JP2003055362A - 脂環式化合物 - Google Patents

脂環式化合物

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JP2003055362A JP2001237445A JP2001237445A JP2003055362A JP 2003055362 A JP2003055362 A JP 2003055362A JP 2001237445 A JP2001237445 A JP 2001237445A JP 2001237445 A JP2001237445 A JP 2001237445A JP 2003055362 A JP2003055362 A JP 2003055362A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】塗料、接着剤、レジスト用樹脂組成物、封止用
樹脂組成物、光導波路用樹脂組成物等の分野で利用され
る活性エネルギー線の照射および/または加熱で高い活
性(速重合性、速硬化性)を示すカチオン重合性組成物
を提供すること。 【解決手段】下記式で例示される(メタ)アクリル基と
オキセタニル基を同一分子内に有する脂環式化合物、そ
のラジカル重合体およびこれらを含む組成物。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は同一分子内に(メ
タ)アクリル基とオキセタニル基を有し、ラジカル重合
性とカチオン重合性を併有する脂環式化合物に関する。
さらに(メタ)アクリル基のみを単独もしくは、他の
(メタ)アクリル基を有する化合物と反応させることに
より側鎖にオキセタニル基を有する樹脂が得られる。
【0002】この化合物及び樹脂は少ない活性エネルギ
ー線照射量や低温、短時間で硬化する特徴を有し、塗
料、接着剤、レジスト用樹脂組成物、封止用樹脂組成
物、光導波路用樹脂組成物等に利用される。
【0003】
【従来の技術】カチオン重合性組成物は、紫外線等の活
性エネルギー線の照射や加熱により分解し酸を発生する
光カチオン重合開始剤(光酸発生剤)と、発生した酸に
より重合反応や架橋反応を起こす化合物から構成され
る。その開発は、3員環環状エーテルであるオキシラン
環を有するエポキシ樹脂に集中しており、光硬化型エポ
キシ樹脂は、接着性、耐熱性および耐薬品性等の諸特性
に優れることが知られている。しかしながら、従来の光
硬化型エポキシ樹脂には光硬化速度が非常に遅いという
問題があり、エポキシ樹脂の特性を生かしながら、硬化
速度を向上させることが熱望されてきた。
【0004】一方、重合性基として4員環環状エーテル
であるオキセタン環を一分子中に複数個有する多官能オ
キセタンモノマーは対応する多官能エポキシドと同様、
或いはそれ以上の光硬化性を有することが報告されてい
る(ジャーナル オブ マクロモレキュラー サイエン
ス、A29巻、10号、915項、1992年;同A3
0巻、2&3号、173項;同A30巻、2&3号、1
89項、1993年)。
【0005】そのほかにも現在までに様々なオキセタン
モノマーが開発され、例えばDE1021858には一般式(1
4)で表されるオキセタン化合物が開示されている。
【0006】
【化19】 (式中、Rは2以上の原子価を有する芳香族残基であ
り、nは1又は2である)更に、特開平6−16804
号公報には、一般式(15)で表されるオキセタン化合
物の記載がある。
【0007】
【化20】 (式中、R1は水素原子、1〜6個の炭素原子を有する
アルキル基、フッ素原子、1〜6個の炭素原子を有する
フルオロアルキル基、、アリル基、アリール基、フリル
基またはチエニル基であり、R2は線状または分岐状ア
ルキレン基、線状または分岐状ポリ(アルキレンオキ
シ)基、キシリレン基、シロキサン結合及びエステル結
合から成る群から選択される多価基であり、Zは酸素原
子または硫黄原子であり、mは2、3または4である)
で表される。
【0008】そして特開平8−245783号公報に
は、2、2’−ビトリレンジイル骨格を有する二官能オ
キセタンを始めとする数多くのオキセタン化合物の記載
がある。また、特開平7−17958号公報にはアリル
クロライドとヒドロキシメチルオキセタンとの反応によ
るオキセタン化合物の合成法記載されている。
【0009】さらに、米国特許第3388105号に同
一分子内にオキセタニル基とエポキシ基を有する脂環式
アルカンをカルボキシル基含有化合物と加熱付加反応さ
せることにより硬化させる記載があるが、エポキシ基を
(メタ)アクリル酸を反応させることによりラジカル重
合性とカチオン重合性を併有する化合物を得ることの記
載は全くなく、(メタ)アクリル基のみを反応させるこ
とにより側鎖にオキセタニル基を有する重合体が得られ
ることも知られていなかった。
【0010】また特開平2−228307号公報には一
般式(16)で表されるオキセタニル基と(メタ)アク
リル基を同一分子内に有するモノマー、並びに、必要に
応じて、他の一般的なビニルモノマーの樹脂状ポリマー
の開示がされている。
【0011】
【化21】 (式中、R1=H、CH3、R2=C1-8アルキレン、R3
=C1-6アルキル) また同様の構造を有する化合物や、他のモノマーと共重
合させた樹脂が特開平9−278866号公報、特開2
000−63371号公報や特開2000−86756
号公報に開示されているが、本発明の脂環式アルカンに
直接オキセタン基が結合した構造を有する化合物や樹脂
の記載は全くなく、また本発明の構造が同一樹脂中また
は他の混合樹脂中のカルボキシル基との付加反応や、カ
チオン重合に特に効果的に反応速度を向上させることは
全く知られていなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
事情に鑑みてなされたもので、(メタ)アクリル基とオ
キセタニル基を同一分子内に有する新規な脂環式化合
物、及びその重合体を提供するものであり、活性エネル
ギー線の照射および/または加熱で高い活性(速重合
性、速硬化性)を示すカチオン重合性組成物を提供する
ことを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
の解決について鋭意検討した結果、特定の同一分子内に
(メタ)アクリル基とオキセタニル基を有する脂環式化
合物(以後、「(a)」とする)および/または該化合
物(a)のラジカル重合物(a’)を含む組成物により
課題を解決できることを見いだし、本発明を完成するに
至った。すなわち、本発明は以下の[1]〜[31]に
示される脂環式化合物、重合体、硬化性組成物、硬化
物、およびその製造方法に関する。
【0014】[1](メタ)アクリル基とオキセタニル
基を同一分子内に有する脂環式化合物。 [2]一般式(1)または(2)で表される脂環式化合
物。
【0015】
【化22】
【化23】 (式中R1およびR2は水素原子またはメチル基であり、
mは0〜2の整数で、nはmが0の場合は2、それ以外
は1である。なお、mが0の場合は橋かけが存在しない
ことを意味する。) [3][2]に記載の一般式(1)で表される脂環式化
合物と一般式(2)で表される脂環式化合物の混合物。
【0016】[4]下記化学式(3)で表される脂環式
化合物。
【0017】
【化24】 [5]下記化学式(4)で表される脂環式化合物。
【0018】
【化25】 [6]下記化学式(5)で表される脂環式化合物。
【0019】
【化26】 [7]下記化学式(6)で表される脂環式化合物。
【化27】
【0020】[8]下記化学式(7)で表される脂環式
化合物。
【0021】
【化28】 [9]下記化学式(8)で表される脂環式化合物。
【0022】
【化29】 [10]下記化学式(9)で表される脂環式化合物。
【0023】
【化30】 [11]下記化学式(10)で表される脂環式化合物。
【0024】
【化31】
【0025】[12]下記化学式(11)で表される脂
環式化合物。
【0026】
【化32】 [13]下記化学式(12)で表される脂環式化合物。
【0027】
【化33】
【0028】[14]一般式(13)で表される同一分
子内にオキセタニル基とエポキシ基を有する化合物と、
アクリル酸またはメタクリル酸とを反応させて得られる
一般式(1)または一般式(2)で表される脂環式化合
物。
【0029】
【化34】 (式中R3は水素原子またはメチル基であり、mは0〜
2の整数で、nはmが0の場合は2、それ以外は1であ
る。なお、mが0の場合は橋かけが存在しないことを意
味する。)
【化35】
【化36】 (式中R1およびR2は水素原子またはメチル基であり、
mは0〜2の整数で、nはmが0の場合は2、それ以外
は1である。なお、mが0の場合は橋かけが存在しない
ことを意味する。) [15]一般式(13)で表される同一分子内にオキセ
タニル基とエポキシ基を有する化合物が7,8−エポキ
シ−2−オキサ−5−メチル−スピロ[3.5]ノナン
または6,7−エポキシ−2−オキサ−スピロ[3.
5]ノナンであることを特徴とする[14]に記載の脂
環式化合物。
【0030】[16]一般式(13)で表される同一分
子内にオキセタニル基とエポキシ基を有する化合物と、
アクリル酸またはメタクリル酸とを反応させることを特
徴とする一般式(1)または一般式(2)で表される脂
環式化合物の製造方法。
【0031】
【化37】 (式中R3は水素原子またはメチル基であり、mは0〜
2の整数で、nはmが0の場合は2、それ以外は1であ
る。なお、mが0の場合は橋かけが存在しないことを意
味する。)
【化38】
【化39】 (式中R1およびR2は水素原子またはメチル基であり、
mは0〜2の整数で、nはmが0の場合は2、それ以外
は1である。なお、mが0の場合は橋かけが存在しない
ことを意味する。) [17]第3級アミンまたは第4級アンモニウム塩を触
媒として用いることを特徴とする[16]に記載の脂環
式化合物の製造方法。
【0032】[18][1]〜[13]のいずれかに記
載の脂環式化合物(a)の少なくとも1種、ラジカル重
合性不飽和結合を有する化合物(b)、カチオン重合可
能な化合物(c)、活性エネルギー線の照射および/ま
たは加熱によりラジカル重合を開始させる化合物(d)
および活性エネルギー線の照射および/または加熱によ
りカチオン重合を開始させる化合物(e)を含むことを
特徴とする硬化性組成物。 [19][1]〜[13]のいずれかに記載の脂環式化
合物(a)の少なくとも1種をラジカル重合して得られ
る側鎖にオキセタニル基を有する重合体。 [20][1]〜[13]のいずれかに記載の脂環式化
合物(a)の少なくとも1種と分子内に1個のラジカル
重合可能な官能基を有する他の単量体(f)とをラジカ
ル重合して得られる側鎖にオキセタニル基を有する重合
体。 [21]単量体(f)の少なくとも1種が一個以上のエ
ポキシ基を有する化合物である[20]に記載の側鎖に
オキセタニル基を有する重合体。 [22]単量体(f)の少なくとも1種が一個以上のカ
ルボキシル基を有する化合物である、[20]に記載の
側鎖にオキセタニル基を有する重合体。
【0033】[23][19]〜[22]のいずれかに
記載の重合体(a’)の少なくとも1種および活性エネ
ルギー線の照射および/または加熱によりカチオン重合
を開始させる化合物(e)を含むことを特徴とする硬化
性組成物。 [24][19]〜[22]のいずれかに記載の重合体
(a’)の少なくとも1種、カチオン重合可能な化合物
(c)および活性エネルギー線の照射および/または加
熱によりカチオン重合を開始させる化合物(e)を含む
ことを特徴とする硬化性組成物。
【0034】[25][19]〜[22]のいずれかに
記載の重合体(a’)の少なくとも1種、ラジカル重合
性不飽和結合を有する化合物(b)、カチオン重合可能
な化合物(c)、活性エネルギー線の照射および/また
は加熱によりラジカル重合を開始させる化合物(d)、
および活性エネルギー線の照射および/または加熱によ
りカチオン重合を開始させる化合物(e)を含むことを
特徴とする硬化性組成物。 [26][1]〜[15]いずれかに記載の脂環式化合
物(a)の少なくとも1種、[19]〜[22]のいず
れかに記載の重合体(a’)の少なくとも1種、ラジカ
ル重合性不飽和結合を有する化合物(b)、カチオン重
合可能な化合物(c)、活性エネルギー線の照射および
/または加熱によりラジカル重合を開始させる化合物
(d)、および活性エネルギー線の照射および/または
加熱によりカチオン重合を開始させる化合物(e)を含
むことを特徴とする硬化性組成物。 [27]活性エネルギー線の照射および/または加熱に
よりカチオン重合を開始させる化合物(e)がスルフォ
ニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩およびジア
ゾニウム塩の中から選ばれた1種以上であることを特徴
とする[18]、[23]〜[26]のいずれかに記載
の硬化性組成物。
【0035】[28][23]〜[27]のいずれかに
記載の硬化性組成物を加熱することを特徴とする硬化物
の製造方法。 [29][23]〜[27]いずれかに記載の硬化性組
成物に活性エネルギー線を照射することを特徴とする硬
化物の製造方法。 [30][23]〜[27]のいずれかに記載の硬化性
組成物に活性エネルギー線を照射し、加熱することを特
徴とする硬化物の製造方法。 [31][23]〜[27]のいずれかに記載の硬化性
組成物よろ得られる硬化物。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。
【0037】本発明において用いる同一分子内に(メ
タ)アクリル基とオキセタニル基を同一分子内に有する
脂環式化合物(a)の代表例である一般式(1)または
一般式(2)で表される脂環式化合物は、(メタ)アク
リル酸と、オキセタニル基とエポキシ基を同一分子内に
有する脂環式化合物とを反応させ、(メタ)アクリル酸
のカルボキシル基がエポキシ基に開環付加することによ
って得ることができる。本発明において、「(メタ)ア
クリル酸」は、アクリル酸又はメタアクリル酸を意味す
るものとする。
【0038】オキセタニル基とエポキシ基を同一分子内
に有する脂環式化合物としては、以下のようなものが挙
げられる。すなわち、7,8−エポキシ−2−オキサ−
5−メチル−スピロ[3.5]ノナン、6,7−エポキ
シ−2−オキサ−スピロ[3.5]ノナン、スピロ
[5,6−エポキシノルボルナン−2,3’−オキセタ
ン]、スピロ[5,6−エポキシ−3−メチルノルボル
ナン−2,3’−オキセタン]等である。
【0039】これらの同一分子内にオキセタニル基とエ
ポキシ基を有する脂環式化合物は既知の方法で容易に合
成が可能であり、例えば米国特許3388105号等に
合成方法が記載されている。
【0040】また、(メタ)アクリル酸のカルボキシル
基をエポキシ基に開環付加させて脂環式化合物(a)を
合成する方法としては、無溶剤で、もしくはトルエン等
の溶剤中において(メタ)アクリル酸と、オキセタニル
基とエポキシ基を同一分子内に有する脂環式化合物を触
媒存在下、あるいは非存在下で反応させることにより得
ることができる。
【0041】触媒としては、テトラエチルアンモニウム
ブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テ
トラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアン
モニウムイオダイド、トリエチルベンジルアンモニウム
ブロマイド、テトラエチルホスホニウムブロマイド、テ
トラブチルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホ
スホニウムブロマイドなどのオニウム塩、トリエチルア
ミン、トリブチルアミン、1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジ
アザビシクロ[4.3.0]ノナ−5エン(DBN)、
1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DA
BCO)などのアミン類を用いることができる。
【0042】触媒の使用量はエポキシ基の開環付加反応
を充分に進行させるという点から、(メタ)アクリル酸
に対して0.001モル%以上、好ましくは0.01モ
ル%以上であることが望ましく、また製造コストの低
減、収率の向上、廃棄物量の低減及びエポキシ化合物の
重合抑制という点から(メタ)アクリル酸に対して10
モル%以下、好ましくは3モル%であることが望まし
い。
【0043】反応温度は特に限定なく、通常、室温〜1
50℃程度、好ましくは80〜120℃程度であること
が望ましい。またかかる反応の反応時間は特に限定され
るものではなく、通常1時間〜10時間程度で終了す
る。
【0044】また製造中及び製造後に(メタ)アクリル
基が不意に重合してしまうのを防止するために反応液及
び得られた脂環式化合物(a)中に重合防止剤を添加す
ることが望ましい。
【0045】重合防止剤としては、例えば4−ヒドロキ
シ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オ
キシル、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジン−N−オキシル等のN−オキシル化
合物;ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエー
テル、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール
などのフェノール系化合物;塩化第一銅などの銅化合
物;フェノチアジン、4−ヒドロキシ−2,2,6,6
−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどのアミノ
化合物;1,4−ジヒドロキシ−2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジン、1−ヒドロキシ−4−ベンゾイル
オキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなど
のヒドロキシルアミン化合物などが好ましく挙げられ
る。
【0046】これらは単独で用いることができるが2種
以上を併用してもよく、さらにこれら以外の他の重合防
止剤と併用することもできる。このような重合防止剤の
併用によれば、互いの相乗効果によってより優れた重合
抑制効果が発現される場合がある。
【0047】重合防止剤の量は充分な重合抑制効果が発
現され、(メタ)アクリル基とオキセタニル基を同一分
子内に有する脂環式化合物(a)を高収率で得るという
点から、反応に用いる(メタ)アクリル酸に対して5p
pm(質量)以上好ましくは50ppm(質量)以上で
あることが望ましいが、あまり多量に添加しても重合抑
制効果に大差が認められない。上限としては(メタ)ア
クリル酸に対して5000ppm(質量)以下、好まし
くは3000ppm(質量)以下であることが望まし
い。
【0048】本発明の一般式(1)で表される脂環式化
合物(a−1)または一般式(2)で表される脂環式化
合物(a−2)のオキセタン環は脂環構造にスピロ的に
直接結合しているため歪みが大きく、反応性に富む。そ
の結果本化合物を含む硬化性組成物は少ない照射エネル
ギー量または低温、短時間でのカチオン重合が可能であ
る。
【0049】本発明の脂環式化合物(a)は単独で、ま
たは他のラジカル重合性不飽和結合を有する化合物
(b)、カチオン重合可能な化合物(c)とを併用して
硬化性組成物とすることが可能である。この組成物はカ
チオン重合とラジカル重合を同時に行い強固な架橋体を
得ることや、カチオン重合もしくはラジカル重合の両者
を完結する前に、どちらかを選択的に行う事により硬化
の挙動を制御することも可能である。
【0050】また、脂環式化合物(a)または脂環式化
合物(a)のラジカル重合体は、分子内にオキセタニル
基を有しているためそれらを含む組成物は硬化(カチオ
ン重合)速度が速い事に加え、硬化物は吸水性が低いた
め結果として良好な耐水性を示す。さらに硬化収縮の程
度が小さいために密着性、寸法安定性に優れる特徴を有
する
【0051】ラジカル重合性不飽和結合を有する化合物
(b)としては公知慣用のラジカル重合性モノマーが使
用できる例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレ
ート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル
(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレー
ト、tert−ブチル(メタ)アクリレート等のアルキル
(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、2,3−ジヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート及びポ
リエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、多価
アルコールと(メタ)アクリル酸とのモノエステル化物
エステル化物、また上記の水酸基含有(メタ)アクリレ
ートにさらにε- カプロラクトンを開環重合した化合物
などの水酸基含有モノマー;アクリル酸、メタアクリル
酸、マレイン酸、無水マレイン酸などのカルボキシル基
含有重合性不飽和モノマー;グリシジル(メタ)アクリ
レート、メチルグリシジル(メタ)アクリレートなどの
(メチル)グリシジル基含有モノマー;スチレン、α−
メチルスチレン、フェニル(メタ)アクリレート、アク
リロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、メタ
クリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、1
−ビニル−2−ピロリドンなどの分子内に1つのラジカ
ル重合性基を有する化合物や、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メ
タ)アクリレート、多官能エポキシ(メタ)アクリレー
ト樹脂、多官能ウレタン(メタ)アクリレート樹脂等の
分子内に2ヶ以上のラジカル重合性基を有する化合物を
挙げることができる。
【0052】これらの化合物は、1種で、又は2種以上
を組合せて使用することができる。化合物(b)の添加
量は、本発明の(メタ)アクリル基とオキセタニル基を
同一分子内に有する脂環式化合物(a)100質量部に
対して0〜2000質量部、好ましくは10〜1000
質量部である。
【0053】本発明に用いられるカチオン重合可能な化
合物(c)としては同一分子内にオキセタニル基とエポ
キシ基を有する化合物(c−1)、分子内に一個以上の
エポキシ基を有し、オキセタニル基有しない化合物(c
−2)、分子内に一個以上のオキセタニル基を有し、エ
ポキシ基を有しない化合物(c−3)、(c−1)から
(c−3)いずれにも属さない化合物(c−4)が挙げ
られる。
【0054】(c−1)の化合物としては具体的には、
3−エチル−3−〔(オキシラニルメトキシ)メチル〕
オキセタン、7,8−エポキシ−2−オキサ−5−メチ
ル−スピロ[3.5]ノナン、6,7−エポキシ−2−
オキサ−スピロ[3.5]ノナン、スピロ[5,6−エ
ポキシノルボルナン−2,3’−オキセタン]、スピロ
[5,6−エポキシ−3−メチルノルボルナン−2,
3’−オキセタン]等があげられる。これらは単独でま
たは2種以上混合して使用することができる。
【0055】(c−2)としては公知慣用のエポキシ化
合物が使用できる。エポキシ化合物を本発明の組成物に
添加すると、得られた硬化物の耐熱性、耐薬品性がより
向上する。このエポキシ化合物は1分子中に1個以上の
エポキシ基を有するものであれば特に限定されない。
【0056】具体的には、ビスフェノールAジグリシジ
ルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、
ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフ
ェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノー
ルFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジ
グリシジルエーテル、ノボラック型エポキシ樹脂(例え
ばフェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール
・ノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラ
ック型エポキシ樹脂)、水添ビスフェノールAジグリシ
ジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエー
テル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、ト
リグリシジルイソシアヌレート等を用いることができ
る。
【0057】また、脂肪族エポキシ化合物として、
(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3’,
4’−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、2−
(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−
3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサ
ン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)ア
ジペート、ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニ
ルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−
6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4
−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−
エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレー
ト、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサ
ン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレン
グリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチ
ル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロ
ヘキサンカルボキシレート)が挙げられる。
【0058】更にエポキシヘキサヒドロフタル酸ジオク
チル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘ
キシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテ
ル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、
グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプ
ロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコー
ルジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジ
グリシジルエーテル、エチレングリコール、プロピレン
グリコール、グリセリン等の脂肪族多価アルコールに1
種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加するこ
とにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシ
ジルエーテル類;脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエ
ーテル類;脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエー
テル類;ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジ
ルエーテル、クレゾルグリシジルエーテル、ノニルフェ
ニルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート;
フェノール、クレゾール、ブチルフェノールまたはこれ
らにアルキレンオキサイドを付加して得られるポリエー
テルアルコールのモノグリシジルエーテル類;高級脂肪
酸のグリシジルエステル類;エポキシ化大豆油;エポキ
システアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸オクチ
ル、エポキシ化アマニ油、エポキシ化ポリブタジエン等
を挙げることができる。
【0059】これら分子内に1個以上のエポキシ基を有
し、オキセタニル基を有しない化合物(c−2)は単独
でまたは2種以上混合して使用することができる。化合
物(c−3)の具体例としては、トリメチレンオキシ
ド、3,3−ジメチルオキセタン、3,3−ジクロルメ
チルオキセタン、3−エチル−3−フェノキシメチルオ
キセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタ
ン(東亞合成社製;商品名EOXA)、ビス〔(3−エ
チル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン
(別名キシリレンジオキセタン;東亞合成社製;商品名
XDO)、トリ〔(3−エチル−3−オキセタニルメト
キシ)メチル〕ベンゼン、ビス〔(3−エチル−3−オ
キセタニルメトキシ)メチルフェニル〕エーテル、(3
−エチル−3−オキセタニルメトキシ)オリゴジメチル
シロキサンや、高分子量の多価オキセタン環を有する化
合物、具体的にはオキセタンオリゴマー(東亞合成社
製;商品名Oligo−OXT)、2−オキサスピロ
[3.5]ノナン、7−メチル−2−オキサスピロ
[3.5]ノナン、スピロ[アダマンタン−2,3’−
オキセタン]、スピロ[ビシクロ[2.2.1]ヘプタ
ン−2,3’−オキセタン]、スピロ[ビシクロ[2.
2.2]オクタン−2,3’−オキセタン]、スピロ
[7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,
3’−オキセタン]、2−オキサスピロ[3.5]ノナ
−6−エン、5−メチル−2−オキサスピロ[3.5]
ノナ−6−エン、スピロ[ビシクロ[2.2.1]ヘプ
タ−5−エン−2,3’−オキセタン]、スピロ[3−
メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,
3’−オキセタン]、5−メチル−2−オキサスピロ
[3.5]ノナン、スピロ[3−メチルビシクロ[2.
2.1]ヘプタン−2,3’−オキセタン]等が挙げら
れる。これら化合物(c−3)は、単独で、または2種
以上の混合物として使用できる。
【0060】(c−4)の具体例としては、テトラヒド
ロフラン、2,3−ジメチルテトラヒドロフラン等のオ
キソラン化合物;トリオキサン、1,3−ジオキソラ
ン、1,3,6−トリオキサンシクロオクタン等の環状
アセタール化合物;β−プロピオラクトン、ε−カプロ
ラクトン等の環状ラクトン化合物;エチレンスルフィ
ド、1,2−プロピレンスルフィド、チオエピクロロヒ
ドリン等のチイラン化合物;3,3−ジメチルチエタン
等のチエタン化合物;エチレングリコールジビニルエー
テル、トリエチレングリコルジビニルエーテル、トリメ
チロールプロパントリビニルエーテル等のビニルエーテ
ル化合物;エポキシ化合物とラクトンとの反応生成物で
あるスピロオルソエステル化合物;ビニルシクロヘキサ
ン、イソブチレン、ポリブタジエン等のエチレン性不飽
和化合物;環状エーテル化合物;環状チオエーテル化合
物;ビニル化合物等を挙げることができる。
【0061】これらの化合物(c−4)は1種を単独で
添加することもできるし、あるいは2種以上を組み合わ
せて添加することもできる。
【0062】化合物(c)の配合量(2種以上を併用す
る場合はそれらの合計量)は本発明の同一分子内に(メ
タ)アクリル基とオキセタニル基を有する脂環式化合物
(a)100質量部に対して0〜2000質量部、好ま
しくは10〜1000質量部である。添加量が2000
質量部を超えると、脂環式化合物(a)の速重合性、速
硬化性の効果が現れにくく、光硬化に際しては多量の照
射エネルギーを、熱硬化に際しては長時間で高温の処理
を必要としたりするため好ましくない。
【0063】本発明で用いる活性エネルギー線の照射お
よび/または加熱によりラジカル重合を開始させる化合
物(d)を説明する。活性エネルギー線の照射によりラ
ジカル重合を開始させる化合物としては、「光ラジカル
開始剤」、「UVラジカル開始剤」と当業界で言われる
もので、活性エネルギー線の照射によりラジカルを発生
する公知慣用のものが使用できる。ここで「活性エネル
ギー線」とは、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、電
子線等の放射線を意味する。
【0064】具体的な例としては、ベンゾイン、ベンゾ
インエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテ
ル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソ
ブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセ
トフェノン、2,2―ジメトキシ―2―フェニルアセト
フェノン、2,2―ジエトキシ―2―フェニルアセトフ
ェノン、2−ヒドロキシ−2―メチル―1―フェニルプ
ロパン―1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェ
ニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フ
ェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン(チバス
ペシャリティーケミカルズ社製;イルガキュア90
7)、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2−
(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノ
ン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジエチル
アミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−
メチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノ
ン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサン
トン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサ
ントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジ
メチルケタール、p−ジメチルアミン安息香酸エステ
ル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォ
スフィンオキサイド(BASF社製;ルシリンTP
O)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,
4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド
含有開始剤(チバスペシャリティーケミカルズ社製;イ
ルガキュア1700,149,1800)、ビス(2,
4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィ
ンオキサイド(チバスペシャリティーケミカルズ社製;
イルガキュア819)等が挙げられる。これらは1種ま
たは2種以上の混合物として使用できる。
【0065】加熱によりラジカル重合を開始させる化合
物の具体例は、1,1−ビス(tert−ブチルパーオ
キシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,
1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサ
ン、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)オク
タン、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブ
タン、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメ
ンハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオ
キサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサ
イド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロ
パーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチル
ハイドロパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオ
キサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジ
クミルパーオキサイド、α,α’−ビス(tert−ブ
チルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン、アセチルパーオキサイド、イソブチルパ
ーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイ
ルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,
5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベン
ゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパ
ーオキサイド、m−トルイルパーオキサイド、ジイソプ
ロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパ
ーオキシジカーボネート、ビス(4−ブチルシクロヘキ
シル)パーオキシジカーボネート、ジミリスチルパーオ
キシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキ
シジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシ
ジカーボネート、ジ−メトキシイソプロピルパーオキシ
ジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチ
ル)パーオキシジカーボネート、ジアリルパーオキシジ
カーボネート、tert−ブチルパーオキシアセテー
ト、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、te
rt−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチル
パーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシネオデ
カノエート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチル
ヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシ−3,
5,5−トリメチルヘキサノエート、tert−ブチル
パーオキシラウレート、tert−ブチルパーオキシベ
ンゾエート、ジ−tert−ブチルパーオキシイソフタ
レート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパ
ーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルパーオキシマレ
イン酸、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカー
ボネート、クミルパーオキシオクトエート、tert−
ヘキシルパーオキシピバレート、tert−ブチルパー
オキシネオヘキサノエート、tert−ヘキシルパーオ
キシネオヘキサノエート、アセチルシクロヘキシルスル
ホニルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシア
リルカーボネート等の有機過酸化物、前記有機過酸化物
と4−ジメチルアミノ安息香酸エチルや4−ジメチルア
ミノ安息香酸メチル、N,N−ジメチルアニリン、トリ
エタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイ
ソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸イ
ソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4
−ジメチルアミノ安息香酸(2−n−ブトキシ)エチ
ル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、
4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−
ジエチルアミノベンゾフェノン、N,N−ジメチル−p
−トルイジン等のアミン系還元剤との組み合わせ、前記
有機過酸化物とナフテン酸コバルト、オクテン酸コバル
ト等の金属系還元剤との組み合わせ、2,2’−アゾビ
ス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニ
トリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、
2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、
1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニト
リル)、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)ア
ゾ]ホルムアミド(2−(カルバモイルアゾ)イソブチ
ロニトリル)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダ
ゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス
{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチ
ル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、
2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス
(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミド}、
2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキ
シエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス
(2−メチルプロピオンアミド)2水和物、2,2’−
アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,
2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、ジメチル−
2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、
4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,
2’−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニ
トリル]等の有機アゾ化合物等が挙げられる。
【0066】活性エネルギー線の照射または加熱により
ラジカル重合を開始させる化合物(d)は、それぞれ使
用に当たっては1種または2種以上の混合物として使用
できる。
【0067】光照射によって組成物を硬化させる場合に
は活性エネルギー線の照射によりラジカル重合を開始さ
せる化合物を、加熱により組成物を硬化させる場合には
加熱によりラジカル重合を開始させる化合物を使用する
ことが望ましい。
【0068】化合物(d)の使用量は、組成物中のラジ
カル重合性不飽和基を有する化合物(e)と、必要に応
じて添加される後述のアルカリ可溶性樹脂(g)であっ
て(メタ)アクリル基を含有する樹脂の合計の(メタ)
アクリル基1当量(モル)に対し0.002〜0.5モ
ル、好ましくは0.005〜0.3モルである。光ラジ
カル開始剤の添加量が0.002モルより少ないと感度
不良となり、一方0.5モルを超えて添加しても感度の
向上みられず、経済的にも好ましくない。
【0069】本発明でいう活性エネルギー線の照射およ
び/または加熱によりカチオン重合を開始させる化合物
(e)は、加熱や紫外線などの活性エネルギー線の照射
によって変化し、酸などのカチオン重合を開始させる物
質を生成する化合物とすることができる。従って、化合
物(e)は一種のカチオン重合開始剤であり、当業界で
は「酸発生剤」とも呼ばれている。以降、本発明では化
合物(e)を酸発生型カチオン重合開始剤と称する。
酸発生型カチオン重合開始剤は、加熱または紫外線など
の光照射によってカチオン重合可能な基の開環カチオン
重合を促進し、形成される硬化物や塗膜の硬化を円滑に
進行させるために配合されるものである。
【0070】また、本発明で言う酸発生型カチオン重合
開始剤は加熱や紫外線などの活性エネルギー線の照射に
よって変化し、酸などのカチオン重合を開始させる物質
を生成する化合物であり、カルボン酸のように最初から
酸の形をとっている化合物は含まれない。
【0071】酸発生型カチオン重合開始剤としては公知
のスルホニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、
ジアゾニウム塩、アンモニウム塩およびフェロセン類等
が挙げられる。以下に具体的に例示するが、これらの化
合物に限定されるものではない。
【0072】スルホニウム塩系の酸発生型カチオン重合
開始剤としては、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)
フェニル]スルフィド ビスヘキサフルオロホスフェー
ト、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]ス
ルフィド ビスヘキサフルオロアンチモネート、ビス
[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド
ビステトラフルオロボレート、ビス[4−(ジフェニル
スルホニオ)フェニル]スルフィド テトラキス(ペン
タフルオロフェニル)ボレート、ジフェニル−4−(フ
ェニルチオ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロホ
スフェート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニ
ルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジフ
ェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムテ
トラフルオロボレート、ジフェニル−4−(フェニルチ
オ)フェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)ボレート、トリフェニルスルホニウムヘキ
サフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘ
キサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウ
ムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウム
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス
[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニ
ルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフル
オロホスフェート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロ
キシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スル
フィド ビスヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4
−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルス
ルホニオ)フェニル]スルフィド ビステトラフルオロ
ボレート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエト
キシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドテ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、などが
挙げられる。
【0073】ヨードニウム塩系の酸発生型カチオン重合
開始剤としては、ジフェニルヨードニウム ヘキサフル
オロホスフェート、ジフェニルヨードニウム ヘキサフ
ルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウム テト
ラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウム テトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(ドデ
シルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロホスフェ
ート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム ヘキサ
フルオロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨ
ードニウム テトラフルオロボレート、ビス(ドデシル
フェニル)ヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)ボレート、4−メチルフェニル−4−(1−
メチルエチル)フェニルヨードニウム ヘキサフルオロ
ホスフェート、4−メチルフェニル−4−(1−メチル
エチル)フェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチ
モネート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチ
ル)フェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4
−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニル
ヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)
ボレート、などが挙げられる。
【0074】ホスホニウム塩系の酸発生型カチオン重合
開始剤としては、エチルトリフェニルホスホニウムテト
ラフルオロボレート、エチルトリフェニルホスホニウム
ヘキサフルオロホスフェート、エチルトリフェニルホス
ホニウムヘキサフルオロアンチモネート、テトラブチル
ホスホニウムテトラフルオロボレート、テトラブチルホ
スホニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラブチル
ホスホニウムヘキサフルオロアンチモネートなどが挙げ
られる。
【0075】ジアゾニウム塩系の酸発生型カチオン重合
開始剤としては、フェニルジアゾニウム ヘキサフルオ
ロホスフェート、フェニルジアゾニウム ヘキサフルオ
ロアンチモネート、フェニルジアゾニウム テトラフル
オロボレート、フェニルジアゾニウム テトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)ボレート、などが挙げられる。
アンモニウム塩系の酸発生型カチオン重合開始剤として
は、1−ベンジル−2−シアノピリジニウム ヘキサフ
ルオロホスフェート、1−ベンジル−2−シアノピリジ
ニウム ヘキサフルオロアンチモネート、1−ベンジル
−2−シアノピリジニウム テトラフルオロボレート、
1−ベンジル−2−シアノピリジニウムテトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)ボレート、1−(ナフチルメチ
ル)−2−シアノピリジニウム ヘキサフルオロホスフ
ェート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニ
ウム ヘキサフルオロアンチモネート、1−(ナフチル
メチル)−2−シアノピリジニウム テトラフルオロボ
レート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニ
ウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレー
ト、などが挙げられる。
【0076】フェロセン系の酸発生型カチオン重合開始
剤としては、(2,4−シクロペンタジエン−1−イ
ル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)ヘ
キサフルオロホスフェート、(2,4−シクロペンタジ
エン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−
Fe(II)ヘキサフルオロアンチモネート、2,4−シ
クロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)
ベンゼン]−Fe(II)テトラフルオロボレート、2,
4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエ
チル)ベンゼン]−Fe(II)テトラキス(ペンタフル
オロフェニル)ボレート、などが挙げられる。
【0077】これらの酸発生型カチオン重合開始剤では
スルホニウム塩とヨードニウム塩系の開始剤が硬化速
度、安定性、経済性の面から好ましい。市販品として
は、旭電化工業社製SP−150、SP−170、CP
−66、CP−77;ユニオンカーバイド社製CYRA
CURE−UVI−6990、UVI−6974;日本
曹達社製CI−2855、CI−2639;三新化学工
業社製サンエイドSI−60;「イルガキュア261」
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製(2,4−シ
クロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)
ベンゼン]−Fe(II)ヘキサフルオロホスフェー
ト)、「ロードシル(RHODORSIL)207
4」;(ローヌ・プーラン社製4−メチルフェニル−4
−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム テトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)ボレート)等が挙げら
れる。
【0078】これら酸発生型カチオン重合開始剤は、上
述した材料の中から選択し、単独で使用することもで
き、2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
酸発生型カチオン重合開始剤の使用量の好適な範囲は、
特に制限がないが、カチオン重合可能な化合物の合計量
100質量部に対して0.05〜25質量部、好ましく
は1〜20質量部である。添加量が0.05質量部より
少ないと感度不良となり硬化するために著しく大きな光
照射エネルギーや長時間の高温処理が必要である。ま
た、25質量部を超えて添加しても感度の向上はせず、
経済的にも好ましくない。逆に硬化物中に未硬化成分と
して残存する量が多くなり硬化物性が低下する恐れがあ
る。
【0079】また活性エネルギー線で硬化させる際は、
重合速度を向上させるために、増感剤を使用することも
できる。そのような目的で使用する増感剤としては、ピ
レン、ペリレン、2,4−ジエチルチオキサントン、
2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジクロロチ
オキサントン、フェノチアジンなどが挙げられる。増感
剤を併用する場合の使用量は、活性エネルギー線の照射
によりラジカル重合を開始させる化合物と光酸発生型カ
チオン重合開始剤の総和100質量部に対して、0.1
〜100質量部の範囲が好ましい。
【0080】本発明の(メタ)アクリル基とオキセタニ
ル基を同一分子内に有する脂環式化合物(a)はその
(メタ)アクリル基の二重結合をラジカル重合させた重
合体(a’)とし、この重合体を硬化性組成物の一成分
として使用することができる。この重合体(a’)は脂
環式化合物(a)単独で、あるいは他の単量体(f)と
共重合して得らる。共重合させる単量体(f)は、特に
制限なく使用することができ、先述のラジカル重合性不
飽和結合を有する化合物(b)のうち、分子内に1ヶの
ラジカル重合性不飽和結合を有する化合物を使用するこ
とができる。
【0081】重合手法は、一般的なビニルモノマーの重
合法を用いることができる。汎用性やコスト等を考慮し
て、有機溶剤中における溶液型ラジカル重合法が適して
いる。即ち、キシレン、トルエン等の芳香族溶剤;メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系
溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、3−
メトキシブチルアセテート等のエステル系溶剤;n−ブ
タノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶
剤等の溶剤中でアゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイ
ルパーオキサイド等のラジカル重合開始剤の存在下、6
0〜150℃程度の範囲内で共重合反応を行なうことに
よって、容易に目的の重合体を得ることができる。また
使用用途によって溶剤が不要な場合は蒸留による除去
や、重合体が溶解しない溶剤に重合体溶液を注いでポリ
マー結晶を得る再沈殿法などを行えばよい。
【0082】本発明の硬化性組成物はこれまでに記述し
てきた脂環式化合物(a)、(b)、(c)、(d)、
(e)、脂環式化合物(a)の単独重合体、脂環式化合
物(a)と単量体(f)の共重合体などから構成されて
いるが、構成物質はこれらのみに限定されるものではな
い。
【0083】本発明の硬化性組成物は、粘度調整剤とし
て溶剤を添加することもできる。具体的には、エチルメ
チルケトン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、テ
トラメチルベンゼン、石油エーテル、石油ナフサ、ソル
ベントナフサ、エチレングリコールモノアルキルエーテ
ルまたはそのアセテート類;ジエチレングリコールモノ
またはジアルキルエーテル類;プロピレングリコールモ
ノアルキルエーテルまたはそのアセテート類;ジプロピ
レングリコールモノまたはジアルキルエーテル類等の公
知の有機溶剤類を単独でまたは2種以上を組合せて用い
ることができる。これら溶剤の添加量は、本発明の総組
成物全量100質量部(溶剤は除く)に対して0〜20
00質量部であり、使用方法に応じて適宜選択できる。
【0084】本発明の硬化性組成物は、耐熱性、密着
性、硬度などの特性を向上する目的で無機充填剤を配合
してもよい。具体的には、溶融シリカ粉末、結晶シリカ
粉末、アルミナ、ジルコン、ケイ酸カルシウム、炭酸カ
ルシウム、炭化珪素、窒化アルミ、窒化ホウ素、ベリリ
ウム、ジルコニア、タルク、クレー、水酸化アルミニウ
ム、等の粉体、またはこれらを球形化したビーズ、チタ
ン酸カリウム、炭化珪素、窒化ケイ素、アルミナ等の単
結晶繊維、ガラス繊維等を1種類以上配合して用いるこ
とができる。その使用量は、総組成物全量100質量部
(溶剤、無機充填剤は除く)に対して0〜2000質量
部が好ましい。また、無機充填剤は予め充分混合してお
くことが好ましい。
【0085】さらに必要に応じて、フタロシアニン・ブ
ルー、フタロシアニングリーン、アイオジン・グリー
ン、ジスアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化
チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラック等の公
知慣用の着色剤;シリコーン系、フッ素系、高分子系等
の消泡剤;レベリング剤;イミダゾール系、チアゾール
系、トリアゾール系、シランカップリング剤等の密着性
付与剤、三酸化アンチモン、リン酸エステル、赤リン及
びメラミン樹脂をはじめとする含窒素化合物等の難燃
剤、シリコーンオイルやシリコーンゴム粉末等の応力緩
和剤、ハイドロタルサイト、アンチモン−ビスマス等の
イオントラップ剤のような公知慣用の添加剤類を用いる
ことができる。
【0086】本発明の硬化性組成物はこれまでに記述し
てきた脂環式化合物(a)、(b)、(c)、(d)、
(e)、脂環式化合物(a)の単独重合体、脂環式化合
物(a)と単量体(f)の共重合体などの構成物質をハ
イスピードミキサー、ニーダー、ホモミキサー、プラネ
タリーミキサー等の公知慣用の混合装置やヘラを用い攪
拌で混合することで得ることができる。混合装置は各構
成物質を均一に混合することのできる装置であれば特に
限定はないが、組成物の粘度などを考慮して選定する必
要がある。
【0087】本発明における硬化性組成物は活性エネル
ギー線の照射および/または加熱によって重合(硬化)
させることができる。ここでいう活性エネルギー線と
は、紫外線、X線、電子線、γ線等を示す。紫外線を照
射する場合の光源としてはメタルハライドランプ、水銀
アークランプ、キセノンアークランプ、蛍光ランプ、炭
素アークランプ、タングステン−ハロゲン複写ランプ、
および太陽光等を挙げられる。
【0088】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定される
ものではない。実施例および比較例の中の「部」は特に
断りの無い限り質量部である。
【0089】[測定装置] 1.1H−NMR 日本電子社製核磁気共鳴測定装置 JEOL 270M
Hz 2.赤外吸収スペクトル 日本分光社製 フーリエ変換赤外分光光度計 VALO
R−III
【0090】[試薬類]なお実施例および比較例で使用
した材料のうち、主要な市販品は次のとおりである。市
販品は下記を含め、精製することなく、そのまま使用し
た。
【0091】M−309:東亞合成社製、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート エピコート828:油化シェルエポキシ社製、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂 XDO:東亞合成社製1,4−ビス[(3−エチル−3
−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン UVI−6990:ユニオンカーバイド社製、光カチオ
ン重合開始剤 サンエイドSI−60L:三新化学工業社製、熱カチオ
ン重合開始剤 ダロキュア1173:チバスペシャリティーケミカルズ
社製、光ラジカル重合開始剤 V−59:和光純薬工業社製、2,2−アゾビスイソブ
チロニトリル アクリル酸:和光純薬工業社製 特級試薬 メタクリル酸:和光純薬工業社製 特級試薬
【0092】市販されていない化合物は発明者が化学合
成したものを使用した。即ち、本発明の脂環式化合物
(a)の例として7,8−エポキシ−2−オキサ−5−
メチル−スピロ[3.5]ノナンとメタクリル酸との反
応付加物(化合物(A))については以下の方法により
合成した。
【0093】(実施例1) 7,8−エポキシ−2−オキサ−5−メチル−スピロ
[3.5]ノナンとメタクリル酸との反応付加物(化合
物A)の合成
【0094】<7,8−エポキシ−2−オキサ−5−メ
チル−スピロ[3.5]ノナンの合成>
【0095】1)6−メチル−3−シクロヘキセン−
1,1−ジメタノールの合成 3つ口フラスコにブタジエンとクロトンアルデヒドとの
Diels-Alder反応生成物である2−メチル−4−シクロ
ヘキセン−1−カルボアルデヒド327g、メタノール
600ml及び37%のホルマリン水729gを投入
し、この溶液を攪拌しながら60℃に昇温させた。続い
てKOH252gを蒸留水600mlに溶解した溶液を
2時間かけて滴下した。7時間攪拌し続けた後、反応溶
液を減圧濃縮し、二層の残渣を得た。約150mlに濃
縮された油層を300mlの蒸留水で洗浄した。油層を
減圧濃縮した後、3,5−ジ(t−ブチル)−4−ヒド
ロキシトルエン(BHT)を50mg添加し、減圧蒸留
を行い、無色結晶である6−メチル−3−シクロヘキセ
ン−1,1−ジメタノール311g(収率82%)を得
た。
【0096】2)6−メチル−3−シクロヘキセン−
1,1−ジメタノール環状炭酸エステルの合成 3つ口フラスコに6−メチル−3−シクロヘキセン−
1,1−ジメタノール310g(1.99 mol)、ジメチルカ
ーボネート(DMC)894g及び炭酸カリウム0.9
3gを仕込み、90℃に昇温し4時間還流させた。反応
溶液を室温に戻し、炭酸カリウムを濾別した。BHTを
120mg添加した後、残存するDMC及びメタノール
を2kPa(15mmHg)の減圧下で除去し、続いて
減圧蒸留を行い常温無色結晶である6−メチル−3−シ
クロヘキセン−1,1−ジメタノール環状炭酸エステル
を326g(収率89.4%)得た。
【0097】3)2−オキサ−9−メチル−スピロ
[3.5]ノナ−6−エンの合成 3つ口フラスコに6−メチル−3−シクロヘキセン−
1,1−ジメタノール環状炭酸エステル321.15
g、BHT642mg(0.2質量%)、LiCl1.9
3gを仕込み、マントルヒーターを用いて275℃で加
熱攪拌した。生成物を直ちに約8kPa(60mmH
g)の減圧下、系外に抜き出し、留出しなくなるまで4
時間加熱を続けた。生成物にBHT600mgを加え、
減圧蒸留を行い無色透明液体である2−オキサ−9−メ
チル−スピロ[3.5]ノナ−6−エンを187g(収率
71%)得た。
【0098】4)7,8−エポキシ−2−オキサ−5−
メチル−スピロ[3.5]ノナンの合成 2−オキサ−9−メチル−スピロ[3.5]ノナ−6−エ
ン50gを150mlのジクロロメタンに溶解させてか
ら反応器に投入した。m−クロロ過安息香酸93.7g
を400mlのジクロロメタンに懸濁させたものを反応
溶液が40℃を超えないように1時間かけて滴下した。
析出したm−クロロ安息香酸を濾別し、冷ジクロロメタ
ンでよく洗浄した。有機層に水酸化カルシウム15.0
gを投入し、30分攪拌後、析出した結晶を濾別し、冷
ジクロロメタンで洗浄した。有機層を5%のNaHSO
<SUB>4</SUB>水、飽和食塩水で洗浄した後濃縮し、減圧
蒸留により常温で無色固形状の7,8−エポキシ−2−
オキサ−5−メチル−スピロ[3.5]ノナンを38.
1g(収率73.7%)得た。
【0099】<7,8−エポキシ−2−オキサ−5−メ
チル−スピロ[3.5]ノナンとメタクリル酸との反応
付加物(化合物A)との反応>環流管を備えた100m
lのナスフラスコにを用い、7,8−エポキシ−2−オ
キサ−5−メチル[3.5]スピロノナン8.0g、メ
タクリル酸5.36gをトルエン40mlに溶解した。
ハイドロキノンモノメチルエーテル(関東化学試薬)1
50mg、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オク
タン(関東化学試薬)400mgをさらに加え、120
℃で20時間反応した。室温まで冷却した反応溶液に5
0mlのトルエンを加え、有機層を0.1N塩酸水溶液
(100ml)、蒸留水(100ml)、5%炭酸水素
ナトリウム水溶液(100ml)、蒸留水(100m
l)、飽和食塩水(100ml)の順で洗浄した後、硫
酸マグネシウムにより脱水乾燥した。トルエンを減圧留
去し室温で液状の化合物(A)9.1g(収率73%)
を得た。
【0100】得られた化合物(A)の1H−NMR(測
定溶媒:CDCl3)の測定結果はδ(ppm);0.
88,1.04,1.30(d,3H,5位メチル
基)、1.3−1.6(m,1H)、1.6−2.1
(m,2H)、1.96(s,3H,メタクリルのメチ
ル基)、2.1−2.7(m,2H)、3.5−3.9
(m,1H)、4.3−4.7(m,4H,オキセタン
環)、4.6−5.1(m,1H)、5.60(s,1
H,メタクリル基)、6.10(s,1H,メタクリル
基)であった。また、IRスペクトルにおいては、98
1cm-1にオキセタニル基の吸収、1718cm-1にエ
ステル基の吸収があり化合物(A)であることを同定し
た。
【0101】(実施例2) <6,7−エポキシ−2−オキサ−スピロ[3.5]ノ
ナンとアクリル酸との反応付加物(化合物B)の合成>
実施例1の7,8−エポキシ−2−オキサ−5−メチル
[3.5]スピロノナンの合成に用いたブタジエンとク
ロトンアルデヒドのDieles-Alder反応生成物の代わり
に、ブタジエンとアクロレインのDieles-Alder反応生成
物を用い、以降全く同様の反応を行うことにより6,7
−エポキシ−2−オキサ−スピロ[3.5]ノナンが得
られた。この化合物とアクリル酸とを実施例1と全く同
様の反応を行うことによりに6,7−エポキシ−2−オ
キサ−スピロ[3.5]ノナンとアクリル酸との反応付
加物が得られた。
【0102】得られた化合物の1H−NMR(CDC
3)の測定結果はδ(ppm);1.2−2.2
(m,4H)、2.1−2.6(m,2H)、3.5−
3.9(m,1H)、4.2−4.7(m,4H,オキ
セタン環)、4.62−5.0(m,1H)、5.7−
6.4(m,3H,アクリル基)であった。また、IR
スペクトルにおいては、985cm-1にオキセタニル基
の吸収、1720cm-1にエステル基の吸収があり、化
合物(B)であることを同定した。
【0103】(実施例3) <スピロ[5,6−エポキシノルボルナン−2,3’−
オキセタン]とメタクリル酸との反応付加物(化合物
C)の合成>実施例1の7,8−エポキシ−2−オキサ
−5−メチル[3.5]スピロノナンの合成に用いたブ
タジエンとクロトンアルデヒドのDieles-Alder反応生成
物の代わりにシクロペンタジエンとクロトンアルデヒド
のDieles-Alder反応生成物を用い、以降全く同様の反応
を行うことによりスピロ[5,6−エポキシノルボルナ
ン−2,3’−オキセタン]が得られた。この化合物と
メタクリル酸とを実施例1と全く同様の反応を行うこと
によりにスピロ[5,6−エポキシノルボルナン−2,
3’−オキセタン]とメタアクリル酸との反応付加物が
得られた。
【0104】得られた化合物の1H−NMR(CDC
3)の測定結果はδ(ppm);1.05(d,3
H,5位メチル基)、1.3−2.6(m,5H)、
1.96(s,3H,メタクリルのメチル基)、3.5
−3.9(m,1H)、4.3−4.7(m,4H,オ
キセタン環)、4.6−5.1(m,1H)、5.60
(s,1H,メタクリル基)、6.10(s,1H,メ
タクリル基)であった。また、IRスペクトルにおいて
は、981cm-1にオキセタニル基の吸収、1720c
-1にエステル基の吸収があり化合物(C)であること
を同定した。
【0105】(実施例4) <化合物(A)とメタクリル酸メチルの共重合体の合成
(樹脂A)>300mlの三口フラスコを用い化合物
(A)14.6g、メタクリル酸メチル12.0g、V
−59(300mg)を酢酸ブチル150mlに溶解し
た。反応容器内を窒素置換した後90℃にて30分反応
を行った。重合が開始されると生成した樹脂が沈殿とな
って析出した。得られた樹脂を濾別し、酢酸ブチルで洗
浄後、乾燥した。無色結晶状である樹脂22.0gを得
た。GPCを用いて分子量を測定したところスチレン換
算でMn=3000、Mw=5500であった。
【0106】得られた樹脂の1H−NMR(CDCl3
は、δ(ppm)3.5−3.8(b,メタクリル酸の
メチルエステルプロトン)、4.2−4.7(m,オキ
セタンプロトン)、また5.6ppmや6.1ppmの
化合物A由来のメタクリル酸のプロトンは観測されなか
った。さらにIRスペクトルにおいては、981cm -1
にオキセタニル基、1728cm-1にエステル基に特異
的な吸収が観測されたので、目的の樹脂(A)であると
同定した。
【0107】(実施例5) <化合物(A)とメタクリル酸の共重合体の合成 (樹
脂B)>100mlの三口フラスコを用い化合物(A)
3.25g、メタクリル酸2.57g、V−59(30
3mg)を酢酸ブチル30mlに溶解した。反応容器内
を窒素置換した後90℃にて30分反応を行った。重合
が開始されると生成した樹脂が沈殿となって析出した。
得られた樹脂を濾別し、酢酸ブチルで洗浄後乾燥した。
無色結晶である樹脂が5.0g得られた。GPCを用い
て分子量を測定したところスチレン換算でMn=500
0、Mw=6500であった。得られた樹脂のIRスペ
クトルにおいては、966cm-1にオキセタン基、17
17cm-1にエステル基の特異的な吸収が観測されたの
で、目的の樹脂(B)であると同定した。
【0108】(実施例6)実施例1で得られた化合物
(A)(2.15g)、UVI−6990(280m
g)及びダロキュア1173(120mg)を量り取り
ヘラを用いて充分に混合し光硬化性組成物を得た。イソ
プロピルアルコールで洗浄した1mm厚のアルミ基板に
10μmの厚さになるように光硬化性樹脂を塗布した。
その後、メタルハライドランプ(ウシオ電気社製:UV
C−302/1MN:302/5XX−DX01、搭載
ランプUVL−30000M2−N1)を用いて、10
00mJ/cm2の活性エネルギー線を照射した。得ら
れた硬化塗膜の表面はタックが無く、JIS5400に
準じた鉛筆硬度の値は2Hであり、塗膜をアセトンを染
み込ませた綿棒を100回擦っても下地が見えず、完全
に硬化していた。
【0109】(実施例7)実施例6の光硬化性組成物の
組成を、実施例2で得られた化合物(B)(1.04
g)、M−309(1.02g)、エピコート828
(2.20g)、UVI−6990(560mg)及び
ダロキュア1173(240mg)にすること以外は全
く同様の操作を行った。得られた硬化塗膜の表面はタッ
クが無く、JIS5400に準じた鉛筆硬度の値は2H
であり、塗膜をアセトンを染み込ませた綿棒を100回
擦っても下地が見えず、完全に硬化していた。
【0110】(実施例8)実施例6の光硬化性組成物の
組成を、実施例3で得られた樹脂(B)(0.51
g)、エピコート828(1.68g)及びUVI−6
990(280mg)にすること以外は全く同様の操作
を行った。得られた硬化塗膜の表面はタックが無く、J
IS5400に準じた鉛筆硬度の値は2Hであり、塗膜
をアセトンを染み込ませた綿棒を100回擦っても下地
が見えず、完全に硬化していた。
【0111】(実施例9)化合物(A)(83.8
g)、SI−60L(11.3g)、V−59(4.9
g)を量り取りヘラを用いて充分に混合し熱硬化性組成
物を得た。この組成物2.0gを6mlガラスサンプル
瓶に入れ、窒素置換した後栓をした。100℃のオイル
バス浴に浸け50秒経過した時点で流動性が無くなり、
この時間を硬化時間とした。また硬化後にアセトン3.
0mlをガラス瓶内に入れたが、硬化物は溶解せず完全
に硬化していることを確認した。結果を表1に示す。
【0112】(実施例10〜14)実施例9で調製した
熱硬化性組成物の配合を表1のとおりにした以外は全く
同様の操作を行い、硬化時間とアセトン溶解性を確認し
た。結果を表1に示す。
【0113】
【表1】 表1に示す通り、本発明の同一分子内に(メタ)アクリ
ル基とオキセタニル基を有する脂環式化合物(a)及び
該脂環式化合物(a)と他の単量体からなる樹脂は、短
時間の加熱で硬化することがわかる。実施例4の硬化物
がアセトンに不溶であることから、脂環式化合物(a)
はカチオン重合性、ラジカル重合性を併有し、架橋に有
効的に作用していることが明らかである。
【0114】
【発明の効果】本発明の(メタ)アクリル基とオキセタ
ニル基を同一分子内に有する新規な脂環式化合物、及び
その重合体は、少ない活性エネルギー線照射量、あるい
は低温短時間の加熱で十分硬化する。そのため熱に弱い
材料への適応や、生産性を向上が可能であり、塗料、接
着剤、エレクトロニクス分野に極めて有用なものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C048 TT08 XX01 XX02 XX04 4H039 CA60 CA66 CF30 CH70 4J005 AA05 AA07 AA09 BA00 BB01 BB02 4J100 AB02Q AB03Q AG04Q AJ02Q AJ09Q AK32Q AL03Q AL08P AL08Q AL09Q AL10Q AL62Q AL63Q AM02Q AM17Q AQ08Q BA03P BA03Q BA08Q BC04P BC08P BC43Q BC53P CA01 CA04 FA03 JA01 JA03 JA32 JA37

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(メタ)アクリル基とオキセタニル基を同
    一分子内に有する脂環式化合物。
  2. 【請求項2】一般式(1)または(2)で表される脂環
    式化合物。 【化1】 【化2】 (式中R1およびR2は水素原子またはメチル基であり、
    mは0〜2の整数で、nはmが0の場合は2、それ以外
    は1である。なお、mが0の場合は橋かけが存在しない
    ことを意味する。)
  3. 【請求項3】請求項2に記載の一般式(1)で表される
    脂環式化合物と一般式(2)で表される脂環式化合物の
    混合物。
  4. 【請求項4】下記化学式(3)で表される脂環式化合
    物。 【化3】
  5. 【請求項5】下記化学式(4)で表される脂環式化合
    物。 【化4】
  6. 【請求項6】下記化学式(5)で表される脂環式化合
    物。 【化5】
  7. 【請求項7】下記化学式(6)で表される脂環式化合
    物。 【化6】
  8. 【請求項8】下記化学式(7)で表される脂環式化合
    物。 【化7】
  9. 【請求項9】下記化学式(8)で表される脂環式化合
    物。 【化8】
  10. 【請求項10】下記化学式(9)で表される脂環式化合
    物。 【化9】
  11. 【請求項11】下記化学式(10)で表される脂環式化
    合物。 【化10】
  12. 【請求項12】下記化学式(11)で表される脂環式化
    合物。 【化11】
  13. 【請求項13】下記化学式(12)で表される脂環式化
    合物。 【化12】
  14. 【請求項14】一般式(13)で表される同一分子内に
    オキセタニル基とエポキシ基を有する化合物と、アクリ
    ル酸またはメタクリル酸とを反応させて得られる一般式
    (1)または一般式(2)で表される脂環式化合物。 【化13】 (式中R3は水素原子またはメチル基であり、mは0〜
    2の整数で、nはmが0の場合は2、それ以外は1であ
    る。なお、mが0の場合は橋かけが存在しないことを意
    味する。) 【化14】 【化15】 (式中R1およびR2は水素原子またはメチル基であり、
    mは0〜2の整数で、nはmが0の場合は2、それ以外
    は1である。なお、mが0の場合は橋かけが存在しない
    ことを意味する。)
  15. 【請求項15】一般式(13)で表される同一分子内に
    オキセタニル基とエポキシ基を有する化合物が7,8−
    エポキシ−2−オキサ−5−メチル−スピロ[3.5]
    ノナンまたは6,7−エポキシ−2−オキサ−スピロ
    [3.5]ノナンであることを特徴とする請求項14に
    記載の脂環式化合物。
  16. 【請求項16】一般式(13)で表される同一分子内に
    オキセタニル基とエポキシ基を有する化合物と、アクリ
    ル酸またはメタクリル酸とを反応させることを特徴とす
    る一般式(1)または一般式(2)で表される脂環式化
    合物の製造方法。 【化16】 (式中R3は水素原子またはメチル基であり、mは0〜
    2の整数で、nはmが0の場合は2、それ以外は1であ
    る。なお、mが0の場合は橋かけが存在しないことを意
    味する。) 【化17】 【化18】 (式中R1およびR2は水素原子またはメチル基であり、
    mは0〜2の整数で、nはmが0の場合は2、それ以外
    は1である。なお、mが0の場合は橋かけが存在しない
    ことを意味する。)
  17. 【請求項17】第3級アミンまたは第4級アンモニウム
    塩を触媒として用いることを特徴とする請求項16に記
    載の脂環式化合物の製造方法。
  18. 【請求項18】請求項1〜13のいずれかに記載の脂環
    式化合物(a)の少なくとも1種、ラジカル重合性不飽
    和結合を有する化合物(b)、カチオン重合可能な化合
    物(c)、活性エネルギー線の照射および/または加熱
    によりラジカル重合を開始させる化合物(d)および活
    性エネルギー線の照射および/または加熱によりカチオ
    ン重合を開始させる化合物(e)を含むことを特徴とす
    る硬化性組成物。
  19. 【請求項19】請求項1〜13のいずれかに記載の脂環
    式化合物(a)の少なくとも1種をラジカル重合して得
    られる側鎖にオキセタニル基を有する重合体。
  20. 【請求項20】請求項1〜13のいずれかに記載の脂環
    式化合物(a)の少なくとも1種と分子内に1個のラジ
    カル重合可能な官能基を有する他の単量体(f)とをラ
    ジカル重合して得られる側鎖にオキセタニル基を有する
    重合体。
  21. 【請求項21】単量体(f)の少なくとも1種が一個以
    上のエポキシ基を有する化合物である請求項20に記載
    の側鎖にオキセタニル基を有する重合体。
  22. 【請求項22】単量体(f)の少なくとも1種が一個以
    上のカルボキシル基を有する化合物である、請求項20
    に記載の側鎖にオキセタニル基を有する重合体。
  23. 【請求項23】請求項19〜22のいずれかに記載の重
    合体(a’)の少なくとも1種および活性エネルギー線
    の照射および/または加熱によりカチオン重合を開始さ
    せる化合物(e)を含むことを特徴とする硬化性組成
    物。
  24. 【請求項24】請求項19〜22のいずれかに記載の重
    合体(a’)の少なくとも1種、カチオン重合可能な化
    合物(c)および活性エネルギー線の照射および/また
    は加熱によりカチオン重合を開始させる化合物(e)を
    含むことを特徴とする硬化性組成物。
  25. 【請求項25】請求項19〜22のいずれかに記載の重
    合体(a’)の少なくとも1種、ラジカル重合性不飽和
    結合を有する化合物(b)、カチオン重合可能な化合物
    (c)、活性エネルギー線の照射および/または加熱に
    よりラジカル重合を開始させる化合物(d)、および活
    性エネルギー線の照射および/または加熱によりカチオ
    ン重合を開始させる化合物(e)を含むことを特徴とす
    る硬化性組成物。
  26. 【請求項26】請求項1〜15のいずれかに記載の脂環
    式化合物(a)の少なくとも1種、請求項19〜22の
    いずれかに記載の重合体(a’)の少なくとも1種、ラ
    ジカル重合性不飽和結合を有する化合物(b)、カチオ
    ン重合可能な化合物(c)、活性エネルギー線の照射お
    よび/または加熱によりラジカル重合を開始させる化合
    物(d)、および活性エネルギー線の照射および/また
    は加熱によりカチオン重合を開始させる化合物(e)を
    含むことを特徴とする硬化性組成物。
  27. 【請求項27】活性エネルギー線の照射および/または
    加熱によりカチオン重合を開始させる化合物(e)がス
    ルフォニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩およ
    びジアゾニウム塩の中から選ばれた1種以上であること
    を特徴とする請求項18、23〜26のいずれかに記載
    の硬化性組成物。
  28. 【請求項28】請求項23〜27のいずれかに記載の硬
    化性組成物を加熱することを特徴とする硬化物の製造方
    法。
  29. 【請求項29】請求項23〜27のいずれかに記載の硬
    化性組成物に活性エネルギー線を照射することを特徴と
    する硬化物の製造方法。
  30. 【請求項30】請求項23〜27のいずれかに記載の硬
    化性組成物に活性エネルギー線を照射し、加熱すること
    を特徴とする硬化物の製造方法。
  31. 【請求項31】請求項23〜27のいずれかに記載の硬
    化性組成物より得られる硬化物。
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