JP4896040B2 - 重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物の製造方法 - Google Patents

重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、機能性材料や電子材料の原料モノマーとして有用な重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物の製造方法に関する。
ジアマンタン誘導体は、アダマンタン誘導体と類似の骨格を有し、耐熱性に優れ、透明性が高い特徴を有する。ジアマンタン骨格はアダマンタン骨格と比較して、縮環数が多い。この理由で、ジアマンタン誘導体は、アダマンタン誘導体以上に耐熱性等の物性に優れると考えられ、その結果耐熱性高分子等の高機能性材料や半導体用レジスト等の電子材料に応用することが期待されている。ジアマンタン誘導体の中でも、重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物は極めて有用な化合物と期待されている。この化合物は、単独であるいは他のモノマーと共に、高分子材料やレジスト材料製造用の原料モノマーとして使用される。
一般に、工業的又は試薬として入手可能なジアマンタン骨格を有する化合物(ジアマンタン化合物)の数は限られている。重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物を合成するためには、数少ないジアマンタン化合物の何れかを出発原料とする必要がある。しかしながら、入手の困難さに起因して、ジアマンタン化合物のエステル化に関する反応性については不明な点が多い。
例えばこれまでに、重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物を製造する方法としては、特許文献1に以下の2つの方法が示されている。1つ目はトリエチルアミンの存在下で、ジアマンタンジオールとメタクリル酸クロライドと反応させる方法である。二つ目は、ジシクロヘキシルカルボジイミド及び4−ジメチルアミノピリジンの存在下、ジアマンタンジオールをメタクリル酸と反応させる方法である。
しかし、これらの文献に記載されている方法においては、ジアマンタン骨格に結合している置換基の位置が明確にされていないので、得られる重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物の化学構造は不明確である。更に、該特許文献1に記載の方法では、反応に28時間又は50時間以上の長時間を要すると共に、反応後はカラムクロマトグラフィーによる精製を行う必要があることが記載されている。
実際に我々が、特許文献1に記載の方法に準拠し、4,9−ジアマンタンジオール化合物を原料として用い、反応条件を40℃、7時間として重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物を製造することを試みたところ、ほとんど反応が進行せず、目的物を得ることはできなかった。
この結果に対し、構造上の類似性のある1,3−アダマンタンジオールを原料として、重合性ヒドロキシアダマンチルエステル化合物を製造する場合には、高収率、高選択率でモノエステルを得ることができる(例えば、特許文献2参照)。
上記のような相違が生じる理由は以下のように推測される。即ち、4,9−ジアマンタンジオール化合物は、1,3−アダマンタンジオール化合物と比較して、有機溶媒に対する溶解性が悪い。そのため、4,9−ジアマンタンジオール化合物とエステル化剤の反応速度が極端に遅く、ほとんど目的物が得られなかったものと推測される。
一方、通常は反応条件を長時間にすれば、反応が進行する傾向にある。しかしながら以下に理由を示すように、1,3−アダマンタンジオール化合物のエステル化においては、第2段目のジエステル化速度が第1段目のモノエステル化速度に比べて著しく遅くなることが知られている(特許文献2、35段落参照)が、4,9−ジアマンタンジオール化合物は第2段目のエステル化も、第1段目のエステル化と同様に進行してしまい、目的物の選択率が低くなることが予測される。
1,3−アダマンタンジオールを原料化合物として、重合性ヒドロキシアダマンチルエステル化合物を製造する場合、原料化合物の分子内の2つの水酸基の位置が比較的近いため、1つ目のエステル基が導入された後、2つ目のエステル基が導入されるには若干の立体障害が起きること、また1つ目のエステル基が導入されることで残りの水酸基の求核性が低下することが考えられる。これらの立体的、電子的な要因により、1つ目の水酸基がエステル化された後、2つ目の水酸基がエステル化される反応速度は1つ目の水酸基がエステル化される反応速度と比較して小さくなる。その結果、高選択率でモノエステル化された目的物を得ることができると考えられる。
それに対して、4,9−ジアマンタンジオール化合物を原料として用い、重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物を製造する場合、分子内の2つの水酸基は遠く離れている。従って、2つ目のエステル基が導入される際の立体障害は小さい。更に、1つ目のエステル基が導入されることによる上記電子的影響も小さい。上述したように、ジアマンタン誘導体と、アダマンタン誘導体とは立体的、電子的な環境が異なる。その結果、長時間反応させると、反応工程で選択率を上げることが困難になる。その結果、ジエステル化合物の生成量が増加してしまい、特許文献1に記載されているように、カラムクロマトグラフィーによる精製を行う必要が生じてしまう。さらに、長時間の反応は、ジエステル化合物以外にも種々の副反応を生じる可能性があり、この点からも精製が複雑化し好ましくない。
また、ジアマンタンジオール化合物に対する良溶媒を用いたり、反応温度を高温にしても、同様の結果が生じると予測される。
以上のように、ジアマンタン誘導体とアダマンタン誘導体とは、互いの化合物の炭素骨格が類似していても、反応性、特に第2段目のエステル化の反応性が大きく相違し、ジアマンタン誘導体の反応性の予測は、現状では困難である。
WO2005/036265 特開2001−192355号公報
上述するように、従来の重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物の製造方法は、反応に長時間を要する問題や、比較的処理量の小さいカラムクロマトグラフィーで精製することを要する問題を有する。従って、上記問題を解決して、工業的に実施可能な製造方法が望まれている。
本発明は、重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物を効率良く製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った。その結果、4,9−ジアマンタンジオール化合物のモノエステル化反応として、重合禁止剤及び酸触媒の存在下に4,9−ジアマンタンジオール化合物を、重合性不飽和カルボン酸及び重合性不飽和カルボン酸無水物の混合物中でエステル化反応させる方法に想到した。この方法により、4,9−ジアマンタンジオール化合物のモノエステル化を高選択率、高収率で行わせることが可能となる。さらに上記反応の原料として用いる4,9−ジアマンタンジオール化合物を得る方法として、ジアマンタン化合物を出発原料とし、該ジアマンタン化合物のジハロゲン化とそれに引続く加水分解反応を採用することとした。
本発明者は、これらの方法を採用することによって、比較的入手のしやすい原料から重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物を効率よく製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記式(1)
Figure 0004896040
(式中、Rは置換基を有していてもよい重合性不飽和炭化水素基であり、R及びRは、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。)
で示される重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物の製造方法であって、
(i) 下記式(2)
Figure 0004896040
{式中、R及びRは、各々前記式(1)におけるR及びRと同義である。}
で示されるジアマンタン化合物をジハロゲン化して、4,9−ジハロゲン化ジアマンタン化合物を得る工程、
(ii) 前記工程で得られた4,9−ジハロゲン化ジアマンタン化合物を加水分解し、4,9−ジアマンタンジオール化合物を得る工程、
(iii) 前記工程で得られた4,9−ジアマンタンジオール化合物を、重合禁止剤及び酸触媒の存在下、下記式(3)で示される重合性不飽和カルボン酸及び下記式(4)で示される重合性不飽和カルボン酸無水物
Figure 0004896040
(式中、Rは置換基を有していてもよい重合性不飽和炭化水素基であり、各Rは全て同一でも異なっていてもよい)
の混合物中でエステル化反応させることにより、前記式(1)で示される重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物の粗体を得る工程、
を含むことを特徴とする重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物の製造方法である。
本発明の製造方法においては、4,9−ジアマンタンジオール化合物の製造工程として、前記(i)及び(ii)の工程を採用しているので、4,9−ジアマンタンジオール化合物を高い選択率で得ることができる。その結果、基礎原料のジアマンタン化合物から効率よく重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物を製造することができる。
なお、ジアマンタン化合物を直接酸化してジアマンタンジオールを得る方法を採用する場合には、例えばWO2005/036265に記載されているように、ジアマンタンジオールとジアマンタントリオールの混合物が得られる。この場合には、ジアマンタンジオールの純度を高めるためにカラムクロマトグラフィーによる精製工程の追加が必要になる。
更に、エステル化反応として、前記(iii)に示される方法を採用することにより、4,9−ジアマンタンジオール化合物の有機溶媒に対する溶解性が著しく低いにもかかわらず、24時間以内という短時間で反応が終了する。
本発明の製造方法で得られる重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物を含む粗体が、副生成する4,9−ビス(メタクリロイルオキシ)ジアマンタン等の4,9−ジエステル体を比較的多く含む場合でも、芳香族炭化水素類を含む溶媒を使用して晶析することで、収率良く高純度の重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物を得ることができる。この場合は、カラムクロマトグラフィー等の複雑な分離工程を経る必要がない。
図1は、実施例1で製造された9−ヒドロキシ−4−ジアマンチルメタクリレートのプロトン核磁気共鳴(H−NMR)スペクトルである。 図2は、実施例1で製造された9−ヒドロキシ−4−ジアマンチルメタクリレートの13C核磁気共鳴(13C−NMR)スペクトルである。
工程(i)
本発明の製造方法においては、先ず、下記式(2)で示されるジアマンタン化合物をジハロゲン化して、4,9−ジハロゲン化ジアマンタン化合物を得る。
Figure 0004896040
上記式(2)においてR及びRは、各々独立に、水素原子、または炭素数1〜5のアルキル基である。
当該炭素数1〜5のアルキル基のうち好適な基を具体的に例示すれば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、sec−ペンチル基、イソペンチル基等が挙げられる。
本工程(i)において、R及びRとしては、製造を目的とする重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物に併せて適宜選択すればよい。使用できるジアマンタン化合物を具体的に例示すれば、ジアマンタン、1−メチルジアマンタン、1−エチルジアマンタン、1,6−ジメチルジアマンタン、1,6−ジエチルジアマンタン等を挙げることができる。これらの中でも特に、入手の容易さ、最終的に得られる重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物の有用性等よりジアマンタンが好ましい。
工程(i)において、ジアマンタン化合物をジハロゲン化するためには公知のハロゲン化剤を使用すればよい。当該ハロゲン化としては、ハロゲン化剤の入手の容易さ、廃液の処理の容易さ等の点で、クロロ化が最も好ましい。クロロ化剤としては、通常、有機化合物のクロロ化において使用されるクロロ化剤が制限なく使用できる。また、ハロゲン化剤としては、反応収率の点でハロスルホン酸(XSOH:Xはハロゲン原子)が好ましい。最も高収率で4,9−ジクロロジアマンタン化合物を得ることができるという理由から、クロロスルホン酸が好ましい。他のハロゲン化剤としては、ブロモスルホン酸、ヨードスルホン酸等が挙げられる。以下、クロロスルホン酸を用いる場合の例で説明するが、他のハロスルホン酸を用いる場合も、実質的に同様に説明できる。
クロロ化剤としてクロロスルホン酸を使用する場合には、クロロスルホン酸は反応溶媒の機能も兼ねることができる。クロロスルホン酸をクロロ化剤として使用する場合において、反応溶媒を兼ね反応速度を促進させる利点と反応終了後の後処理の容易さとのバランスを考慮すると、クロロスルホン酸の使用量はジアマンタン化合物1モルに対して2〜50モルが好ましく、3〜25モルがより好ましい。
4,9−ジクロロジアマンタン化合物はクロロスルホン酸に多少溶解する。4,9−ジクロロジアマンタン化合物を製造する際には、この多少溶解した4,9−ジクロロジアマンタン化合物が更に塩素化されて、1,4,9−トリクロロジアマンタン化合物が副生成する場合がある。このトリクロロ化反応を抑制するため、4,9−ジクロロジアマンタン化合物の貧溶媒である濃硫酸を反応系に混在させることが好ましい。
濃硫酸を混在させることで、ジアマンタン化合物がクロロスルホン酸と反応して生成する4,9−ジクロロジアマンタン化合物が、反応液中より析出して反応系から反応系外に排除され、その結果トリクロロ化が起りにくくなる。このため、高選択率で4,9−ジクロロジアマンタン化合物を取得することができる。濃硫酸の混合方法は特に制限がないが、通常はジアマンタン化合物と濃硫酸の懸濁液にクロロスルホン酸を添加する方法が好ましい。
ここで、濃硫酸の使用量は、特に制限されないが、目的とする4,9−ジクロロジアマンタン類の取得量の多さと後処理の容易さを勘案すれば、ジアマンタン化合物1質量部に対して0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。
工程(i)においては、たとえばジアマンタン化合物とクロロスルホン酸とを反応させ、4,9−ジクロロジアマンタン化合物を得るものであるが、このジクロロ化反応系に濃硫酸を共存させる場合には、濃硫酸中に含まれる水とクロロスルホン酸とが急激に反応して発熱し、突沸を起す場合がある。この様な事故を防ぐために、クロロスルホン酸は、反応系に分割して添加することが好ましい。この場合、分割は2回以上にわたって行なうのであれば、何回に分割して添加しても良い。さらに、2回目以降のクロロスルホン酸の添加時間にも制限はないが、例えばガスクロマトグラフィー(以下単に、GCとする)等により、反応の進行状態をモニタし、反応の進行が殆ど停止した時点で新たにクロルスルホン酸の画分を添加すれば良い。また、分割する量に制限はないが、例えばクロロスルホン酸をジアマンタン化合物1モルに対して5モル倍使用する場合は、反応開始時にクロロスルホン酸を2モル倍使用し、その後GCによるモニタで反応の進行が殆ど認められなくなった時点で残りの3モル倍を加える方法がある。
工程(i)において、ジアマンタン化合物とクロロスルホン酸とを、必要に応じて濃硫酸の存在下に反応させ、4,9−ジクロロジアマンタン化合物を取得する場合、反応系に無機塩を存在させることが好ましい。反応系に無機塩を存在させることにより、得られる4,9−ジクロロジアマンタン類の純度が向上し、生成物の着色等を軽減させる。無機塩の具体例としては、公知の無機塩が制限無く使用できる。無機塩としては、入手の容易さより、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム等の塩化金属塩類;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム等の炭酸金属塩類;硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸カルシウム等の硫酸塩類等が挙げられる。これらの無機塩の中でも、得られる4,9−ジクロロジアマンタン化合物の純度の高さと、着色の低減効果に優れることから、硫酸塩類が好ましく、硫酸ナトリウムが特に好ましい。
無機塩の使用量は特に制限がないが、多すぎると反応速度が遅くなり、少ないと無機塩添加の効果が低くなる。通常、使用するジアマンタン化合物1モルに対して0.01〜50モル、特に0.05〜10モルの使用が好ましい。また、無機塩の添加時点は特に制限がないが、通常反応開始時に反応系に添加するのが、操作の簡便性の点で好ましい。
工程(i)において、ジアマンタン化合物とクロロスルホン酸の反応温度は特に制限されず、取得する目的の4,9−ジクロロジアマンタン化合物に応じて適宜調整すれば良い。通常、反応温度が低いほど反応速度が小さく、ジアマンタン化合物及び生成した4,9−ジクロロジアマンタン化合物の反応液に対する溶解度が低くなる。その結果、ジクロロジアマンタン化合物に対する塩素原子の導入数も少なくなる。反応温度が高くなると、前記したこととは逆の状態になり、塩素原子の導入数も多くなる。本発明における反応温度は、生成する4,9−ジクロロジアマンタン化合物の選択率の高さの観点から0〜60℃が好ましく、5〜50℃がより好ましい。
ジアマンタン化合物とクロロスルホン酸の反応時間は特に制限がないが、4〜48時間、通常24時間反応させることにより十分な転化率を得ることができる。
以上の反応に用いる設備は、クロロスルホン酸が水と反応して分解し、酸性ガスを発生するのを防ぐため、設備内部と設備外部の大気とが接触できない構造の設備が好ましい。また、設備内部は、あらかじめ窒素等の不活性ガスで十分置換、乾燥しておき、反応中は窒素等の不活性ガスを通気しながら反応させることが好ましい。
また工程(i)においては、クロロスルホン酸、濃硫酸、無機塩以外に、有機溶媒を添加し反応を行なうことも可能である。有機溶媒としては、クロロスルホン酸や濃硫酸等との反応性が低いことから、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化脂肪族炭化水素類が好ましい。
このようにして得られる4,9−ジハロゲン化ジアマンタン化合物は下記式(5)
Figure 0004896040
{式中、R及びRは、各々前記式(1)におけるR及びRと同義であり、Xはハロゲン原子を示す。}
で示される4,9−ジハロゲン化ジアマンタン化合物である。
式(5)で示される4,9−ジハロゲン化ジアマンタン化合物の化学構造は、出発原料の式(2)で示される化合物の化学構造により決定され、Xの部分だけが相違する。当該化合物を具体的に例示すれば、4,9−ジクロロジアマンタン、4,9−ジブロモジアマンタン、4,9−ジヨードジアマンタン、1−メチル−4,9−ジクロロジアマンタン、1,6−ジメチル−4,9−ジクロロジアマンタン、1−エチル−4,9−ジクロロジアマンタン、1,6−ジエチル−4,9−ジクロロジアマンタン等を挙げることができる。
工程(i)の反応後、生成した4,9−ジハロゲン化ジアマンタン化合物を単離する方法には特に制限がないが、例えば、ハロゲン化剤としてハロスルホン酸を用いた場合には、次の方法が採用できる。
即ち、反応終了後の反応液を室温以下まで冷却した後、30℃以下に保ちながら反応液に水を滴下し、残存するハロスルホン酸を分解する。その後、4,9−ジハロゲン化ジアマンタン化合物を溶解可能なジクロロメタン、クロロホルム等の有機溶媒を反応液に加えて、4,9−ジハロゲン化ジアマンタン化合物を抽出する。得られる4,9−ジハロゲン化ジアマンタン化合物を含む有機溶媒を塩基性水溶液等で洗浄し、有機溶媒が中性であることを確認する。有機溶媒を濃縮することにより、4,9−ジハロゲン化ジアマンタン化合物の粗体が得られる(通常、目的物である4,9−ジハロゲン化ジアマンタン化合物がGC純度で70%以上含まれている。)。
4,9−ジハロゲン化ジアマンタン化合物が有機溶媒に溶解しにくいため、有機溶媒による抽出が困難である場合、ろ過や遠心分離等の手法等を用いることにより4,9−ジハロゲン化ジアマンタン化合物を単離することも可能である。
上記した取得方法で得られる4,9−ジハロゲン化ジアマンタン化合物は、不純物の含有量が少ないのでそのまま次の工程で使用することが十分可能である。しかし、活性炭処理、シリカ処理、アルミナ処理等の吸着処理を行なうことで、各種不純物を除去し一層の純度の向上を図り、脱色(不純物に由来する着色の除去)することもできる。更に、晶析(再結晶)、昇華精製、リスラリー処理等の公知の方法で精製を行なうことにより、高純度の目的物を得ることもできる。なお、4,9−ジハロゲン化ジアマンタン化合物の純度はGCを用いて測定できる。
ここで、リスラリー処理とは、本発明の工程(i)場合は、目的とする4,9−ジハロゲン化ジアマンタン化合物の粗体に含まれる不純物を選択的に溶解する有機溶媒を粗体に加えてスラリー化した後、該スラリーをろ過し、乾燥することにより、純度の高い4,9−ジハロゲン化ジアマンタン化合物を得る処理のことを指す。
工程(ii)
本発明の製造方法における工程(ii)においては、工程(i)で得られる4,9−ジハロゲン化ジアマンタン化合物を加水分解して、4,9−ジアマンタンジオール化合物を得る。
工程(ii)における加水分解反応は、水溶性有機溶媒とカルボン酸塩の存在下で、4,9−ジハロゲン化ジアマンタン化合物と水とを反応させるものである。
本発明で使用する水溶性有機溶媒としては、常温において水と混合することができる公知の有機溶媒が制限無く使用できる。具体的には、メタノール、エタノール、2−プロパノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、アセトン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ホルムアミド、トリエチルアミン、ピリジン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等が挙げられる。反応性の高さと、価格が安価である点で、N,N−ジメチルホルムアミドが特に好ましい。本発明において水溶性有機溶媒の使用量は、特に制限はされないが、釜収量の良さと反応性の高さの観点から、使用する4,9−ジハロゲン化ジアマンタン化合物1モルに対して0.5〜100モルが好ましく、1〜50モルがより好ましい。
また工程(ii)で使用する水は、原料の4,9−ジハロゲン化ジアマンタン化合物を加水分解する役割を持つ。その使用量は、反応性の高さと回収率の高さを考慮すると、使用する4,9−ジハロゲン化ジアマンタン化合物1モルに対して5〜500モルが好ましく、20〜400モルがより好ましい。
工程(ii)で使用するカルボン酸塩は、4,9−ジハロゲン化ジアマンタン化合物のハロゲンを除去するカチオンを水中で生じる。該カチオンの作用により、工程(ii)において、カルボン酸塩は、4,9−ジハロゲン化ジアマンタン化合物が反応して4,9−ジアマンタンジオール化合物になる際に生成するハロゲン化水素を吸収する。使用するカルボン酸塩は、公知のカルボン酸塩が制限無く使用できる。好ましくはアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩である。具体的には、ギ酸リチウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム等のギ酸アルカリ金属塩;ギ酸マグネシウム、ギ酸カルシウム、ギ酸バリウム等のギ酸アルカリ土類金属塩;酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の酢酸アルカリ金属塩;酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム等の酢酸アルカリ土類金属塩等が挙げられる。
入手の容易さと反応性の高さから、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムが好ましい。これらカルボン酸塩は、2種類以上混合して使用しても良い。
カルボン酸塩の使用量は、特に制限されないが、釜収量の良さと反応性の高さの観点から、使用する4,9−ジハロゲン化ジアマンタン化合物1モルに対して0.5〜10モルが好ましく、1〜5モルがより好ましい。
工程(ii)において、加水分解反応温度は特に制限されないが、低すぎると反応の進行が遅く、高すぎると操作性が悪い。従って、反応温度は100〜200℃が好ましく、120〜180℃がより好ましい。
反応時間は特に制限されないが、通常3〜48時間で十分な転化率を得ることができ、3〜24時間が好ましい。
上記加水分解反応は、溶媒の蒸発を防ぎ且つ目的の反応温度に簡単に到達できるように、通常、オートクレーブのような密閉系で反応を行なうことが好ましい。その場合の圧力は0.2〜0.8MPa程度加圧された状態である(反応圧力は反応温度に依存する)。
このようにして得られる4,9−ジアマンタンジオール化合物は、下記式(6)
Figure 0004896040
{式中、R及びRは、各々前記式(1)におけるR及びRと同義である。}
で示される。
前記式(6)の化合物の化学構造は、式(2)で示される化合物としてどのような化合物を用いるかにより決定される。当該4,9−ジアマンタンジオール化合物を具体的に例示すれば、4,9−ジアマンタンジオール、1−メチル−4,9−ジアマンタンジオール、1,6−ジメチル−4,9−ジアマンタンジオール、1−エチル−4,9−ジアマンタンジオール、1,6−ジエチル−4,9−ジアマンタンジオール等を挙げることができる。
上記反応により生成した4,9−ジアマンタンジオール化合物を単離する方法は特に制限されないが、例えば次のような方法により行なうことができる。この方法に於いては、反応器としてオートクレーブを使用する場合を例としている。
先ず、反応終了後、反応液を室温以下まで冷却し、オートクレーブ内の圧力を常圧に戻す。オートクレーブ内に析出した固体を含む反応混合物を取出し、これをろ過又は遠心分離等の手法により反応液と、固体とを分離する。取得した固体中には、4,9−ジアマンタンジオール化合物とカルボン酸塩由来のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩とが存在する。水を用いて前記固体を洗浄してこれらの塩を取り除くことにより、4,9−ジアマンタンジオール化合物の粗体(原料の4,9−ジクロロジアマンタン化合物基準の転化率95%以上)を得る。
前記した単離方法で得られる4,9−ジアマンタンジオール化合物は、そのまま次の工程(iii)の原料化合物として使用することが十分可能である。しかし必要により、活性炭処理、シリカ処理、アルミナ処理等の吸着処理を行なうことで、各種不純物を除去し、一層の純度の向上を図り、脱色(不純物に由来する着色の除去)をしてもよい。また、このような処理の他に晶析(再結晶)、昇華精製、リスラリー処理等の公知の方法で、精製を行なうことにより高純度の目的物を得ることができる。なお、純度はGCによる測定により確認できる。
ここで、リスラリーとは、本発明の工程(ii)の場合は、4,9−ジアマンタンジオール化合物の粗体に含まれる不純物を選択的に溶解する有機溶媒を粗体に加えてスラリー化した後、該スラリーをろ過し、ろ別した固体を乾燥することにより、純度の高い4,9−ジアマンタンジオール化合物を得る方法のことを指す。
工程(iii)
本発明の製造方法の工程(iii)においては、重合禁止剤及び酸触媒の存在下、工程(ii)で得られる4,9−ジアマンタンジオール化合物を、前記式(3)で示される重合性不飽和カルボン酸及び前記式(4)で示される重合性不飽和カルボン酸無水物の混合物中でエステル化反応させることにより、前記式(1)で示される重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物の粗体を得る。
エステル化剤として重合性不飽和カルボン酸及び重合性カルボン酸無水物の混合物を使用することにより、比較的高温で反応を行っても、着色度が低い重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物の粗体が得られる。このような利点は酸クロライドを使用する場合には無い。
工程(iii)の反応を重合禁止剤の非存在下で行う場合には、目的とする重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物や重合性不飽和カルボン酸無水物が重合し、分子量が300〜5000程度の高分子量の不純物成分(以下、該不純物成分を「オリゴマー不純物」ともいう)やポリマー不純物(オリゴマー不純物よりも高分子量の不純物成分)の生成が著しくなる。この場合は、高純度の目的物を得るために高度な精製操作が必要となり、その結果精製操作に伴う収率の低下が著しくなる。
なお、オリゴマー不純物やポリマー不純物の含有量の測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下単に、GPCと示す。)によりできる。
本発明で使用する重合性不飽和カルボン酸は、得られる重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物の有用性の観点から、下記式(3)
Figure 0004896040
(式中、Rは置換基を有していてもよい重合性不飽和炭化水素基である。)
で示される重合性不飽和カルボン酸無水物を用いる。
における置換基を有していてもよい重合性不飽和炭化水素基としては、直鎖状、分岐状、環状の重合性不飽和炭化水素の何れでもよく、これらの好ましい具体例を示せれば、ビニル基、イソプロペニル基、アリル基、1−プロペニル基、3−ブテニル基、3−メチル−3−ブテニル基、4−ペンテニル基、1,3−ブタジエニル基等を挙げることができる。
またこれらRが有する置換基としては、シアノ基;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜5のアルコキシ基等が挙げられる。
工程(iii)で好適に使用できる重合性不飽和カルボン酸の具体例を示せば、アクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、クロトン酸、4−ペンテン酸、4−メチル−4−ペンテン酸、5−ヘキセン酸、2,4−ペンタジエン酸等を挙げることができる。これら化合物の中でも、生成物の有用性の観点から、アクリル酸またはメタクリル酸が特に好ましい。
また本発明で使用する重合性不飽和カルボン酸無水物は、得られる重合性ヒドロキシアダマンチルエステル化合物の有用性の観点から、下記式(4)
Figure 0004896040
(式中、Rは置換基を有していてもよい重合性不飽和炭化水素基である。)
で示される重合性不飽和カルボン酸無水物を用いる。
における置換基を有していてもよい重合性不飽和炭化水素基としては、直鎖状、分岐状、環状の重合性不飽和炭化水素の何れでもよく、これらの好ましい具体例を示せれば、ビニル基、イソプロペニル基、アリル基、1−プロペニル基、3−ブテニル基、3−メチル−3−ブテニル基、4−ペンテニル基、1,3−ブタジエニル基等を挙げることができる。
またこれらRが有する置換基としては、シアノ基;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜5のアルコキシ基等が挙げられる。
式(4)で示される化合物の有する2つのRは異なっていても良いが、同一であることが好ましい。また、前記重合性不飽和カルボン酸の有するRと同一でも異なっていてもよい。
本発明においては、上記重合性不飽和カルボン酸及び重合性不飽和カルボン酸無水物の混合物をエステル化反応で使用する。本発明におけるエステル化に際して、重合性不飽和カルボン酸及び重合性不飽和カルボン酸無水物のいずれがエステル化剤として作用しているかは定かではない。しかし、重合性不飽和カルボン酸が溶媒として作用して、主として式(6)で示される4,9−ジアマンタンジオール化合物を溶解し、該溶液中で4,9−ジアマンタンジオール化合物が重合性不飽和カルボン酸無水物と反応していることが考えられる。この場合には、式(4)で示される重合性不飽和カルボン酸無水物の有する2つのRのいずれかが目的化合物である重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物に導入される。
しかしながら、重合性不飽和カルボン酸は4,9−ジアマンタンジオール化合物を溶解する溶媒として働くだけでなく、エステル化剤として作用していることも考えられる。この場合は、重合性不飽和カルボン酸が4,9−ジアマンタンジオール化合物とエステル化反応を起こし、目的とする重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物を生成していることが考えられる。その際、重合性不飽和カルボン酸無水物は脱水剤として働き、その結果該無水物は重合性不飽和カルボン酸に変換される。この場合には、式(3)で示される重合性不飽和カルボン酸の有するRが目的化合物である重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物に導入される。
また、式(3)で示される重合性不飽和カルボン酸と、式(4)で示される重合性不飽和カルボン酸無水物とが、交換反応を起こすこともある。
上記のような各反応が起こることにより、重合性不飽和カルボン酸と重合性不飽和カルボン酸無水物の有するRが異なるものを用いた場合には、得られる重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物も、重合性不飽和炭化水素基の異なる2種又は3種の化合物が得られる場合がある。
このような理由により、単一の重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物を得ようとする場合には、重合性不飽和カルボン酸の有するRと重合性不飽和カルボン酸無水物の有するRが全て同一の化合物を用いることが好ましい。例えば、重合性不飽和カルボン酸としてアクリル酸を用いる場合には、重合性不飽和カルボン酸無水物としてアクリル酸無水物を使用する。同様に、重合性不飽和カルボン酸としてメタクリル酸を使用する場合には、重合性不飽和カルボン酸無水物としてメタクリル酸無水物を使用する。完全に同一の化合物を得る必要がない場合には、互いにRの異なる重合性不飽和カルボン酸と重合性不飽和カルボン酸無水物の組合せを用いることができる。
次に、重合性不飽和カルボン酸及び重合性不飽和カルボン酸無水物の混合比に関して説明する。原料である4,9−ジアマンタンジオールに対して、重合性不飽和カルボン酸が少なすぎると反応の進行が極端に遅くなり、多すぎると後処理が面倒になる。原料である4,9−ジアマンタンジオールに対して、重合性不飽和カルボン酸無水物が少なすぎると反応の進行が極端に遅くなるか又は原料が大量に残存したまま反応が停止し、多すぎると副生成物であるジエステル体が大量に生成してしまう。よって、重合性不飽和カルボン酸及び重合性不飽和カルボン酸無水物の混合比は、原料である4,9−ジアマンタンジオール1モルに対して、重合性不飽和カルボン酸が3〜200モルと、重合性不飽和カルボン酸無水物が1〜3モル、好ましくは重合性不飽和カルボン酸が3〜100モルと、重合性不飽和カルボン酸無水物が1〜3モル、更に好ましくは重合性不飽和カルボン酸が3〜70モルと、重合性不飽和カルボン酸無水物が1〜2モル、特に好ましくは重合性不飽和カルボン酸が5〜50モルと、重合性不飽和カルボン酸無水物が1〜2モル、最も好ましくは、重合性不飽和カルボン酸が5〜40モルと、重合性不飽和カルボン酸無水物が1〜2モル、の混合物を使用すると良い。
4,9−ジアマンタンジオール化合物を、重合性不飽和カルボン酸及び重合性不飽和カルボン酸無水物の混合物中で行うエステル化反応は、有機溶媒の存在下又は非存在下の何れの条件でも行うことができる。しかしながら、4,9−ジアマンタンジオールは有機溶媒に対する溶解性が低いため、有機溶媒を使用して反応を行うと、反応が極端に進まないか、もしくはジエステル体が多量に生成してしまう等の問題が生じる場合がある。従って、本発明における上記反応は、有機溶媒が反応液中に10質量%以下、好ましくは5質量%以下の状態で行うことが好ましく、特に有機溶媒の非存在下で行うことが好ましい。
工程(iii)において、4,9−ジアマンタンジオール化合物のエステル化反応は、酸触媒の存在下で行う。
酸触媒としては、硫酸等の無機酸類、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸類、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリブロモ酢酸等の酢酸類などの、エステル化反応に際して、酸触媒として機能することが知られている公知の酸が使用できる。これらの酸触媒の中でも、副生成物の生成を抑制する効果が高く、価格も安価であるという理由により、硫酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びp−トルエンスルホン酸なる群より選ばれる少なくとも1種の酸が好ましい。
酸触媒の使用量は、特に制限されるものではないが、少なすぎると反応速度が極端に遅くなる。多すぎると副反応により収率が低下する。従って酸触媒の使用量は、使用する4,9−ジアマンタンジオール化合物の質量を基準として0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。
一般的に、酸触媒を用いて重合性不飽和カルボン酸をエステル化する反応においては、オリゴマー不純物やポリマー不純物の生成が激しくなる。前述の通り、本発明の製造方法においても、エステル化反応は、重合禁止剤の存在下で行う必要がある。
重合禁止剤としては、公知の重合禁止剤から有効なものを適宜選択して使用すればよい。本発明において好適に使用できる重合禁止剤を例示すれば、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジt−ブチル−4−メチルフェノール等のフェノール系化合物;ベンゾキノン、ナフトキノン等のキノン系化合物;フェノチアジン、アニリン等のアミン系化合物;2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル等のニトロキシラジカル系化合物;ジチオカルバミン酸銅等の銅化合物;イオウ化合物;リン化合物;酸素;住友化学(株)製商品名「スミライザーGM」、「スミライザーTP−D」、「スミライザーWX−R」等が挙げられる。これら重合禁止剤は2種以上組み合わせて使用してもよい。
重合禁止剤の使用量は、重合の抑制効果および過剰使用防止の観点から、4,9−ジアマンタンジオール化合物の質量を基準として0.01〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましい。
上記工程(iii)のエステル化反応の反応温度は、特に制限がないが、オリゴマー不純物の生成を抑制し、反応を比較的短時間で終了させるという観点からは、10〜150℃が好ましく、30〜120℃がより好ましい。反応時間は、その他の反応条件に応じて適宜決定すれば良いが、通常0.5〜24時間で十分な転化率を得ることができる。反応時間の決定は、反応進行程度を確認しながら行うことが好ましい。
上記工程(iii)で得られる重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物は、下記式(1)
Figure 0004896040
(式中、Rは置換基を有していてもよい重合性不飽和炭化水素基であり、R及びRは、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。)
で示される。
上記工程(i)〜(iii)を経て製造する前記式(1)で示される重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物としては、9−ヒドロキシ−4−ジアマンチルアクリレート、9−ヒドロキシ−4−ジアマンチルメタクリレート、9−ヒドロキシ−1−メチル−4−ジアマンチルアクリレート、9−ヒドロキシ−1−メチル−4−ジアマンチルメタクリレート、9−ヒドロキシ−1,6−ジメチル−4−ジアマンチルアクリレート、9−ヒドロキシ−1,6−ジメチル−4−ジアマンチルメタクリレート、9−ヒドロキシ−1,6−ジエチル−4−ジアマンチルアクリレート、9−ヒドロキシ−1,6−ジエチル−4−ジアマンチルメタクリレート等が好ましい。これらの中でも特に、生成物の有用性の観点より、9−ヒドロキシ−4−ジアマンチルアクリレート、9−ヒドロキシ−4−ジアマンチルメタクリレートが好ましい。
上記工程(iii)で得られるエステル化反応後の反応液から目的物の重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物を分離する方法は特に限定されないが、例えば次のような方法が挙げられる。
即ち、先ず有機溶媒を反応液に添加して目的物を有機溶媒層に移行させた後、塩基性水溶液を添加して反応液中に残存する重合性不飽和カルボン酸無水物を不飽和カルボン酸に分解すると共に、不飽和カルボン酸を中和する。その後、有機溶媒層を分離し、分離した有機溶媒層を水層が中性になるまで数回水洗する。次いで、必要に応じて活性炭処理、シリカ処理、アルミナ処理等の吸着処理を行なった後、溶媒を留去し、乾燥することにより目的物の粗体が得られる。この粗体には、通常目的物である重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物がGC純度で60%以上含まれている。
なお、吸着処理においては、抽出溶媒を他の溶媒に交換して吸着処理を行っても良い。溶媒を交換して吸着処理を行う場合は、抽出溶媒で吸着処理を行っても十分な精製が行えない場合である。通常は抽出溶媒を用いて吸着処理を行った方が、製造工程が短縮されるので好ましい。交換する溶媒は、ヘプタン等の脂肪族炭化水素系の比較的低極性の溶媒から、メタノール、アセトニトリル、水等の比較的高極性の溶媒まで、公知の溶媒が制限なく使用できる。
吸着処理を行なうことにより極微量含まれる着色成分を効率よく除去することができる。得られる粗体は、晶析(再結晶)、減圧蒸留、水蒸気蒸留、昇華精製等の公知の方法で、さらに精製を行なうことにより、高純度な目的物を得ることができる。
前記の重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物を分離する方法において、抽出溶媒として使用する有機溶媒は特に制限がないが、濃縮の容易さ、抽出操作の容易さの観点から、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジn−ブチルエーテル、ジt−ブチルエーテル等のエーテル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル類等が好ましい。
これらの中でも特に、ハロゲン化脂肪族炭化水素類及びエステル類が好ましく、特に塩化メチレンが好ましい。これらの有機溶媒は、重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物の溶解度が特に高い点で好ましい。
上記有機溶媒の使用量は、特に制限されないが、重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物の溶解度と濃縮の容易さの観点から、原料の4,9−ジアマンタンジオール化合物1質量部に対し、0.1〜100質量、特に0.5〜50質量が好ましい。
また、目的物が常温で固体である場合、吸着処理工程の後、得られる粗体を有機溶媒を用いて晶析処理することにより、さらに精製することが好ましい。
ここで、晶析を行う前の重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物の粗体は、通常10〜30%(GCのピーク面積%)程度の4,9−ジエステル体(4,9位の水酸基が2つ共、重合性不飽和カルボン酸エステルを形成したもの)を副生成物として含有している。
ジエステル体が副生する理由について、類似のアダマンタン誘導体と比較しながら以下に説明する。
1,3−アダマンタンジオールを原料として、重合性ヒドロキシアダマンチルエステル化合物を製造する場合、原料分子中の2つの水酸基の位置が比較的近いため、2つ目のエステル基が導入されるには若干の立体障害があること、また1つ目のエステル基が導入されることで残りの水酸基の求核性が低下することが考えられる。即ち上記立体的、電子的な要因により、1つ目の水酸基がエステル化された後、2つ目の水酸基がエステル化される速度は比較的遅くなる。その結果、高選択率でモノエステル化された目的物を得ることになる。
一方、4,9−ジアマンタンジオール化合物を原料として用いて重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物を製造する場合、原料分子中の2つの水酸基は遠く離れた場所にあるので、2つ目のエステル基を導入する際の立体障害が小さいこと、且つ1つ目のエステル基が導入されることによる電子的な影響も小さいことが考えられる。この様に、アダマンタン誘導体の場合とは立体的、電子的な環境が異なるので、反応工程で選択率を上げることが困難と考えられる。よって、高転化率で反応を行うと必然的に、晶析を行う前の重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物は、10〜30%程度の4,9−ジエステル体を含有することになる。
しかし、4,9−ジエステル体は、本発明で採用する晶析法により簡単に分離されて高純度の目的物を得ることができる。
晶析溶媒としては、少なくとも芳香族炭化水素類を含む溶媒が好ましい。この溶媒を使用することで、目的物である重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物と、副生成する4,9−ジエステル体とを効率よく分離することができる。
晶析溶媒として使用する芳香族炭化水素類としては、重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物を室温又は加熱することにより溶解するものであれば特に制限がないが、入手の容易さの観点より、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン、n−ブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、t−ブチルベンゼン、キシレン(o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン)、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ジクロロベンゼン、ジブロモベンゼン等が好ましい。目的とする重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物の精製度の高さの観点より、ベンゼン、トルエンが好ましく、トルエンがより好ましい。これら芳香族炭化水素類は2種類以上組み合わせて使用しても良い。
前記芳香族炭化水素類と組み合わせて他の有機溶媒を使用しても良い。芳香族炭化水素類と組み合わせて使用できる有機溶媒としては、前記芳香族炭化水素類と組み合わせて、重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物を室温又は加熱することにより溶解するものであれば良い。これらの有機溶媒としては入手の容易さの観点から、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジn−ブチルエーテル、ジt−ブチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブタノール、n−オクタノール等のアルコール類等が例示できる。
これらの有機溶媒のうち、目的とする重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物を高度に精製できることから、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類が好ましい。これら芳香族炭化水素類以外の有機溶媒は、2種類以上組み合わせて使用しても良い。
晶析溶媒として使用する芳香族炭化水素類の使用量は、特に制限されないが、原料である4,9−ジアマンタンジオール化合物1質量部に対し、0.1〜50質量部が好ましく、0.5〜20質量部がより好ましく、1〜10質量部が特に好ましい。
芳香族炭化水素類と芳香族炭化水素類以外の有機溶媒を組み合わせて晶析を行う場合の芳香族炭化水素類以外の有機溶媒の使用量は、特に制限されないが、原料である4,9−ジアマンタンジオール化合物1質量部に対し、0.01〜30質量部が好ましく、0.05〜20質量部がより好ましく、0.1〜10質量部が特に好ましい。
芳香族炭化水素類とそれ以外の有機溶媒を組み合わせて晶析を行う際の溶媒比は特に制限されないが、精製物の純度の高さの観点から、芳香族炭化水素類以外の有機溶媒の比率は少ない方が好ましい。芳香族炭化水素類(質量):芳香族炭化水素類以外の有機溶媒(質量)=1:1以下が好ましく、1:0.75以下がより好ましく、1:0.5以下が最も好ましい。
晶析を行なう際の温度は、特に制限がないが、取得される目的物が多いという理由から、20℃以下が好ましく、10℃以下がより好ましい。晶析を行う時間も特に制限はないが、通常1〜24時間で高収率且つ高純度で目的物を取得することができる。
晶析操作の具体例としては、以下のものがある。
先ず、粗体にトルエンを加えた後、目的物により異なるが、一度30〜60℃程度まで加熱し均一溶液とし、次いで10℃以下に冷却し結晶を析出させる。この状態で1〜2時間ほど熟成させ、得られる結晶をろ過等により回収することにより、通常純度が97質量%以上の重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物を得ることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるものではない。
実施例1
工程(i)
窒素気流下で、2000ml四つ口フラスコに濃硫酸240g(原料ジアマンタンの2質量倍)と、硫酸ナトリウム9.05g(0.0637mol、原料ジアマンタンの0.1モル倍)を投入した。次にジアマンタンを120g(0.637mol)投入し、懸濁状態のまま約30℃まで昇温した。そこへ、クロロスルホン酸148.4g(1.274mol、原料ジアマンタンの2モル倍)を、反応液が突沸しないように徐々に加え、30℃で3時間攪拌した。3時間後の反応液は懸濁状態であった。このときのGCによる分析では、原料であるジアマンタンが70%(GCのピーク面積率を示す。以下同様)、モノクロロジアマンタンが3%、ジクロロジアマンタンが24%、トリクロロジアマンタンが3%生成しており、反応の進行が止まった状態であった。
そこへクロロスルホン酸222.7g(1.912mol、原料ジアマンタンの3モル倍)を投入し(合計でジアマンタンの5モル倍)、30℃で更に15時間攪拌した(合計で18時間の反応時間)。15時間を経過したところで、GCによる分析を行ったところ、原料ジアマンタンが1%、モノクロロジアマンタンが5%、ジクロロジアマンタンが80%、トリクロロジアマンタンが14%であった。反応液を約10℃まで冷却した後、反応液が30℃を超えないように保ちながら水262gを滴下した。塩化メチレンを840g加えて攪拌し、静置後分液し、下層の硫酸水溶液層を取り除いた。その後、10%水酸化ナトリウム水溶液240gで2回、7%硫酸ナトリウム水溶液300gで1回、7%硫酸ナトリウム水溶液120gで更に2回、有機層の洗浄を行ったところ、有機層のpHは中性になった。有機層を減圧濃縮し、乾燥して155g(4,9−ジクロロジアマンタンを80%含有)のクリーム色固体を得た。ジアマンタン換算の収率74%
工程(ii)
ガラス製オートクレーブ1000mlに工程(i)で得られた4,9−ジクロロジアマンタン155g(純度100%として、0.600mol)、酢酸ナトリウム98.5g(1.20mol、4,9−ジクロロジアマンタンの2モル倍)と、N,N−ジメチルホルムアミド87.7g(1.20mol、4,9−ジクロロジアマンタンの2モル倍)と、イオン交換水386.3g(21.5mol、4,9−ジクロロジアマンタンの35.8モル倍)とを投入し、密閉状態にして150℃に加温した。150℃、0.4MPaを保ちながら21時間攪拌した。26時間経過後、5℃まで冷却した。オートクレーブ内に析出した固体をろ別して、イオン交換水155gで2回洗浄することにより淡茶色の固体150gを得た。
その後、リスラリー溶媒として酢酸エチル450g(淡茶色の固体(4,9−ジアマンタンジオールの粗体)の3質量倍)を淡茶色の固体に加え、70℃で1.5時間攪拌した。この時、4,9−ジアマンタンジオールは酢酸エチルに完全には溶解しておらず、懸濁状態を呈していた。5℃に冷却し、2時間攪拌、熟成後、固体をろ過、乾燥し、86g(ジアマンタンからの収率61%)の白色固体を得た。この固体をGCにより分析した結果、4,9−ジアマンタンジオール含有量はGC純度99%であった。
工程(iii)
2000mlの四つ口フラスコ内を十分に窒素ガスで置換し、更に窒素ガスを通気し続けた。工程(ii)で得られた4,9−ジアマンタンジオールを40g(0.182mol)と、重合禁止剤としてフェノチアジン0.20g(4,9−ジアマンタンジオールの0.5質量%)と、有機溶媒としてメタクリル酸400g(4.65mol、4,9−ジアマンタンジオールの10質量倍)とを四つ口フラスコに加え、90℃まで加熱した。そこへ酸触媒である濃硫酸0.4g(4,9−ジアマンタンジオールの1質量%)を加えた。溶液は無色からやや赤みを帯びた状態となり、懸濁状態を呈していた。
そこへ、重合性不飽和カルボン酸無水物としてメタクリル酸無水物29.23g(0.182mol、4,9−ジアマンタンジオールと等モル)を滴下した。90℃で5時間攪拌後、GCによる分析を行ったところ、原料であるジアマンタンジオールが8%、目的物である9−ヒドロキシ−4−ジアマンチルメタクリレートが71%、副生成物である4,9−ジエステル体が21%生成しており、反応液は均一溶液であった。
その後、反応液を室温まで冷却した。反応液に抽出溶媒として塩化メチレン400g加え、更に5℃まで冷却した。そこへ、20質量%水酸化ナトリウム水溶液967.3gを、反応液が25℃を越えないよう保ちながらに滴下した。有機層と水層を分液後、得られた有機層をイオン交換水400gで4回洗浄した。有機層及び水層のpHは中性になっていた。
この有機層に、活性炭4g(4,9−ジアマンタンジオールの0.1質量部)を加え、室温で1時間攪拌した。その後活性炭をろ別し、ほぼ透明な9−ヒドロキシ−4−ジアマンチルメタクリレートの溶液を得た。その後、ヒドロキノンモノメチルエーテルを0.04g(4,9−ジアマンタンジオールの0.1質量%)を加え、減圧濃縮して9−ヒドロキシ−4−ジアマンチルメタクリレートの粗体を得た。
晶析工程
得られた9−ヒドロキシ−4−ジアマンチルメタクリレートの粗体に晶析溶媒として芳香族炭化水素類であるトルエン240g(4,9−ジアマンタンジオールの6質量倍)加え、53℃に加熱して溶解させた。この溶液の温度を2℃まで徐々に下げて結晶を析出させた。更に2℃で1時間熟成後結晶をろ過して集め、これを乾燥して21g(収率40%)の白色固体を得た。この固体をGC及びGPCにより分析した結果、9−ヒドロキシ−4−ジアマンチルメタクリレートの含有量はGC純度99%であり、オリゴマー不純物のポリスチレンに換算した含有量は0.1%であった。
得られた9−ヒドロキシ−4−ジアマンチルメタクリレートのプロトン核磁気共鳴(H−NMR)スペクトルを図1に、13C核磁気共鳴(13C−NMR)スペクトルを図2に示す。
マススペクトル(EI法):分子量288(M
H−NMR(TMS基準、CDCl中):δ1.75(H、d、6H)、δ1.82(H、s、1H)、δ1.89(H、m、3H)、δ1.97〜2.00(H、H、m、6H)、δ2.18(H、d、6H)、δ5.48(H、m、1H)、δ6.00(H、m、1H)
13C−NMR(CDCl中):δ18.2(C)、δ38.6、38.8(C、C)、δ40.5(C)、δ44.5(C)、δ67.0(C)、δ79.1(C)、δ124.4(C)、δ137.9(C)、δ166.6(C

実施例2〜3
晶析工程で用いた晶析溶媒を表1に示すものに変更した以外は実施例1と同様に操作を行った。結果を表1に示す。
Figure 0004896040
実施例4〜6
工程(iii)において、酸触媒を表2に示すものに変更した以外は実施例1と同様に操作を行った。結果を表2に示す。
Figure 0004896040
実施例7
1000mlの四つ口フラスコ内を十分に窒素ガスで置換し、窒素ガスを続けて通気した。実施例1の工程(ii)で得られた4,9−ジアマンタンジオールを20g(0.0908mol)と、重合禁止剤としてフェノチアジン0.10g(4,9−ジアマンタンジオールの0.5質量%)と、有機溶媒としてメタクリル酸200g(2.32mol、4,9−ジアマンタンジオールの10質量倍)と、重合性不飽和カルボン酸無水物としてメタクリル酸無水物14.6g(0.0908mol、4,9−ジアマンタンジオールと等モル)とを四つ口フラスコ内に投入し、90℃まで加熱した。そこへ酸触媒として濃硫酸0.2g(4,9−ジアマンタンジオールの1質量%)を加えた。
上記各成分の混合液は無色からやや赤みを帯びた状態となり、懸濁状態を呈していた。90℃で7時間攪拌後、GCによる分析を行ったところ、原料であるジアマンタンジオールが9%、目的物である9−ヒドロキシ−4−ジアマンチルメタクリレートが69%、副生成物である4,9−ジエステル体が22%生成しており、反応液は均一溶液になっていた。反応液を室温まで冷却した後、反応液に抽出溶媒として塩化メチレンを200g加え、更に5℃まで冷却した。そこへ、反応液が25℃を越えないように保ちながら20質量%の水酸化ナトリウム水溶液483.6gを、滴下した。有機層と水層を分液し、得られた有機層をイオン交換水200gで4回洗浄すると、有機層及び水層のpHは中性になった。
この溶液に、活性炭2g(4,9−ジアマンタンジオールの0.1質量部)を加え、室温で1時間攪拌を行なった。その後、活性炭をろ別し、ほぼ透明な9−ヒドロキシ−4−ジアマンチルメタクリレートの溶液を得た。この溶液に、ヒドロキノンモノメチルエーテル0.02g(4,9−ジアマンタンジオールの0.1質量%)加え、減圧濃縮して9−ヒドロキシ−4−ジアマンチルメタクリレートの粗体を得た。
得られた9−ヒドロキシ−4−ジアマンチルメタクリレートの粗体に晶析溶媒としてトルエン120g(4,9−ジアマンタンジオールの6質量倍)を加え、53℃に加熱して溶解させた。その後、2℃まで徐々に溶液温度を下げて結晶を析出させ、更に2℃で1時間熟成した。結晶をろ過、乾燥して10g(収率38%)の白色固体を得た。この固体をGC及びGPCにより分析した結果、9−ヒドロキシ−4−ジアマンチルメタクリレートの含有量は99%(GC純度)であり、オリゴマー不純物のポリスチレンに換算した含有量は0.1%であった。
実施例8〜9
晶析溶媒を表3に示すものに変更した以外は実施例7と同様に操作を行った。結果を表3に示す。
Figure 0004896040
実施例10
1000mlの四つ口フラスコ内を十分に窒素ガスで置換し、窒素ガスを続けて通気した。実施例1の工程(ii)で得られた4,9−ジアマンタンジオール20g(0.0908mol)と、重合禁止剤としてフェノチアジン0.10g(4,9−ジアマンタンジオールの0.5質量%)と、有機溶媒としてアクリル酸200g(2.78mol、4,9−ジアマンタンジオールの10質量倍)と、重合性不飽和カルボン酸無水物としてアクリル酸無水物11.9g(0.0908mol、4,9−ジアマンタンジオールと等モル)とを前記四つ口フラスコ内に投入し、75℃に加熱した。
そこへ、酸触媒としての濃硫酸0.2g(4,9−ジアマンタンジオールの1質量%)加えた。混合液は無色からやや赤みを帯びた状態となり、懸濁状態を呈していた。75℃で6時間攪拌後、GCによる分析を行った。原料であるジアマンタンジオールが8%、目的物である9−ヒドロキシ−4−ジアマンチルアクリレートが76%、副生成物である4,9−ジエステル体が16%であり、反応液は均一溶液となっていた。
反応液を室温まで冷却した後、抽出溶媒として塩化メチレンを200g加え、更に5℃まで冷却した。そこへ、20%水酸化ナトリウム水溶液574.1gを、反応液が25℃を越えないように保ちながら滴下した。有機層と水層を分液後、得られた有機層をイオン交換水200gで4回洗浄すると、有機層及び水層のpHは中性になった。
この溶液に、活性炭2g(4,9−ジアマンタンジオールの0.1質量部)を加え、室温で1時間攪拌を行なった。その後活性炭をろ別し、ほぼ透明な9−ヒドロキシ−4−ジアマンチルアクリレートの溶液を得た。この溶液に、ヒドロキノンモノメチルエーテル0.04g(4,9−ジアマンタンジオールの0.2質量%)を加え、減圧濃縮して9−ヒドロキシ−4−ジアマンチルアクリレートの粗体を得た。
得られた9−ヒドロキシ−4−ジアマンチルアクリレートの粗体に晶析溶媒としてトルエン120g(4,9−ジアマンタンジオールの6質量倍)を加え、53℃で溶解した後、2℃まで徐々に温度を下げて結晶を析出させ、2℃で1時間熟成後ろ過、乾燥して11g(収率44%)の白色固体を得た。この固体をGC及びGPCにより分析した結果、9−ヒドロキシ−4−ジアマンチルアクリレートの含有量は99%(GC純度)であり、オリゴマー不純物のポリスチレンに換算した含有量は0.2%であった
実施例11
実施例1と同様に工程(i)〜(iii)の操作を行って、9−ヒドロキシ−4−ジアマンチルメタクリレートの粗体を得た。晶析溶媒として、エーテル類であるジイソプロピルエーテル360g(4,9−ジアマンタンジオールの9質量倍)を加え、55℃に加熱して溶解させた。この溶液を温度2℃まで徐々に下げて結晶を析出させた。更に2℃で1時間熟成後結晶をろ過して集め、これを乾燥して28g(収率53%)の白色固体を得た。この固体をGCにより分析した結果、9−ヒドロキシ−4−ジアマンチルメタクリレートの含有量はGC純度77%であった。
実施例12
実施例1と同様に工程(i)〜(iii)の操作を行って、9−ヒドロキシ−4−ジアマンチルメタクリレートの粗体を得た。晶析溶媒として、エステル類である酢酸イソブチル120g(4,9−ジアマンタンジオールの3質量倍)を加え、50℃に加熱して溶解させた。この溶液を温度2℃まで徐々に下げて結晶を析出させた。更に2℃で1時間熟成後結晶をろ過して集め、これを乾燥して22g(収率42%)の白色固体を得た。この固体をGCにより分析した結果、9−ヒドロキシ−4−ジアマンチルメタクリレートの含有量はGC純度75%であった。
上記実施例11及び12と、実施例1との比較で示されるように、晶析溶媒として芳香族炭化水素類を用いることにより、より純度の高い重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物を得ることができる。
比較例1
100ml四つ口フラスコ内を十分に窒素ガスで置換し、窒素ガスを続けて通気した。実施例1の工程(ii)で得られた4,9−ジアマンタンジオールを1g(4.54mmol)と、重合禁止剤としてフェノチアジン0.005g(4,9−ジアマンタンジオールの0.5質量%)と、有機溶媒としてトルエン10g(4,9−ジアマンタンジオールの10質量倍)と、トリエチルアミン0.55g(5.45mmol、4,9−ジアマンタンジオールの1.2モル倍)とを四つ口フラスコに投入し、40℃で加熱攪拌した。そこへ、メタクリル酸クロライド0.57g(5.45mmol、4,9−ジアマンタンジオールの1.2モル倍)を加えたところ、反応液は懸濁状態を呈したままであった。40℃で7時間攪拌後、GCによる分析を行ったところ、原料であるジアマンタンジオールが85%、目的物である9−ヒドロキシ−4−ジアマンチルメタクリレートが1%、構造不明の副生成物が14%生成しており、目的物である9−ヒドロキシ−4−ジアマンチルメタクリレートはほとんど生成していなかった。
比較例2
工程(iii)で重合禁止剤であるフェノチアジンを添加せずに行った以外は実施例7と同様に操作した。90℃で7時間攪拌後、オリゴマー不純物やポリマー不純物と思われる不溶物が多く見られ、目的物である9−ヒドロキシ−4−ジアマンチルメタクリレートの単離には至らなかった。
比較例3
工程(iii)でメタクリル酸を用いず、反応溶媒としてトルエンを200g使用した以外は実施例1と同様に操作を行った。90℃で4時間攪拌後、GCによる分析を行ったところ、原料であるジアマンタンジオールが41%、目的物である9−ヒドロキシ−4−ジアマンチルメタクリレートが17%、副生成物である4,9−ジエステル体が42%生成しており、反応液は均一であった。
このように溶媒作用も有する重合性不飽和カルボン酸を用いずに、有機溶媒中で反応させると、4,9−ジエステル体が多量に生成する結果となり、選択的に目的物である9−ヒドロキシ−4−ジアマンチルメタクリレートは生成しなかった。

Claims (4)

  1. 下記式(1)
    Figure 0004896040
    (式中、Rは置換基を有していてもよい重合性不飽和炭化水素基であり、R及びRは、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。)
    で示される重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物の製造方法であって、
    (i) 下記式(2)
    Figure 0004896040
    {式中、R及びRは、各々前記式(1)におけるR及びRと同義である。}
    で示されるジアマンタン化合物をジハロゲン化して、4,9−ジハロゲン化ジアマンタン化合物を得る工程、
    (ii) 前記工程で得られた4,9−ジハロゲン化ジアマンタン化合物を加水分解し、4,9−ジアマンタンジオール化合物を得る工程、
    (iii) 前記工程で得られた4,9−ジアマンタンジオール化合物を、重合禁止剤及び酸触媒の存在下、下記式(3)で示される重合性不飽和カルボン酸及び下記式(4)で示される重合性不飽和カルボン酸無水物
    Figure 0004896040
    (式中、Rは置換基を有していてもよい重合性不飽和炭化水素基であり、各Rは全て同一でも異なっていてもよい)
    の混合物中でエステル化反応させることにより、前記式(1)で示される重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物の粗体を得る工程、
    を含むことを特徴とする重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物の製造方法。
  2. 前記工程(iii)の工程において、重合性不飽和カルボン酸の有するR及び重合性不飽和カルボン酸無水物の有する二つのRが全て同一のものを用いる請求の範囲第1項に記載の重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物の製造方法。
  3. 前記工程(i)及び(ii)の工程における4,9−ジハロゲン化ジアマンタン化合物が、4,9−ジクロロジアマンタンである請求の範囲第1項又は第2項に記載の重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物の製造方法。
  4. 前記工程(iii)で得られる重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物の粗体を、少なくとも芳香族炭化水素類を含む溶媒を使用して晶析する晶析工程を更に含む請求の範囲第1項乃至は第3項の何れかに記載の重合性ヒドロキシジアマンチルエステル化合物の製造方法。
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