JP4942878B2 - (メタ)アクリル酸エステルの精製方法 - Google Patents
(メタ)アクリル酸エステルの精製方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4942878B2 JP4942878B2 JP2001031408A JP2001031408A JP4942878B2 JP 4942878 B2 JP4942878 B2 JP 4942878B2 JP 2001031408 A JP2001031408 A JP 2001031408A JP 2001031408 A JP2001031408 A JP 2001031408A JP 4942878 B2 JP4942878 B2 JP 4942878B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- meth
- acrylic acid
- acid ester
- distillation column
- water
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、(メタ)アクリル酸エステルの精製方法および(メタ)アクリル酸エステルに関する。
【0002】
【従来の技術】
メタクリル酸メチルの工業的な製造方法としては、アセトンシアンヒドリンを原料とするACH法、炭素数4の化合物の気相接触酸化反応で得られるメタクロレインをさらに気相接触酸化し、得られたメタクリル酸とメタノールのエステル化反応を行うC4酸化法、炭素数4の化合物の気相接触酸化反応で得られるメタクロレインをメタノールと反応させて直接エステル体を得る方法等が知られている。また、これらの方法により得られたメタクリル酸とアルコールとでエステル化反応を行ない、または、メタクリル酸メチルとアルコールとでエステル交換反応を行うことによって種々のメタクリル酸エステルが製造される。また、上記の方法により得られたメタクロレインをアルコールと反応させて直接エステル体を得ることでも種々のメタクリル酸エステルを製造できる。
【0003】
アクリル酸メチルは、例えば、プロピレンからの気相酸化法、あるいはニッケル触媒の存在下アセチレンと一酸化炭素とメタノールとから合成される(レッペ法)。また、エチレンシアノヒドリンの硫酸とメタノールによる分解によっても合成できる。その他のアクリル酸エステルは、低級エステルの場合はアクリル酸メチルの合成方法と同様で、メタノールの代わりにそのアルコールを用いて合成され、高級アルキルエステルの場合はアクリル酸メチルとのエステル交換反応によって合成される。
【0004】
これらの方法で得られる(メタ)アクリル酸エステルは比較的純度の高い製品とすることができる。しかし、その製造工程において種々の化学反応により生じるケトン類やアルデヒド類、その他の着色不純物がごく微量ではあるが(メタ)アクリル酸エステル中に含まれるため、製品が着色するという問題がある。着色原因物質にはジアセチルのように比揮発度が小さいものもあり、このような不純物は通常の蒸留操作では除去が困難であった。
【0005】
これらの着色不純物を除去するためのメタクリル酸メチルの精製方法としては、例えばポリアミン化合物を添加し加熱・蒸留する方法(特開昭52−23017号公報)や、酸触媒の存在下でメチルメタクリレート中に不純物として存在するジアセチルと反応してその含有量を減らすことが可能な少なくとも1種の非芳香族1,2−ジアミンの存在下で蒸留する方法(特開平8−169862号公報)、ヒドロキシルアミンの鉱酸塩によりオキシム化処理する方法(特開平7−238055号公報)、金属水素錯化合物の水溶液で還元処理する方法(特開平7−258160号公報)等が提案されている。
【0006】
しかしながら、特開昭52−23017号公報や特開平8−169862号公報に記載の方法では、長期運転するとアミンと着色不純物等とにより生成したアミン化合物によって蒸留塔やリボイラーが汚れ、安定運転ができなくなることがあるという問題がある。また、特開平7−238055号公報や特開平7−258160号公報に記載の方法では、工程が煩雑になるだけでなく、着色原因物質の除去が必ずしも十分ではないという問題などがある。(メタ)アクリル酸エステルに含まれる着色不純物を実用的、かつ、簡便に除去でき、しかも長期間安定に運転できる方法が見出されていないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、効率よく、かつ、簡便な方法で着色不純物を除去でき、さらには長期間安定にプロセスを運転できる(メタ)アクリル酸エステルの精製方法、および、(メタ)アクリル酸エステルを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、以下の本発明により解決できる。
(1)少なくとも水を含有する(メタ)アクリル酸エステルを精製する方法であって、(メタ)アクリル酸エステルに第1級および/または第2級アミノ基含有化合物を添加し、デカンテーションにて(メタ)アクリル酸エステルと水とを分離する工程を有することを特徴とする(メタ)アクリル酸エステルの精製方法。
(2)(メタ)アクリル酸エステルを精製する方法であって、(メタ)アクリル酸エステルに第1級および/または第2級アミノ基含有化合物と水とを添加し、デカンテーションにて(メタ)アクリル酸エステルと水とを分離する工程を有することを特徴とする(メタ)アクリル酸エステルの精製方法。
(3)上記デカンテーションにより得られる(メタ)アクリル酸エステルをさらに蒸留により精製する上記(1)または(2)の(メタ)アクリル酸エステルの精製方法。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかの(メタ)アクリル酸エステルの精製方法により精製した(メタ)アクリル酸エステル。
【0009】
本発明の(メタ)アクリル酸エステルの精製方法は、メタクリル酸エステル、特にメタクリル酸メチルの精製において好ましく適用される。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の(メタ)アクリル酸エステルの精製方法によれば、効率よく、かつ、簡便な方法で着色不純物を除去でき、しかも、蒸留塔を長期間安定に運転することができる。そして、この精製方法により精製した(メタ)アクリル酸エステルは着色不純物が少なく、重合して樹脂としたとき透明性に優れたものが得られる。
【0011】
以下、本発明について詳細に述べる。
【0012】
本発明が精製対象とする(メタ)アクリル酸エステルとしては特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等に代表される(メタ)アクリル酸とアルコールとのエステル等が挙げられる。ここで、(メタ)アクリル酸エステルとはアクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルを意味する。本発明は、メタクリル酸エステル、特にメタクリル酸メチルに適用した場合、その効果が顕著である。
【0013】
また、本発明の方法が適用できる(メタ)アクリル酸エステルは、どのような方法によって製造されたものでもよく、特に限定されない。メタクリル酸エステルの工業的な製造方法としては、アセトンシアンヒドリンを原料とするACH法、炭素数4の化合物(イソブタン、イソブチレン等)の気相接触酸化反応で得られるメタクロレインをさらに気相接触酸化し、得られたメタクリル酸とアルコールのエステル化反応を行うC4酸化法、炭素数4の化合物の気相接触酸化反応で得られるメタクロレインをパラジウム含有化合物を用いてアルコールと反応させ直接エステル体を得る方法等が知られている。アクリル酸エステルの工業的な製造方法としては、プロピレンをの気相接触酸化反応で得られるアクロレンをさらに気相接触酸化し、得られたアクリル酸とアルコールとのエステル化反応を行う方法等が知られている。
【0014】
このような方法で製造された(メタ)アクリル酸エステルは、通常、着色不純物として、例えば、ジアセチル、メタクロレイン、クロトンアルデヒド、およびピルビン酸メチル等を含有する。その含有量は、製造方法、製造条件等によって変化するが、通常、5〜200質量ppm程度である。
【0015】
本発明の精製方法は、このような着色不純物を1質量ppm以上、200質量ppm以下、特に5質量ppm以上または100質量ppm以下含む(メタ)アクリル酸エステルに好ましく適用される。本発明の精製方法によれば、効率よく、かつ、簡便に着色不純物の含有量を減らすことができる。
【0016】
次に、本発明の(メタ)アクリル酸エステルの精製方法について説明する。本発明の(メタ)アクリル酸エステルの精製方法は、水を含有する(メタ)アクリル酸エステルに第1級および/または第2級アミノ基含有化合物を添加し、デカンテーションにて(メタ)アクリル酸エステルと水とを分離する工程を有するものである。(メタ)アクリル酸エステルが水を含有しない場合、第1級および/または第2級アミノ基含有化合物添加時に水を添加すればよい。(メタ)アクリル酸エステルに第1級および/または第2級アミノ基含有化合物を添加すると主にアセチル基を有する着色不純物がアミノ基含有化合物と反応し、その反応物は水に溶解するのでデカンテーションで(メタ)アクリル酸エステルと水とを分離することにより除去される。
【0017】
本発明で用いる第1級および/または第2級アミノ基含有化合物としては特に限定されず、脂肪族、芳香族アミンのいずれでもよく、1分子中に複数個のアミノ基を有するアミン類、アンモニア、ヒドラジンおよびその誘導体、さらにはヒドロキシルアミンおよびその無機酸塩等の化合物が含まれる。第1級および/または第2級アミノ基含有化合物としては、例えば、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロピルアミン、メチルエチルアミン、エチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、エタノールアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、フェニレンジアミン、ベンジルアミン等が挙げられる。特にトリエチレンテトラミン、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミンを用いることが好ましい。第1級および/または第2級アミノ基含有化合物は1種を用いても2種以上を用いてもよい。
【0018】
第1級および/または第2級アミノ基含有化合物の添加量は、着色不純物を十分に除去できるので処理する(メタ)アクリル酸エステルに対して0.0001質量%以上、特に0.001質量%以上が好ましく、処理する(メタ)アクリル酸エステルに対して5質量%以下、特に1質量%以下が好ましい。
【0019】
第1級および/または第2級アミノ基含有化合物による処理の方法としては、たとえば(メタ)アクリル酸エステルに第1級および/または第2級アミノ基含有化合物を添加して所定の温度に加熱した後、好ましくはこの混合物を撹拌しながら一定時間保持する方法が用いられる。なお、デカンターで第1級および/または第2級アミノ基含有化合物を添加し、処理してもかまわないが、第1級および/または第2級アミノ基含有化合物による処理は攪拌しながら行なうことが好ましい。
【0020】
(メタ)アクリル酸エステルを第1級および/または第2級アミノ基含有化合物により処理する温度は、着色不純物と第1級および/または第2級アミノ基含有化合物との反応速度が速く、十分に着色成分を除去できるので20℃以上、特に30℃以上が好ましく、(メタ)アクリル酸エステルの重合を抑え、収率が低下するのを回避し、工程を安定運転する観点から100℃以下、特に80℃以下が好ましい。
【0021】
処理時間は、1分以上、特に5分以上が好ましく、300分以下、特に180分以下が好ましい。
【0022】
精製する(メタ)アクリル酸エステルに含まれる水の量としては、(メタ)アクリル酸エステルの種類やデカンテーションする際の温度により異なるが、通常、(メタ)アクリル酸エステル100質量部に対し、水5質量部以上、または、200質量部以下が好ましい。精製する(メタ)アクリル酸エステルが水を含まない場合、または、水の含有量が少ない場合には、通常、上記のような範囲の水の量を含有するように(メタ)アクリル酸エステルに水を添加することが好ましい。
【0023】
本発明では第1級および/または第2級アミノ基含有化合物を(メタ)アクリル酸エステルと水とが二層分離する状態で添加することが肝要である。本発明では、第1級および/または第2級アミノ基含有化合物を添加した(メタ)アクリル酸エステルを水と二層分離させて、デカンテーションにより水層を除去する。このとき、過剰の第1級および/または第2級アミノ基含有化合物や、着色不純物と第1級および/または第2級アミノ基含有化合物とが反応して生成したアミン化合物はほとんど全て水層へ溶解し、水層とともに系外へ除去される。水層を除去することなく蒸留操作を行うと、第1級および/または第2級アミノ基含有化合物やアミン化合物のため蒸留塔やリボイラーが汚れるため長期間安定に蒸留を行なうことが難しくなることがある。しかし、本発明によれば、蒸留塔やリボイラーは第1級および/または第2級アミノ基含有化合物やアミン化合物によって汚れることがほとんどなく、蒸留塔の長期安定運転が可能となる。
【0024】
デカンテーションは公知の方法で行なえばよく、通常、デカンターでの滞在時間は1分以上、300分以下程度が好ましく、処理温度は10℃以上、100℃以下が好ましい。
【0025】
また、水層を除去するためのデカンターを設ける場所は特に限定されないが、上述した理由により、第1級および/または第2級アミノ基含有化合物の添加とデカンテーションの間で蒸留を行うような配置は好ましくない。デカンターを設ける位置としては、例えば、第1級および/または第2級アミノ基含有化合物の添加位置と蒸留塔の間、蒸留塔の塔頂の留出液やサイドカットの液に第1級および/または第2級アミノ基含有化合物を添加した直後等が挙げられる。
【0026】
デカンテーションにより得られる(メタ)アクリル酸エステルは、通常、従来の方法と同様に、さらに蒸留により精製する。蒸留によって重合物や高沸点不純物等が除去される。
【0027】
本発明で使用される蒸留塔の型式としては一般的に使用される蒸留塔であれば特に限定はなく、例えばトレイ式や充填式等の蒸留塔が挙げられる。その運転条件は特に限定されず、公知の方法に従い適宜決めればよい。
【0028】
蒸留操作を行う際の圧力としては常圧から減圧で行うことが好ましく、モノマーの重合を抑制するためにも減圧下で行うことがさらに好ましい。
【0029】
このような本発明の精製方法によって得られる(メタ)アクリル酸エステルは、着色不純物の含有量が十分小さい。
【0030】
【実施例】
以下、本発明を実施例で詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されない。
【0031】
実施例では、(メタ)アクリル酸エステルの代表としてメタクリル酸メチルを用い、(メタ)アクリル酸エステルの着色不純物の一つであるジアセチルの濃度を測定した。ジアセチルは、ガスクロマトグラフィー(GC;島津製作所社製GC−17A)を使用し、絶対検量線法で定量した。実施例において%およびppmは特に記載がない場合を除き、それぞれ質量%および質量ppmを表す。
【0032】
また、メタクリル酸エステルの回収率は式(1)により定義される。
【0033】
回収率(%)=B/A×100 式(1)
A:仕込みのメタクリル酸エステルの質量
B:処理後の精製メタクリル酸エステルの質量
<実施例1>
アセトンと青酸を用いるアセトンシアンヒドリン法によりメタクリル酸メチルを得た。このメタクリル酸メチルにはジアセチル8ppm、水11.3%が含まれており、色数を表すAPHAは2であった。
【0034】
このメタクリル酸メチル100質量部に対し、トリエチレンテトラミン0.01質量部を添加し、攪拌しながら40℃で1時間処理した。そして、デカンターでの滞在時間1時間、処理温度40℃で処理液からデカンテーションによって水層を除去した。
【0035】
得られたメタクリル酸メチルを800.0g/hで連続的に30段のオールダーショウ型蒸留塔へ供給し、45kPaの減圧下で蒸留を行った。塔底温度は86℃、缶出速度は783.2g/hであった。続いて、得られた缶出液を10段のオールダーショウ型蒸留塔へ供給し、25kPaの減圧下、塔底温度64℃、留出速度729.1g/hで蒸留を行い、塔頂から精製メタクリル酸メチルを93%の回収率で回収した。
【0036】
得られた精製メタクリル酸メチル中に含まれるジアセチルの濃度は0.5ppm(定量限界)以下であり、色数はAPHA0あった。また、15日間蒸留塔の運転を行ったが、蒸留塔やリボイラーに汚れは確認されなかった。
<実施例2>
イソブチレンの気相接触酸化反応で得られたメタクロレインをさらに気相接触酸化反応してメタクリル酸を得た後、メタクリル酸とメタノールのエステル化反応を行ない、その反応液から抽出、蒸留により粗製メタクリル酸メチルを得た。粗製メタクリル酸メチルにはジアセチル27ppm、水1.5%が含まれており、色数はAPHA8であった。
【0037】
この粗製メタクリル酸メチル100質量部に対し、トリエチレンテトラミン0.02質量部、水50質量部を添加し、攪拌しながら40℃で1時間処理した。
【0038】
以下実施例1と同様にデカンテーションによる水層の除去蒸留を行い、精製メタクリル酸メチルを92%の回収率で回収した。
【0039】
得られた精製メタクリル酸メチル中に含まれるジアセチルの濃度は3ppmであり、色数はAPHA0であった。また、15日間蒸留塔の運転を行ったが、蒸留塔やリボイラーに汚れは確認されなかった。
<実施例3>
イソブチレンの気相接触酸化反応で得られたメタクロレインとメタノールとをパラジウム含有化合物を用いて反応させ、この反応液から蒸留操作により粗製メタクリル酸メチルを得た。粗製メタクリル酸メチルにはジアセチル23ppm、水1.1%が含まれており、色数はAPHA7であった。
【0040】
この粗製メタクリル酸メチルを実施例2と同様に精製したところ、得られた精製メタクリル酸メチル(回収率93%)中に含まれるジアセチルの濃度は2ppmであり、色数はAPHA0であった。また、15日間蒸留塔の運転を行ったが、蒸留塔やリボイラーに汚れは確認されなかった。
<比較例1>
実施例2において、メタクリル酸メチルに水を添加せず、デカンターにおいて二層分離することなく、そのまま蒸留操作を行った以外は実施例2と同様にメタクリル酸メチルを精製した。
【0041】
得られた精製後のメタクリル酸メチル(回収率93%)中に含まれるジアセチルの濃度は3ppmであり、色数はAPHA0であった。しかし、蒸留塔の運転開始から5日間経過すると蒸留塔に汚れが確認されはじめ、15日間の運転終了後には、蒸留塔およびリボイラーには汚れがかなり付着していた。
【0042】
【発明の効果】
本発明の(メタ)アクリル酸エステルの精製方法により、効率よく、かつ、簡便な方法で着色不純物を除去でき、さらには蒸留塔やリボイラーの汚れを低減させることができるので長期間安定にプロセスを運転できる。また、着色不純物の含有量の少ない(メタ)アクリル酸エステルを得ることができる。
Claims (5)
- 少なくとも水を1.1質量%以上含有する(メタ)アクリル酸エステルを精製する方法であって、(メタ)アクリル酸エステルに第1級および/または第2級アミノ基含有化合物を添加し、デカンテーションにて(メタ)アクリル酸エステルと水とを分離する工程を有し、該アミノ基含有化合物を添加した(メタ)アクリル酸エステルに含まれる水の濃度が、(メタ)アクリル酸エステル100質量部に対し、水5質量部以上200質量部以下となるように調整し、該量の水の存在下に30℃以上の温度で混合した後、デカンテーションすることを特徴とする(メタ)アクリル酸エステルの精製方法、
ただし、以下の水を含む(メタ)アクリル酸エステルを精製する方法(1)および(2)を除く。
精製方法(1):
(1a)水を含む(メタ)アクリル酸エステルを蒸留塔(A)に送り、水および若干量の(メタ)アクリル酸エステルを含有する蒸気を塔頂から留出させ、
(1b)蒸留塔(A)の塔頂から留出させた蒸気を凝縮器(B)により凝縮させ、その凝縮液をデカンター(C)に送り、
(1c)蒸留塔(A)の塔頂からデカンター(C)の間で、蒸留塔(A)の塔頂から留出させた蒸気またはその凝縮液に第1級および/または第2級アミノ基含有化合物を添加し、
(1d)第1級および/または第2級アミノ基含有化合物を添加した蒸留塔(A)の塔頂から留出させた蒸気の凝縮液をデカンター(C)で主に(メタ)アクリル酸エステルからなる上層と主に水からなる下層とに二層分離し、得られる主に(メタ)アクリル酸エステルからなる上層の一部または全部を蒸留塔(A)の塔頂部へ還流し、
(1e)蒸留塔(A)の塔底から(メタ)アクリル酸エステルを含有する缶出液を取り出して蒸留塔(E)に送り、高沸物を塔底より缶出させて除去し、塔頂から(メタ)アクリル酸エステルを留出させる(メタ)アクリル酸エステルの精製方法。
精製方法(2):
(2a)水を含む(メタ)アクリル酸エステルを蒸留塔(I)に送り、高沸物を塔底より缶出させて除去し、水および(メタ)アクリル酸エステルを含有する蒸気を塔頂から留出させ、
(2b)蒸留塔(I)の塔頂から留出させた蒸気を凝縮器(J)により凝縮させ、その凝縮液をデカンター(K)に送り、
(2c)蒸留塔(I)の塔頂からデカンター(K)の間で、蒸留塔(I)の塔頂から留出させた蒸気またはその凝縮液に第1級および/または第2級アミノ基含有化合物を添加し、
(2d)第1級および/または第2級アミノ基含有化合物を添加した蒸留塔(I)の塔頂から留出させた蒸気の凝縮液をデカンター(K)で主に(メタ)アクリル酸エステルからなる上層と主に水からなる下層とに二層分離し、得られる主に(メタ)アクリル酸エステルからなる上層の一部は蒸留塔(I)の塔頂部へ還流し、残りの上層は蒸留塔(M)へ送り、
(2e)デカンター(K)で得られる主に(メタ)アクリル酸エステルからなる上層を蒸留塔(M)で蒸留し、低沸物を塔頂から留出させて除去し、蒸留塔(M)の塔底から(メタ)アクリル酸エステルを含有する缶出液を取り出し、
(2f)蒸留塔(M)の塔底から取り出した缶出液を蒸留塔(Q)に送り、高沸物を塔底より缶出させて除去し、塔頂から(メタ)アクリル酸エステルを留出させる(メタ)アクリル酸エステルの精製方法。 - 前記アミノ基含有化合物を添加して前記量の水の存在下に混合する処理時間が1分以上300分以下である請求項1に記載の(メタ)アクリル酸エステルの精製方法。
- 上記デカンテーションにより得られる(メタ)アクリル酸エステルをさらに蒸留により精製する請求項1または2に記載の(メタ)アクリル酸エステルの精製方法。
- 精製前の(メタ)アクリル酸エステルが着色不純物としてジアセチル、メタクロレイン、クロトンアルデヒドおよびピルビン酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物を含有するものである請求項1〜3のいずれかに記載の(メタ)アクリル酸エステルの精製方法。
- (メタ)アクリル酸エステルがメタクリル酸メチルである請求項1〜4のいずれかに記載の(メタ)アクリル酸エステルの精製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001031408A JP4942878B2 (ja) | 2001-02-07 | 2001-02-07 | (メタ)アクリル酸エステルの精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001031408A JP4942878B2 (ja) | 2001-02-07 | 2001-02-07 | (メタ)アクリル酸エステルの精製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002234863A JP2002234863A (ja) | 2002-08-23 |
JP4942878B2 true JP4942878B2 (ja) | 2012-05-30 |
Family
ID=18895496
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001031408A Expired - Lifetime JP4942878B2 (ja) | 2001-02-07 | 2001-02-07 | (メタ)アクリル酸エステルの精製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4942878B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5083999B2 (ja) * | 2001-09-28 | 2012-11-28 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | メタクリル酸メチルの製造法 |
JP4573325B2 (ja) * | 2004-07-01 | 2010-11-04 | 三菱レイヨン株式会社 | メタクリル酸メチルの製造方法 |
JP2007045803A (ja) * | 2005-08-12 | 2007-02-22 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 精製されたメタクリル酸メチルを得る方法 |
TW201739730A (zh) * | 2015-12-18 | 2017-11-16 | 陶氏全球科技責任有限公司 | 用於純化甲基丙烯酸甲酯之方法 |
Family Cites Families (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5223017A (en) * | 1975-08-13 | 1977-02-21 | Toagosei Chem Ind Co Ltd | Process for purification of (meth) acrylic acid or its esters |
US4668818A (en) * | 1985-06-18 | 1987-05-26 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Methyl methacrylate production |
JPH07258161A (ja) * | 1994-03-25 | 1995-10-09 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | メタクリル酸エステルの精製方法 |
FR2721923B1 (fr) * | 1994-06-30 | 1996-08-14 | Atochem Elf Sa | Procede de fabrication de methacrylate de methyle sans diacetyle |
US5468899A (en) * | 1995-01-11 | 1995-11-21 | Bauer, Jr.; William | Process for purifying α,β-unsaturated esters |
JP3709014B2 (ja) * | 1996-06-05 | 2005-10-19 | 三菱レイヨン株式会社 | アクリル系樹脂廃材からモノマーを回収する方法 |
JPH1045669A (ja) * | 1996-08-06 | 1998-02-17 | Toagosei Co Ltd | (メタ)アクリル酸エステルの製造方法 |
JP2000256265A (ja) * | 1999-03-12 | 2000-09-19 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | メタクリル酸メチルの製造方法 |
JP4733275B2 (ja) * | 2001-01-10 | 2011-07-27 | 三菱レイヨン株式会社 | (メタ)アクリル酸エステルの精製方法 |
-
2001
- 2001-02-07 JP JP2001031408A patent/JP4942878B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002234863A (ja) | 2002-08-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6506657B2 (ja) | メタノールのカルボニル化工程のストリームからの過マンガン酸還元性化合物の除去 | |
JP5078606B2 (ja) | メタノールのカルボニル化工程のストリームからの過マンガン酸還元性化合物の除去 | |
JPH08208557A (ja) | 混合物から(メタ)アクリル酸を分離する方法及び(メタ)アクリル酸の製法 | |
EP0044409B1 (en) | Process for purifying methyl methacrylate | |
JP2003026633A (ja) | メタクリル酸エステルの製造方法 | |
US5292917A (en) | Process for purifying dimethyl carbonate | |
JP4733275B2 (ja) | (メタ)アクリル酸エステルの精製方法 | |
JP4942878B2 (ja) | (メタ)アクリル酸エステルの精製方法 | |
JP3532763B2 (ja) | メタクリル酸メチルの精製法 | |
JPH0244296B2 (ja) | ||
JP2001322968A (ja) | メタクリル酸エステルの精製方法 | |
JPS61218556A (ja) | アクリル酸の精製方法 | |
JPH04270249A (ja) | 炭酸ジメチルの精製法 | |
JP2924563B2 (ja) | 酢酸エチルの精製方法 | |
JP3918528B2 (ja) | (メタ)アクリル酸の精製方法 | |
JP4551044B2 (ja) | グリコール酸を用いるニトリルの処理 | |
JP4601120B2 (ja) | アクリル酸の製造方法 | |
JP2676910B2 (ja) | 高純度0‐トルイル酸の製造法 | |
JP2003321419A (ja) | 高純度(メタ)アクリル酸の製造方法 | |
JP4765165B2 (ja) | 高純度アクリル酸の製造方法 | |
JP2834436B2 (ja) | アクリル酸とブテン異性体との反応によるsec−ブチルアクリレートの製造方法 | |
JPH03181440A (ja) | アクリル酸の蒸留精製方法 | |
JPH1087552A (ja) | 高純度アクリル酸の製造方法 | |
JPS6215542B2 (ja) | ||
JPH0813779B2 (ja) | メタクリル酸のメタクリル酸メチルとしての回収方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080201 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20080904 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20101208 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110112 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120221 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120229 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 4942878 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150309 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150309 Year of fee payment: 3 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150309 Year of fee payment: 3 |
|
R371 | Transfer withdrawn |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150309 Year of fee payment: 3 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150309 Year of fee payment: 3 |
|
R371 | Transfer withdrawn |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |