JP2005314383A - アダマンタン誘導体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】フォトリソグラフィー分野における感光性樹脂などの機能性樹脂のモノマーとして有用な新規なアダマンタン誘導体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】
(式中、R1は水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基、Yはアダマンチル基上の置換基で、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン原子、水酸基又は2つのYが一緒になって形成された=Oを示す。R2及びR3は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を示し、kは0〜14の整数を示し、nは0〜3の整数を示す。なお、R2とR3は同一でもよく、異なっていてもよい。)で表される構造を有することを特徴とするアダマンタン誘導体及びアダマンタノン化合物にニトリル化合物を反応させたのち、(メタ)アクリル酸類の酸ハライド又は酸無水物を反応させて、前記一般式(I)におけるn=0のアダマンタン誘導体を製造する方法である。
【選択図】なし
【解決手段】
(式中、R1は水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基、Yはアダマンチル基上の置換基で、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン原子、水酸基又は2つのYが一緒になって形成された=Oを示す。R2及びR3は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を示し、kは0〜14の整数を示し、nは0〜3の整数を示す。なお、R2とR3は同一でもよく、異なっていてもよい。)で表される構造を有することを特徴とするアダマンタン誘導体及びアダマンタノン化合物にニトリル化合物を反応させたのち、(メタ)アクリル酸類の酸ハライド又は酸無水物を反応させて、前記一般式(I)におけるn=0のアダマンタン誘導体を製造する方法である。
【選択図】なし
Description
本発明は、新規なアダマンタン誘導体及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、フォトリソグラフィー分野における感光性樹脂などの機能性樹脂のモノマーとして有用なニトリル基含有アダマンチル(メタ)アクリレート類及びこのものを効率よく製造する方法に関する。
アダマンタンは、シクロヘキサン環が4個、カゴ形に縮合した構造を有し、対称性が高く、安定な化合物であり、その誘導体は、特異な機能を示すことから、医薬品原料や高機能性工業材料の原料などとして有用であることが知られている。例えば光学特性や耐熱性などを有することから、光ディスク基板、光ファイバーあるいはレンズなどに用いることが試みられている(特許文献1、特許文献2)。
また、アダマンタンエステル類を、その酸感応性、ドライエッチング耐性、紫外線透過性などを利用して、フォトレジスト用樹脂原料として、使用することが試みられている(特許文献3)。
一方、近年、半導体素子の微細化が進むに伴い、その製造におけるリソグラフィー工程において、さらなる微細化が要求されており、したがって、KrF、ArFあるいはF2エキシマレーザー光などの短波長の照射光に対応したフォトレジスト材料を用いて、微細パターンを形成させる方法が種々検討されている。そして、前記エキシマレーザー光などの短波長の照射光に対応できる新しいフォトレジスト材料の出現が望まれている。
また、アダマンタンエステル類を、その酸感応性、ドライエッチング耐性、紫外線透過性などを利用して、フォトレジスト用樹脂原料として、使用することが試みられている(特許文献3)。
一方、近年、半導体素子の微細化が進むに伴い、その製造におけるリソグラフィー工程において、さらなる微細化が要求されており、したがって、KrF、ArFあるいはF2エキシマレーザー光などの短波長の照射光に対応したフォトレジスト材料を用いて、微細パターンを形成させる方法が種々検討されている。そして、前記エキシマレーザー光などの短波長の照射光に対応できる新しいフォトレジスト材料の出現が望まれている。
フォトレジスト材料として、例えば、保護基により保護されたアルカリ可溶性基を有し、かつ前記保護基が酸により脱離して、アルカリ可溶性となる構造単位を有する酸感応性重合体と、放射線露光により酸を発生する酸発生剤を含むと共に、基板との密着性を向上させるために、前記保護基にニトリル基含有有機基を導入してなる化学増幅型レジスト材料が開示されている(特許文献4)。この特許文献4においては、ニトリル基含有有機基が導入された保護基の好ましいものとして、環状炭化水素基が示されている。しかしながら、ニトリル基含有有機基が導入され、かつ(メタ)アクリロイルオキシ基を有するアダマンタン誘導体を用いた具体的な例は、実施例に全く示されていない。
本発明は、このような状況下でなされたもので、フォトリソグラフィー分野における感光性樹脂などの機能性樹脂のモノマーとして有用なアダマンタン誘導体及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有するニトリル基含有アダマンチル(メタ)アクリレート類が、その目的に十分に適合し得ること、そしてこれらの化合物は、対応するアダマンタノン化合物を原料として反応させることにより、効率よく製造し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基いて完成したものである。
すなわち、本発明は、
一般式(I)
すなわち、本発明は、
一般式(I)
(式中、R1は水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基、Yはアダマンチル基上の置換基で、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン原子、水酸基又は2つのYが一緒になって形成された=Oを示す。また、複数のYは同じでもよく、異なっていてもよい。R2及びR3は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を示し、kは0〜14の整数を示し、nは0〜3の整数を示す。なお、R2とR3は同一でもよく、異なっていてもよい。)
で表される構造を有することを特徴とするアダマンタン誘導体。
(2)上記一般式(I)において、nが0である上記(1)記載のアダマンタン誘導体、
(3)塩基の存在下、一般式(II)
で表される構造を有することを特徴とするアダマンタン誘導体。
(2)上記一般式(I)において、nが0である上記(1)記載のアダマンタン誘導体、
(3)塩基の存在下、一般式(II)
(式中、Yはアダマンチル基上の置換基で、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン原子、水酸基又は2つのYが一緒になって形成された=Oを示し、kは0〜14の整数を示す。複数のYは同じでもよく、異なっていてもよい。)
で表されるアダマンタノン類に、一般式(III)
で表されるアダマンタノン類に、一般式(III)
(式中、R2及びR3は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を示す。なお、R2とR3は同一でもよく、異なっていてもよい。)
で表されるニトリル化合物を反応させたのち、一般式(IV)
で表されるニトリル化合物を反応させたのち、一般式(IV)
(式中、R1は水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示す。)
で表される(メタ)アクリル酸類の酸ハライド又は酸無水物を反応させることを特徴とする、一般式(I−a)
で表される(メタ)アクリル酸類の酸ハライド又は酸無水物を反応させることを特徴とする、一般式(I−a)
(式中、R1、R2、R3、Y及びkは前記に同じである。)
で表されるアダマンタン誘導体の製造方法、
(4)一般式(II)
(式中、Yはアダマンチル基上の置換基で、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン原子、水酸基又は2つのYが一緒になって形成された=Oを示し、kは0〜14の整数を示す。複数のYは同じでもよく、異なっていてもよい。)
で表されるアダマンタノン類と、一般式(V)
で表されるアダマンタン誘導体の製造方法、
(4)一般式(II)
で表されるアダマンタノン類と、一般式(V)
(式中、R2及びR3は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基、Xはハロゲン原子、nは0〜3の整数を示す。なお、R2とR3は同一でもよく、異なっていてもよい。)
で表されるニトリル化合物を、グリニャール反応させたのち、一般式(IV)
で表されるニトリル化合物を、グリニャール反応させたのち、一般式(IV)
(式中、R1は水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示す。)
で表される(メタ)アクリル酸類の酸ハライド又は酸無水物を反応させることを特徴とする、
一般式(I)
で表される(メタ)アクリル酸類の酸ハライド又は酸無水物を反応させることを特徴とする、
一般式(I)
(式中、R1、R2、R3、Y、k及びnは前記に同じである。)
で表されるアダマンタン誘導体の製造方法、及び
(5)一般式(V)で表されるニトリル化合物が、n=0のニトリル化合物である上記(4)記載のアダマンタン誘導体の製造方法、
で表されるアダマンタン誘導体の製造方法、及び
(5)一般式(V)で表されるニトリル化合物が、n=0のニトリル化合物である上記(4)記載のアダマンタン誘導体の製造方法、
(6)一般式(II)で表されるアダマンタノン(II)と一般式(III)で表されるニトリル化合物(III)との反応において、反応基材として有機リチウム化合物を用いる上記(3)に記載のアダマンタン誘導体の製造方法、
(7)一般式(II)で表されるアダマンタノン(II)と一般式(III)で表されるニトリル化合物(III)との反応において、ニトリル化合物(III)に対して有機リチウム化合物を反応させた後、この反応生成物をアダマンタノン(II)と反応させる上記(3)に記載のアダマンタン誘導体の製造方法、
(8)一般式(II)で表されるアダマンタノン(II)と一般式(III)で表されるニトリル化合物(III)との反応において、ニトリル化合物(III)に対して有機リチウム化合物を反応させた後、この反応生成物をアダマンタノン(II)と反応させ、次いで、一般式(IV)で表される(メタ)アクリル酸の酸無水物と反応させる上記(3)に記載のアダマンタン誘導体の製造方法、
(7)一般式(II)で表されるアダマンタノン(II)と一般式(III)で表されるニトリル化合物(III)との反応において、ニトリル化合物(III)に対して有機リチウム化合物を反応させた後、この反応生成物をアダマンタノン(II)と反応させる上記(3)に記載のアダマンタン誘導体の製造方法、
(8)一般式(II)で表されるアダマンタノン(II)と一般式(III)で表されるニトリル化合物(III)との反応において、ニトリル化合物(III)に対して有機リチウム化合物を反応させた後、この反応生成物をアダマンタノン(II)と反応させ、次いで、一般式(IV)で表される(メタ)アクリル酸の酸無水物と反応させる上記(3)に記載のアダマンタン誘導体の製造方法、
(9)一般式(II)で表されるアダマンタノン(II)と一般式(III)で表されるニトリル化合物(III)との反応において、反応基材としてアルカリ金属を用いる上記(3)に記載のアダマンタン誘導体の製造方法、
(10)一般式(II)で表されるアダマンタノン(II)と一般式(III)で表されるニトリル化合物(III)との反応において、アルカリ金属に対して、アダマンタノン(II)とニトリル化合物(III)を同時に加えて反応させる上記(3)に記載のアダマンタン誘導体の製造方法、
(11)一般式(II)で表されるアダマンタノン(II)と一般式(III)で表されるニトリル化合物(III)との反応において、アルカリ金属に対して、アダマンタノン(II)とニトリル化合物(III)を同時に加えて反応させ、次いで、一般式(IV)で表される(メタ)アクリル酸の酸クロライドを反応させる上記(3)に記載のアダマンタン誘導体の製造方法、
(10)一般式(II)で表されるアダマンタノン(II)と一般式(III)で表されるニトリル化合物(III)との反応において、アルカリ金属に対して、アダマンタノン(II)とニトリル化合物(III)を同時に加えて反応させる上記(3)に記載のアダマンタン誘導体の製造方法、
(11)一般式(II)で表されるアダマンタノン(II)と一般式(III)で表されるニトリル化合物(III)との反応において、アルカリ金属に対して、アダマンタノン(II)とニトリル化合物(III)を同時に加えて反応させ、次いで、一般式(IV)で表される(メタ)アクリル酸の酸クロライドを反応させる上記(3)に記載のアダマンタン誘導体の製造方法、
(12)水及び水溶性溶媒を用いて、再結晶法又は晶析法により、精製することを特徴とする上記(3)〜(11)のいずれか1項に記載のアダマンタン誘導体の製造方法、
(13)水及び水溶性溶媒を用いて、再結晶法又は晶析法により精製するに際して、反応に用いた溶媒を10質量%以下まで除去したのち、得られた粗生成物を再結晶法又は晶析法により精製することを特徴とする上記(12)に記載のアダマンタン誘導体の製造方法、
(13)水及び水溶性溶媒を用いて、再結晶法又は晶析法により精製するに際して、反応に用いた溶媒を10質量%以下まで除去したのち、得られた粗生成物を再結晶法又は晶析法により精製することを特徴とする上記(12)に記載のアダマンタン誘導体の製造方法、
(14)以下の工程を含むことを特徴とする上記(6)〜(8)のいずれか1項に記載のアダマンタン誘導体の製造方法、
(i)一般式(III)で表されるニトリル化合物(III)と有機リチウム化合物を反応させ、これを一般式(II)で表されるアダマンタノン(II)と反応させることにより、中間体を合成する工程、(ii)工程(i)で得られた中間体と一般式(IV)で表される(メタ)アクリル酸の酸無水物を反応させる工程、(iii)工程(ii)で得られた反応液から溶媒を除去した後、水及び水溶性溶媒を用いて再結晶法又は晶析法で精製する工程。
(15)以下の工程を含むことを特徴とする上記(9)〜(11)のいずれか1項に記載のアダマンタン誘導体の製造方法、
(i)アルカリ金属化合物に対して、一般式(II)で表されるアダマンタノン(II)及び一般式(III)で表されるニトリル化合物(III)を同時に加えて反応させる工程、(ii)工程(i)で得られた中間体と一般式(IV)で表される(メタ)アクリル酸の酸クロライドを反応させる工程、(iii)工程(ii)で得られた反応液を濃縮後、水及び水溶性溶媒を用いて再結晶法又は晶析法で精製する工程、
である。
(i)一般式(III)で表されるニトリル化合物(III)と有機リチウム化合物を反応させ、これを一般式(II)で表されるアダマンタノン(II)と反応させることにより、中間体を合成する工程、(ii)工程(i)で得られた中間体と一般式(IV)で表される(メタ)アクリル酸の酸無水物を反応させる工程、(iii)工程(ii)で得られた反応液から溶媒を除去した後、水及び水溶性溶媒を用いて再結晶法又は晶析法で精製する工程。
(15)以下の工程を含むことを特徴とする上記(9)〜(11)のいずれか1項に記載のアダマンタン誘導体の製造方法、
(i)アルカリ金属化合物に対して、一般式(II)で表されるアダマンタノン(II)及び一般式(III)で表されるニトリル化合物(III)を同時に加えて反応させる工程、(ii)工程(i)で得られた中間体と一般式(IV)で表される(メタ)アクリル酸の酸クロライドを反応させる工程、(iii)工程(ii)で得られた反応液を濃縮後、水及び水溶性溶媒を用いて再結晶法又は晶析法で精製する工程、
である。
本発明のアダマンタン誘導体は、新規なニトリル基含有アダマンチル(メタ)アクリレート類であって、フォトリソグラフィー分野における感光性樹脂などの機能性樹脂のモノマーとして有用であり、フォトレジスト材料に用いる際、酸発生剤に対して安定である。
本発明のアダマンタン誘導体は、一般式(I)で表される化合物であり、以下、化合物及びそれらの製造方法について説明する。
まず、本発明の化合物は、一般式(I)
まず、本発明の化合物は、一般式(I)
で表される構造を有するニトリル基含有アダマンチル(メタ)アクリレート類である。
上記一般式(I)において、R1は水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基、Yはアダマンチル基上の置換基で、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン原子、水酸基又は2つのYが一緒になって形成された=Oを示す。ここで、複数のYは同じでもよく、異なっていてもよい。R2及びR3は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を示し、kは0〜14の整数を示し、nは0〜3の整数を示す。なお、R2とR3は同一でもよく、異なっていてもよい。
上記において、Y、R2及びR3における炭素数1〜10のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、例えば、メチル基、エチル基、各種プロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。これらのアルキル基は、ハロゲン原子、水酸基等によって置換されたものであってもよい。nは0の場合が好ましい。また、Yにおけるハロゲン原子として、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を挙げることができる。
上記一般式(I)において、R1は水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基、Yはアダマンチル基上の置換基で、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン原子、水酸基又は2つのYが一緒になって形成された=Oを示す。ここで、複数のYは同じでもよく、異なっていてもよい。R2及びR3は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を示し、kは0〜14の整数を示し、nは0〜3の整数を示す。なお、R2とR3は同一でもよく、異なっていてもよい。
上記において、Y、R2及びR3における炭素数1〜10のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、例えば、メチル基、エチル基、各種プロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。これらのアルキル基は、ハロゲン原子、水酸基等によって置換されたものであってもよい。nは0の場合が好ましい。また、Yにおけるハロゲン原子として、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を挙げることができる。
前記一般式(I)で表される特に好ましい化合物として、例えば、2−シアノメチル−2−アダマンチル アクリレート、2−(1−シアノエチル)−2−アダマンチル アクリレート、2−(1−シアノプロピル)−2−アダマンチル アクリレート、2−(1−シアノ−2−メチルプロピル)−2−アダマンチル メタクリレート、2−シアノメチル−2−アダマンチル メタクリレート、2−(1−シアノエチル)−2−アダマンチル メタクリレート、2−(1−シアノプロピル)−2−アダマンチル メタクリレート、2−シアノメチル−3−クロロ−2−アダマンチル アクリレート、2−シアノメチル−4−オキソ−2−アダマンチル メタクリレート、2−シアノメチル−パーフルオロ−2−アダマンチル アクリレートなどを挙げることができる。
次に、上記本発明のアダマンタン誘導体の好ましい製造方法について説明する。
本発明のアダマンタン誘導体の製造方法には、製造方法1及び製造方法2の二つの態様がある。
製造方法1においては、塩基の存在下、前記一般式(II)で表されるアダマンタノン類に、前記一般式(III)で表されるニトリル化合物を反応させた(以下、第1工程という。)のち、前記一般式(IV)で表される(メタ)アクリル酸類の酸ハライド又は酸無水物を反応させる(以下、第2工程という。)ことによって得られる。
第1工程、第2工程について順に説明する。
本発明のアダマンタン誘導体の製造方法には、製造方法1及び製造方法2の二つの態様がある。
製造方法1においては、塩基の存在下、前記一般式(II)で表されるアダマンタノン類に、前記一般式(III)で表されるニトリル化合物を反応させた(以下、第1工程という。)のち、前記一般式(IV)で表される(メタ)アクリル酸類の酸ハライド又は酸無水物を反応させる(以下、第2工程という。)ことによって得られる。
第1工程、第2工程について順に説明する。
(1)第1工程
本工程において、前記一般式(III)で表されるニトリル化合物として、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、バレロニトリル、シクロヘキシルメチルニトリル、3−メチルブチロニトリルなどを挙げることができる。このニトリル化合物の使用量は、アダマンタノン類に対してモル比で、通常1〜5である。
本工程において、一般に触媒として塩基が使用され、必要により溶媒が使用される。
塩基として、n−ブチルリチウム、水素化ナトリウム、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムアミド、金属リチウム、金属ナトリウム、金属カリウムなどのアルカリ金属などニトリル基のα位の水素を引き抜くことができる強塩基等を挙げることができる。中でも、n−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミドなどの有機リチウム化合物や金属ナトリウムは効率よく反応を促進する。これらの触媒は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
塩基として、有機リチウム化合物を使用する場合には、ニトリル化合物と有機リチウムを反応させた後、この反応物をアダマンタノン類と反応させる方法を用いる。有機リチウム化合物とアダマンタノン類を混合した後、ニトリル化合物を加える方法、又はニトリル化合物、有機リチウム化合物及びアダマンタノン類を同時に混合させる方法では、有機リチウム化合物とアダマンタノン類の反応が併発して進行するため、所望の反応を優先的に起こすことが困難となる。
一方、塩基として、アルカリ金属を使用する場合には、溶媒の存在下、アルカリ金属にニトリル化合物とアダマンタノン類を同時に反応させる方法が好適である。アルカリ金属とアダマンタノン類のみを先に接触させた後、ニトリル化合物を反応させる方法では、アダマンタノン類のみがカップリングした化合物が生成し、選択率を下げる原因となる。一方、アルカリ金属とニトリル化合物のみを先に接触させた後、アダマンタノン類を反応させる方法では、ニトリル化合物同士の反応が優先して起こるため、アダマンタノン類の目的物への変換効率が低下する。
本工程において、前記一般式(III)で表されるニトリル化合物として、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、バレロニトリル、シクロヘキシルメチルニトリル、3−メチルブチロニトリルなどを挙げることができる。このニトリル化合物の使用量は、アダマンタノン類に対してモル比で、通常1〜5である。
本工程において、一般に触媒として塩基が使用され、必要により溶媒が使用される。
塩基として、n−ブチルリチウム、水素化ナトリウム、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムアミド、金属リチウム、金属ナトリウム、金属カリウムなどのアルカリ金属などニトリル基のα位の水素を引き抜くことができる強塩基等を挙げることができる。中でも、n−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミドなどの有機リチウム化合物や金属ナトリウムは効率よく反応を促進する。これらの触媒は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
塩基として、有機リチウム化合物を使用する場合には、ニトリル化合物と有機リチウムを反応させた後、この反応物をアダマンタノン類と反応させる方法を用いる。有機リチウム化合物とアダマンタノン類を混合した後、ニトリル化合物を加える方法、又はニトリル化合物、有機リチウム化合物及びアダマンタノン類を同時に混合させる方法では、有機リチウム化合物とアダマンタノン類の反応が併発して進行するため、所望の反応を優先的に起こすことが困難となる。
一方、塩基として、アルカリ金属を使用する場合には、溶媒の存在下、アルカリ金属にニトリル化合物とアダマンタノン類を同時に反応させる方法が好適である。アルカリ金属とアダマンタノン類のみを先に接触させた後、ニトリル化合物を反応させる方法では、アダマンタノン類のみがカップリングした化合物が生成し、選択率を下げる原因となる。一方、アルカリ金属とニトリル化合物のみを先に接触させた後、アダマンタノン類を反応させる方法では、ニトリル化合物同士の反応が優先して起こるため、アダマンタノン類の目的物への変換効率が低下する。
溶媒としては、塩基に対して安定で、原料であるアダマンタノン類の溶解度が、反応温度において、0.5質量%以上、望ましくは5質量%以上のものを用いる。溶媒量は反応混合物中のアダマンタノン類の濃度が0.5質量%以上、望ましくは5質量%以上となる量である。この際、アダマンタノン類が懸濁状態でもよいが、溶解していることが望ましい。また、使用前に溶媒中の水分を取り除くことが望ましい。溶媒中に残存する水分量は、望ましくは0.5質量%以下、さらに望ましくは0.05質量%以下である。具体的には、n−ヘキサン,n−ヘプタン等の炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル,テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒などを挙げることができる。中でも、テトラヒドロフランを用いた場合には、中間体を安定化する効果が高いため、高収率で目的物を得ることができる。これらの溶媒は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
反応温度については、通常、−200〜200℃の範囲が採用される。特に、塩基として、アルカリ金属を用いる場合には、−80〜100℃の範囲で行なうことが望ましい。この範囲であれば、反応速度が低下することもなく、反応時間が長くなり過ぎることもない。また、重合物の副生が増加することもない。塩基として有機リチウム化合物を用いる場合には、−20℃以下の温度で行なうことが望ましい。−20℃を超えると、ニトリル化合物のα位から水素原子が引き抜かれた化合物が副反応を起こすため、目的の反応を優先的に進行させることが困難となる。
反応圧力については、通常、絶対圧力で0.01〜10MPaの範囲が採用される。この範囲であれば、特別な耐圧の装置は必要ではなく、経済的である。好ましくは、常圧〜1MPaの範囲である。
反応時間については、通常、1分〜24時間、好ましくは10分〜6時間の範囲である。
なお、第1工程においては、通常ニトリル基含有アダマンタノール類のアルコキシド体(以下、単にアルコキシド体ともいう。)が得られる。このものは、酸で中和してアルコール体とし、単離して第2工程に供してもよいが、アルコキシド体のまま第2工程に供したり、該アルコール体を単離せずに第2工程に供した方が簡便で好ましい。
反応圧力については、通常、絶対圧力で0.01〜10MPaの範囲が採用される。この範囲であれば、特別な耐圧の装置は必要ではなく、経済的である。好ましくは、常圧〜1MPaの範囲である。
反応時間については、通常、1分〜24時間、好ましくは10分〜6時間の範囲である。
なお、第1工程においては、通常ニトリル基含有アダマンタノール類のアルコキシド体(以下、単にアルコキシド体ともいう。)が得られる。このものは、酸で中和してアルコール体とし、単離して第2工程に供してもよいが、アルコキシド体のまま第2工程に供したり、該アルコール体を単離せずに第2工程に供した方が簡便で好ましい。
(2)第2工程
第1工程で生成したアルコキシド体と(メタ)アクリル酸類の酸ハライド又は酸無水物との反応は、アルコキシド体の溶液に(メタ)アクリル酸類の酸ハライド又は酸無水物の溶液を添加してもよいし、(メタ)アクリル酸類の酸ハライド又は酸無水物の溶液にアルコキシド体の溶液を添加してもよい。
第1工程において、塩基として有機リチウム化合物を使用する場合には、酸無水物が好ましい。酸ハライドを用いた場合には、下記式(VII)で示される脱離体の生成量が多くなる。
第1工程で生成したアルコキシド体と(メタ)アクリル酸類の酸ハライド又は酸無水物との反応は、アルコキシド体の溶液に(メタ)アクリル酸類の酸ハライド又は酸無水物の溶液を添加してもよいし、(メタ)アクリル酸類の酸ハライド又は酸無水物の溶液にアルコキシド体の溶液を添加してもよい。
第1工程において、塩基として有機リチウム化合物を使用する場合には、酸無水物が好ましい。酸ハライドを用いた場合には、下記式(VII)で示される脱離体の生成量が多くなる。
一方、塩基として、アルカリ金属を使用する場合には、酸ハライドが好ましい。酸無水物を用いる反応では、反応液の粘度が高くなり撹拌が困難になる。
アルコキシド体に対する(メタ)アクリル酸類の酸ハライド又は酸無水物のモル比は、通常、0.8〜10であり、この範囲であれば、最終生成物の収率の向上が見られる。好ましくは0.9〜3の範囲である。
アルコキシド体に対する(メタ)アクリル酸類の酸ハライド又は酸無水物のモル比は、通常、0.8〜10であり、この範囲であれば、最終生成物の収率の向上が見られる。好ましくは0.9〜3の範囲である。
本工程において、一般に触媒として塩基が使用され、必要により溶媒が使用される。
塩基として、ナトリウムアミド、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノネン−5(DBN)、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−7(DBU)、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、炭酸カリウム、酸化銀、ナトリウムメトキシド、カリウムt−ブトキシド等を挙げることができる。これらの塩基は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
塩基として、ナトリウムアミド、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノネン−5(DBN)、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−7(DBU)、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、炭酸カリウム、酸化銀、ナトリウムメトキシド、カリウムt−ブトキシド等を挙げることができる。これらの塩基は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
溶媒としては、アルコキシド体の溶解度が、反応温度において、0.5質量%以上、望ましくは5質量%以上のものを使用する。溶媒量は反応混合物中のアルコキシド体の濃度が0.5質量%以上、望ましくは5質量%以上となる量である。この際、アルコキシド体が懸濁状態でもよいが、溶解していることが望ましい。また、使用前に溶媒中の水分を取り除くことが望ましい。溶媒中に残存する水分量は、望ましくは0.5質量%以下、さらに望ましくは0.05質量%以下である。具体的には、n−ヘキサン,n−ヘプタン等の炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル,テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン,四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルスルホキシドなどを挙げることができる。中でも、テトラヒドロフランを用いた場合には中間体を安定化する効果が高いため、高収率で目的物を得ることができる。これらの溶媒は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
なお、第1工程で得られるアルコキシド体をそのまま第2工程に用いる場合や、アルコール体にして、該アルコール体を単離することなく、第2工程に用いる場合には第1工程と同じ溶媒を用いることが望ましい。
なお、第1工程で得られるアルコキシド体をそのまま第2工程に用いる場合や、アルコール体にして、該アルコール体を単離することなく、第2工程に用いる場合には第1工程と同じ溶媒を用いることが望ましい。
反応温度については、通常、−200〜200℃の範囲が採用される。この範囲であれば、反応速度が低下することもなく、反応時間が長くなり過ぎることもない。また、重合物の副生が増加することもない。好ましくは、−80〜100℃の範囲である。
反応圧力については、通常、絶対圧力で0.01〜10MPaの範囲が採用される。この範囲であれば、特別な耐圧の装置は必要ではなく、経済的である。好ましくは、常圧〜1MPaの範囲である。
反応時間については、通常、1分〜24時間の範囲であり、好ましくは10分〜6時間の範囲である。
これら一連の反応により、ニトリル基含有アダマンチル(メタ)アクリレート類(アダマンタン誘導体)を合成することが可能である。このとき、反応液中に存在するアダマンタン化合物の総量に対して、脱離体(上記式(VII)で表される)が、3.6質量%以下であることが望ましい。脱離体が3.6質量%を超えると、後述する水及び水溶性溶媒を用いた再結晶又は晶析による精製を行なっても、製品中に脱離体が2質量%以上残存する。
反応圧力については、通常、絶対圧力で0.01〜10MPaの範囲が採用される。この範囲であれば、特別な耐圧の装置は必要ではなく、経済的である。好ましくは、常圧〜1MPaの範囲である。
反応時間については、通常、1分〜24時間の範囲であり、好ましくは10分〜6時間の範囲である。
これら一連の反応により、ニトリル基含有アダマンチル(メタ)アクリレート類(アダマンタン誘導体)を合成することが可能である。このとき、反応液中に存在するアダマンタン化合物の総量に対して、脱離体(上記式(VII)で表される)が、3.6質量%以下であることが望ましい。脱離体が3.6質量%を超えると、後述する水及び水溶性溶媒を用いた再結晶又は晶析による精製を行なっても、製品中に脱離体が2質量%以上残存する。
反応終了後、水洗により塩を除き、その後、塩基性水溶液で洗浄する。この操作により、未反応の酸ハライド及び/又は酸無水物が除去される。塩基性水溶液としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアなどの無機塩基化合物、エチレンジアミン、アニリン、トリエチルアミン、ピリジンなどの有機塩基化合物などを挙げることができる。中でも、アンモニア水を用いることにより、ニトリル基含有アダマンチル(メタ)アクリレート類を分解することなく、酸ハライド及び/又は酸無水物の除去が可能である。
また、必要に応じてn−へキサン等の貧溶媒で下記式(VIII)で表されるニトリル含有アダンマンタノール類を析出除去する。この操作を行なうことで、再結晶又は晶析工程での回収率が改善される。概ねアダマンタン化合物の総量に対して、ニトリル含有アダマンタノール類(VIII)が、15質量%以上存在する場合に、この工程を実施することは効果的である。具体的には、反応液から反応溶媒を留去した後、n−ヘキサン等の貧溶媒を加えて、必要に応じて、冷却することでニトリル含有アダマンタノール類を析出させる。析出物は濾過などにより除去することができる。
また、必要に応じてn−へキサン等の貧溶媒で下記式(VIII)で表されるニトリル含有アダンマンタノール類を析出除去する。この操作を行なうことで、再結晶又は晶析工程での回収率が改善される。概ねアダマンタン化合物の総量に対して、ニトリル含有アダマンタノール類(VIII)が、15質量%以上存在する場合に、この工程を実施することは効果的である。具体的には、反応液から反応溶媒を留去した後、n−ヘキサン等の貧溶媒を加えて、必要に応じて、冷却することでニトリル含有アダマンタノール類を析出させる。析出物は濾過などにより除去することができる。
目的化合物の精製分離については、蒸留、晶析、カラム分離などが可能であり、生成物の性状と不純物の種類により選択できるが、特に水及び水溶性溶媒を用いた再結晶又は晶析を用いれば、所望するニトリル基含有アダマンチル(メタ)アクリレート類(アダマンタン誘導体)を高純度・高得率で製造することが可能である。ヘキサン、トルエンなどの炭化水素系溶媒、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、酢酸エチルなどのエステル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン系溶媒を用いた再結晶又は晶析の可能であるが、高純度・高得率を同時に達成することは困難である。具体的な操作方法は、後処理を行なった反応液から溶媒を留去した後、水及び水溶性溶媒を加えて、必要に応じて、冷却することで高純度のニトリル基含有アダマンチル(メタ)アクリレート(アダマンタン誘導体)類を析出させる。析出物は濾過、遠心分離などの方法により分離することができる。水溶性溶媒として、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、グリセリンなどのアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトンなどを挙げることができるが、中でもメタノールを用いるのが好ましい。
ここで、製品中に残存する脱離体(式(VII)で表される)の量は、溶媒を留去したあとの反応液中の脱離体の濃度により決定される。例えば製品中の脱離体を2質量%以下にするためには、前述の反応液は、その中に存在するアダマンタン類の総量に対して脱離体が3.6質量%以下のものが用いられる。
後処理を行なった反応液から溶媒を留去する操作において、残存する溶媒量は極力少なくしておくことが望ましい。特に、回収率の観点から残存する溶媒量は10質量%以下にしておくことが望ましい。このようにして、前記一般式(I−a)で表されるアダマンタン誘導体が得られる。
得られた化合物の同定は、ガスクロマトグラフィー(GC)、液体クロマトグラフィー(LC)、ガスクロマトグラフィー質量分析(GC−MS)、核磁気共鳴分光法(NMR),赤外分光法(IR),融点測定装置などを用いて行うことができる。
ここで、製品中に残存する脱離体(式(VII)で表される)の量は、溶媒を留去したあとの反応液中の脱離体の濃度により決定される。例えば製品中の脱離体を2質量%以下にするためには、前述の反応液は、その中に存在するアダマンタン類の総量に対して脱離体が3.6質量%以下のものが用いられる。
後処理を行なった反応液から溶媒を留去する操作において、残存する溶媒量は極力少なくしておくことが望ましい。特に、回収率の観点から残存する溶媒量は10質量%以下にしておくことが望ましい。このようにして、前記一般式(I−a)で表されるアダマンタン誘導体が得られる。
得られた化合物の同定は、ガスクロマトグラフィー(GC)、液体クロマトグラフィー(LC)、ガスクロマトグラフィー質量分析(GC−MS)、核磁気共鳴分光法(NMR),赤外分光法(IR),融点測定装置などを用いて行うことができる。
次に、製造方法2について説明する。
製造方法2においては、前記一般式(II)で表されるアダマンタノン類と、前記一般式(V)で表されるニトリル化合物を、グリニャール反応させた(以下、第1工程という。)のち、前記一般式(IV)で表される(メタ)アクリル酸類の酸ハライド又は酸無水物を反応させる(以下、第2工程という。)ことによって得られる。
製造方法2においては、前記一般式(II)で表されるアダマンタノン類と、前記一般式(V)で表されるニトリル化合物を、グリニャール反応させた(以下、第1工程という。)のち、前記一般式(IV)で表される(メタ)アクリル酸類の酸ハライド又は酸無水物を反応させる(以下、第2工程という。)ことによって得られる。
(1)第1工程
本工程において、前記一般式(V)で表されるニトリル化合物としては、例えばハロゲノアセトニトリル、2−ハロゲノプロピオニトリル、3−ハロゲノプロピオニトリル、2−ハロゲノブチロニトリル、3−ハロゲノブチロニトリル、4−ハロゲノブチロニトリル、2−ハロゲノバレロニトリル、3−ハロゲノバレロニトリル、4−ハロゲノバレロニトリル、5−ハロゲノバレロニトリル、2−ハロゲノ−3−メチルブチロニトリル、2−シクロヘキシル−2−ハロゲノアセトニトリル、3−シクロヘキシル−3−ハロゲノプロピオンニトリルなどを挙げることができる。これらの中で、ハロゲノアセトニトリルが好ましい。
本工程において、前記一般式(V)で表されるニトリル化合物としては、例えばハロゲノアセトニトリル、2−ハロゲノプロピオニトリル、3−ハロゲノプロピオニトリル、2−ハロゲノブチロニトリル、3−ハロゲノブチロニトリル、4−ハロゲノブチロニトリル、2−ハロゲノバレロニトリル、3−ハロゲノバレロニトリル、4−ハロゲノバレロニトリル、5−ハロゲノバレロニトリル、2−ハロゲノ−3−メチルブチロニトリル、2−シクロヘキシル−2−ハロゲノアセトニトリル、3−シクロヘキシル−3−ハロゲノプロピオンニトリルなどを挙げることができる。これらの中で、ハロゲノアセトニトリルが好ましい。
このニトリル化合物の使用量は、アダマンタノン類に対して、通常1〜1.5である。
溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒などを挙げることができる。
反応温度については、通常、−200〜200℃の範囲が採用される。この範囲であれば、反応速度が低下することもなく、反応時間が長くなり過ぎることもない。また、重合物の副生が増加することもない。好ましくは、−80〜100℃の範囲である。
反応圧力は、通常、絶対圧力で0.01〜10MPaの範囲が採用され、反応時間は、通常1分〜24時間、好ましくは10分〜6時間の範囲である。
このようにして、ニトリル基含有アダマンタノール類が得られる。このアダマンタノール類は、単離して第2工程に供してもよいし、単離せずに第2工程に供してもよい。
溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒などを挙げることができる。
反応温度については、通常、−200〜200℃の範囲が採用される。この範囲であれば、反応速度が低下することもなく、反応時間が長くなり過ぎることもない。また、重合物の副生が増加することもない。好ましくは、−80〜100℃の範囲である。
反応圧力は、通常、絶対圧力で0.01〜10MPaの範囲が採用され、反応時間は、通常1分〜24時間、好ましくは10分〜6時間の範囲である。
このようにして、ニトリル基含有アダマンタノール類が得られる。このアダマンタノール類は、単離して第2工程に供してもよいし、単離せずに第2工程に供してもよい。
(2)第2工程
第2工程は、前記製造方法1と同様にして実施することができる。この第2工程において、前記一般式(I)で表されるアダマンタン誘導体が得られる。得られた化合物の同定は、前記製造方法1と同様である。
第2工程は、前記製造方法1と同様にして実施することができる。この第2工程において、前記一般式(I)で表されるアダマンタン誘導体が得られる。得られた化合物の同定は、前記製造方法1と同様である。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
構造式
構造式
で表される2−シアノメチル−2−アダマンチル メタクリレートの合成
500ミリリットルのガラス反応器に攪拌装置、滴下ロートを取付け、乾燥したテトラヒドロフラン100ミリリットルを加え、ドライアイス/イソプロパノール浴で冷却後(−78℃)、n−BuLi/n−ヘキサン溶液(1.6M)100ミリリットル(160ミリモル)を加えた。ここにアセトニトリル10ミリリットル(192ミリモル)を10分かけて滴下した。溶液は析出物でスラリー状態になった。ここに、アダマンタノン(出光興産(株)製:アダマンタノン)22.2g(148ミリモル)をテトラヒドロフラン100ミリリットルに溶解した溶液を滴下した。析出物は徐々に溶解し透明溶液となった。滴下終了後0℃まで徐々に昇温し、ガスクロ分析を行ったところ、アダマンタノンは完全に転化し選択率99.5%で2−シアノメチル−2−アダマンタノールのLiアルコキシドになっていることを確認した。この反応液を、メタクリル酸無水物47ミリリットル(318ミリモル)、乾燥したトリエチルアミン45ミリリットル(320ミリモル)及び乾燥したテトラヒドロフラン100ミリリットルを氷浴で0℃に冷却した溶液に30分かけて滴下した。0℃でさらに30分攪拌後、水200ミリリットル、ジエチルエーテル300ミリリットルを加えて攪拌した。これを2リットルの分液ロートに移し、水相を除去した後、希塩酸で洗って、Li塩及びトリエチルアミン塩を除去した。これをさらに炭酸ナトリウム水溶液で中和後、水洗した。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレーターで留去して粗反応物38gを得た。粗反応物に100ミリリットルのn−ヘキサンを攪拌しながら冷却し、析出した2−シアノメチル−2−アダマンタノールをろ過により除去した。n−ヘキサン溶液に活性炭を加えて、溶液が無色になったのを確認し、ろ過後エバポレーターで留去して得られた白色固体のガスクロ分析をおこなったところ、収量が35.0g、純度が97.0%で目的物が得られていることを確認した。以下、1H−NMR、13C−NMR、GC−MSの各データを示した。
500ミリリットルのガラス反応器に攪拌装置、滴下ロートを取付け、乾燥したテトラヒドロフラン100ミリリットルを加え、ドライアイス/イソプロパノール浴で冷却後(−78℃)、n−BuLi/n−ヘキサン溶液(1.6M)100ミリリットル(160ミリモル)を加えた。ここにアセトニトリル10ミリリットル(192ミリモル)を10分かけて滴下した。溶液は析出物でスラリー状態になった。ここに、アダマンタノン(出光興産(株)製:アダマンタノン)22.2g(148ミリモル)をテトラヒドロフラン100ミリリットルに溶解した溶液を滴下した。析出物は徐々に溶解し透明溶液となった。滴下終了後0℃まで徐々に昇温し、ガスクロ分析を行ったところ、アダマンタノンは完全に転化し選択率99.5%で2−シアノメチル−2−アダマンタノールのLiアルコキシドになっていることを確認した。この反応液を、メタクリル酸無水物47ミリリットル(318ミリモル)、乾燥したトリエチルアミン45ミリリットル(320ミリモル)及び乾燥したテトラヒドロフラン100ミリリットルを氷浴で0℃に冷却した溶液に30分かけて滴下した。0℃でさらに30分攪拌後、水200ミリリットル、ジエチルエーテル300ミリリットルを加えて攪拌した。これを2リットルの分液ロートに移し、水相を除去した後、希塩酸で洗って、Li塩及びトリエチルアミン塩を除去した。これをさらに炭酸ナトリウム水溶液で中和後、水洗した。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレーターで留去して粗反応物38gを得た。粗反応物に100ミリリットルのn−ヘキサンを攪拌しながら冷却し、析出した2−シアノメチル−2−アダマンタノールをろ過により除去した。n−ヘキサン溶液に活性炭を加えて、溶液が無色になったのを確認し、ろ過後エバポレーターで留去して得られた白色固体のガスクロ分析をおこなったところ、収量が35.0g、純度が97.0%で目的物が得られていることを確認した。以下、1H−NMR、13C−NMR、GC−MSの各データを示した。
・核磁気共鳴分光法(NMR):CDCl3
1H−NMR(500MHz):1.66(d,J=13.0Hz,2H)、
1.74〜1.78(m,4H)、1.82〜1.87(m,4H)、
1.96(s,3H,a)、2.40(d,J=12.3Hz,2H)、
2.55(s,2H)、3.41(s,2H,f)、5.60(s,1H,b1)、
6.15(s,1H,b2)
13C−NMR(127MHz):18.39(a)、23.39(f)、
26.35(k or l)、26.72(l or k)、32.69(i or j)、
34.00(j or i)、37.68(m)、83.99(e)、116.60(g)、
126.15(b)、136.72(c)、166.39(d)
・ガスクロマトグラフィー質量分析(GC−MS):EI
259(M+,4%)、173(92%)、133(75%)、91(100%)、
69(49%)
1H−NMR(500MHz):1.66(d,J=13.0Hz,2H)、
1.74〜1.78(m,4H)、1.82〜1.87(m,4H)、
1.96(s,3H,a)、2.40(d,J=12.3Hz,2H)、
2.55(s,2H)、3.41(s,2H,f)、5.60(s,1H,b1)、
6.15(s,1H,b2)
13C−NMR(127MHz):18.39(a)、23.39(f)、
26.35(k or l)、26.72(l or k)、32.69(i or j)、
34.00(j or i)、37.68(m)、83.99(e)、116.60(g)、
126.15(b)、136.72(c)、166.39(d)
・ガスクロマトグラフィー質量分析(GC−MS):EI
259(M+,4%)、173(92%)、133(75%)、91(100%)、
69(49%)
実施例2
構造式
構造式
で表される2−(1−シアノエチル)−2−アダマンチル メタクリレートの合成
500ミリリットルのガラス反応器に攪拌装置、滴下ロートを取付け、乾燥したテトラヒドロフラン100ミリリットル、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)25ミリリットルを加え、ドライアイス/イソプロパノール浴で冷却後(−50℃)、プロピオニトリル8.6ミリリットル(163ミリモル)を入れた。ここに、リチウムジイソプロピルアミド溶液(1.8M)90ミリリットル(162ミリモル)を30分かけて滴下した。ここに、アダマンタノン(出光興産(株)製:アダマンタノン)22.2g(148ミリモル)をテトラヒドロフラン100ミリリットルに溶解した溶液を30分かけて滴下した。滴下終了後、0℃まで徐々に昇温した。この反応液を、メタクリル酸無水物47ミリリットル(318ミリモル)、乾燥したトリエチルアミン45ミリリットル(320ミリモル)及び乾燥したテトラヒドロフラン100ミリリットルを氷浴で0℃に冷却した溶液に30分かけて滴下した。0℃でさらに30分攪拌後、水200ミリリットル、ジエチルエーテル300ミリリットルを加えて攪拌した。これを2リットルの分液ロートに移し、水相を除去した後、希塩酸で洗って、Li塩及びトリエチルアミン塩を除去した。これをさらに炭酸ナトリウム水溶液で中和後、水洗した。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレーターで留去して粗反応物40gを得た。粗反応物に100ミリリットルのn−ヘキサンを入れ攪拌しながら冷却し、析出した2−(1−シアノエチル)−2−アダマンタノールをろ過により除去した。n−ヘキサン溶液に活性炭を加えて、溶液が無色になったのを確認し、ろ過後エバポレーターで留去し白色固体34.0gを得た。ガスクロ分析をおこなったところ、純度は95.1%で目的物が得られていることを確認した。以下、1H−NMR、13C−NMR、GC−MSの各データを示した。
500ミリリットルのガラス反応器に攪拌装置、滴下ロートを取付け、乾燥したテトラヒドロフラン100ミリリットル、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)25ミリリットルを加え、ドライアイス/イソプロパノール浴で冷却後(−50℃)、プロピオニトリル8.6ミリリットル(163ミリモル)を入れた。ここに、リチウムジイソプロピルアミド溶液(1.8M)90ミリリットル(162ミリモル)を30分かけて滴下した。ここに、アダマンタノン(出光興産(株)製:アダマンタノン)22.2g(148ミリモル)をテトラヒドロフラン100ミリリットルに溶解した溶液を30分かけて滴下した。滴下終了後、0℃まで徐々に昇温した。この反応液を、メタクリル酸無水物47ミリリットル(318ミリモル)、乾燥したトリエチルアミン45ミリリットル(320ミリモル)及び乾燥したテトラヒドロフラン100ミリリットルを氷浴で0℃に冷却した溶液に30分かけて滴下した。0℃でさらに30分攪拌後、水200ミリリットル、ジエチルエーテル300ミリリットルを加えて攪拌した。これを2リットルの分液ロートに移し、水相を除去した後、希塩酸で洗って、Li塩及びトリエチルアミン塩を除去した。これをさらに炭酸ナトリウム水溶液で中和後、水洗した。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレーターで留去して粗反応物40gを得た。粗反応物に100ミリリットルのn−ヘキサンを入れ攪拌しながら冷却し、析出した2−(1−シアノエチル)−2−アダマンタノールをろ過により除去した。n−ヘキサン溶液に活性炭を加えて、溶液が無色になったのを確認し、ろ過後エバポレーターで留去し白色固体34.0gを得た。ガスクロ分析をおこなったところ、純度は95.1%で目的物が得られていることを確認した。以下、1H−NMR、13C−NMR、GC−MSの各データを示した。
・核磁気共鳴分光法(NMR):CDCl3
1H−NMR(500MHz):1.33(d,J=7.0Hz,3H,g)、
1.66〜1.72(m,2H)、1.76〜1.90(m,8H)、
1.98(s,3H,a)、2.05〜2.07(m,1H)、
2.42(d,J=2.3Hz,1H)、2.88(d,J=1.6Hz,1H)、
3.52(q,J=7.0Hz,1H,f)、5.59(q,J=1.5Hz,b1)
6.16(s,1H,b2)
13C−NMR(127MHz):12.80(g)、18.55(a)、
26.37(f or i or l or m)、
26.49(f or i or l or m)、
31.11(f or i or l or m)、
32.64(f or i or l or m)、33.19(j or k or n)、
33.23(j or k or n)、33.74(j or k or n)、
33.98(f or i or l or m)、34.54(j or k or n)、
37.79(j or k or n)、85.83(e)、120.49(h)
・ガスクロマトグラフィー質量分析(GC−MS):EI
273(M+,0.6%)、187(87%)、145(30%)、133(48%)、
105(24%)、91(92%)、69(100%)
1H−NMR(500MHz):1.33(d,J=7.0Hz,3H,g)、
1.66〜1.72(m,2H)、1.76〜1.90(m,8H)、
1.98(s,3H,a)、2.05〜2.07(m,1H)、
2.42(d,J=2.3Hz,1H)、2.88(d,J=1.6Hz,1H)、
3.52(q,J=7.0Hz,1H,f)、5.59(q,J=1.5Hz,b1)
6.16(s,1H,b2)
13C−NMR(127MHz):12.80(g)、18.55(a)、
26.37(f or i or l or m)、
26.49(f or i or l or m)、
31.11(f or i or l or m)、
32.64(f or i or l or m)、33.19(j or k or n)、
33.23(j or k or n)、33.74(j or k or n)、
33.98(f or i or l or m)、34.54(j or k or n)、
37.79(j or k or n)、85.83(e)、120.49(h)
・ガスクロマトグラフィー質量分析(GC−MS):EI
273(M+,0.6%)、187(87%)、145(30%)、133(48%)、
105(24%)、91(92%)、69(100%)
実施例3、4,比較例1、2
実施例1、2で合成した化合物について、下記の要領で酸分解性の評価を行った。結果を第1表に示す。
(1)NMR用試料管に評価試料(120μモル)入れ、DMSO−d6(重水素ジメチルスルホキシド)0.61ミリリットルで溶解させた。
(2)ここに、トリフルオロメタンスルホン酸5.40μリットル(61μモル)を加えた。この時点で、基質濃度200μモル/ミリリットル、酸濃度100μモル/ミリリットルとなった。
(3)この試料管をNMRにセットし、100℃にして分解反応を開始した。
(4)1時間後に1H−NMRを測定し、試料の分解率を算出した。
実施例1、2で合成した化合物について、下記の要領で酸分解性の評価を行った。結果を第1表に示す。
(1)NMR用試料管に評価試料(120μモル)入れ、DMSO−d6(重水素ジメチルスルホキシド)0.61ミリリットルで溶解させた。
(2)ここに、トリフルオロメタンスルホン酸5.40μリットル(61μモル)を加えた。この時点で、基質濃度200μモル/ミリリットル、酸濃度100μモル/ミリリットルとなった。
(3)この試料管をNMRにセットし、100℃にして分解反応を開始した。
(4)1時間後に1H−NMRを測定し、試料の分解率を算出した。
第1表から分かるように、シアノ基を含んだ化合物は酸に対して分解が認められなかった。
比較例3
500ミリリットルのガラス反応器に攪拌装置、滴下ロートを取付け、乾燥したテトラヒドロフラン100ミリリットルを加え、ドライアイス/イソプロパノール浴で冷却後(-78℃)、n-BuLi/n-ヘキサン溶液(1.6モル)100ミリリットル(160ミリモル)を加えた。ここにアセトニトリル10ミリリットル(192ミリモル)、アダマンタノン(出光興産(株)製:アダマンタノン)22.2g(148ミリモル)及びテトラヒドロフラン100ミリリットルの混合液を滴下した。析出物は徐々に溶解し透明溶液となった。滴下終了後0℃まで徐々に昇温した。この反応液を、メタクリル酸無水物47ミリリットル(318ミリモル)、乾燥したトリエチルアミン45ミリリットル(320ミリモル)及び乾燥したテトラヒドロフラン100ミリリットルを氷浴で0℃に冷却した溶液に30分かけて滴下した。0℃でさらに30分攪拌後、反応物をガスクロ分析したところ、目的物純度は68%であり、2-ブチル-2-アダマンチルメタクリレートを28モル%含んでいることが確認された。
500ミリリットルのガラス反応器に攪拌装置、滴下ロートを取付け、乾燥したテトラヒドロフラン100ミリリットルを加え、ドライアイス/イソプロパノール浴で冷却後(-78℃)、n-BuLi/n-ヘキサン溶液(1.6モル)100ミリリットル(160ミリモル)を加えた。ここにアセトニトリル10ミリリットル(192ミリモル)、アダマンタノン(出光興産(株)製:アダマンタノン)22.2g(148ミリモル)及びテトラヒドロフラン100ミリリットルの混合液を滴下した。析出物は徐々に溶解し透明溶液となった。滴下終了後0℃まで徐々に昇温した。この反応液を、メタクリル酸無水物47ミリリットル(318ミリモル)、乾燥したトリエチルアミン45ミリリットル(320ミリモル)及び乾燥したテトラヒドロフラン100ミリリットルを氷浴で0℃に冷却した溶液に30分かけて滴下した。0℃でさらに30分攪拌後、反応物をガスクロ分析したところ、目的物純度は68%であり、2-ブチル-2-アダマンチルメタクリレートを28モル%含んでいることが確認された。
比較例4
メタクリル酸無水物の代わりにメタクリル酸クロライドを使用した以外は実施例1と同様の操作を行った。得られた反応物をガスクロ分析したところ、2-シアノメチル-2-アダマンチルメタクリレート78.0モル%、2-(シアノメチル)-2-アダマンタノール14.3モル%、2-(シアノメチレン)アダマンタン(脱離体)5.6モル%の収率で得られた。
メタクリル酸無水物の代わりにメタクリル酸クロライドを使用した以外は実施例1と同様の操作を行った。得られた反応物をガスクロ分析したところ、2-シアノメチル-2-アダマンチルメタクリレート78.0モル%、2-(シアノメチル)-2-アダマンタノール14.3モル%、2-(シアノメチレン)アダマンタン(脱離体)5.6モル%の収率で得られた。
実施例5
構造式
構造式
滴下ロート,攪拌羽根,温度計を取り付けた100ミリリットルの4つ口フラスコに、Na1.012g(44ミリモル),乾燥テトラヒドロフラン24ミリリットルを入れ、5℃まで冷却後、16ミリリットルの乾燥テトラヒドロフランに溶解した2-アダマンタノン[FW:150.22、3.004g、20ミリモル]及びアセトニトリル[FW:41.05、2.709g、66ミリモル]を滴下し、そのまま1時間攪拌した。反応液は、滴下途中から白濁し、1時間後には金属ナトリウムはなくなり白色の懸濁液となった。別途、温度計及び攪拌機を取付けた100ミリリットルの3つ口フラスコを用意し、蒸留精製したメタクリル酸クロライド[FW:104.53、4.599g、44ミリモル],炭酸カリウム[FW:138.20、1.382g、10ミリモル]及び乾燥トルエン12ミリリットルを入れて−10℃に冷却した。十分に攪拌しながら生成した白色懸濁液をメタクリル酸クロライドの入ったフラスコに移送した。滴下終了後60分のガスクロ分析を行ったところ、2-シアノメチル-2-アダマンチルメタクリレート79.5モル%、2-(シアノメチル)-2-アダマンタノール15.2モル%、2-(シアノメチレン)アダマンタン(脱離体)3.3モル%の収率で得られた。
比較例5
滴下ロート,攪拌羽根,温度計を取り付けた100ミリリットルの4つ口フラスコに、Na1.012g(44ミリモル),乾燥テトラヒドロフラン24ミリリットルを入れ、5℃まで冷却後、16ミリリットルの乾燥テトラヒドロフランに溶解した2-アダマンタノン[FW:150.22、3.004g、20ミリモル]を滴下した。20分後、アセトニトリル[FW:41.05、2.709g、66ミリモル]を滴下し、そのまま1時間攪拌した。別途、温度計及び攪拌機を取付けた100ミリリットルの3つ口フラスコを用意し、メタクリル酸クロライド[FW:104.53、4.599g、44ミリモル],炭酸カリウム[FW:138.20、1.382g、10ミリモル]及び乾燥トルエン12ミリリットルを入れて−10℃に冷却する。十分に攪拌しながら生成した白色懸濁液をメタクリル酸クロライドの入ったフラスコに移送した。滴下終了後60分のガスクロ分析を行ったところ、2-シアノメチル-2-アダマンチルメタクリレートの収率は41.3モル%で、2-アダマンタノンのカップリングした生成物が50.7モル%収率で得られた。
滴下ロート,攪拌羽根,温度計を取り付けた100ミリリットルの4つ口フラスコに、Na1.012g(44ミリモル),乾燥テトラヒドロフラン24ミリリットルを入れ、5℃まで冷却後、16ミリリットルの乾燥テトラヒドロフランに溶解した2-アダマンタノン[FW:150.22、3.004g、20ミリモル]を滴下した。20分後、アセトニトリル[FW:41.05、2.709g、66ミリモル]を滴下し、そのまま1時間攪拌した。別途、温度計及び攪拌機を取付けた100ミリリットルの3つ口フラスコを用意し、メタクリル酸クロライド[FW:104.53、4.599g、44ミリモル],炭酸カリウム[FW:138.20、1.382g、10ミリモル]及び乾燥トルエン12ミリリットルを入れて−10℃に冷却する。十分に攪拌しながら生成した白色懸濁液をメタクリル酸クロライドの入ったフラスコに移送した。滴下終了後60分のガスクロ分析を行ったところ、2-シアノメチル-2-アダマンチルメタクリレートの収率は41.3モル%で、2-アダマンタノンのカップリングした生成物が50.7モル%収率で得られた。
比較例6
滴下ロート,攪拌羽根,温度計を取り付けた100ミリリットルの4つ口フラスコに、Na1.012g(44ミリモル),乾燥テトラヒドロフラン24ミリリットルを入れ、5℃まで冷却後、アセトニトリル[FW:41.05、2.709g、66ミリモル]を滴下した。20分後、16ミリリットルの乾燥テトラヒドロフランに溶解した2-アダマンタノン[FW:150.22、3.004g、20ミリモル]を滴下し、そのまま1時間攪拌した。別途、温度計及び攪拌機を取付けた100ミリリットルの3つ口フラスコを用意し、メタクリル酸クロライド[FW:104.53、4.599g、44ミリモル]、炭酸カリウム[FW:138.20、1.382g、10ミリモル]及び乾燥トルエン12ミリリットルを入れて−10℃に冷却する。十分に攪拌しながら生成した白色懸濁液をメタクリル酸クロライドの入ったフラスコに移送した。滴下終了後60分のガスクロ分析を行ったところ、未反応2-アダマンタノンが45.1モル%で、2-シアノメチル-2-アダマンチルメタクリレートはわずか1.7モル%しか生成しなかった。
滴下ロート,攪拌羽根,温度計を取り付けた100ミリリットルの4つ口フラスコに、Na1.012g(44ミリモル),乾燥テトラヒドロフラン24ミリリットルを入れ、5℃まで冷却後、アセトニトリル[FW:41.05、2.709g、66ミリモル]を滴下した。20分後、16ミリリットルの乾燥テトラヒドロフランに溶解した2-アダマンタノン[FW:150.22、3.004g、20ミリモル]を滴下し、そのまま1時間攪拌した。別途、温度計及び攪拌機を取付けた100ミリリットルの3つ口フラスコを用意し、メタクリル酸クロライド[FW:104.53、4.599g、44ミリモル]、炭酸カリウム[FW:138.20、1.382g、10ミリモル]及び乾燥トルエン12ミリリットルを入れて−10℃に冷却する。十分に攪拌しながら生成した白色懸濁液をメタクリル酸クロライドの入ったフラスコに移送した。滴下終了後60分のガスクロ分析を行ったところ、未反応2-アダマンタノンが45.1モル%で、2-シアノメチル-2-アダマンチルメタクリレートはわずか1.7モル%しか生成しなかった。
比較例7
実施例5において、メタクリル酸クロライドを用いる替わりに、メタクリル酸無水物[FW:154.16、6.783g、44ミリモル]を用いて合成を行った。白色懸濁液を移送している途中に、メタクリル酸無水物の入ったフラスコの懸濁液の粘度が上昇し、攪拌が困難になった。
実施例5において、メタクリル酸クロライドを用いる替わりに、メタクリル酸無水物[FW:154.16、6.783g、44ミリモル]を用いて合成を行った。白色懸濁液を移送している途中に、メタクリル酸無水物の入ったフラスコの懸濁液の粘度が上昇し、攪拌が困難になった。
実施例6
実施例5と同様の操作を反応スケールを6倍して実施し、得られた反応液を3.3質量%のアンモニア水で洗浄、水洗した後に、単蒸留で濃縮した。濃縮後得られた粗生成物中には2-シアノメチル-2-アダマンチルメタクリレート80質量%、脱離体2.2質量%、アルコール体11.3質量%、テトラヒドロフラン4.5質量%、その他の不純物が2質量%含まれていた。粗生成物30gにメタノール62g、水16gを添加して、40℃まで加温した。その後、5℃までゆっくり冷却し、2-シアノメチル-2-アダマンチルメタクリレート結晶を析出させ、ろ過により固液分離した。母液を含んだ固体を5℃のメタノール21g、水10gからなる混合液でリンスした。固体を真空乾燥後し白色結晶を19g得た。結晶中の2-シアノメチル-2-アダマンチルメタクリレート純度は98.9質量%で、主な不純物は脱離体0.9質量%、アルコール体0.2質量%であった。
実施例5と同様の操作を反応スケールを6倍して実施し、得られた反応液を3.3質量%のアンモニア水で洗浄、水洗した後に、単蒸留で濃縮した。濃縮後得られた粗生成物中には2-シアノメチル-2-アダマンチルメタクリレート80質量%、脱離体2.2質量%、アルコール体11.3質量%、テトラヒドロフラン4.5質量%、その他の不純物が2質量%含まれていた。粗生成物30gにメタノール62g、水16gを添加して、40℃まで加温した。その後、5℃までゆっくり冷却し、2-シアノメチル-2-アダマンチルメタクリレート結晶を析出させ、ろ過により固液分離した。母液を含んだ固体を5℃のメタノール21g、水10gからなる混合液でリンスした。固体を真空乾燥後し白色結晶を19g得た。結晶中の2-シアノメチル-2-アダマンチルメタクリレート純度は98.9質量%で、主な不純物は脱離体0.9質量%、アルコール体0.2質量%であった。
比較例8
実施例5と同様の操作を反応スケールを6倍して実施し、得られた反応液を3.3質量%のアンモニア水で洗浄、水洗した後に、単蒸留で濃縮した。濃縮後得られた粗生成物中には2-シアノメチル-2-アダマンチルメタクリレート70.4質量%、脱離体1.9質量%、アルコール体9.9質量%、テトラヒドロフラン16質量%、その他の不純物が1.8質量%含まれていた。粗生成物30gにメタノール62g、水16gを添加して、40℃まで加温した。その後、5℃までゆっくり冷却し、2-シアノメチル-2-アダマンチルメタクリレート結晶を析出させ、ろ過により固液分離した。母液を含んだ固体を5℃のメタノール21g、水10gからなる混合液でリンスした。固体を真空乾燥し、白色結晶13gを得た。結晶中の2-シアノメチル-2-アダマンチルメタクリレート純度は99.2質量%で、主な不純物は脱離体0.6質量%、アルコール体0.2質量%であったが、テトラヒドロフランの残存量の増加により、実施例6に比べて回収率が大幅に低下した。
実施例5と同様の操作を反応スケールを6倍して実施し、得られた反応液を3.3質量%のアンモニア水で洗浄、水洗した後に、単蒸留で濃縮した。濃縮後得られた粗生成物中には2-シアノメチル-2-アダマンチルメタクリレート70.4質量%、脱離体1.9質量%、アルコール体9.9質量%、テトラヒドロフラン16質量%、その他の不純物が1.8質量%含まれていた。粗生成物30gにメタノール62g、水16gを添加して、40℃まで加温した。その後、5℃までゆっくり冷却し、2-シアノメチル-2-アダマンチルメタクリレート結晶を析出させ、ろ過により固液分離した。母液を含んだ固体を5℃のメタノール21g、水10gからなる混合液でリンスした。固体を真空乾燥し、白色結晶13gを得た。結晶中の2-シアノメチル-2-アダマンチルメタクリレート純度は99.2質量%で、主な不純物は脱離体0.6質量%、アルコール体0.2質量%であったが、テトラヒドロフランの残存量の増加により、実施例6に比べて回収率が大幅に低下した。
Claims (15)
- 上記一般式(I)において、nが0である請求項1に記載のアダマンタン誘導体。
- 塩基の存在下、一般式(II)
で表されるアダマンタノンに、一般式(III)
で表されるニトリル化合物を反応させたのち、一般式(IV)
で表される(メタ)アクリル酸の酸ハライド又は酸無水物を反応させることを特徴とする、一般式(I−a)
で表されるアダマンタン誘導体の製造方法。 - 一般式(II)
で表されるアダマンタノン(II)と、一般式(V)
で表されるニトリル化合物を、グリニャール反応させたのち、一般式(IV)
で表される(メタ)アクリル酸類の酸ハライド又は酸無水物を反応させることを特徴とする、
一般式(I)
で表されるアダマンタン誘導体の製造方法。 - 一般式(V)で表されるニトリル化合物が、n=0のニトリル化合物である請求項4に記載のアダマンタン誘導体の製造方法。
- 一般式(II)で表されるアダマンタノン(II)と一般式(III)で表されるニトリル化合物(III)との反応において、反応基材として有機リチウム化合物を用いる請求項3に記載のアダマンタン誘導体の製造方法。
- 一般式(II)で表されるアダマンタノン(II)と一般式(III)で表されるニトリル化合物(III)との反応において、ニトリル化合物(III)に対して有機リチウム化合物を反応させた後、この反応生成物をアダマンタノン(II)と反応させる請求項3に記載のアダマンタン誘導体の製造方法。
- 一般式(II)で表されるアダマンタノン(II)と一般式(III)で表されるニトリル化合物(III)との反応において、ニトリル化合物(III)に対して有機リチウム化合物を反応させた後、この反応生成物をアダマンタノン(II)と反応させ、次いで、一般式(IV)で表される(メタ)アクリル酸の酸無水物と反応させる請求項3に記載のアダマンタン誘導体の製造方法。
- 一般式(II)で表されるアダマンタノン(II)と一般式(III)で表されるニトリル化合物(III)との反応において、反応基材としてアルカリ金属を用いる請求項3に記載のアダマンタン誘導体の製造方法。
- 一般式(II)で表されるアダマンタノン(II)と一般式(III)で表されるニトリル化合物(III)との反応において、アルカリ金属に対して、アダマンタノン(II)とニトリル化合物(III)を同時に加えて反応させる請求項3に記載のアダマンタン誘導体の製造方法。
- 一般式(II)で表されるアダマンタノン(II)と一般式(III)で表されるニトリル化合物(III)との反応において、アルカリ金属に対して、アダマンタノン(II)とニトリル化合物(III)を同時に加えて反応させ、次いで、一般式(IV)で表される(メタ)アクリル酸の酸クロライドを反応させる請求項3に記載のアダマンタン誘導体の製造方法。
- 水及び水溶性溶媒を用いて、再結晶法又は晶析法により、精製することを特徴とする請求項3〜11のいずれか1項に記載のアダマンタン誘導体の製造方法。
- 水及び水溶性溶媒を用いて、再結晶法又は晶析法により精製するに際して、反応に用いた溶媒を10質量%以下まで除去したのち、得られた粗生成物を再結晶法又は晶析法により精製することを特徴とする請求項12に記載のアダマンタン誘導体の製造方法。
- 以下の工程を含むことを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載のアダマンタン誘導体の製造方法。
(i)一般式(III)で表されるニトリル化合物(III)と有機リチウム化合物を反応させ、これを一般式(II)で表されるアダマンタノン(II)と反応させることにより、中間体を合成する工程、(ii)工程(i)で得られた中間体と一般式(IV)で表される(メタ)アクリル酸の酸無水物を反応させる工程、(iii)工程(ii)で得られた反応液から溶媒を除去した後、水及び水溶性溶媒を用いて再結晶法又は晶析法で精製する工程。 - 以下の工程を含むことを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載のアダマンタン誘導体の製造方法。
(i)アルカリ金属化合物に対して、一般式(II)で表されるアダマンタノン(II)及び一般式(III)で表されるニトリル化合物(III)を同時に加えて反応させる工程、(ii)工程(i)で得られた中間体と一般式(IV)で表される(メタ)アクリル酸の酸クロライドを反応させる工程、(iii)工程(ii)で得られた反応液を濃縮後、水及び水溶性溶媒を用いて再結晶法又は晶析法で精製する工程。
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