JP5403280B2 - 脂環式テトラカルボン酸化合物の製造法 - Google Patents

脂環式テトラカルボン酸化合物の製造法 Download PDF

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Description

本発明は、高分子材料用のモノマーに関する。
近年、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂は、液晶表示素子や半導体における保護材料若しくは絶縁材料、並びに光通信分野の光導波路用材料として実用化されてきている。
この分野の発展は目覚ましく、それに対応して、用いられる材料に対しても益々高度な特性が要求される様になっている。即ち、光透過性、耐熱性、有機溶媒溶解性及び絶縁性等の用途に応じた性能を多数合わせ持つことが期待されている。
一方、脂環式化合物としてテトラフェニルシクロヘキサジエン化合物()が知られている。該化合物は、ジシクロペンタジエン(DCPD)、ジフェニルアセチレン(DPA)及びCpCo(CO)2から、(シクロペンタジエニル)(シクロヘキサジエン)コバ
ルト錯体(exo, endo)を合成した後、CuCl2・2H2Oで酸化することにより得られる(非特許文献1参照)。
Figure 0005403280
また、CpCo(CO)2を用いた類似の反応例として、ノルボルニレン(NN)、ジ
メチルアセチレンジカルボキシレート(DMA))及びCpCo(CO)2から、(シク
ロペンタジエニル)(シクロヘキサジエン)コバルト錯体(exo 10, endo 11)が得られることが知られている(非特許文献1参照)。
Figure 0005403280
オルガノメタリクス(Organometallics)1988年、第7巻、1241−1253頁
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、光透過性、耐熱性、有機溶媒溶解性及び絶縁性等が改善された各種の電子材料や光通信用材料として有用なエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂等の原料(モノマー)である脂環式テトラカルボン酸化合物及びエポキシ脂環式テトラカルボン酸化合物を提供することを課題とする。
更に、工業的に簡便で有利なそれらの製造法の提供を課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究を行い本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、エポキシ脂環式テトラカルボン酸化合物の前駆体である脂環式テトラカルボン酸化合物の製造法に関し、以下の(1)乃至(4)からなる。
(1) 式[11]
Figure 0005403280
(式中、Z1及びZ2はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、nは1〜3の整数を表し、x及びyは1〜6の整数を表す。)
で表されるジオレフィン化合物と、式[12]
Figure 0005403280
(式中、R2は炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
で表されるアセチレン化合物とを、周期律表第8族金属化合物触媒下で反応させることを特徴とする式[13]
Figure 0005403280
(式中、R2、Z1、Z2、n、x及びyは前記と同じ意味を表す。)
で表される脂環式テトラカルボン酸化合物の製造法。
(2)周期律表第8族金属化合物がパラジウム及びまたはパラジウム化合物であることを特徴とする(1)記載の脂環式テトラカルボン酸化合物の製造法。
(3) 式[11]
Figure 0005403280
(式中、Z1及びZ2はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、nは1〜3の整数を表し、x及びyは1〜6の整数を表す。)
で表されるジオレフィン化合物と、式[12]
Figure 0005403280
(式中、R2は炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
で表されるアセチレン化合物とを、周期律表第8族金属化合物触媒下で反応させることを特徴とする式[14]
Figure 0005403280
(式中、R2、Z1、Z2、n、x及びyは前記と同じ意味を表す。)
で表される脂環式テトラカルボン酸化合物の製造法。
(4) 周期律表第8族金属化合物がパラジウム及びまたはパラジウム化合物であることを特徴とする(3)記載の脂環式テトラカルボン酸化合物の製造法。
また、本発明に関連する脂環式カルボン酸化合物並びにエポキシ脂環式カルボン酸化合物及びその製造法の発明は以下の(5)乃至(18)の通りである。
(5) 式[1]
Figure 0005403280
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、Z1及びZ2はそれぞれ
独立して水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、nは1〜3の整数を表し、x及びyは1〜6の整数を表す。)
で表されるエポキシ脂環式テトラカルボン酸化合物。
(6) 式[2]
Figure 0005403280
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、Z1及びZ2はそれぞれ
独立して水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、nは1〜3の整数を表し、x及びyは1〜6の整数を表す。)
で表されるエポキシ脂環式テトラカルボン酸化合物。
(7) 式[3]
Figure 0005403280
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、Z1及びZ2はそれぞれ
独立して水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、nは1〜3の整数を表し、x及びyは1〜6の整数を表す。)
で表されるエポキシ脂環式テトラカルボン酸化合物。
(8) 式[4]
Figure 0005403280
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
で表される(1)記載のエポキシ脂環式テトラカルボン酸化合物。
(9) 式[5]
Figure 0005403280
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
で表される(2)記載のエポキシ脂環式テトラカルボン酸化合物。
(10) 式[6]
Figure 0005403280
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
で表される(3)記載のエポキシ脂環式テトラカルボン酸化合物。
(11) 式[7]
Figure 0005403280
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、Z1及びZ2はそれぞれ
独立して水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、nは1〜3の整数を表し、x及びyは1〜6の整数を表す。)
で表される脂環式テトラカルボン酸化合物。
(12) 式[8]
Figure 0005403280
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
で表される(7)記載の脂環式テトラカルボン酸化合物。
(13) 式[9]
Figure 0005403280
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、Z1及びZ2はそれぞれ
独立して水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、nは1〜3の整数を表し、x及びyは1〜6の整数を表す。)
で表される脂環式テトラカルボン酸化合物。
(14) 式[10]
Figure 0005403280
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
で表される(9)記載の脂環式テトラカルボン酸化合物。
(15) 式[11]
Figure 0005403280
(式中、Z1及びZ2はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、nは1〜3の整数を表し、x及びyは1〜6の整数を表す。)
で表されるジオレフィン化合物と式[7]
Figure 0005403280
(式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基を表し、Z1、Z2、n、x及びyは前記と同
じ意味を表す。)
で表される脂環式テトラカルボン酸化合物を50〜250℃間で加熱して反応させることを特徴とする式[9]
Figure 0005403280
(式中、R1、Z1、Z2、n、x及びyは前記と同じ意味を表す。)
で表される脂環式テトラカルボン酸化合物の製造法。
(16) 式[7]
Figure 0005403280
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、Z1及びZ2はそれぞれ
独立して水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、nは1〜3の整数を表し、x及びyは1〜6の整数を表す。)
で表される脂環式テトラカルボン酸化合物を酸化剤により酸化することを特徴とする式[1]
Figure 0005403280
(式中、R1、Z1、Z2、n、x及びyは前記と同じ意味を表す。)
で表されるエポキシ脂環式テトラカルボン酸化合物の製造法。
(17) 式[9]
Figure 0005403280
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、Z1及びZ2はそれぞれ
独立して水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、nは1〜3の整数を表し、x及びyは1〜6の整数を表す。)
で表される脂環式テトラカルボン酸化合物を酸化剤により酸化することを特徴とする式[2]及び又は式[3]
Figure 0005403280
Figure 0005403280
(式中、R1、Z1、Z2、n、x及びyは前記と同じ意味を表す。)
で表されるエポキシ脂環式テトラカルボン酸化合物の製造法。
(18) 酸化剤が、過酸化水素であることを特徴とする(16)及び(17)記載のエポキシ脂環式テトラカルボン酸化合物の製造法。
本発明の脂環式テトラカルボン酸化合物及びエポキシ脂環式テトラカルボン酸化合物は、光透過性、耐熱性、有機溶媒溶解性及び絶縁性等の改善された各種の電子材料や光通信用材料として有用なエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂等の原料として使用することができる。
また、本発明の製造法では、ジオレフィン化合物とアセチレン化合物から触媒量の金属化合物を用いて、一工程で直接対応する脂環式テトラカルボン酸化合物を製造することができる。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明に係る脂環式テトラカルボン酸化合物の製造法で得られる脂環式テトラカルボン酸化合物は上記式[13]及び[14]で表されることを特徴とする。また、本発明に関連する脂環式テトラカルボン酸化合物及びエポキシ脂環式カルボン酸化合物は式[1]乃至[10]で表される。
式[1]〜[10]、[13]及び[14]のR1、R2、Z1及びZ2において、炭素数1〜10のアルキル基としては、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−アミル、t−アミル、neo−ペンチル、n−ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル基等が挙げられる。
なお、以上において、nはノルマルを、iはイソを、sはセカンダリーを、tはターシャリーをそれぞれ表す。
本発明の脂環式テトラカルボン酸化合物、並びに本発明に関連する脂環式テトラカルボン酸化合物及びエポキシ脂環式テトラカルボン酸化合物の製造法は、下記の反応スキームで表される。
Figure 0005403280
(式中、R2、Z1、Z2、n、x及びyは前記と同じ意味を表す。)
Figure 0005403280
(式中、R2、Z1、Z2、n、x及びyは前記と同じ意味を表す。)
Figure 0005403280
(式中、R2、Z1、Z2、n、x及びyは前記と同じ意味を表す。)
Figure 0005403280
(式中、R2、Z1、Z2、n、x及びyは前記と同じ意味を表し、R3は水素原子又は炭素
数1〜10のアルキル基を表し、4つのR3の内、少なくとも1つは水素原子を表す。)
Figure 0005403280
(式中、R1、Z1、Z2、n、x及びyは前記と同じ意味を表す。)
Figure 0005403280
(式中、R1、Z1、Z2、n、x及びyは前記と同じ意味を表す。)
まず(1)の触媒付加反応から説明する。原料のジオレフィン化合物[11]は、下記に示すシクロペンタジエン二量体(CD二量体)、シクロペンタジエン三量体(CD三量体)及びシクロペンタジエン四量体(CD四量体)が挙げられる。
Figure 0005403280
実用的には、シクロペンタジエン二量体(ジシクロペンタジエン:DCPDと略す。)
が、経済的に入手できるため好ましい。以下、nが1の場合について説明するが、2及び3の場合も同様に製造できる。DCPDは、市販品をそのまま使用することができる。
アセチレン化合物[12]としては、種々の化合物が使用できる。例えば、具体的には、ジメチルアセチレンジカルボキシレート、ジエチルアセチレンジカルボキシレート、ジプロピルアセチレンジカルボキシレート、ジブチルアセチレンジカルボキシレート、ジペンチルアセチレンジカルボキシレート、ジヘキシルアセチレンジカルボキシレート、ジシクロペンチルアセチレンジカルボキシレート及びジシクロヘキシルアセチレンジカルボキシレート等が挙げられる。
アセチレン化合物[12]の仕込み量は、シクロヘキサジエンテトラエステル化合物[13]を目的とする場合は、DCPDに対して、1.0〜2.8モル当量が好ましく、3.0モル当量以上になるとその3量体であるヘキサキス(アルコキシカルボニル)ベンゼンの副生量が増加する。更には1.5〜2.5モル当量が好ましい。
又、シクロヘキセンテトラエステル化合物[14]を目的とする場合は、DCPDに対して、0.5〜2.0モル当量が好ましく、特には0.8〜1.5モル当量が好ましい。アセチレン化合物[12]の仕込み法は、50〜90℃でDCPDと触媒中に0.5〜10時間かけて分割滴下することによりヘキサキス(アルコキシカルボニル)ベンゼンの副生を抑制しつつ反応を進行させることができる。アセチレン化合物の滴下終了後、昇温させて反応を更に進行させることができる。
触媒として用いる周期律表第8族金属としては、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、白金、鉄、ニッケル及びコバルト等である。特に好ましいのはパラジウム及びルテニウムであり、更には、パラジウムが高収率を与え優れている。触媒の形態としては、金属錯体、金属塩、金属単身、担持金属及び金属酸化物等が使用できる。
金属錯体としては、ヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)金属、ジヒドリドテトラキス(トリフェニルホスフィン)金属、ジヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)金属、ハロゲノヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)金属、ジハロゲノトリス(トリフェニルホスフィン)金属、ジハロゲノテトラキス(トリフェニルホスフィン)金属、ジアロゲノビスベンゾニトリル金属、トリス(アセチルアセトナト)金属、ジハロゲノシクロジエン金属、ホルマトジカルボニル金属、ドデカカルボニル三金属、カルボニルビス(トリフェニルホスフィン)金属及びテトラキストリフェニルホスフィン金属等が使用できる。
金属塩としては、塩酸、硫酸、硝酸及び燐酸等の鉱酸塩、蟻酸、酢酸及びプロピオン酸等の有機酸塩が挙げられる。担持金属としては、炭素、アルミナ及び珪藻土等の担体に担持させた金属が使用できる。
更に、具体的にはテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム、トリス(アセチルアセトナト)パラジウム、ジヒドリドテトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジブロモトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジヨウドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロテトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、トリス(アセチルアセトナト)ルテニウム、ドデカカルボニル三ルテニウム、ヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、カルボニルビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、三塩化パラジウム、三臭化パラジウム、三沃化パラジウム、硫酸パラジウム、硝酸パラジウム、リン酸パラジウム、蟻酸パラジウム、酢酸パラジウム、プロピオン酸パラジウム、三塩化ルテニウム、三臭化ルテニウム、三沃化ルテニウム、硫酸ルテニウム、硝酸ルテニウム、リン酸ルテニウム、蟻酸テニウム、酢酸ルテニウム、プロピオン酸ルテニウム、パラジウム/活性炭、パラジウム/シリカ、パラジウム/アルミナ、パラジウム/シリカ・アルミナ、パラジウム/ゼオライト、ルテニウム/活性炭、ルテニウム/アルミナ、パラジウム黒、酸化パラジウム、ルテニウム黒及び酸化ルテニウム等が挙げられる。
これらの中で、特に好ましい触媒は、パラジウム/活性炭、三塩化パラジウム及び酢酸パラジウム等が挙げられる。
その使用量は、原料のDCPDに対し、0.1〜30モル%、特には、0.5〜10モル%が好ましい。
溶媒としては例えば、芳香族炭化水素、脂肪族エーテル化合物及び脂肪族ニトロ化合物等が挙げられる。更に具体的には、芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等、脂肪族エーテル化合物としては、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)等の鎖状エーテル類、1,4−ジオキサン、12−クラウン−4−エーテル、15−クラウン−5−エーテル、18−クラウン−6−エーテル、ジベンゾ−18−クラウン−6−エーテル等の環状エーテル類等、脂肪族ニトロ化合物としては、ニトロメタン、ニトロエタン及びニトロプロパン等が一例として挙げられる。特には、芳香族炭化水素としては、トルエン、キシレン、脂肪族エーテル化合物としては、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)、1,4−ジオキサン等が好ましい。又これらの溶媒を組み合わせて使用することもできる。
その使用量は、DCPDに対し1〜20質量倍、特には1〜10質量倍が経済的にも好ましい。
本発明で重要なのが溶媒の選択に加えて反応温度の設定である。高温ほど反応が速いが重合等の副反応を伴うので、通常50〜180℃の範囲が好ましく、特には60〜150℃の範囲で行うのが好ましい。本触媒存在下では、アセチレン化合物が特に重合し易く、滴下温度を低温側の50〜80℃間で0.5〜10時間かけて、分割仕込みすることによりヘキサキス(アルコキシカルボニル)ベンゼンの副生を抑制させながら本反応を進行させることができる。アセチレン化合物の滴下後は、昇温し未反応DCPDの反応を完結させることができる。
また、本反応の原料であるDCPDやアセチレン化合物の重合を抑制するために重合禁止剤を添加することもできる。
重合禁止剤としては例えば、ジフェニルピクリルヒドラジン、トリ−p−ニトロフェニルメチル、N−(3−N−オキシアニリノ−1,3−ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、p−ベンゾキノン、p−tert−ブチルカテコール、ニトロベンゼン、ピクリン酸、ジチオベンゾイルジスルフィド、ヒドロキノン、p−メトキシフェノール、2,4−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール及び塩化銅(II)等が挙げられる。
重合禁止剤の添加量は、DCPDやアセチレン化合物に対して0.01〜1モル%が好ましい。
反応時間は、ガスクロマトグラフィー(GC)や液体クロマトグラフィー(LC)で反応追跡して決定することができるが、通常4〜30時間で終了させることができる。
次に、スキーム(2)のジオレフィン化合物[11]とシクロヘキサジエンテトラエステル化合物[13]のDiels−Alder反応によるシクロヘキセンテトラエステル化合物[14]の製造法について述べる。
本反応は、熱によって進行し、反応温度は50〜250℃で可能であり、特には、60〜180℃が好ましい。
溶媒は無しでも可能であるが、使用する方が好ましい。その種類としては、例えば、芳香族炭化水素、脂肪族エーテル化合物及び脂肪族ニトロ化合物等が挙げられる。更に具体的には、芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等、脂肪族エーテル化合物としては、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)等の鎖状エーテル類、1,4−ジオキサン、12−クラウン−4−エーテル、15−クラウン−5−エーテル、18−クラウン−6−エーテル、ジベ
ンゾ−18−クラウン−6−エーテル等の環状エーテル類等、脂肪族ニトロ化合物としては、ニトロメタン、ニトロエタン及びニトロプロパン等が一例として挙げられる。特には、芳香族炭化水素としては、トルエン、キシレン、脂肪族エーテル化合物としては、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)、1,4−ジオキサン等が好ましい。又これらの溶媒を組み合わせて使用することもできる。
その使用量は、DCPDに対し1〜20質量倍、特には1〜10質量倍が経済的にも好ましい。
次に、スキーム(3)のシクロヘキサジエンテトラエステル化合物[13]の加水分解によるシクロヘキサジエンテトラカルボン酸化合物[18]及びスキーム(4)のシクロヘキセンテトラエステル化合物[14]の加水分解によるシクロヘキセンテトラカルボン酸化合物[19]の製造法について述べる。
これらの加水分解は、酸性下で行うこともできるが、塩基性下の方が簡便で高収率を与える。塩基の種類としては、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物を用いるのが経済的に好ましい。具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム及び水酸化バリウム等であり、特には、水酸化ナトリウムが最も好ましい。その使用量は、基質に対し2〜3当量が、特には2〜2.4当量が好ましい。溶媒としては、アルコールと水の混合系が一般的である。他に、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチルピロリドン(NMP)等を用いることができる。アルコールの種類としては、メタノール、エタノール及びプロパノール等の低級アルコールが好ましい。その使用量は、基質に対し、1〜20質量倍が、特には、2〜10質量倍が好ましい。水の添加量は、基質に対し0.1〜20質量倍が、特には1〜10質量倍が好ましい。アルコールと水の混合比は、質量比で1対20から20対1の間で選択でき、特には1対5から5対1間で選択するのが好ましい。
反応温度は、溶媒の沸点から加圧下での沸点以上で行うことができる。
反応後は、アルコールを留去した後、その残渣からメチルイソブチルケトンで抽出した後、濃縮して得られた粗結晶を再結晶法で精製するか、反応中に生成した目的物を濾取・溶媒洗浄することにより目的物が得られる。
もう一法として、酸による方法であるが、酸の種類としては、塩酸、硫酸及び燐酸等の無機酸類、蟻酸、酢酸及びプロピオン酸等の脂肪酸類、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸及びトリフルオロメタンスルホン酸等のスルホン酸類が挙げられる。しかし、本化合物群では塩基性下での加水分解が好ましい。
さて、スキーム(5)及び(6)の不飽和化合物のエポキシ化反応について述べる。
酸化剤としては、分子態酸素、過酸化水素、過酢酸、過安息香酸及び過酸化ヘテロポリ酸等を挙げることが出来る。触媒として、モリブデン化合物やタングステン化合物を共存させることもできる。経済的には、分子態酸素や過酸化水素とモリブデン化合物やタングステン化合物との組み合わせが好ましい。又過酢酸も簡便な酸化剤として好ましい。酸化剤の使用量は、基質に対し1〜2モル倍、より好ましくは1〜1.5モル倍である
本反応は溶媒を使用するのが好ましい。第1の方法は、過酸化水素水と均一になる溶媒系の方法である。この方法には、例えば、アセトニトリルやプロピオニトリル等の低級ニトリル類、アセトンやメチルエチルケトン等の低級ケトン類、メタノールやエタノール等の低級アルコール類及び1,4−ジオキサン等が挙げられ、特にはアセトニトリルなどの低級ニトリル類が好ましい溶媒である。
第2の方法は、過酸化水素水と不均一になる溶媒系の方法である。この方法には、例えば、クロロホルムや1,2−ジクロロエタン(EDC)等のハロゲン化炭化水素類、トルエンやキシレン等の芳香族炭化水素類、n−ヘキサンやn−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類等が挙げられ、特にはEDCやトルエン等が好ましい溶媒である。
また、反応基質の溶解性が低い場合は、1,4−ジオキサンやN,N−ジメチルホルム
アミド(DMF)等を溶媒として、一部溶解させたスラリー状態で行うことが好ましい場合もある。
また、過酢酸が酸化剤の場合は前述のいずれも用いることができるが、特には均一になる溶媒系が好ましい。これらの使用量は、反応基質に対し好ましくは1〜50質量倍であり、より好ましくは2〜10質量倍である。
不均一になる溶媒系の方法では、反応促進させるために、相間移動触媒の添加が有効である。中でも、四級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、ホスホニウム塩等が好ましく、具体的には、テトラメチルアンモニウム塩、テトラプロピルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、トリメチルベンジルアンモニウム塩、トリオクチルメチルアンモニウム、セチルピリジニウム塩、テトラブチルホスホニウム塩、硫酸水素テトラブチルアンモニウム塩等を挙げることができる。
これらの使用量は、反応基質に対し好ましくは0.001〜5モル%であり、より好ましくは0.005〜1モル%である。
反応温度は、0〜150℃で行うことができ、好ましくは20〜100℃が高収率を与える。反応時間は、1〜50時間で行うことができ、通常2〜24時間で行うのが実用的ある。この様にして目的物が得られる。これらの目的物は、再結晶法又は、カラムクロマトグラフィー法等で精製することができる。
以上述べた本発明の反応及び精製は、回分式でも連続式でも可能である。
また、反応は常圧でも加圧でも行うことができる
以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、実施例で用いた分析法は以下の通りである。
[1] [ガスクロマトグラフィー (GC)]
機種: Shimadzu GC−17A,Column:キャピラリカラム CBP1−W25−100(25m×0.53mmφ×1μm),カラム温度:100℃(保持2min.)−8℃/min.(昇温速度)−290℃(保持15min.),注入口温度:290℃,検出器温度:290℃,キャリアガス:ヘリウム,検出法:FID法.
[2] [質量分析(MASS)]
機種: LX−1000(JEOL Ltd.),検出法:FAB法.
[3] [1H NMR]
機種: INOVA500(VARIAN Corp.),測定溶媒:DMSO−d6
[4] [13C NMR]
機種: INOVA500(VARIAN Corp.),測定溶媒:DMSO−d6
[5][融点(mp)]
測定機器: 自動融点測定装置、FP62(METTLER TOLEDO)
[6] [液体クロマトグラフィー LC)]
機種: Shimadzu LC−10A,Column:YMC−Pack ODS−AM(S−5μm,120A,AM−303,AM12S05−2546WT)(250mm×4.6mmφ),カラム温度:40℃,検出器波長:UV 230nm,溶離液:H2O/CH3CN=1/2,流速:0.5ml/min.
[7] [X線結晶解析 ]
装置: DIP2030K(マックサイエンス製)
[実施例1](スキーム1)
Figure 0005403280
100ml 四つ口反応フラスコにジシクロペンタジエン(DCPD)6.6g(50mmol)、ジグライム33g及び酢酸パラジウム(Pd(OAc)2)0.449g(
2mmol)(4mol%)を仕込み75℃で攪拌中に、ジメチルアセチレンジカルボキシレート(DMA)10.7g(75mmol)を45分かけて滴下した。更に100℃の油浴(内温92℃)で8時間攪拌した。反応液をガスクロマトグラフィーで分析の結果、DMAは消失し、DCPDが12.2面積%残余し、新たなピークが76.7面積%で出現した。反応を停止してから濃縮し得られた油状物をシリカゲル140gを用いてカラムクロマトグラフィー(溶離液/酢酸エチル:n−ヘプタン=1:9〜1:5)で精製すると純度94.9%の結晶12.1g(単離収率73.6%(DMA基準))が得られた。この結晶を酢酸エチル:n−ヘプタン=1:1から再結晶化することにより、純度100%の白色結晶8.1gが得られた。
この結晶は、下記の分析結果からテトラメチルテトラシクロ[6.5.1.02,7.09,13]テトラデセ−3,5,10−トリエン−3,4,5,6−テトラカルボキシレート
(TMTEと略記する)であることを確認した。
MASS(FAB+,m/e(%)):417([M+H]+,3),385(100),279(58),105(68).
1H NMR(DMSO−d6,δppm):1.46(d,J=10.39Hz,1H), 1.74(d,J=10.39Hz,1H),2.18(d,J=3.97Hz,1H),2.27〜2.29(m,2H),2.40(d,J=4.89Hz,1H),2.54〜2.60(m,1H),2.83(d,J=2.53Hz,1H),2.93(d,J=12.53Hz,1H),3.13〜3.16(m,1H),3.67(s,3H),3.68(s,3H),3.69(s,6H),5.57(dd,J1=2.44
Hz,J2=5.49Hz,1H),5.70(dd,J1=1.83Hz,J2=5.5
0Hz,1H).
13C NMR(DMSO−d6,δppm):32.3786,36.1097,37.
0482,40.0087,43.9230,48.2340,51.0190,52.3314(2),52,4458(2),53.9871,130,9675,131.8678,131.9289,131.9823,133.6151,136.4078,166.5010,166.5544,166.8978,167.0199.
mp.(℃):90〜91
TMTE単結晶X線測定結果
Formula C22248
Fw 416.426
Crystal color, habit colorless, plate
Crystal dimensions 0.9×0.50×0.20mm3
Crystal system Monoclinic
Lattic type Cube
Lattic parameters a=11.275(1)Å,b=19.402(1)Å,c=17.700(1)Å
α=90.00°,β=147.881(6)°,γ=90.00°
V=2058.7(3)Å3
Z value=4
Dcalc=1.344 Mg/m3
Mo K<α> radiation
λ(MoKa)=0.71073Å,μ(MoKa)=0.10mm-1
No.of measured reflections=4666
No.of observed reflections=2279
R(gt)=0.049
WR(gt)=0.109
Temp.=297K
[実施例2](スキーム1)
Figure 0005403280
50ml 四つ口反応フラスコにジシクロペンタジエン(DCPD)1.32g(10mmol)、トルエン10.6g及び酢酸パラジウム(Pd(OAc)2)89.8mg
(0.4mmol)(4mol%)を仕込み85℃で攪拌中に、ジメチルアセチレンジカルボキシレート(DMA)2.13g(15mmol)を10分かけて滴下した。更に110℃の油浴(内温103℃)で1時間攪拌した後、130℃の油浴(内温108℃)で20時間攪拌した後、反応液をガスクロマトグラフィーで分析の結果、DMAは消失し、DCPDが2.6面積%残余し、TMTEが52.5面積%生成し、更に新たなピークが29.1面積%で出現した。反応を停止してから濃縮し得られた油状物をシリカゲル130gを用いてカラムクロマトグラフィー(溶離液/酢酸エチル:n−ヘプタン=1:9〜1:0)で精製すると留分1に1.01g(新たなピークが77.6面積%)の結晶が得られた。この結晶を酢酸エチル:n−ヘプタン=1:1から再結晶化することにより、純度100%の白色結晶0.521gが得られた。
この結晶は、下記の分析結果からテトラメチルオクタシクロ[9.9.2.02,10.13,9.04,8.012,20.113,19.014,18]テトラコセ−5,15,21−トリエン−1
,11,21,22−テトラカルボキシレート(TMOEと略記する)であることを確認した。
MASS(FAB+,m/e(%)):549([M+H]+,9),517(44),385(20),154(100).
1H NMR(DMSO−d6,δppm):0.90(dd,J1=5.65Hz,J2=10.84Hz,2H),1.92(t,J=10.08Hz,2H),2.01〜2.07(m,4H),2.11〜2.18(m,4H),2.22〜2.37(m, 6H),2.92〜2.94(m,2H),3.68(t,J=4.58Hz,12H),5.42〜5.46(m,2H),5.68(t,J=2.75Hz,2H).
13C NMR(DMSO−d6,δppm):31.3790,31.4171,37.
4984,37.6128,42.5800,42.6334,43.6025,43.7093,44.1671,44.3731,45.4489,49.3327,50.5459,52.0185(4),52,1787,53.6819(2),54.7424,54.9485,131.4253,131.6542,132.0814,132.2112,135.5303(2),166.7528(2),172.2159(
2).
mp.(℃):222〜224(Z89) 240〜241(A8)
TMOE単結晶X線測定結果
Formula C32368
Fw 548.62
Crystal color, habit colorless, plate
Crystal dimensions 0.9×0.50×0.20 mm3
Crystal system Monoclinic
Lattic type Cube
Lattic parameters a=16.091(1)Å,b=11.271(1)Å,c=16.206(1)Å
α=90.00°,β=109.072(6)°,γ=90.00°
V=2777.8(5)Å3
Z value=4
Dcalc=1.312Mg/m3
Mo K<α> radiation
λ(MoKa)=0.71073Å,μ(MoKa)=0.10mm-1
No.of measured reflections=2849
No.of observed reflections=2649
R(gt)=0.057
WR(gt)=0.210
Temp.=297 K
[実施例3〜22]
前記実施例1及び2の触媒、溶媒、反応条件等を変更してTMTE及びTMOEを合成した結果を表1に示す。
Figure 0005403280
[実施例23](スキーム2)
Figure 0005403280
50ml 四つ口反応フラスコにTMTE 0.832g(2mmol)、ジシクロペンタジエン(DCPD)0.792g(6mmol)及び1,4−ジオキサン9gを仕込み100℃で24時間攪拌しながら還流させた。反応液をガスクロマトグラフィーで分析の結果、DCPD :TMTE :TMOE =51.8:23.3:22.3(面積%)であった。よって、TMTE転化率48.9%、TMOE収率48.9%であった。
[実施例24](スキーム2)
Figure 0005403280
50ml 四つ口反応フラスコにTMTE 0.832g(2mmol)、ジシクロペンタジエン(DCPD)0.792g(6mmol)及びジグライム9gを仕込み150℃で7時間攪拌しながら還流させた。反応液をガスクロマトグラフィーで分析の結果、DCPD :TMTE :TMOE:未知物質1=23.1:10.4:31.1:22.4(面積%)であった。よって、TMTE転化率84.6%、TMOE収率46.6%であった。
[実施例25](スキーム2)
Figure 0005403280
50ml 四つ口反応フラスコにTMTE0.832g(2mmol)、ジシクロペンタジエン(DCPD)0.792g(6mmol)、1,4−ジオキサン9g、酢酸パラジウム(Pd(OAc)2)0.045g(0.4mmol)(10mol%)を仕込み
100℃で24時間攪拌しながら還流させた。反応液をガスクロマトグラフィーで分析の結果、DCPD:TMTE:TMOE未知物質2:未知物質3=34.4:30.4:31.4:2.1:0.5(面積%)であった。よって、TMTE転化率52.8%、TMOE収率48.8%であった。更に、100℃で24時間攪拌しながら還流させて、反応液をガスクロマトグラフィーで分析の結果、DCPD:TMTE:TMOE未知物質2:未知物質3=3.9:6.3:81.0:7.1:1.2(面積%)であった。よって、TMTE転化率93.4%、TMOE収率84.7%であった。
[実施例26](スキーム1)
Figure 0005403280
100ml 四つ口反応フラスコにジシクロペンタジエン(DCPD)6.6g(50mmol)、1,4−ジオキサン33g及び塩化パラジウム(PdCl2)0.354g
(0.2mmol)(4mol%)を仕込み80℃で攪拌中に、ジエチルアセチレンジカルボキシレート(DEA)12.8g(75mmol)を2時間かけて滴下した。更に120℃の油浴(内温102℃)で22時間攪拌した。反応液をガスクロマトグラフィーで分析の結果、DEAは消失し、新たなピークが74.9面積%で出現した。反応を停止してから濃縮し得られた油状物をシリカゲル140gを用いてカラムクロマトグラフィー(溶離液/酢酸エチル:n−ヘプタン=1:9〜1:5)で精製すると油状物15.6g(単離収率87.6%(DEA基準))が得られた。(この結晶を酢酸エチル:n−ヘプタン=1:1から再結晶化することにより、純度100%の白色結晶8.1gが得られた。)
この油状物は、下記の分析結果からテトラエチルテトラシクロ[6.5.1.02,7
9,13]テトラデセ−3,5,10−トリエン−3,4,5,6−テトラカルボキシレート(TETE)であることを確認した。
MASS(FAB-,m/e(%)):472(M-,100),443(18),399(25).
1H NMR(DMSO−d6,δppm):1.21〜1.25(m,12H),1.46(d,J=10.4Hz,1H),1.79(d,J=10.4Hz,1H),2.21(d,J=4.0Hz,1H),2.24〜2.35(m,2H),2.43(d,J=4.89Hz,1H),2.56〜2.61(m,1H),2.83(d,J=12.8Hz,1H),2.95(d,J=12.5Hz,1H),3.14〜3.16(m,1H),4.10〜4.17(m,8H),5.58(dd,J1=2.14Hz,J2=5.50Hz,1H),5.71(dd,J1=1.83Hz,J2=5.50Hz,1H).
13C NMR(DMSO−d6,δppm):13.7076,13.9060,13.
9365,32.3023,36.1402,37.1321,39.9019,43.9077,48.2340,50.8664,54.0329,60.2514,61.1976,61.2662,61.4723,131,3108,131.7763,131.9213,132.1807,133.3328,135.6982,166.1119,166.1805,166.3713,166.5849.
[実施例27](スキーム3)
Figure 0005403280
50mLガラス製反応器にTMTE2.50g(6.0mmol)、エタノール13.3g、85%水酸化カリウム2.38gと水6gの水溶液を仕込み、90℃油浴で3時間還流した。終了後、濃縮してから残渣に水20mLを加えてから氷冷下35%塩酸3.6gを滴下しpH<1にした。続いてメチルイソブチルケトンを加えて抽出した後、濃縮・乾燥すると1.78gの結晶が得られた。更に、これに酢酸エチルを加えて加温した後氷冷してから濾過、酢酸エチルで洗浄してから乾燥すると結晶1.30g(収率60%)が得られた。
50mLガラス製反応器にTMTE2.08g(5.0mmol)、エタノール10.4g、85%水酸化カリウム1.98gと水6gの水溶液を仕込み、100℃油浴で8時間還流した。終了後、濃縮してから残渣に水20mLを加えてから氷冷下35%塩酸3.0gを滴下しpH<1にした。続いてメチルイソブチルケトンを加えて抽出した後、濃縮すると2.11gの粗結晶が得られた。更に、これに酢酸エチルを加えて加温した後氷冷してから濾過、酢酸エチルで洗浄してから乾燥すると結晶1.52g(収率84.4%)が得られた。
この結晶の構造は、下記の分析結果からテトラシクロ[6.5.1.02,7.09,13
テトラデセ−3,5,10−トリエン−3,4,5,6−テトラカルボン酸 (TTCA)であることを確認した。
MASS(FAB-,m/e(%)):359([M−H]-,100),341(48),297(65).
1H NMR(DMSO−d6,δppm):1.46(d,J=9.78Hz,1H),1.61(d,J=10.1Hz,1H),2.18(d,J=3.67Hz,1H),2.24〜2.28(m,2H),2.40(d,J=4.89Hz,1H),2.55〜2.61(m,1H),2.68(d,J=12.53Hz,1H),2.78(d,J=12.53Hz,1H),3.13〜3.16(m,1H),5.58(dd,J1
=2.14Hz,J2=5.50Hz,1H),5.56(dd,J1=1.99Hz,J2=5.65Hz, 1H),12.97(brs,4H).
13C NMR(DMSO−d6,δppm):32.1378,35.6400,36.
4793,38.9973,43.2472,47.5583,50.4196,53.4487,130.9327,131.6957,131.7796,131.9856,132.2222,134.5036,167.5192,167.8320,167.9312,168.1906.
mp.(℃):190.5〜191.5
[実施例28](スキーム5)
Figure 0005403280
50mLガラス製反応器にTMTE4.16g(10.0mmol)、H2WO4 0.125g(0.5mmol)、トルエン12.5g、85%リン酸0.015g(0.13mmol)と90%トリオクチルメチルクロライド(TOMAC)0.157g(0.35mmol)を仕込み、攪拌下に45℃で35%過酸化水素1.94g(20.0mmol)を20分かけて滴下した。その後50℃に昇温し5時間反応させた。終了後、トル
エンと水を加えてから有機相を分液し、3回水洗後濃縮すると油状物5.2gが得られた。更にこれをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより4.2g(GC純度97.8%)(収率97.6%)が得られた。これを酢酸エチル17gに溶解後室温で一夜静置すると結晶が析出し、これを濾取・乾燥すると透明な結晶1.71gが得られた。
この結晶の構造は、下記の分析結果からテトラメチル 10,11−エポキシテトラシクロ[6.5.1.02,7.09,13]テトラデセ−3,5−ジエン−3,4,5,6−テト
ラカルボキシレート (TMEE)であることを確認した。
MASS(FAB-,m/e(%)):432([M]-・,100),417(15),386(15),305(21).
1H NMR(DMSO−d6,δppm):1.59(dd,J1=10.8Hz,J2=38.3Hz,2H),1.81〜1.82(m,2H),2.17(d,J=3.97Hz,1H),2.45〜2.48(m,2H),2.49〜2.52(m,1H),3.19(d,J=12.2Hz,1H),3.31(d,J=12.2Hz,1H),3.38(d,J=2.14Hz,1H),3.60(s,1H),3.65(s,3H),3.66(s,3H),3.72(s,3H),3.75(s,3H).
13C NMR(DMSO−d6,δppm):27.8367,36.7410,37.
1988,37.8856,45.8819,47.5148,48.5143,49.4986,52.4438,52.4591,52.6041,52.6346,59.0668,60.4631,130.9579,131.1715,133.4453,
134.6051,165.9420,166.0336,166.1175,166.1480.
mp.(℃):123〜124
[実施例29](スキーム6)
Figure 0005403280
50mLガラス製反応器にTMOE2.74g(5.0mmol)、H2WO40.125g(0.5mmol)、1,4−ジオキサン13.7g、85%リン酸0.015g(0.13mmol)と90%トリオクチルメチルクロライド(TOMAC)0.157g(0.35mmol)を仕込み、攪拌下に50℃で35%過酸化水素2.92g(15.0mmol)を20分かけて滴下した。その後54℃に昇温し16時間反応させた。TMOEが残余したので更に、35%過酸化水素1.46g(15.0mmol)を滴下し、54℃で6時間反応させて終了させた。濃縮後、酢酸エチルと水を加えてから有機相を分液し、水洗後濃縮すると結晶2.2g(GC純度82.1%)(収率62.1%)が得られた。更にこれをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより結晶1.21gが得られた。
この結晶の構造は、下記の分析結果からテトラメチル 5,6:15,16−ジエポキシオクタシクロ[9.9.2.02,10.13,9.04,8.012,20.113,19.014,18]テ
トラコセ−21−エン−1,11,21,22−テトラカルボキシレート(DEOEと略記する)であることを確認した。
MASS(FAB+, m/e(%)):581([M+H]+,27),565(18),549(90),396(62),154(100).
1H NMR(DMSO−d6,δppm):0.823(d,J=10.7Hz,2H),1.65(dd,J1=8.71Hz,J2=15.1Hz,2H),1.80(d,J=10.9Hz,2H),1.93(d,J=10.7Hz,2H),1.97(s, 2H),2.19〜2.26(m,6H),2.34(dd,J1=8.44Hz,J2=16.35Hz,2H),2.49(s,2H),3.32(s,2H),3.60〜3.74(m,2H),3.64(s,6H),3.71(s,6H).
13C NMR(DMSO−d6,δppm):26.6679(2),37.9452(
2),41.8824(2),43.7823,43.8433,44.7132(2),46.2621,46.3307,46.7122(2),48.8563(2), 52.2517(2),52.3357(2), 52.9766(2), 58.6076(2), 61.1027(2),135.2599(2),165.8567(2),171.1291(2).((2)は炭素原子2個分を表す。)
mp.(℃):263〜264
[実施例30](第4工程)
Figure 0005403280
50mLガラス製反応器にTMOE2.74g(5.0mmol)、エタノール21.9g、85%水酸化カリウム1.98gと水8gの水溶液を仕込み、100℃油浴で24時間還流した。反応は、スラリー状態で終了した。これを濃縮してから残渣に水20mLを加えてから氷冷下35%塩酸3.0gを滴下しpH<1にした。続いて濾過、水で洗浄してから乾燥すると結晶2.41g(収率97.8%)が得られた。
この結晶の構造は、下記の分析結果からオクタシクロ[9.9.2.02,10.13,9
4,8.012,20.113,19.014,18]テトラコセ−5,15,21−トリエン−1,11,21,22−テトラカルボン酸−21,22−ジメチルエステル(OTCMと略記する)であることを確認した。
MASS(FAB-,m/e(%)):519([M−H]-,100),475(27).
1H NMR(DMSO−d6,δppm):0.81(dd,J1=5.19Hz,J2=9.77Hz,2H),1.75(d,J=8.55Hz,1H),1.90(s,1H),1.94(d,J=8.25Hz,1H),2.00(brs,3H),2.11〜2.14(m,4H),2.20〜2.25(m,4H),2.30〜2.35(m,4H),2.92(brs,2H),3.64(d,J=2.14Hz,6H),5.48(dd,J1=1.83Hz,J2=5.50Hz,2H),12.72(brs,2H).
13C NMR(DMSO−d6,δppm):31.0504(2),37.0706,
37.1774,42.1370,42.2133,42.9534,43.0450,43.4799,43.7470,43.9454,44.7694,48.7981,49.9961,51.7434(2),52.5827(2),54.3223,54
.4902,131.6321,131.7694,131.8610, 131.9907,134.4171(2),167.3869(2),171.7513(2).((2)は炭素原子2個分を表す。)
mp.(℃):244.5〜245.5

Claims (4)

  1. 式[11]
    Figure 0005403280
    (式中、Z1及びZ2はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、nは1〜3の整数を表し、x及びyは1〜6の整数を表す。)
    で表されるジオレフィン化合物と、式[12]
    Figure 0005403280
    (式中、R2は炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
    で表されるアセチレン化合物とを、周期律表第8族金属化合物触媒下で反応させることを特徴とする式[13]
    Figure 0005403280
    (式中、R2、Z1、Z2、n、x及びyは前記と同じ意味を表す。)
    で表される脂環式テトラカルボン酸化合物の製造法。
  2. 周期律表第8族金属化合物がパラジウム及びまたはパラジウム化合物であることを特徴とする請求項1記載の脂環式テトラカルボン酸化合物の製造法。
  3. 式[11]
    Figure 0005403280
    (式中、Z1及びZ2はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、nは1〜3の整数を表し、x及びyは1〜6の整数を表す。)
    で表されるジオレフィン化合物と、式[12]
    Figure 0005403280
    (式中、R2は炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
    で表されるアセチレン化合物とを、周期律表第8族金属化合物触媒下で反応させることを特徴とする式[14]
    Figure 0005403280
    (式中、R2、Z1、Z2、n、x及びyは前記と同じ意味を表す。)
    で表される脂環式テトラカルボン酸化合物の製造法。
  4. 周期律表第8族金属化合物がパラジウム及びまたはパラジウム化合物であることを特徴とする請求項3記載の脂環式テトラカルボン酸化合物の製造法。
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