ましい。
【0036】一方、前記環式骨格を有するアルコールと
(メタ)アクリル酸の反応性誘導体との反応は、該反応
性誘導体の種類に応じて、塩基やエステル交換触媒の存
在下で行うことができる。例えば、(メタ)アクリル酸
の反応性誘導体として(メタ)アクリル酸ハライドや酸
無水物を用いる場合には、トリエチルアミン、ピリジン
などの塩基(酸捕捉剤)の存在下、例えば前記溶媒中、
0〜100℃程度の温度下で反応が行われる。また、
(メタ)アクリル酸の反応性誘導体として(メタ)アク
リル酸エステルを用いる場合には、慣用のエステル交換
触媒、又は該反応性誘導体として(メタ)アクリル酸ア
ルケニルを使用する場合には、特に周期表第3族元素化
合物触媒(例えば、酢酸サマリウム、トリフルオロメタ
ンスルホン酸サマリウム、サマリウム錯体などのサマリ
ウム化合物等)の存在下、例えば前記溶媒中、0〜15
0℃程度の温度下で反応が行われる。
【0037】上記環式骨格を有するアルコールと(メ
タ)アクリル酸又はその反応性誘導体との反応により、
原料アルコールに対応する式(2a)、(2b)、(2c)、
(2d)、(2e)、(2f)又は(2g)で表される環式骨格
を有する(メタ)アクリル酸エステルが生成する。な
お、環式骨格を有するアルコールと反応させる成分とし
ては、レジスト用樹脂として用いた場合に性能を低下さ
せるハロゲンが反応生成物中に含まれないことから、
(メタ)アクリル酸などが好ましい。
【0038】前記式(2a)で表される1−アダマンチル
(メタ)アクリレート類の代表的な例として、例えば、
1−アクリロイルオキシアダマンタン、1−メタクリロ
イルオキシアダマンタン、1−アクリロイルオキシ−
3,5−ジメチルアダマンタン、1−メタクリロイルオ
キシ−3,5−ジメチルアダマンタン、1−アクリロイ
ルオキシ−3−ヒドロキシ−5,7−ジメチルアダマン
タン、1−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシ−
5,7−ジメチルアダマンタン、1,3−ビス(アクリ
ロイルオキシ)−5,7−ジメチルアダマンタン、1,
3−ビス(メタクリロイルオキシ)−5,7−ジメチル
アダマンタン、1−アクリロイルオキシ−4−オキソア
ダマンタン、1−メタクリルオキシ−4−オキソアダマ
ンタンなどが挙げられる。
【0039】式(2b)で表されるアダマンチルメチル基
を有する(メタ)アクリル酸エステルの代表的な例とし
て、例えば、1−(1−アクリロイルオキシ−1−メチ
ルエチル)アダマンタン、1−(1−アクリロイルオキ
シ−1−メチルエチル)−3−ヒドロキシアダマンタ
ン、1−(1−アクリロイルオキシ−1−メチルエチ
ル)−3,5−ジメチルアダマンタン、1−(1−メタ
クリロイルオキシ−1−メチルエチル)アダマンタン、
1−ヒドロキシ−3−(1−メタクリロイルオキシ−1
−メチルエチル)−3−メチルアダマンタン、1−(1
−メタクリロイルオキシ−1−メチルエチル)−3,5
−ジメチルアダマンタンなどが挙げられる。
【0040】式(2c)で表される2−アダマンチル(メ
タ)アクリレート類の代表的な例として、例えば、2−
アクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン、2−ア
クリロイルオキシ−2,5,7−トリメチルアダマンタ
ン、2−メタクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタ
ン、2−メタクリロイルオキシ−2,5,7−トリメチ
ルアダマンタン等が挙げられる。
【0041】式(2d)で表される1−(メタ)アクリロ
イルオキシ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.1
3,8]ウンデカン−5−オン類の代表的な例として、例
えば、1−アクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ
[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン、1−ア
クリロイルオキシ−8−ヒドロキシ−4−オキサトリシ
クロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン、1
−メタクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[4.
3.1.13,8]ウンデカン−5−オン、1−メタクリ
ロイルオキシ−8−ヒドロキシ−4−オキサトリシクロ
[4.3.1.1 3,8]ウンデカン−5−オンなどが挙
げられる。
【0042】式(2e)で表される1−(メタ)アクリロ
イルオキシメチル−4−オキサトリシクロ[4.3.
1.13,8]ウンデカン−5−オン類の代表的な例とし
て、例えば、1−(1−アクリロイルオキシ−1−メチ
ルエチル)−4−オキサトリシクロ[4.3.1.1
3,8]ウンデカン−5−オン、8−ヒドロキシ−1−
(1−アクリロイルオキシ−1−メチルエチル)−4−
オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−
5−オン、1−(1−メタクリロイルオキシ−1−メチ
ルエチル)−4−オキサトリシクロ[4.3.1.1
3,8]ウンデカン−5−オン、8−ヒドロキシ−1−
(1−メタクリロイルオキシ−1−メチルエチル)−4
−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン
−5−オンなどが挙げられる。
【0043】式(2f)で表される2−(メタ)アクリロ
イルオキシ−5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.
2.1.03,7]ノナン類の代表的な例として、2−ア
クリロイルオキシ−5−オキソ−4オキサトリシクロ
[4.2.1.03,7]ノナン、2−メタクリロイルオ
キシ−5−オキソ−4オキサトリシクロ[4.2.1.
3,7]ノナンなどが挙げられる。
【0044】式(2g)で表されるγ−ブチロラクトン環
を有する(メタ)アクリル酸エステルの代表的な例とし
て、例えば、β−アクリロイルオキシ−γ−ブチロラク
トン、β−アクリロイルオキシ−α,α−ジメチル−γ
−ブチロラクトン、β−アクリロイルオキシ−γ,γ−
ジメチル−γ−ブチロラクトン、β−アクリロイルオキ
シ−α,α,β−トリメチル−γ−ブチロラクトン、β
−アクリロイルオキシ−β,γ,γ−トリメチル−γ−
ブチロラクトン、β−アクリロイルオキシ−α,α,
β,γ,γ−ペンタメチル−γ−ブチロラクトン、β−
メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、β−メタ
クリロイルオキシ−α,α−ジメチル−γ−ブチロラク
トン、β−メタクリロイルオキシ−γ,γ−ジメチル−
γ−ブチロラクトン、β−メタクリロイルオキシ−α,
α,β−トリメチル−γ−ブチロラクトン、β−メタク
リロイルオキシ−β,γ,γ−トリメチル−γ−ブチロ
ラクトン、β−メタクリロイルオキシ−α,α,β,
γ,γ−ペンタメチル−γ−ブチロラクトンなどのβ−
(メタ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン;α
−アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、α−アク
リロイルオキシ−α−メチル−γ−ブチロラクトン、α
−アクリロイルオキシ−β,β−ジメチル−γ−ブチロ
ラクトン、α−アクリロイルオキシ−α,β,β−トリ
メチル−γ−ブチロラクトン、α−アクリロイルオキシ
−γ,γ−ジメチル−γ−ブチロラクトン、α−アクリ
ロイルオキシ−α,γ,γ−トリメチル−γ−ブチロラ
クトン、α−アクリロイルオキシ−β,β,γ,γ−テ
トラメチル−γ−ブチロラクトン、α−アクリロイルオ
キシ−α,β,β,γ,γ−ペンタメチル−γ−ブチロ
ラクトン、α−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラク
トン、α−メタクリロイルオキシ−α−メチル−γ−ブ
チロラクトン、α−メタクリロイルオキシ−β,β−ジ
メチル−γ−ブチロラクトン、α−メタクリロイルオキ
シ−α,β,β−トリメチル−γ−ブチロラクトン、α
−メタクリロイルオキシ−γ,γ−ジメチル−γ−ブチ
ロラクトン、α−メタクリロイルオキシ−α,γ,γ−
トリメチル−γ−ブチロラクトン、α−メタクリロイル
オキシ−β,β,γ,γ−テトラメチル−γ−ブチロラ
クトン、α−メタクリロイルオキシ−α,β,β,γ,
γ−ペンタメチル−γ−ブチロラクトンなどのα−(メ
タ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトンなどが挙
げられる。
【0045】[洗浄工程(A)]こうして得られる反応
生成物(反応混合液)は、そのまま晶析工程に供しても
よいが、その前に、水、アルカリ水溶液及び塩水溶液か
ら選択された少なくとも1種の洗浄液で洗浄する洗浄工
程(A)に供するのが好ましい。この洗浄処理により、
反応混合液中に含まれている未反応原料[アダマンタン
ジオール類等の環式骨格を有するアルコール、(メタ)
アクリル酸]や触媒、その他の水溶性不純物を効率よく
除去できる。
【0046】前記アルカリ水溶液としては、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物;
炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸
塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアル
カリ金属炭酸水素塩などの水溶液が例示される。好まし
いアルカリ水溶液には、炭酸ナトリウムなどのアルカリ
金属炭酸塩の水溶液などが含まれる。
【0047】前記塩水溶液としては、例えば、塩化ナト
リウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシ
ウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウムなどのアルカ
リ金属若しくはアルカリ土類金属のハロゲン化物若しく
は硫酸塩の水溶液などが挙げられる。
【0048】洗浄は、水、アルカリ水溶液、塩水溶液の
何れか1種又は2種の洗浄液を用いて行ってもよいが、
前記3種の洗浄液を組み合わせて行うのが好ましい。複
数の洗浄液を使用する場合の洗浄の順序は、特に限定さ
れないが、水洗浄−アルカリ水溶液洗浄−塩水溶液洗浄
の順序が望ましい。洗浄回数は、各洗浄液につき、1回
でもよく複数回でもよい。アルカリ水溶液洗浄は、2回
以上(例えば2〜10回程度、特に3〜8回程度)行う
のが好ましい。洗浄液の使用量は、洗浄処理1回当た
り、被洗浄液100重量部に対して、例えば10〜20
0重量部、好ましくは20〜100重量部程度である。
洗浄する際の温度は、例えば10〜60℃程度である。
洗浄する際の温度が高すぎると、ヒドロキシアダマンチ
ル(メタ)アクリレート類等の環式骨格を有する(メ
タ)アクリル酸エステルが重合する恐れがある。
【0049】洗浄は、回分式、連続式、多段式等の公知
乃至慣用の方法により行うことができる。洗浄後の水層
から(メタ)アクリル酸などの未反応原料を回収して再
利用することもできる。
【0050】[吸着処理工程(B)]前記洗浄工程
(A)で得られた洗浄処理液は、晶析工程に供すること
もできるが、着色成分や金属類を除去するため、必要に
応じて溶媒置換(交換)した後、吸着処理に供するのが
好ましい。
【0051】吸着処理法としては、反応生成物中の不純
物を除去できる処理法であれば特に限定されないが、活
性炭、キレート樹脂、キレート繊維及びゼータ電位膜か
ら選択された少なくとも1種の吸着材を用いた処理法が
好ましい。また、シリカゲルを吸着剤として用いる処理
法も好ましい。
【0052】吸着処理は、2以上の処理法を組み合わせ
て行ってもよい。2以上の処理法の組み合わせにより、
より高純度の製品を得ることが可能となる。2以上の処
理法の組み合わせとして、例えば、活性炭処理及びシリ
カゲル処理から選択された少なくとも1つの処理法と、
キレート樹脂処理、キレート繊維処理及びゼータ電位膜
処理から選択された少なくとも1つの処理法との組み合
わせが挙げられる。2以上の処理法を組み合わせる場
合、処理は1段で行ってもよく、段階的に行ってもよ
い。
【0053】溶媒置換は、例えば、反応混合液や洗浄工
程(A)で得られた洗浄処理液中の反応溶媒を留去し、
吸着処理に用いる溶媒を添加することにより行うことが
できる。反応溶媒の留去は、該溶媒の種類によっても異
なるが、例えば、5〜100mmHg(665〜133
00Pa)程度の圧力、10〜60℃程度の温度で行わ
れる。温度が高すぎるとヒドロキシアダマンチル(メ
タ)アクリレート類等の環式骨格を有する(メタ)アク
リル酸エステルが重合する恐れが生じる。なお、溶媒置
換において、反応溶媒は必ずしも完全に留去する必要は
なく、例えば4〜15倍程度に濃縮するだけでもよい。
留去した反応溶媒は再利用できる。
【0054】活性炭処理に用いる活性炭としては、特に
限定されず、ガス賦活活性炭及び薬品賦活活性炭の何れ
も使用できる。活性炭の起源も特に限定されず、木材、
鋸屑、果実殻、果実殻炭などの植物系原料から得られた
活性炭;泥炭、亜炭、褐炭、コークス、石炭ピッチ、石
油ピッチなどの鉱物系原料から得られた活性炭;フェノ
ール樹脂、アクリル樹脂などの合成樹脂原料から得られ
た活性炭の何れをも使用できる。活性炭の形状も特に限
定されず、粉末状、粒状、繊維状等の何れであってもよ
い。また、活性炭の比表面積は、例えば10〜3000
2/g程度である。
【0055】活性炭処理に付す被処理液としては、溶液
であれば特に限定されないが、不純物の除去効果の点か
ら、例えば、前記被処理液の溶媒として、メタノール、
エタノールなどのアルコールなどが好ましい。活性炭処
理に付す被処理液中の前記環式骨格を有する(メタ)ア
クリル酸エステルの濃度は、処理効率や作業性等を損な
わない範囲で適宜選択できるが、一般には1〜50重量
%程度、好ましくは5〜30重量%程度である。なお、
活性炭処理溶媒としてメタノール等のアルコールを用い
る場合のアルコールの使用量は、環式骨格を有する(メ
タ)アクリル酸エステル100重量部に対して、例えば
200〜1000重量部程度である。活性炭の使用量も
処理効率や作業性等を考慮して適宜選択でき、例えば、
被処理液中に含まれる環式骨格を有する(メタ)アクリ
ル酸エステル100重量部に対して、5〜1000重量
部、好ましくは10〜100重量部程度である。
【0056】活性炭処理における処理温度は、例えば1
0〜60℃程度である。処理温度が高すぎると、環式骨
格を有する(メタ)アクリル酸エステル(例えば、ヒド
ロキシアダマンチル(メタ)アクリレート類等)が重合
する恐れがある。活性炭処理は、バッチ式、連続式、固
定床方式、流動床方式等の公知の方法を採用できる。活
性炭処理により、主に着色成分を効率よく除去すること
ができ、色相に優れた環式骨格を有する(メタ)アクリ
ル酸エステルを簡易に得ることができる。このように着
色度の小さい環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エス
テル(例えば、ヒドロキシアダマンチル(メタ)アクリ
レート類等)は、レジスト用樹脂の原料モノマーなどと
して極めて有用である。
【0057】前記キレート樹脂処理に用いられるキレー
ト樹脂としては、金属とキレートを形成可能な官能基を
有する樹脂であれば特に限定されないが、その代表的な
例として、イミノジ酢酸型、ポリアミン型等のキレート
樹脂が挙げられる。キレート樹脂の交換容量としては特
に制限はないが、例えば0.1〜2モル/l程度のもの
が使用される。
【0058】キレート樹脂処理に付す被処理液として
は、溶液であれば特に限定されないが、不純物の除去効
果の点から、例えば、前記被処理液の溶媒として、メタ
ノール、エタノールなどのアルコール、酢酸エチル、酢
酸ブチルなどのエステルなどが好ましい。キレート樹脂
処理に付す被処理液中の環式骨格を有する(メタ)アク
リル酸エステルの濃度は、処理効率や作業性等を損なわ
ない範囲で適宜選択できるが、一般には1〜50重量%
程度、好ましくは5〜30重量%程度である。キレート
樹脂の使用量も処理効率や作業性等を考慮して適宜選択
でき、例えば、被処理液中に含まれる金属1モルに対し
て、交換基として1000モル〜100000モル程度
である。
【0059】キレート樹脂処理における処理温度は、例
えば10〜60℃程度である。処理温度が高すぎると、
環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル(例え
ば、ヒドロキシアダマンチル(メタ)アクリレート類
等)が重合する恐れがある。キレート樹脂処理は、バッ
チ式、連続式、固定床方式、流動床方式等の公知の方法
を採用できる。キレート樹脂処理により、主に微量金属
成分(例えば、Fe、Alなど)を効率よく除去するこ
とができる。そのため、キレート樹脂処理が施された環
式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル(例えば、
ヒドロキシアダマンチル(メタ)アクリレート類等)
は、レジスト用樹脂の原料モノマーなどとして好適に使
用できる。
【0060】前記キレート繊維処理に用いられるキレー
ト繊維としては、天然繊維に化学結合でキレート官能基
(例えば、イミノジ酢酸型樹脂など)を固定化させたも
のであれば特に限定されないが、その代表的な例として
セルロースを基材としたキレート繊維(商品名「キレス
トファイバー」、キレスト株式会社製等)などが挙げら
れる。
【0061】キレート繊維処理に付す被処理液として
は、溶液であれば特に限定されないが、不純物の除去効
果の点から、例えば、前記被処理液の溶媒として、メタ
ノール、エタノール、イソプロピルアルコール、オクタ
ノールなどのアルコール;酢酸エチル、酢酸ブチルなど
のエステル;トルエン等の芳香族炭化水素;ヘキサン、
ヘプタン等の脂肪族炭化水素;塩化メチレン、1,2−
ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素;テトラヒドロ
フランなどのエーテル類などが好ましい。キレート繊維
処理に付す被処理液中の環式骨格を有する(メタ)アク
リル酸エステルの濃度は、処理効率や作業性等を損なわ
ない範囲で適宜選択できるが、一般には1〜50重量%
程度、好ましくは5〜30重量%程度である。キレート
繊維の使用量も処理効率や作業性等を考慮して適宜選択
できる。
【0062】キレート繊維処理における処理温度は、例
えば10〜60℃(好ましくは10〜50℃)程度であ
る。処理温度が高すぎると、環式骨格を有する(メタ)
アクリル酸エステル(例えば、アダマンチル(メタ)ア
クリレート類等)が重合する恐れがある。キレート繊維
処理は、バッチ式、連続式、固定床方式、流動床方式等
の公知の方法を採用できる。キレート繊維処理により、
主に微量金属成分(例えば、Fe、Alなど)を効率よ
く除去することができる。
【0063】前記ゼータ電位膜処理は、被処理液をして
ゼータ電位膜を通過させることにより行われる。ゼータ
電位膜処理に用いられるゼータ電位膜としては、ゼータ
電位に基づいて微細粒子を吸着可能な濾過膜であれば特
に限定されず、例えば、キュノ(株)製、商品名「ゼー
タプラス」などを使用できる。ゼータ電位膜の材質とし
て、例えば、樹脂、セルロース、パーライト、ケイソウ
土、ガラス繊維などが挙げられる。
【0064】ゼータ電位膜処理に付す被処理液の溶媒と
しては、特に限定されないが、代表的な例として、例え
ば、メタノール、エタノールなどのアルコール;酢酸エ
チル、酢酸ブチルなどのエステル;トルエン、キシレン
などの芳香族炭化水素などが例示される。ゼータ電位膜
処理に付す被処理液中の環式骨格を有する(メタ)アク
リル酸エステルの濃度は、処理効率や作業性等を損なわ
ない範囲で適宜選択できるが、一般には1〜50重量
%、好ましくは5〜30重量%程度である。被処理液の
処理量は、ゼータ電位膜1m2当たり、例えば1〜30
kg程度である。また、処理速度は、例えば0.02〜
2m3/m2/時程度である。
【0065】ゼータ電位膜処理における処理温度は、例
えば10〜50℃程度である。処理温度が高すぎると、
環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル(例え
ば、ヒドロキシアダマンチル(メタ)アクリレート類
等)が重合する恐れがある。ゼータ電位膜処理により、
主に微量金属成分(例えば、Fe、Alなど)を効率よ
く除去できる。そのため、ゼータ電位膜処理が施された
環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル(例え
ば、ヒドロキシアダマンチル(メタ)アクリレート類
等)は、レジスト用樹脂の原料モノマーなどとして好適
に使用できる。
【0066】シリカゲル処理に用いるシリカゲルとして
は特に限定されない。シリカゲル処理に付す被処理液と
しては、溶液であれば特に限定されないが、例えば、前
記キレート繊維処理に付す被処理液と同様の溶媒を使用
できる。シリカゲル処理に付す被処理液中の前記環式骨
格を有する(メタ)アクリル酸エステルの濃度は、処理
効率や作業性等を損なわない範囲で適宜選択できるが、
一般には1〜50重量%程度、好ましくは5〜30重量
%程度である。シリカゲルの使用量も処理効率や作業性
等を考慮して適宜選択できる。
【0067】シリカゲル処理における処理温度は、例え
ば10〜60℃程度である。処理温度が高すぎると、環
式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル(例えば、
ヒドロキシアダマンチル(メタ)アクリレート類等)が
重合する恐れがある。シリカゲル処理は、バッチ式、連
続式、固定床方式、流動床方式等の公知の方法を採用で
きる。シリカゲル処理により、高沸点有機物、着色成分
などを効率よく除去することができる。このように高沸
点有機物等の含有量の極めて少ない環式骨格を有する
(メタ)アクリル酸エステルは、レジスト用樹脂の原料
モノマーなどとして有用である。
【0068】[晶析工程(C)]反応工程で得られた反
応混合物は、前記洗浄工程(A)及び/又は吸着処理工
程(B)を経た後、又は前記工程を経ることなく晶析工
程(C)に供される。晶析工程(C)では、前記式(2
a)〜(2g)で表される環式骨格を有する(メタ)アク
リレートを、(i)少なくとも芳香族炭化水素を含む溶
媒、(ii)脂肪族炭化水素とエステルとの混合溶媒、及
び(iii)水と水混和性溶媒との混合溶媒から選択され
た溶媒を用いて晶析させる。
【0069】前記(i)の溶媒における芳香族炭化水素
としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エ
チルベンゼンなどの炭素数6〜12程度の芳香族炭化水
素が挙げられる。これらの中でも、特にトルエンなどが
好ましい。
【0070】前記(i)少なくとも芳香族炭化水素を含
む溶媒には、(i-1)トルエン等の芳香族炭化水素、(i
-2)芳香族炭化水素と脂肪族炭化水素との混合溶媒、
(i-3)芳香族炭化水素とエーテルとの混合溶媒が含ま
れる。
【0071】前記(i-2)における脂肪族炭化水素とし
ては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、ノナン、デカン、ドデカンなどの炭素数5〜12程
度の脂肪族炭化水素が挙げられる。
【0072】晶析溶媒として前記(i-2)芳香族炭化水
素と脂肪族炭化水素との混合溶媒を用いる場合、両者の
割合は、晶析化合物の種類によっても異なるが、例え
ば、前者(芳香族炭化水素)/後者(脂肪族炭化水素)
(重量比)=5/95〜95/5、好ましくは20/8
0〜90/10、さらに好ましくは50/50〜85/
15、特に好ましくは35/65〜60/40程度であ
る。前記の割合が高すぎると結晶化が困難になり易く、
前記の割合が低すぎると目的化合物の品質が悪化しやす
くなる。
【0073】前記(i-3)におけるエーテルとしては、
ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチ
ルメチルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタ
ン、アニソール等の鎖状アルコールが好ましい。これら
の中でもジイソプロピルエーテルなどが好ましい。
【0074】晶析溶媒として前記(i-3)芳香族炭化水
素とエーテルとの混合溶媒を用いる場合、両者の割合
は、晶析化合物の種類によっても異なるが、例えば、前
者(芳香族炭化水素)/後者(エーテル)(重量比)=
5/95〜95/5、好ましくは20/80〜80/2
0程度である。前記の割合が高すぎると結晶化が困難に
なり易く、前記の割合が低すぎると目的化合物の品質が
悪化しやすくなる。
【0075】前記(ii)脂肪族炭化水素とエステルとの
混合溶媒において、脂肪族炭化水素としては、例えば、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デ
カン、ドデカンなどの炭素数5〜12程度の脂肪族炭化
水素が挙げられる。これらの中でもヘキサンなどが好ま
しい。また、エステルとしては、例えば、酢酸メチル、
酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、プロピオ
ン酸エチル等の脂肪族カルボン酸アルキルエステル;安
息香酸エチル等の芳香族カルボン酸アルキルエステルな
どが挙げられる。これらの中でも、酢酸エチルなどの酢
酸アルキルエステル(特に、酢酸C1-4アルキルエステ
ル)が好ましい。
【0076】晶析溶媒として(ii)脂肪族炭化水素とエ
ステルとの混合溶媒を用いる場合、両者の割合は、晶析
化合物の種類によっても異なるが、例えば、前者(脂肪
族炭化水素)/後者(エステル)(重量比)=5/95
〜95/5、好ましくは20/80〜90/10程度で
ある。
【0077】前記(iii)における水混和性溶媒として
は、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状
エーテル;メタノール、エタノール、イソプロピルアル
コール等のアルコール;アセトン等のケトン;アセトニ
トリル等のニトリル;N,N−ジメチルホルムアミド等
の非プロトン極性溶媒などが挙げられる。これらの中で
も、テトラヒドロフラン等の環状エーテル、イソプロピ
ルアルコール等のアルコールが好ましい。
【0078】晶析溶媒として前記(iii)水と水混和性
溶媒との混合溶媒を用いる場合、両者の割合は、晶析化
合物の種類によっても異なるが、例えば、前者(水)/
後者(水混和性溶媒)(重量比)=5/95〜95/
5、好ましくは10/90〜80/20程度である。前
記(iii)において、水混和性溶媒としてテトラヒドロ
フラン等の環状エーテルとイソプロピルアルコール等の
アルコールとを組み合わせて使用する場合、両者の割合
は、例えば、前者(環状エーテル)/後者(アルコー
ル)(重量比)=2/98〜90/10、好ましくは5
/95〜80/20、さらに好ましくは8/92〜50
/50程度である。
【0079】前記式(2a)、(2b)、(2c)、(2d)、
(2e)又は(2f)で表される環式骨格を有する(メタ)
アクリル酸エステルの晶析に用いる溶媒としては、前記
(i)少なくともトルエン等の芳香族炭化水素を含む溶
媒(とりわけ、前記(i-2)または(i-3)の溶媒)が好
ましい。特に、式(2a)で表される環式骨格を有する
(メタ)アクリル酸エステルのうち、環にヒドロキシル
基を有する化合物(ヒドロキシアダマンチル(メタ)ア
クリレート類)の晶析溶媒としては、前記(i-2)芳香
族炭化水素と脂肪族炭化水素との混合溶媒が好適であ
る。また、式(2a)で表される環式骨格を有する(メ
タ)アクリル酸エステルのうち、環にオキソ基を有する
化合物(オキソアダマンチル(メタ)アクリレート
類)、式(2d)で表される環式骨格を有する(メタ)ア
クリル酸エステル、式(2f)で表される環式骨格を有す
る(メタ)アクリル酸エステルの晶析溶媒としては、前
記(i-3)芳香族炭化水素とエーテル(特に鎖状エーテ
ル)との混合溶媒が好ましい。また、式(2b)で表され
る環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの晶析
溶媒として、(iii)水と水混和性溶媒との混合溶媒も
好ましい。式(2g)で表される環式骨格を有する(メ
タ)アクリル酸エステルの晶析に用いる溶媒としては、
前記(ii)脂肪族炭化水素とエステルとの混合溶媒が特
に好適である。
【0080】なお、吸着処理工程における溶媒と晶析溶
媒とが異なる場合には、溶媒置換を行う。溶媒置換は、
吸着処理工程における溶媒の留去と晶析溶媒の添加によ
り行うことができる。吸着処理工程における溶媒の留去
は、該溶媒の種類によっても異なるが、例えば、5〜1
00mmHg(665〜13300Pa)程度の圧力、
10〜60℃程度の温度で行われる。温度が高すぎると
環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルが重合す
る恐れがある。なお、留去した溶媒は再利用できる。
【0081】晶析溶媒の使用量は、溶媒の種類によって
も異なるが、一般には、環式骨格を有する(メタ)アク
リル酸エステル100重量部に対して、20〜1000
重量部、好ましくは25〜800重量部、さらに好まし
くは30〜300重量部程度である。晶析操作は、例え
ば30〜50℃程度の温度から−20〜10℃程度の温
度まで冷却することによって行われる。冷却時間は、例
えば0.1〜5時間、好ましくは0.3〜3時間程度で
あり、熟成時間は、例えば0.5〜10時間、好ましく
は1〜5時間程度である。
【0082】前記晶析操作により、環式骨格を有する
(メタ)アクリル酸ジエステル(例えば、アダマンチル
ジ(メタ)アクリレート類等)などの副生物等を効率よ
く除去でき、高純度の環式骨格を有する(メタ)アクリ
ル酸エステル(例えば、ヒドロキシアダマンチル(メ
タ)アクリレート類等)を得ることができる。
【0083】晶析後、得られた結晶を溶媒で洗浄(リン
ス)することにより、より高純度の環式骨格を有する
(メタ)アクリル酸エステルを取得することができる。
洗浄は、例えば、前記結晶と洗浄用溶媒(リンス溶媒)
との混合液を攪拌することにより行うことができる。
【0084】前記洗浄に用いる溶媒としては、例えば、
ヘキサンなどの脂肪族炭化水素(好ましくは、炭素数5
〜12程度の脂肪族炭化水素)、ジイソプロピルエーテ
ルなどのエーテル(例えば、鎖状エーテル)、水と水混
和性溶媒(例えば、イソプロピルアルコール等のアルコ
ールなど)との混合溶媒などが好ましい。
【0085】より具体的には、晶析溶媒として前記(i-
2)トルエン等の芳香族炭化水素とヘキサン等の脂肪族
炭化水素との混合溶媒を用いる場合や、(ii)ヘキサン
等の脂肪族炭化水素と酢酸エチル等のエステルとの混合
溶媒を用いる場合には、リンス溶媒としてヘキサン等の
脂肪族炭化水素が好適である。また、晶析溶媒として
(i-3)トルエン等の芳香族炭化水素とジイソプロピル
エーテル等のエーテル(特に鎖状エーテル)との混合溶
媒を用いる場合には、リンス溶媒としてジイソプロピル
エーテル等のエーテル(特に鎖状エーテル)が好まし
い。さらに、晶析溶媒として(iii)水と水混和性溶媒
(例えば、テトラヒドロフラン等の環状エーテル、イソ
プロピルアルコール等のアルコールなど)との混合溶媒
を用いる場合には、リンス溶媒として水と水混和性溶媒
(例えば、イソプロピルアルコール等のアルコールな
ど)との混合溶媒が好適である。
【0086】リンス溶媒の使用量は、例えば、環式骨格
を有する(メタ)アクリル酸エステル100重量部に対
して、10〜1000重量部、好ましくは50〜400
重量部程度である。リンス溶媒の温度は、室温程度であ
ってもよいが、好ましくは−10〜10℃程度、さらに
好ましくは0〜10℃程度である。
【0087】晶析により得られた結晶、又はさらに洗浄
を施した結晶の乾燥条件は、品質及び作業効率を損なわ
ない範囲で適宜設定でき、例えば温度10〜60℃程度
(好ましくは10〜50℃程度)、及び常圧又は減圧下
[例えば、0.1〜760mmHg(13.3〜101
000Pa)程度]で乾燥が行われる。乾燥時間は、例
えば0.1〜24時間程度である。乾燥は、窒素等の不
活性ガス気流中で行ってもよい。晶析で得られる母液、
及び洗浄処理液からは、蒸留又は蒸発により溶媒を回収
できる。回収した溶媒は再利用が可能である。
【0088】図1は本発明の製造法の一例を示す製造工
程図である。この例では、原料である環式骨格を有する
アルコール(例えば、アダマンタンジオール類等)と
(メタ)アクリル酸、反応溶媒、触媒(酸触媒)、及び
必要に応じて重合禁止剤が反応器1に供給される(反応
工程)。また、重合を抑制するため、反応器1の液中
に、窒素で希釈された空気を供給してバブリングさせて
もよい。反応速度を速くするため、副生する水を留去し
つつ反応を行うのが好ましい。
【0089】反応混合液は反応器1から洗浄槽2に移さ
れ、水、アルカリ水溶液、塩水溶液で順次洗浄される
(洗浄工程)。洗浄後の有機層には、通常、反応で生成
した環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル(例
えば、ヒドロキシアダマンチル(メタ)アクリレート類
等)、微量の副生物(例えば、アダマンチルジ(メタ)
アクリレート類等)及び反応溶媒が含まれている。一
方、洗浄後の水層には、未反応原料及び触媒が含まれて
いる。未反応原料は、慣用の方法で回収し、再利用でき
る。
【0090】洗浄後の有機層は蒸発器3に供給され、反
応溶媒が留去される(脱溶媒工程)。缶残液は、メタノ
ールなどの吸着処理溶媒及び吸着材(活性炭等)ととも
に吸着処理槽4に供給され吸着処理に付される(吸着処
理工程)。吸着処理においては、前記のように、2種以
上の吸着法を組み合わせて実施することができる。な
お、反応溶媒と吸着処理における溶媒とが同一である場
合には、溶媒を置換する操作を省略できる。
【0091】吸着処理後の処理液は濾過器5により濾過
され、得られた濾液は蒸発器6に供給され、吸着処理溶
媒が留去される(脱溶媒工程)。そして、蒸発器6の缶
残液に前記抽出溶媒を加えて溶解させた後、冷却するこ
とにより、環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステ
ルが晶析する(晶析工程)。この際、晶析溶媒のうち前
記吸着処理溶媒よりも沸点の高い晶析溶媒1を前記濾液
に加えて蒸発器6に供給し、吸着処理溶媒を留去した
後、濃縮液に残りの晶析溶媒2を加えることにより、簡
単に溶媒置換を行うことができる。2種の晶析溶媒の何
れもが吸着処理溶媒よりも高沸点である場合には、2種
の晶析溶媒を加えた後、吸着処理溶媒を蒸発させてもよ
い。なお、吸着処理溶媒と晶析溶媒とが同一である場合
には、溶媒を置換する操作を省略できる。
【0092】晶析した環式骨格を有する(メタ)アクリ
ル酸エステル(例えば、ヒドロキシアダマンチル(メ
タ)アクリレート類等)は、濾過器8で濾過した後、洗
浄用溶媒で洗浄し(リンス工程)、真空乾燥機9で乾燥
することにより(乾燥工程)、製品化される。前記晶析
工程及びリンス工程で得られた母液及び洗浄液(濾液)
は、蒸発器10に供給され、塔頂より回収される(溶剤
回収工程)。
【0093】
【発明の効果】本発明によれば、不純物含量の少ない高
品質の環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルを
効率よく製造できる。
【0094】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
【0095】実施例1 図1の製造工程図に従って1−アクリロイルオキシ−3
−ヒドロキシアダマンタンを製造した。内容積10Lの
ガラス製反応器1に、1,3−アダマンタンジオール6
83g、アクリル酸1270g、p−トルエンスルホン
酸84.0g、硫酸4.3g、メトキノン7.4g及び
トルエン6405gを入れ、液中に、酸素濃度5モル%
の酸素窒素混合ガスを3L/分の流量で供給した。液の
温度を110℃まで昇温し、反応で副生する水をトルエ
ンとの共沸により留去し、トルエンのみ反応器に戻しな
がら、約5時間反応を行った。反応液をガスクロマトグ
ラフィーにより分析した結果、1−アクリロイルオキシ
−3−ヒドロキシアダマンタンが708g生成してい
た。この反応液を攪拌機を備えた洗浄槽2に移し、温度
40℃の条件下、水で2回、10重量%炭酸ナトリウム
水溶液で4回、10重量%塩化ナトリウム水溶液で2回
の計6回バッチ洗浄した。なお、何れの場合も、被洗浄
液100重量部に対して50重量部の洗浄液を用いた。
この洗浄操作により、未反応の1,3−アダマンタンジ
オール、アクリル酸、p−トルエンスルホン酸及び硫酸
が除去され、有機層として、1−アクリロイルオキシ−
3−ヒドロキシアダマンタンのトルエン溶液が得られ
た。この有機層を内容積10Lのガラス製エバポレータ
ー3を用いて濃縮し[10mmHg(1330Pa)、
35℃]、926gの濃縮液を得た。この濃縮液に、メ
タノール2328g及び活性炭342gを加え、温度4
0℃の条件で吸着処理を行った。活性炭を濾過器5によ
り濾別した後、さらに濃縮して762gの濃縮液を得
た。得られた濃縮液に、トルエン83gとヘキサン21
1gを加え、氷冷下で3時間攪拌冷却すると、1−アク
リロイルオキシ−3−ヒドロキシアダマンタンが結晶化
し、スラリーが得られた。このスラリーの温度は2℃で
あった。晶析終了後、結晶を濾別し、これに冷ヘキサン
1240gを加え、氷冷下で1時間攪拌することにより
洗浄した。洗浄終了後、結晶を濾別し、真空乾燥機で一
晩乾燥することにより[10mmHg(1330P
a)、25℃]、白色の1−アクリロイルオキシ−3−
ヒドロキシアダマンタンを511g得た。得られた1−
アクリロイルオキシ−3−ヒドロキシアダマンタンの純
度は98.0重量%であり、不純物である1,3−ビス
アクリロイルオキシアダマンタンの含有量は100重量
ppm以下であった。また、晶析収率(晶析後の洗浄工
程を含む)は94.7%であった。
【0096】比較例1 晶析溶媒として、トルエンとヘキサンの混合溶媒に代え
て、ヘキサンを377g用いた以外は実施例1と同様の
操作を行った。その結果、白色の1−アクリロイルオキ
シ−3−ヒドロキシアダマンタンを525g得た。得ら
れた1−アクリロイルオキシ−3−ヒドロキシアダマン
タンの純度は95.3重量%であり、不純物である1,
3−ビスアクリロイルオキシアダマンタンの含有量は1
00重量ppm以下であった。また、晶析収率(晶析後
の洗浄工程を含む)は92.7%であった。
【0097】実施例2 図1の製造工程図に従って下記式で表される1−メタク
リロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.
3,8]ウンデカン−5−オン(=6−メタクリロイル
オキシ−3−オキサトリシクロ[4.3.1.14,8
ウンデカン−2−オン)を製造した。
【化5】 内容積10Lのガラス製反応器1に、1−ヒドロキシ−
4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカ
ン−5−オン680g、メタクリル酸1531g、p−
トルエンスルホン酸83.8g、硫酸4.4g、メトキ
ノン14.8g及びトルエン6401gを入れ、液中
に、酸素濃度5モル%の酸素窒素混合ガスを0.8L/
分の流量で供給した。液の温度を110℃まで昇温し、
反応で副生する水をトルエンとの共沸により留去し、ト
ルエンのみ反応器に戻しながら、約20時間反応を行っ
た。反応液をガスクロマトグラフィーにより分析した結
果、1−メタクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ
[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オンが66
2.1g生成していた。この反応液を攪拌機を備えた洗
浄槽2に移し、温度40℃の条件下、10重量%炭酸ナ
トリウムで4回、さらに水で2回の計6回バッチ洗浄し
た。なお、何れの場合も、被洗浄液100重量部に対し
て50重量部の洗浄液を用いた。この洗浄操作により、
未反応の1−ヒドロキシ−4−オキサトリシクロ[4.
3.1.13,8]ウンデカン−5−オン、メタクリル
酸、p−トルエンスルホン酸、硫酸が除去され、有機層
として、1−メタクリロイルオキシ−4−オキサトリシ
クロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オンのト
ルエン溶液が得られた。この有機層にキレート繊維(商
品名「キレストファイバーICP」、キレスト株式会社
製)172.8gを加え、温度40℃の条件で吸着処理
を行った。その後、キレート繊維を濾過機5により濾別
した。この濾液を内容積10Lのガラス製エバポレータ
ー6を用いて濃縮し[10mmHg(1330Pa)、
40℃]、1281gの濃縮液を得た。得られた濃縮液
に、ジイソプロピルエーテル1120gを加え、氷冷下
で3時間攪拌冷却すると、1−メタクリロイルオキシ−
4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカ
ン−5−オンが結晶化し、スラリーが得られた。このス
ラリーの温度は2℃であった。晶析終了後、結晶を濾別
し、これに冷ジイソプロピルエーテル517.5gを加
え、氷冷下で1時間攪拌することにより洗浄した。洗浄
終了後、結晶を濾別し、真空乾燥機で9時間乾燥するこ
とにより[10mmHg(1330Pa)、60℃]、
白色の1−メタクリロイルオキシ−4−オキサトリシク
ロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オンを54
2.9g得た。得られた、1−メタクリロイルオキシ−
4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカ
ン−5−オンの純度は99.9重量%であり、不純物の
金属部分であるFe含有量は150重量ppbであっ
た。また、晶析収率(晶析後の洗浄工程を含む)は8
1.2%であった。
【0098】実施例3 図1の製造工程図に従ってメタクリル酸1−(アダマン
タン−1−イル)−1−メチルエチルエステル[=1−
(1−メタクリロイルオキシ−1−メチルエチル)アダ
マンタン]を製造した。内容積10Lのガラス製反応器
1に、2−(アダマンタン−1−イル)−1−プロパン
−2−オール(=α,α−ジメチルアダマンタンメタノ
ール)600g、テトラヒドロフラン4000g及びト
リエチルアミン1093gを入れ、窒素雰囲気下、メタ
クリル酸クロライド420gを1時間で滴下した。48
時間熟成した後、反応終了とした。この間、液の温度を
50〜55℃にコントロールした。反応液を液体クロマ
トグラフィーにより分析した結果、メタクリル酸1−
(アダマンタン−1−イル)−1−メチルエチルエステ
ルが485g生成していた。この反応液を攪拌機を備え
た洗浄槽2に移し、温度40℃の条件下、水で1回、さ
らに10重量%塩化ナトリウム水溶液で1回の計2回バ
ッチ洗浄した。なお、何れの場合も、被洗浄液100重
量部に対して100重量部の洗浄液を用いた。この洗浄
操作により、未反応の2−(アダマンタン−1−イル)
−1−プロパン−2−オール、メタクリル酸クロライド
が除去され、有機層として、メタクリル酸1−(アダマ
ンタン−1−イル)−1−メチルエチルエステルのテト
ラヒドロフラン溶液が得られた。この有機層にキレート
繊維(商品名「キレストファイバーICP」、キレスト
株式会社製)126gを加え、温度40℃で吸着処理を
行った。その後、キレート繊維を濾過機5により濾別し
た。この濾液を内容積10Lのガラス製エバポレーター
6を用いて濃縮し[50mmHg(6664Pa)、6
0℃]、714gの濃縮液を得た。得られた濃縮液に、
イソプロピルアルコール1490g及び水826gを加
え、氷冷下で3時間攪拌冷却すると、メタクリル酸1−
(アダマンタン−1−イル)−1−メチルエチルエステ
ルが結晶化し、スラリーが得られた。このスラリーの温
度は2℃であった。晶析終了後、結晶を濾別し、これに
冷イソプロピルアルコールと水の混合液(重量比50/
50)2650gを加え洗浄した。洗浄終了後、結晶を
濾別し、真空乾燥機で14時間乾燥することにより[1
0mmHg(1330Pa)、50℃]、白色のメタク
リル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−メチルエ
チルエステルを427g得た。得られたメタクリル酸1
−(アダマンタン−1−イル)−1−メチルエチルエス
テルの純度は99重量%であり、不純物の金属成分であ
るFe含有量は80重量ppbであった。
【0099】実施例4 図1の製造工程図に従ってメタクリル酸4−オキソアダ
マンタン−1−イルエステル(=1−メタクリロイルオ
キシ−4−オキソアダマンタン)を製造した。内容積1
0Lのガラス製反応器1に、5−ヒドロキシアダマンタ
ン−2−オン620g、メタクリル酸1531g、p−
トルエンスルホン酸83.8g、硫酸4.4g、メトキ
ノン14.8g及びトルエン6401gを入れ、液中
に、酸素濃度5モル%の酸素窒素混合ガスを0.8L/
分の流量で供給した。液の温度を110℃まで昇温し、
反応で副生する水をトルエンとの共沸により留去し、ト
ルエンのみ反応器に戻しながら、約20時間反応を行っ
た。反応液をガスクロマトグラフィーにより分析した結
果、メタクリル酸4−オキソアダマンタン−1−イルエ
ステルが619.7g生成していた。この反応液を攪拌
機を備えた洗浄槽2に移し、温度40℃の条件下、10
重量%炭酸ナトリウムで4回、さらに水で2回の計6回
バッチ洗浄した。なお、何れの場合も、被洗浄液100
重量部に対して50重量部の洗浄液を用いた。この洗浄
操作により、未反応の5−ヒドロキシアダマンタン−2
−オン、メタクリル酸、p−トルエンスルホン酸、硫酸
が除去され、有機層として、メタクリル酸4−オキソア
ダマンタン−1−イルエステルのトルエン溶液が得られ
た。この有機層にキレート繊維(商品名「キレストファ
イバーICP」、キレスト株式会社製)172.8gを
加え、温度40℃の条件で吸着処理を行った。その後、
キレート繊維を濾過機5により濾別した。この濾液を内
容積10Lのガラス製エバポレーター6を用いて濃縮し
[10mmHg(1330Pa)、40℃]、1199
gの濃縮液を得た。得られた濃縮液に、ジイソプロピル
エーテル1048gを加え、氷冷下で3時間攪拌冷却す
ると、メタクリル酸4−オキソアダマンタン−1−イル
エステルが結晶化し、スラリーが得られた。このスラリ
ーの温度は2℃であった。晶析終了後、結晶を濾別し、
これに冷ジイソプロピルエーテル484.4gを加え、
氷冷下で1時間攪拌することにより洗浄した。洗浄終了
後、結晶を濾別し、真空乾燥機で9時間乾燥することに
より[10mmHg(1330Pa)、60℃]、白色
の、メタクリル酸4−オキソアダマンタン−1−イルエ
ステルを533.6g得た。得られたメタクリル酸4−
オキソアダマンタン−1−イルエステルの純度は99.
9重量%であり、不純物の金属成分であるFe含有量は
180重量ppbであった。また、晶析収率(晶析後の
洗浄工程を含む)は86.1%であった。
【0100】実施例5 図1の製造工程図に従って、下記式で表されるメタクリ
ル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.
3,7]ノナン−2−イルエステルを製造した。
【化6】 内容積10Lのガラス製反応器1に、2−ヒドロキシ−
4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−
5−オン1200g、メタクリル酸1340g、硫酸3
8g、メトキノン12g及びトルエン5630gを入
れ、液中に、酸素濃度5モル%の酸素窒素混合ガスを4
L/分の流量で供給した。液の温度を110℃まで昇温
し、反応で副生する水をトルエンとの共沸により留去
し、トルエンのみ反応器に戻しながら、約11時間反応
を行った。反応液をガスクロマトグラフィーにより分析
した結果、メタクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシ
クロ[4.2.1.03,7]ノナン−2−イルエステル
が1609g生成していた。この反応液を攪拌機を備え
た洗浄槽2に移し、温度40℃の条件下、10重量%炭
酸ナトリウムで3回、さらに水で2回の計5回バッチ洗
浄した。なお、何れの場合も、被洗浄液100重量部に
対して100重量部の洗浄液を用いた。この洗浄操作に
より、未反応の2−ヒドロキシ−4−オキサトリシクロ
[4.2.1.03,7]ノナン−5−オン、メタクリル
酸、硫酸が除去され、有機層として、メタクリル酸5−
オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7
ノナン−2−イルエステルのトルエン溶液が得られた。
この有機層にキレート繊維(商品名「キレストファイバ
ーICP」、キレスト株式会社製)230gを加え、温
度40℃の条件で吸着処理を行った。その後、キレート
繊維を濾過機5により濾別した。この濾液を内容積10
Lのガラス製エバポレーター6を用いて濃縮し[10m
mHg(1330Pa)、40℃]、2896gの濃縮
液を得た。得られた濃縮液に、ジイソプロピルエーテル
1448gを加え、氷冷下で3時間攪拌冷却すると、メ
タクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.
2.1.03,7]ノナン−2−イルエステルが結晶化
し、スラリーが得られた。このスラリーの温度は2℃で
あった。晶析終了後、結晶を濾別し、これに冷ジイソプ
ロピルエーテル1556gを加え、洗浄した。洗浄終了
後、結晶を濾別し、真空乾燥機で3時間乾燥することに
より[10mmHg(1330Pa)、50℃]、白色
のメタクリル酸5−オキソ−4−オキサトリシクロ
[4.2.1.03,7]ノナン−2−イルエステルを1
245g得た。得られたメタクリル酸5−オキソ−4−
オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−2−
イルエステルの純度は99.0重量%であり、不純物の
金属成分であるFe含有量は180重量ppbであっ
た。また、晶析収率(晶析後の洗浄工程を含む)は8
6.0%であった。
【0101】実施例6 図1の製造工程図に従ってアクリル酸5,5−ジメチル
−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステル
(α−アクリロイルオキシ−γ,γ−ジメチル−γ−ブ
チロラクトン)を製造した。内容積10Lのガラス製反
応器1に、3−ヒドロキシ−5,5−ジメチルジヒドロ
フラン−2−オン(=α−ヒドロキシ−γ,γ−ジメチ
ル−γ−ブチロラクトン)404g、トリエチルアミン
391g及びテトラヒドロフラン3462gを入れ、窒
素雰囲気下、アクリル酸クロライド300gとテトラヒ
ドロフラン1730gの混合液を1時間で滴下した。1
4時間熟成した後、反応終了とした。この間、液の温度
を20〜30℃にコントロールした。反応液をガスクロ
マトグラフィーにより分析した結果、アクリル酸5,5
−ジメチル−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル
エステルが415.7g生成していた。この反応液に水
を6660g添加し、内容積10Lのガラス製エバポレ
ーター6を用いて濃縮し[42mmHg(5598P
a)、35℃]、濃縮液を攪拌機を備えた洗浄槽2に移
し、酢酸エチルを6660g添加した。温度40℃の条
件下、10重量%炭酸ナトリウム水溶液で1回、10重
量%塩化ナトリウム水溶液で1回の計2回バッチ洗浄し
た。なお、何れの場合も、被洗浄液100重量部に対し
て100重量部の洗浄液を用いた。この洗浄操作によ
り、未反応の3−ヒドロキシ−5,5−ジメチルジヒド
ロフラン−2−オン、アクリル酸クロライドが除去さ
れ、有機層として、アクリル酸5,5−ジメチル−2−
オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステルの酢酸エ
チル溶液が得られた。この洗浄液にヘキサン8000
g、キレート繊維(商品名「キレストファイバーIC
P」、キレスト株式会社製)108.4g及びシリカゲ
ルを400g添加して、高沸点物及び金属成分を吸着除
去させた。吸着剤を濾別した後に、この濾液を内容積1
0Lのガラス製エパポレーター6を用いて濃縮し[50
mmHg(6664Pa)、35℃]、474gの濃縮
液を得た。得られた濃縮液に、ヘキサン1100g及び
酢酸エチル550gを加え、氷冷下で3時間攪拌冷却す
ると、アクリル酸5,5−ジメチル−2−オキソテトラ
ヒドロフラン−3−イルエステルが結晶化し、スラリー
が得られた。このスラリーの温度は2℃であった。晶析
終了後、結晶を濾別し、これに冷ヘキサン200gを加
え洗浄した。洗浄終了後、結晶を濾別し、真空乾燥機で
14時間乾燥することにより[10mmHg(1330
Pa)、50℃]、白色のアクリル酸5,5−ジメチル
−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステルを
281.5g得た。得られたアクリル酸5,5−ジメチ
ル−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステル
の純度は99重量%であり、不純物の金属成分であるF
e含有量は180重量ppbであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法の一例を示す製造工程図である。
【符号の説明】
1 反応器 2 洗浄槽 3,6,10 蒸発器 4 吸着処理槽 5,8 濾過器 7 晶析槽 9 乾燥機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07D 493/08 C07B 61/00 300 // C07B 61/00 300 C07D 307/32 Q

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1a)、(1b)、(1c)、(1
    d)、(1e)、(1f)又は(1g) 【化1】 (式中、R1は環に結合した置換基であって、メチル
    基、ヒドロキシル基又は(メタ)アクリロイルオキシ基
    を示し、R2は水素原子、メチル基又はエチル基を示
    し、R3はメチル基又はエチル基を示す。nは0〜3の
    整数、mは0〜5の整数を示す。式中に示される環には
    オキソ基が結合していてもよい)で表される環式骨格を
    有するアルコールと(メタ)アクリル酸又はその反応性
    誘導体とから、対応する下記式(2a)、(2b)、(2
    c)、(2d)、(2e)、(2f)又は(2g) 【化2】 (式中、Rは水素原子又はメチル基を示す。R1、R2
    3、n及びmは前記に同じ)で表される環式骨格を有
    する(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法であっ
    て、前記式(1a)〜(1g)で表される環式骨格を有する
    アルコールと(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体
    との反応生成物を、(i)少なくとも芳香族炭化水素を
    含む溶媒、(ii)脂肪族炭化水素とエステルとの混合溶
    媒、及び(iii)水と水混和性溶媒との混合溶媒から選
    択された溶媒を用いた晶析に付す晶析工程を少なくとも
    含む環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの製
    造法。
  2. 【請求項2】 晶析により得られた環式骨格を有する
    (メタ)アクリル酸エステルを、(iv)脂肪族炭化水
    素、(v)エーテル、及び(vi)水と水混和性溶媒との
    混合溶媒から選択された溶媒を用いて洗浄する工程をさ
    らに含む請求項1記載の環式骨格を有する(メタ)アク
    リル酸エステルの製造法。
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