JP6478447B2 - アダマンチル(メタ)アクリレート系化合物の製造方法 - Google Patents
アダマンチル(メタ)アクリレート系化合物の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6478447B2 JP6478447B2 JP2013075289A JP2013075289A JP6478447B2 JP 6478447 B2 JP6478447 B2 JP 6478447B2 JP 2013075289 A JP2013075289 A JP 2013075289A JP 2013075289 A JP2013075289 A JP 2013075289A JP 6478447 B2 JP6478447 B2 JP 6478447B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water
- adamantyl
- meth
- crystallization
- mass
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
- 0 *C(C(C1)C2)(C3CCC1C=C2C3)O Chemical compound *C(C(C1)C2)(C3CCC1C=C2C3)O 0.000 description 2
Description
アダマンチル(メタ)アクリレート系化合物中の不純物の含有量を低減し純度を向上する方法として晶析法があり、晶析溶媒として、水を加えた水溶性溶媒を用いた方法が開示されている(特許文献1参照)。また、芳香族炭化水素溶媒(i)、脂肪族炭化水素とエステルとの混合溶媒(ii)、水と水混和性溶媒との混合溶媒(iii)のいずれかの溶媒を用いて晶析する方法が開示されている(特許文献2)。さらに、蒸留後のアダマンチルアクリレート系化合物にアルコール溶媒を添加して晶析する方法が開示されている(特許文献3)。
また、特許文献2又は3に記載の方法では、アダマンチルアクリレート系化合物の種類によっては、純度や回収率が不十分となる場合があることが分かった。特に、特許文献2の実施例では、本明細書中の一般式(B)で表されるアダマンチルアクリレート系化合物に相当する化合物を、イソプロピルアルコール50質量%及び水50質量%からなる混合溶媒にて晶析しているが、本発明者らのさらなる検討によると、この条件での精製では純度が99%を超えることがほぼ無く、純度が不十分となることが判明した。
(1)下記一般式(a)又は(b)
で表される化合物と、(メタ)アクリル酸系化合物又はその誘導体とを反応させることにより、下記一般式(A)又は(B)
(2)前記第1の晶析に、少なくとも1種の水溶性有機溶媒を用い、かつ前記第2の晶析に前記水溶性有機溶媒100質量部に対し水45〜1質量部を添加して用いる、上記(1)に記載のアダマンチル(メタ)アクリレート系化合物の製造方法。
(3)前記第1の晶析に、少なくとも1種の水溶性有機溶媒と該水溶性有機溶媒100質量部に対し水X〜Y質量部とからなる混合溶媒を用い、かつ前記第2の晶析に水(45−X)〜Z質量部(Y<X<45、45−X>Z,Y+Z=1;X、Y、Zは正の数)を添加して用いる、上記(1)に記載のアダマンチル(メタ)アクリレート系化合物の製造方法。
(4)前記第1の晶析の温度が、0〜50℃である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のアダマンチル(メタ)アクリレート系化合物の製造方法。
(5)前記第2の晶析の温度が、−30〜10℃であり、かつ前記第1の晶析の温度より低い、上記(1)〜(4)のいずれかに記載のアダマンチル(メタ)アクリレート系化合物の製造方法。
(6)前記第1の晶析が、粗アダマンチルアクリレート系化合物を蒸留精製した後に行われる、上記(1)〜(5)のいずれかに記載のアダマンチル(メタ)アクリレート系化合物の製造方法。
(7)前記水溶性有機溶媒が、水溶性アルコール、アセトン及びアセトニトリルから選択される少なくとも1種である、上記(1)〜(6)のいずれかに記載のアダマンチル(メタ)アクリレート系化合物の製造方法。
(8)前記水溶性アルコールが、メタノール、エタノール及びイソプロパノールから選択される少なくとも1種である、上記(7)に記載のアダマンチル(メタ)アクリレート系化合物の製造方法。
(9)前記水溶性アルコールが、メタノールである、上記(7)に記載のアダマンチル(メタ)アクリレート系化合物の製造方法。
(10)R1が炭素数2〜8のアルキル基である、上記(1)〜(9)のいずれかに記載のアダマンチル(メタ)アクリレート系化合物の製造方法。
(11)R1が、イソプロピル基であり、R4がメチル基である、上記(1)〜(9)のいずれかに記載のアダマンチル(メタ)アクリレート系化合物の製造方法。
(12)R2及びR3がいずれも炭素数1〜3のアルキル基である、上記(1)〜(9)のいずれかに記載のアダマンチル(メタ)アクリレート系化合物の製造方法。
(13)R2及びR3がいずれもメチル基またはエチル基であり、R4がメチル基である、上記(1)〜(9)に記載のアダマンチル(メタ)アクリレート系化合物の製造方法。
本発明のアダマンチル(メタ)アクリレート系化合物の製造方法は、下記一般式(a)又は(b)
で表されるアルコール化合物[以下、それぞれアルコール化合物(a)、アルコール化合物(b)と称することがある。]と、(メタ)アクリル酸系化合物又はその誘導体とを反応させることにより、下記一般式(A)又は(B)
で表される粗アダマンチル(メタ)アクリレート系化合物[以下、それぞれ粗アダマンチル(メタ)アクリレート系化合物(A)、粗アダマンチル(メタ)アクリレート系化合物(B)と称することがある。]を得て、得られた粗アダマンチル(メタ)アクリレート系化合物を、少なくとも1種の水溶性有機溶媒を用いて第1の晶析をしたのち、前記水溶性有機溶媒100質量部に対し水100〜1質量部を添加して第2の晶析をする、又は、少なくとも1種の水溶性有機溶媒と該水溶性有機溶媒100質量部に対し水X〜Y質量部とからなる混合溶媒を用いて第1の晶析をしたのち、さらに、水(100−X)〜Z質量部(Y<X<100、100−X>Z、Y+Z=1;X、Y、Zは正の数)を添加して第2の晶析をすることを、特徴とするものであり、当該方法によって、高純度かつ高回収率のアダマンチル(メタ)アクリレート系化合物[以下、それぞれアダマンチル(メタ)アクリレート系化合物(A)、アダマンチル(メタ)アクリレート系化合物(B)と称することがある。]を得ることができる。
R1〜R3が表す炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、2−ペンチル基、各種オクチル基(「各種」は、直鎖状及び分岐鎖状のあらゆるものを含むことを示し、以下、同様である。)、各種デシル基等が挙げられる。
R1〜R3が表す炭素数3〜10のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、シクロオクチル基、メチルシクロオクチル基、シクロデシル基等が挙げられる。
中でも、R1としては、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基が好ましく、炭素数2〜8のアルキル基、炭素数6〜10のシクロアルキル基がより好ましく、2−ペンチル基、イソプロピル基、シクロオクチル基がさらに好ましい。
R2及びR3は、同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。R2及びR3としては、いずれも、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、メチル基及びエチル基がさらに好ましい。
R4としては、水素原子又はメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
例えば、アルコール化合物(a)中のMが金属原子であるものは、2−アダマンタノンとR1X(R1は前記定義の通りである。Xは、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子である。)で表されるハロゲン化アルキルを金属リチウムの存在下に反応させることにより、容易に製造できる。
また、例えば、アルコール化合物(b)は、1−アダマンチルカルボン酸エステルと、R2MX又はR3MX(R2及びR3は前記定義の通りである。ここでのMは、金属原子である。Xは、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子である。)で表される有機金属化合物を反応させることにより、容易に製造できる。
アルコール系化合物と反応させる(メタ)アクリル酸系化合物又はその誘導体の具体例を以下に示す。アクリル酸系化合物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−トリフルオロメチルアクリル酸、α−フルオロアクリル酸等が挙げられる。アクリル酸系化合物の誘導体としては、例えば、(メタ)アクリル酸クロライド、α−トリフルオロメチルアクリル酸クロライド、α−フルオロアクリル酸クロライド等の酸ハライド(好ましくは、酸クロライド);(メタ)アクリル酸ビニル、(メタ)アクリル酸イソプロペニル、(メタ)アクリル酸1−シクロヘキセニル、(メタ)アクリル酸2,6−ジメチル−1−シクロヘキセニル、(メタ)アクリル酸1−フェニルエテニル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸4−ニトロフェニル等のエステル化合物;(メタ)アクリル酸無水物及びα−トリフルオロメチルアクリル酸無水物等の酸無水物が挙げられる。
酸無水物法では、(メタ)アクリル酸系化合物又はその誘導体として、アクリル酸無水物、メタクリル酸無水物及びα-トリフルオロメチルアクリル酸無水物等の酸無水物を用いることができる。好ましくは無水アクリル酸、無水メタクリル酸であり、より好ましくは無水メタクリル酸である。酸無水物の使用量は、原料のアルコール系化合物1モルに対して、好ましくは1.0〜3.0モル、より好ましくは1.1〜2.5モルである。
反応温度は、好ましくは−50〜100℃程度、より好ましくは0〜50℃、さらに好ましくは0〜35℃である。反応温度がこの範囲であれば、反応速度の制御が容易で、かつ副反応、着色もなく好ましい。
反応圧力は、絶対圧力で好ましくは0.01〜10MPa程度、より好ましくは常圧〜1MPaである。圧力が10MPa以下であれば、安全面上、問題が無いため、特別な装置が不要であり、産業上有用である。圧力が0.01MPa以上であれば、反応時間を短くできる。
有機塩基としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,7−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−6−エン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン等の第三級アミン;ピリジン等の含窒素複素環式芳香族化合物などが挙げられる。
無機塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等のリン酸アルカリ金属塩等が挙げられる。
塩基を使用する場合、その使用量は、原料のアルコール系化合物に対して、通常、好ましくは0.01〜0.5当量である。0.5当量を超えて添加してもよいが、さらに転化率が向上するわけではない。
溶媒を使用する場合、その使用量は、原料のアルコール系化合物1質量部に対して、好ましくは1〜30質量部、より好ましくは1〜20質量部である。
なお、必要により、重合禁止剤としてヒドロキノン、p−メトキシフェノール、フェノチアジン、メトキシフェノチアジン等を添加してもよい。重合禁止剤を添加する場合、その使用量は、酸無水物1質量部に対して、好ましくは10〜10000質量ppm、より好ましくは50〜5000質量ppmである。
なお、最終的に高純度のアダマンチル(メタ)アクリレート系化合物を得る観点から、後述する晶析操作を行なう前に、予め蒸留(単蒸留)やシリカゲル、活性炭などの吸着剤により処理を行っておくことにより、粗アダマンチル(メタ)アクリレート系化合物(A)又は粗アダマンチル(メタ)アクリレート系化合物(B)の純度を、90%程度まで高めておくことが好ましい。該蒸留(単蒸留)を行う場合の温度としては、上限に関しては、好ましくは200℃以下、より好ましくは180℃以下、さらに好ましくは170℃以下であり、下限に関しては、好ましくは20℃以上、より好ましくは50℃以上、さらに好ましくは80℃以上である。
アダマンチル(メタ)アクリレート系化合物は昇華性物質として知られており、また、重合性官能基を有しているため、熱的に不安定な化合物でもある。そのため、蒸留(単蒸留)操作は減圧下で実施することが好ましく、好ましくは2kPa以下、より好ましくは1kPa以下、さらに好ましくは300Pa以下の圧力下、実施する。圧力の下限値に特に制限は無いが、通常は蒸留設備の機密性や真空ポンプの性能のため限界がある。該蒸留(単蒸留)の際には、前記同様の重合禁止剤を、好ましくは全量の10〜10000質量ppm、より好ましくは50〜5000質量ppm添加しておく。
なお、コンデンサーの冷却温度を好ましくは40℃以下、より好ましくは30℃以下に設定しておくことで、留出液として捕集しきることができる。コンデンサーの冷却温度の下限値は、好ましくは−20℃以上、より好ましくは−10℃以上である
本発明では、以上のようにして得た粗アダマンチル(メタ)アクリレート系化合物(A)又は粗アダマンチル(メタ)アクリレート系化合物(B)を、少なくとも1種の水溶性有機溶媒を用いて第1の晶析をしたのち、水を後添加して第2の晶析をする手法[以下、晶析法(a)と称することがある。]、又は少なくとも1種の水溶性有機溶媒と水とからなる混合溶媒を用いて第1の晶析をしたのち、さらに、水を添加して第2の晶析をする手法[以下、晶析法(b)と称することがある。]を用いる。
晶析法(a)において使用する溶媒は、第1の晶析においては、少なくとも1種の水溶性有機溶媒であり、第2の晶析においては、第1の晶析に用いた水溶性有機溶媒100質量部に対し水100〜1質量部を後添加した混合溶媒である。混合溶媒中の水の含有量が1質量部未満であると、目的物の回収率[析出した結晶/晶析操作前の基質(質量比)]が大幅に低下する。本発明では、目的物の回収率が、通常は75%以上となり、好ましい条件では85%以上となる。一方、混合溶媒中の水の含有量が100質量部を超えると、純度が大幅に低下する。
晶析法(b)において使用する溶媒は、第1の晶析においては、少なくとも1種の水溶性有機溶媒と該水溶性有機溶媒100質量部に対し水X〜Y質量部とからなる混合溶媒であり、第2の晶析においては、第1の晶析に用いた混合溶媒に、該水溶性有機溶媒100質量部に対して水(100−X)〜Z質量部(Y<X<100、100−X>Z、Y+Z=1;X、Y、Zは正の数)を添加した溶媒である。
水溶性有機溶媒と水が、上記範囲外であると、前者の晶析法(a)と同様、目的物の回収率、純度がともに低下する。
また、晶析法(a)では、晶析する化合物により、第1の晶析においては、少なくとも1種の水溶性有機溶媒を、第2の晶析においては、水溶性有機溶媒100質量部に対し水45〜1質量部を後添加した混合溶媒を好ましく用いることができる。
同様に、晶析法(b)では、晶析する化合物により、第1の晶析においては、少なくとも1種の水溶性有機溶媒と該水溶性有機溶媒100質量部に対し水X〜Y質量部とからなる混合溶媒を、第2の晶析においては、水(45−X)〜Z質量部(Y<X<45、45−X>Z、Y+Z=1;X、Y、Zは正の数)を添加した溶媒を好ましく用いることができる。
晶析に用いる混合溶媒の量は、基質に対して好ましくは1〜10倍質量、より好ましくは1〜7倍質量、さらに好ましくは1〜5倍質量である。
また、第2の晶析の温度としては、−35〜25℃が好ましく、さらに好ましくは−30〜10℃であり、晶析の時間としては、5分〜24時間が好ましく、さらに好ましくは10分〜1時間である。
さらに、前記第2の晶析の温度が、前記第1の晶析の温度より低いことが好ましい。
晶析法(b)における晶析の温度としては、第1の晶析の温度が0〜50℃が好ましく、さらに好ましくは10〜45℃であり、晶析の時間としては、5分〜24時間が好ましく、さらに好ましくは10分〜1時間である。晶析の温度、時間がこの範囲であると、高い回収率かつ高い純度で結晶を得る観点から、好ましい。
また、第2の晶析の温度としては、−35〜25℃が好ましく、さらに好ましくは−30〜10℃であり、晶析の時間としては、5分〜24時間が好ましく、さらに好ましくは10分〜1時間である。晶析の温度、時間がこの範囲であると、高い回収率かつ高い純度で結晶を得る観点から、好ましい。
さらに、高い回収率かつ高い純度で結晶を得る観点から、前記第2の晶析の温度が、前記第1の晶析の温度より低いことが好ましい。
なお、晶析操作の際、少量の種晶を加えて晶析を行ってもよい。
以上のようにして得られた結晶を、さらに晶析操作に付すことによって、一層純度を高めてもよいが、本発明の方法であれば、1度の晶析操作によって、回収率が高く、極めて高純度のアダマンチル(メタ)アクリレート系化合物を得ることができる。
なお、本発明において、純度は、ガスクロマトグラフィー(GC)にて測定した。
(GC測定条件)
装置:型番「6850」(アジレント・テクノロジー株式会社製)
分析条件:注入口温度250℃、検出器温度250℃
カラム:キャピラリーカラム(J&W社製「DB−1」:コーティング剤(ジメチルポリシロキサン)、膜厚:0.25μm、内径:0.25mm、長さ:30m)
カラム温度:100℃から10℃/minで250℃まで昇温
検出器:水素炎イオン化検出器(FID)
キャリアガス:He
1−アダマンタンカルボン酸92g(510mmol)に、メタノール(370g),トルエン(485g),硫酸(8g)を加え、加熱還流下で3時間反応させた(残存原料は0.9質量%)。反応液を冷却後、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、濃縮することにより目的とする1−アダマンタンカルボン酸メチル97gを得た。
製造例1で得た1−アダマンタンカルボン酸メチル97g(499mmol)に、トルエン485gを加えて窒素置換し、冷媒で冷却した。このトルエン溶液を10℃以下に保持したまま、メチルマグネシウムクロライドのテトラヒドロフラン(THF)溶液(2M)270mL(540mmol)を滴下し、その後、自然昇温させて、室温(25℃)で3時間反応を行った。反応溶液を再び冷媒で冷却し、10℃以下を保持したまま、メタクリル酸無水物179g(1160mmol)を滴下した。その後、自然昇温させて、室温(25℃)で3時間反応させた。この粗反応液を25℃以下に保持したまま、2N塩酸水溶液で洗浄し、水層を分液した。続いて、得られた有機層に10%水酸化ナトリウム水溶液,飽和食塩水で洗浄の後、溶媒を減圧留去し、粗1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレートを得た。(収量129.9g、GC純度82.3%)
合成例1で得た粗1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレートを重合禁止剤のUV10(130mg)を添加し、乾燥空気をキャピラリよりバブリングしながら2.0mmHg、130〜133℃で単蒸留し、蒸留1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレートを115.6g(GC純度91.1%、「蒸留品A」と称する。)を得た。
合成例2で得た蒸留品A10.0gに、メタノール16.8gを加え、50℃まで加熱した。35℃まで冷却後、種晶を添加し、35℃で15分間撹拌し、結晶化させた。その後、35℃で水0.88gを滴下させた後、0℃まで冷却し、1時間攪拌した。ろ別した後、得られた白色固体を水−メタノール混合溶液(水:5質量%)10gを用いてリンス洗浄し、25℃で減圧乾燥することで、下記構造の1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート8.40g(1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート換算回収率92.3%、GC純度100%)を得た。結果を表1に示す。
実施例1において、メタノールを15.8g、水を1.8g、及びリンス洗浄用の水−メタノール混合溶液中の水の量を10質量%にしたこと以外は同様の操作を行い、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート8.52g(1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート換算回収率93.6%、GC純度100%)を得た。結果を表1に示す。
実施例1において、メタノールを14.0g、水を3.5g、及びリンス洗浄用の水−メタノール混合溶液中の水の量を20質量%にしたこと以外は同様の操作を行い、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート8.72g(1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート換算回収率95.9%、GC純度99.9%)を得た。結果を表1に示す。
実施例1において、メタノールを12.3g、水を5.3g、及びリンス洗浄用の水−メタノール混合溶液中の水の量を30質量%にしたこと以外は同様の操作を行い、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート8.77g(1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート換算回収率96.3%、GC純度99.9%)を得た。結果を表1に示す。
実施例1において、メタノールを10.6g、水を7.0g、及びリンス洗浄用の水−メタノール混合溶液中の水の量を40質量%にしたこと以外は同様の操作を行い、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート8.79g(1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート換算回収率96.6%、GC純度99.8%)を得た。結果を表1に示す。
実施例1において、メタノールを8.8g、水を8.8g、及び、リンス洗浄用の水−メタノール混合溶液中の水の量を50質量%にしたこと以外は同様の操作を行い、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート8.80g(1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート換算回収率96.7%、GC純度99.3%)を得た。結果を表1に示す。
実施例1において、メタノールを7.0g、水を10.6g、及び、リンス洗浄用の水−メタノール混合溶液中の水の量を60質量%にしたこと以外は同様の操作を行い、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート8.81g(1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート換算回収率96.8%、GC純度98.3%)を得た。結果を表1に示す。
合成例2で得た蒸留品A10.0gに、水−メタノール混合溶液(水:5質量%)17.6gを加えて、50℃まで加熱した。35℃まで冷却後、種晶を添加し、35℃で15分間撹拌し、結晶化させた。その後、0℃まで冷却し、1時間攪拌した。ろ別した後、得られた白色固体を水−メタノール混合溶液(水:5質量%)10gを用いてリンス洗浄し、25℃で減圧乾燥することで、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート8.32g(1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート換算回収率91.4%、GC純度99.7%)を得た。結果を表1に示す。
比較例2において、水−メタノール混合溶液(水:10質量%)を使用したこと以外は同様の操作を行い、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート8.43g(1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート換算回収率92.7%、GC純度99.7%)を得た。結果を表1に示す。
比較例2において、水−メタノール混合溶液(水:20質量%)を使用したこと以外は同様の操作を行い、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート8.68g(1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート換算回収率95.4%、GC純度99.6%)を得た。結果を表1に示す。
比較例2において、水−メタノール混合溶液(水:30質量%)を使用したこと以外は同様の操作を行い、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート8.71g(1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート換算回収率95.8%、GC純度99.4%)を得た。結果を表1に示す。
比較例2において、水−メタノール混合溶液(水:40質量%)を使用したこと以外は同様の操作を行い、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート8.76g(1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート換算回収率96.3%、GC純度98.8%)を得た。結果を表1に示す。
比較例2において、水−メタノール混合溶液(水:50質量%)を使用したこと以外は同様の操作を行い、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート8.77g(1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート換算回収率96.4%、GC純度98.0%)を得た。結果を表1に示す。
比較例2において、水−メタノール混合溶液(水:5質量%)の代わりにメタノールを使用したこと以外は同様の操作を行い、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート7.82g(1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート換算回収率85.9%、GC純度100%)を得た。結果を表1に示す。
比較例2において、合成例2で得た蒸留品Aの代わりに合成例1で得られた粗1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート、水−メタノール混合溶液(水:5質量%)の代わりに水−メタノール混合溶液(水:40質量%)を使用したこと以外は同様の操作を行い、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート8.68g(1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート換算回収率94.0%、GC純度99.4%)を得た。結果を表1に示す。
窒素雰囲気下でテトラヒドロフラン(THF)2L中にリチウム金属(Li)30.5g(4.4mol)を加え、1時間攪拌した。この中に、2−アダマンタノン300g(2.0mol)及び2−クロロプロパン258.0g(3.3mol)をTHF1000mLに溶解した液を、20℃以下を保つように冷却しながら30分かけて滴下した。滴下終了後、20℃で90分間攪拌して、リチウム2−イソプロピル−2−アダマンチルアルコラートのTHF溶液を得た。
このTHF溶液に、無水メタクリル酸362.0g(2.4mol)を、20℃以下を保つように冷却しながら15分かけて滴下した。滴下終了後、20℃で60分攪拌を行い、2−イソプロピル−2−アダマンチルメタクリレートを合成した。
反応終了後、トルエン4Lを添加、さらに0.2NのNaOH水溶液2000mLを加えて20℃で60分攪拌した。水相を除去した後、純水2Lで2回洗浄を行なった。有機相から溶媒を留去することにより、粗2−イソプロピル−2−アダマンチルメタクリレート517.0g(粗収率99%、GC純度84.9%)を得た。続いて、得られた粗2−イソプロピル−2−アダマンチルメタクリレートに、重合禁止剤のp−メトキシフェノール0.7gを添加し、乾燥空気をキャピラリよりバブリングしながら0.1kPa、100〜120℃で単蒸留し、蒸留2−イソプロピル−2−アダマンチルメタクリレート369.0g(GC純度88.2%、「蒸留品B」と称する。)を得た。
合成例3で得た蒸留品B10.0gに、メタノール19.8gを加えて溶解させ、10℃まで冷却した。そこに種晶を添加し、10℃で15分間撹拌しながら、結晶化させた後、水を0.2g滴下した。さらに10℃で10分間撹拌した後、−20℃まで冷却し、1時間攪拌した。ろ別した後、得られた白色固体を水−メタノール混合溶液(水:1質量%)10gを用いてリンス洗浄し、得られた白色固体を25℃で減圧乾燥することで、下記構造の2−イソプロピル−2−アダマンチルメタクリレート6.75g(2−イソプロピル−2−アダマンチルメタクリレート換算回収率76.5%、GC純度100%)を得た。結果を表2に示す。
実施例7において、メタノールを18g、水を2g、及び、リンス洗浄用の水−メタノール混合溶液の水の量を10質量%にしたこと以外は同様の操作を行い、2−イソプロピル−2−アダマンチルメタクリレート7.32g(2−イソプロピル−2−アダマンチルメタクリレート換算回収率83.0%、GC純度100%)を得た。結果を表2に示す。
実施例7において、メタノールを17g、水を3g、及び、リンス洗浄用の水−メタノール混合溶液中の水の量を15質量%にしたこと以外は同様の操作を行い、2−イソプロピル−2−アダマンチルメタクリレート7.67g(2−イソプロピル−2−アダマンチルメタクリレート換算回収率86.9%、GC純度100%)を得た。結果を表2に示す。
実施例7において、メタノールを16g、水を4g、及び、リンス洗浄用の水−メタノール混合溶液中の水の量を20質量%にしたこと以外は同様の操作を行い、2−イソプロピル−2−アダマンチルメタクリレート7.94g(2−イソプロピル−2−アダマンチルメタクリレート換算回収率90.0%、GC純度100%)を得た。結果を表2に示す。
実施例7において、メタノールを15g、水を5g、及び、リンス洗浄用の水−メタノール混合溶液中の水の量を25質量%にしたこと以外は同様の操作を行い、2−イソプロピル−2−アダマンチルメタクリレート8.0g(2−イソプロピル−2−アダマンチルメタクリレート換算回収率90.7%、GC純度99.8%)を得た。結果を表2に示す。
実施例7において、メタノールを14g、水を6g、及び、リンス洗浄用の水−メタノール混合溶液中の水の量を30質量%にしたこと以外は同様の操作を行い、2−イソプロピル−2−アダマンチルメタクリレート8.23g(2−イソプロピル−2−アダマンチルメタクリレート換算回収率93.4%、GC純度99.4%)を得た。結果を表2に示す。
実施例7において、メタノールを13g、水を7g、及び、リンス洗浄用の水−メタノール混合溶液中の水の量を35質量%にしたこと以外は同様の操作を行い、2−イソプロピル−2−アダマンチルメタクリレート8.36g(2−イソプロピル−2−アダマンチルメタクリレート換算回収率94.7%、GC純度97.9%)を得た。結果を表2に示す。
実施例7において、合成例3で得た蒸留品Bの代わりに未蒸留の粗2−イソプロピル−2−アダマンチルメタクリレート、メタノール19.8gの代わりにメタノール15g、水を0.2gの代わりに水を5g、及び、水−メタノール混合溶液(水:1質量%)の代わりに水−メタノール混合溶液(水:25質量%)を使用したこと以外は同様の操作を行い、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート7.25g(1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート換算回収率85.4%、GC純度99.5%)を得た。結果を表2に示す。
合成例3で得た蒸留品B10.0gに、水−メタノール混合溶液(水:10質量%)20gを加えて、50℃まで加熱した。10℃まで冷却後、種晶を添加し、10℃で15分間撹拌しながら、結晶化させた。その後、−20℃まで冷却し、1時間攪拌した。ろ別した後、得られた白色固体を水−メタノール混合溶液(水:10質量%)10gを用いてリンス洗浄し、25℃で減圧乾燥することで、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート7.30g(1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート換算回収率82.8%、GC純度99.7%)を得た。結果を表2に示す。
比較例10において、水−メタノール混合溶液(水:10質量%)の代わりに水−メタノール混合溶液(水:15質量%)を使用したこと以外は同様の操作を行い、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート7.61g(1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート換算回収率86.3%、GC純度99.5%)を得た。結果を表2に示す。
比較例10において、水−メタノール混合溶液(水:10質量%)の代わりに水−メタノール混合溶液(水:17.5質量%)を使用したこと以外は同様の操作を行い、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート7.77g(1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート換算回収率88.1%、GC純度99.4%)を得た。結果を表2に示す。
比較例10において、水−メタノール混合溶液(水:10質量%)の代わりに水−メタノール混合溶液(水:18.75質量%)を使用したこと以外は同様の操作を行い、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート7.99g(1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート換算回収率90.6%、GC純度99.1%)を得た。結果を表2に示す。
比較例10において、水−メタノール混合溶液(水:10質量%)の代わりに水−メタノール混合溶液(水:20質量%)を使用したこと以外は同様の操作を行い、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート7.90g(1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート換算回収率89.6%、GC純度98.6%)を得た。結果を表2に示す。
比較例10において、水−メタノール混合溶液(水:10質量%)の代わりにメタノールを使用したこと以外は同様の操作を行い、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート5.82g(1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルメタクリレート換算回収率66.0%、GC純度100%)を得た。結果を表2に示す。
実施例9において、メタノールの代わりにエタノールを使用したこと以外は同様の操作を行い、2−イソプロピル−2−アダマンチルメタクリレート7.21g(2−イソプロピル−2−アダマンチルメタクリレート換算回収率81.8%、GC純度100%)を得た。結果を表3に示す。
実施例9において、メタノールの代わりにイソプロパノールを使用したこと以外は同様の操作を行い、2−イソプロピル−2−アダマンチルメタクリレート7.11g(2−イソプロピル−2−アダマンチルメタクリレート換算回収率80.6%、GC純度100%)を得た。結果を表3に示す。
実施例9において、メタノールの代わりにアセトンを使用したこと以外は同様の操作を行い、2−イソプロピル−2−アダマンチルメタクリレート6.91g(2−イソプロピル−2−アダマンチルメタクリレート換算回収率78.3%、GC純度100%)を得た。結果を表3に示す。
実施例9において、メタノールの代わりにアセトニトリルを使用したこと以外は同様の操作を行い、2−イソプロピル−2−アダマンチルメタクリレート7.05g(2−イソプロピル−2−アダマンチルメタクリレート換算回収率79.9%、GC純度100%)を得た。結果を表3に示す。
合成例3において、2−クロロプロパン258.0g(3.3mol)の代わりに2−クロロペンタン351.8g(3.3mol)を用い、且つ単蒸留の条件を0.1kPa、120〜140℃に変更したこと以外は同様の操作を行い、蒸留2−(2−ペンチル)−2−アダマンチルメタクリレート416.3g(GC純度87.1%、「蒸留品C」と称する。)を得た。
実施例9において、蒸留品B10.0gの代わりに、合成例4で得た蒸留品C10.0gを使用したこと以外は同様の操作を行ない、下記構造の2−(2−ペンチル)−2−アダマンチルメタクリレート7.44g(2−(2−ペンチル)−2−アダマンチルメタクリレート換算回収率85.4%、GC純度100%)を得た。結果を表4に示す。
合成例3において、2−クロロプロパン258.0g(3.3mol)の代わりにクロロシクロオクタン484.0g(3.3mol)を用い、且つ単蒸留の条件を0.1kPa、140〜160℃に変更したこと以外は同様の操作を行い、単蒸2−シクロオクチル−2−アダマンチルメタクリレートを426.4g(GC純度84.7%、「蒸留品D」と称する。)を得た。
実施例9において、蒸留品A10.0gの代わりに、合成例5で得た蒸留品D10.0gを使用したこと以外は同様の操作を行い、下記構造の2−シクロオクチル−2−アダマンチルメタクリレート7.19g(2−シクロオクチル−2−アダマンチルメタクリレート換算回収率84.9%、GC純度100%)を得た。結果を表4に示す。
撹拌羽根,温度指示計,滴下ロートを備えた3L4口フラスコに、THF(1000mL)とリチウム27.5g(3.96mol)を加えた後、製造例1で得た1−アダマンタンカルボン酸メチル167g(0.86mol)、ブロモエタン193mL(2.58mol)、THF(500mL)の混合溶液を、25℃を超えないように滴下した。滴下終了後、20℃で1時間撹拌し、GC分析で1−アダマンタンカルボン酸メチルの消失を確認した後、無水メタクリル酸255mL(1.72mol)を氷浴下で、1時間かけて10℃以下で滴下した。滴下終了後、20℃で30分撹拌した。反応終了後、0.4N水酸化ナトリウム水溶液(450mL)を滴下し、20℃で30分撹拌した。この反応液を分液ロートに移し、ヘプタン(600mL及び150mL)での抽出操作を2回行い、有機層を得た。この有機層を飽和食塩水(500mL)で水層のpHが7〜8になるまで洗浄を繰り返した。得られた有機層にp−メトキシフェノール(0.25g)を加えた後、エアーバブリングを行いながら、減圧下で溶媒を留去し、反応粗体3−(1−アダマンチル)−ペンタン−3−イル メタクリレートを得た(収量216g、GC純度92.7%)。
得られた粗3−(1−アダマンチル)−ペンタン−3−イル メタクリレート(216g)をヘプタン(1080g)に溶解し、活性炭(54g)及びシリカゲル(32g)を加え、25℃で1時間撹拌した。ろ過にて、活性炭とシリカゲルを除去し、p−メトキシフェノール(0.22g)を加えた後、エアーバブリングを行いながら、減圧下溶媒を留去し、粗3−(1−アダマンチル)−ペンタン−3−イル メタクリレートを得た(収量182g、GC純度93.3%)。
合成例6で得られた粗3−(1−アダマンチル)−ペンタン−3−イル メタクリレート10gを20℃でメタノール30gに溶解させ、5℃まで冷却後、種晶を添加し、5℃で15分間撹拌し、結晶化させた。その後、5℃で水3gを滴下させた後、−5℃まで冷却し、30分間攪拌した。ろ別した後、得られた白色固体を−10℃以下に冷却したメタノール8gを用いてリンス洗浄した。この白色固体をトルエン10gに溶解させ、エアーバブリングを行いながら、30℃で減圧乾燥することで、下記構造の3−(1−アダマンチル)−ペンタン−3−イル メタクリレート8.7gを得た(3−(1−アダマンチル)−ペンタン−3−イル メタクリレート換算回収率93.4%、GC純度99.8%)を得た。結果を表4に示す。
表2より、実施例7〜14においては、水の後添加量が水溶性有機溶媒100質量部に対して45質量部以下の範囲では、比較例10〜15と比べ、高い純度を維持した状態で高い回収率が得られることがわかる。
表3より、実施例9を含め、実施例15〜18においては、水溶性有機溶媒を用い、水の後添加量が水溶性有機溶媒に対して17.6質量部とした時には、いずれも、100%の純度を維持した状態で高い回収率が得られることがわかる。
表4より、実施例19〜21においては、合成例4〜6のアダマンチルメタクリレート系化合物を用いた場合、いずれも、99.8%以上の純度を維持した状態で高い回収率が得られることがわかる。
Claims (8)
- 下記一般式(a)又は(b)
で表される化合物と、(メタ)アクリル酸系化合物又はその誘導体とを反応させることにより、下記一般式(A)又は(B)
得られた粗アダマンチル(メタ)アクリレート系化合物を、少なくとも1種の水溶性有機溶媒を用いて第1の晶析をしたのち、前記水溶性有機溶媒100質量部に対し水100〜1質量部を添加して第2の晶析をする工程を含み、
前記第1の晶析の温度が、0〜50℃であり、
前記第2の晶析の温度が、−30〜10℃であり、かつ前記第1の晶析の温度より低い、ことを特徴とする、アダマンチル(メタ)アクリレート系化合物の製造方法。 - 前記第1の晶析に、少なくとも1種の水溶性有機溶媒を用い、かつ前記第2の晶析に前記水溶性有機溶媒100質量部に対し水45〜1質量部を添加して用いる、請求項1に記載のアダマンチル(メタ)アクリレート系化合物の製造方法。
- 前記第1の晶析が、粗アダマンチルアクリレート系化合物を蒸留精製した後に行われる、請求項1または2記載のアダマンチル(メタ)アクリレート系化合物の製造方法。
- 前記水溶性有機溶媒が、水溶性アルコール、アセトン及びアセトニトリルから選択される少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれかに記載のアダマンチル(メタ)アクリレート系化合物の製造方法。
- 前記水溶性アルコールが、メタノール、エタノール及びイソプロパノールから選択される少なくとも1種である、請求項4に記載のアダマンチル(メタ)アクリレート系化合物の製造方法。
- 前記水溶性アルコールが、メタノールである、請求項4に記載のアダマンチル(メタ)アクリレート系化合物の製造方法。
- R2及びR3がいずれも炭素数1〜3のアルキル基である、請求項1〜6のいずれかに記載のアダマンチル(メタ)アクリレート系化合物の製造方法。
- R2及びR3がいずれもメチル基またはエチル基であり、R4がメチル基である、請求項1〜6のいずれかに記載のアダマンチル(メタ)アクリレート系化合物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013075289A JP6478447B2 (ja) | 2013-03-29 | 2013-03-29 | アダマンチル(メタ)アクリレート系化合物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013075289A JP6478447B2 (ja) | 2013-03-29 | 2013-03-29 | アダマンチル(メタ)アクリレート系化合物の製造方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018204886A Division JP6685367B2 (ja) | 2018-10-31 | 2018-10-31 | アダマンチル(メタ)アクリレート系化合物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014198698A JP2014198698A (ja) | 2014-10-23 |
JP6478447B2 true JP6478447B2 (ja) | 2019-03-06 |
Family
ID=52355862
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013075289A Active JP6478447B2 (ja) | 2013-03-29 | 2013-03-29 | アダマンチル(メタ)アクリレート系化合物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6478447B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6194264B2 (ja) | 2014-03-07 | 2017-09-06 | 富士フイルム株式会社 | 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、パターン形成方法、電子デバイスの製造方法及び電子デバイス |
CN110256251B (zh) * | 2019-06-28 | 2022-06-03 | 宁波南大光电材料有限公司 | 一种高纯2-乙基-2-金刚烷醇甲基丙烯酸酯的提纯方法 |
JP7183509B2 (ja) * | 2019-10-14 | 2022-12-06 | ソンウォン インダストリアル カンパニー リミテッド | 脂環式アクリル誘導体の製造方法 |
Family Cites Families (18)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000053658A (ja) * | 1998-08-06 | 2000-02-22 | Tosoh Corp | トリス(ジブロモプロピル)イソシアヌレートの製造方法 |
JP3507024B2 (ja) * | 1999-10-27 | 2004-03-15 | ダイセル化学工業株式会社 | 環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの製造法 |
JP3981520B2 (ja) * | 2000-09-06 | 2007-09-26 | 株式会社トクヤマ | 有機化合物の分離方法 |
JP5064614B2 (ja) * | 2001-02-01 | 2012-10-31 | 株式会社ダイセル | 環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの製造法 |
EP1422215A4 (en) * | 2001-08-08 | 2005-07-06 | Kaneka Corp | PROCESS FOR PRODUCING OPTICALLY ACTIVE 2-SUBSTITUTED CARBOXYLIC ACID |
JP4171635B2 (ja) * | 2002-10-16 | 2008-10-22 | 株式会社トクヤマ | 2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法 |
JP4118653B2 (ja) * | 2002-11-14 | 2008-07-16 | 株式会社トクヤマ | 2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法 |
JP2005002001A (ja) * | 2003-06-09 | 2005-01-06 | Chemical Soft R & D Inc | 高純度アダマンチル系化合物の製造方法 |
JP4456939B2 (ja) * | 2003-09-11 | 2010-04-28 | 株式会社トクヤマ | アダマンチルエステル類の精製方法 |
JP4810111B2 (ja) * | 2005-03-22 | 2011-11-09 | 株式会社トクヤマ | アルコラート化合物の製造方法 |
JP5092209B2 (ja) * | 2005-07-06 | 2012-12-05 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチルアクリレート類の製造方法 |
JP2009143808A (ja) * | 2006-03-28 | 2009-07-02 | Kaneka Corp | メロペネム中間体の単離方法 |
JP2009143827A (ja) * | 2007-12-12 | 2009-07-02 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | アダマンチル(メタ)アクリレート類の製造方法 |
JP5654738B2 (ja) * | 2008-08-08 | 2015-01-14 | 株式会社カネカ | エポキシトリアゾール誘導体の製造法 |
KR20110066172A (ko) * | 2008-09-09 | 2011-06-16 | 우베 고산 가부시키가이샤 | 4-(2-아미노피리딘-4-일)-3-(4-플루오로페닐)-1-(1,4,5,6-테트라히드로-6-옥소피리다진-3-일)-1h-피라졸 메탄술폰산염의 신규 결정형 및 그의 제조 방법 |
CN102884094B (zh) * | 2010-04-01 | 2015-03-11 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 金刚烷基(甲基)丙烯酸系单体和在重复单元中包含其的(甲基)丙烯酸系聚合物 |
JPWO2011145354A1 (ja) * | 2010-05-21 | 2013-07-22 | 出光興産株式会社 | 2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの精製方法 |
WO2013141127A1 (ja) * | 2012-03-23 | 2013-09-26 | 出光興産株式会社 | アダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法 |
-
2013
- 2013-03-29 JP JP2013075289A patent/JP6478447B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2014198698A (ja) | 2014-10-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101114585B1 (ko) | 아다만테인 유도체 및 그의 제조방법 | |
WO2005111097A1 (ja) | アダマンタン誘導体、その製造方法及びフォトレジスト用感光材料 | |
JP6478447B2 (ja) | アダマンチル(メタ)アクリレート系化合物の製造方法 | |
JP5200464B2 (ja) | 含フッ素アルキルスルホニルアミノエチルα−置換アクリレート類の製造方法 | |
TWI460158B (zh) | 金剛烷基(甲基)丙烯酸酯類之製造方法 | |
JP5848819B2 (ja) | アダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法 | |
JP2005314383A (ja) | アダマンタン誘導体及びその製造方法 | |
JP6685367B2 (ja) | アダマンチル(メタ)アクリレート系化合物の製造方法 | |
JP6154737B2 (ja) | 環状脂肪族アクリレート類の製造方法 | |
JP2007308463A (ja) | 2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法 | |
JP4790290B2 (ja) | アダマンタン誘導体及びその製造方法 | |
JP2000309558A (ja) | 2−アダマンチル(メタ)アクリレート類の製造方法 | |
JP5993171B2 (ja) | アダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法 | |
KR20060043217A (ko) | (메타)아크릴레이트 및 이의 제조방법 | |
JP6459703B2 (ja) | シクロヘキサンジカルボン酸モノエステル化合物の製造方法 | |
JP4171635B2 (ja) | 2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法 | |
JP2021109857A (ja) | アルコール化合物の製造方法及び(メタ)アクリレート化合物の製造方法 | |
JP2006104172A (ja) | 新規な1−アルキルシクロヘキシル(メタ)アクリレート類 | |
JP2007308457A (ja) | 2−メチル−2−アダマンタノールおよびそのマグネシウムクロリド塩の製造方法 | |
JP4815951B2 (ja) | 新規アダマンチルエステル化合物 | |
JP2007308464A (ja) | 2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法 | |
JP5395989B2 (ja) | 六員環ラクトン(メタ)アクリル酸エステルの精製方法 | |
JP2004315464A (ja) | アダマンチルアクリレート類の製造方法 | |
JP2012036138A (ja) | アダマンチルジ(メタ)アクリレートの製造方法、及び当該方法により得られるアダマンチルジ(メタ)アクリレート、並びにアダマンチルジ(メタ)アクリレートを含んでなる材料 | |
WO2011145354A1 (ja) | 2-アルキル-2-アダマンチル(メタ)アクリレートの精製方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20140710 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20151106 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160707 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160819 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20161013 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170404 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20171017 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180111 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20180119 |
|
A912 | Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 Effective date: 20180202 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20181031 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190205 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6478447 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |