明 細 書
ァダマンタン誘導体、その製造方法及びフォトレジスト用感光材料 技術分野
[0001] 本発明は、新規なァダマンタン誘導体、その製造方法及び該ァダマンタン誘導体 を用いて得られるフォトレジスト用感光材料に関し、さらに詳しくは、フォトリソグラフィ 一分野における感光性榭脂などの機能性榭脂のモノマーとして有用な新規なァダマ ンチルォキシメチル (メタ)アタリレート類、このものを効率よく製造する方法、及び該( メタ)アタリレート類力も得られる重合体を含むフォトレジスト用感光材料に関する。 背景技術
[0002] ァダマンタンは、シクロへキサン環が 4個、カゴ形に縮合した構造を有し、対称性 が高ぐ安定な化合物であり、その誘導体は、特異な機能を示すことから、医薬品原 料や高機能性工業材料の原料などとして有用であることが知られて 、る。例えば光 学特性や耐熱性などを有することから、光ディスク基板、光ファイバ一あるいはレンズ などに用いることが試みられている(例えば、特許文献 1、特許文献 2参照)。
また、ァダマンタンエステル類を、その酸感応性、ドライエッチング耐性、紫外線透 過性などを利用して、フォトレジスト用榭脂原料として、使用することが試みられてい る (例えば、特許文献 3参照)。
一方、近年、半導体素子の微細化が進むに伴い、その製造におけるリソグラフィー 工程において、さらなる微細化が要求されており、したがって、 KrF、 ArFあるいは F
2 エキシマレーザー光などの短波長の照射光に対応したフォトレジスト材料を用いて、 微細パターンを形成させる方法が種々検討されている。そして、前記エキシマレーザ 一光などの短波長の照射光に対応できる新しいフォトレジスト材料の出現が望まれて いる。
[0003] 従来から、ァセタールゃケタール構造の導入により、共存させる(光分解型)酸発生 剤による易分解性向上を図ったレジスト材の例は幾つかあり、モノマーの段階でフエ ノール性水酸基をこれらの基によって保護し、スチレンと共重合して素材としたり(例 えば、特許文献 4参照)、ポリマーを製造し、後からこれらの保護基を導入する例 (例
えば、特許文献 5参照)が知られている。前者はスチレン系榭脂がベースとなってい るため、 ArFや Fエキシマレーザー光に対する透明性が不十分であり、また後者は
2
保護化率が 30〜40モル%位に留まってしまうため、高解像性に関しては問題を抱 えたままだった。これらの問題点の解決を図るベぐモノマーとして、ァダマンタン骨 格およびァセタールを併せ持つ化合物(ァダマンチルォキシメチル(メタ)アタリレー ト類)が指向されていたが、合成法がなく実現に至っていな力つた。
[0004] 特許文献 1:特開平 6— 305044号公報
特許文献 2:特開平 9 - 302077号公報
特許文献 3:特開平 4— 39665号公報
特許文献 4:特開平 7— 92681号公報
特許文献 5:特開平 6— 51518号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0005] 本発明は、このような状況下でなされたもので、フォトリソグラフィー分野における感 光性榭脂などの機能性榭脂のモノマーとして有用なァダマンタン誘導体、このものを 効率よく製造する方法及び該ァダマンタン誘導体から得られる重合体を含むフオトレ ジスト用感光材料を提供することを目的とするものである。
課題を解決するための手段
[0006] 本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を 有するァダマンチル (メチル)ォキシメチル (メタ)アタリレート類は、文献未載の新規な 化合物であって、その目的に十分に適合し得ること、そしてこれらの化合物は、対応 するハロメチルァダマンチルエーテル類と (メタ)アクリル酸類又はその酸無水物を反 応させることにより、効率よく製造し得ることを見出した。本発明は、力かる知見に基い て完成したものである。
[0007] すなわち、本発明は、
(1)一般式 (I)
[0008] [化 1]
[0009] (式中、 Rは水素原子、メチル基又はトリフルォロメチル基、 Yは炭素数 1〜10のアル
1
キル基、ハロゲン原子、水酸基又は 2つの Yが一緒になつて形成された =0を示す。 また、複数の Yは同じでもよぐ異なっていてもよい。 kは 0〜 15の整数を示し、 mは 0 又は 1を示す。 )
で表される構造を有することを特徴とするァダマンタン誘導体、
(2)一般式 (I)で表されるァダマンタン誘導体が、一般式 (II)
[0010] [化 2]
(式中、 Rは水素原子、メチル基又はトリフルォロメチル基を示す。 )
1
で表される化合物である上記(1)記載のァダマンタン誘導体、
(3)一般式 (I)で表されるァダマンタン誘導体が、一般式 (III)
[0012] [化 3]
… (III)
[0013] (式中、 Rは水素原子、メチル基又はトリフルォロメチル基を示す。 )
1
で表される化合物である上記(1)記載のァダマンタン誘導体、
(4)一般式 (I)で表されるァダマンタン誘導体が、一般式 (IV)
[0014] [化 4]
[0015] (式中、 Rは水素原子、メチル基又はトリフルォロメチル基を示す。 )
1
で表される化合物である上記(1)記載のァダマンタン誘導体、
(5)一般式 (I)で表されるァダマンタン誘導体が、一般式 (V)
[0016] [化 5]
[0017] (式中、 Rは水素原子、メチル基又はトリフルォロメチル基を示す。 )
1
で表される化合物である上記(1)記載のァダマンタン誘導体、
(6)—般式 (VI)
[0018] [化 6]
(式中、 Xはハロゲン原子を示す。 Yは炭素数 1〜10のアルキル基、ハロゲン原子、 水酸基又は 2つの Yが一緒になつて形成された =0を示す。また、複数の Yは同じで もよぐ異なっていてもよい。 kは 0〜15の整数を示し、 mは 0又は 1を示す。 ) で表されるハロメチルァダマンチル (メチル)エーテル類と、一般式 (VII)
[0020] [化 7]
Ri
CH2=C— COOH … (VII)
[0021] (式中、 Rは水素原子、メチル基又はトリフルォロメチル基を示す。 )
1
で表される (メタ)アクリル酸類またはその酸無水物を反応させることを特徴とする、一 般式 (I)で表されるァダマンタン誘導体の製造方法、
(7)一般式 (VI)で表されるハロメチルァダマンチル (メチル)エーテル類が、 1一 [ ( クロロメトキシ)メチル]ァダマンタン、 2— (クロロメトキシ)ァダマンタン又は 4—ォキソ - 2- (クロロメトキシ)ァダマンタンである上記(6)記載のァダマンタン誘導体の製造 方法、
(8)反応促進剤として、炭酸塩又は第 3級ァミンを使用する上記 (6)又は(7)に記載 のァダマンタン誘導体の製造方法、
(9)さらに一般式 (I)で表されるァダマンタン誘導体が、溶媒を用いて再結晶又は晶 析により精製して得られる上記(6)〜(8)の 、ずれかに記載のァダマンタン誘導体の 製造方法、
(10)前記溶媒が脂肪族炭化水素系溶媒、脂環式炭化水素系溶媒、ケトン系溶媒、 エステル系溶媒、エーテル系溶媒力 選ばれる少なくとも一種である上記(9)に記載 のァダマンタン誘導体の精製方法、
(11)一般式 (VI)で表されるハロメチルァダマンチル (メチル)エーテル類力 一般 式(VIII)
[0022] [化 8]
[0023] (式中、 Y、 k及び mは前記に同じである。 )
で表されるァダマンチル基を有するアルコールに、一:般式 (IX)
[0024] [化 9]
R2— C— R2 … )
II
o
[0025] (式中、 Rは独立に水素、ハロゲン原子、炭素数 1〜10のアルキル基又は炭素数 1
2
〜: LOのハロゲン化アルキル基を示す。 )
で表されるカルボ-ル化合物及びハロゲン化水素ガスを溶媒の存在下で反応させて 得ることを特徴とする上記(6)〜(10)の 、ずれかに記載のァダマンタン誘導体の製 造方法、
(12)前記一般式 (VIII)で表されるァダマンチル基を有するアルコール、前記一般 式 (IX)で表されるカルボ二ルイ匕合物及びハロゲンィ匕水素ガスを溶媒の存在下で反 応させて得られた溶液に、必要に応じて水を加えて有機層と水層に分液することを 特徴とする上記(11)に記載のァダマンタン誘導体の製造方法、
(13)一般式 (I)で表されるァダマンタン誘導体力 一般式 (Π)〜 (IV)の 、ずれかで 表される化合物である上記(6)〜(12)のいずれかに記載のァダマンタン誘導体の製 造方法、
及び
(14)一般式 (I)で表されるァダマンタン誘導体を構成成分とする重合体を含有する フォトレジスト用感光材料、
を提供するものである。
発明の効果
[0026] 本発明のァダマンタン誘導体は、新規なァダマンチルォキシメチル (メタ)アタリレー ト類であって、フォトリソグラフィー分野における感光性榭脂などの機能性榭脂のモノ マーとして有用であり、また、従来のァダマンタン系(メタ)アタリレート類に比べ、ァセ タール構造を有するため、酸と容易に反応し、より高度な解像が可能になり得る。更 に、露光後の表面荒れ (LER:レジストの側面にできる凹凸、 LWR:配線を真上から 見た場合のうねり)の改善、 PEB (露光によって発生した酸を拡散させるための熱処
理)の温度依存性等の改善効果が期待できる。
発明を実施するための最良の形態
[0027] 本発明のァダマンタン誘導体は、一般式 (I)で表される化合物であり、以下、化合 物及びそれらの製造方法にっ 、て説明する。
まず、本発明の化合物は、一般式 (I)
[0028] [化 1]
[0029] で表される構造を有するァダマンチル (メチル)ォキシメチル (メタ)アタリレート類であ る。
前記一般式 (I)において、 Rは水素原子、メチル基又はトリフルォロメチル基、 Yは
1
炭素数 1〜10のアルキル基、ハロゲン原子、水酸基又は 2つの Yが一緒になつて形 成された =0を示す。ここで、複数の Yは同じでもよぐ異なっていてもよい。 kは 0〜1 5の整数を示し、 mは 0又は 1を示す。
上記において、 Yにおける炭素数 1〜10のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状 のいずれであってもよぐ例えば、メチル基、ェチル基、各種プロピル基、各種ブチル 基、各種ペンチル基、各種へキシル基、各種へプチル基、各種ォクチル基、各種ノ -ル基、各種デシル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基などを挙げることができ る。これらのアルキル基は、ハロゲン原子、水酸基、シァノ基等によって置換されたも のであってもよい。また、 Yにおけるハロゲン原子として、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素 を挙げることができる。
[0030] 前記一般式 (I)で表される好ま 、ィ匕合物として、例えば、(1—ァダマンチルォキ シ)メチル(メタ)アタリレート、(2—ァダマンチルォキシ)メチル(メタ)アタリレート、 (1 —ァダマンチルメトキシ)メチル(メタ)アタリレート、(2—ァダマンチルメトキシ)メチル (メタ)アタリレート、 [ (2—メチル—2—ァダマンチル)ォキシ]メチル (メタ)アタリレート
、 [ (2—ェチル—2—ァダマンチル)ォキシ]メチル(メタ)アタリレート、 [ (2—シァノメ チル 2 ァダマンチル)ォキシ]メチル (メタ)アタリレート、 [ (4 -ォキソ 1 ァダマ ンチル)ォキシ]メチル(メタ)アタリレート、 [ (4—ォキソ 2 ァダマンチル)ォキシ] メチル(メタ)アタリレート、 [ (パーフルォロ— 1—ァダマンチル)ォキシ]メチル(メタ) アタリレート、 [ (パーフルオロー 2—ァダマンチル)ォキシ]メチル(メタ)アタリレート、 [ (パーフルオロー 1ーァダマンチル)メトキシ]メチル(メタ)アタリレート、 [ (パーフルォ 口— 2—ァダマンチル)メトキシ]メチル(メタ)アタリレート及びこれらの化合物の (メタ) アタリレートを、 a—トリフルォロメチルアタリレートに置き換えたィ匕合物などを挙げるこ とができる。中でも、(2—ァダマンチルォキシ)メチルメタタリレート、(1ーァダマンチ タリレート、 [ (2—シァノメチル 2—ァダマンチル)ォキシ]メチル (メタ)アタリレートな どが好ましい。
[0031] 上記本発明のァダマンタン誘導体の好ま 、製造方法につ!、て説明する。
この製造方法においては、本発明のァダマンタン誘導体は、前記一般式 (VI)で表 されるハロメチルァダマンチル (メチル)エーテル類と、前記一般式 (VII)で表される (メタ)アクリル酸類またはその酸無水物とを反応(以下、反応 Aという。)させることによ つて得られる。なお、ここで、ハロメチルァダマンチル (メチル)エーテル類とは、ハロ メチルァダマンチルメチルエーテル又はハロメチルァダマンチルエーテルをいう。
[0032] まず、反応 Aにお 、て原料として使用される前記一般式 (VI)で表されるハロメチル ァダマンチル (メチル)エーテル類の製造方法について説明する。前記一般式 (VI) で表されるハロメチルァダマンチル (メチル)エーテル類は、前記一般式 (VIII)で表 されるァダマンタン基を有するアルコールに、前記一般式 (IX)で表されるカルボ-ル 化合物及びハロゲン化水素ガスを溶媒の存在下で反応 (以下、反応 Bという。)させ て得られる。このような反応としては、ァダマンチル (メチル)アルコール類と、ホルムァ ルデヒドの混合物に、ハロゲン化水素ガスを吹き込む例が挙げられる(特願 2003— 4 14445号明細書)。
反応 Bの原料である前記一般式 (VIII)で表されるァダマンタン基を有するアルコー ルとしては、 2—ァダマンタノール、 2—ァダマンタンメタノールなどの他、前記一般式
(VIII)において Y力 2つの Υが一緒になつて形成された =0を示す場合、 4 ォキ ソ一 2 ァダマンタノール、 3, 5 ジメチルー 4—ォキソ 2 ァダマンタノール、 3, 5 ジメチルー 4—ォキソ 2 ァダマンタノール、 3, 7 ジメチルー 4—ォキソ 2— ァダマンタノール、 2—メチルー 4 ォキソ 2 ァダマンタノール、 2 ェチルー 4 ォキソ 2 ァダマンタノール、 4 ォキソ 2 ァダマンチルメタノール、 4 ォキソ 2 パーフルォロアダマンタノール、 4 ォキソ 2 パーフルォロアダマンタンメタ ノールなどを挙げることができる。
[0033] また、反応 Βの原料である前記一般式 (IX)で表されるカルボニル化合物として、ホ ルムアルデヒド(パラホルムアルデヒド)、ァセトアルデヒド、アセトン、プロピオンアルデ ヒド、 η ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ェチルメチルケトン、イソプロピル メチルケトン、イソブチルメチルケトン、ジェチルケトンなどが挙げられる。カルボ-ル 化合物の量は、ァダマンタン基を有するアルコール 1モルに対して、通常 1〜5モル である。
反応 Βの原料であるハロゲン化水素ガスは乾燥したものが好ま U、。市販のボンべ から供給する方法やハロゲン化ナトリウムと濃硫酸を反応させ発生したハロゲン化水 素ガスを供給する方法が採用できる。ハロゲンィ匕水素ガスの量は、ァダマンタン基を 有するアルコール 1モルに対して、通常 1〜20モルである。ハロゲン化水素ガスとし て、一般に塩ィ匕水素ガスが使用される。
[0034] 反応 Βで用いられる溶媒は、反応温度において、ァダマンタン基を有するアルコー ルの溶解度が 0. 5質量%以上、好ましくは 5質量%以上であり、かつ水の溶解度が 5 質量%以下である溶媒力 選ばれる。具体的には、へキサン、ヘプタン等の炭化水 素系溶媒;ジェチルエーテル、ジブチルエーテル等などのエーテル系溶媒;ジクロロ メタン、四塩ィ匕炭素等のハロゲン系溶媒が挙げられる。
溶媒量は、通常反応混合物中のァダマンタン基を有するアルコールの濃度が 0. 5 質量%以上、好ましくは 5質量%以上となる量である。この時、原料となるァダマンタ ン基を有するアルコールは懸濁状態でもよいが、溶解していることが望ましい。また、 使用前に溶媒中の水分を取り除いておくことが望ましい。
[0035] 反応 Βの反応条件については、反応温度は、通常 200〜200°Cであり、好ましく
は— 78〜50°Cである。反応温度が— 200°C以上であれば、反応速度の低下による 反応時間の増加をおさえることができる。一方、反応温度が 200°C以下であれば、副 反応による副生成物が増加することはなぐ塩ィヒ水素ガスの溶媒への溶解度の低下 によるハロゲンィ匕水素ガスの使用量の増加をおさえることができる。
反応圧力は、通常絶対圧力で 0. 01〜: LOMPaの範囲が採用される。反応圧力が この範囲であれば、塩ィ匕水素ガスの溶解度が低下することもなぐ反応時間が長くな り過ぎることもない。また、特別の耐圧の装置が不要となるので、経済的である。反応 圧力の好ましい範囲は、常圧〜 IMPaである。
反応時間は、通常 1分〜 24時間、好ましくは 30分〜 5時間である。
[0036] 上記反応 Bが終了した後、得られた溶液に必要に応じて水を加えて十分攪拌して カも静置することで、有機層と水層に分液することが好ましい。原料であるカルボニル 化合物の未反応分を水層に移動させて、反応 Bで得られる反応生成物へのカルボ二 ルイ匕合物の混入を防ぐことで、純度の高 、本発明のァダマンタン誘導体を得ることが できる。また、反応生成物の精製方法として蒸留を選択した場合、蒸留装置へのカル ボニルイ匕合物の付着を大幅に低減することも可能となる。
なお、反応生成物の精製については、蒸留、晶析、カラム分離などが採用可能で あり、生成物の性状と不純物の種類により精製方法を選択すればよい。
[0037] 反応 Bで得られるハロメチルァダマンチル (メチル)エーテル類としては、例えば、 シ)メチル]ァダマンタン、 2— [ (クロロメトキシ)メチル]ァダマンタン、 2—メチル 2— (クロロメトキシ)ァダマンタン、 2—ェチル 2— (クロロメトキシ)ァダマンタン、 2—シ ァノメチル一 2— (クロロメトキシ)ァダマンタン、 4—ォキソ 1— (クロロメトキシ)ァダ マンタン、 4—ォキソ 2— (クロロメトキシ)ァダマンタン、パーフルオロー 1— (クロロメ トキシ)ァダマンタン、パーフルオロー 2— (クロロメトキシ)ァダマンタン、パーフルォロ — 1— [ (クロロメトキシ)メチル]ァダマンタン、パーフルォロ 2— [ (クロロメトキシ)メ チル]ァダマンタン、 1—(ブロモメトキシ)ァダマンタン、 2—(ブロモメトキシ)ァダマン タン、 1 [ (ブロモメトキシ)メチル]ァダマンタン、 2 [ (ブロモメトキシ)メチル]ァダマ ンタン、 2—メチル 2— (ブロモメトキシ)ァダマンタン、 2—ェチル 2— (ブロモメト
キシ)ァダマンタン、 2 シァノメチルー 2 (ブロモメトキシ)ァダマンタン、 4 ォキソ パーフルオロー 1— (ブロモメトキシ)ァダマンタン、パーフルオロー 2— (ブロモメトキ シ)ァダマンタン、パーフノレオ口 1 [ (ブロモメトキシ)メチノレ]ァダマンタン、パーフ ルォ口— 2— [ (ブロモメトキシ)メチル]ァダマンタンなどが挙げられる。中でも、 2- ( クロロメトキシ)ァダマンタン、 1 [ (クロロメトキシ)メチル]ァダマンタン、 2—シァノメ チル一 2— (クロロメトキシ)ァダマンタン、 4—ォキソ 2— (クロロメトキシ)ァダマンタ ンが好ましい。これと反応させる (メタ)アクリル酸類又はその酸無水物の使用量は、 ハロメチルァダマンチル (メチル)エーテル類に対して、通常モル比で 1〜1. 5の範 囲である。
[0038] 次に、反応 Aについて説明する。
反応 Aは、反応 Bで得られた前記一般式 (VI)で表されるハロメチルァダマンチル( メチル)エーテル類と、前記一般式 (VII)で表される (メタ)アクリル酸類またはその酸 無水物とを反応させることで、本発明のァダマンタン誘導体を得る反応である。
[0039] 反応 Aでは、必要により反応促進剤が使用され、必要により溶媒が使用される。
反応 Aで用いられる反応促進剤として、トリメチルァミン、トリェチルァミン、トリプチ ルァミン、トリオクチルァミン、ピリジンなどの第 3級ァミン;炭酸リチウム、炭酸カリウム 、炭酸ナトリウムなどの炭酸塩が挙げられる。これらの反応促進剤は、一種を単独で 用いてもよぐ二種以上を組み合わせて用いてもよい。
[0040] 反応 Aで用いられる溶媒としては、反応促進剤に対して安定で、原料であるハロメ チルァダマンチル (メチル)エーテル類の溶解度力 反応温度において、好ましくは 0. 5質量%以上、より好ましくは 5質量%以上のものを用いる。溶媒量は反応混合物 中のハロメチルァダマンチル (メチル)エーテル類の濃度が好ましくは 0. 5質量%以 上、より好ましくは 5質量%以上となる量である。この際、ハロメチルァダマンチル (メ チル)エーテル類が懸濁状態でもよいが、溶解していることが望ましい。具体的には 、 N—メチルピロリドン(NMP)、へキサメチルホスホリックトリアミド(HMPA)、 N, N —ジメチルホルムアミド (DMF)、また、反応促進剤としても使用されるトリメチルァミン 、トリェチルァミン、トリブチルァミン、トリオクチルァミン、ピリジンなども挙げることがで
きる。これらの溶媒は、一種を単独で用いてもよぐ二種以上を混合して用いてもよい
[0041] 反応 Aの反応温度は、通常、 200〜200°Cの範囲が採用される。この範囲であ れば、反応速度が低下することもなぐ反応時間が長くなり過ぎることもない。また、重 合物の副生が増加することもない。好ましくは、室温〜 50°Cの範囲である。
反応 Aの反応圧力は、通常、絶対圧力で 0. 01〜: LOMPaの範囲が採用される。こ の範囲であれば、特別な耐圧の装置は必要ではなぐ経済的である。好ましくは、常 圧〜 IMPaの範囲である。
また、反応時間については、通常、 1分〜 24時間、好ましくは 30分〜 6時間の範囲 である。
[0042] 反応 Aの終了後、水洗により塩を除 、て、必要に応じてメタノール、エーテル、 n— へキサン等の貧溶媒で再沈殿法により、副生成物の重合物を取り除き、 目的化合物 を精製する。
目的化合物の精製分離については、蒸留、再結晶、晶析、カラム分離などが可能 である。中でも、純度が高ぐかつ色相の優れた目的化合物を得られることから、再結 晶又は晶析による精製分離が好ま 、。
該精製分離で用いられる溶媒としては、へキサン、ヘプタン、オクタン、 1—へキセ ンなどの脂肪族炭化水素系溶媒;シクロへキサン、メチルシクロへキサンなどの脂環 式炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒;アセトン、メ チルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒;蟻酸メチル、酢酸ェチルなどのエステル系 溶媒;ジェチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル 系溶媒;ジクロロメタン、クロ口ホルム、四塩ィ匕炭素などのハロゲン系溶媒;メタノール 、エタノール、 2—プロパノールなどのアルコール系溶媒;ァセトニトリル、 N, N ジメ チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、水などを挙げることができる。これらの溶媒 は、一種を単独で用いてもよぐ二種以上を混合して用いてもよいが、純度が高ぐか つ色相の優れた目的化合物を高い回収率で得ることができることから、脂肪族炭化 水素系溶媒、脂環式炭化水素系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系 溶媒を用いることが好ましぐ脂肪族炭化水素系溶媒がより好ましい。
このようにして、前記一般式 (I)で表されるァダマンタン誘導体が得られる。
得られたィ匕合物の同定は、ガスクロマトグラフィー(GC)、液体クロマトグラフィー(L
C)、ガスクロマトグラフィー質量分析 (GC— MS)、核磁気共鳴分光法 (NMR)、赤 外分光法 (IR)、融点測定装置などを用いて行うことができる。
前記一般式 (I)で表されるァダマンタンィ匕合物を、 2—メチルー 2—ァダマンチルメ タクリレート等のモノマーと共重合させて得られるポリマーはフォトレジスト用感光材料 に使用できる。
実施例
[0043] 以下、本発明を実施例及び比較例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれら の実施例によって何ら限定されるものではない。
〔実施例 1〕
構造式
[0044] [化 10]
[0045] で表される(1—ァダマンチルメトキシ)メチルメタタリレートの合成
2リットルのガラス反応器に攪拌装置、滴下ロートを取付け、 1— [ (クロロメトキシ)メ チル]ァダマンタン 140. 03g (652ミリモル)、重合禁止剤として、メトキノン 0. 28g (2 , 000質量 ppm)を、テトラヒドロフラン 1, 200ミリリットルに溶解させ、液温が 5°Cにな るまで冷却した。この時点で容器内の状態は無色透明な溶液となった。次いで、トリ ェチルァミン 99. 17g (980ミリモル)を 2. 3ミリリットル Z分の速さで滴下を開始した 後、引き続いてメタクリル酸 83. 94g (975ミリモル)を 1. 4ミリリットル Z分の速さで滴 下した (滴下時間は、トリェチルァミンを滴下してから 1時間で終わるようした)。この時 、メタクリル酸を滴下すると発熱が観察されるので、液温 20°C以下になるよう調節した 。この時点で溶液の状態は白濁溶液となった。その後、経時的にサンプリングを行い
、ガスクロマトグラフィーにて原料の消失、 目的物の生成を確認した。反応終了後に 氷水 100ミリリットル、飽和塩ィ匕ナトリウム水溶液 100ミリリットルをカ卩え、 3分間撹拌し た。すると、白濁した反応溶液が無色透明な溶液となった。その後、ジェチルエーテ ル(300ミリリットルで 3回)で抽出操作をおこなった。
上記で得られた溶液を 2回に分けて、 100ミリリットルの氷水で洗浄し、その後、溶 液を硫酸マグネシウムで脱水処理をおこなった。ここで重合禁止剤としてメトキノン 0. 028g (200質量 ppm)をカ卩えた。つづいて、活性炭 22.5gで脱色処理をし、溶媒を エバポレーターで留去すると、 目的物の(1ーァダマンチルメトキシ)メチルメタクリレ ート 142.64g (単離収率 82.7%、 GC純度 96.41%)を得た。以下、 NMR、 1 C— NMR、 GC— MSの各データを示した。
[0046] ·核磁気共鳴分光法 (NMR): CDC1
3
NMR(500MHz) :1.37(d, J=2.3Hz, 6H, j)、
1.48(d, J=12.2Hz, 3H, h or h')、
1.58(d, J=12.3Hz, 3H, h' or h)、 1.77(s, 3H, a),
1.83 (s, 3H, i)、 3.17(s, 2H, f)、 4.68 (s, 2H, e)、
5.40 (s, 1H, b1), 5.97(s, 1H, b2)
13C— NMR (127MHz) :18.01(a), 27.58(i)、
33.74(g), 36.52 (h or j)、 38.88 (j or h)、
81.90(f), 84.04(e), 125.04(b), 136.63(c),
169.51(d)
•ガスクロマトグラフィー質量分析(GC— MS): EI
246(M+— 18, 1.5%)、 234(M+— CH O, 0.1%)、
2
178(14.3%)、 149(45.6%)、 135(100%)、
107(15.2%)、 93(24.3%)、 79(21.1%)、
69(15.1%)、 41(17.9%)
[0047] 〔実施例 2〕
構造式
[0048] [化 11]
[0049] で表される(2—ァダマンチルォキシ)メチルメタタリレートの合成
実施例 1において、 1— [(クロロメトキシ)メチル]ァダマンタンの代わりに、 2— (クロ ロメトキシ)ァダマンタン 130. 52g (650ミリモル)を使用したこと以外は同様に実施し た。なお、最後に溶媒をエバポレーターで留去した後、ジェチルエーテル Zn キ サンにより再結晶をした結果、目的物の(2—ァダマンチルォキシ)メチルメタタリレー 卜 122. 26g (単離収率 75. 1%、 GC純度 98.60%)を得た。以下、 NMR、 13C — NMR、 GC— MSの各データを示した。
[0050] ·核磁気共鳴分光法 (NMR): CDC1
3
iH— NMR^OOMHz) :1. 50(d, J=12. 3Hz, 2H)ゝ
1. 68(d, J=12. 3Hz, 2H)、 1. 71 (s, 2H)、
1. 79〜: L 87 (m, 4H), 1. 95 (s, 3H, a),
2.03〜2.05 (m, 3H)、 2.07 (s, 1H)、
3. 76(t, J = 3.4Hz, 1H, f)、 5.46 (s, 2H, e)、
5. 59 (t, J= 1. 9Hz, 1H, b1)、 6. 13 (s, 1H, b2)
13C— NMR (127MHz) :18. 19(a),
27. 11 (h or h' or j or jノ、
27. 33 (h or h' or j or jノ、
31.40 (g or i or リ、
32. 52 (h or h' or j or jノ、
36. 50 (g or i or リ、 37.47(g or i or i')、
82. 95(f), 88.61(e), 125. 89(b), 136. 32(c),
166.88(d)
•ガスクロマトグラフィー質量分析(GC— MS): EI
220(M+-CH O, 29.9%)、 164(57.5%)、
2
134(93.5%)、 135(100%)、 122(21.4%)、
92(68.9%)、 79(43.2%)、 69(51.5%)、41 (47.6%)
[0051] 〔実施例 3〕
構造式
[0052] [化 12]
[0053] で表される [(4 ォキソ 2 ァダマンチル)ォキシ]メチルメタタリレートの合成
実施例 1において、 1— [(クロロメトキシ)メチル]ァダマンタンの代わりに、 4—ォキソ -2- (クロロメトキシ)ァダマンタン 139.55g (650ミリモル)を使用したこと以外は同 様に実施した。その結果、 目的物の [(4—ォキソ—2 ァダマンチル)ォキシ]メチル メタタリレート 149.80g (単離収率 87.2%、 GC純度 98.15%)を得た。以下、 ¾— NMR、 13C— NMR、 GC— MSの各データを示した。
[0054] ·核磁気共鳴分光法 (NMR): CDC1
3
1.71〜: L 76(m)、 1.85〜: L.89(m)、 1.93〜: L 95(m)、
1.96(s)、 2.00〜2.05(m)、 2.19(s)、
2.26〜2.29(m)、 2.33〜2.36(m)、 2.44〜2.48(m)、
2.51(s)、 2.77(s)、 2.81(s)、
3.82(t, J = 3.5Hz, 1H, f2)、
4. 17(dd, J = 3.8Hz, 5.4Hz, lh, f1),
5.38〜5.45 (m, 2H, e'&e2),
5.62〜5.64 (m, 1H, b '&b 2)、 6.13(s, 1H, b 2)、
6. 17(s, b )
2
13C— NMR( 127MHz) :18. 15 (a1), 18. 33 (a2)、
26. 34( 、 26. 56(k2)、
30. 00 (j2 or l2 or n or o2)、31. 75(m2)、
32. 23(m1), 32. 65 (j2 or l2 or n or o2)、
32. 92 (j1 or l1 or n1 or o1),
33.40 (j or Γ or n2 or o2)、
35. 20 (j or l1 or n1 or o1) ^
37. 97 (j or l1 or n1 or の1)、
38. 81 (j2 or l2 or n or o2)、
38. 97 (j1 or l1 or n1 or o1), 45. 37(i2)、
46. 32a1), 51. 69(g ), 52. 26(g2)、 80. 84(f2)、
85. 51( 、 87. 74(ei)、 88. 28(e2)、
126. 35 (b1 or b2)、 126. 39 (b2 or b1),
135. 92(c2)、 135. 97( 、 166. 54(d2)、
166. 69 (め、 214. 63(h2)、 215. 32 (h1)
注)添字 1:主異性体、添字 2:副異性体
•ガスクロマトグラフィー質量分析(GC— MS): EI
264 (M+, 0. 5%)、 178(42. 1%)、 165(9. 9%)、
150(38. 8%)、 149(30. 9%)、 121(41. 3%)、
93(19. 1%)、 79(41. 2%)、 69 (100%)、 41 (46. 2%)
〔実施例 4〕
2- (クロロメトキシ)ァダマンタンの合成
塩化水素ガス導入用のノズルを取付けた 500ミリリットルのナス型フラスコにマグネ チックスターラーを入れて、 2—ァダマンタノール 30.4g (200ミリモル)、ノ《ラホルム アルデヒド 7. 8 lg (260ミリモル)及び乾燥したジクロロメタン 200ミリリットルを加え、 3 0°Cに保ちながら攪拌した。ここにノズルを通じて塩ィ匕水素ガス 36. 5g (1000ミリモル )を 120分間吹き込んだ。さらに 120分間攪拌後、溶液をガスクロマトグラフィーで分
祈したところ、 2 ァダマンタンノールは完全に転ィ匕し、選択率 99. 0%で 2— (クロ口 メトキシ)ァダマンタンが得られて ヽることを確認した。
上記で得られた溶液を分液ロートに移し、有機層と水層とを分液した。有機層よりジ クロロメタンを留去し、 2 (クロロメトキシ)ァダマンタンの無色透明液体 39. Og (単離 収率 97. 2%、 GC純度 99. 0%)を得た。
[0056] 〔実施例 5〕
(2—ァダマンチルォキシ)メチルメタタリレートの合成
温度計、攪拌装置及び滴下ロートを取付けた 300ミリリットルのフラスコにマグネチッ タスターラーを入れて、メタクリル酸 19. 4g及びへキサン 100ミリリットルを加えて、 0 °Cに冷却した後、攪拌しながらトリェチルァミン 22. 8g (225ミリモル)を 20分間かけ て滴下した。続いて、実施例 4で得られた 2— (クロロメトキシ)ァダマンタン 30. lg (l 50ミリモル)を液温が 10°C以上とならないように滴下した。滴下が終了した後、 1時間 攪拌を続け、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、 2- (クロロメトキシ)ァダマンタ ンが完全に転ィ匕して 、ることを確認した。
得られた溶液を分液ロートに移し、水洗、アルカリ洗浄、水洗を行った後、 40°Cから — 10°Cまで冷却し晶析した。固液分離後、固体を— 10°Cのへキサンでリンスした。 室温下、真空乾燥したところ、(2—ァダマンチルォキ)メチルメタタリレートの白色固 体 29. Og (単離収率 78. 0%、GC純度 99. 3%)が得られた。
このようにして得られた(2—ァダマンチルォキシ)メチルメタタリレート 0. 2gをプロ ピレンダリコールモノメチルエーテルアセテート 0. 8gに溶解し、溶液の濁りを目視に より確認したところ、溶液は無色透明であり、濁りは認められず、純度の高い目的化 合物を得ることができた。
[0057] 〔実施例 6〕
4—ォキソ 2— (クロロメトキシ)ァダマンタンの合成
塩化水素ガス導入用のノズルを取付けた 500ミリリットル三つ口フラスコにマグネチ ックスターラーを入れて、 4—ォキソ 2 ァダマンタノール 33. 24g (200ミリモル)、 パラホルムアルデヒド 9. Olg (300ミリモル)及び乾燥したジクロロメタン 200ミリリット ルをカロえ、 30°Cに保ちながら攪拌した。ここにノズルを通じて塩ィ匕水素ガス 36. 5g (
1000ミリモル)を 120分間吹き込んだ。さらに 120分間攪拌後、溶液をガスクロマトグ ラフィ一で分析したところ、 2 ァダマンタノールは完全に転ィ匕し、選択率 94. 0%で 4 -ォキソ 2 (クロロメトキシ)ァダマンタンが得られて 、ることを確認した。
上記で得られた溶液を分液ロートに移し、有機層と水層とを分液した。有機層よりジ クロロメタンを留去した後、蒸留にて精製を行い、 4—ォキソ 2— (クロロメトキシ)ァ ダマンタンを 37. Og (単離収率 86. 0%、 GC純度 98. 8%)を得た。蒸留した際に、 装置へのパラホルムアルデヒドの付着は認められなかった。
[0058] 〔実施例 7〕
[ (4 ォキソ 2 ァダマンチル)ォキシ]メチルメタタリレートの合成
温度計、攪拌装置及び滴下ロートを取付けた 300ミリリットルのフラスコにマグネチッ タスターラーを入れて、メタクリル酸 19. 4g及びへキサン 100ミリリットルを加えて、 0 °Cに冷却した後、攪拌しながらトリェチルァミン 22. 8g (225ミリモル)を 20分間かけ て滴下した。続いて実施例 6で得られた 4—ォキソ 2— (クロロメトキシ)ァダマンタン 32. 2g ( 150ミリモル)を液温が 10°C以上とならないように滴下した。滴下が終了した 後、 1時間攪拌を続け、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、 4—ォキソ 2— (ク 口ロメトキシ)ァダマンタンが完全に転ィ匕して 、ることを確認した。
得られた溶液に水を加えて反応を停止させた後、分液ロートに移し、水層を除去し た。さらに有機層を純水で洗浄後分液し、溶媒を減圧濃縮したところ、 [ (4 ォキソ 2 ァダマンチル)ォキシ]メチルメタタリレートの無色液体 37. 3g (単離収率 94. 0%、 GC純度 99. 3%)が得られた。
このようにして得られた [ (4 ォキソ 2 ァダマンチル)ォキシ]メチルメタクリレー ト 0. 2gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 0. 8gに溶解し、溶液の 濁りを目視により確認したところ、溶液は無色透明であり、濁りは認められず、純度の 高い目的化合物を得ることができた。
[0059] 〔比較例 1〕
(2—ァダマンチルォキシ)メチルメタタリレートの合成
塩化水素ガス導入用のノズルを取付けた 500ミリリットルのナス型フラスコにマグネ チックスターラーを入れて、 2 ァダマンタノール 30. 4g (200ミリモル)、ノ《ラホルム
アルデヒド 7. 81g (260ミリモル)、無水硫酸マグネシウム 24. 0g (200ミリモル)及び 乾燥したジクロロメタン 200ミリリットルを加え、 30°Cに保ちながら攪拌した。ここにノズ ルを通じて塩化水素ガス 36. 5g (1000ミリモル)を 120分間吹き込んだ。さらに 120 分間攪拌後、溶液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、 2—ァダマンタンノール は完全に転ィ匕し、選択率 96. 5%で 2— (クロロメトキシ)ァダマンタンが得られている ことを確認した。
上記で得られた溶液より硫酸マグネシウムをろ過して取り除 ヽた後、溶液からジクロ ロメタンを留去したところ、パラホルムアルデヒドの固体と液体の 2—(クロロメトキシ)ァ ダマンタン力もなる懸濁液 40. 9gが得られた。得られた懸濁液を用いること以外は実 施例 5と同様にして(2 ァダマンチルォキシ)メチルメタタリレートを合成した。
このようにして得られた(2—ァダマンチルォキシ)メチルメタタリレート 0. 2gをプロ ピレンダリコールモノメチルエーテルアセテート 0. 8gに溶解し、溶液の濁りを目視に より確認したところ、溶液に濁りが認められ、 目的化合物中にカルボニル化合物が不 純物として含まれて!/、ることが分力つた。
[0060] 〔実施例 8〜10、比較例 2、 3〕
実施例 1〜 3で合成した化合物、及び 2—メチル 2 ァダマンチルメタタリレート、 2- (4— tert ブトキシメチルォキシフエ-ル)プロペンについて、下記の要領で酸 分解性の評価とレジスト材特性の評価を行った。結果を第 1表に示す。
'酸分解性
(1) NMR用試料管に評価試料(120 モル)を入れ、 DMSO— d6 (重水素ジメチ ルスルホキシド) 0. 61ミリリットルで溶解させた。
(2)ここに、トリフルォロメタンスルホン酸 5. 30 リットル(60 モル)を加えた。この 時点で、基質濃度 200 モル Zミリリットル、酸濃度 100 モル Zミリリットルとなった
(3)この試料管を NMRにセットし、 100°Cにして分解反応を開始した。
(4) 10分後に1 H— NMRを測定し、試料の分解率を算出した。
[0061] 'レジスト材特性
上記のようにして得られたァダマンチル (メチル)ォキシメチル (メタ)アタリレート類は
、例えばラジカル重合を経てポリマーに変換することによって、フォトレジスト材料に 適宜変換することが可能である。具体的な重合方法については、特開 2001— 2207 5号公報、特開 2001— 27804号公報及び特開 2001—5184号公報に代表される 方法に準拠することが可能である。
上記の方法に準拠して製造したァダマンチル (メチル)ォキシメチル (メタ)アタリレ ート重合体及び共重合体は、次の方法によってレジスト材料としての特性を評価した
[0062] ArF透明性とは、 ArFレーザーの透過度を表し得るものである。ポリマー又はコポリ マーをシリコンウェハーに 500nmの膜厚で密着させた基板を用いて露光し、ウェハ 一現象、純水洗浄'乾燥の工程を経て、ウェハー断面のレジスト膜の形状を経て、ゥ ェハー断面のレジスト膜の形状を電子顕微鏡で評価したものである。レジスト膜がゥ ェハー表面までくっきりと侵食されているものを◎、ウェハー表面まで侵食は達して いるが、基板との接触面でやや明瞭さが劣るものを〇、侵食面がウェハー表面に達 して 、な 、ものを Xと評価した。
[0063] 耐熱性とは、 120°Cにて 60秒のプリベータを行う際のレジストポリマーの耐性を表し 得るものである。同一温度条件で、 60秒の熱履歴を与え、当初のポリマーとの構造 変化を NMRで追跡したところ、構造変化が全く認められないものを◎、構造変化は NMRでは認められないものの、着色が僅かに起こり、熱による構造変化の開始が認 められるものを〇、構造変化が NMRで明らかに判るものを△、また構造変化を経て 、全く構造の違うものに変化したものを Xと評価した。
[0064] 解像性とは、露光後の解像されるレジストパターンの最小寸法を測定し、 0. 045以 上 0. 05 m未満のものを◎、 0. 05以上 0. 15 m未満のものを〇、 0. 15 /z m以 上のものを△と評価した。
[0065] [表 1]
1
本発明のァダマンタン誘導体は、新規なァダマンチルォキシメチル (メタ)ァクリレー ト類であって、フォトリソグラフィー分野における感光性榭脂などの機能性榭脂のモノ マーとして有用であり、また、従来のァダマンタン系(メタ)アタリレート類に比べ、ァセ タール構造を有するため、酸と容易に反応し、より高度な解像が可能になり得る。更 に、露光後の表面荒れ (LER:レジストの側面にできる凹凸、 LWR:配線を真上から 見た場合のうねり)の改善、 PEB (露光によって発生した酸を拡散させるための熱処 理)の温度依存性等の改善効果が期待できる。