JP7322716B2 - アルコール化合物の製造方法及び(メタ)アクリレート化合物の製造方法 - Google Patents

アルコール化合物の製造方法及び(メタ)アクリレート化合物の製造方法 Download PDF

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本発明は、アルコール化合物の製造方法及び(メタ)アクリレート化合物の製造方法に関する。
半導体素子や液晶素子の製造における微細加工の分野においては、リソグラフィー技術によりシリコン基板等の基板にパターンを形成することが行われている。近年、リソグラフィー技術の進歩により急速に、パターン寸法の微細化が進んでいる。
パターン寸法の微細化の手法としては、一般に、基板上に設けられたレジスト膜をパターニングする際にレジスト膜に照射する照射光を短波長化する手法が用いられている。具体的には、従来のg線(波長438nm)、i線(波長365nm)に代表される紫外線からDUV(Deep Ultra Violet)へと照射光が変化してきている。具体的には、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、Fエキシマレーザー(波長157nm)によるリソグラフィー技術が開発されている。さらに、電子線リソグラフィー技術や、波長13.5nm近傍の極端紫外光(Extreme Ultra Violet light:EUV光)を用いるEUVリソグラフィー技術についても研究されている。
上記のような短波長の照射光や電子線に対応できる高解像度のレジスト組成物として、酸脱離性基を有するレジスト用重合体と、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する酸発生剤を含有する「化学増幅型レジスト組成物」が多く用いられる。酸脱離性基とは酸の作用により開裂する結合を有する基であり、前記結合の開裂により酸脱離性基の一部又は全部が重合体から脱離する基である。
酸脱離性基を有するレジスト用重合体として、1-メチル(又はエチル)シクロペンチル(メタ)アクリレート単位を有するアクリル系重合体が知られている(特許文献1)。
特開2007-316553号公報
2-(又は3-)アルキル-1-メチル(又はエチル)シクロペンチル(メタ)アクリレートは、1-メチル(又はエチル)シクロペンチル(メタ)アクリレートよりも疎水性が高い。そのため、1-メチル(又はエチル)シクロペンチル(メタ)アクリレートに代えて2-(又は3-)アルキル-1-メチル(又はエチル)シクロペンチル(メタ)アクリレートを用いることで、レジスト用重合体のレジスト溶媒(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の有機溶剤)に対する溶解性が高まり、パターン形成性やLWR(ラインウィドゥスラフネス)が改善することが期待される。
しかし、2-(又は3-)アルキル-1-メチル(又はエチル)シクロペンチル(メタ)アクリレートの好ましい製造方法は未だ確立されていない。
本発明は、レジスト用重合体に有用な(メタ)アクリレート化合物及びその中間体であるアルコール化合物を優れた収率で製造できる製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
〔1〕10~30℃の条件下で、下記式(1)で表されるケトン化合物の溶液を下記式(2)で表されるグリニャール試薬の溶液に滴下し、前記ケトン化合物と前記グリニャール試薬とを反応させる、下記式(3)で表されるアルコール化合物の製造方法。
Figure 0007322716000001
ただし、Rは炭素数1~4の直鎖アルキル基であり、Rはメチル基又はエチル基であり、Xは塩素原子又は臭素原子である。
〔2〕前記〔1〕の製造方法により前記式(3)で表されるアルコール化合物を製造し、前記アルコール化合物を(メタ)アクリレート化する、下記式(4)で表される(メタ)アクリレート化合物の製造方法。
Figure 0007322716000002
ただし、Rは炭素数1~4の直鎖アルキル基であり、Rはメチル基又はエチル基であり、Rは水素原子又はメチル基である。
本発明の一態様に係るアルコール化合物の製造方法によれば、レジスト用重合体に有用な(メタ)アクリレート化合物の中間体であるアルコール化合物を優れた収率で製造できる。
本発明の一態様に係る(メタ)アクリレート化合物の製造方法によれば、レジスト用重合体に有用な(メタ)アクリレート化合物を優れた収率で製造できる。
本発明において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを意味する。「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル又はメタクリロイルを意味する。
数値範囲を示す「~」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
〔アルコール化合物の製造方法〕
本発明の一態様に係るアルコール化合物の製造方法は、10~30℃の条件下で、下記式(1)で表されるケトン化合物(以下、「化合物(1)」とも記す。)の溶液を下記式(2)で表されるグリニャール試薬(以下、「試薬(2)」とも記す。)の溶液に滴下し、化合物(1)と試薬(2)とを反応させる、下記式(3)で表されるアルコール化合物(以下、「化合物(3)」とも記す。)の製造方法である。
Figure 0007322716000003
式(1)において、Rは炭素数1~4の直鎖アルキル基である。Rとしては、化合物(1)と試薬(2)との反応の進みやすさの点で、メチル基又はエチル基が好ましい。
式(1)におけるRの結合位置は2位又は3位である。
式(2)において、Rはメチル基又はエチル基である。
Xは塩素原子又は臭素原子である。Xとしては、反応速度の点では、臭素原子が好ましい。
式(3)において、R、Rはそれぞれ、好ましい態様も含めて式(1)におけるR、式(2)におけるRと同じである。
式(3)におけるRの結合位置は、式(1)におけるRの結合位置と同じである。
化合物(1)の溶液(以下、「溶液(1)」とも記す。)は、化合物(1)と溶媒とを含む。
溶液(1)における化合物(1)の濃度は、適宜設定できるが、例えば0.5~1.5mol/Lである。
溶液(1)の溶媒としては、試薬(2)と反応しない溶媒であればよく、特に限定されない。溶媒の例としては、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒:ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒:ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t-ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒が挙げられる。これらの溶媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
試薬(2)の溶液(以下、「溶液(2)」とも記す。)は、試薬(2)と溶媒とを含む。
溶液(2)における試薬(2)の濃度は、適宜設定できるが、例えば1~3mol/Lである。
溶液(2)の溶媒としては、試薬(2)と反応しない溶媒であればよく、特に限定されない。溶媒の例としては、前記した溶液(1)の溶媒と同じものが挙げられる。溶液(1)の溶媒と溶液(2)の溶媒は、混和可能であれば異なってもよい。
溶液(1)を溶液(2)に滴下すると、化合物(1)と試薬(2)との反応が進み、化合物(3)が生成する。
溶液(1)及び溶液(2)の使用量は、化合物(1)の1モル当たりの試薬(2)の使用量(モル)を勘案して適宜設定できる。
化合物(1)の1モル当たりの試薬(2)の使用量は、特に限定されないが、化合物(3)を収率よく得る点から、0.5モル以上が好ましく、0.8モル以上がより好ましく、1.0モル以上がさらに好ましい。また、副反応や反応後の処理工程への負荷を抑制する点から、2モル以下が好ましく、1.8モル以下がより好ましく、1.5モル以下がさらに好ましい。
化合物(1)と試薬(2)との反応を進みやすくするために、溶液(1)又は溶液(2)に無機化合物を含有させ、無機化合物の存在下で化合物(1)と試薬(2)とを反応させてもよい。
無機化合物の例としては、塩化リチウム、塩化亜鉛、塩化セリウム、塩化鉄、ランタントリクロリドビスリチウムクロリド錯体等が挙げられる。
しかし、無機化合物は溶液(1)又は溶液(2)の溶媒に溶解しないので、無機化合物を添加すると、溶液(1)又は溶液(2)を均一なスラリー状にするのに手間がかかる。
本態様にあっては、無機化合物の不在下であっても優れた収率で化合物(3)を製造できるので、無機化合物の不在下で化合物(1)と試薬(2)とを反応させることが好ましい。溶液(1)又は溶液(2)に無機化合物を含有させないことで、溶液(1)又は溶液(2)を容易に均一にでき、作業性が良好である。また、原料コストの増加、反応後の処理工程への負荷の増加を抑制できる。
溶液(1)を溶液(2)に滴下する際の温度(滴下温度)は、10~30℃である。滴下温度が10℃以上であれば、化合物(1)と試薬(2)との反応が進みやすい。滴下温度が30℃以下であれば、副反応であるアルドール反応を抑制でき、化合物(3)の収率が向上する。滴下温度は、15~25℃が好ましい。
溶液(1)の滴下開始から滴下終了までの時間(滴下時間)は、反応温度等によって異なるため適宜決めればよいが、例えば1~5時間である。
必要に応じて、滴下終了後に熟成時間を設けることもできる。熟成時間は、例えば0~3時間である。
化合物(1)と試薬(2)との反応は、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。不活性ガスとしては、例えばヘリウムガス、窒素ガス、アルゴンガス等が挙げられる。
化合物(1)と試薬(2)との反応で得た化合物(3)を精製してもよい。化合物(3)の精製方法は、生成物の物性、原料の種類及び量、溶媒の種類等を考慮して、アルカリ水洗、水洗、蒸留、晶析、濾過等の公知の精製方法を、適宜組み合わせることができる。
〔(メタ)アクリレート化合物の製造方法〕
本発明の一態様に係る(メタ)アクリレート化合物の製造方法は、前記したアルコール化合物の製造方法により化合物(3)を製造し、得られた化合物(3)を(メタ)アクリレート化する、下記式(4)で表される(メタ)アクリレート化合物(以下、「(化合物(4)」とも記す。)の製造方法である。
Figure 0007322716000004
式(4)において、R、Rはそれぞれ、好ましい態様も含めて式(3)におけるR、Rと同じである。
式(4)におけるRの結合位置は、式(3)におけるRの結合位置と同じである。
の結合位置は、化合物(4)に基づく単位を有するレジスト用重合体を含むレジスト組成物の露光マージンがより優れる点では3位が好ましく、酸脱離性がより優れる点では2位が好ましい。
は水素原子又はメチル基である。
化合物(3)を(メタ)アクリレート化する方法としては、アルコール化合物を(メタ)アクリレート化する方法として公知の方法であってよく、例えば、化合物(3)と、(メタ)アクリロイルハライド、(メタ)アクリル酸無水物、(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリレートとを反応させる方法が挙げられる。
以下、化合物(3)と(メタ)アクリロイルハライドとを反応させる方法を例に挙げて説明する。
(メタ)アクリロイルハライドは、CH=C(R)-C(=O)-O-Xで表される。Rは前記のとおりであり、Xはハロゲン原子である。Xとしては、例えば塩素原子、臭素原子が挙げられる。
(メタ)アクリロイルハライドの使用量は、特に限定されないが、化合物(4)を収率よく得る点から、化合物(3)の1モル当たり0.5モル以上が好ましく、0.7モル以上がより好ましく、0.9モル以上がさらに好ましい。また、(メタ)アクリロイルハライド由来の重合を防止する点では、化合物(3)の1モル当たり3モル以下が好ましく、2.5モル以下がより好ましく、2モル以下がさらに好ましい。
化合物(3)と(メタ)アクリロイルハライドとの反応において、化合物(4)を収率よく得る点から、塩基を添加してもよい。塩基の例としては、n-ブチルリチウム、s-ブチルリチウム、t-ブチルリチウム、メチルマグネシウムブロミド、t-ブチルマグネシウムクロリド、トリエチルアミン、4-ジメチルアミノピリジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン等が挙げられる。
塩基の使用量としては、反応収率の点から、化合物(3)の1モル当たり0.1モル以上が好ましく、0.5モル以上がより好ましい。また反応後の処理工程への負荷を抑制する点から、化合物(3)の1モル当たり3モル以下が好ましく、2モル以下がより好ましい。
化合物(3)と(メタ)アクリロイルハライドとの反応において、溶媒を用いてもよい。溶媒は、(メタ)アクリロイルハライドと反応しない溶媒であれば特に限定されない。例えば、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒:ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒:ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t-ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。溶媒の使用量は適宜設定できる。
化合物(3)と(メタ)アクリロイルハライドとの反応において、重合を抑制するため、反応系内に重合禁止剤を存在させてもよい。重合禁止剤としては、特に限定されないが、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ハイドロキノン、4-ヒドロキシ-2,2,6,6,-テトラメチルピペリジン-N-オキシル、フェノチアジン、銅塩等が挙げられる。これらの重合禁止剤は1種を用いても2種以上を併用してもよい。
化合物(3)と(メタ)アクリロイルハライドとを反応させる工程における反応温度は、通常のエステル化で用いられる温度であればよい。反応時間を短縮する点で、-100℃以上が好ましく、-80℃以上がより好ましい。また副反応や重合等の問題を抑制する点で、65℃以下が好ましく、45℃以下がより好ましい。
反応時間は、反応温度等によって異なるため適宜決めればよい。例えば、0.5~20時間程度が好ましい。
化合物(3)と(メタ)アクリロイルハライドとの反応で得られた化合物(4)を精製することが好ましい。化合物(4)の精製方法は、生成物の物性、原料、塩基の種類及び量、溶媒の種類等を考慮して、アルカリ水洗、水洗、蒸留、晶析、濾過等の公知の精製方法を、適宜組み合わせることができる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、使用した化学物質は、特に記載がない場合は市販品を特に精製せずに使用した。
<ガスクロマトグラフィーの測定方法>
反応の進行確認及び純度決定は、ガスクロマトグラフィーの測定により実施した。本測定においては、アジレント・テクノロジー(株)製、Agilent 6890Nを用い、下記の条件で測定した。
・インジェクション温度:250℃
・キャリアガス:He
・圧力:104.3kPa
・全流量:224.5mL/分
・カラム流量:3.59mL/分
・線速度:51.4cm/秒
・スプリット比:60.7
・カラム:HP-INNOWAX(30m×0.32mm×0.25μm)
・昇温プログラム:50℃で5分、
10℃/分で250℃まで昇温、
250℃で5分ホールド
・検出器:FID
・検出器温度:250℃
[実施例1:1,3-ジメチルシクロペンタノールの合成]
攪拌子、温度計、窒素ガス吹込み口、滴下ロートを備えたガラス製のフラスコを窒素置換した後、フラスコ内に、1mol/Lのメチルマグネシウムブロミド溶液10.9g(メチルマグネシウムブロミド換算で11.0mmol、溶媒:テトラヒドロフラン)をシリンジで加えた(反応終了まで窒素はフロー継続)。内温を24℃に調節した後、3-メチルシクロペンタノン1.0g(10.0mmol)とテトラヒドロフラン13mLとを予め混合して調製した溶液を滴下ロートから55分間かけて滴下した。滴下終了後、内温を24℃に保ちながら、1時間熟成した。この溶液を5℃以下に冷却し、2M塩酸水溶液10mL(20mmol)を内温が25℃を超えない速度でゆっくり添加した。反応溶液を分液ロートに移液して、有機層と水層とを分離した。水層は酢酸エチル10mLを加えて抽出した。二つの有機層を併せて、飽和重曹水10mLで過剰の塩酸を中和し、さらに飽和食塩水10mLで洗浄した。有機層に0.5gの硫酸マグネシウムを加えて、30分間攪拌した後、ろ過にて硫酸マグネシウムを除去した。ろ液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、生成物全体に対する目的のアルコール化合物の面積百分率は93.0%であり、アルドール付加体が7.0%副生していた。このろ液をエバポレーターで濃縮し、単蒸留で精製したところ、目的のアルコール化合物を79.6%の収率で取得した。
[実施例2:1,2-ジメチルシクロペンタノールの合成]
3-メチルシクロペンタノンに換えて、2-メチルシクロペンタノンを用いた以外は、実施例1と同様の方法で反応を実施した。ろ液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、生成物全体に対する目的のアルコール化合物の面積百分率は75.0%であり、アルドール付加体は16.9%副生していた。このろ液をエバポレーターで濃縮し、単蒸留で精製したところ、目的のアルコール化合物を63.5%の収率で取得した。
[実施例3:1,3-ジメチルシクロペンチルメタクリレートの合成]
攪拌子、温度計、窒素ガス吹込み口、滴下ロートを備えたガラス製のフラスコを窒素置換した後、フラスコ内に、実施例1で取得した1,3-ジメチルシクロペンタノール2.7g(23.6mmol)、トルエン10.8g、トリエチルアミン3.7g(36.7mmol)を加えた(反応終了まで窒素はフロー継続)。溶液を内温が5℃以下になるまで冷却し、メタクリロイルクロリド3.6g(34.3mmol)を内温が10℃を超えない速度で滴下した後、10℃以下の温度で22時間熟成した。反応終了後の溶液に10質量%水酸化リチウム水溶液12.4g(29.6mmol)を内温が50℃以下になるようにゆっくり滴下し、50℃で2時間攪拌した。反応溶液を分液ロートで有機層と水層に分離し、水層はトルエン5.4gを加えて抽出した。二つの有機層を併せて水12.4mLで7回洗浄した。有機層に硫酸マグネシウム1gを添加して1時間攪拌した後、硫酸マグネシウムをろ過でろ別した。ろ液をエバポレーターで濃縮し、粗体3.5gを取得した。単蒸留で精製を実施したところ、目的のメタクリレートを3.1g(収率72.3%)取得した。
[比較例1:1,3-ジメチルシクロペンタノールの合成]
3-メチルシクロペンタノン1.0gとテトラヒドロフラン13mLとを予め混合して調製した溶液をフラスコに入れ、1mol/Lのメチルマグネシウムブロミド溶液10.9gを滴下ロートから滴下した以外は、実施例1と同様の手法で反応を実施した。ろ液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、生成物全体に対する目的のアルコール化合物の面積百分率は17.4%であり、アルドール付加体が77.0%副生していた。このろ液をエバポレーターで濃縮し、単蒸留で精製したところ、目的のアルコール化合物は追跡量しか得られなかった。
本発明のアルコール化合物の製造方法によれば、化合物(1)と試薬(2)との反応において、副反応であるアルドール反応を抑制し、高い選択性で化合物(3)を生成させることができ、優れた収率で化合物(3)を製造できる。
化合物(3)は、化合物(4)を製造するための中間体として有用である。
本発明の(メタ)アクリレート化合物の製造方法によれば、中間体である化合物(3)を本発明のアルコール化合物の製造方法により製造するので、化合物(4)を優れた収率で製造できる。
化合物(4)は、酸脱離性基を有する単量体として、レジスト用重合体に使用できる。

Claims (2)

  1. 10~30℃の条件下で、下記式(1)で表されるケトン化合物の溶液を下記式(2)で表されるグリニャール試薬の溶液に滴下し、前記ケトン化合物と前記グリニャール試薬とを反応させる、下記式(3)で表されるアルコール化合物の製造方法。
    Figure 0007322716000005
    ただし、Rは炭素数1~4の直鎖アルキル基であり、Rはメチル基又はエチル基であり、Xは塩素原子又は臭素原子である。
  2. 請求項1に記載の製造方法により前記式(3)で表されるアルコール化合物を製造し、前記アルコール化合物を(メタ)アクリレート化する、下記式(4)で表される(メタ)アクリレート化合物の製造方法。
    Figure 0007322716000006
    ただし、Rは炭素数1~4の直鎖アルキル基であり、Rはメチル基又はエチル基であり、Rは水素原子又はメチル基である。
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