JP5105825B2 - 4−ヒドロキシ−2−アダマンタノン化合物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、2−アダマンタノン化合物から4−ヒドロキシ−2−アダマンタノン化合物を製造する方法に関する。
4−ヒドロキシ−2−アダマンタノン化合物は、ArFフォトレジスト材料のモノマー原料として有用である。
4−ヒドロキシ−2−アダマンタノンの製造方法としては、以下のような方法が知られている。
(1)下記反応式のように、4−オキサホモアダマンタン−5−オンを硫酸水溶液中で異性化反応させる方法(非特許文献1参照)。
Figure 0005105825
(2)下記反応式のように、(+)−エンド−ビシクロ[3.3.1]ノン−6−エン−3−カルボン酸と、無水酢酸およびトリフルオロボランエーテル錯体とを反応させる方法(非特許文献2参照)。
Figure 0005105825
(3)下記反応式のように、2−アダマンタノンとアジ化水素を、硫酸−酢酸溶媒中で反応させる方法(非特許文献3参照)。
Figure 0005105825
しかしながら、上記(1)の方法においては、目的物である4−ヒドロキシ−2−アダマンタノンは、2−アダマンタノンの酸化によって得られる4−オキサホモアダマンタン−5−オンという化合物を経由してのみ導かれるのであって、反応、精製の工程が複雑である。また、2−アダマンタノンの酸化と得られた4−オキサホモアダマンタン−5−オンの異性化反応とは、反応条件が異なるので、同じ反応器で連続して操作できないという煩雑さが課題である。
上記(2)の方法においては、原料の(+)−エンド−ビシクロ[3.3.1]ノン−6−エン−3−カルボン酸から合成する必要があり、工程数が多くなる。また、反応溶媒に発癌性のあるベンゼンを用いており、しかも、湿気に非常に敏感で毒性の高いトリフルオロボランエーテル錯体も用いているという課題がある。
上記(3)の方法においては、猛毒性、爆発性のあるアジ化水素を用いていること、および低収率であることが課題である。
従って、従来の4−ヒドロキシ−2−アダマンタノンの製造方法は、いずれの方法も、工業的な見地から優れた製造法とは言えない。
ジャーナル オブ ケミカル ソサイエティー (C)(J. Chem. Soc. (C)),第19版,1971年、p.3907 ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー(J. Org. Chem.),第43版,1978年,p.2232 ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー(J. Org. Chem.),第35版,1970年,p.4109
本発明の課題は、4−ヒドロキシ−2−アダマンタノン化合物を汎用原料から安全且つ効率良く製造することのできる方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、2−アダマンタノン化合物と過酸化物を、硫酸およびスルホン酸からなる群より選択される少なくとも1種の存在下、水溶媒中で反応させることにより、4−ヒドロキシ−2−アダマンタノン化合物を安全且つ効率良く製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記に示す通りの4−ヒドロキシ−2−アダマンタノン化合物の製造方法を提供するものである。
項1. 一般式(1);
Figure 0005105825
(式中、R、RおよびRは、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基を示す。)で表される2−アダマンタノン化合物と過酸化物を、硫酸およびスルホン酸からなる群より選択される少なくとも1種の存在下、水溶媒中で反応させることを特徴とする一般式(2);
Figure 0005105825
(式中、R、RおよびRは、前記と同様である。)で表される4−ヒドロキシ−2−アダマンタノン化合物の製造方法。
項2. スルホン酸がメタンスルホン酸であることを特徴とする項1に記載の方法。
項3. 反応により得られる4−ヒドロキシ−2−アダマンタノン化合物を含む粗生成物を、アルコールおよび水に溶解し、得られる溶液から、反応により副生する一般式(3);
Figure 0005105825
(式中、R、RおよびRは、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基を示す。)で表される4−オキサホモアダマンタン−5−オン化合物を芳香族溶媒で抽出除去することを特徴とする項1または2に記載の方法。
項4. 芳香族溶媒がトルエンおよびキシレンからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする項3に記載の方法。
項5. 反応により得られる4−ヒドロキシ−2−アダマンタノン化合物を含む粗生成物を、ハロゲン溶媒に溶解し、得られる溶液から、反応により副生する一般式(4);
Figure 0005105825
(式中、R、RおよびRは、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基を示す。)で表される6−ヒドロキシ−4−オキサホモアダマンタン−5−オン化合物をアルカリ水溶液で抽出除去することを特徴とする項1〜4のいずれかに記載の方法。
項6. ハロゲン溶媒がジクロロメタンおよびクロロホルムからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする項5に記載の方法。
項7. アルカリ水溶液中のアルカリが水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする項5または6に記載の方法。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、上記一般式(1)で表される2−アダマンタノン化合物は、公知のどのような方法で製造されたものでも良い。上記一般式(1)中、R、R、Rにおけるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素原子などが挙げられる。また、アルキル基としては、直鎖状でも分岐状でも良く、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル基などの炭素数1〜10のアルキル基が挙げられ、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。特に好ましいアルキル基として、メチル基およびエチル基、とりわけメチル基が挙げられる。
本発明に用いられる過酸化物としては、例えば、過酸化水素、過酢酸、トリフルオロ過酢酸、過安息香酸、m−クロロ過安息香酸、t−ブチルヒドロペルオキシドなどが挙げられ、過酸化水素を使用するのが好ましい。過酸化水素は、水溶液の状態で使用するのが好ましい。過酸化物の使用量は、上記一般式(1)で表される2−アダマンタノン化合物1モルに対して、1.0〜3.0モルが好ましく、1.0〜1.5モルがより好ましい。
本発明においては、硫酸およびスルホン酸からなる群より選択される少なくとも1種の存在下で反応が行われる。本発明に用いられるスルホン酸としては、特に制限はないが上記一般式(1)で表される2−アダマンタノン化合物を溶解するスルホン酸が好ましい。具体的には、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸などのスルホン酸が挙げられ、これらの中で特にメタンスルホン酸が好ましい。硫酸およびスルホン酸からなる群より選択される少なくとも1種の使用量は、上記一般式(1)で表される2−アダマンタノン化合物1重量部に対して、1〜35重量部であるのが好ましく、1〜20重量部であるのがより好ましい。
本発明に用いられる水の量は、上記一般式(1)で表される2−アダマンタノン化合物1重量部に対して、0.5〜20重量部であるのが好ましく、0.5〜10重量部であるのがより好ましい。
反応の際に、硫酸およびスルホン酸からなる群より選択される少なくとも1種と水とを混合するが、その混合比(重量比)は、硫酸およびスルホン酸からなる群より選択される少なくとも1種:水=5:95〜85:15であるのが好ましく、15:85〜80:20であるのがより好ましい。
上記一般式(1)で表される2−アダマンタノン化合物と過酸化物との反応の反応温度は、0〜150℃が好ましく、50〜110℃がより好ましい。反応温度が低すぎると反応速度が小さくなり、反応温度が高すぎると副生成物が多くなる。反応時間は、3.5〜50時間が好ましく、7〜35時間がより好ましい。効率良く反応を進行させるためには、反応温度および反応時間の条件設定を、反応の途中で変化させ、2段階で行うのが好ましい。第1段階では、反応温度は0〜70℃が好ましく、0〜60℃がより好ましく、反応時間は0.5〜10時間が好ましく、1〜5時間がより好ましい。第2段階では、反応温度は70〜150℃が好ましく、70〜110℃がより好ましく、反応時間は3〜40時間が好ましく、6〜30時間がより好ましい。
上記反応の終了後、室温まで冷却した後に、水を系内に加えるか、または水に反応溶液を加える。次いで、ハロゲン溶媒などで抽出し、分液して得られたハロゲン溶媒層を、脱湿、溶媒留去などの常法で処理することにより、4−ヒドロキシ−2−アダマンタノン化合物の粗生成物が得られる。
このようにして得られた粗生成物中には、反応で副生した、下記一般式(3);
Figure 0005105825
(式中、R、RおよびRは、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基を示す。)で表される4−オキサホモアダマンタン−5−オン化合物、および下記一般式(4);
Figure 0005105825
(式中、R、RおよびRは、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基を示す。)で表される6−ヒドロキシ−4−オキサホモアダマンタン−5−オン化合物が、不純物として含まれる。ここで、ハロゲン原子およびアルキル基は、前記と同様である。
粗生成物中に不純物として含まれる、上記一般式(3)で表される4−オキサホモアダマンタン−5−オン化合物は、粗生成物にアルコールおよび水を加えて4−ヒドロキシ−2−アダマンタノン化合物を溶解した後に、芳香族溶媒を加えて撹拌し、次いで分液して芳香族溶媒層を除去することにより、抽出除去される。この抽出除去操作を、必要に応じて1〜5回行う。
使用するアルコールは特に限定されないが、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、オクタノール、デカノールなどの炭素数1〜10のアルコールが挙げられ、炭素数1〜6のアルコールが好ましく、炭素数1〜4のアルコールがより好ましい。特に好ましいアルコールとして、メタノールおよびエタノールが挙げられる。アルコールの使用量は、粗生成物1重量部に対して、0.5〜30容量部であるのが好ましく、1〜20容量部であるのがより好ましい。水の使用量は、粗生成物1重量部に対して、1〜40容量部であるのが好ましく、1〜20容量部であるのがより好ましい。アルコールと水の混合比(容量比)は、粗生成物が溶解する限り特に限定されないが、アルコール:水=90:10〜10:90であるのが好ましい。
不純物の抽出に使用する芳香族溶媒は特に限定されないが、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどが挙げられ、特にトルエンおよびキシレンが好ましい。芳香族溶媒の使用量は、粗生成物1重量部に対して、1〜40容量部であるのが好ましく、1〜20容量部であるのがより好ましい。抽出温度(撹拌温度)は、0〜100℃であるのが好ましく、0〜50℃であるのがより好ましい。抽出時間(撹拌時間)は、5分間〜4時間であるのが好ましく、10分間〜2時間であるのがより好ましい。
芳香族溶媒層を除去した後のアルコール−水層から、アルコールおよび水を留去することにより、4−オキサホモアダマンタン−5−オン化合物が除去された4−ヒドロキシ−2−アダマンタノン化合物を得ることができる。
また、粗生成物中に不純物として含まれる、上記一般式(4)で表される6−ヒドロキシ−4−オキサホモアダマンタン−5−オン化合物は、粗生成物にハロゲン溶媒を加えて4−ヒドロキシ−2−アダマンタノン化合物を溶解した後に、アルカリ水溶液を加えて撹拌し、次いで分液してアルカリ水溶液層を除去することにより、抽出除去される。この抽出除去操作を、必要に応じて1〜5回行う。
使用するハロゲン溶媒は特に限定されないが、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロプロパンなどのハロゲン溶媒が挙げられ、ジクロロメタンおよびクロロホルムが好ましい。ハロゲン溶媒の使用量は、粗生成物1重量部に対して、1〜40容量部であるのが好ましく、3〜30容量部であるのがより好ましい。
不純物の抽出に使用するアルカリ水溶液中のアルカリとして、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウムなどが挙げられ、特に水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムが好ましい。アルカリ水溶液のアルカリ濃度は特に限定されないが、抽出効率およびアルカリの溶解度などから、1〜50重量%であるのが好ましく、10〜40重量%であるのがより好ましい。アルカリ水溶液の使用量は、粗生成物1重量部に対して、1〜40容量部であるのが好ましく、2〜30容量部であるのがより好ましい。抽出温度(撹拌温度)は、0〜100℃であるのが好ましく、0〜50℃であるのがより好ましい。抽出時間(撹拌時間)は、5分間〜4時間であるのが好ましく、10分間〜2時間であるのがより好ましい。
アルカリ水溶液層を除去した後のハロゲン溶媒層から、ハロゲン溶媒を留去することにより、6−ヒドロキシ−4−オキサホモアダマンタン−5−オン化合物が除去された4−ヒドロキシ−2−アダマンタノン化合物を得ることができる。
上記の除去方法により、粗生成物から4−オキサホモアダマンタン−5−オン化合物または6−ヒドロキシ−4−オキサホモアダマンタン−5−オン化合物を除去することができる。また、両方の除去方法を行うことにより、粗生成物から4−オキサホモアダマンタン−5−オン化合物および6−ヒドロキシ−4−オキサホモアダマンタン−5−オン化合物を除去することができる。その際には、どちらの除去を先に行ってもよい。
また、粗生成物をカラムクロマトグラフィーなどの常法を用いて精製することにより、粗生成物から4−オキサホモアダマンタン−5−オン化合物および6−ヒドロキシ−4−オキサホモアダマンタン−5−オン化合物を除去することができ、上記一般式(2)で表される4−ヒドロキシ−2−アダマンタノン化合物が得られる。
上記一般式(2)で表される4−ヒドロキシ−2−アダマンタノン化合物には、4位の水酸基について、下記式に示すような、アキシャル体およびエカトリアル体の異性体が存在する。本発明の方法においては、アキシャル体がエカトリアル体よりも多く得られる。
Figure 0005105825
本発明によれば、工業的に汎用される2−アダマンタノン化合物から、4−ヒドロキシ−2−アダマンタノン化合物を、安全且つ効率良く製造することができる。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されない。
実施例1
500mlフラスコに、2−アダマンタノン6g(39.9mmol)、水20gおよび97%硫酸55.1gを加え、35%過酸化水素水溶液4.27g(43.9mmol)を30〜60℃で滴下した。滴下終了後、50〜60℃で3時間反応を行った後に、90〜100℃で20時間反応を行った。反応終了後、室温まで冷却して水60mlを加え、クロロホルム(100ml×2回)で抽出し、得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100ml)、水(100ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱湿した。次いで、ろ過・濃縮乾固し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/n−ヘキサン=1:1)で精製することにより、4ax.−ヒドロキシ−2−アダマンタノン(アキシャル体)3.93g(収率59.2%)および4eq.−ヒドロキシ−2−アダマンタノン(エカトリアル体)0.71g(収率10.7%)を、いずれも白色粉末として得た。
・アキシャル体
H−NMR(CDCl):δ=4.18(s,1H),3.61(brs,1H),2.55(s,1H),2.38(s,1H),2.31(dd,J=12.9,1.7,1H),1.99−1.77(m,9H)
・エカトリアル体
H−NMR(CDCl):δ=3.86(s,1H),3.43(brs,1H),2.43(d,J=13.2,1H),2.23(d,J=12.7,1H),1.96−1.80(m,8H),1.63(d,J=13.2,1H),1.54(d,J=12.7,1H)。
実施例2
500mlフラスコに、2−アダマンタノン6g(39.9mmol)、水20gおよびメタンスルホン酸44.4gを加え、35%過酸化水素水溶液4.27g(43.9mmol)を30〜60℃で滴下した。滴下終了後、50〜60℃で3時間反応を行った後に、90〜100℃で24時間反応を行った。反応終了後、室温まで冷却して水60mlを加え、クロロホルム(100ml×2回)で抽出し、得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100ml)、水(100ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱湿した。次いで、ろ過・濃縮乾固し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/n−ヘキサン=1:1)で精製することにより、4ax.−ヒドロキシ−2−アダマンタノン(アキシャル体)2.73g(収率41.2%)および4eq.−ヒドロキシ−2−アダマンタノン(エカトリアル体)0.49g(収率7.3%)を、いずれも白色粉末として得た。
・アキシャル体
H−NMR(CDCl):δ=4.18(s,1H),3.61(brs,1H),2.55(s,1H),2.38(s,1H),2.31(dd,J=12.9,1.7,1H),1.99−1.77(m,9H)
・エカトリアル体
H−NMR(CDCl):δ=3.86(s,1H),3.43(brs,1H),2.43(d,J=13.2,1H),2.23(d,J=12.7,1H),1.96−1.80(m,8H),1.63(d,J=13.2,1H),1.54(d,J=12.7,1H)。
実施例3
100mlフラスコに、2−アダマンタノン12g(79.8mmol)、水10gおよび97%硫酸27.0gを加え、35%過酸化水素水溶液8.57g(87.9mmol)を30〜60℃で滴下した。滴下終了後、50〜60℃で3時間反応を行った後に、90〜100℃で22時間反応を行った。反応終了後、室温まで冷却して水30mlを加え、クロロホルム(60ml×3回)で抽出し、得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)、水(50ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱湿した。次いで、ろ過・濃縮乾固して4−ヒドロキシ−2−アダマンタノンの粗生成物固体10.2gを得た。この中に含まれる4−オキサホモアダマンタン−5−オンの含量は17%であった(GC分析)。
次いで、500mlフラスコに、上記で得られた粗生成物10.2g、メタノール90mlおよび水130mlを加えた。その混合溶液にトルエン100mlを加え、20〜30℃で30分間撹拌して抽出した後に、静置・分液して上層のトルエン層を除去した。この抽出除去操作をさらに2回行った後に、メタノール−水層を濃縮乾固することにより、4−ヒドロキシ−2−アダマンタノンの白色粉末7.7gを得た。この白色粉末中に4−オキサホモアダマンタン−5−オンは検出されなかった(GC分析)。
実施例4
100mlフラスコに、2−アダマンタノン12g(79.8mmol)、水10gおよび97%硫酸27.0gを加え、35%過酸化水素水溶液8.57g(87.9mmol)を30〜60℃で滴下した。滴下終了後、50〜60℃で4時間反応を行った後に、90〜100℃で21時間反応を行った。反応終了後、室温まで冷却して水30mlを加え、クロロホルム(60ml×3回)で抽出し、得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)、水(50ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱湿した。次いで、ろ過・濃縮乾固して4−ヒドロキシ−2−アダマンタノンの粗生成物固体9.6gを得た。この中に含まれる6−ヒドロキシ−4−オキサホモアダマンタン−5−オンの含量は4%であった(GC分析)。
次いで、300mlフラスコに、上記で得られた粗生成物9.6gおよびクロロホルム100mlを加えた。その混合溶液に12%水酸化ナトリウム水溶液75mlを加え、35〜45℃で30分間撹拌して抽出した後に、静置・分液して上層の水層を除去した。この抽出除去操作をさらに1回行った後に、クロロホルム層を濃縮乾固することにより、4−ヒドロキシ−2−アダマンタノンの白色粉末9.1gを得た。この白色粉末中に6−ヒドロキシ−4−オキサホモアダマンタン−5−オンは検出されなかった(GC分析)。
実施例5
100mlフラスコに、2−アダマンタノン12g(79.8mmol)、水10gおよび97%硫酸27.0gを加え、35%過酸化水素水溶液8.57g(87.9mmol)を30〜60℃で滴下した。滴下終了後、50〜60℃で3時間反応を行った後に、90〜100℃で21時間反応を行った。反応終了後、室温まで冷却して水30mlを加え、クロロホルム(60ml×3回)で抽出し、得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)、水(50ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱湿した。次いで、ろ過・濃縮乾固して4−ヒドロキシ−2−アダマンタノンの粗生成物固体9.6gを得た。この中に含まれる6−ヒドロキシ−4−オキサホモアダマンタン−5−オンの含量は4%であった(GC分析)。
次いで、300mlフラスコに、上記で得られた粗生成物9.6gおよびクロロホルム100mlを加えた。その混合溶液に10%水酸化カリウム水溶液75mlを加え、35〜45℃で30分間撹拌して抽出した後に、静置・分液して上層の水層を除去した。この抽出除去操作をさらに1回行った後に、クロロホルム層を濃縮乾固することにより、4−ヒドロキシ−2−アダマンタノンの白色粉末8.9gを得た。この白色粉末中に6−ヒドロキシ−4−オキサホモアダマンタン−5−オンは検出されなかった(GC分析)。
実施例6
200mlフラスコに、2−アダマンタノン24g(159.8mmol)、水20gおよび97%硫酸53.9gを加え、35%過酸化水素水溶液17.1g(175.8mmol)を30〜60℃で滴下した。滴下終了後、50〜60℃で3時間反応を行った後に、90〜100℃で24時間反応を行った。反応終了後、室温まで冷却して水30mlを加え、クロロホルム(120ml×3回)で抽出し、得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100ml)、水(100ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱湿した。次いで、ろ過・濃縮乾固して4−ヒドロキシ−2−アダマンタノンの粗生成物固体20.5gを得た。この中に含まれる4−オキサホモアダマンタン−5−オンの含量は19%であり、6−ヒドロキシ−4−オキサホモアダマンタン−5−オンの含量は3%であった(GC分析)。
次いで、上記で得られた粗生成物にメタノール180mlおよび水260mlを加えた溶液に、トルエン260mlを加え、20〜30℃で30分間撹拌して抽出した後に、静置・分液して上層のトルエン層を除去した。この抽出除去操作をさらに2回行った後に、メタノール−水層を濃縮乾固することにより、微褐色固体13.1gを得た。
次いで、この微褐色固体にクロロホルム120mlを加えた溶液に、12%水酸化ナトリウム水溶液75mlを加え、35〜45℃で30分間撹拌して抽出した後に、静置・分液して上層の水層を除去した。この抽出除去操作をさらに1回行った後に、クロロホルム層を濃縮乾固することにより、4−ヒドロキシ−2−アダマンタノンの白色粉末12.0g(収率45.2%)を得た(アキシャル体:エカトリアル体=4:1、H−NMR分析)。この白色粉末中に4−オキサホモアダマンタン−5−オンおよび6−ヒドロキシ−4−オキサホモアダマンタン−5−オンは検出されなかった(GC分析)。

Claims (7)

  1. 一般式(1);
    Figure 0005105825
    (式中、R、RおよびRは、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基を示す。)で表される2−アダマンタノン化合物と過酸化物を、硫酸およびスルホン酸からなる群より選択される少なくとも1種の存在下、水溶媒中で反応させることを特徴とする一般式(2);
    Figure 0005105825
    (式中、R、RおよびRは、前記と同様である。)で表される4−ヒドロキシ−2−アダマンタノン化合物の製造方法であって、
    前記過酸化物が過酸化水素、過酢酸、トリフルオロ過酢酸、過安息香酸、m−クロロ過安息香酸及びt−ブチルヒドロペルオキシドからなる群より選ばれる少なくとも1種である、4−ヒドロキシ−2−アダマンタノン化合物の製造方法
  2. スルホン酸がメタンスルホン酸であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 反応により得られる4−ヒドロキシ−2−アダマンタノン化合物を含む粗生成物を、アルコールおよび水に溶解し、得られる溶液から、反応により副生する一般式(3);
    Figure 0005105825
    (式中、R、RおよびRは、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基を示す。)で表される4−オキサホモアダマンタン−5−オン化合物を芳香族溶媒で抽出除去することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 芳香族溶媒がトルエンおよびキシレンからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. 反応により得られる4−ヒドロキシ−2−アダマンタノン化合物を含む粗生成物を、ハロゲン溶媒に溶解し、得られる溶液から、反応により副生する一般式(4);
    Figure 0005105825
    (式中、R、RおよびRは、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基を示す。)で表される6−ヒドロキシ−4−オキサホモアダマンタン−5−オン化合物をアルカリ水溶液で抽出除去することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. ハロゲン溶媒がジクロロメタンおよびクロロホルムからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. アルカリ水溶液中のアルカリが水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項5または6に記載の方法。
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