JP4580165B2 - アダマンタン誘導体及びその製造方法 - Google Patents

アダマンタン誘導体及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、新規なアダマンタン誘導体及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、フォトリソグラフィー分野におけるフォトレジスト用樹脂の改質剤やドライエッチング耐性向上剤、農医薬中間体、その他各種工業製品として有用な新規な(モノハロゲン置換メチル)(アダマンチル基含有アルキル)エーテル類及びこれらを効率よく製造する方法に関する。
アダマンタンは、シクロヘキサン環が4個、カゴ形に縮合した構造を有し、対称性が高く、安定な化合物であり、その誘導体は、特異な機能を示すことから、農医薬原料や高機能性工業材料の原料などとして有用であることが知られている。例えば光学特性や耐熱性などを有することから、光ディスク基板、光ファイバーあるいはレンズなどに用いることが試みられている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
また、アダマンタンエステル類を、その酸感応性、ドライエッチング耐性、紫外線透過性などを利用して、フォトレジスト用樹脂原料として、使用することが試みられている(例えば、特許文献3参照)。
一方、近年、半導体素子の微細化が進むに伴い、その製造におけるリソグラフィー工程において、さらなる微細化が要求されており、したがって、KrF、ArFあるいはF2エキシマレーザー光などの短波長の照射光に対応したフォトレジスト材料を用いて、微細パターンを形成させる方法が種々検討されている。そして、前記エキシマレーザー光などの短波長の照射光に対応できる新しいフォトレジスト材料の出現が望まれていた。
特開平6−305044号公報 特開平9−302077号公報 特開平4−39665号公報
本発明は、このような状況下でなされたもので、フォトリソグラフィー分野におけるフォトレジスト用樹脂の改質剤やドライエッチング耐性向上剤、農医薬中間体、その他各種工業製品として有用な新規なアダマンタン誘導体及びその方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有する(モノハロゲン置換メチル)(アダマンチル基含有アルキル)エーテル類は、文献未載の新規な化合物であって、その目的に適合し得ること、そしてこれらの化合物は、対応するアルコール類を原料として反応させることにより、効率よく製造し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明の要旨は下記のとおりである。
1.一般式(I)又は(II)
Figure 0004580165
[式中、Xはハロゲン原子、Yは炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基、ハロゲン原子又はヘテロ原子含有基を示す。R1〜R4は、独立に、水素、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基を示し、mは0〜15の整数、nは0〜10の整数を示す。なお、一般式(I)において、m、nが同時に0で、かつ、R3、R4が同時に水素原子である場合を除く。]
で表される構造を有することを特徴とするアダマンタン誘導体。
2.前記一般式(I)又は(II)において、Yが、2つのYが一緒になって形成された=Oを示すものである上記1記載のアダマンタン誘導体。
3.一般式(III)又は(IV)
Figure 0004580165
(式中、X、Y、R1、R2、m及びnは前記に同じである。)
で表されるアダマンチル基を有するアルコールに、一般式(V)
Figure 0004580165
[R3及びR4は前記に同じである。なお、上記一般式(III)において、m、nが同時に0の場合、R3、R4は同時に水素原子ではない。]
で表されるカルボニル化合物及びハロゲン化水素ガスを反応させることを特徴とする上記1又は2に記載のアダマンタン誘導体の製造方法。
4.一般式(III)又は(IV)
Figure 0004580165
[式中、X、Y、R1、R2、m及びnは前記に同じである。一般式(III)において、m、nが同時に0の場合を除く。]
で表されるアダマンチル基を有するアルコールに、無水酢酸の存在下、ジメチルスルホキシドを反応させて得られる(メチルチオ)メチルエーテル化合物を単離し、あるいは単離することなく、塩化スルフリルと反応させることを特徴とする上記1又は2記載のアダマンタン誘導体の製造方法。
本発明のアダマンタン誘導体は新規な(モノハロゲン置換メチル)(アダマンチル基含有アルキル)エーテル類であって、フォトリソグラフィー分野におけるフォトレジスト用樹脂の改質剤やドライエッチング耐性向上剤、農医薬中間体、その他各種工業製品として有用である。
本発明のアダマンタン誘導体は、一般式(I)で表される化合物(以下、化合物Aという。)及び一般式(II)で表される化合物(以下、化合物Bという。)であり、いずれも文献未載の新規な化合物である。以下、化合物A、B及びそれらの製造方法について説明する。
まず、本発明の化合物Aは、一般式(I)
Figure 0004580165
で表される構造を有する(モノハロゲン置換メチル)(アダマンチル基含有アルキル)エーテル類である。
上記一般式(I)において、Xはハロゲン原子、Yは炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基、ハロゲン原子又はヘテロ原子含有基を示す。R1〜R4は、独立に、水素、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基を示し、mは0〜15の整数、nは0〜10の整数を示す。なお、m、nが同時に0で、かつ、R3、R4が同時に水素原子の場合を除く。
上記において、ハロゲン原子はフッ素、塩素、臭素、ヨウ素である。炭素数1〜10のアルキル基は直鎖状、分岐状いずれでもよい。炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基は、前記炭素数1〜10のアルキル基の適当な位置に一個もしくは二個以上のハロゲン基が置換したものであればよい。ヘテロ原子含有基は、O(酸素)、S(硫黄)又はN(窒素)を含んでいる置換基である。例えば、下記の式で表すことができる。
Figure 0004580165
(式中、Rは、独立に、水素、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基を示す。)
また、ヘテロ原子含有基は、2つのYが一緒になって形成された=Oでもよい。
前記一般式(I)で表される化合物Aは、例えば、下記のものが挙げられる。
Figure 0004580165
Figure 0004580165
また、前記一般式(I)において、Yが、2つのYが一緒になって形成された=Oを示す場合、(クロロメチル)(2−オキソ−1−アダマンタンチル)エーテル、(クロロメチル)(4−オキソ−1−アダマンタンチル)エーテル、(クロロメチル)(3,5−ジメチル−2−オキソ−1−アダマンタンチル)エーテル、(クロロメチル)(3,5−ジメチル−4−オキソ−1−アダマンタンチル)エーテル、(クロロメチル)(3,7−ジメチル−2−オキソ−1−アダマンタンチル)エーテル、(クロロメチル)(3,7−ジメチル−4−オキソ−1−アダマンタンチル)エーテル、(クロロメチル)(2−オキソ−1−アダマンタンチルメチル)エーテル、(クロロメチル)(4−オキソ−1−アダマンタンチルメチル)エーテル、(クロロメチル)(2−オキソ−1−パーフルオロアダマンチル)エーテル、(クロロメチル)(4−オキソ−1−パーフルオロアダマンチル)エーテル、(クロロメチル)(2−オキソ−1−パーフルオロアダマンチルメチル)エーテル、(クロロメチル)(4−オキソ−1−パーフルオロアダマンチルメチル)エーテルなどを挙げることができる。
次に、本発明の化合物Bは、一般式(II)
Figure 0004580165
で表される構造を有する(モノハロゲン置換メチル)(アダマンチル基含有アルキル)エーテル類である。
上記一般式(II)において、X、Y、R1〜R4、m及びnは前記に同じである。なお、この場合、m、nが同時に0で、かつ、R3、R4が同時に水素原子である場合がある。
前記一般式(II)で表される化合物Bは、例えば、下記のものが挙げられる。
Figure 0004580165
Figure 0004580165
また、前記一般式(II)において、Yが、2つのYが一緒になって形成された=Oを示す場合、(クロロメチル)(4−オキソ−2−アダマンタンチル)エーテル、(クロロメチル)(3,5−ジメチル−4−オキソ−2−アダマンタンチル)エーテル、(クロロメチル)(3,7−ジメチル−2−オキソ−1−アダマンタンチル)エーテル、(クロロメチル)(3,7−ジメチル−4−オキソ−2−アダマンタンチル)エーテル、(クロロメチル)(2−メチル−4−オキソ−2−アダマンタンチル)エーテル、(クロロメチル)(2−エチル−4−オキソ−2−アダマンタンチル)エーテル、(クロロメチル)(4−オキソ−2−アダマンタンチルメチル)エーテル、(クロロメチル)(4−オキソ−2−パーフルオロアダマンチル)エーテル、(クロロメチル)(4−オキソ−2−パーフルオロアダマンチルメチル)エーテルなどを挙げることができる。
次に、上記の本発明の化合物A、Bの製造方法について説明する。製造方法には、下記の二つの方法がある。
即ち、前記一般式(III)又は(IV)で表されるアダマンチル基を有するアルコール(以下、原料アルコールともいう。)に、下記一般式(V)
Figure 0004580165
[式中、R3及びR4は前記に同じである。なお、前記一般式(III)において、m、nが同時に0の場合、R3、R4は同時に水素原子ではない。]
で表されるカルボニル化合物及びハロゲン化水素ガスを反応させる方法(製造方法1)と、原料アルコールに、無水酢酸の存在下、ジメチルスルホキシドを反応させて得られる(メチルチオ)メチルエーテル化合物を単離し、あるいは単離することなく、塩化スルフリルと反応させる方法(製造方法2)である。なお、製造方法2においては、前記一般式(III)において、m、nが同時に0の場合を除く。
以上の二方法の原料アルコールについては、先ず、化合物Aの原料アルコールとして、前記一般式(III)で表される下記の化合物が挙げられる。
Figure 0004580165
Figure 0004580165
また、前記一般式(III)において、Yが、2つのYが一緒になって形成された=Oを示す場合、2−オキソ−1−アダマンタノール、4−オキソ−1−アダマンタノール、3,5−ジメチル−2−オキソ−1−アダマンタノール、3,5−ジメチル−4−オキソ−1−アダマンタノール、3,7−ジメチル−2−オキソ−1−アダマンタノール、3,7−ジメチル−4−オキソ−1−アダマンタノール、2−オキソ−1−アダマンチルメタノール、4−オキソ−1−アダマンチルメタノール、2−オキソ−1−パーフルオロアダマンタノール、4−オキソ−1−パーフルオロアダマンタノール、2−オキソ−1−パーフルオロアダマンチルメタノール、4−オキソ−1−パーフルオロアダマンチルメタノールなどを挙げることができる。
次に、化合物Bの原料アルコールとして、前記一般式(IV)で表される下記の化合物が挙げられる
Figure 0004580165
Figure 0004580165
また、前記一般式(IV)において、Yが、2つのYが一緒になって形成された=Oを示す場合、4−オキソ−2−アダマンタノール、3,5−ジメチル−4−オキソ−2−アダマンタノール、3,5−ジメチル−4−オキソ−2−アダマンタノール、3,7−ジメチル−4−オキソ−2−アダマンタノール、2−メチル−4−オキソ−2−アダマンタノール、2−エチル−4−オキソ−2−アダマンタノール、4−オキソ−2−アダマンチルメタノール、4−オキソ−2−パーフルオロアダマンタノール、4−オキソ−2−パーフルオロアダマンタンメタノールなどを挙げることができる。
続いて、二つの製造方法について、詳細に説明する。
(1)製造方法1
原料アルコールとカルボニル化合物を溶融あるいは溶媒で希釈した後、乾燥剤を添加し、ここに乾燥したハロゲン化水素ガスを吹き込んで反応させるものである。
上記のカルボニル化合物として、ホルムアルデヒド(パラホルムアルデヒド)、アセトアルデヒド、アセトン、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、エチルメチルケトン、イソプロピルメチルケトン、イソブチルメチルケトン、ジエチルケトンなどが挙げられる。カルボニル化合物の量は、原料アルコール1モルに対して、通常1〜5モルである。
また、上記の乾燥剤として、一般的な乾燥剤が使用可能である。具体的には、無水硫酸マグネシウム、無水塩化鉄、無水塩化アルミニウム等の無水無機塩;塩化カルシウム、モレキュラーシーブス、五酸化二リン、過塩素酸ナトリウム、活性アルミナ、シリカゲル、水素化カルシウム、水素化アルミニウムリチウムなどが挙げられる。乾燥剤の量は、原料アルコール1モルに対して、通常0.5〜5モルである。
ハロゲン化水素ガスは乾燥したものが好ましい。市販のボンベから供給する方法やハロゲン化ナトリウムと濃硫酸を反応させ発生したハロゲン化水素ガスを供給する方法が採用できる。ハロゲン化水素ガスの量は、原料アルコール1モルに対して、通常1〜20モルである。ハロゲン化水素として、一般に塩化水素ガスが使用される。
溶媒はなくてもよいが、使用する場合、原料アルコールの溶解度が0.5質量%以上、好ましくは5質量%以上の溶媒を用いればよい。具体的には、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、THF等などのエーテル系溶媒;ジクロロメタン、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒が挙げられる。溶媒量は、通常反応混合物中の原料アルコールの濃度が0.5質量%以上、好ましくは5質量%以上となる量である。この時、原料アルコールは懸濁状態でもよいが、溶解していることが望ましい。また、使用前に溶媒中の水分を取り除いておくことが望ましい。
反応条件については、反応温度は、通常−200〜200℃であり、好ましくは−78〜50℃である。温度が低すぎると、反応速度が低下し、反応時間が長くなる。温度が高すぎると、副反応の増加や塩化水素ガスの溶媒への溶解度が低下し、多量の塩化水素ガスが必要となり、好ましくない。反応圧力は、通常絶対圧力で0.01〜10MPa、好ましくは常圧〜1MPaである。圧力が低すぎると、塩化水素ガスの溶解度が低下し、反応時間が長くなる。圧力が高すぎると、特別の耐圧の装置が必要となり経済的でない。反応時間は、通常1分〜24時間、好ましくは30分〜5時間である。
目的とする反応生成物の精製については、蒸留、晶析、カラム分離などが採用可能であり、生成物の性状と不純物の種類により精製方法を選択すればよい。
(2)製造方法2
原料アルコールとジメチルスルホキシドを無水酢酸の共存下、混合・加熱し、(メチルチオ)メチルエーテル化合物を製造し(以上、前段工程)、得られた(メチルチオ)メチルエーテル化合物を塩化スルフリルと反応させ、目的の塩化メチルエーテル化合物を得る(以上、後段工程)方法である。
前段工程
ジメチルスルホキシドの量は、原料アルコール1モルに対して、通常1〜1,000モルである。
無水酢酸の量は、原料アルコール1モルに対して、通常1〜1,000モル、好ましくは2〜100モルである。溶媒はなくてもよいが、使用する場合、具体的には、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、THF等などのエーテル系溶媒;ジクロロメタン、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒が挙げられる。溶媒の量は、原料アルコールの濃度が1〜50質量%になる量でよい。
反応条件については、反応温度は、通常−200〜200℃であり、好ましくは−78〜50℃である。温度が低すぎると、反応速度が低下し、反応時間が長くなる。温度が高すぎると、副反応が増加し好ましくない。反応圧力は、通常絶対圧力で0.01〜10MPa、好ましくは常圧である。反応時間は、通常6時間〜14日間、好ましくは1〜7日間である。
後処理については、先ず反応混合液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぐ。攪拌しながら、固体の炭酸水素ナトリウムを発泡がなくなるまで加える。さらに水酸化ナトリウムとジエチルエーテルを加え、3時間〜3日間攪拌する。ジエチルエーテル層を分離後、水層を更にジエチルエーテルで抽出する。次いで、ジエチルエーテル溶液を混合し、乾燥後、ジエチルエーテルを留去し、粗生成物を得る。
反応生成物の精製については、蒸留、晶析、カラム分離などが採用可能であり、生成物の性状と不純物の種類により精製方法を選択すればよい。あるいは精製することなく、後段工程の反応に用いることができる。
後段工程
溶媒はなくてもよいが、使用する場合、具体的には、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、THF等などのエーテル系溶媒;ジクロロメタン、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒が挙げられる。溶媒の量は、(メチルチオ)メチルエーテル化合物濃度が1〜50質量%になる量でよい。
反応方法については、原液あるいは溶媒に溶解した(メチルチオ)メチルエーテル化合物を攪拌しながら、塩化スルフリルを滴下する方法を採用すればよい。
反応条件については、反応温度は、通常−200〜100℃であり、好ましくは−78〜30℃である。温度が低すぎると、反応速度が低下し、反応時間が長くなる。温度が高すぎると、副反応が増加し好ましくない。反応圧力は、通常絶対圧力で0.01〜10MPa、好ましくは常圧である。反応時間は、通常1分〜24時間、好ましくは30分〜5時間である。
後処理方法については、エバポレーションにより溶媒及び軽質の副生物を除去すればよい。
目的とする反応生成物の精製については、蒸留、晶析、カラム分離などが採用可能であり、生成物の性状と不純物の種類により精製方法を選択すればよい。
このようにして、本発明のアダマンタン誘導体[(モノハロゲン置換メチル)(アダマンチル基含有アルキル)エーテル類]を効率よく製造することができる。
得られた化合物の同定は、ガスクロマトグラフィー(GC)、液体クロマトグラフィー(LC)、ガスクロマトグラフィー質量分析(GC−MS)、核磁気共鳴分光法(NMR),赤外分光法(IR),融点測定装置などを用いて行うことができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
構造式
Figure 0004580165
で表される(クロロメチル)(1−アダマンチルメチル)エーテルの合成
塩化水素ガス導入用のノズルを取り付けた50ミリリットル容のナス型フラスコに入れ、そこへ1−アダマンチルメタノール1.66g(10ミリモル)、パラホルムアルデヒド0.60g(20ミリモル)、硫酸マグネシウム1.20g(10ミリモル)及び乾燥したジクロロメタン30ミリリットルを加え、氷浴で0℃に冷却、攪拌した。ここに、塩化ナトリウム10gと濃硫酸50ミリリットルを混合して発生させた塩化水素ガスをノズルを通して1時間吹き込んだ。さらに60分間攪拌後、硫酸マグネシウムをろ過した後、ガスクロ分析を行ったところ1−アダマンチルメタノールは完全に転化し、選択率94.5%で目的物が得られていることを確認した。塩化水素及びジクロロメタンを除去後、蒸留にて精製を行い、目的物1.87g(8.72ミリモル、収率87.2%)で目的物を単離した。
この化合物の分析結果を以下に示す。
・核磁気共鳴分光法(NMR):CDCl3
1H−NMR(500MHz):1.53(6H,f)、
1.64〜1.72(6H,d)、1.97(3H,e)、3.25(2H,b)、
5.50(2H,a)
13C−NMR(126MHz):28.18(e)、37.11(d or f)、
39.45(d or f)、33.49(c)、81.34(b)、84.25(a)
・赤外分光法(IR):2905cm-1(C−H;str.)、
1157cm-1(C−O−C;str.)、650cm-1(C−Cl;str.)
・沸点(bp):130〜133℃/0.7kPa
実施例2
構造式
Figure 0004580165
で表される(クロロメチル)(4−オキソ−2−アダマンチル)エーテルの合成
塩化水素ガス導入用のノズルを取り付けた1リットル容のセパラブルフラスコに攪拌装置を取り付け、そこへ4−オキソ−2−アダマンタノール50.0g(301ミリモル)、パラホルムアルデヒド13.6g(450ミリモル)、硫酸マグネシウム36.2g(300ミリモル)及び乾燥したジクロロメタン650ミリリットルを加え、氷浴で0℃に冷却、攪拌した。ここに、塩化ナトリウム300.7g(5モル)と濃硫酸700ミリリットルを混合して発生させた塩化水素ガスをノズルを通して1時間吹き込んだ。さらに3時間攪拌後、硫酸マグネシウムをろ過した後、ガスクロ分析を行ったところ4−オキソ−2−アダマンタノールは完全に転化し、選択率93.2%で目的物が得られていることを確認した。塩化水素及びジクロロメタンを除去後、蒸留にて精製を行い、目的物55.0g(256ミリモル、収率85.2%、GC純度98.8%)で目的物を単離した。
この化合物の分析結果を以下に示す。
・核磁気共鳴分光法(NMR):CDCl3
1H−NMR(500MHz):1.66〜1.69(m)、
1.75〜1.78(m)、1.89〜2.12(m)、2.20(m)、
2.25(m)、2.28(m)、2.40(dq,J=13.0Hz,2.8Hz)、
2.51(s)、2.54(s)、2.79(s)、
3.94(t,J=3.5Hz,1H,b2)、
4.31(q,J=2.7Hz,1H,b1)、5.52(s,2H,a1)、
5.55(dd,J=5.4Hz,17.6Hz,2H,a2
13C−NMR(127MHz):26.26(g1)、26.39(g2)、
29.98(f2 or h2 or j2 or k2)、30.95(i2)、
31.26(i1)、32.46(f2 or h2 or j2 or k2)、
32.98(f1 or h1 or j1 or k1)、
33.44(f2 or h2 or j2 or k2)、
34.99(f1 or h1 or j1 or k1)、
37.80(f1 or h1 or j1 or k1)、
38.68(f2 or h2 or j2 or k2)、
38.78(f1 or h1 or j1 or k1)、45.31(e2)、
46.18(e1)、50.52(c1)、51.07(c2)、79.69(b1)、
79.82(a2)、80.44(b2)、83.97(a1)、
213.86(d2)、214.96(d1
(なお、添字1は主異性体を表し、添字2は副異性体を表す。)
・ガスクロマトグラフィー質量分析(GC−MS):EI
216(M++2,2.9%)、214(M+,8.7%)、148(29.2%)、
79(100%)
・沸点:160〜161℃/0.2kPa








Claims (1)

  1. 一般式(V)
    Figure 0004580165
    [式中、Xはハロゲン原子を示し、nは1〜10の整数を示す]
    で表される構造を有することを特徴とするアダマンタン誘導体。

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