JP4662026B2 - メタクリル酸グリシジルの製造方法 - Google Patents

メタクリル酸グリシジルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、メタクリル酸(以下、MAAと記す)のアルカリ金属塩と理論反応量を上回るエピクロロヒドリン(以下、EpCHと記す)を、合成触媒である第4級アンモニウム塩の存在下に反応させ、それによって得られたEpCHと1,3−ジクロロ−2−プロパノール(以下、1,3−DCPと記す)を含むメタクリル酸グリシジル(以下、GMAと記す)の合成反応液を、特定の官能基を有する樹脂に接触させて不純物である1,3−DCPを除去する方法に於いて、当該除去工程を長期間にわたって連続的に安定運転することを可能にする、1,3−DCPが実質的に除去されたGMAの製造方法に関する。GMAは、耐候性塗料や各種樹脂の原料として有用である。
MAAのアルカリ金属塩とEpCHからGMAを製造する一般的な製法としては次ぎの方法が挙げられる。
(a)MAAとEpCHから3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(以下、MACEと記す)を得、これをアルカリにより脱塩化水素させる(例えば、特許文献1参照)。
(b)(a)と同様にして得たMACEとエポキシ化合物をエステル交換反応させる(例えば、特許文献2参照)。
(c)MAAとアルカリからMAAのアルカリ金属塩を得、これとEpCHを反応させ脱塩化アルカリさせる(例えば、特許文献3参照)。
これら(a)、(b)、(c)の方法は何れもMAAに対するEpCHの使用モル比が小さいとグリセロールジメタクリレート等の不純物が増加してGMAの収率が低下するので、EpCH過剰で反応を行うのが一般的である。
また、何れの場合もその反応粗液には1,3−DCPが含まれるが、1,3−DCPは含塩素化合物であるため、得られる製品GMAの純度を低下させるばかりか、分解することによって塩素を発生し、これを原料として作られる塗料や樹脂の製品劣化を招く点で極力除去されることが好ましい物質である。
GMAと沸点が近接しているため蒸留分離が困難な1,3−DCPの除去方法のうち、最も優れている方法の一つとして、1,3−DCPを含むGMAを塩基性陰イオン交換樹脂と接触させ、反応式(1)を利用してEpCHとMACEに変換させる方法がある(例えば、特許文献4、非特許文献1参照)。ここで得られるEpCHはGMAより十分沸点が低く、また、MACEはGMAより十分沸点が高いため、当該樹脂と接触させた後、蒸留分離することによって容易に1,3−DCPを実質的に含まないGMAを得ることが可能となる。
GMA + 1,3−DCP → EpCH + MACE (1)
特開昭53−147018号公報 特開昭50−95216号公報 特開昭55−17307号公報 特開2000−212177号公報 GB Industrial Opportunities Ltd.,Havant,NO.385,pages 283−284,May 1,1996
しかし、上記の反応式(1)で示される交換反応によって1,3−DCPを除去する方法の欠点として、樹脂の劣化を防ぐため、樹脂の耐熱温度以下で反応させなければならず、反応速度が遅くなるという問題点が挙げられる。そこで、例えば、この反応を回分式で行おうとすると速く反応させるためには多量の樹脂が必要となり、また少量の樹脂で処理しようとすれば反応時間が長くなりすぎるという問題点を抱えている。
一方、連続式は少量の樹脂を効率的に使用できるという面で利点を有するが、本反応にこれを適用した場合、重合物が発生し、比較的短時間でイオン交換樹脂の触媒活性が低下するとともに閉塞による流速低下を来すため長期安定運転ができないという問題があった。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討し、その結果、ある種の重合禁止剤をEpCHと1,3−DCPを含むGMAに添加し、かつ第4級アンモニウム塩の失活剤として知られている物質のGMA中の濃度を一定濃度以下に保つことによって、使用する樹脂カラムの活性低下と閉塞が抑えられ、長期間にわたって連続的に安定運転できるようになることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明はEpCHと1,3−DCPを含むGMAを、一般式(1)で示される官能基を有する樹脂に接触させて1,3−DCPを除去するに際して、重合禁止剤としてフェノール化合物、フェノチアジン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンからなる群から選ばれる1種以上の化合物と4−ヒドロキシ−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン−1−オキシルとを共存させるともに、4級アンモニウム塩の失活剤であるスルホン酸類のアルカリ金属塩、ヘテロポリリン酸類、ヘテロポリリン酸類のアルカリ金属塩、フェノール類のアルカリ金属塩を特定の濃度以下にすることを特徴とする、1)から4)に示す1,3−DCPが除去されたGMAの製造方法に関する。
1)MAAのアルカリ金属塩と理論反応量を上回るEpCHを合成触媒である第4級アンモニウム塩の存在下に反応させ、それによって得られたEpCHと1,3−DCPを含むGMAの合成反応液を、一般式(1)で示される官能基を有する樹脂に接触させて不純物である1,3−DCPを除去する方法に於いて、該合成反応液に重合禁止剤としてフェノール化合物、フェノチアジン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンから選ばれる1種以上の化合物と4−ヒドロキシ−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン−1−オキシルを添加した状態で、一般式(1)で示される官能基を有する樹脂に接触させることを特徴とする、1,3−DCPが除去されたGMAの製造方法。
(RはH、HOC、炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基を表し、各々が同一であっても、全て異なっていても良い。Xはハロゲンを表す。)
2)一般式(1)で示される官能基を有する樹脂に接触させるEpCHと1,3−DCPを含むGMAの合成反応液が、その中に含まれるEpCH/1,3−DCPの比率が10以下となるようにEpCH を留去したものである、1)に記載の1,3−DCPが除去されたGMAの製造方法。
3)一般式(1)で示される官能基を有する樹脂に接触させるEpCHと1,3−DCPを含むGMAの合成反応液が、合成触媒である第4級アンモニウム塩を失活させるために添加した失活剤の残留濃度が1ppm以下(但し、0を除く)となるように固/液又は液/液洗浄にて分離除去したものである、1)又は2)に記載の1,3−DCPが除去されたGMAの製造方法。
4)合成触媒の第4級アンモニウム塩を失活させるために使用した失活剤が、スルホン酸類のアルカリ金属塩、ヘテロポリリン酸類、ヘテロポリリン酸類のアルカリ金属塩、フェノール類のアルカリ金属塩から選ばれる1種以上である、3)に記載の1,3−DCPが除去されたGMAの製造方法。
本発明によれば、GMA中に不純物として含まれている1,3−DCPを効率的且つ連続的に長期間にわたって除去することが可能となる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。1,3−DCPを含有するGMAを一般式(1)で示される官能基を有する樹脂に接触させると反応式(1)の反応によってEpCHとMACEが生成する。
GMA + 1,3−DCP → EpCH + MACE (1)
本発明で用いられる樹脂は、官能基として一般式(1)に示される基を有する樹脂であればよく、例えば、モノメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアンモニウムクロライド、トリメチルアンモニウムクロライド、トリエチルアンモニウムクロライド、ジメチルエタノールアンモニウムクロライド、モノメチルジエタノールアンモニウムクロライド、トリメチルアンモニウムブロマイドが例示される。一般式(1)で示される官能基を除いた基材樹脂としては、本発明を実施する上で不都合がない範囲でいかなる樹脂であっても好適に使用される。例えば、アクリル系、スチレン系、ポリカーボネート系などである。
樹脂構造については、ゲル型、ポーラス型、ハイポーラス型の何れでもよく、またMR型と呼ばれるマクロポアを有する構造であっても良いが、経済性及び反応速度の観点からはポーラス型、ハイポーラス型、又はMR型が好ましい。
先に述べたようにGMAの合成反応はEpCH過剰で実施するのが一般的であるが、1,3−DCPを含むGMAを一般式(1)で示される官能基を有する樹脂に接触させる場合、平衡反応である反応式(1)を十分進行させるためには、接触させる前に低沸成分であるEpCHを十分留去し、EpCHと1,3−DCPの重量比(EpCH/1,3−DCP)が10以下、好ましくは5以下まで低減しておく必要がある。その留去方法については回分式、連続式ともに可能である。
本発明では1,3−DCPを含むGMAを一般式(1)で示される官能基を有する樹脂に接触させるに際し、重合禁止剤としてフェノール化合物、フェノチアジン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン及びピペリジン化合物からなる群から選ばれる1種以上とN−オキシル化合物とを併用させる。フェノール化合物、フェノチアジン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン及びピペリジン化合物からなる群から選ばれる1種以上のみ、或いは、N−オキシル化合物のみを使用した場合は、1,3−DCPを含むGMAを樹脂に接触させる際に重合による樹脂の活性劣化や閉塞が生じてしまい、本発明の特徴である、長期間の安定した運転が達成できない。
フェノール化合物としては特に限定されないが、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、トルハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、モノ−t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−アミルハイドロキノン、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−フェノール、カテコール、ピロガロール、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−ブチリデンビス(6−t −ブチル−4−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−t −ブチル−3−メチルフェノール)、o−アミノフェノール、4−ヒドロキシジフェニルアミン等が挙げられる。フェノール化合物は1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。添加量についても特に限定されないが、樹脂に接触させるGMAに対して10〜100,000ppm、好ましくは100〜10,000ppm、より好ましくは1,000〜5、000ppmである。
N−オキシル化合物としては特に限定されないが、例えば、2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−メタクリロイルオキシ−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン−1−オキシル等が挙げられる。N−オキシル化合物は1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。添加量についても特に限定されないが、樹脂に接触させるGMAに対して10〜100,000ppm、好ましくは100〜10,000ppm、より好ましくは1,000〜5、000ppmである。
これらの重合禁止剤は、EpCHと1,3−DCPを含むGMAを一般式(1)で示される官能基を有する樹脂に接触させる前であればいかなる状態で添加しても良い。例えば1種ずつ添加しても良いし、2種以上を混合して添加しても良い。また、固体で添加してから溶解させても、水等の溶媒に溶解させた状態で添加しても良い。さらに、GMA合成工程や過剰のEpCHを留去する工程で添加しても良い。
1,3−DCPを含むGMAを一般式(1)で示される官能基を有する樹脂に接触させる際の圧力については減圧、常圧、加圧の何れでも良いが、操作のし易さからは常圧で行うのが好ましい。温度については樹脂の耐熱温度以下であれば良く、通常40〜120℃、好ましくは60〜100℃である。接触時間については使用する樹脂の活性等によるが、空間速度(単位時間当たりに通過する液量と充填されている樹脂量との比。以下、SVと記す)で0.1〜10hr−1、好ましくは0.3〜3hr−1である。
前述したGMAの合成法において、通常第4級アンモニウム塩が触媒として用いられる。この第4級アンモニウム塩としては、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド等が例示される。
上記のような触媒を使用して合成を行った場合、蒸留釜液に残存する第4級アンモニウム塩が蒸留精製工程において引き起こす重合や副反応といった好ましくない現象を抑制するため、スルホン酸塩、ヘテロポリリン酸、ヘテロポリリン酸のアルカリ金属塩、フェノラートのような失活剤を添加することが知られている(特公昭53−23817号公報、特公昭57−42075号公報、特公平8−32693号公報)。しかし、これらの失活剤は本発明で使用する樹脂の失活剤にもなり得るため、樹脂に接触させる合成反応液中に実質的に残存させてはならず、仮にEpCHと1,3−DCPを含むGMA中に存在する場合においても、これら物質の各々の濃度が何れも1ppm以下(但し、0を除く)になるように除去しなければならない。
使用した失活剤の除去方法としては、例えば、MAAのアルカリ金属塩とEpCHを反応させGMAと成した後、該反応液に失活剤を添加し使用した触媒を不活性化させ、しかる後に、副生塩のアルカリ金属塩化物や触媒の4級アンモニウム塩の沈殿物と共に、濾過や遠心分離による固液分離、又は水による液/液洗浄によって除去することができる。なお、その際、反応液中の沈殿物をあらかじめ除去した後に失活剤を添加することによって、使用量の節減と残留量の低減を図ることができる。
また、最も好ましい方法として、1,3−DCPを含むGMAを樹脂に接触させた後工程で、失活剤を加える方法がある。この方法では失活剤が樹脂と接触することがないため、樹脂の活性劣化を最も良く抑制することができる。この方法を採用した場合、反応液からEpCHを留去する工程では、合成に使用した不活性化されていない第4級アンモニウム塩が完全に除去しきれず残留している場合もあるが、該工程を減圧下で行うことによって、釜液温度を40〜80℃と低く保つことができるため、仮に残存した場合であっても第4級アンモニウム塩による重合や副反応は無視し得る程度に軽微である。
樹脂に接触させた後のEpCHとMACEを含むGMAについては、 MACEの沸点がGMAよりも高く蒸留釜残として残るため、EpCHを蒸留分離後、さらにGMAを蒸留することによってMACEと分離することができる。また、蒸留方法は回分式、連続式の何れの方法でも良く、分縮やサイドカットといった蒸留方法を用いることによって、EpCHやGMAの回収を同時に行うことも可能である。
以下、本発明を実施例及び比較例に基づき説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。すなわち、実施例にて説明したGMAの製造条件、製造方法は例示であり、本発明の範囲内において適宜変更することができるし、使用した各種の装置も例示であり、適宜変更することができる。なお、分析にはガスクロマトグラフ(GC−1700、島津製作所製)を使用し、1,3−DCPの検出限界は0.001wt%であった。また、イオン交換樹脂接触前後で液重量は変化しないことから、1,3−DCP転化率はイオン交換樹脂接触後の液中1,3−DCP濃度を、イオン交換樹脂接触前の液中1,3−DCP濃度で除すことで求めた。なお、下記の実施例及び比較例で使用した樹脂の官能基は何れも一般式(1)においてRがすべてメチル基、Xが塩素である。
実施例1
(1)GMA合成母液の調製
攪拌機と油水分離用のデカンターを有する冷却器を備えた内容積1Lのガラス製フラスコに、EpCH(純度>99.9wt%)735g、炭酸ナトリウム58g、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)1gをとり、30kPaに減圧してEpCHが沸騰する82℃まで昇温した。留出液をデカンターで水相とEpCH相に分離し、下層のEpCH相をフラスコに還流しながらMAA86gを約1時間かけて滴下した。滴下終了後さらに30分還流を続けた後、常圧に戻しEpCHが沸騰する120℃まで昇温した。次ぎに、触媒であるテトラメチルアンモニウムクロライド0.3gを添加し、1時間反応させた後、室温まで冷却し水240gを用いて塩化ナトリウム等からなるスラリーを除去した。このようにして得られたGMA合成母液量は700g、組成はEpCHが78wt%、1,3−DCPは0.1wt%であった。また、使用したMAA86gに対するGMAの収率は95mol%であった。
(2)樹脂流通試験
内径10mmのガラス管にMR型樹脂アンバーリスト:IRA900J(商品名、オルガノ株式会社製)を4ml充填し、メタノール200mlを流通させた。次いで、蒸留母液から回分式でEpCHを留去し調製した粗液(GMA90wt%、1,3−DCP0.4wt%、EpCH0.4wt%、p−メトキシフェノール0.07wt%、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)0.2wt%、フェノチアジン0.2wt%を含む)に対して、4−ヒドロキシ−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン−1−オキシル0.1wt%を添加した液を調製し、ガラス管カラムに流通させた。流通条件は常圧、70℃、SV1.5hr−1とした。流通開始から8,000時間経過後も96mol%以上の1,3−DCP転化率を維持した(表1)。
実施例2
内経10mmのガラス管にハイポーラス型樹脂DIAION:HPA25(商品名、三菱化学株式会社製)を4ml充填し、メタノール200mlを流通させた。次いで、実施例1の蒸留母液から連続式でEpCHを留去し調製した粗液(GMA90wt%、1,3−DCP0.4wt%、EpCH0.9wt%、p−メトキシフェノール0.05wt%、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)0.2wt%、4−ヒドロキシ−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン−1−オキシル0.2wt%を含む)を流通させた。流通条件は常圧、70℃ 、SV1.5hr−1とした。流通開始から8,000時間経過後も95mol%以上の1,3−DCP転化率を維持した(表1)。
実施例3
内径10mmのSUS316製の管にポーラス型樹脂DIAION:PA312(商標名、三菱化学株式会社製)を4ml充填した後、メタノール200mlを通液した。次いで、実施例1の蒸留母液から調製した粗液(GMA90wt%、1,3−DCP0.4wt%、EpCH0.4wt%、p-メトキシフェノール0.07wt%、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)0.2wt%、N−イソプロピル−N'−フェニル−p−フェニレンジアミン0.2wt%を含む)に対して、4−ヒドロキシ−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン−1−オキシル0.1wt%を添加した液を調製し、常圧、60℃、SV0.4hr−1の条件で通液した。このようにして通液を繰り返したところ、通液開始後の延べ通液時間として8,000時間経過した後も、96mol%以上の1,3−DCP転化率を維持した(表1)。
比較例1
内経10mmのSUS316製の管にハイポーラス型樹脂DIAION:HPA25(商品名、三菱化学株式会社製)を4ml充填し、メタノール200mlを通液した。次いで、実施例1の蒸留母液から回分式でEpCHを留去した粗液(GMA90wt%、1,3−DCP0.4wt%、EpCH0.4wt%)に、重合禁止剤溶液(p−メトキシフェノール0.07wt%、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)0.2wt%、フェノチアジン0.2wt%を含む)を流通させた。流通条件は常圧、72℃、SV3.0hr−1とした。流通開始70時間で徐々に活性が低下したため樹脂を調べたところ、重合物によって樹脂が固着していた(表1)。
表1
実施例・比較例番号 実施例1 実施例2 実施例3 比較例1
条件
使用IER IRA900J HPA25 PA312 HPA25
温度(℃) 70 70 60 72
SV(hr −1 ) 1.5 1.5 0.4 3.0
添加剤(wt%)
1 0.07 0.05 0.07 0.07
2 0.2 0.2 0.2 0.2
3 − − 0.2 −
4 0.2 − − 0.2
5 0.1 0.2 0.1 −
重合までの時間(hr) 8000 8000 8000 72
添加剤1:p-メトキシフェノール
2:2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)
3:N−イソプロピル−N'−フェニル−p−フェニレンジアミン
4:フェノチアジン
5:4−ヒドロキシ−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン−1−オキシル
比較例2
実施例1の蒸留母液にp-トルエンスルホン酸ソーダ0.1wt%を添加後回分式でEpCHを留去した以外は実施例1と全く同様に流通試験を行った。流通開始直後は96mol%であった1,3−DCP転化率はわずか200hr後には80mol%まで低下した。なお、この時、使用したMR型樹脂アンバーリスト:IRA900Jへの重合物の付着は観察されなかった。

Claims (4)

  1. メタクリル酸のアルカリ金属塩と理論反応量を上回るエピクロロヒドリンを合成触媒である第4級アンモニウム塩の存在下に反応させ、それによって得られたエピクロロヒドリンと1,3−ジクロロ−2−プロパノールを含むメタクリル酸グリシジルの合成反応液を、一般式(1)で示される官能基を有する樹脂に接触させて不純物である1,3−ジクロロ−2−プロパノールを除去する方法に於いて、該合成反応液に重合禁止剤としてフェノール化合物、フェノチアジン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンから選ばれる1種以上の化合物と4−ヒドロキシ−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン−1−オキシルを添加した状態で、一般式(1)で示される官能基を有する樹脂に接触させることを特徴とする、1,3−ジクロロ−2−プロパノールが除去されたメタクリル酸グリシジルの製造方法。
    (RはH、HOC、炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基を表し、各々が同一であっても、全て異なっていても良い。Xはハロゲンを表す。)
  2. 一般式(1) で示される官能基を有する樹脂に接触させるエピクロロヒドリンと1,3−ジクロロ−2−プロパノールを含むメタクリル酸グリシジルの合成反応液が、その中に含まれるエピクロロヒドリン/1,3−ジクロロ−2−プロパノールの比率が10以下となるようにエピクロロヒドリンリンを留去したものである、請求項1に記載の1,3−ジクロロ−2−プロパノールが除去されたメタクリル酸グリシジルの製造方法。
  3. 一般式(1)で示される官能基を有する樹脂に接触させるエピクロロヒドリンと1,3−ジクロロ−2−プロパノールを含むメタクリル酸グリシジルの合成反応液が、合成触媒である第4級アンモニウム塩を失活させるために添加した失活剤の残留濃度が1ppm以下(但し、0を除く)となるように固/液又は液/液洗浄にて分離除去したものである、請求項1又は2に記載の1,3−ジクロロ−2−プロパノールが除去されたメタクリル酸グリシジルの製造方法。
  4. 合成触媒の第4級アンモニウム塩を失活させるために使用した失活剤が、スルホン酸類のアルカリ金属塩、ヘテロポリリン酸類、ヘテロポリリン酸類のアルカリ金属塩、フェノール類のアルカリ金属塩から選ばれる1種以上である、請求項3に記載の1,3−ジクロロ−2−プロパノールが除去されたメタクリル酸グリシジルの製造方法。
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