JP4790290B2 - アダマンタン誘導体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
また、アダマンタンエステル類を、その酸感応性、ドライエッチング耐性、紫外線透過性などを利用して、フォトレジスト用樹脂原料として、使用することが試みられている(例えば、特許文献3参照)。
一方、近年、半導体素子の微細化が進むに伴い、その製造におけるリソグラフィー工程において、さらなる微細化が要求されており、したがって、KrF、ArFあるいはF2エキシマレーザー光などの短波長の照射光に対応したフォトレジスト材料を用いて、微細パターンを形成させる方法が種々検討されている。そして、前記エキシマレーザー光などの短波長の照射光に対応できる新しいフォトレジスト材料の出現が望まれている。従来、シリコン基板の密着性向上の目的で、水酸基を導入したモノマーは知られているが(例えば、特許文献4参照)、これまで知られていない機能性官能基をもったフォトレジスト材料が望まれている。
本発明は、このような状況下でなされたもので、フォトリソグラフィー分野における感光性樹脂などの機能性樹脂のモノマーとして有用な新規なアダマンタン誘導体及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
すなわち、本発明は、
(1)一般式(I)
(2)Y以外の置換基が橋頭位に存在するものである上記(1)記載のアダマンタン誘導体、
(3)R1が、Oに隣接する第3級の炭素を有するものである上記(1)又は(2)に記載のアダマンタン誘導体、
(4)一般式(II)
(5)一般式(II)で表されるアダマンタン化合物のアルコール体が、3−ヒドロキシアダマンチル(メタ)アクリレートである上記(4)記載のアダマンタン誘導体の製造方法、及び
(6)アルコールが、第3級アルコールである上記(4)又は(5)に記載のアダマンタン誘導体の製造方法、
を提供するものである。
まず、本発明の化合物は、一般式(I)
上記一般式(I)において、Rは水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基、Yは炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン原子、水酸基又は2つのYが一緒になって形成された=Oを示す。ここで、複数のYは同じでもよく、異なっていてもよい。R1は炭素数1〜10のアルキル基を示し、その構造の一部にヘテロ原子及び/又はニトリル基を含んでいてもよい。kは0〜14の整数を示し、m、nは独立に、0又は1の整数を示す。
上記において、Y、R1における炭素数1〜10のアルキル基として、メチル基、エチル基、各種プロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基を挙げることができ、これらは直鎖状、分岐状いずれでもよい。このアルキル基は、ハロゲン原子、水酸基等によって置換されたものであってもよい。また、R1はシクロアルキル基をも示す。R1のアルキル基又はシクロアルキル基が、その構造の一部にヘテロ原子及び/又はニトリル基を含むものであると、上記LERがより改善される。R1として、具体的には、下記のものを挙げることができる。
第3級炭素と結合しているものとして、2−メチル−2−プロピル基(tert−ブチル基)、2−メチル−2−ブチル基(tert−ペンチル基)、2,3−ジメチル−2−ブチル基(tert−ヘキシル基)、1−アダマンチル基、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル基、4−オキソ−1−アダマンチル基、パーフルオロ−1−アダマンチル基、パーフルオロ−3−ヒドロキシ−1−アダマンチル基等を挙げることができる。
Yにおけるハロゲン原子として、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を挙げることができる。
上記本発明のアダマンタン誘導体は、前記一般式(II)で表されるアダマンタン化合物のアルコール体を、アルカンスルホニルオキシ体に誘導し、次いで、アルコールと反応させて得られる。その他、予めエーテル化した後、最後に(メタ)アクリレート化することもできる。
すなわち、前記一般式(II)で表されるアダマンタン化合物のアルコール体を下記一般式(III)
該アルカンスルホニルオキシ体を下記一般式(V)
R1−OH …(V)
(式中、R1は前記に同じである。)
で表されるアルコールと反応させて目的のアダマンタン誘導体得る工程(第2工程:エーテル化工程)
からなり順に説明する。
原料の一般式(II)で表されるアダマンタン化合物のアルコール体として、例えば、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル メタクリレート、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル アクリレート、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル 2−トリフルオロメチルアクリレート、3−ヒドロキシメチル−1−アダマンチルメチル メタクリレート、3−ヒドロキシメチル−1−アダマンチルメチル アクリレート、3−ヒドロキシメチル−1−アダマンチルメチル 2−トリフルオロメチルアクリレート、3−ヒドロキシ−パーフルオロ−1−アダマンチル メタクリレート、3−ヒドロキシ−パーフルオロ−1−アダマンチル アクリレートなどのヒドロキシル基含有アダマンチル(メタ)アクリレート類を挙げることができる。次に、一般式(III)において、R2としてメチル基、エチル基、プロピル基を挙げることができるが、メチル基が好ましく、アルカンスルホニルハライドとして、一般にメタンスルホニルクロライドが使用される。両者の仕込み比は、前者1モルに対して後者が1〜1.5モルの範囲が好ましい。
塩基として、ナトリウムアミド、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノネン−5(DBN)、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−7(DBU)、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、炭酸カリウム、酸化銀、ナトリウムメトキシド、カリウムt−ブトキシド等を挙げることができる。これらの触媒は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
反応圧力については、通常、絶対圧力で0.01〜10MPaの範囲が採用される。この範囲であれば、特別な耐圧の装置は必要ではなく、経済的である。好ましくは、常圧〜1MPaの範囲である。
反応時間については、通常、1分〜24時間、好ましくは30分〜6時間の範囲である。
具体的には、反応終了液に水を加えて、メタンスルホニルハライドを失活させたのち、溶媒を留去し、残液を洗浄して触媒を除去する。次いで、残液中に含まれる副生重合物に対する貧溶媒、例えばメタノールを加え、該副生重合物を沈殿させ、これをろ過などの手段により除去したのち、貧溶媒を留去させる。次に、貧溶媒留去後の残渣を、例えばエーテル系溶媒を用いて再結晶することにより、目的のアダマンタン誘導体を高純度で得ることができる。
目的とする反応生成物の精製については、蒸留、晶析、カラム分離などが採用可能であり、生成物の性状と不純物の種類により精製方法を選択すればよい。
一般式(V)で表されるアルコールは、R1として前記に述べたものが使用できるが、本願発明の新規物質としての利用価値の点でtert−ブチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、tert−ヘキシルアルコールなどの第3級アルコールが好ましい。仕込み割合については、第1工程で得られたアルカンスルホニルオキシ体1モルに対して1〜1.5モルの範囲であればよい。
塩基として、ナトリウムアミド、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノネン−5(DBN)、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−7(DBU)、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、炭酸カリウム、酸化銀、ナトリウムメトキシド、カリウムt−ブトキシド等を挙げることができる。これらの触媒は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
反応圧力については、通常、絶対圧力で0.01〜10MPaの範囲が採用される。この範囲であれば、特別な耐圧の装置は必要ではなく、経済的である。好ましくは、常圧〜10MPaの範囲である。
反応時間については、通常、1〜48時間の範囲である。
得られた化合物の同定は、ガスクロマトグラフィー(GC)、液体クロマトグラフィー(LC)、ガスクロマトグラフィー質量分析(GC−MS)、核磁気共鳴分光法(NMR)、赤外分光法(IR)、融点測定装置などを用いて行うことができる。
構造式
(1)スルホニル化反応
2リットルのガラス反応器に、撹拌装置を取り付け、ここに3−ヒドロキシ−1−アダマンチル メタクリレート(アダマンテートHM、出光石油化学社製)118.16g(500ミリモル)、乾燥したトリエチルアミン104.5ミリリットル(750ミリモル)及び乾燥したテトラヒドロフラン1リットルを加え、氷浴で0℃に冷却して撹拌した。ここにメタンスルホニルクロライド46.4ミリリットル(600ミリモル)を加え、5分間撹拌し、ガスクロマトグラフィー分析をおこなったところ、転化率92.6%、選択率99.8%で3−メタンスルホニルオキシ−1−アダマンチル メタクリレートが得られていることを確認した。そこに、水50ミリリットルを加え、未反応のメタンスルホニルクロライドを失活させ、エバポレーターでテトラヒドロフランを除去した。それを2リットルの分液ロートに移し、ジエチルエーテル600ミリリットル、水550ミリリットルを2回加えて2度水洗し、トリエチルアミン塩、ポリマー1.01gを除去した。無水硫酸マグネシウム12.0g(100ミリモル)を加え,脱水した後、ろ過により、硫酸マグネシウムを除去した。それをエバポレートしてジエチルエーテルを除去し、ガスクロマトグラフィー(GC)分析及びGPC分析をおこなったところ、収量が156.26g、純度が91.3%(GC)、97.8%(GPC)で3−メタンスルホニルオキシ−1−アダマンチル メタクリレートが得られていることを確認した。
2リットルのガラス反応器に、撹拌装置を取り付け、ここに(1)で得られたものを入れ、乾燥した2−メチル−2−ブタノール750.0ミリリットル(6,849ミリモル)及び乾燥した1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)80.0ミリリットル(535ミリモル)、メトキノン0.30g(2,000質量ppm)を加え、撹拌した。オイルバスの温度を120℃に設定し、36時間還流した。また、6時間ごとにメトキノン0.03g(200質量ppm)を逐次添加した。ガスクロマトグラフィー分析をおこなったところ、転化率86.9%、選択率99.8%で目的物が得られていることがわかった。転化していない、3−メタンスルホニルオキシ−1−アダマンチル メタクリレートを3−ヒドロキシ−1−アダマンチル メタクリレートにするために、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100ミリリットルを加え、撹拌し、60℃で8時間撹拌した。エバポレーターで2−メチル−2−ブタノールを除去した。それを2リットルの分液ロートに移し、ジエチルエーテル600ミリリットル、水550ミリリットルを2回加えて2度水洗し、DBU塩を除去した。無水硫酸マグネシウム12.0g(100ミリモル)を加え、脱水した後、ろ過により、硫酸マグネシウムを除去した。それをエバポレートしてジエチルエーテルを除去し、ガスクロマトグラフィー分析をおこなったところ、収量149.1g、純度80.7%で目的物が得られていることがわかった。それをn−ヘキサン1リットルに溶かし、それをシリカゲル100gに3−ヒドロキシ−1−アダマンチル メタクリレートを吸着させて、ろ過、脱色した。エバポレータートでn−ヘキサンを除去し、無色透明液体81.0gを得た。ガスクロマトグラフィー分析をおこなったところ、99.8%の純度で目的物が得られていることを確認した。以下、1H−NMR、13C−NMR及びGC−MSの各データを示した。
1H−NMR(500MHz):0.85(t,J=7.7Hz,3H,o),1.21(s,6H,m),1.43(q,J=7.4Hz,2H,n),1.48(m,2H,h or i),1.80(br−s,4H,f or j),1.85(s,3H,a),1.97(d,J=11.5Hz,f or j),2.08(d,J=11.9Hz,f or j),2.20(s,2H,g),2.25(s,2H,h or i),5.43(s,b1),5.96(s,b2),
13C−NMR(126MHz):8.62(o),18.27(a),29.04(h or m),31.39(m or h),35.07(g or ior n),37.49(g or ior n),40.06(f or j),43.90(j or f),48.96(g or ior n),73.35(e or kor l),76.42(e or kor l),81.54(e or kor l),124.31(b),137.85(c),166.28(d)
291(M+−CH3,0.05%),219(M+−C5H11O,100%),
133(25.6%),69(98.6%),41(26.1%)
構造式
(1)スルホニル化反応
2リットルのガラス反応器に、撹拌装置を取り付け、ここに3−ヒドロキシ−1−アダマンチル メタクリレート(アダマンテートHM、出光石油化学社製)118.16g(500ミリモル),乾燥したトリエチルアミン104.5ミリリットル(750ミリモル)及び乾燥したテトラヒドロフラン1リットルを加え,氷浴で0℃に冷却して撹拌した。ここにメタンスルホニルクロライド46.4ミリリットル(600ミリモル)を加え、5分間撹拌し、ガスクロマトグラフィー分析をおこなったところ、転化率92.6%、選択率99.8%で3−メタンスルホニルオキシ−1−アダマンチル メタクリレートが得られていることを確認した。そこに、水50ミリリットルを加え、未反応のメタンスルホニルクロライドを失活させ、エバポレートでテトラヒドロフランを除去した。それを2リットルの分液ロートに移し、ジエチルエーテル600ミリリットル、水550ミリリットルを2回加えて2度水洗し、トリエチルアミン塩、ポリマー1.01gを除去した。無水硫酸マグネシウム12.0g(100ミリモル)を加え,脱水した後、ろ過により、硫酸マグネシウムを除去した。それをエバポレートしてジエチルエーテルを除去し、ガスクロマトグラフィー分析及びGPC分析をおこなったところ、収量が156.26g、純度が91.3%(GC)、97.8%(GPC)で3−メタンスルホニルオキシ−1−アダマンチル メタクリレートが得られていることを確認した。
それにジエチルエーテル100ミリリットルを加え、0℃に冷却し再結晶をおこなったところ、白色固体115.13gを得た。ガスクロマトグラフィー分析及びGPC分析をおこなったところ、純度が99.1%(GC)、98.9%(GPC)で3−メタンスルホニルオキシ−1−アダマンチル メタクリレートが得られていることを確認した。
2リットルのガラス反応器に、撹拌装置を取り付け、ここに(1)で得られたものを入れ、乾燥したエチレングリコール1100.0ミリリットル(19725ミリモル)及び乾燥したトリエチルアミン76.0ミリリットル(545ミリモル)を加え、撹拌した。オイルバスの温度を80℃に設定し、2時間加熱した。ガスクロマトグラフィー分析をおこなったところ、転化率99.9%、選択率99.8%で目的物が得られていることがわかった。反応液を2リットルの分液ロートに移し、ジエチルエーテル600ミリリットル、水200ミリリットルを加えて有機層への抽出をおこない、1N希塩酸700ミリリットルを加えて水洗し、さらに、水700ミリリットルを加えて水洗し、トリエチルアミン塩を除去した。無水硫酸マグネシウム12.0g(100ミリモル)を加え、脱水した後、ろ過により、硫酸マグネシウムを除去した。それをエバポレートしてジエチルエーテルを除去し、ガスクロマトグラフィー分析及びGPC分析をおこなったところ、収量91.96g、純度99.5%(GC)、99.4%(GPC)で目的物が得られていることを確認した。以下、1H−NMR、13C−NMR、GC−MS及び融点の各データを示した。
1H−NMR(500MHz):1.52(d,J=12.8Hz,2H),
1.60(d,J=12.8Hz,2H),1.70(d,J=11.3Hz,2H),
1.78(d,J=11.3Hz,2H),1.89(s,3H,a),
2.05(d,J=11.3Hz,2H),2.13(d,J=11.2Hz,2H),
2.17(s,2H,g),2.36(br−s,2H),
2.48(q,J=4.0Hz,1H),3.54(t,J=4.6Hz,2H,l),
3.68(q,J=5.0Hz,2H,m),5.49(q,J=1.5Hz,b1),
5.96(s,b2)
13C−NMR(127MHz):18.18(a),30.84(h),34.97(i),40.04(f or j),40.40(j or f),45.11(g),61.48(l or m),62.06(m or l),74.28(k),81.19(e),124.54(b),137.59(c),166.28(d)
281(M++1,0.02%),280(M+,0.16%),263(0.05%),
262(0.26%),220(11.0%),219(40.3%),195(8.7%),194(37.1%),134(24.0%),133(21.7%),69(100%)
・融点:DSC
50.0〜54.5℃
構造式
(1)スルホニル化反応
実施例2と同様にして、純度が99.1%(GC)、98.9%(GPC)で3−メタンスルホニルオキシ−1−アダマンチル メタクリレートを得た。
(2)エーテル化反応
2リットルのガラス反応器に、撹拌装置を取り付け、ここに(1)で得られたものを入れ、乾燥した1−メトキシ−2−プロパノール1100.0ミリリットル(11254ミリモル)及び乾燥したトリエチルアミン76.0ミリリットル(545ミリモル)を加え、撹拌した。オイルバスの温度を80℃に設定し、2時間加熱した。ガスクロマトグラフィー分析をおこなったところ、転化率99.8%、選択率99.8%で目的物が得られていることがわかった。反応液を2リットルの分液ロートに移し、ジエチルエーテル600ミリリットル、水200ミリリットルを加えて有機層への抽出をおこない、1N希塩酸700ミリリットルを加えて水洗し、さらに、水700ミリリットルを加えて水洗し、トリエチルアミン塩を除去した。無水硫酸マグネシウム12.0g(100ミリモル)を加え、脱水した後、ろ過により、硫酸マグネシウムを除去した。
それをエバポレートしてジエチルエーテルを除去し、ガスクロマトグラフィー分析及びGPC分析をおこなったところ、収量106.40g、純度99.6%(GC)、99.5%(GPC)で目的物が得られていることを確認した。以下、1H−NMR、13C−NMR及びGC−MSの各データを示した。
1H−NMR(500MHz):1.21(o),1.48(m,2H,h or i),
1.80(br−s,4H,f or j),1.85(s,3H,a),1.97(d,f or j),2.08(d,f or j),2.20(s,2H,g),3.24(s,3H,p),3.34(l),3.50(m),5.43(s,b1),5.96(s,b2)
13C−NMR(127MHz):17.7(o),18.3(a),29.0(h),
37.5(g or i),40.1(f or j),43.9(j or f),49.0(g or i),54.2(p),67.9(l),75.4(e or k),76.42(e or k),80.6(m),124.3(b),137.9(c),166.3(d)
263(M+−CH2OCH3,11.1%),220(16.7%),219(100%),133(25.3%),73(12.2),69(99.4%),45(10.4%),41(19.9%)
構造式
(1)スルホニル化反応
実施例2と同様にして、純度が99.1%(GC)、98.9%(GPC)で3−メタンスルホニルオキシ−1−アダマンチル メタクリレートを得た。
(2)エーテル化反応
2リットルのガラス反応器に、撹拌装置を取り付け、ここに(1)で得られたものを入れ、乾燥した3−ヒドロキシプロピオニトリル1100.0ミリリットル(16110ミリモル)及び乾燥したトリエチルアミン76.0ミリリットル(545ミリモル)を加え、撹拌した。オイルバスの温度を80℃に設定し、2時間加熱した。ガスクロマトグラフィー分析をおこなったところ、転化率99.8%、選択率99.8%で目的物が得られていることがわかった。反応液を2リットルの分液ロートに移し、ジエチルエーテル600ミリリットル、水200ミリリットルを加えて有機層への抽出をおこない、1N希塩酸700ミリリットルを加えて水洗し、さらに、水700ミリリットルを加えて水洗し、トリエチルアミン塩を除去した。無水硫酸マグネシウム12.0g(100ミリモル)を加え、脱水した後、ろ過により、硫酸マグネシウムを除去した。
それをエバポレートしてジエチルエーテルを除去し、ガスクロマトグラフィー分析及びGPC分析をおこなったところ、収量95.9g、純度98.5%(GC)、99.0%(GPC)で目的物が得られていることを確認した。以下、1H−NMR、13C−NMR及びGC−MSの各データを示した。
1H−NMR(500MHz):1.48(m,2H,h or i),
1.80(br−s,4H,f or j),1.85(s,3H,a),1.97(d,f or j),2.08(d,f or j),2.20(s,2H,g),2.58(m),3.74(l),5.43(s,b1),5.96(s,b2)
13C−NMR(127MHz):19.6(m),18.3(a),29.0(h),
37.5(g or i),40.1(f or j),43.9(j or f),49.0(g or i),61.0(l),75.4(e or k), 76.42(e or k),117.7(n),124.3(b),137.9(c),166.3(d)
290(M++1,0.18%),289(M+,1.4%),204(43.1%),
203(100%),148(76.9%),135(39.3%),92(78.3%),69(88.6%),41(69.9%)
構造式
構造式
(1)スルホニル化反応
実施例2と同様にして、純度が99.1%(GC)、98.9%(GPC)で3−メタンスルホニルオキシ−1−アダマンチル メタクリレートを得た。
(2)エーテル化反応
1リットルのガラス反応器に、撹拌装置及び滴下ロートを取り付け、ここに(1)の操作で得られた3-メタンスルホニルオキシ-1-アダマンチルメタクリレート150g(477.1ミリモル)、乾燥したグリセロール 450ミリリットル、乾燥したN,N-ジメチルホルムアミド 150ミリリットル及びメトキノン300mgを入れた後、攪拌しながらオイルバスで80℃に昇温した。ここにトリエチルアミン57.74g(570.6ミリモル)を滴下ロートを用いて、20分間で滴下した。滴下終了後3時間、反応液を80℃に保った後、反応液をガスクロマトグラフィーにより分析を行ったところ、転化率100%,選択率99.8%で目的物が得られていることが分かった。反応液を2リットルの分液ロートとに移し、水 600ミリリットルを加え、酢酸エチル600ミリリットルで2回抽出を行った。抽出した有機層を飽和炭酸水素ナトリウム、次いで純水で洗浄後、無水硫酸マグネシウム 12.0g(100ミリモル)を加え,乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過後、溶媒を留去し、粗製品152.5gを得た。粗製品をシリカゲルカラムにて精製することにより、3-(2,3-ジヒドロキシ-1-プロピルオキシ)-1-アダマンチル メタクリレート及び3-(1,3-ジヒドロキシ-2-プロピルオキシ)-1-アダマンチル メタクリレートが73.5:26.5の比で存在する混合物〔収量104.85g、収率70.8%、純度 99.5%(GC)、98.7%(GPC)〕で目的物が得られた。以下、1H−NMR、13C−NMR及びGC−MSの各データを示した。
1H−NMR(500MHz):1.45-1.56(2H),1.63−1.76(4H),1.84(s、3H,a),1.98−2.14(6H),2.31(s,2H),
3.42−3.80(m,5H,l−n),5.45(s,b1),5.96(s,b2)
13C−NMR(127MHz):
3-(2,3-ジヒドロキシ-1-プロピルオキシ)-1-アダマンチル メタクリレート[化15]
18.35(a)、30.98(h)、35.08(i)、40.18(f)、40.42、40.44、45.18(g)、62.43(l or n)、64.31(l or n)、70.86(m)、74.72(k)、81.32(e)、124.78(b)137.72(c)、166.46(d)
3-(1,3-ジヒドロキシ-2-プロピルオキシ)-1-アダマンチル メタクリレート[化16]
15.30(a)、30.98(h)、34.98(i)、40.08(f)、41.45(j)、46.08(g)、63.68(l or n)、65.89(l or n)、70.07(m)、75.58(k)、81.20(e)、124.86(b)、137.68(c)、166.46(d)
3-(2,3-ジヒドロキシ-1-プロピルオキシ)-1-アダマンチル メタクリレート[化15]
279(M++1,1.2%)、220(11.9%)、219(46.0%)、
151(19.2%)、134(49.6%)、133(20.0%)、117(10.4%)93(10.6%)、69(100%)、41(26.4%)
3-(1,3-ジヒドロキシ-2-プロピルオキシ)-1-アダマンチル メタクリレート[化16]
280(1.8%)、220(5.7%)、219(32.6%)、151(6.1%)、134(31.6%)、133(19.5%)、117(38.5%)、116(15.9%)、69(100%)、41(23.9%)
構造式
(1)スルホニル化反応
実施例2と同様にして、純度が99.1%(GC)、98.9%(GPC)で3−メタンスルホニルオキシ−1−アダマンチル メタクリレートを得た。
(2)エーテル化反応
500ミリリットルのガラス反応器に、撹拌装置及び滴下ロートを取り付け、ここに(1)の操作で得られた3-メタンスルホニルオキシ-1-アダマンチルメタクリレート23.55g(75ミリモル)、ペンタエリスリトール102.1g(750ミリモル)、乾燥したN,N-ジメチルホルムアミド 150ミリリットル及びメトキノン23.6mgを入れた後、攪拌しながらオイルバスで130℃に昇温した。ここにトリエチルアミン9.11g(90.0ミリモル)を滴下ロートを用いて、10分間で滴下した。滴下終了後3時間、反応液を130℃に保った後、反応液をガスクロマトグラフィーにより分析を行ったところ、転化率98.3%,選択率52.8%で目的物が得られていることが分かった。反応液を冷却後、析出するペンタエリスリトールを濾過し、濾液を1リットルの分液ロートとに移した。水 200ミリリットルを 加え、酢酸エチル300ミリリットルで2回抽出を行った。抽出した有機層を飽和炭酸水素ナトリウム、次いで純水で洗浄後、無水硫酸マグネシウム 6.0g(50ミリモル)を加え,乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過後、溶媒を留去し、粗製品24.03gを得た。粗製品をヘキサン/エーテルで再結晶することにより、3-[(トリスヒドロキシメチル)メトキシ]-1-アダマンチル メタクリレートを収量(率)13.08g(49.2%),純度 97.1%(GC),98.6% (GPC)で得た。以下、1H−NMR、13C−NMR及びGC−MSの各データを示した。
1H−NMR(500MHz):1.41-1.49(2H),1.55−1.63(4H),1.79(s、3H,a),1.95−2.00(6H),2.23(s,2H),
3.27(s,2H,l),3.33−3.34(6H,n),5.55−5.56(b1),5.90(s,b2)
13C−NMR(127MHz):
18.55(a)、30.90(h)、35.11(i)、40.31(f or j)、
40.39(f or j)、45.27(g)、60.00(l)、61.67(n)、
73.80(k)、81.60(e)、125.50(b)、137.74(c)、
166.06(d)
220(6.0%)、219(30.5%)、218(4.3%)、151(50.2%)、150(13.7%)、134(41.8%)、133(15.8%)、95(13.0%)、93(16.2%)、92(15.7%)、69(100%)、41(32.8%)
構造式
(1)スルホニル化反応
実施例2と同様にして、純度が99.1%(GC)、98.9%(GPC)で3−メタンスルホニルオキシ−1−アダマンチル メタクリレートを得た。
(2)エーテル化反応
500ミリリットルのガラス反応器に、撹拌装置及び滴下ロートを取り付け、ここに(1)の操作で得られた3-メタンスルホニルオキシ-1-アダマンチルメタクリレート23.55g(75ミリモル)、乾燥した1,3-プロパンジオール 171.2g(2250ミリモル)及びメトキノン23.6mgを入れた後、攪拌しながらオイルバスで80℃に昇温した。ここにトリエチルアミン9.11g(90.0ミリモル)を滴下ロートを用いて、10分間で滴下した。滴下終了後3時間、反応液を80℃に保った後、反応液をガスクロマトグラフィーにより分析を行ったところ、転化率100%,選択率100%で目的物が得られていることが分かった。反応液を冷却後、200ミリリットルの純水を加え、酢酸エチル300ミリリットルで2回抽出を行った。抽出した有機層を飽和炭酸水素ナトリウム、次いで純水で洗浄後、無水硫酸マグネシウム 6.0g(50ミリモル)及び活性炭5gを加え攪拌した。硫酸マグネシウム及び活性炭を濾過後、溶媒を留去し、3-(3-ヒドロキシプロピルオキシ)-1-アダマンチル メタクリレート21.64g(収率98.0%、純度 100(GC)、99.1%(GPC))が得られた。以下、1H−NMR、13C−NMR及びGC−MSの各データを示した。
1H−NMR(500MHz):1.38-1.76(6H),1.83(s、3H,a),
1.90−2.11(8H),2.28(s,2H),3.25(s,2H,l),
3.42(2H,n),5.50−5.56(b1),5.92(s,b2)
13C−NMR(127MHz):
18.47(a)、30.83(h)、31.81(m)、35.07(i)、
39.97(f or j)、40.39(f or j)、45.21(g)、58.88(l)、61.55(n)、74.41(k)、81.33(e)、124.82(b)、137.61(c)、166.56(d)
220(13.3%)、219(43.5%)、151(46.8%)、134(39.2%)、133(17.0%)、93(12.6%)、69(100%)、41(19.3%)
構造式
(1)スルホニル化反応
実施例2と同様にして、純度が99.1%(GC)、98.9%(GPC)で3−メタンスルホニルオキシ−1−アダマンチル メタクリレートを得た。
(2)エーテル化反応
500ミリリットルのガラス反応器に、撹拌装置及び滴下ロートを取り付け、ここに(1)の操作で得られた3-メタンスルホニルオキシ-1-アダマンチルメタクリレート23.55g(75ミリモル)、乾燥した1,4-ブタンジオール 202.77g(2250ミリモル)及びメトキノン23.6mgを入れた後、攪拌しながらオイルバスで80℃に昇温した。ここにトリエチルアミン9.11g(90.0ミリモル)を滴下ロートを用いて、10分間で滴下した。滴下終了後3時間、反応液を80℃に保った後、反応液をガスクロマトグラフィーにより分析を行ったところ、転化率99.5%,選択率100%で目的物が得られていることが分かった。反応液を冷却後、200ミリリットルの純水を加え、酢酸エチル300ミリリットルで2回抽出を行った。抽出した有機層を飽和炭酸水素ナトリウム、次いで純水で洗浄後、無水硫酸マグネシウム 6.0g(50ミリモル)及び活性炭5gを加え攪拌した。硫酸マグネシウム及び活性炭を濾過後、溶媒を留去し、3-(4-ヒドロキシブチルオキシ)-1-アダマンチル メタクリレート22.53g(収率97.4%、純度 100(GC)、98.9%(GPC))が得られた。以下、1H−NMR、13C−NMR及びGC−MSの各データを示した。
1H−NMR(500MHz):1.40-1.74(10H),1.84(s、3H,a),
1.91−2.07(6H),2.24(s,2H),3.21(2H,l),
3.27(2H,o),5.53−5.54(b1),5.93(s,b2)
13C−NMR(127MHz):
18.46(a)、27.86(n)、29.61(m)、30.82(h)、35.02(i)39.95(f or j)、40.33(f or j)、45.21(g)、58.58(l)、60.23(o)、74.14(k)、81.30(e)、124.82(b)、137.60(c)、166.51(d)
220(18.9%)、219(51.0%)、151(25.3%)、134(36.1%)、133(15.9%)、117(10.0)、93(9.9%)、69(100%)、41(22.4%)
Claims (4)
- 一般式(I)
で表される構造を有するアダマンタン誘導体。 - 一般式(I)
で表される構造を有するアダマンタン誘導体であって、
一般式(I)で表されるアダマンタン誘導体が、3−(2−ヒドロキシエトキシ)−1−アダマンチル (メタ)アクリレートまたは3−(2−シアノエトキシ)−1−アダマンチル (メタ)アクリレートであるアダマンタン誘導体。 - 一般式(II)
で表されるアダマンタン化合物のアルコール体を、
一般式(III)
で表されるアルカンスルホニルハライドと反応させて、一般式(IV)
で表されるアルカンスルホニルオキシ体に誘導し、次いで、
該アルカンスルホニルオキシ体を一般式(V)
R1−OH ‥‥(V)
(式中、R 1 は、メチル基、エチル基、1−プロピル基、1−ブチル基、1−ペンチル基、3−メチル−1−ブチル基、2−メチル−1−ブチル基、2,2−ジメチル−1−ブチル基、3,3−ジメチル−1−ブチル基、シクロヘキシルメチル基、1−アダマンチルメチル基、3−ヒドロキシメチル−1−アダマンチルメチル基、2−ヒドロキシ−1−エチル基、2−ヒドロキシ−1−プロピル基、2,3−ジヒドロキシ−1−プロピル基、トリス(ヒドロキシメチル)メチル基、3−ヒドロキシ−1−プロピル基、4−ヒドロキシ−1−ブチル基、2−プロピル基、2−ブチル基、2−ペンチル基、3−メチル−2−ブチル基、3,3−ジメチル−2−ブチル基、シクロヘキシル基、2−アダマンチル基、1−ヒドロキシ−2−プロピル基、1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル基、2−メチル−2−プロピル基、2−メチル−2−ブチル基、2,3−ジメチル−2−ブチル基、1−アダマンチル基、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル基、からなる群から選ばれるものである。)
で表されるアルコールと反応させることを特徴とする、
一般式(I)
で表されるアダマンタン誘導体の製造方法。 - 一般式(II)
で表されるアダマンタン化合物のアルコール体を、
一般式(III)
で表されるアルカンスルホニルハライドと反応させて、一般式(IV)
で表されるアルカンスルホニルオキシ体に誘導し、次いで、
該アルカンスルホニルオキシ体を一般式(V)
R1−OH ‥‥(V)
(式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基又はシクロアルキル基を示し、その構造の一部にヒドロキシ基及び/又はニトリル基を含んでいてもよい。)
で表されるアルコールと反応させることを特徴とする、
一般式(I)
で表されるアダマンタン誘導体の製造方法であって、
一般式(I)で表されるアダマンタン誘導体が、3−(2−ヒドロキシエトキシ)−1−アダマンチル (メタ)アクリレートまたは3−(2−シアノエトキシ)−1−アダマンチル (メタ)アクリレートであるダマンタン誘導体の製造方法。
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